JP4461259B2 - 光断層画像の処理方法 - Google Patents

光断層画像の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4461259B2
JP4461259B2 JP2006216335A JP2006216335A JP4461259B2 JP 4461259 B2 JP4461259 B2 JP 4461259B2 JP 2006216335 A JP2006216335 A JP 2006216335A JP 2006216335 A JP2006216335 A JP 2006216335A JP 4461259 B2 JP4461259 B2 JP 4461259B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
optical
dimensional
measured
scan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006216335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008039651A (ja
Inventor
嘉晃 安野
修一 巻田
豊彦 谷田貝
Original Assignee
国立大学法人 筑波大学
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 国立大学法人 筑波大学 filed Critical 国立大学法人 筑波大学
Priority to JP2006216335A priority Critical patent/JP4461259B2/ja
Publication of JP2008039651A publication Critical patent/JP2008039651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4461259B2 publication Critical patent/JP4461259B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

光コヒーレンストモグラフィーによって得られる3次元断層像は、被計測物体の3次元的な情報を全て含んでいるが、本発明は、その情報を正確に抽出するための光断層画像の処理方法に関する。
非破壊断層計測技術の1つとして、光断層画像化法「光コヒーレンストモグラフィー」(OCT)がある(特許文献1参照)。OCTは、光を計測プローブとして用いるため、被計測物体の屈折率分布、分光情報、偏光情報(複屈折率分布)等が計測できるという利点がある。
基本的なOCT43は、マイケルソン干渉計を基本としており、その原理を図7で説明する。光源44から射出された光は、コリメートレンズ45で平行化された後に、ビームスプリッター46により参照光と物体光に分割される。物体光は、物体アーム内の対物レンズ47によって被計測物体48に集光され、そこで散乱・反射された後に再び対物レンズ47、ビームスプリッター46に戻る。
一方、参照光は参照アーム内の対物レンズ49を通過した後に参照鏡50によって反射され、再び対物レンズ49を通してビームスプリッター46に戻る。このようにビームスプリッター46に戻った物体光と参照光は、物体光とともに集光レンズ51に入射し光検出器52(フォトダイオード等)に集光される。
OCTの光源44は、時間的に低コヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出た光同士は極めて干渉しにくい光)の光源を利用する。時間的低コヒーレンス光を光源としたマイケルソン型の干渉計では、参照アームと物体アームの距離がほぼ等しいときにのみ干渉信号が現れる。この結果、参照アームと物体アームの光路長差(τ)を変化させながら、光検出器52で干渉信号の強度を計測すると、光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)が得られる。
そのインターフェログラムの形状が、被計測物体48の奥行き方向の反射率分布を示しており、1次元の軸方向走査により被計測物体48の奥行き方向の構造を得ることができる。このように、OCT43では、光路長走査により、被計測物体48の奥行き方向の構造を計測できる。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、2次元の走査を行うことで被計測物体の2次元断面画像が得られる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被計測物体を直接移動させる構成、物体は固定したままで対物レンズをシフトさせる構成、被計測物体も対物レンズも固定したままで、対物レンズの瞳面付近においたガルバノミラーの角度を回転させる構成等が用いられている。
以上の基本的なOCTが発展したものとして、光源の波長を走査してスペクトル干渉信号を得る波長走査型OCT(Swept Source OCT、略して「SS−OCT」という。)と、分光器を用いてスペクトル信号を得るスペクトルドメインOCTがあり、後者としてフーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT、略して「FD−OCT」という。特許文献2参照)、及び偏光感受型OCT(Polarization-Sensitive OCT、略して「PS−OCT」という。特許文献3参照)がある。
波長走査型OCTは、高速波長スキャニングレーザーにより光源の波長を変え、スペクトル信号と同期取得された光源走査信号を用いて干渉信号を最配列し、信号処理を加えることで3次元光断層画像を得るものである。なお、光源の波長を変える手段として、モノクロメーターを利用したものでも、波長走査型OCTとして利用可能である。
フーリエドメインOCTは、被計測物体からの反射光の波長スペクトルを、スペクトロメーター(スペクトル分光器)で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換することで、実空間(OCT信号空間)上での信号を取り出すことを特徴とするものであり、このフーリエドメインOCTは、奥行き方向の走査を行う必要がなく、x軸方向の走査を行うことで被計測物体の断面構造を計測可能である。
