JP3556256B2 - N,n−二置換スルホンアミド懸垂基を有する重合体およびその使用 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、N,N−二置換スルホンアミド基を有するモノマー、N,N−二置換スルホンアミド懸垂基を有する重合体、および下記のa)〜c)を含んでなる放射線感応性混合物に関するものである。
a)化学線放射の影響下で酸を形成する化合物、
b)酸により開裂し得る化合物であって、その開裂生成物が水性−アルカリ性現像剤中でその出発化合物よりも高い溶解性を有する化合物、および
c)水には不溶であるが、アルカリ水溶液中に可溶であるか、または少なくとも膨潤し得る重合体状バインダー。
【0002】
オフセット印刷版およびフォトレジストの製造には、基材および放射線感応性層を含む記録材料が特に好適である。
【0003】
ポジ型放射線感応性記録層、すなわち照射された区域における溶解性が照射されていない区域における溶解性よりも大きい層、は公知である。その様な層における感光性成分としては、オルト−ナフトキノンジアジドが特に広く使用されている。しかし、これらの層の光感度は一般的に十分ではない。
【0004】
対照的に、いわゆる「化学的に強化された」混合物は、量子収率が1より大きいので、より高い光感度を示す。ポジ型の「化学的に強化された」混合物は、一般的に酸形成化合物および酸により開裂し得る化合物を含み、その開裂生成物は元の化合物よりも水性アルカリ現像剤に対する溶解性が高い。
【0005】
これまで使用されている酸により開裂し得る化合物は、ヒドロキシルまたはアミノ成分として芳香族化合物(US−A 3779778号明細書)およびオルトエステルおよびアミドアセタール(DE−B 2610842号明細書)を含む単量体および重合体アセタールおよびO,N−アセタールである。放射線感応性ポジ型混合物は、重合体オルトエステル(EP−B 0022571号明細書)、重合体脂肪族アセタール(DE−A 2718254号明細書)、エノールエーテル(EP−B 0006627号明細書)およびN−アシルイミノ炭酸エステル(EP−B 0006626号明細書)を使用しても得られる。この種の混合物は、開裂反応を開始させるために、光化学的に発生させた酸だけではなく、水をも必要とするので、実際の用途において問題が生じる。その上、これらの化合物の多くは容易に入手できない。
【0006】
照射により酸を生じる化合物を含み、懸垂した、酸に敏感なt−ブトキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニルオキシ基を有する重合体をも含むポジ型放射線感応性混合物はEP−A 0102450号明細書およびEP−A 0366590号明細書に記載されている。類似の、ただし該重合体の代わりに酸に敏感な基を有する低分子量化合物を含む、混合物はEP−A 0249139号明細書に開示されている。一般的に、分子量が1000未満である低分子量化合物における酸に敏感な基としては、特にt−ブトキシ、t−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルオキシ、1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニルおよびトリメチルシラニルオキシ基が開示されている。その様な系は開裂反応に水を必要としないが、欠点が無い訳でもない。例えば、これらの系は比較的高い「ダークアブレーション」(dark ablation) を示す、すなわち現像剤に対する放射線感応性層の溶解度が非露光領域においても比較的高く、そのために露光領域と非露光領域の間の差が乏しくなる。
【0007】
本発明の目的は、簡単で、経済的に製造することができ、化学線放射−特にエキシマレーザーや高圧水銀ランプからの放射線に対する感度が高いポジ型の「化学的に強化された」混合物に特に好適な、酸により開裂し得る化合物を開発することである。
【0008】
この目的は、本発明により、式−R3 −N(CO−OR2 )−SO2 −R1 (I)または−R3 −SO2 −N(CO−OR2 )−R1 (II)
(式中、
R1 は(C1 〜C20)アルキル、(C3 〜C10)シクロアルキル、(C6 〜C14)アリールまたは(C7 〜C20)アラルキル基であり、アルキルを含む基中の個々のメチレン基は所望によりヘテロ原子により置換されており、
R2 は(C3 〜C11)アルキル、(C3 〜C11)アルケニルまたは(C7 〜C11)アラルキル基であり、
R3 は非置換または置換(C1 〜C12)アルキレン、(C3 〜C12)シクロアルキレン、(C6 〜C15)アリーレンまたは(C8 〜C20)アリーレンジアルキル基である。)
のN,N−二置換スルホンアミド基を有するモノマー、および少なくとも5モル%の、式Iおよび/またはIIの懸垂基を含む単位を有する重合体により達成される。
【0009】
R2 は、好ましくは(C3 〜C6 )アルキル基、特に好ましくはイソプロピル、sec−ブチルまたはt−ブチル基、である。
【0010】
例が示す様に、重合体は好ましくは10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%、の、式IまたはIIの基を有する単位を含む。したがって、一般的に単独重合体よりも共重合体が好ましい。重合体の分子量は一般的に2,000〜100,000、好ましくは5,000〜50,000、である。
【0011】
好適なコモノマーは、一般的に、酸により開裂し得る基を含まないすべての重合可能な化合物である。「酸により開裂し得ない」とは、本明細書では、それらの基が本発明による混合物中で生じる酸により開裂しないことを意味する。その様なコモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、(C1 〜C10)アルキルのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(C6 〜C10)アリールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル(特にアクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニルおよびモノメタクリル酸ピロカテコール)、アクリルアミド、メタクリルアミド、所望により置換したN−(C1 〜C10)アルキルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド(特にN−(2−ヒドロキシエチル)のアクリルアミドおよびメタクリルアミド)、N,N−ジ(C1 〜C10)アルキルアクリルアミド、N−フェニルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド、N,N−ジフェニルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド、N−(C1 〜C10)アルキル−N−(C6 〜C10)アリールアクリルアミド(特にN−フェニル−N−メチルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド)、N−フタルイミドメチルメタクリルアミド、アリル化合物、例えばアリルエステルおよびアリルオキシエタノール、ビニル化合物、例えばビニルエーテルおよびビニルエステル、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ヒドロキシスチレン、アルキルヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、そして最後にアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。それ程好ましい訳ではないが、ある種の条件下では、酸により開裂し得る基を含むコモノマーを使用するのもよい。
【0012】
式IのN,N−二置換スルホンアミド基を有する好ましいモノマーは、R1 −SO2 −N(CO−OR2 )−R3 −O−CO−CR4 =CH2 であり、式IIの基を有する好ましいモノマーは、R1 −N(CO−OR2 )−SO2 −R3 −O−CO−CR4 =CH2 である(ここで、R4 は水素原子またはメチル基である)。したがって好ましいモノマーはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである。
【0013】
N,N−二置換スルホンアミド基を有するモノマーは、対応するN−一置換スルホンアミド基を有する化合物を、触媒量の有機塩基、例えば4−ジメチルアミノピリジン、の存在下で、アルコール成分として基−OR2 を含む活性化炭酸エステルと反応させることにより製造できる。
【0014】
N−一置換スルホンアミドは、当業者には公知の方法により、スルホン酸および第一級アミンから製造することができる。式IIの基を有するモノマーの製造では一般的にモノアミンを使用する。好ましいモノアミンは、1〜12個、特に好ましくは1〜6個、の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、1−メチルブチルアミン、2−メチルブチルアミンおよびヘキシルアミンである。また、3〜12個、特に好ましくは5〜8個、の炭素原子を有するシクロアルキルアミン、例えばシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミンおよびシクロオクチルアミンも好ましい。芳香族モノアミンの中では、6〜15個の炭素原子を有するアミンが好ましく、それらの芳香族部分は特にハロゲン原子、アルキルまたはアルコキシ基で置換することができる。好ましい芳香族アミンの例としては、アニリン、4−メチルアニリン、4−エチルアニリン、4−メトキシアニリン、3−メトキシアニリン、4−エトキシアニリン、4−フェノキシアニリン、ナフチルアミン、ビフェニルアミン、1−および2−アミノアントラセンおよび9−アミノフェナントレンがある。アラルキルアミンの中で、7〜20個の炭素原子を有する化合物が好ましい。これらの化合物は芳香族アミンと同様に置換されていてもよい。それらの例としては、ベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2,2−および3,3−ジフェニルプロピルアミンがある。
