JP2015180902A - レーザ装置、このレーザ装置を備えた露光装置及び検査装置 - Google Patents

レーザ装置、このレーザ装置を備えた露光装置及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡明な構成で出力光を高速且つ安定的に制御可能なレーザ装置を提供する。【解決手段】レーザ装置LSは、ともにパルス状の第1波長のレーザ光を発生する第1光源11及び第2波長のレーザ光を発生する第2光源12と、第1,第2波長のレーザ光を増幅して第1,第2増幅光を出力する増幅器21と、第1増幅光を第1変換光に波長変換し第2増幅光を透過する第1波長変換光学素子31と、第2増幅光を第2変換光に波長変換し第1変換光を透過する第2波長変換光学素子32と、第1変換光と第2変換光とから第3変換光を発生する第3波長変換光学素子33と、第1,第2の作動を制御する制御部8とを備える。制御部8は、第1波長のレーザ光と第2波長のレーザ光との相対的な出力タイミングを制御することにより、第1変換光と第2変換光との時間的な重ね合わせを制御し、第3変換光の出力状態を制御するように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を発生するレーザ光発生部と、レーザ光を増幅する増幅部と、増幅されたレーザ光を波長変換する波長変換部とを備えたレーザ装置に関する。また、このようなレーザ装置を備えた露光装置及び検査装置等のレーザシステムに関する。
上記のようなレーザ装置は、例えば顕微鏡や形状測定装置、露光装置、検査装置などのレーザシステムの光源として用いられている。レーザ装置の出力波長は、組み込まれるシステムの用途及び機能に応じて設定され、例えば、出力光の波長が193nm,266nm,355nm等のレーザ装置が知られている。レーザ光発生部で発生するレーザ光(シード光)の波長や、増幅部に設ける増幅器の列数及び段数、波長変換部に設ける波長変換光学素子の種別及び組み合わせは、レーザシステムの用途や機能等に応じて設定される(例えば、特許文献1を参照)。
このようなレーザ装置において、出力光を高速でオン/オフするために幾つかの手法が提案されている。例えば、第1の技術では、波長変換光学系を複数の並列光路(例えば第1系列及び第2系列等)とこれらの並列光路から出射した光が重ね合わされて入射する直列光路とから構成し、各並列光路に対応して光源及び増幅器を設ける。第1系列及び第2系列には各光源から出射し各々増幅器により増幅されたパルス光を入射させておき、各光源の発光タイミングを調整する。すなわち、直列経路の最終段の波長変換光学素子における第1系列を通ったパルス光と第2系列を通ったパルス光との時間的な重ね合わせを制御し、これにより出力光をオン/オフ制御する(例えば、特許文献2を参照)。
また、第2の技術では、波長変換光学系を複数の波長変換光学素子からなる単一の直列光路とし、一組の光源及び増幅器で構成する。そして、光源から出射するシード光をピークパワーが高い状態と低い状態とに切り換え、これにより波長変換効率を変化させて出力光をオン/オフ制御する。
特開2004−86193号公報 国際公開2007/055110号パンフレット
確かに、第1の技術においては、レーザ装置を構成する各光源、各増幅器,及び最終段の波長変換光学素子を除く全波長変換光学素子が常に動作状態ないし波長変換状態になるため、熱的に安定であり、出力光を高速且つ安定的にオン/オフ制御することができる。しかしながら、例えば波長1065nmの単一の光源の第3高調波により波長355nmの光を発生させるような単純な系ではこの方法は適用できない。また、波長変換光学系を形成する並列回路の数に応じて光源及び増幅器が必要であり、レーザ装置の構成が複雑化するという課題があった。
第2の技術においては、レーザ装置の構成はシンプルであるが、出力光のオン/オフに伴って波長変換光学系に入射するレーザ光のパワーが増減するため、波長変換部に設けられた波長変換光学素子はいずれも熱的な状態が大きく変化する。そのため、出力光を高速且つ安定的にオン/オフ制御することは難しいという課題があった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、簡明な構成でありながら出力光を高速且つ安定的に制御可能なレーザ装置を提供することを目的とする。また、システム全体の構成が簡明な露光装置、検査装置等を提供することを目的とする。
本発明を例示する第1の態様はレーザ装置である。このレーザ装置は、レーザ光発生部と、増幅部と、波長変換部と、制御装置とを備える。レーザ光発生部は、パルス状の第1波長のレーザ光を発生する第1光源と、パルス状の第2波長のレーザ光を発生する第2光源とを有する。増幅部は、第1波長及び第2波長を含む波長帯域の光に利得を有する増幅器(例えば、実施形態におけるファイバ増幅器21)を有し、レーザ光発生部から出力された第1波長のレーザ光及び第2波長のレーザ光を増幅して、第1波長のレーザ光を増幅した第1増幅光及び第2波長のレーザ光を増幅した第2増幅光を出力する。波長変換部は、増幅部から出力された第1増幅光を第1変換光に波長変換し第2増幅光を透過する第1波長変換光学素子と、第1波長変換光学素子を透過した第2増幅光を第2変換光に波長変換し第1変換光を透過する第2波長変換光学素子と、第1変換光と第2変換光とから波長変換により第3変換光を発生する第3波長変換光学素子とを備える。そして制御部が、レーザ光発生部から出力する第1波長のレーザ光及び第2波長のレーザ光の相対的な出力タイミングを制御することにより、第3波長変換光学素子における第1変換光と第2変換光との時間的な重ね合わせを制御して、第3変換光の出力状態を制御するように構成される。
