JP3970973B2 - Vehicle door closer device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローザ機構によりラッチ機構を作動させて半閉状態にある車両ドアを完全閉状態とするドアクローザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用ドアクローザ装置としては、特開平5−59856号公報に示されるものが知られている。これは、車両ドア側に設けられ車両ボデー側に設けられたストライカと係合して車両ドアを半閉状態及び完全閉状態で保持するラッチ機構と、該ラッチ機構に連係され前記ラッチ機構を作動させて半閉状態にある車両ドアを完全閉状態とするクローザ機構とを有するものであって、クローザ機構を、駆動原に連係されたアクティブレバーと、アクティブレバーに連係され且つラッチ機構と連係可能なパッシブレバーと、アクティブレバーとパッシブレバーとの間に配設され且つ操作源に連係されパッシブレバーとアクティブレバーとの連係を係脱するキャンセルレバーとを有して構成していた。
【0003】
又、この従来装置では、パッシブレバーに第1開口及び第2開口を備える異径形状の長穴開口を形成し且つキャンセルレバー及びアクティブレバーに長穴開口に挿通される円形のピン部を支持し、キャンセルレバーの回転によりピン部をアクティブレバーに対してスライドさせてピン部をパッシブレバーの第1開口及び第2開口間で移動させることによりアクティブレバーとパッシブレバーとの連係の係脱を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来装置であると、アクティブレバーとパッシブレバーとが連係している際の両者の動きを許容するために、キャンセルレバーは、ピン部をガイドする長穴を備えているが、アクティブレバーとパッシブレバーとの連係を断つためにピン部を第2開口から第1開口へと移動させる際、キャンセルレバーの回転操作タイミングによっては、キャンセルレバーの回転中心からピン部までの距離が短く、ピン部のスライド量が少なくなる。この結果、ピン部が円形状を呈しているため、ピン部が第1開口と第2開口とを連続させる凸状の側壁に引っ掛かり、キャンセル不良となる恐れがある。これを回避するためには、キャンセルレバーの回転中心からピン部までの距離を長くとれば良いが、この場合、キャンセルレバーを回転させる操作力が重くなってしまう。
【0005】
故に、本発明は、キャンセルレバーのレバー比を大きくすることなくキャンセル不良を解消することを、その技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、前記パッシブレバーに前記キャンセルレバーを回転自在に支持し且つ前記アクティブレバーと前記キャンセルレバーとの間に係脱機構を構成し、該係脱機構を、前記アクティブレバーに形成された第1開口及び第2開口を備える異径形状の長穴開口と、前記キャンセルレバーに形成され前記長穴開口に挿通される矩形形状のピン部とを有して構成し、更に、前記操作源に連結された出力ピンが挿通され且つ長手方向において幅が可変する前記アクティブレバーの回転中心或いは前記パッシブレバーの回転中心を中心とした円弧形状の長穴を前記キャンセルレバーに形成した、ことである。
【0007】
この技術的手段によれば、ピン部が矩形形状を呈しているため、ピン部は、第2開口から第1開口に移動する際に第1開口及び第2開口を連続する凸状の側壁を回避しながら移動する。よって、キャンセルレバーのレバー比を大きくすることなくキャンセル不良を解消し得る。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、ドアクローザ装置1は、ラッチ機構2とクローザ機構3を備えており、スライド動作によって開閉するスライドドア4内に配設され、車両ボデー5に設けられたストライカ51とラッチ機構2の後述するラッチ21との係合によりスライドドア4を閉状態に保持する。
【0009】
図2ないし図4に示されるように、ラッチ機構2は、ラッチ21及びポール22を有して構成されている。
【0010】
ラッチ21は、スライドドア4内に後述するベースプレート31を介して固定され且つ所定の間隔をもって対向配置された対のベースプレート23、24間に配置されており、ピン25によりベースプレート23、24に回転自在に支持されている。このラッチ21は、その外周面21eに開口したU字溝21aを備えており、このU字溝21a内には、スライドドア4の閉動作に伴い、ストライカ51が進入可能となっている。又、ラッチ21には、その外周面21eから外方に突出し且つポール22と係脱可能な第1及び第2の係合爪21b、21cが形成されている。ピン25回りには、一端がラッチ21に係止され且つ他端がベースプレート24に係止されたスプリング27が配設されており、ラッチ21は、このスプリング27の付勢力を受けて図2示時計方向つまりU字溝21a内に進入したストライカ51をU字溝21a外に送り出す方向に常時回転付勢されている。
【0011】
