JP2017006456A - 光干渉断層計およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で、計測感度が最大となる信号光路長と参照光路長とが等しい状態になるようになる新規な制御方法を備えた光干渉断層計を提供すること。
【解決手段】OCTの光路長調整の際に、OCT光学系とは別に、光源を被検眼の前眼部周辺に収束しかつ被検眼の眼底に所定のパターンを照射し、眼底上に照射した所定パターンを受光してパターン像を取得し、取得したパターン像を解析して被検眼の眼軸長を推定し、推定した眼軸長の値を用いて光路長の制御を行うようにした。
【選択図】図8
【解決手段】OCTの光路長調整の際に、OCT光学系とは別に、光源を被検眼の前眼部周辺に収束しかつ被検眼の眼底に所定のパターンを照射し、眼底上に照射した所定パターンを受光してパターン像を取得し、取得したパターン像を解析して被検眼の眼軸長を推定し、推定した眼軸長の値を用いて光路長の制御を行うようにした。
【選択図】図8
Description
本発明は、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を用いて、断層像を取得する、主に眼科で使用する光干渉断層計及びその制御方法に関する。
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は、非侵襲、非接触で測定できることから、眼科における生体組織の高解像度な断層画像を取得する手段として広く使用されている方法である。OCTでは、1次元の深さ方向(眼球においては、眼軸方向)の測定データをAスキャンデータ、2次元画像をBスキャン像、3次元画像をCスキャン像と通常呼ぶため、以下では、1次元の測定データをAスキャンデータ、2次元画像をBスキャン(画)像、3次元画像をCスキャン(画)像とも記述する。
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)においては、タイムドメイン方式と呼ばれる、ミラーを動かして参照光の光路長を機械的に変化させながら断層画像取得を行うタイムドメインOCTと、フーリエドメイン方式と呼ばれる、分光器を用いてスペクトル情報を検出し断層画像取得を行うスペクトルドメインOCT、もしくは、波長走査光源を用いてスペクトル干渉信号を検出し断層画像取得を行う光周波数掃引OCTとがある。
フーリエドメイン方式のOCTでは、取得するスペクトル干渉信号をフーリエ変換して深さ情報(透過光または反射光の強度信号)を得るため、タイムドメイン方式のようにOCT撮影時にはミラーを動かして参照光の光路長変化する(これを通常Aスキャンと言う)操作を必要としない。これにより、タイムドメイン方式のOCTに比べ格段に速い速度で断層画像が取得できる。そのため、近年は、主に、フーリエドメイン方式のOCTが採用されようになっている。
フーリエドメイン方式のOCTでは、OCT撮影する際には撮影したい部位(例えば前眼部又は眼底部)に従って測定光路長が決定される。そして、高い計測感度を得るため、測定光路長と参照光路長が等しくなるように、参照光路に配置されたミラーなどを移動して参照光路長を調整して、いわゆるゼロ点調整を実施してからOCT撮影を行う。尚、OCT撮影中は、参照光路長は固定される。
特許文献1には、固視灯の点灯位置を移動して位置の異なる2箇所でそれぞれ被検眼の断層画像を撮影することにより広範囲な撮影が可能な光断層画像撮影装置が開示されている。そして、固視灯の位置の移動に基づいて、それぞれの位置に対応した光路長に調整するため、参照光路の光路長を調整して、簡単な操作で複数箇所の断層画像を撮影する方法が開示されている。
特許文献1に開示されているように、断層画像を取得する対象が被検眼の眼底部である場合は、参照光路長は、被検眼の眼軸長に基づいて調整される。
例えば、被検眼の眼底部の断層像を取得する場合は、特許文献1のように、(予め他の装置で被検眼の眼軸長が測定されて)眼軸長が把握されていれば、その値を採用して、測定光路長を推定できるため、いわゆるゼロ点調整が容易に実施され得る。
しかしながら、OCTによって被検眼の断層像を取得する際、被検眼の眼軸長が把握されていない場合が多く、その場合、いわゆるゼロ点調整は、測定光路長が被検眼により異なるため、測定感度が高い位置を探索する必要がある。つまり、眼軸長が被検眼により異なるためである。光軸調整(Zアライメント)を行い、測定位置が決まったら、その状態で測定光路長を決定し、決定した測定光路長に等しくなるように参照光路長を変更するという手順で実施することが通例である。
ところが、この方法では測定時間が長くなる要因をはらんでいる。つまり、OCTで取得される断層像の深さ幅(検出窓ともいう)が限られているため、光軸調整(Zアライメント)後に、目的とする断層像が現れるとは限らない。その過程では参照光路長の長短の状況が不明であるので、断層像の位置を探索する時に、ゼロ点調整方向とは逆向きに変化することもあり、計測時間が長くなる要因になっている。