偏光感受型OCTは、フーリエドメインOCTと同様に、被計測物体からの反射光の波長スペクトルをスペクトル分光器で取得するものであるが、入射光及び参照光をそれぞれ1/2波長板、1/4波長板等を通して水平直線偏光、垂直直線偏光、45°直線偏光、円偏光として、被計測物体からの反射光と参照光を重ねて1/2波長板、1/4波長板等を通して、例えば水平偏光成分だけをスペクトル分光器に入射させて干渉させ、物体光の特定偏光状態をもつ成分だけを取り出してフーリエ変換するものである。この偏光感受型OCTも、奥行き方向の走査を行う必要がない。
ドップラーOCTは、スペクトル干渉情報のフーリエ変換によって得られる位相の変化量がドップラー信号として被計測物体の移動速度に対応することを利用し、血流などの速度を求める方法であり、波長走査型OCT、フーリエドメインOCTなどに摘要することができる(非特許文献1参照)。
特開2002−310897号公報 特開平11−325849号公報 特開2004−028970号公報 B. R. White他、Optics Express、11巻25号(2003年)3490頁
ところで、生体の形状を3次元計測する場合、被計測物体が動き、測定時間内に被計測物体と測定器の相対的な位置関係が移動すると、被計測物体そのものの動きに由来する画像のゆがみが生じていた。
これは、被計測物体の空間情報をゆがめるばかりではなく、流速などの計測においては測定値の誤差をもたらす。
従来、その解決手段として、補償光学系やモーショントラック(移動を逐次測定する手段)等を用いて実時間的に計測位置の補正を行うことが主に行われている。しかしながら、補償光学系やモーショントラックは、きわめて複雑な手段であり、これらの手段を付設することは、高価であり、その取扱も面倒である。
即ち、従来用いられていた補償光学系は、反射像などをモニターし、その形状や位置などが測定中変化しないように形状可変鏡(鏡の表面形状をコンピュータ制御などで変形させる)等を用いて被測定物の動きを補償するように光学系を変化させるものであり、形状可変鏡、液晶光学素子、プリズムなどが用いられる。
被測定物のモニター計測システム、光学系の補償量の計算、光学系変形、変形後の被測定物のモニター、光学系の補償量の計算、光学系変形というフィードバックループで安定化する事が多く、システムも複雑で光学系も高価である。また、安定する保証がない。
モーショントラックは、上記補償光学系の簡易版であり、被測定物の特定の点をモニターし、その動きから被測定物の移動をモニターするものであり、やはり別の光学系と処理システムが必要である。
本発明は上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、この解決手段として補償光学やモーショントラックなどの複雑な追加システムを用いず、3次元計測データのみを用いて、被計測物体の動きを補正する手段を実現することを課題とするものであり、具体的には、同時計測した複数の1次元画像によって構成される2次元断層画像間の初期相対的位置や歪みを画像間の移動変位を表すドップラー情報によって補正する手段を実現するものである。
ところで、光断層画像から有用な情報を抽出することは一般に困難である。多くの雑音や細かい構造から、注目する部分の情報を得るためには、かなりの経験と熟練を要する。その分野の専門的な医師が注意深く観察することによってのみ可能である。あるいは、膨大なデータベースを用い、それとのパターンを比較することにより情報の抽出が可能であるが、それを行うためには、スーパーコンピュータと大容量メモリが必要である。
多くのデータを扱う集団健康診断等の、スクリーニングにおいては自動的に得たい情報を抽出する必要がある。このような要請から、本発明は、完全に自動的に深さ方向の3次元構造を分離する方法を実現するものである。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、前記被計測物体の移動ぶれに起因する前記複数の1次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、該検出結果に基づいて1次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記2次元断層画像を再構成して、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする光断層画像の処理方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、前記被計測物体の移動ぶれに起因する前記複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記3次元画像を再構成して、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする光断層画像の処理方法を提供する。
前記光断層画像の処理方法では、前記光コヒーレンストモグラフィーは、ドップラー光コヒーレンストモグラフィーであり、該ドップラー光コヒーレンストモグラフィーにおいて、断層像内での計測対象の流速や移動量を求める場合に生じる移動ぶれによる速度計測誤差を補正するために使用される、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することが好ましい。
前記光断層画像の処理方法では、前記ドップラー信号は被検物体の移動速度を表し、且つ前記光コヒーレンストモグラフィー画像の位相成分の変化量で表されものであり、Bスキャン方向に異なる位置のAスキャンデータ間のドップラー信号のヒストグラムを求め、該ヒストグラム中、最も頻度が高い成分を移動ぶれとみなして、該成分の値を用いて光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することが好ましい。
前記光断層画像の処理方法では、前記ドップラー信号のメジアン値を移動ぶれとし、該メジアン値を用いて光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することが好ましい。
前記光断層画像の処理方法では、前記光断層画像の処理方法では、歪みを補正された画像について、被計測物体の奥行き方向に異なる構造が存在する場合は、分離することが好ましい。
前記光断層画像の処理方法では、前記光断層画像の処理方法では、分離された層構造内の構造体を他の層構造の構造体から分離して表示することが好ましい。
