JPH11147728A - ガラス板の曲げ成形方法および装置 - Google Patents

ガラス板の曲げ成形方法および装置

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JPH11147728A
JPH11147728A JP23355298A JP23355298A JPH11147728A JP H11147728 A JPH11147728 A JP H11147728A JP 23355298 A JP23355298 A JP 23355298A JP 23355298 A JP23355298 A JP 23355298A JP H11147728 A JPH11147728 A JP H11147728A
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JP
Japan
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glass plate
glass sheet
bending
curved
transport
Prior art date
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Application number
JP23355298A
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English (en)
Inventor
Masahiro Tsuchiya
雅弘 土屋
Tsuyoshi Kawaguchi
津慶 河口
Ken Nomura
謙 野村
Kohei Yoshino
浩平 吉野
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複曲ガラス板の回転を規制し、冷却装置によ
って冷却される複曲ガラス板の変形を防止する。 【解決手段】 加熱炉4によって加熱したガラス板1
は、湾曲ローラ5上を通過することよって複曲ガラス板
6に曲げ成形される。この際、押動機構7は、支持パッ
ド8によって複曲ガラス板6の後側を支持した状態で、
搬送装置3の上流側から下流側に向って押動し、複曲ガ
ラス板6を冷却装置11側に送り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、船舶、航
空機などの輸送機器の窓用や建築物の窓用、特に自動車
窓用のガラス板の曲げ成形方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用の窓には、一方向だけで
なく複数の方向に曲率を有するガラス板(以下、複曲ガ
ラス板という)が用いられるようになってきている。例
えば米国特許4123246号明細書に、このような複
曲ガラス板を成形する方法について開示されている。こ
の明細書には、加熱炉内で軟化点近くまで加熱したガラ
ス板を複数のローラによって搬送しながら、複曲ガラス
板を成形する方法が開示されている。
【0003】この場合、加熱によって軟化したガラス板
は、搬送方向と直交する方向(以下、搬送直交方向とい
う)の中央部が端部側よりも下側に湾曲したローラ(以
下、湾曲ローラという)によって搬送される。ガラス板
は、搬送中にガラス板の中央部分が自重によって垂れ下
がり、湾曲ローラの曲率に倣うように搬送直交方向に対
して曲げ成形される。また、複数の湾曲ローラは、搬送
方向に傾斜して並ぶように配置されている。ガラス板
は、この湾曲ローラ上を搬送されることによって、湾曲
ローラの傾斜に沿うように曲げられ、ガラス板は搬送方
向に対して曲げ成形される。こうして、ガラス板は、搬
送方向と搬送直交方向とに曲げ成形され、2方向に曲率
を有する複曲ガラス板に成形される。
【0004】曲げ成形された後の複曲ガラス板は、冷却
装置側に向けて搬送され、冷却装置によって吹付けられ
る冷却風により、急冷強化される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記明細書
に記載された方法には、次のような問題がある。曲げ成
形された複曲ガラス板とローラとの接触面積が低下する
傾向にある。そのため、複曲ガラス板を搬送するときに
複曲ガラス板の重心が湾曲ローラの最深部側に変位する
ことがある。このため、複曲ガラス板は、搬送方向およ
び搬送直交方向に変位するとともに、湾曲ローラ上で回
転することがある。
【0006】一方、冷却装置は複曲ガラス板をほぼ均等
に冷却するために、複曲ガラス板の形状に合せて冷却風
を吹き付けるノズルの位置や高さが調整されている。こ
の場合、冷却装置のノズルの位置等は複曲ガラス板が回
転しない状態で冷却装置側に搬送されることを前提とし
ている。そのため、複曲ガラス板が湾曲ローラ上で回転
した状態で冷却装置側に搬送されてくると、回転した状
態の複曲ガラス板はノズルに対して部分的に接近または
離間することがある。
【0007】複曲ガラス板が冷却される効率は、ノズル
と複曲ガラス板との距離に依存する。そのため、回転し
た複曲ガラス板には冷却され易い部分と冷却されにくい
部分とが生じる。この結果、複曲ガラス板には、高温の
部分と低温の部分とからなる温度分布が発生する。こう
して、複曲ガラス板が回転した場合には、複曲ガラス板
を均等に急冷強化できない不具合とともに、温度分布に
よって生じる引張応力や圧縮応力によって複曲ガラス板
の割れを招くという不具合がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、複曲ガラス板の回転を抑制し、複曲ガラ
ス板を冷却装置によって冷却したときに複曲ガラス板の
温度分布をほぼ均等化し、複曲ガラス板の変形を防止で
