JP2000005135A - 水分蒸発量測定装置 - Google Patents

水分蒸発量測定装置

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JP2000005135A
JP2000005135A JP17364498A JP17364498A JP2000005135A JP 2000005135 A JP2000005135 A JP 2000005135A JP 17364498 A JP17364498 A JP 17364498A JP 17364498 A JP17364498 A JP 17364498A JP 2000005135 A JP2000005135 A JP 2000005135A
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temperature
humidity
amount
measured
absolute humidity
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JP17364498A
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Takeshi Hotta
武司 堀田
Toshiaki Noda
俊彬 野田
Yoshikazu Kobayashi
義和 小林
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NIKKISO YSI KK
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NIKKISO YSI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定体から蒸発する水分を精度良く、効率
良く容易に測定することができる水分蒸発量測定装置を
提供すること。 【解決手段】 開口部を有する金属製容器と、湿度セン
サ及び温度センサと、絶対湿度を算出する演算手段とを
備えることを特徴とする水分蒸発量測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分蒸発量測定装
置に関し、更に詳しくは、被測定体から蒸発する水分を
精度良く、効率良く容易に測定することができる水分蒸
発量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、例えば、葉の表面、皮膚面等の動植物の体表面、土
壌表面、道路等の路面、コンクリート面、壁面、塗装
面、各種工業製品等の外表面等(これら表面を有する物
体を被測定体と称することがある。)から蒸発する水分
の蒸発量を測定する水分蒸発量測定装置がある。
【0003】この蒸発量として具体的には、例えば、前
記被測定体の被測定表面における単位面積から単位時間
当たりに放出される水蒸気量等を測定して得られる蒸発
量(「水分蒸発量」と称することがある。)等を挙げる
ことができ、この蒸発量は、例えば、「g/m2 ・h
r」の単位で表示することができる。
【0004】前記蒸発量の測定方法としては、例えば、
ガス拡散による物質移動に関するフィックの法則を測定
原理として採用する方法、静止ガス(空気)中の水蒸気
における一方向拡散に関するステファンの法則を測定原
理として採用する方法等があった。
【0005】しかしながら、これらの方法においては、
(イ)前記フィックの法則又はステファンの法則のいず
れの法則を測定原理として採用しても、被測定表面にお
いて、法線方向の微少距離における水蒸気分圧の差を測
定しなければならないので、従来の湿度センサでは感度
が低く、前記水蒸気分圧の差を精度良く測定することが
困難であるという問題、(ロ)前記フィックの法則及び
ステファンの法則において適用される気体の拡散係数が
ガス温度と全圧の関数として変化するので、測定誤差が
増大してしまうという問題等があった。
【0006】更に言うと、前記フィックの法則を測定原
