以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず,本発明の第1および第2の実施形態にかかる著作権管理システムの概要について説明する。
本実施形態にかかる著作権管理システムは,各ユーザが所有するコンテンツ処理装置におけるコンテンツの利用(特に,再生)を管理し,コンテンツの著作権を保護するためのシステムである。具体的には,この著作権管理システムは,コンテンツの利用権および利用期限を設定することによって,正当ユーザ(コンテンツの著作権に対する正当な対価を支払い,私的使用の範囲内での利用を行うユーザ)に対しては,比較的自由にコンテンツの利用を認める一方,インターネット等を通じたコンテンツ大量配布行為等といったコンテンツの違法利用を行うユーザや,正当な対価を支払わずに,コンテンツの再生期限を越えてコンテンツを利用しようとするユーザに対しては,コンテンツの再生を厳しく制限することを目的としている。
コンテンツの再生期限を設ける場合,従来の著作権管理システムでは,上述したように,1つのコンテンツごとに再生期限を含むライセンスを設定していた。これに対し,本実施形態にかかる著作権管理システムでは,「グループID」を用いて,コンテンツの「再生権」及び「再生期限」を,「コンテンツグループ単位」(例えば「コンテンツ配信サービスのユーザ単位」,「コンテンツを記録した機器単位」など)で設定し,各ユーザが所有するコンテンツ処理装置におけるコンテンツの再生を,上記「コンテンツグループ単位」で許可/不許可する点に特徴がある。
ここで,「コンテンツグループ」とは,「所定の基準でグループ化された複数のコンテンツ」であり,「グループID」とは,「コンテンツグループ」を識別するための識別子である。また,「再生権」とは,コンテンツを再生できる権利であり,「再生期限」とは,「再生権」の有効期限である。
なお,本実施形態にかかる「コンテンツ」は,例えば,音楽,講演,ラジオ番組等の音声(Audio)コンテンツや,映画,テレビジョン番組,ビデオプログラム,写真,絵画,図表等を構成する静止画若しくは動画からなる映像(Video)コンテンツ,電子図書(E−book),ゲーム,ソフトウェア(soft ware)などのあらゆるコンテンツを含む。また,「コンテンツデータ」は,上記各種のコンテンツの内容を表す例えばデジタルデータであり,例えば,映像データ,音声データ,電子図書データ,電子ゲームデータ,ソフトウェアのデータなどである。以下では,コンテンツとして,例えば,配信サーバから配信される音楽コンテンツ,或いは録音機器によってリッピングや自己録音(セルフレコーディング)された映像コンテンツの例を挙げて説明するが,本発明はかかる例に限定されない。
以下に,上記のような特徴を具現するための本発明の第1及び第2の実施形態にかかる著作権管理システムについて詳述する。
まず,本発明の第1の実施形態にかかる著作権管理システムについて説明する。本実施形態にかかる著作権管理システムは,例えば,コンテンツ配信サービスを提供する配信サーバからコンテンツ処理装置に配信されるコンテンツ(以下,「配信コンテンツ」という。)を主な管理対象としている。かかる配信コンテンツの再生を好適に管理するため,本実施形態では,以下に詳述するように,「グループID」を,例えば「配信サーバ20にユーザ登録されたユーザが選択した配信サービス形態」単位で固有に付与している。具体的には,本実施形態にかかるグループIDは,配信元の配信サーバが異なれば別のIDであり,ユーザが異なれば別のIDであり,ユーザが選択した配信サービス形態が異なれば別のIDとなるように付与される。このように付与されたグループIDによって,本実施形態にかかる配信コンテンツは,配信サーバ単位,ユーザ単位,かつ,配信サービス形態単位でグループ化される(コンテンツグループ)。
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態にかかる著作権管理システム100の全体構成について説明する。なお,図1は,本発明の第1の実施形態にかかる著作権管理システム100の全体構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように,本実施形態にかかる著作権管理システム100は,例えば,複数のコンテンツ処理装置10−1,2,…,n(以下では「コンテンツ処理装置10」と総称する場合もある。)と,配信サーバ20−1,2,…,m(以下では「配信サーバ20」と総称する場合もある。)と,これら装置を相互に接続するネットワーク5およびローカルライン9と,コンテンツ処理装置10間でやり取りされる記録媒体7と,から構成される。
コンテンツ処理装置10は,本実施形態にかかるコンテンツ再生装置及び/又はコンテンツ記録装置として構成されている。このこのコンテンツ処理装置10は,記録媒体7や内蔵されたストレージ装置に対して,コンテンツデータを記録/再生することが可能な各種の記録再生装置,記録専用装置または再生専用装置である。より具体的には,コンテンツ処理装置10は,例えば,パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータ装置(ノート型,デスクトップ型を問わない。),PDA(Personal Digital Assistant),携帯型映像プレーヤ/レコーダ,MP3プレーヤ,ICプレーヤ/レコーダ等の携帯型音声プレーヤ/レコーダ,デジタルカメラ若しくはビデオレコーダ等の撮像装置,家庭用ゲーム機,VTR,CD,MD若しくはDVDレコーダ/プレーヤ,ラジオ装置,携帯電話,PHS,情報家電などで構成できる。
このコンテンツ処理装置10は,例えば,上記コンテンツ配信サービス用のソフトウェアをインストール可能な記録再生装置(例えば,PC等のコンピュータ装置)と,当該ソフトウェアをインストール不能な記録再生装置(例えば,DVDプレーヤ/レコーダ等の記録デバイス)および再生専用装置(例えば,再生専用のポータブルデバイス(PD)等)と,に分類される。
PC等のコンテンツ処理装置10は,配信サーバ20から配信された配信コンテンツデータを,ストレージ装置や記録媒体7などの記録手段に記録することができる。
また,上記ソフトウェアをインストール不能な記録再生装置および再生専用装置(図1ではコンテンツ処理装置10−mとして表す。)は,ローカルライン9を介して,PC等のコンテンツ処理装置10にローカル接続可能である。このため,コンテンツ処理装置10−mは,PC等のコンテンツ処理装置10がネットワーク5を介して受信した配信コンテンツを,ローカルライン9を介して取得可能である。なお,ローカルライン9は,例えば,例えばUSB(Univarsal Serial Bus)ケーブル,SCSI(Small Computer System Interface)ケーブル等の有線ケーブルなどで構成することができるが,無線できるように構成してもよい。
これらのコンテンツ処理装置10は,上記配信コンテンツデータや,作成したコンテンツデータを,他のコンテンツ処理装置10との間で,ネットワーク5やローカルライン9を介して送受信する,或いは記録媒体7を介してやり取りすることができる。これにより,複数のコンテンツ処理装置10間でコンテンツデータを提供/取得して,コンテンツデータを共有できる。
また,コンテンツ処理装置10は,上記のようにして自ら作成した作成コンテンツデータや,自ら配信を受けた配信コンテンツデータを再生することができる。また,コンテンツ処理装置10は,他のコンテンツ処理装置10から取得した作成コンテンツデータ若しくは配信コンテンツデータが再生許可されたものであれば,かかるコンテンツデータを再生することができる。
配信サーバ20は,例えば,電子音楽配信(EMD;Electronic Music Distribution)サービス等のコンテンツ配信サービスに用いられるサーバとして構成されている。この配信サーバ20は,サーバ機能を備えたコンピュータ装置などで構成される。
かかる配信サーバ20は,コンテンツ配信サービスのユーザが所有するコンテンツ処理装置10に対して,ネットワーク5を介してコンテンツデータを配信することができる。このとき,例えば音楽コンテンツを配信する場合には,例えば,コンテンツデータをMP3(MPEG Audio Layer−3)方式等で圧縮して配信することができる。
ネットワーク5は,複数のコンテンツ処理装置10および配信サーバ20を双方向通信可能に接続する通信回線網である。このネットワーク5は,例えば,インターネット,電話回線網,衛星通信網等の公衆回線網や,WAN,LAN,IP−VPN等の専用回線網などで構成されており,有線・無線を問わない。
さらに,かかるネットワーク5は,私的ネットワークを含んでもよい。この私的ネットワークとは,著作権管理の観点からみて,私的使用の範囲内でコンテンツデータを共有する複数のコンテンツ処理装置10を相互に接続するネットワークである。かかる私的ネットワークの具体例としては,例えば,同一ユーザによって使用される複数のコンテンツ処理装置10を接続するネットワークや,同一の家庭内で使用される複数のコンテンツ処理装置10を接続するホームネットワーク,小規模の限られたグループ(会社,友人等)内で使用される複数のコンテンツ処理装置10を接続するLANなどが挙げられる。
記録媒体7は,コンテンツデータ等の各種データを格納することが可能なリムーバブルメディアであり,例えば,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,CD−R,CD−RW,光磁気ディスク等の各種の光ディスク3や,フレキシブルディスク,ハードディスク等の磁気ディスク,各種の半導体メモリなどである。なお,この記録媒体7は,例えば,暗号キー等を用いてコンテンツデータのコピーや再生等を制限する著作権管理機能付きの記録媒体であってもよい。
この記録媒体7は,コンテンツ処理装置10間におけるコンテンツデータの提供/取得媒体として機能する。例えば,コンテンツ処理装置10−1によってコンテンツデータが書き込まれた記録媒体7を,コンテンツ処理装置10−2にローディングして当該コンテンツデータを読み出すことにより,コンテンツ処理装置10−1からコンテンツ処理装置10−2に対しコンテンツデータを提供することができる。さらに,コンテンツ処理装置10−1,2等は,ネットワーク5に接続不能なコンテンツ処理装置10−mとの間でも,記録媒体7を介してコンテンツデータを提供/取得することができる。
以上のような構成の著作権管理システム100は,複数のコンテンツ処理装置10間で,コンテンツデータを提供および取得(即ち,コピー)することにより,同一のコンテンツを共有することができる。さらに,グループIDを再生権として機能させることによって,コンテンツ処理装置10におけるコンテンツデータの再生を,グループID単位(コンテンツグループ単位)で許可/不許可することができる。さらに,かかる再生権グループIDに有効期限を設定することにより,複数のコンテンツデータの再生期限を,グループID単位で管理(設定,更新等)することができる。以下に,かかる著作権管理システム100を構成するコンテンツ処理装置10および配信サーバ20について,それぞれ詳細に説明する。
次に,図2に基づいて本実施形態にかかる配信サーバ20について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる配信サーバ20の構成を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように,配信サーバ20は,例えば,CPU202と,メモリ204と,通信装置210と,ストレージ装置214と,配信サービス実行部250とを備える。
CPU202は,演算処理装置および制御装置として機能し,コンテンツ処理装置10内の各部の処理を制御することができる。また,メモリ204は,例えば,RAM,ROM,キャッシュメモリなどで構成されており,CPU202の処理に関する各種データ,CPU202の動作プログラム等を一時的に記憶する機能を有する。
通信装置210は,例えば,通信回線,通信回路,通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置210は,コンテンツ処理装置10等の外部機器との間で,ネットワーク5を介して,配信コンテンツデータ,グループID,有効期限情報,各種制御信号などを送受信することができる。
ストレージ装置214は,例えば,ハードディスクドライブ等で構成されたデータ格納用の装置であり,プログラムなどの各種データを格納することができる。また,このストレージ装置214は,例えば,ユーザ登録データベース216,コンテンツデータベース217,課金情報データベース218を格納している。
ユーザ登録データベース216は,コンテンツ配信サービスに関するユーザ登録情報,サービス登録情報,機器登録情報,グループID,グループIDの有効期限情報などからなるデータベースである。また,コンテンツデータベース217は,コンテンツ配信サービスの配信対象である複数のコンテンツデータのデータベースである。また,課金情報データベース218は,ユーザごとの課金情報からなるデータベースである。また,配信サービス形態データベース219は,後述するような各種の配信サービス形態を定める配信サービス形態情報を含むデータベースである。
