JPH10144234A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JPH10144234A
JPH10144234A JP30264996A JP30264996A JPH10144234A JP H10144234 A JPH10144234 A JP H10144234A JP 30264996 A JP30264996 A JP 30264996A JP 30264996 A JP30264996 A JP 30264996A JP H10144234 A JPH10144234 A JP H10144234A
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JP
Japan
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electrode
focusing electrode
focusing
ray tube
resistor
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Withdrawn
Application number
JP30264996A
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English (en)
Inventor
Kazunori Ota
和紀 太田
Kazunori Houkaku
一徳 法覚
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Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd
Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス放出がなく不慮の放電が発生してもサー
ジエネルギー吸収する抵抗体を持ち、電子ビームの偏向
角度が増大しても蛍光体スクリーン面の全域において高
いコンバーゼンスによる高解像度を持つカラー陰極線管
を提供する。 【解決手段】 制御電極2と最終加速電極6との間に、
少なくとも加速電極3と第1集束電極4と第2集束電極
5とを順次に配列し、第2集束電極5の電位が第1集束
電極4の電位より高いときに第1集束電極4と第2集束
電極5との間に軸非対称電界レンズを形成する電子銃を
有するカラー陰極線管において、第2集束電極5に電子
ビーム偏向角増大に伴い電圧が高くなるダイナミック電
圧を印加する手段を備えるとともに、骨材がAl23
AlN、Si34、SiO2ガラスおよびほう珪酸ガラ
スのうち1つまたは2つからなり、導電材がSiCから
なるセラミック抵抗体7を第1集束電極4と第2集束電
極5との間に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビおよびディ
スプレイ等に用いるカラー陰極線管、特に電界レンズを
生成する電子銃及び前記電子銃に搭載するセラミック抵
抗体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカラー陰極線管内に装着される電
子銃において、集束電極や陽極電極上に微小突起があっ
たり、溶接バリ、黒鉛、蛍光体などの管内微小異物が残
留していると、電極間隙付近において放電が発生する。
管内で放電が起こると、蓄積された電荷は200〜30
0nsの間に数100Aの放電電流として流れ、陰極、
ヒーター及びソケット基板を破壊、または周辺回路素子
に悪影響を及ぼすことがある。この放電による視覚上ま
たは音響上の悪影響を低減する方法の一つとして、特開
平2−205302号公報に記載されている方法は、電
子銃の各電極間で発生する不慮の放電の悪影響を解決す
べく、所定の電極間のリード線を数十kΩ程度の抵抗体
に置き換え、大電流を抑制するようにする方法であり、
抵抗体は骨材にAl23等の絶縁性無機材料粉末、導電
材に炭素粉末、結合剤に粘土等を用いて、混合、成形、
焼成することにより作られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来技術の
問題として、不慮の管内放電については、集束電極等に
設置する抵抗体近傍の温度が約100℃と高温であるた
め、ガス放出が顕著となり、具体的な放出ガスとして、
CO、C24、C36、CO2、C46等が発生してい
たという問題があった。この炭素ガスの放出を抑制する
ために例えば酸化雰囲気中で焼成し形成することで、抵
抗体表面近傍の炭素を酸化消失させ、表面は絶縁層を形
