JP2000004118A - ミリ波帯アンテナ装置 - Google Patents

ミリ波帯アンテナ装置

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JP2000004118A
JP2000004118A JP10168000A JP16800098A JP2000004118A JP 2000004118 A JP2000004118 A JP 2000004118A JP 10168000 A JP10168000 A JP 10168000A JP 16800098 A JP16800098 A JP 16800098A JP 2000004118 A JP2000004118 A JP 2000004118A
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wave band
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antenna
millimeter
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JP10168000A
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Kenichi Kakizaki
健一 柿崎
Hiroyuki Omine
裕幸 大嶺
Tetsuo Haruyama
鉄男 春山
Akira Yokofuji
明 横藤
Izuru Naito
出 内藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミリ波帯を用いたレーダシステムあるいは通
信システムにおいて、基地局のアンテナ装置にコセカン
ト2乗カーブの指向特性を有するアンテナ装置を用いた
場合、ミリ波帯では大気減衰が大きいので、基地局と一
定の高度差である地点に対する照射電力レベルが一定と
ならない問題点があった。 【解決手段】 基地局のアンテナとして、伝搬距離によ
る減衰と大気減衰による損失とを補償するような指向特
性を有するアンテナ装置を用いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は大気減衰の大きい
ミリ波を用いたレーダシステムにおいて、レーダ装置の
基地局用アンテナ装置に関するものである。あるいは、
この発明は大気減衰の大きいミリ波を用いた通信システ
ムにおいて、基地局と子局との間で無線通信を実施する
場合の基地局のアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ここでは説明の便宜上、レーダ装置のア
ンテナ装置についてまず説明する。従来、空港監視レー
ダ用アンテナ装置においては、同一の高度をもつ航空機
からの反射波が距離と無関係に一定レベルとなるように
垂直面内の指向特性はコセカント2乗特性とされてい
た。この空港監視レーダについては、例えば、電子情報
通信学会編「アンテナ工学ハンドブック」p176〜1
78およびp207およびp343〜344に詳述され
ている。
【0003】図11(a)はこのシステムを表してお
り、図において1は空港監視レーダ装置、2はアンテ
ナ、3はレーダの目標物である飛行物体、4はアンテナ
2から放射される等電力面を示すコンターを示す。ま
た、図11(b)はアンテナ2の垂直面の電波の模式図
であり、図において5は指向特性、6は一定高度の飛行
物体3までの距離による空間伝搬損失を示し、上記指向
特性5から上記空間伝搬損失6を減じたものが、上記飛
行物体3での等電力面4である。
【0004】次に動作について説明する。図11(a)
において、水平面からの仰角をθ、飛行高度をHとすれ
ば、レーダ1と飛行物体3との距離RはH×cosec
θとなり、レーダ受信電力Pr はPr =K1 ×G2
(θ)/R4 となる。ここでK1はレーダの形式による
定数である。ここで、アンテナ2の垂直面指向性パター
ンG(θ)を定数K2 と前記仰角θを用いて、G(θ)
=K2 ×cosec2 θとすれば、前記受信電力Pr
は、Pr =K1 ×K2 2cosec4 θ/(H4 ×cos
ec4 θ)=K1 ×K2 2/H4 となり、同一高さの飛行
物体からの反射波の受信電力Pr は距離と無関係に同一
レベルとなる。すなわち、図11(b)に示すアンテナ
2から一定高度の飛行物体3に至る片道の電波について
