JP2015037528A - 超音波医療装置および超音波診断装置 - Google Patents

超音波医療装置および超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】体内部位の高品質な超音波画像を低侵襲で取得可能な技術を提供する。【解決手段】実施形態の超音波医療装置の本体部は、超音波振動子を含み、被検体の内腔に挿入される。第1および第2の閉塞部は、内腔に挿入され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能である。第1の閉塞部は、本体部に対して挿入口とは反対側に配置され、遮蔽可能な開口が挿入口の側の面に設けられている。第2の閉塞部は、本体部に対して挿入口の側に配置され、これを貫通する経路が設けられている。流体供給部は、上記開口を通して第1の閉塞部の内部に先端部が配置された状態で流体を供給することにより外形寸法を拡大させ、かつ、上記経路に先端部が配置された状態で流体を供給することにより第2の閉塞部の外形寸法を拡大させる。液体供給部は、第1の閉塞部と第2の閉塞部との間の空間に液体を供給する。【選択図】図7

Description

本発明の実施形態は、超音波医療装置および超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブを用いて被検体内を超音波で走査し、その反射波から生成されたエコー信号を基に被検体内を画像化する。
超音波診断装置に用いられる超音波プローブの一例として、経食道心エコー用(Transesophageal Echocardiograhy:TEE)プローブがある。TEEプローブは、たとえば、経口的に食道、胃等の上部消化管に挿入され、食道壁や胃壁を通して心臓等の画像を取得するために用いられる。TEEプローブは次の要素を含む:上部消化管に挿入されて超音波を送受信する本体部;本体部を先端に備えて食道に挿入され、その屈曲角度が操作可能な導中部;導中部の屈曲角度を操作する操作部;超音波診断装置本体に接続するためのコネクタ部。TEEプローブの本体部の先端には超音波振動子が設けられている。TEEプローブを用いて被検体の内腔から心臓等の画像を取得することにより、骨や皮下脂肪の影響を受けずに心臓等の高品質な画像を取得することができる。
また、いわゆるカプセル型の超音波医療装置(超音波プローブ)も提案されている。この超音波医療装置(カプセル超音波)は、超音波振動子を有し、経口的に食道に導入されて位置決めされる。カプセル超音波は、その周囲に設けられたバルーンを液体で膨脹させることによって食道内に固定される。また、バルーンの膨張に応じて超音波振動子の位置を調整できるようになっている。
特開2012−5837号公報
Hilberath et. al. 「Safety of Transesophageal Echocardiograhy」、Journal of American Society of Echocardiography、1157−1127ページ、November 2010
TEEプローブは、高品質な画像を取得できる点、および位置決めが容易である点において優れているが、患者に掛かる負担が大きいというデメリットがある。
これに対し、カプセル超音波を用いた超音波医療装置は、TEEプローブに比べて患者への負担が小さいというメリットを有する一方、位置決めが難しいという欠点がある。たとえば、バルーンの膨張に応じて超音波振動子を移動させる従来の構成においては、その移動可能量がわずかであるため、当初の位置決め(特に内腔の長手方向における位置決め)を精緻に行う必要がある。また、経食道で高品質な画像を得るには、バルーンを食道内壁に当接させるなどして、超音波を好適に伝播させる必要がある。しかし、従来のカプセル超音波を用いた超音波医療装置でこれを実現することは困難である。
また、画像診断一般において、所望の体内部位の高品質な画像を、可能な限り低侵襲で取得できることが望ましい。しかし、従来の経口的な超音波画像化技術では、この要望を満たすことは困難であった。
実施形態は、前述の問題点を解決するためになされたものであり、所望の体内部位の高品質な画像を低侵襲で取得することが可能な超音波医療装置および超音波診断装置を提供することを目的とする。
