JP2000002769A - 地質構造の空間分布を予測して地質図を作成する方法及び装置 - Google Patents

地質構造の空間分布を予測して地質図を作成する方法及び装置

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JP2000002769A
JP2000002769A JP10170336A JP17033698A JP2000002769A JP 2000002769 A JP2000002769 A JP 2000002769A JP 10170336 A JP10170336 A JP 10170336A JP 17033698 A JP17033698 A JP 17033698A JP 2000002769 A JP2000002769 A JP 2000002769A
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Kariyan Janakiraman Kumar
カリヤン ジャナキラマン クマール
Masao Konno
正雄 今野
Akira Ogawara
彰 大河原
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Nippon Koei Co Ltd
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Nippon Koei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボーリング孔間の領域における地質構造の空
間分布を、少ないデータでより高い精度で予測して地質
図を作成する方法及び装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 地質調査により直接地質データを収集する手
段と、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊で検
出するジオトモグラフィ手段と、各地質区分毎のファジ
ィ化したソフトマップを作成する手段と、ジオトモグラ
フィ手段により得られたジオトモグラムとソフトマップ
作成手段で得られたファジィ化したソフトマップデータ
とを階層型のニューラルネットワーク処理をする手段
と、階層型のニューラルネットワーク処理手段で得られ
たファジィ地質マップ出力を非ファジィ化して地質図を
得る手段とからなる地質図の作成方法で、より優れたニ
ューラルネットワーク解析方法を、それに深く関連する
ファジィ理論を駆使して発達させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本のボーリン
グ孔間に挟まれた情報不足領域における、地盤内部の地
質構造の空間分布を予測して地質図を作成する方法及び
装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、
人工的ニューラルネットワーク(以下、ANNという)
の非線形的現象に対する補間能力を利用し、人間による
ファジイ的なものの見方による情報(Fuzzy Hu
man Perception)及びジオトモグラム
(物理探査データ)を入力して、予測精度の高い地質図
を作成する方法及び装置に関するものする。
【0002】
【従来の技術】大規模構造物の建設に関わる地盤工学的
諸問題の解決には、地盤内部における地質構造の空間分
布の把握及びその工学的性質の評価が必要である。一般
的には、地盤内部における地質構造の空間分布の予測精
度は、地質学的情報量が不足しているため、以下で述べ
る従来の方法すべてを用いても、比較的低いと考えられ
ている。
【0003】地質調査の基本的方法は、ボーリング調査
である。地質分布図を作成するには、通常、ボーリング
・地形測量調査・地域内周辺の地質探査・現場踏査を通
じて得られたデータを基にする。一般に、地域の地質学
的解釈は、地質分布図と地質断面図として整理される。
地質図の精度は、ボーリング孔近傍においては高いが、
ボーリング孔から離れた範囲では、情報が不足するた
め、一般的に信頼性が低い。さらに、ボーリング調査
は、費用が高く、そのコストは、信頼性の高い地盤内部
構造を得るのに大きな障害となっている。
【0004】ジオトモグラフィは、地質調査法の中での
物理探査法の一種であり、地盤内部の計測対象とした物
性値に関する分布情報を、非破壊で断面図化することが
でき、この解析画像をジオトモグラムという。具体的に
は、センサーを地盤表面やボーリング孔、トンネル内部
の壁面などに多数配置して、地盤を透過する地震波の速
度(以下、速度又は地震波速度という)や直流比抵抗
(以下、比抵抗という)を観測して、これらの情報か
ら、通常、逆解析といわれる数値計算方法により、地盤
内部の地震波速度と比抵抗の物性値の分布構造を断面図
化する。一般的に、高い精度の物性分布図を得るには、
観測値が多数あることとセンサーが解析対象の地盤周辺
を取り巻くように密に配置されていることが必要である
ことが知られている。
【0005】ジオトモグラフィは、ボーリング調査と比
較すると、比較的低いコストで、地盤内部の物性値に関
する情報を得ることができるが、岩石の種類や亀裂の発
生頻度など地質そのものの情報ではないことが欠点であ
る。
【0006】前記ANNを様々な状況で適用した例がす
でに公開されている。ANNは、人間の脳の構造をコン
ピュータ化した数値解析方法である。ニューロ・ファジ
ィ・ネットワークと呼ばれる種類のANNは、非線形の
空間補間及び知識に基づく判断という能力を持ち、地質
学的モデリングには、特に魅力のあるものである。例え
ば、U.S.Patent No.5444619は、
ANNを用いた石油の蓄積層の予測方法に関するもの
で、図18(a)に示すようなボーリング調査によるデ