成するという方法が行なわれていたが、放出ガスの対策
が十分ではなく、前記CO、C24、C36、CO2
46等のガスの発生を完全には除去することができな
った。カラー陰極線管のような真空デバイスにとって、
放出ガスは寿命を縮める重要な要因となる。特に、カラ
ー陰極線管でも電子銃電極の陰極に近いほど、エミッシ
ョンに及ぼす影響は大きく、カラー陰極線管の寿命を短
くする。また、実動作の2〜3倍の高電圧、及び高周波
パルスを印加する耐電圧処理工程において、抵抗体が破
損する問題も引き起こしていた。抵抗体は導電部と絶縁
層の2層構造のため、耐電圧処理で絶縁層の破壊を生じ
やすく、処理を施したうちの約70%に破損が生じてい
た。
【0004】そこで、本発明は、上記のような放出ガス
の問題がなくかつ破損することのない抵抗体を用い、不
慮の放電が管内で発生してもサージエネルギーを吸収
し、視覚上や音響上で高い信頼性を得ることができるカ
ラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るカラー陰極線管は、主体とする骨材がA
23から形成され、導電材がSiCから形成されるセ
ラミック抵抗体の一端が前記集束電極に接続されている
ことを特徴とする。
【0006】また上記目的を達成するために本発明に係
るカラー陰極線管は、前記第2集束電極に電子ビームの
偏向角度の増大に伴い電圧が高くなるダイナミック電圧
を印加する電圧印加手段を備えるとともに、主体とする
骨材がAl23から形成され、導電材がSiCから形成
されるセラミック抵抗体を前記第1集束電極と前記第2
集束電極の間に接続していることを特徴とする。
【0007】かかる構成により、セラミック抵抗体から
のガス発生がなく、耐電圧処理工程において抵抗体が破
損することもなく、不慮の放電が管内で発生しても抵抗
体でサージエネルギーを吸収し、周辺回路素子への悪影
響を緩和し、視覚上や音響上で高い信頼性を得ることが
できるカラー陰極線管が得られる。
【0008】また上記目的を達成するために本発明にか
かるカラー陰極線管は、前記セラミック抵抗体の前記主
体とする骨材およびマトリックスがAl23、AlN、
Si 34、SiO2ガラスおよびほう珪酸ガラスのうち
少なくとも1つから形成され、さらに前記導電材がSi
Cから形成されることが好ましい。
【0009】かかる構成により、セラミック抵抗体は小
型かつ変形の少ない所望の高抵抗が得られる抵抗体とす
ることができる。それにより不慮の管内放電を生じて
も、抵抗体がサージエネルギーを吸収し周辺回路素子へ
の悪影響を緩和し、視覚上または音響上の悪い影響を大
幅に軽減できる。
【0010】
【発明の実施形態】
(実施の形態1)以下、本発明の実施の形態を図面に基
づいて説明する。
【0011】図2は本発明に係るカラー陰極線管の構造
図であり、パネルおよびファンネルからなる外囲器8を
有し、前記パネルの内面には青、緑、赤に発光する蛍光
体が塗布された蛍光体スクリーン9が形成されている。
前記蛍光体スクリーン面9と対向する外囲器8のネック
部の内部には電子銃10が収納されている。
【0012】図1は本発明に係るカラー陰極線管の回路
構成図であり、スクリーン面に対し水平方向に並行して
配置された3個の陰極1a、1b、1c、制御電極2、
加速電極3、第1集束電極4、第2集束電極5、および
最終加速電極6によってインライン型カラー陰極線管の
電子銃が構成される。第1集束電極4は、第2集束電極
5側の端面に3個の縦長の電子ビーム通過孔を有し、対
応して第2集束電極5は第1集束電極4側の端面に3個
の横長の電子ビーム通過孔を有している。また、第2集
束電極5は最終加速電極6側の端面に3個の円形または
非円形の電子ビーム通過孔を有し、対応して最終加速電
極6は第2集束電極5側の端面に3個の円形または非円
形の電子ビーム通過孔が形成されている。また、制御電
極2および加速電極3はそれぞれ3個の円形の電子ビー
ム通過孔を有し、対応して第1集束電極4の加速電極3
側の端面には3個の円形の電子ビーム通過孔が形成され
ている。
【0013】第1集束電極4と第2集束電極5とを接続
するセラミック抵抗器7を図9に示す。セラミック抵抗
器7の構成は、一実施例として、骨材のAl23、ほう
珪酸ガラス、導電材のSiCから形成される。製造方法
を以下に示すと、上記Al23、ほう珪酸ガラス、Si
Cをポットに秤量し、24時間ボールミル混合した後、
真空乾燥機で乾燥した粉末に可塑材、バインダー、調整
水を加え、撹拌機、土練機でねつ合し、成形用はい土を
得る。次に、真空成形機で押出し成形を行ない、φ1.