本発明の方法は、以上のとおりであるから、補償光学やモーショントラックなどの複雑、高価、且つ取扱が面倒な追加システムを用いず、3次元計測データのみを用いて、被計測物体の動きに由来する画像の歪みを補正することができる。
本発明に係る光断層画像の処理方法について、特に、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化における補正方法を実施するための最良の形態を実施例1〜3に基づき図面を参照して、以下説明する。
図1は、FD−OCT1の全体構成を示す図である。広帯域光源2、低コヒーレンス干渉計3、及び分光器4(スペクトロメーター)とを備えている。このFD−OCT1は、低コヒーレンス干渉の原理を用いて奥行き方向の分解能を得ているため、光源として、SLD(スーパールミネツセントダイオード)や超短パルスレーザー等の広帯域光源2が用いられる。
広帯域光源2から出た光は、まずビームスプリッター5で物体光と参照光に分割される。このうち物体光は、レンズ6を通してガルバノミラー7で反射され被計測物体8(生体)を照射し、そこで反射、散乱された後に分光器4に導かれる。一方、参照光はレンズ9を通して参照鏡10(平面鏡)で反射された後に物体光と並行に分光器4に導かれる。これらの二つの光は分光器4の回折格子11によって同時に分光され、スペクトル領域で干渉し、結果、スペクトル干渉縞がCCD12によって計測される。
このスペクトル干渉縞に対して適当な信号処理を行うことで、被計測物体8のある点における深さ方向1次元の屈折率分布の微分、つまり、反射率分布を得ることが可能となる。さらに、被計測物体8上の計測点をガルバノミラー7を駆動し1次元走査することにより2次元断層画像(FD−OCT画像)を得ることができる。
通常のOCTでは、2次元断層画像を得るために、深さ(光軸)方向の走査(この走査を「A−スキャン」と言い、この方向を「A−方向」、「Aスキャン方向」とも言う。)と、縦方向の操作(この走査を「B−スキャン」と言い、この方向を「B−方向」、「Bスキャン方向」とも言う。)の2次元の機械的走査が必要なのに対して、FD−OCT1では、A−スキャンは不要で一回の測定で深さ方向の後方散乱データを取得することができるから、B−スキャンの1次元の機械的走査しか必要とされない。
なお、A−方向とB−方向で形成される平面に垂直な方向のスキャンを「C−スキャン」と言い、この方向を「C−方向」、「Cスキャン方向」とも言う。要するに、FD−OCT1では、面内に2次元走査(B−スキャンおよびC−スキャン)をすることにより高速な断層計測が可能で、被計測物体8内部の2次元および3次元情報を得ることができる。
本発明は、以上のようなFD−OCT1において、被計測物体8の2次元データを取得し、被計測物体8そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、ドップラー信号を検出し、それを積算することでB−方向の動きの補正を行う方法で、計測データそのものの情報を用いて位置関係を補正することを特徴とする方法である。
即ち、この発明は、光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して、被計測物体の奥行き方向とそれに垂直な方向を2辺とする2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、この2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、最終的に3次元画像の歪みを補正する方法である。
具体的には、Bスキャン中におけるAスキャン方向の被計測物体の移動ぶれ(これを、本明細書では「バルクモーション」という。)に起因する複数の1次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、この検出結果に基づいて1次元断層画像の位置ずれの補正を行い、2次元断層画像を再構成し、さらに、Cスキャンにおいて、バルクモーションに起因する複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、この検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、最終的に3次元画像を再構成して、最終的に被計測物体の移動による3次元画像の歪みを補正する方法である。
以下、本発明の実施例1については、本発明の基本となっている、Bスキャン中におけるAスキャン方向のバルクモーションに起因する1次元断層画像の位置ずれを補正する方法について詳細に説明するが、Cスキャン中におけるAスキャン方向のバルクモーションに起因する2次元断層画像の位置ずれの補正も同様な方法によりを行うものである。
あるいは、光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像を、該2次元断層画像に垂直方向に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、前記計測物体の移動ぶれに起因する前記複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記3次元画像を再構成することを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による3次元画像の歪みを補正してもよい。
FD−OCT1において、図2に示すように、横方向(Bスキャン方向)の第1の位置でのA−スキャンで得られる1次元断面画像をBiとし、第1の位置から微小距離だけ横方向に移動した第2の位置でのA−スキャンで得られる1次元断面画像をBi+1とする。これら2つのデータBi、Bi+1は、それぞれ別の時間に計測されたため被計測物体8(生体)のA方向への運動により本来同じ深さであるべきデータの相対的な位置がずれている可能性がある。
FD−OCTではOCT画像データを得る際、スペクトル干渉データのフーリエ変換を行う。フーリエ変換後は一般に複素数となるため、そのデータは強度成分と位相成分に分離することができる。このOCT画像データの強度成分は被計測物体からの散乱強度を表しているが、異なる時間において採取されたBとBi+1の位相成分の差Δφi+1(z)=φi+1(z)−φ(z)はドップラー信号としてBとBi+1のAスキャン方向の位置の移動量に比例している。ここでφはBの位相成分、φi+1はBi+1の位相成分であり、zはA−スキャンに沿った深さ方向の座標である。なお、画像の構造がずれていることは、位相が違うことである。なぜなら、数学的に、フーリエ変換の段階で位置のずれが位相成分として抽出されるからである。