ポール22は、ラッチ21と同様に、ベースプレート23、24に配置されており、ピン26によりベースプレート23、24に回転自在に支持されている。このポール22は、その回転動作によりラッチ21の第1及び第2の係合爪21b、22cと係脱自在とされている。ピン26回りには、一端はポール22に係止され且つ他端がベースプレート24に係止されたスプリング28が配設されており、ポール22は、このスプリング28の付勢力を受けて図2示反時計方向つまりラッチ21の第1及び第2の係合爪21b、21cと係合する方向に常時回転付勢されている。
【0012】
このような構成において、ストライカ51とラッチ21との係合時における第1の係合爪21bとポール22との係合によりラッチ機構2のハーフラッチ状態が設定され、スライドドア2を半閉状態で保持する。又、ストライカ51とラッチ21との係合時における第2の係合爪21cとポール22との係合によりラッチ機構2のフルラッチ状態が設定され、スライドドア2を完全閉状態で保持する。
【0013】
ラッチ21には、クローザ機構3と連係可能なピン6が立設されている。
【0014】
図5ないし図7に示されるように、クローザ機構3は、モータ32、アクティブレバー33、パッシブレバー34及びキャンセルレバー35を有して構成されている。
【0015】
モータ32は、スライドドア4内に固定されたベースプレート31に減速ギヤ構造32aを内蔵するハウジングを介して固定されている。このモータ32には、ハウジング内蔵の減速ギヤ構造32aを介してベースプレート31の表面側に配置された出力ピニオンギヤ32bが連結されている。アクティブレバー33は、ベースプレート31の表面側に配置されており、ピン36によりベースプレート31に回転自在に支持されている。このアクティブレバー33には、円弧ラック形状を呈したセクタギヤ部33aが形成されており、モータ32の出力ピニオンギヤ32bと噛合している。パッシブレバー34は、アクティブレバー33と同様に、ベースプレート31の表面側に配置され、アクティブレバー33と同軸となるように、ピン36により回転自在に支持されている。このパッシブレバー34には、連係腕部34aが形成されている。この連係腕部34aは、その回転軌跡上にラッチ21のピン6が位置するように延在しており、パッシブレバー34の回転で連係腕部34aがピン6と当接するようになっている。この連係腕部34aとピン6との当接により両者間の連係を成す。キャンセルレバー35は、アクティブレバー33とパッシブレバー34との間に配置され、ピン37によりパッシブレバー34に後述する連係位置及びキャンセル位置を取るように回転自在に支持されている。アクティブレバー33の回転中心(ピン35)を挟んでセクタギヤ部33aと対向する部分には、異形形状の長穴開口33bが形成されている。キャンセルレバー35には、長穴開口33bに挿通される矩形形状のピン部35aが一体に突出形成されている。アクティブレバー33の長穴開口33bは、アクティブレバー33の周方向所定範囲に渡る第1開口331b及び第1開口331bから連続し且つアクティブレバー33の径方向に渡る第2開口332bを備える。第2開口332bのアクティブレバー33の径方向幅は、キャンセルレバー35のピン部35aと略同じ幅となっている。キャンセルレバー35のピン部35aは、キャンセルレバ−35のピン37を中心としたパッシブレバ34に対する回転により、第1開口331b内に位置したり第2開口332b内に位置したりするように、アクティブレバー33に対して移動し、ピン部35aが第2開口332b内に位置(キャンセルレバー35の連係位置)することにより、アクティブレバー33の回転がキャンセルレバー35を介してパッシブレバー34に伝わり、アクティブレバー33及びパッシブレバー34の両者がピン36を中心にして一体的に回転するようになる。又、ピン部35aが第1開口331b内に位置(キャンセルレバー35のキャンセル位置)することにより、アクティブレバー33がキャンセルレバー35に対して空振りし、アクティブレバ33ーとパッシブレバー34とは相対回転するようになる。
【0016】
キャセンルレバー35には、ピン36を中心とした円弧形状の長穴35bが形成されている。又、ベースプレート31の裏面側には、スライドドア4のアウトサイドハンドル41(図1示)に連結された直線移動する2枚の移動リンク91、92及びベースプレート31に回転自在に支持された回転リンク93よりなるリンク機構9が配設されている。このリンク機構9の回転リンク93は、出力ピン93aを備えており、この出力ピン93aは、キャンセルレバー35の長穴35bに挿通されている。長穴35bには、幅の狭い部分351bと幅の広い部分352bとをその長手方向において設定されており、幅の狭い部分351bは、出力ピン93aと略同じ幅で、幅の広い部分352bは、出力ピン93aより広く、両者間にスキマを設定している。
【0017】
パッシブレバー34とベースプレート31に固定されたサブプレート31a(ピン6を支持すると共にキャンセルレバー35とアクティブレバー33との係合部位を被覆する)との間には、スプリング38が配設されており、パッシブレバー34は、このスプリング38の付勢力を受けて図5示時計方向つまり連係腕部34aがラッチ21のピン6から遠ざかる方向に常時付勢されている。又、ベースプレート31に固定されたサブプレート32(出力ピニオンギヤ32bとアクティブレバー33のセクタギヤ部33aとの噛合部位を被覆する)は、アクティブレバー33のセクタギヤ部33aの両端面と当接可能な対のストッパ体39、40が固定されており、このストッパ体39、40によりアクティブレバー33の回転角を規定している。