0mmの成形体を得る。成形体を110℃乾燥し、可塑
材、バインダー等を大気中で脱脂した後、窒素雰囲気中
約900℃以上で焼成する。焼成した成形体を10mm
に切断してセラミック抵抗体23を得、両側に電極キャ
ップ24及びリード端子22を設けてセラミック抵抗器
とする。
【0014】従来の特開平7−6709号公報に記載さ
れているような高圧分割抵抗、すなわちガラスあるいは
セラミック基板上に抵抗パターンをスクリーン印刷して
絶縁被膜で覆った厚膜抵抗の場合では、所定の電圧を得
るため抵抗の分割比に関し、非常に高い精度が要求され
るが、本発明の抵抗体7では抵抗値の高い精度は要求さ
れず、抵抗値が十分に大きければよい。そのためにセラ
ミックにリード端子を接続するという簡単な構成で安価
に抵抗体が制作できる。さらにこの抵抗体は耐熱性がよ
く、機械的又は化学的に安定し、熱膨張係数が小さいと
いう特長を持つ。 表1に、従来品と本発明における放
出ガス特性、及び耐電圧特性の実験結果を示す。本発明
の導電材に炭素を使用していないので、炭素粉末による
放出ガス(CO、C24、C36、CO2、C46等)
は発生していない。また、本発明の抵抗体構造は従来の
2層構造(導電部、絶縁層)ではなく、絶縁層がないた
めに耐電圧処理工程における抵抗体の破損は生じない。
【0015】一実施例として各電極に印加される直流電
圧の代表的な値を示すと、陰極1a〜1cにおいて50
〜150V、制御電極2において0V、加速電極3にお
いて300〜700V、最終加速電極6において25〜
30kVである。
【0016】上記のように構成する事により、不慮の管
内放電を生じても、セラミック抵抗器7がサージエネル
ギーを吸収し周辺回路素子への悪影響を緩和し、視覚上
または音響上の悪い影響を大幅に軽減できる。
【0017】上記の例では骨材がAl23とほう珪酸ガ
ラスとから形成されていたが、骨材がAl23、Al
N、Si34、SiO2ガラスおよびほう珪酸ガラスの
少なくとも1つから形成されていれば、同様の効果を得
ることができる。
【0018】さらに本発明に係るカラー陰極管は、上記
構成を基に、セルフコンバーゼンス制御を改善する方式
として応用できる利点がある。
【0019】カラー陰極線管においては、赤、緑、青3
つの電子ビームと電子ビームが射突する蛍光体スクリー
ン面の全域で精密に合致させる必要がある。その方法と
して、いわゆるセルフコンバーゼンス方式が広く採用さ
れている。このセルフコンバーゼンス方式のカラー陰極
線管において、蛍光体スクリーン面の中央部で径小かつ
真円のビームスポットが得られる最適フォーカス電圧を
保持すると、蛍光体スクリーン面の周辺部では水平方向
はビームスポットの最適フォーカス状態が維持されるも
のの、垂直方向はオーバーフォーカス状態になり、その
結果、周辺部において良好なビームスポットおよび解像
度を得ることが困難であった。この問題を解決する方法
として、たとえば特開昭61−99249号公報に記載
されている方法は、電子ビームの偏向角度の増大に伴っ
て水平方向で集束作用、垂直方向で発散作用が強くなる
軸非対称電界レンズと、電子ビームの偏向角度の増大に
伴って集束作用が弱くなる主レンズ電界とを形成するこ
とにより、蛍光体スクリーン面の全域において水平方
向、垂直方向ともに最適フォーカス状態が得られるよう
にしたものであった。
【0020】上記従来技術問題点として、セルフコンバ
ーゼンス方式における水平・垂直最適フォーカス電圧を
保持する方式について、電子ビームの偏向角度の増大に
伴って電圧が高くなるダイナミックフォーカス電圧と、
電子ビームの偏向角度にかかわらず一定である基準フォ
ーカス電圧との2種類ものフォーカス電圧を供給する必
要があるという問題があった。基準フォーカス電圧を供
給することなくダイナミックフォーカス電圧のみで蛍光
体スクリーン面の全域で水平、垂直方向ともに最適フォ
ーカス状態を保つ方式はいくつが提案されているが、そ
れぞれ下記のように問題があった。
【0021】例えば、特開平7−6709号公報に記載
された方法があるが、これは、最終加速電圧を高抵抗の
抵抗体により分割して基準フォーカス電圧を得て、電子
ビームの偏向角度の増大に伴い増加するダイナミックフ
ォーカス電圧のみを外部から供給する方式であるが、最
終加速電圧は25kV〜30kVときわめて高電圧とな
り、かかる高電圧を抵抗体を介して分割する場合、消費
電力を抑えるため数GΩ(ギガオーム)以上の抵抗体を
用いる必要がある。このような高抵抗の抵抗体は、分割
