JP2022084095A - 情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、情報処理システム1及びブロックチェーン2の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1及びブロックチェーン2は、それぞれネットワークNにより接続された1以上の情報処理装置10で構成される。ここで、情報処理装置10には、例えば、下記(a1)~(a5)の情報処理装置などが含まれる。なお、下記(a1)~(a5)はあくまで情報処理装置10の一例であり、これらに限られない。
(a1)一般にパソコンと称される卓上コンピュータ(デスクトップパソコンなど)
(a2)集約的なデータ処理を目的としたサーバ
(a3)スマートフォン、タブレット型PC等の携帯端末
(a4)VPS(仮想プライベートサーバ)やクラウドサーバと称されるホスティングを行うデータセンターに設置されたコンピュータや仮想マシン
(a5)暗号資産の価値移転記録を生成することを主な目的としたマイニングハードウェアなどと呼ばれる専用ハードウェアやマイニングファームなどと称される専用の機器及び/又は機器群
なお、トランザクションTをブロックの一種として扱うことで、ブロックBとトランザクションTを同一のデータ構造として定義して扱ってもよい。
ブロックチェーン上に記録された情報を関連付ける主体であるアカウントを識別する符号をアドレスと称し、任意のブロックチェーン内の異なるアカウントにはそれぞれ異なる符号(アドレス)が付与される。なお、通貨(いわゆる暗号資産)や権利(電子記録移転権利)という概念により価値が記録されてもよい。
図4において、EOA(Externally Owned Account)は、ブロックチェーン2外の存在(人や企業などの自然人や法人、またはソフトウェアなど)が所有しているアカウントである。なお、EOAは、トランザクションの送信に使用されるアカウントであり、ブロックチェーン2外の存在が秘密鍵を生成して管理する。図4では、EOAのアドレスが「0x1234…」、残高(価値記録)が「10ETH」の例を示しているが、あくまで一例である。
図5は、情報処理システム1及びブロックチェーン2の機能構成の一例を示す図である。図5に示すように、情報処理システム1は、例えば、エンティティサーバであり、料金徴収部11、要求受領部12(受領部)、応答作成部13(生成部)、情報処理部14、データベース15などの機能を有している。
また、図5に示すように、ブロックチェーン2は、例えば、情報受信部21、情報送信部22、ブロックチェーンエンジン部23、データ保存領域24などの機能を有している。
情報受信部21及び情報送信部22は、図2のNIC101を介してブロックやトランザクション(取引)などのデータ構造を、図1に示す任意の情報処理装置10とやりとり、換言すると送受信する。
図6は、実施形態に係る情報処理システム1で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7~図10は、各ステップにおける処理の説明のための図である。以下、図6~図10を参照して、実施形態に係る情報処理システム1で実行される処理について説明するが、図1~図5を参照して説明した構成と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
(ステップS101)
ブロックチェーン2のブロックチェーンエンジン部23は、ブロックチェーン2外に情報(例えば、所定アドレスに関する情報)を要求する要求処理を実行する。情報処理システム1の要求受領部12は、ブロックチェーンエンジン部23からの要求を受領する。
要求受領部12は、ブロックチェーン2からの明示的なトランザクション又はトランザクションによって暗黙的に行われる関数呼び出し等により要求を受領するが、これには種々の方法が存在する。ここで、要求には、以下(b1)の情報が必ず含まれる。
(b1)情報を取得したい1以上のアドレス
また、要求には、例えば、以下(b2)~(b5)の情報が含まれていてもよい。
(b2)暗号資産移転の指示
(b3)トランザクションの作成者を特定するための電子署名
(b4)日時(タイムスタンプ)、トランザクションの識別子、などの追加情報
(b5)応答の送信先のアドレス
図7(a)に示す例では、
イーサリアムのブロックチェーン2において、要求を受領するためのコントラクトのアドレス(例えば、オラクル)に対し、EOAが情報を取得したい他のアドレスを指定した関数呼び出しを行うトランザクションを発行(送信)する。
コントラクトが要求を受領すると、ブロックチェーン2上のイベントを発生させることで、ブロックチェーンエンジン部23から要求受領部12に要求が通知される。換言すると、イベントを発生させることにより、要求受領部12がブロックチェーンエンジン部23からの要求を受領する。