【0015】
式Iの基を有するモノマーの製造には、重合可能なオレフィン性不飽和基またはその様な重合可能な基と結合する官能基を有する第一アミンを使用する。上記のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの製造に特に好適なのはヒドロキシアミン、例えばエタノールアミン、である。その水酸基を例えば無水メタクリル酸と反応させることにより、重合可能な二重結合を導入することができる。
【0016】
モノマーの製造に使用するスルホン酸には、アミンと同じことが言える。式Iの基を有するモノマーの製造に好ましいスルホン酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ペルフルオロプロパンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸である。したがって、式IIの基を有するモノマーの製造には、式Iの基を有するモノマーを製造するためのアミンと同様に官能化されたスルホン酸を使用する。官能化されたスルホン酸の例は4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸である。
【0017】
反応には一般的にスルホン酸をそのままでは使用せず、反応性がより高い、いわゆる「活性化された」形で使用する。これらの化合物には、特にハロゲン化スルホニル、とりわけ塩化スルホニル、がある。
【0018】
いわゆる「活性化された炭酸エステル」は、N−一置換スルホンアミドを−CO−OR2 でアシル化できる化合物である。これらの化合物は、特に、二炭酸ジアルキル(=ピロ炭酸ジアルキルエステル)である。特に好ましいのは二炭酸ジ−t−ブチル(=O[CO2 −C(CH3 )3 ]2 )である。
【0019】
N−一置換スルホンアミドと活性化炭酸エステルの反応は、反応条件下で反応混合物の他の成分と不可逆的な反応を起こさない溶剤中で、N−一置換スルホンアミドのモル量に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.05〜2モル%、の有機塩基の存在下で行うのが好ましい。該塩基は好ましくは第三級アミン、例えばジアルキルアミノピリジン、である。好適な溶剤は、特にテトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ブタノン(=メチルエチルケトン)である。N−一置換スルホンアミドおよび有機塩基を溶解した形で最初に導入し、この混合物に活性化された炭酸エステルを徐々に加えるのが有利であることが分かった。反応は一般的に0〜80℃、好ましくは10〜50℃、の温度で行う。次いで反応混合物を水中に注ぎ込み、沈殿物を濾過し、乾燥させるか、あるいは減圧下で単純に揮発性成分を除去することにより、反応生成物を十分な純度で分離することができる。必要であれば、再結晶、再沈殿、蒸留により、あるいは分取クロマトグラフィー法により、さらに精製することができる。
【0020】
本発明はさらに、
a)活性線放射の影響下で酸を形成する化合物、および
b)酸により開裂し得る化合物であって、その開裂生成物が水性−アルカリ性現像剤中でその出発化合物よりも高い溶解性を有する化合物
を含む放射線感応性混合物であって、酸により開裂し得る化合物b)が式IまたはIIのN,N−二置換スルホンアミド懸垂基を有する単位を少なくとも5モル%有する重合体である混合物を提案するものである。
【0021】
化学線放射の影響下で好ましくは強酸を形成する化合物a)としては、とりわけ、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウムおよびヨードニウム塩、ハロゲン化合物、o−キノンジアジドスルホクロリド、エステルおよびアミドおよび有機金属/有機ハロゲンの組合わせが好適である。該ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウムおよびヨードニウム化合物は、原則として、有機溶剤に可溶なそれらの塩の形で、特にスルホン酸塩、とりわけトリフルオロメタンスルホン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩またはヘキサフルオロヒ酸塩の形で使用する。しかし、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸のハロゲン化物、エステルおよびアミドを使用することもできる。しかし、o−キノンジアジドを照射することにより形成されるインデンカルボン酸の酸性度は、十分な画像形成にはほとんど適していない。したがって、この群の中で、照射により3つの酸機能が形成されるので、比較的大きな強化ファクターが得られる1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが好ましい。最後に、好適な酸形成剤には、有機ハロゲン化合物、例えば炭素原子または芳香族環の上に1個より多いのハロゲン原子を有する化合物も含まれる。該ハロゲン含有化合物のスペクトル感度は、それ自体公知の増感剤により増加させることができる。特に好適な酸形成剤の例は、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、4−ジ−プロピルアミノベンゼンジアゾニウムのテトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸塩、2,5−ジ−エトキシ−4−p−トリルメルカプトベンゼンジアゾニウムのテトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸塩、4−アニリノベンゼンジアゾニウムの硫酸塩および4−ジエチルアミノベンゼンジアゾニウムのトリフルオロメタンスルホン酸塩、ならびに実施例の項に記載の化合物である。4−メチル−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(4−メトキシスチリル)−6−(3,3,3−トリクロロプロペニル)−2−ピロン、2−トリクロロメチルベンズイミダゾール、2−トリブロモメチルキノリン−4−オン、2,4−ジメチル−1−トリブロモアセチルベンゼン、3−ニトロ−1−トリブロモアセチルベンゼン、4−ジブロモアセチル安息香酸、1,4−ビス−ジブロモメチル−ベンゼン、置換4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、例えば2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)−、2−(ナフタレン−1−イル)−、2−(ナフタレン−2−イル)−、2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフタレン−1−イル]−、2−ベンゾピラン−3−イル、2−フェナントレン−9−イル−および2−(4−メトキシアントラセン−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジンおよびトリス−ジブロモメチル−s−トリアジンを使用することもできる。
【0022】
混合物中の酸形成剤a)の比率は混合物の組成により異なる。混合物中の固体の総重量に対して約0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%、で良好な結果が得られている。特に厚さが10μm を超える複写層の場合、比較的少量の酸形成剤を使用するのが有利である。
【0023】
酸により開裂し得る重合体b)の比率は、混合物中の固体の総重量に対して一般的に約30〜98重量%、好ましくは50〜95重量%、である。
【0024】
本発明による、酸により開裂し得る化合物に加えて、混合物中には他の物質も存在できる。これらの物質は、特にt−ブトキシカルボニル基を含む重合体である。しかし、その様な酸により開裂し得る他の化合物を含む混合物は一般的に好ましくない。
【0025】
必要であれば、混合物はさらに重合体状有機バインダーを含むことができる。特に好適な重合体状バインダーはフェノール樹脂、特にクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック(融点がDIN53181により105〜120℃)およびフェノール−ホルムアルデヒドノボラック(融点がDIN53181により110〜120℃)、である。
【0026】
バインダーの種類および量は用途により異なるが、混合物中の固体の総重量に対して好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%、である。
【0027】
酸の作用によりアルカリ溶解性が増加するバインダーも、本発明の混合物中に使用できる。その様なバインダーは、例えばポリヒドロキシスチレンであって、そのフェノール性OH基は、アルカリ溶解性を下げる、酸に敏感な基を備えている。本発明による化合物は、混合物の感光性に悪影響を及ぼさずに、ダークアブレーションを著しく低下させる。
