JP3894342B2 - 有料情報提供システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有料情報提供システムに関し、より特定的には、情報提供業者によって管理される送信局(放送衛星、通信衛星、CATVのセンタ局、地上放送局等)から、当該情報提供業者と受信契約を結んでいる受信局に対し、映像データ、音声データ、コンピュータデータ等の有料情報を提供するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の有料情報提供システムにおける課金方法の一例として、放送衛星を用いた有料放送システムにおける課金方法について説明する。図16は、放送衛星を用いた有料放送システムの全体構成を示すブロック図である。図16において、上記有料放送システムには、デジタル化された映像、音声等の有料情報を送信する送信装置100と、当該有料情報を受信する受信装置107とが、通信路106によって接続されている。また、受信装置107は、ICカード108がセットされることによって、送信されてくる有料情報等を受信することが可能となる。
【0003】
送信装置100は、スクランブル鍵を生成するスクランブル鍵生成部101と、有料情報をスクランブルするスクランブラ102と、関連情報(ユーザとの契約に関する情報)およびスクランブル鍵を暗号化する関連情報暗号化部103と、当該関連情報に基づいて、ユーザに請求する料金を管理する料金管理部104と、スクランブルされた有料情報と暗号化された関連情報等とを多重化して送信する多重/送信部105とを備える。
【0004】
受信装置107は、多重化された有料情報および関連情報等を受信し分離する受信/分離部109と、当該有料情報をスクランブル鍵を用いてデスクランブルするデスクランブラ110と、デスクランブルされた有料情報をデコードして映像データ、音声データ等を出力する映像/音声デコーダ111とを備える。また、ICカード108は、暗号化された関連情報および暗号化されたスクランブル鍵を復号する関連情報復号部112と、復号された関連情報を検査することによって、受信装置107が有料情報を受信する資格を有するか否かを判定し、資格を有する場合にのみ関連情報に添付されているスクランブル鍵をデスクランブラ110に与える資格判定部113とを備える。
【0005】
上記のような構成を有する有料放送システムにおいて、情報提供業者は、有料情報の提供および有料情報の利用に対する料金の請求を、以下に説明するようにして行っている。まず、ユーザは、有料情報の受信設備(受信装置107およびICカード108)を購入し設置する。同時に、ユーザは、電話等のコミュニケーション手段を用いて、情報提供業者との間で、有料情報の提供に関する契約を締結する。これによって、情報提供業者が管理する送信装置100には、上述した契約情報が登録される。なお、この契約情報は、資格判定部113にも登録される。
【0006】
上記のような登録が完了した後、送信装置100がユーザからのリクエストを受信すると、スクランブル鍵生成部101は、スクランブル鍵を生成し、この生成したスクランブル鍵をスクランブラ102に設定すると共に、関連情報暗号化部103に出力する。関連情報暗号化部103は、リクエストを送信したユーザの契約情報等を含む関連情報とスクランブル鍵とを暗号化し、多重/送信部105に出力する。一方、スクランブラ102は、リクエストされた有料情報を、設定されたスクランブル鍵を用いてスクランブルした後、多重/送信部105に出力する。多重/送信部105は、暗号化された関連情報およびスクランブル鍵と、スクランブルされた有料情報とを多重化し、通信路106を介して、受信装置107の受信/分離部109に送信する。このとき、料金管理部104には、リクエストを送信したユーザの契約情報等を含む関連情報が入力される。料金管理部104は、これに応じて、このユーザに対する有料情報の利用料金を計算し、当該利用料金に関する情報を格納する。
【0007】
受信/分離部109は、通信路106を介して受信した情報を、暗号化された関連情報およびスクランブル鍵と、スクランブルされた有料情報とに分離し、前者を関連情報復号部112に、後者をデスクランブラ110にそれぞれ出力する。関連情報復号部112は、暗号化されている関連情報およびスクランブル鍵を復号した後、これらを資格判定部113に出力する。資格判定部113は、関連情報が含む契約情報と、内部に登録されている契約情報とに基づいて、当該受信装置107を保有するユーザが情報提供業者と契約しているか否かを判断し、肯定的な判断をした場合にのみ、入力したスクランブル鍵をデスクランブラ110に出力する。デスクランブラ110は、獲得したスクランブル鍵を用いて、入力された有料情報をデスクランブルし、映像/音声デコーダ111に出力する。映像/音声デコーダ111によってデコードされた有料情報は、映像データおよび音声データとして出力される。これによって、ユーザは、情報提供業者から有料情報を獲得したこととなる。なお、送信装置100を管理する情報提供業者は、契約によって定められた時期(例えば、月末)に、料金管理部104に格納されている料金の情報に基づいて、ユーザに有料情報の利用に対する料金を請求する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の技術革新によって、放送や情報通信に係る設備基盤が整い、各家庭においても、情報提供業者から様々な情報(映像情報、音声情報、文字情報、図形情報等)を得ることができるようになった。これらの情報は、例えば、地上放送局、衛星放送または通信衛星から無線によって家庭に送信されてくる。また、CATV(Cable Television)のセンタ局から光ファイバケーブル等の有線を介して送信されてくる。
【0009】
また、従来の家庭では、居間等にテレビが1台だけ設置され、家族全員でテレビ番組を視聴するという形態が一般的であった。しかし、近年、複数の部屋にテレビが設置され、個人個人で好きなテレビ番組をみるようになってきている。このような個人指向は、今後ますます顕著になるものと考えられる。
【0010】
上記のように、各家庭において様々な情報を得ることができ、なおかつ個人指向が進むような状況に適応するためには、以下に説明するような2つの有料情報提供システムを構築することが考えられる。すなわち、第1の有料情報提供システムでは、家庭内の必要な部屋毎に、前述した受信設備(受信装置107およびICカード108)が設置される。また、第2の有料情報提供システムでは、1つの家庭に対して1組の受信設備が設置され、受信装置107から出力される有料情報が分岐されて、各部屋のテレビに入力される。家庭内の各人は、それぞれ別個のテレビを用いてこの有料情報を視聴する。
【0011】
しかしながら、上記の第1の有料情報提供システムを採用した場合、家庭の必要な部屋毎に、受信設備(受信装置107およびICカード108)を設ける必要があり、ユーザ側での当初の設備負担額が大きくなるという問題点が生じる。また、第1の有料情報提供システムでは、受信設備の設置台数に対応して、情報提供業者と複数の契約を行う必要が生じる。そのため、1つの家庭内において同一のテレビ番組を2つのテレビで視聴した場合、その家庭は、同一のテレビ番組に対して2度の利用料金を支払うことになる。しかし、ユーザとしては、同一のテレビ番組に対して2度の料金を支払うことに抵抗を感じるであろう。
【0012】
一方、上記の第2の有料情報提供システムを採用した場合、テレビの台数に応じた課金をすることができないという問題点が生じる。より具体的には、例えば、1家庭内に1つの受信設備を設置し、当該受信設備に対して10台のテレビを接続したとする。このような場合、1台のテレビでテレビ番組を視聴したときであっても、10台のテレビでテレビ番組を視聴したときであっても、1家庭全体として情報提供業者に支払う料金は同一である。しかし、情報提供業者としては、テレビの設置台数に応じた料金を家庭に対して請求したいと考えるであろう。また、1台のテレビしか保有していないユーザは、10台のテレビを保有しているユーザと同じ料金を請求されるのは不合理であると考えるであろう。
【0013】
それゆえに、本発明の目的は、ユーザ側での実際の利用度合に応じた利用料金を求めることができる有料情報提供システムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、ユーザ側での初期的な設備負担額を軽減でき、しかも情報提供業者と重複契約をする必要がない有料情報提供システムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、送信局から受信局に対して有料情報を提供する有料情報提供システムであって、
送信局は、有料情報を受信局に送信するとき、当該有料情報の基礎的な利用料金を規定するための基礎料金情報を、同時に当該受信局に送信し、
受信局は、
1つのサーバと、
ユーザによって操作され、有料情報を利用するための複数の端末とを備え、
サーバは、
送信局から送信されてくる有料情報を受信する受信部と、
受信部によって受信された有料情報を、当該有料情報の提供をリクエストした端末に配信する配信部と、
各端末から送られてくるリクエストに基づいて、各端末における有料情報の利用状況を管理する利用状況管理部と、
各端末の属性に応じた料金係数を含む端末情報を格納する端末情報格納部と、
利用状況管理部が管理している利用状況と端末情報格納部が格納している端末情報とに基づいて、前記基礎料金情報で規定される基礎料金に各端末の属性に応じた料金係数を乗じることにより、各端末別に有料情報の利用料金を計算する料金計算部と、
料金計算部が計算した利用料金を記憶する料金記憶部とを備えている。
【0015】
上記のように、第1の発明によれば、サーバで各端末における有料情報の利用状況を管理し、この利用状況から各端末における有料情報の利用料金を計算するようにしているので、1人の契約者が端末を何台保有していても、実際に利用した有料情報の度合いに応じた料金を計算することができる。また、第1の発明によれば、各受信局の契約者は、受信設備として1台のサーバを設けるだけでよいので、ユーザ側の設備負担額が少なくてすむ。
【0017】
上記のように、第の発明によれば、さらに、サーバに各端末の属性を示す端末情報を登録し、利用料金の計算時にこの端末情報を参照することにより、各端末について差別化された利用料金を計算するようにしている。これによって、有料情報を利用する端末の属性(設置場所、画面サイズ等)をも考慮した柔軟な料金計算が可能となる。
【0019】
上記のように、第の発明によれば、さらに、料金計算部は、送信局から送信されてくる基礎料金情報に、各端末の属性に応じた料金係数を乗じることにより、各端末別に有料情報の利用料金を計算するようにしているので、送信局を管理する情報提供業者は、基礎料金情報を変更するだけで、各端末に対する有料情報の料金改定を容易に行うことができる。
【0020】
の発明は、第の発明において、
配信部は、さらに送信局から送られてくる基礎料金情報を各端末に送信し、
各端末は、受信した基礎料金情報をユーザに提示することを特徴とする。
【0021】
上記のように、第の発明によれば、送信局から送信されてくる基礎料金情報を、端末を介してユーザに提示するようにしているので、端末を操作するユーザは、提示された基礎料金情報を参考にして、有料情報を利用すべきか否かを判断することができる。
【0022】
の発明は、第1の発明において、
サーバには、端末情報を送信局に提供することに基づく割引情報が設定されており、
有料情報の提供をリクエストした端末の端末情報が、送信局に提供されたとき、
料金計算部は、割引情報を参照して、割り引かれた利用料金を計算することを特徴とする。
【0023】
送信局を管理する情報提供業者にとっては、提供する有料情報がどのような端末を介して利用されているかという情報は、視聴率調査やマーケティング調査等の観点からして重要な関心事である。しかしながら、受信局で保持されている端末情報は、個人のプライバシーに関わる情報であるため、無条件に送信局に提示させるとユーザの利益を損なう。そこで、第の発明によれば、有料情報を利用した端末の端末情報を送信局に提供したユーザに対しては、有料情報の利用料金を割り引くことにより、端末情報の提供を促進し、情報提供業者およびユーザの双方にとって利益のある有料情報提供システムを実現するようにしている。
【0024】
の発明は、第1の発明において、
サーバには、各端末を使用するユーザの属性を示すユーザ情報が登録されており、
料金計算部は、さらに利用料金の計算時にユーザ情報を参照することにより、各ユーザについて差別化された利用料金を計算することを特徴とする。
【0025】
上記のように、第の発明によれば、サーバに各端末を使用するユーザの属性を示すユーザ情報を登録し、利用料金の計算時にこのユーザ情報を参照することにより、各ユーザについて差別化された利用料金を計算するようにしている。これによって、有料情報を利用するユーザの属性(大人、子供等)をも考慮した柔軟な料金計算が可能となる。
【0026】
の発明は、第の発明において
ユーザ情報は、各ユーザの属性に応じた料金係数を含んでおり、
料金計算部は、基礎料金情報で規定される基礎料金に各ユーザの属性に応じた料金係数を乗じることにより、各ユーザ別に有料情報の利用料金を計算することを特徴とする。
【0027】
上記のように、第の発明によれば、料金計算部は、送信局から送信されてくる基礎料金情報に、各ユーザの属性に応じた料金係数を乗じることにより、各ユーザ別に有料情報の利用料金を計算するようにしているので、送信局を管理する情報提供業者は、基礎料金情報を変更するだけで、各ユーザに対する有料情報の料金改定を容易に行うことができる。
【0028】
の発明は、第の発明において、
配信部は、さらに送信局から送られてくる基礎料金情報を各端末に送信し、
各端末は、受信した基礎料金情報をユーザに提示することを特徴とする。
【0029】
上記のように、第の発明によれば、送信局から送信されてくる基礎料金情報を、端末を介してユーザに提示するようにしているので、端末を操作するユーザは、提示された基礎料金情報を参考にして、有料情報を利用すべきか否かを判断することができる。
【0030】
の発明は、第の発明において、
サーバには、端末情報を送信局に提供することに基づく割引情報が設定されており、
有料情報の提供をリクエストした端末を操作したユーザのユーザ情報が、送信局に提供されたとき、
料金計算部は、割引情報を参照して、割り引かれた利用料金を計算することを特徴とする。
【0031】
送信局を管理する情報提供業者にとっては、提供する有料情報がどのようなユーザによって利用されているかという情報は、視聴率調査やマーケティング調査等の観点からして重要な関心事である。しかしながら、受信局で保持されているユーザ情報は、個人のプライバシーに関わる情報であるため、無条件に送信局に提示させるとユーザの利益を損なう。そこで、第の発明によれば、有料情報を利用したユーザのユーザを送信局に提供したユーザに対しては、有料情報の利用料金を割り引くことにより、ユーザ情報の提供を促進し、情報提供業者および契約者の双方にとって利益のある有料情報提供システムを実現するようにしている。
【0032】
の発明は、第1の発明において、
利用状況管理部は、各端末における有料情報の利用履歴を保持しており、
料金計算部は、さらに利用料金の計算時に利用履歴を参照することにより、利用回数の多い有料情報の利用料金の割引率を高くすることを特徴とする。
【0033】
同じ有料情報を複数回利用した場合、利用する毎に同じ料金を課すと、同じ有料情報を再度利用する気持ちを減退させる。そこで、第の発明によれば、各端末における有料情報の利用履歴を保持しておき、利用料金の計算時にこの利用履歴を参照することにより、利用回数の多い有料情報の利用料金の割引率を高くするようにしている。これによって、ユーザの料金負担を軽くし、同じ有料情報の繰り返し利用を促進することができる。
【0034】
の発明は、第1の発明において、
料金計算部は、ユーザが操作することができない領域に設置されることを特徴とする。
【0035】
上記のように、第の発明によれば、料金計算部をユーザが操作することができない領域に設置するようにしているので、料金計算部が計算した利用料金が不正に改竄されるのを防止することができる。
【0036】
10の発明は、第1の発明において、
配信部は、さらに各端末から送信されてくるリクエストを、所定の端末からの指示に応答して、当該端末に送信し、
所定の端末は、受信したリクエストをユーザに提示することを特徴とする。
【0037】
上記のように、第10の発明によれば、各端末が発したリクエストを、所定の端末でチェックすることができるので、例えば、親は子供がどのような有料情報を利用しようとしているのかを監視でき、子供に悪影響を及ぼすような有料情報の利用を未然に防止することができる。
【0038】
11の発明は、第1の発明において、
受信局は、複数の送信局と受信契約を締結しており、
受信部および料金計算部は、受信契約を締結している各送信局に対応して設置されている。
【0039】
上記のように第11の発明によれば、受信部および料金計算部を受信契約を締結している複数の送信局毎に対応して設けるようにしているので、受信局は、複数の送信局からの有料情報を受信し、かつ送信局毎に料金計算を行うことができる。
【0040】
12の発明は、第1の発明において、
送信局は、有料情報をスクランブルして送信し、
受信部は、受信した有料情報をさらにデスクランブルし、
配信部は、受信部がデスクランブルした有料情報を、再スクランブルしてリクエストを発した端末に配信し、
各端末は、配信部から受け取った再スクランブルされた有料情報をデスクランブルして利用することを特徴とする。
【0041】
上記のように、第12の発明によれば、受信局は、送信局から送られてくる有料情報のスクランブルを一旦解除し、再スクランブルをかけて各端末に配信するようにしているので、各送信局でスクランブル方式が異なっていても、受信局内部でスクランブル方式を統一化できる。その結果、各端末に送信局毎のデスクランブラを設ける必要がない。
