JP3840662B2 - 2−シリルオキシ−テトラヒドロチエノピリジン類、その塩およびその製造方法 - Google Patents

2−シリルオキシ−テトラヒドロチエノピリジン類、その塩およびその製造方法 Download PDF

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    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages

Description

技術分野
本発明は、2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類、その塩およびその製造方法に関する。
背景技術
2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、医薬、特に抗血小板薬やエラスタ−ゼ阻害薬として数多くの化合物が開発されているテトラヒドロチエノピリジン類を合成する際の中間体として有用である。
テトラヒドロチエノピリジンの2位に酸素原子が導入された当該医薬品としては、▲1▼.5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体(特公平2−39517号公報、特開昭61−246186号公報参照),▲2▼.2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[3,2−c]ピリジン誘導体(特開平3−130289号公報、特開平6−41139号公報参照)などが知られている。
これらの化合物の製造方法としては、以下の製法が知られている。
(1)2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[3,2−c]ピリジン誘導体の製造方法としては、例えば特開平3−130289号公報、特開平6−41139号公報に記載されている製法に準じて、5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体をアシル化する方法により製造する方法が知られている。
しかし、この製法は5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体が反応条件下で不安定なため、収率が低く、また5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体の製造が、後記の製法(2)に述べる理由で、困難な点で工業的に満足する方法ではなかった。
(2)5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体を製造する方法としては、以下に示すような方法が知られている。
(a)特開昭61−246186号公報には、−4,5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体をN−アルキル化反応することにより5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体を得る方法が開示されている。
しかし、前述の方法(a)では、記載された反応条件下では原料、生成物の安定性が悪く、収率は通常低いという点で工業的に満足する方法ではなかった。
(b)特公平2−39517号公報には、5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン誘導体を酸化反応することにより5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体を得る方法が開示されている。
しかし、前述の方法(b)では、特定の安定なアルキル基しか適用できないという点で工業的に満足する方法ではなかった。
(c)特公平2−39517号公報には、N−アルキル−3−アルコキシカルボニルメチル−テトラヒドロピリジン−4−オン誘導体と塩化水素、硫化水素とを反応させて5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体を得る方法が開示されている。
しかし、前述の方法(c)では、有害な塩化水素、硫化水素を使用し、また原料の製造収率も悪いという点で工業的に満足する方法ではなかった。
(d)特公平2−39517号公報には、2−ブロム−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン誘導体のグリニヤ−ル試剤と過安息香酸tert−ブチルとを反応させて、5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体を得る方法が開示されている。
しかし、前述の方法(d)では、ブロム化、グリニヤ−ル化、過安息香酸tert−ブチルとの反応及び酸分解と多段階の反応を必要とするため、収率が悪く、またグリニヤ−ル化のために使用できるN−置換基に制限があるという点で工業的に満足する方法ではなかった。
従って、公知の製法(1)は、2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[3,2−c]ピリジン誘導体を得る工業的方法として不満があり、公知の製法(2)〔(a)〜(d)〕のいずれもが、5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン誘導体を得る工業的方法として不満があった。
本発明の目的は、新規化合物である一般式(1)で表される2−シリルオキシ−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を提供すると共に、当該医薬品の効率的な製造方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を提供することにより、▲1▼.下記一般式(4)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類および該化合物の製造方法,及び▲2▼.下記一般式(4)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類から、下記一般式(5)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類又は下記一般式(6)で表される5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類の効率的な製造方法を提供することである。
このような状況に鑑み本発明者らは、2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類又は5−アルキル−4,5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類の製造方法として、2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を中間体として使用する方法が最も効率的であることを見出し、その合成方法を鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。
発明の開示
本発明の第1の発明は、
一般式(I)
Figure 0003840662
式中、R1,R2およびR3は、独立して、炭素数1〜10のアルキル基又はアリ−ル基を示す
で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩に関する。
本発明の第2の発明は、
式(II)
Figure 0003840662
で表される5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オンまたはその互変異性体と、
一般式(III)
Figure 0003840662
式中、Xはハロゲン原子を示し、R1〜R3は前記と同じ意味を示す,
で表されるハロゲン化シランとを、三級アミンの存在下、反応させることを特徴とする一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法に関する。
本発明の第3の発明は、
一般式(IV)
Figure 0003840662
式中、R4は水素原子、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルカルボニル基を示し,R5はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し,R1〜R3は前記と同じ意味を示す,
で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類に関する。
本発明の第4の発明は、
一般式(I)
Figure 0003840662
式中、R1〜R3は前記と同じ意味を示す,
で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類またはその塩と、
一般式(VII)
Figure 0003840662
式中、XおよびR4〜R5は前記と同じ意味を示す,
で表されるハロゲン化アルキル類とを、三級アミンの存在下、反応させることを特徴とする一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の化合物である一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、
一般式(IV)
Figure 0003840662
式中、R4は水素原子、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルカルボニル基を示し、R5はハロゲン原子、炭素数1〜4アルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を示す,
で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類に容易に高収率で誘導される。
誘導された一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類から、
一般式(V)
Figure 0003840662
式中、R6は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R4およびR5は前記と同じ意味を示す,
で表される公知の2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類又は
一般式(VI)
Figure 0003840662
式中、R4およびR5は前記と同じ意味を示す,
で表される公知の5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類に、容易に高収率で効率的に変換することができ、その方法も本発明者らによって開発されている。
その結果、一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類が、一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類および一般式(VI)で表される5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類の非常に有用な前駆体であることがわかった。
また、一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類および5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類の有用な中間体のみならず、それ自体、抗血小板薬やエラスタ−ゼ阻害薬になりうる新規化合物である。
その結果、一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を中間体に使用することにより、N−アルキル化が簡単な操作で行われ、一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を経て、一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類又は一般式(VI)で表される5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類が高収率で得られ、従来の2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類および5−アルキル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類の製造方法の収率を大きく凌駕する製造方法が可能になった。
