JP4753018B2 - 付加重合性樹脂を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物 - Google Patents

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本発明は反射防止膜を形成するための組成物に関する。詳しくは半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、半導体基板上に塗布されたフォトレジスト層への露光照射光の半導体基板からの反射を軽減させる反射防止膜、及びその反射防止膜を形成するための組成物に関する。より詳細には波長248nm及び波長193nm等の露光照射光を用いて行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて使用される反射防止膜、及びその反射防止膜を形成するための組成物に関する。また、当該反射防止膜を使用したフォトレジストパターンの形成方法に関する。
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウェハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)からArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜(bottom anti−reflective coating)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機反射防止膜と、吸光性物質と高分子化合物とからなる有機反射防止膜が知られている。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、後者は特別の設備を必要としない点で有利とされ数多くの検討が行われている。例えば、米国特許第5919599号明細書には、架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜が記載されている。また、米国特許第5693691号明細書には、架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するノボラック樹脂型反射防止膜が記載されている。
有機反射防止膜として望まれる物性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないこと(フォトレジスト溶剤に不溶であること)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜材料から上塗りフォトレジスト中への低分子拡散物がないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等がある。
近年、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーを使用したリソグラフィープロセスにおいて加工寸法の微細化、すなわち、形成されるフォトレジストパターンサイズの微細化が進んできている。フォトレジストパターンの微細化が進行すると、それに伴い、フォトレジストパターンの倒壊等を防止するためにフォトレジストの薄膜化が望まれるようになってきている。そして、フォトレジストを薄膜で使用する場合には、共に使用される有機反射防止膜のエッチングによる除去工程におけるフォトレジスト層の膜厚の減少を抑制するために、より短時間でエッチングによる除去が可能な有機反射防止膜が望まれるようになってきている。すなわち、エッチング除去工程を短時間化するために、これまでよりも薄膜で使用可能な有機反射防止膜、あるいは、これまでよりも大きなフォトレジストとのエッチング速度の選択比を持つ有機反射防止膜が要求されるようになってきている。
ところで、芳香族化合物乃至脂環式化合物で置換されたトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを広域紫外線吸収剤に用いるという技術が知られており(例えば、特許文献1参照。)、シアヌール酸を重合性有機化合物として含む硬化組成物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、シアヌール酸誘導体を含む反射防止膜組成物について知られている(例えば、特許文献3参照。)。また、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌール酸より合成されるポリエステルが反射防止膜に使用されることが開示されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。
また、炭素と炭素の三重結合を含有する繰り返し単位構造を有する高分子化合物を含む反射防止膜材料が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
そして、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、末端に二重結合を有する化合物とを予め反応させるか又は含有し、加熱時にビニル基とフェノール性水酸基の反応により架橋構造が形成され、後に露光時に酸発生剤より生成した酸により樹脂が選択的にアルカリ現像性を示す反射防止膜材料が開示されている(例えば、特許文献7)。
特開平11−279523号公報 特開平10−204110号公報 国際公開第02/086624号パンフレット 欧州特許出願公開第1298492号明細書 欧州特許出願公開第1298493号明細書 特開2003−295456 特開2005−10486
反射防止膜塗布後のベーク工程において架橋材や架橋触媒などの低分子量化合物が多く昇華した場合、ベーカー天板(焼成炉の天板)への付着やベーカー内(焼成炉内)での結晶化によりウェハー上へ結晶体が付着して欠陥とることから、留まり低下を招き大きな問題となる。本発明は、架橋材や架橋触媒を使用せずに熱硬化することができ、昇華物起因のウェハー欠陥が十分に抑制された反射防止膜を提供することにある。また本発明は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の照射光をリソグラフィープロセスの微細加工に使用する際に、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、そして、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさない反射防止膜を提供すること、及び当該反射防止膜を形成するための反射防止膜形成組成物を提供することにある。また、本発明は、当該反射防止膜形成組成物を用いたフォトレジストパターンの形成方法を提供することにある。