理として採用する方法として具体的には、例えば、両端
を開口する円筒体の内部に湿度センサ及び温度センサを
配置し、この円筒体の一端に開口する開口部を被測定表
面によって閉鎖し、この円筒体の他端に開口する開口部
を開口させた状態で蒸発量を測定する蒸発量測定装置等
があった。が、この円筒体を採用した蒸発量測定装置に
おいては、例えば、(ハ)前記他端側の開口部(他端側
開口部と称することがある。)を開口した状態で蒸発量
を測定するので、この他端側開口部を通じて、外部雰囲
気における空気の動き、気流の乱れ等が蒸発量の測定に
影響を与えてしまって、測定誤差を生じてしまうという
問題、(ニ)前記湿度センサ及び温度センサの感度を高
めれば高めるほど、外部雰囲気における空気の動き、気
流の乱れ等に起因する測定誤差が著しくなってしまうと
いう問題、(ホ)直射日光に起因する空気の対流によっ
ても測定誤差を生じてしまうという問題、(ヘ)外部雰
囲気における空気の動き、気流の乱れ等に起因する測定
誤差を回避することを目的として、例えば、無風状態の
雰囲気中で測定を行わなければならないという問題(測
定者が移動するだけで雰囲気が乱れるのであるから、次
に述べるように特別の工夫をしない限り、この問題は事
実上解決不可能である。)、(ト)無風状態の雰囲気を
実現するには、例えば、外部雰囲気における空気の動
き、気流の乱れ等の影響を受けないように、前記円筒体
を採用した蒸発量測定装置と被測定体とを、所定のケー
ス、箱等に収容しなければならないという問題等があっ
た。
【0007】よって、従来から、例えば、外部雰囲気に
おける空気の動き、気流の乱れ等に起因する測定誤差等
を生じることがなく、被測定体から蒸発する水分を精度
良く測定することができ、水分蒸発量をより効率良く、
容易に測定することができる水分蒸発量測定装置が望ま
れている。
【0008】そうした要望に応じることを目論んだ装置
として例えば、特公平7−79798号公報に記載され
た「局所発汗量連続測定装置」をあげることができる。
この局所発汗量連続測定装置は、「皮膚面に着接される
面に開口部が形成され、皮膚面より放散する湿水分をそ
の開口部から流入させるとともに、その皮膚着接面とほ
ぼ直角をなす面に明けられた空気流入穴から除湿空気を
流入させ、前記湿水分と除湿空気とを拡散混合させる前
室と、その前室で湿水分と除湿空気とが拡散混合された
拡散混合気湿を小穴を介して流入させ拡散させた後にそ
の拡散混合気湿を外部に流出させる流出穴が明けられた
後室とを有するカプセルと、前記後室に配設されて前記
拡散混合気湿の相対湿度を検出する湿度センサと、前記
後室に配設されてその後室の温度を検出する温度センサ
と、前記後室の外側に配置され、前記湿度センサを発振
回路定数とする湿分検出発振器と、その湿分検出発振器
と同一の温度特性を有してその湿分検出発振器に近接配
置され、その湿分検出発振器の温度補償するダミー発振
器と、前記湿分検出発振器及びダミー発振器の発振出力
信号に基づいてカプセル及び周囲温度変動を差動演算し
たうえ、温度補償された相対湿度と前記温度センサによ
る検出温度とに基づいて絶対湿度を演算し、それを発汗
量として連続的に表示する演算表示手段と、を備えたこ
とを特徴とする」(前記特公平7−79798号公報に
記載の特許請求の範囲を参照)。
【0009】簡単に言うと、この局所発汗量連続測定装
置は、皮膚に着接するカプセル内に乾燥空気を送り込
み、カプセル内に送り込まれた乾燥空気に拡散した湿水
分(汗)を測定しようとする。
【0010】しかしながら、このような局所発汗量連続
測定装置にあっては、カプセルの構造が複雑であり、ま
た除湿装置が必要になる等、装置が複雑になっていると
言う問題がある。
【0011】このような局所発汗量連続測定装置の外
に、特開平9−47433号公報に記載された発汗量連
続測定装置、特開平10−57322号公報に記載され
た局所発汗顕微プローブ、特開平9−140674号公
報に記載された局所発汗量測定装置等があるが、いずれ
も装置構成が複雑であること、発汗量の正確な測定に限
