JP5669452B2 - 振動体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、振動体(振動子ともいう)及び振動波アクチュエータに関し、特にセラミックス基板上に圧電素子を固定した振動体及びその振動体を用いた振動波アクチュエータに関するものである。
従来、振動波アクチュエータでは、一般に、振動体の振動源として圧電素子が用いられている。
この圧電素子としては、多数の圧電層を積層し成形一体化した後に焼成された積層圧電素子が使われている(特許文献1参照)。
この積層圧電素子は、単一の板状の圧電素子に比べて、多層化により低い印加電圧で大きな変形歪や大きな力が得られるという利点がある。
図4は、特許文献1に係るリニア型振動波(超音波)アクチュエータ30の外観斜視図である。
このリニア型振動波アクチュエータ30は、振動体31、及び加圧接触されたリニアスライダ36を有している。
振動体31は、積層圧電素子35と駆動板32を有し、積層圧電素子35は圧電層と電極層が交互に複数積層化され、駆動板32は金属からなり、接着剤により積層圧電素子35と接着されている。
駆動板32は、矩形状に形成された板部と、この板部の上面に対して凸状に形成された2つの突起部33a、33bを有している。
突起部33の先端面には、接触部34a、34bが形成されている。接触部34a、34bは、被駆動体としてのリニアスライダ36と直接接触する部材であるため、耐磨耗性を有している。
このリニア型振動波アクチュエータ30は、2つの曲げ振動モードを励起し、突起部33a、33bに楕円運動を生起させる。
この楕円運動は、振動体31に対して加圧状態で接触されているリニアスライダ36に対して、振動体31との間に相対的な移動運動力を発生させる。
この相対的な移動運動力により、リニアスライダ36は、リニア(直線)駆動されることとなる。
この積層圧電素子35を製造する場合は、初めに、圧電材料粉末と有機バインダから、ドクターブレード法などの方法により圧電層となるグリーンシートを作り、このグリーンシート上の所定位置に電極材料ペーストを印刷して電極層とする。
そして、このグリーンシートを所定の枚数平面状に重ね、加圧して積層化する。この後、圧電層と電極層を同時焼成により一体化し、分極処理を行い、最終的に機械加工を行い所定の寸法に仕上げる。
また、特許文献2では、セラミックス基板の少なくとも一方の面上に、電極材料と圧電材料を順次層状に積層し、熱処理によって一体化した一体積層構造を有する圧電電歪膜型アクチュエータが提案されている。
特開2004−304887号公報 特許第2842448号公報
上記した図4に示す従来例の振動波アクチュエータでは、積層圧電素子35と金属からなる振動板(駆動板32)は、樹脂からなる接着剤で接着されている。しかし、樹脂からなる接着剤は比較的柔らかいため、接着剤による振動体としての振動減衰は大きく、特に小型化するほど振動体の振動減衰の影響が大きくなり、小型の振動波アクチュエータの効率を低下させる主因となっていた。
また、小型化した場合に、接着層の厚さのばらつきや接着による位置精度が小型の振動波アクチュエータの性能に与える影響が大きくなり、小型の振動波アクチュエータの性能のばらつきも大きくなっていた。
さらに、従来の積層圧電素子の製造方法では、圧電材料粉末から作るグリーンシート成形や積層プレス、機械加工など製造装置の設備投資額も大きく、製造コストを高くする一因となっていた。
そこで、上記した従来例の特許文献2のように、積層圧電素子の製造と同時に、接着層を設けずに振動板に積層圧電素子を直接固定(接合)することも考えられる。
しかしながら、振動板は金属で構成されるため、圧電素子の圧電層と電極層を同時焼成一体化を行なう温度では、金属を構成する元素が圧電層や電極層に拡散する。
その結果、圧電層は拡散した元素のため本来の圧電活性を持ち得ない化学組成になってしまっていた。
また、金属より耐熱性の高いセラミックス基板では、金属のように元素の拡散は起らないが、貴金属である電極層と直接に接するセラミックス基板とは化学反応が少なく接合強度がかなり低くなる。
そのため、セラミックス基板から電極層が初めから剥離していたり、振動による剥離が起こり易くなったりして、安定した振動エネルギーを出力できない場合が生じる。
本発明は、上記課題に鑑み、安価な構成で小型化に伴う振動の減衰を抑制して振動効率を向上させることができ、安定した振動エネルギーの出力が可能となる振動体及び振動波アクチュエータの提供を目的とする。
本発明は、以下のように構成した振動体の製造方法を提供するものである。
本発明の振動体の製造方法は、圧電層と電極層を有する圧電素子が、セラミックス基板に固定されてなる振動体の製造方法であって、
前記セラミックス基板上に、セラミックス粉末とガラス粉末とを含有するペーストを塗布して結合層を形成する工程と、
