JP4243825B2 - リソグラフィー用反射防止膜形成組成物 - Google Patents

リソグラフィー用反射防止膜形成組成物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下地基板からの反射による悪影響の低減に有効な反射防止膜材料用組成物、並びに該反射防止膜材料用組成物を用いるフォトレジストパターン形成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウェハー等の被加工基板上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜としてシリコンウェハー等の被加工基板をエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もKrFエキシマレーザ(248nm)からArFエキシマレーザ(193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと被加工基板の間に反射防止膜(Bottom Anti−Reflective Coating、BARC)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。
【0003】
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機反射防止膜と、吸光性物質と高分子化合物とからなる有機反射防止膜が知られている。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、後者は特別の設備を必要としない点で有利とされ数多くの検討が行われている。例えば、米国特許第5919599号明細書に記載の架橋反応基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、米国特許第5693691号明細書に記載の架橋反応基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するノボラック樹脂型反射防止膜等が挙げられる。
【0004】
有機反射防止膜材料として望まれる物性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないこと(レジスト溶剤に不溶であること)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜材料から上塗りレジスト中への低分子拡散物がないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等があり、それらは例えばProc.SPIE,Vol.3678,174−185(1999)、Proc.SPIE,Vol.3678,800−809(1999)、やProc.SPIE,Vol.2195,225−229(1994)にも記載されている。
【0005】
今後、レジストパターンの微細化が進行すると、それに伴いフォトレジストの薄膜化が望まれてくる。そのため、有機反射防止膜のエッチングによる除去工程にかかる時間を大幅に減少させる必要があり、これまでよりも薄膜で使用可能な有機反射防止膜、或いはこれまでよりも大きなフォトレジストとのエッチング速度の選択比を持つ有機反射防止膜が要求されるようになってきている。有機反射防止膜材料にはまた、熱安定性を有するということが望まれている。有機反射防止膜は、基板上に有機反射防止膜材料を塗布、焼成することにより形成するが、この際、有機反射防止膜材料の熱安定性が乏しいと材料成分の分解が起こり、その分解生成物が有機反射防止膜の上に塗布されるフォトレジストを汚染し、その結果、レジストパターン形状の悪化を招くという問題がある。さらに、有機反射防止膜材料の熱安定性が乏しいと、焼成工程の焼成温度の余裕度(マージン)が小さくなるという問題も有している。特開2000−100699号には、架橋剤として作用する多重結合を有する有機物としてナフタレン環、アントラセン環等を有する化合物が記載されており、特開平10−186671号には、ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジエチレングリコールから合成されたポリマーについて記載されている。一方、特開平11−154638号は、多環系フェノール化合物を繰り返し単位に有する樹脂として、ナフタレン環、アントラセン環、ナフタセン環等を有する化合物を高温で加熱して熱酸化した反射防止膜において、埋め込み剤を前記反射防止膜に含有させることにより、高温加熱時における該膜中の空乏の発生の防止手段を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−100699号公報及び特開平10−186671号公報には、反射防止膜材料にとって不可欠な特性である熱安定性についての記載がなく、示唆さえされていない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、その課題とするところは、半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いるための熱安定性に優れた反射防止膜形成組成物を提供することである。また本発明は、248nm、193nm等の波長の照射光を微細加工に使用する際に基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらず、優れたフォトレジストパターンが得られ、フォトレジストに比較して大きなドライエッチング速度を有するリソグラフィー用反射防止膜を提供することにある。さらに、本発明は該反射防止膜形成組成物を用いたフォトレジストパターンの形成法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1観点として、脂環式化合物と、芳香環式化合物又はヘテロ芳香環式化合物との反応により生成される高分子化合物(但し、ジメチルニトロテレフタレート、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、ジメチルフタレート、ジメチルイソフタレート、イソソルバイド、及びグリセロールの反応により得られたポリエステル樹脂を除く。)であって、単位構造の主鎖に脂環構造と、芳香環又はヘテロ芳香環構造とを有する高分子化合物を含むことを特徴とする半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いる反射防止膜形成組成物、
第2観点として、前記脂環式化合物が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基及びイソシアネート基よりなる群からから選ばれる同一であるか又は異なる少なくとも2つの置換基を有し、かつ、該置換基のうち2つは互いに環を構成する異なる炭素原子に連結されたものであり、そして、脂環構造を構成する炭素数が4〜8である第1観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第3観点として、前記芳香環式化合物又はヘテロ芳香環式化合物が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基及びイソシアネート基よりなる群から選ばれる同一であるか又は異なる少なくとも2つの置換基を有しており、かつ、該置換基のうち2つは互いに環を構成する異なる原子に連結されたものであり、そして、芳香環構造又はヘテロ芳香環構造を構成する原子数が5〜18である第1観点又は第2観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第4観点として、前記高分子化合物が下記一般式(1)、すなわち、