比の精度を要するため、一般的に高価であると共に、電
気特性や耐圧に関する信頼性を確保することが困難であ
った。
【0022】他の方法として、特開平8−185810
号公報に記載された方法があるが、この方法では、第1
集束電極と第2集束電極間に抵抗体とコンデンサを設置
しているために第1集束電極と第2集束電極間の静電容
量が大きくなる結果、抵抗体で接続されている第1集束
電極と第2集束電極との電位差が十分大きくならないの
で、偏向磁界の非点収差を補正する軸非対称レンズの形
成が不完全になってしまうという問題がある。
【0023】さらに他の方法として、特開平1−232
643号公報に記載されているものがあるが、この方法
では、使用抵抗を約200kΩとしており、これは電極
間容量によるインピーダンスが無視できるほど大きいと
は言えず、軸非対称レンズの形成が不完全になってしま
い、蛍光体スクリーン面の全域で高解像度を得られない
問題があった。
【0024】さらに他の方法としては、特開平8−10
2265号公報に記載された方法があるが、この方法で
は第1集束電極に印加される電位が交流成分であり、第
1集束電極と第2集束電極との電位差が十分でなく、軸
非対象レンズの形成が不十分となる問題があった。
【0025】下記に、上記問題を解決した本発明に係る
カラー陰極管のコンバーゼンス方式の実施形態を示す。
【0026】第2集束電極には、最終加速電極に印加さ
れる電圧Vaの20〜35%程度の基準フォーカス電圧
Vfocと電子ビームの偏向に同期してパラボラ状に変
化する電圧Vdynとを重畳した図3に示すような波形
のダイナミックフォーカス電圧Vfoc2が印加され
る。このダイナミックフォーカス電圧の波形がピーク値
を示す2点の間隔は一水平走査期間1Hに相当し、ダイ
ナミックフォーカス電圧Vfoc2が基準フォーカス電
圧Vfocとなる点が水平偏向角が零となる点である。
また、第1集束電極4は、図1に示すように抵抗体7を
介して第2集束電極5に接続されている。この抵抗体7
は外囲器8の内部に配置される。
【0027】上記構成の電子銃において、加速電極3と
第1集束電極4との対向面の間にも静電容量(C2)が
形成され、第1集束電極4と第2集束電極5との対向面
の間にも静電容量(C1)が形成される。その結果、第
1集束電極4は静電容量C2を介して加速電極3と電気
的に結合され、図4の等価回路で示すような容量結合に
よる回路が形成される。一実施例として静電容量C2お
よびC1は数pFである。抵抗体7の抵抗値が十分に大
きいとき、例えば10MΩ程度である場合、第1集束電
極4には図5に示すようにダイナミックフォーカス電圧
Vfoc2のピーク電圧より小さく基準フォーカス電圧
Vfocより大きい値のほぼ一定の電圧Vfoc1が生
じる。静電容量C2およびC1の値や水平偏向周波数の
値にもよるが、セラミック抵抗器7の抵抗値が5MΩ以
上であれば、Vfoc1はほぼ一定の電圧となる。
【0028】上記の電子銃構成によって形成される電子
レンズ系を光学レンズで等価的に示すと図6および図8
のようになる。各図において、(a)は蛍光体スクリー
ン面の中央における水平方向のレンズ構成、(b)は蛍
光体スクリーン面の中央における垂直方向のレンズ構
成、(a')は蛍光体スクリーン面の周辺部における水平
方向のレンズ構成、(b')は蛍光体スクリーン面の周辺
部における垂直方向のレンズ構成である。
【0029】ここで図6は、第2集束電極に基準フォー
カス電圧Vfocのみを印加したとき、すなわちダイナ
ミック電圧Vdynを重畳しないときに形成される電子
レンズ系である。この場合、蛍光体スクリーン面12の
周辺部では偏向磁界による水平方向で発散レンズ13、
垂直方向で集束レンズ14の作用が生じる。蛍光体スク
リーン面12と主レンズ11との距離は蛍光体スクリー
ン面12の周辺部では大きくなるが、偏向磁界による水
平方向の発散レンズ13の作用により補正されるため、
水平方向は最適フォーカス状態となる。すなわち、水平
方向は蛍光体スクリーン面全域で最適フォーカス状態を
保つことができる。一方、垂直方向は蛍光体スクリーン
面12と主レンズ部11の距離が大きくなり、オーバー
フォーカスになることに加え、偏向磁界の集束レンズ作
用14の作用により蛍光体スクリーン面12のビームス
ポットは図7に示すように垂直方向に、すなわちビーム
スポットの上下にハロー15を生じるため縦長形状とな
る。
【0030】一方、図8は、基準フォーカス電圧Vfo
cにダイナミック電圧Vdynを重畳したダイナミック
