JP3457357B2 - スペクトル拡散通信システム、送信電力制御方法、移動端末装置及び基地局 - Google Patents
スペクトル拡散通信システム、送信電力制御方法、移動端末装置及び基地局Info
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Description
システムに関し、更に詳しくは、複数の端末装置が基地
局装置と通信を同時に行うセルラ方式のスペクトラム拡
散通信システム、およびそれに適用する移動端末装置な
らびに送信電力制御方法に関する。
0と接続された複数の基地局100(100−a、10
0−b)を分散配置して複数のセル1(1a、1b)を
構成し、各セル内で基地局100と複数の移動端末30
0とが通信を行うセルラ方式のスペクトル拡散通信シス
テムにおいて、各基地局100がセル内の端末に送信す
る信号の拡散符号として、セル内の各端末毎に固有の直
交符号Wiを用いる方式が知られている。
1、W2、W3で示す如く、そのうちの任意の2つの符
号について直交単位区間にわたって積和演算を行うと、
結果が0となる性質をもっている。
0−1〜300−nにそれぞれ固有の直交符号Wi(i
=1〜n)を割当て、1つの端末300−i宛に送信す
る信号あるいはデ−タをその端末の固有の直交符号Wi
を用いて拡散し、上記端末300−iが自分に割り当て
られた固有の直交符号Wiを用いて受信信号を逆拡散す
るようにしておくと、端末300−i宛の送信信号と直
交するセル内の他の端末宛の送信信号成分は、上記逆拡
散処理の過程で完全に除去されてしまい、妨害信号とし
て作用しなくなる。このように各基地局から移動端末へ
の通信に直交符号による拡散を適用した通信方式として
は、例えば、米国特許第5103459号公報に示され
ている。
ペクトル拡散通信システムにおいては、各端末には、セ
ル内の基地局から送信された信号の他に、隣接セルを形
成する他の基地局からの送信信号も到達する。この場
合、他の基地局からの送信信号は、セル内の基地局が送
信する信号と直交関係にないため、上述したセル内で固
有の直交符号Wiによる逆拡散処理によって除去するこ
とができない。すなわち、各端末の受信動作において、
他のセルの基地局からの送信信号が妨害要因として作用
する。
地局からの送信信号の影響を示した図である。基地局か
ら送信された信号の受信電力は、基地局からの距離が大
きくなるに従って減衰する。従って、基地局100に近
い、セル中心付近に位置した端末300aでは、セル内
の基地局からの信号の受信電力910が大きく、妨害信
号として作用するセル外の他の基地局からの信号の受信
電力911は小さくなるため、高いS/Nが得られる。
これに対して、セル境界に付近に位置した端末300b
では、セル内の基地局からの信号の受信電力912が弱
く、隣接セルからの妨害信号が上記端末300aより大
きな電力913で受信されるため、結果的にS/Nが劣
化する。
は、各基地局から端末へ送信する信号を、セル中心付近
に位置する端末300aに対しては小さな送信電力で、
また、セル周辺に位置する端末300bに対しては大き
な送信電力で出力するように、端末との位置関係によっ
て送信電力を制御することが望まれる。このように端末
の位置に応じて送信電力を変えるようにした送信電力制
御方法については、例えば、文献 A.Salmasi、K.S.Gilhousen、「On the System Design A
spects of CodeDivision Multiple Access(CDMA) Appli
ed to Digital Cellular and PersonalCommunications
Network」、IEEE VTS 1991、pp.57−
62 に記載されている。
末装置は、例えば、図14に示す回路構成によって受信
信号のS/Nを測定して、送信電力の加減を要求する制
御信号を基地局に送信し、基地局が、図12〜図13に
示す回路構成によって、上記電力制御信号に応答した送
信信号電力制御動作を行なうようにしている。
2において、アンテナ110で受信された各端末装置か