隣同士(iとi+1番目のBスキャン)のAスキャンデータ(z方向)についてBとBi+1の位相成分の差Δφi+1を求め、図3に示すようなヒストグラムを作成する。画像は被計測物体の存在する領域(バルク部分)と被計測物体がない領域(バックグラウンド)よりなる。バックグラウンド領域は動きが無いため位相差は−πからπまで一様に分布する。バルク部分は大きな部分を占めているので、バルクモーションに応じた、位相差の成分がヒストグラムのピークとなる。この位相変化(位相差)をΔφとする。
あるいはすべてのzについて位相差Δφi+1を大きさ順に並べそのメジアン値(中央値:データを大きさの順に並べて、その真ん中のデータの値)のΔφi+1をもってバルクモーションによる位相変化としてもよい。この位相変化をΔφとする。
位相変化と被測定物体が測定時間間隔(BiとBi+1の計測時間間隔)に移動した移動量(バルクモーション速度)νiの関係は、ドップラー効果の理論により、νi=(λ/2n・2πΔT)φとなる。ここでλは光源の中心波長、nは被計測物体の屈折率、ΔTはAスキャンの時間間隔である。
Bスキャンの間のバルクモーション量dは、バルクモーション速度νiにAスキャン時間間隔ΔTを乗じ、それをBスキャン方向に積算したものとなる。即ち、次の数式で示されるものある。
(バルクモーション量から補正する手段)
こうしてバルクモーション量が積算されるが、これについて多項式(たとえば、d=a+az(a,aは定数)など)でフィッティングを行う。計測中の生体の動きはそれほど大きくないので、メジアンシフト(a≠0、a=0)、あるいは1次関数(a≠0)が有効である。この関数の形が平らになるようにBスキャン方向のデータをAスキャン方向に移動し、Bスキャン方向のバルクモーションを補正し、被計測物体の静止画像を得ることができる。
あるいは、積算と関数フィッティングを用いず、隣同士のバルクモーション量の大きさだけ隣のBスキャンデータをAスキャン方向に移動し、Bスキャン方向のバルクモーションを補正し、被計測物体の静止画像を得てもよい。
FD−OCTにおいてスペクトル干渉信号をフーリエ変換し得られた位相データから被計測物体の速度を計測するドップラーOCT(ドップラー光コヒーレンストモグラフィー)を用いて2次元画像中の血管の中を流れる血流の速度と方向を決める場合、バルクモーションの補正は被計測物体の動きを止める効果とともに、血流などの速度計測の誤差を取り除くという効果がある。
以上、Bスキャン中におけるAスキャン方向のバルクモーションに起因する1次元断層画像の位置ずれを補正する方法について詳細に説明したが、同様の方法をCスキャン中のAスキャン方向のバルクモーションに起因する2次元断層画像の位置ずれの補正に適用することで、最終的には3次元画像におけるバルクモーションに起因する位置ずれを補正することができる。
あるいは、光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像を、該2次元断層画像に垂直方向に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、前記計測物体の移動ぶれに起因する前記複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記3次元画像を再構成することを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による3次元画像の歪みを補正してもよい。
具体的には、Cスキャン方向の第1の位置でのA−スキャンで得られる1次元断面画像をCiとし、第1の位置から微小距離だけ横方向に移動した第2の位置でのA−スキャンで得られる1次元断面画像をCi+1とする。これら2つのデータCi、Ci+1は、それぞれ別の時間に計測されたため被計測物体8(生体)のA方向への運動により本来同じ深さであるべきデータの相対的な位置がずれている可能性がある。
異なる時間において採取されたCとCi+1の位相成分の差Δφi+1(z)=φi+1(z)−φ(z)はドップラー信号としてCとCi+1のAスキャン方向の位置の移動量に比例している。ここでφはCの位相成分、φi+1はCi+1の位相成分であり、zはA−スキャンに沿った深さ方向の座標である。隣同士(iとi+1番目のCスキャン)のAスキャンデータ(z方向)についてCとCi+1の位相成分の差Δφi+1を求めヒストグラムを作成する。バックグラウンド領域は動きが無いため位相差は−πからπまで一様に分布する。
バルク部分は大きな部分を占めているので、バルクモーションに応じた、位相差の成分がヒストグラムのピークとなる。この位相変化をΔφとする。あるいはすべてのzについて位相差Δφi+1を大きさ順に並べそのメジアン値(中央値:データを大きさの順に並べて、その真ん中のデータの値)のΔφi+1をもってバルクモーションによる位相変化としてもよい。
この位相変化をΔφとする。位相変化Δφと被測定物体が測定時間間隔(BiとBi+1の計測時間間隔)に移動した移動量(バルクモーション速度)νiの関係は、ドップラー効果の理論により、νi=(λ/2n・2πΔT)φとなる。ここでλは光源の中心波長、nは被計測物体の屈折率、ΔTはAスキャンの時間間隔である。Cスキャンの間のバルクモーション量dは、バルクモーション速度νiにAスキャン時間間隔ΔTを乗じ、それをCスキャン方向に積算したものとなる。即ち、次の数式1で示されるものである。
こうしてバルクモーション量が積算されるが、これについて多項式(たとえば、d=a+az(a,aは定数)など)でフィッティングを行う。計測中の生体の動きはそれほど大きくないので、メジアンシフト(a≠0,a=0)、あるいは1次関数(a≠0)が有効である。この関数の形が平らになるようにCスキャン方向のデータをAスキャン方向に移動し、Cスキャン方向のバルクモーションを補正し、被計測物体の静止画像を得ることができる。
あるいは、積算と関数フィッティングを用いず、隣同士のバルクモーション量の大きさだけ隣のCスキャンデータをAスキャン方向に移動し、Cスキャン方向のバルクモーションを補正し、被計測物体の静止画像を得てもよい。
即ち、3次元画像計測の場合、Bスキャンと垂直方向のCスキャンについても同様の補正が可能であり、3次元像獲得中の生体の動きであるバルクモーションを、Bスキャン、Cスキャンの2次元方向に補正することで、3次元画像の歪みを補正することができる。
