JP6606640B2 - 眼科装置及びその制御方法 - Google Patents

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本発明は、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を用いて、断層像を取得する、主に眼科で使用する眼科装置及びその制御方法に関する。
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は、非侵襲、非接触で測定できることから、眼科における生体組織の高解像度な断層画像を取得する手段として広く使用されている方法である。OCTでは、1次元の深さ方向(眼球においては、眼軸方向)の画像をAスキャン像、2次元画像をBスキャン像、3次元画像をCスキャン像と通常呼ぶため、以下では、1次元画像をAスキャン(画)像、2次元画像をBスキャン(画)像、3次元画像をCスキャン(画)像とも記述する。
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)においては、タイムドメイン方式と呼ばれる、ミラーを動かして参照光の光路長を機械的に変化させながら断層画像取得を行うタイムドメインOCTと、フーリエドメイン方式と呼ばれる、分光器を用いてスペクトル情報を検出し断層画像取得を行うスペクトルドメインOCT、もしくは、波長走査光源を用いてスペクトル干渉信号を検出し断層画像取得を行う光周波数掃引OCTとがある。
フーリエドメイン方式のOCTでは、取得するスペクトル干渉信号のフーリエ変換によって得られる位相の時間変化量がドップラー信号として、被検物の移動速度に対応することを利用して、例えば、血流などの速度を求める手段として用いられる。ドップラー信号を取得するフーリエドメイン方式のOCTをドップラーOCTとも言うため、以下ではドップラーOCTと記述する。
ドップラーOCTは、例えば被検物の所定の部位にある血管における血流速度を計測するために、所定時間Δtで2回以上、所定の部位のOCT画像を取得し、取得した2枚以上のOCT画像の連続した隣り合う2枚のOCT画像から所定時間Δtにおける位相差Δφを取得して、血流速度を算出する方法が取られてきた。
ところが、従来のこの方法では、血流速度を測定するためには、上述のように同じ所定の部位を複数回OCT撮影してOCT画像を取得する必要があることから、測定時間が長くなるという問題があった。
特許文献1には、被検眼の眼底に照射する測定光を互いに独立した2つのビームに分けて、同じ眼底位置に対してΔtだけずらして走査(Bスキャン)して取得した2つの断層像(Bスキャン像)に対して、任意の同じ位置の画素データからΔtにおける位相の変化Δφを求めて、血流速度を求める方法が開示されている。
特開2013−7601号公報
独立した2つのビームを用いた特許文献1に記載の方法は、従来実施されていた同じ位置を複数回走査する方法に比べ、測定時間を短縮可能である。しかしながら、独立した2つのビームを生成し、同じ位置を走査させる方法は構成や制御方法が複雑になり、実施が難しいこと、さらに2つのビームで取得した断層画像が深さ方向に重ならないようにするため2つのビームにおいて一定の光路長差が必要になるため、眼底の深い位置における血流速度を求めることができないという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、新たな構成を必要とせず、かつ、簡易な方法で目的とする血管の位置及び血流速度を速やかに、かつ、精度良く取得可能な眼科装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面に係る眼科装置は光源からの光を参照光と測定光に分岐し、分岐した測定光を眼底に照射し、反射した測定光と参照光を合波して得られる干渉光から被検眼の眼底の断層画像を取得する眼底断層画像取得手段とを有する眼科装置において、眼底の深さ方向に延びる2次元断層像(Bスキャン像)を取得するための測定光の走査制御を少なくとも2つの異なる速度で実施可能な走査制御手段を備えたことを特徴とする。