【化3】
Figure 0004243825
(式中A、B及びDは主鎖を構成する連結基を表し、Ar1は置換基を有していてもよく、芳香環又はヘテロ芳香環の環構造を構成する原子数が5〜18である芳香環基又はヘテロ芳香環基を表し、Lは直接結合又は、置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表し、Mは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基又はヘキシレン基を表し、R1、R2は同一であるか又は異なっていてもよく水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、nは1ないし2600の数である。)で表される単位構造を含むことを特徴とする第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第5観点として、前記一般式(1)において連結基A、B又はDが、少なくとも1つの架橋性置換基を含むことを特徴とする第4観点に記載の反射防止膜形成組成物、
第6観点として、前記高分子化合物が下記一般式(2)、すなわち、
【化4】
Figure 0004243825
(Xは−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−又は−OCH2−で示される連結基を表し、Yは−O−、−NH−、−S−、−(O=)CO−、−(O=)CNH−又は−CH2O−で示される連結基を表し、Ar2は置換基を有していてもよいベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、ベンゾチアゾール環又はキノキサリン環を表し、L、Mは第4観点に記載のものと同義であり、nは1ないし2600の数である。)で表される単位構造を含むことを特徴とする第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第7観点として、前記芳香環構造がナフタレン環であることを特徴とする第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第8観点として、単位構造の主鎖に含まれる芳香環又はヘテロ芳香環構造の割合が10〜50質量%であることを特徴とする第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第9観点として、少なくとも2個の架橋形成置換基をもつ架橋剤を更に含む第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、
第10観点として、第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し、焼成することにより得られる半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いる反射防止膜の形成方法、
第11観点として、第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成して反射防止膜を形成し、その上にフォトレジストを被覆し、該反射防止膜と該フォトレジストを被覆した基板を露光し、現像し、エッチングにより基板上に画像を転写して集積回路素子を形成する半導体装置の製造方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、単位構造の主鎖に脂環構造と、芳香環又はヘテロ芳香環構造とを有する高分子化合物を含むことを特徴とする半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いる反射防止膜形成組成物である。本発明の反射防止膜形成組成物は、基本的に単位構造の主鎖に脂環構造と、芳香環又はヘテロ芳香環構造とを有する高分子化合物及び溶剤からなり、任意成分として架橋触媒、界面活性剤等を含有するものである。本発明の反射防止膜形成組成物の固形分は、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%である。
【0010】
上記高分子化合物の分子量は、使用する塗布溶剤、溶液粘度、膜形状などにより変動するが、重量平均分子量として500〜1000000、好ましくは1000〜1000000、さらに好ましくは1000〜500000である。
【0011】
本発明の上記の高分子化合物は、脂環式化合物と、芳香環式化合物又はヘテロ芳香環式化合物とを反応させることによって製造することができる。ここで、該脂環式化合物、芳香環式化合物及びヘテロ芳香環式化合物は、分子内に水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基及びイソシアネート基よりなる群から選ばれる同一であるか又は異なる少なくとも2つの置換基を有しているものである。そして、該置換基中の2つの置換基は連結基によって、脂環式化合物の場合は環を構成する2つの異なる炭素原子に連結されており、芳香環式化合物又はヘテロ芳香環式化合物の場合は環を構成する2つの異なる原子に連結されているものである。ここで、連結基は、単結合である場合と、又は−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−(O=)CO−、−NHC(=O)−、−(O=)CNH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−O(O=)CNH−、−S(O=)CNH−、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖アルキレン基(途中に−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−(O=)CO−、−NHC(=O)−、−(O=)CNH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−O(O=)CNH−、−S(O=)CNH−を一つ以上有していてもよい)、置換基を有していてもよい炭素数3〜6の分岐アルキレン基から選ばれた基を含む連結基である場合が有り、そのどちらをも含むものである。
【0012】