前記結合層上に前記圧電素子を形成する工程と、
前記セラミックス基板、前記結合層、及び前記圧電素子を同時に焼成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、安価な構成で小型化に伴う振動の減衰を抑制して振動効率を向上させることができ、安定した振動エネルギーの出力が可能となる振動体及び振動波アクチュエータを実現することができる。
本発明の第1、第3の実施形態に係る振動体の構成を示す構成図である。(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る振動体の構成を示す構成図である。(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 本発明の第1、第2、第3の実施形態に係る振動体を組込んだリニア型振動波アクチュエータの駆動機構を示す図である。 従来例におけるリニア型振動波アクチュエータの構成を説明する図である。
[第1の実施形態]
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る振動体の構成を説明する。
なお、図1(b)には、図1(c)に矢印で示した破断線の部分の断面が示されている。図1に示す振動体1aは、リニア駆動する振動波アクチュエータに適用することを想定したものである。
この振動体1aは、板状のセラミックス基板2と圧電素子15とを有し、両者の間にセラミックス層20−1を設けている。
このセラミックス基板2と圧電素子15はセラミックス層20−1を介して、後述するように同時焼成により固定され一体化されたものである。
すなわち、振動エネルギー発生源として機能する圧電素子15と、その振動エネルギーを集積する振動板として機能するセラミックス基板2とは、セラミックス層20−1を介して固定され一体化されている。
圧電素子15においては、圧電層3、電極層4、圧電層5、電極層6、圧電層7が順次、交互に積層されている。
電極層4は2つに分割され、分割体は互いに離間状態で配備されている。同様に、電極層6は、2つに分割され、分割体は互いに離間状態で配備されている。
また、圧電層5は、電極層4の全面を覆い、圧電層7は電極層6の全面を覆っている。
電極層4、6と外部(制御部等)との電気的な導通は、圧電層5、7に孔(ホール)8を形成し、その孔8を介して導電線9を電極層4、6の上に導入してハンダ等に固定することにより図られている。
ただし、圧電素子15は後述するように圧電非活性部である圧電層3または圧電層7はなくても良く、必要に応じ設けることが望ましい。
電極層4、6には、圧電素子15の振動を制御する制御部等から交番信号が供給され、この交番信号により圧電層5が伸縮し(歪み)、その伸縮が機械的な振動エネルギーとして外部に放出される。
この振動エネルギーによりセラミックス層20−1を介してセラミックス基板2が振動し、そのセラミックス基板2の振動は、被駆動体(図3のリニアスライダ14参照)を駆動する駆動力として利用される。
セラミックス基板2は、長さ12mm、幅5mm、厚さ0.3mmである。
また、圧電層3の厚さは約6μm、圧電層5の厚さは約12μm、圧電層7の厚さは約6μm、電極層4、6の厚さは約5μmである。
また、セラミックス層20−1の厚さは約5μmであり、導通用の孔8は直径1mmである。
つぎに、振動体1aの製造方法を説明する。
まず、板状の焼成済みのセラミックスを研削加工、切断加工により所定の寸法に仕上げる。
次に、セラミックス粉末と、有機溶剤と有機バインダからなる有機ビヒクルを混合して作った厚膜形成可能なセラミックス粉末ペーストを、セラミックス基板2の片面の表面にスクリーン印刷法で印刷塗布する。
このセラミックス粉末は圧電層を形成する圧電セラミックスとは主成分は異なり、セラミックス基板と主成分は同じで、ガラス質を形成する成分を含んでいる。そして、この塗布されたセラミックス粉末ペーストを約150℃で10分間ほど加熱することにより、有機溶剤を除去して乾燥させて、セラミックス層20−1を形成する。
さらに、圧電材料粉末と、有機溶剤と有機バインダからなる有機ビヒクルを混合して作った厚膜形成可能な圧電材料粉末ペーストを、セラミックス層20−1の表面にスクリーン印刷法で印刷塗布する。
そして、この塗布された圧電材料粉末ペーストを約150℃で10分間ほど加熱することにより、有機溶剤を除去して乾燥させて、圧電層3を形成する。
この後、導電材料粉末からなる導電材料粉末ペーストを乾燥済みの圧電層3の上にスクリーン印刷法で塗布、乾燥し電極層4を形成する。
こうして、順次塗布と乾燥を繰り返し圧電層5、電極層6、圧電層7を形成する。
なお、導電材料粉末ペーストは、導電材料粉末と有機溶剤と有機バインダからなる有機ビヒクルを混合して作る。