ここで,図3に基づいて,ユーザ登録データベース216について詳細に説明する。図3に示すように,ユーザ登録データベース216のデータテーブルには,例えば,「ユーザID」の項目2161と,「クレジットカード番号」の項目2162,「サービス区分」2163の項目と,「グループID」の項目2164と,「有効期限情報」の項目2165(「開始時刻」の項目2166,「終了時刻」の項目2167)と,「機器ID」の項目2168とが設けられている。
「ユーザID」の項目2161には,ユーザIDが書き込まれる。このユーザIDは,コンテンツ配信サービスにユーザ登録されるユーザが任意に選択可能な識別コードである。
「クレジットカード番号」の項目2162には,登録ユーザのクレジットカード番号が書き込まれる。このクレジットカード番号は,例えば,ユーザ認証を行うためのパスワードとして機能するとともに,サービス利用代金を課金する際の請求先としても機能する。
これらのユーザIDおよびクレジットカード番号などは,コンテンツ配信サービスの登録ユーザのユーザアカウント情報を構成する。なお,これら以外にも,ユーザ登録データベース216に,登録ユーザの氏名,住所,年齢,電話番号,性別,職業,課金方式,パスワード,音楽の嗜好などの各種のユーザ情報を含むようにしても良い。
「サービスID」2163の項目には,登録ユーザが選択した配信サービス形態のサービスIDが記載される。このサービスIDは,配信サービス形態単位で固有に付される。本実施形態にかかる配信サーバ20では,同一ユーザが複数の配信サービス形態を選択して,かかる複数の配信サービス形態による配信サービスを同時並行して利用することができるようになっている。このため,図13の例では,同一ユーザA(ユーザID;「Yamada Taro」)に対して,3つの配信サービス形態のサービスIDα,β,γが関連づけられている。この配信サービス形態の一例としては,例えば「月定額払いで,あらゆるジャンルの音楽コンテンツを聞き放題」などが挙げられるが,詳細については後述する。
「グループID」の項目2164には,登録ユーザが選択した配信サービス形態に対応するグループIDが書き込まれる。このグループIDは,上述したように「配信サーバ20にユーザ登録されたユーザが選択した配信サービス形態」単位で固有に付与される。このため,ユーザが異なれば別のグループIDが付与され,ユーザが選択した配信サービス形態が異なれば別のグループIDが付与される。具体的には,図3に示すように,3つの配信サービス形態に登録しているユーザAに対しては,「グループID−A1」,「グループID−A3」,「グループID−A3」という,それぞれ相異なる3つのグループIDが付与されている。また,2つの配信サービス形態に登録しているユーザBに対しては,「グループID−B1」,「グループID−B2」という,それぞれ相異なる2つのグループIDが付与されている。また,ユーザAとユーザBは異なるユーザであるので,たとえユーザAとユーザBが同一の配信サービス形態(サービスIDα)に登録していたとしても,ユーザAに付与される「グループID−A1」と,ユーザBに付与される「グループID−B1」が同一となることはない。
「有効期限情報」の項目2165には,各グループIDに対応する有効期限情報が書き込まれる。この有効期限情報は,例えば,「開始時刻」の項目2166の書き込まれる開始時刻情報と,「終了時刻」の項目2167に書き込まれる終了時刻情報とからなる。開始時刻情報は,グループIDの有効期間の開始時刻であり,現在時刻がこの開始時刻情報を過ぎるとグループIDが有効となる。一方,終了時刻情報は,グループIDの有効期間の終了時刻であり,現在時刻がこの終了時刻情報を過ぎるとグループIDが無効となる。かかる有効期限情報は,グループIDごとにそれぞれ設定されている。例えば,ユーザAの「グループID−A1」に対応する有効期限情報は,開始時刻情報が「2004.1.1 00:00:00」であり,終了時刻情報が「2005.1.1 00:00:00」であり,「グループID−A1」が1ヶ月間有効であることを示している。また,「グループID−A3,B1,B3」に対応する有効期限情報は,終了時刻情報が例えば「9999.12.31 00:00:00」となっているが,これは,「グループID−A3,B1,B3」の有効期限が無期限であることを示している。
以上のように,本実施形態にかかるグループIDの有効期限情報は,例えば,グループIDの有効期間として構成されている。しかし,かかる例に限定されず,上記グループIDの有効期限情報は,例えば,グループIDが無効となる時刻情報(上記終了時刻情報に対応)のみを含むようにしてもよい。また,本実施形態では,グループIDの有効期限情報は,年(year),月(month),日(day),時(hour),分(minite),秒(second)の情報を含む秒単位の日付時刻情報として構成されている。しかし,かかる例に限定されず,グループIDの有効期限情報は,例えば,年単位,月単位,または日単位の日付情報であってもよいし,時単位または分単位の日付時刻情報であっても良い。
「機器ID」の項目2168には,機器IDが書き込まれている。この機器ID(デバイスID)は,少なくともコンテンツの記録又は再生機能を有する全てのコンテンツ処理装置10単位で固有に付与される識別子であり,この機器IDによって,コンテンツ処理装置10を一意に識別することができる。かかる機器IDとしては,例えば,ターミナルID(Terminal ID),メディアID(MediaID)などがある。ターミナルIDは,例えば,PC等の情報処理装置で構成されたコンテンツ処理装置10に対して固有に付与される機器IDである。メディアIDは,録音デバイス,PD等で構成されたコンテンツ処理装置10が具備するストレージメディアに対して固有に付与されるIDである。本実施形態では,機器IDとして例えばターミナルIDが採用されている。
この「機器ID」の項目2168には,後述する登録処理を行う際のコンテンツ処理装置10の機器IDが,グループIDに関連付けて書き込まれる。これによって,コンテンツ処理装置10の機器登録が成されたことになる。かかる機器登録は,例えば,登録ユーザが選択した配信サービス形態ごとに行う必要がある。
登録ユーザは,このように配信サービス形態ごとに機器登録されたコンテンツ処理装置10を用いて,当該コンテンツ処理装置10が関連付けられた配信サービス形態の配信サービスを受けることができる。具体的には,図3の例では,「ユーザA」の「配信サービス形態α」を表す「グループID−A1」に対して,3つの「ターミナルID1,2,3」が関連付けられており,ユーザAは,自己が所有している複数のコンテンツ処理装置10のうち,これら「ターミナルID1,2,3」がそれぞれ付与された3台のコンテンツ処理装置10を利用して,「配信サービス形態α」のサービスを受けることができる。ところが,「ユーザA」の「配信サービス形態β」を表す「グループID−A2」には,2つの「ターミナルID1,2」しか関連付けられていないので,ユーザAは,これら「ターミナルID1,2」がそれぞれ付与された2台のコンテンツ処理装置10を利用して,「配信サービス形態β」のサービスを受けることができるが,「ターミナルID3」が付与されたコンテンツ処理装置10を利用して,「配信サービス形態α」のサービスを受けることはできない。
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかる配信サーバが提供する配信サービス形態の例および上記配信サービス形態データベース219の構造について説明する。なお,図4の例は,配信コンテンツが音楽コンテンツである場合を例示している。
図4に示すように,上記配信サービス形態データベース219は,例えば,複数の配信コンテンツ制限要素のデータテーブルT,N,G,A,…と,配信サービス形態情報のデータテーブルSとを含む。各配信コンテンツ制限要素のデータテーブルT,N,G,A,…は,配信コンテンツ制限要素の情報をそれぞれ含む。配信サービス形態情報のデータテーブルSは,各配信コンテンツ制限要素の組み合わせを規定する情報と,それらの配信サービス内容を表すテキスト情報と,上記配信サービス利用料金の情報と,を含む。
かかる配信サービス形態データベース219のデータテーブルを参照しながら,本実施形態にかかる配信サービス形態について説明する。本実施形態にかかる配信サービス形態は,例えば,各種の配信コンテンツ制限要素(各データテーブルT,N,G,A,…,参照。)と,配信サービス利用料金(データテーブルS参照。)とで定められる。
配信コンテンツ制限要素は,各配信サービス形態により配信可能な配信コンテンツを制限する要素である。この配信コンテンツ制限要素は,例えば,配信コンテンツの「利用期間」に関する制限要素(以下,制限要素Tと記載する),配信可能な「コンテンツ数」に関する制限要素(以下,制限要素Nと記載する),配信コンテンツの「ジャンル」に関する制限要素(以下,制限要素Gと記載する),配信コンテンツの「アーティスト」に関する制限要素(以下,制限要素Aと記載する)などがある。
「利用期間」に関する制限要素Tには,例えば,配信コンテンツの再生可能期間を,1年(T1),1カ月(T2),1週間(T3),1日(T4)に制限する要素,或いは,無制限(T5)にする要素,ユーザによって自由に設定可能な期間(T6)などが含まれる。また,「コンテンツ数(曲数)」に関する制限要素Gには,例えば,配信可能な音楽コンテンツの数(曲数)を,無制限(N1)にする要素,1000曲(N2),100曲(N3),50曲(N4),10曲(N5)に制限する要素などが含まれる。また,「ジャンル」に関する制限要素Gには,配信可能な音楽コンテンツのジャンルを,無制限(G1)にする要素,ジャズ(G2),ロック(G3),ポップス(G4),レゲエ(G5)に制限する要素などが含まれる。また,「ジャンル」に関する制限要素Gには,配信可能な音楽コンテンツのアーティストを,無制限(A1)にする要素,Jhon(A2),Bob(A3),Yamada(A4),Hikaru(A5)に制限する要素などが含まれる。
さらに,これらの配信コンテンツ制限要素T,N,G,A,…を組み合わせることによって,配信サービス内容が決定される(データテーブルS参照。)。例えば,上記配信コンテンツ制限要素のT1とN1とG2とA1とを組み合わせることによって,「1年間でジャズを聞き放題(即ち,1年間の利用期間内であれば,コンテンツ数の制限およびアーティストの制限無く,ジャズのジャンルに含まれる複数の音楽コンテンツを,配信サーバ20から受信して,機器登録したコンテンツ処理装置10で再生可能である)」という配信サービス内容が決定される。
さらに,このようにして決定される複数の配信サービス内容に対して,当該配信サービス内容に応じた価格の配信サービス利用料金を設定することで,複数の配信サービス形態(サービスIDα,β,γ,θ,…)が決定される。例えば,上記「1年間でジャズを聞き放題」という配信サービス内容に対しては,「S1,000」なる配信サービス利用料金が設定され,配信サービス形態αが定められる。
次に,上記のように決定される各種の配信サービス形態のサービスを,ユーザごと,登録機器ごとに提供する配信サービス実行部250の構成について説明する。
配信サービス実行部250は,コンテンツ処理装置10のユーザに対し,例えば有料でコンテンツデータを配信するコンテンツ配信サービスを実行するための構成要素である。この配信サービス実行部250は,例えば,配信サーバ20にインストールされたコンテンツ配信サービス用ソフトウェアなどによって構成されている。
この配信サービス実行部250は,図2に示したように,例えば,登録管理部252と,課金処理部254と,コンテンツ配信部256と,グループID付加部258とを備える。
登録管理部252は,コンテンツ配信サービスの利用を希望するユーザの登録処理,登録内容変更処理,登録解除処理などを行う。具体的には,登録管理部252は,例えば,ユーザ認証処理,配信サービス形態の選択および設定処理,グループIDの生成および付与処理,グループIDの有効期限情報の生成処理,コンテンツ処理装置10の登録処理,配信サービス形態の追加,変更処理,グループIDの有効期限情報の延長/短縮処理,コンテンツ処理装置10の追加登録処理等を行う。
かかる各処理について具体的に説明する。登録管理部252は,例えば,登録を希望するユーザのコンテンツ処理装置10からの登録要請に応じて,上記ユーザアカウント情報に基づいてユーザ認証処理を行った上で,ユーザの選択に応じて,1又は2以上の配信サービス形態を設定する。さらに,登録管理部252は,このように設定された配信サービス形態に対応するグループIDを生成し,当該ユーザに対して付与する。
この際,登録管理部252は,登録希望するユーザに対し,例えば,ユーザが選択した配信サービス形態ごとに1または2以上のグループIDを付与する。具体的に説明すると,図3に示したように,1つの配信サーバ20が提供する1つのコンテンツ配信サービスでは,ユーザIDは,各ユーザに対して1つだけ付与される。これに対し,グループIDは,同一ユーザが複数の配信サービス形態を選択した場合には,当該ユーザに対して複数のグループIDが配信サービス形態ごとに付与される。
また,登録管理部252は,例えば,上記のように設定された配信サービス形態で定められている利用期間等に基づいて,ユーザに付与したグループIDの有効期限情報をそれぞれ生成する。さらに,登録管理部252は,かかるグループIDと,当該グループIDの有効期限情報とを関連付けて,登録要請元のコンテンツ処理装置10に通知(送信)する。
このような処理において,ユーザから入力されたユーザアカウント情報や,生成されたサービスID,グループID,有効期限情報などは,登録管理部252によってユーザ登録データベース216に格納される。これにより,ユーザ登録および配信サービス形態の登録が完了する。