また、OCTにおいては虚像が発生することが知られており、目的とする断層像と類似したものが現れたときには、それが妥当なものであるか適切な判断を必要とする。たとえば、検出窓よりも深い位置の断層像は、信号処理によるエイリアシングによる弱い像が現れる。目的の断層像かエイリアシングのような虚像かを判断するには参照光路長を変化させながら、より強い強度の断層像が検出されるか探索する必要があり、このことも計測時間が長くなる要因にもなっているのである。
さらに、このような探索の結果、いったん検出窓において検出した目的の断層像を見失うことや、光軸調整(Zアライメント)した位置が最適でなかったと判断されることもある。その場合には、元の手順に戻る必要もあり、計測時間がさらに長くなってしまうという要因にもなるのである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な光学系を追加して被検眼の眼軸長を推定し、被検眼の眼軸長の推定値を用いることにより、短時間で光路長の調整が可能となる新規な制御方法を備えた光干渉断層計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の光干渉断層計は光源からの光を参照光と測定光に分岐し、分岐した測定光を眼底に照射し、反射した測定光と参照光を合波して得られる干渉光から被検眼の眼底の断層画像を取得する光断層計であって、別の光源を被検眼の角膜と水晶体後面の間に収束しかつ被検眼の眼底に所定のパターンを照射し、眼底上に照射した所定パターンを受光してパターン像を取得するパターン像取得手段と、取得したパターン像を解析する解析手段と、解析結果に基づいて被検眼の眼軸長を推定する眼軸長推定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の光干渉断層計は請求項1に記載の光干渉断層計であって、推定した被検眼の眼軸長に基づいて、測定光路長又は/及び参照光路長を調整する光路長調整手段を制御する光路長制御手段を備えたことを特徴とする。
断層画像を取得する光源とは別の光源から所定のパターン像を被検眼の眼底に照射する際に集光レンズなどを配置して被検眼の角膜と水晶体後面の間に収束させてから眼底に所定のパターンを照射し、眼底に照射されたパターン像を受光しその解析結果から被検眼の眼軸長を推定することができる。つまり、眼軸長が長い程、パターン像が拡大するため、眼底に照射されたパターン像の大きさを計測することにより、被検眼の眼軸長を推定することができ、推定した被検眼の眼軸長を用いることにより、測定光路長又は/及び参照光路長を調整して、短時間で目的とする眼底部の断層画像を計測可能となるのである。
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の光干渉断層計は請求項1又は2に記載の光干渉断層計であって、被検眼の眼底を照明し、眼底からの反射光または散乱光を受光手段にて受光して被検眼の眼底の正面画像を取得する眼底正面画像取得手段を備えたことを特徴とする。
OCTのCスキャン像から眼底の正面画像を取得することも可能ではあるが、眼底カメラやSLOのような眼底正面画像取得手段を備えることで、リアルタイムで眼底の正面画像が取得でき、取得した眼底正面画像をモニタなどに表示することが可能となり、容易に目的とする部位の断層画像が取得できる。さらに、リアルタイムで眼底の正面画像が取得でることから、OCTを撮影する際のトラッキング制御に採用することも可能である。
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の光干渉断層計は請求項3に記載の光干渉断層計であって、パターン像取得手段と眼底正面画像取得手段の少なくとも一部が兼用可能であることを特徴とする
パターン像取得手段と眼底正面画像取得手段は共に眼底部を撮影する手段であるため、各々の光学系の一部を共通化することが可能である。これにより、光学系全体をコンパクトにし、コストの低減ができる。
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の光干渉断層計は請求項3又は4に記載の光干渉断層計であって、パターン像取得手段または眼底正面画像取得手段のいずれかにより、被検眼の眼底の動きを検出し、その動きの量に基づいて被検眼の眼底の断層画像を取得するための測定光の位置を補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
パターン像取得手段と眼底正面画像取得手段は共に眼底部を撮影する手段であるため、リアルタイムで眼底の正面画像を取得することも可能である。これにより、トラッキング制御に利用する眼底撮影部をも共通化し、さらに光学系全体をコンパクトにし、コストの低減ができる。
上述のように、本発明によれば、簡易な光学系を用いて被検眼の眼軸長を推定し、推定した眼軸長の値を用いて測定光路長又は/及び参照光路長を調整可能なため、短時間で、かつ、高感度なOCT撮影ができるのである。
以下、本発明の一実施例に係る光干渉断層計について図面を参照して説明する。
[一実施形態]
図1には本発明に係る光干渉断層計1の光学系の詳細を説明した図である。そして、図2には本発明に係る光干渉断層計1の装置全体の構成を示した図である。尚、本実施例では被検物を人の眼(眼球)とし、取得する断層画像は被検眼の眼底部である。
[一実施形態]