本発明の上記の高分子化合物は、例えば次のような反応を利用して合成することができる。すなわち、ジヒドロキシ化合物とジカルボン酸化合物の反応、ジヒドロキシ化合物とジエポキシ化合物の反応、ジヒドロキシ化合物とジイソシアネート化合物の反応、ジアミノ化合物とジカルボン酸化合物の反応、ジアミノ化合物とジエポキシ化合物の反応、ジアミノ化合物とジイソシアネート化合物の反応、ジチオール化合物とジカルボン酸化合物の反応、ジチオール化合物とジエポキシ化合物の反応、ジチオール化合物とジイソシアネート化合物の反応、ジエポキシ化合物とジカルボン酸化合物の反応である。又、さらには、ジエポキシ化合物とモノヒドロキシモノカルボン酸化合物の反応、ジエポキシ化合物とモノヒドロキシモノアミノ化合物の反応、ジエポキシ化合物とモノヒドロキシモノチオール化合物の反応、ジエポキシ化合物とモノアミノモノカルボン酸化合物の反応、ジエポキシ化合物とモノアミノモノチオール化合物の反応、ジエポキシ化合物とモノチオールモノカルボン酸化合物の反応、ジカルボン酸化合物とモノヒドロキシモノアミノ化合物の反応、ジカルボン酸化合物とモノヒドロキシモノチオール化合物の反応、ジカルボン酸化合物とモノチオールモノアミノ化合物の反応、ジイソシアネート化合物とモノヒドロキシモノアミノ化合物の反応、ジイソシアネート化合物とモノヒドロキシモノチオール化合物の反応、ジイソシアネート化合物とモノチオールモノアミノ化合物の反応、ジアミノ化合物とモノイソシアネートモノエポキシ化合物の反応、ジヒドロキシ化合物とモノイソシアネートモノエポキシ化合物の反応、ジチオール化合物とモノイソシアネートモノエポキシ化合物の反応、モノヒドロキシモノチオール化合物とモノイソシアネートモノエポキシ化合物の反応、モノヒドロキシモノアミノ化合物とモノイソシアネートモノエポキシ化合物の反応、モノアミノモノチオール化合物とモノイソシアネートモノエポキシ化合物の反応、等である。
【0013】
ここで用いられるジエポキシ化合物としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,2−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,3−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,6−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,7−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,8−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,3−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]サルファイド、1,4−ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン等を挙げることができる。またジエポキシ化合物は、ジカルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、ジチオール化合物、モノヒドロキシモノカルボン酸化合物等の2つの反応性置換基を有する化合物とエピクロルヒドリン、グリシジルパラトルエンスルホネート等の脱離基を有するエポキシ化合物との反応によって製造することもできる。
【0014】
ジカルボン酸化合物としては、例えば、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、2,5−チオフェンジカルボン酸、2−メチル−3,4−キノリンジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸、ジヒドロアントラセン−9,10−ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0015】
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,3−シクロペンタンジオール、2,6−キノリンジオール、2,3−ジヒドロキシキノキサリン等を挙げることができる。
【0016】
ジアミノ化合物としては、例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、3,6−ジアミノアクリジン等を挙げることができる。
【0017】
モノヒドロキシモノカルボン酸化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸、6−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1−ブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、1−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、1,6−ジブロモ−2−ヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸等を挙げることができる。
【0018】
ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアネートベンゼン、1−メチル−2,5−ジイソシアネートベンゼン、1−メチル−2,6−ジイソシアネートベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,6−ジイソシアネートベンゼン、1−クロロメチル−2,4−ジイソシアネートベンゼン、1−クロロ−3−メチル−4,6−ジイソシアネートベンゼン、1−ブロモ−3−メチル−4,6−ジイソシアネートベンゼン、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1,3−ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン、ポリイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0019】
モノヒドロキシモノアミノ化合物としては、例えば、2−アミノシクロヘキサノール、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、8−アミノ−7−メチル−フェナジノール、1−アミノ−2−ナフトール等を挙げることができる。
【0020】
ジチオール化合物としては、例えば、1,4−ベンゼンジメタンチオール、2,9−メンタンジチオール、2,3−キノキサリンジチオール、1,5−ジメルカプトナフタレン、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジチオール等を挙げることができる。
【0021】
モノアミノモノカルボン酸化合物としては、例えば、4−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、4−アミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、3−アミノ−2−ナフタレンカルボン酸、2−アミノ−4−チアゾール酢酸等を挙げることができる。
【0022】
モノアミノモノチオール化合物としては、例えば、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等を挙げることができる。
【0023】
モノチオールモノカルボン酸化合物としては、例えば、7−クロロチオキヌレン酸等を挙げることができる。
【0024】