図4は、本発明の光断層画像の処理方法の実施例2のPS−FD−OCT13(偏光感受型スペクトル干渉トモグラフィー装置)の全体構成を示す図である。実施例1と同様に、広帯域光源2、低コヒーレンス干渉計3(マイケルソン干渉計)、及び分光器4(スペクトロメーター)とを備えている。具体的な構成について、以下、作用とともに説明する。
光源2から出た光は、光ウェッジ14によりパワーを減少された後、偏光子15により水平直線偏光(以下「H」という)となる。そして、入射光の偏光状態を、1/2波長板16と1/4波長板17により、水平直線偏光(H)、垂直直線偏光(以下「V」という)、45°直線偏光(以下「P」という)及び右周り円偏光(以下「R」という)の4通りのいずれかに選択的に調整し、ビームスプリッター5で参照光と被計測物体8に入射する光とに分ける。
ビームスプリッター5で分けられた参照光は、参照光光学系の参照鏡10、2枚の1/4波長板18、19により、偏光状態がH、V、P、Rとなるように調整されビームスプリッター5に再び入射される。一方、被計測物体8に入射する光はレンズ6により被計測物体8上の1点に集光され、反射され物体光としてビームスプリッター5に向かう。ビームスプリッター5は、上記入射してくる参照光を透過させ物体光を45°反射させて、両者を重ね合わせる。
このようにして重ね合わせられてビームスプリッター5から出てくる偏光状態がH、V、P、Rとなるように調整された参照光と、被計測物体8から反射してきた物体光は、ミラー20で反射されてから1/4波長板21及び1/2波長板22を通して偏光状態をHにされ、回折格子11、レンズ23及びCCD12からなる分光器4に入射する。
このように特定偏光の参照光(H、V、P、Rのいずれかの偏光状態の参照光)と物体光を干渉させることにより、物体光の特定偏光成分だけがCCD12上にスペクトル干渉縞を作り、その結果、物体光のうち参照光と同じ偏光状態をもつ成分だけを信号として取り出すことができる。そして、このスペクトル干渉縞をコンピュータ(図示せず。)に取り込み、画像のy軸のある1点から横1行を抜き取って離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier transform、FFT:Fast Fourier transform)により空間的なフーリエ変換を計算する。
これにより、参照光と物体光との一次元相関信号が得られる。さらにこれらの信号強度を組み合わせてミュラー行列(Mueller matrix)を求めることにより、被計測物体8の内部の偏光情報を捉えることができる。
この実施例2は、実施例1と同様に、被計測物体8の2次元データを取得し、被計測物体8そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、ドップラー信号を検出し、それを積算することで、BスキャンにおけるA−方向のバルクモーションに起因する1次元断層画像の位置ずれの補正を行って2次元断層画像を再構成し、同様にCスキャンについても複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、最終的に3次元画像を再構成するものである。その詳細は、実施例1と全く同じであるから、その説明は省略する。
図5は、本発明の光断層画像の処理方法の実施例3の補正方法を適用する波長走査型OCT24の全体構成を示す図である。波長走査型光源25から出射された出力光を、ファイバ26を通してファイバカップラー27に送る。この出力光を、ファイバカップラー27において、ファイバ28を通して被計測物体29への照射する物体光と、ファイバ30を通して固定参照鏡31に照射する参照光に分割する。
物体光は、ファイバ28、レンズ32、角度が可変な走査鏡33及びレンズ34を介して、被計測物体29に照射、反射され、同じルートでファイバカップラー27に戻る。参照光は、ファイバ30、レンズ35及びレンズ36を介して固定参照鏡31に照射、反射されて同じルートでファイバカップラー27に戻る。
そして、これらの物体光と参照光はファイバカップラー27で重ねられ、ファイバ37を通して光検知器38(PD(フォトダイオード)等のポイントセンサが使用される。)に送られ、スペクトル干渉信号として検出され、コンピュータ39に取り込まれる。光検知器38における検知出力に基づいて、被計測物体29の奥行き方向(A方向)と走査鏡の走査方向(B方向)の断面画像が形成される。コンピュータ39にはディスプレー40が接続されている。
ここで、波長走査型光源25は、時間的に波長を変化させて走査する光源であり、即ち波長が時間依存性を有する光源である。これにより、固定参照鏡31を走査(移動。A−スキャン)することなく、 被計測物体29の奥行き方向の反射率分布を得て奥行き方向の構造を取得することができ、1次方向の走査(B−スキャン)をするだけで、二次元の断層画像を形成することができる。
この実施例3は、実施例1と同様に、被計測物体29そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、被計測物体29の2次元データを取得し、被計測物体29そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、ドップラー信号を検出し、それを積算することで、BスキャンにおけるA−方向のバルクモーションに起因する1次元断層画像の位置ずれの補正を行って2次元断層画像を再構成し、同様にCスキャンについても複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、最終的に3次元画像を再構成するものである。その詳細は、実施例1と全く同じであるから、その説明は省略する。
この実施例4は、実施例1〜3のようにして歪みの補正された光断層画像について、被計測物体の奥行き方向に異なる構造が存在する場合は、分離する方法、即ち、Aスキャン方向(光軸方向)の層構造の検出法である。
本発明は、完全に自動的に深さ方向の3次元構造を分離する方法を実現するものである。
実施例4の方法を説明する。まず、興味のある領域を抽出する。これは、被計測物体に対する予備的な知識に基づく。たとえば、被計測物体について、被計測物体のもっとも手前の境界面からプローブ光が到達しうるもっとも深いところまでである。このもっとも深い点は、信号とノイズレベルの比で決まる。
次に、網膜と脈絡膜(網膜に隣接する奥側の膜)の領域を分離するために、網膜色素上皮(RPE)(網膜のうち最も内側の層)と脈絡膜毛細管枝(CC)の境界の高光反射層が抽出される。