ータと、図18(b)に示すような地震波速度データと
をニューラル・ネットワーク処理をして、図18(c)
に示すような地質図を得る方法である。
【0007】前述のように、ジオトモグラフィは、非破
壊的に、かつ、ボーリング調査と比べて低いコストで、
ボーリング孔間領域の画像を得る方法である。しかし、
ジオトモグラムは、地質図そのものではなく、地質図そ
のものと比較すると、そのままでは、地盤工学的課題の
解決に有効に利用できない場合がある。そのため、ジオ
トモグラムと地質の関係について、地質学的解釈のため
の手法が必要とされるが、まだ定説はない。
【0008】そのため、数値計算結果であるジオトモグ
ラムから、地質構造境界を作成し、地質図として表現す
ることは困難である。従来は、岩石の硬さ・亀裂間隔・
間隙率・岩質(例えば、砂岩と泥岩の含有率など)・含
水比・弾性的性質などの性質と、速度・比抵抗の物性値
との関係についての理論的・経験的知識、例えば、リニ
アに結合するなどの単純なモデル化に基づき、ジオトモ
グラムの地質学的意味を概略的に解釈してきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の方
法による地質図作成には、次のような問題があった。 (a)地質図作成のための従来の調査方法は、ボーリン
グ孔間の領域、特に、地層境界において精密度に欠け、
また、ジオトモグラムの地質学的解釈が概略的である、
という問題があった。
【0010】(b)ボーリング孔における検層データを
用いて、ボーリング孔に沿った1次元予測地質図を構築
することは可能であるが、該当するデータのないボーリ
ング孔間の領域に適用することはできないか、予想の範
囲を越えない、という問題があった。
【0011】(c)ボーリング孔間の領域の予測地質図
を開発するためには、空間的データが必要である。これ
までは、大多数の地質図化がジオトモグラム(空間的デ
ータ)や他の物理探査データのみを用いて研究されてき
た。しかし、現在まで、このアプローチによる改善はほ
とんど見られなかった。
【0012】以上のように、従来の地質図は、地質調査
と解釈により構築されてきた。地質図は、多数の観察デ
ータを含み、これらは、複雑であり、数値的表現は困難
である。さらに、特に、地質予測の領域において、多く
の複雑さのために、経験的知識が主要な役割を果たして
きた。しかし、これらのソフト的な情報は、データ表現
とコンピュータ処理の困難さから、予測地質図では、し
ばしば無視されてきた。
【0013】本発明は、ボーリング孔間の領域における
地質構造の空間分布を、少ないデータでより高い精度で
予測して地質図を作成する方法及び装置を提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、地質調査によ
り直接地質データを収集する手段と、地盤内部の物性値
に関する分布情報を非破壊で検出するジオトモグラフィ
手段と、各地質区分毎のファジィ化したソフトマップを
作成する手段と、前記ジオトモグラフィ手段により得ら
れたジオトモグラムと前記ソフトマップ作成手段で得ら
れたファジィ化したソフトマップデータとを階層型のニ
ューラルネットワーク処理をする手段と、この階層型の
ニューラルネットワーク処理手段で得られたファジィ地
質マップ出力を非ファジィ化して地質図を得る手段とか
らなることを特徴とする地質構造の空間分布を予測して
地質図を作成する方法である。
【0015】本発明は、ボーリング孔間の領域のデータ
不足を補うため、ファジィ化した既存の地質断面図を、
質的かつ量的な人間の観察結果をまとめたデータとして
利用している。本発明は、ジオトモグラムに含まれる物
理的性質の境界に関する情報を強調し、ボーリング孔間
の領域の地質境界を補間する場合の作業を支援する。こ
のように、本発明は、より優れたニューラルネットワー
ク解析方法を、それに深く関連するファジィ理論を駆使
して発達させたものである。
【0016】本発明のファジィ・ニューラル・ネットワ
ーク部11は、ジオトモグラムの地質学的解釈を行う方
法を確立するためのもので、ソフト・マップ・データを
得るファジィ化マップ作成部17と、階層型ニューラル
ネットワーク部18と、非ファジィ化部19とが利用さ
れた新しいタイプの数値解析方法である。このファジィ
・ニューラル・ネットワーク部11は、学習することに
より地質図を予測するとともに、予測の確からしさの指
標を得ることができる。
【0017】本発明で使用されるソフト・マップ・デー
タの用語は、既存の地質図から抽出されるファジィな
(曖昧な、と同義)情報を表現するために用いられる。
この用語は、従来的なコンピューテーション方法に対立
するソフトコンピューションという用語からの類推的表
現である。ボーリング孔間の領域における地質学的性質
を予測するために、ジオトモグラムとともに、ソフトマ
ップデータを使用することの有用性が、本発明により確
立された。
【0018】従来の地質調査と解釈により作成された地
質図から、ボーリング孔間の領域の地質学的特徴が分か
るが、このような従来の地質図は、当業者の観察と経験
による大まかなものということができ、多くの定性的観
察結果と、コンピュータによる地質図では表現し難い人
間の知識が含まれている。しかし、従来の地質図は、近
似的であり、特にボーリング孔間の領域では、その傾向
が強いという点を注意すべきことは重要である。
【0019】定性的観察結果は、コンピュータによる地
質図上で表現することは難しいが、本発明のように、フ
ァジィ理論を用いれば、当業者の量的又は質的なものの
見方を、ニューラルネットワーク理論適用の枠組みに取
り込み、これらの地質図を入力情報又はルールとして利
用することができる。
【0020】本発明では、さらに、ジオトモグラムを予
備処理することにより、ヘテロジニティ図が作成でき