また、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基及びイソシアネート基よりなる群からから選ばれる置換基を3個以上有している化合物も上記高分子化合物を合成するために用いることができる。そのような化合物としては、例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、1,3−ジヒドロキシ−9−アクリジンカルボン酸、4,8−ジヒドロキシキノリン−2−カルボン酸、2,3−ジヒドロキシキノキサリン−6−カルボン酸等を挙げることができる。
【0025】
一般式(1)においてA、B及びDは主鎖を構成する連結基を示す。A、B、Dで示される連結基としては−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−(O=)CO−、−NHC(=O)−、−(O=)CNH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−O(O=)CNH−、−S(O=)CNH−、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖アルキレン基(途中に−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−(O=)CO−、−NHC(=O)−、−(O=)CNH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−O(O=)CNH−、−S(O=)CNH−を一つ以上有していてもよい)、置換基を有していてもよい炭素数3〜6の分岐アルキレン基から選ばれた基を含む連結基である。直鎖アルキレン基及び分岐アルキレン基の置換基としては、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、チオール基、カルボキシル基が挙げられ、又、これら置換基の中で、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基は架橋性置換基として作用することが可能な置換基である。なお、式中、nは重合度を表し、1ないし2600の数である。
【0026】
式(1)において、Ar1は置換基を有していてもよく、芳香環又はヘテロ芳香環の環構造を構成する原子数が5〜18である芳香環基又はヘテロ芳香環基を表し、置換基としては水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、チオール基、カルボキシル基が挙げられる。好ましい該芳香環又はヘテロ芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環、チオフェン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、キノリン基、キノキサリン環等が挙げられる。
【0027】
式(1)においてR1、R2は同一であるか又は異なっていてもよく水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、水素原子が好ましい。式(1)、(2)において、Lは直接結合又は、置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表し、Mは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基又はヘキシレン基を表す。置換基としては水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、チオール基、カルボキシル基が挙げられる。Lとしては直接結合、メチレン基、エチレン基が好ましくMとしてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、又、LとMを含む脂環構造部分はシクロペンタン環、シクロヘキサン環構造であることが好ましい。
【0028】
式(2)においてXは−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−又は−OCH2−で示される連結基を表し、Yは−O−、−NH−、−S−、−(O=)CO−、−(O=)CNH−又は−CH2O−で示される連結基を表し、Ar2は置換基を有していてもよいベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、ベンゾチアゾール環又はキノキサリン環を表す。ここでAr2の置換基としては水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、チオール基、カルボキシル基が挙げられる。なお、式中、nは重合度を表し、1ないし2600の数である。
【0029】
式(1)、(2)においてAr1、Ar2で示される芳香環構造、ヘテロ芳香環構造は基板からの反射光を十分に吸収し反射防止膜として優れた効果を発揮できるように導入されているものであるが、その導入量が増加するとドライエッチングの速度が低下し、フォトレジストとのエッチング速度の選択比が低下するということがある。式(1)、(2)で表される単位構造において、フォトレジストとの十分なエッチング速度選択比を保つために、その単位構造に含まれる芳香環構造、ヘテロ芳香環構造の割合を小さくすることが好ましく、その割合は好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
【0030】
本発明の反射防止膜形成組成物は、上塗りするフォトレジストとのインターミキシングを防ぐ意味で、塗布後、加熱により架橋させることが好ましく、本発明の反射防止膜形成組成物はさらに架橋剤成分を含むことができる。その架橋剤としては、メラミン系、置換尿素系、エポキシ基を含有するポリマー系等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコウリル、またはメトキシメチル化メラミンなどの化合物であり、特に好ましくは、テトラメトキシメチルグリコールウリル、またはヘキサメトキシメチルメラミンである。架橋剤の添加量は、使用する塗布溶剤、使用する下地基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全組成物100質量%に対して0.001〜25質量%、好ましくは 0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.05〜15質量%である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、本発明の上記の高分子化合物中に架橋性置換基が存在する場合は、それらの架橋性置換基と架橋反応を起こすことができる。
【0031】
本発明では上記架橋反応を促進するための触媒として、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、等の酸性化合物又は/及び2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、その他有機スルホン酸アルキルエステル等の熱酸発生剤を配合する事が出来る。配合量は全固形分100質量%当たり、0.0001〜10質量%、好ましくは0.0005〜5質量%である。
【0032】