図1には本発明に係る光干渉断層計1の光学系の詳細を説明した図である。そして、図2には本発明に係る光干渉断層計1の装置全体の構成を示した図である。尚、本実施例では被検物を人の眼(眼球)とし、取得する断層画像は被検眼の眼底部である。
光干渉断層計1には次の3つの光学系を備えている。被検眼Eの眼底の断層画像を干渉光の技術を用いて非侵襲で取得するための干渉光学系(以下、OCT光学系)100と、赤外光源201を用いて被検眼Eの眼底を照射し観察するための眼底SLO画像を取得するスキャニングレーザーオフサルモスコープ(SLO)光学系(以下、SLO光学系)200と、光源301からの光で被検眼の眼底部に所定のパターン像を照射し、眼底に照射されたパターン像を撮影するパターン像撮影光学系300である。
各光学系についてその構成を以下に説明する。
(OCT光学系100)
OCT光学系100は光源101から干渉光をA/D変換するADC116までで構成される。本実施例ではフーリエドメイン型のOCTの1つである、光源101に波長掃引型光源を用いたSS−OCTを採用している。SS−OCTはその測定原理から他のOCTの方法と比較して高速に干渉信号(断層画像データ)を取得できる点で優位とされている。OCT光学系100は本実施例のSS−OCTに限定されるものではなく、他のフーリエドメイン型のOCTであるスペクトルドメインOCT(SD−OCT)であってもよい。
(OCT光学系100)
OCT光学系100は光源101から干渉光をA/D変換するADC116までで構成される。本実施例ではフーリエドメイン型のOCTの1つである、光源101に波長掃引型光源を用いたSS−OCTを採用している。SS−OCTはその測定原理から他のOCTの方法と比較して高速に干渉信号(断層画像データ)を取得できる点で優位とされている。OCT光学系100は本実施例のSS−OCTに限定されるものではなく、他のフーリエドメイン型のOCTであるスペクトルドメインOCT(SD−OCT)であってもよい。
光源101から出力された光はファイバーを通ってファイバーカプラ102により、コリメータレンズ103に入力する測定光とコリメータレンズ110に入力する参照光に分岐される。コリメータレンズ103に入力した測定光はフォーカスレンズ104、ガルバノミラー105、レンズ106、ダイクロイックミラー107、ダイクロイックミラー108及び対物レンズ109を通って被検眼Eの眼底部に照射される。そして、被検眼Eの眼底部から反射された測定光は、照射時とは逆に対物レンズ109、ダイクロイックミラー108、ダイクロイックミラー107、レンズ106、ガルバノミラー105、フォーカスレンズ104、コリメータレンズ103、ファイバーカプラ102を通り、ファイバーカプラ114の一方の入力部に入力する。
ファイバーカプラ102に分岐され、コリメータレンズ110に入力した参照光はプリズム112で反射されてコリメータレンズ111を通って、ファイバーカプラ114の他の一方の入力部に入力する。
ファイバーカプラ114に入力した測定光と参照光はファイバーカプラ114内で合波され干渉光としてバランス検出器115に入力して電気信号(干渉信号)に変換される。尚、ファイバーカプラ114から出力された2つの干渉光は互いに位相が180°異なる干渉光であり、この2つの干渉光がバランス検出器115に入力し差動増幅することにより、コモンノイズはキャンセルされ、干渉信号となる干渉光のみ増幅される。ここで、コモンノイズなどのノイズ成分の影響が低い場合は簡易な1入力の検出器などを採用してもよい。
バランス検出器115から出力された干渉信号はADC116でデジタル信号としてサンプリングされ、CPUやメモリなどからなる演算部500に入力し、フーリエ変換されて深さ方向の断層信号であるAスキャンデータを取得し演算部500内のメモリに記憶される。
プリズム112は制御部113により光軸上に移動し、参照光路長を変更調整可能に制御される。通常、OCT撮影の前に参照光路長と測定光路長が同じ光路長になるように制御部113により移動し、測定中は固定される。
ガルバノミラー105は被検眼Eに対して水平(X軸方向)垂直(Y軸方向)にスキャンするものであり、制御信号は演算部500から入力される。ガルバノミラー105をX軸方向、Y軸方向にスキャンすることにより被検眼Eの眼底部の3次元の断層画像が取得できるのである。
本実施例では、ダイクロイックミラー107は例えば900nm以上の長波長の光(OCT光源101からの光)は通過し、900nmより短い短波長の光(例えば840nm、SLOの光源からの光)は反射するように設定されている。そして、ダイクロイックミラー108は、例えば800nm以上の長波長の光(OCT光源101からの光やSLOの光源からの光)は通過し、800nmより短い短波長の光(光源301からの光)は反射するように設定されている。ダイクロイックミラー107、108は上述の仕様に限定されるものではなく、使用する光源の波長で適宜設定すればいい。
上述のようにダイクロイックミラー107及びダイクロイックミラー108を用いて被検眼Eに照射され反射された3つの波長の異なる光(OCT光、SLO光、パターン像光)が適切に分割され、各々の測定を可能にしている。