る。これは、ボーリング孔間の領域の強調画像であり、
地盤内部に硬い物質や断裂系が介在する場合に、その画
像上での同定を可能にする。ヘテロジニティ図は、当業
者がボーリング孔において認めた地層境界をボーリング
孔間の領域に補間する場合に参考となる。
【0021】ニューラルネットワークへの概略的な知識
の関連付けは、Nikola Kasbov氏により提
案された方法により行うことができる。ファジィNNモ
デルの出力は、再度断面図を構成し、それを反復的なニ
ューラルネットワークに対する入力として再利用でき
る。当業者の適度な修正の後に、出力図からは、新しい
知見が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面に基づき
説明する。 1.試験地の概要 本発明による地質図作成方法の実行可能性を、地質図を
必要とする発電所を試験地として選んで調査した。この
試験地の全体的特徴として、中生代の堆積岩が存在し、
この堆積岩は、砂岩、泥岩、混在岩(泥岩基質に砂岩と
チャート岩塊が混在したもの)から成り立っているもの
とする。地質は、地表面から500m下部にあるため、
風化や変質の影響はなく、岩石は、新鮮で、硬く、物理
的性質(地震波速度と比抵抗)は、地質学的には地質区
分とともに変化すると考えられる。試験地域の大きさ
は、150m×240mとした。
【0023】この試験地における地質図作成には、後述
するように、垂直なボーリング孔、水平なトンネルでの
検層結果、すなわち、図3に示す従来方法により作成さ
れた地質図と、図16(a−1)(b−1)に示すジオ
トモグラム(地震波速度、比抵抗)とが用いられた。な
お、図16(a−1)(b−1)に示すジオトモグラム
(地震波速度、比抵抗)は、以下の説明の都合上、図3
に示す地質図の中の点R、S、T、U、R間のみ抜き出
して作成したものである。
【0024】これらの図3及び図16では、地質区分を
G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8で示
したが、実際の地質区分は、G1−白、G2−赤、G3
−緑、G4−紺、G5−紫紅、G6−桃、G7−黄、G
8−橙などのカラーコードに置き換えて表示するように
してもよい。
【0025】得られた空間データ及び非空間データは、
予備的段階として、地図処理のための公知のGIS(G
eographic Information Sys
tem)を使用してデジタル化し、かつ、座標設定をし
た。その結果、全データがデジタル形式で処理できる。
また、地震波速度の解像度に整合させるため、数値処理
ではセルの大きさを2mとした。
【0026】図2は、本発明による複数のボーリング孔
間の地質的性質を予測するための回路のブロック図であ
る。本発明による装置は、入力部10と、ファジィ・ニ
ューラル・ネットワーク部11と、出力部12とからな
る。前記入力部10は、垂直なボーリング孔、水平なト
ンネルなどでの検層結果、現場踏査、経験によるデータ
などのボーリングデータなどの入力部13、地震波速
度、比抵抗などのジオトモグラムを入力するジオトモグ
ラム入力部14、このジオトモグラム入力部14からの
データに基づきヘテロジニティ図を作成するヘテロジニ
ティ作成部15、標高データを入力する標高データ入力
部16からなる。前記ファジィ・ニューラル・ネットワ
ーク部11は、ファジィ化マップ作成部17、階層型ニ
ューラル・ネットワーク部18、非ファジィ化部19か
らなる。前記出力部12は、地質図出力部20、予測の
確かさの出力部21、ファジィ地質マップ出力部22か
らなる。
【0027】図1は、本発明による複数のボーリング孔
間の地質的性質を予測するためのフローチャートでであ
る。大略を説明すると、従来の方法により現地の地質調
査をし、前記入力部10のボーリングデータなどの入力
部13、標高データ入力部16などからそのデータを入
力し、さらに、経験を加味して、図3に示すような公知
の方法による地質図が得られる。また、ボーリング孔な
どから抽出したデータは、ニューラルネットワークの構
築と学習を行い、ファジィ・ニューラル・ネットワーク
部11へ送られる。
【0028】この図3に示す地質図における地質区分G
1、G2、…G8毎に、ファジィ化マップ作成部17に
てファジィ理論による処理をして、図9に示すようなソ
フトマップデータを作る。これらのデータは、すべて階
層型ニューラル・ネットワーク部18へ送られる。な
お、図10に示すソフトマップデータは、前記図3に示
す地質図の中の点R、S、T、U、R間に対応する部分
を図9から抜き出したものである。
【0029】物理探査により得られたジオトモグラム
(地震波速度、比抵抗など)は、ジオトモグラム入力部
14から階層型ニューラル・ネットワーク部18へ送ら
れるとともに、ヘテロジニティ作成部15へ送られる。
このヘテロジニティ作成部15では、ジオトモグラムか
ら図16(a−2)(b−2)に示すようなヘテロジニ
ティ図が作られる。
【0030】ファジィ・ニューラル・ネットワーク部1
1では、以上のデータに基づきファジィ−化したニュー
ラル・ネットワークモデルを作り、これを非ファジィ化
部19を介して、地質図出力部20から地質図を出力
し、予測の確かさの出力部21から予測の確かさを定量
的に出力し、さらに、階層型ニューラル・ネットワーク
部18から直接、ファジィ地質マップ出力部22へ各タ
イプ毎のファジィ地質を出力する。
【0031】以下、さらに詳細を説明する。 2.ソフトマップデータの準備 図4に示す特性図は、図3に示す地質図におけるボーリ
ング孔、トンネルでのすべての検層結果に基づく各サン
プルを地質区分G1、G2、…G8に分け、それぞれの
地質区分G1、G2、…G8の各サンプル毎に、地震波
速度(横軸)と比抵抗(縦軸)との関係をプロットし、