界がある等の問題がある。
【0012】また、被測定体である皮膚表面にチャンバ
ーを密着させ、直後の相対湿度と温度とを記録し、その
結果から絶対湿度の増加率を求め、較正直線から汗の蒸
発量を換算する方法、例えば無換気カプセル法も知られ
ている。この方法に使用されるチャンバーには内部の雰
囲気を攪拌するファンが取り付けられている。したがっ
て、この方法に使用される装置も、チャンバー内部を攪
拌する特別の小型のファンを必要とし、小型化すること
ができないという問題点がある。
【0013】しかも、これらの方法の最大の問題点は、
測定しようとする被測定体の表面に強制的に気流を流し
ているので、被測定体の表面は測定しようとする状態と
は異なった状態になってしまうことにある。すなわち、
被測定体の表面が気流により更新されてしまい、測定し
ようとする状態ではない状態での蒸発量を測定している
ことになるのである。
【0014】本発明は、従来からのこういった諸問題を
解決することを目的とする。
【0015】本発明の目的は、被測定体から蒸発する水
分を精度良く測定することができる水分蒸発量測定装置
を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、被測定体から蒸発す
る水分を効率良く容易に測定することができる水分蒸発
量測定装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、開口部を有する金属製容器と、前記金属製容
器内に配置される湿度センサ及び温度センサと、前記湿
度センサ及び温度センサが出力した相対湿度データ及び
温度データに基づいて、被測定体から蒸発する水分量を
時間に対する絶対湿度の変化量を算出し、水分蒸発量を
求める演算手段とを備えることを特徴とする水分蒸発量
測定装置であり、前記水分蒸発量測定装置の好適な態様
においては、前記演算手段は、(dH/dt)t=0 {た
だし、Hは絶対湿度(g/m3)、tは時間(hr)を
表す。}より求めた(1/Ta)・(Hs−H0){ただ
し、TaはV/Aであり、このVは容器内部の空間の容
積(m3)であり、Aは比例定数(m3/hr)である。
また、Hsは飽和絶対湿度(g/m3)であり、H0は時
間(hr)が0であるときの絶対湿度(g/m3)であ
る。}とV/S{ただし、Vは金属製容器の容積
(m3)、Sは開口部における開口面積(m2)を表
す。}との積から、水分蒸発量{(V/S)・(dH/
dt)t=0 }(g/m2・hr){ただし、Vは金属製
容器の容積(m3)、Sは開口部における開口面積
(m2)を表す。}を求める水分蒸発量演算手段であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】(一般的説明)本発明の水分蒸発
量測定装置は、金属製容器と、湿度センサ及び温度セン
サと、演算手段とを備える。
【0019】−金属製容器− 本発明における金属製容器は、被測定体にあてがう開口
部を有し、その開口部以外は閉塞された容器を採用する
ことができる。
【0020】したがって、この金属製容器においては、
前記開口部を被測定体における被測定表面よって閉鎖す
ることができ、前記被測定表面で前記開口部を閉鎖する
ことにより、前記金属製容器内に、水分蒸発量を測定す
る閉鎖空間を形成することができる。
【0021】前記金属製容器の形態、前記開口部の形状
等は、前記閉鎖空間を形成することができれば特に制限
はなく、被測定体の形態、被測定表面の形状等に応じて
適宜に決定することができる。
【0022】前記金属製容器の形態として具体的には、
例えば、筒状体における一端側開口部を前記開口部とし
て有し、この筒状体における他端側開口部を閉鎖してな
る他端側閉鎖筒状体、及び柱状体における一端面に開口
部を有するように凹陥部を形成してなる凹陥部形成柱状
体等を挙げることができる。なお、前記柱状体と言って
も、前記柱状体には、その直径がその高さよりも大きく
て円盤状である円盤体をも含む。
【0023】本発明においては、前記金属製容器と被測