みると、アンテナ2の指向特性5と距離による空間伝搬
損失6とがちょうど打ち消しあい、上記飛行物体3が一
定高度であれば仰角θによらず常に等電力面4が得ら
れ、その結果としてレーダ受信電力Pr は一定高度であ
れば一定となり、伝搬距離と無関係になる。
【0005】厳密には上記受信電力Pr には距離の2乗
の常用対数に比例する距離による空間伝搬損失のほか
に、酸素分子と水蒸気分子の共鳴吸収による大気減衰を
考慮しなければならない。この大気減衰に関しては電子
情報通信学会編「アンテナ工学ハンドブック」p587
〜588、あるいは日刊工業新聞社「電波技術ハンドブ
ック」p71〜72に詳述されている。この酸素分子及
び水蒸気分子による減衰量を図12に示す。図において
7は水蒸気分子による吸収、8は酸素分子による吸収を
示す。従来の空港監視用レーダ用アンテナ装置ではS帯
の周波数を用いており、大気減衰量は0.006dB/
km以下と無視できるほど微少であるため、考慮してい
ないものである。
【0006】また、上記アンテナ2と飛行物体3との間
の電波伝搬損失は、上記距離による空間伝搬損失及び大
気減衰による損失のほかに、降雨時の降雨減衰による損
失が存在する。この降雨減衰の周波数特性に関しては電
子情報通信学会編「アンテナ工学ハンドブック」p59
3〜594、あるいは日刊工業新聞社「電波技術ハンド
ブック」p72〜73に詳述されており、これを図13
に示す。図において9は降雨強度に対する減衰係数を示
す。従来の空港監視用レーダ用アンテナ装置ではS帯の
周波数を用いており、日本放送協会編「最新気象用語ハ
ンドブック」による通称「非常に激しい雨」(=50m
m/h)のときでも0.01dB/km以下の減衰量で
あり、受信電力への寄与は充分小さくなっており、特に
考慮していないものである。
【0007】また、図14(a)は前記文献にしめされ
ているアンテナ2の構成の一例を示す図であり、一次放
射器10、反射鏡11とから構成される。反射鏡11は
2重曲面となるように整形することで、一次放射器10
から放射される電力束と反射鏡11で反射された電力束
とを制御しコセカント2乗特性の指向特性を得るもので
ある。また、図14(b)はアンテナ2の構成の別の例
を示す図であり、一次放射器10a、10b、10cお
よび反射鏡11とから構成される。各一次放射器10
a、10b、10cの励振電力を適当に設定することに
より、複数個の一次放射器の合成ビームがコセカント2
乗特性の指向特性となるようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ミリ波帯、
特に60GHz帯付近では前記文献及び図12によれ
ば、約15dB/kmの大気減衰量となり、従来のコセ
カント2乗特性の指向特性を有するアンテナ装置と同様
の構成でミリ波帯のアンテナ装置を構成した場合、レー
ダの受信電力Pr を求める際には特に目標物が遠距離で
あると大気減衰によるレベル低下が無視できなくなり、
一定高度であっても目標物の距離により受信電力Pr
変化してしまう問題点があった。
【0009】また、例えば路上から路面を見下ろすよう
な指向特性を有する基地局のアンテナ装置を用いて路車
間通信を行うような通信システムにおいて、従来のコセ
カント2乗特性の指向特性を有するアンテナ装置と同様
の構成でミリ波帯のアンテナ装置を構成した場合、大気
減衰によるレベル低下が無視できなくなり、車両での受
信レベルが基地局との距離によって変動してしまう問題
点があった。
【0010】また、上記のレーダシステムあるいは通信
システムが、霧発生時、降雨時、降雪時等の悪天候下で
の使用を目的とした場合には、図13に示すようにミリ
波帯では降雨減衰による損失が無視できないので、従来
のコセカント2乗特性の指向特性のままでは、悪天候に
なるほど遠距離での性能が劣化してしまう問題点があっ
た。
【0011】この発明はこのような課題を解決するため
のものであり、以下に詳述する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、第1の発明によるミリ波帯アンテナ装置は、ア
ンテナ指向特性を距離による伝搬損失と大気減衰とによ
る損失との二要素を補償するような指向特性となるよう
に構成したものである。
【0013】また、第2の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記指向特性を得るために、1枚あるいは複数
