JP4627236B2 - 炭材内装塊成化物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高炉用装入原料としての炭材内装塊成化物の製造方法に関し、特にマラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの劣質鉱石を用いた炭材内装塊成化物の製造方法に関する。
マラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの劣質鉱石(多孔質・高結晶水鉱石[=結晶水を3質量%以上含有している鉱石])は、通常の鉄鉱石に比べて、結晶水の含有量が多い、微粉が多い、吸水性が高い等の特徴を有している。このため、これらの劣質鉱石を高炉用原料として焼結鉱の製造に用いると、結晶水の分解による熱量不足と、微粉量の増加および吸水量の増加による造粒性の低下に伴う焼結ベッドの通気性悪化等を原因として、生産性や成品歩留が低下することが知られている。
また、上記劣質鉱石を焼成ペレットの製造に用いると、結晶水の分解によるバースティングの増加と、吸水量の増加による造粒性の低下による予熱強度の低下等を原因として、やはり生産性や成品歩留が低下することが知られている。
したがって、高炉用装入原料としては、上記劣質鉱石は少量しか使用できていないのが現状である。
しかしながら、上記劣質鉱石は、今後さらに購入量が増える傾向にあり、また、これら劣質鉱石は通常の鉄鉱石より安価であるのでコストダウンの観点からも、高炉用装入原料として多量に使用できる塊成化技術の開発が望まれている。
いっぽう、本出願人は、高炉などの竪型炉の装入原料として、粉鉱石と粘結炭の混合物を熱間成型後、加熱処理することによりセメントなどのバインダを添加せずとも高強度の炭材内装塊成化物を製造できる方法を開発した(特許文献1参照)。
さらに、本発明者らは上記炭材内装塊成化物の製造方法の改良に取り組み、粉状炭材のギーセラ最高流動度および体積配合比率を規定することにより高価な粘結炭の使用量を低減できる方法(特許文献2参照)、粉鉱石と粉状炭材の混合物に振動を加えて密充填にした後に熱間成型をすることにより炭材内装塊成化物を確実に高強度化できる方法(特許文献3参照)を完成し、それぞれ特許出願を行った。
そこで、本発明者らは、上記劣質鉱石を用いて上記炭材内装塊成化物を製造し、高炉に使用できれば、上記課題を解決し得るものと考えた。
しかしながら、上記劣質鉱石を用いた場合の上記炭材内装塊成化物の強度、被還元性等に及ぼす影響については不明であり、上記劣質鉱石を用いた場合の最適な製造条件については検討の余地があった。
特開平11−092833号公報(特許請求の範囲等) 特許第3502008号公報(特許請求の範囲等) 特許第3502011号公報(特許請求の範囲等)
そこで本発明は、複数種類の鉄含有原料(鉄鉱石)を配合してなる粉状配合鉄含有原料と軟化溶融性を有する粉状炭材(粉状石炭)との混合物を熱間成型して炭材内装塊成化物を製造する方法であって、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの劣質鉱石を粉状配合鉄含有原料の配合原料として使用しても、炭材内装塊成化物の強度および被還元性をともに維持ないし向上しうる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの劣質鉱石を粉状配合鉄含有原料の配合原料として使用したときに、炭材内装塊成化物(以下、単に「塊成化物」と略称することもある。)の強度に及ぼす影響を明らかにするため、以下のラボ実験を実施した。
すなわち、各種の単一銘柄の粉状鉄鉱石と、logMF=2.0の粉状石炭とを用いて、これらを55:45〜30:70の体積割合で混合した混合物を420℃で熱間成型してタブレット状の塊成化物を作成し、このタブレットの引張強度を測定した(タブレットの引張強度の測定方法については、後記実施例を参照のこと)。なお、もともと粉状の鉄鉱石であるマラマンバ鉱石や焼結返鉱などは1.4mm以下に篩い分けたものを使用し、粒状または塊状のピソライト鉱石や焼成ペレット篩下などは粉砕して1.4mm以下としたものを使用した。測定結果を図3に示す。