定体とで前記閉鎖空間を形成することにより、金属製容
器の外部雰囲気とその内部雰囲気とを遮断することがで
き、外部雰囲気における空気の動き、気流の乱れ等に起
因する測定誤差等を生じることがない。
【0024】本発明において、容器を金属製に限定する
のは、熱伝導性が良好であるからである。熱伝導性の良
好な容器を採用することにより、例えば被測定体の熱が
容器全体に迅速に伝導されることにより、この容器内の
雰囲気を迅速に被測定体の温度に近づけることができる
からであり、しかも容器内を均一に加熱することができ
るので精度良く測定することができるからである。ま
た、金属製容器内の水分量を被測定体と同じか、殆ど近
似する温度で測定することが望ましいので、金属製容器
内の雰囲気の温度を少なくとも測定期間中において所定
温度に維持する必要がある。そうすると、金属製容器は
大きな熱容量を有していることが有利になる。
【0025】このような観点よりすると、前記金属製容
器の材質としては、例えば、銅(熱容量24.5KJ/
K・mol、熱伝導率398W/m・K)、アルミニウ
ム(熱容量24.3KJ/K・mol、熱伝導率237
W/m・K)、真鍮等を挙げることができる。
【0026】前記金属製容器の材質として、例えば、
銅、アルミニウム、真鍮等の熱伝導率の良好な金属を採
用することにより、例えば、前記金属製容器を被測定体
に接触させた場合に、この金属製容器の温度TV (以
下、「容器温度」と称することがある。)、及び、前記
金属製容器と被測定体とで形成される前記閉鎖空間内の
温度TI (以下、「閉鎖空間内温度」と称することがあ
る。)を、被測定体の温度TS (以下、「被測定体温
度」と称することがある。)に、短時間のうちに測定可
能な状態に近づけることができる。
【0027】本発明においては、水分蒸発量を測定する
場合に、前記容器温度TV と前記被測定体温度TS
は、経験から求められた結論として、TS −5≦TV
S +5の関係を満足するのが好ましく、前記閉鎖空間
内温度TI と前記被測定体温度TS とがTS −5≦TI
≦TS +5の関係を満足するのが好ましい。
【0028】本発明においては、特に、後述する湿度セ
ンサ及び温度センサが動作している間において、前記閉
鎖空間内温度TI と前記被測定体温度TS とがTS−5
≦TI ≦TS +5の関係を満足していると、被測定体か
ら蒸発する水分をより精度良く測定することができる。
【0029】本発明の水分蒸発量測定装置には、前記閉
鎖空間内の温度を調節する閉鎖空間内温度調節手段を設
けても良い。特に、被測定体と閉鎖空間内との温度差が
大きいことは誤差の原因になるので、このような閉鎖空
間内温度調節手段は有用である。
【0030】前記閉鎖空間内温度調節手段としては、前
記閉鎖空間内を加熱することができる加熱手段、前記閉
鎖空間内を冷却することができる冷却手段、加熱手段の
機能及び冷却手段の機能を併せ持ち、閉鎖空間内を任意
に加熱し、また冷却することのできる加熱冷却手段等を
挙げることができる。
【0031】前記加熱手段として電気ヒータを挙げるこ
とができ、前記加熱冷却手段としては、例えば、加熱と
冷却とを一つのデバイスで実現することのできる市販の
サーモモジュール等を利用することができる。
【0032】−湿度センサ及び温度センサ− 本発明における湿度センサ及び温度センサは、前記金属
製容器内に配置される。
【0033】前記湿度センサ及び温度センサは、少なく
とも一対の湿度センサ及び温度センサ(「1個の湿度セ
ンサ及び1個の温度センサ」と言い換えることもでき
る。)であっても良いし、湿度センサ及び温度センサを
一体化してなる温湿度センサであっても良い。
【0034】前記湿度センサ及び温度センサとして具体
的には、例えば、静電容量変化型及び抵抗変化型等の相
対湿度センサ、絶対湿度センサ、及びサーミスタ等を挙
げることができる。
【0035】絶対湿度を求める方法については、直接に
抵抗変化から絶対湿度を求める方法もある。しかし、直
接に絶対湿度を求める方法では、回路が複雑なだけでな
