JP2003008092A - 積層型圧電素子とその製造方法ならびに積層型圧電素子用封止材料 - Google Patents

積層型圧電素子とその製造方法ならびに積層型圧電素子用封止材料

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JP2003008092A
JP2003008092A JP2001186053A JP2001186053A JP2003008092A JP 2003008092 A JP2003008092 A JP 2003008092A JP 2001186053 A JP2001186053 A JP 2001186053A JP 2001186053 A JP2001186053 A JP 2001186053A JP 2003008092 A JP2003008092 A JP 2003008092A
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glass
piezoelectric element
laminated
laminated piezoelectric
piezoelectric
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Mutsuo Munekata
睦夫 宗片
Hirokazu Shirasaka
尋和 白坂
Norio Shimizu
紀夫 清水
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子の大型化と製造コストの高騰を回避しつ
つ、耐久性、信頼性を高めた積層型圧電素子とその製造
方法、積層型圧電素子に用いられる封止材料を提供す
る。 【解決手段】 積層型圧電素子の一実施形態である圧電
アクチュエータ10は、圧電セラミックス11と内部電
極12とが交互に積層され、隣り合う圧電セラミックス
11には互いに逆向きとなる電界が内部電極12を介し
て印加されることによって圧電セラミックス11に変位
が生ずる。圧電アクチュエータ10の側面の略全体をガ
ラスで被覆することで耐湿性を向上させて、信頼性、耐
久性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、位置決め
装置や振動発生装置等に用いられる積層型圧電アクチュ
エータや、所定電圧の昇圧等に用いられる圧電トランス
等の積層型圧電素子とその製造方法、積層型圧電素子に
用いられる封止材料に関する。
【0002】
【従来の技術】積層型の圧電アクチュエータは、サブミ
クロンオーダーでの変位量の調節が可能であり、また、
電気信号に対する応答性が速く、発生力が大きいことか
ら、例えば、X−Yステージ等の精密位置決め装置に用
いられている。図6の断面図に示すように、積層型の圧
電アクチュエータ90は、一般的に、圧電セラミックス
91と内部電極92とが交互に積層され、隣り合う圧電
セラミックス91には互いに逆向きとなる電界が内部電
極92を介して印加されるように、内部電極92が一層
おきに外部電極93a・93bに接続された構造を有す
る。
【0003】また、外部電極93a・93bには、はん
だ付け等によってリード線94a・94bが取り付けら
れており、圧電セラミックス91と内部電極92とから
なる積層体95の側面(圧電セラミックス91の積層方
向に平行な面をいう)は耐湿性に優れる樹脂96により
被覆されている。樹脂96は圧電アクチュエータ90の
使用環境下における水蒸気から、積層体95や外部電極
93a・93bを保護する役割を果たす。このような圧
電アクチュエータ90において、リード線94a・94
bを介して所定の電圧を圧電セラミックス91に印加す
ると、圧電セラミックス91に伸縮変位が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂9
6を用いた積層体95の被覆方法では、長期間の使用や
過酷な温湿度環境下において、空気中に含まれる水蒸気
が樹脂96を通して積層体95の側面に入り込んで側面
放電を引き起こす問題がある。また、一般的に、内部電
極92としては、銀(Ag)/パラジウム(Pd)電極
が用いられ、外部電極93a・93bには銀電極が用い
られるために、積層体95の側面に入り込んだ水蒸気に
よって銀がマイグレーションを起こして圧電アクチュエ
ータ90の絶縁抵抗が低くなり、絶縁破壊を起こす問題
がある。このように、従来の樹脂96による積層体95
の側面の被覆には、信頼性や耐久性の面で問題がある。
【0005】このような問題を解決するために、積層体
95を金属管の内部に密閉封入する方法も用いられてい
る。しかし、金属管を用いた場合には、圧電アクチュエ
ータの大きさが極端に大きくなる問題がある。また、金
属管を密閉するために溶接作業が必要となり、さらに、
リード線を金属管から取り出す部分にはハーメチックシ
ールが必要となる等、製造工程が複雑となり、製造コス
トが嵩んで、製品価格が高くなる問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、素子の大型化と製造コストの高騰を回避し
つつ、耐久性、信頼性を高めた積層型圧電素子とその製
造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、
このような積層型圧電素子に好適に用いられる封止材料