きるガラス板の曲げ成形方法および装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、回転する複数のローラ上に
ガラス板を載置しガラス板を搬送方向に向けて搬送する
搬送工程と、該搬送工程によって搬送されるガラス板を
加熱炉内で成形温度まで加熱する加熱工程と、該加熱工
程によって加熱されたガラス板を曲げ成形し複数の方向
に曲率を有する複曲ガラス板を成形する曲げ成形工程
と、該曲げ成形工程の下流側に設けられ搬送工程によっ
て搬送された複曲ガラス板を冷却装置によって冷却する
冷却工程とを備えたガラス板の曲げ成形方法であって、
前記曲げ成形工程の上流端と冷却工程の上流端との間に
は、この曲げ成形工程の上流端と冷却工程の上流端との
間をほぼ往復可能であって、曲げ成形された複曲ガラス
板の上流端を押圧して複曲ガラス板を前記ローラ上で搬
送方向に向けて押動する押動工程が設けられていること
を特徴としている。
【0010】このため、押動工程によって複曲ガラス板
を搬送方向に向けて押動し、複曲ガラス板をローラ上で
搬送方向に送り出すことができ、複曲ガラス板が搬送直
交方向に変位するのを防止できるとともに、複曲ガラス
板と冷却装置のノズルとの距離が複曲ガラス板毎に変化
するのを防止できる。また、搬送工程によってガラス板
を順次搬送しつつ、加熱工程によってガラス板を加熱
し、曲げ成形工程によってガラス板を曲げ成形できるか
ら、複曲ガラス板を時間的に連続して成形できる。
【0011】曲げ成形工程において、搬送方向に対して
傾斜して配置されたローラによってガラス板を搬送方向
に曲げ成形し、搬送方向と直交する方向に湾曲したロー
ラに沿ってガラス板を搬送方向と直交する方向に曲げ成
形する構成とすることが好ましい。
【0012】このように構成することにより、曲げ成形
工程では、搬送方向に対して傾斜して配置されたローラ
によってガラス板を搬送し、ガラス板を搬送方向に曲げ
成形できる。また、曲げ成形工程では、搬送方向と直交
する方向に湾曲したローラによって軟化したガラス板を
搬送し、ローラに沿ってガラス板を搬送直交方向に曲げ
成形できる。そして、搬送方向と搬送直交方向との2つ
の方向に曲げ成形された複曲ガラス板を得ることができ
る。
【0013】曲げ成形工程において、上型と下型との間
に挟みガラス板を搬送方向に曲げ成形し、搬送方向と直
交する方向に湾曲したローラに沿ってガラス板を搬送方
向と直交する方向に曲げ成形することもできる。
【0014】これにより、曲げ成形工程では、上型と下
型との間に挟むことによってガラス板を搬送方向に対し
て曲げ成形し、湾曲したローラによってガラス板を搬送
方向と直交する方向にガラス板を曲げ成形できる。この
ため、曲げ成形工程によってガラス板の周縁部をより大
きく曲げ成形できるとともに、搬送方向と搬送直交方向
との2つの方向に曲げ成形された複曲ガラス板を得るこ
とができる。
【0015】また、押動工程において、曲げ成形される
複曲ガラス板の後端を少なくとも2箇所で支持した状態
で前記ローラ上を搬送方向に向けて押動する構成とする
ことが好ましい。
【0016】この場合、押動工程では、複曲ガラス板の
後端を少なくとも2箇所で支持し、複曲ガラス板の回転
を規制できるとともに、複曲ガラス板をローラ上で搬送
方向に向けて送り出すことができる。そして、冷却工程
によって回転しない状態の複曲ガラス板に冷却装置から
冷却風を送風し、複曲ガラス板を冷却でき、複曲ガラス
板の温度分布をほぼ均等化できる。
【0017】また、押動工程において、前記搬送工程の
搬送速度よりも若干速い速度で押動する構成とすること
が好ましい。これにより、押動工程では、複曲ガラス板
の後端を少なくとも2箇所で支持しつつ、搬送工程の搬
送速度よりも若干速い速度で複曲ガラス板を送り出すこ
とができる。
【0018】また、搬送方向の長さxが300〜120
0mmの範囲、搬送直交方向の長さyが300〜800
mmの範囲であるガラス板を曲げ成形することが好まし
い。
【0019】また、搬送方向の中心線O−Oと重心位置
Gとの距離gが搬送直交方向の長さyの1/30〜1/
5の大きさの範囲であるガラス板を曲げ成形することが
好ましい。
【0020】また、請求項5の発明は、回転する複数の
ローラ上にガラス板を載置しガラス板を搬送方向に向け
て搬送する搬送手段と、該搬送手段の上流側に設けられ
ガラス板を成形温度まで加熱する加熱炉と、該加熱炉の
下流側に設けられ加熱されたガラス板を曲げ成形し複数
の方向に曲率を有する複曲ガラス板を成形する曲げ成形
手段と、該曲げ成形手段の下流側に設けられ搬送手段に
よって搬送された複曲ガラス板を冷却する冷却手段とを
備えたガラス板の曲げ成形装置であって、前記曲げ成形
手段の上流端と冷却手段の上流端との間には、この曲げ
成形手段の上流端と冷却手段の上流端との間をほぼ往復
可能であって、曲げ成形された複曲ガラス板の上流端を
押圧して複曲ガラス板を前記ローラ上で搬送方向に向け
て押動する押動機構が設けられていることを特徴として
いる。
【0021】このため、押動機構によって複曲ガラス板
を搬送方向に向けて押動し、複曲ガラス板をローラ上で
搬送方向に送り出すことができ、複曲ガラス板が搬送直
交方向に変位するのを防止できるとともに、複曲ガラス
板と冷却手段のノズルとの距離が複曲ガラス板毎に変化
するのを防止できる。また、搬送手段によってガラス板
を順次搬送しつつ、加熱炉によってガラス板を加熱し、
曲げ成形手段によってガラス板を曲げ成形できるから、
複曲ガラス板を時間的に連続して成形できる。
【0022】曲げ成形手段は、搬送方向に対して傾斜し
て配置されたローラによってガラス板を搬送方向に曲げ
成形するとともに、搬送方向と直交する方向に湾曲した