枚の2次曲面鏡と複数個の一次放射器とにより構成した
ものである。
【0014】また、第3の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記指向特性を得るために、1枚の修整曲面反
射鏡と1個の一次放射器とにより構成したものである。
【0015】また、第4の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記指向特性を得るために、複数枚の修整曲面
反射鏡と1個の一次放射器とにより構成したものであ
る。
【0016】また、第5の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記指向特性をもつマルチビームアンテナを得
るために、1枚あるいは複数枚の修整曲面反射鏡と複数
個の一次放射器と切替スイッチにより構成したものであ
る。
【0017】また、第6の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記マルチビームアンテナの指向特性の偏波面
を揃えるために、複数個の一次放射器のそれぞれの偏波
面を平行とせずに、所定の値に傾けて構成したものであ
る。
【0018】また、第7の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記指向特性をもつアンテナを送受別々に構成
し、上記指向特性を形成した面の法線方向に送受アンテ
ナを構成したものである。
【0019】また、第8の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、上記指向特性をもつアンテナを送受別々に構成
し、上記指向特性を形成した面の接線方向に送受アンテ
ナを構成したものである。
【0020】また、第9の発明によるミリ波帯アンテナ
装置は、アンテナ指向特性を距離による伝搬損失と大気
減衰による損失と降雨減衰による損失との三要素を補償
するような指向特性となるように構成したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1を示す概略構成図であり、図において12
は基地局の通信装置、2はアンテナ、4はアンテナ2か
ら放射される電力の等電力面を模式的に示し、また、1
3は基地局の通信装置12を取り付けるための支柱、1
4は自動車、15は自動車14に搭載された通信相手
局、16は道路の中央分離帯、17は路肩を示す。これ
は、基地局12のアンテナ2から放射された電波が空間
を伝搬することにより、路肩17に設置した基地局12
と道路上を走行する通信相手局15との間で通信を行う
システムの例を示したものである。
【0022】次に動作について説明する。図1(b)に
示すように、アンテナ2の水平面からの俯角をθとし、
基地局アンテナ2と通信相手局15との高低差をHとす
ると、アンテナ2と通信相手局15との間の通信距離R
はR=H×cosecθとなる。波長をλとしたとき距
離Rによる空間伝搬損失Ls はLs =20×log10
(4×π×R/λ)〔dB〕で表される。また、距離R
による大気減衰による損失La は比例定数をKとしてL
a =K×R〔dB〕となる。以上をもとに、基地局アン
テナ2とある一定の高低差Hをもつ平面内における、基
地局アンテナ2の垂直面の角度と伝搬損失との関係を図
2に示す。図2において距離による空間伝搬損失6と大
気減衰による損失との合計が基地局12と通信相手局1
5との間の大気減衰を考慮した合計損失18となる。一
方、図12に示すようにミリ波帯(例えば60GHz
帯)での大気減衰係数は、従来のコセカント2乗カーブ
のアンテナで用いられたS帯の周波数での大気減衰係数
の2500倍程度であり、図に示すように距離による伝
搬損失6と上記合計損失18との差は俯角θが小さいほ
ど、すなわち、伝搬距離が長くなるほど大きくなる。こ
こで、アンテナの指向特性を上記合計損失18を補償し
て打ち消すような指向特性とすることにより、ある一定
の高さである通信相手局に対しては基地局との距離が変
化しても常に一定レベルで安定した通信が可能となる。
特に図1のような路車間通信を行うシステムの例では、
基地局アンテナ2と通信相手局15を有する自動車14
との高低差Hはほぼ一定に保たれているので、アンテナ
2の俯角θと大気減衰による損失La はLa =K×H×
cosecθ〔dB〕なる関係式で表されるので、アン
テナ2の垂直面指向特性G(θ)をほぼG(θ)=K2