フォーカス電圧Vfoc2を第2集束電極に印加したと
きに形成される電子レンズ系を示している。この場合、
水平、垂直方向ともにビームスポットは最適フォーカス
を保つことができ、径小で真円に近いビームスポットを
得ることができる。以下にその理由を説明する。
【0031】第2集束電極5にダイナミックフォーカス
電圧Vfoc2を印加した場合、第1集束電極4には図
5示したように、ダイナミックフォーカス電圧Vfoc
2のピーク値より低く、基準フォーカス電圧Vfocよ
り高いほぼ一定の電位Vfoc1が生じる。従って、蛍
光体スクリーン面12の周辺部において第1集束電極4
の電位Vfoc1は第2集束電極5の電位Vfoc2よ
り低くなる。また、第1集束電極4の第2集束電極5側
の端面には3つの縦長の非円形の電子ビーム通過孔が設
けられ、第2集束電極5の第1集束電極4側の端面には
3つの横長の非円形の電子ビーム通過孔が設けられてい
る。これらの構成により、第1集束電極4と第2集束電
極5の間には図8に示すように、水平方向で集束レンズ
20の作用、垂直方向で発散レンズ21の作用となる電
界レンズ、いわゆる軸非対称電界レンズが形成される。
また、第2集束電極5に印加されるダイナミックフォー
カス電圧Vfoc2により、第2集束電極5と最終加速
電極6の間に形成される主レンズ電界17の強度は電子
ビームの偏向角度の増大に伴い弱くなる。したがって、
蛍光体スクリーン面12周辺において水平方向で弱めら
れた主レンズ電界17と軸非対称電界レンズの集束レン
ズ20の作用が相殺されるため最適フォーカス状態が保
たれる。一方、垂直方向では弱められた主レンズ電界1
7および軸非対称電界レンズの発散レンズ21の作用に
よりオーバーフォーカス状態が補正され、垂直方向にお
いても最適フォーカス状態を保つことが可能となる。こ
のようにして、蛍光体スクリーン面の周辺部において径
小で真円に近いビームスポットが得られ高い解像度を実
現することができる。
【0032】以上、説明したものは、第1集束電極と第
2集束電極が同電位であるときで、電子銃で形成される
電界レンズの合成した集束作用は水平・垂直方向で同じ
であるが、この集束作用を垂直方向より水平方向で強く
してもよい。この構成の場合、蛍光体スクリーン面中央
で生じる第1集束電極と第2集束電極の間に形成される
軸非対称電界レンズ作用を、主レンズ電界の水平方向の
強い集束作用と垂直方向の弱い集束作用によって相殺す
ることができる。
【0033】また、第1集束電極に生じる電位に重畳す
る交流成分を少なくするため、加速電極と第1集束電極
とを静電容量素子により接続してもよい。
【0034】なお、以上説明したものは、第1集束電極
と第2集束電極の間に抵抗体を介し軸非対称電界レンズ
を形成するものとしたが、特開平2−103848号公
報に記載されているように基準電位が印加されている電
極とダイナミック電圧が印加されている電極間で回転対
称電界レンズが形成されている電極間に抵抗体を接続し
た構成でもよく、特開昭58−198832号公報に記
載されているような多段集束型の電子銃に抵抗体を接続
している構成でもよい。
【0035】また、第1集束電極または第2集束電極と
電圧を印加するステムピンとの間に図9で示したセラミ
ック抵抗体を設けた場合でも、不慮の管内放電による周
辺回路素子への悪影響を緩和できる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不慮の放
電が管内で発生しても抵抗体でサージエネルギーを吸収
し、視覚上や音響上で高い信頼性を得ることができるカ
ラー陰極線管が得られる。また、電子ビームの偏向角度
に対して一定である基準フォーカス電圧を供給すること
なく、また、構造が複雑で高価な厚膜抵抗を用いること
もなく、蛍光体スクリーン面の全域でビームスポットを
最適フォーカス状態に維持することができ、これによっ
て蛍光スクリーン画面の全域において精度の高いコンバ
ーゼンスを得ることができ、高解像度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー陰極線管の電子銃の回路構成図
【図2】本発明の実施形態に係るカラー陰極線管の構造
【図3】第2集束電極に印加されるダイナミックフォー
カス電圧Vfoc2の波形図
【図4】図1の電子銃の回路の等価回路図
【図5】第1集束電極に印加されるダイナミックフォー
カス電圧Vfoc1の波形図
【図6】図1の電子銃においてダイナミック電圧を印加