らの信号は、サーキュレータ109を経て高周波回路1
11に入力され、ベースバンドのスペクトル拡散信号R
xに変換される。上記ベースバンドのスペクトル拡散信
号Rxは、セル内に位置している各端末装置に対応付け
られた変復調装置105−1、105−2、……105
−Nに入力され、ここで逆拡散処理と復号処理を施すこ
とによって、各端末毎の送信信号(受信データ)112
と、端末が上記送信信号に混合して送信してきた電力制
御信号PCとが分離される。
ら出力された電力制御信号PCは、送信電力制御装置1
16に入力される。送信電力制御装置116は、各電力
制御信号PCに応じて、各端末装置毎の送信電力指示信
号PWを発生する。
は、各端末装置宛の送信データ101に対して、それぞ
れ符号化処理と、疑似雑音(PN)発生器103で発生
した基地局に固有の疑似雑音PNおよび直交符号発生器
102から発生した直交符号W1、W2、W3、…、W
Nを用いたスペクトル拡散による変調処理とを施す。ス
ペクトル拡散により変調された信号は、送信電力制御装
置116から与えられた各端末装置対応の送信電力指示
信号PWiに従った電力で増幅され、送信信号Tx−i
(i=1〜N)として出力される。
り、単純なパターンデータ、例えばオールゼロからなる
データを発生する。このパイロット信号は、疑似雑音発
生器103から発生される基地局に固有の疑似雑音PN
と、直交符号発生器102から発生される特定の直交符
号W0とを用いてスペクトル拡散変調された後、パイロ
ット信号として出力される。
N)は、縦続接続された加算器107(107−0、1
07−1、……)によって順次加算された後、上記パイ
ロット信号と共に高周波回路108で伝送周波数帯域の
信号に変換され、サーキュレータ109、アンテナ10
9を経て空中に送出される。
−i(i=1、2、…N)の構成の1例を示す。変復調
器105−iに入力された送信データ101は、符号化
器201に入力され、誤り訂正等の符号化処理を受け
る。上記符号化された信号は、乗算器202によって、
直交符号発生器102から与えられた直交符号Wiと乗
算され、第一次のスペクトル拡散を受け、次に、乗算器
203によって疑似雑音信号PNと乗算され、第二次の
スペクトル拡散を受ける。このようにスペクトル拡散さ
れた信号は可変利得増幅器204に入力され、送信電力
指示信号PW−iで指定された利得で増幅され、送信信
号Tx−iとして出力される。
信信号Rxは、乗算器205に入力され、後述する上記
信号Rxの送信元となった端末装置でスペクトル拡散の
ために用いた疑似雑音PNと同じ、疑似雑音発生器20
6で発生した疑似雑音PNを用いて逆拡散処理を受け
る。逆拡散された信号は累算器207に入力され、一定
時間分の信号が累算される。この累算された逆拡散信号
は、復号器208に入力されて誤り訂正等の復号処理を
受け、復号された受信データ112と、端末装置が送信
してきた電力制御信号PC−iとに分離して出力され
る。
回路部分の構成を示す。端末装置において、アンテナ3
01から受信された信号は、サーキュレータ302を経
て高周波回路303に入力され、ベースバンドのスペク
トル拡散信号に変換される。
は、第1の乗算器304に入力され、疑似雑音発生器3
05から発生した疑似雑音PNと乗算され、第一次の逆
拡散処理を受ける。上記疑似雑音PNは、端末装置を基
地局に位置登録した時、上記基地局のPN発生器103
で発生する固有の疑似雑音PNと同一となるように雑音
パターンが設定されている。
第2の乗算器307に入力され、直交符号発生器306
から発生する上記端末に割り当てられた直交符号Wiと
乗算され、第二次の逆拡散処理を受ける。上記第二次の
逆拡散処理を受けた信号は、累算器308に入力され、
一定時間分の信号が累算される。累算された信号は、復
号器309によって復号化され、受信データとなる。
信号の振幅に関する確率密度分布において、分散が雑音
電力に相当し、平均が信号振幅に相当することを利用し
て、受信信号のS/Nを測定している。
累算器308の出力を絶対値演算器328に入力して得
られる絶対値と、上記累算器308の出力を自乗演算器