なお、第1波長及び第2波長は、第3波長変換光学素子において、第1変換光と第2変換光とは位相整合条件を満たすが、第1変換光単体及び第2変換光単体では位相整合条件を満たさないような波長に設定することができる。また、第1波長及び第2波長は、第1波長変換光学素子において、第1増幅光は位相整合条件を満たすが第2増幅光は位相整合条件を満たさず、第2波長変換光学素子において、第2増幅光は位相整合条件を満たすが第1増幅光は位相整合条件を満たさないような波長に設定することができる。
また、制御部は、第3波長変換光学素子において第1変換光と第2変換光とが時間的に重複した状態と重複しない状態とに切り換えることにより、第3変換光のオン/オフを制御するように構成することができる。さらに、制御部は、第3波長変換光学素子において第1変換光と第2変換光との時間的な重複率を変化させることにより、第3変換光のパワーを制御するように構成することができる。
本発明を例示する第2の態様は露光装置である。この露光装置は、上記のようなレーザ装置と、所定の露光パターンが形成されたフォトマスクを保持するマスク支持部と、露光対象物を保持する露光対象物支持部と、レーザ装置から出力されたレーザ光をマスク支持部に保持されたフォトマスクに照射する照明光学系と、フォトマスクを透過した光を露光対象物支持部に保持された露光対象物に投影する投影光学系とを備えて構成される。
本発明を例示する第3の態様は検査装置である。この検査装置は、上記のようなレーザ装置と、被検物を保持する被検物支持部と、レーザ装置から出力されたレーザ光を被検物支持部に保持された被検物に照射する照明光学系と、被検物からの光を検出器に投影する投影光学系とを備えて構成される。
第1の態様のレーザ装置は、増幅部は、第1波長及び第2波長を含む波長帯域の光に利得を有する増幅器を有し、レーザ光発生部から出力された第1波長のレーザ光及び第2波長のレーザ光が同じ増幅器で増幅される。また、制御部は、レーザ光発生部から出力する第1波長のレーザ光及び第2波長のレーザ光の相対的な出力タイミングを制御することにより、第3波長変換光学素子における第1変換光と第2変換光との時間的な重ね合わせを制御して、第3変換光の出力状態を制御する。すなわち、このレーザ装置は、増幅器及び波長変換光学系が直列接続された単一の光路構成であり、かつ、第1,第2光源、増幅器、及び第1,第2波長変換光学素子が常に動作状態であるため熱的に安定であり、制御部によるタイミング制御で出力光を高速且つ安定的にオン/オフ制御することができる。従って、簡明な構成で出力光を高速且つ安定的にオン/オフ制御可能なレーザ装置を提供することができる。
第2の態様の露光装置は、第1の態様のレーザ装置を備えている。そのため、システム全体の構成が簡明な露光装置を提供することができる。
第3の態様の検査装置は、第1の態様のレーザ装置を備えている。そのため、システム全体の構成が簡明な検査装置等を提供することができる。
本発明の適用例として示すレーザ装置の概要構成図である。 出力光がオンのときの波長変換部におけるパルスの状態を示す説明図である。 出力光がオンのときの第3波長変換光学素子における第1変換光と第2変換光のパルスの状態を示す説明図である。 出力光がオフのときの波長変換部におけるパルスの状態を示す説明図である。 出力光がオフのときの第3波長変換光学素子における第1変換光と第2変換光のパルスの状態を示す説明図である。 第3波長変換光学素子における第1変換光のパルス列と第2変換光のパルス列との重複率を変化させた様子を示す説明図である。 レーザ装置を備えたシステムの第1の適用例として示す露光装置の概要構成図である。 レーザ装置を備えたシステムの第2の適用例として示す検査装置の概要構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。本発明の態様として例示するレーザ装置LSの概要構成図を図1に示す。レーザ装置LSは、パルス状のレーザ光(シード光)を発生するレーザ光発生部1と、レーザ光発生部1により発生されたシード光を増幅する増幅部2と、増幅部2から出力された増幅光を波長変換する波長変換部3と、これら各部の作動を制御する制御部8とを備えて構成される。
レーザ光発生部1や増幅部2、波長変換部3の具体的な構成は、前述した特許文献等に開示されているように多数の構成形態がある。本実施形態においては、レーザ光発生部1において発生するシード光の波長を1.06μm帯の赤外光、波長変換部3から出力する出力光の波長を266nmの紫外光とした場合を例として説明する。
レーザ光発生部1は、波長帯域がともに1.06μm帯であるが、発振波長がわずかに異なる二つの光源を有して構成される。すなわち、レーザ光発生部1には、第1波長λ1のシード光を発生する第1光源11と、第2波長λ2のシード光を発生する第2光源12とが設けられる。ここでは、第1波長と第2波長との波長差Δλを8nmとし、第1波長λ1=1060nm、第2波長λ2=1068nmとする。
上記のような波長のシード光を発生する第1光源11及び第2光源12は、ともに発振波長が1.06μm帯のDFB(Distributed Feedback)半導体レーザを用いることができる。温度調整器により動作温度を制御することによって、DFB半導体レーザーの発振波長はある範囲の中で任意に設定することが可能である。DFB半導体レーザは、駆動電流を波形制御することによりCW発振及びパルス発振させることができる。本構成例においては、第1光源11及び第2光源12を1〜10MHz程度の所定の繰り返し周波数でパルス発振させる場合を主体として説明する。第1光源11及び第2光源12の作動は制御部8により制御される。レーザ光発生部1から出力されたパルス状の第1波長λ1のシード光Ls1及び第2波長λ2のシード光Ls2は、カプラ16により合波され増幅部2に入射する。