眼底中の目的とする血管の血流の状態を定量的に計測するドップラーOCTの場合、目的とする血管を含む同一位置のBスキャン像を繰り返し取得し、連続して取得した隣り合ったBスキャン像の同じ位置における画素データの位相差から血管の位置を検出し、検出した血管の位置を中心とする狭領域を低速の走査速度で走査することにより、Bスキャン像を構成するAスキャン像間距離を小さくすることにより、隣り合うAスキャン像間の位相差から目的とする血管の検出した位置における(垂直)血流速を求めることが可能である。このような走査制御手段を採用することにより、新たな構成を必要とせず、かつ、簡易な方法で目的とする血管の位置及び(垂直)血流速が取得できる。
本発明の別側面に係る眼科装置は、被検眼の眼底を照明し、眼底からの反射光または散乱光を2次元画像素子で受光して被検眼の眼底の正面画像を取得する眼底正面画像取得手段と、取得した被検眼の眼底の正面画像から任意のBスキャン像を取得する位置を指定するBスキャン指定手段と、を更に備えることを特徴とする。
OCTのCスキャン像から眼底の正面画像を取得することも可能ではあるが、眼底カメラやSLOのような眼底正面画像取得手段を備えることで、リアルタイムで眼底の正面画像が取得でき、取得した眼底正面画像をモニタなどに表示して、目的とする血管を含む位置を指定する手段を備えることにより、容易に目的とする血管の血流速などが計測できる。さらに、リアルタイムで眼底の正面画像が取得でることから、OCTを撮影する際のトラッキング制御に採用することも可能である。
本発明の別側面に係る眼科装置は更に、走査制御手段において制御される少なくとも2つの異なる走査速度の内少なくとも2つの走査速度は10倍以上異なることを特徴とする。
例えば、異なる走査速度を300Aスキャン/Bスキャン(高速走査)と8,000Aスキャン/Bスキャン(低速走査)とすることにより、全体の測定時間の長時間化を回避しつつ、目的の血管の血流速を精度よく計測できる。
本発明の別側面に係る眼科装置は、少なくとも2つの異なる走査速度の内遅い走査速度で取得したBスキャン像に対して、隣り合うAスキャン像間(略同位置)で位相差を取得する第1の位相差取得手段を更に備えたことを特徴とする。
隣り合うAスキャン像間の距離を略同一位置になる程度に走査速度を遅くすることにより、隣り合うAスキャン像間の位相差から目的とする血管の検出した位置における(垂直)血流速を求めることが可能である。
本発明の別側面に係る眼科装置は、少なくとも2つの異なる走査速度の内速い走査速度で取得したBスキャン像に対して、連続して取得した隣り合うBスキャン像の同位置間の位相差を取得する第2の位相差取得手段を更に備えたことを特徴とする。
比較的に速い速度で走査することにより、短時間でBスキャン像が取得でき、隣り合うBスキャン像の同位置間の位相差から目的とする血管の位置が容易に、かつ、迅速に検出できる。
本発明の別側面に係る眼科装置は更に、Bスキャン指定手段が、同じ血管を含む少なくとも2つの異なる位置を指定することを特徴とする。
目的とする血管を含む少なくとも2箇所の異なった位置を指定し、各々の位置で、目的とする血管の位置(x0,z0)、(x1,z1)と2つの位置の距離Δdから目的とする血管の勾配を求め、求めた勾配と各々の位置における(垂直)血流速から絶対血流量を算出できる。
本発明の別側面に係る眼科装置は更に、走査制御手段の走査方向が対象とする血管に対して略垂直に交わる方向であることを特徴とする。
走査方向は目的とする血管に対して略垂直に交わるように走査して、Bスキャン像を取得することがより、精度の高い絶対血流量が算出できる。
上述のように、本発明によれば、上述のような走査制御手段を採用することにより、新たな構成を必要とせず、かつ、簡易な方法で目的とする血管の絶対血流量が取得できるのである。
本発明に係る眼科装置の一実施例の光学系の構成を示した図である。 本発明に係る眼科装置の一実施例の装置全体の構成を示した図である。 本発明に係る眼科装置の一実施例の操作手順(フローチャート)を示した図である。 OCTによる3次元断層像の取得までのフローを説明する図である。 本実施例に係る眼科装置のモニタに表示されたOCTによる眼底の(a)Bスキャン像とエンファス像(3次元のOCTデータから作成)の一例を示した図である。 本実施例に係る眼科装置のモニタに表示されたSLOによる眼底の正面画像の一例を示した図である。
以下、本発明の一実施例に係る眼科装置について図面を参照して説明する。