ローラに沿ってガラス板を搬送方向と直交する方向に曲
げ成形する構成とすることが好ましい。
【0023】このように構成することにより、曲げ成形
手段は、搬送方向に対して傾斜して配置されたローラに
よってガラス板を搬送し、ガラス板を搬送方向に曲げ成
形できる。また、曲げ成形手段は、搬送方向と直交する
方向に湾曲したローラによって軟化したガラス板を搬送
し、ローラに沿ってガラス板を搬送方向と直交する方向
に曲げ成形できる。そして、搬送方向と搬送直交方向と
の2つの方向に曲げ成形された複曲ガラス板を得ること
ができる。
【0024】曲げ成形手段は、上型と下型との間に挟み
ガラス板を搬送方向に曲げ成形するとともに、搬送方向
と直交する搬送直交方向に湾曲したローラに沿ってガラ
ス板を直交する方向に曲げ成形することもできる。
【0025】これにより、曲げ成形手段は、上型と下型
との間に挟むことによってガラス板を搬送方向に対して
曲げ成形し、湾曲したローラによってガラス板を搬送方
向と直交する方向にガラス板を曲げ成形できる。このた
め、曲げ成形手段によってガラス板の周縁部をより大き
く曲げ成形できるとともに、搬送方向と搬送直交方向と
の2つの方向に曲げ成形された複曲ガラス板を得ること
ができる。
【0026】また、押動機構は、曲げ成形される複曲ガ
ラス板の後端を少なくとも2箇所で支持した状態で前記
ローラ上を搬送方向に向けて押動する構成とすることが
好ましい。
【0027】この場合、押動機構は、複曲ガラス板の後
端を少なくとも2箇所で支持し、複曲ガラス板の回転を
規制できるとともに、複曲ガラス板をローラ上で搬送方
向に向けて送り出すことができる。そして、冷却手段
は、回転しない状態の複曲ガラス板に冷却風を送風し、
複曲ガラス板を冷却でき、複曲ガラス板の温度分布をほ
ぼ均等化できる。
【0028】また、押動機構は、前記搬送手段の搬送速
度よりも若干速い速度で複曲ガラス板を前記ローラ上で
搬送方向Aに向けて押動する構成とすることが好まし
い。これにより、押動機構は、複曲ガラス板の後端を少
なくとも2箇所で支持しつつ、搬送手段の搬送速度より
も若干速い速度で複曲ガラス板を送り出すことができ
る。
【0029】また、搬送方向Aの長さxが300〜12
00mmの範囲、搬送直交方向Bの長さyが300〜8
00mmの範囲であるガラス板を曲げ成形することが好
ましい。
【0030】さらに、搬送方向Aの中心線O−Oと重心
位置Gとの距離gが搬送直交方向Bの長さyの1/30
〜1/5の大きさの範囲であるガラス板を曲げ成形する
ことが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガラス板の曲げ成
形方法および装置について、その実施形態を添付図面に
従って説明する。
【0032】図1〜図7は本発明のガラス板の曲げ成形
装置の第1の実施形態を示す。平板状のガラス板1は、
回転する複数のローラ2上に載置され、搬送方向Aの上
流側から下流側に向けて搬送される。ローラ2は、その
下流側に設けられた後述の湾曲ローラ5とともに搬送装
置3を構成している。
【0033】加熱炉4は、搬送装置3の上流側に設けら
れている。加熱炉4内には電気ヒータやガスバーナ等
(いずれも図示せず)が設けられている。そして、加熱
炉4は、搬送装置3によって搬送されるガラス板1をガ
ラス軟化温度付近(例えば580〜700℃程度)まで
加熱する。
【0034】湾曲ローラ5,5,…は、加熱炉4の下流
側に互いに略平行に配置されて曲げ成形手段を構成す
る。湾曲ローラ5の軸方向は、図2に示すように搬送直
交方向Bである。湾曲ローラ5において、この軸方向の
中央部が端部側に比べて下側に位置するように湾曲して
いる。このため、湾曲ローラ5,5,…上の搬送にとも
なって、ガラス板1は、その自重によって湾曲ローラ5
に沿うように湾曲する。こうして、ガラス板1は、搬送
直交方向Bに曲げ成形される。
【0035】また、複数の湾曲ローラ5,5,…は、水
平方向に対して傾斜して並ぶように配置されている。こ
のため、ガラス板1は、湾曲ローラ5,5,…上の搬送
にともなって、上記傾斜に倣うように湾曲し、搬送方向
Aに曲げ成形される。こうして、ガラス板1は、搬送方
向Aと搬送直交方向Bとに湾曲し、2つの方向に曲率を
有する複曲ガラス板6に曲げ成形される。
【0036】押動機構7は、複曲ガラス板6の後端側か
ら複曲ガラス板6を搬送方向Aに向けてプッシュする押
動機構を構成する。押動機構7は、例えば2個の支持パ
ッド8と、支持パッド8を上,下方向に駆動するための
アクチュエータ9と、支持パッド8をアクチュエータ9
とともに搬送方向Aに向けて移動させる移動部10とか
ら構成される。本実施形態の支持パッド8は、正方形
((80×80)mm)の金属プレートを必要に応じて
断熱材で被覆したものである。
【0037】移動部10は、搬送方向に移動可能となる
ように例えば搬送装置3の上側に設けられたレール(図
示せず)等に取付けられている。移動部10にはアクチ
ュエータ9が設置されている。アクチュエータ9は、
上,下方向に駆動するロッド9Aを有している。ロッド
9Aの下端側には支持パッド8が固定されている。
【0038】支持パッド8は、加熱炉4からガラス板1
が搬送されてくるときには、ガラス板1と接触しないよ
うにアクチュエータ9によって上側に引上げられる。湾
曲ローラ5によってガラス板1が搬送されながら複曲ガ
ラス板6に曲げ成形されるときに、支持パッド8は、ア
クチュエータ9によって湾曲ローラ5まで降下する。
【0039】次に、支持パッド8は、移動部10によっ
て搬送方向Aに向けて移動する。このとき、移動部10
は複曲ガラス板6が湾曲ローラ5の回転によって搬送さ
れる搬送速度よりも若干速い速度(例えば、搬送速度よ