増幅部2は、レーザ光発生部1から出力されたシード光を増幅するファイバ増幅器21を備えて構成される。ファイバ増幅器21は、第1波長λ1及び第2波長λ2を含む波長1.06μm帯の光に利得を有するファイバ増幅器である。このようなファイバ増幅器として、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器(YDFA)を好適に用いることができる。
ファイバ増幅器(YDFA)21は、コアにイッテルビウム(Yb)がドープされた増幅用ファイバ21aと、増幅用ファイバに励起光を供給する励起光源21bとを主体として構成される。ファイバ増幅器21のゲインは、増幅用ファイバ21aを励起する励起光のパワーを制御すること、具体的には、制御部8が励起光源21bの駆動電力を制御することにより制御される。
YDFAは、波長が1000〜1100nmの帯域に利得を有するため、第1波長λ1=1060nmのシード光Ls1、及び第2波長λ2=1068nmのシード光Ls2を増幅することができる。また、カプラ16により合波されてファイバ増幅器21に入射する第1波長λ1のシード光Ls1及び第2波長λ2のシード光Ls2は、波長差Δλが8nm程度あるため各々独立して増幅され、第1波長のシード光Ls1が増幅された第1増幅光La1、及び第2波長のシード光Ls2が増幅された第2増幅光La2がファイバ増幅器21(増幅部2)から出力される。
なお、説明簡明化のためファイバ増幅器21を単段で示したが、例えばシングルクラッドのファイバ増幅器を複数直列に接続し、あるいはシングルクラッドのファイバ増幅器とダブルクラッドのファイバ増幅器を直列に接続する等、複数のファイバ増幅器を直列に接続して増幅部2を構成することができる。増幅部2から出力された第1増幅光La1及び第2増幅光La2は、波長変換部3に入射する。
波長変換部3には、増幅部2から出力された第1増幅光La1及び第2増幅光La2が伝播する波長変換光学系30が設けられている。波長変換光学系30は、3つの波長変換光学素子31,32,33、すなわち第1波長変換光学素子31、第2波長変換素子32、第3波長変換光学素子33を主体とし、図示省略するレンズや波長板等を有して構成される。波長変換部3に入射した第1増幅光La1及び第2増幅光La2は、レンズを介して第1波長変換光学素子31に集光入射する。
第1波長変換光学素子31は、第2高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)により第1増幅光La1の第2高調波(第1変換光Lv1)を発生し、第2増幅光La2については波長変換することなく透過する非線形光学結晶である。このような第1波長変換光学素子31として、LBO(LiB35)結晶を用い、第1増幅光La1の第2高調波発生において位相整合条件を満たす所定温度(第1位相整合温度という)に調整設定して、非臨界位相整合(NCPM:Non Critical Phase Matching)で波長変換させる構成が例示される。
第1波長変換光学素子31で発生した波長530nmの第1変換光Lv1と、第1波長変換光学素子31を透過した波長1068nmの第2増幅光La2、並びに第1波長変換光学素子31を波長変換されずに透過した残余の第1増幅光La1は、第2波長変換光学素子32に入射する。
第2波長変換光学素子32は、第2高調波発生(SHG)により第2増幅光La2の第2高調波(第2変換光Lv2)を発生し、第1増幅光La1及び第1変換光Lv1については波長変換することなく透過する非線形光学結晶である。第2波長変換光学素子32として、第1波長変換光学素子31と同様のLBO結晶を用い、第2増幅光La2の第2高調波発生において位相整合条件を満たす第2位相整合温度に調整設定して、非臨界位相整合(NCPM)で波長変換させる構成が例示される。
位相整合が非臨界位相整合の場合には、発生する変換光(第1変換光Lv1及び第2変換光Lv2)にウォークオフが生じない。そのため、第1波長変換光学素子31及び第2波長変換素子32において各々十分な相互作用長を確保し、効率的に波長変換を行うことができる。また、出力される第1変換光Lv1及び第2変換光Lv2のビーム断面が楕円化するようなことがないため、ビーム断面を円形に整形するシリンドリカルレンズ等の整形光学素子を設ける必要がなく、第3波長変換光学素子33において効率的に波長変換することができる。
上記のように、第1波長変換光学素子31は、第1増幅光La1を波長変換して第2高調波(第1変換光Lv1)を発生するが第2増幅光La2は波長変換することなく透過し、第2波長変換光学素子32は、第2増幅光La2を波長変換して第2高調波(第2変換光Lv2)を発生するが第1増幅光La1は波長変換することなく透過する。このような作用を実現する手段として、本技術においては、第1増幅光La1と第2増幅光La2との波長差Δλを利用する。換言すれば、第1波長変換光学素子31及び第2波長変換素子32において、いずれか一方の増幅光のみが位相整合条件を満たし、他方の増幅光は位相整合条件を満たさないように、第1波長λ1及び第2波長λ2が設定される。