実施形態の超音波医療装置は、本体部と、第1の閉塞部と、第2の閉塞部と、流体供給部と、液体供給部とを含む。本体部は、超音波を送受信する超音波振動子を含み、被検体の内腔に挿入される。第1の閉塞部は、内腔に挿入され、本体部に対して被検体の挿入口とは反対側に配置され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能である。さらに、第1の閉塞部における挿入口の側の面には、遮蔽可能な第1の開口が設けられている。第2の閉塞部は、内腔に挿入され、本体部に対して挿入口の側に配置され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能である。さらに、第2の閉塞部には、挿入口の側の面に設けられた遮蔽可能な第2の開口とその対向面に設けられた遮蔽可能な第3の開口とを結ぶ第1の経路が設けられている。流体供給部は、第1の開口に先端部が挿脱可能とされ、第1の開口を通して第1の閉塞部の内部に先端部が配置された状態で流体を供給することにより、第1の閉塞部の外形寸法を拡大させる。さらに、流体供給部は、第1の経路に先端部が挿脱可能とされ、第1の経路に先端部が配置された状態で流体を供給することにより、第2の閉塞部の外形寸法を拡大させる。液体供給部は、第1の閉塞部と第2の閉塞部との間の空間に液体を供給する。
また、実施形態の超音波診断装置は、実施形態の超音波医療装置と、画像作成部とを含む。画像作成部は、超音波振動子により受信された反射波に基づく信号を処理して画像データを作成する。
実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態の例を示すフローチャートである。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 変形例に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態の例を示すフローチャートである。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。 実施形態に係る超音波診断装置の使用形態を説明するための概略図である。
〈第1の実施形態〉
図1〜図9Fを参照して、第1の実施形態に係る超音波医療装置およびこれを有する超音波診断装置1について説明する。この実施形態における観察対象は心臓とその周囲の血管系Hである。なお、観察対象は心臓に限定されず、他の組織、たとえば食道、大腸、膵臓、脾臓、胆嚢などに発生した腫瘍などであってよい。
図1は、超音波診断装置1の使用形態を示す。超音波診断装置1は、たとえば食道Eから心臓とその周囲の血管系Hを観察すること、つまり経食道心エコーに用いられる。超音波診断装置1は、被検体Pの挿入口(本例では口。他の例として肛門など)より内腔に挿入される部分(プローブ部)と、被検体Pの外部に配置される部分(外部装置40)とを有する。図1は、プローブ部の先端が、咽喉Tを通過し、食道Eに挿入されている状態を示す。
図2に示すように、プローブ部は、導中管10と、本体部20と、前側閉塞部110と、後側閉塞部120と、ケーブル部30とを含む。
(ケーブル部30)
この実施形態において、ケーブル部30は、3つのケーブル部30A〜30Cを含んで構成される。
第1のケーブル部30Aについては、先端側が本体部20に接続され、基端側が外部装置40に接続されている。第1のケーブル部30Aは、本体部20と外部装置40との間で信号を伝送する信号線としての機能を有する。
第2のケーブル部30Bについては、先端側が前側閉塞部110および後側閉塞部120に接続され、基端側が外部装置40に接続されている。この実施形態では、第2のケーブル部30Bの先端側は、後側閉塞部120を貫通して前側閉塞部110まで延伸されている。第2のケーブル部30Bは、外部装置40が前側閉塞部110および後側閉塞部120を独立に制御するための部材として機能する。この部材は、前側閉塞部110および後側閉塞部120に応じた構成を有する。たとえば、詳細は後述するが、前側閉塞部110および後側閉塞部120の外形寸法が流体の供給を受けて変化する構成の場合、流体の経路となる管状部材が第2のケーブル部30Bとして用いられる。また、これらの外形寸法が機械的に変化する構成の場合、そのためのアクチュエータを動作させるための信号を伝送する信号線が第2のケーブル部30Bとして用いられる。なお、前側閉塞部110および後側閉塞部120の外形寸法の変化が異なる手法によって実現される場合、これら手法に応じた異なる部材が第2のケーブル部30Bに含まれる。