本願発明は第1観点として、炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)を有する付加重合性樹脂を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第2観点として、炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)が、少なくとも1つの二重結合を側鎖に含有する繰り返し単位である第1観点に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第3観点として、炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)が、α,β−不飽和カルボニル結合を側鎖に含有する繰り返し単位である第1観点に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第4観点として、付加重合性樹脂が、熱硬化性を有する炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)と、吸光性を有する芳香族環を含有する繰り返し単位(B)とを含み、樹脂を構成する全単位構造中に繰り返し単位(A)がモル比で0.01以上含有するものである第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第5観点として、付加重合性樹脂が、更にドライエッチング速度を調節するための非芳香族系有機基を含有する繰り返し単位(C)を含むものである第4観点に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第6観点として、付加重合性樹脂が、熱硬化性アクリル系樹脂、熱硬化性ノボラック系樹脂、又は熱硬化性メラミン系樹脂である第1観点乃至第5観点のいづれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第7観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の付加重合性樹脂と溶媒とを含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第8観点として、更に光酸発生剤を含有するものである第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第9観点として、第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し130〜280℃で焼成することにより得られる反射防止膜、
第10観点として、第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し130〜280℃で焼成して反射防止膜を形成する工程、前記反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記反射防止膜層と前記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジスト層を現像する工程を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパターンの形成方法、及び
第11観点として、第10観点のフォトレジストパターンの形成工程を含む半導体装置の製造方法である。
本発明は、短波長の光、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)に吸収を有する反射防止膜を形成するための組成物である。得られた反射防止膜は、基板からの反射光を効率よく吸収する。
本発明により、短波長の光、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)を用いた微細加工において、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさず、フォトレジスト層と比べてドライエッチングにより容易に除去できる反射防止膜を提供することができる。また、本発明により、ハードマスクとの併用に適した反射防止膜を提供することができる。
本願発明では樹脂中に存在する二重結合が加熱により、二重結合同士が付加重合反応し架橋構造を形成する。これは樹脂同士の自己架橋によるものと考えられる。従って、本願発明の反射防止膜形成組成物では、従来の反射防止膜形成組成物で使用されていた架橋性化合物や架橋触媒を使用することなく架橋構造を形成できるため、反射防止膜を形成する過程での焼成で昇華物の飛散がなく、また得られた反射防止膜は溶媒耐性を有するため、上層に被覆されるレジスト組成物とのインターミキシングを起こすことがない。
また、本発明の反射防止膜を用いることにより、短波長の光を用いたリソグラフィープロセスにおいて、良好な形状のフォトレジストパターンを形成することができる。
本願発明は炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)を有する付加重合性樹脂を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物である。
炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)は、二重結合、三重結合、又は二重結合と三重結合を共に有する繰り返し単位である。この繰り返し単位(A)は加熱によりビニル部分がビニル重合を、ジエン部分がジエン重合を起こし、それにより熱架橋による硬化を生ずるものである。この熱架橋による硬化は、水酸基等を有する架橋性化合物や酸触媒を必要とせず、加熱により二重結合同士が架橋反応を生ずるものである。
この炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)は、少なくとも1つの二重結合を側鎖に含有する繰り返し単位である式(1)が好ましい。
Figure 0004753018
式(1)において、Pは樹脂の主鎖を示し、Fは二重結合を含む有機基であり、QはPとFとの連結基である。
Pは付加重合性樹脂の主鎖に相当する部分であり、例えばアクリル系樹脂骨格、ノボラック系樹脂骨格、及びメラミン系樹脂骨格が挙げられる。
Fは二重結合を含む有機基であり、例えばα,β−不飽和カルボニル結合が挙げられ、不飽和結合は共役二重結合として複数の二重結合を有する有機基を含み、これらの構造に水素原子がアルキル基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等で置換された誘導体を含む。
QはPとFとの間の連結基であり、単結合、又はエーテル結合、エステル結合、若しくはイミノ結合等を含む連結基が挙げられる。
Figure 0004753018