りも5〜15%程度速い速度)で搬送装置3の搬送方向
Aに移動する。このため、支持パッド8は、複曲ガラス
板6の後端に接触し、複曲ガラス板6を後端側(上流
側)から支持するとともに、複曲ガラス板6が回転する
のを規制する。そして、複曲ガラス板6は、支持パッド
8によって回転が規制された状態で後述の冷却装置11
側に搬送される。
【0040】ところで、湾曲ローラ5,5,…は、それ
ぞれ傾斜するように配置されている。そのため、複曲ガ
ラス板6の後端の上下位置は搬送とともに変わる。した
がって、支持パッド8をそのまま搬送方向Aに移動させ
ると、充分に複曲ガラス板6の後端を支持できない。そ
こで、複曲ガラス板6の後端の上下位置の変化にともな
い支持パッド8の位置を上下方向に動かすことは好まし
い。具体的には、アクチュエータ9を制御することによ
り、複曲ガラス板6の搬送にともなって支持パッド8の
上下位置を変化させることがあげられる。
【0041】他に、図15に示すように、支持パッド8
をバネ等の弾性材9Bを介してロッド9Aに取付ける手
段があげられる。この場合、図15に示すように支持パ
ッド8の下面側に突起8Aを設け、湾曲ローラ5に設け
られた溝5Aに突起8Aを挿入するように、支持パッド
8を湾曲ローラ5に弾性的に押付ける。この場合、弾性
材9Bがほぼ伸びきった状態が、複曲ガラス板6の後端
が最も下に位置するときに相当するように調整される。
そして、複曲ガラス板6の後端が上方にある際には、弾
性材9Bが縮むことで溝5Aに突起8Aが挿入された状
態で、支持パッド8で複曲ガラス板6をプッシュでき
る。湾曲ローラ5は湾曲しているが、支持パッド8は平
板状なので、湾曲ローラ5に追従するように、弾性材9
Bにより支持パッド8に首振機構を付与することが好ま
しい。この場合、溝5Aと突起8Aとの係合状態は、支
持パッド8の首振機構によるがたつきを防止できる。な
お、本実施形態では、溝5Aの深さを2〜5mm程度、
溝5Aの幅を10〜15mm程度とし、突起8Aの高さ
および幅を、それぞれ溝5Aの深さおよび幅よりも1〜
2mm程度小さくしている。
【0042】その後、支持パッド8が冷却装置11の上
流側に到達すると、移動部10は停止する。これによ
り、複曲ガラス板6は、湾曲ローラ5によって冷却装置
11側に搬送されるとともに、押動機構7は、湾曲ロー
ラ5の上流側に移動する。このように、押動機構7が湾
曲ローラ5上を往復運動することによって複曲ガラス板
6は回転が規制された状態で後述の冷却装置11側に搬
送される。
【0043】ここで、複曲ガラス板6の回転を確実に規
制するためには、押動機構7が搬送方向Aに移動するス
トローク長は、より長い方がよい。しかし、押動機構7
のストローク長が長過ぎるときには、押動機構7が搬送
方向Aに移動している間は次なる複曲ガラス板6の成形
ができなくなるから、複曲ガラス板6の生産性が低下す
ることになる。このため、押動機構7のストローク長
は、例えば湾曲ローラ5の手前近傍位置から冷却装置1
1の入口近傍位置までの間に設定されている。なお、冷
却装置11内での複曲ガラス板6の回転を防止する必要
がある場合には、冷却装置11の中程まで押動機構7の
ストロークが延びていることが好ましい。
【0044】冷却装置11は複曲ガラス板6を冷却する
ものである。冷却装置11には、図3に示すように複数
のノズル11A,11Bが湾曲ローラ5の上,下側に配
置されている。これらのノズル11A,11Bから複曲
ガラス板6に冷却風を吹き付けることによって、複曲ガ
ラス板6が急冷強化される。
【0045】本実施形態のガラス板の曲げ成形装置によ
って複曲ガラス板6を成形するガラス板の曲げ成形方法
について、図5〜図7を参照しつつ説明する。
【0046】まず、搬送工程では、図5に示すようにガ
ラス板1をローラ2上に載置し、ローラ2が回転するこ
とによってガラス板1を搬送方向Aの上流側から下流側
に向けて搬送する。
【0047】加熱工程では、搬送装置3によってガラス
板1を加熱炉4内に搬送し、加熱炉4内のヒータ等によ
ってガラス板1をガラス軟化温度まで加熱する。
【0048】曲げ成形工程では、図6に示すように加熱
工程によって加熱されたガラス板1はローラ2から湾曲
ローラ5上に移動する。このとき、ガラス板1は、搬送
方向Aに傾斜して設けられた湾曲ローラ5上を移動する
ことによって、湾曲ローラ5の傾斜に沿うように搬送方
向Aに対して曲げ成形されるとともに、湾曲ローラ5の
曲率に沿って搬送直交方向Bに曲げ成形される。これに
よって、ガラス板1は、搬送方向Aと搬送直交方向Bと
に対して曲げ成形され、複曲ガラス板6に曲げ成形され
る。
【0049】一方、押動工程では、押動機構7は、アク
チュエータ9によって支持パッド8を湾曲ローラ5まで
降下させるとともに、移動部10によって支持パッド8
を上流側から下流側に向けて移動させる。このとき、支
持パッド8は複曲ガラス板6の後端に接触し、当該複曲
ガラス板6の後端を2箇所で支持する。
【0050】ここで、複曲ガラス板6の重心位置Gが、
図4に示す如く搬送直交方向Bの中央部を結ぶ中心線O
−O上からずれていると、複曲ガラス板6の重心位置G
が中心線O−O側に移動しようとする。そのため、複曲
ガラス板6は例えば矢示C方向に回転する傾向がある。
しかし、支持パッド8によって複曲ガラス板6の後端を
2箇所で支持するから、押動機構7は複曲ガラス板6の
回転を確実に規制できる。
【0051】押動機構7は、図7に示すように支持パッ
ド8によって複曲ガラス板6を後端側から支持した状態
で、支持パッド8を搬送方向Aに沿って移動させ、複曲
ガラス板6の回転を規制した状態で、複曲ガラス板6を
湾曲ローラ5上で送り出し、複曲ガラス板6を冷却装置
11に向けて移動させる。