【0018】
尚、ベースプレート31は、ラッチ機構2を支持しており、これにより、ラッチ機構2とクローザ機構3とがベースプレート31によりユニット化され、スライドドア4に対する組付性を向上させている。
【0019】
図2に示されるように、ベースプレート24上には、ロータリ式のラッチスイッチ7及びリミット式のポールスイッチ8が配設されている。ラッチスイッチ7は、ラッチ機構2のハーフラッチ状態が得られるラッチ21のハーフラッチ位置及びフルラッチ状態が得られるフルラッチ位置を検出するものであって、その入力レバー71にラッチ21に立設された連結ピン29が長穴71aを介して連結されている。尚、連結ピン29は、ラッチ21からベースプレート24に形成された長穴24aに挿通されて入力レバー71へと延在している。ポールスイッチ8は、ポール22の回転によりオン・オフしてラッチ機構2がハーフラッチ状態及びフルラッチ状態となる時のポール22の回転を検出するものであって、その可動接点81がポール22に固定された検出ブロック30と接触可能となっている。
【0020】
図5に示されるように、ベースプレート31の表面側には、リミット式の元位置スイッチ10が配設されている。又、裏面側には、リミット式のハンドルスイッチ11が配設されている。元位置スイッチ10は、アクティブレバー33のセクタギヤ部33aの一方の端面がストッパ体39と当接したアクティブレバー33の初期位置を検出するものであって、その可動接点101がセクタギヤ部33aの一方の端面と当接可能となっている。ハンドルスイッチ11は、スライドドア4のアウトサイドハンドル41が操作されたか否かを移動リンク91の移動から検出するものであって、その可動接点111が移動リンク91の検出部91aと接触可能となっている。
【0021】
図8に示されるように、ラッチスイッチ7及びポールスイッチ8の検出信号に基づいてクローザ機構3のモーター32を作動制御するCPUの入力ポートP1には、ラッチスイッチ7の基板状のハーフラッチ接点72がポールスイッチ8を介して接続されている。入力ポートP2には、ラッチスイッチ7の可動接点73が接続されており、入力ポートP3には、基板状のフルラッチ接点74が接続されている。又、入力ポートP4、P5には、元位置スイッチ10及びハンドルスイッチ11が直列に接続されている。更に、出力ポートP6、P7には、クローザ機構3のモーター32が接続されている。
【0022】
次に作動について説明する。
【0023】
スライドドア4が開状態の時、ストライカ51とラッチ21とは、非係合状態にあり、ラッチ21の第1及び第2の係合爪21b、21cとポール22とは、非係合状態にある。この状態において、ラッチスイッチ7は、オフ状態にあり、ポールスイッチ8は、ポール22の検出ブロック30と可動接点81との接触でオン状態にある。又、図5及び図9に示されるように、アクティブレバー33は、セクタギヤ部33aの一方の端面がストッパ体39と当接した初期位置にあり、キャンセルレバー35は、ピン部35aが長穴開口33bの第2開口332b内に位置するように、連係位置に位置している。この状態において、元位置スイッチ10は、可動接点101とセクタギヤ部33aの一方の端面との接触でオフ状態にあり、ハンドルスイッチ11は、キャンセルレバー35が連係位置に位置しているつまりアウトサイドハンドル41が操作されていないことで、その可動接点111と移動リンク91の検出部91aとの当接でオン状態にある。
【0024】
この状態において、スライドドア4を閉動作すると、ストライカ51がラッチ21のU字溝21a内に進入してラッチ21がスプリング27の付勢力に抗して回転していく。これにより、ラッチ21がハーフラッチ位置に位置して第1の係合爪21bとポール22とが係合してラッチ機構2がハーフラッチ状態となる。この時、ポール22は、ラッチ21の回転に合せてスプリング28の付勢力に抗して一旦、回転させられた後、スプリング28の付勢力により再び回転させられて第1の係合爪21bと係合する。このポール22とラッチ21の第1の係合爪21bとの係合によりラッチ21のスプリング27の付勢力による回転が規制され、スライドドア4は、半閉状態で保持されることになる。
【0025】
このようなラッチ機構2の作動を受けて、図15に示されるように、ラッチスイッチ7は、ラッチ21がハーフラッチ位置に位置することで、ハーフラッチ接点72を閉じ(ラッチスイッチハーフオン)、ポールスイッチ8は、ポール22のスプリング28の付勢力に抗した回転で(ポールスイッチ8の可動接点81とポール22の検出ブロック30との接触が外れる)一旦、オフとなった後、スプリング28の付勢力による回転で再びオンとなる。そして、ハーフラッチ接点72が閉じられ且つポールスイッチ8がオン状態となることで、CPUの入力ポートP1、P2にオン信号が入力される。このように、ラッチ機構2のハーフラッチ状態をラッチスイッチ7とポールスイッチ8の両方で検出するので、精度良く且つ確実なハーフラッチ状態の検知が可能となる。
【0026】