を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、圧電セラミックスと電極とが交互に積層され、隣り
合う圧電セラミックスには互いに逆向きとなる電界が印
加されることによって前記圧電セラミックスに変位が生
ずる積層型圧電素子であって、前記積層型圧電素子の側
面の略全体がガラスで被覆されていることを特徴とする
積層型圧電素子、が提供される。
【0008】ここで、「前記積層型圧電素子の側面」と
は圧電セラミックスと電極の積層方向に平行な面をい
う。また、「前記積層型圧電素子の側面の略全体がガラ
スで被覆されている」とは、少なくとも積層型圧電素子
において圧電セラミックスが変位を起こす部分(圧電セ
ラミックスを挟む電極を含む)の側面はガラスで被覆さ
れている必要があるが、例えば、積層型圧電素子の積層
方向端に設けられる圧電不活性な保護層の側面は必ずし
もガラスで被覆されている必要がないことや、積層型圧
電素子の側面にリード線を取り付ける場合には、その取
り付け位置を確保するために積層型圧電素子の側面にガ
ラス被膜が形成されていない部分が設けられることが許
容されることを意味する。
【0009】積層型圧電素子の側面に形成されたガラス
の被膜には独立気泡が略均一に分散していることが好ま
しい。また、このガラスの被膜には結晶性粉末が略均一
に分散していることが好ましい。このような複合構造を
有するガラスを用いることによって、ガラスの耐久性を
高めることができる。ガラスとしては、アルカリ金属成
分の含有量が100ppm以下の低融点ガラスが好適に
用いられる。アルカリ金属成分の含有量を小さくするこ
とで絶縁抵抗を高くすることができる。また、低融点ガ
ラスを用いることで低い温度での焼成が可能となる。低
融点ガラスとしては、ホウケイ酸ガラス、ホウ酸ガラ
ス、鉛ケイ酸ガラスまたはリン酸塩ガラスを挙げること
ができる。ガラスの熱膨張率は、圧電セラミックスの熱
膨張率の1.5倍以上4倍以下であることが好ましい。
この場合には、焼成によってガラスの被膜が形成された
後の降温時にガラスに圧縮応力が掛かるため、ガラスの
耐久性が高められる。さらにまた、ガラスの被膜を覆う
ように樹脂被膜を形成すると、より耐湿性を向上させる
ことができる。
【0010】本発明によれば、このような積層型圧電素
子の製造方法、すなわち、積層型圧電素子の製造方法で
あって、圧電セラミックスと電極とが交互に積層された
積層体を作製する第1工程と、前記積層体の側面の所定
位置に前記電極と導通する一対の外部電極を形成する第
2工程と、前記積層体の側面の略全体にガラスペースト
を塗布して塗布膜を形成する第3工程と、前記塗布膜が
形成された積層体を加熱処理してガラス被膜を形成する
第4工程と、を有することを特徴とする積層型圧電素子
の製造方法、が提供される。
【0011】ガラスペーストとして、一度溶融したガラ
スを粉砕して作製したガラス粉末と結晶性粉末とが均一
に混合されたものを用いることによって、結晶性粉末が
均一に分散したガラス被膜を得ることができる。また、
ガラスペーストとして、一度溶融したガラスを粉砕して
作製したガラス粉末と焼成によって気泡を発生させる物
質の粉末とが均一に混合されたものを用いることによっ
て、独立気泡が均一に存在するガラス被膜を得ることが
できる。独立気泡と結晶性粉末を同時にガラス被膜に分
散させることも可能である。第4工程では、ガラスペー
ストに含まれるガラスの軟化点と融点との間の温度で焼
成を行うと、良好なガラス被膜を形成することができ
る。
【0012】さらに、本発明によれば、上述した本発明
の積層型圧電素子に用いられる封止材料、すなわち、圧
電セラミックスと電極とが交互に積層され、前記圧電セ
ラミックスに電界を印加することによって前記圧電セラ
ミックスに変位が生ずる積層型圧電素子を被覆する積層
型圧電素子用封止材料であって、アルカリ金属成分の含
有量が100ppm以下の低融点ガラスからなることを
特徴とする積層型圧電素子用封止材料、が提供される。
【0013】従来は、積層型圧電素子の側面の略全体を
ガラスで被覆することは、ガラスが圧電セラミックスの
変位を抑制し、積層型圧電素子の特性を低下させること
や、積層型圧電素子の伸縮変位にガラスが追従できずに
ガラスにクラックが生じること等を理由に、行われてい
なかった。しかし、本発明のように、積層型圧電素子の
側面の略全体をガラスで被覆する際の条件を適切なもの
とすることにより、積層型圧電素子の変位特性を劣化さ
せることなく耐湿性を向上させて、信頼性と耐久性を高
めることが可能となる。また、この場合には、金属管を
用いる必要がないために積層型圧電素子の大型化をも回
避することができる。さらに、積層型圧電素子を樹脂で
被覆した場合と比較しても、ガラスペーストの塗布とそ
の焼成という工程が増えるものの、製造コストはほとん
ど高くならない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、積層型圧電素子の一形態である積層型圧電アクチュ
エータを例に説明することとする。図1は圧電アクチュ
エータ10の概略構造を示す断面図である。圧電アクチ
ュエータ10は、圧電セラミックス11と内部電極12
とが交互に積層され、隣り合う圧電セラミックス11に
は互いに逆向きとなる電界が内部電極12を介して印加
されるように、内部電極12は1層おきに外部電極13