第3のケーブル部30Cについては、先端側が後側閉塞部120に接続され、基端側が外部装置40に接続されている。第3のケーブル部30Cは、外部装置40が前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間に液体を供給するための機能を有する。この実施形態において、第3のケーブル部30Cは管状部材である。この管状部材は後側閉塞部120を貫通し、その先端の開口30cが後側閉塞部120の前側の面(つまり前側閉塞部110側の面)に配置されている(図2を参照)。なお、この管状部材の先端の位置は、後側閉塞部120の前面に限定されず、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間に露出されていればよい。
この実施形態では3つのケーブル部30A〜30Cが設けられているが、この構成には限定されない。たとえば、3つのケーブル部30A〜30Cの機能を任意の個数(1または複数)からなるケーブル部30に付与することができる。具体例として、前側閉塞部110および後側閉塞部120に対する流体の供給と、これらの間の空間に対する液体の供給とを同じ経路を用いて行う場合、第2のケーブル部30Bと第3のケーブル部30Cとを共通化してケーブル部30に含まれる部材の個数が低減される。ケーブル部30が複数のケーブル部を含む場合、ケーブル部30はこれらを一体的に束ねた構成であってよい。ケーブル部30が他の機能(たとえば後述する液体循環機能)を実現するための構成を有する場合、そのための部材がケーブル部30に設けられる。ケーブル部30が寄与する機能のうち少なくとも1つ(たとえば信号の伝送により実現される機能)を無線通信によって行うように構成することが可能である。
この実施形態のケーブル部30は可撓性を有している。つまり、ケーブル部30は、いわゆる紐状に形成されている。そのため、被検体Pの内腔(食道E)に本体部20等が留置されている状態において、ケーブル部30は内腔の形状に沿って配置される(図1参照)。
この実施形態において、ケーブル部30は、その少なくとも一部が捻じりを加えると可撓性が変化するように構成されていてよい。この構成について第1のケーブル部30Aを例に説明する。なお、第2のケーブル部30Bや第3のケーブル部30Cについても同様である。また、第1〜第3のケーブル部30A〜30Cを束ねた構成のケーブル部30が適用される場合、ケーブル部30に対して同様の構成を適用できる。また、本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120のうち2つ以上が実質的に一体的に移動可能に構成されている場合(たとえば、第1のケーブル部30Aにおける本体部20と後側閉塞部120との間の部分が可撓性を実質的に有しない場合や、第3のケーブル部30Cにおける前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の部分が可撓性を実質的に有しない場合)、可撓性が変化する構成を全てのケーブル部30A〜30Cに適用する必要はない。
図3Aに示すように、第1のケーブル部30Aの外周面には溝30aが設けられている。第1のケーブル部30Aは、所定方向に捻じられることにより、溝30aに沿って縒られて可撓性が低下する(つまり、第1のケーブル部30Aは、いわゆる紙縒り状になる。図3B参照)。このように、紙縒り状になって可撓性が低下した第1のケーブル部30Aを挿入口から押し込むことで、内腔の深部方向(本例では胃の方向)に本体部20を進めることができる。なお、第1のケーブル部30Aを引くことで、本体部20を逆方向(本例では口の方向)に移動させることができる。この逆方向への移動は、第1のケーブル部30Aに対して縒る方向とは逆方向に捻じりを加えて可撓性を持たせた状態で行ってもよい。
本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120を移動させるための紐状部材を、ケーブル部30とは別に設けることができる。この紐状部材の一端は、本体部20等の後端に接続されている。さらに、この紐状部材は、たとえば上記構成と同様に、捻じりを加えると可撓性が変化する構造を有する。
以上のような構成を適用することで、術者がケーブル部30(または紐状部材)を押し引きすることにより、本体部20等を移動させることができる。それにより、内腔の壁面に直接に接触することなく本体部20を移動させることができ、壁面を損傷することを防ぐことが可能となる。
(導中管10)
導中管10は、プローブ部の本体部20、前側閉塞部110、後側閉塞部120およびケーブル部30の一連を覆うような管状の部材であり、経口的に被検体Pの内腔に挿入される。導中管10は、プローブ部を内腔に案内する操作を容易にするための部材であり、内腔に前側閉塞部110、本体部20および後側閉塞部120を順に留置するにあたり、挿入口より少しずつ引き抜かれる。内腔にプローブ部を全て留置したら、挿入口から導中管10を全て引き抜く。当該操作のさらなる容易化を図るための手法の例として、被検体Pの挿入口にマウスピースMを装着し、このマウスピースMを介して導中管10を体内に挿入することができる。
