JP4344829B2 - 偏光感受光画像計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光コヒーレンストモグラフィー(OCT:Optical coherence tomography)に関し、特に、B−スキャンと同時に直線偏光したビームの偏光状態を連続変調し、試料(被検物体)のもつ偏光情報を捉え、試料のより微細な構造および屈折率の異方性を計測可能とする偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置(偏光感受光画像計測装置)に関する。
従来、物体の内部情報、つまり屈折率分布の微分構造を非破壊、高分解能で捉えるために、OCTを用いることが行われている。
医療分野等で用いられる非破壊断層計測技術の1つとして、光断層画像化法「光コヒーレンストモグラフィー」(OCT)がある(特許文献1参照)。OCTは、光を計測プローブとして用いるため、被計測物体の屈折率分布、分光情報、偏光情報(複屈折率分布)等が計測できるという利点がある。
基本的なOCT43は、マイケルソン干渉計を基本としており、その原理を図2で説明する。光源44から射出された光は、コリメートレンズ45で平行化された後に、ビームスプリッター46により参照光と物体光に分割される。物体光は、物体アーム内の対物レンズ47によって被計測物体48に集光され、そこで散乱・反射された後に再び対物レンズ47、ビームスプリッター46に戻る。
一方、参照光は参照アーム内の対物レンズ49を通過した後に参照鏡50によって反射され、再び対物レンズ49を通してビームスプリッター46に戻る。このようにビームスプリッター46に戻った物体光と参照光は、物体光とともに集光レンズ51に入射し光検出器52(フォトダイオード等)に集光される。
OCTの光源44は、時間的に低コヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出た光同士は極めて干渉しにくい光)の光源を利用する。時間的低コヒーレンス光を光源としたマイケルソン型の干渉計では、参照アームと物体アームの距離がほぼ等しいときにのみ干渉信号が現れる。この結果、参照アームと物体アームの光路長差(τ)を変化させながら、光検出器52で干渉信号の強度を計測すると、光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)が得られる。
そのインターフェログラムの形状が、被計測物体48の奥行き方向の反射率分布を示しており、1次元の軸方向走査により被計測物体48の奥行き方向の構造を得ることができる。このように、OCT43では、光路長走査により、被計測物体48の奥行き方向の構造を計測できる。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、2次元の走査を行うことで被計測物体の2次元断面画像が得られる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被計測物体を直接移動させる構成、物体は固定したままで対物レンズをシフトさせる構成、被計測物体も対物レンズも固定したままで、対物レンズの瞳面付近においたガルバノミラーの角度を回転させる構成等が用いられている。
以上の基本的なOCTが発展したものとして、光源の波長を走査してスペクトル干渉信号を得る波長走査型OCT(Swept Source OCT、略して「SS−OCT」という。)と、分光器を用いてスペクトル信号を得るスペクトルドメインOCTがあり、後者としてフーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT、略して「FD−OCT」という。特許文献2参照)、及び偏光感受型OCT(Polarization-Sensitive OCT、略して「PS−OCT」という。特許文献3参照)がある。
波長走査型OCTは、高速波長スキャニングレーザーにより光源の波長を変え、スペクトル信号と同期取得された光源走査信号を用いて干渉信号を最配列し、信号処理を加えることで3次元光断層画像を得るものである。なお、光源の波長を変える手段として、モノクロメーターを利用したものでも、波長走査型OCTとして利用可能である。