同図に示すように、マラマンバ鉱石(豪州産鉱石A,B,C)またはピソライト鉱石(豪州産鉱石D,E)を単味で用いた塊成化物は、通常のシンターフィード(南米産鉱石F,G)およびペレットフィード(南米産鉱石H)や、一度熱処理を受けた焼結返鉱(鉱石I)および焼成ペレット篩下(鉱石J)を単味で用いた塊成化物に比べて引張強度が低くなるのがわかった。このように鉱石銘柄により塊成化物の強度が変化する理由を明らかにするため、鉱石の各種性状と塊成化物の引張強度との関係を調査した結果、図4に示すように、BET法で測定した鉱石の比表面積(以下、「BET比表面積」ともいう。)との間に強い相関があり、BET比表面積が小さくなるほど引張強度が高くなることがわかった。このように鉱石の比表面積が塊成化物の引張強度に強い影響を及ぼす理由を、図2の模式図を用いて説明する。マラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの多孔質の鉄鉱石では、粒子表面に微細な開気孔が多いが、これらの微細開気孔中には粘性が水より高い溶融炭材は侵入しにくいため、結果として溶融炭材との接触面積が少なくなり、結合力が低下する(同図(a)参照)。これに対し、通常のシンターフィードおよびペレットフィードなどもともと緻密質の鉱石や、一度熱処理を受けてその表面が緻密化した焼結返鉱や焼成ペレット篩下などは、その表面に微細な開気孔が少なくつるつるの状態になっているため、溶融炭材との接触面積が大きくなり、強固な結合力が得られる(同図(b)参照)ものと想定される。
そこで、BET比表面積の小さい鉄鉱石にBET比表面積の大きい鉱石を配合することで塊成化物の強度を向上できると考え、マラマンバ鉱石(豪州産鉱石A)とシンターフィード(南米産鉱石F)を、配合割合を種々変化させて配合したものを粉状配合鉄含有原料として用いて塊成化物を作製し、その引張強度に及ぼす影響を調査した。その結果、図5に示すように、上記配合割合と塊成化物の引張強度とはほぼ直線関係にあることがわかった。また、2種類の鉄鉱石を配合した粉状配合鉄含有原料のBET比表面積は、各鉄鉱石のBET比表面積を加重平均したものであるから、粉状配合鉄含有原料のBET比表面積と塊成化物の引張強度との関係もほぼ直線関係にあり、塊成化物の引張強度に及ぼす各鉄鉱石のBET比表面積の影響には加成性が成り立つことがわかった。本発明者らは、上記知見に基づき、粉状配合鉄含有原料のBET比表面積を調整することにより塊成化物の引張強度を制御できることを見出し、さらに検討を重ねた結果、以下の発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、複数種類の鉄含有原料を配合してなる粉状配合鉄含有原料と軟化溶融性を有する粉状炭材との混合物を250〜550℃で熱間成型して炭材内装塊成化物を製造する方法であって、前記粉状配合鉄含有原料のBET法による比表面積が、0.6〜10m /gとなるように、前記複数種類の粉状鉄含有原料の配合割合を調整することを特徴とする炭材内装塊成化物の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記複数種類の鉄含有原料の一部として、マラマンバ鉱石および/またはピソライト鉱石を用いる請求項1に記載の炭材内装塊成化物の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記複数種類の鉄含有原料の別の一部として、焼結返鉱、焼成ペレット篩下など鉄鉱石を焼成したものを用いる請求項2に記載の炭材内装塊成化物の製造方法である。
なお、「鉄含有原料」とは、鉄鉱石、製鉄所雑物(焼結返鉱、焼成ペレット篩下など)、製鉄ダスト(高炉ダスト、転炉ダスト、電気炉ダスト、ミルスケールなど)など主として酸化鉄を含有する原料をいう。また、「軟化溶融性を有する粉状炭材」とは、logMF(ここに、MFはギーセラ最高流動度[JIS M8801参照]である。)が1.0以上の石炭、SRC、タイヤチップ、プラスチック、アスファルト、タールなど軟化溶融性を有する炭素質物質を少なくとも1種含むものであって、粉状のものの総称である。なお、この「軟化溶融性を有する粉状炭材」は、上記軟化溶融性を有する炭素質物質に加えて、さらにコークス、一般炭、無煙炭、オイルコークスなど軟化溶融性を実質的に有しない炭素質物質を1種以上混合したものであってもよい。