導中管10は、所定の長さを有し、両端に開口部が形成された中空の部材である。プローブ部の本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120の一連を覆う作業を容易化するため、側面の長手方向にスリットが形成されていてよい。導中管10の長さは、観察対象により決定される。心臓とその周囲の血管系Hを観察する場合、食道E内の任意の位置に本体部20が配置される。したがって、少なくとも被検体Pの挿入口から食道Eの終端(胃の噴門)付近まで到達する長さを有する導中管10が用いられる。また、体型や年齢、性別のように消化管の長さに関連するファクタに基づいて導中管10の長さを推定し、長さの異なる複数の導中管を択一的に適用することができる。また、導中管10は、自在に伸縮可能な材料によって形成されていてよい。
導中管10には、導中管10の先端(体内に挿入される側の端部)からの距離を示すマーカmが設けられていてよい。マーカmは、たとえば所定の図形または目盛からなる。マーカmを参照することにより、術者は、被検体Pの内腔に導中管10がどのくらい挿入されているか(すなわち被検体Pの内腔における本体部20の位置)を把握することができる。マーカmを設ける位置は、たとえば、口から食道Eまでの標準的な長さに基づいて決定される。体型や年齢、性別のように消化管の長さに関連するファクタに応じて異なる位置にマーカmが設けられた複数の導中管10を準備してもよい。また、当該被検者に対して過去に同種の検査が実施された場合、過去の検査における導中管10の挿入長さを記録しておき、この挿入長さに応じた位置にマーカmが設けられた導中管10を用いて新たな検査を実施することができる。なお、同様のマーカをケーブル部30に設けることも可能である。
(本体部20)
本体部20は、被検体Pの咽喉Tを容易に通過するように、たとえばカプセル状の外形を有する。本体部20の外殻の少なくとも一部(超音波送受信窓)は、超音波を透過させる材料(つまり超音波を実質的に反射・減衰しない材料)で形成されている。本体部20には、超音波の送受信を行うための構成(後述)が格納されている。
本体部20は、食道E内に配置された状態で心臓とその周囲の血管系Hに向けて超音波を送信し、心臓とその周囲の血管系Hからの反射波をエコー信号として受信する。この明細書では、超音波の送信および反射波の受信を併せて「超音波の送受信」と称することがある。本体部20は、ケーブル部30(第1のケーブル部30A)を介してエコー信号を外部装置40に送信する。外部装置40は、本体部20から受信したエコー信号を処理することにより、超音波画像を作成・表示する。本体部20の内部構成については後述する。
(前側閉塞部110・後側閉塞部120)
前側閉塞部110および後側閉塞部120は、それぞれ、外形寸法が変化するように構成されている。外形寸法は、少なくとも、前側閉塞部110および後側閉塞部120の径方向(つまり本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120の配列方向に直交する方向、換言すると内腔の径方向)に変化する。
前側閉塞部110および後側閉塞部120を内腔に挿入するとき、並びに、これらを内腔から抜去するときには、これらの外形寸法は「小径状態」とされる。つまり、外形寸法が縮小された状態で、前側閉塞部110および後側閉塞部120は内腔に挿入され、また内腔から抜去される。それにより、内腔に対する挿入動作および内腔からの抜去動作を容易に行うことができる。
一方、超音波による画像化を行うときには、前側閉塞部110および後側閉塞部120の外形寸法は「大径状態」とされる。つまり、前側閉塞部110および後側閉塞部120の外形寸法が拡大された状態で、本体部20による超音波の送受信が実行される。前側閉塞部110および後側閉塞部120の外形寸法が大径状態にある場合、これらは内腔を実質的に閉塞する。「実質的に閉塞する」とは、これらの間の空間に供給される液体が、前側閉塞部110等と内腔の壁面との間から全く漏れないか、或いは超音波検査に対して影響を及ぼさない程度にしか漏れないことを意味する。図2に示す前側閉塞部110および後側閉塞部120が内腔を実質的に閉塞している状態を図4に示す。符号Eaは食道Eの内壁を示す。