325に入力して得られる自乗値とを、S/N測定器3
29に供給している。上記S/N測定器329では、自
乗値入力の平均値と、絶対値入力の平均の自乗値との差
から雑音電力を求め、絶対値入力の平均の自乗値から信
号電力を求めることによってS/Nを測定し、その結果
を比較器330で、S/Nの基準値とを比較し、基地局
に送信電力増減を要求するための電力制御信号PC−i
を得ている。
7で端末からの送信データと混合した後、符号化器31
8で誤り訂正等の符号化処理を施し、この符号化された
信号を乗算器320に与え、疑似雑音発生器319から
発生された疑似雑音と乗算することによってスペクトル
拡散変調する。スペクトル拡散変調された信号は、高周
波回路321で伝送周波数帯域の信号に変換された後、
サーキュレータ302を介してアンテナ301に出力さ
れ、空中に送出される。
端末に対する送信信号の受信S/Nを基地局に通知し、
基地局は端末の受信S/Nが目標S/Nとなるように送
信電力を制御する。
トル拡散通信システムでは、各端末装置は、基地局が自
分宛に送出した信号のみに基づいてS/Nを測定してい
る。すなわち、逆拡散して得られる受信信号の振幅の分
散を雑音電力とみなし、上記信号の振幅の平均値の自乗
を信号電力とみなしてS/Nを測定している。
雑音がなければ信号の振幅が一定となることを前提とし
ているが、移動通信システムにおいては、各端末装置の
受信信号の振幅が、端末の移動に伴って激しく変動す
る。従って、各端末で信頼できるS/N測定結果を得る
ためには、受信信号の略振幅が一定とみなせる程度の比
較的短い期間内に測定を完了する必要がある。このた
め、従来の端末装置では、S/N測定回路系325〜3
29に極めて高速性能の回路が要求される。もし、回路
性能の制約からS/N測定に時間を要する場合は、正し
いS/N測定結果が得られないため、端末からの電力制
御信号に基づいて、基地局が適切な電力制御を実現でき
ないという問題がある。
して、基地局が、セル内の各端末に必要以上に大きな電
力で信号を送信すると、送信信号は隣接セルに高い電力
で侵入し、隣接セル内の端末に強い妨害電波として作用
する。一方、基地局が、実際に端末が必要とする電力よ
り小さな電力で送信動作すると、これを受信した端末に
おける通信品質が悪化するという問題がある。
法としては、例えば、各端末装置が、上述した受信信号
のS/Nの代わりに受信データの誤り率を監視し、誤り
率が所定の基準に満たない場合に、基地局に送信電力の
増加を要求する方式が考えられるが、この方式は、デー
タの誤り率の算出に比較的長時間の監視が必要となるた
め、電力制御を通信状態の変動に十分に追従できないと
いう問題がある。
で基地局と通信できるスペクトル拡散通信システムおよ
び電力制御方法を提供することにある。
通信数を増加可能なスペクトル拡散通信システムおよび
電力制御方法を提供することにある。
電力制御のための制御情報を迅速に算出可能な移動端末
装置を提供することにある。
に、本発明のスペクトル拡散通信システムでは、基地局
が、スペクトル拡散のための直交符号系列のうちの少な
くとも1つを、パイロット信号や端末に対する送信信号
の変調には適用しない、電力制御に専用の符号として割
当てることを1つの特徴とする。
末)が、受信信号を上記基地局でS/N計測専用に割り
当てた直交符号により逆拡散した結果得られるノイズ成
分の受信電力と、パイロット信号または自端末宛の送信
信号のうちの少なくとも一方の受信電力とから、受信信
号のS/Nを求めることを1つの特徴とする。
は、各端末装置が、このようにして求めたS/Nの値に
基づいて得られた電力制御情報を基地局に送信し、基地
局が、端末装置から受信した上記制御情報に応じて、各
端末装置に対する信号の送信電力を制御する。また、本
願発明の他の着眼点は、送信電力制御において、電力制
御情報を取得する第1の信号と、制御対象となる第2の
信号を異ならせるところにある。
御専用の直交符号と直交しているため、基地局が上記制
御専用の直交符号を送信信号の変調に適用しないように
しておき、各端末装置が上記制御専用の直交符号を用い