ノイズを除去するために、所定のピクセル(例えば、3×3など)の大きさのガウシアンフィルター(ガウス分布に基づいて平滑化を行うフィルター)をかけ、平均化する。これを用いて画像強度の微分像を得る。微分像の正の符号の部分は画像強度が増加している部分を示し、微分像の負の部分は画像強度が減少していく部分を示す。網膜は光の反射率が高く、光強度が極大となるため、微分像の符号が正の部分は網膜の前側にあたり、負の部分は網膜の後側となる。これにより網膜の前側と後側が検知できる。強度の微分像を閾値処理し、符号の変化する位置をつなぐことにより2値化された境界像(網膜色素上皮)が得られる。
なお、ここで、上記記載を補足するが、Aスキャン方向に手前から奥へ画像の強度を見ていくと、最初の境界面(硝子体と網膜の境界(網膜色素上皮))が最初の反射面となり、明るく観測される。もっとも明るい場所は強度の微分が正から負へ変化する点として認識することができる。また、微分が正(強度が増加する部分)は手前側で微分が負(強度が減少していく部分)は奥(後側)となる。これにより自動的に1番目の面(境界)とその前後関係が得られる。
2値化像において、ノイズ成分(境界を表していない小さな体積の部分)を除去したあと、3次元像の上方から下方に向かって順番に画素の強度を調べ、あらかじめ決めてあった閾値より高い画素が初めて検出される点を探す。この点は画像強度の増加が始まった点であり、境界層の始まりの位置といえる。その点から下方に進み、例えば10画素以内で画像の強度変化が最大になった点(最大の画像強度勾配を持つ点)を求める。この点が網膜の前側の境界面(網膜色素上皮)となる。
前側の境界面をなめらかにするために、再帰的平滑化手法を用いる。これは軸方向に2次微分を持つ点を除去したあとで、線型補完によって境界面を決める手法である。その後、例えばランク15のメジアンフィルター(ある画素の濃度に替えて、その画素を中心とした一定領域の画素の中央値を与えることで、平滑化におけるエッジのぼけを防止しつつ雑音を除去する手段)をかける。
次に、網膜と脈絡膜の境界面となる高反射境界面を検出する。前側の境界から下方に、例えば25画素より離れた点から始めて最大の勾配を持つ点を検出する。Aスキャン方向に境界が見つからないときは、そのAラインは無視する。求めた点の画素強度を光軸方向に、例えば15画素平均化する。網膜と脈絡膜の境界面は、必要であればフィルターをかけ平滑化する。ここで、前記「25画素」は、網膜の平均的な厚さより小さくとったものであり、網膜と脈絡膜の境界は網膜と硝子体の境界から25画素より離れた領域に設定されるべきであるという予備知識に基づいたものである。
画素強度(OCT信号)が極端に小さい点は網膜内にある血管領域と考えられる。血液による光吸収の為である。また血管の下側は血液による吸収のため光強度が弱くなるため、OCT信号が小さくなり、網膜後側境界(網膜と脈絡膜の境界)の検出ができないことがある。境界面を決めるために、境界の検出ができなかった点を、例えばその周囲10画素分平均化して、すでに検出されている境界の情報を用いて、検出できなかった点の境界の位置を補完する。
網膜と脈絡膜の境界面を決めるためには、信号とノイズの大きさの境界を決める必要がある。そのためには、ガウスフィルターでぼかした強度像を2値化する。強度のヒストグラムをとるとノイズは鋭いピークを持つので、そのピークの例えば5レベル下を閾値とする。これにより小さなノイズは除去される。網膜の領域は、図6(b)の領域Dで示される。
脈絡膜と強膜との境界(脈絡膜の下(奥側)の面)も同様の手法で決められる。脈絡膜の領域は、図6(b)の領域Eで示される。
3次元的な血管のネットワーク像は、上記の方法で切り出された網膜体積内に表示される。網膜の領域に存在する血管は、血流が早いため、干渉縞が不鮮明になり(この現象を「fringe washout」という。)、OCT信号が弱くなる。したがって網膜内でOCT信号が弱い部分をつないでいくことにより、血管の3次元的な分布パターン(ネットワーク)を分離表示することができる(図6(b)参照)。
3次元的な血管の像は、上記の方法で切り出された脈絡膜の体積内に表示されるが、ドップラー光コヒーレンストモグラフィーでは運動している物体の速度(早さとその方向)の情報を得ることができる。したがってfringe washoutがおこらない速度範囲(遅い場合)血管中を流れる血流(血球の速度)を測定することができる。
脈絡膜血管のように血流が遅い血管は、ドップラー情報を用いると、血管の分布パターン(ネットワーク)とともに血流の方向を含めた血管のネットワーク像を表示することができる。より鮮明な画像を得るためには、速度の二乗をとって流れの情報をなくしてから表示してもよい。また、画像はゴーストノイズの除去や不連続性の除去のため、3次元ガウシアンフィルターをかけて表示してもよい(図6(e)参照)。
抽出された体積内の画像を光軸の方向に積分することにより、2次元的な血管造影像を作成することができる。造影像を作る場合は、速度の二乗をとって(流れの情報をなくして)から表示した画像を用いた方がよりコントラストのよい造影像を得ることができる(図6(a)、(d)参照)。
ここで、図6(a)は、測定領域のデータすべてを平面に投影したもので、一般の眼底カメラによって撮影された画像にあたる。また図6(a)は、網膜と脈絡膜のみを投影したもので、血管像をより鮮明に観測することができる。
硝子体と網膜の境界、網膜と脈絡膜との境界、脈絡膜と強膜の境界といった反射率の高い層で領域をあらかじめ分離してあるため、網膜内の血管と脈絡膜内の血管を分離した別々の造影像を作成することができる(図6(d)、(e)参照)。
図6(f)は、分離して得られた血管像を再び合成したものであり、網膜内血管を緑色で、脈絡膜血管を黄色で表示するなど、よりわかりやすい表示をすることも可能である。このことは本実施例4の大きな利点であり、こうした像は通常の眼底血管造影では得ることはできない。
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る光断層画像の処理方法における光コヒーレンストモグラフィーの補正方法は、補償光学やモーショントラックなどの複雑な追加システムを用いず構成が簡単となり、3次元計測データのみを用いて被計測物体の動きを補正して画像の歪みを少なくすることができるから、特に、被計測物体の動きやぶれで画像が歪むと正確な計測のできないような分野における光断層画像化装置の補正方法として適用すると有効である。