【0042】
13の発明は、第12の発明において、
サーバには、予め各端末に固有のスクランブル鍵が設定されており、
各端末には、予め固有のデスクランブル鍵が設定されており、
配信部は、受信部がデスクランブルした有料情報を、対応するスクランブル鍵を用いて再スクランブルした後、リクエストを発した端末に配信し、
各端末は、配信部から受け取った再スクランブルされた有料情報を、予め設定されたデスクランブル鍵を用いてデスクランブルして利用することを特徴とする。
【0043】
上記のように、第13の発明によれば、サーバ側は、各端末に固有のスクランブル鍵を用いて有料情報を再スクランブルし、端末側は、受信した再スクランブルされた有料情報を予め設定された自己のデスクランブル鍵を用いてデスクランブルするようにしているので、サーバから特定の端末に向けて配信された有料情報が他の端末で不所望に利用される事態を防止することができる。
【0044】
14の発明は、第12の発明において、
サーバには、予め各端末に固有の暗号鍵が設定されており、
各端末には、予め固有の復号鍵が設定されており、
配信部は、
乱数を生成し、
受信部がデスクランブルした有料情報を、乱数を用いて再スクランブルし、
乱数を対応する暗号鍵を用いて暗号化し、
再スクランブルされた有料情報および暗号化された乱数を、リクエストを発した端末に配信し、
各端末は、
配信部から受け取った暗号化された乱数を、予め設定された暗号鍵を用いて復号し、
配信部から受け取った再スクランブルされた有料情報を、復号された乱数を用いてデスクランブルすることを特徴とする。
【0045】
上記のように、第14の発明によれば、サーバ側は、乱数を用いて有料情報を再スクランブルし、さらに当該乱数を各端末に固有の暗号鍵を用いて暗号化し、端末側は、受信した暗号化された乱数を予め設定された自己の復号鍵を用いて復号し、さらにこの復号された乱数を用いて再スクランブルされた有料情報をデスクランブルするようにしているので、前述の第13の発明のように、毎回同じスクランブル鍵を用いて有料情報を再スクランブルする場合に比べて、より安全に有料情報を特定の端末に配信することができる。
【0046】
15の発明は、第1の発明において、
受信局は、複数存在し、
特定の受信局において付与された電子価値を、他の受信局において使用するための携帯型の電子価値保持デバイスをさらに備え、
特定の受信局は、電子価値保持デバイスがセットされた状態で電子価値付与要求が入力されたとき、当該電子価値保持デバイスに電子価値を付与し、
他の受信局は、電子価値保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、料金記憶部に記憶させることなく当該電子価値保持デバイスに転送し、
他の受信局にセットされた電子価値保持デバイスは、当該他の受信局のサーバから転送されてくる利用料金を、付与されている電子価値によって精算することを特徴とする。
【0047】
上記のように、第15の発明によれば、特定の受信局に属するユーザは、他の受信局における端末を介して有料情報を利用することが可能となり、しかも、当該有料情報の利用料金は、他の受信局のユーザに課されるのではなく、実際に有料情報を利用したユーザに課されることとなる。これによって、使い勝手の良い有料情報提供システムを構築することができる。
【0048】
16の発明は、第15の発明において、
特定の受信局および他の受信局は、それぞれ1以上の送信局からの有料情報を受信可能であり、
電子価値保持デバイスは、特定の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第1の識別情報を格納しており、
他の受信局には、当該他の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第2の識別情報が登録されており、
他の受信局のサーバは、電子価値保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、第1および第2の識別情報に基づいて、当該有料情報の利用の可否を判断し、利用可能と判断した場合のみ、料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、当該電子価値保持デバイスに転送することを特徴とする。
【0049】
特定の受信局では受信不可能な送信局が、他の受信局では受信可能な場合がある。このような送信局からの有料情報を、電子価値保持デバイスを用いて、他の受信局で利用すると、利用料金の精算が行えなくなる。そこで、第16の発明では、電子価値保持デバイスを用いた有料情報の利用要求が発生したとき、当該電子価値保持デバイスが属する特定の受信局で受信可能な送信局と、当該電子価値保持デバイスがセットされた他の受信局で受信可能な送信局とを照合し、要求された有料情報を提供している送信局がいずれの受信局でも受信可能な場合のみ、有料情報の利用を可能とし、当該有料情報の利用料金を、当該電子価値保持デバイスに転送するようにしている。
【0050】
17の発明は、第1の発明において、
受信局は、複数存在し、
特定の受信局において信用が付与され、当該付与された信用に相当する金額分の有料情報を、他の受信局において利用可能な携帯型の信用保持デバイスをさらに備え、
特定の受信局は、信用保持デバイスがセットされた状態で信用付与要求が入力されたとき、当該信用保持デバイスに予め定めた金額に相当する信用を付与し、
他の受信局は、信用保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、料金記憶部に記憶させることなく当該信用保持デバイスに転送し、
他の受信局にセットされた信用保持デバイスは、サーバから転送されてくる利用料金を累積加算し、
特定の受信局は、信用保持デバイスがセットされた状態で精算要求が入力されたとき、当該信用保持デバイスに保持されている利用料金の累積加算値を入力して、料金記憶部に記憶されている有料情報の利用料金に加算することを特徴とする。
【0051】
上記のように、第17の発明によれば、特定の受信局に属するユーザは、他の受信局における端末を介して有料情報を利用することが可能となり、しかも、当該有料情報の利用料金は、他の受信局のユーザに課されるのではなく、実際に有料情報を利用したユーザに課されることとなる。これによって、使い勝手の良い有料情報提供システムを構築することができる。
【0052】
18の発明は、第17の発明において、
特定の受信局および他の受信局は、それぞれ1以上の送信局からの有料情報を受信可能であり、
信用保持デバイスは、特定の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第1の識別情報を格納しており、
他の受信局は、当該他の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第2の識別情報を登録しており、
他の受信局のサーバは、信用保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、第1および第2の識別情報に基づいて、当該有料情報の利用の可否を判断し、利用可能と判断した場合のみ、料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、当該信用保持デバイスに転送することを特徴とする。
【0053】
特定の受信局では受信不可能な送信局が、他の受信局では受信可能な場合がある。このような送信局からの有料情報を、信用保持デバイスを用いて、他の受信局で利用すると、利用料金の精算が行えなくなる。そこで、第18の発明では、信用保持デバイスを用いた有料情報の利用要求が発生したとき、当該信用保持デバイスが属する特定の受信局で受信可能な送信局と、当該信用保持デバイスがセットされた他の受信局で受信可能な送信局とを照合し、要求された有料情報を提供している送信局がいずれの受信局でも受信可能な場合のみ、有料情報の利用を可能とし、当該有料情報の利用料金を、当該信用保持デバイスに転送するようにしている。
【0054】
19の発明は、第1の発明において、
サーバは、受信部が受信した有料情報を記録する情報記録部をさらに備え、
配信部は、各端末から情報記録部に記録されている有料情報を利用したい旨のリクエストがあったとき、当該情報記録部から対応する有料情報を読み出して当該リクエストを発した端末に配信し、
料金計算部は、情報記録部に記録されている有料情報が、端末に配信される毎に、当該有料情報の利用料金を計算することを特徴とする。
【0055】
上記のように、第19の発明によれば、受信した有料情報を記録しておき、端末からのリクエストに応じて、この記録した有料情報を読み出して端末に配信するようにしているので、ユーザは、一度受信した有料情報を再受信することなく、何回も利用することができる。一方で、料金計算部は、情報記録部に記録されている有料情報が、端末に配信される毎に、当該有料情報の利用料金を計算するようにしているので、情報提供業者は、利用回数に応じた課金を行うことができる。
【0056】
20の発明は、第19の発明において、
受信局は、複数存在し、
任意の第1の受信局で受信した有料情報を、当該第1の受信局とは異なる任意の第2の受信局で利用可能なことを特徴とする。
【0057】
上記のように、第20の発明によれば、ある受信局で受信した有料情報を他の受信局で利用することができるので、柔軟性の高い有料情報提供システムが構築できる。
【0058】
21の発明は、第20の発明において、
第1の受信局のサーバは、自局内の情報記録部に記録されている有料情報を第2の受信局で利用したい旨の要求が入力された場合、当該有料情報の利用条件を規定するための実行権データを作成すると共に、作成した実行権データに基づいて、当該有料情報の利用料金を計算し、料金記憶部に記憶させ、
第1の受信局で作成された実行権データおよび第1の受信局内の情報記録部に記録された有料情報は、第2の受信局に伝達され、
第2の受信局内の各端末は、第1の受信局から伝達された実行権データが規定する利用条件を満たす場合にのみ、第1の受信局から伝達された有料情報の利用を許可することを特徴とする。
【0059】
上記のように、第21の発明によれば、第1の受信局で受信した有料情報を第2の受信局で利用する際に、第1の受信局に対して利用料金を課金することができる。
【0060】
22の発明は、第20の発明において、
第1の受信局のサーバは、自局内の情報記録部に記録されている有料情報を第2の受信局で利用したい旨の要求が入力された場合、当該有料情報の利用条件を規定するための実行権データを作成し、
第1の受信局で作成された実行権データおよび第1の受信局内の情報記録部に記録された有料情報は、第2の受信局に伝達され、
第2の受信局内の各端末は、第1の受信局から伝達された実行権データが規定する利用条件を満たす場合にのみ、第1の受信局から伝達された有料情報の利用を許可すると共に、当該実行権データおよび伝達された有料情報に基づいて、当該有料情報の利用料金を計算し、自局内の料金記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0061】
上記のように、第22の発明によれば、第1の受信局で受信した有料情報を第2の受信局で利用する際に、第2の受信局に対して利用料金を課金することができる。
【0062】
23の発明は、第19の発明において、
サーバとはオンライン接続されていない外部端末が設けられ、
サーバは、情報記録部に記録されている有料情報を外部端末で利用したい旨の要求が入力された場合、当該有料情報の利用条件を規定するための実行権データを作成すると共に、作成した実行権データに基づいて、当該有料情報の利用料金を計算し、料金記憶部に記憶させ、
サーバで作成された実行権データおよび情報記録部に記録された有料情報は、外部端末に伝達され、
外部端末は、受信局から伝達された実行権データが規定する利用条件を満たす場合にのみ、受信局から伝達された有料情報の利用を許可することを特徴とする。
【0063】
上記のように、第23の発明によれば、受信局で受信した有料情報をサーバに接続されていない外部の端末で利用することができるので、柔軟性の高い有料情報提供システムが構築できる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書においてスクランブルとは、有料情報(信号あるいはデータ)を、ある情報を知らないと元の有料情報に戻すことができない状態に加工することを意味しており、広くは暗号化の概念も含むものとする。
【0065】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有料情報提供システムの構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態の有料情報提供システムは、複数の送信局TSと、複数の受信局RSとを備えている。各送信局TSと各受信局RSとの間は、有線または無線の通信路4によって接続されている。
【0066】
送信局TSは、情報提供業者によって管理された放送衛星、通信衛星、CATVのセンタ局、地上放送局等であって、映像/音声データ、文字データ、コンピュータデータ等の有料情報を送信する。
【0067】
受信局RSは、1つのサーバ2と、複数の端末3とを含む。サーバ2と端末3との間は、ローカルバス5によって接続されている。端末3は、テレビジョン受像機やコンピュータ装置等であって、サーバ2から送られてくる有料情報を何らかの形態で利用(表示、音声出力、データ処理等)する。サーバ2は、送信局TSから送信されてくる有料情報を受信し、当該有料情報を各端末3に配信する。また、サーバ2は、各端末3から送られてくるリクエストに基づいて、各端末3における有料情報の利用状況を管理し、この利用状況から各端末3における有料情報の利用料金を計算する。受信局RSは、情報提供者と受信契約をしている契約者(典型的には、家庭や事業所)毎に設けられる。ただし、コンドミニアムのような集合住宅が受信局となる場合は、集合住宅全体に対して1つのサーバ2を設け、各家庭に端末3を設けるようにしても良い。
【0068】
通常、各送信局TSは、有料情報の無断利用を防止するため、有料情報をスクランブルして送信している。そして、各送信局TSにおけるスクランブル方式は互いに異なっており、また送信方式も互いに異なっている。サーバ2は、各送信局TSから送信されてくる有料情報を受信しデスクランブルすることにより、いずれの端末でも利用可能なように、有料情報のフォーマットを統一化する。ただし、サーバ2から端末3に有料情報を配信する際には、各端末に固有のスクランブル鍵を用いて有料情報を再スクランブルすることが好ましい。これによって、ローカルバス5上を伝送される有料情報は、特定の端末3でのみ利用可能となる。
【0069】
サーバ2で受信されデスクランブルされた有料情報は、ある場合には、即座に端末3に出力され、端末3でリアルタイムに利用される。また、別の場合には、サーバ2で受信されデスクランブルされた有料情報は、一旦、サーバ2の内部で記録され、後に端末3からのリクエストに従って読み出され、端末3等で利用される。サーバ2は、いずれの場合にも利用度合に応じた利用料金の計算を行うことができる。
【0070】
上記のように、第1の実施形態によれば、サーバ2で各端末3における有料情報の利用状況を管理し、この利用状況から各端末3における有料情報の利用料金を計算するようにしているので、1人の契約者が端末を何台保有していても、実際に利用した有料情報の度合いに応じた料金を計算し管理することができる。また、第1の実施形態によれば、各受信局の契約者は、受信設備として1台のサーバ2を設けるだけでよいので、ユーザ側の設備負担額が少なくてすむ。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態をさらに具体化したシステムとして構成されている。
【0072】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る有料情報提供システムの全体構成を示すブロック図である。図2において、本実施形態の有料情報提供システムは、図1に示す第1の実施形態と同様に、送信局TSと受信局RSとを備えている。送信局TSと受信局RSとの間は、有線または無線の通信路4によって接続されている。なお、図2では、一例として、2つの送信局TSと1つの受信局RSとを示しているが、1つの受信局RSに接続される送信局TSの数は、受信契約数に応じて変動し、1つまたは3つ以上であっても良い。
【0073】
送信局TSは、情報提供業者によって管理された放送衛星、通信衛星、CATVのセンタ局、地上放送局等であって、映像/音声データ、文字データ、コンピュータデータ等の有料情報を送信する。
【0074】
受信局RSは、1つのサーバ2と、複数の端末3とを含む。サーバ2と端末3との間は、ローカルバス5によって接続されている。端末3は、テレビジョン受像機やコンピュータ装置等であって、サーバ2から送られてくる有料情報を何らかの形態で利用(表示、音声出力、データ処理等)する。サーバ2は、送信局TSから送信されてくる有料情報を受信し、当該有料情報を各端末3に配信する。また、サーバ2は、各端末3から送信されてくるリクエストに基づいて、各端末3における有料情報の利用状況を管理し、この利用状況から各端末3における有料情報の利用料金を計算する。受信局RSは、情報提供者と受信契約をしている契約者(典型的には、家庭や事業所)毎に設けられる。ただし、コンドミニアムのような集合住宅が受信局となる場合は、集合住宅全体に対して1つのサーバ2を設け、各家庭に端末3を設けるようにしても良い。以下、送信局TS、サーバ2および端末3のより詳細な構成について説明する。
【0075】
送信局TSは、スクランブル鍵生成部11と、スクランブラ12と、関連情報暗号化部13と、多重/送信部14と、第1料金管理部15とを備えている。なお、各送信局TSは、基本的には同一の構成を有するが、それぞれにおけるスクランブラ12は、各情報提供業者のセキュリティポリシー等に基づいて、異なるスクランブル方式によってスクランブルを行うことが多い。
