JP3907029B2 - 環状アミン誘導体を含有する医薬 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた血小板凝集抑制作用又は動脈硬化進展抑制作用等を有し、塞栓症、血栓症若しくは動脈硬化症の予防剤又は治療剤として有用な環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
血小板凝集抑制作用等を有する環状アミン誘導体として、例えば、ヒドロピリジン誘導体が知られている[例えば、米国特許第4,051,141 号、特開昭59-27895号公報(EP99802)、特開平6-41139 号公報(EP542411)等]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、長年に亘り、環状アミン誘導体の薬理作用を検討してきた。その結果、特異な環状アミン誘導体がすぐれた血小板凝集抑制作用又は動脈硬化進展抑制作用等(特に血小板凝集抑制作用)を有し、塞栓症、血栓症若しくは動脈硬化症(特に塞栓症又は血栓症)の予防剤又は治療剤(特に治療剤)として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、優れた血小板凝集抑制作用又は動脈硬化進展抑制作用を有する環状アミン誘導体を含有する医薬を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の環状アミン誘導体は、一般式
【0005】
【化2】
【0006】
を有する。
【0007】
上記式中、R1 は、置換されていてもよいフェニル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル基、ハロゲン原子、フルオロ置換−C1 −C4 アルキル基、C1 −C4 アルコキシ基、フルオロ置換−C1 −C4 アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)を示し、
R2 は、置換されていてもよいC1 −C8 脂肪族アシル基(該置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1 −C4 アルコキシ基又はシアノ基である。)、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル基、ハロゲン原子またはC1 −C4 アルコキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基を示し、
R3 は、縮環されていてもよい、置換された3乃至7員環状飽和アミノ基[該置換基は、必須のものとしては、保護されていてもよいメルカプト基又は保護されていてもよいメルカプトで置換されたC1 −C4 アルキル基であり、所望のものとしては、式 =CR4 R5 を有する基(式中、R4 及びR5 は、同一又は異なって、水素原子、C1 −C4 アルキル基、カルボキシ基、(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基又はモノ−若しくはジ−(C1 −C4 アルキル)カルバモイル基を示す。)であり、メルカプト基の保護基は、C1 −C20アルカノイル基、C3 −C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル基、ハロゲン原子又はC1 −C4 アルコキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である。]を示す。R1 の置換されていてもよいフェニル基の置換基であるC1 −C4 アルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソブチルのような直鎖若しくは分岐状の炭素数1乃至4個のアルキル基であり得、好適には、メチル基又はエチル基であり、特に好適には、メチル基である。
【0008】
R1 の置換されていてもよいフェニル基の置換基であるハロゲン原子は、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子であり得、好適には、弗素原子、塩素原子又は臭素原子であり、特に好適には、弗素原子又は塩素原子である。
【0009】
R1 の置換されていてもよいフェニル基の置換基であるフルオロ置換−C1 −C4 アルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、2−フルオロブチル、3−フルオロブチル、4−フルオロブチルのような直鎖若しくは分岐状の炭素数1乃至4個のフルオロ置換アルキル基であり得、好適には、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチル基であり、特に好適には、トリフルオロメチル基である。
【0010】
R1 の置換されていてもよいフェニル基の置換基であるC1 −C4 アルコキシ基については、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシのような直鎖若しくは分岐状の炭素数1乃至4個のアルコキシ基であり得、好適には、メトキシ又はエトキシ基であり、特に好適には、メトキシ基である。
【0011】
R1 の置換されていてもよいフェニル基の置換基であるフルオロ置換−C1 −C4 アルコキシ基は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、2−フルオロイソプロポキシ、4−フルオロブトキシのような直鎖若しくは分岐状の炭素数1乃至4個のフルオロ置換アルコキシ基であり得、好適には、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ基であり、特に好適には、トリフルオロメトキシ基である。
【0012】
R1 の置換されていてもよいフェニル基の置換基は、好適には、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、フルオロ置換−メチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ置換−メトキシ基、シアノ基又はニトロ基であり、更に好適には、弗素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基又はニトロ基であり、特に好適には、弗素原子又は塩素原子である。
該置換基の数は、好適には、1乃至3であり、更に好適には、1又は2である。また、置換位置は、好適には、2位又は4位であり、特に好適には、2位である。
【0013】
R2 の置換されていてもよいC1 −C8 脂肪族アシル基の脂肪族アシル基は、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル基のような直鎖若しくは分岐状のC1 −C8 アルカノイル基;又はシクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニルのような(C3 −C7 シクロアルキル)カルボニル基であり得、好適には、C2 −C4 アルカノイル基又は(C3 −C6 シクロアルキル)カルボニル基であり、更に好適には、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、シクロプロピルカルボニル又はシクロブチルカルボニル基である。
【0014】
また、脂肪族アシル基の置換基のハロゲン原子及びC1 −C4 アルコキシ基は、前記フェニル基の置換基で定義したものと同意義を示し、脂肪族アシル基の置換基は、好適には、弗素原子、塩素原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基又はシアノ基であり、更に好適には、弗素原子又は塩素原子であり、特に好適には、弗素原子である。
【0015】
置換された脂肪族アシル基の具体的な基は、例えば、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、3−フルオロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、3−ブロモプロピオニル、3−ヨードプロピオニル、4−フルオロブチリル、4−クロロブチリル、5−フルオロバレリル、ヒドロキシアセチル、3−ヒドロキシプロピオニル、4−ヒドロキシブチリル、5−ヒドロキシバレリル、メトキシアセチル、3−メトキシプロピオニル、4−メトキシブチリル、5−メトキシバレリル、エトキシアセチル、3−エトキシプロピオニル、4−エトキシブチリル、5−エトキシバレリル、シアノアセチル、3−シアノプロピオニル、4−シアノブチリル、5−シアノバレリル、2−フルオロシクロプロピルカルボニル、2,2−ジフルオロシクロプロピルカルボニル、2−クロロシクロプロピルカルボニル、2−ブロモシクロプロピルカルボニル、2−フルオロシクロブチルカルボニル、2−クロロシクロブチルカルボニル、2−フルオロシクロペンチルカルボニル、2−クロロシクロペンチルカルボニル、2−フルオロシクロヘキシルカルボニル、2−クロロシクロヘキシルカルボニル、2−ヒドロキシシクロプロピルカルボニル、2−ヒドロキシシクロブチルカルボニル、2−ヒドロキシシクロペンチルカルボニル、2−ヒドロキシシクロヘキシルカルボニル、2−メトキシシクロプロピルカルボニル、2−メトキシシクロブチルカルボニル、2−メトキシシクロペンチルカルボニル、2−メトキシシクロヘキシルカルボニル、2−エトキシシクロプロピルカルボニル、2−エトキシシクロブチルカルボニル、2−エトキシシクロペンチルカルボニル、2−エトキシシクロヘキシルカルボニル、2−シアノシクロプロピルカルボニル、2−シアノシクロブチルカルボニル、2−シアノシクロペンチルカルボニル、2−シアノシクロヘキシルカルボニル基であり得、
好適には、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、3−フルオロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、ヒドロキシアセチル、3−ヒドロキシプロピオニル、メトキシアセチル、3−メトキシプロピオニル、エトキシアセチル、シアノアセチル、3−シアノプロピオニル、2−フルオロシクロプロピルカルボニル、2,2−ジフルオロシクロプロピルカルボニル、2−クロロシクロプロピルカルボニル、2−フルオロシクロブチルカルボニル、2−クロロシクロブチルカルボニル、2−フルオロシクロペンチルカルボニル、2−フルオロシクロヘキシルカルボニル、2−ヒドロキシシクロプロピルカルボニル、2−メトキシシクロプロピルカルボニル、2−エトキシシクロプロピルカルボニル又は2−シアノシクロプロピルカルボニル基であり、
更に好適には、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、3−フルオロプロピオニル、2−フルオロシクロプロピルカルボニル、2−クロロシクロプロピルカルボニル又は2−フルオロシクロブチルカルボニル基であり、
特に好適には、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、3−フルオロプロピオニル又は2−フルオロシクロプロピルカルボニル基である。
【0016】
R2 の置換されていてもよいベンゾイル基の置換基のC1 −C4 アルキル基、ハロゲン原子及びC1 −C4 アルコキシ基は、前記フェニル基の置換基で定義したものと同意義を示し、ベンゾイル基の置換基は、好適には、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基であり、更に好適には、弗素原子又は塩素原子であり、特に好適には、弗素原子である。
【0017】
R2 の(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基のC1 −C4 アルコキシ部分は、前記フェニル基の置換基で定義したものと同意義を示し、好適には、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル基であり、特に好適には、メトキシカルボニル基である。
【0018】
R3 の縮環されていてもよい、置換された3乃至7員環状飽和アミノ基のアミノ部分は、1−アジリジニル、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、2H−ヘキサヒドロアゼピン−1−イル、7−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−7−イル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、4−ピペラジニル基のような酸素、窒素若しくは硫黄原子を有してもよい炭素数2乃至8個の環状アミノ基であり得、好適には、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、7−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−7−イル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル、4−モルホリニル又は4−チオモルホリニル基であり、更に好適には、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル又は9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル基であり、更により好適には、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル又は8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、特に好適には、1−アゼチジニル、1−ピペリジニル又は8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基である。
【0019】
R3 の3乃至7員環状アミノ基の置換基のメルカプト等で置換されたC1 −C4 アルキル基のC1 −C4 アルキル部分、R4 及びR5 のC1 −C4 アルキル基又はモノ−若しくはジ−(C1 −C4 アルキル)カルバモイル基のC1 −C4 アルキル部分は、前記フェニル基の置換基で定義したものと同意義を示し、R4 及びR5 の(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基は、前記R2 で定義したものと同意義を示す。
【0020】
メルカプト基の保護基のC1 −C20アルカノイル基は、例えば、前記のR2 におけるC1 −C8 アルカノイル、ノナノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、エイコサノイル基のような直鎖若しくは分岐状のC1 −C20アルカノイル基であり得、好適には、C1 −C12アルカノイル基であり、更に好適には、C1 −C6 アルカノイル基であり、特に好適には、C2 −C5 アルカノイル基である。
【0021】
メルカプト基の保護基のC3 −C20アルケノイル基は、例えば、アクロイル、メタアクロイル、2−ブテノイル、3−ブテノイル、2−ペンテノイル、3−ペンテノイル、2−ヘキセノイル、3−ヘキセノイル、2−オクテノイル、3−オクテノイル、5−ドデセノイル(特に、シス体)、パルミトレオイル、オレオイル、11−エイコセノイル(特に、シス体)基のような直鎖若しくは分岐状のC3 −C20アルケノイル基であり得、好適には、C8 −C20アルケノイル基であり、更に好適には、C12−C20アルケノイル基であり、更により好適には、C15−C20アルケノイル基であり、特に好適には、パルミトレオイル又はオレオイル基である。
【0022】
メルカプト基の保護基の置換されていてもよいベンゾイル基及び(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基は、前記R2 で定義したものと同意義を示す。
【0023】
また、縮環されていてもよい、置換された3乃至7員環状飽和アミノ基は、好適には、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基(R4 及びR5 は、同一又は異なって、水素原子、C1 −C4 アルキル基、カルボキシ基、(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基又はモノ−若しくはジ−(C1 −C4 アルキル)カルバモイル基である。)又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、更に好適には、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基(R4 及びR5 は、同一又は異なって、水素原子、メチル基、エチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基又はジエチルカルバモイル基である。)又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、更により好適には、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基(R4 は水素原子であり、R5 は、水素原子、メチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基である。)又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、特に好適には、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基(R4 は水素原子であり、R5 は、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基である。)又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基である。
【0024】
本発明の化合物(I)において、R1 が結合している炭素原子等は不斉炭素原子であり得、それらに基づく光学異性体が存在するが、その異性体及びそれらの混合物も本発明の化合物に包含される。また、化合物(I)において、分子中に二重結合及び/又はシクロアルキル基若しくは環状アミノ基に二つの置換基が含まれる場合には、それらに基づくシス/トランスの幾何異性体が存在するが、その異性体及びそれらの混合物も本発明の化合物に包含される。
【0025】
本発明の化合物(I)は、R4 又はR5 がカルボキシ基である場合、塩基で処理することにより容易に薬理上許容される塩に変換される。それらの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩であり得、好適にはアルカリ金属塩(特にナトリウム塩又はカリウム塩)である。
【0026】
また、本発明の化合物(I)は、酸で処理することにより容易に薬理上許容される塩に変換される。それらの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩のような無機酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のような有機酸塩をあげることができるが、好適には、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩又はメタンスルホン酸塩である。
【0027】
更に、化合物(I)又はその塩の水和物も本発明に包含される。
【0028】
本発明の前記一般式(I)を有する環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬に於て、好適には、