【0052】最後に、冷却工程では、冷却装置11によ
って複曲ガラス板6に向けて冷却風を吹き付け、複曲ガ
ラス板6を急冷強化する。ここで、複曲ガラス板6が回
転した場合や搬送直交方向Bに変位した場合には、図3
中に二点鎖線で示すように複曲ガラス板6と冷却装置1
1のノズル11A,11Bとの距離が部分的に異なって
しまう。例えば、複曲ガラス板6の端部では冷却装置1
1のノズル11A,11Bに近くなることがある。この
場合には、複曲ガラス板6に不均等な温度分布が発生
し、急冷後の望ましくない歪が残留する。この望ましく
ない歪は、複曲ガラス板6の割れの原因になる。
【0053】これに対し、本実施形態によれば、複曲ガ
ラス板6は支持パッド8によって回転が規制された状態
で冷却装置11側に移動する。そのため、複曲ガラス板
6と冷却装置11のノズル11A,11Bとの距離をほ
ぼ一定に保つことができ、複曲ガラス板6の温度分布が
ほぼ均等となるように冷却できる。
【0054】かくして、本実施形態によれば、搬送装置
3によって搬送されるガラス板1を、加熱炉4内で成形
温度まで加熱し、湾曲ローラ5によって複曲ガラス板6
に曲げ成形するとともに、押動機構7によって複曲ガラ
ス板6を後端側から支持した状態で湾曲ローラ5上を下
流側に送り出し、冷却装置11によって急冷強化する構
成としている。従って、搬送装置3によってガラス板1
を搬送しつつ、複曲ガラス板6を連続的に成形できる。
また、押動機構7は、支持パッド8によって複曲ガラス
板6の回転を規制しつつ、移動部10によって複曲ガラ
ス板6を冷却装置11側に移動させることができる。
【0055】このため、複曲ガラス板6が冷却装置11
側に移動したときに、複曲ガラス板6と冷却装置11の
ノズル11A,11Bとの距離をほぼ一定に保つことが
でき、複曲ガラス板6をほぼ均等に冷却し、複曲ガラス
板6に変形や強化不良が生じるのを防止できる。
【0056】また、湾曲ローラ5を搬送方向Aに対して
傾斜して配置し、湾曲ローラ5の傾斜に沿うようにガラ
ス板1を搬送方向Aに曲げ成形し、湾曲ローラ5によっ
て搬送直交方向Bにガラス板1を曲げ成形するから、2
つの方向に曲率を有する複曲ガラス板6を連続して曲げ
成形できる。
【0057】さらに、複曲ガラス板6は、湾曲ローラ5
によって曲げ成形された状態で、押動機構7によって冷
却装置11側に押動されるから、複曲ガラス板6の生産
性を低下させることなく、複曲ガラス板6の回転を規制
でき、複曲ガラス板6の変形や割れ等を防止できる。
【0058】図8〜図14は、本発明の第2の実施形態
を示す。本実施形態の特徴は上部プレスモールドと下部
リングモールドとの間にガラス板を挟むことによって複
曲ガラス板を成形することにある。なお、本実施形態で
は第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0059】プレス成形装置21は、曲げ成形されるべ
きガラス板の形状に形成された上部プレスモールド22
と上部プレスモールド22との間にガラス板1を挟持す
るために上部プレスモールド22の周縁形状に形成され
た下部リングモールド23とから構成されている。
【0060】ここで、上部プレスモールド22は、搬送
方向Aと搬送直交方向Bとに対して凸湾曲状に形成さ
れ、搬送装置3の上側に昇降可能に設けられている。そ
して、上部プレスモールド22は、ガラス板1を下部リ
ングモールド23とによって挟持するときには降下し、
それ以外のときにはガラス板1に接触しないように搬送
装置3の上側に上昇した状態で待機している。
【0061】一方、下部リングモールド23は、凹湾曲
状に形成され、上部プレスモールド22に対向して湾曲
ローラ24の下側に設けられている。そして、下部リン
グモールド23の上側にガラス板1が搬送されてきたと
きに、上部プレスモールド22が降下するのと連動して
上昇する。これによって、下部リングモールド23は、
上部プレスモールド22との間にガラス板1を挟み、ガ
ラス板1を搬送方向Aと搬送直交方向Bとに曲げ成形す
るとともに、予め決められた形状の複曲ガラス板25に
プレス成形する。
【0062】また、上部プレスモールド22と下部リン
グモールド23との間に位置する湾曲ローラ24は、図
9に示すように下部リングモールド23に接触しないよ
うに分割して設けられている。湾曲ローラ24は搬送方
向Aに対して傾斜して配置され、湾曲ローラ24上にガ
ラス板1が搬送されることによって、ガラス板1は搬送
方向Aに予備的に曲げ成形されるものである。そして、
湾曲ローラ24は、ローラ2、湾曲ローラ5とともに搬
送装置26を構成している。
【0063】次に、本実施形態のガラス板の曲げ成形装
置によって複曲ガラス板25を成形するガラス板の曲げ
成形方法について図10〜図14を参照しつつ説明す
る。
【0064】まず、搬送工程では、図10に示すように
ガラス板1をローラ2上に載置し、ローラ2が回転する
ことによってガラス板1を搬送装置26の上流側から下
流側に向けて搬送する。
【0065】次に、加熱工程では、搬送装置26によっ
てガラス板1を加熱炉4内に搬送し、加熱炉4内のヒー
タ等によってガラス板1をガラス軟化温度まで加熱す
る。
【0066】そして、曲げ成形工程では、図11に示す
ように加熱工程によって加熱されたガラス板1がローラ
2から湾曲ローラ24上に移動する。このとき、ガラス
板1は、湾曲ローラ24の曲率に沿って搬送直交方向B
に対して曲げ成形されるとともに、搬送方向Aに傾斜し
て設けられた湾曲ローラ24上を移動し、搬送方向Aに
対して予備的に曲げ成形される。
【0067】次に、プレス成形装置21は、図12に示
すように下部リングモールド23の上側にガラス板1が
移動したときに、下部リングモールド23は上側に向け