×cosec2 θ+K×H×cosecθとすること
で、通信相手局での電力密度はほぼ一定とすることがで
きる。なお、上記垂直面指向特性G(θ)の右辺第一項
はK2 ×cosec2θとなって、コセカント2乗の指
向特性となっているが、これをコセカント1.8乗〜コ
セカント2.2乗等の略コセカント2乗特性としたほう
がアンテナ指向特性を設計し易い場合もあり、この場合
でもほぼ同一の効果が得られる。
【0023】また、図1では通信システムの基地局アン
テナへの適用例を示しているが、図11のようなレーダ
システムの基地局用アンテナに対し、上記合計損失18
を補償して打ち消すような指向特性をもつアンテナを適
用すれば、ある一定の高さである目標物に対してはレー
ダとの距離が変化しても常にレーダ受信電力は一定レベ
ルとなり安定した監視が可能となる。さらに、レーダの
目標物の形状がほぼ一定の場合には、レーダと目標物と
の相対角度の差に応じたRCSの変化量を補償するよう
な指向特性とすれば、さらに安定した監視が可能とな
る。
【0024】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2を示す概略構成図であり、図において10a〜10
c、11は前記従来例と全く同じものである。一次放射
器10a〜10cから放射された電波(1次パターン)
が反射鏡11で反射されて所望の方向に電波(2次パタ
ーン)が放射されるが、2次パターンの波面の位相を揃
えるため、一般に反射鏡11には放物面、楕円面、又曲
面等の2次曲面鏡が選ばれる。本発明の実施の形態2で
は、2次曲面鏡からなる反射鏡を用い、各一次放射器1
0a、10b、10cの励振電力を適当に設定して同時
に励振することにより、各一次放射器を配列した面内の
2次パターンの合成ビームが上記合成損失18を補償す
るような指向特性を得ることを特徴とする。上記各一次
放射器を垂直方向に配列することにより、垂直面に上記
指向特性が得られるので、通信相手局あるいはレーダ目
標物(以下対象物という)と基地局との距離が変化して
も、対象物の高度が一定であれば、対象物での受信レベ
ルは常に一定となる。なお、図では主反射鏡として放物
面を使用した例を示しているが、例えば、主反射鏡に放
物面を用いて、副反射鏡に楕円面あるいは双曲面を用い
た2枚鏡アンテナとして構成しても同様の効果が得られ
る。
【0025】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3を示す概略構成図であり、図において10は前記従
来例と全く同じものであり、11aは修整前の仮想的な
2次曲面鏡、11bは修整鏡面反射鏡である。一次放射
器10から放射された1次パターンが反射鏡11bで反
射されて所望の方向に2次パターンが放射されるが、反
射鏡11bで反射される電波の波面の振幅・位相分布を
調整することにより2次パターンが上記合成損失18を
補償するような指向特性を得られるように、反射鏡11
bの反射鏡面を仮想的な2次曲面鏡11aから修整した
ことを特徴とする。この構成とすることで一次放射器の
数を削減することができる。この鏡面修整を設置場所の
垂直面方向となる反射鏡面方向に適用することにより、
1枚の反射鏡と1個の一次放射器とによる簡単な構成
で、基地局と対象物との距離が変化しても対象物の高度
が一定であれば、対象物での受信レベルは常に一定とな
る。
【0026】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4を示す概略構成図であり、図において10は前記従
来例と全く同じものであり、11aは修整前の仮想的な
放物面鏡、11bは修整鏡面主反射鏡、11cは修整前
の仮想的な双曲面鏡、11dは修整鏡面副反射鏡であ
る。一次放射器10から放射された1次パターンが反射
鏡11d、11bで反射されて所望の方向に2次パター
ンが放射されるが、反射鏡11d、11bで反射される
電波の波面の振幅・位相分布を調整することにより2次
パターンが上記合成損失18を補償するような指向特性
を得られるように、反射鏡11d、11bの反射鏡面を
2次曲面から修整したことを特徴とする。この構成とす
ることで一次放射器10を主反射鏡11bの近傍へ配置
することができ、アンテナ装置の小型化ができる。な
お、図では2枚の反射鏡に鏡面修整を施しているが、所
望の指向特性を得るために、どちらか片方の反射鏡に鏡
面修整を施して2次パターンの波面を調整し、もう一方