フーリエドメインOCTは、被計測物体からの反射光の波長スペクトルを、スペクトロメーター(スペクトル分光器)で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換することで、実空間(OCT信号空間)上での信号を取り出すことを特徴とするものであり、このフーリエドメインOCTは、奥行き方向の走査を行う必要がなく、x軸方向の走査を行うことで被計測物体の断面構造を計測可能である。
偏光感受型OCTは、フーリエドメインOCTと同様に、被計測物体からの反射光の波長スペクトルをスペクトル分光器で取得するものであるが、入射光及び参照光をそれぞれ1/2波長板、1/4波長板等を通して水平直線偏光、垂直直線偏光、45°直線偏光、円偏光として、被計測物体からの反射光と参照光を重ねて1/2波長板、1/4波長板等を通して、例えば水平偏光成分だけをスペクトル分光器に入射させて干渉させ、物体光の特定偏光状態をもつ成分だけを取り出してフーリエ変換するものである。この偏光感受型OCTも、奥行き方向の走査を行う必要がない。
ドップラーOCTは、スペクトル干渉情報のフーリエ変換によって得られる位相の変化量がドップラー信号として被検体の移動速度に対応することを利用し、血流などの速度を求める方法であり、波長走査型OCT、フーリエドメインOCTなどに摘要することができる(非特許文献1参照)。
以上、従来のOCTの概略を説明したが、物体の屈折率分布の微分構造は、非破壊、高分解能で捉えることはできるものの、物体そのものが本来持っている偏光依存性を十分捉えることはできない。
特に、OCTを生体計測へ応用することを考える場合、繊維状の構造(繊維の伸長方向等)や歯のエナメル質の相違に起因する複屈折による偏光依存性を持つ生物試料の測定においては、解像度の低下とともに、構造を捉えられないなどの問題が生じてしまう。
この問題を解決するために、すでに、OCTのような低コヒーレンス干渉計で、ある特定部分からの散乱光成分とある偏光状態の参照光とを干渉させて、その干渉成分には偏光特性が強く反映され、その結果、奥行き方向の断面のある特定部分の偏光情報を捉える偏光感受光画像計測装置が提案されている(特許文献3参照)。
特開2002−310897号公報 特開平11−325849号公報 特開2004−028970号公報 B. R. White他, Optics Express, 11巻25号(2003年)3490頁
しかし、従来提案されている偏光感受光画像計測装置では、偏光情報を取得するためには、異なった偏光状態毎にそれぞれ断層画像を計測し、複数枚の断層画像を入手しなければならないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的とするものであり、計測に用いる入射ビーム光の偏光状態を、EO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)を用いて連続的に変調し、1回のBスキャンによって、試料の偏光情報(複屈折分布)を計測する偏光感受光画像計測装置を実現するものである。
本発明は上記課題を解決するために、光源、偏光子、EO変調器、カプラー、参照アーム、試料アーム及び分光器を備えた偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置であって、 前記偏光子は、前記光源からのビームを直線偏光し、前記EO変調器は、前記直線偏光されたビームの偏光状態を試料の深さ方向に直交する一方向のスキャンと同時に連続的に変調し、前記試料アームは、前記連続的に変調したビームをガルバノ鏡で前記試料の前記一方向のスキャンを行い、前記分光器は、回折格子と2つ光検出器を備えており、前記回折格子は、前記参照アームからの参照光と前記試料アームからの物体光が重畳された干渉光を分光し、前記2つの光検出器は、前記回折格子で分光されたスペクトル干渉成分のうち、垂直偏光成分と水平偏光成分をそれぞれ同時に測定することを特徴とする偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置を提供する。
前記光源、偏光子、EO変調器及びカプラーは、順次、ファイバーで接続されており、該カプラーに参照アーム、試料アーム及び分光器がそれぞれ接続されている構成とすることが好ましい。
前記参照アーム及び試料アームには、それぞれ偏波コントローラが設けられている構成とすることが好ましい。
前記垂直偏光成分と水平偏光成分により、前記試料の偏光特性を表すジョーンズベクトルを得る構成であることが好ましい。