本発明の反射防止膜形成組成物は、リソグラフィー工程で上層に被覆されるフォトレジストとの酸性度を一致させる為に、光酸発生剤を添加する事が出来る。好ましい光酸発生剤としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類、ベンゾイントシレート、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等のスルホン酸系光酸発生剤類等が挙げられる。上記光酸発生剤は全固形分100質量%当たり0.2〜3質量%、好ましくは0.4〜2質量%である。
【0033】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料には、上記以外に必要に応じて更なる吸光剤、レオロジー調整剤、接着補助剤、界面活性剤などを添加することができる。
【0034】
更なる吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や「染料便覧」(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Disperse Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124;C.I.D isperse Orange1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73;C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210;C.I.Disperse Violet 43;C.I.Disperse Blue 96;C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163;C.I.Solvent Orange2及び45;C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49;C.I.Pigment Green 10;C.I.PigmentBrown 2等を好適に用いることができる。上記吸光剤は通常、リソグラフィー用反射防止膜材料の全組成物100質量%に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下の割合で配合される。
【0035】
レオロジー調整剤は、主に反射防止膜形成組成物の流動性を向上させ、特にベーキング工程において、ホール内部への反射防止膜形成組成物の充填性を高める目的で添加される。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸誘導体、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸誘導体、またはノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸誘導体を挙げることができる。これらのレオロジー調整剤は、リソグラフィー用反射防止膜材料の全組成物100質量%に対して通常30質量%未満の割合で配合される。
【0036】
接着補助剤は、主に基板あるいはフォトレジストと反射防止膜形成組成物の密着性を向上させ、特に現像においてフォトレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環式化合物や、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。これらの接着補助剤は、リソグラフィー用反射防止膜の全組成物100質量%に対して通常5質量%未満、好ましくは2質量%未満の割合で配合される。
【0037】
本発明の反射防止膜材料には、ピンホールやストレーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、メガフアツクF171、F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料の全組成物100質量%当たり通常0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
【0038】
本発明で、上記の高分子化合物及び架橋剤成分、架橋触媒等を溶解させる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N−メチルピロリドン等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、または2種以上の組合せで使用される。
【0039】
さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。これらの溶剤の中でプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、及びシクロヘキサノンがレベリング性の向上に対して好ましい。
【0040】
本発明における反射防止膜の上層に塗布されるフォトレジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用でき、ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、アルカリ可溶性バインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがあり、例えば、シプレー社製、商品名APEX−Eが挙げられる。
【0041】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料を使用して形成した反射防止膜を有するポジ型フォトレジストの現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンである。
【0042】
次に本発明のフォトレジストパターン形成法について説明すると、精密集積回路素子の製造に使用される基板(例えばシリコン/二酸化シリコン被覆、ガラス基板、ITO基板などの透明基板)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により反射防止膜形成組成物を塗布後、ベークして硬化させ反射防止膜を作成する。ここで、反射防止膜の膜厚としては0.01〜3.0μmが好ましい。また塗布後ベーキングする条件としては80〜250℃で1〜120分間である。その後フォトレジストを塗布し、所定のマスクを通して露光し、現像、リンス、乾燥することにより良好なフォトレジストパターンを得ることができる。必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行うこともできる。そして、フォトレジストが前記工程により現像除去された部分の反射防止膜をドライエッチングにより除去し、所望のパターンを基板上に形成することができる。
【0043】
本発明の単位構造の主鎖に脂環構造と、芳香環又はヘテロ芳香環構造とを有する高分子化合物を含む反射防止膜形成組成物より作製した反射防止膜は、これまでよりも薄膜で使用可能であり、反射防止膜のエッチング工程にかかる時間を大幅に短縮することができる。それと同時に、フォトレジストに比較して大きなドライエッチング速度を得ることができる特性を有している。
【0044】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物は、芳香環又はヘテロ芳香環構造の光吸収部位が単位構造の主鎖内に取りこまれているため、加熱乾燥時にフォトレジスト中への拡散物がなく、また、光吸収部位は十分に大きな吸光性能を有しているため反射光防止効果が高い。