の反射鏡には従来例のような2次曲面鏡を用いても同様
の効果が得られる。
【0027】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5を示す概略構成図であり、図において10a〜10
cは一次放射器であり、11b、11dは修整鏡面反射
鏡であり前記実施の形態4と同一のものである。一次放
射器10a〜10cはスイッチ19に接続され、前記ス
イッチ19は送受信機20に接続される。前記反射鏡1
1d、11bの反射鏡面を2次曲面から修整して、上記
合成損失18を補償するような指向特性を得る点は前記
実施の形態4と同一である。また、一次放射器10a〜
10cは前記反射鏡11dの焦点近傍に前記指向特性を
形成した面の法線方向に配置されている。例えば、前記
指向特性を得る面を垂直面とすると、一次放射器10a
〜10cをスイッチ19により切り替えて励振すること
により、水平面内にビームを切り替えて放射することが
できる。ここで前記一次放射器10a〜10cは前記反
射鏡11dの焦点近傍に配置されているので、放射され
るビームはほぼ前記合成損失18を補償するような指向
特性となる。このような指向特性を有するマルチビーム
アンテナにより、シーケンシャルロービング方式のレー
ダが容易に実現できる。また、通信システムにこのマル
チビームアンテナを用いた場合、適当なアルゴリズムと
併用することにより通信相手局の方位検出ができ、所望
の通信相手局とのみ通信を行うことができる。なお、図
では一次放射器10a〜10cの製造が容易な例として
それぞれのビーム軸を平行として描いているが、それぞ
れの一次放射器のビーム軸が前記修整鏡面副反射鏡11
dの中心付近を指向するように傾けて配置することによ
りスピルオーバを減らしアンテナ利得等の電気性能を向
上させることもできる。また、前記一次放射器10a〜
10cと前記スイッチ19との間にLNAをそれぞれ挿
入することにより、受信回路の雑音指数性能を改善する
こともできる。
【0028】実施の形態6.図7(a)はこの発明の実
施の形態6を示す概略構成図であり、図において10a
〜10c、11b、11d、19、20は前記実施の形
態5と同一のものである。一次放射器10bは前記反射
鏡11dの焦点に配置され、一次放射器10a、10c
は一次放射器10bの両側の前記指向特性を形成した面
の法線方向に配置されているが、前記一次放射器10a
〜10cの偏波面を平行とせずに、図7(b)のように
所定の値に設定して平行面から傾けて(例えば約3度)
構成したことを特徴とする。一般にオフセット形式の反
射鏡アンテナでは反射鏡面の非対称性により2次パター
ンに交差偏波が発生し、このことは電子情報通信学会編
「アンテナ工学ハンドブック」p166、167に示さ
れている。前記指向特性を反射鏡面の対称面に構成した
場合、ビームをシフトするための一次放射器は反射鏡面
の非対称面に配置されるため、図のような一次放射器の
配列では一次放射器10a、10cから反射鏡面を見込
む反射鏡面の非対称性が逆転して見えるため、前記一次
放射器10a、10c交差偏波の発生面も逆転すること
になる。この発明の実施の形態6では、それぞれの一次
放射器10〜10cの偏波面を所定の値にややずらせて
構成することにより、交差偏波の発生面を調整し、2次
パターンの偏波面が揃い交差偏波特性が良好なアンテナ
が得られる効果がある。なお、図では一次放射器として
角錐ホーンの例を示したが、円錐ホーン等としても良
い。また、それぞれの一次放射器のビーム軸を平行とし
て描いているが、それぞれの一次放射器のビーム軸が前
記修整鏡面副反射鏡11dの中心付近を指向するように
傾けて配置することによりスピルオーバを減らしアンテ
ナ利得等の電気性能を向上させることもできる。
【0029】実施の形態7.図8はこの発明の実施の形
態7を示す概略構成図であり、図において10aは送信
アンテナ用一次放射器、10bは受信アンテナ用一次放
射器、11a、11bは送信アンテナ用反射鏡、11
c、11dは受信アンテナ用反射鏡であり、20は送受
信機である。前記送信アンテナ及び受信アンテナはこの
発明の実施の形態1〜6のように、対象物との間の距離
による伝搬損失と大気減衰とを補償する指向特性を図の
上下方向に形成するように構成されており、前記指向特
性を形成した面の法線方向に前記送信アンテナと前記受
信アンテナとを配列して構成した基地局用のミリ波帯ア