本発明によれば、粉状配合鉄含有原料の比表面積を0.6〜10m /gの範囲に調整することにより、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石などの劣質鉱石を粉状配合鉄含有原料の配合原料として使用しても、炭材内装塊成化物の強度および被還元性をともに維持ないし向上することができ、高炉への装入原料に適した炭材内装塊成化物を安価に製造することができる。さらに、上記劣質鉱石を炭材内装塊成化物の製造に優先的に使用することにより、焼結鉱やペレットといった従来の高炉用装入原料への上記劣質鉱石の配合割合を低減でき、これら従来の高炉用装入原料の生産性や成品歩留を向上させる効果も得られる。
図1に本発明の一実施形態に係る炭材内装塊成化物の製造フローの概念図を示す。以下、複数種類の鉄含有原料として劣質鉱石(多孔質・高結晶水鉱石)であるマラマンバ鉱石と通常のシンターフィードの2種類の鉄鉱石を、軟化溶融性を有する炭材としてlogMF≧1.0の石炭を、それぞれ代表例として説明する。
まず、あらかじめ、マラマンバ鉱石B1と通常のシンターフィードB2のそれぞれについてBET比表面積を測定するとともに、各鉱石単味で上記タブレット状の炭材内装塊成化物を作製し、引張強度を測定しておく。つぎに、これらのBET比表面積および塊成化物の引張強度のデータに基づき、粉状配合鉄含有原料BのBET比表面積Sと塊成化物の引張強度σとの関係式σ=a−bSの定数a,bを決定する。そして、この関係式を用いて、高炉用装入原料に適した所定の引張強度σ(例えば6kgf/cm≒0.6MPa)が得られるBET比表面積S(例えば5m/g)を、粉状配合鉄含有原料BのBET比表面積の目標値として設定する。そして、配合後の粉状鉱石(粉状配合鉄含有原料)BのBET比表面積が上記目標値となるように、マラマンバ鉱石B1と通常のシンターフィードB2の配合割合を求める。ここに、配合後の粉状鉱石(粉状配合鉄含有原料)BのBET比表面積は、各鉱石B1,B2のBET比表面積を質量基準の配合割合で加重平均して求めることができる。
なお、粉状配合鉄含有原料のBET比表面積の目標値は、高炉への装入原料に適した塊成化物の引張強度(5kg/cm[約0.5MPa]以上)が得られるように、10m/g以下とするのが好ましい。一方、BET比表面積は小さくしすぎると塊成化物の被還元性が劣化するので、0.6m/g以上とするのが好ましい。
これらの鉄鉱石B1,B2は、必要により粉砕して配合後に例えば最頻粒径(レーザ散乱・回折式粒度分布計で測定した粒度分布から求めた最も頻度の大きい粒径、以下同じ)が50μm程度の粉状配合鉄鉱石(粉状配合鉄含有原料)Bとする。なお、粉砕は銘柄別に行ってもよいし、配合後に一緒に粉砕してもよい。
石炭は、上記粉状配合鉄鉱石との混合時にその間隙に満遍なく配置するように、必要により粉砕して粉状配合鉄鉱石Bより少し細かい粒度(例えば、最頻粒径が粉状配合鉄鉱石Bの最頻粒径の0.2〜0.8倍、より好ましくは0.3〜0.7倍程度)の粉状石炭(粉状炭材)Aとする。
〔炭材乾燥加熱工程〕
このようにして粒度調整された粉状石炭Aは、炭材乾燥加熱設備(例えば、ロータリドライヤ)1で、石炭Aが実質的に軟化溶融しない350℃以下の温度で乾燥・加熱し、付着水分を除去する。ここで、粉状石炭の乾燥加熱温度は、従来技術(特許文献2,3参照)では石炭が軟化溶融しない「250℃未満」としていたが、発明者らのその後の検討により「350℃」まで乾燥加熱温度を上昇させても石炭は実質上軟化溶融しないことが判明したため、「350℃以下」とした。
〔原料加熱工程〕
一方、粉状配合鉄鉱石Bは、粉状石炭Aと混合したときに目標温度の250〜550℃となるように、原料加熱設備(例えば、ロータリキルン)2で500〜800℃に予熱する。500℃以上で予熱することで、マラマンバ鉱石中の結晶水は解離し除去される。したがって、塊成化物を高炉に装入したとき、すでに結晶水が除去されているので、従来のコールドボンドペレットのように結晶水解離による昇温遅れが生じることが防止される。
〔混合工程〕
乾燥した粉状石炭Aと予熱した粉状配合鉄鉱石Bとの混合には、混合設備として、粉状石炭Aの無機化および/または石炭軟化による不要な造粒を抑制するために短時間で混合できるこの業種で常用されている、例えば竪形混合槽3を用いる。この竪形混合槽3は成型温度を確保するために断熱および/または保温するとよい。