また,登録管理部252は,登録要請時或いは配信サービス形態選択時に,登録要請元のコンテンツ処理装置10から,当該コンテンツ処理装置10の機器ID(ターミナルID)を受信しており,かかる機器IDを,ユーザ登録データベース216に,上記付与されたグループIDと関連付けて格納する。これによって,当該コンテンツ処理装置10の機器登録が成されたことになる。
以上のような登録処理により,登録ユーザは,登録されたコンテンツ処理装置10を用いて,登録された配信サービス形態の範囲内で配信コンテンツを所得できるようになる。
また,登録管理部252はコンテンツ処理装置10の追加登録処理等を行うことができる。具体的には,既に上記のようなユーザ登録および機器登録を行ったユーザが,自己の所有する別のコンテンツ処理装置10を用いて機器の追加登録要請を行った場合には,登録管理部252は,かかる別のコンテンツ処理装置10の機器IDを,ユーザ登録データベース216における当該ユーザが既に登録している配信サービス形態のグループIDに関連付けて格納する。このように,コンテンツ処理装置10を追加登録することにより,上述したように,当該ユーザは複数のコンテンツ処理装置10を利用して,コンテンツ配信サービスを受けることができるようになる。
このような機器の追加登録を行う際,登録管理部252は,同一のグループID(同一ユーザの利用する同一の配信サービス形態)に関連付けて登録可能なコンテンツ処理装置10の上限数を設定することもできる。具体的には,登録管理部252は,同一のグループIDに対して関連付け可能なターミナルIDの上限数(例えば3個)を設定しておいてもよい。この場合,複数のコンテンツ処理装置10から,かかる上限数を越えた数の登録要請を受けた場合には,登録管理部252は,機器の追加登録を拒否する。これにより,同一ユーザが所有するコンテンツ処理装置10で,配信コンテンツデータを受信可能なコンテンツ処理装置10の数を制限できる。
また,登録管理部252は,登録ユーザのコンテンツ処理装置10から,配信サービス形態の追加要請,中止要請または変更要請があった場合には,新たな配信サービス形態の追加設定処理,既存の配信サービス形態の中止または変更設定処理を行うこともできる。具体的には,登録管理部252は,新たな配信サービス形態の追加設定処理や,既存の配信サービス形態の変更設定処理を行う場合には,例えば,上記登録処理と同様にして,新たなグループIDおよび有効期限情報を生成して,ユーザ登録データベース216に,追加/変更された配信サービス形態に対応する新たなグループIDおよび有効期限情報などを書き込むとともに,当該新たなグループIDおよび有効期限情報を,要請元のコンテンツ処理装置10に通知してもよい。また,登録管理部252は,既存の配信サービス形態の変更または中止設定処理を行う場合には,例えば,ユーザ登録データベース216から,変更または中止された配信サービス形態に対応するグループIDおよび有効期限情報を削除するとともに,グループIDおよび有効期限情報の削除指示情報を,要請元のコンテンツ処理装置10に通知することによって,コンテンツ処理装置10に保存されている当該グループIDおよび有効期限情報を削除させてもよい。
また,登録管理部252は,例えば,登録ユーザのコンテンツ処理装置10から,既存の配信サービス形態に関し,グループIDの有効期限情報の延長/短縮要請があった場合や,グループIDの有効期限情報の自動更新処理を行う場合などには,例えば,ユーザ登録データベース216内の既存のグループIDを更新/削除することなく,有効期限情報のみを更新(例えば,終了時刻を延長/短縮する上書き処理)し,要請元のコンテンツ処理装置10に対して,更新された有効期限情報を通知してもよい。
また,登録管理部252は,例えば,ユーザのコンテンツ処理装置10から,上記のような各種要請や,コンテンツ購入のための接続要請があった場合などには,例えば,当該ユーザのユーザ認証処理を行うことができる。このユーザ認証処理は,例えば,ユーザによって入力されたユーザアカウント情報と,ユーザ登録データベース216のユーザアカウント情報とに基づいて行われる。認証されたユーザは,例えば,コンテンツ配信部256へのログインが認められる。
課金処理部254は,例えば,コンテンツ配信サービスを利用するユーザに対して,上記設定された配信サービス形態に応じた額の支払いを求める課金処理を行う。この課金処理によって生じた請求金額,決済方法,決済日などの課金情報は,例えば,課金情報データベース218に保存される。
コンテンツ配信部256は,例えば,認証が得られたユーザに対して,配信可能なコンテンツデータのリストを閲覧させ,配信を所望する配信コンテンツデータを選択させる。さらに,コンテンツ配信部256は,ユーザの利用するコンテンツ処理装置10に対し,ネットワーク5を介して,上記選択された配信コンテンツデータを配信する。
グループID付加部258は,例えば,上記コンテンツ配信部256によってコンテンツ処理装置10に配信される配信コンテンツデータに対し,上記設定された配信サービス形態およびユーザに対応するグループIDを付加する。このため,配信コンテンツデータに付加されているグループIDによって,当該配信コンテンツデータの配信を受けたユーザと,当該配信コンテンツデータの配信サービス形態とを特定できる。換言すると,配信コンテンツデータに付加されているグループIDによって,当該配信コンテンツデータが,いかなるユーザが購入されたものであるか,および,いかなる配信サービス形態で配信されたものであるか,を識別できる。以下に,かかるグループIDの構造例,およびグループID付加部258によるグループIDの付加方式について説明する。
まず,図5に基づいて,本実施形態にかかるグループIDのデータ構造例について説明する。図5に示すように,グループIDは,例えば,16桁の符号(0〜9,A〜F等)から構成されている。このうち,上5桁(第1〜5桁目)は,コンテンツデータの属性を表す「ジャンルコード」であり,下11桁(第6〜16桁目)は,例えばグループIDの付与単位(例えば,配信サービスのユーザ単位,配信サービスのユーザが選択した配信サービス形態単位,コンテンツ処理装置単位など)ごとに固有の「ユニークID」である。
「ジャンルコード」は,例えば,「コンテンツ種類コード」,「グループID種類コード」,「会社・サービス種類コード」などといったコンテンツデータの属性情報を表している。
具体的には,1桁目の「コンテンツ種類コード」は,グループIDが付加されるコンテンツデータの種類を表すコードである。このコードが,例えば,「0」であれば音声コンテンツ,「1」であれば映像コンテンツ,「2」であれば電子図書コンテンツ,「3」であればソフトウェアコンテンツであることを表す。
また,2桁目の「グループID種類コード」は,グループIDの種類を表すコードである。このコードが「0」であれば,グループIDが,コンテンツ処理装置10によるリッピング,セルフレコーディング等によって作成される作成コンテンツ用のグループIDであることを表し,「1」であれば,グループIDが配信コンテンツ用のグループIDであることを表す。本実施形態にかかるグループIDは,配信コンテンツを対象としているので「1」が付されるが,後述する第2の実施形態にかかるグループIDは,作成コンテンツを対象としているので「2」が付される。
また,3〜4桁目の「会社・サービス種類コード」は,当該グループIDが付加されている配信コンテンツデータを配信するコンテンツ配信サービスの運営会社およびこの会社における上記配信サービス形態の種類を表すコードである。例えば,このコードが「0」であれば,「A会社が運営するαサービス」によってコンテンツデータが配信されたことを表す。
このようなジャンルコードをグループIDに含ませることにより,グループIDに基づいて,コンテンツデータの種類や,コンテンツデータの提供元を効率的かつ確実に識別・分類することができる。
また,5〜10桁目の「ユニークID」は,同一ジャンルコード内で固有のIDであり,例えばユーザやコンテンツ処理装置ごとに個々に割り当てられる。かかるユニークIDにより,コンテンツデータの所有者や,作成元の機器を具体的に特定することができる。
さらに,図6に基づいて,グループID付加部258によるグループIDの付加方式について説明する。図6に示すように,グループID付加部258は,例えば,暗号化技術を利用して,グループIDを付加した配信コンテンツデータのコンテンツファイルFを作成することができる。
このコンテンツファイルFは,例えば,コンテンツ暗号鍵で暗号化されたコンテンツデータと,著作権管理システム100のみが取り扱い可能なシステム共通鍵で暗号化されたコンテンツ暗号鍵と,グループIDを含むライセンスと,を含む。このライセンスは,改竄が検知できるように暗号化処理されている。このようなコンテンツファイルFを作成することにより,グループID付加部258は,グループIDをコンテンツデータに安全に埋め込むことができる。また,コンテンツ処理装置10は,例えば,暗号化されたコンテンツ鍵の復号およびライセンスの改竄チェックを行うことができるように,共通の秘密情報を保持している。このため,グループIDが付加されたコンテンツデータが著作権管理システム100内で共有されても,コンテンツデータに付加されたグループIDが改竄されることを好適に防止できる。
また,別のグループIDの付加方式として,例えば,グループID付加部258は,電子透かし(Digital Watermark)技術を利用して,コンテンツデータにグループIDを付加することもできる。即ち,コンテンツデータである映像データまたは音声データ自体に歪みを加え,電子透かし検出器のみによってコンテンツデータからグループIDを抽出できるようにしてもよい。これにより,複数のコンテンツ処理装置10間で,コンテンツデータがアナログデータとして転送された場合であっても,コンテンツデータ内にグループIDを維持することが可能となる。このため,コンテンツの著作権管理をより厳格に実行することが可能となる。
なお,このグループID付加部258は,配信コンテンツデータの配信を受けるコンテンツ処理装置10内に設けられてもよい。この場合には,コンテンツ処理装置10は,配信サーバ20からの配信コンテンツを受信した際などに,配信サービス形態等に対応するグループIDを配信コンテンツデータに対して付加するようにしてもよい。
以上,配信サーバ20の構成について詳細に説明した。かかる配信サーバ20は,例えば,コンテンツ配信サービスのユーザが選択した配信サービス形態ごとに固有のグループIDを付加した配信コンテンツデータを,コンテンツ処理装置10に対して配信する。また,配信サーバ20は,登録ユーザ所有のコンテンツ処理装置10のうち,上記機器登録されたコンテンツ処理装置10に対して,この登録ユーザの配信サービス形態単位で付与されたグループIDと,当該グループIDの有効期限情報を通知する。これにより,コンテンツ処理装置10において,任意のグループIDが付加された配信コンテンツデータを再生する場合,上記通知されたグループIDは再生権として機能し,上記通知されたグループIDの有効期限情報は,配信コンテンツデータの再生期限として機能する。
なお,本実施形態では,グループIDは,配信サーバ20に登録したユーザが選択した配信サービス形態単位で付与されたが,かかる例に限定されず,例えば,グループIDは,配信サーバ20に登録したユーザ単位(即ち,コンテンツ配信サービスのユーザ単位)で付与されてもよい。この場合には,グループIDは,コンテンツ配信サービスの配信サーバ20が異なれば別のIDとなり,ユーザが異なれば別のIDとなるが,ユーザが選択した配信サービス形態が異なっても同一ユーザであれば同一のIDとなる。これにより,配信コンテンツデータの再生期限を,コンテンツ配信サービスのユーザ単位で管理できるようになる。
次に,図7に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ処理装置10の構成について詳細に説明する。なお,図7は,本実施形態にかかるコンテンツ処理装置10の構成を概略的に示すブロック図である。なお,図7には,上記PC等で構成されたコンテンツ処理装置10の構成について例示している。
図7に示すように,コンテンツ処理装置10は,例えば,CPU102と,メモリ104と,入力装置106と,出力装置108と,通信装置110と,記録媒体用リーダライタ112と,ストレージ装置114と,登録・期限更新部120と,配信サービス利用部125と,コンテンツ記録部150と,コンテンツ提供部160と,コンテンツ取得部165と,コンテンツ再生部170と,リスト管理部180とを備える。
CPU102は,演算処理装置および制御装置として機能し,コンテンツ処理装置10内の各部の処理を制御することができる。また,メモリ104は,例えば,RAM,ROM,キャッシュメモリなどで構成されており,CPU102の処理に関する各種データ,CPU102の動作プログラム等を一時的に記憶する機能を有する。