ンテナ装置である。送信アンテナと受信アンテナとを独
立に構成することにより、送信ビームと受信ビームをそ
れぞれ最適化することができる。例えば、通信システム
のサービスエリアあるいはレーダシステムの覆域に対し
て、送信ビームを簡単な構成の1ビームとして広い範囲
を一度に照射し、受信アンテナを前記実施の形態5のよ
うなマルチビームとして測角あるいは不要波除去等に利
用することが可能である。また、送信アンテナ用一次放
射器10aと受信アンテナ用一次放射器10bとの距離
が近いので、送受信機20と前記一次放射器との距離も
短くなり、給電損失を減少し、かつ装置全体がコンパク
トになる効果がある。
【0030】実施の形態8.図9はこの発明の実施の形
態8を示す概略構成図であり、図において10aは送信
アンテナ用一次放射器、10bは受信アンテナ用一次放
射器、11a、11bは送信アンテナ用反射鏡、11
c、11dは受信アンテナ用反射鏡である。前記送信ア
ンテナ及び受信アンテナはこの発明の実施の形態1〜6
のように、対象物との間の距離による伝搬損失と大気減
衰とを補償する指向特性を図の上下方向に形成するよう
に構成されており、前記指向特性を形成した面の接線方
向に前記送信アンテナと前記受信アンテナとを配列して
構成した基地局用のミリ波帯アンテナ装置である。送信
アンテナと受信アンテナとを独立に構成することによ
り、送信ビームと受信ビームをそれぞれ最適化すること
ができるのは、前記実施の形態7と同様である。ところ
で、一般にレーダ用のアンテナでは送受アンテナ間のア
イソレーション特性が悪いと測角精度不良になったり偽
目標が現れる等の問題点がある。また、通信用のアンテ
ナでは送受アンテナ間のアイソレーション特性が悪いと
干渉波により通信品質が劣化するため帯域分波フィルタ
等が必要となるが、ミリ波帯フィルタは帯域幅および寸
法精度等の制約で安価に実現することが困難である。こ
の実施の形態8では、送信アンテナ用一次放射器10a
と受信アンテナ用一次放射器10bとが空間的に離れて
配置されるため、送受アンテナ間のアイソレーション特
性を充分確保することができ、レーダシステムにおける
偽目標、あるいは通信システムにおける品質劣化等の問
題点を軽減することができる。
【0031】実施の形態9.図10はこの発明の実施の
形態9を示すための電波の模式図であり、図において6
は距離による伝搬損失、18は大気減衰を考慮した合計
損失であり、距離による伝搬損失と大気減衰による損失
と降雨減衰による損失の三要素を合計したものが、基地
局と対象物との間の大気減衰及び降雨減衰を考慮した合
計損失21である。一方、図13に示すようにミリ波帯
(例えば60GHz帯)での降雨による減衰係数は、従
来のコセカント2乗カーブのアンテナで用いられたS帯
での減衰係数の1000倍程度であり、図に示すように
降雨条件下では距離による伝搬損失6と上記合計損失2
1との差は俯角θが小さいほど、すなわち、伝搬距離が
長くなるほど大きくなる。従って、ミリ波帯を用いたレ
ーダシステムあるいは通信システムの運用環境が特に悪
天候下での使用を目的としている場合、肝心の降雨時に
おいて対象物の受信レベルが一定とならないことにな
る。ここで、アンテナの指向特性を上記合計損失21を
補償して打ち消すような指向特性とすることにより、想
定される降雨環境下においては、基地局との距離が変化
しても対象物の高度が一定であれば、対象物の受信レベ
ルは常に一定レベルとなる。このような指向特性を得る
ためのアンテナの構成は前記実施の形態1〜8のいずれ
の形態でも良い。
【0032】
【発明の効果】第1の発明によれば、ミリ波帯アンテナ
の指向特性を距離による伝搬損失と大気減衰による損失
との二要素を補償するような指向特性とすることで、一
定高度の地点での受信電力を距離によらず一定とするこ
とができる効果がある。
【0033】また、第2の発明によれば、2次曲面鏡と
複数個の一次放射器とを用いることで、容易にミリ波帯
での減衰を補償する放射特性を得られる効果がある。
【0034】また、第3の発明によれば、1枚の修整鏡
面反射鏡と1個の一次放射器とを用いることで、アンテ
ナ装置の構成が簡単となる効果がある。
【0035】また、第4の発明によれば、複数枚の修整
鏡面反射鏡と1個の一次放射器とを用いることにより、
アンテナ装置の外形を小型化できる効果がある。
【0036】また、第5の発明によれば、複数個の一次
放射器を用い、切替スイッチにより一次放射器を切替え