て上昇するとともに、上部プレスモールド22が下側に
向けて下降する。これによって、ガラス板1は、下部リ
ングモールド23と上部プレスモールド22との間に挟
まれ、搬送方向Aと搬送直交方向Bとに対して曲げ成形
され、予め決められた形状の複曲ガラス板25にプレス
成形される。
【0068】そして、プレス成形が終了したときには、
下部リングモールド23は、図13に示すように下側に
向って下降するとともに、上部プレスモールド22は上
側に向って上昇し、複曲ガラス板25は湾曲ローラ24
上に載置される。
【0069】次に、押動工程では、押動機構7は、アク
チュエータ9によって支持パッド8を湾曲ローラ24ま
で降下させるとともに、移動部10によって支持パッド
8を搬送方向Aに移動させる。このとき、支持パッド8
は複曲ガラス板25の後端に接触し、複曲ガラス板25
を後端の2箇所で支持するから、押動機構7は複曲ガラ
ス板25の回転を確実に規制できる。
【0070】次に、押動機構7は、図14に示すように
支持パッド8によって複曲ガラス板25を後端側から支
持した状態で、支持パッド8を搬送方向Aに向けて移動
させる。そして、押動機構7は、複曲ガラス板25の回
転を規制した状態で、複曲ガラス板25を湾曲ローラ2
4上で送り出し、複曲ガラス板25を冷却装置11に向
けて移動させる。
【0071】最後に、冷却工程では、冷却装置11によ
って複曲ガラス板25に向けて冷却風を吹き付け、複曲
ガラス板25を急冷強化する。このとき、複曲ガラス板
25は、支持パッド8によって回転が規制された状態で
冷却装置11側に移動するから、複曲ガラス板25と冷
却装置11のノズル11A,11Bとの距離をほぼ一定
に保つことができ、複曲ガラス板25の温度分布がほぼ
均等となるように冷却できる。
【0072】かくして、本実施形態によれば、プレス成
形装置21によって複曲ガラス板25をプレス成形する
構成としたから、ガラス板1をより大きく曲げることが
でき、予め決められた複曲ガラス板25の形状に確実に
曲げ成形できる。また、曲率が大きくなってより不安定
となった複曲ガラス板25であっても押動機構7によっ
て回転を規制しつつ冷却装置11側に移動させることが
でき、複曲ガラス板25が部分的に冷却されるのを防止
し、複曲ガラス板25に変形等が生じるのを防止でき
る。
【0073】なお、各実施形態では、2個の支持パッド
8で複曲ガラス板6の後端を支持する構成としたが、本
発明はこれに限らず、3個以上の支持パッドを用いてよ
い。また、複曲ガラス板の後端に線接触または面接触す
る単一の支持パッドを用いる構成としてもよい。
【0074】第2の実施形態では、湾曲ローラ24を搬
送方向Aに対して傾斜して配置し、ガラス板1を予備的
に曲げ成形する構成としたが、予備的な曲げ成形は必ず
しも必要ではなく、湾曲ローラ24を水平に配置した構
成としてもよい。
【0075】また、第2の実施形態では、上部プレスモ
ールド22と下部リングモールド23との間にガラス板
1を挟む構成としたが、上部プレスモールド22と湾曲
ローラ24との間にガラス板1を挟む構成としてもよ
い。
【0076】本発明のガラス板の曲げ成形方法・装置
は、特に自動車リヤウインドウ用のガラス板と比較し
て、自動車サイドウインドウ用のガラス板の曲げ成形に
有用である。すなわち、サイドウインドウ用のガラス板
の形状は台形状に類以した形状であることが多い(リヤ
ウインドウ用のガラス板は矩形に近い)。そのため、サ
イドウインドウ用のガラス板の重心位置Gがガラス板の
ローラ上での搬送方向の中心線(図4中のO−O)から
外れる傾向にある。さらに、この重心位置Gと中心線O
−Oとの距離gに対し、ガラス板全体の形状があまり大
きくない。したがって、サイドウインドウ用のガラス板
のケースでは、曲げ成形時にガラス板の回転が発生しや
すい。そのため、本発明のガラス板の曲げ成形装置は、
サイドウインドウ用のガラス板の曲げ成形に特に有用で
ある。
【0077】なお、本発明におけるガラス板の寸法とし
ては、搬送方向Aの方向の寸法xが300〜1200m
m、搬送直交方向Bの方向の寸法yが300〜800m
m程度を例示できる。yは、台形状であるガラス板の搬
送直交方向Bの方向における長い方の辺の寸法である。
本発明のガラス板の曲げ成形装置が特に有用である、サ
イドのドアウインドウ用のガラス板の代表的な寸法は、
(x×y)=(800〜1000×400〜600)m
mである。
【0078】ところで、サイドウインドウ用のガラス板
は、概略台形状である。そのために、サイドウインドウ
用のガラス板をローラ上に搬送する際に、複曲ガラス板
の回転が顕著に発生する。先に述べたとおり、こうした
複曲ガラス板の回転は、搬送方向の中心線O−Oとガラ
ス板の重心位置Gとのずれと、ガラス板の寸法とに起因
する。そのため、本発明のガラス板の曲げ成形方法・装
置は、上記寸法のガラス板であり、中心線O−Oとガラ
ス板の重心位置Gとの距離gとが所定の関係にあるもの
に有用である。具体的には、本発明のガラス板の曲げ成
形方法・装置は、g/y=1/30〜1/5、特にg/
y=1/20〜1/10であり、(x×y)=(300
〜1200×300〜800)mmであるガラス板を曲
げ成形する際に有用である。なお、gはガラス板の概略
台形状の程度を示す指標と考えることができる。
【0079】本発明において、少なくとも2つの支持パ
ッドにより複曲ガラス板の後端を支持することが好まし
い。一方で、これらの支持パッドの間隔が近すぎると、
充分にガラス板の回転を抑制できない。そのため、支持
パッドのガラス板の支持ポイント間の距離aはgの2倍
以上であることが好ましい。第1,第2の実施形態のよ
うに、支持パッドの複曲ガラス板に接触する部分がある
幅を有する場合には、接触する部分の中心間の距離をa