各プロットした点を包絡したものである。この特性図に
よれば、地質区分が多数存在する場合、地震波速度と比
抵抗だけでは地質区分を同定することは困難であること
を示している。例えば、図4において、比抵抗と地震波
速度が点Qにある岩石の名前を推定する場合、この図4
では、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8のい
ずれにも近似しており、地質区分を同定することは困難
である。これは、クラスター(同一群)の重複が大きい
ためである。
【0032】しかし、例えば、図3における点P近傍に
おける地質を同定しようとする場合、このP点近傍で
は、G1とG4のいずれかであることが推定される。そ
こで、図4に示す特性図から図5に示すようなG1とG
4だけ抜き取った特性図を作り、点Qにある岩石の名前
を推定すると、点Qは、G4のグループに入ることがほ
ぼ間違いない。このように、2〜3種類のできるだけ少
ない地質区分の特性図を作り、これを用いて同定するこ
とにより、クラスターの重複を回避でき、ジオトモグラ
ムによる地質の予測精度を改善することができる。これ
が、本発明の基本的考えであり、かつ、特徴でもある。
【0033】前述のように、従来の地質図は、地質調査
と解釈により構築されてきた。地質図は、多数の観察デ
ータを含み、これらは、複雑であり、数値的表現は困難
である。さらに、特に、地質予測の領域において、多く
の複雑さのために、経験的知識が主要な役割を果たして
きた。しかし、これらのソフト的な情報は、データ表現
とコンピュータ処理の困難さから、数値解析では、しば
しば無視されてきた。
【0034】ソフト的な情報のモデル化は難しいが、地
質図を用いて、当業者の量的・質的なものの見方を関連
付けることは可能である。地質に対する地質技術者のも
のの見方は、図面の形式で表現されるが、ボーリング孔
間の領域では厳密に正しいものではない。ファジィ理論
を用いることで、ボーリング孔間の領域において、当業
者が予測した地質区分(G)は、地質区分の設定に対す
るメンバシップの真値μg(x,y)として表現され
る。また、μgは、ファジィ・メンバシップ関数として
表現される。 μg(x,y)=f{dg(x,y),y1,y2
【0035】ここで、dg(x,y)は、ある点(x,
y)からある地質層gまでの最小のユークリッド距離で
ある。図6は、発生可能性のファジィ定義を説明するた
めのもので、この図において、もし、dが「その層内又
は近い(0≦d<y1)」であれば、μ=1である。も
し、「遠い(y1≦d<y2)」であれば、0≦μ<1で
ある。もし、「非常に遠い(y2≦d)」であれば、μ
=0である。2つのパラメータy1,y2は、それぞれ近
い区域と遠い区域などのように、広さを設定するときに
使用され、この距離は、一定でもよいし、また、地質層
の種類によって異ならせてもよい。
【0036】地質図をファジィ化する手段をまとめたも
のが図7であり、次のステップから成り立っている。 (a)図3に示すような従来の地質図から各地質区分G
1、G2、…G8の存在可能域を区分し、図9及び図1
0に示すように、各タイプ毎に分けられたファジィ化地
質図が作られる。各地質区分G1、G2、…G8におけ
る任意の点の最小のユークリッド距離がセルを作るため
に計算される。
【0037】(b)図7に示したメンバーシップ関数を
構築するパラメータy1,y2は、各点において、存在可
能性の高い少なくとも最低2つの地質区分から選択され
る。例えば、図6において、y1は30mに、また、y2
も、30mに設定される。さらに詳しくは、図3におけ
るX−X線断面の各地質区分は、図7のような地質区分
G6、G3、G2、G1、G4となるが、地質区分G1
の場合、G2に接する側ではG1とG2の地質区分から
選択され、また、G4に接する側ではG1とG4の地質
区分から選択される。
【0038】なお、図6において、y1とy2がともに3
0mに設定されているにも拘らず、図7では、y1とy2
の距離に違いがあるのは、図8に示すように、断面のた
めのX−X線と地層との交点において、地層に直交線の
距離(最小のユークリッド距離)をy1、y2とし、直交
線にさらに直交した線とX−X線との交点までの距離を
図7におけるy1、y2としたことによる。
【0039】(c)ソフトマップデータは、前記距離マ
トリクスとメンバーシップ関数から導かれたものであ
る。図9は、前述のようにソフトマップデータの例を表
している。なお、図9は、図3に示す地質図全体のソフ
トマップデータを表しているが、図10は、以後の説明
の都合上、図3における点R−S−T−U−R間のみ抜
き出して部分のソフトマップデータを表していること
は、前述の通りである。。
【0040】3.階層型ニューラル・ネットワーク部1
8の構築、学習、検証 階層型ニューラル・ネットワーク部18は、非線形の補
間能力を有するにも拘らず、単独では、性質がどうであ
るかというような分類の問題に対しては欠点を有してお
り、その重要な理由は以下の通りである。地質区分は、
統計学上のカテゴリー・データであり、階層型ニューラ
ル・ネットワーク部18により単純に表現できるもので
はない。階層型ニューラル・ネットワーク部18による
カテゴリー・データのモデル化は、不自然なプロセスで
ある。
【0041】階層型ニューラル・ネットワーク部18の
欠点のいくつかは、図2に示すようなファジィ・ニュー
ラル・ネットワーク部11を考慮することによって克服
することができる。このファジィ・ニューラル・ネット
ワーク部11は、前述のように、ファジィ化マップ作成
部17、階層型ニューラル・ネットワーク部18、非フ
ァジィ化部19からなる。
【0042】階層型ニューラル・ネットワーク部18
は、地質区分G1、G2、…G8などの地質区分と同数
の多くの区間[0,1]ファジィ出力変量を持ってい