図4は、OCT光学系100による断層像(Bスキャン像)を取得する様子を示したものである。図4(a)は被検眼Eの眼底網膜の一例を、図4(b)は断層像取得部100から取得して得られた眼底網膜401の複数の2次元断層像(Bスキャン像)の例を示している。そして、図4(c)は本実施例にて生成された眼底部の3次元断層像の例を示している。尚、図4(a)〜(c)のx軸はBスキャンのスキャン方向を、y軸はCスキャンの方向を示す。更に、図4(b)、(c)のz軸はAスキャン信号の奥行き方向、つまり眼底部の深さ方向を示す。実際に撮影しモニタに表示されたOCT画像を図6に示す。
(SLO光学系200)
SLO光学系200は、光源201からA/DコンバータであるADC210までで構成される。通常、SLO光源は800〜900nmの赤外のレーザーダイオードを用いて眼底画像を非侵襲で取得する。尚、本実施例では840nmのレーザーダイオードをSLO光源として採用している。SLO光源についても、本実施例のレーザーダイオードに限定されるものではなく、他の光源、例えばLEDであってもよい。
SLO光学系200は、光源201からA/DコンバータであるADC210までで構成される。通常、SLO光源は800〜900nmの赤外のレーザーダイオードを用いて眼底画像を非侵襲で取得する。尚、本実施例では840nmのレーザーダイオードをSLO光源として採用している。SLO光源についても、本実施例のレーザーダイオードに限定されるものではなく、他の光源、例えばLEDであってもよい。
SLO用の光源201から出力された測定光(他の測定光を区別するため、以下、SLO測定光とする)はミラー204で反射される。ここで、眼底に照射する光と眼底から反射された反射光が同じ経路を辿る。そこで、照射光と反射光を分割するため、ミラー204は、所定の割合で反射と透過するハーフミラー又はビームスプリッタなどが採用される。光学系内の意図しない散乱や反射により生じるノイズ光が低減するため、ミラー204に偏光ビームスプリッタを採用してもよい。
よって、SLO測定光の一部がミラー204により反射されてフォーカスレンズ203に入力し、その後スキャン装置208、レンズ202を通り、ダイクロイックミラー107に入力する。入力したSLO測定光はダイクロイックミラー107で反射し、ダイクロイックミラー108を通過後、対物レンズ109を通って被検眼の眼底に照射される。フォーカスレンズ203は眼底に照射されたSLO測定光が眼底上でフォーカスするよう光軸上で移動制御される。
眼底で反射されたSLO測定光は逆の経路で、対物レンズ109、ダイクロイックミラー108、ダイクロイックミラー107、レンズ202、スキャン装置208、フォーカスレンズ203を通ってミラー204に入力し、その一部がミラー204を透過してレンズ205に入力して集光後ピンホール206を通って光検出器207で受光し、電気信号に変換後ADC210に入力する。
ここで、スキャン装置208は、上述のOCT光学系100の中のガルバノミラー105と同様に、SLO測定光を被検眼の眼底に対してX軸方向、Y軸方向にスキャンするものであり、スキャン装置208により、SLO測定光の照射位置を走査して眼底の正面画像データを取得できるようになっている。スキャン装置208は、ガルバノミラーに限定されるものではなく、ポリゴンミラーを用いてもよいし、ガルバノミラーとポリゴンミラーを複合した構成としてもよい。また、光検出器207は、例えば、アバランシェフォトダイオードや光電子増倍管などが採用される。
上述のように、眼底部をXYスキャンしてその反射光をADC210でサンプリングし、演算部500で信号処理することにより、被検眼Eの眼底の正面画像が取得できるのである。実際に撮影しモニタに表示されたSLO画像を図7に示す。
(パターン像撮影光学系300)
パターン像撮影光学系300は、光源301から撮像用CCDカメラ309までで構成される。光源301の波長は、特に限定されないが、本実施例では、3つの光学系が1部共有しているため、OCT用の光やSLO用の光より短波長の光を選択している。可視光も採用可能ではあるが、被検者(患者)負担を軽減するため、本実施例では750nmの光を採用している。そして、光源としてLEDを用いているが、これに限定するものではない。
パターン像撮影光学系300は、光源301から撮像用CCDカメラ309までで構成される。光源301の波長は、特に限定されないが、本実施例では、3つの光学系が1部共有しているため、OCT用の光やSLO用の光より短波長の光を選択している。可視光も採用可能ではあるが、被検者(患者)負担を軽減するため、本実施例では750nmの光を採用している。そして、光源としてLEDを用いているが、これに限定するものではない。
光源301から出力される光はコリメートレンズ302により平行光になり、所定のパターン光を形成するためのパターンスリット303を通過後、ハーフミラー306及びダイクロイックミラー108で反射され、対物レンズ109を通過して、被検眼の眼底部にパターン光が照射される。眼底部からの反射光は、対物レンズ109を通過し、ダイクロイックミラー108で反射し、その一部がハーフミラー306を通り、ミラー310で反射された後、対物レンズ308を通って撮像CCD309に入力し、被検眼の眼底部を撮影する。撮影された眼底部に投影されたパターン像の画像は演算部500に入力され、図2に示すモニタなどに前眼部の画像を表示すると共に、演算部500内で画像処理して、後述するように、パターン像の形状を計測する。
