JP6509496B2 - 下層膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
このような課題の解決を目的に種々の下層膜形成用組成物が検討されている。たとえば特許文献1〜4には、ベンゼン環、ナフタレン環、またはアントラセン環などを有するポリマーを含む組成物が開示されている。しかし、本出願人の検討によれば、これらの組成物でも、さらなる改良の余地があると考えられる。
前記記載の下層膜形成用組成物を半導体基板上に塗布し、焼成して下層膜を形成する工程、
前記下層膜上にフォトレジスト層を形成する工程、
前記下層膜と前記フォトレジスト層で被覆された前記半導体基板を露光する工程、および
前記露光後に現像液で現像する工程
を含んでなることを特徴とするものである。
[シアノ基含有ポリマー]
本発明による第1の下層膜形成用組成物(以下、簡単のために単に組成物ということがある)は、シアノ基含有ポリマーを被膜形成成分として含んでなる。このポリマーの構造はシアノ基を含むものであれば特に限定されない。従って、従来知られている任意の被膜形成性ポリマーにシアノ基を導入することで本発明におけるシアノ基を含むポリマーとすることができる。
RaおよびRcは、それぞれ独立に水素およびアルキル基からなる群から選択される基であり、好ましくは水素またはメチル基であり、
La、Lb、Lc1およびLc2はそれぞれ独立に、単結合または脂肪族炭化水素鎖であり、前記脂肪族炭化水素鎖は、末端又は中間にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、またはカルボニル結合、カルボン酸エステル結合を含んでいてもよく
ArbおよびArcは、それぞれ独立に1個以上のベンゼン環を含む芳香族骨格であり、前記芳香族基は、アルキル、ハロゲン原子、アルコキシ、アルキルスルファニル、カルボン酸エステル、およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく、ハロゲン原子で置換されていることがより好ましく、
p2およびp3は1または2である。)
R2は、水素およびアルキル基からなる群から選択される基であり、好ましくは水素またはメチル基であり、
Zは、R3COOR4、およびR3OR4からなる群から選択される基であり、
ここで、
R3は、単結合、酸素、および炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6、のフッ素で置換されていてもよい直鎖アルキレンおよび分岐アルキレンならびに芳香環からなる群から選択される連結基であり、
R4は、水素、置換炭化水素基および非置換炭化水素基からなる群から選択される基である。)
本発明による第1の組成物は架橋剤を含む。形成しようとする下層膜をレジストなどの上層膜によるミキシングを防ぐために架橋剤が用いられる。架橋剤としては、露光された際に、デンドリマー化合物の末端ヒドロキシ基に作用して架橋構造を形成させる化合物であれば、いずれも使用することができる。このような架橋剤の具体例としてはヘキサメチルメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、1,2−ジヒドロキシ−N,N’−メトキシメチルスクシンイミド、1,2−ジメトキシ−N,N’−メトキシメチルスクシンイミド、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、4,5−ジメトキシ−1,3−ビス(メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン、1,1,3,3,−テトラメトキシウレア、テトラメトキシメチルグリコールウリル、およびN,N’−メトキシメチルウレアなどが挙げられる。
本発明による第1の組成物は酸発生剤を含む。この酸発生剤は、形成しようとする下層膜の架橋を促進する補助剤として機能する。
本発明による第1の下層膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の各成分を溶解できる溶剤であれば、任意のものから選択して使用することができる。溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等を用いることができる。これらの溶剤は単独または二種以上の組合せで使用することができる。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
本発明による下層反射防止膜形成用組成物は、必要に応じてその他の成分を含むことができる。例えば、界面活性剤、平滑剤などが挙げられる。これらの成分は本発明の効果を損なわないものが用いられるべきである。