第1,第2波長変換光学素子31,32としてLBO結晶を用いた場合について具体的に説明すると、例えば光軸方向の長さが20mm程度のLBO結晶を用いたときに、第1波長λ1または第2波長λ2について所定の位相整合温度で位相整合条件を満たす波長の許容幅(Δλ1,Δλ2)は数nm程度である。そのため、例えば第1波長変換光学素子31において、第1増幅光La1の第2高調波発生について位相整合条件を満たすように結晶温度を設定すれば、第1増幅光La1のみが位相整合条件を満たし、波長λが8nm異なる第2増幅光La2については位相整合条件を満たさない。第2波長変換光学素子32についても同様である。
従って、第1波長変換光学素子31においては、第1増幅光La1のみが波長変換されて波長530nmの第1変換光Lv1が発生し、第2増幅光La2は波長変換されることなく第1波長変換光学素子31をそのまま透過する。また、第2波長変換光学素子32においては、第2増幅光La2のみが波長変換されて波長534nmの第2変換光Lv2が発生し、第1増幅光La1及び第1変換光Lv1は波長変換されることなく第2波長変換光学素子32をそのまま透過する。
以上では、第1波長変換光学素子31及び第2波長変換素子32としてLBO結晶を非臨界位相整合で用いた構成例について説明したが、本方法はLBO結晶やBBO(β-BaB24)結晶等の非線形光学結晶を臨界位相整合(CPM:Critical Phase Matching)で用いる構成についても、波長差Δλを利用して同様に適用することができる。例えば、第1増幅光La1について位相整合条件を満たすように第1波長変換光学素子31の角度位置を設定することによって、第1増幅光La1のみを波長変換して第1変換光Lv1を発生させ、第2増幅光La2は波長変換することなく透過させることができる。PPLN(Periodically Poled LiNbO3)結晶や、PPLT(Periodically Poled LiTaO3)結晶等の疑似位相整合(QPM:Quasi Phase Matching)結晶を用いる構成についても、波長差Δλを利用して同様に適用することができる。
このようにして、第1波長変換光学素子31で発生し第2波長変換光学素子32を透過した波長530nmの第1変換光Lv1と、第2波長変換光学素子32で発生した波長534nmの第2変換光Lv2は、第3波長変換光学素子33に集光入射する。
第3波長変換光学素子33は、和周波発生(SFG:Sum Frequency Generation)により第1変換光Lv1と第2変換光Lv2との和周波を発生させる非線形光学結晶である。ここで、第3波長変換光学素子33に入射する光は、後述するように、第1変換光Lv1及び第2変換光Lv2が時間的に重複して入射する場合の他、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とが各々独立して入射する場合がある。しかし、第3波長変換光学素子33は、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2との波長差Δλを利用して、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とは和周波発生の位相整合条件を満すが、第1変換光Lv1単体、及び第2変換光Lv2単体では和周波発生(第2高調波発生)の位相整合条件を満たさないように設定される。
第1変換光Lv1と第2変換光Lv2との和周波を発生させる第3波長変換光学素子33として、CLBO(CsLiB610)結晶を用い、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2との和周波発生において位相整合条件を満たす所定の角度位置(位相整合角)に調整設定して、タイプIの臨界位相整合(CPM)で動作させる構成が例示される。第3波長変換光学素子33は、波長530nmの第1変換光Lv1と波長534nmの第2変換光Lv2との和周波発生によって波長266nmの第3変換光Lv3を発生させる位相整合条件に合わせて結晶が切り出される。
いま、第3波長変換光学素子33として、光軸方向の長さが10mm程度のCLBO結晶を用いた場合を想定すると、和周波発生の位相整合条件を満たす波長の許容幅(Δλ1,Δλ2)は〜0.2nm程度である。そのため、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とは位相整合条件を満たして波長266nmの第3変換光Lv3が発生するが、第1変換光Lv1単体、及び第2変換光Lv2単体では和周波発生の位相整合条件を満たさず、これらの第2高調波は発生しない。
第3波長変換光学素子33で発生した波長266nmの第3変換光Lv3は波長変換部3から出射され、レーザ装置LSから出力される。
以上、レーザ光発生部1、増幅部2、及び波長変換部3の構成について説明してきたが、レーザ装置LSにおいては、制御部8がレーザ光発生部1の作動を制御することにより、出力光である第3変換光Lv3を高速且つ安定的に制御可能になっている。既述したように、レーザ光発生部1には、第1波長λ1のシード光Ls1を発生する第1光源11と、第2波長λ2のシード光Ls2を発生する第2光源12とが設けられている。レーザ装置LSでは、制御部8が第1,第2光源の作動を制御することにより、出力光を高速且つ安定的に制御する。
制御部8には、各部の作動を制御する際に基準となる周波数100MHz程度のクロック信号を発生するクロック発生器80、クロック発生器80により発生されたクロック信号を基準として第1光源11を駆動する第1駆動信号及び第2光源12を駆動する第2駆動信号を生成する光源ドライバ81、レーザ装置LSが搭載されたシステムの加工プログラムや操作盤から入力される出力指令に基づいて光源ドライバ81に指令信号を出力する光源コントローラ83などを備えて構成される。
