JP4389032B2 - 光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置 - Google Patents

光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置 Download PDF

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本発明は、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の画像処理装置に関し、特に、OCTの光源のスペクトルに由来するOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)におけるノイズを補正する画像処理装置に関する。
より詳細には、本発明は、半導体製品の製造等の工業分野、動物、昆虫の生体観察や植物の構造観察のような動植物の研究・観察分野、各種文化財の解析・鑑定技術の分野、ロボット技術分野(ここでは、植物、昆虫、動物、人等の各部器官を観察し、その構造・機能をロボットの機能として応用するための技術)、医療用検査装置等、各種の技術分野で利用される光コヒーレンストモグラフィー(OCT)装置で取得した画像データの画像処理装置に関する。
従来、各種被計測物体の非破壊断層計測技術の1つとして、光断層画像装置「光コヒーレンストモグラフィー」(OCT)がある(特許文献1参照)。OCTは、光を計測プローブとして用いるため、被計測物体の屈折率分布、分光情報、偏光情報(複屈折率分布)等が計測できるという利点がある。
基本的なOCT43は、マイケルソン干渉計を基本としており、その原理を図6で説明する。光源44から射出された光は、コリメートレンズ45で平行化された後に、ビームスプリッター46により参照光と物体光に分割される。物体光は、物体アーム内の対物レンズ47によって被計測物体48に集光され、そこで散乱・反射された後に再び対物レンズ47、ビームスプリッター46に戻る。
一方、参照光は参照アーム内の対物レンズ49を通過した後に参照鏡50によって反射され、再び対物レンズ49を通してビームスプリッター46に戻る。このようにビームスプリッター46に戻った物体光と参照光は、物体光とともに集光レンズ51に入射し光検出器52(フォトダイオード等)に集光される。
OCTの光源44は、時間的に低コヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出た光同士は極めて干渉しにくい光)の光源を利用する。時間的低コヒーレンス光を光源としたマイケルソン型の干渉計では、参照アームと物体アームの距離がほぼ等しいときにのみ干渉信号が現れる。この結果、参照アームと物体アームの光路長差(τ)を変化させながら、光検出器52で干渉信号の強度を計測すると、光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)が得られる。
そのインターフェログラムの形状が、被計測物体48の奥行き方向の反射率分布を示しており、1次元の軸方向走査により被計測物体48の奥行き方向の構造を得ることができる。このように、OCT43では、光路長走査により、被計測物体48の奥行き方向の構造を計測できる。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、2次元の走査を行うことで被計測物体の2次元断面画像が得られる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被計測物体を直接移動させる構成、物体は固定したままで対物レンズをシフトさせる構成、被計測物体も対物レンズも固定したままで、対物レンズの瞳面付近においたガルバノミラーの角度を回転させる構成等が用いられている。
以上の基本的なOCTが発展したものとして、分光器を用いてスペクトル信号を得るスペクトルドメインOCT(SD−OCT)と、光源の波長を走査してスペクトル干渉信号を得る波長走査型OCT(Swept Source OCT、略して「SS−OCT」という。)がある。SD−OCTには、フーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT、略して「FD−OCT」という。特許文献2参照)、及び偏光感受型OCT(Polarization-Sensitive OCT、略して「PS−OCT」という。特許文献3参照)がある。
フーリエドメインOCTは、被計測物体からの反射光の波長スペクトルを、スペクトロメーター(スペクトル分光器)で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換することで、実空間(OCT信号空間)上での信号を取り出すことを特徴とするものであり、このフーリエドメインOCTは、奥行き方向の走査を行う必要がなく、x軸方向の走査を行うことで被計測物体の断面構造を計測可能である。
波長走査型OCTは、高速波長スキャニングレーザーにより光源の波長を変え、スペクトル信号と同期取得された光源走査信号を用いて干渉信号を最配列し、信号処理を加えることで3次元光断層画像を得るものである。なお、光源の波長を変える手段として、モノクロメーターを利用したものでも、波長走査型OCTとして利用可能である。
特開2002−310897号公報 特開平11−325849号公報 特開2004−028970号公報
ところで、OCTの光源のスペクトルは、一般的に、きれいなガウシアンエンベロープ(正規分布)ではなく、形状が不定で、多くのリップルのピークを持っている。これはOCT画像の深さ方向の分解能の低下をもたらす。
また、光源のスペクトル分布がガウシアンエンベロープの場合は(図7(a)参照)、光学系の性能を評価する点応答関数(PSF)は対称であり1山である(図7(b)参照)。しかし、光源のスペクトル分布が非対称の場合(図7(c)参照)は、複数の山ができたり(図7(d)参照)、サイドローブ(山の裾野の方の持ち上がり)の原因となり、画像の劣化およびクロストークの原因となる。