一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類および一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は新規化合物である。
本発明の化合物において一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類及び一般式(IV)で示される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]−ピリジン類において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。
1、R2およびR3の示す炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)、ペンチル基(各異性体を含む)、ヘキシル基(各異性体を含む)、ヘプチル基(各異性体を含む)、オクチル基(各異性体を含む)、ノニル基(各異性体を含む)およびデシル基(各異性体を含む)などの直鎖または分枝状のアルキル基を挙げることができ、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)およびブチル基(各異性体を含む)が更に好ましい。
本発明の化合物において一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類において、R1、R2およびR3の示すアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基などを挙げることができ、炭素数6〜8のアリール基が好ましく、フェニル基が更に好ましい。
本発明の化合物において一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、必要に応じて塩にすることができる。そのような塩としては、例えば塩酸、硫酸などの鉱酸塩、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、酢酸、プロピオン酸などの有機酸塩を挙げることができ、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸が好ましく、塩酸、p−トルエンスルホン酸が更に好ましい。
本発明の化合物において、一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩、2−トリイソプロピルシリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩、2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩であることが好ましい。
本発明の化合物において一般式(I)を有する2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の具体例としては、例えば以下の表1の化合物を挙げることができる。
Figure 0003840662
前記の一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類のうち、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩、2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩、2−トリイソプロピルシリルオキシ−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩が好ましい。
一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、例えば以下に記載する反応式(1)(以下反応1ともいう)で製造することができる。
反応式(1)
Figure 0003840662
式中、R1〜R3およびXは前記と同じ意味を示す。
本発明の反応に使用する式(2)で表わされる5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オンまたはその互変異性体(以下2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類ともいう)は、以下に示すような構造式を持つ化合物である。
互変異性体の構造式
Figure 0003840662
これらのいずれの互変異性体でも、本発明の反応に使用することができる。また、5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オンは、通常、塩の状態で安定であるため、反応には主として塩の状態で使用される。使用される塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機酸塩などを挙げることができ、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびメタンスルホン酸塩が好ましく、塩酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩が更に好ましい。
前記の5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン、その互変異性体およびそれらの塩は、特開昭61−246186号公報に記載された方法に準じて製造できる。さらに詳しくは参考例で説明する。
本発明の反応に使用する三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルモノアミン類、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデカン、テトラメチルエチルジアミンなどのトリアルキルジアミン類などを挙げることができ、トリアルキルモノアミン類が好ましく、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが更に好ましい。
本発明の反応に使用する一般式(III)で表されるハロゲン化シランにおけるR1、R2およびR3は前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。
一般式(III)で表されるハロゲン化シランにおけるXの示すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ−ド原子などのハロゲン原子を挙げることができ、塩素原子が好ましい。
このような、R1、R2、R3およびXを持つハロゲン化シランとしては、例えばトリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシランなどを挙げることができる。この場合、生成する2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の安定性の点で、立体的に嵩高いトリイソプロピルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシランなどが好ましいが、他の原料でも単離しない場合は、以下に示す反応3などに使用できる。
本発明の製法において使用する三級アミンは、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンであることが好ましく、また一般式(III)で表されるハロゲン化シランは、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシランおよびトリイソプロピルクロロシランより成る群から選ばれた化合物であることが好ましい。
本発明の反応に使用する反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、ジクロルエタンなどの塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリドンなどのアミド系溶媒などを挙げることができ、エーテル系溶媒、塩素系溶媒およびニトリル系溶媒が好ましく、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよびジメチルイミダゾリドンが更に好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
本発明の反応における反応温度としては、−20℃〜当該使用溶媒の沸点までの範囲が一般的であり、0℃〜100℃が反応生成物の安定性の点で好ましい。本発明の反応における各反応基質の使用量比(モル比)としては、理論的には2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類:三級アミン類:ハロゲン化シラン類=1:1:1であるが、2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類に対して三級アミン類、ハロゲン化シラン類をあまりに過剰に使用すると、O−シリル化と同時にN−シリル化も進行するため、生成化合物である2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の収率が低下する場合もあり、2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類に対して三級アミン類、ハロゲン化シラン類の使用量比(モル比)は1以下の場合に良好な結果が得られることもある。
本発明の反応に使用される三級アミンは、その使用量が、2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類1モルに対して、0.5〜3.0モルの割合になる量が一般的であり、0.5〜2.0モルの割合になる量が好ましく、0.7〜1.5モルの割合になる量が更に好ましい。
また、本発明の反応に使用される一般式(III)で表されるハロゲン化シラン類は、その使用量が、2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類1モルに対して、0.5〜3.0モルの割合になる量が一般的であり、0.5〜2.0モルの割合になる量が好ましく、0.7〜1.5モルの割合になる量が更に好ましい。
本発明の反応における反応濃度としては、特に制限はないが2−オキソ−テトラヒドロチエノピリジン類の溶媒に対する濃度としては、0.1〜95%が一般的であり、0.5〜90%が好ましく、1〜80%が更に好ましい。
本発明の反応における反応の方法としては、通常の方法で可能であり、特に反応試剤の添加方法などに制限はない。反応混合物からの目的物の単離は、通常の操作で実施可能であるが、目的物の特性を考慮して、結晶化、抽出、洗浄、カラムクロマトグラフィ−などを組み合わせることができる。