て使用することにより、送受信機を複数個必要としない
マルチビームが得られる効果がある。
【0037】また、第6の発明によれば、複数個の一次
放射器の偏波面を所定の値に傾けて構成することで、マ
ルチビームアンテナの2次パターンのそれぞれの偏波面
を平行に揃えることができる効果がある。
【0038】また、第7の発明によれば、基地局用の送
受アンテナを別々に構成することで、送信ビームと受信
ビームとをそれぞれ最適設計したり、送受のビーム数を
変えることができる効果がある。
【0039】また、第8の発明によれば、基地局用の送
受アンテナを伝搬損失を補償する指向特性を形成した面
方向に配列したことで、送受アンテナの一次放射器の間
隔を物理的に広げることができ、送受アンテナのアイソ
レーション特性を改善できる効果がある。
【0040】また、第9の発明によれば、基地局用のア
ンテナ指向特性を、距離による伝搬損失と大気減衰によ
る損失と降雨減衰による損失との三要素を補償するよう
な指向特性となることで、悪天候下において、一定高度
の地点での受信電力を距離によらず一定とすることがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態1を示す概略構成図である。
【図2】 基地局からみた角度と基地局と通信相手局と
の間の損失との関係を示す図である。
【図3】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態2を示す概略構成図である。
【図4】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態3を示す概略構成図である。
【図5】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態4を示す概略構成図である。
【図6】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態5を示す概略構成図である。
【図7】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態6を示す概略構成図である。
【図8】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態7を示す概略構成図である。
【図9】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実施
の形態8を示す概略構成図である。
【図10】 この発明によるミリ波帯アンテナ装置の実
施の形態9を示すための基地局からみた角度と基地局と
通信相手局との間の降雨時における損失との関係を示す
図である。
【図11】 従来のコンセカント2乗カーブのアンテナ
ビームを有するレーダシステムを示す概略構成図であ
る。
【図12】 電波の大気減衰の周波数特性を示す図であ
る。
【図13】 電波の降雨減衰の周波数特性を示す図であ
る。
【図14】 従来のコセカント2乗カーブのビームを有
するアンテナの概略構成図である。
【符号の説明】
1 レーダ装置、2 アンテナ、3 飛行物体、4 等
電力面、5 アンテナの指向特性、6距離による伝搬損
失、7 水蒸気分子による減衰、8 酸素分子による減
衰、9 降雨強度に対する減衰係数、10 一次放射
器、11 反射鏡、12 基地局の通信装置、13 支
柱、14 自動車、15 通信相手局、16 中央分離
帯、17 路肩、18 大気減衰を考慮した合計損失、
19 スイッチ、20 送受信機、21 大気減衰及び
降雨減衰を考慮した合計損失。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 25/00 H01Q 25/00 (72)発明者 春山 鉄男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 横藤 明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 内藤 出 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J020 AA03 BA09 BA17 BA19 BC06 DA03 DA09 5J021 AA01 AA02 AA03 AA04 AA05 AB07 BA01 CA06 DA03 DB04 FA26 FA31 FA32 GA01 GA08 HA02 HA03 HA04 HA05 5J070 AB24 AD08 AE01 AF01 AG02 AK40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミリ波帯を用いたアンテナ装置におい