本発明は、このような問題点を解決することを目的とするものであり、OCT干渉信号からOCTの光源のスペクトル分布及びそのエンベロープを求め、このエンベロープから被計測物体の計測で得られたOCT干渉信号を補正可能なフィルターを作成し、OCT画像の深さ方向の分解能の低下を改善する画像処理装置を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化する又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、を備えており、光源のスペクトルに由来するOCT画像の深さ方向の分解能の低下を改善することを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化する又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、を備えており、該エンベロープ補正手段で補正して得られたOCT画像の情報エントロピーを評価関数とし、画像の位相を操作しながら評価関数の値をもとめ、その値を最小化するように、位相を操作するというステップを繰り返し、情報エントロピーの値が最小となった画素それぞれの位相を最適位相とし、OCT画像の位相を最適化することによって、OCT画像の鮮明度及び分解能を向上させることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、を備えており、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)からスペクトルエンベロープを差し引き、干渉成分のみをぬきだし、干渉成分のみから成るOCT干渉信号を得て、2次元画像のプレビューの高速化をすることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化し、又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、を備えており、該エンベロープ補正手段で補正して得られたOCT画像の、光源のコヒーレンスに起因するスペックルを除去するために、注目している画素における光強度の値を、その画素の周囲の画素における光強度の値のうち、もっとも大きな値で置き換えることにより、画像のスペックルを除去し、OCT画像の出力を向上させることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化する又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、エンベロープ補正手段で補正して得られたOCT画像を高コントラスト化するために、そのOCT画像の、位相情報を無視し、強度情報のみを用い、被計測物体の散乱光強度に対応した画素を抽出し、3次元マスクを作成する手段と、を備えており、そのマスクがかかっている部分のOCT画像を抽出することにより、OCT画像から特定の構造物を抽出して、OCT画像の位相を最適化することによって、OCT画像の鮮明度及び分解能を向上させることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置を提供する。
以上のような構成から成る本発明に係る光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置によれば、OCT画像の深さ方向の分解能の低下を改善することができ、画像の劣化を防止できるという効果が生じる。
本発明に係る光コヒーレンストモグラフィー(以下、「OCT」と言う。)の画像処理装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
まず、本発明の画像処理装置を実施するための前提となるスペクトルドメインOCT(SD−OCT)としてフーリエドメインOCT(FD−OCT)を概略説明する。また、波長走引型OCT(SS−OCT)について概略説明する。
(FD−OCT)
図1は、FD−OCT1の全体構成を示す図である。広帯域光源2、低コヒーレンス干渉計3、及び分光器4(スペクトロメーター)とを備えている。このFD−OCT1は、低コヒーレンス干渉の原理を用いて奥行き方向の分解能を得ているため、光源として、SLD(スーパールミネツセントダイオード)や超短パルスレーザー等の広帯域光源2が用いられる。
広帯域光源2から出た光は、まずビームスプリッター5で物体光と参照光に分割される。このうち物体光は、レンズ6を通してガルバノミラー7で反射され被計測物体8(眼底などの生体試料)を照射し、そこで反射、散乱された後に分光器4に導かれる。一方、参照光はレンズ9を通して参照鏡10(平面鏡)で反射された後に物体光と並行に分光器4に導かれる。これらの二つの光は分光器4の回折格子11によって同時に分光され、スペクトル領域で干渉し、結果、スペクトル干渉縞がCCD12によって計測される。
このスペクトル干渉縞に対して適当な信号処理を行うことで、被計測物体8のある点における深さ方向1次元の屈折率分布の微分、つまり、反射率分布を得ることが可能となる。さらに、被計測物体8上の計測点をガルバノミラー7を駆動し1次元走査することにより2次元断層画像(FD−OCT画像)を得ることができる。
通常のOCTでは、2次元断層画像を得るために、深さ(光軸)方向の走査(この走査を「A−スキャン」と言い、この方向を「A−方向」、「Aスキャン方向」とも言う。)と、縦方向の操作(この走査を「B−スキャン」と言い、この方向を「B−方向」、「Bスキャン方向」とも言う。)の2次元の機械的走査が必要なのに対して、FD−OCT1では、A−スキャンは不要で一回の測定で深さ方向の後方散乱データを取得することができるから、B−スキャンの1次元の機械的走査しか必要とされない。
なお、A−方向とB−方向で形成される平面に垂直な方向のスキャンを「C−スキャン」と言い、この方向を「C−方向」、「Cスキャン方向」とも言う。要するに、FD−OCT1では、面内に2次元走査(B−スキャンおよびC−スキャン)をすることにより高速な断層計測が可能で、被計測物体8内部の2次元および3次元情報を得ることができる。
図2は、本発明の実施例3を適用する波長走査型OCT(SD−OCT)24の全体構成を示す図である。波長走査型光源25から出射された出力光を、ファイバー26を通してファイバーカップラー27に送る。この出力光を、ファイバーカップラー27において、ファイバー28を通して被計測物体29への照射する物体光と、ファイバー30を通して固定参照鏡31に照射する参照光に分割する。
物体光は、ファイバー28、レンズ32、角度が可変な走査鏡33及びレンズ34を介して、被計測物体29に照射、反射され、同じルートでファイバーカップラー27に戻る。参照光は、ファイバー30、レンズ35及びレンズ36を介して固定参照鏡31に照射、反射されて同じルートでファイバーカップラー27に戻る。