[一実施形態]
図1には本発明に係る眼科装置1の光学系の詳細を説明した図である。そして、図2には本発明に係る眼科装置1の一実施例の装置全体の構成を示した図である。
眼科装置1には次の2つの光学系を備えている。被検眼Eの眼底の断層画像を干渉光の技術を用いて非侵襲で取得するための干渉光学系(以下、OCT光学系)100と、赤外光源201を用いて被検眼Eの眼底を照射し観察するための眼底SLO画像を取得するスキャニングレーザーオフサルモスコープ(SLO)光学系(以下、SLO光学系)200である。
各光学系についてその構成を以下に説明する。
(OCT光学系100)
OCT光学系100は光源101から干渉光をA/D変換するADC116までで構成される。本実施例ではフーリエドメイン型のOCTの1つである、光源101に波長掃引型光源を用いたSS−OCTを採用している。SS−OCTはその測定原理から他のOCTの方法と比較して高速に干渉信号(断層画像データ)を取得できる点で優位とされている。OCT光学系100は本実施例のSS−OCTに限定されるものではなく、他のフーリエドメイン型のOCTであるスペクトルドメインOCT(SD−OCT)であってもよい。
光源101から出力された光はファイバーを通ってファイバーカプラ102により、コリメータレンズ103に入力する測定光とコリメータレンズ110に入力する参照光に分岐される。コリメータレンズ103に入力した測定光はフォーカスレンズ104、ガルバノミラー105、レンズ106、ダイクロイックミラー107及び対物レンズ109を通って被検眼Eの眼底部に照射される。そして、被検眼Eの眼底部から反射された測定光は、照射時とは逆に対物レンズ109、ダイクロイックミラー107、レンズ106、ガルバノミラー105、フォーカスレンズ104、コリメータレンズ103、ファイバーカプラ102を通り、ファイバーカプラ114の一方の入力部に入力する。
ファイバーカプラ102に分岐され、コリメータレンズ110に入力した参照光はプリズム112で反射されてコリメータレンズ111を通って、ファイバーカプラ114の他の一方の入力部に入力する。
ファイバーカプラ114に入力した測定光と参照光はファイバーカプラ114内で合波され干渉光としてバランス検出器115に入力して電気信号(干渉信号)に変換される。尚、ファイバーカプラ114から出力された2つの干渉光は互いに位相が180°異なる干渉光であり、この2つの干渉光がバランス検出器115に入力し差動増幅される。ここで、コモンノイズなどのノイズ成分の影響が低い場合は簡易な1入力の検出器などを採用してもよい。
バランス検出器115から出力された干渉信号はADC116でデジタル信号としてサンプリングされ、CPUやメモリなどからなる演算部500に入力し、フーリエ変換されて深さ方向の断層信号であるAスキャンデータを取得し演算部500内のメモリに記憶される。
プリズム112は制御部113により光軸上に移動し、参照光路長を変更調整可能に制御される。通常、OCT撮影の前に参照光路長と測定光路長が同じ光路長になるように制御部113により移動し、測定中は固定される。
ガルバノミラー105は被検眼Eに対して水平(X軸方向)垂直(Y軸方向)にスキャンするものであり、制御信号は演算部500から入力される。ガルバノミラー105をX軸方向、Y軸方向にスキャンすることにより被検眼Eの眼底部の3次元の断層画像が取得できるのである。
本実施例では、ダイクロイックミラー107は例えば900nm以上の長波長の光(OCT光源101からの光)は通過し、900nmより短い短波長の光(例えば840nm、SLOの光源からの光)は反射するように設定されている。ダイクロイックミラー107は上述の仕様に限定されるものではなく、使用する光源の波長で適宜設定すればいい。
上述のようにダイクロイックミラー107を用いて被検眼Eに照射され反射された2つの波長の異なる光(OCT光、SLO光)が適切に分割され、各々の測定を可能にしている。
図4は、OCT光学系100による断層像(Bスキャン像)を取得する様子を示したものである。図4(a)は被検眼Eの眼底網膜の一例を、図4(b)は断層像取得部100から取得して得られた眼底網膜401の複数の2次元断層像(Bスキャン像)の例を示している。そして、図4(c)は本実施例にて生成された眼底部の3次元断層像の例を示している。尚、図4(a)〜(c)のx軸はBスキャンのスキャン方向を、y軸はCスキャンの方向を示す。更に、図4(b)、(c)のz軸はAスキャン信号の奥行き方向、つまり眼底部の深さ方向を示す。実際に撮影しモニタに表示されたOCT画像を図5に示す。