また、本発明に係る光断層画像の処理方法を用いると、歪みを補正された画像について、被計測物体の奥行き方向に異なる構造が存在する場合は、その構造および構造内に含まれる有益な情報を自動的に分離することが可能となる。
さらに、光断層画像から層構造内に含まれる有用な構造情報を抽出することは容易となる。
本発明の実施例1に係るFD−OCTの全体構成を示す図である。 実施例1の原理、作用を説明するための2次元光断層画像による説明図である。 位相差のヒストグラムを模式的に表した図である。 本発明の実施例2に係るPS−FD−OCTの全体構成を示す図である。 本発明の実施例3に係るSS−OCTの全体構成を示す図である。 本発明の実施例4を被計測物体である網膜及び脈絡膜の画像を示す図である。 従来のOCTを説明する図である。
符号の説明
1 FD−OCT
2 広帯域光源
3 低コヒーレンス干渉計
4 分光器
5 ビームスプリッター
6、9、23、32、34、35、36 レンズ
7 ガルバノミラー
8 被計測物体
10 参照鏡
11 回折格子
12 CCD
13 PS−FD−OCT
14 光ウェッジ
15 偏光子
16、22 1/2波長板
17、18、19、21 1/4波長板
20 ミラー
24 波長走査型OCT
25 波長走査型光源
26、28、37 ファイバ
27 ファイバカップラー
29、48 被計測物体
30 ファイバ
31 固定参照鏡
33 走査鏡
38 光検知器
39 コンピュータ
40 ディスプレー
43 OCT
44 光源
45 コリメートレンズ
46 ビームスプリッター
47 物体アーム内の対物レンズ
49 参照アーム内の対物レンズ
50 参照鏡
51 集光レンズ
52 (フォトダイオード等)光検出器

Claims (6)

  1. 光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、
    前記被計測物体の移動ぶれに起因する前記複数の1次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、該検出結果に基づいて1次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記2次元断層画像を再構成して、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする光断層画像の処理方法。
  2. 光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、
    前記被計測物体の移動ぶれに起因する前記複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれを、ドップラー信号情報を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記3次元画像を再構成して、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする光断層画像の処理方法。
  3. 前記光コヒーレンストモグラフィーは、ドップラー光コヒーレンストモグラフィーであり、該ドップラー光コヒーレンストモグラフィーにおいて、断層像内での計測対象の流速や移動量を求める場合に生じる移動ぶれによる速度計測誤差を補正するために使用される、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の光断層画像の処理方法。
  4. 前記ドップラー信号は被検物体の移動速度を表し、且つ前記光コヒーレンストモグラフィー画像の位相成分の変化量で表されものであり、Bスキャン方向に異なる位置のAスキャンデータ間のドップラー信号のヒストグラムを求め、該ヒストグラム中、最も頻度が高い成分を移動ぶれとみなして、該成分の値を用いて光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の光断層画像の処理方法。
  5. 前記ドップラー信号のメジアン値を移動ぶれとし、該メジアン値を用いて光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による画像の歪みを補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の光断層画像の処理方法。
  6. 歪みを補正された画像について、被計測物体の奥行き方向に異なる構造が存在する場合は、その構造および構造内に含まれる有益な情報を自動的に分離することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光断層画像の処理方法。
JP2006216335A 2006-08-09 2006-08-09 光断層画像の処理方法 Active JP4461259B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006216335A JP4461259B2 (ja) 2006-08-09 2006-08-09 光断層画像の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006216335A JP4461259B2 (ja) 2006-08-09 2006-08-09 光断層画像の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008039651A JP2008039651A (ja) 2008-02-21
JP4461259B2 true JP4461259B2 (ja) 2010-05-12

Family

ID=39174821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006216335A Active JP4461259B2 (ja) 2006-08-09 2006-08-09 光断層画像の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4461259B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008028312A1 (de) * 2008-06-13 2009-12-17 Carl Zeiss Meditec Ag SS-OCT-Interferometrie zur Vermessung einer Probe