る。ボーリング孔間の領域の地質の性質、ある点(x,
y)における例えば地質区分「G」を予測するために
は、つぎの関数が必要である。 G(x,y)=f{a(x,y),μg(x,y),
z} ここで、Gは、座標(x,y)の地質メンバーシップベ
クトル[g1,g2,g 3,…gn]である。各地質区分に
対する要素は、仮説G=g、g=1,2,…n;nは、
地質区分の数である。aは、座標(x,y)のジオトモ
グラム属性ベクトル[a1,a2,a3,…am]である。
例えば、a1は、地震波速度、a2は、比抵抗、など。m
は、ジオトモグラムのデータ数である。μgは、座標
(x,y)の各地質区分のファジィ・ベクトル[μ1
μ2,μ3,…μn]である。ここで、nは、地質区分の数
である。zは、セル(x,y)の標高である。
【0043】適当なヒドンニューロン(hidden
neuron)とヒドン層(hidden layer
s)が階層型ニューラル・ネットワーク部18のために
利用され、また、ニューロンは、ネットワーク・プルー
ニング方法を使用して最適に調整した。
【0044】学習プロセスにおいて、ある特定の点にお
ける目的の地質区分の存在は、ネットワークからの出力
を1(存在する)と0(存在しない)とで表現する。こ
のため、階層型ニューラル・ネットワーク部18の出力
も区間[0,1]に制限される。さらに、出力は、凸型
・正規型であり、ファジィ・メンバーシップ関数の性質
を示す。そこで、i番目の出力は、ファジィ数として解
釈され、仮説G(x,y)=giの真値度の指標であ
る。また、入力データ領域に出力をマッピングすること
により、特定の地質に対するファジィポシビリティマッ
プを作成することができる。地質区分に対するファジィ
ポシビリティマップは、その存在可能性を表現すること
となる。数値が1に近い領域は、高い可能性範囲であ
り、数値が0に近い領域は、低い可能性範囲である。
【0045】前記ファジィ・ニューラル・ネットワーク
部11は、ファジィプロセスであり、このファジィ・ニ
ューラル・ネットワーク部11の階層型ニューラル・ネ
ットワーク部18から出力した地質区分G1、G2、…
Gnは、非ファジィ化部19にて非ファジィ化されて、
地質図出力部20に最も存在可能性の高い地質図が得ら
れ、予測の確かさの出力部21に予測の確かさが出力す
る。具体的には、ある場所における地質は、ファジィ番
号の大きいものが採用され、最も高い真値度をもつ地質
区分である。真値度は、予測の確からしさの程度の指標
にもなり、各点の予測された地質の確からしさについ
て、など真値度線を引くことにより、最終的に作成され
た地質図の確からしさを表現することができる。図14
における(a−1)は、ジオトモグラムのみの予測図を
示し、(a−2)は、予測の確からしさを示し、また、
図14における(b−1)は、本発明のファジィ・ニュ
ーラル・ネットワーク部11によって処理したジオトモ
グラムとソフトマップデータによる予測図を示し、(b
−2)は、予測の確からしさを示している。
【0046】ニューラルネットワークの学習 ジオトモグラムa、ソフトマップデータμgは、図11
に示すように、正確な地質が知られ、かつ、学習用デー
タとして利用可能なボーリング地点近傍のデジタルマッ
プから抽出した。また、数値計算上の理由により、ジオ
トモグラフィ・データは、その対数変換値を利用した。
ボーリング柱状図に記載された地質が望ましい出力とし
て利用された。用意したデータのうち、85%を実際の
学習に使用し、残りの15%は、ニューラルネットワー
クの検証のために保存した。
【0047】ファジィ・ニューラル・ネットワーク部1
1における階層型ニューラル・ネットワーク部18と非
ファジィ化部19のうちの階層型ニューラル・ネットワ
ーク部18だけを学習した。ニューラルネットワークに
は、逆誤差伝播、エラー伝播アルゴリズムを含み多数の
学習アルゴリズムが存在する。本発明では、前記Nik
ola Kasbov氏の述べているような能力を有し
ないが、ファジィ能力を有する階層型ニューラル・ネッ
トワーク部18が用いられた。
【0048】大域誤差関数(Global Error
Function)と最急降下法(Steepest
Descent Method)に基づく重み調整ル
ールは、逆誤差伝播則に類似している。
【0049】以下の式において、0<η<1は、学習率
であり、αは、モメンタム係数、δ×Actは、勾配で
ある。各層についてのδは、次のように個々に計算され
る。 Error=0.5×Σ√(yd−ya) Δwt+1=ηδ×Act+αΔwt アウトプット層:δo=yd−ya 活動層:層の各ニューロンについての誤差は、アウトプ
ット誤差と、そのニューロン、daの活動に基づいて計
算される。 δa=Acta(1−Acta)×(da−Acta) 規則層:δr=Actr(1−Actr)×Σ(war−A
cta) war=は、規則と活動層の間の重みである。条件層:各
条件ニューロンについての重み付け更新規則は、次のよ
うに改善される。 wic(t+1)=ηδci+αΔwic(t) ここで、xiは、i番目の入力変数である。 Actは、その特定層に見られた活動作用関数である。
ファジィ能力として、もし必要なら、学習の前に階層型
ニューラル・ネットワーク部18へ次の条件を組み込む
ことが有効である。 「もし、地震波速度値が高く、かつ、比抵抗値が高けれ
ば、地質区分Gは、G1である。」 これは、図4及び図5の特性図から導かれる。しかし、
本発明の重要性が分からなくなるので、そのような能力
は組み込まなかった。
【0050】ニューラルネッワークの検証 有効なデータの85%をニューラルネットワークの実際
の学習に使用し、残りの15%のデータセットがモデル
の予測試験用に保存された。一例として、地質区分にG
1対して、図13に示すような、実測値(a)と、従来