入力装置106は,例えば,マウス,キーボード,タッチパネル,ボタン,スイッチ,レバー等の操作手段と,入力信号を生成してCPU102に出力する入力制御回路などから構成されている。コンテンツ処理装置10のユーザは,この入力装置106を操作することにより,コンテンツ処理装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置108は,例えば,CRTディスプレイ装置,液晶ディスプレイ(LCD)装置,ランプ等の表示装置や,スピーカ等の音声出力装置などで構成される。この出力装置108は,後述するコンテンツ再生部170によって再生されたコンテンツデータを出力することができる。具体的には,表示装置は再生された映像データや,電子図書,ゲーム,各種ソフトウェアのGUI画面等を表示する。一方,音声出力装置は,再生された音声データを発音することができる。なお,コンテンツ処理装置10が取り扱うコンテンツデータが,音声データのみである場合には表示装置は不要であり,一方,映像データのみである場合には音声出力装置は不要である。
通信装置110は,例えば,通信回線,通信回路,通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置110は,他のコンテンツ処理装置10や配信サーバ20等の外部機器との間で,ネットワーク5またはローカルライン7を介して,コンテンツデータ,再生許可IDリストL,制御信号などの各種データを送受信することができる。
記録媒体用リーダライタ112は,例えば,記録媒体7に対して,コンテンツデータ,再生許可IDリストなどの各種データを記録/再生する装置である。この記録媒体用リーダライタ112は,例えば,記録媒体7が光ディスク等である場合には,光ディスクドライブ等のディスク装置で構成され,また,記録媒体7が半導体メモリである場合には,半導体メモリ用のリーダライタなどで構成される。なお,この記録媒体用リーダライタ112は,例えば,コンテンツ処理装置10に内蔵されてもよいし,或いは外付けされてもよい。
ストレージ装置114は,例えば,ハードディスクドライブ,フラッシュメモリ等で構成されたデータ格納用の装置であり,プログラム,コンテンツデータなどの各種データを格納することができる。
このストレージ装置114は,本実施形態にかかる記憶手段として構成されている。即ち,ストレージ装置114は,グループIDが追加/削除される再生許可IDリストLを格納している。この再生許可IDリストLは,グループIDのリスト(グループIDリスト)であり,この再生許可IDリストLに含まれているグループIDが付加されたコンテンツデータは,コンテンツ処理装置10のコンテンツ再生部170によって再生可能である。この観点では,再生許可IDリストLは,再生権のリストとして機能する。かかる再生許可IDリストLは,例えば,ユーザによる改竄等を防止すべく,暗号化された状態若しくは署名が付された状態で格納される。
この再生許可IDリストLは,例えば,上記配信サーバ20からコンテンツ再生装置10に対して通知された1又は2以上のグループIDと,当該グループIDの有効期限情報とを保存している。つまり,配信サーバ20からコンテンツ処理装置10に対して通知されたグループIDの有効期限情報は,再生許可IDリストL内に,当該グループIDと関連付けられて書き込まれている。
具体的には,図8に示すように,再生許可IDリストLは,配信サーバ20から通知された例えば3つののグループID−A1,A2,A3と,各グループID−A1,A2,A3に対応する有効期限情報(開始時刻情報「2004.1.1 00:00:00」等,および終了時刻情報「2005.1.1 00:00:00」等)が,一対一対応で書き込まれている。この再生許可IDリストLは,図3に示したユーザ登録データベース216の例における,ユーザAに関する「グループID」の項目2164および「有効期限情報」の項目2167に対応している。上記のように,ユーザ登録処理および配信サービス形態の設定処理が成された場合には,配信サーバ20からコンテンツ処理装置10に対して,各配信サービス形態に対応したグループIDとその有効期限情報が通知される。後述する登録要請部120は,当該グループIDとその有効期限情報を受信して,再生許可IDリストLに追加する。
なお,配信サーバ20または他のコンテンツ処理装置10から,グループIDとその有効期限情報を所得していない場合(例えば,配信サーバにユーザ登録していない場合など)には,再生許可IDリストLは,グループIDが1つも含まれないこともあり得る。この場合には,コンテンツ処理装置10−1は,任意のグループIDが付加された配信コンテンツデータをいずれをも再生不能である。
なお,グループIDの有効期限情報は,必ずしも再生許可IDリストL内に格納されなくてもよく,ストレージ装置114内の別の記憶領域,例えば自己ID用データベース116に格納されてもよいし,その他のメモリ104または記録媒体7などに格納されてもよい。また,この再生許可IDリストLも,例えば,ストレージ装置114ではなく,メモリ104または記録媒体7などに格納されてもよい。
さらに,このストレージ装置114には,例えば,コンテンツ処理装置10自身に対応する機器IDを含む自己ID用データベース116が,格納されている。機器ID(例えばターミナルID)は,上記のようにコンテンツ処理装置10単位で固有に付与される識別子であり,この機器IDによって,コンテンツ処理装置10を一意に識別することができる。この機器IDおよびレコーダIDは,例えば,予めコンテンツ処理装置10の工場出荷時などに,暗号化されて自己ID用データベース116内に安全に格納されている。このため,コンテンツ処理装置10を所有するユーザは,かかる機器IDを改竄することはできない。
計時装置118は,本実施形態にかかる計時手段として構成されており,正確な現在時刻情報を生成して出力する。この計時装置118は,改竄防止用の手段が設けられた信頼のおける時計などで構成されている。このため,不正ユーザが,計時装置118の生成する現在時刻情報を改竄することで,配信コンテンツデータの再生期限を無効化してしまうことを防止できる。
登録・期限更新部120は,配信サーバ20に対して,例えば,ユーザ登録要請処理,コンテンツ処理装置10の追加登録要請処理,配信サービス形態の追加,中止,変更要請処理,などを行う。このために,登録・期限更新部120は,例えば,ユーザによって入力されたユーザアカウント情報(ユーザID,クレジットカード番号等),ユーザが所望する配信サービス形態を示すサービス選択情報,自己ID用データベース116から読み出した機器IDなどを,配信サーバ20に送信する。また,登録・期限更新部120は,配信サーバ20から,例えば,ユーザ認証完了通知,グループID,グループIDの有効期限情報,登録完了通知,グループIDおよび有効期限情報の削除指示情報などを受信する。この登録・期限更新部120は,例えば,サービスの新規登録時に,配信サーバ20から受信したグループIDおよびグループIDの有効期限情報を,再生許可IDリストLに追加して書き込む。
また,登録・期限更新部120は,配信サーバ20に対して,ユーザ登録解除要請処理を行うこともできる。この場合にも,登録時と同様に,グループ登録解除要請情報(例えば,グループ登録解除要請通知,ユーザID,クレジットカード番号,機器ID等)をサーバ20に送信する。登録解除が成された場合には,登録・期限更新部120は,再生許可IDリストLから,該当するグループIDとその有効期限情報を削除する。
さらに,登録・期限更新部120は,本実施形態にかかる期限更新部としても構成されている。この登録・期限更新部120は,例えば,再生許可IDリストLに含まれているグループIDの有効期限情報の更新(延長/短縮)を要請し,配信サーバ20から通知された有効期限更新情報に基づいて,グループIDの有効期限情報を更新する。この更新要請処理は,例えば,配信サーバ20に対して,更新要請情報(ユーザID,クレジットカード番号,機器ID,更新要請通知)を送信することによって成され,更新処理は,上記要請後に,例えば,ユーザが所望する希望更新期間を示す希望更新期限情報,ユーザが新たに所望する配信サービス形態を表すサービス選択情報等を送信することによってなされる。
例えば,配信サービス利用期間の延長(即ち,グループIDの有効期限情報の延長)を所望するユーザによって,更新要請の指示および更新要請情報の一部の入力がなされた場合には,登録・期限更新部120は,当該更新要請情報に機器IDを加えて,配信サーバ20に送信する。
また,登録・期限更新部120は,後述するコンテンツ再生部170から入力されたグループIDの期限切れ通知に応じて,配信サーバ20に対して,期限切れとなっているグループIDの有効期限情報の延長を要請してもよい。この際,登録・期限更新部120は,例えば,ユーザの更新希望の有無を確認した上で行っても良い。ユーザの更新希望の有無を確認する場合には,例えば,登録・期限更新部120は,ユーザに対し,コンテンツ処理装置10のユーザに対して期限切れとなっているグループIDがある旨を通知(例えば,出力装置108に当該旨を表示する等)することで,上記更新要請情報のうち例えばユーザID,クレジットカード番号,希望更新期間情報,サービス選択情報等の入力を促してもよい。かかる期限切れ通知に対応して,ユーザが上記更新要請情報のうちの各種情報を入力した場合には,登録・期限更新部120は,上記更新要請情報を配信サーバ20に送信する。
さらに,登録・期限更新部120は,上記更のような新要請に応じて,配信サーバ20から送信された当該グループIDとその有効期限更新情報を受信する。その後,登録・期限更新部120は,受信した当該グループIDとその有効期限更新情報に基づいて,再生許可IDリストL内において,期限切れとなっている当該グループIDの有効期限更新情報を更新する。
また,登録・期限更新部120は,再生許可IDリストLと,他のコンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLとを同期するようにしてもよい。ここでいう再生許可IDリストLの同期とは,相異なる複数の再生許可IDリストLを併合(マージ)することをいう。かかる再生許可IDリストLの同期処理により,双方の再生許可IDリストLに共有に含まれているグループIDの有効期限情報を,期限が長い(終了時刻がより遅い)方の有効期限情報に更新することが可能である。
なお,この再生許可IDリストLの同期処理は,例えば,同一のグループIDを所有するコンテンツ処理装置10間でのみ実行可能であるようにしてもよい。具体的には,登録・期限更新部120は,自己のコンテンツ処理装置10とネットワーク5またはローカルケーブル9等を介して接続された他のコンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLにアクセスし,当該再生許可IDリストLに含まれているグループIDが,自己のコンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLに含まれているグループIDの全部または一部と一致する場合にのみ,双方の再生許可IDリストLを同期可能であってもよい。
配信サービス利用部125は,上記配信サーバ20から送信された配信コンテンツデータを,ネットワーク5および通信装置110を介して受信する。即ち,コンテンツ処理装置10のユーザがコンテンツ配信サービスを利用してコンテンツデータを購入等すると,配信サービス利用部125は,上記配信サーバ20から配信コンテンツデータをダウンロードする。このように受信した配信コンテンツデータには,上記のように,配信サーバ20によってグループIDが付加されている。配信サービス利用部125は,受信した配信コンテンツデータを例えばストレージ装置114や記録媒体7等に記録する。
また,配信サービス利用部125は,例えば,コンテンツ配信サービスを利用するために必要なユーザ認証情報(ユーザID,パスワード等),課金情報,コンテンツ配信リクエスト情報などの各種情報を,配信サーバ20との間で送受信したり,これらの情報の入出力を支援したりすることができる。
なお,このような登録・期限更新部120および配信サービス利用部125は,例えば,利用するコンテンツ配信サービスに対応したコンテンツ配信サービス用のソフトウェアを,コンテンツ処理装置10にインストールすることによって構成される。また,ユーザが,複数の配信サーバ20によるコンテンツ配信サービスを利用する場合には,例えば,上記登録・期限更新部120および配信サービス利用部125は,ユーザが利用する各コンテンツ配信サービスごとに対応して,複数設けられてもよい。
コンテンツ記録部150は,例えば,ストレージ装置114または記録媒体用リーダライタ112などを制御して,上記配信サービス利用部125によって受信した配信コンテンツデータや,コンテンツ取得部165によって外部から取得されたコンテンツデータなどを,ストレージ装置114または記録媒体7などに記録することができる。
コンテンツ提供部160は,外部のコンテンツ処理装置10に対して,例えば,グループIDが付加された配信コンテンツデータなどを提供することができる。また,コンテンツ取得部165は,外部のコンテンツ処理装置10から,グループIDが付加された配信コンテンツデータなどを取得することができる。このコンテンツ提供部160およびコンテンツ取得部165は,このようなコンテンツデータの提供/取得処理を,例えば,ネットワーク5またはローカルライン9を介した送受信処理によって実行してもよいし,或いは,記録媒体7を介して実行してもよい。
ネットワーク5を介して当該コンテンツデータを提供/取得する場合には,例えば,コンテンツ提供部160は,通信装置110を制御して,ネットワーク5またはローカルライン9を介して当該コンテンツデータを送信するコンテンツ送信制御部として機能し,一方,コンテンツ取得部165は,通信装置110を制御して,ネットワーク5またはローカルライン9を介して当該コンテンツデータを受信するコンテンツ受信制御部として機能する。