CPUの入力ポートP1、P2にオン信号が入力されると、CPUは、このオン信号に基づいて出力ポートP6、P7に正転駆動信号を出力する。これにより、クローザ機構3のモーター32が正転駆動して図9ないし図11に示されるように、アクティブレバー33が出力ピニオンギヤ32bとセクタギヤ部33aとの噛合により図9ないし図11示反時計方向にセクタギヤ33aの他方の端面がストッパ体40と当接するまで回転していく。この時、キャセンルレバー35が連係位置にあり、ピン部35aが長穴開口33bの第2開口332b内に位置しているので、パッシブレバー34もアクティブレバー33と一体にスプリング38の付勢力に抗して図9ないし図11示反時計方向に回転していく。又、キャンセルレバー35も、リンク機構9の出力ピン93aがキャンセルレバー35の長穴35bの幅の広い部分352bから幅の狭い部分351bへと移動していくようなガイドにより、パッシブレバー34及びアクティブレバー33の一体回転と共に図9ないし図11に示すように移動していく。結果、パッシブレバー34の連係腕部34aがその回転軌跡上にあるラッチ21のピン6を押し、ラッチ21がスプリング27の付勢力に抗して回転していく。これにより、ラッチ21がフルラッチ位置に位置して第2の係合爪21cとポール22とが係合してラッチ機構2がフルラッチ状態となる。この時、ポール22は、ラッチ21の回転に合せてスプリング28の付勢力に抗して一旦、回転させられた後、スプリング28の付勢力により再び回転させられて第2の係合爪21cと係合する。このポール22とラッチ21の第2の係合爪21cとの係合によりラッチ21のスプリング27の付勢力による回転が規制され、スライドドア4は、完全閉状態で保持されることになる。
【0027】
このようなラッチ機構2の作動を受けて、図15に示されるように、ラッチスイッチ7は、ラッチ21がフルラッチ位置に位置することで、フルラッチ接点74を閉じ(ラッチスイッチフルオン)、ポールスイッチ8は、ポール22のスプリング28の付勢力に抗した回転で(ポールスイッチ8の可動接点81とポール22の検出ブロック30との接触が外れる)一旦、オフとなった後、スプリング28の付勢力による回転で再びオンとなる。この時、ハーフラッチ接点72は、閉じられたままとなっている。そして、ハーフラッチ接点72及びフルラッチ接点74が閉じられ且つポールスイッチ8がオン状態となることで、CPUの入力ポートP1、P2、P3にオン信号が入力される。このように、ラッチ機構2のフルラッチ状態をラッチスイッチ7とポールスイッチ8の両方で検出するので、精度良く且つ確実なフルラッチ状態の検知が可能となる。又、元位置スイッチ10は、アクティブレバー33の回転によりその可動接点101とセクタギヤ部の一方の端面との接触が解除されることでオン状態となる。
【0028】
CPUの入力ポートP1、P2、P3にオン信号が入力されると、CPUは、このオン信号に基づいて出力ポートP6、P7に駆動停止信号を出力する。これにより、クローザ機構3のモーター32の正転駆動が停止する。その後、駆動停止から所定時間後にCPUの出力ポートP6、P7から逆転駆動信号が出力され、モーター32が前述とは逆に逆転駆動し、図12に示されるように、アクティブレバー33及びパッシブレバー34が図11ないし図12示時計方向に一体に回転してセクタギヤ部33aの一方の端面とストッパ体39とが当接する初期位置に復帰する。このアクティブレバー33の初期位置復帰により、図15に示されるように、セクタギヤ部33aの一方の端面と元位置スイッチ10の可動接点101とが接触して元位置スイッチ10がオフ状態となり、CPUの入力ポートP6、P7にオフ信号が入力される。この結果、CPUは、このオフ信号に基づいて出力ポートP6、P7に駆動停止信号を出力し、モーター32の逆転駆動を停止する。
【0029】
クローザー機構3のモーター31が正転駆動してアクティブレバー33及びパッシブレバー34が一体回転している際に、アウトサイドハンドル41を操作すると、移動リンク91、92を介して回転リンク93が回転させられる。この回転リンク93の回転により、図13及び図14に示されるように、回転リンク93の出力ピン93aがキャンセルレバー35の長穴35bの側壁を押してキャンセルレバー35がピン37を中心に図13示時計方向に回転し、キャンセルレバー35のピン部35aがアクティブレバー33の長穴開口33bの第2開口332bから第1開口331bへと移動する。この時、ピン部35aは、矩形形状を呈しているので、長穴開口33bの第1開口331bと第2開口332bとの連続部分の凸状の側壁333bに引っ掛かるようなことがなく、又、仮に、引っ掛かったとしても、長穴35bの幅の広い部分352bによる出力ピン93aとの間のスキマによりキャンセルレバー35は、引っ掛かりによる反力でピン部35aに対してその向きを変え、この引っ掛かりを解消するので、キャンセルレバー35のスムーズな回転が確保される。これにより、アクティブレバー33とパッシブレバー34との一体回転が断たれ、パッシブレバー34がスプリング38の付勢力により今までとは逆に回転して初期位置に復帰する。結果、ラッチ機構2のハーフラッチ状態からフルラッチ状態への移行つまりスライドドア4の半閉状態から完全閉状態への移行が機械的にキャンセルされる。
【0030】
このアウトサイドハンドル41の操作を受けて、図16に示されるように、ハンドルスイッチ11は、移動リンク91と可動接点111との接触が外れてオフ状態となり、CPUの入力ポートP4、P5にオフ信号が入力される。