本構成例において、第1光源11を駆動する第1駆動信号、及び第2光源12を駆動する第2駆動信号は、ともにオン時間が1〜数nsecのパルスが、繰り返し周波数1〜10MHz程度で繰り返されるパルス列になっている。ここでは、第1駆動信号及び第2駆動信号を、ともにオン時間が1nsec、繰り返し周波数が1MHzのパルス列とする。
操作盤等から制御部8に入力される出力指令が、波長266nmの第3変換光(以下、「出力光」という)Lv3を出力するオン状態のとき、光源コントローラ83は、出力オン指令信号を光源ドライバ81に出力する。このとき、光源ドライバ81は、図2及び図3に示すように、第3波長変換光学素子33において第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列とが時間的に重なり合うように、第1光源11から出射する第1波長のシード光Ls1と第2光源12から出射する第2波長のシード光Ls2の相対的な出力タイミングを制御する。
より具体的には、光源ドライバ81は第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列とが第3波長変換光学素子33において時間的に重なり合うタイミング(両者の光路長が同一の場合には同一タイミング)の第1駆動信号及び第2駆動信号を生成し、第1光源11及び第2光源12を駆動する。
第1光源11から出射した第1波長のシード光Ls1、及び第2光源12から出射した第2波長のシード光Ls2は、各々ファイバ増幅器21により増幅されて第1増幅光La1及び第2増幅光La2となり、第1波長変換光学素子31に集光入射する。第1波長変換光学素子31においては、第1波長λ1と第2波長λ2との波長差Δλにより第1増幅光La1のみが波長変換されて第1変換光Lv1が発生し、第2増幅光La2は波長変換されずにそのまま透過する。第1波長変換光学素子31で発生した第1変換光Lv1、及び第1波長変換光学素子31をそのまま透過した第2増幅光La2は第2波長変換素子32に入射する。
第2波長変換光学素子32においては、第1波長λ1と第2波長λ2との波長差Δλにより第2増幅光La2のみが波長変換されて第2変換光Lv2が発生する。第2波長変換光学素子32で発生した第2変換光Lv2と、波長変換光学素子32を透過した第1変換光Lv1は第3波長変換光学素子33に集光入射する。
第3波長変換光学素子33に入射する第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とは、出力光を出射するオン状態のときに、第3波長変換光学素子33で両者のパルス列が時間的に重なり合うように設定されている。また既述したように、第3波長変換光学素子33は、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とが和周波発生の位相整合条件を満たし、第1変換光Lv1単体、及び第2変換光Lv2単体では第2高調波発生の位相整合条件を満たさないように設定されている。そのため、第3波長変換光学素子33において第1変換光Lv1と第2変換光Lv2との和周波発生により波長266nmの出力光(第3変換光)Lv3が発生し、レーザ装置LSから出力される。
一方、操作盤等から制御部8に入力される出力指令が、出力光Lv3を停止するオフ状態のとき、光源コントローラ83は、出力オフ指令信号を光源ドライバ81に出力する。このとき、光源ドライバ81は、図4及び図5に示すように、第3波長変換光学素子33において第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列とが時間的に重なり合わないように、第1光源11から出射する第1波長のシード光Ls1と第2光源12から出射する第2波長のシード光Ls2の相対的な出力タイミングを制御する。
具体的には、光源ドライバ81は第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列とが第3波長変換光学素子33において時間的に重なり合わないタイミング(いずれか一方がオン状態のとき他方がオフ状態になるタイミング)の第1駆動信号及び第2駆動信号を生成し、第1光源11及び第2光源12を駆動する。
第1光源11から出射した第1波長のシード光Ls1、及び第2光源12から出射した第2波長のシード光Ls2は、各々ファイバ増幅器21により増幅されて第1増幅光La1及び第2増幅光La2となり、第1波長変換光学素子31に集光入射する。第1波長変換光学素子31においては、第1波長λ1と第2波長λ2との波長差Δλにより第1増幅光La1のみが波長変換されて第1変換光Lv1が発生し、第2増幅光La2は波長変換されずにそのまま透過する。第1波長変換光学素子31で発生した第1変換光Lv1、及び第1波長変換光学素子31をそのまま透過した第2増幅光La2は第2波長変換素子32に入射する。
第2波長変換光学素子32においては、第1波長λ1と第2波長λ2との波長差Δλにより第2増幅光La2のみが波長変換されて第2変換光Lv2が発生する。第2波長変換光学素子32で発生した第2変換光Lv2と、波長変換光学素子32を透過した第1変換光Lv1は第3波長変換光学素子33に集光入射する。
しかしこのときには、第3波長変換光学素子33に入射した第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とは、第3波長変換光学素子33において両者のパルス列が時間的に重なり合わないように設定されている。また、第3波長変換光学素子33は、第1変換光Lv1と第2変換光Lv2とは和周波発生の位相整合条件を満たすが、第1変換光Lv1単体、及び第2変換光Lv2単体では第2高調波発生の位相整合条件を満たさないように設定されている。そのため、第3波長変換光学素子33において波長266nmの出力光Lv3は発生せず、レーザ装置LSから出力されない。