式(1)の具体的な式(2)において、R、R、及びRは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基、又はアミノ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、若しくはハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基、又はアルケニル基が挙げられる。n1は2〜2000の繰り返し単位を示し、当該付加重合性樹脂の重量平均分子量は1000〜1000000、又は10000〜500000である。
例えば、繰り返し単位(A)に相当するものを以下に例示する。
Figure 0004753018
Figure 0004753018
Figure 0004753018
付加重合性樹脂は、上記の熱硬化性を有する炭素と炭素との多重結合を含有する繰り返し単位(A)と、吸光性を有する芳香族環を含有する繰り返し単位(B)とを含み、樹脂を構成する全単位構造中に繰り返し単位(A)がモル比で0.01以上含有するものが挙げられる。但し、樹脂の全単位構造を1.0とする。
吸光性基を有する芳香族環を含有する繰り返し単位(B)は、少なくとも1つの芳香族環を側鎖に有する繰り返し単位である式(15)が好ましい。
Figure 0004753018
式(15)において、Pは樹脂の主鎖を示し、Fは芳香族環を含む有機基であり、QはPとFとの連結基である。
Pは付加重合性樹脂の主鎖に相当する部分であり、例えばアクリル系樹脂骨格、ノボラック系樹脂骨格、及びメラミン系樹脂骨格が挙げられる。
Fは芳香族環を含む有機基であり、例えば芳香族環としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及びそれらの誘導体であり、水素原子がアルキル基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基等で置換された誘導体を含む。
QはPとFとの間の連結基であり、単結合、又はエーテル結合、エステル結合、若しくはイミノ結合等を含む連結基が挙げられる。
式(15)におけるn2は2〜2000の繰り返し単位を示し、繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)を合わせた当該付加重合性樹脂の重量平均分子量は1000〜1000000、又は10000〜500000である。
繰り返し単位(A)及び(B)を含む樹脂では、樹脂を構成する全単位構造中に繰り替えし単位(A)がモル比で0.01以上、好ましくは0.01〜0.8含有し、また繰り返し単位(B)がモル比で0.1以上、好ましくは0.1〜0.8含有する。但し、樹脂の全構成単位を1.0とする。
例えば、繰り返し単位(B)に相当するものを以下に例示する。
Figure 0004753018
Figure 0004753018
Figure 0004753018
ドライエッチング速度を調節するための非芳香族系有機基を含有する繰り返し単位(C)は、非芳香族系有機基を側鎖に有する繰り返し単位である式(29)が好ましい。
Figure 0004753018
式(29)において、Pは樹脂の主鎖を示し、Fは非芳香族系有機基であり、QはPとFとの連結基である。
Pは付加重合性樹脂の主鎖に相当する部分であり、例えばアクリル系樹脂骨格、ノボラック系樹脂骨格、及びメラミン系樹脂骨格が挙げられる。
Fは非芳香族系有機基であり、例えばハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基等で置換されたアルキル基を含む。
QはPとFとの間の連結基であり、単結合、又はエーテル結合、エステル結合、若しくはイミノ結合等を含む連結基が挙げられる。
式(29)におけるn3は2〜2000の繰り返し単位を示し、繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)と繰り返し単位(C)を合わせた当該付加重合性樹脂の重量平均分子量は1000〜1000000、又は10000〜500000である。
繰り返し単位(A)、(B)及び(C)を含む樹脂では、樹脂を構成する全単位構造中に繰り替えし単位(A)がモル比で0.01以上、好ましくは0.01〜0.6含有し、また繰り返し単位(B)がモル比で0.01以上、好ましくは0.01〜0.4含有し、繰り返し単位(C)がモル比で0.2以上、好ましくは0.2〜0.9含有する。但し、樹脂の全構成単位を1.0とする。
例えば、繰り返し単位(C)に相当するものを以下に例示する。
Figure 0004753018
Figure 0004753018
Figure 0004753018
繰り返し単位(C)に相当する成分としては、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、マレイン酸無水物、及びアクリロニトリル等の付加重合性化合物より製造される付加重合ポリマーが挙げられる。また、その他、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリカーボネート、ポリエーテル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、及びナフトールノボラック等を生ずるモノマーを挙げることが出来る。
本願発明では、付加重合性樹脂がアクリル系樹脂である場合は、繰り返し単位(A)と、それに共重合する繰り返し単位(B)、繰り返し単位(C)、及びその他の共重合可能な樹脂もアクリル系樹脂であることが好ましい。
同様に、付加重合性樹脂がノボラック系樹脂である場合は、繰り返し単位(A)と、それに共重合する繰り返し単位(B)、繰り返し単位(C)、及びその他の共重合可能な樹脂もノボラック系樹脂であることが好ましい。
また、付加重合性樹脂がメラミン系樹脂である場合は、繰り返し単位(A)と、それに共重合する繰り返し単位(B)、繰り返し単位(C)、及びその他の共重合可能な樹脂もメラミン系樹脂であることが好ましい。
本願発明は、上記の付加重合性樹脂と溶媒を含有するリソグラフィー用反射防止膜形成組成物である。
反射防止膜形成組成物中で溶媒を取り除いた不揮発分(固形分)は0.01〜10.00重量%である。この固形分中に付加重合性樹脂は、60〜100重量%の割合で存在する。