【0028】
他のアルカリ可溶性樹脂、例えばメタクリル酸およびメタクリル酸メチル、酢酸ビニルおよびクロトン酸、ならびに無水マレイン酸およびスチレンから得られる共重合体、も同様にバインダーとして好適である。
【0029】
さらに、他の多くの樹脂、好ましくはビニル重合体、例えばポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸エステル、ポリ(ビニルエーテル)、およびポリ(ビニルピロリドン)、も同時に使用できるが、これらの樹脂はコモノマーにより変性してあってもよい。これらの樹脂の最も有利な比率は使用上の必要条件および現像条件に対する影響により異なる。その比率は一般的に、混合物中の固体の総重量に対して50重量%以下である。
【0030】
特殊な要件、例えばたわみ性、接着性または光沢、を満たすために、放射感応性混合物はさらにポリグリコール、セルロース誘導体、例えばエチルセルロース、湿潤剤、染料および細かく分散した顔料、の様な物質を含んでよい。特に有用であることが分かっている染料は、特にカルビノール塩基の形のトリフェニルメタンである。各成分の最も有利な量的比率はそれぞれの場合に対して実験により容易に見出だすことができる。
【0031】
最後に、本発明は基材および本発明の混合物を含む放射線感応性層を含む記録材料にも関する。記録材料は通常、基材を混合物の溶液で被覆することにより製造される。
【0032】
本発明の放射線感応性混合物に好適な溶剤は、(イ)ケトン、例えばメチルエチルケトン、(ロ)塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレンや1,1,1−トリクロロエタン、(ハ)アルコール、例えばn−プロパノール、(ニ)エーテル、例えばテトラヒドロフラン、(ホ)グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、および(ヘ)エステル、例えば酢酸ブチル、である。また、特殊な目的のために溶剤、例えばアセトニトリル、ジオキサンまたはジメチルホルムアミド、をさらに含むことがある混合物を使用することも可能である。原則的に、層の成分と不可逆的に反応しないすべての溶剤を使用することができる。しかし、溶剤は、意図する塗布方法、層の厚さおよび乾燥装置を考慮して選択されるべきである。実験的な量で約5μm までの薄い層は、好ましくはスピンコーティングにより塗布する。60μm を超える層厚は、固体含有量が約40%までの溶液を、回転ディスクに1回塗布することにより、またはドクターナイフを使用することにより、達成できる。両面コーティングは好ましくは浸し塗りにより行い、表面を急速に乾燥させるのが有利であり、これは低沸点溶剤を使用して行うことで達成される。細片状の基材にはシートダイスを使用してコーティング溶液をスプレーすることにより、あるいはローラーを使用して塗布することができる。各種の板、例えば亜鉛または多金属板、はカーテンコーティングにより被覆することができる。
【0033】
他のポジ型層、特にo−ナフトキノンジアジド系の層と比較して、本発明の混合物の感光性は厚さによりあまり変化しないので、より厚い層を形成することもできる。厚さが100μm 以上の層を露光および処理することも可能である。
【0034】
層厚が10μm を超える場合に好適な基材はプラスチックシートであり、これは転写層のための一時的な基材として役立つ。この目的およびカラーシートには、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート製、のシートが好ましい。しかし、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、のシートも同様に好適である。層の厚さが10μm 未満である場合、使用するフィルム基材は通常は金属である。オフセット印刷板は、機械的に、または電気化学的に粗面化し、所望によりアノード処理したアルミニウムを使用して製造できるが、そのアルミニウムは化学的に前処理(例えばポリビニルホスホン酸、ケイ酸塩またはリン酸塩で)することができる。また、最上層としてCu/Crまたは黄銅/Crを有する多金属板も好適である。凸版印刷板の製造には、本発明の混合物から製造した層を亜鉛またはマグネシウム板、またはパウダーレスエッチングにはそれらの市販の微結晶合金に、あるいはエッチング可能なプラスチック、例えばポリオキシメチレン、に塗布することができる。ロトグラビアまたはハーフトーン版用には、これらの層が、良好な密着性および銅またはニッケル表面上の耐侵食性のために好適である。同様に、これらの層はフォトレジストおよび化学研削にも使用できる。
【0035】
最後に、絶縁板の片面または両面を銅で被覆したプリント回路基板、所望により前処理して密着性を強化したガラスまたはセラミック材料、およびとりわけ、所望により表面に窒化物または酸化物の層を有することがあるシリコンウエハー、上に、直接、または一時的な基材から乾燥した層を転写することにより、コーティングを施すことができる。さらに、木、織物、および投影により画像形成するのが好ましく、アルカリ性現像剤に対して耐性がある多くの材料、の表面に被覆することができる。
【0036】
コーティングは、通常の装置を使用し、通常の条件下で乾燥させることができる。コーティングは100℃前後の温度に、短時間ならば120℃までの温度に、放射線感応性が失われることなく、耐えることができる。
【0037】
照射は、放射線光源、例えば管状ランプ、パルス状発光キセノンランプ、金属ハロゲン化物でドーピングした高圧水銀蒸気ランプおよびカーボンアークランプ、を使用して行うことができる。さらに、従来の投影拡大装置で、金属フィラメントランプの下で照射することができる、あるいは通常の電球を使用して接触露光することもできる。あるいは、レーザーの干渉光で照射を行うこともできる。この目的に好適なレーザーは、高出力短波長レーザー、例えば193〜633nmの光を発生する、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、ダイレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーおよびエキシマレーザーである。レーザーは通常、コンピュータ制御でラスターまたはストローク状に記録層を通過させ、像様に照射する。
【0038】
電子線の照射によっても画像形成することができる。電子線は、他の多くの有機材料と同様に、本発明による混合物を完全に分解し、次いで架橋させることができるので、非照射区域を溶剤により、あるいはパターンを使用せずに露光し、現像することにより陰画像を形成することができる。電子線の強度がより低い、および/またはその書き込み速度が高い場合、電子線は反対に溶解度が高い方向で画像形成効果を有する、すなわち照射された層の部分を現像剤により除去することができる。選択すべき最も好ましい状態は実験により容易に決定することができる。
【0039】
像様に露光または照射した層は、必要であれば熱的な二次処理の後、市販のナフトキノンジアジド層およびフォトレジスト用の現像剤と事実上同じ現像剤で除去することができ、これらの新規な層は、それらの複写条件に関する限り、従来の手段、例えば現像剤やプログラム化したスプレー現像装置、に効果的に適合させることができる。現像剤水溶液は、例えばアルカリ金属のリン酸塩、ケイ酸塩または水酸化物を含み、さらに湿潤剤ならびに少量の有機溶剤を含むこともできる。場合により、水性アルカリ現像剤の代わりに、有機溶剤または有機溶剤と水の混合物を現像剤として使用することもできる。しかし、好ましい現像剤はアルカリ水溶液である。
【0040】
最も有利な現像剤は、それぞれの場合の層で実験することにより決定できる。必要であれば、現像を機械的に補助することもできる。印刷中の強靭性および浸出剤、補正剤およびUV光硬化性インクに対する耐性を高めるには、現像した板を短時間高温で加熱するとよい。
【0041】
以下に、N,N−二置換スルホンアミド基を有する本発明の好ましいモノマー、それらのモノマーにより製造した重合体、およびその重合体を使用して製造した好ましい感光性混合物の例を説明するが、本発明はそれらの例に限定されるものではない。例中、 pbwは重量部を表す。
【0042】
【実施例】
モノマーの製造
I.N−t−ブトキシカルボニル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド
a)エタノールアミン80mlに、氷冷しながら、塩化p−トルエンスルホニル100gを1.5時間かけて徐々に加える。次いでこの反応混合物を120℃に加熱して、その温度に3時間保持する。70℃に冷却した後、濃HCl60mlおよび水300mlの混合物を加える。10分間攪拌した後、塩化メチレン300mlを加え、有機相を分離して、MgSO4 で乾燥させる。回転蒸発装置で溶剤を除去した後、僅かに黄色がかった固体[N−(2−ヒドロキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド]111.6gが得られる。生成物はこれ以上精製せずに次の工程で使用できる。
【0043】
b)N−(2−ヒドロキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド8.9gをブタノン50mlに溶解させた溶液に、氷冷しながら、無水メタクリル酸6.8mlおよびトリエチルアミン6.3mlを滴下して加える。反応混合物が室温になった後、さらに4時間還流させる。冷却後、酢酸エチルを加え、混合物を水洗し、有機相を分離して、硫酸マグネシウムで乾燥させる。回転蒸発装置で溶剤を除去した後、オイル[N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド]11.2gが残留する。このオイル状生成物は次の工程に直接使用できる。