そして、これらの物体光と参照光はファイバーカップラー27で重ねられ、ファイバー37を通して光検知器38(PD(フォトダイオード)等のポイントセンサが使用される。)に送られ、スペクトル干渉信号として検出され、コンピュータ39に取り込まれる。光検知器38における検知出力に基づいて、被計測物体29の奥行き方向(A方向)と走査鏡の走査方向(B方向)の断面画像が形成される。コンピュータ39にはディスプレー40が接続されている。
ここで、波長走査型光源25は、時間的に波長を変化させて走査する光源であり、即ち波長が時間依存性を有する光源である。これにより、固定参照鏡31を走査(移動。A−スキャン)することなく、 被計測物体29の奥行き方向の反射率分布を得て奥行き方向の構造を取得することができ、1次方向の走査(B−スキャン)をするだけで、二次元の断層画像を形成することができる。
以上のようなSD−OCT(上記FD−OCT等)やSD−OCTによって得られるOCT画像は、光源のスペクトルにより影響を受ける。即ち、OCTの光源のスペクトルは、一般的に、きれいなガウシアンエンベロープ(正規分布)ではなく、形状が不定で、多くのリップルのピークを持っている。これはOCT画像の深さ方向の分解能の低下をもたらす。
本発明は、このような光源のスペクトルに由来するOCT画像の深さ方向の分解能の低下を補正することで、特に被計測物体の奥行き方向の分解能の低下による画像の劣化を防止することを特徴とする画像処理装置である。
(原理等)
本発明に係る画像処理装置の原理を図3により説明する。光源のスペクトル分布は、一例を図3(a)に波長(λ)と光強度(I)の関係で示すように、ガウシアンエンベロープ(正規分布)ではない。
この光源を使用したOCTで、被計測物体をB方向(被計測物体の奥行き方向であるAスキャン方向に直角な方向)にスキャンしたときのOCT干渉信号を、図3(b)に示す。図3(b)において、横軸はAスキャン方向を示し、縦軸は光強度(I)を示している。なお、OCT信号を平均化することで、被測定物体の特性はなくなるので、被計測物体としては、特に校正用試料を用いなくても光源の特性のみ残る。但し、校正用として一定の被計測体を決めておいて、それを標準試料として用いてもよい。
この図3(b)に示すように、OCT干渉信号は、主に光源のスペクトル分布、さらにOCTの光学系(OCTを構成するファイバー、レンズ等の機器)の特性の影響を受け、対称状態(ガウシアン等の正規分布状態)とならない。そこで、本発明では、図3(b)に示すOCT干渉信号について、エンベロープ(包絡線)信号を検出する。
Bスキャン方向にわたった複数の点におけるOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)(図3(b)参照)を合計して平均をとって得られた平滑化されたエンベロープ信号を図3(c)に示す。図3(c)において、横軸は、Aスキャン方向(奥行き方向)を示しているが、これは、スペクトルの波長方向に対応している。縦軸は光強度(I)を示している。このエンベロープ信号は、光源のスペクトルだけでなく、OCTの光学系の特性を含んだスペクトル特性を示すものである。
そして、本発明では、図3(c)で示すエンベロープ信号が、図3(d)に示すようなガウシアン分布となるようなフィルター(このようなフィルターを「逆フィルター」という。)を作成する。この逆フィルター作成は、図3(c)に示すエンベロープ信号と、図3(d)に示すガウシアン分布に基づき、作成する。例えば、逆フィルターは、図3(d)を図3(c)で割り算したもの、あるいはウィナーフィルターを用いる。
このような逆フィルターにより、被計測物体の計測で得られたOCT干渉信号を補正すれば、Bスキャン方向の各点で得られるOCT干渉信号を合計して平均した平滑されたOCT干渉信号は、例えば、図3(e)(横軸はAスキャン方向、縦軸は光強度)に示すようになる。このOCT干渉信号のエンベロープ信号は、ガウシアン分布となる。
なお、図3(e)に示すエンベロープ信号のガウシアン分布の形状は、理論的、理想的には被測定物体に異存しない。しかし、現実的には、例えば、皮膚と眼底では被測定対象までの光路の光吸収率などが異なる。このような違いをOCTの光学系の特性と見なせば、測定対象に応じた補正が必要となる。
図4は、本発明に係る画像処理装置を実施するための画像処理装置13の基本構成を示す図である。この画像処理装置13は、OCTを構成するCCD光検出器14に接続されたコンピュータから成る。
この画像処理装置13は、OCT干渉信号入力部15、OCT干渉信号平滑化手段16、エンベロープ検出手段17、逆フィルター作成手段18、エンベロープ補正手段19、及びOCT干渉信号出力部20(補正されたOCT画像信号の出力部)を備えている。
この画像処理装置13では、OCT干渉信号入力部で入力されたOCT干渉信号を利用して、OCT干渉信号平滑化手段16、エンベロープ検出手段17及び逆フィルター作成手段18により逆フィルターを作成し、これをエンベロープ補正手段19に送信する。
この画像処理装置13で、被計測物体を計測し、そのOCT画像を補正する場合は、OCT干渉信号入力部15で取得したOCT干渉信号をエンベロープ補正手段17に送り、ここで逆フィルターで補正してOCT干渉信号出力部20から出力する。なお、通常、光コーヒレントトモグラフィーのOCT干渉信号を補正することがない場合は、OCT干渉信号入力部15から入力したOCT干渉信号の生信号をOCT干渉信号出力部20から出力してOCT画像を得る。
画像処理装置13によって、OCT干渉信号を補正する画像処理を、以下、順次説明する。
スペクトルエンベロープ信号の取得
本発明に係る画像処理装置は、OCT干渉信号から、光源のスペクトルエンベロープ信号(「スペクトル包絡線」又は「分光分布特性」ともいう。)を取得することが基本となる。このスペクトルエンベロープ信号に基づいて、逆フィルターを作成したり、後述するプレビューの高速化処理を行う。
従って、まず光源のスペクトルエンベロープ信号の取得について、FD−OCTのようなスペクトルドメインOCT(SD−OCT)の場合と、波長走引型OCT(SS−OCT)の場合を例に挙げて説明する。
(1)スペクトルドメインOCT(SD−OCT)の場合
スペクトルドメインOCTの場合は、図4において、図3(a)に示すようなスペクトルを有する光源を用い、CCD光検出器14で検出したAスキャン方向(被計測物体の奥行き方向)のOCT干渉信号を、画像処理装置13のOCT干渉信号入力部に入力する。そして、OCT干渉信号平滑化手段において、Aスキャン方向のOCT干渉信号をBスキャン方向で合計して平均をとり(アンサンブル平均をとり)、図3(b)に示すような、平滑化されたOCT干渉信号を取得する。