本発明による第1の下層膜形成用組成物は、前記の各成分を混合し、均一に溶解させることにより調製される。各成分の配合量は特に限定されないが、目的などに応じて適切に調整される。
本発明による第2の下層膜形成用組成物は、第1の組成物に対して、シアノ基含有ポリマーおよび架橋剤に代えて、シアノ基および架橋基を含むポリマーを含むことを特徴とする。言い換えれば、第1の組成物における架橋剤をシアノ基含有ポリマーに埋め込んだものといえる。
Xはハロゲン原子であり、
Rは、それぞれ独立に水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびi−プロピル基からなる群から選ばれる基であり
nは1〜5の数である)
本発明による下層膜の形成方法、およびパターン形成方法について説明すると以下の通りである。
本発明による組成物によって、優れたレジストパターンを形成できる理由は以下のように推測されている。
撹拌器、凝縮器、加熱装置、窒素導入管および温度制御装置を取り付けた反応器を用いて窒素雰囲気下で3−ヨードフェノール(1.0部)と4−ブロモブタンニトリル(1.2部)と炭酸カリウム(3.0部)とアセトン(7.6部)を加えて攪拌した。反応混合物を50度で18時間保持した。反応混合物を室温に冷却した後、メチル−tert−ブチルエーテル(以下、MTBEということがある)(30000部)と純水(30000部)とを加えて、MTBE溶液を抽出した。次に、MTBE溶液に硫酸マグネシウム(200部)を加えて、攪拌した。その後、ろ過をして硫酸マグネシウムを取り除き、MTBE溶液を減圧蒸留により濃縮した。得られた反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)により精製することで、モノマーM1が収率52%で得られた。
ポリマーP1の合成方法に対して、4−ブロモブタンニトリルを用いないほかは同様にしてポリマーR1を得た。得られたポリマーP1はMw=1,040、PDI=1.60、比誘電率=5.38であった。また、ポリマーP1から形成される被膜の比誘電率を測定したところ、33.26であった。
撹拌器、凝縮器、加熱装置、窒素導入管および温度制御装置を取り付けた反応器に窒素雰囲気下において、3‐アクリロイルオキシプロピオニトリル(1.00部)(東京化成工業株式会社製)とアクリル酸エチル(0.33部)(東京化成工業株式会社製)とメタクリル酸ヒドロキシプロピル(0.33部)(東京化成工業株式会社製)と2,2'-アゾビス(イソ酪酸メチル)(0.085部)(和光純薬工業株式会社)とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(6.14部)とを加えて攪拌した。反応混合物を85度で5時間保持した。室温に冷却した後、激しく撹拌している純水(30000部)にゆっくり加えて、ポリマーを析出させた。ポリマーをろ過した後、50℃で減圧乾燥することで、目的のポリマーP2を収率64%で得た。得られたポリマーP2はMw=29,498、PDI=4.08、比誘電率=39.18であった。
ポリマーP2の合成方法に対して、3‐アクリロイルオキシプロピオニトリルを用いないほかは同様にしてポリマーR2を得た。得られたポリマーR2はMw=21,515、PDI=3.46、比誘電率=29.55であった。
ポリマー、および架橋剤を表1に示すとおりの割合で配合してポリマー混合物を得た。架橋剤は、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(株式会社三和ケミカル製、MX−270(商品名))を用いた。この混合物(1.00重量部)に、熱酸発生剤1として4−n−ドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩、熱酸発生剤2としてノナフルオロ−1−ブタンスルホン酸トリエチルアミン塩、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム塩(以下、TPSという)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、室温で30分間撹拌して、各例の下層膜形成用組成物を調製した。熱酸発生剤1、熱酸発生剤2、ならびに光酸発生剤は、組成物中の固形分重量を基準として、それぞれ0.01重量部、0.005重量部および0.02重量部とした。また、組成物の濃度は、全固形分の含有率が、組成物の総重量を基準として0.5重量%とした。
調製した組成物をシリコンマイクロチップウェハー上にスピンコートにより塗布し、200℃で60秒間真空ホットプレート上にて加熱して架橋反応させ、下層膜を得た。