【0076】
サーバ2は、複数の受信装置21と、当該受信装置21に対応するICカード22と、内部スクランブラ23と、サーバI/F24と、端末管理部25とを備えている。各受信装置21は、受信部211とデスクランブラ212とを含み、上記送信局TSの送信方式に対応した構成を有している。例えば、送信局TSが放送衛星であるならば、対応する受信装置21は放送衛星用の受信装置であり、また、送信局TSがCATVのセンタ局であるならば、対応する受信装置21はCATV用の受信装置である。上記ICカード22は、関連情報復号部221と、資格判定部222と、第2料金管理部223とを含む。端末管理部25は、サーバI/F24を介して端末3からのリクエストを受け取ると、料金係数を求める処理、内部スクランブラ23の設定処理、およびリクエスト送信処理を実行する。以下、この端末管理部25の詳細な構成を説明する。
【0077】
図3は、図2に示す端末管理部25の構成を示すブロック図である。端末管理部25は、端末情報設定部251と、端末情報格納部252と、リクエスト内容格納部253と、割引情報格納部254と、料金係数算出部255と、内部スクランブラ設定部256と、リクエスト送信部257とを含む。
【0078】
端末情報設定部251は、サーバI/F24を介して、端末3が生成した初期設定コマンド(詳細は後述する)を入力すると、当該端末3に対して端末暗号鍵および基礎料金係数を割り当てる。次に、端末情報設定部251は、割り当てた端末暗号鍵および基礎料金係数と、初期設定コマンドに含まれる端末の属性にかかる端末情報(端末3の設置場所や画面のサイズ等)とを、端末情報格納部252に設定する(図4参照)。また、端末情報設定部251は、暗号化された内部スクランブル鍵(割り当てた端末暗号鍵を用いて暗号化されている)を復号する際に用いる端末復号鍵を生成し、当該端末復号鍵を含む鍵割当コマンドを、サーバI/F24を介して、上記初期設定コマンドを生成した端末3に送信する。
【0079】
端末情報格納部252は、図5に示すように、各端末3について、端末情報(設置場所、画面サイズ)と、端末暗号鍵と、基礎料金係数とを格納する。ところで、本実施形態において、端末3には、識別子が予め付与されている。図2に示す一方の端末3には識別子として「A」を付与し(以下、この端末を端末3Aと記す)、他方には識別子「B」を付与する(以下、この端末を端末3Bと記す)。かかる場合、端末情報格納部252は、端末3Aおよび3Bそれぞれの端末情報等を格納する。
【0080】
リクエスト内容格納部253は、図6に示すように、リクエストを生成した日付・時刻情報と、当該リクエストを生成した端末3の識別子と、当該リクエストに含まれている有料情報のタイトルとを格納する。なお、図6は、端末3Aが「T1」で表される日付・時刻に、タイトル「P」の有料情報を要求するリクエストを生成し、さらに端末3Bが「T2」で表される日付・時刻に、タイトル「P」の有料情報を要求するリクエストを生成した場合に、リクエスト内容格納部253が格納する内容を示している。このように、リクエスト内容格納部253は、サーバ2に接続されている端末3から送出されたリクエストを管理する。
【0081】
割引情報格納部254は、図7に示すように、同一番組をリクエストした端末の延べ台数と、当該延べ台数に応じた割引率とを格納する。図7に示す例においては、上記の延べ台数が0,1,2台のとき、割引率が、それぞれ0,5,10%に設定されている。なお、割引情報格納部254は、端末の設置台数に応じた割引額を格納するようにしてもよい。
【0082】
料金係数算出部255は、入力したリクエストに基づいて、料金係数を算出した後、当該リクエストを内部スクランブラ設定部256に出力する。内部スクランブラ設定部256は、リクエストを生成した端末3に送信すべき有料情報をスクランブルするための内部スクランブル鍵を生成し、当該内部スクランブル鍵を内部スクランブラ23に設定する。次に、内部スクランブラ設定部256は、リクエストを生成した端末3に割り当てられている端末暗号鍵を、端末情報格納部252から抽出する。次に、内部スクランブラ設定部256は、生成した内部スクランブル鍵を、抽出した端末暗号鍵を用いて暗号化した後、暗号化した内部スクランブル鍵を、サーバI/F24を介して、リクエストを生成した端末3に送信する。次に、内部スクランブラ設定部256は、料金係数算出部255から受け取ったリクエストをリクエスト送信部257に出力する。リクエスト送信部257は、当該リクエストを、当該リクエストで指定される有料情報を送信する送信局TSに送信する。
【0083】
端末3は、コマンド生成部31と、端末I/F32と、内部デスクランブラ33と、端末復号部34と、映像/音声デコーダ35と、映像/音声出力部36とを備える。ここで、各端末3は同一の構成を有しているが、各端末3には、前述したように、固有の識別子が予め付与されている。さらに、各端末復号部34が内部に有するメモリ(図示せず)には、予め端末情報設定部251によって割り当てられた端末復号鍵が格納される。
【0084】
上記のような構成を有する受信局RSは、これを購入等したユーザの家庭等に設置される。さらに、このユーザは、家庭単位で情報提供業者から有料情報の提供を受けるために、当該情報提供業者と契約を締結する。これによって、情報提供業者が管理する送信局TSには、ユーザとの契約に関する契約情報およびこのサーバ2用の暗号鍵(以下、サーバ暗号鍵と称する)が登録される。さらに、この契約情報は、資格判定部222にも登録される。また、上記送信局TSに対応するICカード22の関連情報復号部221には、暗号化されたスクランブル鍵(サーバ暗号鍵を用いてを暗号化されている)等を復号可能なサーバ復号鍵が格納される。また、上記契約が完了すると、まず初期設定が行われる。この初期設定において、端末3のコマンド生成部31は、ユーザの入力に従って、初期設定コマンドを生成し、当該コマンドを端末I/F32に出力する。この初期設定コマンドは、端末3の識別子および端末情報を含み、端末I/F32によってローカルバス5に出力され、サーバI/F24に入力される。その後、初期設定コマンドは、サーバI/F24によって端末管理部25の端末情報設定部251に出力される。
【0085】
端末情報設定部251は、初期設定コマンドを生成した端末3用の端末暗号鍵および基礎料金係数を割り当てた後、当該初期設定コマンドに含まれる端末3の識別子および端末情報と、割り当てた基礎料金係数および端末暗号鍵とを、端末情報格納部252に格納する(図4および図5参照)。端末情報設定部251は、前述したように、割り当てた端末暗号鍵に対応する端末復号鍵を生成した後、鍵割当コマンドを生成してサーバI/F24に出力する。この鍵割当コマンドは、上記初期設定コマンドを生成した端末3の識別子と、当該端末3用に生成した端末復号鍵とを含み、サーバI/F24によってローカルバス5に出力され、上記初期設定コマンドを生成した端末3の端末I/F32に入力される。端末I/F32は、入力した鍵割当コマンドを端末復号部34に出力する。端末復号部34は、入力した鍵割当コマンドに含まれる端末復号鍵を抽出した後、抽出した端末復号鍵をその内部メモリに格納する。これによって、初期設定が完了し、端末3は、有料情報を要求するためのリクエストを生成することが可能となる。
【0086】
なお、本実施形態においては、端末3Aおよび3Bには、それぞれ、端末暗号鍵「Ka」および「Kb」が割り当てられ、また基礎料金係数「1.5」および「0.8」が設定されるものとする(図5参照)。端末3Aは、画面サイズが大きく、また居間に設置されている。したがって、複数のユーザが同時に有料情報を利用すると想定できる。そのため、基礎料金係数は、有料情報の料金を高くすることができるように、「1.5」と設定される。端末3Bは、逆に、その属性から個人で有料情報を利用すると想定できる。そのため、基礎料金係数は、有料情報の料金を低くすることができるように、「0.8」と設定される。また、端末3Aおよび3Bの端末復号部34には、端末暗号鍵「Ka」および「Kb」に対応する端末復号鍵「K’a」および「K’b」がそれぞれ格納される。以下、ユーザがリクエストを入力してから有料情報を得るまでの本有料情報提供システムの動作を、図面を参照して説明する。なお、以下の動作説明において、特に端末管理部25の動作については、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0087】
例えば、端末3Aのユーザが情報提供業者「X」が提供する有料情報(タイトル「P」)を利用したい場合、コマンド生成部31は、ユーザの入力に従ってリクエストを生成し、このリクエストを端末I/F32に出力する。このリクエストは、端末3Aの識別子「A」、タイトル「P」および当該リクエストが生成された日付・時刻情報「T1」を含み、端末I/F32、ローカルバス5およびサーバI/F24を経由して、端末管理部25の料金係数算出部255に入力される。これによって、リクエスト待機状態(ステップS71)にある端末管理部25は、料金係数を求める処理を実行する。まず、料金係数算出部255は、入力したリクエストに含まれる識別子「A」に対応する基礎料金係数「1.5」を端末情報格納部252から抽出し保持する(ステップS72)。
【0088】
次に、料金係数算出部255は、リクエスト内容格納部253を検索し、今回のリクエストに含まれる日付・時刻情報「T1」よりも以前に、タイトル「P」の有料情報を利用した端末3の延べ台数を計数し保持する(ステップS73)。現時点においては、この延べ台数は、「0」であるものとする(図6参照)。次に、料金係数算出部255は、保持している延べ台数に対応する割引率を、割引情報格納部254から抽出する(ステップS74)。現時点においては、延べ台数「0」に対応する割引率「0%」が抽出される(図7参照)。次に、料金係数算出部255は、保持している基礎料金係数「1.5」および割引率「0%」に基づいて、料金係数「1.5」を算出し、算出した料金係数「1.5」およびタイトル「P」を第2料金管理部223に出力する(ステップS75)。この後、料金係数算出部255は、入力したリクエストが含む、端末3の識別子「A」、タイトル「P」および日付・時刻情報「T1」を、リクエスト内容格納部253に格納し、当該リクエストを内部スクランブラ設定部256に出力する。なお、第2料金管理部223における処理については後述する。
【0089】
内部スクランブラ設定部256は、リクエストを入力すると、内部スクランブル鍵を生成し、当該内部スクランブル鍵を内部スクランブラに設定する(ステップS76)。その後、内部スクランブラ設定部256は、端末3Aの端末暗号鍵「Ka」を端末情報格納部252から抽出し、抽出した端末暗号鍵「Ka」で内部スクランブル鍵を暗号化してサーバI/F24に出力する。次に、内部スクランブラ設定部256は、入力したリクエストをリクエスト送信部257に出力する。
【0090】
上記暗号化された内部スクランブル鍵(端末暗号鍵「Ka」で暗号化されている)は、サーバI/F24、ローカルバス5および端末3Aの端末I/F32を経由して、端末3Aの端末復号部34に入力される。端末3Aの端末復号部34は、暗号化された内部スクランブル鍵を、その内部メモリに格納されている端末復号鍵「K’a」で復号することにより、元の内部スクランブル鍵を獲得する。次に、端末復号部34は、上記内部スクランブル鍵を内部デスクランブラ33に設定して、有料情報が送信されてくるのを待機する。
【0091】
リクエスト送信部257は、入力したリクエストを、情報提供業者「X」が管理する送信局TSに送信する(ステップS78)。これによって、端末管理部25は、料金係数を求める処理と、内部スクランブラの設定処理と、リクエスト送信処理とを終了し、再度リクエスト待機状態に移行し、他の端末3からのリクエストを受け付けることが可能になる。
【0092】
次に、情報提供業者「X」が管理する送信局TSの動作を説明する。送信局TSは、リクエスト送信部257から送出されたリクエストを受信すると、関連情報を生成する。この関連情報は、情報提供業者「X」が提供する有料情報それぞれに対応する基礎的な料金を掲載したテーブル(以下、基本料金情報と称する)と、予め登録されている契約情報とを含む。次に、スクランブル鍵生成部11は、スクランブル鍵を生成し、当該スクランブル鍵をスクランブラ12に設定する。さらに、スクランブル鍵生成部11は、このスクランブル鍵を関連情報暗号化部13に出力する。
【0093】
関連情報暗号化部13は、入力した関連情報およびスクランブル鍵を、リクエストを送信したサーバ2のサーバ暗号鍵を用いて暗号化し、暗号化した関連情報等を多重/送信部14に出力する。一方、スクランブラ12は、既に設定されているスクランブル鍵を用いて、送信すべき有料情報をスクランブルし、多重/送信部14に出力する。多重/送信部14は、暗号化された関連情報およびスクランブル鍵と、スクランブルされた有料情報とを多重し、前述したように多重信号として通信路4を用いて送信する。
【0094】
次に、サーバ2の動作を説明する。サーバ2において、情報提供業者「X」が管理する送信局TSに対応する受信装置21の受信部211は、通信路4を介して送信されてくる多重信号を受信する。受信部211は、受信した多重信号を、暗号化された関連情報およびスクランブル鍵と、スクランブルされた有料情報とに分離する。受信部211は、暗号化された関連情報等をICカード22の関連情報復号部221に出力し、スクランブルされた有料情報をデスクランブラ212に出力する。
【0095】
関連情報復号部221は、暗号化された関連情報およびスクランブル鍵を、予め格納しているサーバ復号鍵を用いて復号した後、復号された契約情報(関連情報中に含まれている)およびスクランブル鍵を資格判定部222に出力し、また復号された基本料金情報(関連情報中に含まれている)を第2料金管理部223に出力する。なお、ここでは、資格判定部222における処理のみを説明する。資格判定部222は、復号された契約情報を検査することによって、受信装置21が有料情報を受信する資格を有するか否かを判定し、資格を有する場合にのみ契約情報とともに入力したスクランブル鍵を、デスクランブラ212に出力する。これによって、デスクランブラ212は、スクランブル鍵が設定され、スクランブルされた有料情報をデスクランブルすることが可能となる。
【0096】
デスクランブラ212は、設定されたスクランブル鍵を用いて、スクランブルされた有料情報をデスクランブルし、デスクランブルした有料情報を内部スクランブラ23に出力する。内部スクランブラ23には、前述したように、内部スクランブラ設定部256によって、内部スクランブル鍵が設定されている(図8,ステップS76参照)。内部スクランブラ23は、入力した有料情報を当該内部スクランブル鍵を用いてスクランブルする。この内部スクランブル鍵を用いてスクランブルされた有料情報は、内部スクランブラ23から出力され、サーバI/F24、ローカルバス5および端末3Aの端末I/F32を経由して、端末3Aの内部デスクランブラ33に入力される。
【0097】
次に、端末3の動作を説明する。端末3Aの内部デスクランブラ33は、既に設定されている内部スクランブル鍵を用いて、入力した有料情報をデスクランブルする。内部デスクランブラ33は、デスクランブルした有料情報を映像/音声デコーダ35に出力する。映像/音声デコーダ35は、入力した有料情報をデコードし、映像/音声出力部36に出力する。映像/音声出力部36は、デコードされた有料情報を出力する。これによって、ユーザは、端末3Aを介してタイトル「P」の有料情報を利用することとなる。
【0098】
次に、ICカード22内の第2料金管理部223の動作を説明する。第2料金管理部223は、前述したように、端末管理部25の料金係数算出部255によって算出された料金係数等を入力しており(図8,ステップS76参照)、さらに、情報提供業者「X」が提供する有料情報の基本料金情報を入力している。この基本料金情報の中には、タイトル「P」の有料情報の基本料金も格納されている。仮に、このタイトル「P」の有料情報の基本料金を「P’」とする。第2料金管理部223は、基本料金「P’」に料金係数「1.5」を乗じ、タイトル「P」の有料情報の料金「1.5×P’」を求め、その内部メモリに格納する(図9(a)参照)。
【0099】
次に、現在、リクエスト待機状態にある端末管理部25に、端末3Bからのリクエストが送信されてきた場合の動作について説明する。端末3Bもまた、端末3Aと同様の手順でリクエストを生成する。このリクエストは、端末3Bの識別子「B」、タイトル「P」およびリクエストが生成された日付・時刻情報「T2」(この「T2」は、「T1」より遅い時刻)を含み、前述と同様に、料金係数算出部255に入力される。これによって、リクエスト待機状態(ステップS71)にある端末管理部25は、ステップS72の処理に移行する。まず、料金係数算出部255が、前述と同様の処理を実行する。今回、料金係数算出部255は、基礎料金係数「0.8」を抽出し保持する(ステップS72)。次に、料金係数算出部255は、日付・時刻情報「T2」よりも以前に、タイトル「P」の有料情報が送信された端末3の延べ台数を計数する(ステップS73)。今回、この端末延べ台数は「1」である(図6参照)。料金係数算出部255は、この端末延べ台数「1」を保持する。次に、料金係数算出部255は、この端末延べ台数「1」に対応する割引率「5%」を、割引情報格納部254から抽出する(ステップS74,図7参照)。次に、料金係数算出部255は、保持している基礎料金係数「0.8」および割引率「5%」に基づいて、料金係数「0.76」(=0.8×(1−0.05))を算出し、算出した料金係数「0.76」およびリクエストに含まれるタイトル「P」を、第2料金管理部223に出力する(ステップS75)。この後、料金係数算出部255は、リクエストの内容をリクエスト内容格納部253に格納し(図6参照)、当該リクエストを内部スクランブラ設定部256に出力する。
【0100】