a・13bに接続された構造を有する。
【0015】圧電セラミックス11と内部電極12から
なる積層体15において、内部電極12によって挟まれ
た圧電セラミックス11は、内部電極12に電圧を印加
した際に圧電セラミックス11が有する圧電定数の大き
さや電界の大きさに依存して変位を生ずる圧電活性部2
1となる。圧電セラミックス11としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(略称PZT)系の圧電セラミックスが好適
に用いられる。また、内部電極12としては、後述する
ように積層体15が同時焼成法によって好適に作製され
るために、銀(Ag)/パラジウム(Pd)電極が好適
に用いられる。
【0016】一方、積層体15の積層方向端は、内部電
極12によって挟まれていないために内部電極12に電
圧を印加しても変位を起こさない圧電不活性な保護層2
2となっている。この保護層22は、例えば、圧電アク
チュエータ10の端面の変位量を端面全体で一定とする
ために、また、圧電アクチュエータ10を各種装置へ組
み込む際の便宜を考慮して、必要に応じて設けられる。
【0017】積層体15の側面(圧電セラミックス11
の積層方向に平行な面をいう)の略全体にはガラス被膜
16が形成されている。保護層22の側面には外部電極
13a・13bがガラス被膜16によって被覆されてい
ない部分が形成されており、この部分にリード線14a
・14bがはんだ付け等によって取り付けられている。
また、ガラス被膜16を被覆するように樹脂被膜17が
形成されている。
【0018】圧電アクチュエータ10において、ガラス
被膜16は少なくとも圧電活性部21の側面を被覆する
ように形成する。ガラスは大気中の水蒸気を透過させな
いために、このガラス被膜16によって圧電活性部21
の側面および内部への水蒸気の浸透が防止される。こう
して、圧電アクチュエータ10では、積層体15の側面
での短絡(側面放電)の発生が防止され、また、内部電
極12に含まれる銀のマイグレーションによる絶縁抵抗
の低下が抑制されるために、信頼性と耐久性を高めるこ
とができる。
【0019】圧電活性部21の側面および内部への水蒸
気の浸透を防止する観点からは、保護層22をも含めた
積層体15の側面全体を被覆するように、ガラス被膜1
6を形成することが好ましい。ガラス被膜16を被覆す
るように樹脂被膜17を設けることで、積層体15への
水蒸気の浸透をさらに抑制して、信頼性と耐久性を高め
ることができる。
【0020】なお、リード線14a・14bを保護層2
2の側面において外部電極13a・13bに取り付ける
ことが好ましい。これは、保護層22は伸縮変位を起こ
さないためにリード線14a・14bが外れ難く、ま
た、リード線14a・14bの取付部分が圧電活性部2
1の変位を阻害しないからである。
【0021】ガラス被膜16には、例えば、アルミナ
(Al)、ジルコニア(ZrO )チタニア(T
iO)、石英(SiO)、チタン酸鉛(PbTiO
)、ケイ酸ジルコニウム(ZrO−SiO)、コ
ージェライト(2MgO・2Al・5Si
)、圧電セラミックス11と同等組成の圧電セラミ
ックス粉末等の結晶性粉末を略均一に分散させることが
好ましく、ガラス被膜16が結晶性粉末を含まない場合
よりも耐久性を高めることができる。また、これらの結
晶性粉末はガラス被膜16の熱膨張率を小さくして、ガ
ラス被膜16の熱膨張率を圧電セラミックス11の熱膨
張率に近づける役割も果たす。ガラス被膜16には独立
気泡を略均一に分散させることも好ましく、この場合に
は、さらに耐久性を高めることができる。ガラス被膜1
6に独立気泡を略均一に分散させつつ、さらに、結晶性
粉末を略均一に分散させることも可能である。
【0022】ガラス被膜16に結晶性粉末や独立気泡を
分散させることによる耐久性向上の原因は明らかではな
いが、圧電アクチュエータ10を駆動すると圧電活性部
21の伸縮変位によってガラス被膜16には応力が掛か
り、この応力によってガラス被膜16にクラックが発生
し易くなるが、独立気泡や結晶性粉末は、この応力を緩
和してクラックの発生を防止する効果があるものと推測
される。
【0023】ガラス被膜16としては、アルカリ金属成
分の含有量が100ppm以下の低融点ガラスを用いる
ことが好ましい。アルカリ金属成分の含有量が多いと、
ガラス被膜16の絶縁抵抗が低くなり、また、アルカリ
金属成分が外部電極13a・13b近傍に拡散して絶縁
抵抗が低くなるために、外部電極13a・13b近傍で
放電が起こって短絡に至ったり、銀のマイグレーション
速度が早くなって、圧電アクチュエータ10の平均寿命
が短くなる。本発明における低融点ガラスとは融点が9
00℃以下であるガラスを指し、例えば、ホウケイ酸ガ
ラス(B−SiO系)、ホウ酸ガラス(B
系)、鉛ケイ酸ガラス(PbO−SiO系)、リン
酸塩ガラス(PO系)を挙げることができる。
【0024】ガラス被膜16の熱膨張率は、圧電セラミ
ックス11の熱膨張率の1.5倍以上4倍以下であるこ
とが好ましい。このようにガラス被膜16の熱膨張率が
圧電セラミックス11の熱膨張率よりも大きい場合に
は、ガラス被膜16が焼成によって形成されてその後に
室温に冷却されたときに、ガラス被膜16に圧縮応力が
加わるようになるため、ガラス被膜16の強度が大きく
なって耐久性が高められる。
【0025】図2は圧電アクチュエータ10を同時焼成