ここで、ミラー310は光軸中心に所定の大きさの穴がある穴あきミラーを採用してもよい。被検眼からの反射光はパターン光である眼底部からの反射光に加え、角膜からの反射光も存在するため、穴あきミラーを被検眼の角膜位置と共役の位置に配置することにより、角膜反射光は穴あきミラーの穴を通過させて、眼底部からの反射光を選択的に撮像CCD309に入力させることができる。
さらに、図1に示すように、レンズ311、レンズ312及び撮像CCD313を配置し、撮像CCD313の撮像面を被検眼の角膜位置を共役にすることにより、撮像CCD313の出力信号を用いて光軸方向(Z軸)のアライメントにも採用できる。
レンズ311、レンズ312及び撮像CCD313は必須のものではなく、適宜配置されればよい。また、ミラー310も穴あきミラーでなくてもよい。この場合、撮像CCD309には、角膜の反射光も入力されるので、適切な画像処理など実施することにより、角膜の反射光による像を排除し、眼底からの反射光であるパターン光のみ解析するように演算部500内で解析処理される。
図1において、※1と※2はそれぞれ共役位置を示している。※1は、光源301、被検眼の角膜位置、ミラー310及び撮像CCD313の撮像面が共役の位置関係にあることを示し、※2は、被検眼の眼底位置と撮像CCD309の撮像面が共役の位置関係にあることを示している。つまり、光源301から出力された光はコリメータレンズ302及びパターンスリット303で所定のパターンを形成する平行光となり、対物レンズ309により、被検眼の角膜位置で収束し、その後、拡散されて被検眼の眼底部に所定のパターン光が照射され、眼底部に所定のパターン像が形成される。そして、形成されたパターン像を撮像CCD309で撮影し、演算部500内にて解析処理されるのである。尚、所定のパターン光の収束位置は、角膜位置に限定しない。水晶体周辺でもよい。このように所定のパターン光を角膜位置や水晶体周辺で収束されるようにすることにより、眼底部に形成するパターン像は角膜や水晶体が持つ屈折力の影響が小さくなることから、後述するように、適切な眼軸長が推定可能になるのである。
(操作手順)
次に、本実施例に係る光干渉断層計の操作手順について説明する。
次に、本実施例に係る光干渉断層計の操作手順について説明する。
図3は、本実施例における操作手順を説明したフローチャートである。
まず、S10及びS12でOCT撮影とSLO撮影を同時に、かつ、並列に実施する。(現段階では、光軸調整などを実施していないので、撮影されたOCT画像やSLO画像では本来撮影すべき眼底部の断層像や眼底像は取得されない。)
まず、S10及びS12でOCT撮影とSLO撮影を同時に、かつ、並列に実施する。(現段階では、光軸調整などを実施していないので、撮影されたOCT画像やSLO画像では本来撮影すべき眼底部の断層像や眼底像は取得されない。)
S14では、上記3つの光学系が配置されたヘッド(ヘッド部とも言う)を被検眼に合わせる(以下、アライメントという)。アライメントは本体に備えた(図示しない)ジョイスティックなどを用いて実施される。一般的には被検眼の前眼部を映し出す(図示しない)モニタを見ながらアライメントされる。光軸に垂直な方向についてのアライメント(XYアライメント)は容易であるが、光軸方向のアライメント(Zアライメント)については、モニタの被検眼画像のフォーカス具合が判断基準となり、一般的には最適の位置ではなく、その位置は測定光路長にも影響する。後述するが、測定光路長の調整過程を含むため、多くの場合、S18のゼロ点調整と間断なく実施されることとなる。
本実施例では、S16で、(図示しない)固視光学系を用いて固視灯を被検眼に対して照射し、これにより、被検眼を固視してアライメント(ヘッドを目に合わせる)を実施している。固視光学系は、一般的な眼科装置に備わっている固視光学系が採用可能である。S16の被検眼固視のステップは、測定対象が人の眼の場合、測定中の被検眼の動きを抑えるために実施されるが、固視する必要がない場合や、対象が人の眼ではなく、皮膚表面の場合などは、S16は省略できる。
次に、S18でOCTのゼロ点調整を行う。OCT光学系の測定光路長であるファイバーカプラ114から被検眼の網膜の直前位置までの距離と、参照光路長であるファイバーカプラ114からプリズム112までの距離を一致させる。S18におけるOCTのゼロ点調整は本発明のポイントであるため、その詳細は後述する。
S18でOCTのゼロ点調整が完了したら、S20でOCTのゼロ点調整が完了時点における取得した断層像におけるAスキャンデータ又はBスキャン像における所定の部位の干渉ピークの位置を記憶する。例えば、本実施例では、眼底部の断層像を取得するため、比較的反射強度が高い網膜色素上皮層における干渉ピークが選択され、その位置が記憶される。
S20のステップで記憶された所定の干渉ピーク位置は後述するOCT撮影時に被検眼が移動した場合の検出や光路長の再調整時に用いられる。後述のような被検物の移動に伴う光路長の再調整が必要な場合、S20で所定の干渉ピーク位置を記憶しておくことが望ましいが、光路長の再調整を必要としない場合は、S20は省略できる。