(1) R1 が、置換されたフェニル基(該置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、フルオロ置換−メチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ置換−メトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(2) R1 が、置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(3) R1 が置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子又は塩素原子である。)である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、(4) R1 の置換されたフェニル基の置換基の数が、1乃至3である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(5) R1 の置換されたフェニル基の置換基の数が、1又は2である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(6) R1 の置換されたフェニル基の置換基の置換位置が、2位又は4位である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(7) R2 が、置換されていてもよい、C2 −C4 アルカノイル基若しくは(C3 −C6 シクロアルキル)カルボニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基又はシアノ基である。)、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(8) R2 が、弗素原子又は塩素原子で置換されていてもよい、C2 −C4 アルカノイル基若しくは(C3 −C6 シクロアルキル)カルボニル基;ベンゾイル基;又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(9) R2 が、弗素原子で置換されていてもよい、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、シクロプロピルカルボニル基又はシクロブチルカルボニル基;或は、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(10) R2 が、プロピオニル基、シクロプロピルカルボニル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(11) R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 及びR5 が、同一又は異なって、水素原子、C1 −C4 アルキル基、カルボキシ基、(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基又はモノ−若しくはジ−(C1 −C4 アルキル)カルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基は、C1 −C20アルカノイル基、C3 −C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル基、ハロゲン原子又はC1 −C4 アルコキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(12) R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 及びR5 が、同一又は異なって、水素原子、メチル基、エチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基又はジエチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基は、C1 −C20アルカノイル基、C8 −C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(13) R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 が水素原子であり、R5 が、水素原子、メチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基が、C2 −C6 アルカノイル基、パルミトレオイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(14) R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 は水素原子であり、R5 は、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基が、C2 −C5 アルカノイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
をあげることができ、R1 に関しては、(1)から(3)及び(4)から(6)の順で好適な順位が上り、R2 に関しては、(7)から(10)の順で好適な順位が上り、R3 に関しては、(11)から(14)の順で好適な順位が上がる。また、前記一般式(I)を有する環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬としては、(1)乃至(3)、(4)乃至(6)、(7)乃至(10)及び(11)乃至(14)からなる群より2乃至4を選択し、それらを任意に組合せたものを挙げることができ、その組合せにおける好適なものとしては、例えば、
(15) R1 が、置換されたフェニル基(該置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、フルオロ置換−メチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ置換−メトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)であり、
R1 の置換されたフェニル基の置換基の数が、1乃至3であり、
R2 が、置換されていてもよい、C2 −C4 アルカノイル基若しくは(C3 −C6 シクロアルキル)カルボニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基又はシアノ基である。)、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(16) R1 が、置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)であり、
R1 の置換されたフェニル基の置換基の数が、1又は2であり、
R2 が、弗素原子又は塩素原子で置換されていてもよい、C2 −C4 アルカノイル基若しくは(C3 −C6 シクロアルキル)カルボニル基;ベンゾイル基;又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(17) R1 が、置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)であり、
R1 の置換されたフェニル基の置換基の置換位置が、2位又は4位であり、
R2 が、弗素原子又は塩素原子で置換されていてもよい、C2 −C4 アルカノイル基若しくは(C3 −C6 シクロアルキル)カルボニル基;ベンゾイル基;又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基であり、
R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1 −C4 アルキル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 及びR5 が、同一又は異なって、水素原子、C1 −C4 アルキル基、カルボキシ基、(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基又はモノ−若しくはジ−(C1 −C4 アルキル)カルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基は、C1 −C20アルカノイル基、C3 −C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル基、ハロゲン原子又はC1 −C4 アルコキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(18) R1 が置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子又は塩素原子である。)であり、
R1 の置換されたフェニル基の置換基の置換位置が、2位又は4位であり、
R2 が、弗素原子で置換されていてもよい、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、シクロプロピルカルボニル基又はシクロブチルカルボニル基;或は、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基であり、
R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 及びR5 が、同一又は異なって、水素原子、メチル基、エチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基又はジエチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基は、C1 −C20アルカノイル基、C8 −C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である。)又は(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(19) R1 が置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子又は塩素原子である。)であり、
R1 の置換されたフェニル基の置換基の置換位置が、2位又は4位であり、
R2 が、プロピオニル基、シクロプロピルカルボニル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基であり、
R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 が水素原子であり、R5 が、水素原子、メチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基が、C2 −C6 アルカノイル基、パルミトレオイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
(20) R1 が置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子又は塩素原子である。)であり、
R1 の置換されたフェニル基の置換基の置換位置が、2位又は4位であり、
R2 が、プロピオニル基、シクロプロピルカルボニル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基であり、
R3 が、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4 R5 )−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4 は水素原子であり、R5 は、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基が、C2 −C5 アルカノイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬、
をあげることができ、上記に関しては、(15)から(20)の順で好適な順位が上がる。
【0029】
一般式(I)における好適な化合物として、以下の表1の化合物を具体的に例示することができる。
【0030】
【化3】
【0031】
【表1】
【0032】
上記表において、略号は以下の基を示す。
ABOc : 8-アザビシクロ[3.2.1] オクタン-8- イル
Ac : アセチル
Acr : アクロイル
Azed : 1-アゼチジニル
Bu : ブチル
i-Bu : イソブチル
c-Bu : シクロブチル
Bur : ブチリル
i-Bur : イソブチリル
Et : エチル
Hxn : ヘキサノイル
Lau : ラウロイル
Me : メチル
Olo : オレオイル
Pal : パルミトイル
Ph : フェニル
Pr : プロピル
c-Pr : シクロプロピル
i-Pr : イソプロピル
Pipd : 1-ピペリジニル
Piv : ピバロイル
Prop : プロピオニル
Pyrd : 1-ピロリジニル
Stl : ステアロイル
Val : バレリル。
【0033】
上記表において、
好適には、化合物番号5、10、11、12、15、17、20、21、26、29、36、41、42、43、46、48、50、51、52、57、60、67、72、73、74、77、79、81、82、83、86、88、91、98、103、104、105、108、110、 113、114、117、119、122、129、134、135、136、139、141、144、148、150、153、160、165、166、167、170、172、174、175、181、184、191、196、197、198、201、203、205、206、207、208、210、212、215、222、227、228、229、232、234、236、237、241、243、246、250、253、258、259、260、263、265、267、268、272、274、277、284、287、289、290、291、294、296、299、305、308、312、314、317、318、320、324、327、334、336、337、339、340、342、343、346、349、356、358、360、361、362、364、368、371、380、382、383、385、390、392、393、395、400、403、404、407、410、413、420、422、424、425、426、428、429、432、435、444、446、447、449、454、456、457、459、462、463、464、465、466、467、468、470、471、474、477、484、486、487、489、490、492、496、499、506、508、510、511、512、514、515、518、521、528、530、532、533、535、540、542、543、545、547、548、552、553、554、555、558、560、565、568、571、574、575、584、585、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、607、608、609、610、613、616、617、618、619、620、621、622、627、628、641、642、651、652、656、657、658、659、660、661、668、669、670、675、676、688、689、708、709、713、714、716、717、723、724、728、729、735、736、751、752、761、762、768、769、773、774、780、781、795、796、800、801、802、803、804、806、808、809、813、814、815、816、817、819、821、822、826、827、828、829、832、834、835、839、840、841、842、845、847、854、855、860、861、865、866、871、872、876、883、890、891、896、897、901、902、907、908、912、922、923、928、929、930、931、936、937、944、945、949、950、951、952、956、963、964、968、969、970、971、975、979、984、986、987、992、993、997、998、1003、1004、1008、1013、1015、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1033、1034、1039、1040、1044、1049、1054、1055、1059、1060、1061、1062、1066、1073、 1074、1078、1079、1080、1081、1085、1089、1090、1094、1095、1096、1097、1098、1099、 1100、1101、1102、1103、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1118、1125、 1130、1132、1133、1138、1139、1143、1144、1149、1150、1154、1161、1166、1168、1169、 1174、1175、1179、1180、1185、1186、1190、1200、1201、1205、1206、1207、1208、1212、 1219、1220、1224、1225、1226、1227、1231、1235、1236、1241、1242、1247、1248、1250、1256、1258、1260、1279、1280、1281、1285、1291、1293、1295、1296、1300、1301、1302、1304、1308、1309、1310、1311、1312、1314、1316 及び1318の化合物をあげることができ、
更に好適には、化合物番号化合物番号5、10、20、26、29、36、41、51、57、60、67、74、 82、88、91、98、113、119、122、129、134、141、144、150、153、160、175、181、184、191、198、203、206、212、215、222、237、243、246、253、258、268、274、277、284、299、305、308、314、317、324、336、339、346、349、358、361、368、371、380、382、383、390、392、400、403、410、413、422、425、432、435、444、446、447、449、454、456、462、464、467、471、474、477、486、489、496、499、508、511、518、521、530、532、533、540、542、543、552、553、554、555、558、565、568、574、589、590、591、594、595、597、598、600、601、602、603、608、609、610、613、616、617、619、620、621、651、656、658、668、669、675、688、716、717、723、728、735、761、768、773、780、800、802、803、806、813、816、826、828、829、832、839、841、854、860、865、890、896、901、922、930、944、951、963、986、987、992、997、1003、1022、1023、1028、1033、1039、1054、1060、1061、1073、1079、1089、1094、1096、1098、1102、1107、1109、1113、 1114、1132、1138、1143、1149、1168、1174、1179、1185、1200、1207、1219、1226、1236、1242、1248、1250、1256、1279、1281、1296、1300、1302、1304、1308、1309、1310、1312 及び1316の化合物をあげることができ、
更により好適には、化合物番号5、20、26、29、36、67、82、88、91、113、119、129、144、150、175、191、206、212、253、268、274、277、336、358、400、403、410、422、425、432、435、464、467、474、477、486、496、508、518、530、540、552、554、589、590、591、594、595、600、601、602、608、610、616、617、619、620、621、656、658、716、717、728、761、773、800、803、826、890、1022、1023、1039、1096、1098、1102、1107、1109、1132、1143、1168、1179、1200、1236、1242、1248、1296、1302、1308、1312 及び1316の化合物をあげることができ、
特に好適には、
化合物番号82:1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号88:1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号91:1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号422 :1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号435 :1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号464 :1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号477 :1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号486 :1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号508 :1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン、
化合物番号589 :4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン、
化合物番号591 :4−ブチリルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン、
化合物番号594 :1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ピバロイルチオピペリジン、