法(一体焼結法)によって作製する場合の概略の製造方
法を示す説明図(フローチャート)である。次に、この
図2を参照しながら圧電アクチュエータ10の製造方法
について説明する。
【0026】圧電アクチュエータ10を同時焼成法によ
って作製する場合には、最初に、所定の組成を有するチ
タン酸ジルコン酸鉛(PZT)系等の圧電セラミックス
粉末を用いて、ドクターブレード法や押出成形法等の公
知の厚膜作製方法によって、例えば、50μm〜150
μm程度の所定の厚みのグリーンシートを作製する(ス
テップ1)。続いて、このグリーンシートを所定の形状
に打ち抜き加工等したものに、スクリーン印刷法等によ
って内部電極ペーストを印刷する(ステップ2)。ここ
で、グリーンシートの焼成は、一般的に1100℃以上
の高温で行われるために、内部電極ペーストとしては、
このような高温での焼成が可能であり、かつ、安価な、
銀/パラジウムペーストが好適に用いられる。
【0027】内部電極ペーストが印刷されたグリーンシ
ートを所定枚数積層して熱プレスにより一体化し(ステ
ップ3)、こうして一体化された積層体を所定の条件に
て焼成する(ステップ4)ことで、圧電セラミックス1
1と内部電極12からなる積層体15が作製される。な
お、内部電極ペーストが印刷されていないグリーンシー
トを複数枚積層することによって保護層22を形成する
ことができる。
【0028】内部電極12が一層おきに導通するよう
に、積層体15の側面の所定位置に外部電極13a・1
3bとなる外部電極ペーストを印刷し、所定の温度で焼
成する(ステップ5)。外部電極ペーストとしては、グ
リーンシートの焼成温度よりも低い800℃程度で焼成
が可能な銀ペーストを用いることができ、保護層22に
延在するように外部電極ペーストを印刷しておく。
【0029】外部電極13a・13bが形成されたら、
積層体15の側面全体にガラスペーストを塗布して塗布
膜を形成する(ステップ6)。このとき、外部電極13
a・13bにおいて後にリード線14a・14bが取り
付けられる部分には、ガラスペーストを塗布しない。ガ
ラスペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷やデ
ィッピング、刷毛塗り等の方法を用いることができ、好
ましくは、膜厚を一定とすることが容易であるスクリー
ン印刷またはディッピングを用いることが好ましい。
【0030】スクリーン印刷や刷毛塗りによってガラス
ペーストを積層体15に塗布する場合には、ガラスペー
ストの粘度を比較的大きくしてもよいが、ディッピング
によってガラスペーストを積層体15に塗布する場合に
は、ガラスペーストは粘度の低いスラリー状とすること
が好ましい。
【0031】ガラスペーストの塗布膜の厚みは、焼成後
に形成されるガラス被膜16の機械的特性等を考慮して
定める。例えば、硬度の大きいガラスであれば、ガラス
被膜16を薄く形成することで、ガラス被膜16による
圧電活性部21の変位量の低下を防止することができ
る。具体的には、30μm〜300μmの厚みのガラス
被膜16が得られるように、ガラスペーストの塗布膜の
厚みを調節する。
【0032】ガラスペーストとしては、一度溶融して均
一な組成となったガラスを後に粉砕して所定の粒度分布
を有するように調整した粉末に、バインダと溶剤等を混
ぜて均一に混合したものを用いることが好ましい。ガラ
スを作製するための原料となる酸化物や金属炭酸塩等の
粉末が混合されたガラスペーストを用いて均一な組成の
ガラス被膜16を得るためには、一般的に、焼成温度を
ガラスペーストの塗布膜が溶融する温度にまで上げる必
要がある。しかし、この場合には結果的にガラスが流れ
出し易くなるために目的とする厚みのガラス被膜16を
得ることは困難である。一方、ガラスペーストの塗布膜
全体が溶融する温度にまで焼成温度を上げなかった場合
には、ガラスを構成する各成分の混合が起こり難いため
に均一な組成のガラス被膜を得ることが困難となる。
【0033】ガラスペーストの焼成温度は、外部電極1
3a・13bの焼成温度以下とする。これは、外部電極
13a・13bの溶融を防止するためである。本発明に
おいては、前述したように、ガラス被膜16として、ホ
ウケイ酸ガラス、ホウ酸ガラス、鉛ケイ酸ガラスまたは
リン酸塩ガラスが好適に用いられる。例えば、ホウケイ
酸ガラスを用いる場合には、酸化鉛(PbO)や酸化亜
鉛(ZnO)をガラス成分として添加することでガラス
の融点を下げることができ、これによってガラスペース
トの焼成温度を下げることができる。
【0034】外部電極13a・13bとガラスペースト
の焼成温度が同じである場合には、これらを同時焼成す
ることも可能である。つまり、外部電極13a・13b
を形成するために外部電極ペーストを所定位置に塗布し
て乾燥し、続いてガラスペーストを所定位置に塗布して
乾燥し、その後に焼成を行うことで、外部電極13a・
13bとガラス被膜16とを同時形成することができ
る。
【0035】ガラスペーストを焼成して形成されるガラ
ス被膜16に独立気泡を分散させる場合には、ガラスペ
ーストの焼成時に焼失する発泡剤や、溶融時にガラス被
膜16のガラス成分となる元素の炭酸塩、例えば、炭酸
水素アンモニウム(NHHCO)や、炭酸カルシウ
ム(CaCO)等をガラスペーストに添加する。ま
た、ガラスペーストを焼成して形成されるガラス被膜1