のジオトモグラムのみによる予測値(b)と、本発明方
法による予測値(c)とが作成された。これらの図か
ら、本発明による出力は、従来の方法による場合に比較
して、鋭角な凸型又は正規型であり、より精度が高いこ
とを表している。
【0051】4.ボーリング孔間領域の地質予測 ソフトマップデータに関連付けられた予測の改善状況
を、以下に説明するように、予測の確かさとともに評価
した。図12は、テストデータの出力を要約したもの
で、2種類の例、すなわち、1つは、ジオトモグラムの
みを入力として用いた従来方法による例であり、もう1
つは、ジオトモグラムとソフトマップデータを入力した
本発明方法による例である。この図12から明らかなよ
うに、本発明方法による例の場合(ソフトマップデータ
を関連付けた場合)の予測が、従来方法による例による
場合よりもすべての地質区分で優れていることがわか
る。
【0052】予測された地質の確認には、多数のボーリ
ング調査が必要であるが、実施には困難であり、そのた
め、間接的な確認のみが可能である。そして、予測図
は、当業者の検討により、可能な地質図として確証され
た。
【0053】図14について、重要な点のいくつかを次
にまとめる。なお、図14(a−1)は、従来のジオト
モグラムのみによる予測を表し、(a−2)は、従来の
ジオトモグラムのみによる予測の確からしさを表し、
(b−1)は、本発明のジオトモグラムとソフトマップ
データによる予測の確からしさを表し、(b−2)は、
本発明のジオトモグラムとソフトマップデータによる予
測の確からしさを表している。
【0054】(a)ボーリング及びトンネルに沿う一
致:ボーリング及びトンネルに沿う垂直及び水平地質の
情報は、ニューラルネットワーク解析の学習や予備検討
に使用しなかった。これらボーリング及びトンネルに沿
う地質の場所では、予測された地質が図3に示す実際の
地質とかなり一致していることがわかる。
【0055】(b)実際に見ることができないボーリン
グ孔間の領域、例えば、図14の上方部におけるボーリ
ング孔間の領域で見られる地質的変化は、図3の実線及
び図14の点線で示した従来方法による地質図には略直
線的な傾斜として認められる。しかし、図16(a−
1)(b−1)に示す物理探査学的な地震波速度図と比
抵抗図の画像については、直線的な変化ではなく、かな
り入り組んだ曲線的な変化として認められる。
【0056】(c)地質境界:当業者は、図3に示す地
質図に示すように、全体的傾向として、断面内の地質境
界は左から右にかけて下向きに略直線的に傾斜している
ものと判断している。本発明方法による地質図では、図
14(b−1)に示すように、断面内の地質境界は左か
ら右にかけて下向きに傾斜している傾向があるが、直線
的な傾斜ではないことが把握された。
【0057】(d)ファジィマップ:各地質区分G1、
G2、…Gnに対して図9及び図10に示すようなファ
ジィマップを作成することが可能で、発生可能性の高い
領域を同定するのに役立つ。これらの画像は、当業者の
図3に示した総合的な判断による地質図と、図15に示
すような本発明によるファジィ予測の地質図と概ね整合
する。
【0058】予測された地質図は、当業者が必要な修正
を加えた後で、反復形式で再使用することができ、本発
明方法による図14(b−1)(b−2)を入力として
用いて、地質予測をさらに優れたものにすることができ
る。
【0059】5.ヘテロジニティ図と既存地質図への使
用 物理探査学的属性のヘテロジニティ、すなわち、地震波
速度の場合のヘテロジニティは、任意のセル「i」につ
いて、その近傍領域からの変化として、次式のように定
義される。 ここで、Niは、「i」番目のセルの近傍領域であり、
「n」は、近傍領域のセル数である。
【0060】具体例として、ヘテロジニティ図を図16
に示した。この図16において、(a−1)は、地震波
速度図、(a−2)は、地震波速度図のヘテロジニティ
図、(b−1)は、比抵抗図、(b−2)は、比抵抗図
のヘテロジニティ図である。これらの(A−2)(b−
2)図において、白い領域は、ヘテロジニティが高い領
域である。正方形および円形の最大25要素までの近傍
領域形状が検討された。ヘテロジニティ図のパターン
は、近傍領域の形状によらず不変であった。
【0061】図17により、地震波速度のヘテロジニテ
ィから理解できる事柄を以下に説明する。(a)は、あ
る位置の地震波速度そのものを表したものであるが、こ
の特性図からはほとんど何も理解できない。(b)は、
(a)で示した地震波速度のヘテロジニティ図であり、
この図から、岩種の分析について検討した。実線がヘテ
ロジニティ、点線が硬い岩石、2点鎖線が軟らかい岩石
の特性図である。ボーリング柱状図から、最も硬い岩石
の累積層厚は、各メッシュ・セル内の硬い岩石の幅を合
計することにより計算してプロットした。最も軟らかい
岩石の厚さも計算し、プロットしたが、負のスケールで
ある。ヘテロジニティは、軟らかい岩石が豊富な領域で
は一般的に低く、硬い岩石が豊富な領域では高いことを
この図は示している。
【0062】(c)は、亀裂が存在する位置の地震波速
度を表したものである。(d)は、(c)で示した地震
波速度のヘテロジニティを表したもので、亀裂が存在す
る場合には、ヘテロジニティの強度変化が、高く、急激
に変化することが観測された。(e)は、ある特定のボ
ーリング孔に沿った位置の地震波速度のヘテロジニティ
を示すもので、実線が3m×3mのセルの場合の特性図
で、点線が5m×5mのセルの場合の特性図である。
【0063】図17において、ヘテロジニティが滑らか
に変化し、かつ、強度が小さいヘテロジニティの場合に
は、亀裂が少ない岩石基質である可能性がある。長く狭
い、高いヘテロジニティの場合には、地層境界か、亀裂
・節理などである可能性がある。ヘテロジニティ図は、
物理的性質の境界を強調するが、ジオトモグラムで見ら