以上のようにして得られた、一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩より、例えば以下の反応式(2)で示すような方法により、一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を製造することができる。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR4は、水素原子、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルカルボニル基を示す。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR4の示す炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)、ペンチル基(各異性体を含む)、ヘキシル基(各異性体を含む)、ヘプチル基(各異性体を含む)、オクチル基(各異性体を含む)、ノニル基(各異性体を含む)などの直鎖または分枝状の炭素数1〜9のアルキル基部分を含むアルコキシカルボニル基を挙げることができ、炭素数1〜5のアルキル基部分を含むアルコキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基(各異性体を含む)、ブトキシカルボニル基(各異性体を含む)が更に好ましく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が特に好ましい。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR4の示す炭素数2〜10のアシル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)、ペンチル基(各異性体を含む)、ヘキシル基(各異性体を含む)、ヘプチル基(各異性体を含む)、オクチル基(各異性体を含む)、ノニル基(各異性体を含む)などの炭素数1〜9のアルキル基部分を含むアシル基を挙げることができ、炭素数1〜5のアルキル基部分を含むアシル基が好ましく、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基、バレリル基が更に好ましい。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR4の表す炭素数4〜10のシクロアルキルカルボニル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基などの炭素数3〜9のシクロアルキル基部分を含むシクロアルキルカルボニル基を挙げることができ、炭素数3〜6のシクロアルキル基部分を含むシクロアルキルカルボニル基が好ましく、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基が更に好ましく、シクロプロピルカルボニル基が特に好ましい。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類において、R5はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、ベンゼン環上の置換位置には特別の限定はない。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR5の示すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ−ド原子のようなハロゲン原子を挙げることができ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR5の示す炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)のようなアルキル基を挙げることができ、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。
一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類におけるR5の示す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(各異性体を含む)のようなアルキル基部分をもつアルコキシ基を挙げることができ、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が更に好ましい。
このようなR1、R2、R3、R4、R5で表される置換基を持つ5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の具体例としては、例えば以下の表2に示す化合物を挙げることができる。
Figure 0003840662
Figure 0003840662
前記の表2に示す化合物のうち、以下の化合物が好ましい。
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン。
前記の表2に示す化合物のうち、以下の化合物が更に好ましい。
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン。
このような5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、例えば以下に示す反応式(2)で製造することができる。
反応式(2)
Figure 0003840662
式中、R1〜R5及びXは、前記と同じ意味を示す。
反応式(2)で示される、一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法(以下反応2ともいう)は、一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類(以下2−シリルオキシチエノピリジン類ともいう)またはその塩と、
一般式(VII)
Figure 0003840662
式中、R4およびR5は前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す,
で表されるハロゲン化アルキル類とを、三級アミンの存在下に、反応させる一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法である。
その場合、反応2で使用される一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩は、前記の反応終了後、反応混合物より単離して、以後の反応に使用してもよく、また、単離せず反応混合物とハロゲン化アルキル類とを反応させる方法(1ポット反応)に使用してもよい。
反応2において使用される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩としては、例えば前記の化合物およびその塩を挙げることができる。
このような2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩としては、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩、2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩、2−トリイソプロピルシリルオキシ−5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンおよびその塩のような立体障害の大きい化合物が、生成する5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類が安定に単離可能である点で好ましい。
また、単離せず反応混合物とハロゲン化アルキル類とを反応させる方法(1ポット反応)の場合は、上記以外の2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩でもよい。
反応2において使用される一般式(VII)で表されるハロゲン化アルキル類の表すR4およびR5としては、前記R4およびR5を挙げることができる。Xとしては、ハロゲン原子(塩素原子または臭素原子が好ましい)を挙げることができる。
このようなR4、R5およびXを持つ化合物としては、以下の表3に示す化合物を具体的に挙げることができる。
Figure 0003840662
Figure 0003840662
前記の表3に示すハロゲン化アルキル類のうち、以下の化合物が好ましい。
2−クロロベンジルクロライド、2−フルオロベンジルクロライド、2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイド、2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド。
反応2において使用される三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルモノアミン類、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデカン、テトラメチルエチルジアミンなどのトリアルキルジアミン類などを挙げることができ、トリアルキルモノアミン類が好ましく、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが更に好ましい。
反応2においてはアンモニウム塩の存在が、反応促進作用を示す。従って反応1に続いて反応2を行なうことが、反応1で生成した三級アンモニウム塩をそのまま利用できる点で、有利である。また、四級アンモニウム塩ももちろん効果がある。このような反応促進化合物は、生成した三級アンモニウム塩のみならず、新たに反応系に添加することによってもその目的が達成される。
このような反応促進添加化合物としては、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイドのような炭素数1〜20のアルキル基をもつテトラアルキルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドのような炭素数1〜20のアルキル基をもつトリアルキルモノベンジルアンモニウムハライドなどの四級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウムなどのアルカリ金属臭化物、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウムなどのアルカリ金属ヨウ化物を挙げることができる。
反応2において使用されるアンモニウム塩は、その使用量が、2−シリルオキシチエノピリジン類1モルに対して、0.01〜5モルの割合になる量が一般的であり、0.1〜2モルの割合になる量が好ましい。
アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物は、その使用量が、2−シリルオキシチエノピリジン類1モルに対して、0.001〜0.6モルの割合になる量が一般的であり、0.01〜0.5モルの割合になる量が好ましい。
反応2において使用される反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、ジオキサンなどのエ−テル系溶媒、塩化メチレン、ジクロルエタンなどの塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリドンなどのアミド系溶媒などを挙げることができ、エ−テル系溶媒、塩素系溶媒およびニトリル系溶媒が好ましく、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドおよびジメチルイミダゾリドンが更に好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
反応2における反応温度としては、−20℃〜当該使用溶媒の沸点の範囲が一般的であり、0℃〜80℃が使用する化合物類の安定性を考慮すると好ましい。
反応2における各反応基質の使用量比(モル比)としては、通常2−シリルオキシチエノピリジン類:三級アミン類:ハロゲン化アルキル類=1:0.7〜3.0:0.7〜3であるが、2−シリルオキシチエノピリジン類に対して三級アミン類、ハロゲン化アルキル類を大過剰に使用してもよい。
反応2に使用される三級アミンは、その使用量が、2−シリルオキシチエノピリジン類1モルに対して、0.5〜10モルの割合になる量が一般的であり、0.7〜3.0モルの割合になる量が好ましい。
また、本発明の反応に使用される一般式(VII)で表されるハロゲン化アルキル類は、その使用量が、2−シリルオキシチエノピリジン類1モルに対して、0.5〜10モルの割合になる量が一般的であり、0.7〜3.0モルの割合になる量が好ましい。
反応2における反応基質濃度にはとくに制約はないが、本反応は基質濃度が高いほど反応速度が速い傾向があり、可能な限り濃度を高くするほうが一般的であり、生成物濃度として10%以上が好ましい。
反応混合物からの目的物の単離は、通常の操作で実施可能であるが、目的物の物性を考慮して、結晶化、抽出、洗浄、カラムクロマトグラフィ−などを組み合わせることができる。
5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、テトラヒドロチエノピリジン類から、中間体である2−シリルオキシチエノピリジン類を単離することなく、最終生成物を得る、いわゆる1ポット反応が可能であり、例えば、以下に示す反応式(3)で表すことができる。
反応式(3)
Figure 0003840662
式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を示す。
反応式(3)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法(以下、反応3ともいう)は、式(II)で表される5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オンまたはその互変異性体と、一般式(III)で表されるハロゲン化シランとを、三級アミンの存在下、反応させ、生成する一般式(I)で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を分離することなく、一般式(VII)で表されるハロゲン化アルキル類とを、反応させる一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法である。