く、測定の際に測定原理に係わる自己発熱により金属製
容器内の状態に変化をもたらすので、実際上、正確な水
分蒸発量を測定することが難しい。たとえ測定すること
ができたとしても、ばらつきによる測定誤差が大きい。
また、抵抗型相対湿度センサも測定誤差が大きい。した
がって、静電容量型の相対湿度センサが、測定精度等の
観点からもっとも好ましく、現在の技術水準からはこれ
を採用して絶対湿度を算出するのが好ましい。
【0036】−演算手段− 本発明における演算手段は、前記湿度センサ及び温度セ
ンサが出力した相対湿度データ及び温度データに基づい
て絶対湿度を算出する。
【0037】前記演算手段は、例えば、前記閉鎖空間内
の相対湿度RHを測定し、この閉鎖空間内の温度におけ
る飽和蒸気の絶対湿度(以下、「飽和絶対湿度」と称す
ることがある。)HS と、前記相対湿度RHとの積によ
って、絶対湿度Hを算出することができるように、形成
される。
【0038】また、例えば静電容量型の湿度センサーと
例えばサーミスタなどの温度センサーを採用する場合
に、相対湿度はRH=f/fs(ただし、RHは相対湿
度(%)を示し、fは水蒸気の量(mg/L)(ただ
し、Lは空気1リットルを示す。)で示される、fsは
同じ温度における飽和水蒸気量(mg/L)を示す。)
で示され、このfsは、fs=Psat/{0.945
×[1+T/273]}で示される。ただし、このPs
atは飽和蒸気圧(mmHg)であり、Tは温度(℃)
を示す。また、PsatとTとには、Log10sat=A−
{B/(C+T)}の関係が成立する。このA、B及び
CはTの関数であり、一定の関係があるので、測定温度
Tが分かるとA、B及びCが既知であるから、絶対湿度
を算出することができる。、前記相対湿度RH、前記相
対湿度RHの変化率、前記絶対湿度H、前記絶対湿度H
の変化率、後述する(dH/dt)t=0 、(V/S)・
(dH/dt)t=0等のデータを記憶することができる
メモリ部を設けることができる。
【0039】前記演算手段としては、(dH/dt)
t=0 {ただし、Hは絶対湿度(g/m 3)、tは時間
(hr)を表す。}より求めた(1/Ta)・(Hs
0){ただし、TaはV/Aであり、このVは容器内
部の空間の容積(m3)であり、Aは比例定数(m3/h
r)である。また、Hsは飽和絶対湿度(g/m3)で
あり、H0は時間(hr)が0であるときの絶対湿度
(g/m3)である。}とV/S{ただし、Vは金属製
容器の容積(m3)、Sは開口部における開口面積
(m2)を表す。}との積から、水分蒸発量{(V/
S)・(dH/dt)t=0 }(g/m2・hr){ただ
し、Vは金属製容器の容積(m3)、Sは開口部におけ
る開口面積(m2)を表す。}を求める水分蒸発量演算
手段を挙げることができる。
【0040】前記演算手段における水分蒸発量演算手段
による演算処理の一例を以下に示す。
【0041】蒸発量Mは、温度tにおける測定された絶
対湿度Hと、その温度における飽和絶対湿度HS との差
にほぼ比例することを仮定すると、下記式(1) の関係が
成り立つ。
【0042】M=A・{HS −H(t)}・・・・(1) したがって、式(1)より次式(2)となる。
【0043】 M=A・{HS −(1/V)・∫Mdt}・・・・(2) (2)式より、これを解くと、H(t)=H0+(Hs
0)・(1−ε(-t/Ta))となり、これは更に、次式
(3)となる。
【0044】 H(t)=Hs−(Hs−H0)・ε(-t/Ta))・・・・・・(3) 式(1)と式(3)とから、次式(4)が導かれる。
【0045】 M=A・{(Hs−H0)・ε(-t/Ta)}・・・・・・・・(4) 前記式(3)式より、両辺を微分して、式(5)が導かれる。
【0046】 (dH/dt)t=0=(1/Ta)・(Hs−H0)=(A/V)・(Hs−H0 )・・・・・・・・・・(5) この式(4)及び式(5)より、以下の式(6)が導かれる。
【0047】 M=V・(dH/dt)t=0 ・・・・・・・・・・(6) よって、単位面積当たりの蒸発量M/S(g/m2・h