イーサリアムのブロックチェーン2において、DeFiと呼ばれる分散型金融サービスを提供するスマートコントラクトに対するEOAからのトランザクションによって、該スマートコントラクトが要求を受領するためのコントラクトアドレス(例えば、オラクル)に対し、EOAのアドレスに関する情報の要求を行う関数呼び出しを実行する。
コントラクトが要求を受領すると、ブロックチェーン2上のイベントを発生させることで、ブロックチェーンエンジン部23から要求受領部12に要求が通知される。換言すると、イベントを発生させることにより、要求受領部12がブロックチェーンエンジン部23からの要求を受領する。
ビットコインのブロックチェーン2において、要求を受領するための専用アドレスに対して、サービス要求者(情報を要求するもの)のアドレスから手数料相当の価値となるビットコイン(暗号資産)の移転を行い、情報を取得したい他のアドレスを含む情報を要求する命令(例えば、OP_RETURN)を含むトランザクションを発行する。
要求受領部12は、ブロックチェーン2の情報受信部21が受信する全てのトランザクションをブロックチェーンエンジン部23を介して確認し、情報を取得したい他のスマートコントラクトのアドレスを含む情報を要求する命令(例えば、OP_RETURN)呼び出しを行うトランザクションの有無を確認し、トランザクションが存在する場合、要求を受領する。
サプライチェーン管理を目的とするプライベートのブロックチェーン2において、所定アドレスの情報の取得を目的とした専用のトランザクションを用いて、サービス要求者(情報を要求するもの)が特定の企業を示すアドレスを含むトランザクションを発行する。
ブロックチェーンエンジン部23が発行されたトランザクションを認識することで、要求受領部12が要求を受領する。
情報処理システム1の料金徴収部11は、手数料に相当する価値を徴収する。
以下、図7及び図8を参照して徴収の方法について説明する。
手数料に相当する価値を徴収する方法には、例えば、下記(c1)~(c3)の方法を用いることができる。
集金用アドレスに対してブロックチェーン固有の価値を移転させるトランザクションの発行を受ける方法である。
ここで、集金用アドレスは、サービス提供者(要求の受領者)自身のアドレスの他、支払い代行やエスクローサービス等の他のアドレスであってもよい。
また、コインベーストランザクションと呼ばれる新規暗号資産の発行による移転(徴収)であってもよい。なお、ネイティブ通貨には以下に例示するイーサリアム、ビットコインのほか種々のものを利用することができる。
暗号資産等のトークンを管理するスマートコントラクト上に対して、価値記録を変更することで集金用アドレスもしくはそれに類似するサービス運営者の資産の記録に手数料相当額の価値の加算を行うトランザクションの発行を受ける方法である。なお、トークンは、ファンジブルトークン(FT)またはノンファンジブルトークン(NFT)などであってもよい。ここで、FTとは、ERC-20と呼ばれる仕様で規定されるトークン種別であり、例えば、日本円や他国の法定通貨のように、同一量には同一の価値が存在するとみなし、量の多寡により価値の大小を比較できるトークンである。また、NFTとは、ERC-721と呼ばれる仕様で規定されるトークン種別であり、例えば、土地・建物のように同一のものが存在せず(一物)、それぞれ異なるものが価値の主体となっていることを想定したトークンである。また、NFTには、土地のように分割(分筆)可能な資産と、建物の部屋のような分割が不能なものが存在する。
事前に暗号資産等のトークンを管理するスマートコントラクトに対して、価値記録を変更することで集金用アドレスもしくはそれに類似するサービス運営者の資産の記録に一定額を上限とする価値の加算を行うことを承認するトランザクションの発行を受けたうえで、料金徴収部11が事前に承認された一定額内で価値の移転を要求するトランザクションを発行する方法である。
情報処理システム1の情報処理部14は、要求に対する情報を処理する。例えば、情報処理部14は、検索して要求に必要なデータを収集するなどして、要求の応答に必要な情報を取得する。
応答作成部13(生成部)は、情報処理部14の処理結果に基づいて、要求に対する応答のデータ構造を生成する。
ここで、トランザクションには、以下(d1)の情報が必ず含まれる。
(d1)要求に対する応答となる情報(例えば、所定アドレスの信用情報)
なお、応答となる情報には、データとしてエンコードするだけでなく、移転数量の数値中で表現していてもよい。例えば、スコア75/100を返すために、0.00000075BTC(日本円で1円前後の価値の暗号資産ビットコイン)を移転するようにしてもよい。