即ち、OCT干渉信号平滑化手段16は、Aスキャン方向のOCT干渉信号を、Bスキャン方向の全ての点について合計し、その平均をとり、Aスキャン方向のOCT干渉信号成分のばらつきをなくし、平滑化する処理を行う。
なお、Bスキャン方向のかわりに、上記同様にCスキャン方向(Aスキャン方向及びBスキャン方向に直交する方向)でアンサンブル平均をとり、OCT干渉信号成分を平滑化し、スペクトルエンベロープ信号を抽出してもよい。また、Bスキャン方向およびCスキャン方向でアンサンブル平均をとり、OCT干渉信号成分を平滑化し、スペクトルエンベロープ信号を抽出してもよい
上記のとおり、OCT干渉信号平滑化手段16で平滑化されたOCT干渉信号(図3(b)参照)は、エンベロープ検出手段17において、そのエンベロープ(包絡線)を検出する処理が行われ、図3(c)に示すようなスペクトルエンベロープ信号(「スペクトルエンベロープ情報」とも言う。)が形成される。
(2)波長走引型OCT(SS−OCT)の場合
波長走引型OCTの場合も、基本的には、画像処理装置によってスペクトルドメインOCTの場合と同様に、OCT干渉信号からスペクトルエンベロープ信号を検出し、このスペクトルエンベロープ信号に基づいて逆フィルターを作成したり、後述するプレビューの高速化処理を行うものである。しかし、波長走引型OCTの場合は、下記に説明するように、OCT干渉信号を取得及び画像処理について、SS−OCTとは若干異なる。
波長走引型OCTの場合は、SS−OCTにおいてOCT干渉信号を取得するに際して、光源の相対強度雑音(RIN)の影響を減らすため、光ファイバー及びカプラで2つに分けられた信号強度をそれぞれCCDで検出して、両者の信号強度差を検出(これを「バランス検出」と言う。)する。
この信号強度差がOCT干渉信号として検出される。そのため、OCT信号のエンベロープは、光源のスペクトルのエンベロープと光ファイバーなどの光学系のスペクトル透過特性などが重ね合わされる。
上記取得したOCT干渉信号を、図5に示す画像処理装置21のOCT干渉信号入力部に入力し、スペクトルエンベロープ信号を取得する処理を行うのであるが、波長走引型OCT(SS−OCT)の場合は、スペクトルドメインOCTで説明したような単純な平滑化処理では、スペクトルエンベロープ信号に、ファイバーやカプラ等の光学素子のスペクトル特性が乗せられたものが抽出されてしまい、光源のみのスペクトルエンベロープ信号を求めることはできない。
そこで、図4のOCT干渉信号平滑化手段16及びエンベロープ検出手段17に替えて、図5に示すように、干渉信号変換エンベロープ検出手段22において、下記のイ.ロ.又はハ.のいずれかを用いて、OCT干渉信号からスペクトルエンベロープ信号を取得する。
イ.ヒルベルト変換(Hilbert変換)を用いる場合
ヒルベルト変換を用いる場合を図8を参照して説明する。B又はCスキャン方向のある1点において、Aスキャン方向のOCT干渉信号S(k)に注目する(図8(a)参照)。ここで、kは光源のスペクトルの波数に対応している。ここで、kは波数であり、波長λの逆数×2π、即ちk=2π/λで表されるので、Aスキャン方向の深さ方向の位置に対応している。
B又はCスキャン方向の上記ある1点において、kについてのアンサンブル平均値<S(k)>(Aスキャン方向の値を合算の平均値。図8(b)参照)を、それぞれのデータから減じ、S’(k)=S(k)−<S(k)>を求める(図8(c)参照)。
OCT干渉信号のスペクトルエンベロープ信号は、次の数式1で表すことができる。ここで、NはAスキャン方向のデータ総数、jはAスキャン方向のデータ番号、Hはヒルベルト変換である。このスペクトルエンベロープ信号が求まる処理はエンベロープ検出手段で行われる。
Figure 0004389032
ロ.フーリエ変換(fast Fourier transform: FFT変換)を用いる場合
フーリエ変換を用いる場合を図9を参照して説明する。B又はCスキャンのある1点において、Aスキャン方向のOCT干渉信号S(k)に注目する(図9(a)参照)。この信号をフーリエ変換し(図9(b)参照)、周波数領域の信号を計算する。
この信号において、エンベロープ信号に対応した周波数成分のみを抽出する(図9(c)参照)ような、ローパスフィルター又はバンドパスフィルターをかけ、再び、逆フーリエ変換を行うことで、OCT干渉信号のエンベロープ信号を抽出することができる(図9(d)参照)。
ハ.スペクトルを2乗して平均化する場合
より高速な方法として、スペクトルを2乗して平均化する方法がある。S(k)は包絡線成分E(k)とOCT干渉信号成分cos(αk)の成分の積で表される。
即ち、S(k)=E(k)cos(αk)である。S(k) のアンサンブル平均をとり、OCT干渉信号成分を平均化する。
つまり、
<S(k) >=<E(k) cos(αk)>=E(k)< cos(αk)>
=1/2E(k)
となるため、
E(k)=(<S(k) >×2)1/2 で、OCT干渉信号のエンベロープ信号を求めることができる。
なお、S(k) を求めるとき、あらかじめ変換テーブル(look-up table)を作成しておき、それを参照すると演算時間を短縮することができる。ここで、ルックアップテーブルとは、コンピュータで大きな負担がかかる処理をコンピュータに行わせる場合、予め先に計算できるデータは計算しておき、その値を配列として保存しておき、この配列から目的のデータを取り出すことによって、計算の負担を軽減し効率アップを図るが、このような配列を言う。
また、整数演算に限定することで、たとえば、14ビットの整数の二乗であれば、事前に16384回の計算を行い、変換テーブルを作成しておけば、アドレス変換のみで二乗演算を行うことができ、大幅な処理の高速化が実現される。
(ウィナーフィルターの利用による点応答関数形状の改善)
以上の説明のようにして取得したスペクトルエンベロープ信号に基づき、スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるような逆フィルターを作成し、OCTで取得したOCT干渉信号をこの逆フィルターにかけて補正(較正)することで、光源のスペクトルに由来するOCT画像の深さ方向の分解能の低下を改善する。