反応3において、2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を生成する工程で用いられる、5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オンまたはその互変異性体、三級アミンなどの反応基質、反応温度、反応溶媒、反応基質の使用量比、反応濃度などの反応条件は、前記の方法(反応2)に準じてよいが、反応3に使用するハロゲン化シランとしては、前記の方法(反応1)に使用される、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシランが好ましい。
反応終了後、反応混合物からの目的物の単離は、通常の操作で実施可能であるが、目的物の物性を考慮して、結晶化、抽出、洗浄、カラムクロマトグラフィ−などを組み合わせることができる。
以上のようにして得られた一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類から、例えば以下の反応式(4)で示すような方法により、一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を製造することができる。
反応式(4)
Figure 0003840662
式中、R1〜R5は前記と同じ意味を示し,R6は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
反応式(4)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法(以下、反応4ともいう)は、一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類と、
一般式(VIII): (R6CO)2O (VIII)
式中、R6は前記と同じ意味を示す,
で表される酸無水物とを、
塩基、アシル化触媒の存在下に、反応させる一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法である。
反応4で使用する一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類及びその塩は前記の反応2で製造可能であり、その具体例としては、例えば、前記の表2に示す化合物を挙げることができ、前記した具体的化合物がさらに好ましい。
反応4で使用する一般式(VIII)で表される酸無水物におけるR6は、例えば炭素数1〜6の直鎖状または分枝状のアルキル基を挙げることができる。具体的な酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ピバル酸、無水吉草酸、無水イソ吉草酸などのアルキルカルボン酸無水物を挙げることができ、無水酢酸、無水ピバル酸が好ましい。
反応4で使用する塩基としては、三級アミンを使用することが好ましい。
三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミンを挙げることができ、トリエチルアミンが好ましい。
反応4で使用するアシル化触媒としては、例えば4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、4−ジプロピルアミノピリジン等の4−ジアルキルアミノピリジン類を挙げることができ、4−ジメチルアミノピリジンが好ましい。
反応4で得られる一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の具体例としては、例えば以下の表4の化合物を挙げることができる。
Figure 0003840662
Figure 0003840662
反応4で使用する反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、ジオキサン等のエ−テル系溶媒、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリドン等のアミド系溶媒を挙げることができ、塩素系溶媒、エ−テル系溶媒、ニトリル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、アセトニトリルが更に好ましい。
反応4における反応温度は、−50℃から当該使用溶媒の沸点までの範囲が使用可能であり、使用化合物などの安定性を考えて選択されるべきであるが、−20〜80℃の範囲であることが好ましい。
反応4で使用する各反応基質のモル比は、通常、5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類:三級アミン:酸無水物=1:1:2の比率で使用するが、三級アミンおよび/または酸無水物を過剰に使用してもよい。
反応4で使用する三級アミンは、その使用量が、5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類1モルに対して1〜5モルの割合になる量が好ましい。
酸無水物は、その使用量が、5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類1モルに対して通常1〜5モルの割合になる量が好ましい。
反応4で使用するアシル化触媒は、その使用量が、5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類1モルに対して通常0.1〜10モル%の割合になる量であればよく、過剰に使用してもよい。
反応4における反応濃度には、特に制約はないが、通常5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の濃度が1〜50%の範囲で実施可能である。
本発明の反応における反応の方法としては、通常の方法で可能であり、特に反応試剤の添加方法などに制限はない。
反応混合物からの目的物の単離は、通常の操作で実施可能であるが、目的物の物性を考慮して、結晶化、抽出、洗浄、カラムクロマトグラフィ−などを組み合わせることができる。
また、一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類は、例えば、以下の反応式(5)(以下、反応5ともいう)で表される製造方法でも製造することができる。
Figure 0003840662
式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は前記と同じ意味を示す。
反応5は、一般式(IV)で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を、加水分解することにより、一般式(VI)で表される5−アルキル−5,6,7、7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類を生成させ、更に一般式(VIII)で表される酸無水物と反応させ、一般式(V)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を製造する方法である。
反応5で行われる加水分解反応は、例えば酢酸等の有機カルボン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸およびこれらを組み合わせた酸の存在下に行うことができる。加水分解には、酸が5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類に対して過剰に存在すれば、特に水分は必要ではない。加水分解の反応時間は数分から1時間で容易に終了する。加水分解の反応温度は室温(20℃)付近でも十分に進行し特に加熱する必要はなく、−50℃程度の低温でも反応は進行すると思われるが、特に副反応もないので低温の必要はない。
反応5で行われる加水分解に使用する有機溶媒は、特に制限はなく、極性、非極性有機溶媒が使用できるが、塩化メチレン等の塩素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エ−テル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。
反応5で得られる一般式(VI)で表される5−アルキル−5,6,7、7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類は、通常使用した酸の塩として得られる。有機溶媒を適宜選択すれば反応系から、これらの塩が析出するので単離は容易である。
反応5における、一般式(VI)で表される5−アルキル−5,6,7、7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類を用いて、一般式(IV)で表される2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を得る方法は、特開平3−130289号公報、特開平6−411139号公報に記載された方法に準じて実施可能であるが、概してアシル化剤が多量に必要で、反応収率が悪く、反応時間が冗長である。
産業上の利用可能性
本発明の化合物である、2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩を中間体として使用することにより、公知の抗血小板薬として有用な2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類を、高収率で容易に得ることができる。
また、本発明の製法によれば、5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オンまたはその互変異性体とハロゲン化シランとを、三級アミンの存在下、反応させることにより、2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類およびその塩を高収率で容易に得ることができる。
実施例
以下に実施例を示す。実施例中の収率および反応収率は5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩(モル)基準の2−シリルオキシ−テトラヒドロチエノピリジン誘導体(モル)の収率である。
実施例1
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩808mg(2.47mmol)とトリエチルアミン225mg(2.22mmol)とを12ミリリットルのアセトニトリルに溶解してアセトニトリル溶液を得た。得られたアセトニトリル溶液にtert−ブチルジメチルクロロシラン334mg(2.22mmol)を加え、室温(20℃)で6時間攪拌した後、室温(20℃)で12時間静置して反応させた。
得られた反応混合物を減圧濃縮して濃縮物を得た。得られた濃縮物にリン酸緩衝液(pH7.0)40ミリリットルとエ−テル60ミリリットルとを加えて、分液操作を行ってエ−テル層を得た。得られたエ−テル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮下、容積を約1/3に濃縮した。次いで、冷蔵庫内(4℃)に24時間静置して無色結晶を得た。得られた無色結晶を濾過し、減圧乾燥を行って、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩(化合物番号5のp−トルエンスルホン酸塩)777mg(1.79mmol)を得た(収率:72.4%)。
なお、反応混合物のHPLC分析を行うと、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの反応収率は97%であった。
融点:85〜86℃
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
0.21(s,6H)、0.96(s,9H)、2.13(s,1H)、2.35(s,1H)、2.89、2.48、4.11(br,各2H)、5.75(s,1H)、7.15、7.62(d,各2H)、9.26(br,各2H)。
HPLC分析条件
Figure 0003840662
実施例2