S22でSLO光学系のフォーカス調整を行う。フォーカスレンズ203を光軸上で移動制御して光源201から照射されるSLO光が被検眼の眼底(網膜)上で焦点が合う(フォーカスする)ようにする。そして、この時得られた制御信号の値から被検眼の眼屈折力も算出され、本体内の記憶部に記憶される。
次に、S24でOCTのフォーカス調整を行う。フォーカス調整はフォーカスレンズ104を光軸上で移動させて撮影対象位置である眼底(網膜)にOCTの光が焦点を結ぶようにフォーカスレンズ104を位置制御して実施する。
OCTのフォーカス調整が終了したら、S26で「n=0」とする。本実施例の場合、3次元画像を取得するため、Bスキャンの位置を移動しながら複数枚のBスキャン像を取得する。そのため、最初のBスキャン像を0番目のBスキャン像としてカウントする。
S28でOCTの撮影を開始する。本実施例のようなフーリエドメイン型のOCTであるSS−OCTの場合、深さ方向(Z方向)のスキャンは必要ないため、ガルバノミラー105により、X方向又はY方向に一度スキャンすることにより、スキャンした範囲の複数のAスキャンデータが取得できるため、本実施例の場合、以下、OCT撮影とはBスキャン撮影と同意として扱う。そして、OCT撮影して得られた画像をBスキャン像又はBスキャン画像という。Bスキャン画像は、本実施例では眼底部の深さ方向の2次元断層(画)像である。そして、予め設定した枚数(つまり予め設定した枚数n(final))を取得するまで、以下で説明するS28〜S42の操作をBスキャンの位置を移動しながら繰り返し、取得した複数枚のBスキャン像から3次元断層画像を取得することができるのである。
図3のフローには記載がないが、SLO撮影はOCT撮影(Bスキャン撮影と同意)と並列して実施される。そして、SLO撮影で取得したSLO画像から、眼底部の移動検出(S30)を行い、S32で眼底部の移動量を算出して、算出した眼底部の移動量に基づいてS34でOCTスキャンの位置を補正(変更)する。
S34のSLO画像を用いたOCTスキャンの位置補正(アイトラッキングと呼ぶこともある)は必ずしも必要ではない。本実施例の場合、被検物が人の眼であるため、固視されていても、固視微動などが常に生じ、取得したOCT画像にモーションアーチファクトが入りやすい。そのため、本実施例では上述のようなアイトラッキングを実施しているのであって、被検物が生体ではないような場合で、モーションアーチファクトを考慮しなくてもいい場合は、上記のようなアイトラッキングは必要ないため、S30〜S34のステップは削除できる。
OCT撮影中、S36により、予め設定した網膜色素上皮層などの所定の干渉ピークの位置検出は行われ、所定の干渉ピークの位置がS20で記憶した位置から移動したら(Y)、S38で、参照光路長又は測定光路長の調整を行う。調整はZアライメント又はプリズム112の移動を実施して行う。S36からS38のステップは、S20でゼロ点調整時の所定の干渉ピークの位置を記憶した場合に実施されるものであり、S20のステップが実施されない場合は、省略できる。
もし、所定の干渉ピークの位置に移動がなければ(N)、S40に進み、次のOCT画像を撮影する(S40、n=n+1)。
もし、撮影した枚数が所定の数になったら(S42、n>n(final))、OCTの撮影は終了する。撮影した枚数が所定の数より少ない場合はS28に戻ってOCT撮影を続ける。
OCTの撮影が終了したら、撮影された複数のOCT画像は演算部500でフーリエ変換され、平滑処理などの画像処理がなされ、被検眼の眼底部の断層画像が記憶部に記憶させると共に、モニタなどに表示される。
(OCTのゼロ点調整)
OCTで取得される断層像の深さ幅(検出窓)は数mm程度と小さいことや、OCTの計測感度が測定光路長と参照光路長が等しい位置ほど高いことから、OCT撮影したい位置に測定光路長を設定し、参照光路長をその測定光路長に等しくする(これを「OCTのゼロ点調整」とここでは記述する)ことは重要である。
OCTで取得される断層像の深さ幅(検出窓)は数mm程度と小さいことや、OCTの計測感度が測定光路長と参照光路長が等しい位置ほど高いことから、OCT撮影したい位置に測定光路長を設定し、参照光路長をその測定光路長に等しくする(これを「OCTのゼロ点調整」とここでは記述する)ことは重要である。
従来はいくつかのステップを踏んで実施していたため、このゼロ点調整に時間がかかっていた。本発明に係る方法はこの問題を解決するものであり、図5、図8及び図9を用いて本発明に係るゼロ点調整の方法を説明する。
本発明に係るゼロ点調整を行う前に、参照光路長を予め所定の距離に設定しておく。本実施例の場合、測定の対象が被検眼の眼底部であるため、ファイバーカプラ114からプリズム112までの距離である参照光路長の距離は、ファイバーカプラ114から被検眼の網膜の直前位置までの距離である測定光路長の距離に近い値に設定しておくことが望ましい。この測定光路長の距離は、ファイバーカプラ114から被検眼の角膜上皮位置までの距離と被検眼の眼軸長の和として求めることができる。ファイバーカプラ114から被検眼の角膜上皮位置までの距離は予め光学設計する際に設定した値を用いることができる。そして、被検眼の眼軸長の初期設定値は、正常眼データの平均眼軸長の値である24mmを用いてもよい。このように、ゼロ点調整が容易に実施できるように、参照光路長の距離を予め適切な値に設定しておくことが望ましい。