6に結晶性粉末を分散させる場合には、ガラスペースト
にその結晶性粉末を分散させておけばよい。結晶性粉末
としては、ガラスペーストの焼成時にガラスを構成する
成分となってガラスに完全に溶解することがないものを
選択することが好ましい。
【0036】ガラスペーストの塗布膜が形成された積層
体15を所定条件にて焼成することで、ガラスペースト
の塗布膜を焼成し、ガラス被膜16を形成する(ステッ
プ7)。この焼成処理においては、ガラスペーストの塗
布膜を形成しているガラス粒子どうしが焼結して均一な
ガラス被膜16が得られるように、ガラス粒子の少なく
とも表面においては流動性の高まった状態となるが、ガ
ラスペーストの塗布膜の形状が崩れてガラスが溶融して
流れ出すことがないように、焼成温度と時間を設定す
る。具体的には、ガラスペーストの塗布膜の焼成温度は
ガラスの軟化点と融点との間の温度とすることが好まし
く、これによりガラスが流れ出す程度にまでガラスを溶
融させることなく、均一なガラス被膜16を形成するこ
とができる。
【0037】ガラスペーストの塗布膜の焼成が終了した
後には、形成されたガラス被膜16にサーマルショック
によるクラックが発生しないように、焼成試料の降温条
件を調整することが好ましい。また、ガラス被膜16の
熱膨張率を圧電セラミックス11の熱膨張率よりも大き
くすることで、降温時にガラス被膜16に圧縮応力を発
生させてガラス被膜16へのサーマルショックによるク
ラックの発生を防止することができる。
【0038】ガラス被膜16が形成されたら、外部電極
13a・13bが露出している部分に、リード線14a
・14bをはんだ付け等して取り付ける(ステップ
8)。その後さらにリード線14a・14bの取付部分
とガラス被膜16とを被覆するように、樹脂被膜17を
形成する(ステップ9)。ここで、樹脂としてはエポキ
シ樹脂等の耐湿性に優れた樹脂を用いることが好まし
い。樹脂被膜17の形成方法としては、ディッピングや
粉体塗装法を用いることができる。最後に、リード線1
4a・14b間に所定の電圧を印加して圧電セラミック
ス11を分極処理する(ステップ10)ことで、圧電ア
クチュエータ10を得ることができる。
【0039】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)前述した圧電アクチュエータ10の作製方
法に従って、まず、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とし
た圧電セラミックス粉末にバインダと溶剤を添加して均
一に混合してスラリーを作製し、スリップキャスティン
グによって、厚み100μmのグリーンシートを作製し
た。
【0040】このグリーンシートに銀/パラジウムペー
スト(内部電極ペースト)を所定のパターンで印刷して
内部電極ペーストを乾燥させた後に、最初に内部電極ペ
ーストが印刷されていないグリーンシートを10枚積層
し、続いて内部電極ペーストが印刷されたグリーンシー
トを100層積層し、最後に内部電極ペーストが印刷さ
れていないグリーンシートを10枚積層して熱圧着し、
積層体を作製した。この積層体を1100℃で2時間焼
成し、得られた焼結体に銀/パラジウムペーストを印刷
して850℃で10分間焼成して外部電極を形成した。
【0041】次に、外部電極が形成された焼結体の側面
にガラスペーストを刷毛塗りにて塗布し、その後120
℃で乾燥した。ここでは、一度溶融されて均一な組成と
され、アルカリ金属成分の含有量が40ppm以下であ
り、亜鉛と鉛を含む低融点のホウケイ酸ガラス(酸化ホ
ウ素(B):6wt%(重量%)、二酸化珪素
(SiO):44wt%、酸化鉛(PbO):47w
t%、酸化亜鉛(ZnO):2wt%、酸化アルミニウ
ム(Al):1wt%)を、平均粒径が6μm以
下となるまで粉砕し、得られたガラス粉末と液状の粘結
剤とを重量比で4:1の割合に均一に混合したものに、
さらにこれら全体の重さに対して5wt%の重さの溶剤
を加えて粘度を調節したガラスペーストを用いた。
【0042】ガラスペーストの作製材料であるホウケイ
酸ガラスの軟化点は620℃、融点は680℃であり、
また絶縁抵抗は1×1011Ωである。また、ホウケイ
酸ガラスの熱膨張係数は3〜5×10−6/℃であり、
圧電セラミックスの熱膨張係数1.8×10−6/℃よ
りも少し大きいものを用いた。
【0043】ガラスペーストの塗布膜が形成された積層
体を、400℃までは65℃/時間で昇温し、400℃
で2時間保持した後に、2時間で650℃まで昇温して
1時間保持し、その後に100℃/時間で降温して、ガ
ラス被膜を形成した。形成されたガラス被膜の厚さは約
100μmであった。ガラス被膜が形成された積層体に
リード線をはんだ付けして取り付け、さらに樹脂被膜を
ガラス被膜を覆うように形成した。この樹脂被膜は、エ
ポキシ樹脂を用いてディッピングにより形成し、エポキ
シ樹脂の硬化処理を80℃で3時間行った。形成された
樹脂被膜の厚みは約150μmであった。
【0044】得られた圧電アクチュエータの分極処理
は、80℃のシリコーン絶縁油中で3kV/mmの電界
を圧電セラミックスの各層に印加することにより行い、
その後にエージングを行うことで、実施例1の圧電アク
チュエータを作製した。
【0045】(実施例2)上述した実施例1の圧電アク
チュエータの作製方法において、樹脂被膜を形成するこ
となく、その他は実施例1の作製方法と同様にして作製