【0031】
CPUの入力ポートP4、P5にオフ信号が入力されると、CPUは、このオン信号に基づいて出力ポートP6、P7に駆動停止信号を出力する。これにより、クローザ機構3のモーター32の正転駆動が停止する。その後、駆動停止から所定時間後にCPUの出力ポートP6、P7から逆転駆動信号が出力され、モーター32が前述とは逆に逆転駆動し、アクティブレバー33が初期位置に復帰する。このアクティブレバー33の初期位置復帰により、図16に示されるように、セクタギヤ部33aの一方の端面と元位置スイッチ10の可動接点101とが接触して元位置スイッチ10がオフ状態となり、CPUの入力ポートP6、P7にオフ信号が再び入力される。この結果、CPUは、このオフ信号に基づいて出力ポートP6、P7に駆動停止信号を出力し、モーター32の逆転駆動を停止する。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、アクティブレバー及びパッシブレバーの何れか一方とキャンセルレバーとのいずれか一方に形成された異形形状の長穴開口に挿通されるいずれか他方に形成されたピン部を矩形形状としたので、ピン部を第2開口から第1開口に移動する際に第1開口及び第2開口を連続する凸状の側壁を回避しながら移動させることができる。これにより、キャンセル不良を解消することができる。又、キャンセルレバーのレバー比は、変更されないので、キャンセルレバーを回転させる操作力が重くなることもない。
【0034】
又、本発明によれば、操作源とキャンセルレバーとをキャンセルレバーに形成された長手方向において幅が可変する長穴及び長穴に挿通される操作源に連結された出力ピンで連係したので、出力ピンと長穴の側壁との間のスキマ分だけキャンセルレバーのピン部に対して向きを変えることができる。これにより、ピン部と凸状の側壁との引っ掛かりを強制的に解消することができ、キャンセル不良をより確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ドアクローザ装置を搭載した車両の斜視図である。
【図2】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のラッチ機構を示す正面図である。
【図3】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のラッチ機構のラッチを示す断面図である。
【図4】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のラッチ機構のポールを示す断面図である。
【図5】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の正面図である。
【図6】図5の裏面図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】本発明に係る車両用ドアクローザ装置の制御回路を示す回路図である。
【図9】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の作動を示す正面図である。
【図10】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の作動を示す正面図である。
【図11】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の作動を示す正面図である。
【図12】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の作動を示す正面図である。
【図13】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の作動を示す正面図である。
【図14】本発明に係る車両用ドアクローザ装置のクローザ機構の作動を示す正面図である。
【図15】本発明に係る車両用ドアクローザ装置の制御回路の通常作動を示すタイミングチャート図である。
【図16】本発明に係る車両用ドアクローザ装置の制御回路のキャンセル作動を示すタイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 車両用ドアクローザ装置
2 ラッチ機構
3 クローザ機構
4 スライドドア(車両ドア)
5 車両ボデー
32 モーター(駆動源)
33 アクティブレバー
34 パッシブレバー
35 キャンセルレバー
41 アウトサイドハンドル(操作源)
33b 長穴開口(係脱機構)
35a ピン部(係脱機構)
35b 長穴
93a 出力ピン
331b 第1開口