具体的には、図4又は図5において、逆フィルター作成手段18において、逆フィルターとして機能するウィナーフィルター(Wiener filter)を作成し、このウィナーフィルターを利用することで、点応答関数(point spread function: PSF)形状を改善することができる。
PSFの形状が広がったり、サイドローブが生じたり、複数のピークを持つと、点状の物体の像の形状が広がったり、サイドローブが生じたり、複数の点として観測されるため、OCT画像の画質が低下する。従って光学系などで発生するPSFの形状の劣化を補正することにより画質が向上する。
ウィナーフィルターは、通常の逆フィルターに信号と雑音のパワーを考慮し雑音を含んだ画像の回復に用いられるものである。信号強度S(k)はスペクトル干渉信号F(k)と雑音(ノイズ)N(k)を用いてS(k)=F(k)E(k)+N(k)となる。ここで、E(k)はスペクトルエンベロープである。単純な逆フィルターは、W(k)=1/E(k)となるが、ウィナーフィルターは、ノイズのパワースペクトルP(k)とノイズのパワースペクトルP(k)を用いてW(k)=1/(E(k)+P(k)+P(k))
であらわされ、劣化信号の復元に広く用いられている。
以下、上記同様に、スペクトルドメインOCT(SD−OCT)、フーリエドメインOCT(FD−OCT)の場合、及び波長走引型OCT(SS−OCT)の場合について、それぞれ説明する。
観測される生のOCT干渉信号S(k)(図10(a)参照)は、光源や光学系のスペクトル特性が理想的であった時のOCT干渉信号F(k)(図10(b)参照)と光源や光学系のスペクトル特性E(k)(図10(c)参照)の積で表される。つまり、S(k)=F(k)×E(k)となる。
光源や光学系のスペクトル特性が理想的であった時のOCT干渉信号が最も分解能が高く、PSFの形も理想的で、雑音が最小の画像が得られる。観測される生のOCT干渉信号から光源や光学系のスペクトル特性が理想的であった時のOCT干渉信号を求める発明が以下のものである。
(1)スペクトルドメインOCT(SD−OCT)の場合
(i)図3(a)〜(c)により説明した上記の場合と同様に、スペクトルエンベロープ信号を抽出する。
(ii )抽出されたエンベロープ信号に基づいて、ウィナーフィルター(Wiener filter)などの逆フィルターを作成する。
(iii)この逆フィルターを、スペクトルエンベロープ信号を抽出するために使用したもとのOCT干渉信号(平滑化される前のOCT信号)に乗ずることにより、光源のスペクトル分布を補正することができる。これにより、測定光学系の点応答関数(point spread function:PSF)の形状を改善することができる。このPSFの形を改善することにより、OCT画像のクロストークやボケを改善することができる。
(2)波長走引型OCT(SS−OCT)の場合
(i)上記イ.またはロ.の方法で、スペクトルエンベロープ信号を抽出する。
(ii )抽出されたエンベロープ信号において、スペクトル変換フィルターを設計する。
スペクトル変換フィルターは、上記ウィナーフィルター(Wiener filter)などの逆フィルターを用いる。また、スペクトル変換フィルターは、W(k)=<S(k)>/(<S(k)>+n)×Gauss(k)を用いることもできる。ここで、nはシステム感度に依存する定数でスペクトルの形状をより平坦化するように決める。Gauss(k)はガウシアン窓関数である。
スペクトルフィルターはkを変数とする関数(W(k))(図10(e)参照)になる。理想的な(スペクトルエンベロープが補正された)干渉信号F(k)(図10(f)参照)は、計測した生のOCT信号S(k)(図10(d)参照)と、ウィナーフィルター(Wiener filter)などの逆フィルター、又は上記W(k)=<S(k)>/(<S(k)>+n)×Gauss(k)で示されるスペクトル変換フィルターの積で計算される。つまり、図10(d)〜(f)に示すように、F(k)=S(k)×W(k)で計算される。
このスペクトル変換フィルターを、スペクトルエンベロープ信号を抽出するために使用したもとのOCT干渉信号に乗ずることにより、光源のスペクトル分布と光学系のスペクトル透過特性を補正することができる。
PSFは点物体の結像特性を示すもので、PSFの広がりが小さいほど、よい光学系とされる。OCTシステムにおけるPSFは光学系の特性と光源のスペクトルエンベロープの形状のガウシアンからのずれにより劣化する。本発明により光源のスペクトル分布と光学系のスペクトル透過特性を補正することにより、測定光学系のPSFの形状を改善することができる。
そして、PSFの形を改善することにより、OCT画像のクロストークやボケを改善することができる。PSFの形状が広がったり、サイドローブが生じたり、複数のピークを持つと、点状の物体の像の形状が広がったり、サイドローブが生じたり、複数の点として観測されるため、OCT画像の画質が低下する。従って光学系などで発生するPSFの形状の劣化を補正することにより画質が向上する。
(情報エントロピーを利用した分散補正)
従来、OCT画像の位相情報の最適化による後処理による画像の改善の方法はいくつか提案されている。その一例を挙げると、次のとおりである。
例えば、マサチューセッツ総合病院(MGH)の方法(http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?id=80150)は、眼の網膜における黄斑部のくぼみの形状を最適化するように画像処理を行う。この方法ではこのくぼみがOCT像に写っていないと適用できない。
また、マサチューセッツ工科大学(MIT)の方法(http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?id=80147)では、画像鮮明度(shapness)を評価関数とし、それを最大化する。この評価関数は多くのローカルミニマム(局所的な最適解)を持つため最適化が困難である。
そこで、本発明者は、画像の情報エントロピーを評価関数とし、その値を最小化するように画像の位相情報の最適化について発明した。これについて説明する。
(a)まず本実施例の上記「スペクトルエンベロープ信号の取得」で説明した場合と同様に光源および光学系のスペクトル特性を補正されたOCT画像を得る。この画像には、光源や光学系の位相特性が線形でないことに起因する高次の位相分散が含まれている。位相分散はOCT画像に対して、画質の劣化や分解能の低下などをもたらす。