以上のように第1光源11を駆動する第1駆動信号のパルス列と、第2光源12を駆動する第2駆動信号のパルス列との相対的なタイミングを変化させることによって、波長266nmの出力光Lv3をオン/オフが制御することができる。
なお、波長変換部3の出力端部に、例えば波長が300nm程度よりも短い光を反射し、波長がこれよりも長い光を透過するダイクロイックミラー等を設け、出力光Lv3と、第3波長変換光学素子33を透過した第1,第2増幅光及び第1,第2変換光等とを分離することによって、出力光以外の波長の光がレーザ装置LSから出力されることを防止することができる。
以上では、レーザ装置LSから出力する出力光Lv3をオン/オフ制御する形態について説明したが、本構成のレーザ装置LSは、出力光Lv3のパワーを制御することもできる。上述したように、出力光Lv3をオン/オフする制御は、第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列とが第3波長変換光学素子33において時間的に重なり合う状態と、時間的に重なり合わない状態とに切り換えることによって実現される(図2〜図5を参照)。一方、出力光Lv3のパワーを変化させる制御は、第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列とが、第3波長変換光学素子33において時間的に重なる重複率を制御することによって実現される。この出力光のパワー制御も、具体的には、第1光源11を駆動する第1駆動信号と、第2光源を駆動する第2駆動信号との相対的なタイミングを変化させることにより行われる。
図6(a)〜(c)は、第1駆動信号と第2駆動信号との相対的なタイミングを変化させることにより、第3波長変換光学素子33における第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列との重複率を変化させた様子を示す説明図である。この図における(a)は、第3波長変換光学素子33における第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列との重複率を20%に設定した場合、(b)は両者の重複率を約50%に設定した場合、(c)は両者の重複率を80%に設定した場合を例示する。
図6(a)に示す重複率20%の場合には、第3波長変換光学素子33で発生する出力光Lv3のパワーは、重複率が100%のときのパワーの20%になる。同様に図6(b)に示す重複率50%の場合には出力光Lv3のパワーは重複率100%のときのパワーの50%、図6(c)に示す重複率80%の場合には出力光Lv3のパワーは重複率100%のときのパワーの80%になる。
すなわち、第1光源11を駆動する第1駆動信号と第2光源12を駆動する第2駆動信号との相対的なタイミングを変化させて、第3波長変換光学素子33における第1変換光Lv1のパルス列と第2変換光Lv2のパルス列との重複率を変化させることにより、0〜100%の範囲で出力光Lv3のパワーを任意かつ高速に制御することができる。
このような構成のレーザ装置LSにおいては、レーザ光発生部1において、出力光Lv3をオン/オフするために第1光源11及び第2光源12の少なくともいずれかを動作状態と非動作状態とに切り替えたり、出力光Lv3のパワーを制御するために第1光源11を駆動する第1駆動信号及び第2光源12を駆動する第2駆動信号の少なくともいずれかの信号波形を変化させたりする必要がなく、第1光源11及び第2光源12の両者をともに定常状態で動作させることができる。このため、第1光源11及び第2光源12を安定的に動作させ、発振波長及びパルス波形が安定した第1波長のシード光Ls1及び第2波長のシード光Ls2を発生させることができる。
また、増幅部2では、ファイバ増幅器21に第1光源11で発生した第1波長のシード光Ls1及び第2光源で発生した第2波長のシード光Ls2が常時入射し、ファイバ増幅器21において各々増幅されて第1増幅光La1及び第2増幅光La2が定常的に出力される。このため、出力光Lv3をオン/オフしたり出力光Lv3のパワーを制御するためにファイバ増幅器21のゲインを変化させる必要がなく、ファイバ増幅器21を定常状態で安定的に動作させて第1増幅光La1及び第2増幅光La2を安定的に出力させることができる。
さらに、波長変換部3においては、第1波長変換光学素子31に第1増幅光La1及び第2増幅光La2が常時入射して第1変換光Lv1が定常的に発生し、第2波長変換光学素子32には第1変換光Lv1及び第2増幅光La2が常時入射して第2変換光Lv2が定常的に発生する。また、第3波長変換光学素子33には第1波長変換光学素子31で発生した第1変換光Lv1と第1波長変換光学素子31で発生したと第2変換光Lv2とが常時入射する。そのため、第3波長変換光学素子33における出力光Lv3のパワーに応じた発熱量変化を除いて、第1〜第3波長変換光学素子31〜33は熱的に安定であり、特に第2波長変換光学素子32までの熱的な状態は極めて安定している。
従って、このようなレーザ装置LSによれば、増幅部2のファイバ増幅器21と波長変換部3の第1〜第3波長変換光学素子31〜33を直列的に接続し、レーザ光発生部1の第1光源11を駆動する第1駆動信号と第2光源12を駆動する第2駆動信号との相対的なタイミングを変化させる簡明な構成で、出力光Lv3を高速且つ安定的に制御することができる。