化合物番号601 :4−ベンゾイルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン、
化合物番号608 :4−アセチルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン、
化合物番号620 :4−ベンゾイルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン、
化合物番号621 :4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン、
化合物番号800 :3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)アゼチジン、
化合物番号1022:4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン、
化合物番号1039:4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン、
化合物番号1132:4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデンピペリジン及び
化合物番号1168:4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデンピペリジンの化合物をあげることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)を有する化合物は、以下の方法に従って容易に製造される。
【0035】
【化4】
【0036】
上記式中、R1 、R2 及びR3 は、前述したものと同意義を示し、R2aは、
R2 に含まれる水酸基が保護されている他、R2 と同意義を示し、R3aは、縮環されていてもよい、置換された3乃至7員環状飽和アミノ基[該置換基は、必須のものとしては、水酸基又はヒドロキシ−C1 −C4 アルキル基であり、所望のものとしては、式 =CR4aR5aを有する基(式中、R4a及びR5aは、カルボキシ基を除く他、それぞれR4 及びR5 と同意義を示す。)である。]を示し、
R3bは、R3aに含まれる水酸基又はヒドロキシが、ハロゲン原子(好適には、塩素原子又は臭素原子)、ハロゲンで置換されていてもよいC1 −C4 アルカンスルホニルオキシ基(好適には、メタンスルホニルオキシ基)又は置換されいてもよいベンゼンスルホニルオキシ基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、ハロゲン、C1 −C4 アルコキシ又はニトロであり、好適には、メチル、塩素、メトキシ又はニトロであり、特に好適には、p−メチル又はp−ニトロである。)に変換された他、R3aと同意義を示し、R3cは、R3aに含まれる水酸基又はヒドロキシが、式 −S−COR6 を有する基(式中、R6 は、後述するものと同意義を示す。)に変換された他、R3aと同意義を示し、R6 は、C1 −C4 アルキル基(特に好適には、メチル基)を示し、Mは、アルカリ金属原子(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムであり得、好適には、ナトリウム又はカリウム)を示
す。
【0037】
水酸基の保護基は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル基のような環状エーテル基、メトキシメチル基、メトキシメトキシメチル基、置換されいてもよいベンジル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、ハロゲン、C1 −C4 アルコキシ又はニトロであり、好適には、メチル、クロロ、メトキシ又はニトロであり、特に好適には、p−クロロ又はp−メトキシである。)、置換されいてもよいベンジルオキシカルボニル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、ハロゲン、C1 −C4 アルコキシ又はニトロであり、好適には、メチル、クロロ、メトキシ又はニトロであり、特に好適には、p−クロロ又はp−メトキシである。)であり得、好適には、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−クロロベンジル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル基であり、特に好適には、ベンジル、p−メトキシベンジル、ベンジルオキシカルボニル又はp−メトキシベンジルオキシカルボニル基である。
【0038】
A法は、化合物(I) 製造する方法である。
第A1工程は、一般式(III) を有する化合物を製造する工程で、一般式(II)を有する化合物をハロゲン化剤又はスルホニル化剤と反応させることにより達成される。
【0039】
使用されるハロゲン化剤は、例えば、チオニルクロリド、チオニルブロミドのようなハロゲン化チオニル、三塩化リン、三臭化リンのような三ハロゲン化リン、五塩化リン、五臭化リンのような五ハロゲン化リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リンのようなオキシハロゲン化リン、トリフェニルホスフィン−四塩化炭素、トリトリルホスフィン−四塩化炭素、トリフェニルホスフィン−四臭化炭素のようなトリ(C1 −C4 アルキルで置換されていてもよいフェニル)アリールホスフィン−四ハロゲン化炭素であり得、好適には、チオニルクロリド、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、トリフェニルホスフィン−四塩化炭素、トリトリルホスフィン−四塩化炭素又はトリフェニルホスフィン−四臭化炭素であり、特に好適には、チオニルクロリド、トリフェニルホスフィン−四塩化炭素又はトリフェニルホスフィン−四臭化炭素である。
【0040】
使用されるスルホニル化剤は、例えば、ハロゲンで置換されいてもよいC1 −C4 アルカンスルホニルハライド、ハロゲンで置換されいてもよいC1 −C4 アルカンスルホン酸無水物、置換されいてもよいベンゼンスルホニルハライドであり得、好適には、弗素で置換されいてもよいC1 −C4 アルカンスルホニルクロリド、C1 −C4 アルカンスルホニルブロミド、弗素で置換されいてもよいC1 −C4 アルカンスルホン酸無水物、置換されいてもよいベンゼンスルホニルクロリド又は置換されいてもよいベンゼンスルホニルブロミドであり、更に好適には、C1 −C2 アルカンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、C1 −C2 アルカンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド又はニトロベンゼンスルホニルブロミドであり、特に好適には、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド又はp−トルエンスルホニルクロリドである。
【0041】
化合物(II)とハロゲン化剤との反応は、不活性溶剤の存在下又不存在下(好適には、存在下)に行われ、使用される不活性溶剤は、反応に関与しなければ、特に制限されず、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類;ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類又はこれらの混合溶剤であり得、好適には、エーテル類又はハロゲン化炭化水素類である。
反応温度は、原料化合物(II)、ハロゲン化剤及び溶剤の種類により異なるが、通常−10℃乃至200℃(好適には、0℃乃至100℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、30分間乃至24時間(好適には1時間乃至12時間)である。
【0042】
化合物(II)とスルホニル化剤との反応は、不活性溶剤中、塩基の存在下又不存在下(好適には、存在下)に行われ、使用される不活性溶剤は、上記の化合物(II)とハロゲン化剤との反応に使用されるものと同様である。
【0043】
使用される塩基は、好適には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキド;トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのような有機アミン類であり得、さらに好適には、アルカリ金属炭酸塩又は有機アミン類であり、特に好適には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン又はルチジンである。また、液体の有機アミン類を使用する場合には、溶剤を兼ねて大過剰使用することもできる。
【0044】
反応温度は、原料化合物(II)、スルホニル化剤及び溶剤の種類により異なるが、通常−10℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、30分間乃至24時間(好適には1時間乃至10時間)である。
【0045】
反応終了後、各反応の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合は、適宜濾去して、溶剤を減圧留去することによって又は溶剤を減圧留去し、残留物に水を加え、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等でさらに精製することができる。
【0046】
第A2工程は、一般式(Ia)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、化合物(III) と一般式(IV)を有する化合物を反応させることにより達成される。
使用される不活性溶剤は、反応に関与しなければ、特に制限されず、例えば、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールのようなアルコール類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類又はこれらの混合溶剤であり得、好適には、アミド類又はスルホキシド類である。
反応温度は、原料化合物(III) 、原料化合物(IV)及び溶剤の種類により異なるが、通常0℃乃至200℃(好適には、20℃乃至150℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、30分間乃至24時間(好適には1時間乃至
12時間)である。
【0047】
反応終了後、本反応の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合は、適宜濾去して、溶剤を減圧留去することによって又は溶剤を減圧留去し、残留物に水を加え、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等でさらに精製することができる。
【0048】
第A3工程は、所望により行う工程であり、
反応(a):R3cに含まれる式 −S−COR6 を有する基(式中、R6 は、前述したものと同意義を示す。)をメルカプト基に変換する反応、
反応(b):反応(a)により生成したメルカプト基をアシル化する反応、
反応(c):R2aに含まれる水酸基の保護基を除去する反応、
反応(d):R3cに含まれるアルコキシカルボニル基をカルボキシ基に変換する反応及び
反応(e):R3cに含まれる二重結合に基づくシス/トランス体を異性化する反応
を含み、適宜順序変えて行われる。
【0049】
反応(a):
反応(a)における式 −S−COR6 を有する基(式中、R6 は、前述したものと同意義を示す。)をメルカプト基に変換する反応は、相当する化合物を酸又はアルカリ(好適には、酸)を用いて加水分解又は加アルコール分解することにより達成され、有機合成化学でよく知られている方法で行われる。また、酸を用いて加水分解する場合には、R2aに含まれる水酸基の保護基のうち、メトキシメチル基、メトキシメトキシメチル基又は環状エーテル基が同時に除去され、アルカリを用いて加水分解する場合には、R3cに含まれるアルコキシカルボニル基が同時にカルボキシ基に変換される。
【0050】
使用される酸は、例えば、塩化水素、硝酸、塩酸、硫酸のような無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸のような有機酸であり得、好適には、塩化水素、塩酸、硫酸又はトリフルオロ酢酸であり、特に好適には、塩化水素又は塩酸である。
【0051】
使用されるアルカリは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム,炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩であり得、好適には、アルカリ金属水酸化物(特に、水酸化ナトリウム)である。
【0052】
使用される不活性溶剤は、反応に関与しなければ、特に制限されず、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエンのような炭化水素類;ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールのようなアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸のようなカルボン酸類;水又はこれらの混合溶剤であり得、好適には、酸を用いる加水分解の場合は、アルコール類、カルボン酸類、水又はこれらの混合溶剤であり、アルカリを用いる加水分解の場合は、アルコール類又は水である。
【0053】
反応温度は、原料化合物(Ia)、酸、アルカリ及び溶剤の種類により異なるが、通常−10℃乃至70℃(好適には、0℃乃至50℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、30分間乃至48時間(好適には1時間乃至20時間)である。
【0054】
反応終了後、本反応の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合には、適宜濾去し、反応液が酸性又はアルカリ性の場合には、適宜中和して、溶剤を減圧留去することによって又は溶剤を減圧留去し、残留物に水を加え、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等でさらに精製することができる。
【0055】
反応(b)
反応(b)におけるメルカプト基をアシル化する反応は、不活性溶剤中、塩基の存在下又は不存在下(好適には、存在下)、相当する化合物をアシル化剤と反応させることにより行われ、本反応は、スルホニル化剤の代わりに下記のアシル化剤を用いて、前記第A1工程のスルホニル化反応と同様に行われる。
【0056】
使用されるアシル化剤は、例えば、C2 −C20アルカノイルハライド、ギ酸と酢酸の混合酸無水物、C2 −C20アルカンカルボン酸無水物、C3 −C20アルケノイルハライド、C3 −C20アルケンカルボン酸無水物、置換されていてもよいベンゾイルハライド、置換されていてもよい安息香酸無水物、ハロゲノ炭酸C1 −C4 アルキルであり得、好適には、C2 −C20アルカノイルクロリド若しくはブロミド、ギ酸と酢酸の混合酸無水物、C2 −C20アルカンカルボン酸無水物、C3 −C20アルケノイルクロリド若しくはブロミド、C3 −C20アルケンカルボン酸無水物、置換されていてもよいベンゾイルクロリド若しくはブロミド、置換されていてもよい安息香酸無水物又はクロロ若しくはブロモ炭酸C1 −C4 アルキルであり、更に好適には、C2 −C20アルカノイルクロリド、ギ酸と酢酸の混合酸無水物、C2 −C6 アルカンカルボン酸無水物、C3 −C20アルケノイルクロリド、置換されていてもよいベンゾイルクロリド又はクロロ炭酸C1 −C4 アルキルであり、特に好適には、C2 −C20アルカノイルクロリド、ギ酸と酢酸の混合酸無水物、C3 −C20アルケノイルクロリド、置換されていてもよいベンゾイルクロリド又はクロロ炭酸C1 −C4 アルキルである。
【0057】
反応(c)
反応(c)におけるR2aに含まれる水酸基の保護基を除去する反応は、保護基の種類により異なり、有機合成化学でよく知られている方法で行われる。
【0058】
水酸基の保護基が置換されていてもよいベンジル基又は置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基である場合には、不活性溶剤(好適には、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ルのようなアルコ−ル類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類、トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、酢酸のような脂肪酸類又はこれらの有機溶剤と水との混合溶剤)中、接触還元触媒(好適には、パラジウムー炭素、酸化白金、白金黒、ロジウム−酸化アルミニウム、トリフェニルホスフィン−塩化ロジウム、パラジウム−硫酸バリウム等)の存在下、相当する化合物を水素(通常1 乃至10気圧、好適には、1 乃至3気圧)と反応することにより行われる。
反応温度は、通常0℃乃至100℃(好適には、20℃乃至80℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、通常30分間乃至48時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0059】
水酸基の保護基がメトキシメチル基、メトキシメトキシメチル基又は環状エーテル基である場合には、例えば、不活性溶剤(ヘキサン、ベンゼンのような炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類、酢酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、メタノ−ル、エタノ−ルのようなアルコ−ル類、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類又はこれらの有機溶剤と水との混合溶剤であり、好適には、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類である。)中、相当する化合物を酸(例えば、塩化水素、硝酸、塩酸、硫酸のような無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸のような有機酸、三弗化ホウ素のようなルイス酸であり得、好適には、無機酸及び有機酸であり、更に好適には、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸である。)と反応することにより行われる。
【0060】
反応温度は、通常−10℃乃至100℃(好適には、−5℃乃至50℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、通常5分間乃至48時間(好適には30分間乃至10時間)である。
【0061】
また、水酸基の保護基の種類を変え、反応条件を選択することによって、R3cに含まれる式 −S−COR6 を有する基(式中、R6 は、前述したものと同意義を示す。)をメルカプト基に変換する反応及びR3cに含まれるアルコキシカルボニル基をカルボキシ基に変換する反応と区別して、水酸基の保護基を選択的に除去することができる。
【0062】
反応終了後、本反応の目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶媒を加え、水洗した後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィ−等によって更に精製できる。
【0063】
反応(d):
反応(d)におけるR3cに含まれるアルコキシカルボニル基をカルボキシ基に変換する反応は、反応(a)の式 −S−COR6 を有する基(式中、R6 は、前述したものと同意義を示す。)をメルカプト基に変換する反応と同様に行われる。また、不活性溶剤中(例えば、酢酸のような脂肪酸類等)、強酸(例えば、濃塩酸、濃硫酸、濃硝酸等)と反応させることにより、R2aのアルコキシカルボニル基と区別して、加水分解することができる。
【0064】
反応(e):
反応(e)におけるR3cに含まれる二重結合に基づくシス/トランス体を異性化する反応は、不活性溶剤中、増感剤の存在下又は不存在下(好適には、不存在下)、相当する化合を光照射することにより行われる。
【0065】
使用される光照射の光源は、低圧水銀ランプ(20W乃至100W、好適には、32W)であり、増感剤は、例えば、ベンゾフェノン、フルオレノン又はアントラキノンである。
また、反応の促進及び/又は副反応を抑制する等の目的で、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィドのような有機イオウ化合物を添加して、本反応を行うこともできる。
【0066】