てそれぞれの受信信号を逆拡散処理するようにしておく
と、各端末装置では、受信信号からセル内の基地局が送
出した各種の信号成分を完全に除去することができる。
この場合、他のセルの基地局から送出された信号は、上
記逆拡散に用いた特定符号と直交していないため、逆拡
散処理で除去されず、雑音成分として残る。従って、上
記逆拡散処理によって抽出された雑音成分の自乗平均を
求めることによって、雑音電力を迅速、且つ十分な精度
で測定することができる。
端末に割り当てられた直交符号、またはパイロット信号
用に割り当てられた直交符号で受信信号を逆拡散するこ
とによって得られるため、その電力値と上記雑音電力と
から、S/N値を求めることができる。
応じた電力制御要求を基地局に通知し、基地局が、各端
末からの制御要求に基づいて各端末毎の信号送信電力を
制御することによって、各端末装置の通信品質を保証す
ることができる。
ば、全ての端末でS/Nが等しくなるように制御する
と、各基地局の送信電力の総和を減少することができる
ため、結果的に、隣接セルに悪影響を及ぼす雑音電力の
値を低下でき、これによって各端末におけるS/Nを一
層改善できるという効果がある。また、本願発明は、制
御情報の基となる信号と制御対象となる信号が同一であ
る「閉ループ制御」ではなく、これらが異なる「開ルー
プ制御」を採用する。閉ループ制御の場合には、制御の
遅れまたは誤りにより制御対象信号に変動が生じた場
合、その変動が制御情報の誤差となって現れ、さらに制
御対象信号が変動するという問題があるが、開ループ制
御の考え方を採用する本願発明では、そのような問題が
なく安定な制御が可能となる。
ムにおける基地局の構成の1例を示す。図において、従
来技術として図12に示した基地局の構成要素と対応す
る要素には、同一の符号を付してある。
術による基地局とほぼ同様であるが、後述するように、
直交符号発生器102から出力される直交符号のうち、
任意の1つ、この実施例ではWNが、端末に対する送信
データの変調用途から除外され、S/N測定専用に割り
当てられていると言う点で相違している。
実施例を示す。図において、回路要素301〜309
は、図14に示した従来の端末装置の構成要素301〜
309と対応しており、これらの要素からなる受信回路
では、従来装置と同様、乗算器304で疑似雑音PNに
よる第1次の逆拡散を受けた受信信号が、乗算器307
で直交符号Wiによって第2次の逆拡散を受け、端末宛
の受信データとして復号される。
次の逆拡散を受けた受信信号を乗算器313と310に
入力する。乗算器303に入力された信号は、直交符号
発生器306から発生される直交符号W0によって第2
次の逆拡散を受ける。上記直交符号W0は基地局が周期
的に出力するパイロット信号の拡散用直交符号と対応し
ており、上記直交符号W0により逆拡散した信号を累算
器314に入力し、一定期間累算することによって、パ
イロット信号を復調することができる。上記パイロット
信号は、自乗器315で自乗され、パイロット信号成分
の瞬時電力を示す信号となってS/N測定回路316の
第1端子に入力される。
は、直交符号発生器306より発生されたS/N測定専
用の直交符号WNによって第2次の逆拡散を受け、逆拡
散された信号は、累算器311に入力されて一定期間累
算される。上記直交符号WNは、基地局で送信信号の変
調には用いない特定の直交符号となっているため、この
直交符号による逆拡散処理の結果、上記基地局からの送
信信号成分を完全に除去し、雑音に相当する成分を抽出
できる。従って、乗算器311の出力を累算器311で
一定期間累算し、これを自乗器312において自乗演算
することによって、雑音成分の瞬時電力を得ることがで
きる。
路316の第2端子に入力され、前記パイロット信号成
分の瞬時電力との比率を算出することによって、パイロ
ット信号のS/Nを示す信号が求まる。本実施例では、
上記S/N信号を比較器330において基準S/Nと比
較し、基準S/Nとの偏差を示す電力制御信号PCを得
ている。この電力制御信号PCは、混合器317で送信
データと混合した後、符号化器318で符号化し、乗算
器320において疑似雑音発生器319から発生した疑