    て、上記アンテナ装置前方の放射方向において上記アン
    テナ装置と一定の高低差である地点では、上記アンテナ
    装置と上記地点との距離に関わらずほぼ一様な電力密度
    となるように、上記アンテナの指向特性を、略コセカン
    ト2乗カーブの指向特性と距離に比例する大気減衰を補
    償する指向特性とを加算した指向特性としたことを特徴
    とするミリ波帯アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 上記のミリ波帯アンテナ装置において、
    1枚あるいは複数枚の2次曲面反射鏡と複数個の一次放
    射器とにより構成したことを特徴とする請求項1記載の
    ミリ波帯アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 上記のミリ波帯アンテナ装置において、
    1枚の修整曲面反射鏡と1個の一次放射器とにより構成
    したことを特徴とする請求項1記載のミリ波帯アンテナ
    装置。
  4. 【請求項4】 上記のミリ波帯アンテナ装置において、
    複数枚の修整曲面反射鏡と1個の一次放射器とにより構
    成したことを特徴とする請求項1記載のミリ波帯アンテ
    ナ装置。
  5. 【請求項5】 上記のミリ波帯アンテナ装置において、
    1枚あるいは複数枚の修整曲面反射鏡と複数個の一次放
    射器と、それぞれの一次放射器と接続された切替スイッ
    チとにより構成したことを特徴とする請求項1記載のミ
    リ波帯アンテナ装置。
  6. 【請求項6】 上記1枚あるいは複数枚の反射鏡と複数
    個の一次放射器とにより構成したことを特徴とするミリ
    波帯マルチビームアンテナ装置において、上記マルチビ
    ームアンテナ装置の複数個の一次放射器のそれぞれの偏
    波面を平行とせずに、所定の値に傾けて設定した構成と
    したことを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記
    載のミリ波帯アンテナ装置。
  7. 【請求項7】 上記の略コセカント2乗カーブの指向特
    性と距離に比例する大気減衰を補償する指向特性と加算
    した指向特性を有するミリ波帯アンテナ装置を送受別々
    に構成し、上記距離による伝搬損失と大気減衰とを補償
    する指向特性を形成した面の法線方向に上記送受アンテ
    ナを配列したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のミリ波帯アンテナ装置。
  8. 【請求項8】 上記の略コセカント2乗カーブの指向特
    性と距離に比例する大気減衰を補償する指向特性と加算
    した指向特性を有するミリ波帯アンテナ装置を送受別々
    に構成し、上記距離による伝搬損失と大気減衰とを補償
    する指向特性を形成した面の接線方向に上記送受アンテ
    ナを配列したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のミリ波帯アンテナ装置。
  9. 【請求項9】 上記のミリ波帯アンテナ装置において、
    上記距離による伝搬損失と大気減衰量と、さらにその運
    用環境から想定される降雨減衰量とを補償する指向特性
    を形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載のミリ波帯アンテナ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006075437A1 (ja) * 2005-01-17 2006-07-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. アンテナ装置,無線通信装置及びレーダ装置
JP2007178140A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Hitachi Ltd 物体検知センサ

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