使用される不活性溶剤は、反応に関与しなければ、特に制限されず、例えば、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールのようなアルコール類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;水又はこれらの混合溶剤であり得、好適には、水、アルコール類、ニトリル類又はこれらの混合溶剤である。
反応温度は、原料化合物、光源及び溶剤の種類により異なるが、通常−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)であり、反応時間は、反応温度等により異なるが、5分間乃至8時間(好適には、10分間乃至3時間)である。
【0067】
反応終了後、本反応の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合は、適宜濾去して、溶剤を減圧留去することによって又は溶剤を減圧留去し、残留物に水を加え、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等でさらに精製することができる。
【0068】
また、化合物(I)は、常法に従って、酸で処理することによって薬理上許容し得る塩に変換することができる。例えば、不活性溶剤(好適には、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、メタノール、エタノールのようなアルコール類、メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類)中、相当する酸と室温で5分間乃至1時間反応させ、溶剤を減圧で留去することによって得ることができる。
【0069】
本発明の原料化合物(II)は、以下の方法に従って容易に製造される。
【0070】
【化5】
【0071】
【化6】
【0072】
【化7】
【0073】
上記式中、R1 、R2a、R3a、R4a及びR5aは、前述したものと同意義を示し、R7 は、アミノ基の保護基で酸性条件で除去されるものを示し、R8 は、アミノ基の保護基で還元条件で除去されるものを示し、Yは、ハロゲン原子(好適には、塩素又は臭素原子)を示し、mは、0乃至3を示し、nは、1又は2を示す。
【0074】
R7 のアミノ基の保護基で酸性条件で除去されるものは、例えば、トリチル基又はt−ブトキシカルボニル基であり、R8 のアミノ基の保護基で還元条件で除去されるものは、例えば、前記の水酸基の保護基と同様な置換されていてもよいベンジル基又は置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基であり得、好適には、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−クロロベンジル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル基であり、特に好適には、ベンジル又はp−メトキシベンジル基である。
【0075】
B法は、化合物(II)を製造する方法である。
第B1工程は、化合物(II)を製造する工程で、不活性溶剤中(好適には、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類)、塩基の存在下又は不存在下(好適には、炭酸ナトリウム,炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩の存在下)、一般式(V) を有する化合物と一般式(VI)を有する化合物を0℃乃至200℃(好適には、20℃乃至150℃)で、1時間乃至24時間(好適には、2時間乃至15時間)反応させることにより行われる。
【0076】
又、化合物(II)において、R3aにアルコシカルボニル基が含まれる化合物を前記A法第A3工程の反応(d)と同様に加水分解し、カルボキシ誘導体を製造し、次いで、得られたカルボキシ誘導体をクロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、ブロモ炭酸エチル、クロロ炭酸プロピル、クロロ炭酸ブチル、クロロ炭酸イソブチルのようなハロゲノ炭酸C1 −C4 アルキルと前記A法第A3工程の反応(b)と同様に反応させ、活性エステル誘導体を製造し、最後に、得られた活性エステル誘導体をアンモニア又はモノー若しくはジーC1 −C4 アルキルアミンと、不活性溶剤中(好適には、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類)、−10℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)で、1時間乃至24時間(好適には、2時間乃至10時間)反応させることにより、相当するアミド誘導体を製造することができる。
【0077】
C法は、B法の原料化合物(V) において、置換基である 式 =CR4aR5aを有する基(式中、R4a及びR5aは、前述したものと同意義を示す。)を有する化合物(Va)を製造する方法である。
第C1工程は、一般式(VIII)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中(好適には、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類)、塩基の存在下又は不存在下(好適には、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩の存在下)、一般式(VII) を有する化合物とトリチルクロリド、トリチルブロミドのようなトリチルハライド、t−ブトキシカルボニルクロリド、t−ブトキシカルボニルブロミドのようなt−ブトキシカルボニハライド又は二炭酸ジt−ブチルを、0℃乃至150℃(好適には、20℃乃至100℃)で1時間乃至24時間(好適には、2時間乃至10時間)反応させることにより行われる。
【0078】
第C2工程は、一般式(X) を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中(好適には、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類)、化合物(VIII)とジ−C1 −C4 アルキルアミン又は3乃至6員環状アミン(好適には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン、特に好適には、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン)を共沸脱水しながら、
60℃乃至200℃(好適には、80℃乃至150℃)で、30分間乃至15時間(好適には、1時間乃至10時間)反応させ、エナミン誘導体を製造し、次いで、このエナミン誘導体と一般式(IX)を有する化合物を、不活性溶剤中(好適には、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類)、共沸脱水しながら、60℃乃至200℃(好適には、80℃乃至150℃)で、30分間乃至10時間(好適には、1時間乃至5時間)反応させることにより行われる。
【0079】
第C3工程は、一般式(XI)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中(好適には、メタノール、エタノールのようなアルコール類)、化合物(X) を還元剤(好適には、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素化合物)と、0℃乃至100℃(好適には、5℃乃至50℃)で10分間乃至6時間(好適には、30分間乃至3時間)反応させることにより行われる。
【0080】
第C4工程は、化合物(Va)を製造する工程で、化合物(XI)のアミノ基の保護基を除去することにより達成され、本工程は、前記A法第A3工程の反応(c)の水酸基の保護基を酸性条件で除去する反応と同様に行われる。
【0081】
D法は、C法の中間体(X) を別途に製造する方法である。
第D1工程は、一般式(VIIIa) を有する化合物を製造する工程で、化合物(VII) と置換されていてもよいベンジルハライド又は置換されていてもよいベンジルオキシカルボニルハライド(好適には、クロリド)を前記C法第C1工程と同様に行われる。
【0082】
第D2工程は、一般式(XII) を有する化合物を製造する工程で、化合物(VIIIa) とジ−C1 −C4 アルキルアミン又は3乃至6員環状アミン(好適には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン、特に好適には、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン)を前記C法第C2工程の前段と同様に反応させ、エナミン誘導体を製造し、次いで、このエナミン誘導体と一般式(IX)を有する化合物を、不活性溶剤中(好適には、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類)、酸触媒の存在下(好適には、三フッ化ホウ素−エーテル錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズのようなルイス酸)、−10℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)で、1時間乃至24時間(好適には、2時間乃至20時間)反応させることにより行われる。
【0083】
第D3工程は、一般式(XIII)を有する化合物を製造する工程で、化合物(XII) のアミノ基の保護基を除去することにより達成され、本工程は、前記A法第A3工程の反応(c)の水酸基の保護基を還元条件で除去する反応と同様に行われる。
【0084】
第D4工程は、一般式(XIV) を有する化合物を製造する工程で、化合物(XIII)のアミノ基を保護することにより達成され、本工程は、前記C法第C1工程と同様に行われる。
【0085】
第D5工程は、化合物(X) を製造する工程で、化合物(XIV) を、前記A法第A1工程と同様にスルホニル化し、次いで、得られたスルホニルオキシ体を塩基(好適には、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのような有機アミン類)と、不活性溶剤中(好適には、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類)、−10℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)で、30分時間乃至10時間(好適には、1時間乃至5時間)反応させることにより行われる。
【0086】
反応終了後、各反応の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、不溶物が存在する場合は、適宜濾去し、反応液が酸性又はアルカリ性の場合は、適宜中和して、溶剤を減圧留去することによって又は溶剤を減圧留去した後、残留物に水を加え、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等でさらに精製することができる。
【0087】
原料化合物(VI)は、公知であるか公知の方法に従って製造される[例えば、特開昭59−27895号公報(EP99802)、特開平6−41139号公報(EP542411)等]。又、原料化合物(V) は、公知であるか公知の方法に従って製造される[例えば、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第37巻、第3953頁(1972年):J. Org. Chem., 37, 3953 (1972)等]。
【0088】
本発明の前記一般式(I)を有する化合物は、優れた血小板凝集抑制作用又は動脈硬化進展抑制作用等を有し、毒性も弱いため、血栓症、塞栓症若しくは動脈硬化症の予防薬又は治療薬として有用である。
本発明の化合物(I)及びその薬理上許容される塩類を上記疾患の治療剤又は予防剤として使用する場合には、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与することができる。
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤;及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーズワックス、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、乳化剤(例えば、ベントナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
その使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当り下限1mg(好適には、10mg)、上限1000mg(好適には、500mg)を、静脈内投与の場合には、1回当り下限0.5mg(好適には、5mg)、上限500mg(好適には、250mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
以下に、実施例、参考例、試験例及び製剤例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
【0089】
【実施例】
実施例1
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 82)
(a) 4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 589)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジン8.0g(28.9mmol)をジクロルメタン50mlに溶解し、トリエチルアミン2.92g(28.9mmol)を加え、さらにメタンスルホニルクロライド3.31g(28.9mmol)のジクロルメタン10ml溶液を氷冷下で滴下し、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣に酢酸エチルを加え、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を減圧下濃縮して、粗の1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メチルスルホニルオキシピペリジンを得た。この粗生成物に、ジメチルスルホキシド(DMSO)50mlおよびチオ酢酸カリウム19.8g(170mmol)を加え、50℃で4時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=19/1)に付し、赤褐色油状物を得た。ヘキサンで結晶化し、標題化合物3.6gを淡褐色結晶として得た(収率37%)。
融点:78−80℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.79-0.87(2H,m), 0.98-1.04(2H,m), 1.66-1.80(2H,m), 1.90-2.00(2H,m), 2.16-2.22(2H,m), 2.28(3H,s), 2.32-2.35(1H,m), 2.70-2.78(1H,m), 2.80-2.88(1H,m), 3.38-3.47(1H,m), 4.62(1H,s), 7.08-7.38(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):336(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1689。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン2.00g(5.97 mmol)をエタノール50mlに溶解し、この溶液に塩化水素ガスを適当量吹き込み、室温で一晩放置した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をジエチルエーテルで結晶化し、標題化合物1.95gを微褐色結晶として得た(収率99%)。
融点:135−140℃;
元素分析値(%):C16H20FNOS・HCl・1/4H2 Oとして
理論値:C,57.48% H,6.48% N,4.19%,
分析値:C,57.33% H,6.43% N,4.15%;
マススペクトル(CI,m/z):294(M+ +1)。
【0090】
実施例2
1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 91)
(a) 4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 621)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を赤褐色油状物として、37%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.60-1.80(2H,m), 1.85-2.00(2H,m), 2.10-2.25(1H,m), 2.30(3H,s), 2.32-2.48(1H,m), 2.55-2.75(1H,m), 2.80-2.90(1H,m), 3.40-3.60(1H,m), 3.70(3H,s), 4.70(1H,s), 7.20-7.65(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):342(M+ +1)。
(b) 1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を微褐色結晶として、定量的に得た。
融点:134−140℃;
マススペクトル(CI,m/z):300(M+ +1)。
【0091】
実施例3
1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 88)
(a) 4−アセチルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 608)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を淡黄色固体(アモルファス)として、45.6%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.65-1.78(2H,m), 1.88-1.99(2H,m), 2.20-2.33(4H,m), 2.39(1H,t,J=9.6Hz), 2.75-2.86(2H,m), 3.40-3.50(1H,m), 3.71(3H,s), 4.53(1H,s), 7.04-7.49(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):326(M+ +1)。
(b) 1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、4−アセチルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を淡黄色固体(アモルファス)として、97.1%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.70-2.24(3H,m), 2.47-3.13(3.5H,m), 3.21-3.36(0.5H,m), 3.38-3.72(2.5H,m), 3.83,3.84(計3H, 各s), 3.92-4.02 (0.5H,m), 5.21,5.24(計1H, 各s), 7.20-7.93(4H,m), 12.91-13.34(1H,m);
マススペクトル(CI,m/z):284(M+ +1)。
【0092】
実施例4
3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 716)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシピペリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を赤褐色油状物として、69%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-0.95(2H,m), 1.00-1.10(2H,m), 1.45-1.68(1H,m), 1.72-1.85(2H,m), 1.90-2.25(2H,m), 2.30,2.32( 計3H, 各s), 2.35-2.48(1H,m), 2.80-3.02(2H,m), 3.05-3.15(1H,m), 3.16-3.30(1H,m), 5.12(1H,s), 7.05-7.45(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):336(M+ +1)。
【0093】
実施例5
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプトピロリジン塩酸塩(例示化合物番号 20)