以上では、第1光源11及び第2光源12をパルス発振させ、その駆動信号の相対的なタイミングを変化させることによって出力光(第3変換光)の出力状態を制御する構成を例示した。しかし、本発明は上記構成形態に限らず、レーザ光発生部1から出力される第1波長のシード光Ls1と第2波長のシード光Ls2の出力タイミングを高速に制御可能な構成であればよい。
例えば、第1光源11及び第2光源12の少なくともいずれかの出射端部に電気光学変調器(EOM)等の外部変調器を設け、CW発振またはパルス発振させたレーザ光の一部を外部変調器により前記所定のタイミングで切り出して、第1波長のシード光Ls1及び第2波長のシード光Ls2をレーザ光発生部1から出力するように構成しても良い。このような形態のレーザ装置においても、前述したレーザ装置LSと同様の作用及び効果を得ることができ、さらにパルス波形の立ち上がり及び立ち下がりが、より急峻な出力光を出力することができる。
なお、実施形態では、第1波長λ1と第2波長λ2との波長差Δλを8nmとした構成を例示したが、波長差Δλは増幅部2や波長変換部3の構成に応じて、適宜な値に設定することができる。すなわち、波長差Δλは、1本のファイバ増幅器21において第1波長λ1のシード光及び第2波長λ2のシード光を並立して増幅可能であり、また第3波長変換光学素子33において第1変換光Lv1と第2変換光Lv2のみが位相整合条件を満たすような波長差であればよい。なお、第1波長変換光学素子31において第1増幅光La1のみが位相整合条件を満たし、第2波長変換光学素子32において第2増幅光L2のみが位相整合条件を満たす他の構成として、第1増幅光La1と第2増幅光La2の偏光面の角度を直交させて第1波長変換光学素子31に入射する手法が例示される。この場合、第1波長変換光学素子31と第2波長変換光学素子32の間に、第2増幅光La2の偏光方向を90度回転させる一方第1変換光Lv1の偏光方向を保持するような2波長波長板を挿入するか、第3波長変換光学素子33をタイプIIの位相整合条件(2つの基本波の偏光方向が直交)で用いれば良い。
また、実施形態では、レーザ光発生部1から波長1.06μm帯のシード光を出力し、波長変換部3の三つの波長変換光学素子31,32,33で波長266nmの出力光に波長変換して出力する構成を例示したが、シード光の波長帯域や波長変換光学素子の個数及び配置、出力光の波長等は任意である。
以上説明したようなレーザ装置LSは、小型軽量であるとともに取り扱いが容易であり、露光装置や光造形装置等の光加工装置、フォトマスクやウェハ等の検査装置、顕微鏡や望遠鏡等の観察装置、測長器や形状測定器等の測定装置、光治療装置などのシステムに好適に適用することができる。
レーザ装置LSを備えたシステムの第1の適用例として、半導体製造や液晶パネル製造のフォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置について、その概要構成を示す図7を参照して説明する。露光装置500は、原理的には写真製版と同じであり、石英ガラス製のフォトマスク513に精密に描かれたデバイスパターンを、フォトレジストを塗布した半導体ウェハやガラス基板などの露光対象物515に光学的に投影して転写する。
露光装置500は、上述したレーザ装置LSと、照明光学系502と、フォトマスク513を保持するマスク支持台503と、投影光学系504と、露光対象物515を保持する露光対象物支持テーブル505と、露光対象物支持テーブル505を水平面内で移動させる駆動機構506とを備えて構成される。照明光学系502は複数のレンズ群からなり、レーザ装置LSから出力されたレーザ光を、マスク支持台503に保持されたフォトマスク513に照射する。投影光学系504も複数のレンズ群により構成され、フォトマスク513を透過した光を露光対象物支持テーブル上の露光対象物515に投影する。
このような構成の露光装置500においては、レーザ装置LSから出力されたレーザ光が照明光学系502に入力され、所定光束に調整されたレーザ光がマスク支持台503に保持されたフォトマスク513に照射される。フォトマスク513を通過した光はフォトマスク513に描かれたデバイスパターンの像を有しており、この光が投影光学系504を介して露光対象物支持テーブル505に保持された露光対象物515の所定位置に照射される。これにより、フォトマスク513のデバイスパターンの像が、半導体ウェハや液晶パネル等の露光対象物515の上に所定倍率で結像露光される。
次に、レーザ装置LSを備えたシステムの第2の適用例として、フォトマスクや液晶パネル、ウェハ等(被検物)の検査工程で使用される検査装置について、その概要構成を示す図8を参照して説明する。図8に例示する検査装置600は、フォトマスク等の光透過性を有する被検物613に描かれた微細なデバイスパターンの検査に好適に使用される。
検査装置600は、前述したレーザ装置LSと、照明光学系602と、被検物613を保持する被検物支持台603と、投影光学系604と、被検物613からの光を検出するTDI(Time Delay Integration)センサ615と、被検物支持台603を水平面内で移動させる駆動機構606とを備えて構成される。照明光学系602は複数のレンズ群からなり、レーザ装置LSから出力されたレーザ光を、所定光束に調整して被検物支持台603に保持された被検物613に照射する。投影光学系604も複数のレンズ群により構成され、被検物613を透過した光をTDIセンサ615に投影する。