一方,記録媒体7を介してコンテンツデータを提供/取得する場合には,例えば,コンテンツ提供部160は,記録媒体用リーダライタ112を制御して当該コンテンツデータを記録媒体に書き込むコンテンツライト制御部として機能し,一方,コンテンツ取得部165は,記録媒体用リーダライタ112を制御して当該コンテンツデータを記録媒体から読み出すコンテンツリード制御部として機能する。
コンテンツ再生部170は,例えば,コンテンツ再生機能を有する再生装置,あるいはコンテンツ処理装置10にインストールされたコンテンツ再生用ソフトウェアなどによって構成されており,各種のコンテンツデータを再生することができる。このコンテンツ再生部170によって再生されたコンテンツデータは,上記出力装置108から出力される。
また,コンテンツ再生部170は,自身に対応した再生許可IDリストLを例えばストレージ装置114内に有しており,上記グループIDが付加されたコンテンツデータを再生する場合には,そのグループIDが再生許可IDリストLに含まれているか否かに基づいて,コンテンツデータの再生を制御する。
ここで,図9に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ再生部170について詳細に説明する。なお,図9は,本実施形態にかかるコンテンツ再生部170の構成を概略的に示すブロック図である。
図9に示すように,コンテンツ再生部170は,例えば,再生制御部172と,再生実行部174とを備える。
再生制御部172は,再生要求されたコンテンツデータに付加されているグループIDと,再生許可IDリストLと,グループIDの有効期限情報と,現在時刻情報とに基づいて,当該コンテンツデータの再生を制御する。
また,再生実行部174は,上記再生制御部172からの再生指示信号に応じて,指定されたコンテンツデータを再生する。この再生実行部は,例えば,コンテンツ再生機能を有する再生装置またはコンテンツ再生用ソフトウェアなどで構成される。
ここで,再生制御部172による再生制御について詳細に説明する。まず,再生制御部172は,例えば,入力装置106から,ユーザによって指定されたコンテンツデータ(配信コンテンツデータ等)の再生要求を受け付けると,再生要求を受けたコンテンツデータをストレージ装置114または記録媒体7等から読み出し,かかるコンテンツデータにグループIDが付加されているか否かを判別する。コンテンツデータにグループIDが付加されていない場合には,再生制御部172は,著作権管理の不要なコンテンツデータであると判断して,コンテンツデータの再生を許可し,再生実行部174に対して当該コンテンツデータの再生指示信号を出力する。一方,コンテンツデータにグループIDが付加されている場合には,再生制御部172は,著作権管理の必要なコンテンツデータであると判断して,以下の処理を行う。
まず,再生制御部172は,上記コンテンツデータからグループIDを読み出し(抽出し),例えばストレージ装置114から再生許可IDリストLを読み出して解釈する。次いで,再生制御部172は,上記コンテンツデータから読み出したグループIDと,再生許可IDリストLに含まれているグループIDとを比較し,上記コンテンツデータから読み出したグループIDが再生許可IDリストLに含まれているか否かを判断する(第1の判断処理)。具体的には,この判断処理は,例えば,再生制御部172によって,再生許可IDリストLに書き込まれているグループID(再生権のあるグループID)を例えば1つずつ読み出して,上記コンテンツデータから読み出したグループIDと順次照合し,再生許可IDリストLに書き込まれているグループIDのうちで,上記コンテンツデータから読み出したグループIDと一致するものがあるか否かによって判断される。
この第1の判断処理の結果,コンテンツデータから読み出したグループIDが再生許可IDリストLに含まれていない場合には,再生制御部172は,当該コンテンツデータの再生を制限,例えば不許可し,再生指示信号を出力しない。このため,再生実行部174は当該コンテンツデータを再生不能である。
この第1の判断処理において配信コンテンツデータの再生が不許可されることは,コンテンツ処理装置10が,上記再生要求のあったコンテンツデータの再生権を有していないことを意味する。具体的には,例えば,(1)「上記再生要求のあったコンテンツデータが,異なるユーザが購入等して配信サーバ20から取得した配信コンテンツデータであること」,或いは,(2)「同一ユーザが購入等して配信サーバ20から取得した配信コンテンツデータではあるものの,コンテンツ処理装置10で再生が許可されている配信コンテンツデータとは異なる配信サービス形態によって取得された配信コンテンツデータであること」を意味する。
一方,上記第1の判断処理の結果,上記コンテンツデータから読み出したグループIDが再生許可IDリストLに含まれている場合には,再生制御部172は,まず,計時装置118から現在時刻情報を取得し,上記コンテンツデータから読み出したグループIDに対応する有効期限情報を再生許可IDリストLから読み出し,次いで,再生制御部172は上記取得した現在時刻情報が,上記コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報を越えているか否かを判断する(第2の判断処理)。
ここで,当該現在時刻情報が上記コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報を越えている場合とは,現在時刻情報が,当該読み出した有効期限情報の終了時刻情報よりも後である場合のみならず,現在時刻情報が,当該読み出した有効期限情報の開始時刻情報よりも前である場合も含む。従って,かかる第2の判断処理では,具体的には,再生制御部172は,上記現在時刻情報と,上記コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報の開始時刻情報と終了時刻情報とを比較し,当該現在時刻情報が,当該有効期限情報の終了時刻情報以前であり,かつ,当該有効期限情報の開始時刻情報以後であるか否かを判断する。
この第2の判断処理の結果,当該現在時刻情報が,当該読み出したグループIDの有効期限情報を越えている場合には,再生制御部172は,上記コンテンツデータの再生を不許可し,再生指示信号を出力しない。このため,再生実行部174は当該コンテンツデータを再生不能である。
この第2の判断処理において配信コンテンツデータの再生が不許可されることは,コンテンツ処理装置10が,上記再生要求のあったコンテンツデータの再生期限が例えば期限切れであることを意味する。具体的には,例えば,(1)「上記再生要求のあったコンテンツデータが,同一ユーザが購入等して配信サーバ20から取得した配信コンテンツデータであり」,かつ,(2)「コンテンツ処理装置10で再生が許可されている配信コンテンツデータと同じ配信サービス形態によって取得した配信コンテンツデータである」けれども,(3)「グループIDの有効期限が期限切れ,即ち当該グループIDに対応するユーザの配信サービス形態の利用期限が期限切れであること」を意味する。
一方,上記第2の判断処理の結果,当該現在時刻情報が,上記コンテンツデータ読み出したグループIDの有効期限情報を越えていない場合(当該現在時刻情報が,当該読み出した有効期限情報の終了時刻情報以前であり,かつ,当該読み出した有効期限情報の開始時刻情報以後である場合)には,再生制御部172は,当該コンテンツデータの再生を許可し,再生実行部174に対してコンテンツデータの再生指示信号を出力する。
このように,本実施形態にかかる再生制御部172は,再生許可IDリストLに含まれるグループIDが付加され,かつ,当該グループIDに有効期限が有効に存続しているコンテンツデータについては,全てのコンテンツデータの再生を許可する。
一方,上記のように,再生制御部172は,再生許可IDリストLに含まれていないグループIDが付加されたコンテンツデータ,および再生許可IDリストLに含まれているグループIDが付加されてはいるものの,当該グループIDの有効期限が切れているコンテンツデータの再生を完全に禁止するという再生制限を行う。なお,コンテンツデータの再生制限はかかる例に限定されず,例えば,再生制御部172は,当該コンテンツデータの再生を,時間的若しくは内容的に一部だけに限定して再生を許可する,画質,音質等を低下させて再生を許可する,或いは,最初の所定回(例えば1回)だけ再生を許可し以降は再生を禁止する,などといった再生制限を行うようにしてもよい。
また,再生制御部172は,例えば,上記のようにコンテンツデータから読み出したグループIDが,再生許可IDリストLに含まれているが,当該グループIDの有効期限情報が現在時刻情報を越えている場合には,例えば,かかるグループIDと期限切れ通知をリスト管理部186に出力する。
以上,本実施形態にかかるコンテンツ再生部170について詳細に説明した。なお,コンテンツ再生部170は,1つのコンテンツ処理装置10に2つ以上設けられてもよい。例えば,1つのコンテンツ処理装置10に2種以上のコンテンツ再生用ソフトウェアをインストールする,2台以上の再生装置を設ける,或いは,コンテンツ再生用ソフトウェアと再生装置を併用することなどにより,1つのコンテンツ処理装置10内に2つ以上のコンテンツ再生部170を構成することができる。
この場合,上記再生許可IDリストLは,複数のコンテンツ再生部170に対応してそれぞれ設けられてもよい。これにより,2つ以上のコンテンツ再生部170は,それぞれが所有する再生許可IDリストLに応じて,グループIDが付加されたコンテンツデータを再生制御できるようにできる。また,1つのコンテンツ処理装置10は再生許可IDリストLを1つだけ有するようにして,複数のコンテンツ再生部170によって1つの再生許可IDリストLを共用するようにしてもよい。これにより,同一のコンテンツ処理装置10内では,再生処理を行うコンテンツ再生部170に関わらず,グループIDが付加されたコンテンツデータの再生制御を統一できる。
以上,コンテンツ処理装置10の各構成要素について説明した。なお,コンテンツ処理装置10の種類によっては,上記全ての構成要素を必ずしも具備しなくてもよい。例えば,録音デバイス等のコンテンツ処理装置10Bは,例えば,登録・期限更新部120,配信サービス利用部125などを必ずしも具備しなくてもよい。また,PD等のコンテンツ処理装置10は,登録・期限更新部120,配信サービス利用部125,コンテンツ記録部150などを必ずしも具備しなくてもよい。
また,上記登録・期限更新部120,配信サービス利用部125,コンテンツ記録部150,コンテンツ提供部160,コンテンツ取得部165,コンテンツ再生部170,リスト管理部180などは,例えば,上記各機能を有するハードウェアとして構成されてもよいし,或いは,上記各機能を有するソフトウェアをコンテンツ処理装置10にインストールすることによって構成されてもよい。
次に,図10に基づいて,以上のような著作権管理システム100を利用した著作権管理方法の基本的なフローについて説明する。図10は,本実施形態にかかる著作権管理方法の基本的なフローを示すタイミングチャートである。
図10に示すように,まず,新規ユーザは,自己の所有するコンテンツ処理装置10によって,配信サーバ20に対し,配信サービス形態を選択して登録要請を行う(S10)。すると,配信サーバ20は,当該ユーザのユーザ認証処理を行った上で,ユーザが所望する配信サービス形態でユーザ登録し,コンテンツ処理装置10に対してグループIDと当該グループIDの有効期限情報を通知する(S12)。このように通知されたグループIDおよび有効期限情報を再生許可IDリストLに追加することによって,当該ユーザのコンテンツ処理装置10は,当該グループIDの有効期限情報で特定されるグループIDの有効期間(例えば1ヶ月)内に限り,登録した配信サービス形態で配信された複数の配信コンテンツデータを再生できるようになる。
次いで,登録されたユーザは,所望の配信コンテンツデータを取得したい場合には,自己のコンテンツ処理装置10を用いて,配信サーバ20に対して当該配信コンテンツデータの配信要求(購入要求)を行う(S14)。すると,配信サーバ20は,配信要求された配信コンテンツデータに対し,上記ユーザ登録時に当該ユーザ(詳細には,例えば等がユーザの選択した配信サービス形態)に付与されているグループIDを付加し(S16),かかるグループIDが付加された配信コンテンツデータC1をコンテンツ処理装置10に配信する(S18)。
さらに,登録されたユーザは,同一のサービス形態で配信可能な別の配信コンテンツデータを取得したい場合には,上記S14,16,18と同様な配信要求(S20),グループID付加(S22),コンテンツ配信(S24)の処理を経ることで,上記配信コンテンツデータC1と同一のグループIDが付加された配信コンテンツデータC2を取得する。なお,この配信コンテンツデータC2の,再生期限は,上記配信コンテンツデータC1と同一である。これは,本実施形態にかかる著作権システム100では,個々のコンテンツデータにライセンス(再生期限)を付与するのではなく,グループIDに対してライセンス(有効期限情報)を付与するからである。