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩380mg(1.16mmol)とジイソプロピルエチルアミン165mg(1.28mmol)とを10ミリリットルのアセトニトリルに溶解してアセトニトリル溶液を得た。得られたアセトニトリル溶液にtert−ブチルジメチルクロロシラン193mg(1.28mmol)を加え、室温(20℃)で3時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液のHPLC分析を行うと、実施例1と同じ保持時間にピ−クが認められ、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの生成を確認した。反応収率は95%であった。
実施例3
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩327mg(1.00mmol)とトリエチルアミン91mg(0.90mmol)とを1.5ミリリットルのアセトニトリルに溶解してアセトニトリル溶液を得た。得られたアセトニトリル溶液にtert−ブチルジフェニルクロロシラン274mg(1.00mmol)を加え、25℃で10時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に水10ミリリットル及びエ−テル20ミリリットルを加えて、分液操作を行ってエ−テル層を得た。得られたエ−テル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して、淡黄色半固体物の2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩(化合物番号6のp−トルエンスルホン酸塩)405mg(0.72mmol)を得た(収率:72.0%)。
MSスペクトル(EI):
393、364、353、273、199、135、91
実施例4
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩327mg(1.00mmol)とトリエチルアミン111mg(1.10mmol)とを3ミリリットルのアセトニトリルに溶解してアセトニトリル溶液を得た。得られたアセトニトリル溶液にトリイソプロピルクロロシラン212mg(1.10mmol)を加え、25℃で6時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液を減圧濃縮して濃縮物を得た。得られた濃縮物に水10ミリリットル及びエ−テル20ミリリットルを加えて、分液操作を行ってエ−テル層を得た。得られたエ−テル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して、無色粘調液体として2−トリイソプロピルシリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩(化合物番号3のp−トルエンスルホン酸塩)350mg(0.72mmol)を得た(収率:72.0%)。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
1.05〜1.11(m,21H)、2.28(s,3H)、2.82(m,3H)、3.42(m,2H)、4.05(m,2H)、5.71(s,1H)、7.07、7.54(d,各2H)、9.12(br,2H)。
以下に参考例1により、反応1に用いる5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩の製法を説明する。
参考例1:5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩
5−トリチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン(特開昭61−246148号公報参照)2.85g、p−トルエンスルホン酸1水和物1.36gとテトラヒドロフラン50ミリリットルとの混合物を、50℃で2時間攪拌した。析出した固体を濾過し、テトラヒドロフラン10ミリリットルで洗浄後、乾燥して5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩2.28gを得た(5−トリチル−5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン基準の収率:93%)。
融点;204〜205℃(分解)
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
1.76(m,1H)、2.28(s,3H)、2.60(m,1H)、3.24(m,1H)、3.35(m,1H)、3.43(d,1H)、3.98(d,1H)、4.72(m,1H)、6.46(s,1H)、7.12(d,2H)、7.50(d,2H)、9.07(br,1H)。
以下に実施例5〜17により反応2および反応3を説明する。この場合、収率をいうならば、5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩(モル)基準の5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類(モル)または2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類(モル)の収率である。
実施例5:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号13の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩5.00g、tert−ブチルジメチルクロロシラン2.47g、トリエチルアミン1.66gと塩化メチレン15ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で3時間攪拌し、生成した2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩を単離せず、2−クロロベンジルクロライド2.40gとトリエチルアミン3.02gを加えて、40℃で8時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に塩化メチレン15ミリリットルと水8ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.2N−塩酸15ミリリットル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液8ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮をし、残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイ(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、淡黄色油状物として2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン3.98gを得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
0.20(s,6H)、0.96(s,9H)、2.71(m,2H)、2.86(m,2H)、3.48(s,2H)、3.81(s,2H)、5.75(s,1H)、7.19〜7.57(m,4H)。
マススペクトル(CI):
394、284、240、125、73
実施例6:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号14の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩8.90g、tert−ブチルジメチルクロロシラン4.40g、トリエチルアミン2.95gと塩化メチレン27ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で3時間攪拌し、生成した2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩を単離せず、2−フルオロベンジルブロマイド5.00gとトリエチルアミン5.36gを加えて反応させた。
反応溶液は、2−フルオロベンジルブロマイドとトリエチルアミンとを加えた時の反応熱で還流したが、そのまま室温(20℃)で7時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に塩化メチレン13ミリリットルと水27ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.2N−塩酸25ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液13ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、淡黄色油状物として2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン7.48gを得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
0.19(s,6H)、0.95(s,9H)、2.70(m,2H)、2.82(m,2H)、3.43(s,2H)、3.76(s,2H)、5.74(s,1H)、7.02〜7.48(m,4H)。
マススペクトル(CI):
378、240、109、73
実施例7:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号19の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩5.00g、tert−ブチルジメチルクロロシラン2.47g、トリエチルアミン1.66gと塩化メチレン15ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で3時間攪拌し、生成した2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩を単離せず、2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイド5.90gとトリエチルアミン3.02gを加えて反応させた。
反応溶液は、2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイドとトリエチルアミンとを加えた時の反応熱で37℃まで発熱したが、そのまま室温(20℃)で4時間攪拌後、終夜静置した。静置後の反応溶液に塩化メチレン15ミリリットルと水8ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.2N−塩酸15ミリリットル及び飽和水素炭酸ナトリウム水溶液8ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、淡黄色油状物として2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン6.29gを得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
0.19(s,6H)、0.95(s,9H)、2.68(t,2H)、2.85(t,2H)、3.44(d,1H)、3.58(d,1H)、3.71(s,3H)、4.88(s,1H)、5.71(s,1H)、7.22〜7.72(m,4H)。
マススペクトル(CI):
452、392、268、240、185、125、73
実施例8:2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号15の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩2.00g、tert−ブチルジフェニルクロロシラン1.84g、トリエチルアミン0.66gと塩化メチレン7ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で3時間攪拌し、生成した2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩を単離せず、2−クロロベンジルクロライド0.96gとトリエチルアミン1.21gを加えて、室温(20℃)でさらに1.5時間攪拌して反応させた後、終夜静置して反応溶液を得た。