【0044】
c)前工程で得た粗製N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド11.8gを酢酸エチル50mlに溶解させる。攪拌しながら、最初に4−ジメチルアミノピリジン10mgを室温で加え、続いて二炭酸ジ−t−ブチル(ピロ炭酸ジ−t−ブチルエステル)9.2gを加える。反応終了後、反応混合物を10%NaOH水溶液で洗浄する。次いで有機相を分離して、MgSO4 で乾燥させる。回転蒸発装置で溶剤を除去した後、僅かに着色したオイル[N−t−ブトキシカルボニル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド]14gが残留する。
【0045】
1H−NMRスペクトル(60 MHz、溶剤としてCDCl3 、化学シフトをδスケールで ppmで表し、プロトンの数を括弧内に示す):1.3[9H]、1.95[3H]、2.45[3H]、4.0−4.6[4H]、5.55[1H]、6.15[1H]、7.15−7.4[2H]、7.65−7.95[2H]。
【0046】
II.N−t−ブトキシカルボニル−4−メタクリロイルオキシ−N−フェニルベンゼンスルホンアミド
a)4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のNa塩200gを2N−NaOH水溶液500mlに溶解させ、続いて水200mlで希釈し、室温で攪拌しながら、クロロギ酸エチル120gを加える。混合物を一晩放置し、生じた沈殿(87g)を吸引濾別する。減圧下で溶剤を除去し、エタノールから再結晶させることにより、4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホン酸のNa塩(白色固体)がさらに129g得られる。総収量は216g(理論値の92%)である。
【0047】
b)十分に乾燥させた、a)で得た4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホン酸のNa塩95gをPCl5 95gと良く混合する。反応混合物はこの処理中に液化し、発熱する。この混合物を油浴(浴温度115℃)中でさらに2時間加熱し、室温で一晩放置し、氷上に注ぎ、塩化スルホニルを吸引濾別する。大量の冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させることにより、4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホニルクロリド88g(理論値の94%)が、融点(mp. )71〜72℃の白色固体として得られる。
【0048】
c)アニリン340mlを、攪拌しながら、少量ずつ、b)で得た4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホニルクロリド84gと混合する。混合物を55℃に4時間加熱し、室温に冷却し、半濃縮塩酸1.7リットル中に注ぎ込む。一晩放置した後、水相をデカンテーションする。保護基を完全に取り除くために、残留物を2N−NaOH水溶液1.7リットル中に取り、不溶物質を分離し、HClで酸性化することにより生成物を沈殿させる。吸引濾別し、H2 Oで洗浄し、乾燥した後、4−ヒドロキシベンゼンスルホアニリド(白色固体、mp. 140℃)54.5g(理論値の70%)が得られる。
【0049】
d)工程c)で製造した4−ヒドロキシベンゼンスルホアニリド50gをアセトン300mlに溶解させ、無水メタクリル酸35.6gを加え、冷却、攪拌しながら、温度が10℃を超えない様にして、トリエチルアミン22.3gを滴下する。反応溶液を室温にし、強く攪拌しながら、水3リットル中に滴下して加える。吸引濾別し、乾燥させた後、4−メタクリロイルオキシベンゼンスルホアニリド(白色固体、mp. 102〜103℃)61g(96%)が得られる。
【0050】
e)工程d)で製造した4−メタクリロイルオキシベンゼンスルホアニリド50gをアセトン300mlに溶解させ、攪拌しながら、4−ジメチルアミノピリジン1gを加え、二炭酸ジ−t−ブチル38gをアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下して加える。室温で4時間攪拌し続け、H2 O中に沈殿させる。吸引濾別および乾燥の後、N−t−ブトキシカルボニル−4−メタクリロイルオキシ−N−フェニルベンゼンスルホンアミド(白色固体、mp. 112〜114℃)59g(90%)が得られる。
【0051】
NMRスペクトル(60 MHz、CDCl3 ):1.3 ppm(9H)、2.1(3H)、5.8(1H)、6.4(1H)、7.2−7.6(7H)、8.0−8.2(2H)。
【0052】
例1〜20
IおよびIIの単独重合、および様々なコモノマー、例えばピロカテコールモノメタクリル酸エステル(PMA)やスチレン、を使用する共重合を、文献から公知の方法により行う。表1はIおよびIIを(モル%で表示の量で)使用して合成した重合体を示す。
【0053】
表1
例 I II PMA スチレン
1 10 − 90 −
2 30 − 70 −
3 50 − 50 −
4 70 − 30 −
5 90 − 10 −
6 10 − 85 5
7 15 − 80 5
8 15 − 75 10
9 10 − 80 10
10 20 − 75 5
11 20 − 70 10
12 − 10 90 −
13 − 10 85 5
14 − 10 80 10
15 − 15 85 −
16 − 15 80 5
17 − 15 75 10
18 − 20 80 −
19 − 20 75 5
20 − 20 70 10
【0054】
例21〜26
これらの例は、本発明による記録材料の製造および処理を示す。
電気化学的に活性化し、アノード処理したアルミニウムの板に
表1に示すバインダー 9.00 pbw
4−p−トリルメルカプト−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムのヘキサ
フルオロリン酸塩 0.50 pbw
クリスタルバイオレットベース 0.08 pbw
メチルエチルケトン 175 pbw
を含む溶液をスピンコーティングし、乾燥オーブン中で100℃に加熱して、層厚1.9μm とする。この板を110cmの距離から5 kW ハロゲン化金属ランプの下で、濃度ステップ0.15で13段を有するハーフトーンステップウェッジを通して露光し、次いで100℃で1分間加熱し、下記の組成を有する水性アルカリ現像剤中で30秒間現像する。
メタケイ酸ナトリウム・9H2 O 5.5 pbw
リン酸三ナトリウム・12H2 O 3.4 pbw
無水リン酸一ナトリウム 0.4 pbw
脱イオン水 90.7 pbw
【0055】
すべての場合で、写真原画の陽画像が得られる。表2は、ハーフトーンウェッジ4段目が完全にオープンの状態で板上に再現される露光時間を示す。
【0056】
表2
例 表1の重合体 露光時間(秒)
21 8 30
22 10 30
23 11 35
24 18 20
25 15 18
26 17 30
比較* − 75
* 標準ポジ型印刷板商品名「オザゾールp61 」(ヘキストAG)
【0057】
例27
この例は、N,N−二置換スルホンアミド基を含む重合体のポジ型オフセット印刷板用としての適性を示す。
電気化学的に活性化し、アノード処理したアルミニウムの板に
表1、No. 19に示すバインダー 9.00 pbw
4−p−トリルメルカプト−2,5−ジエトキシベンゼン
ジアゾニウムのヘキサフルオロリン酸塩 0.50 pbw
クリスタルバイオレットベース 0.08 pbw
メチルエチルケトン 175 pbw
を含む溶液をスピンコーティングし、乾燥オーブン中で100℃に加熱し、層厚1.9μm とする。この板を110cmの距離から5 kW ハロゲン化金属ランプの下で、濃度ステップ0.15で13段を有するハーフトーンステップウェッジを通して20秒間露光し、次いで100℃で1分間加熱しテ、水性アルカリ現像剤(組成については例21〜26参照)中で30秒間現像する。この様にして得られたポジ型印刷版はオフセット印刷機械で170,000部を超える良品質の印刷を行う。
本発明は、N,N−二置換スルホンアミド基を有するモノマー、N,N−二置換スルホンアミド懸垂基を有する重合体、および下記のa)〜c)を含んでなる放射線感応性混合物に関するものである。
a)化学線放射の影響下で酸を形成する化合物、
b)酸により開裂し得る化合物であって、その開裂生成物が水性−アルカリ性現像剤中でその出発化合物よりも高い溶解性を有する化合物、および
c)水には不溶であるが、アルカリ水溶液中に可溶であるか、または少なくとも膨潤し得る重合体状バインダー。
【0002】
オフセット印刷版およびフォトレジストの製造には、基材および放射線感応性層を含む記録材料が特に好適である。
【0003】
ポジ型放射線感応性記録層、すなわち照射された区域における溶解性が照射されていない区域における溶解性よりも大きい層、は公知である。その様な層における感光性成分としては、オルト−ナフトキノンジアジドが特に広く使用されている。しかし、これらの層の光感度は一般的に十分ではない。
【0004】
対照的に、いわゆる「化学的に強化された」混合物は、量子収率が1より大きいので、より高い光感度を示す。ポジ型の「化学的に強化された」混合物は、一般的に酸形成化合物および酸により開裂し得る化合物を含み、その開裂生成物は元の化合物よりも水性アルカリ現像剤に対する溶解性が高い。
【0005】