と考えればよい。より安定的にガラス板をプッシュでき
るaの具体的な好ましい範囲は、a=200〜400m
mである(もちろんaはyよりも小さいので、yが30
0mm以下である場合は、当然aの値も300mm未満
である)。
【0080】支持パッドが3つ以上ある場合には、最も
外側(ガラス板の側縁に近い側)の支持パッド間の距離
をaと考えればよい。複曲ガラス板の後端に線接触また
は面接触する単一の支持パッドを用いる場合には、複曲
ガラス板の後端に接触する部分の幅が200〜500m
mであることが好ましい。
【0081】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、曲げ成形工程によって曲げ成形される複曲ガラス
板を、押動工程によって搬送方向に向けて押動し、冷却
工程によって冷却する構成としたから、複曲ガラス板が
搬送直交方向に変位するのを防止することができ、複曲
ガラス板が冷却装置側に移動したときに、複曲ガラス板
と冷却装置のノズルとの距離をほぼ一定に保って複曲ガ
ラス板をほぼ均等に冷却し、複曲ガラス板に変形、割
れ、強化不良等が生じるのを防止できる。
【0082】また、前記曲げ成形工程を、搬送方向に対
して傾斜して配置されたローラによってガラス板を搬送
方向に曲げ成形し、搬送方向と直交する方向に湾曲した
ローラに沿ってガラス板を搬送直交方向に曲げ成形する
構成とすることによって、ガラス板を搬送しつつ搬送方
向と搬送直交方向とに曲げ成形でき、2方向に曲率を有
する複曲ガラス板を連続して曲げ成形できる。
【0083】また、上型と下型との間にガラス板を挟ん
で複曲ガラス板を曲げ成形することによって、ガラス板
をより大きく曲げることができ、予め決められた複曲ガ
ラス板の形状に確実に曲げ成形できる。
【0084】また、押動工程を、複曲ガラス板の後端を
支持した状態でローラ上を搬送方向に向けて押動する構
成とすることによって、複曲ガラス板に生じる回転を確
実に規制できるとともに、複曲ガラス板が回転しない状
態を保持しつつ複曲ガラス板を冷却装置側に向けて移動
できる。
【0085】また、押動工程を、前記搬送工程の搬送速
度よりも若干速い速度で押動する構成とすることによっ
て、複曲ガラス板の後端を少なくとも2箇所で支持しつ
つ、搬送工程の搬送速度よりも若干速い速度で複曲ガラ
ス板を送り出すことができる。
【0086】また、搬送方向の長さxが300〜120
0mmの範囲、搬送直交方向の長さyが300〜800
mmの範囲であるガラス板を曲げ成形するときに回転が
発生し易い。このため、本発明によるガラス板の曲げ成
形方法は、このようなガラス板を曲げ成形する際に特に
有用である。
【0087】また、本発明のガラス板の曲げ成形方法
は、搬送方向の中心線O−Oと重心位置Gとの距離gが
搬送直交方向の長さyの1/30〜1/5の大きさの範
囲であるガラス板を曲げ成形する際にはさらに有用であ
る。
【0088】また、請求項5の発明によれば、曲げ成形
手段によって曲げ成形される複曲ガラス板を、押動機構
によって搬送方向に向けて押動し、冷却手段によって冷
却する構成としたから、複曲ガラス板が搬送直交方向に
変位するのを防止でき、複曲ガラス板が冷却手段側に移
動したときに、複曲ガラス板と冷却手段のノズルとの距
離をほぼ一定に保って複曲ガラス板をほぼ均等に冷却
し、複曲ガラス板に変形、割れ、強化不良等が生じるの
を防止できる。
【0089】また、前記曲げ成形手段を、搬送方向に対
して傾斜して配置されたローラによってガラス板を搬送
方向に曲げ成形するとともに、搬送方向と直交する方向
に湾曲したローラに沿ってガラス板を搬送直交方向に曲
げ成形する構成とすることによって、ガラス板を搬送し
つつ搬送方向と搬送直交方向とに曲げ成形でき、2方向
に曲率を有する複曲ガラス板を連続して曲げ成形でき
る。
【0090】また、上型と下型との間にガラス板を挟ん
で複曲ガラス板を曲げ成形することによって、ガラス板
をより大きく曲げることができ、予め決められた複曲ガ
ラス板の形状に確実に曲げ成形できる。
【0091】また、押動機構を、複曲ガラス板の後端を
支持した状態でローラ上を搬送方向に向けて押動する構
成とすることによって、複曲ガラス板に生じる回転を確
実に規制できるとともに、複曲ガラス板が回転しない状
態で複曲ガラス板を冷却手段側に向けて移動できる。
【0092】また、押動機構を、前記搬送手段の搬送速
度よりも若干速い速度で押動する構成とすることによっ
て、複曲ガラス板の後端を少なくとも2箇所で支持しつ
つ、搬送手段の搬送速度よりも若干速い速度で複曲ガラ
ス板を送り出すことができる。
【0093】また、搬送方向Aの長さxが300〜12
00mmの範囲、搬送直交方向Bの長さyが300〜8
00mmの範囲であるガラス板を曲げ成形するときに回
転が発生し易い。このため、本発明によるガラス板の曲
げ成形装置は、このようなガラス板を曲げ成形する際に
特に有用である。
【0094】また、本発明のガラス板の曲げ成形装置
は、搬送方向Aの中心線O−Oと重心位置Gとの距離g
が搬送直交方向Bの長さyの1/30〜1/5の大きさ
の範囲であるガラス板を曲げ成形する際にはさらに有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のガラス板の曲げ成形装置を示
す全体構成図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた湾曲ローラの
正面図である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみた冷却装置
の断面図である。
【図4】第1の実施形態の搬送装置等を拡大して示す平
面図である。