得られた反応溶液に塩化メチレン6ミリリットルと水6ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.2N−塩酸6ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液6ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、淡黄色油状物として2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン1.99gを得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
1.07(s,3H)、1.09(s,6H)、2.62(t,2H)、2.76(t,2H)、3.31(s,2H)、3.71(s,2H)、5.54(s,1H)、7.14〜7.73(m,14H)。
マススペクトル(CI):
518、364、239、197、135、125
実施例9:2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号11の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩2.00g、トリイソプロピルクロロシラン1.29g、トリエチルアミン0.66gと塩化メチレン7ミリリットルとの混合物を室温で3時間攪拌し、生成した2−トリイソプロピルシリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸塩を単離せず、2−クロロベンジルクロライド0.96gとトリエチルアミン1.21gとを加えて、40℃でさらに10時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に塩化メチレン6ミリリットルと水6ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.2N−塩酸6ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液6ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、淡黄色油状物として2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン2.10gを得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
1.10(d,18H)、1.25(qq,3H)、2.70(t,2H)、2.83(t,2H)、3.45(m,2H)、3.78(s,2H)、5.77(s,1H)、7.17〜7.55(m,4H)。
マススペクトル(CI):
436、282、157、125、73
実施例10:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩3.27g、トリエチルアミン0.66gと塩化メチレン7ミリリットルとの混合物にtert−ブチルジメチルクロルシラン1.58gを加えて25℃で25時間攪拌して、混合溶液を得た。得られた混合溶液にトリエチルアミン2.02gと2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド2.12gとを加えて、40℃で12時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に塩化メチレン20ミリリットルと0.1N−塩酸20ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液20ミリリットル及び水20ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣にアセトニトリル15ミリリットルを加えて0℃に冷却し、析出結晶を得た。得られた析出結晶を濾過、乾燥を行って2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン2.24gを得た。
融点:102.5〜103.5℃
実施例11−1:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩4.91g、tert−ブチルジメチルクロルシラン2.37gと塩化メチレン15ミリリットルとの混合物にトリエチルアミン1.59gを加えて25℃で1時間攪拌して、混合溶液を得た。得られた混合溶液にトリエチルアミン3.04g、2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド2.12gとテトラエチルアンモニウムブロマイド0.32gとを加えて、45℃で8時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に塩化メチレン8ミリリットルと水15ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.2N−塩酸15ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液15ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣に残渣の容量の3.5倍のアセトニトリルを加えて、攪拌し、0℃に冷却し、析出結晶を得た。得られた析出結晶を濾過、乾燥を行って2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン3.9gを得た。
実施例11−2:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
テトラエチルアンモニウムブロマイドの使用量を1.58gとしたほかは、実施例11−1と同様に反応、処理を行って、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン4.2gを得た。
実施例12:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩4.91g、tert−ブチルジメチルクロルシラン2.37gと塩化メチレン15ミリリットルとの混合物にトリエチルアミン1.59gを加えて25℃で1時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液にトリエチルアミン3.04gと、2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド3.85gとを加えて、45℃で2.5時間攪拌して反応溶液を得た。得られた反応溶液に塩化メチレン8ミリリットルと水15ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って、水層を分離し、有機層を得た。得られた有機層と分離した水層を再度塩化メチレン4ミリリットルで抽出して得られた塩化メチレン溶液とを合わせた混合有機層を、0.2N−塩酸15ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液15ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣に残渣の容量の3.5倍のアセトニトリルを加えて、攪拌し、0℃に冷却し、析出結晶を得た。得られた析出結晶を濾過、乾燥を行って2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン2.93gを得た。
実施例13:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりにテトラブチルアンモニウムブロマイドを2.4g使用したほかは、実施例11−1と同様に反応、処理を行って、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン3.5gを得た。
実施例14:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりにヨウ化ナトリウムを0.07g使用したほかは、実施例11−1と同様に反応、処理を行って、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン4.9gを得た。
実施例15:2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号26の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン・p−トルエンスルホン酸442mg、アセトニトリル1.0ミリリットル、トリエチルアミン202mgと2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド265mgとの混合物を室温(20℃)で7時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に、エ−テル10ミリリットルと0.1N−塩酸10ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液10ミリリットル、水10ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣にアセトニトリルを1ミリリットル加えて、攪拌し、0℃に冷却し、析出結晶を得た。得られた析出結晶を濾過、乾燥を行って2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン112mgを得た。
実施例16:2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号30の化合物)
5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩327mg、トリエチルアミン111mgとアセトニトリル3ミリリットルとの混合物にトリイソプロピルクロロシラン212mgを加えて45℃で6時間攪拌して混合溶液を得た。得られた混合溶液にトリエチルアミン202mgと2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド265mgとを加えて45℃で6時間攪拌した後、室温(20℃)で13時間静置して反応液を得た。
得られた反応液に塩化メチレン10ミリリットルと水10ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、0.1N−塩酸20ミリリットル、飽和炭酸ナトリウム水溶液20ミリリットルで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣を薄層クロマトグラフ(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン105mgを無色粘調体として得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
0.83(m,2H)、1.02〜1.10(m,21H)、1.25(m,2H)、2.27(m,1H)、2.71(m,2H)、2.89(m,2H)、3.46(m,2H)、4.82(s,1H)、5.73(s,1H)、7.11〜7.50(m,4H)。
マススペクトル(CI):
488、418、310、136
以下に参考例2〜10により反応4を説明する。この場合、収率をいうならば、5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類(モル)基準の2−アシルオキシ−5−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類(モル)の収率である。
参考例2:2−アセトキシ−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号66の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン3.00g、トリエチルアミン1.35g、4−ジメチルアミノピリジン40mgとアセトニトリル8ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で0.25時間攪拌した後、無水酢酸1.36gを溶解したアセトニトリル4ミリリットルを滴下し、さらに室温(20℃)で6時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に10mMリン酸二水素カリウム水溶液2.1ミリリットルを加え室温(20℃)で1時間攪拌した後、水20ミリリットルと塩化メチレン20ミリリットルとを加えた後、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、水10ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10ミリリットル及び飽和食塩水溶液10ミリリットルの順で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン:塩化メチレン=1:1)で精製し2−アセトキシ−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン1.72gを淡黄色油状物として得た。この油状物にエタノ−ルを加え攪拌すると結晶化した。