本発明に係る偏光感受光画像計測装置によれば、従来の偏光感受光画像計測装置のように、偏光情報を取得するためには、異なった偏光状態毎にそれぞれ断層画像を計測し、複数枚の断層画像を入手するという必要はなく、計測に用いる入射ビーム光の偏光状態を、EO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)を用いて連続的に変調し、1回のBスキャンによって、試料の偏光情報(複屈折分布)を計測することができる。
本発明に係る偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置(偏光感受光画像計測装置)を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。
(全体構成)
「背景技術」の項で説明したとおり、光コヒーレンストモグラフィー装置(OCT)では、光源からのビームを参照アームと試料アームに分離して送り、試料アームでは試料(被検体)の深さ方向(A方向)に垂直な方向に走査(Bスキャン)して試料を照射し、この反射光と参照アームから反射される参照光との干渉スペクトルからA−B画像を得る(OCT計測を行う)ものであり、本発明は、FD−OCT(フーリエドメインOCT)等に適用される。
本発明に係る偏光感受光画像計測装置は、Bスキャンと同時に(同期して)光源からの偏光ビーム(偏光子により直線的に偏光されたビーム)をEO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)によって連続的に変調し、この連続的に偏光を変調した偏光ビームを分けて、一方を入射ビームとして走査して試料に照射し、その反射光(物体光)を得ると共に、他方を参照光として、両者のスペクトル干渉によりOCT計測を行うものである。
そして、このスペクトル干渉成分のうち、垂直偏光成分(H)と水平偏光成分(V)を同時に2つの光検出器で測定することにより、試料の偏光特性を表すジョーンズベクトルを得る(H画像とV画像)構成を特徴とするものである。
図1は、本発明に係る偏光感受光画像計測装置の光学系の全体構成を示す図である。図1に示す偏光感受光画像計測装置1は、光源2、偏光子3、EO変調器4、ファイバーカプラー(光カプラー)5、参照アーム6、試料アーム7、分光器8等の光学要素を備えている。この偏光感受光画像計測装置1の光学系は、光学要素が互いにファイバー9で結合されているが、ファイバーで結合されていないタイプの構造(フリースペース型)であってもよい。
光源2は、広帯域スペクトルを有するスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminessent Diode)を使用する。なお、光源2は、パルスレーザでもよい。光源2には、コリメートレンズ11、光源2からの光を直線偏光にする偏光子3、進相軸を45°の方向にセットされたEO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)4、集光レンズ13及びファイバーカプラー5が、順次、接続されている。
EO変調器4は、進相軸を45°の方向に固定して、該EO変調器4にかける電圧を正弦的に変調することで、進相軸とそれに直交する遅相軸との間の位相差(リタデーション)を連続的に変えるもので、これにより、光源2から出て偏光子3で(縦)直線偏光となった光がEO変調器4に入射すると、上記変調の周期で、直線偏光→楕円偏光→直線偏光………などのように変調される。EO変調器4は、市販されているEO変調器を使用すればよい。
ファイバーカプラー5には分岐するファイバー9を介して、参照アーム6と試料アーム7が接続されている。参照アーム6には、偏波コントローラ(polarization controller)10、コリメートレンズ11、偏光子12、集光レンズ13及び参照鏡(固定鏡)14が、順次、設けられている。参照アーム6の偏光子12は、上記のとおり偏光状態を変調しても参照アーム6から戻ってくる光の強度が変化しないような方向を選択するために用いている。この偏光子12の方向(直線偏光の偏光方向)の調整は偏波コントローラ10とセットで行う。
試料アーム7では、偏波コントローラ15、コリメートレンズ11、固定鏡24、ガルバノ鏡16、集光レンズ13が、順次、設けられ、ファイバーカプラー5からの入射ビームが2軸のガルバノ鏡16により走査されて試料17に照射される。試料17からの反射光は物体光として再びファイバーカプラー5に戻り、参照光と重畳されて干渉ビームとして分光器8に送られる。