332b 第2開口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a door closer device that operates a latch mechanism by a closer mechanism to fully close a vehicle door in a semi-closed state.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of vehicle door closer device, one disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-59856 is known. This includes a latch mechanism that is provided on the vehicle door side and engages with a striker provided on the vehicle body side to hold the vehicle door in a semi-closed state and a fully closed state, and is linked to the latch mechanism to operate the latch mechanism. And a closer mechanism that fully closes the vehicle door in a semi-closed state. The closer mechanism can be linked to an active lever linked to a driving source, and linked to an active lever and linked to a latch mechanism. And a cancel lever disposed between the active lever and the passive lever and linked to the operation source to disengage the linkage between the passive lever and the active lever.
[0003]
Further, in this conventional apparatus, a long hole opening having a different diameter shape having a first opening and a second opening is formed in the passive lever, and a circular pin portion inserted into the long hole opening is supported by the cancel lever and the active lever. The linkage of the active lever and the passive lever is disengaged by sliding the pin portion with respect to the active lever by rotating the cancel lever and moving the pin portion between the first opening and the second opening of the passive lever. It was.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of the above-described conventional device, the cancel lever is provided with a long hole for guiding the pin portion in order to allow the movement of both when the active lever and the passive lever are linked. When moving the pin part from the second opening to the first opening to break the linkage between the lever and the passive lever, depending on the rotation operation timing of the cancel lever, the distance from the rotation center of the cancel lever to the pin part is short, The sliding amount of the pin part is reduced. As a result, since the pin portion has a circular shape, the pin portion may be caught on the convex side wall that connects the first opening and the second opening, which may cause a cancellation failure. In order to avoid this, it is only necessary to increase the distance from the rotation center of the cancel lever to the pin portion, but in this case, the operation force for rotating the cancel lever becomes heavy.