このような構成の検査装置600においては、レーザ装置LSから出力されたレーザ光が照明光学系602に入力され、所定光束に調整されたレーザ光が被検物支持台603に保持されたフォトマスク等の被検物613に照射される。被検物613からの光(本構成例においては透過光)は、被検物613に描かれたデバイスパターンの像を有しており、この光が投影光学系604を介してTDIセンサ615に投影され結像する。このとき、駆動機構606による被検物支持台603の水平移動速度と、TDIセンサ615の転送クロックとは同期して制御される。
そのため、被検物613のデバイスパターンの像がTDIセンサ615により検出され、このようにして検出された被検物613の検出画像と、予め設定された所定の参照画像とを比較することにより、被検物に描かれた微細パターンの欠陥が抽出される。なお、被検物613がウェハ等のように光透過性を有さない場合には、被検物からの反射光を投影光学系604に入射してTDIセンサ615に導くことにより、同様に構成することができる。
LS レーザ装置
1 レーザ光発生部 2 増幅部
3 波長変換部 8 制御部
11 第1光源 12 第2光源
21 ファイバ増幅器(増幅器) 30 波長変換光学系
31 第1波長変換光学素子 32 第2波長変換光学素子
33 第3波長変換光学素子
Ls1 第1波長のシード光 Ls2 第2波長のシード光
La1 第1増幅光 La2 第2増幅光
Lv1 第1変換光 Lv2 第2変換光
Lv3 第3変換光(出力光)
500 露光装置
502 照明光学系 503 マスク支持台
504 投影光学系 505 露光対象物支持テーブル
513 フォトマスク 515 露光対象物
600 検査装置
602 照明光学系 603 被検物支持台
604 投影光学系 613 被検物
615 TDIセンサ

Claims (7)

  1. パルス状の第1波長のレーザ光を発生する第1光源及びパルス状の第2波長のレーザ光を発生する第2光源を有するレーザ光発生部と、
    前記第1波長及び前記第2波長を含む波長帯域の光に利得を有する増幅器を備え、前記レーザ光発生部から出力された前記第1波長のレーザ光及び前記第2波長のレーザ光を増幅して、前記第1波長のレーザ光を増幅した第1増幅光及び前記第2波長のレーザ光を増幅した第2増幅光を出力する増幅部と、
    前記増幅部から出力された前記第1増幅光を第1変換光に波長変換し前記第2増幅光を透過する第1波長変換光学素子、前記第1波長変換光学素子を透過した前記第2増幅光を第2変換光に波長変換し前記第1変換光を透過する第2波長変換光学素子、及び前記第1変換光と前記第2変換光とから波長変換により第3変換光を発生する第3波長変換光学素子を有する波長変換部と、
    前記レーザ光発生部の作動を制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、前記レーザ光発生部から出力するパルス状の前記第1波長のレーザ光及びパルス状の前記第2波長のレーザ光の相対的な出力タイミングを制御することにより、前記第3波長変換光学素子における前記第1変換光と前記第2変換光との時間的な重ね合わせを制御して、前記第3変換光の出力状態を制御する
    ように構成したことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記第1波長及び前記第2波長は、
    前記第3波長変換光学素子において、前記第1変換光と前記第2変換光とは位相整合条件を満たすが、前記第1変換光単体及び前記第2変換光単体では位相整合条件を満たさないような波長に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記第1波長及び前記第2波長は、
    前記第1波長変換光学素子において、前記第1増幅光は位相整合条件を満たすが前記第2増幅光は位相整合条件を満たさず、
    前記第2波長変換光学素子において、前記第2増幅光は位相整合条件を満たすが前記第1増幅光は位相整合条件を満たさないような波長に設定される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ装置。
  4. 前記制御部は、前記第3波長変換光学素子において前記第1変換光と前記第2変換光とが時間的に重複した状態と重複しない状態とに切り換えることにより、前記第3変換光のオン/オフを制御する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  5. 前記制御部は、前記第3波長変換光学素子において前記第1変換光と前記第2変換光との時間的な重複率を変化させることにより、前記第3変換光のパワーを制御する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ装置と、
    所定の露光パターンが形成されたフォトマスクを保持するマスク支持部と、
    露光対象物を保持する露光対象物支持部と、
    前記レーザ装置から出力されたレーザ光を前記マスク支持部に保持されたフォトマスクに照射する照明光学系と、
    前記フォトマスクを透過した光を露光対象物支持部に保持された露光対象物に投影する投影光学系と
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ装置と、
    被検物を保持する被検物支持部と、
    前記レーザ装置から出力されたレーザ光を前記被検物支持部に保持された被検物に照射する照明光学系と、
    前記被検物からの光を検出器に投影する投影光学系と
    を備えたことを特徴とする検査装置。
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