また、トランザクションには、例えば、以下(d2)~(d5)の情報が含まれていてもよい。
(d2)サービス利用者(情報の要求者)が料金を支払いすぎた場合、料金徴収方法と同等の方法により過払い分を釣銭として送付する命令
(d3)応答のトランザクションの作成者を特定するための電子署名
(d4)日時(タイムスタンプ)、トランザクションの識別子、などの追加情報
(d5)複数の異なる要求に対する1以上の応答
また、トランザクションは、新規暗号資産の発行を行うコインベーストランザクションであってもよい。
例えば、要求に対する応答は、イーサリアムのブロックチェーン2上において、サービス提供者が管理するEOA2から特定のスマートコントラクトアドレス(例えば、オラクル)に対し、要求中で指定されていた応答を受信するアドレスにスマートコントラクトが情報を転送する処理を実行させる応答を含むトランザクションを発行するようにしてもよい(図9(a)参照)。
このため、所定アドレスに関する種々の情報を提供することができ、利便性に優れる。
このため、所定アドレスに関する情報の要求がイベントとしてブロックチェーン外へ出力される場合に要求を受領することができる。
このため、所定アドレスに関する情報の要求がイベントとしてブロックチェーン外へ出力されない場合にも、要求を受領することができる。
このため、所定アドレスの信用に応じて、価値(資産など)を移転するか否かを決定したり、融資利率を決定したりすることができ利便性が向上する。
例えば、所定アドレスの信用が所定値以上である場合に、取引が安全とみなして所定アドレスへの暗号資産の移転や所定アドレスからの暗号資産の移転を実行することが可能となる。なお、この場合、所定アドレスへ移転するか、所定アドレスから移転するかに応じて所定値を異なる値としてもよい。
このため、所定アドレスに関する情報をブロックチェーンに返信することができ、利便性が向上する。
例えば、スマートコントラクトのようにブロックチェーン上のプログラムも、該情報を受領することができる。また、EOAが情報の受領者である場合であっても、ブロックチェーン上で応答を受領できることから、他のネットワークを用いる必要がない。
このため、ブロックチェーンを介さずにメモリ等に出力された所定アドレスに関する情報を参照することができ、利便性が向上する。
例えば、アドレスに関する情報としてブロックチェーンに負荷を加えうる程度の巨大な情報または個人を特定しうる機微情報や営業秘密に関する情報が応答に含まれていたとしても、ブロックチェーン上に永続化することなく、臨時的に情報を受領することができる。
例えば、所定アドレスの信用が所定値以上であれば取引が安全である旨の助言や、信用が所定値未満であれば取引が安全でない旨の助言などを信用に関連付けてデータベース15(第2データベース)に記憶し、助言取得部は、所定アドレスの信用に応じて対応する助言をデータベース15から取得して出力するようにしてもよい。
上記実施形態では、所定アドレスに関する情報(例えば、所定アドレスの信用やリスクなど)をデータベース15に記憶しているが、情報処理システム1が所定アドレスの信用を算出し、算出した所定アドレスの信用を出力する構成としてもよい。
例えば、算出部は、異なる情報源から所定アドレスの信用に関する情報を取得し、該取得した情報に基づいて所定アドレスの信用を算出する。
ここで、信用に関する情報には、下記のような情報が含まれる。
なお、関与度合いは、例えば、ブロックチェーンのコミュニティ(ブロックチェーン利用者により形成されるコミュニティ)から提供される情報から所定アドレスの信用として関与確率を算出するようにしてもよい。
また、算出部が、関与確率を算出する場合、データベース15に、各情報(例えば、後述のブロックチェーンのコミュニティ取得される情報)の当否と確率とを対応づけた関与確率算出用のテーブルを記憶させてもよい。算出部は、関与確率算出用のテーブルを参照し、各情報の当否に応じて対応付けられた確率を抽出して加算することにより取得した信用に関する情報から関与確率を算出する。
なお、算出部が、上記情報から融資が返済可能な確率を算出する場合、データベース15に、各情報(例えば、銀行の預金額、勤務先、キャッシングの情報、賭博等を示唆する財務上のアクティビティ、その他の高いリスクの金融サービスの利用履歴、犯罪への関与など)と確率とを対応づけた返済確率算出用のテーブルを記憶させてもよい。算出部は、返済確率算出用のテーブルを参照し、各情報の当否に応じて対応付けられた確率を抽出して加算することにより所定アドレスの信用として融資が返済可能な確率を算出する。
このような犯罪への関与が疑われる取引や、その他の不審な挙動とみなされるような取引活動を識別するための情報をリスクに関する情報として出力することで、そのような挙動に関与した取引との近さ(どの程度の取引距離で起きているか)を認識することができる。