【0045】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物では、高分子化合物の単位構造の主鎖に脂環構造が導入されているため、脂環構造を持たない高分子化合物に比べて熱安定性が増しており、焼成時の分解物によるフォトレジストの汚染が防げ、また、焼成工程の温度マージンに余裕を持たせることができるものである。
【0046】
さらに、本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料は、プロセス条件によっては、光の反射を防止する機能と、更には基板とフォトレジストとの相互作用の防止或いはフォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する膜としての使用が可能である。
【0047】
以下、本発明を実施例、比較例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0048】
【実施例】
合成例1
2,6−ナフタレンジカルボン酸7.0gをN―メチルピロリドン67gに溶解させた後、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル9.2gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.6gを添加し、130℃で24時間反応させ式(3)の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6000であった。なお、式(3)中、nは重合度を表し、1ないし12の数である。
【化5】
Figure 0004243825
【0049】
合成例2
1,6−ジヒドロキシナフタレン4.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル47gに溶解させた後、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル7.1gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.7gを添加し、130℃で24時間反応させ式(4)の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は5000であった。なお、式(4)中、nは重合度を表し、1ないし12の数である。
【化6】
Figure 0004243825
【0050】
合成例3
1,7−ジヒドロキシナフタレン4.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル47gに溶解させた後、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル7.1gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.7gを添加し、130℃で24時間反応させ式(5)の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は3000であった。なお、式(5)中、nは重合度を表し、1ないし7の数である。
【化7】
Figure 0004243825
【0051】
合成例4
2,6−ナフタレンジカルボン酸7.0gをN―メチルピロリドン53gに溶解させた後、エチレングリコールジグリシジルエーテル5.6gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.6gを添加し、130℃で24時間反応させ式(6)の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は2000であった。なお、式(6)中、nは重合度を表し、1ないし6の数である。
【化8】
Figure 0004243825
【0052】
合成例5
グリシジルメタクリレート21gと2−ヒドロキシプロピルメタクリレート39gをプロピレングリコールモノメチルエーテル242gに溶解させた後、70℃まで昇温させた。その後、反応液を70℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル0.6gを添加し、70℃で24時間反応させ式(7)の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は50000であった。なお、式(7)中、n、mは該構成単位モノマーのモル比を表し、n+m=1である。
【化9】
Figure 0004243825
【0053】
合成例6
上記合成例5で得た高分子化合物20gを有する溶液100gに、9−アントラセンカルボン酸10gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.3gを添加し、130℃で24時間反応させ式(8)の高分子化合物の溶液を得た。なお、式(8)中、n、mは該構成単位モノマーのモル比を表し、n+m=1である。
【化10】
Figure 0004243825
【0054】
実施例1
上記合成例1で得た高分子化合物2gを有する溶液10gにヘキサメトキシメチルメラミン0.3gとp−トルエンスルホン酸0.02gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g及びシクロヘキサノン19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0055】
実施例2
上記合成例1で得た高分子化合物2gを有する溶液10gにテトラメトキシメチルグリコールウリル0.3gとp−トルエンスルホン酸0.02gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g及びシクロヘキサノン19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0056】
実施例3、4
上記合成例2、3で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、それぞれ、ヘキサメトキシメチルメラミン0.4gとp−トルエンスルホン酸0.03gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0057】
実施例5、6
上記合成例2、3で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、それぞれ、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.4gとp−トルエンスルホン酸0.03gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0058】
比較例1
上記合成例4で得た高分子化合物2gを有する溶液10gにヘキサメトキシメチルメラミン0.5gとp−トルエンスルホン酸0.03gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g、及びシクロヘキサノン19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0059】