圧電層3、5、7を形成するための圧電材料としては、次のものを使用した。すなわち、鉛を含んだペロブスカイト型の結晶構造を有するジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)を主成分とし、複数の金属元素からなる化合物を少量添加して固溶させた三成分系や多成分系の圧電材料粉末を使用した。すなわち、圧電層3、5、7は、化合物層として形成されている。
圧電層5は、分極処理が施され圧電活性部として変位を発生させる層であり、その成分による圧電特性が直接振動波アクチュエータの性能に影響する。一方、圧電層3と圧電層7は、圧電活性部でなく圧電非活性部となる。
なお、圧電素子15は、セラミックス基板2に固定される側はセラミックス層20−1の上に非活性部である圧電層3が図1のように形成されても良いし、電極層4が直接にセラミックス層20−1上に形成されても良い。セラミックス層20−1には後述のようにセラミックスの粒界にガラス質を形成する成分を含んでいるので圧電層3や電極層4と化学的に結合しやすくなる。
また、セラミックス基板2に固定される側とその反対側の面が非活性部である圧電層7を形成していても良い。
さらに、圧電層5と圧電層3、7とは、その目的に合わせて、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)の主成分以外の成分を変更することも可能である。また、その厚さも圧電層5と圧電層3、7とで異なるようにしても良い。
上記の圧電活性部とは、圧電層と対向する電極を有し、電極間に電圧を印加して分極処理を施した後に、交流電圧を電極間に供給した時に振動体を変形させる振動エネルギーを発生する圧電層の部位をいう。
一方、圧電非活性部は、圧電層と対向する電極を有さず、電極間に電圧を印加出来ず(つまり、分極処理不能)、かつ、交流電圧も電極間に供給出来ない(つまり、振動体を変形させる振動エネルギーを発生しない)圧電層の部位をいう。
なお、圧電非活性部は、圧電層と対向する電極を有し、電極間に電圧を印加して分極処理を施しても、分極処理後に一方の電極を除去したため交流電圧を電極間に供給できない(つまり、振動体を変形させず振動エネルギーを発生しない)圧電層の部位もいう。
ここで、電極層4、6を形成するための導電材料粉末ペーストとしては、銀とパラジウムを主成分とする導電材料の他に予め圧電材料粉末を5〜10重量%添加したものを使用した。
ただし、添加する圧電材料粉末は、圧電層5と同一成分か、または主成分が同じジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)であっても同様の効果が得られる。また、圧電層5、7には、スクリーン印刷の版に予め細工を施して孔8(未印刷部)を形成できるようにし、電極層4、6は、スクリーン印刷の版の非印刷部を介して2分割し、離間して配置できるようにしてある。
このようにして形成した(焼結したセラミックス基板2上の)セラミック層20−1、複数の積層化された圧電層3、5、7と電極層4、6は未焼成状態である。そこで、電気炉を用いて200℃〜500℃で加熱して有機バインダを除去した後、鉛雰囲気中で1100℃〜1200℃で焼成した。
すなわち、圧電層3、5、7、電極層4、6、セラミックス層20−1及びセラミックス基板2を同時に焼成して一体化した。換言すれば、圧電素子の製造と、圧電素子とセラミックス基板との固定を同時に行なった。
振動体としてのセラッミクス基板2の材質としては、圧電層3や電極層4と近接した領域で安定した化学的な結合が起る材質であるセラミックスが好ましい。
とりわけ例えば、入手し易く安価である酸化アルミニウム(アルミナ)は金属よりも振動の減衰が少ない材料(振動体としてエネルギーの損失が少ない)でより好ましい。
しかしながら、酸化ケイ素などのガラス質成分を含む純度99.5重量%以下の酸化アルミニウム(アルミナ)では99.6重量%以上、99.99重量%以下のアルミナに比べ、純度が落ちるに従い機械的強度は下がる。同様に、振動の減衰も大きくなってくる傾向がある。
そのため、高純度の99.6重量%以上、99.99重量%以下のアルミナの方が振動体としてはより好ましい。
ただし、酸化ケイ素などのガラス質成分のより少ない99.6重量%以上、99.99重量%以下の高純度のアルミナを使用する際、つぎのような場合に剥離してしまうこともわかってきた。
すなわち、セラミックス基板2と圧電層3や電極層4での直接(セラミックス層20−1を介しない)の固定では、振動を与えると剥離してしまうことがわかってきた。
これは、高純度のアルミナでは、圧電層3や電極層4との化学的な反応が少なくて結合力が弱いものと推測される。
そこで、99.6重量%以上、99.99重量%以下の高純度のアルミナを使用する場合には、セラミックス層20−1をセラミックス基板2と圧電層3または電極層4を結合するために設けた。