まず、S100で、パターン像撮影光学系300の光源301を点灯して所定のパターンを被検眼の眼底部に照射する。本実施例では、図8の撮像CCD309の撮影画像に示すように円形のパターン光を眼底に照射し、眼底部に形成された円形のパターン像を撮像CCD309で撮影し、S102において、撮影したパターン像を解析して被検眼の眼軸長を推定する。
図8は被検眼の眼軸長と眼底に照射されたパターン像の大きさの関係を示した図である。光源301から出力されたパターン光は図8に示すように一度被検眼の角膜位置で収束(集光)した後、拡散されて被検眼の眼底部にパターン像を照射する。図8では眼軸長が異なる3つの被検眼(眼軸長AL1>AL2>AL3)の場合を例示する。そして、それぞれの眼軸長の場合の撮像CCD309で撮影したパターン像を示す。図8に示すようにパターン光は角膜位置で収束された後、拡散されて眼底に照射されるため、眼軸長の長さALに比例して眼底部のパターン像の大きさΔd(Δd1>Δd2>Δd3)は大きくなる。
図9は、眼軸長ALとパターン像の大きさΔdの相関を示したグラフである。予め他の装置で眼軸長を測定し、眼軸長ALとパターン像の大きさΔdの相関を求め、相関関数AL(m)=f(Δd(m))を求めることができる。上述のように、パターン光は角膜位置或いは水晶体周辺で収束するように光学系が構成されていることから、眼底に照射して形成されるパターン像は角膜や水晶体が持つ屈折力の影響が小さい。従って、本発明に係るパターン像撮影光学系を用いることにより、被検眼の屈折力にほとんど依らない眼軸長ALとパターン像の大きさΔdの相関関数(AL(m)=f(Δd(m))を予め求めることが可能なのである。
S102において、上述のように予めメモリに記憶しておいた眼軸長ALとパターン像の大きさΔdの相関関数の式を用いることにより、撮像CCD309で撮像されたパターン像の大きさΔdから被検眼の眼軸長を推定できるのである。そして、被検眼の眼軸長の推定値に基づいて、S104で測定光路長を算出する。
S106では、OCTの測定光路長がS104で算出された測定光路長に一致するように、Zアライメントを実施し、かつ、参照光路長もS104で算出された測定光路長に一致するようにプリズム112を移動する。
S106が終了したら、S108でパターン像撮影光学系300の光源301を消灯する。そして、OCT撮影(S108)をし、取得された断層画像をモニタなどに表示して確認し、OCTのゼロ点位置が適切かどうかS112で確認する。つまり、所望する被検眼の眼底部における断層像が適切な感度で取得できているかを判断し、適切でないと判断した場合(N)はS114で測定光路長又は/及び参照光路長を微調整する。所望する被検眼の眼底部における断層像が適切な感度で取得できている場合(Y)は、OCTゼロ点調整を終了する。
以上のように、本発明に係る方法を用いることにより、容易に被検眼の眼軸長の値が推定され、得られた眼軸長の推定値を用いることにより、短時間にOCTのゼロ点調整が実施可能になるのである。
[その他の実施形態]
上記実施例では、眼底正面画像取得のためSLOを採用したが、SLOに限定されるものでななく、眼底カメラを採用してもよい。図10がSLO光学系200の代わりに眼底カメラ光学系600を採用した一実施例である。本実施例では、被検眼の眼底に照射されたパターン像を撮影する撮像CCDと眼底カメラにより眼底部を撮影する撮像CCDを共有しているが、特に、この実施例に限定するものではなく、共有せず個々に配置してもよい。この場合、パターン像の撮像CCDにはモノクロのCCDを、また、眼底カメラにはカラーのCCDを採用してもよい。パターン像の撮像CCDはパターン像の大きさを計測するため、モノクロの方が高精度に計測しやすい。一方、眼底カメラは網膜の状態を視認することが重要なため、カラーで撮影する方が診断には有効であることによる。
上記実施例では、眼底正面画像取得のためSLOを採用したが、SLOに限定されるものでななく、眼底カメラを採用してもよい。図10がSLO光学系200の代わりに眼底カメラ光学系600を採用した一実施例である。本実施例では、被検眼の眼底に照射されたパターン像を撮影する撮像CCDと眼底カメラにより眼底部を撮影する撮像CCDを共有しているが、特に、この実施例に限定するものではなく、共有せず個々に配置してもよい。この場合、パターン像の撮像CCDにはモノクロのCCDを、また、眼底カメラにはカラーのCCDを採用してもよい。パターン像の撮像CCDはパターン像の大きさを計測するため、モノクロの方が高精度に計測しやすい。一方、眼底カメラは網膜の状態を視認することが重要なため、カラーで撮影する方が診断には有効であることによる。
OCT光学系100とパターン像撮影光学系300は上述した図1に係る実施例と同じであるのでは、ここでは、その説明は省略する。
(眼底カメラ光学系600)
眼底カメラ光学系の光源601には、例えばハロゲンランプが採用することができる。光源601から出力された光は曲面状の反射面を有する反射ミラー602により反射され、集光レンズ603で集光された後、ハーフミラー604で反射し、さらにはハーフミラー306でその一部が通過後、ダイクロイックミラー107で反射され、対物レンズで屈折して被検眼Eの眼底部に照射される。ここで、ダイクロイックミラー107は、前述の実施例と同様、例えば900nm以上の長波長の光(OCT光源101からの光)は通過し、900nmより短い短波長の光(光源301及び光源601からの光)は反射するように設定されている。尚、眼底カメラ光学系の光源601にはLEDを採用することも可能である。