内部スクランブラ設定部256は、入力したリクエストに含まれる識別子およびタイトルに基づいて、前述した端末3Aからのリクエストに応じて生成した内部スクランブル鍵を、端末情報格納部252から抽出した端末3Bの端末暗号鍵「Kb」で暗号化する。内部スクランブラ設定部256は、この暗号化された内部スクランブル鍵をサーバI/F24に出力する。その後、内部スクランブラ設定部256は、リクエストをリクエスト送信部257に出力する。
【0101】
暗号化された内部スクランブル鍵(端末暗号鍵「Kb」で暗号化されている)は、前述した端末3Aの場合と同様に、サーバI/F24、ローカルバス5および端末3Bの端末I/F32を経由して、端末3Bの端末復号部34に入力される。端末3Bの端末復号部34は、暗号化された内部スクランブル鍵を、内部のメモリに格納されている端末復号鍵「K’b」で復号することにより、内部スクランブル鍵を獲得する。上記端末復号部34は、この内部スクランブル鍵を、内部デスクランブラ33に設定する。この後、端末3Bは、有料情報が送信されてくるのを待機する。前述したように、既にタイトル「P」に係る映像情報/音声情報は、サーバI/F24から端末3Aに向けて出力されている。このとき、端末3Bが内部スクランブル鍵を獲得すれば、端末3Aと同様の処理を実行することによって、ユーザは、端末3Bを介してタイトル「P」の有料情報を利用することができる。
【0102】
一方、ICカード22の第2料金管理部223は、前述と同様の処理を実行するが、今回、料金係数算出部255によって算出された料金係数「0.76」と、基本料金「P’」とを乗じ、「0.76×P’」をタイトル「P」の有料情報の料金として、内部のメモリに格納する(図9(b)参照)。したがって、現時点において第2料金管理部223のメモリは、このサーバ2が設置された家庭に請求する料金の合計として、「1.5×P’+0.76×P’」を格納していることとなる。
【0103】
以降、各端末3は、ユーザの指示に従い、契約している情報提供業者の送信局TSに対して、有料情報の提供をリクエストし、当該情報提供業者の送信局TSは、当該要求に応じた有料情報を送信する。各送信局TSに対応する受信装置21のICカード22内の第2料金管理部223では、料金係数と基本料金とに基づいて有料情報の利用料金を、前述したリクエスト毎に求め、累積加算していく。これによって、有料情報の請求金額が求められる。そして、第2料金管理部223は、所定のタイミング(例えば、1ヶ月毎のタイミング)で請求金額を送信局TSの第1料金管理部15に送信する。これによって、各情報提供業者は、各家庭に対する請求金額を得る。
【0104】
なお、上記第2の実施形態において、各第2料金管理部223および端末管理部25に格納される情報は、情報提供業者に帰属する性質上、ユーザが容易に操作できることは好ましくない。したがって、第2料金管理部223は、ユーザによる改竄を許さないように、ICカード等の安全な領域に格納することが好ましい。また、端末情報格納部252もまた、安全な領域に格納することが好ましいが、受信局RS内の端末3の設置状況(台数、設置場所等)が変わると、当該端末情報格納部252が格納する端末情報の内容も変える必要がある。したがって、再度初期設定をする必要が生じる。かかる場合、特別な権限が与えられた人(例えば、情報提供業者から派遣された人)のみが、その初期設定において端末を操作できるようにする。これによって、第2料金管理部223等に格納される情報の信頼性が維持されることとなる。
【0105】
第2の実施形態において、サーバ2は、それが属する受信局RS内に設置された各端末3からのリクエストを入力する毎に、有料情報の利用料金を求める。そのため、情報提供業者は、各受信局RSにおけるユーザが実際に有料情報を利用した分に相当する金額を請求することができる。その結果、サーバ2に接続された端末3の数が多い受信局(すなわち、同一番組を複数の端末3に送信することが可能な受信局)と、そうでない受信局との間で、請求金額に対する不公平さが生じることを解消できる。しかも、本実施形態の有料情報提供システムにおいては、単に有料情報の基本料金にそのリクエスト回数を乗じた料金を、受信局RSに対する請求金額とするのではなく、基礎料金係数や割引情報に基づいて、有料情報の料金を決定している。そのため、サーバ2に接続された端末3の台数が多い受信局RSにおいても、受け入れやすい料金体系を採り入れることができる。
【0106】
なお、リクエスト回数に応じた割引率は、図7に示すものに限られるものではなく、情報提供業者の意向によって任意に定められるものである。したがって、情報提供業者「X」および「Y」が異なる割引率を採用する場合、割引情報格納部254には、それぞれの情報提供業者に対応する割引率または割引額のテーブルが格納され、選択的に利用されることとなる。
【0107】
第2の実施形態において、各送信局TSから送られてくる有料情報は、サーバ2で一括的に受信され、リクエストを発した端末3に配信される。そのため、1受信局RS内に複数の端末3が設置される場合においても、受信装置21およびICカード22を、それぞれの端末3に対応して設置する必要がなくなる。つまり、第2の実施形態によれば、例えば、サーバ2が放送衛星用の受信装置21を1つ備えていれば、複数の端末3に放送衛星からの有料情報を配信することができる。その結果、契約者の初期投資の負担額が軽減する。より具体的には、サーバ2内に設置される受信装置21およびICカード22のコストをα、端末管理部25および内部スクランブラ23のコストをβ、端末3のコストをγとし、サーバ2に接続される端末3の数をnとする。かかる場合、本実施形態の有料情報提供システムにおいて、受信局RSにかかるコストは、α+β+γ×nとなる。これに対し、端末毎に受信装置21およびICカード22を設けるシステム構成では、受信局RSにかかるコストは、(α+γ)×nとなる。したがって、β<αであって、n≧2であれば、本実施形態の有料情報提供システムに対する初期投資は、十分に小さくなる。
【0108】
第2の実施形態においては、端末3の属性に基づいて、基礎料金係数が求められる。例えば、居間に設置されたり、画面のサイズが大きい場合には、家庭内の大勢が有料情報を利用するであろうと想定して、基礎料金係数を大きなものとする。一方、個室に設置されたり、画面のサイズが小さい場合には、個人が有料情報を獲得するものと想定して、基礎料金係数を小さなものとする。これによって、端末3の属性に応じた、きめの細かい課金を行うことができる。なお、本実施形態においては、端末情報として、端末3の設置場所および画面のサイズを用いたが、当該端末情報は、これらのみに限られるわけではなく、情報提供業者が自由に決定可能な性格を有するものである。したがって、例えば、端末3が可搬型であるか据置型であるか、その端末3の操作性やその端末3のディスプレイの解像度等も端末情報として用いることが可能である。
【0109】
第2の実施形態においては、同一の有料情報を利用した端末の延べ台数に応じて、その有料情報の料金を割り引くことができるシステムについて説明した。しかし、これに限られるものではなく、以下(1)(3)に示す割引情報を割引情報格納部254に格納することも可能である。
【0110】
(1)有料情報にコマーシャルを含むか否かに応じた割引き
情報提供業者は、有料情報にコマーシャルを含むか否かに応じた割引率(または割引額)を割引情報格納部254に予め設定しておく。また、情報提供業者は、ユーザと有料情報の提供に関しての契約をする際、提供する有料情報にコマーシャルを含ませるか否かを選択してもらう。さらに、情報提供業者は、ユーザによって選択された方の有料情報を送信する旨を、前述した契約情報に含ませ、当該契約情報を登録する。送信局TSは、リクエスト送信部257からリクエストを受け取ると、契約情報に基づく有料情報を送信する。そして、料金係数算出部255は、コマーシャルを含むか否かに応じた割引率等をも参照して料金係数を求める。このようにすれば、有料情報提供業者は、コマーシャルを含む有料情報の提供を受ける契約者と、そうでない契約者との有料情報の料金を差別化できる。これによって、さらに幅広い料金体系を有する有料情報提供システムを構築することができる。
【0111】
(2)ユーザの属性に応じた割引き
第2の実施形態において、端末情報格納部252は、端末3の属性にかかる端末情報のみを格納していたが、これだけではなく、端末3を操作するユーザの属性にかかるユーザ情報を格納し、利用した有料情報の料金を、ユーザに応じて異ならせることもできる。例えば、子供や特定の団体の会員等が有料情報を利用する場合、端末情報格納部252は、図5に示す基礎料金係数に加えて、当該子供用の基礎料金係数およびこれに対応するID番号を格納しておく(または、当該会員用の基礎料金係数およびこれに対応するID番号を格納しておく)。料金係数算出部255は、上記ID番号を含むリクエストを入力すると、子供用の基礎料金係数(または、会員用の基礎料金係数)を参照して料金係数を求める。第2料金管理部223は、料金係数算出部255によって求められた料金係数に基づいて有料情報の料金を求めるため、ユーザの属性に応じて料金を異ならせることができる。なお、ユーザの属性としては、当該ユーザの年齢、性別または職業等があり、情報提供業者が、これらに基づいて基礎料金係数を自由に設定すればよい。
【0112】
また、このユーザの属性に応じた割引きに関連して、端末3の端末情報に基づいて割り当てた基礎料金係数(図5参照)を格納せずに、上述した子供用の基礎料金係数およびこれに対応するID番号のみを格納しておくようにすれば、当該端末3は子供のみが利用できるものとなる。すなわち、ユーザの属性に基づく基礎料金係数およびこれに対応するID番号を、家族の構成員それぞれに設定すると、個人指向性の高い有料情報提供システムを構築することができる。
【0113】
(3)端末情報やユーザ情報を情報提供業者に提供することによる割引き
情報提供業者の提供する有料情報が、どのような端末を介して利用され、またどのようなユーザによって利用されているかを知ることは、マーケティング調査等の観点から情報提供業者にとっては重要事項である。しかし、受信局RS内に設けられた端末3の属性や、この受信局RSを利用するユーザの属性は、契約者のプライバシーに関わることであり、契約者としては外部に漏れることを望まない。そこで、情報提供業者は、端末情報やユーザ情報をユーザから提供してもらう代償として、提供する有料情報の料金を割り引くための割引率または割引額を割引情報格納部254に予め設定しておく。ユーザは、有料情報をリクエストする際、現在利用している端末3の端末情報や自分のユーザ情報を、情報提供業者に提供するか否かを決定する。料金係数算出部255は、ユーザが現在利用している端末情報や自分のユーザ情報を提供すると決定した場合、かかる割引情報をも参照して、リクエストされた有料情報の料金係数を求める。また、ユーザが提供すると決定した端末の端末情報やユーザ情報をリクエストに含ませて送信すれば、情報提供業者は、容易にこれらを得ることができる。このように、情報提供業者は、提供した有料情報が受信局RSにおいて、どのような端末を介して利用され、またどのようなユーザが利用しているか等の情報を提供してもらう代償として有料情報の料金を割り引く。これによって、情報提供業者と契約者との間で利益の調和を図ることができ、さらに幅広い料金体系を有する有料情報提供システムを構築することができる。
【0114】
第2の実施形態において、リクエスト内容格納部253は、前述したように、サーバ2に送られてきたリクエストを管理するため、端末3における利用予定を格納していることにもなる。したがって、リクエスト内容格納部253の記憶内容を、いずれかの端末3に表示するようにすれば、当該端末3を操作するユーザは、容易に他の端末3における有料情報の利用状況を知ることができる。このように、他の端末3の利用状況を管理するようにすれば、例えば、親は子供がどのような有料情報を利用しているかを監視できる。また、上記とは逆にリクエストの内容を表示しないようにすれば、どの端末3がいつどのような有料情報を利用したかを秘密にできるため、有料情報の利用に関するプライバシーの保護が実現できる。
【0115】
第2の実施形態において、第2料金管理部223は、情報提供業者が提供する有料情報の基本料金情報およびユーザに対する請求金額を管理している。そのため、これら基本料金情報および請求金額を端末3に表示するようにすれば、ユーザは、当該基本料金情報を参照することにより、利用する有料情報を選択可能となり、しかも、情報提供業者から請求される料金を事前に知ることができる。また、端末情報格納部252は、サーバ2に接続されている端末3の端末情報を管理している。したがって、この端末情報を端末3に表示するようにすれば、ユーザは、どの端末3を介して有料情報を利用すれば、料金が安くなるか等の判断を容易に行うことができる。これらによって、より使い勝手のよい有料情報提供システムを構築することができる。
【0116】
第2の実施形態においては、送信局TSが複数存在し、各送信局TSにおいてスクランブル方式が相違する場合について説明をした。かかる場合は、前述したように、サーバ2は、各送信局TSに対応して設けられたデスクランブラ212でデスクランブルを行い、再度内部スクランブラ23でスクランブルを行った後に、所定の端末3に送信するようにしていた。しかし、受信契約を結んでいる情報提供業者が1つしかない場合、または複数であっても各送信局TSでスクランブル方式が統一化されている場合、サーバ2の構成を簡素化することができる。つまり、サーバ2の内部スクランブラ23は、デスクランブラ212によってデスクランブルされた有料情報ではなく、関連情報復号部221が獲得する(スクランブル鍵生成部11で生成される)スクランブル鍵を、各端末暗号鍵を用いて暗号化し、それぞれの端末3に送信する。そして、サーバ2は、受信した有料情報を、送信局TSで生成された状態のまま(すなわち、スクランブラ12でスクランブルされた状態のまま)で端末3に送信する。端末3は、暗号化されたスクランブル鍵を復号することによって、当該スクランブル鍵を獲得することができる。さらに、端末3は、このスクランブル鍵を用いて、スクランブルされた有料情報をデスクランブルする。これによって、前述した第1の実施形態と比較して、サーバ2の構成を簡素化することができるとともに、サーバ2の処理負荷を軽減することができる。なぜなら、送信局TSによって生成される有料情報のデータ量とスクランブル鍵のデータ量とを比較すると、スクランブル鍵のデータ量の方が格段に小さいからである。
【0117】
第2の実施形態では、サーバ2は、各端末固有の端末暗号鍵を管理しており、各端末3は、重複しない端末復号鍵を管理するようにしている。しかし、かかる端末暗号鍵に代えて、いわゆる公開暗号鍵を用いてもよい。
【0118】
第2の実施形態は、放送衛星等から送信されてくる有料情報を、ユーザが端末3を用いてリアルタイムに利用するような構成を有しているが、サーバ2内に例えばDVD(Digital Video Disc)のように、書き込みおよび読み出しが可能な大容量の記憶媒体を設置し、送信されてくる有料情報を一旦当該記憶媒体に記憶させるようなシステムを構築するようにしても良い。この場合、ユーザは、この記憶媒体に格納されている有料情報の中から、利用したい有料情報を選択する。端末3は、このユーザによって選択された有料情報にかかるリクエストをサーバ2に送信する。サーバ2は、リクエストに応じた有料情報を、ユーザが操作している端末3に送信する。かかる場合、端末情報格納部252には、リアルタイムで利用した有料情報の料金を求める際に用いられる基礎料金係数(第1の基礎料金係数)とは異なる基礎料金係数(第2の基礎料金係数)を設定し、料金係数算出部255は、この設定した第2の基礎料金係数に基づいて、記憶媒体の中から選択し利用した有料情報の料金を求めるようにしても良い。
【0119】
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る有料情報提供システムの全体構成を示すブロック図である。図10において、本実施形態の有料情報提供システムは、送信局TSと、受信局RS1およびRS2とを備えている。なお、図10では、図示の簡素化のため、1つの送信局と2つの受信局を有するシステム構成について示したが、システムが含む送信局および受信局の数は、図示以上の数であっても良い。
【0120】
受信局RS1は、サーバ201と、2つの端末3Aおよび3Bとを含む。受信局RS2は、サーバ202と、1つの端末3Cとを含む。受信局RS1内の2つの端末3Aおよび3Bには、それぞれ、識別子「A」および「B」が付与されている。また、受信局RS2内の端末3Cには、識別子「C」が付与されている。
【0121】
図10において、送信局TSは、図2に示す送信局TSと同様の構成を有するため、内部の詳細な構成の図示を省略すると共に、以下の説明では図2で利用した参照番号を援用することとする。図10に示すサーバ201および202は、図2に示すサーバ2と比較すると、端末管理部25’のみが異なっており、それ以外の部分は図2に示すサーバ2と同様の構成を有するため、相当する部分については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。端末管理部25’は、図2に示す端末管理部25が有する機能に加えて、本実施形態に特有の機能(後述する)が追加されている。端末3A〜3Bは、図2に示す端末3と比較すると、端末I/F32に端末用ICカード8を接続可能である点と、第2の実施形態の端末3が有する機能に加えて本実施形態に特有の機能(後述する)が追加されている点とが異なる。それ以外は、図2に示す端末3と同様の構成を有するため、内部の詳細な構成の図示を省略すると共に、以下の説明では図2で利用した参照番号を援用することとする。なお、端末用ICカード8は、受信局RS1およびRS2のいずれの端末3A〜3Bにも接続できるように構成されており、さらにその内部には第3料金管理部81が設けられている。
【0122】
次に、本発明の第3の実施形態に係る有料情報提供システムの動作について説明する。ここでは、本実施形態の特徴的な動作の一例として、普段は受信局RS1で有料情報を利用しているユーザが、端末用ICカード8を携帯して受信局RS2が設置されている場所に行き(例えば、ある家庭から他の家庭に行き)、当該受信局RS2内の端末3Cを介して有料情報を獲得する場合における有料情報の課金方法について説明する。