れる状況を失う。これらの強調は、当業者がボーリング
孔で発見した地質境界をボーリング孔間の領域に補間す
る作業を支援することに使用可能である。
【0064】本発明の以上の実施例では、いずれも2次
元の地質図の場合を説明したが、3次元の場合であって
も同様に適用できることは明白である。
【0065】
【発明の効果】(1)ソフトマップデータの関連付けに
より、地盤内部の岩石の種類や亀裂の発生頻度など地質
そのものの情報を高い精度で得ることができる。 (2)本発明のファジィ・ニューラル・ネットワーク部
11は、ファジィ化マップ作成部17と、階層型ニュー
ラルネットワーク部18と、非ファジィ化部19とを利
用した新しいタイプの数値解析方法であり、このファジ
ィ・ニューラル・ネットワーク部11は、学習すること
により地質図を予測するとともに、予測の確からしさの
指標を得ることができ、ボーリング孔間の領域における
地質構造の空間分布を、少ないデータでより高い精度で
予測して地質図を作成することができる。
【0066】(3)定性的観察結果は、コンピュータに
よる地質図上で表現することは難しいが、本発明のよう
に、ファジィ理論を用いることにより、当業者の量的又
は質的なものの見方を、ニューラルネットワーク理論適
用の枠組みに取り込み、これらの地質図を入力情報又は
ルールとして利用することができる。 (4)ジオトモグラムに含まれる物理的性質の境界に関
する情報を強調し、ボーリング孔間の領域の地質境界を
補間する場合の作業を支援することができる。 (5)階層型ニューラルネットワークの多変量回帰能力
を、カテゴリー変量をファジィ変量として取り扱うこと
により、制約条件の影響を受けることなく、完全に利用
することができる。また、地質学的観点からも、ファジ
ィ的な取り扱い方法は、データの不確かさかの存在を考
慮する上で有意義である。
【0067】(6)コンピュータモデルによって作成さ
れた情報を活用する上できわめて有用である。 (7)ファジィニューラルネットワークにより、不連続
性の地質部にも有効である。
【0068】(8)地質データを収集する手段からの地
盤内部の物性値に関する分布情報に基づきヘテロジニテ
ィを作成して地質データを収集する手段へのデータとし
て送るためのヘテロジニティ作成手段を有し、ジオトモ
グラムを予備処理することにより、ヘテロジニティ図が
作成できる。これにより、ボーリング孔間の領域の強調
画像が得られ、地盤内部に硬い物質や断裂系が介在する
場合に、その画像上での同定を可能にする。したがっ
て、ヘテロジニティ図は、当業者がボーリング孔におい
て認めた地層境界をボーリング孔間の領域に補間する場
合に参考となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地質図作成方法を説明するための
フローチャートである。
【図2】本発明による地質図作成装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図3】従来方法により作成した地質図である。
【図4】ボーリングにより採集した全サンプルの地質区
分毎の比抵抗と地震波速度の特性図である。
【図5】図4における2つの地質区分G1とG4のみの
比抵抗と地震波速度の特性図である。
【図6】ファジィ定義を説明するための説明図である。
【図7】X−X線断面における各地質毎のメンバーシッ
プ関数の説明図である。
【図8】図6及び図7における最小のユークリッド距離
の説明図である。
【図9】図4における各地質毎のファジィ化マップであ
る。
【図10】図3における点R・S・T・U・V・R内の
各地質毎のファジィ化マップである。
【図11】従来のジオトモグラムと本発明によるソフト
マップデータの具体例を示す説明図である。
【図12】各地質における従来方法と本発明方法との予
測の確かさを比較した説明図である。
【図13】地質区分にG1対して、実測値(a)と、従
来のジオトモグラムのみによる予測値(b)と、本発明
方法による予測値(c)とを示す説明図である。
【図14】(a−1)は、ジオトモグラムのみによる予
測地質図、(a−2)は、ジオトモグラムのみによる予
測の確かさの指標図、(b−1)は、ジオトモグラムと
ソフトマップデータとによる予測地質図、(b−2)
は、ジオトモグラムとソフトマップデータとによる予測
の確かさの指標図である。
【図15】各地質毎のファジィ予測の地質図である。
【図16】図3における点R・S・T・U・R間の特性
図で、(a−1)は、地震波速度の分布図、(a−2)
は、(a−1)における速度ヘテロジニティ図、(b−
1)は、比抵抗の分布図、(b−2)は、(b−1)に
おける比抵抗ヘテロジニティ図である。
【図17】地震波速度ヘテロジニティ図で、(a)は、
地震波速度図、(b)は、実線が地震波速度ヘテロジニ
ティ図、点線が硬い岩石の特性図、2点鎖線が軟らかい
岩石の特性図、(c)は、他の例の地震波速度図、
(d)断層を表示した地震波速度ヘテロジニティ図、
(e)は、実線が3m×3mセルの地震波速度ヘテロジ
ニティ図で、点線が5m×5mセルの地震波速度ヘテロ
ジニティ図である。
【図18】従来方法によるニューラルネットワーク処理
による地質図である。
【符号の説明】
10…入力部、11…ファジィ・ニューラル・ネットワ
ーク部、12…出力部、13…ボーリングデータなどの
入力部、14…ジオトモグラム入力部、15…ヘテロジ
ニティ作成部、16…標高データ入力部、17…ファジ
ィ化マップ作成部、18…階層型ニューラル・ネットワ
ーク部、19…非ファジィ化部、20…地質図出力部、
21…予測の確かさの出力部、22…ファジィ地質マッ
プ出力部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地質調査により直接地質データを収集す