(SLO光学系200)
SLO光学系200は、光源201からA/DコンバータであるADC210までで構成される。通常、SLO光源は800〜900nmの赤外のレーザーダイオードを用いて眼底画像を非侵襲で取得する。尚、本実施例では840nmのレーザーダイオードをSLO光源として採用している。SLO光源についても、本実施例のレーザーダイオードに限定されるものではなく、他の光源、例えばLEDであってもよい。
SLO用の光源201から出力された測定光(他の測定光を区別するため、以下、SLO測定光とする)はミラー204で反射される。ここで、眼底に照射する光と眼底から反射された反射光が同じ経路を辿る。そこで、照射光と反射光を分割するため、ミラー204は、所定の割合で反射と透過するハーフミラー又はビームスプリッタなどが採用される。光学系内の意図しない散乱や反射により生じるノイズ光が低減するため、ミラー204に偏光ビームスプリッタを採用してもよい。
よって、SLO測定光の一部がミラー204により反射されてフォーカスレンズ203に入力し、その後スキャン装置208、レンズ202を通り、ダイクロイックミラー107に入力する。入力したSLO測定光はダイクロイックミラー107で反射し、対物レンズ109を通って被検眼の眼底に照射される。フォーカスレンズ203は眼底に照射されたSLO測定光が眼底上でフォーカスするよう光軸上で移動制御される。
眼底で反射されたSLO測定光は逆の経路で、対物レンズ109、ダイクロイックミラー107、レンズ202、スキャン装置208、フォーカスレンズ203を通ってミラー204に入力し、その一部がミラー204を透過してレンズ205に入力して集光後ピンホール206を通って光検出器207で受光し、電気信号に変換後ADC210に入力する。
ここで、スキャン装置208は、上述のOCT光学系100の中のガルバノミラー105と同様に、SLO測定光を被検眼の眼底に対してX軸方向、Y軸方向にスキャンするものであり、スキャン装置208により、SLO測定光の照射位置を走査して眼底の正面画像データを取得できるようになっている。スキャン装置208は、ガルバノミラーに限定されるものではなく、ポリゴンミラーを用いてもよいし、ガルバノミラーとポリゴンミラーを複合した構成としてもよい。また、光検出器207は、例えば、アバランシェフォトダイオードや光電子増倍管などが採用される。
上述のように、眼底部をXYスキャンしてその反射光をADC210でサンプリングし、演算部500で信号処理することにより、被検眼Eの眼底の正面画像が取得できるのである。実際に撮影しモニタに表示されたSLO画像を図6に示す。
(操作手順)
次に、本実施例に係る眼科装置の操作手順について説明する。
図3は、本実施例における操作手順を説明したフローチャートである。
まず、S10で上記2つの光学系が配置されたヘッド(ヘッド部とも言う)を被検眼の目に合わせる(以下、アライメントという)。アライメントは本体に備えた(図示しない)ジョイスティックなどを用いて実施される。本実施例では、アライメントを容易にするため、(図示しない)固視光学系を用いて固視灯を被検眼に対して照射し、これにより、被検眼を固視してアライメント(ヘッドを目に合わせる)を実施している。固視光学系は、一般的な眼科装置に備わっている固視光学系が採用可能である。
次に、S12でSLO光学系のフォーカス調整を行う。フォーカスレンズ203を光軸上で移動制御して光源201から照射されるSLO光が被検眼の眼底(網膜)上で焦点が合う(フォーカスする)ようにする。そして、この時得られた制御信号の値から被検眼の眼屈折力も算出され、本体内の記憶部に記憶される。
次に、S14で(図示しない)固視光学系を用いて被検眼を固視させる。固視させる方法は上述のように一般の眼科装置で採用される方法を用いてもよいし、より効果の高い固視光学系を配置して、実施してもよい。
S16でSLO撮影を実施して眼底部の正面画像を取得する。