このようなAML/CFTに関するルールに抵触するアクティビティへの関与の度合いをリスクに関する情報として出力することで、犯罪収益の資金洗浄やテロ支援をおこなう資本と疑われる資金を識別することや、そのような挙動に関与した取引との近さを認識することができる。
また、算出部が、取得した情報(例えば、所定アドレスの取引の活動履歴)に基づいて、該当アドレスの信用を算出し、分類部が、算出部での算出結果に基づいて分類するようにしてもよい(例えば、信用度のスコアが30未満であれば取引リスクが高い、信用度のスコアが30以上70未満であれば取引リスクが平均的の、信用度のスコアが70以上であれば取引リスクが低いなど)。
通常、暗号資産を用いた分散プラットフォーム上では、エンドユーザ(一般利用者)に関してごく限られた情報しか利用できない。しかし暗号資産で支払いを行う物販プラットフォーム等では、ユーザの挙動やペルソナを知ることで、競合との差別化を図ることができる。
どのアドレスがどういった取引挙動をするものかという過去の傾向を識別し、それらの予測モデルを作成することで、取引やその他の金融活動を行うスマートコントラクトの円滑な運用や、キャピタルゲインを最大化するマーケットメイクを行うシステムに役立てることができる。
2 ブロックチェーンネットワーク(ブロックチェーン)
11 料金徴収部
12 要求受領部(受領部)
13 応答作成部(生成部)
14 情報処理部
15 データベース
21 ブロックチェーン情報受信部
22 ブロックチェーン情報送信部
23 ブロックチェーンエンジン部
24 データ保存領域
10 情報処理装置
101 NIC(Network Interface Card)
102 メモリ
103 CPU
K 署名用秘密鍵
DS 電子署名
Claims (9)
- ブロックチェーンから所定アドレスに関する情報の要求を受領する受領部と、
前記所定アドレスの情報が記憶された第1データベースに記憶された情報に基づいて、前記所定アドレスに関する情報を生成し、該生成した情報を出力する生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。 - 前記受領部は、
前記ブロックチェーンから出力されるイベントを受信することで、前記所定アドレスに関する情報の要求を受領する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記受領部は、
前記ブロックチェーン上のトランザクションを参照することで、前記所定アドレスに関する情報の要求を受領する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記所定アドレスに関する情報には、前記所定アドレスの信用に関する情報が含まれる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理システム。 - 前記生成部は、
生成した前記所定アドレスに関する情報を前記ブロックチェーンへ出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理システム。 - 前記生成部は、
生成した前記所定アドレスに関する情報を前記ブロックチェーン以外へ出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理システム。 - 前記信用と、取引に関する助言とが関連付けて記憶された第2データベースを参照し、前記所定アドレスの信用に応じて、前記所定アドレスとの取引に関する助言を取得し、該取得した前記所定アドレスとの取引に関する助言を出力する助言取得部、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理システム。 - 受領部が、ブロックチェーンから所定アドレスに関する情報の要求を受領する工程と、
生成部が、前記所定アドレスの情報が記憶されたデータベースに記憶された情報に基づいて、前記所定アドレスに関する情報を生成し、該生成した情報を出力する工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。 - コンピュータを、
ブロックチェーンから所定アドレスに関する情報の要求を受領する受領部、
前記所定アドレスの情報が記憶されたデータベースに記憶された情報に基づいて、前記所定アドレスに関する情報を生成し、該生成した情報を出力する生成部、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
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2020
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