似雑音によりスペクトル拡散変調を施した後、高周波回
路321、サーキュレータ302、アンテ301を介し
て基地局に向けて送信される。
この実施例では、図3における比較器330を省略し、
S/N測定回路から出力されるS/N情報をそのまま電
力制御信号SNとして扱い、混合器317で送信データ
と混合した後、符号器318、乗算器320、高周波回
路321、サーキュレータ321を介して送信するよう
にしいる。
装置105−i(i=1〜N−1)が、それと対応する
各端末装置からの受信信号を受信データと電力制御信号
に分離し、電力制御信号を送信電力制御装置106に与
えるようになっている。各端末が第1実施例の構造の場
合は、電力制御信号PCが分離され、各端末が第2実施
例の構造の場合は、電力制御信号SNが分離される。上
記送信電力制御装置106は、電力制御信号PCまたは
SNに応じて、各変復調装置105−iに与えるべき送
信電力指示信号PWを発生する。
す。回路要素201〜207は、図13に示した従来の
変復調装置の回路要素201〜207と対応している。
05で疑似雑音信号によって逆拡散され、累算器207
で一定期間累積された後、誤り訂正復号器508に入力
される。ここで、誤り訂正等の復号処理が行われ、復号
された信号から、受信データ112と、電力制御信号S
N−iまたはPC−iが分離される。
各変復調装置105−iにおいて分離した電力制御信号
PC−iを、従来と同様の構成をもつ送信電力制御装置
106に入力し、各端末の受信S/Nが標準S/Nに一
致するように、送信電力指示信号PW−iを発生すれば
よい。
し、変復調装置105が制御信号SN−i(i=1〜N
−1)を出力する場合の送信電力制御装置106の構成
の1例を示す。
るローパスフィルタ401−i(i=1〜N−1)に入
力され、必要以上に高い周波数で変動する高周波成分を
除去した後、逆数演算器402−i(i=1〜N−1)
でS/N値の逆数に相当する信号に変換される。上記逆
数演算器402−iの出力は、加算器403において加
算された後、加算結果が逆数演算器404で再度逆数変
換される。逆数演算器404の出力は、乗算器405−
(i=1〜N−1)に供給され、逆数演算器402−i
(i=1〜N−1)の出力との乗算が行われ、その演算
結果が各端末毎の送信電力指示信号PW−i(i=1〜
N−1)として出力される。この場合の送信電力指示信
号PW−iは、送信電力の重み係数を表しており、端末
装置のS/N値が低ければ低い程、送信電力が他の端末
より高くなるように信号PW−iの値が決定される。
対応する図2に示す変復調装置105−iに供給され
る。変復調装置105−iにおいて、上記送信電力指示
信号PW−iは、送信回路系の増幅器204に電力制御
入力として入力され、これによって、各端末装置のS/
Nの状態に応じた電力で、送信信号が出力される。
るパイロット信号と、基地局から各端末装置に送信され
る送信信号(データ信号)は、同一の周波数帯域で略同
時点で送出されているため、基地局からの距離に応じて
各端末装置の受信データ信号に生ずる減衰は、パイロッ
ト信号に生ずる減衰と略等しい。また、パイロット信号
とデータ信号に生ずる雑音電力は等しい。
が、パイロット信号の受信電力と、その時点でS/N計
測用直交符号を用いて抽出した雑音電力とに基づいてS
/Nを計測し、これを電力制御信号(PCまたはSN)
として基地局に送り、基地局が上記電力制御信号に基づ
いて、各端末対応にS/Nに反比例した送信電力でデー
タ信号を送信制御することによって、各端末における受
信信号のS/Nを等しくすることができる。
が等しくなるように送信電力制御を行った場合の効果を
示す図である。本発明によれば、セルの境界付近に位置
する端末Aに対する信号の送信電力に比較して、基地局
付近に位置する端末Bに対する信号の送信電力が小さく
なるように電力制御が行われるため、端末A、Bにおけ
る信号の受信電力は、それぞれ920、922のように
なる。
ルにおいても同様に行われ、各基地局のトータルの送信
電力を減少させる方向に制御が働くため、各セルにおい