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物に使用される溶剤としては、固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限無く使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、及び乳酸ブチル等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用される。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物は光酸発生剤を含むことができる。例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸−2,4−ジニトロベンジル、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及びN−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等の光によって酸を発生する酸発生剤を挙げることができる。酸化合物としては、また、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−ノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−ノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩系光酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩系光酸発生剤、及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等のスルホンイミド化合物系光酸発生剤を挙げることができる。
光酸発生剤は一種のみを使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用することができる。光酸発生剤は、反射防止膜形成組成物の固形分中で0.1〜10重量%の割合で含有することが好ましい。反射防止膜形成組成物中に含有された光酸発生剤は、反射防止膜が形成され後、その上に被覆されたレジストの露光時に、反射防止膜からレジストへの酸の供給により、レジスト中の酸不足による現像不良を防止することができる。
本発明の反射防止膜形成組成物は、必要に応じて、その他の吸光性化合物、レオロジー調整剤、及び界面活性剤等の成分を含むことができる。
その他の吸光性化合物としては、反射防止膜の上に設けられるフォトレジスト中の感光成分の感光特性波長領域における光に対して高い吸収能を有するであれば特に制限なく使用することができる。その他の吸光性化合物としては、例えば、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アゾ化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、トリアジン化合物、トリアジントリオン化合物、キノリン化合物などを使用することができる。ナフタレン化合物、アントラセン化合物、トリアジン化合物、トリアジントリオン化合物が用いられる。具体例としては、例えば、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、1−ナフトール、2−ナフトール、ナフチル酢酸、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ブロモ−2−ヒドロキシナフタレン、2,6−ナフタレンジカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、10−ブロモ−9−アントラセンカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、1−アントラセンカルボン酸、1−ヒドロキシアントラセン、1,2,3−アントラセントリオール、9−ヒドロキシメチルアントラセン、2,7,9−アントラセントリオール、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ブロモ安息香酸、3−ヨード安息香酸、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリブロモレゾルシノール、3,4,5−トリヨード安息香酸、2,4,6−トリヨード−3−アミノ安息香酸、2,4,6−トリヨード−3−ヒドロキシ安息香酸、及び2,4,6−トリブロモ−3−ヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。吸光性化合物が使用される場合、その使用量としては、反射防止膜形成組成物の固形分中で、例えば0.1〜40重量%である。
レオロジー調整剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸化合物、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸化合物、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸化合物、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸化合物、及びノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸化合物を挙げることができる。レオロジー調整剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.001〜10重量%である。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また2種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その使用量としては、反射防止膜形成組成物の固形分中で、例えば0.0001〜5重量%である。
以下、本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の使用について説明する。
半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、及びITO基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することにより反射防止膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃〜250℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度130℃〜250℃、焼成時間0.5〜5分間である。ここで、形成される反射防止膜の膜厚としては、例えば0.01〜3.0μmであり、好ましくは、例えば0.03〜1.0μmであり、または0.03〜0.5μmであり、または0.05〜0.2μmである。
次いで、反射防止膜の上に、フォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト組成物溶液の反射防止膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。