された圧電アクチュエータを実施例2の圧電アクチュエ
ータとする。
【0046】(実施例3)実施例1の圧電アクチュエー
タの作製方法において、ガラスペーストとしてアルミナ
粉末が添加されたガラスペーストが用いられ、かつ、樹
脂被膜を形成することなく、その他は実施例1の作製方
法と同様にして作製された圧電アクチュエータを実施例
3の圧電アクチュエータとする。実施例3の圧電アクチ
ュエータに形成されたガラス被膜には、アルミナ粉末が
均一に分散していた。
【0047】ここで、アルミナ粉末が添加されたガラス
ペーストは、実施例1の圧電アクチュエータの作製に使
用されたガラスペーストに用いられているガラス粉末と
同じガラス粉末に、平均粒径が10μmのアルミナ粉末
をガラス粉末の重量に対して10wt%添加して、この
ガラス粉末とアルミナ粉末の混合物と液状の粘結剤とを
重量比で4:1の割合に均一に混合したものに、さらに
これら全体の重さに対して5wt%の重さの溶剤を加え
て粘度を調節することで作製された。
【0048】(実施例4)実施例1の圧電アクチュエー
タの作製方法において、ガラスペーストとして炭酸水素
アンモニウム微結晶が添加されたガラスペーストが用い
られ、かつ、樹脂被膜を形成することなく、その他は実
施例1の作製方法と同様にして作製された圧電アクチュ
エータを実施例4の圧電アクチュエータとする。実施例
4の圧電アクチュエータに形成されたガラス被膜には、
微細な独立気泡が均一に分散していた。
【0049】ここで、炭酸水素アンモニウムが添加され
たガラスペーストは、実施例1の圧電アクチュエータの
作製に使用されたガラスペーストに用いられているガラ
ス粉末と同じガラス粉末に、炭酸水素アンモニウム微結
晶をガラス粉末の重量に対して2wt%添加して、この
ガラス粉末と炭酸水素アンモニウム微結晶の混合物と液
状の粘結剤とを重量比で4:1の割合に均一に混合した
ものに、さらにこれら全体の重さに対して5wt%の重
さの溶剤を加えて粘度を調節することで作製された。
【0050】(比較例1)上述した実施例1の圧電アク
チュエータの作製方法において、ガラス被膜および樹脂
被膜を形成していない圧電アクチュエータを比較例1と
する。
【0051】(比較例2)上述した実施例1の圧電アク
チュエータの作製方法において、ガラス被膜を形成する
ことなく、外部電極が形成された積層体の側面に直接に
樹脂被膜を形成した圧電アクチュエータを比較例2とす
る。実施例1〜4、比較例1・2の圧電アクチュエータ
は同等のものを複数作製した。実施例1〜4と比較例1
・2の圧電アクチュエータにおける積層体の形状は、5
mm×5mm×10mmである。
【0052】(変位量測定)実施例1と比較例1の圧電
アクチュエータに直流電圧150Vを印加したときの変
位量はそれぞれ9μmと11μmであった。また、比較
例2の圧電アクチュエータに直流電圧150Vを印加し
たときの変位量は10μmであった。このように、ガラ
ス被膜の形成による変位量低下は、ガラス被膜を形成せ
ずに樹脂被膜のみを形成した場合と比較しても、10%
程度の低下にとどまり、ガラス被膜を形成することは圧
電アクチュエータの変位特性の観点から実用上支障のな
いことが確認された。
【0053】(圧電アクチュエータの信頼性試験)図3
は実施例1と比較例2の圧電アクチュエータの信頼性試
験の結果を示す説明図(グラフ)である。ここでの信頼
性試験は、各種の圧電アクチュエータを温度85℃、湿
度90%に調節された恒温恒湿雰囲気に晒した状態で、
所定の大きさの直流電圧を連続して印加したときに、圧
電アクチュエータが故障に至るまでの平均故障時間(M
TTF)を、ワイブルプロットによって算出して求める
ことで行った。この平均故障時間(MTTF)は、圧電
アクチュエータが故障に至るまでの平均時間であって、
圧電アクチュエータが故障に至った時間は、圧電アクチ
ュエータの絶縁抵抗の大きさが10Ω以下となった時
間であると定義した。なお、実施例1では、信頼性試験
に長期を要するために、以下に示すMTTF式によって
平均故障時間(MTTF)を換算して求めた。 MTTF=MTTF×Kt×Kv MTTF:標準となるMTTF値 Kt:温度による加速係数(=1.4
(T0−T)/10)) Kv:電圧による加速係数(=(V/V)2.5) T:標準となる温度 V:標準となる電圧
【0054】図3に示されるように、従来の積層体の側
面に樹脂被膜のみを形成した比較例2ではMTTFは1
000時間以下であるのに対し、本発明のガラス被膜を
形成した実施例1のMTTFは2万時間から3万時間と
なっており、格段に優れた特性を示すことが確認され
た。
【0055】(実施例の圧電アクチュエータにおけるガ
ラス被膜の耐久性試験)図4は、実施例2〜4の圧電ア
クチュエータについて、ガラス被膜の耐久性試験を行っ
た結果を示す説明図(グラフ)である。この耐久性試験
は、実施例2〜4の各圧電アクチュエータについて、各
5個合計15個を交流電源に並列に接続して、温度25
℃、湿度34%の雰囲気において、周波数100Hz、
電圧0V−150Vの正弦波交流電圧による駆動を行
い、ガラス被膜にクラックが発生するまでの時間(クラ
ックが発生するまでの振動回数)を測定することで行っ
た。
【0056】実施例2の圧電アクチュエータでは、15
00万回の振動で1個に、2000万回の振動で4個に
クラックが発生した。また、実施例3の圧電アクチュエ