【0123】
今、受信局RS1内の端末3Bには、端末用ICカード8が接続されている。このような状態で、端末3Bのコマンド生成部31は、端末用ICカード8を管理するユーザからの入力に基づいて、電子価値の付与をサーバ201に要求するための要求コマンドを生成する。ここで、電子価値とは、電子的に決済が可能なマネー価値である。この要求コマンドは、端末3Bの端末I/F32、ローカルバス5およびサーバ201のサーバI/F24を経由して、端末管理部25’内に設けられた電子価値生成部(図示しないが、機能を追加するために設けられたものである)に入力される。この電子価値生成部は、要求コマンドを入力すると、予め定められた料金「V」を課すように第2料金管理部223に通知する。第2料金管理部223は、この通知に応じて、その内部メモリに料金「V」を格納する。したがって、情報提供業者は、図9に示す有料情報の利用料金に加えて、電子価値に相当する金額「V」を、受信局RS1を管理する契約者に請求することが可能となる。
【0124】
さらに、電子価値生成部は、金額「V」に相当する電子価値を生成してサーバI/F24に出力する。この電子価値は、サーバI/F24、ローカルバス5および端末3Bの端末I/F32を経由して、当該端末3Bにセットされている端末用ICカード8の第3料金管理部81に入力される。第3料金管理部81は、入力した電子価値をその内部メモリ(図示せず)に格納する。これによって、この端末用ICカード8は、金額「V」に相当する電子価値が付与されたこととなる。
【0125】
上記端末用ICカード8を携帯するユーザは、サーバ202が設置されている場所に行き、端末3Cに当該端末用ICカード8をセットする。端末3Cのコマンド生成部31は、このユーザの入力に従って、有料情報を要求するためのリクエストを生成する。このとき、コマンド生成部31は、接続された端末用ICカード8に電子価値が格納されているか否かを判断し、電子価値が格納されている場合にのみリクエストを生成する。なお、このリクエストには、有料情報の利用料金を端末3Cに送信する旨の要求(以下、料金送信要求と称する)が含まれている。このリクエストは、第2の実施形態において説明したのと同様に、料金係数算出部255に入力される。料金係数算出部255は、端末3Cの端末情報に基づいて料金係数を求める。料金係数算出部255は、求めた料金係数と、入力したリクエストに含まれる料金送信要求等とを第2料金管理部223に出力する(第2料金管理部223における処理については後述する)。この後、料金係数算出部255は、リクエストを内部スクランブラ設定部256に出力する。これ以降の処理については、第2の実施形態において説明したのと同様であるため、その説明を省略する。
【0126】
送信局TSもまた、前述した第2の実施形態で説明した処理と同様の処理を実行する。このとき、関連情報暗号化部13では、サーバ202のサーバ暗号鍵によって、関連情報およびスクランブル鍵を暗号化する。そして、多重/送信部14は、前述したように多重信号を通信路4に出力する。以降の有料情報の送信に関するサーバ202および端末3Cにおける動作については、前述した第2の実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0127】
次に、サーバ202に設けられたICカード22内の第2料金管理部223の動作を説明する。第2料金管理部223は、上述したように、端末管理部25’の料金係数算出部255によって算出された料金係数等を入力している。また、第2料金管理部223は、第2の実施形態において説明したのと同様に、送信局TSから送信されてくる有料情報の基本料金情報を入力している。第2料金管理部223は、入力した料金係数と、リクエストされた有料情報の基本料金とに基づいて、当該有料情報の料金を求める。仮に、求めた有料情報の料金を「W」とする。このとき、第2料金管理部223は、料金送信要求を入力していることから、求めた有料情報の料金「W」を端末3Cに通知するための料金情報を生成し、サーバI/F24に出力する。この料金情報は、サーバI/F24からローカルバス5および端末3Cの端末I/F32を経由して、端末用ICカード8の第3料金管理部81に入力される。
【0128】
第3料金管理部81は、上述した料金情報を入力すると、現在内部のメモリに格納されている金額「V」に相当する電子価値と当該料金情報に含まれる有料情報の料金「W」とに基づいて、保有している電子価値を「V」−「W」に更新する。これによって、ユーザは、端末3Cを介して獲得した有料情報の料金を支払ったこととなる。以降同様に、第3料金管理部81は、ユーザがサーバ201以外のサーバ2に接続された端末9を介して利用した有料情報の料金情報を入力すると、その時点において格納されている電子価値と当該料金情報に含まれる有料情報の料金とに基づいて、付与されている電子価値の残額を更新する。
【0129】
なお、上述した第3の実施形態では、他の受信局での有料情報の利用を可能とするために、端末用ICカード8に電子価値を付与するようにしているが、ユーザは端末用ICカード8に付与された電子価値(最初に付与された全額あるいは利用後の残額)を利用せずに精算したい場合もある。このような要望に応えるために、各受信局における第2料金管理部223は、端末用ICカード8に付与された電子価値の精算機能を有することが好ましい。
【0130】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る有料情報提供システムについて説明する。第4の実施形態に係る有料情報提供システムの構成は、図10に示す第3の実施形態の構成と同様であるため、以下には、第3の実施形態との相違点のみを説明する。
【0131】
前述した第3の実施形態においては、サーバ内の端末管理部25’は、電子価値生成部を有していたが、第4の実施形態においては、端末管理部25’は、この電子価値生成部に代えて、信用情報生成部(図示せず)を含んでいる。また、第4の実施形態は、第2料金管理部223における処理が、第3の実施形態のそれと異なっている。また、第4の実施形態では、端末用ICカード8内の第3料金管理部81における処理が、第3の実施形態のそれと異なっている。
【0132】
次に、第4の実施形態に係る有料情報提供システムの動作について説明する。ここでは、本実施形態の特徴的な動作の一例として、普段は受信局RS1で有料情報を利用しているユーザが、端末用ICカード8を携帯して受信局RS2が設置されている場所に行き(例えば、ある家庭から他の家庭に行き)、当該受信局RS2内の端末3Cを介して有料情報を獲得する場合における有料情報の課金方法について説明する。
【0133】
今、受信局RS1内の端末3Bには、端末用ICカード8が接続されている。このような状態で、端末3Bのコマンド生成部31は、端末用ICカード8を管理するユーザからの入力に従って、信用情報の付与をサーバ201に要求するための要求コマンドを生成する。ここで、信用情報とは、端末用ICカード8に予め決められた金額の信用を付与するための情報である。この要求コマンドは、端末3Bの端末I/F32、ローカルバス5およびサーバ201のサーバI/F24を経由して、端末管理部25’内の信用情報生成部(図示せず)に入力される。この信用情報生成部は、上記要求コマンドを入力すると、信用情報を生成して、サーバI/F24に出力する。この信用情報は、サーバI/F24、ローカルバス5および端末3Bの端末I/F32を経由して、当該端末3Bにセットされている端末用ICカード8の第3料金管理部81に入力される。第3料金管理部81は、入力した信用情報をその内部メモリに格納する。これによって、この端末用ICカード8には、サーバ201によって信用が付与されたこととなり、当該端末用ICカード8を携帯するユーザは、サーバ202に接続された端末9を介して、有料情報を利用することが可能となる。
【0134】
上記端末用ICカード8を携帯するユーザは、受信局RS2が設置されている場所に行き、端末3Cに当該端末用ICカード8をセットする。端末3Cのコマンド生成部31は、このユーザの入力に従って、有料情報を要求するためのリクエストを生成する。このとき、コマンド生成部31は、接続された端末用ICカード8に信用情報が格納されているか否かを判断し、信用情報が格納されている場合にのみリクエストを生成する。なお、このリクエストには、有料情報の利用料金を端末3Cに送信する旨の要求(以下、料金送信要求と称する)が含まれている。このリクエストは、第2の実施形態において説明したのと同様に、料金係数算出部255に入力される。料金係数算出部255は、端末3Cの端末情報に基づいて料金係数を求める。料金係数算出部255は、求めた料金係数と、入力したリクエストに含まれる料金送信要求等とを第2料金管理部223に出力する(第2料金管理部223における処理については後述する)。この後、料金係数算出部255は、リクエストを内部スクランブラ設定部256に出力する。これ以降の処理については、第2の実施形態において説明したのと同様であるため、その説明を省略する。
【0135】
送信局TSもまた、前述した第2の実施形態で説明した処理と同様の処理を実行する。このとき、関連情報暗号化部13では、サーバ202のサーバ暗号鍵によって、関連情報およびスクランブル鍵を暗号化する。そして、多重/送信部14は、前述したように多重信号を通信路4に出力する。以降の有料情報の送信に関するサーバ202および端末3Cにおける動作については、前述した第2の実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0136】
次に、サーバ202内に設けられたICカード22内の第2料金管理部223の動作を説明する。この第2料金管理部223は、上述したように、端末管理部25’の料金係数算出部255によって算出された料金係数等を入力している。また、第2料金管理部223は、第2の実施形態において説明したのと同様に、送信局TSから送信されてくる有料情報の基本料金情報を入力している。第2料金管理部223は、入力した料金係数と、リクエストされた有料情報の基本料金とに基づいて、当該有料情報の利用料金を求める。仮に、求めた有料情報の利用料金を「W」とする。このとき、第2料金管理部223は、料金送信要求を入力していることから、求めた有料情報の利用料金「W」を端末3Cに通知するための料金情報を生成してサーバI/F24に出力する。この料金情報は、サーバI/F24からローカルバス5および端末3Cの端末I/F32を経由して、端末用ICカード8の第3料金管理部81に入力される。
【0137】
第3料金管理部81は、有料情報の利用料金「W」に相当する料金情報を入力すると、当該利用料金「W」を、上記ユーザが利用した有料情報の利用料金として、その内部メモリに格納する。以降同様に、ユーザがこの端末用ICカード8を用いて、受信局RS1以外の受信局で有料情報を利用する度に、第3料金管理部81の内部メモリに、当該有料情報の利用料金が累積的に格納されていくこととなる。
【0138】
上記のように、端末用ICカード8を用いて他の受信局(この場合は、受信局RS2)で有料情報を利用したユーザは、情報提供業者との契約等によって定められた時期までに、自分が属する受信局(この場合は、受信局RS1)内の端末(この場合は、端末3Aおよび3B)のいずれかに、端末用ICカード8をセットする。端末用ICカード8がセットされた端末のコマンド生成部31は、ユーザの入力に従って、第3料金管理部81に格納されている有料情報の利用料金を取り出し、当該有料情報の利用料金を第2料金管理部223に送信するための料金送信コマンドを生成し、端末I/F32に出力する。この料金送信コマンドは、端末I/F32、ローカルバス5およびサーバI/F24を経由して第2料金管理部223に入力される。第2料金管理部223は、入力した料金送信コマンドに含まれる有料情報の利用料金を、その内部メモリに格納する。また、第3料金管理部81は、コマンド生成部31から有料情報の利用料金が取り出されると、当該有料情報の利用料金を「0」にクリアする。このような精算処理を行うことによって、情報提供業者は当該ユーザに対して正確な利用料金を請求することができる。
【0139】
なお、各受信局で契約している送信局が必ずしも一致するとは限らない。例えば、受信局RS2では契約されているが、受信局RS1では契約されていない送信局TSからの有料情報を、端末用ICカード8を携帯するユーザが利用できるようにすると、後で当該有料情報の料金を精算できなくなる。そのため、端末用ICカード8を携帯するユーザが、上記のような送信局TSからの有料情報を利用できないようにする必要がある。そこで、端末用ICカード8には、受信局RS1で契約しているすべての情報提供業者をそれぞれ識別するための第1識別情報を設定しておく。すなわち、第1識別情報は、受信局RS1に接続されているすべての送信局TSをそれぞれ識別するためのものである。また、受信局RS2における端末管理部25’内の料金係数算出部255には、当該受信局RS2で契約しているすべての情報提供業者をそれぞれ識別するための第2識別情報を設定しておく。すなわち、第2識別情報は、受信局RS2に接続されているすべての送信局TSをそれぞれ識別するためのものである。
【0140】
コマンド生成部31は、上述したような第1および第2識別情報が設定された状態において、端末用ICカード8に格納されている信用情報およびすべての第1識別情報を、生成するリクエストに含ませる。料金係数算出部255は、料金係数を算出する前に、予め設定されている第2識別情報と、入力したリクエストに含まれる第1識別情報とを比較し、リクエストに含まれる有料情報を端末用ICカード8が接続されている端末に送信可能か否かを判断する。すなわち、料金係数算出部255は、第1および第2識別情報が一致する場合、リクエストに含まれる有料情報を端末用ICカード8が接続されている端末に送信可能と判断する。換言すると、端末用ICカード8を携帯するユーザが、後でサーバ201において精算可能と判断し、料金係数を求める処理等を実行する。逆に、料金係数算出部255は、第1および第2識別情報が一致しない場合、リクエストに含まれる有料情報を端末用ICカード8が接続されている端末9に送信不可能と判断する。すなわち、料金係数算出部255は、端末用ICカード8を携帯するユーザがサーバ201において精算不可能と判断し、料金係数を求める処理等を実行しない。これによって、サーバ202には接続されているが、サーバ201には接続されていない送信局TSからの有料情報を、端末用ICカード8を携帯するユーザが獲得できないようにし、情報提供業者が不利益を被らないようにしている。
【0141】
なお、上述した第2〜第4の実施形態は、受信局から送信局に対して希望する有料情報の送信を要求し、要求された有料情報を送信局から受信局に対して送信する、いわゆるオンデマンド型の有料情報提供システムとして構成されているが、このような構成に代えて、情報提供業者が一方的に放送している有料情報の中からユーザが必要な有料情報を選択し、この選択した有料情報の利用料金を課金するような放送型のシステム形態であっても良い。さらに、上述した第2〜第4の実施形態では、サーバが端末からのリクエストを受信したときに有料情報の利用料金を算出するようにしていたが、有料情報の利用料金の算出タイミングは、これに限定されるものではない。例えば、送信局からの有料情報を実際にサーバが受信したとき等であっても良い。
【0142】
なお、上述した第3および第4の実施形態においては、端末用ICカード8は、端末に接続されるものとして説明したが、これに限らず、端末用ICカード8はサーバに接続可能な構成であってもよい。このようにサーバに接続可能な構成をとるとき、同一受信局内において、端末用ICカード8を携帯するユーザが現在利用している端末と、その他の端末との区別を明確にし、ユーザが獲得した有料情報の利用料金が確実に端末用ICカード8に格納されるような構成をとる必要がある。
【0143】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態は、前述した第1の実施形態をさらに具体化したシステムとして構成されている。
【0144】
図11は、本発明の第5の実施形態に係る有料情報提供システムの構成を示すブロック図である。図11において、本実施形態の有料情報提供システムは、3つの送信局TSx,TSy,TSzと、2つの受信局RS1およびRS2とを備えている。送信局TSx〜TSzと受信局RS1およびRS2との間は、有線または無線の通信路4によって接続されている。なお、図11では、図示の簡素化のため、3つの送信局と2つの受信局を有するシステム構成について示したが、システムが含む送信局および受信局の数は、これに限定されない。
【0145】
送信局TSx〜TSzは、情報提供業者によって管理された放送衛星、通信衛星、CATVのセンタ局、地上放送局等であって、映像/音声データ、文字データ、コンピュータデータ等の有料情報を送信する。なお、本実施形態では、送信局TSxは情報提供業者「X」によって管理され、送信局TSyは情報提供業者「Y」によって管理され、送信局TSzは情報提供業者「Z」によって管理されているものとする。また、各送信局TSx〜TSzは、基本的には同一の構成を有するが、それぞれが定めた配信方式、スクランブル方式および課金方式を用いることができる。
【0146】
受信局RS1およびRS2は、1つのサーバ2と、複数の端末3とを含む。サーバ2と端末3との間は、ローカルバス5によって接続されている。端末3は、テレビジョン受像機やコンピュータ装置等であって、サーバ2から送られてくる有料情報を何らかの形態で利用(表示、音声出力、データ処理等)する。サーバ2は、契約している送信局から送信されてくる有料情報を受信し、当該有料情報を自局内の各端末3に配信する。また、サーバ2は、自局内の各端末3から送信されてくるリクエストに基づいて、各端末3における有料情報の利用状況を管理し、この利用状況から各端末3における有料情報の利用料金を計算する。各受信局は、送信局と受信契約を結んでいる契約者(典型的には、家庭や事業所)毎に設けられる。ただし、コンドミニアムのような集合住宅が受信局となる場合は、集合住宅全体に対して1つのサーバ2を設け、各家庭に端末3を設けるようにしても良い。