本発明の画像の位相情報の最適化は、この位相分散を自動的に補償することである。OCT画像の位相の2次の分散を補償することによって、OCT画像の画質を向上させることができ、分解能も向上する。
(b)OCT画像の位相の2次の分散量を変化させると、OCT画像の画質を変えることができる。OCT画像の情報エントロピー量を、画像の2次の位相量の繰り返し最適化のための評価関数として用いる。情報エントロピーは、数式2で表される。ここで、数式3は、A−,B−スキャン画像I(x、z)を規格化したものである。
Figure 0004389032
Figure 0004389032
この情報エントロピーの値は、画像の2次の位相分散量を変化させたときなめらかに、かつ単調に変化するため、上記マサチューセッツ工科大学(MIT)の方法のように、他の評価関数などを用いる場合と比較して、ローカルミニマムに陥ることなく、位相の補正係数についてグローバルな最適解を求めることができる。
本発明では、最適値は繰り返し最適化法で求める。2次の位相分散量を微小に変化させ、評価関数を計算し、評価関数の値が小さくなれば、前記2次の位相分散量の変化を容認し、大きくなる場合は、前記2次の位相分散変化量を取り消し逆方向に変化させ、再び評価関数を計算し、その値について同様の手順で、位相分散変化量を繰り返し変化させていき、その値が最小値となる2次の位相分散量を求める(図11(a)参照)。
情報エントロピー関数は、ローカルミニマムを持たないため、2次の位相分散量である変化量の初期値がA、B、C、Dいずれの場合でも、評価関数の値を小さくするように変化量を変えていった場合最適値に到達することができる。
上記他の評価関数を用いる場合に到達するローカルミニマムとは、真の最小値ではなく、周囲より値の小さい局所的な最小値のことであり(図11(b)参照)、この値を用いても最適な画質改善は得られない。つまり、変化量の初期値がCあるいはDであれば、評価関数の値を小さくするように変化量を変えていった場合最適値に到達するが、変化量の初期値がAあるいはBの場合、評価関数の値を小さくするように変化量を変えていった場合、最終的にローカルミニマムに落ちいって安定してしまう。
これに対して、情報エントロピー関数は、ローカルミニマムを持たないため、繰り返し回数も少なくてすみ、高速にOCT画像の最適化を行うことができる。
なお、3次元の体積画像の最適化を行う場合は、上記「位相の補正係数」は、最初のフレーム(A、Bスキャン2次元画像)について計算されたものを、すべてのフレーム(Cスキャン方向の画像)に適用すればよい。このため、計算量が少なく、高速な画像補整が可能である。
(OCTの2次元画像のプレビュー
ところで、OCTの2次元画像をプレビューする場合は、画像は、ある程度大まかでもよいが、高速にプレビュー画像が得られることが望ましい。
従来、OCTの2次元画像のプレビュー方法として、OCT信号をAスキャン方向(深さ方向)に積分して、干渉信号を平均化し、強度反射・散乱画像を得るという方法が知られている(http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?id=82381参照)
しかしながら、従来技術では、大まかな2次元画像のプレビューしかできない。そこで、本発明で取得したスペクトルエンベロープ信号を利用すれば、光源のスペクトルに影響されず、ノイズの少ないOCTの2次元画像を高速でプレビューすることが可能となる。
OCT信号は、反射・散乱光と参照光の干渉信号に、光源や光学系のスペクトルエンベロープが加算されたものとなっている。従って被測定試料の情報は干渉信号にのみ含まれていると考えられる。この2次元画像のプレビューでは、OCTで得たOCT干渉信号(スペクトル干渉縞)から、本発明で取得したスペクトルエンベロープ信号を差し引き、干渉成分のみをぬきだし、干渉成分のみから成るOCT干渉信号を得る。
OCT干渉信号は正負の値を持っているので、干渉信号から反射・散乱強度情報を取り出すためには正の符号のみにする必要がある。また、プレビュー画面では半透明被測定試料の反射・散乱体の情報を奥行き方向(Aスキャン方向)を圧縮して、BおよびCスキャン2次元画像が確認できればよいので、奥行き方向に積分してり和をとって情報を圧縮する。OCT干渉信号を二乗し奥行き方向に対して積分する(和をとる)ことで、光源のスペクトルに影響されずノイズの少ない2次元のプレビュー画像を高速に得ることができる。
なお、2次元画像のプレビューでは、SD−OCTの場合は、OCT干渉信号(スペクトル干渉縞)からスペクトルエンベロープ信号を差し引けばよいが、SS−OCTの場合は、前記したとおりのバランス検出されたOCT干渉信号から平均化されたOCT干渉信号を差し引いてもよい。
また、上記処理のうち、二乗処理が一番時間のかかる処理である。そこで、計算時間を短縮することを目的として、次のような処理をしてもよい。
(イ)上記のような二乗処理をすることなく、OCT干渉信号の絶対値を積分してもよい。
(ロ)ルックアップテーブル(look-up table)を利用することで上記処理の処理時間を短縮することができる。
さらに、この2次元画像のプレビューにおいて上記信号処理の高速化を図る手段として、次のような手段がある。
(ハ)上記信号処理では、浮動小数点・固定小数点を使用することで行うことができるが、するために、上記信号処理を整数型で行う(浮動小数点演算を使わない)ことで、高速化を図る。
(ニ)上記スペクトルエンベロープ信号を差し引き干渉成分のみから成るOCT干渉信号の一部分のみを用いることで、高速に2次元画像を表示することができる。この一部分としては、例えば、以下の部分を抽出して表示する。
・OCT干渉信号のモジュレーションの大きい部分。モジュレーションとは干渉縞の山の光強度をImax、谷の光強度Iminをとすると、(Imax−Imin)/(Imax+Imin)で定義される値である。
・光源のスペクトルの中心付近に対応した画像
・散乱が大きいなど、OCT干渉信号の強度が大きい部分
・画像のBあるいはCスキャンラインを規則的に間引く
(デスペックルフィルター)
OCT画像には、光源のコヒーレンスに起因するスペックルパターンが重畳することが多い。これを低減するために、注目している画素の付近の、異なるBスキャン画像の、対応する画素を複数個選択し、その中で最大値(もっとも明るいデータ)で注目している画素における光強度の値を置き換える。