(a) 3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピロリジン(例示化合物番号 552)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシピロリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を褐色油状物として、51%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.78-0.85(2H,m), 0.97-1.02(2H,m), 1.75-1.78(1H,m), 2.09-2.15(1H,m), 2.28(3H,s), 2.32-3.39(1H,m), 2.48-2.61(2H,m), 2.72-2.80(1H,m), 2.97-3.10(1H,m), 3.91-3.97(1H,m), 4.63,4.65 (計1H, 各s), 7.06-7.48(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):321(M+ +1);
IRスペクトル(液膜,νmax cm-1):1692。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプトピロリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピロリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を微褐色固体(アモルファス)として、74%の収率で得た。
マススペクトル(CI,m/z):280(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1710。
【0094】
実施例6
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプトアゼチジン塩酸塩(例示化合物番号 206)
(a) 3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)アゼチジン(例示化合物番号 800)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシアゼチジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を淡黄色結晶として、54%の収率で得た。
融点:49−52℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.74-0.87(2H,m), 0.94-1.01(2H,m), 1.92-1.98(1H,m), 2.28(3H,s), 3.06-3.19(2H,m), 3.62(1H,dd,J=7.3,7.9Hz), 3.91(1H,dd,J=7.3,7.9Hz), 4.13-4.21(1H,m), 4.62(1H,s), 7.07-7.42(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):308(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1695。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプトアゼチジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)アゼチジンを用いて、実施例1の(b)と同様の反応を行い、標題化合物を白色固体(アモルファス)として、83%の収率で得た。
マススペクトル(CI,m/z):266(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1709;
元素分析値(%):C14H16FNOS・HCl・1/2H2 Oとして
理論値:C,54.10% H,5.84% N,4.51%,
分析値:C,53.95% H,5.68% N,4.45%。
【0095】
実施例7
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトメチルピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 113)
(a) 4−アセチルチオメチル−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 656)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシメチルピペリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を褐色油状物として、51%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.78-0.88(2H,m), 0.92-1.08(2H,m), 1.28-1.50(3H,m), 1.65-1.90(3H,m), 2.05-2.15(1H,m), 2.20-2.30(1H,m), 2.30(3H,s), 2.80(2H,d,J=7Hz), 2.82-2.85(1H,m), 2.98-3.02(1H,m), 4.58(1H,s), 7.05-7.45(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):350(M+ +1)。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトメチルピペリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、4−アセチルチオメチル−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色結晶として、88%の収率で得た。
融点:150−155℃;
マススペクトル(CI,m/z):308(M+ +1);
元素分析値(%):C17H20FNOS・HCl・1/4H2 Oとして
理論値:C,58.61% H,6.80% N,4.02%,
分析値:C,58.70% H,6.85% N,3.98%。
【0096】
実施例8
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプトメチルピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 175)
(a) 3−アセチルチオメチル−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 761)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシメチルピペリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を褐色油状物として、75%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.81-0.88(2H,m), 0.94-1.07(3H,m), 1.56-1.96(6H,m), 2.13-2.16(0.5H,m), 2.29(1.5H,s), 2.32(1.5H,s), 2.67- 2.70(0.5H,m), 2.77-2.91(4H,m), 4.58(0.5H,s), 4.59(0.5H,s), 7.06-7.17(2H,m), 7.27-7.38(2H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):350(M+ +1);
IRスペクトル(液膜、νmax cm-1):1695。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプトメチルピペリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、3−アセチルチオメチル−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色固体(アモルファス)として、75%の収率で得た。
マススペクトル(CI,m/z):308(M+ +1);
IRスペクトル(KBr、νmax cm-1):1712,2504。
【0097】
実施例9
8−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプト−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩(例示化合物番号 268)
(a) 3−アセチルチオ−8−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(例示化合物番号 826)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、8−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンの異性体A−1(参考例8の化合物)を用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物(異性体A−2)を白色結晶として、23.7%の収率で得た。同様にして、異性体B−1(参考例8の化合物)を用いることにより、標題化合物のもう一方の異性体(異性体B−2)を淡黄色固体(アモルファス)として、 12.4%の収率で得た。また、異性体A−2およびB−2は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSK−GEL ODS−80TM,移動相:アセトニトリル/11mM KH2 PO4 =70/30,流速:1.0ml/min,温度:35℃)において、それぞれ、保持時間9.7分および10.0分を示した。
異性体A−2
融点:113−114℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-1.01(4H,m), 1.67-2.17(8H,m), 2.29(3H,s), 2.42-2.48(1H,m), 3.09-3.14(1H,m), 3.24-3.30(1H,m), 3.71-3.81(1H,m), 4.65(1H,s), 7.03-7.72(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):362(M+ +1).
異性体B−2
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.76-1.01(4H,m), 1.60(1H,d,J=14.0 Hz), 1.70(1H,d,J=14.0Hz), 1.84-2.04(3H,m), 2.05-2.17(1H,m), 2.29(3H,s), 2.39-2.50(2H,m), 2.50-2.58(1H,m), 3.03-3.10(1H,m), 3.21-3.29(1H,m), 3.99(1H,t,J=7.2Hz), 4.62(1H,s), 7.03-7.73(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):362(M+ +1)。
(b) 8−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−メルカプト−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、実施例9(a)の3−アセチルチオ−8−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンの異性体A−2および異性体B−2を用いて、それぞれ実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物の異性体A−3および異性体B−3を61.1%および99.2%の収率で得た。また異性体A−3およびB−3の高速液体クロマトグラフィーの保持時間は(測定条件は前記実施例9(a)と同様)、それぞれ、10.0分および9.3分であった。
異性体A−3
形状:淡黄色結晶;
融点:181−185℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.84-0.95(1H,m), 0.95-1.07(1H,m), 1.07-1.36(2H,m), 1.80-2.46(8H,m), 2.83-2.98(1H,m), 3.28-3.47(1H,m), 3.54(1H,s), 4.21(1H,s), 5.17(1H,s), 7.18-7.52(4H,m), 8.57(1H,s), 12.40-12.71(1H,m);
マススペクトル(CI,m/z):320(M+ +1).
異性体B−3
形状:灰白色固体(アモルファス);
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.84-0.93(1H,m), 0.95-1.05(1H,m), 1.15-1.32(2H,m), 1.72-2.05(3H,m), 2.00-2.45(2H,m), 2.55-2.65(1H,m), 2.76-2.86(1H,m), 3.55(1H,s), 3.70-3.80(3H,m), 4.23(1H,s), 5.21(1H,s), 7.19- 7.50(4H,m), 8.50-8.58(1H,m), 12.28-12.47(1H,m);
マススペクトル(CI,m/z):320(M+ +1)。
【0098】
実施例10
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 422)
(a) (E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン(例示化合物番号 1022)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジン3.28g(9.1mmol)を無水の塩化メチレン50mlに溶かし、室温で四臭化炭素6.02g(18.2mmol)を加え、ついでトリフェニルホスフィン2.62g(9.9mmol)を一度に加え、室温で一時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=19/1)で精製し、淡黄色油状の4−ブロモ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン2.00g(収率52.1%)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-0.88(2H,m), 0.97-1.11(2H,m), 1.22,1.25(計3H, 各t,J=6.8Hz,J=7.3Hz), 2.05-3.00(6H,m), 4.11,4.13( 計2H, 各q,J=6.8Hz,J=7.3Hz), 4.45,4.60(計1H, 各d,J=13.6Hz,J=14.1Hz), 4.77,4.78 ( 計1H, 各s), 5.90(1H,s), 7.05-7.43(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):424(M+ +1).
無水のエタノール30mlに、チオ酢酸カリウム2.14g(18.7mmol)、上記で得られた4−ブロモ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン1.98g(4.7mmol)を加え、室温で1時間攪拌し、更に50℃で5時間攪拌した。反応液を濾過して、析出した塩を除き、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=19/1)で精製し、標題化合物0.95g(収率48.2%)を淡黄色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.78-0.90(2H,m), 0.99-1.10(2H,m), 1.22,1.25(計3H, 各t,J=6.8Hz,J=7.3Hz), 1.82-1.94(1H,m), 2.13-2.28(2H,m), 2.30,2.31(計3H, 各s), 2.35-2.90(3H,m), 3.40(1H,br.s), 4.11,4.13(計2H, 各q,J=6.8Hz,J=7.3Hz), 4.25-4.40(1H,m), 4.75,4.77( 計1H, 各s), 5.93(1H,s), 7.08-7.38(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):420(M+ +1)、350。
【0099】
(b) (E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
(E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン0.57g(1.3mmol)を用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物0.52g(収率92%)を淡黄白色結晶として得た。
融点:120−125℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.80-0.93(1H,m), 0.94-1.06(1H,m), 1.23(3H,t,J=7.3Hz), 1.70-2.20(5H,m), 2.80-3.06,3.11-3.39( 計1H, 各m), 3.45-3.80(1H,m), 3.90-4.25(2H,m), 4.20(2H,q,J=7.3Hz), 4.58,5.05(計1H, 各m), 5.49(1H,s), 6.25(1H,s), 7.15-8.10(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):378(M+ +1)、308;
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1712。
【0100】
実施例11
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号
464)
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン0.44g(1.1mmol)を酢酸15mlおよび濃塩酸10mlの混合溶媒に溶解し、室温暗所に12日間放置した。反応液を濃縮乾固し、エチルエーテルで結晶化を行い、濾取した結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=30/1)で精製し、標題化合物0.12g(収率27%)を淡黄白色結晶として得た。
融点:109−111℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.74-0.92(1H,m), 1.00-1.14(1H,m), 1.62-1.75(1H,m), 1.76-1.90(1H,m), 1.94-2.08(2H,m), 2.20-2.39(1H,m), 2.50-2.70(2H,m), 2.90-3.03,3.08-3.18 (計1H, 各m), 3.41-3.80(3H,m), 4.11-4.28(1H,m), 4.90,5.03(計1H, 各d,J=17.6Hz), 5.98,6.12( 計1H, 各s), 7.10-7.55(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):350(M+ +1)、280;
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1712。
【0101】
実施例12
(Z)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジントリフルオロ酢酸塩(例示化合物番号 464)
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩0.50g(1.3mmol)とジメチルジスルフィド0.05mlを水−アセトニトリル(1:1)混合溶媒60mlに溶解し、冷却下で32w低圧水銀灯を用いて、90分間光照射を行った。反応終了後、減圧濃縮し、残渣を高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSK−GEL ODS−80TS、移動相;アセトニトリル/水=3/7(0.016%トリフルオロ酢酸含有)、温度:室温)に付し、標題化合物の2つのジアステレオマー異性体14.0mg(A体)および13.5mg(B体)を、それぞれ白色粉末(アモルファス)として得た。異性体AおよびBの高速液体クロマトグラフィーの保持時間は[カラム:Inertsil ODS−2、移動相:アセトニトリル/水(0.02%トリフルオロ酢酸含有)=20/80、温度:27℃、流速:1.5ml/min]、それぞれ16.5分および18.5分であった。
A体
NMRスペクトル(CD3 CN,δ):0.80-1.10(4H,m), 1.82-1.89(1H,m), 1.92-2.02(1H,m), 2.26-2.46(2H,m), 3.11-3.29(2H,m), 3.46(1H,d,J=13.6Hz), 3.81(1H,d,J=14.2Hz), 5.26(1H,s), 5.38(1H,s), 5.73(1H,s), 7.27-7.59(4H, m);
マススペクトル(CI,m/z):350(M+ +1)、280.