すなわち、このセラミックス粉末はセラミックス基板と同じ主成分であるアルミナの他に、酸化ケイ素を主成分に酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど(これらの物質は焼結助剤と呼ばれている)からなる、低融点のガラス質を焼成後にアルミナの結晶粒界に形成する成分を0.5重量%以上添加している。
電極層4を形成する導電材料である銀とパラジウムはすでに焼成されたセラミックス基板とは接合力がかなり弱い。
そのため、セラミックス層20−1が無い場合には、焼成時の粉末の焼結による収縮と焼成後の熱膨張によりセラミックス基板2から最初から電極層4が剥離したり、圧電素子15の振動により剥離してしまう。
そこで、未焼成の粉末であるアルミナ層を介することで、同様に未焼成の粉末である電極層の銀やパラジウムの拡散が起こり反応し接合力を増やすことが可能となる。
さらに、予め、電極層4に圧電粉末を混ぜることで、導電材料粉末の焼成による収縮を抑制して剥離力を小さくし剥離し難くなるようにした。
さらに同時に、混ぜた圧電粉末とセラミックス層との反応も期待(後述のように)できる。
また、セラミックス層20−1の上に圧電層3、そして圧電層3の上に電極層4を設けても良い。
この場合は、セラミックス層20−1の酸化ケイ素を主成分とするガラス質と圧電粉末の主に鉛が直接に反応して、鉛とのガラス質を形成しより大きな結合力の発生が可能となる。
さらに、圧電層3と電極層4は、未焼成である粉末同士の拡散と反応が起こり、同時に電極層4に混合されたほぼ同一成分の圧電粉末も反応して、圧電層3と電極層4が接合力が発生する。
一方、セラミックス基板2とセラミックス層20−1の主成分は同じ物質であるので、セラミックス層20−1を形成する未焼成の微細な粉末粒子が、焼成によりより大きな結晶粒子に成長しつつセラミックス基板を構成する既に焼成された結晶粒子と容易に結合できる。
セラミックス層20−1に添加した酸化ケイ素を主成分とするガラス質も溶融し、セラミックス基板2との結合の効果も持つ。
ただし、酸化ケイ素を主成分とするガラス質を形成する焼結助剤は0.5重量%未満では固定の効果が少なく、8.0重量%を越えると酸化ケイ素が圧電層や電極層にも過剰に拡散して圧電層の圧電特性を劣化させる。またアルミナからなるセラミックス層の機械的な性質を劣化させる。
このようなことから、酸化ケイ素を主成分とするガラス質を形成する焼結助剤は0.5重量%以上、8.0重量%以下とすることが望ましいこともわかった。
また、アルミナセラミックスは、機械部品としてはやや脆い性質もあり、ガラス成分以外の他の成分を多少添加しても良い。
例えば、酸化ジルコニアは機械的な強度と電気的な絶縁性を向上させることができ、添加物として好ましい。
この場合、特開2006−74850号公報のように、酸化ジルコニアを5〜40重量%添加するのが望ましい。
さらに、圧電層5は電極層4を覆い、圧電層7は電極層6を覆い、特に電極層4、6の端部まで完全に覆うようにし、絶縁性の保護層として電極層4、6が表面に露出しないようにしている。
このように圧電層5、7による電極層4、6の保護層を設けることで、外部からの機械的な力による電極層4、6の剥離を防止することもできた。
また、例えば異物が接触した際のショートや高湿度下での電流リーク、電極層4、6と圧電層5、7の隙間への水分の侵入を防ぎ、電極層4、6の剥離を防止することもできた。なお、第1の実施形態では、対向する電極層4、6とで挟まれた圧電層5が圧電活性部となる。
前述のように、圧電層3、5、7、電極層4、6、及びセラミックス基板2、セラミック層20−1を同時に焼成して一体化した。
その後、圧電層3、5、7の孔8を介して電極層4、6に導電線9をハンダ等で固定し、電極層4、6の間に電圧を印加、圧電層4に分極処理を施した。
分極処理の条件は、温度120〜150℃のオイル中で、電極層4をグランド(G)とし、電極層6をプラス(+)として、所定の電圧約35V(3KV/mm相当)を印加して、約30分かけて分極処理を行った。
また、圧電層3、5、7、及び電極層4、6を形成する圧電材料粉末ペーストは、圧電材料粉末に多少の添加物を加え、エチルセルロースのような有機バインダとテルピネオールのような有機溶剤を用いた有機ビヒクルを3本ロールで混練して作った。
スクリーン印刷法では本例では圧電層の厚さは12μmとしたが、厚さ約2、3μmから約30μmまでの厚膜である圧電層や電極層を高精度に作ることができる。
版には分割した電極や圧電層に孔(未印刷部)を設けることも可能である。同様に、セラミックス層の厚さも変更は可能である。
また、スクリーン印刷法は、上述のグリーンシートによる積層に比べて、より薄くて高精度な厚さの層の形成が容易であるばかりでなく、塗布位置を高精度に制御可能であり、焼結後の機械加工も必要としない。