分光器8は、順次接続される偏波コントローラ18、コリメートレンズ11、(偏光感受型体積位相ホログラフィック)回折格子19、フーリエ変換レンズ20、偏光ビームスプリッター21及び2つの光検出器22、23を備えている。この実施例では、光検出器22、23として、ラインCCDカメラ(1次元CCDカメラ)を利用する。ファイバーカプラー5から送られてくる干渉ビームは、コリメートレンズ11でコリメートされ、回折格子19によって干渉スペクトルに分光される。
回折格子19で分光された干渉スペクトルビームは、フーリエ変換レンズ20でフーリエ変換され偏光ビームスプリッター21で水平及び垂直成分に分けられ、それぞれ2つラインCCDカメラ(光検出器)22、23で検出される。この2つラインCCDカメラ22、23は、水平および垂直偏光信号両方の位相情報を検知するために使われるので、2つのラインCCDカメラ22、23は同一の分光器の形成に寄与するものでなくてはならない。
なお、光源2、参照アーム6、試料アーム7及び分光器8には、それぞれ偏波コントローラ10、15、18が設けられているが、これらは、光源2から参照アーム6、試料アーム7、分光器8に送られるそれぞれのビームの初期偏光状態を調整して、EO変調器4で連続的に変調された偏光状態が、参照光と物体光においても互いに一定の振幅と一定の相対偏光状態の関係が維持され、さらにファイバーカプラー5に接続された分光器8において一定の振幅と一定の相対偏光状態を保たれるようにコントロールする。
また、2つラインCCDカメラ22、23を含む分光器8を校正するときはEO変調器4は止める。参照光をブロックし、スライドガラスと反射鏡を試料アーム7におく。この配置は水平および垂直偏光成分のピークの位置が同じであることを保証する。そして、スライドガラスの後ろの面と反射鏡からのOCT信号は2つの分光器8で検知される。OCT信号のピークの位相差はモニターされる。
この位相差はすべての光軸方向の深さでゼロであるべきである。次に、信号は2つラインCCDカメラ22、23を含む分光器8で複素スペクトルを得るために、ウィンドウされ逆フーリエ変換される。この位相差はすべての周波数でゼロであるべきなので、これらの値をモニターすることによって2つラインCCDカメラ22、23の物理的な位置は位相差が最小になるようにアライメントされる。
(原理)
本発明の特徴は、次のとおりである。光源2からの光を直線偏光し、この直線偏光されたビームをEO変調器4により連続的に偏光状態の変調を行う。即ち、EO変調器4は、進相軸を45°の方向に固定して、該EO変調器4にかける電圧を正弦的に変調することで、進相軸とそれに直交する遅相軸との間の位相差(偏光角:リタデーション)を連続的に変えるもので、これにより、光源2から出て直線偏光子で(縦)直線偏光となった光がEO変調器4に入射すると、上記変調の周期で、直線偏光→楕円偏光→直線偏光………などのように変調される。
そして、直線偏光された偏光ビームをEO変調器4により連続的に偏光状態の変調を行うと同時に、Bスキャンを同期して行う。即ち、1回のBスキャンの間に、EO変調器4による偏光の連続的な変調を複数周期行う。ここで、1周期とは、偏光角(リターデーション)φが0〜2πと変化する期間である。要するに、この1周期の間に、偏光子からの光の偏光が、直線偏光(垂直偏光)→楕円偏光→直線偏光(水平偏光)………などのように連続的に変調する。
このように偏光ビームの偏光を連続的に変調しながら、試料アーム7では、入射ビームをガルバノ鏡16により試料17に走査してBスキャンを行い、分光器8において、その反射光である物体光と参照光の干渉スペクトルについて、その水平偏光成分および垂直偏光成分を2つのラインCCDカメラ22、23で検出する。これにより、1回のBスキャンによって、それぞれ水平偏光成分及び垂直偏光成分に対応する2枚のA−Bスキャン画像が得られる。
上記のとおり、1回のBスキャンの間に、偏光ビームの偏光の連続的な変調を複数周期行うが、各周期(1周期)の連続的な変調の間に2つのラインCCDカメラ22、23で検出した水平偏光成分および垂直偏光成分それぞれの偏光情報が1画素分の偏光情報となる。1周期の連続的な変調の間に2つのラインCCDカメラ22、23で偏光情報を検出タイミング信号に同期して行い、1周期に検出回数(取込回数)を、4回、8回等、適宜決めればよい。