内腔に挿入されている状態において、前側閉塞部110は、本体部20に対して被検体Pへの挿入口とは反対側に配置される。すなわち、前側閉塞部110は、本体部20よりも内腔の深部方向に配置される。さらに、外形寸法が拡大された状態の前側閉塞部110の外周面は、食道Eの内壁Eaに当接している。一方、後側閉塞部120は、本体部20よりも挿入口の側の位置に配置される。さらに、外形寸法が拡大された状態の後側閉塞部120の外周面は、食道Eの内壁Eaに当接している。このように、前側閉塞部110および後側閉塞部120の外形寸法を拡大することで、これらの間の空間(つまり前側閉塞部110、後側閉塞部120および内壁Eaにより囲まれた空間)Ebは、少なくとも液体の移動に関して実質的に周囲から遮断され、本体部20の周囲は液体で充填される。本体部20は、この空間Ebを通して心臓とその周囲の血管系Hの方向に超音波の送受信を行う。
以上のように機能する前側閉塞部110および後側閉塞部120の構成例を説明する。図5Aおよび図5Bは、前側閉塞部110の概略構成を表す。なお、外形寸法の拡大に関与しない部分については、図示が省略されている。また、後側閉塞部120も同様の構成を有していてよい。
図5Aに示す前側閉塞部110は、基部110aと、膨張部110bとを有する。基部110aは、たとえば円柱状に形成されている。また、膨張部110bは、たとえば円筒状に形成されており、その内周面が基部110aの外周面に取り付けられている。それにより、膨張部110bは基部110aに保持される。膨張部110bは、外部から流体の供給を受けて膨張することにより外形寸法が拡大するように構成されている。その結果、前側閉塞部110の外形寸法が、内腔の径方向に拡大する(図5B参照)。一方、膨張部110bは、その内部に充填されている流体の排出を受けて収縮する。このように、本例において、外形寸法の変化は、基部110aから膨張部110bの外周面110cまでの距離の変化として実現される。外形寸法が拡大されている状態において、膨張部110bの外周面110cは、食道Eの内壁Eaに当接される。よって、外周面110cを「当接部」と呼ぶことがある。
膨張部110bは、いわゆるバルーンとして構成されていてよい。また、膨張部110bは、弾性を有する材料によって構成されていてよい。また、膨張部110bは、折り畳み式に構成されていてよい。つまり、膨張部110bは、折り目を展開させながら膨張し、折り目を復元しながら収縮するように構成されていてよい。
前側閉塞部110および後側閉塞部120の構成は、流体の移動によって膨張・収縮するものに限定されない。たとえば、機械的に外形寸法を変化させる構成を適用することが可能である。その場合、外部からの信号によって動作するアクチュエータと、このアクチュエータにより発生された駆動力に基づいて外形寸法が変化する機構とが、前側閉塞部110等に設けられる。このような機構の例として、屈曲・伸展が可能な折り畳み式アームや、重畳領域が可変な複数枚の羽状部材を含む絞り羽機構などがある。
前述したように、前側閉塞部110の膨張部110bの外周面110cは、膨張部110bが膨張されている状態において食道Eの内壁Eaに当接する当接部として機能する。膨張部110bのうち外周面110cの少なくとも一部を含む部分を、弾性部材によって構成することができる。たとえば、膨張部110bのうち外周面110cを外縁とする所定厚さの部分を弾性部材により構成することができる。また、膨張部110bとしてバルーンが用いられる場合には、その内部に流体を充填することにより膨張部110b全体が弾性部材として機能する。また、外周面110cの一部のみに弾性が付与されていてもよい。このように外周面110cの少なくとも一部に弾性を付与することで、前側閉塞部110と内壁Eaとの間に隙間が生じることを防止できる。それにより、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebの閉塞性の向上を図ることが可能である。後側閉塞部120についても同様に、当接部の少なくとも一部に弾性を付与することができる。
膨張部110bの外周面110cの少なくとも一部に、加水により粘度が増大する部材を設けることができる。この部材は、たとえば、加水によりゲル状になる素材により構成される。このような構成を適用することにより、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに供給される液体や、体液によって当該部材の粘度が増大し、前側閉塞部110と内壁Eaとの間に隙間が生じることを防止できる。それにより、空間Ebの閉塞性の向上を図ることが可能である。後側閉塞部120についても同様に、当接部の少なくとも一部に、加水によって粘度が増大する部材を設けることができる。