そして、製造設備もより安価である。これらの結果、製造コストも安価となる。
[第2の実施形態]
図2を用いて、本発明の第2の実施形態に係る振動体の構成を説明する。
なお、図2(b)には、図2(c)に矢印で示した破断線の部分の断面の一部が示されている。
上記した第1の実施形態では、電極層で挟まれた圧電層は1つであったが、第2の実施形態では、電極層で挟まれた圧電層は2つとなっている。
すなわち、第2の実施形態では、第1の実施形態に対して圧電層と電極層を1層ずつ加えた積層型圧電素子16となっている。
換言すれば、第2の実施形態では、圧電活性部である圧電層を2層とすることにより、圧電層が1層である第1の実施形態よりも、低電圧化を図っている。
なお、圧電活性部である圧電層を3層以上にし、更なる低電圧化を図ることも可能である。
本実施形態の振動体1bは、具体的には、板状の焼成したセラミックス基板2の上に、セラミックス層20−1を介して積層型圧電素子16として圧電層3、電極層4、圧電層5a、電極層6a、圧電層5b、電極層6b、圧電層7が順次重ねられている。
圧電層5aは電極層4を全体的に覆い、圧電層5bは電極層6aを全体的に覆い、圧電層7は電極層6bを全体的に覆っている。
電極層4、6bは、導電材料粉末ペースト(導電材)を充填した孔10で電気的に導通し、孔11に固定した導電線9で外部電源と導通可能に構成されている。電極層6aは、導電材料粉末ペーストを充填した孔12に固定した導電線9で外部(制御部等)と導通可能となっている。
本実施形態の振動体1bは、例えば、セラミックス基板は長さ12mm幅5mm、厚さ0.3mmである。
また、圧電層3の厚さは約6μm、圧電層5a、5bの厚さは約12μm、圧電層7の厚さは約6μmである。
また、電極層4、6a、6bの厚さは約5μmであり、セラミックス層20−1の厚さは5μmである。また、孔10、11の径は、配線を考慮して直径3mmとなっている。
なお、本実施形態では、圧電層5a、5bが圧電活性部となる。
本実施形態では、第1の実施形態と異なり、孔10、11、12には、電極層4、6a、6bを形成した導電材料粉末ペーストとほぼ同じ成分の導電材料粉末ペーストが充填されている。
この場合、孔10、11、12を形成した後、電極層4、6a、6bを形成する前後で、スクリーン印刷法などで孔10、11、12に導電材料粉末ペーストを充填し、積層圧電素子16と同時にセラミックス基板2とセラミックス層20−1を焼成して一体化する。
また、別の製造方法として、積層圧電素子16を焼成した後に、熱硬化する接着剤と導電粉末を混ぜた導電材料粉末ペーストを孔10、11、12に充填しても良い。
ここで、第1の実施形態と同様に圧電層3や圧電層7は場合によりなくても良い。
図3は、第1、第2の実施形態に係る振動板1a、又は振動板1bを組込んだリニア型振動波アクチュエータの構成を示す図である。
リニア駆動の原理は従来例と同じである。振動板1a又は振動板1bには、突起部13が設けられている。
リニアスライダ14は加圧された状態で突起部13に接触し、圧電素子15又は16の振動で突起部13に励起された楕円運動により、リニアスライダ14が移動する。
すなわち、本リニア型振動波アクチュエータは、圧電素子15又は16を駆動動力源としてリニアスライダ14を往復駆動している。
なお、本発明は、上記した第1、第2の実施形態で説明した構成に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では電極層と外部電源との導通は導電線を用いて行ったが、導電線の代わりにフレキシブル回路基板や導電材料粉末ペーストで電極層と外部電源との導通を図るようにしても良い。
[第3の実施形態]
図1を用いて、本発明の第3の実施形態に係る振動体の構成を説明する。第3の実施形態は第1の実施形態でるセラミックス層20−1をガラス粉末を含んだセラミックス層20−2に置き換えていることだけが異なる。
図1(b)には、図1(c)に矢印で示した破断線の部分の断面が示されている。図1に示す振動体1cは、リニア駆動する振動波アクチュエータに適用することを想定したものである。
この振動体1cは、板状のセラミックス基板2と圧電素子15とを有し、両者の間にセラミックス層20−2を設けている。
このセラミックス基板2と圧電素子15はセラミックス層20−2を介して、後述するように同時焼成により固定(接合)され一体化されたものである。
すなわち、振動エネルギー発生源として機能する圧電素子15と、その振動エネルギーを集積する振動板として機能するセラミックス基板2とは、セラミックス層20−2を介して固定され一体化されている。
圧電素子15においては、圧電層3、電極層4、圧電層5、電極層6、圧電層7が順次、交互に積層されている。
電極層4は2つに分割され、分割体は互いに離間状態で配備されている。同様に、電極層6は、2つに分割され、分割体は互いに離間状態で配備されている。