本発明の反射防止膜の上に形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがある。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330−334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357−364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365−374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(postexposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択された条件で行われる。
次いで、現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜300秒から適宜選択される。
そして、このようにして形成されたフォトレジストのパターンを保護膜として、反射防止膜の除去及び半導体基板の加工が行なわれる。反射防止膜の除去は、テトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C8)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いて行われる。
半導体基板上に本発明の反射防止膜が形成される前に、平坦化膜やギャップフィル材層が形成されることもできる。大きな段差や、ホールを有する半導体基板が使用される場合には、平坦化膜やギャップフィル材層が形成されていることが好ましい。
また、本発明の反射防止膜形成組成物が塗布される半導体基板は、その表面にCVD法などで形成された無機系の反射防止膜を有するものであってもよく、その上に本発明の反射防止膜を形成することもできる。
さらに、本発明の反射防止膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
また、反射防止膜形成組成物より形成される反射防止膜は、デュアルダマシンプロセスで用いられるビアホールが形成された基板に適用され、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み材として使用できる。また、凹凸のある半導体基板の表面を平坦化するための平坦化材として使用することもできる。
上記のフォトレジストパターンの形成工程を含み、基板を加工して半導体装置を製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
合成例1
ベンジルメタクリレート13.2g(0.08モル)、ヒドロキシプロピルメタクリレート8.0g(0.07モル)、グリシジルメタクリレート18.8g(0.15モル)をプロピレングリコールモノメチルエーテル131.6gに溶解させた後、70℃へ昇温した。溶液が70℃で安定化したところで、アゾビスイソブチロニトリル0.4gを30gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した溶液を滴下して加えた。滴下終了後、24時間、70℃で撹拌してポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は47000であった。
得られたポリマーは、式(34):式(20):式(30)=0.15モル:0.08モル:0.07モルの割合で繰り返し単位を有するポリマーであった。
合成例2
ヒドロキシプロピルメタクリレート8.0g(0.07モル)、グリシジルメタクリレート8.0g(0.06モル)をプロピレングリコールモノメチルエーテル44.64gに溶解させた後、70℃へ昇温した。溶液が70℃で安定化したところで、アゾビスイソブチロニトリル0.16gを20gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した溶液を滴下して加えた。滴下終了後、24時間、70℃で撹拌してポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は48000であった。
得られたポリマーは、式(30):式(34)=0.07モル:0.06モルの割合で繰り返し単位を有するポリマーであった。
合成例3
合成例1で得たポリマー80.0g、ソルビン酸5.66g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.31g、プロピレングリコールモノメチルエーテル23.89gを加えて100℃で4時間反応させ、ポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は80000であった。
得られたポリマーは、A成分[式(16)]:B成分[式(20)]:C成分[式(30)]:C成分[式(34)]=0.05モル:0.16モル:0.14モル:0.25モルの割合で繰り返し単位を有するポリマーであった。
合成例4
合成例2で得たポリマー33.0g、ソルビン酸2.71g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテル11.40gを加えて100℃で4時間反応させ、ポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は130000であった。
得られたポリマーは、A成分[式(6)]:B成分[式(30)]:C成分[式(34)]=0.02モル:0.14モル:0.10モルの割合で繰り返し単位を有するポリマーであった。
実施例1
上記合成例3で得たポリマーを含む溶液15gにプロピレングリコールモノメチルエーテル35.4g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.6gを加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過してリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例2
実施例1と同様に、合成例4で得たポリマーを含む溶液15gにプロピレングリコールモノメチルエーテル35.4g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.6gを加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過してリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の溶液を調製した。
フォトレジスト溶剤への溶出試験