よって,グループIDの有効期間(例えば1ヶ月)内であれば,先に配信された配信コンテンツデータC1,および後に配信された配信コンテンツデータC2の双方を再生可能である(S26)。しかし,グループIDの有効期限情報の終了時刻を経過し,グループIDが有効期限切れ(例えば1ヶ月超)となった場合には,たとえ配信コンテンツデータC1,C2の配信時から起算して上記グループIDの有効期間(1ヶ月)を経過していないとしても,双方の配信コンテンツデータC1,C2を再生不能となる(S28)。
そこで,ユーザは,さらに配信コンテンツデータC1,C2や,上記配信サービス形態で取得可能な別のコンテンツデータの再生を所望する場合には,前記グループIDの有効期限情報の更新要請を行う(S30)。すると,かかる更新要請に応じて,配信サーバ20は,ユーザ認証や課金処理等を行った上で,コンテンツ処理装置10に対して,上記グループIDの有効期限情報を延長する,或いは,新たなグループIDおよびその有効期限情報を通知するなどして,更新登録する(S32)。この結果,コンテンツ処理装置10では,上記配信コンテンツデータC1,C2を再度,再生可能となる(S34)。
次に,図11に基づいて,本実施形態にかかる著作権管理システム100における配信サーバ20にユーザ登録する処理について説明する。なお,図11は,著作権管理システム100におけるユーザ登録処理を示すタイミングチャートである。
図11に示すように,まず,ステップS102では,コンテンツ処理装置10の登録・期限更新部120は,配信サーバ20に対して登録を要請する(ステップS102)。ここでの登録は,例えば,新規ユーザ登録,配信サービス形態の追加登録,機器の追加登録などである。これらの登録のための登録要求処理を行う際,登録・期限更新部120は,ユーザ入力に応じてユーザ登録要請情報(例えば,グループ登録要請通知,ユーザID,クレジットカード番号等)を生成し,また,自己ID用データベース116から,機器ID(例えばターミナルID)を読み出し,これらの情報をネットワーク5介して配信サーバ20に送信する。
次いで,ステップS104では,配信サーバ20のユーザ認証部234が,登録要請元のコンテンツ処理装置10を所有するユーザの認証処理を行う(ステップS104)。このユーザ認証処理は,例えば,受信した上記グループ登録要請情報に含まれるユーザアカウント情報と,ユーザ登録データベース216のユーザアカウント情報とが一致するか否かに基づいて行われる。ユーザ認証が成されない場合には,登録処理は終了する。ユーザ認証が正常になされた場合には,ステップS106に進む。
さらに,ステップS106では,配信サーバ20の登録管理部252が,コンテンツ処理装置10に対して,認証通知を送信する(ステップS106)。かかる認証通知が成されると,コンテンツ処理装置10は,例えば,配信サーバ20におけるサービス選択処理を実行できるようになる
その後,ステップS108では,コンテンツ処理装置10が,ユーザ入力に基づいて,配信サービス形態選択情報及び/又は希望有効期間情報を配信サーバ20に送信する(ステップS106)。コンテンツ処理装置10のユーザは,入力装置106を操作して,コンテンツ処理装置10の例えばGUI画面上で,配信サーバ20で用意されている複数の配信サービス形態の中から,所望する配信サービス形態を選択する。このとき選択される配信サービス形態は,図4で説明したように,例えば,配信サービス形態α「1年間でジャズを聞き放題のサービス;料金$1,000」などといったサービスである。なお,この際,選択される配信サービス形態は,1つでも良いし複数であっても良い。ユーザによって配信サービス形態が選択されると,コンテンツ処理装置10は,当該選択された配信サービス形態に対応する配信サービス形態選択情報を生成し,配信サーバ20に送信する
また,ユーザは,利用期間が予め定められている配信サービス形態を選択する代わりに,上記図4の「T6」で示すように,サービスの利用期間(グループIDの有効期限)を自由設定できる配信サービス形態を選択してもよい。この場合には,ユーザは,自己の所望する配信サービス形態の有効期限(グループIDの有効期間)を,コンテンツ処理装置10に自ら入力して設定する。この場合には,コンテンツ処理装置10は,希望有効期間情報を生成して,上記「T6」の配信サービス形態選択情報とともに,配信サーバ20に送信する。
次いで,ステップS110では,配信サーバ20の登録管理部252が,受信した配信サービス形態選択情報に基づいて,上記選択された配信サービス形態を,当該ユーザおよび登録要請元のコンテンツ処理装置10に対して設定する(ステップS110)。
さらに,ステップS112では,配信サーバ20の登録管理部252が,登録要請元のユーザおよび選択された配信サービス形態に対応するグループIDを生成して,当該ユーザに対して付与する(ステップS112)。このグループIDによって,コンテンツ配信サービスのユーザと,このユーザが選択した配信サービス形態とを特定できる。なお,複数の配信サービス形態が同時に選択された場合には,当該配信サービス形態に対応する複数のグループIDが付与される。
その後,ステップS114では,配信サーバ20の登録管理部252は,例えば,上記のように設定された配信サービス形態ごとに定められている利用期間,或いは上記受信した希望有効期間に基づいて,ユーザに付与したグループIDの有効期限情報をそれぞれ生成する。(ステップS114)。
次いで,ステップS116では,配信サーバ20の登録管理部252が,登録処理および課金処理を行う。(ステップS116)。登録管理部252は,ユーザから入力されたユーザアカウント情報,生成されたサービスID,グループIDおよび有効期限情報などをユーザ登録データベース216に格納する。これにより,当該ユーザのユーザ登録および配信サービス形態の登録,およびコンテンツ処理装置10の機器登録が完了する。さらに,配信サーバ20は,上記登録された配信サービス形態に応じた課金処理を行う。本実施形態にかかる配信サーバ20は,配信サービス形態として,例えば月定額聞き放題サービスなどが設定できる。このため,本ステップでの課金処理は,従来のコンテンツ配信数,データ量等に応じた従量制の課金処理ではなく,定額制前払い等の課金処理が可能である。
さらに,ステップS118では,配信サーバ20の登録管理部252が,登録要請元のコンテンツ処理装置10に対し,上記S114でユーザに対して付与されたグループIDと,上記S116で生成された当該グループIDの有効期限情報とを通知する。(ステップS118)。この際,登録管理部252は,登録完了通知を生成し,グループID有効期限情報とともにコンテンツ処理装置10に送信してもよい。
その後,ステップS120では,登録要請元のコンテンツ処理装置10の登録・期限更新部120が,配信サーバ20から通知されたグループIDおよび有効期限情報を,コンテンツ処理装置10内に安全に格納する。例えば,この通知されたグループIDおよび有効期限情報は,例えば図8で示したように,ストレージ装置114に保存されている再生許可IDリストL内に,相互に関連付けて書き込まれる。
以上により,ユーザ,配信サービス形態およびコンテンツ処理装置10の登録処理が完了する。これにより,登録ユーザは,登録されたコンテンツ処理装置10を用いて,グループIDの有効期限内で,配信コンテンツデータを受信して再生できる。なお,一旦ユーザ登録を行ったユーザは,自己の所有する他のコンテンツ処理装置10を,同一の配信サービス形態に登録するためには,上記のような処理を繰り返せばよい。これにより,ユーザは,当該他のコンテンツ処理装置10と,上記先に登録したコンテンツ処理装置10との双方を利用して,同一の配信サービス形態でサービスを受けることができる。さらに,コンテンツ処理装置10の機器登録数の上限に抵触しなければ,さらに多くのコンテンツ処理装置10を同一ユーザの同一配信サービス形態に登録することができる。
また,同一ユーザが,上記とは異なる他の配信サービス形態を登録するためには,配信コンテンツデータの受信に利用することを所望する全てのコンテンツ処理装置10を用いて,上述した登録処理を行えばよい。
次に,図12に基づいて,本実施形態にかかる著作権管理システム100のコンテンツ処理装置10(コンテンツ再生装置)における配信コンテンツ再生制御処理について説明する。図12は,本実施形態にかかる配信コンテンツ再生制御処理を示すフローチャートである。
図12に示すように,まず,ステップS202では,例えばユーザによって再生要求が成される(ステップS202;再生要求ステップ)。この再生要求は,ユーザは,コンテンツ処理装置10の入力装置106を操作して,所望の配信コンテンツデータを選択し,選択した配信コンテンツデータを再生するようにコンテンツ処理装置10のコンテンツ再生部170に対して指示する。
次いで,ステップS204では,配信コンテンツデータに付加されているグループIDが読み出される(ステップS204;グループID抽出ステップ)。コンテンツ処理装置10のコンテンツ再生部170は,上記再生要求された配信コンテンツデータをストレージ装置114または記録媒体7等から読み出し,この読み出した配信コンテンツデータに付加されているグループIDを読み出し(抽出)して解釈する。
さらに,ステップS206では,上記読み出したグループIDが,コンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLに含まれているか否かが判定される(ステップS206;第1の判断ステップ)。具体的には,コンテンツ再生部170の再生制御部172は,例えばストレージ装置114から再生許可IDリストLを読み出して解釈する。次いで,再生制御部172は,上記コンテンツデータから読み出したグループIDと,再生許可IDリストLに含まれているグループIDとを比較し,上記コンテンツデータから読み出したグループIDが再生許可IDリストLに含まれているか否かを判断する(第1の判断ステップ)。
この判断の結果,配信コンテンツデータから読み出したグループIDが,再生許可IDリストLに含まれている場合には,再生制御部172は当該配信コンテンツデータの再生を許可し,ステップS208に進む。一方,配信コンテンツデータから読み出したグループIDが,再生許可IDリストLに含まれていない場合には,再生制御部172は当該配信コンテンツデータの再生を許可せず,再生制御処理を終了する。
さらに,ステップS208では,現在時刻情報が取得される(ステップS208;現在時刻取得ステップ)。再生制御部172は,計時装置118が生成した現在時刻情報を取得する。
その後,ステップS210では,上記取得した現在時刻情報が,上記コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報を越えているか否かが判断される(ステップS210;第2の判断ステップ)。具体的には,再生制御部172は,まず,上記配信コンテンツデータから読み出したグループIDに対応する有効期限情報を,再生許可IDリストLから読み出す。上記配信コンテンツデータから読み出したグループIDは,再生許可IDリストLに含まれる(第1の判断ステップ)から,上記配信コンテンツデータから読み出されたグループIDに対応する有効期限情報は,例えば再生許可IDリストL内に,当該グループIDと関連付けられて記録されている。そこで,再生制御部172は,再生許可IDリストLから当該グループIDの有効期限情報を読み出す。
次いで,再生制御部172は,上記取得した現在時刻情報が,上記コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報(以下,「第1の有効期限情報」という)を越えているか否かを判断する(第2の判断ステップ)。具体的には,例えば,再生制御部172は,現在時刻情報と,上記第1の有効期限情報の開始時刻情報と終了時刻情報とを比較し,現在時刻情報が,第1の有効期限情報の終了時刻情報以前であり,かつ,第1の有効期限情報の開始時刻情報以後であるか否かを判断する。
この第2の判断処理の結果,現在時刻情報が,第1の有効期限情報を越えている場合には,グループIDの有効期限が期限切れとなっている。このため,再生制御部172は,上記コンテンツデータの再生を不許可し,ステップS212に進む。
一方,上記第2の判断処理の結果,当該現在時刻情報が,上記第1の有効期限情報を越えていない場合(当該現在時刻情報が,当該読み出した有効期限情報の終了時刻情報以前であり,かつ,当該読み出した有効期限情報の開始時刻情報以後である場合)には,再生制御部172は,当該コンテンツデータの再生を許可し,ステップ216に進み,当該配信コンテンツデータを再生する(ステップS216)。
次いで,ステップS212では,配信サーバ20に対し,上記第1の有効期限情報の更新要請を行うか否かが判断される(ステップS212;更新要請判断ステップ)。上記第1の有効期限情報は,期限切れとなっているので,このままでは,グループIDが付加された配信コンテンツデータの再生を行うことができない。
そこで,本ステップでは,配信サーバ20に対し,上記第1の有効期限情報の更新要求をするか否かが判断される。この判断は,コンテンツ処理装置10の登録・期限更新部120が自動的に行っても良い。この場合には,例えば,常に更新要請を行う/行わない,または所定の基準を満たした場合にのみ更新要請するなどしてもよい。或いは,登録・期限更新部120が,ユーザに対し,コンテンツ処理装置10のユーザに対して,上記配信コンテンツデータに付加されたグループID期限切れであるため,当該配信コンテンツデータが再生不能である旨を通知して,ユーザに更新要請するか否かを判断させても良い。