膨張部110bの外周面110cの少なくとも一部に、内壁Eaに向けて突出する(つまり膨張部110bの径方向外方に向けて突出する)突出部を設けることが可能である。突出部の例を図6に示す。本例に係る前側閉塞部110の外周面(当接部)には、針状の突出部111が複数設けられている。前側閉塞部110の外形寸法が拡大されてその外周面が食道Eの内壁Eaに当接すると、針状の突出部111が食道Eに突き刺さる。それにより前側閉塞部110が食道Eに安定的に固定される。本例は、たとえば病院内外での救命措置や病院への搬送時において、被検体の心臓を長時間にわたってモニタリングする場合などに有効と考えられる。なお、突出部はこのような針状のものに限定されない。たとえば、突出部は、当接部の表面積を増加させて内壁Eaとの間の摩擦を増大させるものでもよいし、内壁Eaの運動(蠕動)による前側閉塞部110の移動に抗する形状(たとえば胃側に向けて屈折した形状)を有するものでもよい。
(外部装置40)
外部装置40は、少なくとも、プローブ部(たとえば本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120)を制御する機能と、本体部20により取得されたエコー信号(受信データ)に基づき画像を作成する機能とを有する。外部装置40の内部構成については以下に説明する。
(内部構成)
超音波診断装置1の内部構成について説明する。図7は、本体部20および外部装置40の内部構成の一例を示すブロック図である。
まず、本体部20の内部構成について説明する。本体部20は、超音波振動子21と、カプセル送受信部22と、カプセル制御部23と、カプセル電源部24と、駆動機構25とを含んで構成される。
超音波振動子21は、本体部20に格納されている。超音波振動子21は、カプセル制御部23からの駆動信号に基づいて、放射面から超音波を送信する。また、超音波振動子21は、被検体Pから反射波を受信し、この反射波に基づくエコー信号をカプセル送受信部22に送る。
超音波振動子21を構成する振動素子としては、圧電体やMUT(Micromachining Ultrasound Transducer)素子を用いることができる。MUT素子には、cMUT(Capacitive Micromachining Ultrasound Transducer:静電容量型トランスデューサ)や、pMUT(Piezoelectric Micromachining Ultrasound Transducer:圧電型トランスデューサ)が含まれる。
この実施形態において、超音波振動子21は、たとえば、2次元アレイ状に並んだ複数の振動素子を用いて電子的にスキャンを行う2Dアレイタイプである。この2Dアレイタイプによれば、四角錐状の3次元領域を超音波でスキャンすることが可能である(図7参照)。
カプセル送受信部22は、外部装置40(後述の制御部44)からの制御信号をカプセル制御部23に送信する。カプセル制御部23は、この制御信号に基づいて、超音波振動子21に向けて駆動信号を送信する。さらに、カプセル送受信部22は、超音波振動子21が受信した反射波に基づくエコー信号を受ける。カプセル送受信部22は、このエコー信号を外部装置40(後述の送受信部41)に向けて送信する。この実施形態において、カプセル送受信部22と外部装置40との間における信号の伝送は、ケーブル部30内に設けられた信号線SL1を介して行われる。信号線SL1は、図2に示す第1のケーブル部30A内に配置されている。
具体例として、カプセル制御部23は、超音波振動子21に駆動信号を供給することで2次元的な超音波スキャンを実行させる。カプセル制御部23は、たとえば、図示しないクロック発生器と、送信遅延回路と、パルサ回路とを有する。クロック発生器は、超音波信号の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する。送信遅延回路は、超音波を観察対象に集束させるための集束用遅延時間と、超音波を観察対象に送信するための偏向用遅延時間とにしたがって超音波の送信時に遅延をかけることにより、送信フォーカスを実施する。パルサ回路は、振動素子に対応する個別チャンネルと同数のパルサを有する。パルサ回路は、遅延がかけられた送信タイミングで駆動パルス(駆動信号)を生成し、超音波振動子21を構成する振動素子に駆動パルス(駆動信号)を供給する。なお、外部装置40にカプセル制御部の機能を備えて超音波振動子21の駆動パルス(駆動信号)を生成し、本体部20の超音波振動子21へ供給することも可能である。この場合、本体部の電力消費を軽減し、熱エネルギーによる内腔の温度上昇を低減することができる。