実施例1、2で調製したリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の溶液を、それぞれ、スピナーにより、半導体基板(シリコンウェハー)上に塗布した。ホットプレート上、205℃で1分間焼成し、反射防止膜(膜厚0.6〜0.8μm)を形成した。これらの反射防止膜をフォトレジストに使用する溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに浸漬し、それらの溶剤に不溶であることを確認した。試験結果を表1に示す。
[表1]
表1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
塗布後膜厚(nm) 溶剤処理後膜厚(nm)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 87.8 86.8
実施例2 67.0 66.7
―――――――――――――――――――――――――――――――――
フォトレジストとのインターミキシングの試験
実施例1、2で調製したリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の溶液を、それぞれ、スピナーにより、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上、205℃で1分間焼成し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜の上層に、市販のフォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名UV113)をスピナーにより塗布した。ホットプレート上、120℃で1分間焼成してフォトレジストの層を形成した。フォトレジストを露光後、露光後加熱(postexposure bake)を115℃で1.5分間行った。フォトレジストを現像させた後、反射防止膜の膜厚を測定し、反射防止膜とフォトレジストとのインターミキシングが起こっていないことを確認した。
光学パラメーターの試験
実施例1、2で調製したリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の溶液を、それぞれ、スピナーにより、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上、205℃で1分間焼成し、反射防止膜(膜厚0.60μm)を形成した。そして、これらの反射防止膜を分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、VUV−VASE VU−302)を用い、波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定した。結果を表2に示す。
ドライエッチング速度の測定
実施例1、2で調製した反射防止膜形成組成物の溶液をスピナーにより、それぞれ、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上、205℃で1分間焼成し、反射防止膜を形成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)を測定した。
また、同様にフォトレジスト溶液(住友化学工業(株)製、商品名PAR710)をスピナーにより、シリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上、90℃で1分間焼成しフォトレジストの層を形成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度を測定した。実施例1〜5より形成した反射防止膜と住友化学工業(株)製フォトレジストPAR710のドライエッチング速度との比較を行った。結果を表1に示す。表1中、選択比はフォトレジストPAR710のドライエッチング速度を1.0としたときの、各実施例より形成された反射防止膜のエッチング速度を表す。
[表2]
表2
――――――――――――――――――――――――――――
n値 k値 選択比
――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 1.78 0.28 1.2
実施例2 1.61 0.05 1.3
――――――――――――――――――――――――――――
表1、2より、架橋材を用いることなく十分な溶剤耐性が付与された反射防止膜をえることができるといえる。そのため、ベーク時の架橋材の昇華が原因のディフェクト発生という好ましくない現象を抑制することができるといえる。

Claims (8)

  1. 炭素と炭素の二重結合からなるα,β−不飽和カルボニル結合を側鎖に含有する繰り返し単位(A)と、吸光性を有する芳香族環を含有する繰り返し単位(B)とを含み、樹脂を構成する全単位構造中に繰り返し単位(A)がモル比で0.01以上含有する付加重合性樹脂を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
  2. 付加重合性樹脂が、更にドライエッチング速度を調節するための非芳香族系有機基を含有する繰り返し単位(C)を含むものである請求項1に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
  3. 付加重合性樹脂が、熱硬化性アクリル系樹脂、熱硬化性ノボラック系樹脂、又は熱硬化性メラミン系樹脂である請求項1又は請求項2に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の付加重合性樹脂と溶媒とを含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
  5. 更に光酸発生剤を含有するものである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し130〜280℃で焼成することにより得られる反射防止膜。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を半導体基板上に塗布し130〜280℃で焼成して反射防止膜を形成する工程、前記反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記反射防止膜層と前記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジスト層を現像する工程を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパターンの形成方法。
  8. 請求項7のフォトレジストパターンの形成工程を含む半導体装置の製造方法。
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