【0147】
受信局RS1と受信局RS2とは、通信回線/CATV網を介して、または、携帯型の記録媒体を介して、双方向に情報のやりとりを行うことができる。ただし、以下では、携帯型の記録媒体を介して情報のやりとりを行う場合に限定して説明する。
【0148】
第1〜第4の実施形態と同様に、各受信局RS1およびRS2に属するユーザは、送信局TSx〜TSzが提供する有料情報を端末3を介して利用する。そして、各受信局RS1およびRS2を管理する契約者は、各送信局TSx〜TSzに対して定期的に利用料金を支払う。ただし、利用料金は、受信局RS1およびRS2毎に、有料情報を利用した度合に応じて計算される。なお、計算された利用料金は、電話回線、パソコン通信網、ディジタルCATV網などを通じて、各送信局TSx〜TSzに通知される。
【0149】
各送信局TSx〜TSzは、提供しようとする有料情報にスクランブルをかけ、スクランブルされた有料情報に、情報識別子、課金基準データおよび記録許可フラグを付加して各受信局RS1およびRS2に提供する。ここで、情報識別子は、提供する有料情報を他の有料情報と区別するためのものであって、その有料情報がどの送信局TSx〜TSzから提供されたものであるかを示すデータも含んでいる。課金基準データは、提供する有料情報の利用料金を計算するためのデータであって、リアルタイムに利用する場合の利用料金、記録して利用する場合の利用料金などのデータを含んでいる。記録許可フラグは、提供する有料情報を受信局RS1およびRS2側で記録できるか否かを示すフラグであって、その有料情報が、記録できるものであれば1、記録できないものであれば0と定められている。
【0150】
各受信局RS1およびRS2は、いずれかの端末3によって利用可能な移動ディスク7およびICカード8をさらに備えている。移動ディスク7は、書き込み/読み出しが可能な携帯型の記録媒体であり、ICカード8は、記録されたデータの不正な解析/変更が困難な携帯型の記録媒体である。移動ディスク7およびICカード8を利用可能な端末3は、サーバ2から受け取った情報,データ類を、移動ディスク7およびICカード8に記録することができる。また、当該端末3は、移動ディスク7およびICカード8にそれぞれ記録された、情報,データ類を読み出すことができる。各端末3は、ユーザが入力するリクエスト等の命令をサーバ2に伝達することができる。外部端末9は、いずれの受信局ともオンライン接続されていないスタンドアローンな構成であって、移動ディスク7およびICカード8にそれぞれ記録された、情報,データ類を読み出すことができる。
【0151】
サーバ2は、X用受信部61x、X用復号部62x、X用課金部63x、Y用受信部61y、Y用復号部62y、Y用課金部63y、Z用受信部61z、Z用復号部62z、Z用課金部63z、情報記録部64、内部スクランブラ65、データ記録部66および乱数発生部67を備えている。
【0152】
X用受信部61xは、送信局TSxが配信する有料情報を受信する。X用復号部62xは、X用受信部61xが受信した有料情報、および情報記録部64に記録された有料情報のうち、送信局TSxが提供した有料情報をデスクランブルする。X用課金部63xは、X用復号部62xが復号した有料情報に付加されている課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する。X用課金部63xはまた、必要に応じて、実行権データを作成する。
【0153】
Y用受信部61yは、送信局TSyが配信する有料情報を受信する。Y用復号部62yは、Y用受信部61yが受信した有料情報、および情報記録部64に記録された有料情報のうち、送信局TSyが提供した有料情報をデスクランブルする。Y用課金部63yは、Y用復号部62yが復号した有料情報に付加されている課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する。Y用課金部63yはまた、必要に応じて、実行権データを作成する。
【0154】
Z用受信部61zは、送信局TSzが配信する有料情報を受信する。Z用復号部62zは、Z用受信部61zが受信した有料情報、および情報記録部64に記録された有料情報のうち、送信局TSzが提供した有料情報をデスクランブルする。Z用課金部63zは、Z用復号部62zが復号した有料情報に付加されている課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する。Z用課金部63zはまた、必要に応じて、実行権データを作成する。
【0155】
ここで、実行権データとは、外部端末9で有料情報を利用する場合や、受信局RS1が受信した有料情報を受信局RS2に再提供して、受信局RS2のユーザが自局内の端末3で有料情報を利用する場合に、その有料情報の利用回数およびその有料情報を利用可能な端末を規定するためのものであって、利用可能回数、記録モードおよび課金モードを含む。
【0156】
上記利用可能回数は、その有料情報を利用することができる回数であり、利用にともなって更新される。記録モードは、その有料情報を利用可能な端末を限定するためのものであって、外部端末9で利用する場合は1、受信局RS2の端末3で利用する場合には2と定められている。課金モードは、その有料情報が課金済みの情報であるか否かを示すものであって、課金済みであれば1、未課金であれば2と定められている。
【0157】
情報記録部64は、各受信部61x〜61zが受信した有料情報を記録する。ただし、情報記録部64は、記録しようとする有料情報に付加された記録許可フラグが1であるか否かを判定する機能を有し、記録許可フラグが1でない有料情報は記録しない。データ記録部66は、各課金部63x〜63zが計算して得られた利用料金を記録する。データ記録部66はまた、端末3毎の秘密鍵を記憶している。乱数発生部67は、乱数を発生する。
【0158】
内部スクランブラ65は、各復号部62x〜62zがデスクランブルした有料情報を、乱数発生部67が発生した乱数で再スクランブルする。また、内部スクランブラ65は、乱数発生部67が発生した乱数を、データ記録部66が記憶している端末3毎の秘密鍵を用いて暗号化する。なお、課金部63x〜63zおよびデータ記録部66は、解析、変造ないしは複製ができないような領域に配置されている。
【0159】
端末3は、内部デスクランブラ37を備えている。内部デスクランブラ37は、端末3に固有の秘密鍵を保有しており、サーバ2から伝達される暗号化された乱数を、当該秘密鍵を用いて復号する。また、内部デスクランブラ37は、自局内のサーバ2から伝達される再スクランブルされた有料情報を、復号した乱数を用いてデスクランブルする。さらに、内部デスクランブラ37は、他の受信局のサーバ2から伝達される再スクランブルされた有料情報を、同じく他の受信局のサーバ2から伝達される乱数を用いてデスクランブルする。ただし、内部デスクランブラ37は、他の受信局のサーバ2から伝達される実行権データが所定の条件を満足するか否かを判定する機能を有しており、満足しない場合には、他の受信局のサーバ2から伝達される再スクランブルされた有料情報をデスクランブルする動作を行わない。
【0160】
外部端末9は、内部デスクランブラ91を備えている。内部デスクランブラ91は、いずれかの受信局のサーバ2から伝達される再スクランブルされた有料情報を、当該サーバ2から伝達される乱数を用いてデスクランブルする。ただし、内部デスクランブラ91は、サーバ2から伝達される実行権データが所定の条件を満足するか否かを判定する機能を有しており、満足しない場合には、再スクランブルされた有料情報をデスクランブル動作を行わない。
【0161】
以下には、送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信し、
(1)リアルタイムに利用する場合、
(2)記録して利用する場合、
(3)外部端末9で利用する場合、
(4)受信局RS1が受信して、受信局RS2が利用する場合
について、それぞれ本システムの動作を説明する。
【0162】
(1)リアルタイムに利用する場合
図12は、送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して、リアルタイムに利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。以下には、図12を参照して、図11の受信局RS1が送信局TSxから提供される有料情報を受信し、受信局RS1のユーザが、その情報を端末3でリアルタイムに利用する場合の動作を説明する。
【0163】
まず、受信局RS1のユーザは、送信局TSxが提供しているある有料情報を利用したい意向を端末3に入力する。応じて、端末3は、その意向を含むリクエストを作成し、サーバ2に通知する。当該リクエストを受けたサーバ2のX用復号部62xは、X用受信部61xが受信した、スクランブルされた有料情報をデスクランブルする(ステップS101)。X用課金部63xは、その有料情報に付加されている課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する(ステップS102)。ただし、このときの利用料金は、リアルタイムに有料情報を利用する場合の基準に基づいて計算される。X用課金部63xが計算した利用料金は、データ記録部66に記録される(ステップS103)。なお、データ記録部66が記録した利用料金は、電話回線、パソコン通信網、ディジタルCATV網などを通じて、定期的に各送信局TSx〜TSzに通知される。従って、受信局RS1を管理する契約者は、その料金を支払うことになる。
【0164】
次に、乱数発生部67が乱数rを発生し、内部スクランブラ65は、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報(CONT)を、本システムに共通の暗号化アルゴリズム(COM)に従って、乱数rを用いて再スクランブルする(ステップS104)。内部スクランブラ65は、さらに、秘密鍵暗号化アルゴリズム(E)に従って、乱数rをデータ記録部66が記憶している端末3毎の秘密鍵siを用いて暗号化する(ステップS105)。サーバ2は、内部スクランブラ65が再スクランブルした有料情報COM(r,CONT)および暗号化した乱数E(si,r)を、端末3に送信する(ステップS106)。ここで、a(b,c)は、アルゴリズムaに従って、鍵bを用いてデータcをスクランブルまたは暗号化することを意味する。
【0165】
端末3が、再スクランブルされた有料情報COM(r,CONT)および暗号化された乱数E(si,r)を受信すると(ステップS107)、端末3の内部デスクランブラ37は、最初、秘密鍵復号アルゴリズムに従って、予め記憶している秘密鍵siを用いて、暗号化された乱数E(si,r)を復号し、乱数rを取り出す(ステップS108)。次に、内部デスクランブラ37は、再スクランブルされた有料情報COM(r,CONT)を、本システムに共通の復号アルゴリズムに従って、取り出した乱数rを用いてデスクランブルし、有料情報(CONT)を取り出す(ステップS109)。端末3は、内部デスクランブラ37がデスクランブルした有料情報(CONT)を表示する。こうして、ユーザは、有料情報(CONT)を利用することができる(ステップS110)。
【0166】
上記のように、送信局TSxは、提供しようとする有料情報をスクランブルしたうえ、その有料情報の利用料金を計算するための課金基準データを付加して受信局に提供する。受信局RS1には、サーバ2および1以上の端末3が設けられ、サーバ2のX用受信部61xは、送信局TSxが提供する有料情報を受信する。X用課金部63xは、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報が、端末3に伝達される際に、その有料情報に付加された課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する。データ記録部66は、X用課金部63xが計算した利用料金を記録する。なお、記録された利用料金は、所定の方法で送信局TSxに通知され、受信局RS1の管理者(契約者)は、後にその料金を支払うことになる。これにより、受信局RS1が有料情報をリアルタイムに利用する場合、利用度合に応じた課金ができる。
【0167】
また、内部スクランブラ65は、X用復号部6xがデスクランブルした有料情報を、乱数発生部67が発生した乱数を用いて再スクランブルし、さらに、その乱数を、データ記録部66が記憶している端末3毎の秘密鍵を用いて暗号化する。再スクランブルされた有料情報および暗号化された乱数が端末3に伝達されると、内部デスクランブラ37は、当該暗号化された乱数を自己の秘密鍵を用いて復号し、さらに、当該再スクランブルされた有料情報を復号した乱数を用いてデスクランブルする。これにより、サーバ2から端末3に、安全に有料情報を伝達することができる。
【0168】
なお、内部スクランブラ65は、X用復号部6xがデスクランブルした有料情報を、データ記録部66が記憶している端末3毎の秘密鍵を用いて再スクランブルし、内部デスクランブラ37は、再スクランブルされた有料情報を、自己の秘密鍵を用いてデスクランブルするようにしてもよい。ただし、この場合、有料情報は、毎回、同一の鍵を用いてスクランブルされるため、乱数を用いてスクランブルする場合に比べると、伝達時の安全性は低くなる。
【0169】
(2)記録して利用する場合
図13は、送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して一旦記録し、記録された有料情報を後に利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。以下には、図13を参照して、図11の受信局RS1が送信局TSxから提供される有料情報を受信して記録し、記録された有料情報を受信局RS1のユーザが後に利用する場合の動作を説明する。
【0170】
まず、受信局RS1のユーザは、送信局TSxが提供しているある有料情報を記録したい意向を端末3に入力する。応じて、端末3は、その意向を含むリクエストを作成し、サーバ2に通知する。当該リクエストを受けたサーバ2の情報記録部64は、X用受信部61xが受信した有料情報に付加されている記録許可フラグが1であるか否か、すなわち、その有料情報が記録を許可されたものであるか否かを判定する(ステップS201)。
【0171】
有料情報に付加された記録許可フラグが1である場合、すなわち、その有料情報が記録を許可されている場合、情報記録部64は、その情報を記録する(ステップS202)。逆に、有料情報に付加された記録許可フラグが1でない場合、すなわち、その有料情報が記録を許可されていない場合には、情報記録部64は、その有料情報を記録せず、端末3がエラーの発生を表示する(ステップS203)。
【0172】
その後、受信局RS1のユーザが、情報記録部64に記録されたある有料情報を利用したい意向を端末3に入力すると(ステップS204)、サーバ2は、各有料情報に付加された情報識別子を参照することにより、情報記録部64に記録された有料情報の中から、ユーザが求める情報を検索する。そして、サーバ2は、検索された有料情報が送信局TSxから提供されたものであることを認識し、その有料情報をX用復号部62xに入力する。X用復号部62xは、入力された情報をデスクランブルする(ステップS205)。
【0173】
次に、X用課金部63xは、その有料情報に付加された課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する(ステップS206)。ただし、このときの利用料金は、有料情報を記録して利用する場合の基準に基づいて計算される。そして、データ記録部66は、X用課金部63xが計算した利用料金を記録する(ステップS207)。
【0174】
以降、前述の(1)で説明したリアルタイムに利用する場合と同様にして、サーバ2がその有料情報を再スクランブルして端末3に送信し、端末3は、サーバ2から送信された、再スクランブルされた有料情報を受信してデスクランブルする(ステップS208〜ステップS213)。こうして、ユーザは、情報記録部64に記録された有料情報を、好きなときに利用することができる(ステップS214)。
【0175】
上記のように、送信局TSxは、記録許可フラグを付加した有料情報を提供する。情報記録部64は、X用受信部61xが受信した有料情報に付加されている記録許可フラグが、記録を許可することを示す1である場合に、その有料情報を記録することができる。X用課金部63xは、情報記録部64に記録された有料情報が端末3に送信される毎に、その有料情報に付加された課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する。これにより、受信局RS1で受信された有料情報が記録されて無制限に利用されることを防止でき、かつ、受信局RS1が記録された有料情報を繰り返し利用する場合、利用度合に応じた課金ができる。
【0176】
また、情報記録部64は、X用受信部61xが受信した有料情報を、スクランブルされたままの状態で記録し、記録された有料情報が端末3に伝達される際に、X用復号部62xが、その有料情報をデスクランブルする。これにより、受信局RS1が記録した有料情報が不正に読み出されて利用されるのを防ぐことができる。
【0177】
(3)外部端末9で利用する場合
図14は、送信局TSxが提供する情報を、受信局RS1が受信して、外部端末9で利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。以下には、図14を参照して、図11の受信局RS1が送信局TSxから提供される情報を受信し、受信局RS1のユーザが、その情報を外部端末9で利用する場合の動作を説明する。なお、送信局TSxから提供された情報は、図13のステップS201〜ステップS203と同様にして、情報記録部64に記録されているものとする。