このような画素の置き換え処理を、本発明では、前記情報エントロピーを利用した分散補正をした後で行うと、光源のコヒーレンスに起因するスペックルパターンが取り除かれたよりノイズのないOCT画像を得ることができる。
(本発明の応用例)
本発明の画像処理装置は、各種の工業分野、動植物の研究・観察分野、各種文化財の解析・鑑定技術の分野、ロボット技術分野、医療用検査装置等の各種の技術分野に応用可能である。近年、ロボット技術が急速に発展し、植物、昆虫、動物、人等の器官(一例として、昆虫、動物、人の眼、皮膚、鼻等)の構造及び機能の研究を目的として、人間型ロボットに適用する技術開発も行われてる。例えば、人の眼の構造物の観察に本発明の画像処理装置を適用する例として、眼底血管を造影する場合について本発明の画像処理装置を適用する場合について説明する。
眼底には、網膜、脈絡膜などがあり、それぞれ別個の血管網がある。従来の眼底写真では、それらが重なって撮影されてしまう。そのために、それぞれの血管について蛍光造影剤を注入し造影する方法が行われているが、これは人体への負担が大きい。
このような従来の眼底血管を造影する場合について、本発明はきわめて有用である。ここでは、散乱光OCTを利用したOCA(Optical coherence angiography:光コヒーレンス血管造影法)において、本発明の画像処理装置を適用し、眼底の3次元OCT画像から各層内の血管網(特定の構造物)の抽出及びそれに必要な装置を説明する。
まず、眼底血管の位置する部位を被計測物体としたOCT計測を行いOCT信号を得て、このOCT信号を利用して、上記本発明の画像処理装置により、スペクトルエンベロープを補正したOCT画像を得る。
次に、このOCT画像について、その層構造を自動的に分離する。この分離は、本願出願人の出願した先願発明である特願2006−44567(特開2007−225349号公報参照)に係る発明を利用する。この先願発明の詳細の説明はここでは省略するが、その概要は、光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を、該2次元断層画像に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化を得る技術手段であって、被計測物体の表面の抽出および平面化の技術手段であり、また被計測物体の層構造を分離する技術手段である。
表面の抽出および平面化の技術手段では、上記取得した3次元画像から、被計測物体表面を、深さ方向の画像強度の最初のピーク位置から自動抽出し、抽出された表面形状を、多項式関数でフィッティングを行い、それを平面化することにより、内部の構造を非可燃体表面からの深さ情報3次元画像に自動変換する構成を特徴とする。
また、層構造を分離する技術手段では、その取得画像から、被計測物体内部の表面下の層構造の厚みの分布を、表面による信号のピークから深さ方向に向かって最初のピークまでの極小値の位置から自動抽出する。これにより、表面に近い層とその下の層に分離することができる構成を特徴とする。
上記技術手段、あるいは他の技術手段を用いて、分離した複数の層のそれぞれの層内で層表面からの深さz’の面での画素の光強度の平均値μz’と標準偏差σz’を求める。血管の散乱光は小さく、OCT信号は小さいので、I<Iz’(x、y)<μz’−1/2σz’の光強度を持つ画素Iz’(x、y)、即ち、被計測物体のOCT画像の、位相情報を無視し、散乱光強度に対応した画素を抽出する。
ここで、Iはノイズレベルで決まる定数である。z’はAスキャン方向の特定の深さ、x、yはBおよびCスキャン方向である。z’をAスキャン方向に動かして、3次元画像内のすべての体積中を上記の手順を繰り返し、抽出された画素を求めると、3次元体積内の血管網を構築することができる。
抽出された3次元分布について、3次元のマスクを作成し、そのマスクがかかっている部分のOCT画像の部分を元のOCT3次元画像から抽出して、OCT画像の位相を最適化することによって、OCT画像の鮮明度及び分解能を向上させ、血管の3次元的な分布が高いコントラストで得られる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置は、以上のような構成であるから、被計測物体の奥行方向に高精度な分解能が要求される各種の技術分野、例えば、半導体製品の製造等の工業分野、動物の生体観察や植物の構造観察のような動植物の研究・観察分野、各種文化財の解析・鑑定技術の分野、ロボット技術分野(植物、昆虫、動物、人等の各部器官を観察し、その構造・機能をロボット技術に応用するための技術)、医療用検査装置等の各種の技術分野で利用される被計測物体の光断層画像取得用OCTに有用である。
本発明の前提となるFD−OCTの全体構成を説明する図である。 本発明の前提となるSS−OCTの全体構成を説明する図である。 本発明の原理を説明する図である。 本発明の実施例を説明する図である。 本発明の実施例を説明する図である。 従来の基本的なOCTを説明する図である。 光源スペクトルの点応答関数を説明する図である。 本発明におけるヒルベルト変換(Hilbert変換)を用いる場合を説明する図である。 本発明におけるフーリエ変換を用いる場合を説明する図である。 本発明におけるスペクトル変換フィルターを説明する図である。 本発明における画像の情報エントロピーを評価関数として用い、画像の位相情報を最適化する場合を説明する図である。
符号の説明
1 FD−OCT
2 広帯域光源
3 低コヒーレンス干渉計
4 分光器
5 ビームスプリッター
6、9、32、34、35、36 レンズ
7 ガルバノミラー
8 被計測物体
10 参照鏡
11 回折格子
12 CCD
13、21 画像処理装置
14 CCD光検出器
15 OCT干渉信号入力部
16 OCT干渉信号平滑化手段
17 エンベロープ検出手段
18 逆フィルター作成手段
19 エンベロープ補正手段
20 OCT干渉信号出力部
22 干渉信号変換エンベロープ検出手段
24 波長走査型OCT
25 波長走査型光源
26、28、37 ファイバー
27 ファイバーカップラー
29、48 被計測物体
30 ファイバー
31 固定参照鏡
33 走査鏡
38 光検知器
39 コンピュータ
40 ディスプレー
43 OCT
44 光源
45 コリメートレンズ
46 ビームスプリッター
47 物体アーム内の対物レンズ
49 参照アーム内の対物レンズ
50 参照鏡
51 集光レンズ
52 (フォトダイオード等)光検出器

Claims (5)

  1. 光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、