B体
NMRスペクトル(CD3 CN,δ):0.80-1.11(4H,m), 1.79-1.88(1H,m), 1.95-2.04(1H,m), 2.28-2.43(2H,m), 2.86-3.01(1H,m), 3.03-3.12(1H,m), 3.52(1H,d,J=12.8Hz), 3.87(1H,d,J=12.8Hz), 5.24(1H,s), 5.29(1H,s), 5.68(1H,s), 7.25-7.56(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):350(M+ +1)、280。
【0102】
実施例13
(E)−4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン(例示化合物番号 1039)
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、(E)−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジンを用いて、実施例10(a)と同様の反応を行い、標題化合物を淡赤褐色油状物として、35.3%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.21,1.23(計3H, 各t,J=7.3Hz), 1.75-1.92(1H,m), 2.15-2.30(1H,m), 2.32(3H,s), 2.52-2.85(2H,m), 3.48(0.5H,d,J=13.9Hz), 3.60(0.5H,d,J=13.9Hz), 3.71,3.72( 計3H, 各s), 4.05-4.14(2.5H,m),4.25(0.5H,d,J=13.9Hz), 4.31-4.44(1H,m), 4.83,4.85(計1H, 各s), 5.96(1H,s), 7.15-7.70(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):426(M+ +1)。
【0103】
実施例14
(E)−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 477)
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩の代わりに、(E)−4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジンを用いて、実施例11と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色結晶として、32.9%の収率で得た。
融点:122−130℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.90-2.05(2H,m), 2.70-2.83(1H,m), 3.49-3.60(1H,m), 3.80,3.82 (計3H, 各s), 3.95-4.02(1H,m), 4.08-4.15(1H,m), 4.70-4.78(1H,m), 5.52(1H,s), 6.51(1H,s), 7.35-7.60(4H,m), 8.03-8.15(1H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):338(M+ +1−18(H2 O)). また、標題化合物を実施例12と同様に処理することにより、標題化合物の異性体、Z体を製造することができる。
【0104】
実施例15
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 486)
(a) (E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデンピペリジン(例示化合物番号 1132)
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデンピペリジンを用いて、実施例10(a)と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色油状物として、
24.9%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.76-0.91(2H,m), 0.95-1.09(2H,m), 1.70-1.94(2H,m), 2.15-2.50(5H,m), 2.70-3.30(8H,m), 3.55-3.80(1H,m), 4.28-4.40(1H,m), 4.68,4.75 (計1H, 各s), 6.14(1H,s), 7.05-7.80(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):419(M+ +1)。
(b) (E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
(E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジンの代わりに、(E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデンピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色結晶として、
79.1%の収率で得た。
融点:106−111℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-1.55(4H,m), 1.60-2.50(4H,m), 2.75-3.35(7H,m), 3.40-4.80(4H,m), 5.53(1H,s), 6.31,6.60(計1H, 各s), 7.10-7.90(4H,m), 12.9(1H,brs) ;
マススペクトル(CI,m/z):377(M+ +1)。
【0105】
実施例16
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 508)
(a) (E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデンピペリジン(例示化合物番号 1168)
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシ−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデンピペリジンを用いて、実施例10(a)と同様の反応を行い、標題化合物を淡黄色結晶として、13.5%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-0.98(2H,m), 0.98-1.13(2H,m), 1.50-1.72(1H,m), 1.72-1.90(1H,m), 1.91-2.10(1H,m), 2.10-2.45(5H,m), 2.55-3.05(5H,m), 3.05-3.35(1H,m), 3.85-4.10(1H,m), 4.26,4.28 (計1H, 各s), 4.79,4.83(計1H, 各s), 5.90(1H,s), 6.05(1H,br.s), 7.05-7.50(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):405(M+ +1)。
(b) (E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
(E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジンの代わりに、(E)−4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデンピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色結晶として、42.5%の収率で得た。
融点:133−141℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.80-1.15(2H,m), 1.13-1.40(2H,m), 1.60-2.08(5H,m), 2.50-3.05(3H,m), 3.06-4.50(5H,m), 5.41,5.42 (計1H, 各s), 6.09,6.18(計1H, 各s), 7.15-7.98(4H,m), 8.61,8.81 (計1H, 各br.s), 12.9 (1H,br.s) ;
マススペクトル(CI,m/z):363(M+ +1)。
【0106】
実施例17
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩(例示化合物番号 336)
(a) 4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデンピペリジン(例示化合物番号 890)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデン−4−ヒドロキシピペリジンを用いて、実施例1(a)と同様の反応を行い、標題化合物を褐色油状物として、44.0%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.80-0.89(2H,m), 0.93-1.06(2H,m), 1.37-1.39(3H,m), 2.08-2.23(2H,m), 2.24-2.26(1H,m), 2.27(1.5H,s), 2.28 (1.5H,s), 2.41-2.67(2H,m), 2.89-3.13(2H,m), 4.00-4.03(1H,m), 4.69(0.5H,s), 4.70(0.5H,s), 5.75(1H,br.s), 7.07-7.18(2H,m), 7.28-7.33(1H,m), 7.43- 7.47(1H,m);
マススペクトル(CI,m/z):362(M+ +1)。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデン−4−メルカプトピペリジン塩酸塩
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジンの代わりに、3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデンピペリジンを用いて、実施例1(b)と同様の反応を行い、標題化合物を淡褐色固体(アモルファス)として、85.0%の収率で得た。
マススペクトル(CI,m/z):320(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1713,2424。
【0107】
実施例18
4−ブチリルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 591)
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩0.50g(1.5mmol)をジクロロメタン5mlに溶解し、トリエチルアミン0.3g(3mmol)を加え、次いでブチリルクロライド0.16g(1.5mmol)のジクロロメタン1ml溶液を氷冷下で滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=30/1)で精製し、標題化合物0.32g(収率58%)を白色結晶として得た。
融点:97−98℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.76-0.86(2H,m), 0.91(3H,t,J=7.3Hz), 0.95-1.03(2H,m), 1.60-1.79(4H,m), 1.88-1.98(2H,m), 2.14-2.20(2H,m),2.30-2.34(1H,m), 2.46(2H,t,J=7.3Hz), 2.70-2.78(1H,m), 2.79-2.85(1H,m), 3.38-3.48(1H,m), 4.61(1H,s), 7.05-7.34(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):364(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1685。
【0108】
実施例19−24
ブチリルクロライドの代わりに種々の酸ハライドまたは酸無水物を用いて、実施例18と同様の反応を行い、実施例19−24の化合物を得た。
【0109】
実施例19
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ピバロイルチオピペリジン(例示化合物番号 594)
使用酸ハライドまたは酸無水物:ピバロイルクロリド。
収率:72%;
形状:淡褐色結晶;
融点:88−89℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.72-0.90(2H,m), 0.92-1.08(2H,m), 1.20(9H,s), 1.60-1.82(2H,m), 1.83-2.00(2H,m), 2.08-2.38(3H,m), 2.70-2.90(2H,m), 3.28-3.42(1H,m), 4.62(1H,s), 7.06-7.36(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):378(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1677。
【0110】
実施例20
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヘキサノイルチオピペリジン(例示化合物番号 595)
使用酸ハライドまたは酸無水物:ヘキサノイルクロリド。
収率:56%;
形状:白色結晶;
融点:64−65℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.79-0.84(2H,m), 0.88(3H,t,J=7.3Hz), 0.95-1.05(2H,m), 1.26-1.31(4H,m), 1.60-1.83(4H,m), 1.85-2.02(2H,m), 2.12-2.27(2H,m), 2.32-2.37(1H,m), 2.49(2H,t,J=7.3Hz), 2.72-2.79(2H,m), 3.40-3.48(1H,m), 4.63(1H,s), 7.06-7.38(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):392(M+ +1);
IRスペクトル(KBr,νmax cm-1):1690。
【0111】
実施例21
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−パルミトイルチオピペリジン(例示化合物番号 597)
使用酸ハライドまたは酸無水物:パルミトイルクロリド。
収率:73%;
形状:白色結晶;
融点:71−72℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.77-0.84(2H,m), 0.88(3H,t,J=6.8Hz), 0.94-1.06(2H,m), 1.11-1.34(24H,m), 1.55-1.82(4H,m), 1.87-2.00(2H,m), 2.10-2.23(2H,m), 2.27-2.38(1H,m), 2.48(2H,t,J=7.6Hz), 2.70-2.89(2H,m), 3.39-3.49(1H,m), 4.62(1H,s), 7.07-7.37(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):532(M+ +1)。
【0112】
実施例22
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ステアロイルチオピペリジン(例示化合物番号 598)
使用酸ハライドまたは酸無水物:ステアロイルクロリド。
収率:60.1%;
形状:白色結晶;
融点:74−75℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.77-0.85(2H,m), 0.88(3H,t,J=7.1Hz), 0.94-1.06(2H,m), 1.14-1.34(28H,m), 1.55-1.85(4H,m), 1.88-2.00(2H,m), 2.09-2.24(2H,m), 2.26-2.38(1H,m), 2.48(2H,t,J=7.3Hz), 2.70-2.90(2H,m), 3.39-3.49(1H,m), 4.63(1H,s), 7.07-7.36(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):560(M+ +1)。
【0113】
実施例23
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−オレオイルチオピペリジン(例示化合物番号 600)
使用酸ハライドまたは酸無水物:オレオイルクロリド。
収率:45.0%;
形状:白色結晶;
融点:35−37℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.77-0.85(2H,m), 0.88(3H,t,J=6.8Hz), 0.94-1.07(2H,m), 1.18-1.38(20H,m), 1.56-1.82(4H,m), 1.88-2.07(6H,m), 2.10-2.23(2H,m), 2.27-2.38(1H,m), 2.48(2H,t,J=7.2Hz), 2.70-2.89(2H,m), 3.39-3.49(1H,m), 4.63(1H,s), 5.27-5.42(2H,m), 7.07-7.37(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):558(M+ +1)。
【0114】
実施例24
4−ベンゾイルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 601)
使用酸ハライドまたは酸無水物:ベンゾイルクロリド。
収率:39.9%;
形状:白色結晶;
融点:55−59℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.78-0.92(2H,m), 0.96-1.12(2H,m), 1.70-2.00(2H,m), 2.00-2.15(2H,m), 2.15-2.32(2H,m), 2.32-2.51(1H,m), 2.74-2.98(2H,m), 3.59-3.74(1H,m), 4.67(1H,s), 7.12-7.93(9H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):398(M+ +1)。
【0115】
実施例25−28
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩の代わりに1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン塩酸塩を用い、ブチリルクロライドの代わりに種々の酸ハライドまたは酸無水物を用いて、実施例18と同様の反応を行い、実施例25−28の化合物を得た。
【0116】
実施例25
1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−パルミトイルチオピペリジン(例示化合物番号 616)
使用酸ハライドまたは酸無水物:パルミトイルクロリド。
収率:34.7%;
形状:白色結晶;
融点:44−47℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H,t,J=6.8Hz), 1.14-1.34(24H,m), 1.55-1.78(4H,m), 1.87-2.00(2H,m), 2.22-2.45(2H,m), 2.49(2H,t,J=7.5Hz), 2.72-2.87(2H,m), 3.39-3.50(1H,m), 3.70(3H,s), 4.53(1H,s), 7.04-7.49 (4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):522(M+ +1)。
【0117】
実施例26
1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−ステアロイルチオピペリジン(例示化合物番号 617)
使用酸ハライドまたは酸無水物:ステアロイルクロリド。
収率:56.4%;
形状:白色結晶;
融点:50−52℃;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H,t,J=6.8Hz), 1.15-1.35(28H,m), 1.57-1.81(4H,m), 1.86-1.99(2H,m), 2.23-2.45(2H,m), 2.49(2H,t,J=7.6Hz), 2.74-2.88(2H,m), 3.40-3.50(1H,m), 3.71(3H,s), 4.53(1H,s), 7.04-7.48 (4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):550(M+ +1)。
【0118】
実施例27
1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−オレオイルチオピペリジン(例示化合物番号 619)
使用酸ハライドまたは酸無水物:オレオイルクロリド。
収率:70.4%;
形状:淡黄色油状物;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H,t,J=6.8Hz), 1.15-1.38(20H,m), 1.58-1.80(4H,m), 1.88-2.09(6H,m), 2.22-2.45(2H,m), 2.49(2H,t,J=7.6Hz), 2.74-2.85(2H,m), 3.39-3.49(1H,m), 3.70(3H,s), 4.53(1H,s), 5.27-5.42 (2H,m), 7.04-7.49(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):548(M+ +1)。
【0119】
実施例28
4−ベンゾイルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン(例示化合物番号 620)
使用酸ハライドまたは酸無水物:ベンゾイルクロリド。
収率:71.8%;
形状:黄色油状物;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.75-1.91(2H,m), 1.99-2.10(2H,m), 2.34(1H,t,J=9.6Hz), 2.45(1H,t,J=9.6Hz), 2.81-2.91(2H,m), 3.62-3.70(1H,m), 3.72(3H,s), 4.56(1H,s), 7.05-7.94(9H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):388(M+ +1)。
【0120】
参考例1
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシピペリジン
4−ヒドロキシピペリジン3.13g(31mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)30mlに溶解し、α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイド7.94g(31mmol)および炭酸カリウム4.7g(34mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、トルエンで抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=19/1)で精製し、標題化合物8.00gを褐色油状物として得た(収率93%)。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.79-0.87(2H,m), 0.98-1.04(2H,m), 1.50-1.72(2H,m), 1.82-1.98(2H,m), 2.02-2.15(1H,m), 2.18-2.30(2H,m), 2.70-2.90(2H,m), 3.60-3.74(1H,m), 4.62(1H,s), 7.05-7.45(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):278(M+ +1)。
【0121】
参考例2
1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−ヒドロキシピペリジン
α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイドの代わりに、2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイドを用いて、参考例1と同様の反応を行い、95%の収率で無色油状の標題化合物を得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.55-1.70(2H,m), 1.80-2.00(2H,m), 2.22-2.45(2H,m), 2.65-2.82(1H,m), 2.83-2.98(1H,m), 3.70(3H,s), 3.72-3.80(1H,m), 4.70(1H,s), 7.20-7.70(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):284(M+ +1)。
【0122】
参考例3
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシピペリジン
4−ヒドロキシピペリジンの代わりに3−ヒドロキシピペリジンを用いて、参考例1と同様の反応を行い、標題化合物を褐色油状物として、ほぼ定量的に得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-0.95(2H,m), 1.00-1.10(2H,m), 1.45-1.68(3H,m), 1.72-1.95(1H,m), 2.02-2.20(1H,m), 2.30-2.70(4H,m), 3.80-3.90(1H,m), 4.72(1H,s), 7.05-7.45(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):278(M+ +1)。
【0123】
参考例4
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシピロリジン
4−ヒドロキシピペリジンの代わりに3−ヒドロキシピロリジンを用いて、参考例1と同様の反応を行い、標題化合物を黄色油状物として、97%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.79-0.90(2H,m), 1.00-1.03(2H,m), 1.70-1.90(1H,m), 2.02-2.20(2H,m), 2.41-3.08(5H,m), 4.28-4.40(1H,m), 4.71,4.72(計1H, 各s), 7.07-7.46(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):264(M+ +1)。
【0124】
参考例5
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシアゼチジン
4−ヒドロキシピペリジンの代わりに3−ヒドロキシアゼチジンを用いて、参考例1と同様の反応を行い、標題化合物を白色結晶として、66%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.69-0.88(2H,m), 0.90-1.07(2H,m), 1.87-1.96(1H,m), 2.94-3.03(2H,m), 3.17(1H,br.s), 3.44(1H,dd,J=6.1,6.7Hz), 3.83(1H,dd,J=6.7,7.3Hz), 4.45-4.53(1H,m), 4.62(1H,s), 7.07-7.38(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):250(M+ +1)。
【0125】
参考例6
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシメチルピペリジン
4−ヒドロキシピペリジンの代わりに4−ヒドロキシメチルピペリジンを用いて、参考例1と同様の反応を行い、標題化合物を褐色油状物として、ほぼ定量的に得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-0.90(2H,m), 0.92-1.08(2H,m), 1.28-1.50(3H,m), 1.65-1.80(2H,m), 1.85-1.95(1H,m), 2.05-2.18(1H,m), 2.19-2.30(1H,m), 2.80-2.90(1H,m), 3.00-3.10(1H,m), 3.50(2H,d,J=6Hz), 4.62(1H,s), 7.05-7.45(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):292(M+ +1)。
【0126】
参考例7
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシメチルピペリジン
4−ヒドロキシピペリジンの代わりに3−ヒドロキシメチルピペリジンを用いて、参考例1と同様の反応を行い、標題化合物を淡黄色油状物として、ほぼ定量的に得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.79-0.86(2H,m), 0.95-1.05(2H,m), 1.16-1.23(1H,m), 1.52-1.85(4H,m), 2.09-2.33(4H,m), 2.56-2.73(2H,m), 3.56-3.70(2H,m), 4.60(0.5H,s), 4.66(0.5H,s), 7.05-7.18(2H,m), 7.25-7.41(2H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):292(M+ +1)。
【0127】
参考例8
8−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
4−ヒドロキシピペリジンの代わりに3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(エキソとエンドの異性体混合物)を用いて、参考例1と同様の反応を行い、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶剤:トルエン/酢酸エチル=100/3)を用いて分離し、標題化合物の2つ異性体A−1および異性体B−1を、それぞれ収率45.2%および24.6%で得た。また、異性体A−1および異性体B−1は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSK−GEL ODS−80TM,移動相:アセトニトリル/12mM KH2 PO4 =45/55,温度:35℃,流速:1.0ml/分)において、それぞれ、保持時間、4.0分および保持時間、4.3分を示した。
異性体A−1
形状:淡黄色固体;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.68-1.06(4H,m), 1.35(1H,s), 1.62 (1H,d,J=13.9Hz), 1.72(1H,d,J=13.9Hz), 1.82-2.32(6H,m), 2.39-2.54 (1H,m),3.05(1H,s), 3.22(1H,s), 4.13(1H,s), 4.64(1H,s), 6.95-7.80(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):304(M+ +1).