【0178】
まず、受信局RS1のユーザは、情報記録部64に記録されたある有料情報を外部端末9で利用したい意向を端末3に入力する。応じて、端末3は、その意向を含むリクエストを作成し、サーバ2に通知する。当該リクエストを受けたサーバ2は、各有料情報に付加された情報識別子を参照することにより、情報記録部64に記録された有料情報の中から、ユーザが求める有料情報を検索する。そして、サーバ2は、検索された有料情報が送信局TSxから提供されたものであることを認識し、その有料情報をX用復号部62xに入力する。X用復号部62xは、入力された情報をデスクランブルする(ステップS301)。
【0179】
次に、X用課金部63xは、実行権データを作成する。この実行権データには、利用可能回数、記録モードおよび課金モードが含まれている。この場合、利用可能回数は、ユーザが申告した、その有料情報を利用する回数であり、記録モードは、外部端末9で利用されるべき有料情報であることを示す1に設定されており、課金モードは、受信局RS1に対して課金済みであることを示す1に設定されている。同時に、X用課金部63xは、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報に付加されている課金基準データに基づいて、上記作成した実行権に応じた利用料金(すなわち、実行権に含まれる利用可能回数に等しい回数分だけ有料情報を利用する場合の利用料金)を計算する(ステップS302)。そして、データ記録部66は、X用課金部63xが計算した利用料金を記録する(ステップS303)。
【0180】
X用復号部62xがデスクランブルした有料情報は、前述した(1)のリアルタイムに利用する場合と同様にして再スクランブルされたうえで、移動ディスク7に記録される(ステップS304、ステップS305)。乱数発生部67が発生した乱数rは、X用課金部6xが作成した実行権データとともに、ICカード8に記録される(ステップS306)。
【0181】
次に、ユーザは、再スクランブルされた有料情報が記録された移動ディスク7と、乱数rおよび実行権データが記録されたICカード8とを携帯して外部端末9が設置されている場所に行き、これら移動ディスク7およびICカード8を外部端末9に接続する(ステップS307)。外部端末9の内部デスクランブラ91は、最初、ICカード8に記録された実行権データに含まれている記録モードが1であるか否かを判定する(ステップS308)。
【0182】
記録モードが1である場合、内部デスクランブラ91は、実行権データに含まれる利用可能回数が1以上であるか否かを、さらに判定する(ステップS309)。利用可能回数が1以上であれば、内部デスクランブラ91は、ICカード8に記録された乱数rを用いて、移動ディスク7に記録された有料情報を、(1)のリアルタイムに利用する場合と同様にしてデスクランブルする(ステップS310)。そして、外部端末9は、ICカード8に記録されている利用可能回数を更新し(ステップS311)、次いで、内部デスクランブラ91がデスクランブルした有料情報を表示する。こうして、ユーザは、外部端末9で、有料情報を利用することができる(ステップS312)。
【0183】
ステップS308で、記録モードが1でない場合、もしくは、ステップS309で、利用可能回数が0である場合には、内部デスクランブラ91は、再スクランブルされた有料情報を乱数rを用いてデスクランブルする動作を行わない。この場合、外部端末9は、ユーザに対してエラーを通知する(ステップS313)。
【0184】
このように、X用課金部63xは、有料情報の利用可能回数および利用可能端末を制限するための実行権データを作成し、同時に、その有料情報に付加された課金基準データに基づいて、作成した実行権データに応じた利用料金を計算する。その有料情報およびX用課金部63xが作成した実行権データが外部端末9に伝達されると、外部端末9は、伝達された実行権データで規定される所定の条件を満たす場合に、伝達された有料情報をユーザに表示する。これにより、受信局RS1のユーザが外部端末9で有料情報を利用する場合、利用度合に応じた課金ができる。
【0185】
また、内部スクランブラ65は、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報を、乱数発生部67が発生した乱数を用いて再スクランブルする。再スクランブルされた有料情報、発生された乱数および作成された実行権データが外部端末9に伝達されると、内部デスクランブラ91は、当該実行権データが所定の条件を満たす場合に限り、当該再暗号化された情報を当該乱数を用いてデスクランブルする。これにより、外部端末9において、有料情報が無制限に利用されるのを防止することができる。
【0186】
なお、内部スクランブラ65は、X用復号部6xがデスクランブルした有料情報を、データ記録部66が記憶している端末3毎の秘密鍵を用いて再スクランブルし、内部デスクランブラ37は、再スクランブルされた有料情報を、自己の秘密鍵を用いてデスクランブルするようにしてもよい。ただし、この場合も、実行権データが所定の条件を満たす場合にのみ、有料情報が利用される必要がある。
【0187】
また、内部スクランブラ65が再スクランブルした有料情報は、移動ディスク7のような書き込み/読み出し可能な携帯型記録媒体を介して、乱数発生部67が発生した乱数およびX用課金部63xが作成した実行権データは、ICカード8のような記録内容の解析/変更が困難な携帯型記録媒体を介して、それぞれ外部端末9に伝達されることにより、サーバ2から外部端末9に安全に有料情報を伝達することができる。
【0188】
(4)受信局RS1が受信して、受信局RS2が利用する場合
図15は、送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して受信局RS2に再提供し、受信局RS2が再提供された有料情報を利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。以下には、図15を参照して、送信局TSxから提供される有料情報を、受信局RS1が受信して受信局RS2に再提供し、受信局RS2のユーザが再提供された有料情報を利用する場合の動作を説明する。なお、送信局TSxから提供された有料情報は、図13のステップS201〜ステップS203と同様にして、情報記録部64に記録されているものとする。
【0189】
まず、受信局RS1のユーザは、情報記録部64に記録されたある有料情報を受信局RS2に再提供したい意向、および、再提供された有料情報を受信局RS2で利用した場合、受信局RS1に課金されるようにするのか、受信局RS2に課金されるようにするのかを、端末3に入力する。応じて、端末3は、それらの意向を含むリクエストを作成し、サーバ2に通知する。
【0190】
サーバ2は、端末3からのリクエストを受けると、各有料情報に付加された情報識別子を参照することにより、情報記録部64に記録された有料情報の中から、ユーザが求める有料情報を検索する。そして、サーバ2は、その有料情報が送信局TSxから提供されたものであることを認識し、その有料情報をX用復号部62xに入力する。X用復号部62xは、入力された有料情報をデスクランブルする(ステップS401)。次に、X用課金部63xは、端末3からの通知に基づいて、受信局RS1に課金するか否かを判定する(ステップS402)。
【0191】
受信局RS1に課金する場合、X用課金部63xは、上記(3)で説明した外部端末9で利用する場合と同様にして、実行権データを作成するとともに、作成した実行権データに応じた利用料金を計算する(ステップS403)。そして、データ記録部66は、X用課金部63xが計算した利用料金を記録する(ステップS404)。ただし、この場合、作成された実行権データに含まれる利用可能回数は、受信局RS1のユーザが申告した、その有料情報を受信局RS2で利用する回数であり、記録モードは、受信局RS2の端末3で利用されることを示す2に設定されており、課金モードは、受信局RS1に課金済みであることを示す1に設定されている。また、計算された利用料金は、受信局RS2のユーザが、端末3で、その有料情報を利用可能回数に等しい回数分だけ利用した場合の料金である。
【0192】
受信局RS2に課金する場合には、X用課金部63xは、利用料金を計算せずに実行権データのみを作成する(ステップS405)。ただし、この場合、作成された実行権データに含まれる利用可能回数は、予め定められた十分大きな値であり、記録モードは、受信局RS2の端末3で利用されることを示す2に設定されており、課金モードは、未課金であることを示す2に設定されている。
【0193】
次に、内部スクランブラ65は、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報を、前述の(1)で説明したリアルタイムに利用する場合と同様にして、乱数発生部67が発生した乱数rを用いて再スクランブルする(ステップS406)。そして、サーバ2は、内部スクランブラ65が再スクランブルした有料情報を移動ディスク7に記録し(ステップS407)、乱数発生部67が発生した乱数rおよびX用課金部63xが作成した実行権データをICカード8に記録する(ステップS408)。
【0194】
受信局RS2のユーザは、再スクランブルされた有料情報が記録された移動ディスク7と乱数rおよび実行権データが記録されたICカード8とを取得すると、取得した移動ディスク7およびICカード8を、受信局RS2内の端末3に接続し(ステップS409)、次いで、移動ディスク7に記録された情報を利用する意向を端末3に入力する。以下、受信局RS2での動作に移る。
【0195】
受信局RS2において、上記意向が入力された端末3の内部デスクランブラ37は、最初、ICカード8に記録された実行権データに含まれる課金モードが1であるか否か、すなわち受信局RS1に対して課金済みであるか否かを判定する(ステップS410)。課金モードが1である場合、内部デスクランブラ37は、実行権データに含まれる記録モードが2であるか否か、すなわち、その有料情報が受信局RS2の端末3で利用されるべきものであるか否かを、さらに判定する(ステップS411)。記録モードが2である場合、内部デスクランブラ37は、実行権データに含まれる利用可能回数が1以上であるか否かを、さらに判定する(ステップS412)。
【0196】
利用可能回数が1以上である場合、内部デスクランブラ37は、移動ディスク7に記録された再スクランブルされた有料情報を、(1)のリアルタイムに利用する場合と同様にして、ICカード8に記録された乱数rを用いてデスクランブルする(ステップS413)。次に、端末3は、実行権データに含まれている利用可能回数を更新し(ステップS414)、内部デスクランブラ37が復号した有料情報を表示する。こうして、受信局RS2のユーザは、受信局RS1から再提供された有料情報を利用することができる(ステップS415)。
【0197】
ステップS411で、記録モードが2でない場合、もしくは、ステップS412で、利用可能回数が0である場合には、内部デスクランブラ37は、再暗号化された有料情報を乱数rを用いてデスクランブルする動作を行わない。この場合、端末3は、ユーザに対して、その有料情報を利用できない意向を通知する(ステップS416)。
【0198】
ステップS410で、課金モードが1でない場合、すなわち、未課金である場合には、端末3は、サーバ2に対し、移動ディスク7に記録された再スクランブルされた有料情報に付加された課金基準データを通知する。サーバ2のX用課金部63xは、通知された課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算し(ステップS417)、データ記録部66は、X用課金部63xが計算した利用料金を記録する(ステップS418)。その後、ステップS411の処理に進む。
【0199】
このように、受信局RS1に課金する場合、受信局RS1内のサーバ2のX用課金部63xは、有料情報の利用回数および利用可能端末を規定するための実行権データを作成し、かつ、作成した実行権データに応じた利用料金を、その有料情報に付加された課金基準データに基づいて計算する。その有料情報および作成された実行権データが受信局RS2に伝達されると、受信局RS2内の端末3は、伝達された実行権データが所定の条件を満たす場合にのみ、伝達された有料情報を表示する。これにより、受信局RS1が受信した有料情報を受信局RS2で利用する場合、その利用度合に応じて受信局RS1側に課金することができる。
【0200】
なお、受信局RS1が受信した有料情報を受信局RS2で利用して、受信局RS1に課金するという提供形態は、他人に有料情報をプレゼントするという、従来にはない全く新たな情報提供形態である。
【0201】
受信局RS2に課金する場合には、受信局RS1内のサーバ2のX用課金部63xは、有料情報の利用可能端末を制限するための実行権データを作成する。その有料情報および作成された実行権データが受信局RS2に伝達されると、受信局RS2内のサーバ2のX用課金部63xは、伝達された有料情報に付加された課金基準データに基づいて、その有料情報の利用料金を計算する。一方、受信局RS2内の端末3は、伝達された実行権データが所定の条件を満たす場合にのみ、伝達された有料情報を表示する。これにより、受信局RS1が受信した有料情報を受信局RS2で利用する場合、その利用度合に応じて、受信局RS2側に課金することができる。
【0202】
以上は、受信局RS1から受信局RS2に、移動ディスク7およびICカード8を介して、それぞれ、情報、データ類を伝達する場合について説明しているが、以下には、CATV網を介して、情報およびデータ類を伝達する場合について、図11および図15を用いて説明する。
【0203】
本システムの動作が、図15に示すものと異なるのは、以下に示す点である。すなわち、受信局RS1および受信局RS2はそれぞれ、共有鍵KABを保有しており、ステップS406〜S408において、受信局RS1内の内部スクランブラ65は、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報を、乱数発生部67が発生した乱数rを用いて再スクランブルし、さらに、この乱数rおよびX用課金部63xが作成した実行権データを、共有鍵KABで暗号化する。そして、受信局RS1内のサーバ2は、内部スクランブラ65が再スクランブルした有料情報、暗号化した乱数および実行権データを、CATV網を通じて、受信局RS2に送信する。
【0204】
また、ステップS409において、受信局RS2内の端末3は、CATV網を通じて送信されてきた、再スクランブルされた有料情報、暗号化された乱数および実行権データを受信すると、内部デスクランブラ37は、暗号化された乱数および実行権データを、共有鍵KABを用いて復号する。
【0205】
このように、CATV網のような、伝送速度が比較的大きな伝送路を通じて、有料情報、乱数および実行権データを伝送する場合には、有料情報を乱数を用いて再スクランブルし、さらに、乱数および実行権データを共有鍵KABを用いて暗号化することにより、受信局RS1から受信局RS2に安全に有料情報を伝達することができる。
【0206】
なお、共有鍵KABを用いて乱数および実行権データを暗号化する代わりに、いわゆる公開暗号方式で暗号化することもできる。また、CATV網に代えて、B−ISDNを通じて、受信局RS1から受信局RS2に、再スクランブルされた有料情報、暗号化された乱数および実行権データを伝送してもよい。
【0207】
次に、受信局RS1から受信局RS2に、移動ディスク7を介して情報を、通信回線を介してデータ類を、それぞれ伝達する場合について、図11および図15を用いて説明する。
【0208】
本システムの動作が、図15に示すものと異なるのは、以下に示す点である。すなわち、受信局RS1および受信局RS2はそれぞれ、共有鍵KABを保有しており、ステップS406〜S408において、受信局RS1内の内部スクランブラ65は、X用復号部62xがデスクランブルした有料情報を、乱数発生部67が発生した乱数rで再暗号化し、さらに、この乱数rおよびX用課金部63xが作成した実行権データを、共有鍵KABを用いて暗号化する。そして、受信局RS1内のサーバ2は、内部スクランブラ65が再スクランブルした有料情報を、移動ディスク7に記録し、内部スクランブラ65が暗号化した乱数および実行権データを、通信回線を通じて、受信局RS2に送信する。
【0209】
また、ステップS409において、受信局RS2のユーザは、再スクランブルされた有料情報が記録された移動ディスク7を取得すると、取得した移動ディスク7を、受信局RS2内の端末3に接続する。また、当該端末3は、通信回線を通じて送信されてきた、暗号化された乱数および実行権データを受信すると、受信局RS2内の内部デスクランブラ37は、暗号化された乱数および実行権データを、共有鍵KABを用いて復号する。
【0210】
このように、乱数および実行権データを、通信回線のような、伝送速度が比較的小さい伝送路を通じて伝送し、有料情報を、移動ディスク7に記録して移動させる場合には、有料情報を乱数を用いて再スクランブルし、さらに、乱数および実行権データを共有鍵KABを用いて暗号化することにより、受信局RS1から受信局RS2に、安全に有料情報を伝達することができる。なお、共有鍵KABを用いて乱数および実行権データを暗号化する代わりに、公開暗号方式で暗号化することもできる。
【0211】
なお、本実施形態では、実行権データに有料情報の利用可能回数が含まれるとしたが、利用可能期限が含まれるとしてもよい。
【0212】
また、本実施形態では、ユーザが外部端末9で情報を利用する場合、X用課金部63xは、実行権データを作成すると同時に、作成した実行権に応じた利用料金を計算しているが、外部端末9での利用回数をICカード8に記録しておき、利用後に、ユーザがICカード8をサーバ2に接続して、その際、X用課金部63xが利用料金を計算するようにしてもよい。
【0213】
また、本実施形態では、受信局単位で課金しているが、利用料金を端末毎に記録することにより、ユーザ単位で課金することもできる。