これまで使用されている酸により開裂し得る化合物は、ヒドロキシルまたはアミノ成分として芳香族化合物(US−A 3779778号明細書)およびオルトエステルおよびアミドアセタール(DE−B 2610842号明細書)を含む単量体および重合体アセタールおよびO,N−アセタールである。放射線感応性ポジ型混合物は、重合体オルトエステル(EP−B 0022571号明細書)、重合体脂肪族アセタール(DE−A 2718254号明細書)、エノールエーテル(EP−B 0006627号明細書)およびN−アシルイミノ炭酸エステル(EP−B 0006626号明細書)を使用しても得られる。この種の混合物は、開裂反応を開始させるために、光化学的に発生させた酸だけではなく、水をも必要とするので、実際の用途において問題が生じる。その上、これらの化合物の多くは容易に入手できない。
【0006】
照射により酸を生じる化合物を含み、懸垂した、酸に敏感なt−ブトキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニルオキシ基を有する重合体をも含むポジ型放射線感応性混合物はEP−A 0102450号明細書およびEP−A 0366590号明細書に記載されている。類似の、ただし該重合体の代わりに酸に敏感な基を有する低分子量化合物を含む、混合物はEP−A 0249139号明細書に開示されている。一般的に、分子量が1000未満である低分子量化合物における酸に敏感な基としては、特にt−ブトキシ、t−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルオキシ、1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニルおよびトリメチルシラニルオキシ基が開示されている。その様な系は開裂反応に水を必要としないが、欠点が無い訳でもない。例えば、これらの系は比較的高い「ダークアブレーション」(dark ablation) を示す、すなわち現像剤に対する放射線感応性層の溶解度が非露光領域においても比較的高く、そのために露光領域と非露光領域の間の差が乏しくなる。
【0007】
本発明の目的は、簡単で、経済的に製造することができ、化学線放射−特にエキシマレーザーや高圧水銀ランプからの放射線に対する感度が高いポジ型の「化学的に強化された」混合物に特に好適な、酸により開裂し得る化合物を開発することである。
【0008】
この目的は、本発明により、式−R3 −N(CO−OR2 )−SO2 −R1 (I)または−R3 −SO2 −N(CO−OR2 )−R1 (II)
(式中、
R1 は(C1 〜C20)アルキル、(C3 〜C10)シクロアルキル、(C6 〜C14)アリールまたは(C7 〜C20)アラルキル基であり、アルキルを含む基中の個々のメチレン基は所望によりヘテロ原子により置換されており、
R2 は(C3 〜C11)アルキル、(C3 〜C11)アルケニルまたは(C7 〜C11)アラルキル基であり、
R3 は非置換または置換(C1 〜C12)アルキレン、(C3 〜C12)シクロアルキレン、(C6 〜C15)アリーレンまたは(C8 〜C20)アリーレンジアルキル基である。)
のN,N−二置換スルホンアミド基を有するモノマー、および少なくとも5モル%の、式Iおよび/またはIIの懸垂基を含む単位を有する重合体により達成される。
【0009】
R2 は、好ましくは(C3 〜C6 )アルキル基、特に好ましくはイソプロピル、sec−ブチルまたはt−ブチル基、である。
【0010】
例が示す様に、重合体は好ましくは10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%、の、式IまたはIIの基を有する単位を含む。したがって、一般的に単独重合体よりも共重合体が好ましい。重合体の分子量は一般的に2,000〜100,000、好ましくは5,000〜50,000、である。
【0011】
好適なコモノマーは、一般的に、酸により開裂し得る基を含まないすべての重合可能な化合物である。「酸により開裂し得ない」とは、本明細書では、それらの基が本発明による混合物中で生じる酸により開裂しないことを意味する。その様なコモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、(C1 〜C10)アルキルのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(C6 〜C10)アリールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル(特にアクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニルおよびモノメタクリル酸ピロカテコール)、アクリルアミド、メタクリルアミド、所望により置換したN−(C1 〜C10)アルキルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド(特にN−(2−ヒドロキシエチル)のアクリルアミドおよびメタクリルアミド)、N,N−ジ(C1 〜C10)アルキルアクリルアミド、N−フェニルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド、N,N−ジフェニルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド、N−(C1 〜C10)アルキル−N−(C6 〜C10)アリールアクリルアミド(特にN−フェニル−N−メチルのアクリルアミドおよびメタクリルアミド)、N−フタルイミドメチルメタクリルアミド、アリル化合物、例えばアリルエステルおよびアリルオキシエタノール、ビニル化合物、例えばビニルエーテルおよびビニルエステル、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ヒドロキシスチレン、アルキルヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、そして最後にアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。それ程好ましい訳ではないが、ある種の条件下では、酸により開裂し得る基を含むコモノマーを使用するのもよい。
【0012】
式IのN,N−二置換スルホンアミド基を有する好ましいモノマーは、R1 −SO2 −N(CO−OR2 )−R3 −O−CO−CR4 =CH2 であり、式IIの基を有する好ましいモノマーは、R1 −N(CO−OR2 )−SO2 −R3 −O−CO−CR4 =CH2 である(ここで、R4 は水素原子またはメチル基である)。したがって好ましいモノマーはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである。
【0013】
N,N−二置換スルホンアミド基を有するモノマーは、対応するN−一置換スルホンアミド基を有する化合物を、触媒量の有機塩基、例えば4−ジメチルアミノピリジン、の存在下で、アルコール成分として基−OR2 を含む活性化炭酸エステルと反応させることにより製造できる。
【0014】
N−一置換スルホンアミドは、当業者には公知の方法により、スルホン酸および第一級アミンから製造することができる。式IIの基を有するモノマーの製造では一般的にモノアミンを使用する。好ましいモノアミンは、1〜12個、特に好ましくは1〜6個、の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、1−メチルブチルアミン、2−メチルブチルアミンおよびヘキシルアミンである。また、3〜12個、特に好ましくは5〜8個、の炭素原子を有するシクロアルキルアミン、例えばシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミンおよびシクロオクチルアミンも好ましい。芳香族モノアミンの中では、6〜15個の炭素原子を有するアミンが好ましく、それらの芳香族部分は特にハロゲン原子、アルキルまたはアルコキシ基で置換することができる。好ましい芳香族アミンの例としては、アニリン、4−メチルアニリン、4−エチルアニリン、4−メトキシアニリン、3−メトキシアニリン、4−エトキシアニリン、4−フェノキシアニリン、ナフチルアミン、ビフェニルアミン、1−および2−アミノアントラセンおよび9−アミノフェナントレンがある。アラルキルアミンの中で、7〜20個の炭素原子を有する化合物が好ましい。これらの化合物は芳香族アミンと同様に置換されていてもよい。それらの例としては、ベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2,2−および3,3−ジフェニルプロピルアミンがある。
【0015】
式Iの基を有するモノマーの製造には、重合可能なオレフィン性不飽和基またはその様な重合可能な基と結合する官能基を有する第一アミンを使用する。上記のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの製造に特に好適なのはヒドロキシアミン、例えばエタノールアミン、である。その水酸基を例えば無水メタクリル酸と反応させることにより、重合可能な二重結合を導入することができる。
【0016】
モノマーの製造に使用するスルホン酸には、アミンと同じことが言える。式Iの基を有するモノマーの製造に好ましいスルホン酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ペルフルオロプロパンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸である。したがって、式IIの基を有するモノマーの製造には、式Iの基を有するモノマーを製造するためのアミンと同様に官能化されたスルホン酸を使用する。官能化されたスルホン酸の例は4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸である。