r)は、次式(7)にて示される。
【0048】 M/S=(V/S)・(dH/dt)t=0 ・・・・・・・・・・(7) この(V/S)・(dH/dt)t=0 から水分蒸発量を
求めるのであるが、実際に測定したグラフ上でt=0
(グラフにおける立ち上がり点)を正確に求めることが
できないときには、t=0の時点そのものを求めるので
はなく、次式(8)が成立することを考慮して、(dH/
dt)maxを求めるのが良い。
【0049】 (dH/dt)t=0 =(1/k)・(dH/dt)max ・・・・・(8) なお、(dH/dt)max は、t=0付近おける(dH
/dt)の最大値を示す。式(8)において、kは定数
(k<1)であり、理論的に求めることができる。
【0050】このようにして、(dH/dt)t=0 とし
て(1/k)・(dH/dt)maxを求め、水分蒸発量
を求めることができる。前記演算手段には、例えば、温
度データ、湿度データ、飽和絶対湿度HS 、相対湿度R
H、相対湿度RHの変化率、絶対湿度H、絶対湿度Hの
変化率、(dH/dt)t=0 、(V/S)・(dH/d
t)t=0 等のデータを表示することができるモニタ部を
設けることができる。
【0051】前記演算手段として具体的には、例えば、
コンピュータ、CPU等を採用することができる。
【0052】(具体的説明)以下、図面を参照しながら
本発明を詳細に説明する。
【0053】図1に示すように、本発明の水分蒸発量測
定装置1は、金属製容器2と、湿度センサ3及び温度セ
ンサ4と、演算手段5と、閉鎖空間内温度調節手段(図
示せず)とを備える。
【0054】前記金属製容器2は、一例として、円筒部
2Aと、この円筒部2Aにおける一端側に開口する開口
部2Cと、この円筒部2Aにおける他端側を閉鎖する蓋
部2Bとを有し、その容器内壁面と被測定体6とで閉鎖
空間7を形成することができる。
【0055】前記金属製容器2は、前記円筒部2Aにお
ける外径が20mm、前記円筒部2Aにおける内径が1
0mm、前記円筒部2Aにおける軸線方向長さが25m
mになるように形成されてなる。
【0056】前記湿度センサ3及び温度センサ4は、前
記金属製容器2内に配置され、前記閉鎖空間7内の相対
湿度及び温度を測定することができる。
【0057】前記演算手段5は、前記湿度センサ3及び
温度センサ4が出力した相対湿度データ及び温度データ
に基づいて絶対湿度を算出することができ、さらに、算
出された絶対湿度に基づいて(dH/dt)t=0 (ただ
し、Hは絶対湿度、tは時間を表す。)より求めた(1
/Ta)・(Hs−H0)とV/Sとの積から、(V/
S)・(dH/dt)t=0 (ただし、Vは金属製容器の
容積、Sは開口部における開口面積を表す。)を求める
水分蒸発量演算手段(図示せず)と、相対湿度データ、
温度データ、絶対湿度データ、(dH/dt)t=0 デー
タ、(V/S)・(dH/dt)t=0 データ等のデータ
を記憶するメモリ部5Aと、前記データを表示するモニ
タ部5Bとを有する。
【0058】前記閉鎖空間内温度調節手段は、前記閉鎖
空間7内の温度を所定の温度に調節することができる。
【0059】<閉鎖空間内温度の調節例>一例として、
被測定体6の温度が37℃、前記閉鎖空間7内の温度が
25℃、前記金属製容器2における熱的時定数が10
分、一回の測定に要する時間(「一回の測定に要する湿
度センサ3及び温度センサ4の動作時間」と言い換える
こともできる。)が5分である場合において、測定を開
始してから5分経過した後の前記閉鎖空間7内の温度θ
は、θ=25+(37−25)・ε-(5/10) の計算式に
よって求めることができ、測定を開始してから5分経過
した後の前記閉鎖空間7内の温度θは32.3℃であ
る。
【0060】よって、この閉鎖空間内温度の調節例にお
いては、測定を開始する直前に前記閉鎖空間7内の温度
を37℃に昇温しておけば、測定中に前記閉鎖空間7内
を加熱する必要がない。
【0061】<蒸発量の実測> (1) 生後10日目の新生児の前額部における水分蒸発