【0214】
また、ユーザにパスワードを発行し、ユーザが端末を利用する際に、認証を行うようにすることで、不正利用に対する安全性を、より高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る有料情報提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る有料情報提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す端末管理部25のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す端末情報設定部251の動作内容を示す図である。
【図5】図3に示す端末情報格納部252に格納される内容の一例を示す図である。
【図6】図3に示すリクエスト内容格納部253に格納される内容の一例を示す図である。
【図7】図3に示す割引情報格納部254に格納される内容の一例を示す図である。
【図8】図2に示す端末管理部25の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】図2に示す第2料金管理部223が内部に有するメモリに格納される料金の一例を示す図である。
【図10】本発明の第3および第4の実施形態に係る有料情報提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る有料情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図12】送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して、リアルタイムに利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。
【図13】送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して記録し、記録した情報を後に利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。
【図14】送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して、外部端末9で利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。
【図15】送信局TSxが提供する有料情報を、受信局RS1が受信して受信局RS2に再提供し、受信局RS2が再提供された有料情報を利用する場合の、図11のシステムの動作を示すフローチャートである。
【図16】放送衛星を用いた従来の有料放送システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
TS…送信局
RS…受信局
2…サーバ
3…端末
4…通信路
5…ローカルサーバ
11…スクランブル鍵生成部
12…スクランブラ
13…関連情報暗号化部
14…多重/送信部
15…第1料金管理部
21…受信装置
211…受信部
212…デスクランブラ
22…ICカード
221…関連情報復号部
222…資格判定部
223…第2料金管理部
23…内部スクランブラ
24…サーバI/F
25…端末管理部
251…端末情報設定部
252…端末情報格納部
253…リクエスト内容格納部
254…割引情報格納部
255…料金係数算出部
256…内部スクランブラ設定部
257…リクエスト送信部
31…コマンド生成部
32…端末I/F
33…内部デスクランブラ
34…端末復号部
35…映像/音声デコーダ
36…映像/音声出力部
8…端末用ICカード
81…第3料金管理部
TSx〜TSz…送信局
RS1,RS2…受信局
7…移動ディスク
9…外部端末
61x…X用受信部
62x…X用復号部
63x…X用課金部
61y…Y用受信部
62y…Y用復号部
63y…Y用課金部
61z…Z用受信部
62z…Z用復号部
63z…Z用課金部
64…情報記録部
65…共通暗号化部
66…データ記録部
67…乱数発生部
37…内部デスクランブラ

Claims (23)

  1. 送信局から受信局に対して有料情報を提供する有料情報提供システムであって、
    前記送信局は、前記有料情報を前記受信局に送信するとき、当該有料情報の基礎的な利用料金を規定するための基礎料金情報を、同時に当該受信局に送信し、
    前記受信局は、
    1つのサーバと、
    ユーザによって操作され、前記有料情報を利用するための複数の端末とを備え、
    前記サーバは、
    前記送信局から送信されてくる有料情報を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された有料情報を、当該有料情報の提供をリクエストした端末に配信する配信部と、
    各前記端末から送られてくる前記リクエストに基づいて、各端末における有料情報の利用状況を管理する利用状況管理部と、
    各前記端末の属性に応じた料金係数を含む端末情報を格納する端末情報格納部と、
    前記利用状況管理部が管理している利用状況と前記端末情報格納部が格納している端末情報とに基づいて、前記基礎料金情報で規定される基礎料金に各前記端末の属性に応じた前記料金係数を乗じることにより、各端末別に有料情報の利用料金を計算する料金計算部と、
    前記料金計算部が計算した利用料金を記憶する料金記憶部とを備える、有料情報提供システム。
  2. 前記配信部は、さらに前記送信局から送られてくる前記基礎料金情報を各前記端末に送信し、
    各前記端末は、受信した前記基礎料金情報をユーザに提示することを特徴とする、請求項に記載の有料情報提供システム。
  3. 前記サーバには、前記端末情報を前記送信局に提供することに基づく割引情報が設定されており、
    前記有料情報の提供をリクエストした端末の端末情報が、前記送信局に提供されたとき、
    前記料金計算部は、前記割引情報を参照して、割り引かれた利用料金を計算することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  4. 前記サーバには、各前記端末を使用するユーザの属性を示すユーザ情報が登録されており、
    前記料金計算部は、さらに利用料金の計算時に前記ユーザ情報を参照することにより、各ユーザについて差別化された利用料金を計算することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  5. 記ユーザ情報は、各ユーザの属性に応じた料金係数を含んでおり、
    前記料金計算部は、さらに前記基礎料金情報で規定される基礎料金に各ユーザの属性に応じた前記料金係数を乗じることにより、各ユーザ別に有料情報の利用料金を計算することを特徴とする、請求項に記載の有料情報提供システム。
  6. 前記配信部は、さらに前記送信局から送られてくる前記基礎料金情報を各前記端末に送信し、
    各前記端末は、受信した前記基礎料金情報をユーザに提示することを特徴とする、請求項に記載の有料情報提供システム。
  7. 前記サーバには、前記端末情報を前記送信局に提供することに基づく割引情報が設定されており、
    前記有料情報の提供をリクエストした端末を操作したユーザのユーザ情報が、前記送信局に提供されたとき、
    前記料金計算部は、前記割引情報を参照して、割り引かれた利用料金を計算することを特徴とする、請求項に記載の有料情報提供システム。
  8. 前記利用状況管理部は、各前記端末における有料情報の利用履歴を保持しており、
    前記料金計算部は、さらに利用料金の計算時に前記利用履歴を参照することにより、利用回数の多い有料情報の利用料金の割引率を高くすることを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  9. 前記料金計算部は、ユーザが操作することができない領域に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  10. 前記配信部は、さらに各前記端末から送信されてくるリクエストを、所定の端末からの指示に応答して、当該端末に送信し、
    前記所定の端末は、受信した前記リクエストをユーザに提示することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  11. 前記受信局は、複数の前記送信局と受信契約を締結しており、
    前記受信部および前記料金計算部は、受信契約を締結している各前記送信局に対応して設置されている、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  12. 前記送信局は、前記有料情報をスクランブルして送信し、
    前記受信部は、受信した有料情報をさらにデスクランブルし、
    前記配信部は、前記受信部がデスクランブルした有料情報を、再スクランブルして前記リクエストを発した端末に配信し、
    各前記端末は、前記配信部から受け取った再スクランブルされた有料情報をデスクランブルして利用することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  13. 前記サーバには、予め各前記端末に固有のスクランブル鍵が設定されており、
    各前記端末には、予め固有のデスクランブル鍵が設定されており、
    前記配信部は、前記受信部がデスクランブルした有料情報を、対応する前記スクランブル鍵を用いて再スクランブルした後、前記リクエストを発した端末に配信し、
    各前記端末は、前記配信部から受け取った再スクランブルされた有料情報を、予め設定された前記デスクランブル鍵を用いてデスクランブルして利用することを特徴とする、請求項12に記載の有料情報提供システム。
  14. 前記サーバには、予め各前記端末に固有の暗号鍵が設定されており、
    各前記端末には、予め固有の復号鍵が設定されており、
    前記配信部は、
    乱数を生成し、
    前記受信部がデスクランブルした有料情報を、前記乱数を用いて再スクランブルし、
    前記乱数を対応する前記暗号鍵を用いて暗号化し、
    前記再スクランブルされた有料情報および前記暗号化された乱数を、前記リクエストを発した端末に配信し、
    各前記端末は、
    前記配信部から受け取った前記暗号化された乱数を、予め設定された前記暗号鍵を用いて復号し、
    前記配信部から受け取った前記再スクランブルされた有料情報を、前記復号された乱数を用いてデスクランブルすることを特徴とする、請求項12に記載の有料情報提供システム。
  15. 前記受信局は、複数存在し、
    特定の受信局において付与された電子価値を、他の受信局において使用するための携帯型の電子価値保持デバイスをさらに備え、
    前記特定の受信局は、前記電子価値保持デバイスがセットされた状態で電子価値付与要求が入力されたとき、当該電子価値保持デバイスに電子価値を付与し、
    前記他の受信局は、前記電子価値保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、前記料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、前記料金記憶部に記憶させることなく当該電子価値保持デバイスに転送し、
    前記他の受信局にセットされた電子価値保持デバイスは、当該他の受信局の前記サーバから転送されてくる利用料金を、付与されている電子価値によって精算することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  16. 前記特定の受信局および前記他の受信局は、それぞれ1以上の送信局からの有料情報を受信可能であり、
    前記電子価値保持デバイスは、前記特定の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第1の識別情報を格納しており、
    前記他の受信局には、当該他の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第2の識別情報が登録されており、
    前記他の受信局のサーバは、前記電子価値保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、前記第1および第2の識別情報に基づいて、当該有料情報の利用の可否を判断し、利用可能と判断した場合のみ、前記料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、当該電子価値保持デバイスに転送することを特徴とする、請求項15に記載の有料情報提供システム。
  17. 前記受信局は、複数存在し、
    特定の受信局において信用が付与され、当該付与された信用に相当する金額分の有料情報を、他の受信局において利用可能な携帯型の信用保持デバイスをさらに備え、
    前記特定の受信局は、前記信用保持デバイスがセットされた状態で信用付与要求が入力されたとき、当該信用保持デバイスに予め定めた金額に相当する信用を付与し、
    前記他の受信局は、前記信用保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、前記料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、前記料金記憶部に記憶させることなく当該信用保持デバイスに転送し、
    前記他の受信局にセットされた信用保持デバイスは、前記サーバから転送されてくる利用料金を累積加算し、
    前記特定の受信局は、前記信用保持デバイスがセットされた状態で精算要求が入力されたとき、当該信用保持デバイスに保持されている利用料金の累積加算値を入力して、前記料金記憶部に記憶されている有料情報の利用料金に加算することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  18. 前記特定の受信局および前記他の受信局は、それぞれ1以上の送信局からの有料情報を受信可能であり、
    前記信用保持デバイスは、前記特定の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第1の識別情報を格納しており、
    前記他の受信局は、当該他の受信局が受信可能な送信局をそれぞれ識別するための第2の識別情報を登録しており、
    前記他の受信局のサーバは、前記信用保持デバイスがセットされた状態で有料情報の利用要求が発生したとき、前記第1および第2の識別情報に基づいて、当該有料情報の利用の可否を判断し、利用可能と判断した場合のみ、前記料金計算部が計算した有料情報の利用料金を、当該信用保持デバイスに転送することを特徴とする、請求項17に記載の有料情報提供システム。
  19. 前記サーバは、前記受信部が受信した有料情報を記録する情報記録部をさらに備え、
    前記配信部は、各前記端末から前記情報記録部に記録されている有料情報を利用したい旨のリクエストがあったとき、当該情報記録部から対応する有料情報を読み出して当該リクエストを発した端末に配信し、
    前記料金計算部は、前記情報記録部に記録されている有料情報が、前記端末に配信される毎に、当該有料情報の利用料金を計算することを特徴とする、請求項1に記載の有料情報提供システム。
  20. 前記受信局は、複数存在し、
    任意の第1の受信局で受信した有料情報を、当該第1の受信局とは異なる任意の第2の受信局で利用可能なことを特徴とする、請求項19に記載の有料情報提供システム。
  21. 前記第1の受信局のサーバは、自局内の前記情報記録部に記録されている有料情報を前記第2の受信局で利用したい旨の要求が入力された場合、当該有料情報の利用条件を規定するための実行権データを作成すると共に、作成した実行権データに基づいて、当該有料情報の利用料金を計算し、前記料金記憶部に記憶させ、
    前記第1の受信局で作成された実行権データおよび前記第1の受信局内の前記情報記録部に記録された有料情報は、前記第2の受信局に伝達され、
    前記第2の受信局内の各前記端末は、前記第1の受信局から伝達された実行権データが規定する利用条件を満たす場合にのみ、前記第1の受信局から伝達された有料情報の利用を許可することを特徴とする、請求項20に記載の有料情報提供システム。
  22. 前記第1の受信局のサーバは、自局内の前記情報記録部に記録されている有料情報を前記第2の受信局で利用したい旨の要求が入力された場合、当該有料情報の利用条件を規定するための実行権データを作成し、
    前記第1の受信局で作成された実行権データおよび前記第1の受信局内の前記情報記録部に記録された有料情報は、前記第2の受信局に伝達され、
    前記第2の受信局内の各前記端末は、前記第1の受信局から伝達された実行権データが規定する利用条件を満たす場合にのみ、前記第1の受信局から伝達された有料情報の利用を許可すると共に、当該実行権データおよび伝達された有料情報に基づいて、当該有料情報の利用料金を計算し、自局内の前記料金記憶部に記憶させることを特徴とする、請求項20に記載の有料情報提供システム。
  23. 前記サーバとはオンライン接続されていない外部端末が設けられ、
    前記サーバは、前記情報記録部に記録されている有料情報を前記外部端末で利用したい旨の要求が入力された場合、当該有料情報の利用条件を規定するための実行権データを作成すると共に、作成した実行権データに基づいて、当該有料情報の利用料金を計算し、前記料金記憶部に記憶させ、
    前記サーバで作成された実行権データおよび前記情報記録部に記録された有料情報は、前記外部端末に伝達され、
    前記外部端末は、前記受信局から伝達された実行権データが規定する利用条件を満たす場合にのみ、前記受信局から伝達された有料情報の利用を許可することを特徴とする、請求項19に記載の有料情報提供システム。
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