融点;88.5〜89.5℃
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
2.26(s,3H)、2.77(m,2H)、2.87(m,2H)、3.65(d,1H)、3.72(s,3H)、4.90(s,1H)、6.26(s,1H)、7.28(m,2H)、7.40(m,1H)、7.68(m,1H)。
マススペクトル(CI):
380、320、278、196、154、126
参考例3:2−ピバロイルオキシ−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号76の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン3.02g、トリエチルアミン1.35g、4−ジメチルアミノピリジン40mgとアセトニトリル8ミリリットルとの混合物に氷水冷却下(2℃)、無水ピバル酸2.50gを溶解したアセトニトリル溶液8ミリリットルを滴下し、さらに室温(20℃)で5時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液を−5℃に冷却し、10mMリン酸二水素カリウム水溶液2.1ミリリットルを加え室温(20℃)で1時間攪拌した後、塩化メチレン30ミリリットルと水8ミリリットルとを加えた後、分液し有機層を得た。得られた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液8ミリリットルと飽和食塩水8ミリリットルで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行い濃縮物を得た。得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;ヘキサン:塩化メチレン=1:1)で精製して淡黄色油状物を得た。得られた淡黄色油状物に、エタノ−ル10ミリリットルを加えて攪拌して、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過・乾燥して2−ピバロイルオキシ−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン1.37gを得た。
融点;118〜120℃
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δppm)
1.31(s,9H)、2.77(m,2H)、2.88(m,2H)、3.53(d,1H)、3.65(d,1H)、3.72(s,3H)、4.90(s,1H)、6.26(s,1H)、7.24〜7.31(m,2H)、7.40(m,1H)、7.68(m,1H)。
マススペクトル(CI):
422、362、278、238、154
参考例4:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン1.0g、トリエチルアミン0.46g、4−ジメチルアミノピリジン14mgとアセトニトリル3ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で0.25時間攪拌した後、無水酢酸0.46gを溶解したアセトニトリル溶液2ミリリットルを滴下し、さらに室温(20℃)で1時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に10mMリン酸二水素カリウム水溶液3.3ミリリットルを加え、室温(20℃)で1時間攪拌し析出結晶を得た。得られた析出結晶を、濾過、乾燥して2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン0.76gを得た。
融点;120〜121℃
参考例5:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの代わりに2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン1.0gを用いたほかは、参考例4と同様に反応、処理を行って、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン0.70gを得た。
参考例6:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンの代わりに2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン1.0gを用いたほかは、参考例4と同様に反応、処理を行って、2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン0.66gを得た。
参考例7:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン6.7g、トリエチルアミン3.04g、4−ジメチルアミノピリジン0.2gとテトラヒドロフラン15ミリリットルとの混合物に室温(20℃)で0.25時間攪拌した後、無水酢酸4.7gを溶解したテトラヒドロフラン溶液7ミリリットルを滴下し、さらに室温(20℃)で4.5時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液を−10℃に冷却し、10mMリン酸二水素カリウム水溶液1.1ミリリットルをゆっくりと滴下し、−10℃で1時間攪拌した後、さらに10mMリン酸二水素カリウム水溶液9.9ミリリットルとエタノ−ル11ミリリットルとの溶液を滴下し、−10℃で0.5時間攪拌して析出結晶を得た。得られた析出結晶を、濾過、乾燥して2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン5.1gを得た。
参考例8:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン300mgと酢酸3ミリリットルとの混合物を室温(20℃)で0.25時間攪拌して反応させた。
得られた混合溶液に、塩化アセチル79mgを溶解した酢酸溶液0.5ミリリットルを加えて、更に室温(20℃)で4時間攪拌した。その後、塩化アセチル552mgを加えて、室温(20℃)で一夜静置して反応させた。
得られた反応溶液に、トルエン20ミリリットルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液80ミリリットルとを加え、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って濃縮物を得た。得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン180mgを得た。
参考例9:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
無水酢酸530mgとp−トルエンスルホン酸1水和物230mgとの混合物を室温(20℃)で0.5時間攪拌して混合溶液を得た。得られた混合溶液に、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン500mgを加え、室温(20℃)で21時間攪拌した後、無水酢酸530mgを加えてさらに50時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に、トルエン20ミリリットルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ミリリットルとを加え、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って濃縮物を得た。得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン310mgを得た。
参考例10:2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン(化合物番号72の化合物)
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン500mg、酢酸5ミリリットルとp−トルエンスルホン酸1水和物230mgとの混合物を室温(20℃)で3時間攪拌して混合溶液を得た。得られた混合溶液に、無水酢酸530mgを加えて室温(20℃)で88時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に、トルエン20ミリリットルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液120ミリリットルとを加え、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行って濃縮物を得た。得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し2−アセトキシ−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン360mgを得た。
以下に参考例11−1および11−2によって5−アルキル−5,6,7、7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン類の塩の製法を説明する。
参考例11−1:5−(2−クロロベンジル)−5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン8.23g、p−トルエンスルホン酸一水和物4.31gと塩化メチレン40ミリリットルとの混合物を40℃で2時間攪拌して析出結晶を得た。得られた析出結晶を濾過し、塩化メチレン20ミリリットルで洗浄し、減圧乾燥して5−(2−クロロベンジル)−5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩7.85g得た。
融点;224〜225.5℃(分解)
参考例11−2:5−(2−クロロベンジル)−5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・シュウ酸塩
参考例11−1で得られた5−(2−クロロベンジル)−5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・p−トルエンスルホン酸塩3.00g、水100ミリリットル、塩化メチレン120ミリリットルと炭酸ナトリウム1.41gとの混合物を、25℃で20分間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に分液操作を行って、水層を分離し有機層を得た。得られた有機層を水100ミリリットルで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮を行って濃縮物を得た。得られた濃縮物をアセトン10ミリリットルに溶解してアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液に、シュウ酸0.66gを溶解したアセトン20ミリリットルを加えて、室温(20℃)で1時間攪拌して析出結晶を得た。得られた析出結晶を濾過し、アセトン30ミリリットルで洗浄し、減圧乾燥して5−(2−クロロベンジル)−5,6,7,7a−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン・シュウ酸酸塩2.42gを得た。エタノ−ルより再結晶した後の結晶の融点は163℃であった。
以下に参考例12−1〜12−2によりハロゲン化アルキル類の製法を説明する。
参考例12−1:2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド(化合物番号60)
シクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン6.00gと塩化メチレン40mlとの混合物を氷で冷却しながら、攪拌して混合溶液を得た。得られた混合溶液に、液温が5℃以上にならないように保ちながら、塩化スルフリル4.45g(33mmol)を滴下し、徐々に室温(20℃)まで液温を上昇させた後、1.5時間攪拌して反応させた。