シリコンウェハー上に、各例の下層膜形成組成物溶液をスピンコートし、200℃で1分間加熱することにより、レジスト下層膜を形成した。そのレジスト下層膜上に、EUV用レジスト溶液(ポリヒドロキシスチレン系)をスピンコートし加熱を行い、EUV露光装置(Albany MET)を用い、NA=0.36、σ=0.93の条件で露光した。露光後、露光後加熱を行い、クーリングプレート上で室温まで冷却し、現像及びリンス処理を行い、シリコンウェハー上にレジストパターンを形成した。感度、および限界寸法均一性(CDU)を評価した。
電子顕微鏡により各レジスト下層膜の断面を観察し、以下の基準で評価した。
A: フォトレジスト側面が基板表面に対して垂直な矩形形状
B: フォトレジスト側面が基板表面に対して垂直ではなく、若干傾斜があるが実用上問題が無いレベル
C: フォトレジスト側面が基板表面に対してフッティング形状
最適露光量にて解像した30nmの1対1コンタクトホールをパターン上部から観察する際に、パターン幅を任意のポイントで100点測定し、その測定値の3シグマ値(ばらつき)を限界寸法均一性(CDU)とした。
寸法30nmの1対1コンタクトホールのマスクを介して形成した幅が、幅30nmの1対1コンタクトホールに形成される露光量(mJ/cm2)を最適露光量とし、この露光量(mJ/cm2)を「感度」とした。
乳酸エチル(以下ELという)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEA)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEという)で下層膜の膜減り試験を行った。評価基準は以下の通りとした。
A: 下層膜が、EL、PGMEAおよびPGMEのいずれにも不溶で実用上優れているレベル
B: 下層膜が、EL、PGMEA、またはPGMEのいずれかに対して、若干の溶解が認められるものの、実用上問題の無いレベル
C: 下層膜が、EL、PGMEA、またはPGMEのいずれか若しくはすべてに対して溶解し、実用性がないレベル
Claims (8)
- 下記一般式(1a)または(1b):
Raは、水素およびアルキル基からなる群から選択される基であり、
Laは、末端または中間にカルボン酸エステル結合を含む脂肪族炭化水素鎖であり、 Arbは、1個以上のベンゼン環を含む芳香族骨格であり、前記芳香族基は、アルキル、ハロゲン原子、アルコキシ、アルキルスルファニル、カルボン酸エステル、およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく、
Lbは、単結合または脂肪族炭化水素鎖であり、前記脂肪族炭化水素鎖は、末端又は中間にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、またはカルボニル結合、カルボン酸エステル結合を含んでいてもよく
p2は1または2である。)
のいずれかの繰り返し単位を含むシアノ基含有ポリマーと、架橋剤と、酸発生剤と、溶剤とを含んでなることを特徴とする下層膜形成用組成物。 - 下記一般式(1a)または(1b):
Raは、水素およびアルキル基からなる群から選択される基であり、
Laは、末端または中間にカルボン酸エステル結合を含む脂肪族炭化水素鎖であり、 Arbは、1個以上のベンゼン環を含む芳香族骨格であり、前記芳香族基は、アルキル、ハロゲン原子、アルコキシ、アルキルスルファニル、カルボン酸エステル、およびシアノからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく、
Lbは、単結合または脂肪族炭化水素鎖であり、前記脂肪族炭化水素鎖は、末端又は中間にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、またはカルボニル結合、カルボン酸エステル結合を含んでいてもよく
p2は1または2である。)
のいずれかの繰り返し単位を含む、シアノ基および架橋基を有するポリマーと、酸発生剤と、溶剤とを含んでなることを特徴とする下層膜形成用組成物。 - ポリマーの総重量に対するシアノ基の重量が8%以上50%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の下層膜形成用組成物を基板上に塗布し、加熱することによって得られたことを特徴とする、下層膜。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の下層膜形成用組成物を半導体基板上に塗布し、焼成して下層膜を形成する工程、
前記下層膜上にフォトレジスト層を形成する工程、
前記下層膜と前記フォトレジスト層で被覆された前記半導体基板を露光する工程、および
前記露光後に現像液で現像する工程
を含んでなることを特徴とするパターンの形成方法。 - 前記露光が13.5〜248nmの波長の光により行われる請求項7に記載のパターン形成方法。
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