このようにして1回のBスキャンの間に得た2枚のA−Bスキャン画像のデータを、Bスキャン方向に1次元フーリエ変換を行う。すると、0次、1次、−1次のピークが出る。ここで、0次のピークをそれぞれ抽出し、そのデータのみを用いて逆フーリエ変換すると、H0、V0画像が得られる。同様に、1次のピークをそれぞれ抽出し、そのデータのみを用いて逆フーリエ変換すると、H1、V1画像が得られる。
H0、H1画像から、試料17の偏光特性である式(後記する式(18)参照)のジョーンズマトリックスの成分のうち、J(1,1)およびJ(1,2)を求める事ができる。そして、V0、V1画像から、試料17の偏光特性である式(1)のジョーンズマトリックスの成分のうち、J(2,1)およびJ(2,2)を求める事ができる。
このようにして、1回のBスキャンにおついて4つの偏光特性を含む情報が得られる。そして、この4つの情報をそれぞれ、通常のFD−OCTと同様にAスキャン方向にフーリエ変換すると、1次のピークが試料17の深さ方向の情報を有し、しかもそれぞれ偏光特性に応じた4枚のA−B画像が得られる。
以上の原理をさらに複素表示の式を用いて説明する。ここでXYZは直交座標でXおよびYは1次元CCDカメラ22、23に平行および垂直方向で、Zは高さである。θは1次元CCDカメラのティルト、αはXZ面のティルトである。
参照アーム6と試料アーム7の干渉光強度の水平偏光成分を、I(x、ω)で表すと、これは式(1)で示される。
Figure 0004344829
式(1)の第3項を逆フーリエ変換し、式(2)の複素OCT信号を得る。
Figure 0004344829
EO変調器4の進相軸の方向がπ/4のとき、EO変調器4のジョーンズ行列は、式(3)で表される。
Figure 0004344829
そして、試料17からのラインCCDカメラ22、23に向かうジョーンズベクトルは式(4)で表され、一周のジョーンズ行列は、式(5)で表される。
Figure 0004344829
Figure 0004344829
式(5)で(H,VはEO変調器出射後、ファイバーカプラー5の手前のジョーンズベクトルである。そして、EO変調器4への入力光は垂直偏光であるので、式(6)が成り立つ。
Figure 0004344829
ジョーンズベクトル(Hsam,Vsamは、式(7)となる。
Figure 0004344829
分光器8上での参照光のジョーンズベクトルについては、式(8)のとおりである。
Figure 0004344829
ラインCCDカメラ22、23の感度は、フラットでEO変調器4の位相遅れに依存しない。
以上からして、式(2)のxについてのフーリエ変換は、式(9)、式(10)のとおりである。
Figure 0004344829
Figure 0004344829
ここで、次の式(11)、式(12)の関係から、上記式(10)は次の式(13)のとおり書き直すことができる。
Figure 0004344829
Figure 0004344829
Figure 0004344829
さらに、式(10)の第1項と第2項については、式(14)、式(15)のとおりのことが言える。
Figure 0004344829
Figure 0004344829
J(1,1)とJ(1,2)は、式(16)、式(17)で計算できる。
Figure 0004344829
Figure 0004344829
同様の手順で、Vγ(2,1)とVγ(2,2)もスペクトルIν(x,ω)の垂直偏光成分から計算することができる。│Hγ│と│Vγ│は等しく、γ≡arg(Hγ)−arg(Vγ)はファイバーの複屈折を含んでいるのでHγとVγは消去することができる。結局、式(18)の行列が得られる。
Figure 0004344829
図1に示す本発明に係る偏光感受光画像計測装置1の実施例を説明する。光源2は、中央波長840nmで50nmバンド幅を持つSLDで、軸方向の解像度は6.2μmである。偏光子3で直線偏光にし、この直線偏光を進相軸が45°の方向に固定されたEO変調器4に正弦的に変化する電圧を加えることで干渉計への入射偏光の状態を連続的に変調する。連続的に偏光状態が変調された光は、その入射光を30対70の強度比に分波することができる、ファイバーカプラー5に入れられる。ファイバーカプラー5は、この分波された入射光を参照アーム6に30、試料アーム7に70の強度比で送る。
試料アーム7では、焦点距離50mmのコリメートレンズ11で直径1.5mmに絞られた入射ビームが2軸のガルバノ鏡16により走査される。ファイバーカップラー5で重畳された物体光及び参照光は、干渉ビームとして分光器8において、焦点距離120mmのコリメートレンズ11でコリメートされてから、1200lp/mmの偏光感受型体積位相ホログラフィック回折格子19によって分光(分散)される。