得られた反応溶液に冷水(10℃)30ミリリットルを、最初は極めてゆっくりと滴下し、滴下後0.25時間攪拌し、分液操作を行って有機層を得た。得られた有機層を、水30ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ミリリットル、水20ミリリットルの順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行ってオイル状の残渣7.1gを得た。得られた残渣についてガスクロマトグラフ分析を行った結果、本残渣中の2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライドの含有率は80%であった。
ガスクロマトグラフ分析条件
Figure 0003840662
参考例12−2:2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライド
塩化スルフリルの代わりに塩素ガスを33mmol使用したほかは、参考例12−1と同様の反応、処理を行って、2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライドを得た。残渣中の2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライドの含有率は80%であった。
以下に参考例13−1〜13−3によりシクロプロピル 2−ハロベンジルケトン類の製法を説明する。
参考例13−1:シクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン
2−ブロモプロパン30.7g、マグネシウム6.08gとテトラヒドロフラン125ミリリットルより調製した、イソプロピルマグネシウムブロマイド溶液に、2−フルオロフェニル酢酸15.3gを溶解したテトラヒドロフラン75ミリリットルを、1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を室温(20℃)から還流温度(67℃)まで上昇させ、更に3時間反応させて反応溶液1を得た。得られた反応溶液1を5℃まで冷却し、シクロプロパンカルボン酸エチル10.8gを溶解したテトラヒドロフラン20ミリリットルを20分間で滴下した。滴下終了後、反応温度を5℃から還流温度(68℃)まで上昇させ、更に3時間反応させて反応溶液2を得た。得られた反応溶液2を室温(20℃)まで冷却した後、水12ミリリットルを加え、2N−塩酸125ミリリットルを加えて中和し、中和溶液を得た。得られた中和溶液に分液操作を行って、水層を分離し有機層を得た。分離した水層を塩化メチレン10ミリリットルで抽出して抽出溶液を得た(2回)。得られた有機層と抽出溶液とをあわせた塩化メチレン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ミリリットルで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮、減圧蒸留を行ってシクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン9.5gを得た。
沸点110〜112℃/4mmHg
参考例13−2:シクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン
2−ブロモプロパンに代えて2−クロロプロパン19.6g使用したほかは、参考例13−1と同様の反応、処理を行って、シクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン9.5gを得た。
参考例13−3:シクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン
シクロプロパンカルボン酸エチルに代えてシクロプロパンカルボン酸メチル9.5g使用したほかは、参考例13−1と同様の反応、処理を行って、シクロプロピル 2−フルオロベンジルケトン9.5gを得た。

Claims (15)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003840662
    式中、R1、R2及びR3は、独立して、炭素数1〜10のアルキル基又はアリ−ル基を示す,
    で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類及びその塩。
  2. 1〜R3が、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である請求の範囲第1項記載の2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類及びその塩。
  3. 該化合物が、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその塩、
    2−トリイソプロピルシリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその塩、及び
    2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその塩から成る群より選ばれたものである請求の範囲第1項記載の2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類及びその塩。
  4. 式(II)
    Figure 0003840662
    で表される5,6,7,7a−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−2−オン又はその互変異性体と、
    一般式(III)
    Figure 0003840662
    式中、R1、R2及びR3は、独立して、炭素数1〜10のアルキル基又はアリ−ル基を示し;Xはハロゲン原子を示す,
    で表されるハロゲン化シランとを、三級アミンの存在下に反応させることを特徴とする一般式(I)
    Figure 0003840662
    式中、R1、R2、R3及びXは前記と同じ意味を示す,
    で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法。
  5. 三級アミンがトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンである請求の範囲第4項記載載の製造方法。
  6. ハロゲン化シランが、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン及びトリイソプロピルクロロシランから成る群より選ばれた化合物である請求の範囲第4項記載載の製造方法。
  7. 一般式(IV)
    Figure 0003840662
    式中、R1、R2及びR3は、独立して、炭素数1〜10のアルキル基又はアリ−ル基を示し;R4は水素原子、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルカルボニル基を示し;R5はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す,
    で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類。
  8. 1〜R3が、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基である請求の範囲第7項記載の5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類。
  9. 4が、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基部分を含むアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルキル基部分を含むアシル基及び炭素数3〜6のシクロアルキル基部分を含むシクロアルキルカルボニル基から成る群より選択されたものである請求の範囲第7項記載の5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類。
  10. 5が、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のアルコキシ基から成る群より選択されたものである請求の範囲第7項記載の5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類。
  11. 該化合物が、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−メトキシカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−トリイソプロピルシリルオキシ−5−(2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−トリイソプロピルシリルオキシ−2−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、
    2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、及び
    2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−5−(α−シクロプロピルカルボニル−2−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジンから成る群より選ばれたものである請求の範囲第7項記載の5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類。
  12. 一般式(I)
    Figure 0003840662
    式中、R1、R2及びR3は、独立して、炭素数1〜10のアルキル基又はアリ−ル基を示す,
    で表される2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類又はその塩と、
    一般式(VII)
    Figure 0003840662
    式中、R4は水素原子、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数4〜10のシクロアルキルカルボニル基を示し;R5はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し;Xはハロゲン原子を示す,
    で表されるハロゲン化アルキルとを、三級アミンの存在下に反応させることを特徴とする一般式(IV)
    Figure 0003840662
    式中、R1〜R5及びXは前記と同じ意味を示す,
    で表される5−アルキル−2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン類の製造方法。
  13. 2−シリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン化合物が、
    2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその塩、
    2−トリイソプロピルシリルオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその塩、及び
    2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン及びその塩から成る群より選ばれたものである請求の範囲第12項記載の製造方法。
  14. ハロゲン化アルキルが、2−クロロベンジルクロライド、2−フルオロベンジルクロライド、2−クロロ−α−メトキシカルボニルベンジルブロマイド及び2−フルオロ−α−シクロプロピルカルボニルベンジルクロライドから成る群より選ばれた化合物である請求の範囲第12項記載載の製造方法。
  15. 三級アミンがトリエチルアミン、トリブチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンである請求の範囲第12項記載載の製造方法。
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