【図5】第1の実施形態の加熱工程から曲げ成形工程に
移るときの押動機構の動作を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態の曲げ成形工程での押動機構の
動作を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態の押動工程から冷却工程に移る
ときの押動機構の動作を示す説明図である。
【図8】第2の実施形態のガラス板の曲げ成形装置を示
す全体構成図である。
【図9】第2の実施形態の搬送装置と下部リングモール
ド等を拡大して示す平面図である。
【図10】第2の実施形態の加熱工程から曲げ成形工程
に移るときの押動機構の動作を示す説明図である。
【図11】第2の実施形態の湾曲ローラによってガラス
板を予備的に曲げ成形した状態を示す説明図である。
【図12】第2の実施形態の上部プレスモールドと下部
リングモールドとの間にガラス板を挟持した状態を示す
説明図である。
【図13】第2の実施形態の曲げ成形工程から押動工程
に移るときのプレス成形装置の動作を示す説明図であ
る。
【図14】第2の実施形態の押動工程から冷却工程に移
るときの押動機構の動作を示す説明図である。
【図15】本発明における押動機構の要部の一例を示す
概略側面図である。
【符号の説明】
1 ガラス板 2 ローラ 3,26 搬送装置(搬送手段) 4 加熱炉 5,24 湾曲ローラ 6,25 複曲ガラス板 7 押動機構 11 冷却装置(冷却手段) 21 プレス成形装置 22 上部プレスモールド(上型) 23 下部リングモールド(下型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 浩平 神奈川県愛甲郡愛川町角田字小沢上原426 番1 旭硝子株式会社相模事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する複数のローラ上にガラス板を載
    置しガラス板を搬送方向に向けて搬送する搬送工程と、
    該搬送工程によって搬送されるガラス板を加熱炉内で成
    形温度まで加熱する加熱工程と、該加熱工程によって加
    熱されたガラス板を曲げ成形し複数の方向に曲率を有す
    る複曲ガラス板を成形する曲げ成形工程と、該曲げ成形
    工程の下流側に設けられ搬送工程によって搬送された複
    曲ガラス板を冷却装置によって冷却する冷却工程とを備
    えたガラス板の曲げ成形方法であって、 前記曲げ成形工程の上流端と冷却工程の上流端との間に
    は、この曲げ成形工程の上流端と冷却工程の上流端との
    間をほぼ往復可能であって、曲げ成形された複曲ガラス
    板の上流端を押圧して複曲ガラス板を前記ローラ上で搬
    送方向に向けて押動する押動工程が設けられていること
    を特徴とするガラス板の曲げ成形方法。
  2. 【請求項2】 前記押動工程において、前記搬送工程の
    搬送速度よりも若干速い速度で、複曲ガラス板を前記ロ
    ーラ上で搬送方向に向けて押動することを特徴とする請
    求項1に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  3. 【請求項3】 搬送方向の長さxが300〜1200m
    mの範囲、搬送直交方向の長さyが300〜800mm
    の範囲であるガラス板を曲げ成形する請求項1または2
    に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  4. 【請求項4】 搬送方向の中心線O−Oと重心位置Gと
    の距離gが搬送直交方向の長さyの1/30〜1/5の
    大きさの範囲であるガラス板を曲げ成形する請求項3に
    記載のガラス板の曲げ成形方法。
  5. 【請求項5】 回転する複数のローラ上にガラス板を載
    置しガラス板を搬送方向に向けて搬送する搬送手段と、
    該搬送手段の上流側に設けられガラス板を成形温度まで
    加熱する加熱炉と、該加熱炉の下流側に設けられ加熱さ
    れたガラス板を曲げ成形し複数の方向に曲率を有する複
    曲ガラス板を成形する曲げ成形手段と、該曲げ成形手段
    の下流側に設けられ搬送手段によって搬送された複曲ガ
    ラス板を冷却する冷却手段とを備えたガラス板の曲げ成
    形装置であって、 前記曲げ成形手段の上流端と冷却手段の上流端との間に
    は、この曲げ成形手段の上流端と冷却手段の上流端との
    間をほぼ往復可能であって、曲げ成形された複曲ガラス
    板の上流端を押圧して複曲ガラス板を前記ローラ上で搬
    送方向に向けて押動する押動機構が設けられていること
    を特徴とするガラス板の曲げ成形装置。
  6. 【請求項6】 前記押動機構は、前記搬送手段の搬送速
    度よりも若干速い速度で複曲ガラス板を前記ローラ上で
    搬送方向Aに向けて押動するものである請求項5に記載
    のガラス板の曲げ成形装置。
  7. 【請求項7】 搬送方向Aの長さxが300〜1200
    mmの範囲、搬送直交方向Bの長さyが300〜800
    mmの範囲であるガラス板を曲げ成形する請求項5また
    は6に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  8. 【請求項8】 搬送方向Aの中心線O−Oと重心位置G
    との距離gが搬送直交方向Bの長さyの1/30〜1/
    5の大きさの範囲であるガラス板を曲げ成形する請求項
    7に記載のガラス板の曲げ成形装置。
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