また、圧電層5は、電極層4の全面を覆い、圧電層7は電極層6の全面を覆っている。
電極層4、6と外部(制御部等)との電気的な導通は、圧電層5、7に孔(ホール)8を形成し、その孔8を介して導電線9を電極層4、6の上に導入してハンダ等に固定することにより図られている。
なお、圧電素子15は後述するように圧電非活性部である圧電層3または圧電層7はなくても良く、必要に応じ設けることが望ましい。すなわち、圧電素子15は、セラミックス基板2に固定される側はセラミックス層20−2の上に非活性部である圧電層3が図1のように形成されても良いし、非活性部である圧電層3を省いて電極層4がセラミックス層20−2上に直接に形成されても良い。
電極層4、6には、圧電素子15の振動を制御する制御部等から交番信号が供給され、この交番信号により圧電層5が伸縮し(歪み)、その伸縮が機械的な振動エネルギーとして外部に放出される。
この振動エネルギーによりセラミックス層20−2を介してセラミックス基板2が振動し、そのセラミックス基板2の振動は、被駆動体(図3のリニアスライダ14参照)を駆動する駆動力として利用される。
セラミックス基板2は、長さ12mm、幅5mm、厚さ0.3mmである。
また、圧電層3の厚さは約6μm、圧電層5の厚さは約12μm、圧電層7の厚さは約6μm、電極層4、6の厚さは約5μmである。
また、セラミックス層20−2の厚さは約5μmであり、導通用の孔8は直径1mmである。
つぎに、振動体1aの製造方法を説明する。
まず、板状の焼成済みのセラミックスを研削加工、切断加工により所定の寸法に仕上げる。
次に、セラミックス粉末と後述するガラス粉末、有機溶剤、有機バインダからなる有機ビヒクルを混合して作った厚膜形成可能なセラミックス粉末ペーストを、セラミックス基板2の片面の表面にスクリーン印刷法で印刷塗布する。
このセラミックス粉末は圧電層を形成する圧電セラミックスとは主成分は異なり、セラミックス基板2とは主成分は同一であって、主成分とは異なる成分を多少含んでいても良い。
ガラス粉末としては、酸化ケイ素、酸化ボロンを含み、その他に、酸化ビスマス、アルミナ、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物、その他の金属酸化物などの添加物を混ぜ、焼成温度に適したガラス軟化点になるように配合する。そして、一度溶融させ、溶融したガラスを平均粒径1〜2μmに微粉砕したガラス粉末(ガラスフリットとも呼ぶ)を使用した。
このガラス粉末を、セラミックス粉末の重量に対して0.5重量%以上、10重量%以下添加し、セラミックス粉末ペーストとした。酸化ケイ素、酸化ボロンの配合比率を変えることでガラスの軟化点を変えることができる。また、添加元素を選ぶことで基板2との反応を増すことも可能である。
ガラス粉末はセラミックス粉末の重量に対して0.5重量%未満では固定の効果が少なく、10重量%を越えるとセラミックス基板への溶融したガラス成分の拡散が大きく、基板の機械的な特性を劣化させる。また、セラミックス層自体の機械的な性質も劣化させる。
このようなことから、このガラス粉末は、セラミックス粉末の重量に対して5重量%以上、10重量%以下とした。
焼成時には、セラミックス層20−2のガラス粉末は溶融し軟化流動化してセラミックス粉末を焼結させ、また、基板2と圧電層3または電極層4との界面にガラス粉末の溶融したガラス成分は多く集まり、基板2と圧電層3または電極層4と強く結合することができる。
第3と第1の実施形態の違いは以下のとおりである。第1の実施形態のセラミックスはセラミックス基板と同じ主成分であるアルミナ粉末に、酸化ケイ素を主成分に酸化カルシウム、酸化マグネシウム(焼結助剤)などの低融点のガラス質を形成する微粉末を均一に混合した粉末を使ってペーストを作って使用している。一方、第3の実施形態ではアルミナ粉末にガラス粉末(酸化ケイ素、酸化ボロンを含み、その他に、酸化ビスマス、アルミナ、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物、その他の金属酸化物などの添加物を混ぜ配合し溶融したガラスを平均粒径1〜2μmに微粉砕した粉末)を添加し均一に混合して粉末ぺーストを作っている。
もちろん、第1と第3の実施形態である焼結助剤とガラス粉を併用することは可能で、焼結助剤はガラス粉末の添加量を減らすことができ、基板の劣化を防ぐと共に接合に対しての効果は大きくなる。
ガラス粉末の利点としては、ガラス粉末はセラミックスとは別に作ることができ、焼成温度や機械強度の適したガラス成分の調整が容易であり、前述のジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)を主成分とし、複数の金属元素からなる化合物を少量添加して固溶させた三成分系や多成分系の圧電材料粉末以外の多種の圧電材料、たとえば、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウムなどの非鉛系の圧電材料などや、後述するアルミナ以外の種類の異なるセラミックス基板に対しても有効であり応用範囲が拡大する。