ータでは、1億2000万回の振動で2個に、1億50
00万回の振動で3個にクラックの発生が確認され、ガ
ラス被膜に結晶性粉末を含有させることで、耐久性が高
められることが確認された。さらに、実施例4の圧電ア
クチュエータでは、10億回の振動で初めて1個のガラ
ス被膜にクラックが発生し、ガラス被膜に独立気泡を分
散させることで、さらに耐久性を高めることができるこ
とが確認された。このように、圧電アクチュエータの側
面に形成されたガラス被膜は十分な耐久性を有する。な
お、発生したクラックの幅は1μm〜3μmであり、こ
のようなクラックが発生しても、なお圧電アクチュエー
タは駆動可能であり、クラックの発生に至るまでの時間
は圧電アクチュエータの使用寿命を示すものではない。
【0057】以上、本発明の実施の形態と実施例につい
て説明したが、本発明は上記実施の形態と実施例に限定
されるものではない。例えば、上記実施の形態では、積
層型圧電アクチュエータとして、図1に示すように、一
般的に積層コンデンサ型と呼ばれる構造を挙げたが、そ
の他にも、公知の全面電極型やスリット型(応力緩和
型)といった各種構造を有する積層型圧電アクチュエー
タに本発明を適用することができることはいうまでもな
い。また、積層型圧電アクチュエータは同時焼成法によ
って作製されるものに限定されない。
【0058】さらに本発明は、例えば、積層型圧電トラ
ンス等のその他の積層型圧電素子に適用することができ
る。図5は、一般的な積層型の圧電トランス30の構造
を示す斜視図であり、圧電トランス30は、長手方向の
半分が圧電セラミックス31と内部電極32とが交互に
積層された入力部35aとなっており、残りの半分が圧
電セラミックス33からなる出力部35bとなってい
る。
【0059】内部電極32は一層おきに入力電極34a
およびアース電極34bに接続され、出力部35bの端
面には出力電極34cが形成されている。入力部35a
では、隣り合う圧電セラミックス31の分極の向きが逆
になっており、出力部35bでは、長手方向に分極が施
されている。入力電極34aとアース電極34bとの間
に所定の交流電圧を印加して圧電トランス30を共振振
動させることで、出力電極34cとアース電極34b間
から昇圧された電圧を取り出す。
【0060】圧電トランス30は、裸のまま制御基板に
実装されたり、または、樹脂ケース等に収納されて制御
基板に実装されるが、このような実装方法を用いた場合
には、圧電トランス30の耐湿性がよいものではない。
そこで、少なくとも入力部35aにおいて内部電極32
が露出している側面にガラス被膜を形成することによっ
て、圧電トランス30の共振振動を妨げることなく、耐
湿性を向上させて、信頼性を高めることができる。
【0061】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、積層型圧
電素子における圧電活性部の側面の全体をガラスで被覆
することで、積層型圧電素子の特性を劣化させることな
く耐湿性を向上させて、信頼性と耐久性を高めることが
可能となるという顕著な効果を奏する。また、ガラス被
膜に結晶性粉末を分散させ、および/または、独立気泡
を分散させることで、さらに耐久性を高めることが可能
となる。本発明の積層型圧電素子は、金属管に封入等す
る必要がないために、素子の大型化を招くことがないと
いう利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型の圧電アクチュエータの一
実施形態を示す概略断面図。
【図2】本発明の圧電アクチュエータの概略の製造方法
を示す説明図。
【図3】実施例1と比較例2の圧電アクチュエータの信
頼性試験の結果を示す説明図。
【図4】実施例2〜4の圧電アクチュエータのガラス被
膜の耐久性試験の結果を示す説明図。
【図5】積層型の圧電トランスの概略構造を示す斜視
図。
【図6】従来の積層型の圧電アクチュエータの構造を示
す概略断面図。
【符号の説明】
10;圧電アクチュエータ(積層型) 11;圧電セラミックス 12;内部電極 13a・13b;外部電極 14a・14b;リード線 15;積層体 16;ガラス被膜 17;樹脂被膜 21;圧電活性部 22;保護層 30;圧電トランス(積層型) 31;圧電セラミックス 32;内部電極 34a;入力電極 34b;アース電極 34c;出力電極 35a;入力部 35b;出力部 90;圧電アクチュエータ(積層型) 91;圧電セラミックス 92;内部電極 93a・93b;外部電極 94a・94b;リード線 95;積層体 96;樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宗片 睦夫 千葉県千葉市若葉区千城台西2−19−51 (72)発明者 白坂 尋和 千葉県松戸市牧の原2丁目牧の原団地1− 13−704 (72)発明者 清水 紀夫 東京都日野市南平5−3−45

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスと電極とが交互に積層
    され、隣り合う圧電セラミックスには互いに逆向きとな
    る電界が印加されることによって前記圧電セラミックス
    に変位が生ずる積層型圧電素子であって、 前記積層型圧電素子の側面の略全体がガラスで被覆され
    ていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 【請求項2】 前記ガラスには独立気泡が略均一に分散
    していることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電
    素子。
  3. 【請求項3】 前記ガラスには結晶性粉末が略均一に分
    散していることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の積層型圧電素子。
  4. 【請求項4】 前記ガラスは、アルカリ金属成分の含有
    量が100ppm以下である低融点ガラスであることを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載
    の積層型圧電素子。
  5. 【請求項5】 前記ガラスは、ホウケイ酸ガラス、ホウ
    酸ガラス、鉛ケイ酸ガラスまたはリン酸塩ガラスのいず
    れかであることを特徴とする請求項1から請求項4のい
    ずれか1項に記載の積層型圧電素子。
  6. 【請求項6】 前記ガラスの熱膨張率は、前記圧電セラ
    ミックスの熱膨張率の1.5倍以上4倍以下であること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記
    載の積層型圧電素子。
  7. 【請求項7】 前記ガラスを覆うように樹脂の被膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1から請求項6の
    いずれか1項に記載の積層型圧電素子。
  8. 【請求項8】 積層型圧電素子の製造方法であって、 圧電セラミックスと電極とが交互に積層された積層体を
    作製する第1工程と、 前記積層体の側面の所定位置に前記電極と導通する一対
    の外部電極を形成する第2工程と、 前記積層体の側面の略全体にガラスペーストを塗布して
    塗布膜を形成する第3工程と、 前記塗布膜が形成された積層体を加熱処理してガラス被
    膜を形成する第4工程と、 を有することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第3工程において、一度溶融したガ
    ラスを粉砕して作製したガラス粉末と結晶性粉末とが均
    一に混合されたガラスペーストを用いることによって、
    前記第4工程で形成されるガラス被膜中に前記結晶性粉
    末を均一に分散させることを特徴とする請求項8に記載
    の積層型圧電素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第3工程において、一度溶融した
    ガラスを粉砕して作製したガラス粉末と焼成によって気
    泡を発生させる物質の粉末とが均一に混合されたガラス
    ペーストを用いることによって、前記第4工程で形成さ
    れるガラス被膜中に独立気泡を略均一に存在させること
    を特徴とする請求項8に記載の積層型圧電素子の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第4工程における加熱処理は、前
    記ガラスペーストに含まれるガラスの軟化点と融点との
    間の温度で行うことを特徴とする請求項8から請求項1
    0のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第4工程において形成されるガラ
    ス被膜の熱膨張率が前記圧電セラミックスの熱膨張率の
    1.5倍以上4倍以下となるガラスペーストを前記第3
    工程において用いることにより、前記ガラス被膜に圧縮
    応力が掛けられた状態とすることを特徴とする請求項8
    から請求項11のいずれか1項に記載の積層型圧電素子
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 圧電セラミックスと電極とが交互に積
    層され、前記圧電セラミックスに電界を印加することに
    よって前記圧電セラミックスに変位が生ずる積層型圧電
    素子を被覆する積層型圧電素子用封止材料であって、 アルカリ金属成分の含有量が100ppm以下の低融点
    ガラスからなることを特徴とする積層型圧電素子用封止
    材料。
  14. 【請求項14】 前記低融点ガラスは、ホウケイ酸ガラ
    ス、ホウ酸ガラス、鉛ケイ酸ガラスまたはリン酸塩ガラ
    スのいずれかであることを特徴とする請求項13に記載
    の積層型圧電素子用封止材料。
  15. 【請求項15】 前記低融点ガラスの熱膨張率は、前記
    圧電セラミックスの熱膨張率の1.5倍以上4倍以下で
    あることを特徴とする請求項13または請求項14に記
    載の積層型圧電素子用封止材料。
  16. 【請求項16】 前記低融点ガラスは均一に分散した結
    晶性粉末を含むことを特徴とする請求項13から請求項
    15のいずれか1項に記載の積層型圧電素子用封止材
    料。
  17. 【請求項17】 前記低融点ガラスは均一に分散した独
    立気泡を含むことを特徴とする請求項13から請求項1
    6いずれか1項に記載の積層型圧電素子用封止材料。
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