ては、隣接セルからの妨害電波のパワーが減少し、基地
局に近い端末に他のセルの基地局から到達する妨害信号
の受信電力は921のように、また、セル境界の端末に
到達する妨害信号の受信電力は923のようにそれぞれ
低減する。この電力低減の効果は、例えば、正六角形の
セルが繰り返して配置された構造を持つスペクトル拡散
通信システムにおいては、約7.4dBに相当する。ま
た、妨害信号の電力が低減された分、各セルにおいて同
時に通信可能な端末台数(基地局が収容する端末個数)
を増加でき、最大で従来の約5.5倍に増加できる。な
お、上述した電力制御は、開ループ制御となっているた
め、安定した制御が行われる。
施例を示す。この実施例では、S/Nの測定を、上述し
たパイロット信号に代えて、各端末宛の送信信号(デー
タ信号)の受信電力と、雑音信号の受信電力とから求め
るようにしている。図において、図4と同一の回路要素
には同一の符号を付してあり、これらの回路要素は図4
と同様の機能をもつ。
た端末宛の送信信号を累算器308で一定期間累算し、
その出力を復号器309に入力する一方、これを自乗器
325に入力して受信信号の瞬時電力を得、この受信信
号の瞬時電力をS/N測定装置326の第2入力とす
る。上記S/N測定装置326の第1入力には、直交符
号Wnで逆拡散して自乗器312から出力される雑音の
瞬時電力を与え、これによって受信信号のS/Nを求め
る。上記受信信号のS/Nは、電力制御信号SN=iと
して混合器317で送信データ信号と混合された後、符
号化回路318、乗算器320、高周波回路321を介
して、アンテナ301から送出される。
同様に、基準S/Nとの差分をとり、電力制御信号PC
として基地局に送信してもよい。
他の実施例を示す。この実施例では、各変復調装置10
5i(i=1〜N−1)で分離した電力制御信号SN−
i(i=1〜N−1)を、ローパスフィルタ601−i
(i=1〜N−1)に入力し、必要以上の高周波変動成
分を除去した後、比較器603−i(i=1〜N−1)
で、目標値S/N発生回路602から出力されるS/N
目標値との差を求め、各端末毎に、実際のS/Nと目標
S/Nとの差を積分器604−i(i=1〜N−1)で
積分する。上記各積分器の出力が、各端末に対する送信
電力指示信号PW−i(i=1〜N−1)として、図2
に示す出力増幅器204に与えられる。この送信電力指
示信号によって、全ての端末でのS/Nが等しくなるよ
うに送信信号の電力が制御される。本実施例の場合も閉
ループ制御となっており、各端末のS/Nは、伝送系に
多少の非線形性が存在していても、目標S/Nに一致す
るように制御される。
の実施例では、図3で説明した第1の実施例におけるS
/N測定装置316と、図6で説明した第3実施例にお
けるS/N測定装置326とが併用されている。すなわ
ち、S/N測定装置316からはパイロット信号のS/
N情報が得られ、S/N測定装置326からは受信信号
のS/N情報が得られる。これら2種類のS/N情報
は、混合器327で送信データと混合され、符号化回路
318、乗算器320、高周波回路321、サーキュレ
ータ302、アンテナ301を介して送出される。
をもつ場合の基地局における送信電力制御装置106の
構成を示す。基地局において、各変復調装置105−i
は、端末装置が送ってきた2種類の電力制御信号、すな
わち、パイロット信号のS/N(S/N−ip)と、受
信信号のS/N(S/N−id)とを分離して出力す
る。
SN−ip(i=1〜N−1)は、回路要素401−
i、402−i、403、404、405−iからなる
図5に示した回路と同様の回路構成で、各端末に対する
送信電力の第1の重み値を生成する。一方、受信信号の
S/NであるSN−id(i=1〜N−1)は、回路要
素601−i、602、603−i、604−iからな
る図7に示した回路と同様の回路構成で、各端末に対す
る送信電力の第2の重み値を生成する。上記第2の重み
値を、第1の重み値に補正値として作用させることによ
って、各端末毎の送信電力指示信号PW−i(i=1〜
N−1)が得られる。ここで、ローパスフィルタ601
−iの時定数は、ローパスフィルタ401−iの時定数