S16で眼底部の正面画像を取得したら、(図示しない)モニタに眼底部の正面画像を表示する。表示方法は、リアルタイムに表示してもよいし、検者の操作により、画像を切り替えて表示する方法であってもよい。そして、S18で、モニタに表示した眼底部の正面画像を見て、OCT撮影の撮影位置(眼底部の位置)2箇所以上決定する。決定は、検者がモニタを見て決定してもよいし、予め撮影位置が定まっていれば(例えば予め設定した特定の血管を含む複数の位置など)、SLOによる眼底部の正面画像を演算部500で解析して撮影位置を自動的に検出してOCT撮影の撮影位置を決定してもよい。OCT撮影の撮影位置の一実施例を図6に示す。
OCT撮影の撮影位置が決定したら、S20でOCTのフォーカス調整を行う。フォーカス調整はフォーカスレンズ104を光軸上で移動させて撮影対象位置である眼底(網膜)にOCTの光が焦点を結ぶようにフォーカスレンズ104を位置制御して実施する。
OCTのフォーカス調整が終了したら、S22でOCTのゼロ点調整を行う。ゼロ点調整とは、OCT光学系の中の(被検眼を照射して反射光を得る)測定光学系の光路長(測定光路長という)と上述の参照光学系の光路長(参照光路長という)が一致するように、参照光学系内のプリズム112を光軸上で移動制御して実施される。本実施例ではプリズム112を採用しているが、プリズムに限定されるものではなく、ミラーなどを採用してもよい。
S22でOCTのゼロ点調整が終了したら、S24で「m=0」とする。本実施例の場合、2箇所以上の眼底位置でBスキャン像を取得するため、最初の眼底位置の場合を0番目の位置としてカウントする。
S26でOCTのBスキャンのレートを300Aスキャン/Bスキャンになるように演算部500によりOCT制御を実施する。Bスキャンのレートはこれに限定するものではなく、測定全体の時間を考慮して、適宜設定すればよい。本実施例の場合、血管の位置を検出することを目的としているため、精度の高い画像を必要としないことや全体の測定時間を抑える上で、比較的速いスキャンレート(1回のBスキャンで取得するAスキャン像が少ない、つまり、比較的粗い画像を取得するレート)である300Aスキャン/BスキャンのBスキャンレートを採用している。
S28で「n=0」とする。本実施例の場合、複数枚の同じ眼底位置でBスキャン像を取得するため、最初のBスキャン像を0番目のBスキャン像としてカウントする。
そして、S30でOCTの撮影を開始する。本実施例のようなフーリエドメイン型のOCTであるSS−OCTの場合、深さ方向(Z方向)のスキャンは必要ないため、ガルバノミラー105により、X方向又はY方向に一度スキャンすることにより、スキャンした範囲の複数のAスキャン像(1次元断層像ともいう)が取得できるため、本実施例の場合、以下、OCT撮影とはBスキャン撮影と同意として扱う。そして、OCT撮影して得られた画像をBスキャン像又はBスキャン画像という。Bスキャン画像は、本実施例では眼底部の深さ方向の2次元断層(画)像である。そして、予め設定した枚数(つまり予め設定した枚数n(final))を取得するまで、以下で説明するS30〜S40の操作を繰り返す。
SLO撮影(S16)はOCT撮影(Bスキャン撮影と同意)と並列して実施される。そして、SLO撮影(S16)で取得したSLO画像から、眼底部の移動検出(S32)を行い、S34で眼底部の移動量を算出して、算出した眼底部の移動量に基づいてS36でOCTスキャンの位置を補正(変更)して、次のOCT画像を撮影する(S38、n=n+1)。
S36のSLO画像を用いたOCTスキャンの位置補正(アイトラッキングと呼ぶこともある)は必ずしも必要ではない。本実施例の場合、被検物が人の目であるため、固視されていても、固視微動などが常に生じ、取得したOCT画像にモーションアーチファクトが入りやすいため、本実施例では上述のようなアイトラッキングを実施しているのであって、被検物が生体ではないような場合で、モーションアーチファクトを考慮しなくてもいい場合は、上記のようなアイトラッキングは必要ないため、S32〜S36の工程は削除できる。
もし、撮影した枚数が所定の数になったら(S40、n>n(final))、S42に進む。撮影した枚数が所定の数より少ない場合はS30に戻ってOCT撮影を続ける。
S42では、現在のOCTのスキャンレートを確認する。もし、OCTのスキャンレートが300Aスキャン/Bスキャンの場合は、S44に進む。