JP2010151684A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Univ Of Tsukuba 局所的な複屈折情報を抽出可能な偏光感受光画像計測装置
JP5479047B2 (ja) * 2008-12-26 2014-04-23 キヤノン株式会社 撮像装置および撮像方法
JP5602363B2 (ja) * 2008-12-26 2014-10-08 キヤノン株式会社 光干渉断層撮像装置
JP5405842B2 (ja) * 2009-01-28 2014-02-05 テルモ株式会社 光構造解析装置及びその作動方法
WO2010095487A1 (ja) * 2009-02-23 2010-08-26 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 生体観測装置及び生体断層画像生成方法
KR101011556B1 (ko) * 2009-03-02 2011-01-27 경북대학교 산학협력단 광학적 도플러 단층 촬영 장치 및 그의 도플러 주파수 검출방법
JP5737830B2 (ja) * 2009-04-13 2015-06-17 キヤノン株式会社 光断層撮像装置及びその制御方法
JP5437755B2 (ja) * 2009-04-15 2014-03-12 株式会社トプコン 眼底観察装置
JP5400481B2 (ja) 2009-06-03 2014-01-29 株式会社トプコン 光画像計測装置
JP5036785B2 (ja) 2009-10-23 2012-09-26 キヤノン株式会社 光断層画像生成方法及び光断層画像生成装置
JP4902721B2 (ja) * 2009-10-23 2012-03-21 キヤノン株式会社 光断層画像生成装置及び光断層画像生成方法
JP2012002597A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Fujifilm Corp 光断層画像化装置及び光断層画像化方法
JP5395888B2 (ja) * 2011-12-28 2014-01-22 キヤノン株式会社 画像生成装置、画像生成システム及び画像生成方法
JP6278295B2 (ja) 2013-06-13 2018-02-14 国立大学法人 筑波大学 脈絡膜の血管網を選択的に可視化し解析する光干渉断層計装置及びその画像処理プログラム
JP5746741B2 (ja) * 2013-10-18 2015-07-08 キヤノン株式会社 画像生成装置、画像生成システム及び画像生成方法
US20150216415A1 (en) * 2014-01-31 2015-08-06 The General Hospital Corporation Method and apparatus for performing multidimensional velocity measurements using amplitude and phase in optical interferometry
JP6480104B2 (ja) * 2014-03-11 2019-03-06 国立大学法人 筑波大学 光コヒーレンストモグラフィー装置及び光コヒーレンストモグラフィーによる変位測定方法
WO2019098005A1 (ja) 2017-11-16 2019-05-23 日本電気株式会社 光測定装置及び光測定方法
WO2022269663A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 日本電信電話株式会社 ピーク周波数取得方法および測距装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008039651A (ja) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4461259B2 (ja) 光断層画像の処理方法
US11471039B2 (en) High resolution 3-D spectral domain optical imaging apparatus and method
JP5626687B2 (ja) 2ビーム型光コヒーレンストモグラフィー装置
JP6346410B2 (ja) ジョーンズマトリックスoctシステム及び該octで得られた計測データを画像処理するプログラム
JP4461258B2 (ja) 光断層画像化法における補正方法
JP4389032B2 (ja) 光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置
JP5166889B2 (ja) 眼底血流量の定量測定装置
US9354038B2 (en) Swept source optical coherence tomography and method for stabilizing phase thereof
JP5787255B2 (ja) Ps−octの計測データを補正するプログラム及び該プログラムを搭載したps−octシステム
US9310187B2 (en) Image capturing apparatus, image capturing method, and storage medium
JP4344829B2 (ja) 偏光感受光画像計測装置
KR101704113B1 (ko) 편광 감응식 광 간섭 단층 촬영의 편광 데이터를 처리하기 위한 방법 및 장치
US9226655B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP6690390B2 (ja) 光コヒーレンストモグラフィー装置
EP3015816B1 (en) Polarization-sensitive optical-coherence-tomographic imaging apparatus
JP2010151684A (ja) 局所的な複屈折情報を抽出可能な偏光感受光画像計測装置
JP6214020B2 (ja) 光断層イメージング法、その装置およびプログラム
JP6579718B2 (ja) ジョーンズマトリックスoct装置及びプログラム
JP6556199B2 (ja) 撮像装置及び撮像方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150