異性体B−1
形状:淡黄色油状物;
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.68-1.08(4H,m), 1.25(1H,s), 1.46-2.35(8H,m), 2.38-2.54(1H,m), 3.18(1H,s), 3.26(1H,s), 3.89-4.05(1H,m), 4.72(1H,s), 6.96-7.95(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):304(M+ +1)。
【0128】
参考例9
(E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
(a) 3−エトキシカルボニルメチリデン−1−トリフェニルメチル−4−ピペリドン
4−ピペリドンモノハイドレート塩酸塩10.0g(65.1mmol)とトリエチルアミン20.0g(198mmol)のジメチルホルムアミド150ml溶液に60℃で、攪拌下にクロロトリフェニルメタン18.1g(65.1mmol)を少しづつ加えた後、同温度でさらに5時間攪拌した。冷却した後、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残渣に水150mlを加え、酢酸エチル300mlで抽出し、次いで有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を濃縮して、1−トリフェニルメチル−4−ピペリドン23.0g(収率98.3%)を得た。上記生成物23.0gとピロリジン4.63g(65.0mmol)のベンゼン300ml溶液を水分離器を用いて、加熱還流下で2時間共沸脱水を行った。次いで、グリオキシル酸エチル(ポリマー型)6.63g(65.0mmol)のベンゼン50ml溶液を加え、再び加熱還流下で90分間共沸脱水を行った。冷却した後、水200mlを加えて、洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;トルエン/酢酸エチル=19/1)で精製し、標題化合物16.6g(収率60.2%)を淡黄色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.15(3H,t,J=6.3Hz), 2.57-2.68(2H, m), 2.72-2.81(2H,m), 3.61-3.79(2H,m), 4.08(2H,q,J=6.3Hz), 6.55(1H,s), 7.15-7.60(15H,m);
マススペクトル(CI,m/z):426(M+ +1)。
(b) (E)−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
3−エトキシカルボニルメチリデン−1−トリフェニルメチル−4−ピペリドン16.6g(39.1mmol)のメタノール150ml溶液に氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム1.48g(39.1mmol)を少しづつ加えた後、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮した後、水50mlと酢酸エチル150mlを加えて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去して、3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシ−1−トリフェニルメチルピペリジン16.8g(収率100%)を褐色油状物として得た。
上記生成物にテトラヒドロフラン200mlとパラトルエンスルホン酸1水和物6.70g(35.2mmol)を加え、50℃で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下で留去し、得られた固体をトルエンで洗浄して、3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジンのパラトルエンスルホン酸塩を10.8g(収率86.6%)を得た。
次いで、上記生成物をジメチルホルムアミド80mlに溶解し、さらにα−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイド7.84g(30.5mmol)と炭酸カリウム9.27g(67.0mmol)を加えた後、室温で1時間および50℃で3時間攪拌した。反応終了後、水150mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;トルエン/酢酸エチル=9/1〜4/1)にて精製し、標題化合物7.63g(収率69.3%)を淡黄色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.74-0.88(2H,m), 0.97-1.10(2H,m), 1.22,1.25(計3H, 各t,J=6.8Hz,J=7.3Hz), 1.75-1.87(1H,m), 2.00-2.65(4H,m), 2.89-3.09(2H,m), 4.11,4.13 (計2H, 各q,J=6.8Hz,J=7.3Hz), 4.46,4.58(計1H, 各d,J=13.6Hz,J=14.1Hz), 4.77,4.78(計1H, 各s), 6.00(1H,s), 7.05-7.43(4H, m);
マススペクトル(CI,m/z):362(M+ +1)、292。
【0129】
参考例10
(E)−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイドの代わりに、2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイドを用いて、参考例9(b)と同様の反応を行い、標題化合物を黄色油状物として、62.1%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.10-1.35(3H,m), 1.70-1.89(1H,m), 1.91-2.10(1H,m), 2.41-2.74(2H,m), 2.82-2.96(1H,m), 3.14(0.5H,d,J=13.9Hz), 3.21(0.5H,d,J=13.9Hz), 3.70,3.71 (計3H, 各s), 4.00-4.22(2H,m), 4.52 (0.5H,d,J=13.9Hz), 4.61(0.5H,d,J=13.9Hz), 4.82,4.87(計1H, 各s), 5.99, 6.01 (計1H, 各s), 7.1-7.7(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):368(M+ +1)。
【0130】
参考例11
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−ヒドロキシピペリジン9.72g(26.9mmol)を濃塩酸75mlおよび酢酸180mlの混酸に溶解し、室温で7日間放置した。減圧濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=100/3〜2/1)に付し、1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−ヒドロキシピペリジン5.11g(収率57%)を得た。
上記生成物に塩化メチレン50mlおよびトリエチルアミン3.25g(32.2mmol)を加え、−5℃〜0℃に冷却した後、クロル炭酸エチル1.66g(15.3mmol)を滴下した。反応液を室温に戻して、30分攪拌した後、10℃まで冷却し、ジメチルアミン塩酸塩1.25g(15.3mmol)を加え、次いでトリエチルアミン1.54g(15.3mmol)を加え、室温下で5時間攪拌した。塩化メチレン−水を加え、塩化メチレン層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=10/3)で精製し、標題化合物3.56g(収率64.4%)を淡黄色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.75-0.90(2H,m), 0.93-1.06(2H,m), 1.62-1.83(1H,m), 1.85-2.10(1H,m), 2.10-2.59(2H,m), 2.75(0.5H,d,J=13.9Hz), 2.83(0.5H,d,J=13.9Hz), 2.89,2.92,3.04(計6H, 各s), 3.12-3.40(1H,m),3.66(0.5H,d,J=13.9Hz), 3.84(0.5H,d,J=13.9Hz), 4.00-4.13(1H,m), 4.68,4.71 (計1H, 各s), 6.13(1H,s), 7.00-7.48(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):361(M+ +1)。
【0131】
参考例12
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
ジメチルアミン塩酸塩の代わりにメチルアミン塩酸塩を用いて、参考例11と同様の反応を行い、標題化合物を白色固体として、55.1%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.72-0.93(2H,m), 0.94-1.12(2H,m), 1.65-1.85(1H,m), 1.85-2.12(2H,m), 2.15-2.34(0.5H,m), 2.4-2.68(1H,m),2.70-3.00(4.5H,m), 3.95-4.20(2H,m), 4.79(0.5H,s), 4.85(0.5H,s), 5.96(0.5H,s), 5.97(0.5H,s), 6.60(0.5H,br.s), 6.83(0.5H,br.s), 7.05-7.45(4H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):347(M+ +1)。
【0132】
参考例13
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
(a) 1−(t−ブトキシカルボニル)−3−エチリデン−4−ピペリドン
1−ベンジル−4−ピペリドン10.0g(52.9mmol)とモルホリン4.61g(52.9mmol)のトルエン100ml溶液を水分離器を用いて、加熱還流下で、5時間共沸脱水を行った。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、1−ベンジル−4−モルホリノ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン13.7gを定量的に得た。アセトアルデヒド1.52g(34.6mmol)の塩化メチレン20ml溶液をアルゴン雰囲気下で、−40℃に冷却し、次いで三フッ化ホウ素−エーテル錯体5.3ml(43mmol)と上記で得られた1−ベンジル−4−モルホリノ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン7.44g(28.8mmol)を滴下した。滴下終了後温度を徐々に上げ、室温で一晩放置した。水を加えて、反応を停止させた後、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=4/1)に付し、1−ベンジル−3−(1−ヒドロキシエチル)−4−ピペリドン4.68g(収率69.7%)を黄褐色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.11-1.14(3H,d,J=6Hz), 2.35-2.95 (7H,m), 3.54-3.70(2H,m), 4.02-4.22(1H,m), 7.28-7.36(5H,m) .
上記で得られた1−ベンジル−3−(1−ヒドロキシエチル)−4−ピペリドン4.68g(20mmol)をエタノール100mlに溶解し、5%パラジウム−炭素0.5gを加えて、水素雰囲気下、60℃で8時間攪拌した。反応終了後、セライトを用いてパラジウム−炭素を濾別した後、減圧下で溶媒を留去し、3−(1−ヒドロキシエチル)−4−ピペリドン2.98gを定量的に無色油状物として得た。
次いで、上記生成物を塩化メチレン20mlに溶解し、15%炭酸カリウム水溶液20mlを加え、さらに攪拌下で、二炭酸ジ−t−ブチル4.6g(21mmol)を加えた後、室温で3時間攪拌した。反応終了後、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=4/1)に付し、1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(1−ヒドロキシエチル)−4−ピペリドン1.86g(収率38.3%)を無色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.21(1.5H,d,J=7Hz), 1.25(1.5H,d,J=6Hz), 1.50(9H,s), 2.40-2.49(3H,m), 2.98-3.08(0.5H,m), 3.26-3.33(1H,m), 3.40-3.90(2.5H,m), 3.95-3.98(0.5H,m), 4.08-4.28(1.5H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):188,144.