分光された干渉スペクトルビームは、焦点距離250mmのフーリエ変換レンズ20でフーリエ変換され、偏光ビームスプリッター21で水平および垂直偏光成分に分けられ、2048画素で画素サイズ14μmの2つラインCCDカメラ22、23で検出される。
27.7kHzで動作する2つのラインCCDカメラ22、23のライントリガーはDAQボード(データ収録用ボード)で作られ、試料アーム7のガルバノ鏡16とEO変調器4と同期されている。ガルバノ鏡16をドライブする波形は鋸波であり、EO変調器4は正弦波でドライブされる。両方のラインCCDカメラ22、23からのデータはフレームグラバーによって収集される。偏光感受光画像計測装置1の系の感度は水平と垂直方向のチャンネルの和で101.4dBである。プローブ光の強度は700μWで位相安定度は0.17°である。
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る偏光感受光画像計測装置は、Bスキャンと同時に、プローブ光の偏光状態をEO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)を用いて連続的に変調することで、試料の偏光特性を含むA−B画像を簡単に得ることができるので、眼科における網膜の可視化や、歯科におけるエナメル質の検査等、きめ細かい検査を要する医療分野等に最適である。
本発明に係る偏光感受光画像計測装置の全体構成を示す図である。 従来のOCTを説明する図である。
符号の説明
1 偏光感受光画像計測装置
2 光源
3、12 偏光子
4 EO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)
5 ファイバーカプラー(光カプラー)
6 参照アーム
7 試料アーム
8 分光器
9 ファイバー
10、15、18 偏波コントローラ(polarization controller)
11 コリメートレンズ
13 集光レンズ
14 参照鏡(固定鏡)
16 ガルバノ鏡
17 試料
19 回折格子
20 フーリエ変換レンズ
21 偏光ビームスプリッター
22、23 光検出器(ラインCCDカメラ)
24 固定鏡

Claims (4)

  1. 光源、偏光子、EO変調器、カプラー、参照アーム、試料アーム及び分光器を備えた偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置であって、
    前記偏光子は、前記光源からのビームを直線偏光し、
    前記EO変調器は、前記直線偏光されたビームの偏光状態を試料の深さ方向に直交する一方向のスキャンと同時に連続的に変調し、
    前記試料アームは、前記連続的に変調したビームをガルバノ鏡で前記試料の前記一方向のスキャンを行い、
    前記分光器は、回折格子と2つ光検出器を備えており、
    前記回折格子は、前記参照アームからの参照光と前記試料アームからの物体光が重畳された干渉光を分光し、
    前記2つの光検出器は、前記回折格子で分光されたスペクトル干渉成分のうち、垂直偏光成分と水平偏光成分をそれぞれ同時に測定することを特徴とする偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置。
  2. 光源、偏光子、EO変調器及びカプラーは、順次、ファイバーで接続されており、該カプラーに参照アーム、試料アーム及び分光器がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1記載の偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置。
  3. 前記参照アーム及び試料アームには、それぞれ偏波コントローラが設けられていることを特徴とする請求項2記載の偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置。
  4. 前記垂直偏光成分と水平偏光成分により、前記試料の偏光特性を表すジョーンズベクトルを得る構成であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置。
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