かかる判断の結果,更新要請を行うと判断された場合には,ステップS214に進み,後述する有効期限更新処理を行った後,ステップS208に戻り,上記のような処理を繰り返す。一方,更新要請を行うと判断された場合には,配信コンテンツデータを再生することなく,全てのステップが終了する。
以上のように,配信コンテンツデータの再生制御処理は,配信コンテンツデータに付加されているグループIDと,このグループIDの有効期限情報と,再生許可IDリストLとに基づいて実行される。かかる再生制御によれば,グループID単位でコンテンツデータの再生の有効期限を設定して,コンテンツデータの再生を許可/不許可することができる。よって,配信コンテンツデータの再生許可/不許可処理,並びに再生期限の設定,更新を,所定の基準でグループ化された複数の配信コンテンツデータ(例えば同一ユーザの所有する配信コンテンツデータや,同一の配信サービス形態で同一のユーザに対し配信された配信コンテンツデータなど)単位で実行できる。
次に,図13に基づいて,本実施形態にかかる著作権管理システム100における有効期限更新処理について説明する。なお,図13は,著作権管理システム100における有効期限更新処理を示すタイミングチャートである。
図13に示すように,まず,ステップS302では,コンテンツ処理装置10の登録・期限更新部120は,配信サーバ20に対して有効期限の更新要請を行う(ステップS302)。この更新要請処理は,例えば,配信サーバ20に対して,更新要請情報(例えば,ユーザID,クレジットカード番号,機器ID,更新要請通知)を送信することによって成される。かかる更新要請は,例えば,(1)配信サービス利用期間の延長(即ち,グループIDの有効期限情報の延長)を所望するユーザによって,更新要請の指示および更新要請情報の一部の入力がなされた場合や,(2)上述したように,グループIDの有効期限情報の期限切れにより配信コンテンツデータを再生不能で唖配信コンテンツデータ再生不能であるため,再生制御部182から更新の要請があった場合などになされる。
これらの登録のための登録要求処理の具体的には,登録・期限更新部120は,ユーザ入力に応じてユーザ登録要請情報(例えば,グループ登録要請通知,ユーザID,クレジットカード番号等)を生成し,また,自己ID用データベース116から,機器ID(例えばターミナルID)を読み出し,これらの情報をネットワーク5介して配信サーバ20に送信する。
次いで,ステップS304では,配信サーバ20のユーザ認証部234が,登録要請元のコンテンツ処理装置10を所有するユーザの認証処理を行う(ステップS304)。このユーザ認証処理は,例えば,受信した上記グループ登録要請情報に含まれるユーザアカウント情報と,ユーザ登録データベース216のユーザアカウント情報とが一致するか否かに基づいて行われる。ユーザ認証が成されない場合には,有効期限更新処理は終了する。ユーザ認証が正常になされた場合には,ステップS306に進む。
さらに,ステップS306では,配信サーバ20の登録管理部252が,コンテンツ処理装置10に対して,認証通知を送信する(ステップS306)。かかる認証通知が成されると,コンテンツ処理装置10は,例えば,配信サーバ20におけるサービス選択処理,更新期間指定処理などを実行できるようになる
その後,ステップS308では,コンテンツ処理装置10が,ユーザ入力に基づいて,配信サービス形態選択情報及び/又は希望更新期間情報を配信サーバ20に送信する(ステップS306)。コンテンツ処理装置10のユーザは,入力装置106を操作して,コンテンツ処理装置10の例えばGUI画面上で,配信サーバ20で用意されている複数の配信サービス形態の中から,有効期限の更新後に所望する配信サービス形態を選択する。
例えば,配信サービス形態β「1ヶ月間でJhonの曲を10曲まで聞ける;料金0$」なる配信サービス形態に登録していたユーザは,より多く,長く「Jhon」の曲を聴きたいため「1年間でJhonの曲を聞き放題」なる配信サービス形態を選択しても良い。この場合,新たな配信サービス形態(グループIDが相異なる。)を選択することになるため,システム処理上では,新規の配信サービス形態の登録処理と略同一の処理(図11参照。)となる。このため,コンテンツ処理装置10は,ユーザ入力に基づいて,新たな配信サービス形態に対応した配信サービス形態選択情報を配信サーバ20に送信する。
また,上記ユーザが,上記配信サービス形態β「1ヶ月間でJhonの曲を10曲まで聞ける;料金0$」をさらに1ヶ月延長したい場合には,同一人が同一配信サービス形態を選択することになる。このため,ユーザは希望更新期限情報として「1ヶ月」を入力して更新してもよく,この場合,コンテンツ処理装置10は,かかる希望更新期間情報を配信サーバ20に送信する配信サーバ20に送信する。
なお,本ステップで,選択される配信サービス形態は,1つでも良いし複数であっても良い。ユーザによって配信サービス形態が選択されると,コンテンツ処理装置10は,当該選択された配信サービス形態に対応する配信サービス形態選択情報を生成し,配信サーバ20に送信する。
また,ユーザは,利用期間が予め定められている配信サービス形態を選択する代わりに,上記図4の「T6」で示すように,サービスの利用期間(グループIDの有効期限)を自由設定できる配信サービス形態を選択してもよい。この場合には,ユーザは,自己の所望する配信サービス形態の有効期限(グループIDの有効期間)を,コンテンツ処理装置10に自ら入力して設定する。この場合には,コンテンツ処理装置10は,希望更新期限情報を生成して,上記「T6」の配信サービス形態選択情報とともに,配信サーバ20に送信する。
次いで,ステップS310では,配信サーバ20の登録管理部252が,受信した配信サービス形態選択情報に基づいて,上記選択された配信サービス形態を,当該ユーザおよび登録要請元のコンテンツ処理装置10に対して設定する(ステップS310)。
さらに,ステップS312では,配信サーバ20の登録管理部252が,登録要請元のユーザおよび選択された配信サービス形態に対応するグループIDを生成して,当該ユーザに対して付与する(ステップS312)。
その後,ステップS314では,配信サーバ20の登録管理部252は,例えば,上記のように設定された配信サービス形態ごとに定められている利用期間,或いは上記受信した希望更新期間情報に基づいて,ユーザに付与したグループIDの有効期限更新情報をそれぞれ生成する。(ステップS314)。なお,新たな配信サービス形態を選択した場合には,この有効期限更新情報は,例えば,上記新規配信サービス形態登録時に生成される有効期限情報と同一であっても良い。また,希望更新期限情報が送信された場合には,当該希望更新期限情報に基づいて,有効期限更新情報が生成される。
次いで,ステップS316では,配信サーバ20の登録管理部252が,更新登録処理および課金処理を行う。(ステップS316)。かかる更新登録処理および課金処理は,上記登録処理と略同一である。
さらに,ステップS318では,配信サーバ20の登録管理部252が,登録要請元のコンテンツ処理装置10に対し,上記S314でユーザに対して付与されたグループIDと,上記S316で生成された当該グループIDの有効期限更新情報とを通知する。(ステップS318)。
その後,ステップS320では,登録要請元のコンテンツ処理装置10の登録・期限更新部120が,配信サーバ20から通知されたグループIDおよび有効期限更新情報を,コンテンツ処理装置10内に安全に格納する。配信サービス形態が変更されずに,有効期限のみが延長された場合には,再生許可IDリストL内の該当するグループIDに関連付けて有効期限更新情報を追加する。
以上により,ユーザ,配信サービス形態およびコンテンツ処理装置10の有効期限更新処理が完了する。これにより,登録ユーザは,登録されたコンテンツ処理装置10を用いて,更新されたグループIDの有効期限情報内で,配信コンテンツデータを受信して再生できる。
次に,本発明の第2の実施形態にかかる著作権管理システム100について説明する。第2の実施形態にかかる著作権管理システム100は,上記第1の実施形態にかかる著作権管理システム100と比して,コンテンツデータの記録機能を有するコンテンツ処理装置10(記録デバイス等)が作成した作成コンテンツデータに対し,当該コンテンツ処理装置10単位でグループIDを付加する点で相違するのみであり,その他の機能構成は,上記第1の実施形態の場合と略同一であるので,その説明は省略する。
まず,図14に基づいて,本発明の第2の実施形態にかかるコンテンツ処理装置10の構成について詳細に説明する。なお,図14は,本実施形態にかかるコンテンツ処理装置10の構成を概略的に示すブロック図である。
図14に示すように,コンテンツ処理装置10は,例えば,CPU102と,メモリ104と,入力装置106と,出力装置108と,通信装置110と,記録媒体用リーダライタ112と,ストレージ装置114と,コンテンツ作成部130と,グループID付加部140と,コンテンツ記録部150と,コンテンツ提供部160と,コンテンツ取得部165と,コンテンツ再生部170と,有効期限設定部180と,リスト管理部190と,を備える。
このうち,CPU102と,メモリ104と,入力装置106と,出力装置108と,通信装置110と,記録媒体用リーダライタ112と,コンテンツ提供部160と,コンテンツ取得部165と,コンテンツ再生部170と,は上記第1の実施形態の場合と略同一の機能構成を有するので詳細説明は省略する。
ストレージ装置114は,例えば,ハードディスクドライブ,フラッシュメモリ等で構成されたデータ格納用の装置であり,プログラム,コンテンツデータなどの各種データを格納することができる。このストレージ装置114は,本実施形態にかかる記憶手段として構成されており,上記のような再生許可IDリストLとを格納している。この再生許可IDリストLは,例えば,ユーザによる改竄等を防止すべく,暗号化された状態若しくは署名が付された状態で格納される。
この再生許可IDリストLには,グループIDが追加/削除される。本実施形態にかかるグループIDは,コンテンツデータの記録機能を有するコンテンツ処理装置10に対して固有に付与されるID(レコーダID)である。本実施形態では,コンテンツ処理装置10自身に付与されたグループIDは,この再生許可IDリストL内に含まれるようにして,格納されている。これにより,コンテンツ処理装置10は,自身が記録したコンテンツデータ,即ち,自身のグループIDが付加されたコンテンツデータを再生できる。
さらに,このストレージ装置114には,例えば,コンテンツ処理装置10自身に対応する機器IDおよびグループID(レコーダ)を含む自己ID用データベース116が,格納されている。機器ID(デバイスID)は,少なくともコンテンツの記録又は再生機能を有する全てのコンテンツ処理装置10単位で固有に付与される識別子であり,この機器IDによって,コンテンツ処理装置10を一意に識別することができる。かかる機器IDは,例えば,ターミナルID(Terminal ID),メディアID(MediaID)などがある。ターミナルIDは,例えば,PC等の情報処理装置で構成されたコンテンツ処理装置10Aに対して固有に付与される機器IDである。メディアIDは,録音デバイス,PD等で構成されたコンテンツ処理装置10B,Cが具備するストレージメディアに対して固有に付与されるIDである。このため,グループIDは,再生専用のコンテンツ処理装置10に対しては付与されない。従って,再生専用のコンテンツ処理装置10の自己ID用データベース116には,グループIDは格納されていない。
このような,機器IDおよびグループID(レコーダID)は,例えば,予めコンテンツ処理装置10の工場出荷時などに,暗号化されて自己ID用データベース116内に安全に格納されている。このため,コンテンツ処理装置10を所有するユーザは,かかる機器IDおよびグループIDを改竄することはできない。
コンテンツ作成部130は,コンテンツデータを新規に作成することができる。かかるコンテンツ作成部130を有するコンテンツ処理装置10は,例えば,セルフレコーディング(自己録音・録画等)やリッピング(ripping)などによって,新規にコンテンツデータを作成して記録することができる。なお,セルフレコーディングとは,コンテンツ処理装置10自身が有する集音装置若しくは撮像装置によって集音/撮像した音声/映像や,通信装置によって受信した音声/映像を,音声データ/映像データとして記録することをいう。また,リッピングとは,音楽CD,ビデオDVD,ソフトウェア用CD−ROM等の記録媒体に記録されているデジタル形式のコンテンツデータ(音声データや映像データ等)を抽出し,コンピュータ装置等で処理可能なファイル形式に変換して記録することをいう。
このコンテンツ作成部130は,例えば,リッピング部132と,セルフレコーディング部132,コンテンツ編集部134とを備える。
リッピング部132は,音楽CDや映像用DVD等の記録媒体に記録されているデータをリッピングすることができる。具体的には,リッピング部132は,例えば,ユーザ入力に基づいて記録媒体用リーダライタ112を制御して,上記記録媒体から音楽/映像データ等のファイルを取り出し,かかる音楽/映像データをコンテンツ処理装置10で処理可能なファイル形式(例えばMP3形式等)に変換して,コンテンツデータを作成する。リッピング対象としては,CDおよび自己記録の場合のいずれも含む。このリッピング部132は,例えば,リッピング用のソフトウェアをコンテンツ処理装置10にインストールすることによって構成される。