    る手段と、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊
    で検出するジオトモグラフィ手段と、各地質区分毎のフ
    ァジィ化したソフトマップを作成する手段と、前記ジオ
    トモグラフィ手段により得られたジオトモグラムと前記
    ソフトマップ作成手段で得られたファジィ化したソフト
    マップデータとを階層型のニューラルネットワーク処理
    をする手段とからなることを特徴とする地質構造の空間
    分布を予測して地質図を作成する方法。
  2. 【請求項2】 地質調査により直接地質データを収集す
    る手段と、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊
    で検出するジオトモグラフィ手段と、各地質区分毎のフ
    ァジィ化したソフトマップを作成する手段と、前記ジオ
    トモグラフィ手段により得られたジオトモグラムと前記
    ソフトマップ作成手段で得られたファジィ化したソフト
    マップデータとを階層型のニューラルネットワーク処理
    をする手段と、この階層型のニューラルネットワーク処
    理手段で得られたファジィ地質マップ出力を非ファジィ
    化して地質図を得る手段とからなることを特徴とする地
    質構造の空間分布を予測して地質図を作成する方法。
  3. 【請求項3】 地質調査により直接地質データを収集す
    る手段と、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊
    で検出するジオトモグラフィ手段と、各地質区分毎のフ
    ァジィ化したソフトマップを作成する手段と、前記ジオ
    トモグラフィ手段により得られたジオトモグラムと前記
    ソフトマップ作成手段で得られたファジィ化したソフト
    マップデータとを階層型のニューラルネットワーク処理
    をする手段と、この階層型のニューラルネットワーク処
    理手段で得られたファジィ地質マップ出力を非ファジィ
    化して地質図を得る手段と、前記階層型のニューラルネ
    ットワーク処理手段で得られたファジィ地質マップ出力
    を非ファジィ化して予測の確かさを定量的に出力する手
    段とからなることを特徴とする地質構造の空間分布を予
    測して地質図を作成する方法。
  4. 【請求項4】 地質データを収集する手段は、ボーリン
    グ・地形測量調査・地域内周辺の地質探査・現場踏査を
    通じて得られたデータを収集する手段からなり、ジオト
    モグラフィ手段により検出する地盤内部の物性値は、少
    なくとも地震波速度と比抵抗値を含むようにしたことを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の地質構造の空間分
    布を予測して地質図を作成する方法。
  5. 【請求項5】 ファジィ化したソフトマップを作成する
    手段におけるファジィ化は、地質調査により直接地質デ
    ータを収集する手段により作成した地質図におけるある
    点からある地質層までの距離がその地質層内か又は所定
    の近い距離であれば、発生可能性を高く設定し、それよ
    りも所定の遠い距離であれば、低く設定したことを特徴
    とする請求項1、2、3又は4記載の地質構造の空間分
    布を予測して地質図を作成する方法。
  6. 【請求項6】 地質調査により直接地質データを収集す
    る手段と、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊
    で検出するジオトモグラフィ手段と、前記地質データを
    収集する手段からの地盤内部の物性値に関する分布情報
    に基づきヘテロジニティを作成して前記地質データを収
    集する手段へのデータとして送るためのヘテロジニティ
    作成手段と、各地質区分毎のファジィ化したソフトマッ
    プを作成する手段と、前記ジオトモグラフィ手段により
    得られたジオトモグラムと前記ソフトマップ作成手段で
    得られたファジィ化したソフトマップデータとを階層型
    のニューラルネットワーク処理をする手段とからなるこ
    とを特徴とする地質構造の空間分布を予測して地質図を
    作成する方法。
  7. 【請求項7】 地質調査により直接収集した地質デー
    タ、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊で検出
    したデータを入力する入力部10と、この入力部10か
    ら入力したデータをファジィ・ニューラル・ネットワー
    ク処理をするファジィ・ニューラル・ネットワーク部1
    1と、このファジィ・ニューラル・ネットワーク部11
    で処理されたデータに基づき地質図を出力する出力部1
    2とを具備してなることを特徴とする地質構造の空間分
    布を予測して地質図を作成する装置。
  8. 【請求項8】 入力部10は、ボーリングデータなどの
    入力部13とジオトモグラム入力部14と標高データ入
    力部16とを具備してなり、ファジィ・ニューラル・ネ
    ットワーク部11は、ファジィ化マップ作成部17と階
    層型ニューラル・ネットワーク部18と非ファジィ化部
    19とを具備してなり、出力部12は、地質図出力部2
    0と予測の確かさの出力部21とファジィ地質マップ出
    力部22とを具備してなることを特徴とする請求項7記
    載の地質構造の空間分布を予測して地質図を作成する装
    置。
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