比較例2
上記合成例4で得た高分子化合物2gを有する溶液10gにテトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gとp−トルエンスルホン酸0.03gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g、及びシクロヘキサノン19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0060】
比較例3
上記合成例6で得た高分子化合物2gを有する溶液10gにヘキサメトキシメチルメラミン0.3gとp−トルエンスルホン酸0.01gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0061】
比較例4
上記合成例6で得た高分子化合物2gを有する溶液10gにテトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gとp−トルエンスルホン酸0.01gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.3g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.4gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0062】
実施例7
上記合成例1で得た高分子化合物2gを有する溶液10gを水とエタノールの混合溶媒100gに滴下した。その後、析出した高分子化合物を濾過して取りだし、更に100℃で加熱真空乾燥して高分子化合物の粉体を得た。
【0063】
比較例5
上記合成例4で得た高分子化合物2gを有する溶液10gを水とエタノールの混合溶媒100gに滴下した。その後、析出した高分子化合物を濾過して取りだし、更に100℃で加熱真空乾燥して高分子化合物の粉体を得た。
【0064】
光学パラメータの測定
実施例1〜6及び比較例3、4で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.06μm)を形成した。そして、これらの反射防止膜を分光エリプソメーターを用い、波長248nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定した。結果を表1に示す。
比較例1、2で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で170℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.06μm)を形成した。そして、これらの反射防止膜を分光エリプソメーターを用い、波長248nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定した。結果を表1に示す。
【0065】
第一極小膜厚のシミュレーション
実施例1〜6及び比較例1〜4で調製した反射防止膜溶液から得たリソグラフィー用反射防止膜の波長248nmでの屈折率n及び減衰係数kを用い、シミュレーションを行って第一極小膜厚を算出した。なお、シミュレーションソフトは、FINLE Technologies, Inc.製PROLITH/2を使用した。結果を表1に示す。
【0066】
フォトレジスト溶剤への溶出試験
実施例1〜6及び比較例3、4で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をフォトレジストに使用する溶剤、例えば乳酸エチル、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルに浸漬し、その溶剤に不溶であることを確認した。
比較例1、2で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で170℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をレジストに使用する溶剤、例えば乳酸エチル、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルに浸漬し、その溶剤に不溶であることを確認した。
【0067】
フォトレジストとのインターミキシングの試験
実施例1〜6及び比較例3、4で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。このリソグラフィー用反射防止膜の上層に、市販のフォトレジスト溶液(シプレー社製・商品名UV113等)をスピナーを用いて塗布した。ホットプレート上で120℃1分間加熱し、フォトレジストを露光後、露光後加熱を115℃1分間行った。フォトレジストを現像させた後、反射防止膜の膜厚を測定し、実施例1〜6及び比較例3、4で調製した反射防止膜溶液から得た反射防止膜とフォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないことを確認した。
比較例1、2で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で170℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。このリソグラフィー用反射防止膜の上層に、市販のレジスト溶液(シプレー社製・商品名UV113等)をスピナーを用いて塗布した。ホットプレート上で120℃1分間加熱し、フォトレジストを露光後、露光後加熱を115℃1分間行った。フォトレジストを現像させた後、反射防止膜の膜厚を測定し、比較例1、2で調整した反射防止膜溶液から得たリソグラフィー用反射防止膜とフォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないことを確認した。
【0068】
ドライエッチング速度の測定
実施例1〜6及び比較例3、4で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度を測定した。
比較例1、2で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で170℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度を測定した。
また、同様にフォトレジスト溶液(シプレー社製・商品名UV113)をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗膜を作成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度を測定し、実施例1〜6及び比較例1〜4の反射防止膜のドライエッチング速度との比較を行った。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004243825
【0069】
熱安定性試験
実施例7及び比較例5で得られた粉体を用い、マック・サイエンス社製TG−DTA2000SRを使用し、昇温速度10℃/分で重量減少開始温度を測定した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004243825