【0017】
反応には一般的にスルホン酸をそのままでは使用せず、反応性がより高い、いわゆる「活性化された」形で使用する。これらの化合物には、特にハロゲン化スルホニル、とりわけ塩化スルホニル、がある。
【0018】
いわゆる「活性化された炭酸エステル」は、N−一置換スルホンアミドを−CO−OR2 でアシル化できる化合物である。これらの化合物は、特に、二炭酸ジアルキル(=ピロ炭酸ジアルキルエステル)である。特に好ましいのは二炭酸ジ−t−ブチル(=O[CO2 −C(CH3 )3 ]2 )である。
【0019】
N−一置換スルホンアミドと活性化炭酸エステルの反応は、反応条件下で反応混合物の他の成分と不可逆的な反応を起こさない溶剤中で、N−一置換スルホンアミドのモル量に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.05〜2モル%、の有機塩基の存在下で行うのが好ましい。該塩基は好ましくは第三級アミン、例えばジアルキルアミノピリジン、である。好適な溶剤は、特にテトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ブタノン(=メチルエチルケトン)である。N−一置換スルホンアミドおよび有機塩基を溶解した形で最初に導入し、この混合物に活性化された炭酸エステルを徐々に加えるのが有利であることが分かった。反応は一般的に0〜80℃、好ましくは10〜50℃、の温度で行う。次いで反応混合物を水中に注ぎ込み、沈殿物を濾過し、乾燥させるか、あるいは減圧下で単純に揮発性成分を除去することにより、反応生成物を十分な純度で分離することができる。必要であれば、再結晶、再沈殿、蒸留により、あるいは分取クロマトグラフィー法により、さらに精製することができる。
【0020】
本発明はさらに、
a)活性線放射の影響下で酸を形成する化合物、および
b)酸により開裂し得る化合物であって、その開裂生成物が水性−アルカリ性現像剤中でその出発化合物よりも高い溶解性を有する化合物
を含む放射線感応性混合物であって、酸により開裂し得る化合物b)が式IまたはIIのN,N−二置換スルホンアミド懸垂基を有する単位を少なくとも5モル%有する重合体である混合物を提案するものである。
【0021】
化学線放射の影響下で好ましくは強酸を形成する化合物a)としては、とりわけ、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウムおよびヨードニウム塩、ハロゲン化合物、o−キノンジアジドスルホクロリド、エステルおよびアミドおよび有機金属/有機ハロゲンの組合わせが好適である。該ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウムおよびヨードニウム化合物は、原則として、有機溶剤に可溶なそれらの塩の形で、特にスルホン酸塩、とりわけトリフルオロメタンスルホン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩またはヘキサフルオロヒ酸塩の形で使用する。しかし、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸のハロゲン化物、エステルおよびアミドを使用することもできる。しかし、o−キノンジアジドを照射することにより形成されるインデンカルボン酸の酸性度は、十分な画像形成にはほとんど適していない。したがって、この群の中で、照射により3つの酸機能が形成されるので、比較的大きな強化ファクターが得られる1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが好ましい。最後に、好適な酸形成剤には、有機ハロゲン化合物、例えば炭素原子または芳香族環の上に1個より多いのハロゲン原子を有する化合物も含まれる。該ハロゲン含有化合物のスペクトル感度は、それ自体公知の増感剤により増加させることができる。特に好適な酸形成剤の例は、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、4−ジ−プロピルアミノベンゼンジアゾニウムのテトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸塩、2,5−ジ−エトキシ−4−p−トリルメルカプトベンゼンジアゾニウムのテトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸塩、4−アニリノベンゼンジアゾニウムの硫酸塩および4−ジエチルアミノベンゼンジアゾニウムのトリフルオロメタンスルホン酸塩、ならびに実施例の項に記載の化合物である。4−メチル−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(4−メトキシスチリル)−6−(3,3,3−トリクロロプロペニル)−2−ピロン、2−トリクロロメチルベンズイミダゾール、2−トリブロモメチルキノリン−4−オン、2,4−ジメチル−1−トリブロモアセチルベンゼン、3−ニトロ−1−トリブロモアセチルベンゼン、4−ジブロモアセチル安息香酸、1,4−ビス−ジブロモメチル−ベンゼン、置換4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、例えば2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)−、2−(ナフタレン−1−イル)−、2−(ナフタレン−2−イル)−、2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフタレン−1−イル]−、2−ベンゾピラン−3−イル、2−フェナントレン−9−イル−および2−(4−メトキシアントラセン−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジンおよびトリス−ジブロモメチル−s−トリアジンを使用することもできる。
【0022】
混合物中の酸形成剤a)の比率は混合物の組成により異なる。混合物中の固体の総重量に対して約0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%、で良好な結果が得られている。特に厚さが10μm を超える複写層の場合、比較的少量の酸形成剤を使用するのが有利である。
【0023】
酸により開裂し得る重合体b)の比率は、混合物中の固体の総重量に対して一般的に約30〜98重量%、好ましくは50〜95重量%、である。
【0024】
本発明による、酸により開裂し得る化合物に加えて、混合物中には他の物質も存在できる。これらの物質は、特にt−ブトキシカルボニル基を含む重合体である。しかし、その様な酸により開裂し得る他の化合物を含む混合物は一般的に好ましくない。
【0025】
必要であれば、混合物はさらに重合体状有機バインダーを含むことができる。特に好適な重合体状バインダーはフェノール樹脂、特にクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック(融点がDIN53181により105〜120℃)およびフェノール−ホルムアルデヒドノボラック(融点がDIN53181により110〜120℃)、である。
【0026】
バインダーの種類および量は用途により異なるが、混合物中の固体の総重量に対して好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%、である。
【0027】
酸の作用によりアルカリ溶解性が増加するバインダーも、本発明の混合物中に使用できる。その様なバインダーは、例えばポリヒドロキシスチレンであって、そのフェノール性OH基は、アルカリ溶解性を下げる、酸に敏感な基を備えている。本発明による化合物は、混合物の感光性に悪影響を及ぼさずに、ダークアブレーションを著しく低下させる。
【0028】
他のアルカリ可溶性樹脂、例えばメタクリル酸およびメタクリル酸メチル、酢酸ビニルおよびクロトン酸、ならびに無水マレイン酸およびスチレンから得られる共重合体、も同様にバインダーとして好適である。
【0029】
さらに、他の多くの樹脂、好ましくはビニル重合体、例えばポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸エステル、ポリ(ビニルエーテル)、およびポリ(ビニルピロリドン)、も同時に使用できるが、これらの樹脂はコモノマーにより変性してあってもよい。これらの樹脂の最も有利な比率は使用上の必要条件および現像条件に対する影響により異なる。その比率は一般的に、混合物中の固体の総重量に対して50重量%以下である。
【0030】
特殊な要件、例えばたわみ性、接着性または光沢、を満たすために、放射感応性混合物はさらにポリグリコール、セルロース誘導体、例えばエチルセルロース、湿潤剤、染料および細かく分散した顔料、の様な物質を含んでよい。特に有用であることが分かっている染料は、特にカルビノール塩基の形のトリフェニルメタンである。各成分の最も有利な量的比率はそれぞれの場合に対して実験により容易に見出だすことができる。
【0031】
最後に、本発明は基材および本発明の混合物を含む放射線感応性層を含む記録材料にも関する。記録材料は通常、基材を混合物の溶液で被覆することにより製造される。
【0032】