[0005]
Therefore, this invention makes it the technical subject to eliminate cancellation failure, without enlarging the lever ratio of a cancellation lever.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The technical means taken in the present invention in order to solve the above technical problem is to support the cancel lever rotatably on the passive lever and to configure an engagement / disengagement mechanism between the active lever and the cancel lever. The engagement / disengagement mechanism includes an elongated hole opening having a different diameter shape provided with a first opening and a second opening formed in the active lever, and a rectangular pin formed in the cancellation lever and inserted into the elongated hole opening. And a circular arc shape centered on the rotation center of the active lever or the rotation center of the passive lever through which an output pin connected to the operation source is inserted and whose width is variable in the longitudinal direction. Is formed in the cancel lever .
[0007]
According to this technical means, since the pin portion has a rectangular shape, when the pin portion moves from the second opening to the first opening, the pin portion has a convex side wall that continues the first opening and the second opening. Move while avoiding. Therefore, the cancellation failure can be eliminated without increasing the lever ratio of the cancellation lever.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As shown in FIG. 1, the door closer device 1 includes a
[0009]
As shown in FIGS. 2 to 4, the
[0010]
The
[0011]
Like the
[0012]
In such a configuration, when the
[0013]
A
[0014]
As shown in FIGS. 5 to 7, the
[0015]
The
[0016]
An arc-shaped
[0017]
A
[0018]
Note that the
[0019]
As shown in FIG. 2, a
[0020]
As shown in FIG. 5, a limit type
[0021]
As shown in FIG. 8, a board-like
[0022]
Next, the operation will be described.
[0023]
When the sliding
[0024]
In this state, when the sliding
[0025]
In response to the operation of the
[0026]
When an on signal is input to the input ports P1 and P2 of the CPU, the CPU outputs a forward drive signal to the output ports P6 and P7 based on the on signal. As a result, the
[0027]
In response to the operation of the
[0028]
When an on signal is input to the input ports P1, P2, and P3 of the CPU, the CPU outputs a drive stop signal to the output ports P6 and P7 based on the on signal. Thereby, the forward drive of the
[0029]
If the
[0030]
In response to the operation of the
[0031]
When an off signal is input to the input ports P4 and P5 of the CPU, the CPU outputs a drive stop signal to the output ports P6 and P7 based on the on signal. Thereby, the forward drive of the
[0033]
【The invention's effect】
According to the present invention, the pin portion formed on either one of the active lever and the passive lever and the cancel lever is inserted into the odd-shaped elongated hole opening formed on the other and has a rectangular shape. Therefore, when the pin portion is moved from the second opening to the first opening, the first opening and the second opening can be moved while avoiding the convex side wall that is continuous. Thereby, cancellation failure can be eliminated. Further, since the lever ratio of the cancel lever is not changed, the operating force for rotating the cancel lever does not increase.
[0034]
Further, according to the present invention, the operation source and the cancel lever are linked by the long hole formed in the cancel lever with a variable width in the longitudinal direction and the output pin connected to the operation source inserted through the long hole. The direction can be changed with respect to the pin portion of the cancel lever by a gap between the output pin and the side wall of the elongated hole. As a result, the catch between the pin portion and the convex side wall can be forcibly eliminated, and the cancellation failure can be avoided more reliably.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a vehicle equipped with a vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 2 is a front view showing a latch mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 3 is a sectional view showing a latch of the latch mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a pawl of a latch mechanism of a vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 5 is a front view of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
6 is a rear view of FIG. 5. FIG.
7 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 8 is a circuit diagram showing a control circuit of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 9 is a front view showing the operation of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 10 is a front view showing the operation of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 11 is a front view showing the operation of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 12 is a front view showing the operation of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 13 is a front view showing the operation of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 14 is a front view showing the operation of the closer mechanism of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 15 is a timing chart showing a normal operation of the control circuit of the vehicle door closer device according to the present invention.
FIG. 16 is a timing chart showing a cancel operation of the control circuit of the vehicle door closer device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Vehicle door
5
33
33b Slot opening (engagement / disengagement mechanism)
35a Pin part (engagement mechanism)
Claims (1)
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