ここで、配合後の粉状鉱石BのBET比表面積を上記目標値に合わせたことにより、鉄鉱石粒子表面への溶融石炭の接触面積が十分に得られ、石炭固化後に強固な結合力が発現して剥がれ難くなり、高い引張強度が得られる。
また、粉状石炭の配合割合は、粉状配合鉄鉱石Bの間隙へ粉状石炭Aを過不足なく充填するため、粉状石炭Aと粉状配合鉄鉱石Bからなる混合物Cに対する体積割合で45〜65%とするのが好ましい。ここに、粉状石炭Aおよび粉状配合鉄鉱石Bの体積は、内部の気孔体積を含んだ見掛けの体積を意味し、混合物Cの体積は、これら粉状石炭Aと粉状配合鉄鉱石Bのそれぞれの見掛け体積を単に合計したものを意味するものとする(すなわち、加熱による石炭Aの溶融による体積変化等を考慮しない。)。
〔熱間成型工程〕
粉状石炭Aと粉状配合鉄鉱石Bからなる混合物Cは、成型設備として例えば熱間成型用の双ロール型成型機4を用いて加圧成型し、成型物Dとなす。加圧成型は、成型物Dを熱処理して得られた塊成化物Eが成型機4から竪型炉(例えば、高炉)への装入までのハンドリングに耐え得るに十分な強度である0.5kN/個以上が得られるよう、成型加圧力を10kN/cm以上とする。
このようにして成型された成型物Dは、粉状配合鉄鉱石Bの間隙に溶融した石炭Aが万遍なく浸入し、この溶融した石炭Aが潤滑剤として作用して、成型物Dの表面に加えられた成型加圧力が成型物Dの内部にまでほぼ均一に及ぶため、表面近傍のみが圧密されることが防止され、成型物D内の気孔率分布が平均化され、加熱時に爆裂が起こらない塊成化物Eが得られる。
また、固化後の石炭Aは、粉状鉄鉱石Bの粒子表面との接触面積も十分大きくなっており、高強度の塊成化物Eが得られる。また、多孔質のマラマンバ鉱石を配合しているのでより被還元性に優れたものとなる。
〔熱処理工程〕
この成型物Dを上記熱間成型温度(250〜550℃)以上800℃以下の温度に調整した熱処理設備(例えば、シャフト炉)5内に装入し、成型物D中に残存する揮発分およびタール分を除去し、石炭を固化させる。これにより、成型物Dが熱処理されて得られた塊成化物Eが竪型炉に装入されて加熱された際に、もはや石炭が軟化することがなく塊成化物Eの強度が維持されるとともに、タール分が多量に発生することがなく竪型炉の排ガス系統にタールが固着する等のトラブルの発生を防止できる。シャフト炉5内温度の下限を成型温度としたのは成型温度を下回ると揮発分やタール分の除去は非常に困難となるためであり、上限を800℃としたのは成型物D中の鉄分がシャフト炉5内で不必要に還元されて塊成化物Hの強度が低下してしまうのを防止するためである。また、揮発分やタール分の除去を促進するために、シャフト炉5内を負圧に制御することも有効な手段の一つである。
シャフト炉5で熱処理された塊成化物Eは、熱いまま大気中に排出すると発火や燃焼や再酸化のおそれがあるため、シャフト炉5の下部で窒素ガスなどの不活性ガスにより400℃以下まで冷却してから排出するのが望ましい。
なお、ロータリドライヤ1、竪形混合槽3、成型機4およびシャフト炉5は外部からの大気(酸素)の侵入を防止する構造とし、これらの設備で発生する炭材Aの熱分解ガス(揮発分)は炭化水素が主成分であるので、このガスをエジェクタ等を用いて吸引回収し、回収したガスはロータリキルン2等の加熱燃料として利用する。なお、このガス中には粉塵や高沸点タールなどの有害成分も含有されるため、排ガス処理設備(例えば、安水スクラバ)9により除塵・清浄後に用いるのが望ましい。
(変形例)
上記の実施形態では、複数種類の粉状鉄含有原料としてマラマンバ鉱石とシンターフィードの2種類の鉄鉱石を用いる例を示したが、マラマンバ鉱石に代えてまたは加えてピソライト鉱石を用いてもよく、また、シンターフィードに代えてまたは加えてペレットフィード、焼結返鉱、焼成ペレット篩下および製鉄ダストの少なくとも1種を用いてもよい。なかでも、焼結返鉱および焼成ペレット篩下は、BET比表面積が特に小さいため、粉状配合鉄含有原料のBET比表面積を目標値とするのに少量の配合でよく、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石を多量に配合できる効果が得られる。さらに、焼結返鉱や焼成ペレット篩下といった製鉄所雑物を有効活用できるという効果も得られる。
本発明の効果を確認するため以下のラボ実験を実施した。