    前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化する又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、
    該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、
    該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、
    該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、を備えており、
    光源のスペクトルに由来するOCT画像の深さ方向の分解能の低下を改善することを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置
  2. 光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、
    前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化する又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、
    該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、
    該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、
    該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、を備えており、
    該エンベロープ補正手段で補正して得られたOCT画像の情報エントロピーを評価関数とし、画像の位相を操作しながら評価関数の値をもとめ、その値を最小化するように、位相を操作するというステップを繰り返し、情報エントロピーの値が最小となった画素それぞれの位相を最適位相とし、OCT画像の位相を最適化することによって、OCT画像の鮮明度及び分解能を向上させることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置。
  3. 光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、
    前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、
    該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、を備えており、
    OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)からスペクトルエンベロープを差し引き、干渉成分のみをぬきだし、干渉成分のみから成るOCT干渉信号を得て、2次元画像のプレビューの高速化をすることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置
  4. 光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、
    前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化し、又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、
    該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、
    該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、
    該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、を備えており、
    該エンベロープ補正手段で補正して得られたOCT画像の、光源のコヒーレンスに起因するスペックルを除去するために、注目している画素における光強度の値を、その画素の周囲の画素における光強度の値のうち、もっとも大きな値で置き換えることにより、画像のスペックルを除去し、OCT画像の出力を向上させることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置
  5. 光コヒーレンストモグラフィーによって、被計測物体の奥行き方向の軸(Aスキャン軸)に垂直方向(Bスキャン方向)に位置をずらしながら複数の1次元断層画像を取得して被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得し、さらに、該2次元断層画像に垂直方向(Cスキャン方向)に位置をずらしながら複数2次元断層画像を取得し3次元画像を形成する光コヒーレンストモグラフィーの画像を処理する光コヒーレンストモグラフィー画像処理装置において、
    前記Aスキャン方向のOCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を、Bスキャン方向に合計してその平均をとって平滑化する又はヒルベルト変換やフーリエ変換を用いて平滑化するOCT干渉信号平滑化手段と、
    該平滑化したOCT干渉信号についてスペクトルエンベロープ信号を求めるエンベロープ検出手段と、
    該スペクトルエンベロープ信号に基づき、該スペクトルエンベロープ信号がガウス分布となるように補正するための逆フィルターを求める逆フィルター作成手段と、
    該逆フィルターにより、OCT干渉信号(スペクトル干渉信号)を補正するエンベロープ補正手段と、
    エンベロープ補正手段で補正して得られたOCT画像を高コントラスト化するために、そのOCT画像の、位相情報を無視し、強度情報のみを用い、被計測物体の散乱光強度に対応した画素を抽出し、3次元マスクを作成する手段と、を備えており、
    そのマスクがかかっている部分のOCT画像を抽出することにより、OCT画像から特定の構造物を抽出して、OCT画像の位相を最適化することによって、OCT画像の鮮明度及び分解能を向上させることを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置。
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