(眼底カメラ光学系600)
眼底カメラ光学系の光源601には、例えばハロゲンランプが採用することができる。光源601から出力された光は曲面状の反射面を有する反射ミラー602により反射され、集光レンズ603で集光された後、ハーフミラー604で反射し、さらにはハーフミラー306でその一部が通過後、ダイクロイックミラー107で反射され、対物レンズで屈折して被検眼Eの眼底部に照射される。ここで、ダイクロイックミラー107は、前述の実施例と同様、例えば900nm以上の長波長の光(OCT光源101からの光)は通過し、900nmより短い短波長の光(光源301及び光源601からの光)は反射するように設定されている。尚、眼底カメラ光学系の光源601にはLEDを採用することも可能である。
眼底部からの反射光は対物レンズ108を通過後、ダイクロイックミラー107で反射された後、ハーフミラー306、ハーフミラー604、レンズ605及びレンズ606を通って眼底カメラ用撮像CCD607の受光面に結像される。尚、レンズ605は光軸方向に移動可能であり、眼底カメラ用撮像CCD607で撮像した眼底像の合焦状態を調整可能になっている。ここで、ハーフミラー604の代わりに穴あきミラーを採用することも可能である。つまり、光源601からの照射光は穴あきミラーの周辺で反射して、被検眼の眼底部に照射し、眼底部からの反射光は穴あきミラー位置で収束するように配置することにより、効率よく眼底部からの反射光を眼底カメラ用撮像CCD607で受光可能になる。
眼底カメラ用撮像CCD607は光源301からの光によるパターン像の撮影も可能なように配置されている。そして、光源301を点灯してパターン像を撮影する場合は、光源601を消灯し、眼底カメラとして眼底を撮影する際は、光源301を消灯して、光源601を点灯する。図10のような構成にすることにより、パターン像撮影光学系300と眼底カメラ光学系600が一部共用することが可能になり、光学系全体のコンパクト化が可能になり、コストも削減可能になるのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
例えば、上記実施例では、SLOや眼底カメラのような眼底正面画像取得手段を備えた構成について説明したが、これらの構成に限定されるものではなく、OCTのCスキャン画像から作成したエンファス像(図5(b))を用いて眼底正面画を取得すれば、SLOや眼底カメラのような眼底正面画像取得手段は、必ずしも必要ではない。このような場合、アイトラッキングを、例えば、別途、前眼部撮影光学系を配置し、取得した前眼部画像を用いて実施することも可能である。この前眼部撮影光学系は、眼底正面画像撮影光学系共に配置し、アイトラッキングを両方の撮影画像を用いて実施することも可能である。
1…本実施例の眼科装置、100…OCT光学系、101…光源、102…ファイバーカプラ、105…ガルバノミラー、107…ダイクロイックミラー、108…ダイクロイックミラー、112…プリズム、200…SLO光学系、201…SLO光源、204…ビームスプリッタ、208…SLOスキャン装置、300…パターン像撮影光学系、309…CCDカメラ、500…演算部、600…眼底カメラ光学系、607…CCDカメラ、E…被検眼
Claims (5)
- 光源からの光を参照光と測定光に分岐し、分岐した測定光を眼底に照射し、反射した測定光と参照光を合波して得られる干渉光から被検眼の眼底の断層画像を取得する光断層計であって、
別の光源を被検眼の角膜と水晶体後面の間に収束しかつ被検眼の眼底に所定のパターンを照射し、眼底上に照射した所定パターンを受光してパターン像を取得するパターン像取得手段と、
取得したパターン像を解析する解析手段と、
解析結果に基づいて被検眼の眼軸長を推定する眼軸長推定手段と、
を備えたことを特徴とする光断層計。 - 推定した被検眼の眼軸長に基づいて、測定光路長又は/及び参照光路長を調整する光路長調整手段を制御する光路長制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光断層計。
- 被検眼の眼底を照明し、眼底からの反射光または散乱光を受光手段にて受光して被検眼の眼底の正面画像を取得する眼底正面画像取得手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光断層計。
- パターン像取得手段と眼底正面画像取得手段の少なくとも一部が兼用可能であることを特徴とする請求項3の光断層計。
- パターン像取得手段または眼底正面画像取得手段のいずれかにより、被検眼の眼底の動きを検出し、その動きの量に基づいて被検眼の眼底の断層画像を取得するための測定光の位置を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項3または4の光断層計。
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