ガラス粉末の欠点としては、前述のように添加量が多いと基板の劣化や圧電層の圧電特性に劣化、さらにセラミックス層の機械的な性質の劣化などを招く恐れがある。
そして、この塗布されたガラス粉末を混ぜたセラミックス粉末ペーストを約150℃で10分間ほど加熱することにより、有機溶剤を除去して乾燥させて、セラミックス層20−2を形成する。
さらに、圧電材料粉末と、有機溶剤と有機バインダからなる有機ビヒクルを混合して作った厚膜形成可能な圧電材料粉末ペーストを、セラミックス層20−2の表面にスクリーン印刷法で印刷塗布する。
そして、この塗布された圧電材料粉末ペーストを約150℃で10分間ほど加熱することにより、有機溶剤を除去して乾燥させて、圧電層3を形成する。ただし、圧電層3はなくても良く、必要に応じ設けることが望ましい。
この後、導電材料粉末からなる導電材料粉末ペーストを乾燥済みの圧電層3またはセラミックス層20−2の上にスクリーン印刷法で塗布、乾燥し電極層4を形成する。こうして、順次塗布と乾燥を繰り返し圧電層5、電極層6、圧電層7を形成する。
なお、導電材料粉末ペーストは、導電材料粉末と有機溶剤と有機バインダからなる有機ビヒクルを混合して作る。
圧電層3、5、7を形成するための圧電材料としては、鉛を含んだペロブスカイト型の結晶構造を有するジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)を主成分とし、複数の金属元素からなる化合物を少量添加して固溶させた三成分系や多成分系の圧電材料粉末を使用した。すなわち、圧電層3、5、7は、化合物層として形成されている。
圧電層5は、分極処理が施され圧電活性部として変位を発生させる層であり、その成分による圧電特性が直接振動波アクチュエータの性能に影響する。一方、圧電層3と圧電層7は、圧電活性部でなく圧電非活性部となる。
また、セラミックス基板2に固定される側とその反対側の面が非活性部である圧電層7を形成していても良い。
さらに、圧電層5と圧電層3、7とは、その目的に合わせて、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)の主成分以外の成分を変更することも可能である。また、その厚さも圧電層5と圧電層3、7とで異なるようにしても良い。
ここで、電極層4、6を形成するための導電材料粉末ペーストとしては、銀とパラジウムを主成分とする導電材料の他に予め圧電材料粉末を5〜10重量%添加したものを使用した。
ただし、添加する圧電材料粉末は、圧電層5と同一成分か、または主成分が同じジルコン酸鉛とチタン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3)であっても同様の効果が得られる。また、圧電層5、7には、スクリーン印刷の版に予め細工を施して孔8(未印刷部)を形成できるようにし、電極層4、6は、スクリーン印刷の版の非印刷部を介して2分割し、離間して配置できるようにしてある。
このようにして形成した(焼結したセラミックス基板2上の)セラミック層20−2、複数の積層化された圧電層3、5、7と電極層4、6は未焼成状態である。そこで、電気炉を用いて200℃〜500℃で加熱して有機バインダを除去した後、鉛雰囲気中で1100℃〜1200℃で焼成した。
すなわち、圧電層3、5、7、電極層4、6、セラミックス層20−2及びセラミックス基板2を同時に焼成して一体化した。換言すれば、圧電素子の製造と、圧電素子とセラミックス基板との固定を同時に行なった。
一方、セラミックス基板2の材質としては、振動板としての基板の好ましい材料として、第1の実施形態と同じく板状の焼成済みのセラミックスであるアルミナを選定した。
但し、純度が低くなると機械的な強度が劣るのと、振動体としての振動の減衰も大きくなるので、99.6重量%以上、99.99重量%以下の高純度のアルミナがより望ましい。
なお、アルミナは、機械部品としてはやや脆い性質もあり、他の成分を多少添加しても良い。例えば、酸化ジルコニアは機械的な強度と電気的な絶縁性を向上させることができ、添加物として好ましい。
この場合、特開2006−74850号公報のように、酸化ジルコニアを5〜40重量%添加するのが望ましい。
また、基板2は、ガラス粉末をあらかじめ混ぜてあるセラミック層20−2と安定な結合が起こる材質であれば良い。
アルミナのほかにも基板としては、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素など通常のセラミックスであってもセラミック層20−2にガラス粉末をあらかじめ混ぜてあるため、焼成により溶融したガラス成分は基板2と電極層4または圧電層3との密着強度を高め、接合力の強化が可能となる。