(血管の位置座標の取得)
300Aスキャン/Bスキャンで同じ眼底位置のBスキャン像を所定枚数取得したら、S44で、連続して隣り合う2つのBスキャン像間で位相差(ΔφB(n)(x,z))を算出する。(nは取得したBスキャン像の番号を示す。)
S44で算出された複数の位相差(ΔφB(n)(x,z))をS46で平均化処理を実施して、その結果から血管の位置座標(d(m)(x,z))を算出する。(mは眼底の測定位置の番号を示す。)
血管の位置座標(d(m)(x,z))を算出したら、その位置座標を記憶部に記憶し、S48で、OCTのスキャンレートを8,000Aスキャン/Bスキャンになるように演算部500によりOCT制御を実施する。Bスキャンのレートはこれに限定するものではなく、測定全体の時間を考慮して、適宜設定すればよいが、隣り合うAスキャン像の位置が略同一な位置になる程度にOCTのスキャンレートを設定するのが望ましい。
さらに、S50では、OCTのスキャン領域を設定する。S46で求めた座標位置にある血管の血流速度を求めることが目的であるため、血管の位置を中心とした領域であり、OCTのスキャンレートが300Aスキャン/Bスキャンの場合に比べて狭い領域を設定するのが望ましい。8,000Aスキャン/BスキャンのOCTのスキャンレートは非常に遅いスキャンレートであるため、スキャンする領域が大きい程、測定に時間が掛かってしまうからである。領域幅を血流速度が算出可能な程度に適切に設定することにより、精度の高い血流速度が算出でき、かつ、測定全体の時間も短縮できるのである。
S48で、OCTのスキャンレートを変更し、S50でスキャン領域幅を設定したらS28に戻り、8,000Aスキャン/BスキャンのスキャンレートでS30〜S40のOCT撮影を実施する。所定枚数撮影したら(n>n(final))、S42に進む。
今回の場合は、スキャンレートが8,000Aスキャン/Bスキャンであるため、S52に進み、8,000Aスキャン/Bスキャンで撮影されたBスキャン画像から血流速度を算出する。
まず、S52で撮影された1つのBスキャン像に対して隣り合う2つのAスキャン像間の位相差(ΔφA(n)(z))を算出する。((nは取得したBスキャン像の番号を示す。)
次に、S54で各々のBスキャン像で算出された複数の位相差(ΔφA(n)(z))の値に対して平均化処理などを実施して、m番目の眼底位置における(垂直)血流速度(V(m)(z))を算出する。(mは眼底の測定位置の番号を示す。)
S56で、次の測定位置でOCT撮影を行う(m=m+1)。S58で所定の数の測定位置でOCT撮影をしていない場合は、測定位置を変更してS26に戻り、次の測定位置でOCT撮影を続ける。所定の数の眼底位置でOCT撮影が終了したら(m>m(final))、OCT撮影は終了し、眼底の各測定位置で得られた血管の位置情報から血管の勾配を算出し、算出した勾配と各(垂直)血流速度から対象とする血管の絶対血流量が算出できるのである。尚、位相差情報から血流速度などを算出する算出方法は、特許文献1などで既に公知の種々の方法を採用できるため、ここでは、その詳細は省略する。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
例えば、上記実施例では、眼底正面画像取得のためSLOを採用したが、SLOに限定されるものでななく、眼底カメラを採用してもよい。さらに言えば、OCTのCスキャン画像から作成したエンファス像(図5(b))を用いて、血流量を求める位置を指定するようにすれば、SLOや眼底カメラのような眼底正面画像取得手段は、必ずしも必要ではない。このような場合、アイトラッキングを、例えば、別途、前眼部撮影光学系を配置し、取得した前眼部画像を用いて実施することも可能である。この前眼部撮影光学系は、眼底正面画像撮影光学系共に配置し、アイトラッキングを両方の撮影画像を用いて実施することも可能である。
また、上記実施例では、血管の血流量を測定するドップラーOCTを例にして本発明の特徴を説明したが、本発明に係る方法はドップラーOCTに限定されるものではなく、通常のOCTにおいても利用可能である。例えば、眼底に病変がある場合、その病変の箇所を高精度にOCT撮影したい場合は、本発明に係る方法を採用することにより、時間をかけることなく測定され、診断に有効な情報を提供できる。つまり、上述した実施例において、300Aスキャン/Bスキャンのスキャンレートにより病変位置を検出し、8,000Aスキャン/Bスキャンのスキャンレートで病変周囲に限定して撮像することにより病変に関する高精度な断層画像を短時間で取得できるのである。