セルフレコーディング部132は,自己録音・録画によってコンテンツデータを新規に作成することができる。このセルフレコーディング部132は,例えば,マイクロフォン等の集音装置やカメラ等の撮像装置と,録音・録画装置と,これらの装置を制御する記録制御部などを備える。かかるセルフレコーディング部132は,例えば,ユーザ入力に基づいて,コンテンツ処理装置10の周辺の音声を集音したり被写体を撮像したりすることにより,音声データまたは映像データ等を生成し,かかるデータに所定のデータ処理を施してコンテンツデータを新規作成する。また,セルフレコーディング部132は,通信装置110等を介して受信したテレビ番組,ラジオ番組などの映像/音声データを,記録可能なフォーマットに変換して,新規コンテンツデータを作成することもできる。
コンテンツ編集部134は,1または2以上のコンテンツデータを編集(加工,合成,連結等)することにより,ユーザ固有の新たなコンテンツデータを生成することができる。また,コンテンツ編集部134は,例えば,ユーザ入力に基づいて,描画処理を行って新規映像データを作成したり,作曲処理を行って音声データを新規生成したり,文書作成処理を行って新規電子図書データを作成したり,プログラムリストからなる新規ソフトウェアを作成したりすることもできる。このコンテンツ編集部134は,例えば,コンテンツ編集/作成用のソフトウェアをコンテンツ処理装置10にインストールすることによって構成される。
このようなコンテンツ作成部130によって作成されたコンテンツデータ(作成コンテンツデータ)は,グループID付加部140に出力される。
グループID付加部140は,例えば,上記コンテンツ作成部130によって作成された作成コンテンツデータに対して,コンテンツ処理装置10自身に対応するグループIDを付加する。具体的には,グループID付加部140は,上記ストレージ装置114の自己ID用データベースに格納されているグループIDを読み出し,この読み出したグループIDを作成コンテンツデータに付加する。
このグループIDの付加タイミングは,例えば,コンテンツ作成部130によるコンテンツデータの作成完了時点である。このようにして,コンテンツデータにグループIDを即座に付加することにより,著作権管理が必要なコンテンツデータについては,システム内でコンテンツデータが流通する前に確実にグループIDを埋め込むことができる。なお,グループIDの付加タイミングは,かかる例に限定されず,例えば,作成コンテンツデータの初回再生時,作成コンテンツデータのコピー時,他のコンテンツ処理装置10への作成コンテンツデータの提供時,などであってもよい。
コンテンツ記録部150は,例えば,ストレージ装置114または記録媒体用リーダライタ112などを制御して,上記グループID付加部140によってグループIDが付加された作成コンテンツデータ
有効期限設定部180は,再生許可IDリストLに含まれるグループIDに対して有効期限情報を設定する。この有効期限設定部180が設定する有効期限情報は,例えば,図8に示したように開始時刻と終了時刻からなる有効期間である。この有効期限設定部180は,グループIDに対して設定した有効期限情報を,コンテンツ処理装置10自身の再生許可IDリストLまたは他のコンテンツ処理装置10の再生許可IDリストL内に,当該グループIDに関連付けて記録できる。
このように有効期限設定部180によって,グループIDに有効期限をも受けることにより。作成コンテンツデータを取得したコンテンツ処理装置10は,有効期限設定部180が設定したグループIDの有効期限内でなければ,当該グループIDが付加されたコンテンツデータを再生できない。
また,この有効期限設定部180は,例えば,コンテンツ処理装置10−1自身と他のコンテンツ処理装置10−2が例えばローカルライン9等でローカルに接続されたときに限り,他のコンテンツ処理装置10−2の再生許可IDリストL−2内に含まれるコンテンツ処理装置10−1自身のグループID−1の有効期限情報を更新(延長/短縮)することができる。この更新処理は,例えば,コンテンツ処理装置10の有効期限設定部180が,他のコンテンツ処理装置10−2に対して,コンテンツ処理装置10−1自身のグループID1と,当該グループID1に対応する有効期限更新情報を送信することによって可能である。
このような構成により,有効期限設定部180は,コンテンツ処理装置10(例えばDVDレコーダ等の録画機器等)で記録されたコンテンツデータが拡散してしまうこと防止するための自主規制モジュールとして機能する
リスト管理部190は,上記再生許可IDリストLを更新する,即ち,再生許可IDリストLにグループIDを追加/削除する。リスト管理部190は,再生許可IDリストLに対してグループIDを追加/削除することにより,コンテンツ処理装置10における,グループIDが付加されたコンテンツデータの再生を可能化/不能化することができる。まあ,このリスト管理部190は,自身のコンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLと,他のコンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLとを同期することもできる。
以上,コンテンツ処理装置10の各構成要素について説明した。また,上記各部は,例えば,上記各機能を有するハードウェアとして構成されてもよいし,或いは,上記各機能を有するソフトウェアをコンテンツ処理装置10にインストールすることによって構成されてもよい。
次に,図15および図16に基づいて,本実施形態にかかる著作権管理システム100のコンテンツ処理装置10における作成コンテンツ再生制御処理について説明する。なお,図15は,本実施形態にかかる作成コンテンツ再生制御処理を示すフローチャートである。また,図16は,本実施形態にかかる作成コンテンツ再生制御処理の概念を示す説明図である。
図15に示すように,まず,ステップS802では,例えばユーザによって再生要求が成される(ステップS802)。この再生要求は,ユーザは,コンテンツ処理装置10の入力装置106を操作して,所望の作成コンテンツデータを選択し,選択した作成コンテンツデータを再生するようにコンテンツ処理装置10に対して指示する。
次いで,ステップS804では,作成コンテンツデータに付加されているグループIDが読み出される(ステップS804)。コンテンツ処理装置10−1のコンテンツ再生部170は,上記再生要求された作成コンテンツデータをストレージ装置114または記録媒体7等から読み出し,この読み出した作成コンテンツデータに付加されているグループIDを抽出して解釈する。
さらに,ステップS806では,上記読み出したグループIDが,コンテンツ処理装置10の再生許可IDリストLに含まれているか否かが判定される(ステップS806)。具体的には,コンテンツ再生部170の再生制御部172は,上記作成コンテンツデータから読み出したグループIDが,ストレージ装置114から読み出した再生許可IDリストLに含まれているか否かを判断する。この判断の結果,再生制御部172は,作成コンテンツデータから読み出したグループIDが,再生許可IDリストLに含まれている場合には,ステップS808に進む。一方,作成コンテンツデータから読み出したグループIDが,再生許可IDリストLに含まれていない場合には,再生制御部172は当該作成コンテンツデータの再生を許可せず,当該作成コンテンツデータを再生することなく,全ての再生制御処理を終了する。
その後,ステップS808では,現在時刻情報が取得される(ステップS808)。再生制御部172は,計時装置118が生成した現在時刻を取得する。
次いで,ステップS810では,上記取得した現在時刻情報が,上記作成コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報を越えているか否かが判断される(ステップS810)。上記判断処理の結果,当該現在時刻情報が,上記作成コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報を越えていない場合には,再生制御部172は,当該コンテンツデータの再生を許可し,ステップ818に進み,当該配信コンテンツデータを再生する。一方,現在時刻情報が,作成コンテンツデータから読み出したグループIDの有効期限情報を越えている場合には,グループIDの有効期限が期限切れとなっている(図16<1>参照)。このため,再生制御部172は,上記コンテンツデータの再生を不許可し,ステップS812に進む。
なお,以下では,図16を参照しながら説明する。本ステップまで作成コンテンツデータの再生を試みているのが,図16のコンテンツ処理装置10−2であり,コンテンツ処理装置10−2の再生許可IDリストL2内では,作成コンテンツデータC1から読み出したグループID1が有効期限切れとなっているものとする。このグループID1は,コンテンツデータC1の作成元の記録デバイス(DVDレコーダ)等であるコンテンツ処理装置10−1に対して付与されたグループIDであるものとする。
次いで,ステップS812では,コンテンツ処理装置10−2をコンテンツ作成元のコンテンツ処理装置10に例えば接続可能か否かが判断される(ステップS812)。この作成元のコンテンツ処理装置10−1は,上記作成コンテンツデータから読み出されたグループID1が付与されている。具体的には,作成コンテンツデータC1の再生を試みているコンテンツ処理装置10−1を,例えばローカルライン9などを介して,物理的に,作成元のコンテンツ処理装置10−1に対して接続可能か否かが判断される。双方のコンテンツ処理装置10−1,2を接続可能である場合には,ステップS814に進み,双方のコンテンツ処理装置10を例えばUSBケーブルなどで物理的にローカル接続する(S814;図16<2>参照)。一方,双方のコンテンツ処理装置10−1,−2を接続不可能である場合には,有効期限情報の更新ができないので,当該作成コンテンツデータを再生することなく,全ての再生制御処理を終了する。
さらに,ステップS816では,作成元のコンテンツ処理装置10−1の有効期限設定部180が,ローカルライン9を介してコンテンツ処理装置10−2に対して,グループID1とグループID1の有効期限更新情報とを送信する(図16<3>参照)。これにより,コンテンツ処理装置10−2内は,自身の再生許可IDリストL2に含まれるグループID1(作成元のコンテンツ処理装置10のグループID1)の有効期限情報を更新して,所定期間(例えば,1日,10日,1カ月,1年等)だけ延長する(図16<4>参照)。これにより,再生許可IDリストL2内のグループID1が有効期間内となり(図16<5>参照),この結果,コンテンツ処理装置10−1は,上記作成コンテンツデータC1を再生可能となる(図16<5>参照)。
このように,本実施形態にかかるコンテンツ処理装置10−1,2は,グループIDの有効期限を延長する場合に,機器同志を相互に有線接続しなければならない。このため,あるユーザのコンテンツ処理装置10−1で記録したコンテンツを,当該コンテンツ処理装置10−1のグループID1を取得した他のコンテンツ処理装置10−2で再生する場合,グループID1の有効期限内であれば再生可能である。しかし,一旦,グループID1が期限切れとなってしまった場合,双方のコンテンツ処理装置10を近接させて接続しなければ,コンテンツ処理装置10−2のグループIDの期限を更新できず,この結果,上記コンテンツデータを再生不能となる。このようなシステムは,持ち運びが不便な比較的大きい録音,録画デバイス等による作成コンテンツデータについて,著作権保護を的確に行う上で,自主規制手段として好適に適用できる。
以上,本実施形態にかかる著作権管理システム100とその構成要素,およびこのシステムを用いた著作権管理方法等について詳細に説明した。かかる著作権管理システム100では,コンテンツデータに付加されるグループIDと,再生を許可されたグループIDと再生許可IDリストLと,グループIDの有効期限とに基づいて,再生許可IDリストL内に含まれる有効期限内のグループIDが付加されたコンテンツデータのみを再生許可することができる。
このように,グループIDに有効期限を設定することで,同一のグループIDが付加された複数のコンテンツデータの再生期限を,一括して設定,更新(延長/短縮)することがでできる。このため,同一ユーザの所有する複数のコンテンツ等といったように,所定の基準でグループ化される複数のコンテンツの再生期限を一括管理することができる。具体的には,配信サーバ20が配信コンテンツ1つごとに再生期限(ライセンス)を付与する煩雑な処理を行わなくて済む。また,コンテンツデータの再生期限を短縮/延長する場合には,例えば再生許可IDリストL内のグループIDの有効期限情報だけを更新すればよい。
従って,従来の著作権管理システム100のように,コンテンツデータ1つ1つに再生期限を設定する場合と比べて,システム内の設定処理や更新処理を効率化できる。また,コンテンツ配信サービスにおいて,例えば,月定額払いでコンテンツを再生し放題(聞き放題)のコンテンツ配信サービスや,試聴サービス期間内に料金を支払うとコンテンツの再生期限が延長されるコンテンツ配信サービスを提供できる。また,ユーザとしても,自己の所有する複数のコンテンツの再生期限をそれぞれ別個独立に意識,管理する必要がないので,コンテンツの取り扱いが便利である。さらに,ユーザは,好みのジャンル,アーティスト,年代などといった,自らの嗜好,スタイルに応じてコンテンツをグループ化して取り扱うことができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。