しないときの蛍光体スクリーン中央部および周辺部での
水平方向および垂直方向の電子レンズモデルを示す図
【図7】図1の電子銃においてダイナミック電圧を印加
しないときの蛍光体スクリーン周辺部でのビームスポッ
トの形状を示す図
【図8】図1の電子銃においてダイナミック電圧を印加
したときの蛍光体スクリーン中央部および周辺部での水
平方向および垂直方向の電子レンズモデルを示す図
【図9】本発明のカラー陰極線管の電子銃に搭載する抵
抗体
【表1】 従来品と本発明における放出ガス特性、及び耐電圧特性
の実験結果
【符号の説明】
1a,1b,1c 陰極 2 制御電極 3 加速電極 4 第1集束電極 5 第2集束電極 6 最終加速電極 7 抵抗体 8 外囲器 9 蛍光体スクリーン 10 電子銃 11 主レンズ電界による集束レンズ 12 蛍光体スクリーン面 13 偏向磁界による水平方向の発散レンズ 14 偏向磁界による垂直方向の集束レンズ 15 ハロー 16 蛍光体スクリーン面中央部での主レンズ電界の集
束レンズ 17 蛍光体スクリーン面周辺部での主レンズ電界の集
束レンズ 18 蛍光体スクリーン面中央部での軸非対称電界レン
ズ水平方向発散レンズ 19 蛍光体スクリーン面中央部での軸非対称電界レン
ズ垂直方向集束レンズ 20 蛍光体スクリーン面周辺部での軸非対称電界レン
ズ水平方向集束レンズ 21 蛍光体スクリーン面周辺部での軸非対称電界レン
ズ垂直方向発散レンズ 22 抵抗体のリード端子 23 セラミックで形成された抵抗体 24 抵抗体のキャップ Vfoc 基準フォーカス電圧 Vdyn ダイナミック電圧 Vfoc1 第1集束電極に印加されるダイナミックフ
ォーカス電圧 Vfoc2 第2集束電極に印加されるダイナミックフ
ォーカス電圧 C1 第1集束電極4と第2集束電極5との間の静電容
量 C2 加速電極3と第1集束電極4との間の静電容量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電極と最終加速電極と水平方向にイ
    ンライン配列された3個の陰極とを有し、前記制御電極
    と前記最終加速電極との間に加速電極と集束電極とを配
    列した電子銃を有するインライン型カラー陰極線管にお
    いて、主体とする骨材がAl23から形成され、導電材
    がSiCから形成されるセラミック抵抗体の一端が前記
    集束電極に接続されていることを特徴とするカラー陰極
    線管。
  2. 【請求項2】 制御電極と最終加速電極と水平方向にイ
    ンライン配列された3個の陰極とを有し、前記制御電極
    と前記最終加速電極との間に加速電極と第1集束電極と
    第2集束電極とを順次に配列し、前記第2集束電極の電
    位が前記第1集束電極の電位より高いときに前記第1集
    束電極と前記第2集束電極との間に軸非対称電界レンズ
    を形成する電子銃を有するインライン型カラー陰極線管
    において、前記第2集束電極に電子ビームの偏向角度の
    増大に伴い電圧が高くなるダイナミック電圧を印加する
    電圧印加手段を備えるとともに、主体とする骨材がAl
    23から形成され、導電材がSiCから形成されるセラ
    ミック抵抗体を前記第1集束電極と前記第2集束電極の
    間に接続していることを特徴とするカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記セラミック抵抗体の前記主体とする
    骨材およびマトリックスがAl23、AlN、Si
    34、SiO2ガラスおよびほう珪酸ガラスのうち少な
    くとも1つから形成され、前記導電材がSiCから形成
    される請求項1に記載のカラー陰極線管。
JP30264996A 1996-11-14 1996-11-14 カラー陰極線管 Withdrawn JPH10144234A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6703775B2 (en) 2000-04-26 2004-03-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Color cathode ray tube apparatus with an electron gun having an intermediate electrode

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