量を他の計測器を使用して測定したところ、以下のデー
タを得た。
【0062】測定時の体温:37℃、 周囲温度:34℃、 相対湿度:80‰、 絶対湿度:30g/m3 、 水分蒸発量:6.5g/m2 ・hr (2) 本発明に係る水分蒸発量測定装置を使用する場合
においても、被測定体(前額部)の温度が37℃、前記
閉鎖空間7内の温度が34℃、相対湿度が80%(30
℃)、前記閉鎖空間7の内容積Vは1.58×10-6
3 、前記開口部2Cにおける開口面積Sは(π/4)×
10-42 である。よって、V/Sは2×10-2 であ
る。
【0063】実測した(1/k)・(dH/dt)max
は302g/m3・hrであった。
【0064】故に、単位面積当たりの蒸発量は、302
×2×10-2 =6.04g/m2・hrであった。
【0065】本発明に係る水分蒸発量測定装置で測定し
て得られた水分蒸発量の値は、他の計測記を用いて得ら
れた水分蒸発量の値に対し、7%([6.5−6.0
4]/6.5)の相違がある。本願発明に係る水分蒸発
量測定装置においては、被測定体の状態に変化をもたら
していないので、充分に正確な値であり、従来の他の計
測器で測定された値とも大きく相違しないので、充分に
実用的であり得る。
【0066】
【発明の効果】本発明の水分蒸発量測定装置は、例え
ば、外部雰囲気における空気の動き、気流の乱れ等の影
響を受けない閉鎖空間内において測定を行なうこと等が
できるので、被測定体から蒸発する水分を精度良く測定
することができ、また、例えば、熱伝導性の良好な金属
製容器を採用すること等により、水分蒸発量をより効率
良く、容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水分蒸発量測定装置の一実施
例を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・水分蒸発量測定装置、2・・・金属製容器、2
A・・・円筒部、2B・・・開口部、2C・・・蓋部、
3・・・湿度センサ、4・・・温度センサ、5・・・演
算手段、5A・・・メモリ部、5B・・・モニタ部、6
・・・被測定体、7・・・閉鎖空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 義和 東京都武蔵野市西久保三丁目2番25号 日 新ハイツ 日機装ワイエスアイ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する金属製容器と、前記金属
    製容器内に配置される湿度センサ及び温度センサと、前
    記湿度センサ及び温度センサが出力した相対湿度データ
    及び温度データに基づいて、被測定体から蒸発する水分
    量を時間に対する絶対湿度の変化量を算出し、水分蒸発
    量を求める演算手段とを備えることを特徴とする水分蒸
    発量測定装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、(dH/dt)
    t=0 {ただし、Hは絶対湿度(g/m3)、tは時間
    (hr)を表す。}より求めた(1/Ta)・(Hs
    0){ただし、TaはV/Aであり、このVは容器内
    部の空間の容積(m3)であり、Aは比例定数(m3/h
    r)である。また、Hsは飽和絶対湿度(g/m3)で
    あり、H0は時間(hr)が0であるときの絶対湿度
    (g/m3)である。}とV/S{ただし、Vは金属製
    容器の容積(m3)、Sは開口部における開口面積
    (m2)を表す。}との積から、水分蒸発量{(V/
    S)・(dH/dt)t=0}(g/m2・hr){ただ
    し、Vは金属製容器の容積(m3)、Sは開口部におけ
    る開口面積(m2)を表す。}を求める水分蒸発量演算
    手段である前記請求項1に記載の水分蒸発量測定装置。
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