本発明の放射線感応性混合物に好適な溶剤は、(イ)ケトン、例えばメチルエチルケトン、(ロ)塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレンや1,1,1−トリクロロエタン、(ハ)アルコール、例えばn−プロパノール、(ニ)エーテル、例えばテトラヒドロフラン、(ホ)グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、および(ヘ)エステル、例えば酢酸ブチル、である。また、特殊な目的のために溶剤、例えばアセトニトリル、ジオキサンまたはジメチルホルムアミド、をさらに含むことがある混合物を使用することも可能である。原則的に、層の成分と不可逆的に反応しないすべての溶剤を使用することができる。しかし、溶剤は、意図する塗布方法、層の厚さおよび乾燥装置を考慮して選択されるべきである。実験的な量で約5μm までの薄い層は、好ましくはスピンコーティングにより塗布する。60μm を超える層厚は、固体含有量が約40%までの溶液を、回転ディスクに1回塗布することにより、またはドクターナイフを使用することにより、達成できる。両面コーティングは好ましくは浸し塗りにより行い、表面を急速に乾燥させるのが有利であり、これは低沸点溶剤を使用して行うことで達成される。細片状の基材にはシートダイスを使用してコーティング溶液をスプレーすることにより、あるいはローラーを使用して塗布することができる。各種の板、例えば亜鉛または多金属板、はカーテンコーティングにより被覆することができる。
【0033】
他のポジ型層、特にo−ナフトキノンジアジド系の層と比較して、本発明の混合物の感光性は厚さによりあまり変化しないので、より厚い層を形成することもできる。厚さが100μm 以上の層を露光および処理することも可能である。
【0034】
層厚が10μm を超える場合に好適な基材はプラスチックシートであり、これは転写層のための一時的な基材として役立つ。この目的およびカラーシートには、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート製、のシートが好ましい。しかし、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、のシートも同様に好適である。層の厚さが10μm 未満である場合、使用するフィルム基材は通常は金属である。オフセット印刷板は、機械的に、または電気化学的に粗面化し、所望によりアノード処理したアルミニウムを使用して製造できるが、そのアルミニウムは化学的に前処理(例えばポリビニルホスホン酸、ケイ酸塩またはリン酸塩で)することができる。また、最上層としてCu/Crまたは黄銅/Crを有する多金属板も好適である。凸版印刷板の製造には、本発明の混合物から製造した層を亜鉛またはマグネシウム板、またはパウダーレスエッチングにはそれらの市販の微結晶合金に、あるいはエッチング可能なプラスチック、例えばポリオキシメチレン、に塗布することができる。ロトグラビアまたはハーフトーン版用には、これらの層が、良好な密着性および銅またはニッケル表面上の耐侵食性のために好適である。同様に、これらの層はフォトレジストおよび化学研削にも使用できる。
【0035】
最後に、絶縁板の片面または両面を銅で被覆したプリント回路基板、所望により前処理して密着性を強化したガラスまたはセラミック材料、およびとりわけ、所望により表面に窒化物または酸化物の層を有することがあるシリコンウエハー、上に、直接、または一時的な基材から乾燥した層を転写することにより、コーティングを施すことができる。さらに、木、織物、および投影により画像形成するのが好ましく、アルカリ性現像剤に対して耐性がある多くの材料、の表面に被覆することができる。
【0036】
コーティングは、通常の装置を使用し、通常の条件下で乾燥させることができる。コーティングは100℃前後の温度に、短時間ならば120℃までの温度に、放射線感応性が失われることなく、耐えることができる。
【0037】
照射は、放射線光源、例えば管状ランプ、パルス状発光キセノンランプ、金属ハロゲン化物でドーピングした高圧水銀蒸気ランプおよびカーボンアークランプ、を使用して行うことができる。さらに、従来の投影拡大装置で、金属フィラメントランプの下で照射することができる、あるいは通常の電球を使用して接触露光することもできる。あるいは、レーザーの干渉光で照射を行うこともできる。この目的に好適なレーザーは、高出力短波長レーザー、例えば193〜633nmの光を発生する、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、ダイレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーおよびエキシマレーザーである。レーザーは通常、コンピュータ制御でラスターまたはストローク状に記録層を通過させ、像様に照射する。
【0038】
電子線の照射によっても画像形成することができる。電子線は、他の多くの有機材料と同様に、本発明による混合物を完全に分解し、次いで架橋させることができるので、非照射区域を溶剤により、あるいはパターンを使用せずに露光し、現像することにより陰画像を形成することができる。電子線の強度がより低い、および/またはその書き込み速度が高い場合、電子線は反対に溶解度が高い方向で画像形成効果を有する、すなわち照射された層の部分を現像剤により除去することができる。選択すべき最も好ましい状態は実験により容易に決定することができる。
【0039】
像様に露光または照射した層は、必要であれば熱的な二次処理の後、市販のナフトキノンジアジド層およびフォトレジスト用の現像剤と事実上同じ現像剤で除去することができ、これらの新規な層は、それらの複写条件に関する限り、従来の手段、例えば現像剤やプログラム化したスプレー現像装置、に効果的に適合させることができる。現像剤水溶液は、例えばアルカリ金属のリン酸塩、ケイ酸塩または水酸化物を含み、さらに湿潤剤ならびに少量の有機溶剤を含むこともできる。場合により、水性アルカリ現像剤の代わりに、有機溶剤または有機溶剤と水の混合物を現像剤として使用することもできる。しかし、好ましい現像剤はアルカリ水溶液である。
【0040】
最も有利な現像剤は、それぞれの場合の層で実験することにより決定できる。必要であれば、現像を機械的に補助することもできる。印刷中の強靭性および浸出剤、補正剤およびUV光硬化性インクに対する耐性を高めるには、現像した板を短時間高温で加熱するとよい。
【0041】
以下に、N,N−二置換スルホンアミド基を有する本発明の好ましいモノマー、それらのモノマーにより製造した重合体、およびその重合体を使用して製造した好ましい感光性混合物の例を説明するが、本発明はそれらの例に限定されるものではない。例中、 pbwは重量部を表す。
【0042】
【実施例】
モノマーの製造
I.N−t−ブトキシカルボニル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド
a)エタノールアミン80mlに、氷冷しながら、塩化p−トルエンスルホニル100gを1.5時間かけて徐々に加える。次いでこの反応混合物を120℃に加熱して、その温度に3時間保持する。70℃に冷却した後、濃HCl60mlおよび水300mlの混合物を加える。10分間攪拌した後、塩化メチレン300mlを加え、有機相を分離して、MgSO4 で乾燥させる。回転蒸発装置で溶剤を除去した後、僅かに黄色がかった固体[N−(2−ヒドロキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド]111.6gが得られる。生成物はこれ以上精製せずに次の工程で使用できる。
【0043】
b)N−(2−ヒドロキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド8.9gをブタノン50mlに溶解させた溶液に、氷冷しながら、無水メタクリル酸6.8mlおよびトリエチルアミン6.3mlを滴下して加える。反応混合物が室温になった後、さらに4時間還流させる。冷却後、酢酸エチルを加え、混合物を水洗し、有機相を分離して、硫酸マグネシウムで乾燥させる。回転蒸発装置で溶剤を除去した後、オイル[N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド]11.2gが残留する。このオイル状生成物は次の工程に直接使用できる。
【0044】
c)前工程で得た粗製N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド11.8gを酢酸エチル50mlに溶解させる。攪拌しながら、最初に4−ジメチルアミノピリジン10mgを室温で加え、続いて二炭酸ジ−t−ブチル(ピロ炭酸ジ−t−ブチルエステル)9.2gを加える。反応終了後、反応混合物を10%NaOH水溶液で洗浄する。次いで有機相を分離して、MgSO4 で乾燥させる。回転蒸発装置で溶剤を除去した後、僅かに着色したオイル[N−t−ブトキシカルボニル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−p−トルエンスルホンアミド]14gが残留する。
【0045】
1H−NMRスペクトル(60 MHz、溶剤としてCDCl3 、化学シフトをδスケールで ppmで表し、プロトンの数を括弧内に示す):1.3[9H]、1.95[3H]、2.45[3H]、4.0−4.6[4H]、5.55[1H]、6.15[1H]、7.15−7.4[2H]、7.65−7.95[2H]。
【0046】
II.N−t−ブトキシカルボニル−4−メタクリロイルオキシ−N−フェニルベンゼンスルホンアミド