1…本実施例の眼科装置、100…OCT光学系、101…光源、102…ファイバーカプラ、105…ガルバノミラー、107…ダイクロイックミラー、112…プリズム、200…SLO光学系、201…SLO光源、204…ビームスプリッタ、208…SLOスキャン装置、300…前眼部撮影光学系、303…CCDカメラ、500…演算部、E…被検眼

Claims (9)

  1. 光源からの光を参照光と測定光に分岐し、分岐した測定光を眼底に照射し、反射した測定光と参照光を合波して得られる干渉光から被検眼の眼底の断層画像を取得する眼底断層画像取得手段を有する眼科装置において、
    眼底の深さ方向に延びる2次元断層像(Bスキャン像)を取得するための測定光の走査制御を少なくとも2つの異なる速度で実施可能な走査制御手段を備え
    前記Bスキャン像は、前記深さ方向とは垂直な方向に、前記深さ方向に延びる1次元断層像(Aスキャン像)が並ぶ像であり、
    前記少なくとも2つの異なる走査速度の内遅い走査速度で取得されたBスキャン像は、前記少なくとも2つの異なる走査速度の内速い走査速度で取得されたBスキャン像よりも、Bスキャン像当たりのAスキャン像の数が多く、
    前記走査制御手段は、第1の領域に対し、前記速い走査速度で前記測定光の走査制御を実施した後、前記第1の領域よりも狭い第2の領域に対し、前記遅い走査速度で前記測定光の走査制御を実施する眼科装置。
  2. 前記走査制御手段は、前記速い走査速度で前記測定光の走査制御を実施して得られた前記第1の領域のBスキャン像に基づき、前記第2の領域を決定する請求項1記載の眼科装置。
  3. 被検眼の眼底を照明し、眼底からの反射光または散乱光を2次元画像素子で受光して被検眼の眼底の正面画像を取得する眼底正面画像取得手段と、
    取得した被検眼の眼底の正面画像から任意のBスキャン像を取得する位置を指定するBスキャン指定手段を備える、請求項1又は2に記載の眼科装置。
  4. 前記走査制御手段において制御される前記少なくとも2つの異なる走査速度の内少なくとも2つの走査速度は10倍以上異なる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼科装置。
  5. 前記少なくとも2つの異なる走査速度の内遅い走査速度で取得したBスキャン像に対して、隣り合うAスキャン像間で位相差を取得する第1の位相差取得手段を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼科装置。
  6. 前記少なくとも2つの異なる走査速度の内速い走査速度で取得したBスキャン像に対して、連続して取得した隣り合うBスキャン像の同位置間の位相差を取得する第2の位相差取得手段を備えた請求項に記載の眼科装置。
  7. 前記Bスキャン指定手段は、同じ血管を含む少なくとも2つの異なる位置を指定する、請求項に記載の眼科装置。
  8. 前記走査制御手段の走査方向は対象とする血管に対して略垂直に交わる方向である請求項からのいずれか1項に記載の眼科装置。
  9. 光源からの光を参照光と測定光に分岐し、分岐した測定光を眼底に照射し、反射した測定光と参照光を合波して得られる干渉光から被検眼の眼底の断層画像を取得する眼底断層画像取得手段を有する眼科装置において、
    眼底の深さ方向に延びる2次元断層像(Bスキャン像)を取得するための測定光の走査制御を少なくとも2つの異なる速度で実施可能な走査制御手段と、
    前記少なくとも2つの異なる走査速度の内遅い走査速度で取得したBスキャン像に対して、隣り合うAスキャン像間(略同位置)で位相差を取得する第1の位相差取得手段と、
    前記少なくとも2つの異なる走査速度の内速い走査速度で取得したBスキャン像に対して、連続して取得した隣り合うBスキャン像の同位置間の位相差を取得する第2の位相差取得手段と、
    を備えた眼科装置。
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