【0070】
フォトレジストパターン形成試験
実施例1で得た溶液をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.037μm)を形成した。この反射防止膜の上層に、市販のフォトレジスト溶液(信越化学工業(株)製、商品名SEPR430)をスピナーにより塗布し、ホットプレート上で100℃にて90秒間加熱してフォトレジスト膜(膜厚0.55μm)を形成した。この膜にASML社製PAS5500/300スキャナー(波長248nm、NA、σ: 0.63、0.87/0.57(Annular))を用い、現像後にフォトレジストのライン幅およびそのライン間の幅が0.175μmであり、すなわち0.175μmL/S(デンスライン)であり、そして、そのようなラインが9本形成されるように設定されたマスクを通して露光を行った。その後、ホットプレート上110℃で90秒間露光後加熱し、冷却後、現像液(アーチケミカル社製、商品名OPD262)を用いて60秒間現像を行なった。得られたフォトレジストパターンの断面を走査型電子顕微鏡で観察した。得られたフォトレジストのラインパターンは良好なストレートの裾形状を有していた。
【0071】
これにより本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料は、反射防止膜のドライエッチングに要する時間をこれまでの反射防止膜より大幅に短縮することができるような薄膜で使用可能であり、かつレジストとのドライエッチング速度選択比が大きく、熱安定性の高い、優れたボトム型有機系反射防止膜を提供することができるということが分かる。
【0072】
【発明の効果】
本発明の目的は、反射防止膜のエッチングに要する時間をこれまでの反射防止膜より大幅に短縮することができるような薄膜で使用可能であり、かつフォトレジストとのエッチング速度の選択比が大きく、さらに熱安定性の高い、優れた有機系反射防止膜を提供することにある。
本発明により、ドライエッチング速度が大きく、反射光防止効果が高く、更にフォトレジスト層とのインターミキシングが起こらず、加熱乾燥時の安定性が高く、高解像力およびフォトレジスト膜厚依存性に優れた反射防止膜材料用組成物を得ることができ、かつ優れたフォトレジストパターン形成方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. 脂環式化合物と、芳香環式化合物又はヘテロ芳香環式化合物との反応により生成される高分子化合物(但し、ジメチルニトロテレフタレート、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、ジメチルフタレート、ジメチルイソフタレート、イソソルバイド、及びグリセロールの反応により得られたポリエステル樹脂を除く。)であって、単位構造の主鎖に脂環構造と、芳香環又はヘテロ芳香環構造とを有する高分子化合物を含むことを特徴とする半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いる反射防止膜形成組成物。
  2. 前記脂環式化合物が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基及びイソシアネート基よりなる群から選ばれる同一であるか又は異なる少なくとも2つの置換基を有し、かつ、該置換基のうち2つは互いに環を構成する異なる炭素原子に連結されたものであり、そして、脂環構造を構成する炭素数が4〜8である請求項1に記載の反射防止膜形成組成物。
  3. 前記芳香環式化合物又はヘテロ芳香環式化合物が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基及びイソシアネート基よりなる群から選ばれる同一であるか又は異なる少なくとも2つの置換基を有しており、かつ、該置換基のうち2つは互いに環を構成する異なる原子に連結されたものであり、そして、芳香環構造又はヘテロ芳香環構造を構成する原子数が5〜18である請求項1又は請求項2に記載の反射防止膜形成組成物。
  4. 前記高分子化合物が下記一般式(1)、すなわち、
    Figure 0004243825
    (式中A、B及びDは主鎖を構成する連結基を表し、Ar1は置換基を有していてもよく、芳香環又はヘテロ芳香環の環構造を構成する原子数が5〜18である芳香環基又はヘテロ芳香環基を表し、Lは直接結合又は、置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表し、Mは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基又はヘキシレン基を表し、R1、R2は同一であるか又は異なっていてもよく水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、nは1ないし2600の数である。)で表される単位構造を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
  5. 前記一般式(1)において連結基A、B又はDが、少なくとも1つの架橋性置換基を含むことを特徴とする請求項4に記載の反射防止膜形成組成物。
  6. 前記高分子化合物が下記一般式(2)、すなわち、
    Figure 0004243825
    (Xは−O−、−NH−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−又は−OCH2−で示される連結基を表し、Yは−O−、−NH−、−S−、−(O=)CO−、−(O=)CNH−又は−CH2O−で示される連結基を表し、Ar2は置換基を有していてもよいベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、ベンゾチアゾール環又はキノキサリン環を表し、L、Mは請求項4に記載のものと同義であり、nは1ないし2600の数である。)で表される単位構造を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
  7. 前記芳香環構造がナフタレン環であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
  8. 単位構造の主鎖に含まれる芳香環又はヘテロ芳香環構造の割合が10〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
  9. 少なくとも2個の架橋形成置換基をもつ架橋剤を更に含む請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し、焼成することにより得られる半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いる反射防止膜の形成方法。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成して反射防止膜を形成し、その上にフォトレジストを被覆し、該反射防止膜と該フォトレジストで被覆した基板を露光し、現像し、エッチングにより基板上に画像を転写して集積回路素子を形成する半導体装置の製造方法。
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