a)4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のNa塩200gを2N−NaOH水溶液500mlに溶解させ、続いて水200mlで希釈し、室温で攪拌しながら、クロロギ酸エチル120gを加える。混合物を一晩放置し、生じた沈殿(87g)を吸引濾別する。減圧下で溶剤を除去し、エタノールから再結晶させることにより、4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホン酸のNa塩(白色固体)がさらに129g得られる。総収量は216g(理論値の92%)である。
【0047】
b)十分に乾燥させた、a)で得た4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホン酸のNa塩95gをPCl5 95gと良く混合する。反応混合物はこの処理中に液化し、発熱する。この混合物を油浴(浴温度115℃)中でさらに2時間加熱し、室温で一晩放置し、氷上に注ぎ、塩化スルホニルを吸引濾別する。大量の冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させることにより、4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホニルクロリド88g(理論値の94%)が、融点(mp. )71〜72℃の白色固体として得られる。
【0048】
c)アニリン340mlを、攪拌しながら、少量ずつ、b)で得た4−エトキシカルボニルオキシベンゼンスルホニルクロリド84gと混合する。混合物を55℃に4時間加熱し、室温に冷却し、半濃縮塩酸1.7リットル中に注ぎ込む。一晩放置した後、水相をデカンテーションする。保護基を完全に取り除くために、残留物を2N−NaOH水溶液1.7リットル中に取り、不溶物質を分離し、HClで酸性化することにより生成物を沈殿させる。吸引濾別し、H2 Oで洗浄し、乾燥した後、4−ヒドロキシベンゼンスルホアニリド(白色固体、mp. 140℃)54.5g(理論値の70%)が得られる。
【0049】
d)工程c)で製造した4−ヒドロキシベンゼンスルホアニリド50gをアセトン300mlに溶解させ、無水メタクリル酸35.6gを加え、冷却、攪拌しながら、温度が10℃を超えない様にして、トリエチルアミン22.3gを滴下する。反応溶液を室温にし、強く攪拌しながら、水3リットル中に滴下して加える。吸引濾別し、乾燥させた後、4−メタクリロイルオキシベンゼンスルホアニリド(白色固体、mp. 102〜103℃)61g(96%)が得られる。
【0050】
e)工程d)で製造した4−メタクリロイルオキシベンゼンスルホアニリド50gをアセトン300mlに溶解させ、攪拌しながら、4−ジメチルアミノピリジン1gを加え、二炭酸ジ−t−ブチル38gをアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下して加える。室温で4時間攪拌し続け、H2 O中に沈殿させる。吸引濾別および乾燥の後、N−t−ブトキシカルボニル−4−メタクリロイルオキシ−N−フェニルベンゼンスルホンアミド(白色固体、mp. 112〜114℃)59g(90%)が得られる。
【0051】
NMRスペクトル(60 MHz、CDCl3 ):1.3 ppm(9H)、2.1(3H)、5.8(1H)、6.4(1H)、7.2−7.6(7H)、8.0−8.2(2H)。
【0052】
例1〜20
IおよびIIの単独重合、および様々なコモノマー、例えばピロカテコールモノメタクリル酸エステル(PMA)やスチレン、を使用する共重合を、文献から公知の方法により行う。表1はIおよびIIを(モル%で表示の量で)使用して合成した重合体を示す。
【0053】
表1
例 I II PMA スチレン
1 10 − 90 −
2 30 − 70 −
3 50 − 50 −
4 70 − 30 −
5 90 − 10 −
6 10 − 85 5
7 15 − 80 5
8 15 − 75 10
9 10 − 80 10
10 20 − 75 5
11 20 − 70 10
12 − 10 90 −
13 − 10 85 5
14 − 10 80 10
15 − 15 85 −
16 − 15 80 5
17 − 15 75 10
18 − 20 80 −
19 − 20 75 5
20 − 20 70 10
【0054】
例21〜26
これらの例は、本発明による記録材料の製造および処理を示す。
電気化学的に活性化し、アノード処理したアルミニウムの板に
表1に示すバインダー 9.00 pbw
4−p−トリルメルカプト−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムのヘキサ
フルオロリン酸塩 0.50 pbw
クリスタルバイオレットベース 0.08 pbw
メチルエチルケトン 175 pbw
を含む溶液をスピンコーティングし、乾燥オーブン中で100℃に加熱して、層厚1.9μm とする。この板を110cmの距離から5 kW ハロゲン化金属ランプの下で、濃度ステップ0.15で13段を有するハーフトーンステップウェッジを通して露光し、次いで100℃で1分間加熱し、下記の組成を有する水性アルカリ現像剤中で30秒間現像する。
メタケイ酸ナトリウム・9H2 O 5.5 pbw
リン酸三ナトリウム・12H2 O 3.4 pbw
無水リン酸一ナトリウム 0.4 pbw
脱イオン水 90.7 pbw
【0055】
すべての場合で、写真原画の陽画像が得られる。表2は、ハーフトーンウェッジ4段目が完全にオープンの状態で板上に再現される露光時間を示す。
【0056】
表2
例 表1の重合体 露光時間(秒)
21 8 30
22 10 30
23 11 35
24 18 20
25 15 18
26 17 30
比較* − 75
* 標準ポジ型印刷板商品名「オザゾールp61 」(ヘキストAG)
【0057】
例27
この例は、N,N−二置換スルホンアミド基を含む重合体のポジ型オフセット印刷板用としての適性を示す。
電気化学的に活性化し、アノード処理したアルミニウムの板に
表1、No. 19に示すバインダー 9.00 pbw
4−p−トリルメルカプト−2,5−ジエトキシベンゼン
ジアゾニウムのヘキサフルオロリン酸塩 0.50 pbw
クリスタルバイオレットベース 0.08 pbw
メチルエチルケトン 175 pbw
を含む溶液をスピンコーティングし、乾燥オーブン中で100℃に加熱し、層厚1.9μm とする。この板を110cmの距離から5 kW ハロゲン化金属ランプの下で、濃度ステップ0.15で13段を有するハーフトーンステップウェッジを通して20秒間露光し、次いで100℃で1分間加熱しテ、水性アルカリ現像剤(組成については例21〜26参照)中で30秒間現像する。この様にして得られたポジ型印刷版はオフセット印刷機械で170,000部を超える良品質の印刷を行う。
Claims (10)
- 式R1 −SO2 −N(CO−OR2 )−R3 −O−CO−CR4 =CH2 またはR1 −N(CO−OR2 )−SO2 −R3 −O−CO−CR4 =CH2 の化合物
[式中、
R1 は(C1 〜C20)アルキル、(C3 〜C10)シクロアルキル、(C6 〜C14)アリールまたは(C7 〜C20)アラルキル基であり、アルキルを含む基中の個々のメチレン基は所望によりヘテロ原子により置換されており、
R2 は(C3 〜C11)アルキル、(C3 〜C11)アルケニルまたは(C7 〜C11)アラルキル基であり、
R3 は非置換または置換(C1 〜C6 )アルキレン、(C3 〜C6 )シクロアルキレン、(C6 〜C14)アリーレンまたは(C7 〜C20)アリーレンジアルキル基であり、
R4 は水素原子またはメチル基である。]。 - R2 が、(C3 〜C6 )アルキル基、好ましくはイソプロピル、sec−ブチルまたはt−ブチル基、である、請求項1に記載の化合物。
- 少なくとも5モル%の、式−R3 −N(CO−OR2 )−SO2 −R1 (I)および/または−R3 −SO2 −N(CO−OR2 )−R1 (II)
(式中、
R1 は(C1 〜C20)アルキル、(C3 〜C10)シクロアルキル、(C6 〜C14)アリールまたは(C7 〜C20)アラルキル基であり、アルキルを含む基中の個々のメチレン基は所望によりヘテロ原子により置換されており、
R2 は(C3 〜C11)アルキル、(C3 〜C11)アルケニルまたは(C7 〜C11)アラルキル基であり、
R3 は非置換または置換(C1 〜C6 )アルキル、(C3 〜C6 )シクロアルキル、(C6 〜C14)アリールまたは(C7 〜C20)アラルキル基である。]
の懸垂基を含む単位を有することを特徴とする重合体。 - 基R2 が、イソプロピル、sec−ブチルまたはt−ブチル基である、請求項3に記載の重合体。
- a)化学線放射の影響下で酸を形成する化合物、および
b)酸により開裂し得る化合物であって、その開裂生成物が水性−アルカリ性現像剤中でその出発化合物よりも高い溶解性を有する化合物
を含んでなる放射線感応性混合物であって、酸により開裂し得る化合物b)が請求項3または4に記載の重合体であることを特徴とする放射線感応性混合物。 - 酸を形成する化合物a)の比率が、混合物中の固体の総重量に対して約0.1〜20重量%である、請求項5に記載の放射線感応性混合物。
- 酸により開裂し得る化合物b)の比率が、混合物中の固体の総重量に対して約30〜98重量%である、請求項5に記載の放射線感応性混合物。
- さらに、有機重合体状バインダーを含んでなる、請求項5に記載の放射線感応性混合物。
- 重合体状バインダーの比率が、混合物中の固体の総重量に対して約5〜70重量%である、請求項8に記載の放射線感応性混合物。
- 支持体および放射線感応性層を含んでなる記録材料であって、前記層が請求項5〜9のいずれか1項に記載の放射線感応性混合物を含んでなることを特徴とする記録材料。
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