なお、下記比較例1,2および発明例とも、粉状石炭として、配合炭(logMF=2.0)をボールミルにて300μm以下に粉砕したもの(最頻粒径20μm)を共通に用いた。
(比較例1)
粉状鉄鉱石として、マラマンバ鉱石の一種である豪州産鉱石Aを700℃で焼成し、1.4mm以下に篩い分けたもの(最頻粒径50μm)を単味で用いた。この鉱石AのBET比表面積をBET比表面積測定装置(SHIMADZUマイクロメトリックス社製、型式:ジェミニ2375)にて測定した結果、13.7m/gであった。
(比較例2)
粉状鉄鉱石として、製鉄所雑物の一種である焼成ペレット篩下(鉱石J)を粉砕後700℃で焼成し、1.4mm以下に篩い分けたもの(最頻粒径300μm)を単味で用いた。この焼成ペレット篩下(鉱石J)のBET比表面積を上記比較例1と同じBET比表面積測定装置にて測定した結果、0.5m/gであった。
(発明例)
粉状配合鉄鉱石として、上記比較例1,2で粒度調整されたマラマンバ鉱石(鉱石A)と焼成ペレット篩下(鉱石J)の2種類の鉱石を配合し、配合後のBET比表面積が7.0m/g(目標値)となるように調整したものを用いた。
上記各単味の粉状鉄鉱石およびこれらを配合して作製した粉状配合鉄鉱石をそれぞれ小型加熱炉で所定温度に加熱し、これに上記粉状石炭を混合物に対する体積割合で55%添加・混合して420℃(目標)の混合物を作成し、これを直ちに圧潰強度試験機にて800kgf/cm(≒78.5MPa)の加圧力で直径d=20mm,高さh=20mmのタブレット状の炭材内装塊成化物に成型した。
そして、このタブレットを室温まで冷却した後、コンクリートの引張強度試験方法(JIS−A1113)に準じて、上記圧潰強度試験機にてタブレットの直径方向に圧縮荷重を掛けて破壊荷重Pを測定し、これをσ=2P/(πdh)の関係式を用いてタブレット高さ方向の引張強度σに換算した。
また、上記タブレットをCO:50容量%+N:50容量%の雰囲気下で900℃×1h保持する条件で還元試験を行い、還元試験後のタブレットの還元率を求め、これを被還元性とした。
測定結果を表3に示す。同表に示すように、比較例1では、被還元性に優れるものの引張強度は低く、比較例2では、引張強度は高いものの被還元性が劣り、両特性を同時に満足する塊成化物が得られていない。これに対し、発明例では、引張強度、被還元性とも高い水準の値が得られており、両特性を同時に満足する塊成化物が得られることを確認した。
Figure 0004627236
本発明の実施に係る炭材内装塊成化物の製造フローの概念図である。 溶融炭材と鉄鉱石表面との接触状態を説明する模式図であり、鉄鉱石として(a)は多孔質鉄鉱石、(b)は緻密質鉱石の場合を示す。 各種単一銘柄の鉄鉱石のBET比表面積を示すグラフ図である。 鉄鉱石のBET比表面積と炭材内装塊成化物の引張強度との関係を示すグラフ図である。 粉状配合鉄鉱石への緻密質鉱石の配合割合と炭材内装塊成化物の引張強度との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1:炭材乾燥加熱設備(ロータリドライヤ)
2:原料加熱設備(ロータリキルン)
3:混合設備(竪形混合槽)
4:成型設備(双ロール型成型機)
5:熱処理設備(シャフト炉)
9:排ガス処理設備(安水スクラバ)
A:粉状炭材(粉状石炭)
B:粉状配合鉄含有原料(粉状配合鉄鉱石)
B1,B2:鉄含有原料(鉄鉱石)
C:混合物
D:成型物
E:炭材内装塊成化物

Claims (3)

  1. 複数種類の鉄含有原料を配合してなる粉状配合鉄含有原料と軟化溶融性を有する粉状炭材との混合物を250〜550℃で熱間成型して炭材内装塊成化物を製造する方法であって、前記粉状配合鉄含有原料のBET法による比表面積が、0.6〜10m /gとなるように、前記複数種類の粉状鉄含有原料の配合割合を調整することを特徴とする炭材内装塊成化物の製造方法。
  2. 前記複数種類の鉄含有原料の一部として、マラマンバ鉱石および/またはピソライト鉱石を用いる請求項1に記載の炭材内装塊成化物の製造方法。
  3. 前記複数種類の鉄含有原料の別の一部として、焼結返鉱、焼成ペレット篩下など鉄鉱石を焼成したものを用いる請求項2に記載の炭材内装塊成化物の製造方法
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