よりも十分大きな値に設定しておく。
置が基地局に近く、基地局からの信号の受信状態が非常
によい場合、この端末に対する送信電力のが非常に小さ
くなってしまう可能性がある。この場合は、端末に対す
る送信電力に下限値を設定しておき、送信電力が所定値
以下に下がらないように制御すればよい。
/Nを迅速に測定することができるため、これを電力制
御信号として基地局に送信し、基地局が上記電力制御信
号に基づいて各端末宛の信号の送信電力を制御すること
によって、各端末におけるS/Nが略等しくなるように
することができる。この結果、各セルにおける基地局か
らの端末宛の信号の送信電力の総和を必要最小限に抑え
ることが可能となり、隣接セルにノイズとして作用する
妨害電波の電力を低減でき、各セルにおける収容端末個
数の増加が可能となる。
成の1例を示す図。
を示す図。
1の実施例を示す構成図。
2の実施例を示す構成図。
を示す図。
3の実施例を示す構成図。
を示す図。
4の実施例を示す構成図。
を示す図。
図。
す図。
図。
の構成の1例を示す図。
示す図。
からの信号成分と他のセルからの妨害成分との関係を説
明するための図。
局からの信号成分と他のセルからの妨害成分との関係を
説明するための図。
置、106:送信電力制御装置、 102、30
6:直交符号発生装置、201、318:符号化器、
202:第一次の拡散を行う乗算器、203:第
二次の拡散を行う乗算器、204:送信電力調整用可変
利得増幅器、205:逆拡散を行う乗算器、 20
7、308、311、314:累算器、208、30
9:復号器、 304:第一次の逆拡散を行う
乗算器、307、310、313:第二次の逆拡散を行
う乗算器、328:絶対値演算器、 31
2、315、325:自乗演算器、320:符号拡散の
ための乗算器、 316、326、329:S/N測定
装置、330:比較器、 317、3
27:混合器、401、601:ローパスフィルタ、4
02、404:逆数演算器、603:加算器、
604:積分器。
Claims (3)
- 【請求項1】基地局と端末装置との間でスペクトル拡散
方式による通信を行なうスペクトル拡散通信システムに
おいて、上記基地局が、互いに直交する複数の直交符号
のうちの特定の直交符号を制御用に割当て、上記特定の
直交符号を除く残りの直交符号によって信号の拡散変調
を行ない、各端末装置が、受信信号を上記特定の直交符
号による逆拡散処理によって求めた雑音成分の値と、受
信信号を他の何れかの直交符号による逆拡散処理によっ
て求めた信号成分の値とからS/Nを測定し、該測定結
果に応じた電力制御信号を基地局に送信し、上記基地局
が、各端末装置から受信した電力制御信号に応じて各端
末装置に対する送信信号の電力を制御するようにしたこ
とを特徴とするスペクトル拡散通信システムにおける送
信電力制御方法。 - 【請求項2】 基地局との間でスペクトル拡散方式による
通信を行なう移動端末装置において、受信信号を予め決
められた特定の直交符号で逆拡散処理することによって
求めた雑音成分の値と、受信信号を上記特定の直交符号
以外の何れかの直交符号による逆拡散処理によって求め
た信号成分の値とからS/N値を測定するための手段
と、上記測定結果に応じた電力制御信号を基地局に送信
するための手段とを備えたことを特徴とする移動端末装
置。 - 【請求項3】 端末装置毎に固有の直交符号を割当て、各
端末装置宛の送信情報の拡散処理を上記固有の直交符号
を用いて行なう基地局装置と、受信信号の逆拡散処理を
それぞれに固有の直交符号を用いて行ない、受信状況に
応じて基地局に送信電力制御要求を行なう複数の端末装
置とからなり、上記各端末装置が、予め制御用として割
当てられた特定の直交符号と該特定の直交符号以外の何
れかの直交符号とを用いて、上記電力制御要求のための
受信状況の測定を行ない、上記基地局装置が、各端末装
置からの電力制御要求に応じて、各端末装置毎の信号送
信電力の制御を行なうことを特徴とするスペクトル拡散
方式の通信システム。
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