また、各種のセラミックスにあわせて、ガラス粉末の成分は酸化ケイ素や酸化ボロンの他に添加元素を考慮することが望ましい。
さらに、セラミック層20−2は主成分が同じ基板2と、電極層4、6や圧電層3、5、7の焼成時の収縮や焼成後の温度降下時の熱膨張係数の違いにより発生する応力の緩衝材としても機能し、基板2と電極層4や圧電層3との剥離を防止する効果を持つ。また、振動体の振動時には圧電活性層である圧電層5の変位に伴い発生する応力の、基板2への緩衝材ともなる。これはセラミックス層20−1も同様である。
さらに、予め、電極層4に圧電粉末を混ぜることで、導電材料粉末の焼成による収縮を抑制して剥離力を小さくし剥離し難くなるようにした。
前述のように、圧電層3、5、7、電極層4、6、及びセラミックス基板2、セラミック層20−2を同時に焼成して一体化した。その後、圧電層3、5、7の孔8を介して電極層4、6に導電線9をハンダ等で固定し、電極層4、6の間に電圧を印加、圧電層4に分極処理を施した。
分極処理の条件は、温度120〜150℃のオイル中で、電極層4をグランド(G)とし、電極層6をプラス(+)として、所定の電圧約35V(3KV/mm相当)を印加して、約30分かけて分極処理を行った。
ガラス粉末を含んだセラミック層20−2であっても第1の実施形態と同じようにペーストのスクリーン印刷法での印刷塗布や焼成条件、分極条件などは同じである。また、第2の実施形態である電極層で挟まれた圧電層は2つ、さらに2つ以上となってもガラス粉末を含んだセラミック層20−2の適用は可能である。そして、製造上の特徴も第1の実施形態と同じである。
図3に第1、第2の実施形態と同様な、第3の実施形態に係る振動板1cを組込んだリニア型振動波アクチュエータの構成を示す。
1a、1b、1c:振動体
2:セラミックス基板
3、5、5a、5b、7:圧電層
4、6、6a、6b:電極層
8、10、11、12:孔
15:圧電素子
16:積層型圧電素子
20−1、20−2:セラミックス層

Claims (11)

  1. 圧電層と電極層を有する圧電素子が、セラミックス基板に固定されてなる振動体の製造方法であって、
    前記セラミックス基板上に、セラミックス粉末とガラス粉末とを含有するペーストを塗布して結合層を形成する工程と、
    前記結合層上に前記圧電素子を形成する工程と、
    前記セラミックス基板、前記結合層、及び前記圧電素子を同時に焼成する工程と、を有することを特徴とする振動体の製造方法
  2. 前記セラミックス粉末は、前記セラミックス基板と主成分が同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動体の製造方法。
  3. 前記セラミック粉末は、前記圧電層を構成する圧電材料とは主成分が異なる材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動体の製造方法。
  4. 前記ガラス粉末は、前記セラミックス粉末の重量に対して0.5重量%以上、10重量%以下の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の振動体の製造方法。
  5. 前記ガラス粉末は、酸化ケイ素を含有することを特徴とする請求項4に記載の振動体の製造方法。
  6. 前記結合層を形成する工程は、前記ペーストを塗布した後、加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の振動体の製造方法
  7. 前記圧電素子を形成する工程は、前記圧電層を構成する圧電材料を含有するペーストを塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の振動体の製造方法
  8. 前記圧電素子を形成する工程は、前記電極層を構成する導電材料を含有するペーストを塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の振動体の製造方法。
  9. 前記セラミックス基板と前記結合層は、アルミナを主成分として構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動体の製造方法。
  10. 前記圧電材料は、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛を含有することを特徴とする請求項7に記載の振動体の製造方法。
  11. 前記導電材料は、銀とパラジウムを含有することを特徴とする請求項8に記載の振動体の製造方法。
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