上記で得られた1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(1−ヒドロキシエチル)−4−ピペリドン1.86g(7.6mmol)の塩化メチレン20ml溶液にトリエチルアミン0.77g(7.6mmol)を加え、次いで水冷下でメタンスルホニルクロライド0.88g(7.6mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、残渣に酢酸エチルを加えて、析出した固体を濾別した後、再度減圧濃縮した。次いでクロロホルム20mlに溶解し、室温で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデサ−7−エン(DBU)1.16g(7.6mmol)を加え、同温度で2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル=19/1)に付し、標題化合物1.32g(収率77.2%)を無色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.49(9H,s), 1.80(3H,d,J=7Hz), 2.54(2H,t,J=6Hz), 3.71(2H,t,J=6Hz), 4.35(2H,br.s), 6.86(1H,br.q);
マススペクトル(CI,m/z):170。
(b) 1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エチリデン−4−ヒドロキシピペリジン
1−(t−ブトキシカルボニル)−3−エチリデン−4−ピペリドン1.32g(5.9mmol)のメタノール10ml溶液に、氷冷下で塩化セリウム・7水和物2.19g(5.9mmol)を加え、次いで水素化ホウ素ナトリウム0.22g(5.9mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で留去した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)に付し、1−(t−ブトキシカルボニル)−3−エチリデン−4−ヒドロキシピペリジン1.33gを定量的に無色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.46(9H,s), 1.60-1.69(1H,m), 1.71 (3H,d,J=7Hz), 1.80-1.90(1H,m), 3.50-3.65(2H,m), 4.04(1H,br.s), 4.23(1H, br.t), 5.54(1H,q,J=7Hz) ;
マススペクトル(CI,m/z):172、154.
1−(t−ブトキシカルボニル)−3−エチリデン−4−ヒドロキシピペリジン1.51g(6.7mmol)を塩化メチレン20mlに溶解し、氷冷下でトリフルオロ酢酸5mlを加えた後、室温で2時間攪拌した。次いで氷冷下でトリエチルアミン11mlとα−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイド1.70g(6.7mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、残渣に酢酸エチルを加えて、析出した固体を濾別した後、再度減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=100/1)に付し、標題化合物1.52g(収率74.9%)を黄色油状物として得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.80-0.88(2H,m), 0.96-1.06(2H,m), 1.23(3H,d,J=6Hz), 2.20-2.27(3H,m), 2.40-2.73(2H,m), 2.98-3.17(2H,m),4.17-4.19(1H,m), 4.73(0.5H,s), 4.74(0.5H,s), 5.73(1H,br.s), 7.08-7.18(2H,m), 7.28-7.33(1H,m), 7.41-7.48(1H,m) ;
マススペクトル(CI,m/z):304(M+ +1)。
【0133】
参考例14
1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−ヒドロキシピペリジン
α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジルブロマイドの代わりに、2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイドを用いて、参考例1と同様の反応を行い、標題化合物を無色油状物として、91.7%の収率で得た。
NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.54-1.74(2H,m), 1.83-1.97(2H,m), 2.16-2.35(2H,m), 2.73-2.88(2H,m), 3.55-3.78(1H,m), 3.70(3H,s), 4.53(1H,s), 7.02-7.53(4H,m);
マススペクトル(CI,m/z):268(M+ +1)。
【0134】
試験例1
マウス出血時間延長作用
試験動物は、10匹のICR系雄性マウス(日本チャールスリバー)を一群として用いた。被検薬物は5%アラビアゴム水溶液に懸濁し、マウスに3日間にわたり試験の48時間、24時間および4時間前に経口投与した。マウスを保定器内にいれ、尾先端部5mmを切断し、先端部から2cmを37℃に保温した生理食塩液中に浸した。出血が連続15秒間停止した時点を止血とし、尾先端の切断から止血までの時間を出血時間とした。出血時間は最長5分間観察し、止血まで時間が5分以上の場合は出血時間を5分とした。出血時間延長作用は被検薬物を含有しない5%アラビアゴム水溶液を投与した対照群のマウスの出血時間に対する倍率として求めた。結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
試験例2
ラット血小板凝集抑制作用
試験動物は、4匹のSD系雌性ラット(日本チャールスリバー)を一群として用いた。被検薬物は、5%アラビアゴム水溶液に懸濁し、試験の4時間前にラットに経口投与した。対照群のラットには被検薬物を含有しない5%アラビアゴム水溶液を投与した。血小板凝集は、P.LumleyとP. P. A. Humphreyの方法(J. Pharmacol. Methods, 6, 153-166(1981)) を一部修正して測定した。麻酔下のラット腹部大動脈より血液5.4mlを3.8%(w/v) クエン酸ナトリウム溶液(0.6ml)を抗凝固剤として採血した。得られたクエン酸塩加血を1.2mlづつキュベットに分注し、37℃で撹拌(1000rpm )した。2分間の予備加温の後、キュベット内から血液0.3 mlを分取して、自動血球測定装置(E−4000、東亜医用電子)を用い血小板数を測定し、血小板数前値とした。次にキュベット内の血液0.9mlにアデノシン−二リン酸(ADP)溶液(0.05mM)またはコラーゲン懸濁液(0.06mg/ml)を0.1ml加え、血小板凝集を惹起した。ADP添加2分後あるいはコラーゲン添加4分後に血液0.3mlを分取して血小板数を測定し、血小板数後値とした。血小板凝集率は次の式により求めた。
100×(血小板数前値−血小板数後値)/血小板数前値
被検薬物の血小板凝集抑制作用は、対照群ラット(被検薬物未投与)の血小板凝集に対する抑制率(%)として求めた。結果を表3に示す。
【0137】
【表3】
【0138】
試験例3
ヒト血小板凝集抑制作用
血小板凝集はG. V. R. Born の方法(Nature, 194, 927-929 (1962)) を一部修正し、自動血小板凝集測定装置(PAM−8C、メバニクス)を用いて測定した。採血に先立って2週間薬剤を服用していない健常成人の正肘静脈から血液を3.8%クエン酸ナトリウム溶液を抗凝固剤(採血量の1/9量添加)として採血した。遠心機(CR5DL、日立)を用いて、得られたクエン酸塩加血を室温で15分間遠心(200 x g)し、上層の多血小板血漿(platelet-rich plasma 、PRP)を分離した。下層をさらに室温で10分間遠心(2,000x g )し、乏血小板血漿(platelet-poor plasma、PPP)を分離した。PRP中の血小板数を自動血球測定装置(K−1000、東亜医用電子)で測定した後、PPPを用いてPRP中の血小板数を3x108/mlに調整して血小板凝集試験に用いた。被検薬物を添加したPRP(0.24ml)をキュベットに分注し、自動血小板凝集測定装置にセットした。1.5分間の予備加温(37℃)の後、ADP溶液(0.25mM)を0.01ml添加して血小板凝集を惹起した。血小板凝集は10分間測定した。
被検薬物の血小板凝集抑制作用は、コントロール(被検薬物未添加)の血小板凝集に対する抑制率(%)として求めた。結果を表4に示す。
【0139】
【表4】
【0140】
製剤例1
ハードカプセル剤
50mgの粉末状の実施例12の化合物、128.7mgのラクトース、70mgのセルロース及び1.3mgのステアリン酸マグネシウムを混合し、60メッシュのふるいを通した後、この粉末を250mgの3号ゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とする。
【0141】
製剤例2
錠剤
50mgノ 粉末状の実施例12の化合物、124mgのラクトース、25mgのセル ロース及び1mgのステアリン酸マグネシウムを混合し、打錠機により打錠して、1錠200mgの錠剤とする。この錠剤は必要に応じて糖衣を施すことができる。
【0142】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(I)を有する化合物を含有する医薬は、優れた血小板凝集抑制作用又は動脈硬化進展抑制作用等(特に血小板凝集抑制作用)を有し、毒性も弱いため、塞栓症、血栓症若しくは動脈硬化症(特に塞栓症又は血栓症)の予防剤又は治療剤(特に治療剤)として有用である。
Claims (17)
- 一般式
R2は、置換されていてもよいC1−C8脂肪族アシル基(該置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−C4アルコキシ基又はシアノ基である。)、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1−C4アルキル基、ハロゲン原子またはC1−C4アルコキシ基である。)又は(C1−C4アルコキシ)カルボニル基を示し、
R3は、置換された、酸素、窒素若しくは硫黄原子を有してもよい3乃至7員環状飽和アミノ基又は置換された、7−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−7−イル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル若しくは9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル基[該置換基は、必須のものとしては、保護されていてもよいメルカプト基又は保護されていてもよいメルカプトで置換されたC1−C4アルキル基であり、所望のものとしては、式 =CR4R5を有する基(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、C1−C4アルキル基、カルボキシ基、(C1−C4アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基又はモノ−若しくはジ−(C1−C4アルキル)カルバモイル基を示す。)であり、メルカプト基の保護基は、C1−C20アルカノイル基、C3−C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1−C4アルキル基、ハロゲン原子またはC1−C4アルコキシ基である。)又は(C1−C4アルコキシ)カルボニル基である。]を示す。]
を有する環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。 - R1が、置換されたフェニル基(該置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、フルオロ置換−メチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ置換−メトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)である請求項1に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R1が、置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基又はニトロ基である。)である請求項1に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R1が置換されたフェニル基(該置換基は、弗素原子又は塩素原子である。)である請求項1に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R1の置換されたフェニル基の置換基の数が、1乃至3である請求項1乃至4より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R1の置換されたフェニル基の置換基の数が、1又は2である請求項1乃至4より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R1の置換されたフェニル基の置換基の置換位置が、2位又は4位である請求項1乃至4より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R2が、置換されていてもよい、C2−C4アルカノイル基若しくは(C3−C6シクロアルキル)カルボニル基(該置換基は、弗素原子、塩素原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基又はシアノ基である。)、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である。)又は(C1−C4アルコキシ)カルボニル基である請求項1乃至7より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R2が、弗素原子又は塩素原子で置換されていてもよい、C2−C4アルカノイル基若しくは(C3−C6シクロアルキル)カルボニル基;ベンゾイル基;又は(C1−C4アルコキシ)カルボニル基である請求項1乃至7より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R2が、弗素原子で置換されていてもよい、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、シクロプロピルカルボニル基又はシクロブチルカルボニル基;或は、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である請求項1乃至7より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R2が、プロピオニル基、シクロプロピルカルボニル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である請求項1乃至7より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。
- R3が、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1−C4アルキル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1−C4アルキル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1−C4アルキル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1−C4アルキル)−3−(=CR4R5)−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトC1−C4アルキル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8
−イル基であり、
R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、C1−C4アルキル基、カルボキシ基、(C1−C4アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基又はモノ−若しくはジ−(C1−C4アルキル)カルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基は、C1−C20アルカノイル基、C3−C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、C1−C4アルキル基、ハロゲン原子又はC1−C4アルコキシ基である。)又は(C1−C4アルコキシ)カルボニル基である請求項1乃至11より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。 - R3が、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4R5)−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト若しくは保護されていてもよいメルカプトメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、メチル基、エチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基又はジエチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基は、C1−C20アルカノイル基、C8−C20アルケノイル基、置換されていてもよいベンゾイル基(該置換基は、メチル基、エチル基、弗素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である。)、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である請求項1乃至11より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。 - R3が、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピロリジニル基、3−若しくは4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4R5)−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4が水素原子であり、R5が、水素原子、メチル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基が、C2−C6アルカノイル基、パルミトレオイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である請求項1乃至11より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。 - R3が、3−(保護されていてもよいメルカプト)−1−アゼチジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−1−ピペリジニル基、4−(保護されていてもよいメルカプト)−3−(=CR4R5)−1−ピペリジニル基又は8−アザ−3−(保護されていてもよいメルカプト)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル基であり、
R4は水素原子であり、R5は、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基又はジメチルカルバモイル基であり、
メルカプト基の保護基が、C2−C5アルカノイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である請求項1乃至11より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。 - 請求項1に記載の以下の化合物:
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−メルカプトピペリジン、
1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン、
1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−4−メルカプトピペリジン、
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−カルボキシメチリデン−4−メルカプトピペリジン、
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン、
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデン−4−メルカプトピペリジン、
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン、
4−ブチリルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン、
1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4−ピバロイルチオピペリジン、
4−ベンゾイルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)ピペリジン、
4−アセチルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン、
4−ベンゾイルチオ−1−(2−フルオロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン、
4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)ピペリジン、
3−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)アゼチジン、
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン、
4−アセチルチオ−1−(2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジル)−3−エトキシカルボニルメチリデンピペリジン、
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチリデンピペリジン、又は
4−アセチルチオ−1−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−3−(N−メチルカルバモイル)メチリデンピペリジン、或はそれらの薬理上許容される塩を含有する医薬。 - 請求項1乃至16より選択される一の請求項に記載の環状アミン誘導体又はその薬理上許容される塩を含有する血栓症予防剤若しくは治療剤。
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