また、カプセル送受信部22は、超音波振動子21から受けたエコー信号に対して遅延処理を行うことにより、アナログのエコー信号を整相加算されたデジタルのデータ(受信データ)に変換する。カプセル送受信部22は、たとえば、図示しないゲイン回路と、A/D変換器と、受信遅延回路と、加算器とを有する。ゲイン回路は、超音波振動子21の振動素子から出力されるエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する(ゲインをかける)。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。具体的には、受信遅延回路は、観察対象からの超音波を集束させるための集束用遅延時間と、観察対象に対して受信指向性を設定するための偏向用遅延時間とを、デジタルのエコー信号に与える。加算器は、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。その加算によって、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。すなわち、受信遅延回路と加算器とによって、観察対象から得られたエコー信号は整相加算される。カプセル送受信部22は、遅延処理が施されたエコー信号(受信データ)を外部装置40に向けて出力する。
カプセル電源部24は、外部装置40(後述の電源部47)から電力供給を受ける。カプセル電源部24は、供給された電力を超音波振動子21、カプセル送受信部22およびカプセル制御部23に分配する。この実施形態において、外部装置40からの電力供給は、ケーブル部30内に設けられた信号線SL2を介して行われる。信号線SL2は、図2に示す第1のケーブル部30A内に配置されている。
駆動機構25は、本体部20の可動部を移動させる。可動部は、超音波振動子21を含む。可動部は、超音波振動子21を保持する保持部(図示せず)などを含んでいてよい。駆動機構25は、超音波振動子21が超音波を送受信する位置や方向を変更するために用いられる。
超音波振動子21が超音波を送受信する位置を変更する場合について説明する。駆動機構25は、超音波放射面の向きを維持した状態で可動部を移動させる機能を有する。換言すると、駆動機構25は、可動部を平行移動させる機能を有する。たとえば、駆動機構25は、前側閉塞部110に近接する方向および後側閉塞部120に近接する方向に可動部を移動させることができる。それにより、超音波振動子21が超音波を送受信する位置を、本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120の配列方向(つまり内腔(食道E)の長手方向)に沿って移動させることが可能となる。駆動機構25が可動部を平行移動させる方向はこれに限定されず、任意の方向であってよい。
続いて、超音波振動子21が超音波を送受信する方向を変更する場合について説明する。駆動機構25は、超音波振動子21の放射面の向きを変更する機能を有する。たとえば、駆動機構25は、前側閉塞部110および後側閉塞部120の配列方向に直交する方向(つまり内腔(食道E)の径方向)に超音波放射面の向きを変更することができる。これは、超音波放射面の回転移動(回転角度の変化)に相当する。また、駆動機構25は、前側閉塞部110および後側閉塞部120の配列方向(つまり内腔(食道E)の長手方向)に超音波放射面の向きを変更することができる。これは、超音波放射面の煽り(仰角・俯角の変化)に相当する。駆動機構25が超音波放射面を偏向する方向はこれに限定されず、任意の方向であってよい。
駆動機構25は、ユーザが行った操作に対応して可動部を移動させる。この操作内容は、たとえば電気的にまたは力学的に駆動機構25に伝達される。
前者の場合の例を説明する。ユーザが操作部46を介して所望の操作を行うと、制御部44は、送受信部41を制御することで、その操作内容に対応する電気信号を、信号線SL1を介してカプセル送受信部22に送信させる。カプセル制御部23は、この電気信号が示す操作内容を実現するように駆動機構25を制御する。この場合、駆動機構25は、カプセル制御部23により動作制御されるアクチュエータと、このアクチュエータにより発生された駆動力を可動部に伝達する伝達機構とを含む。アクチュエータは、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用したもの、たとえば静電アクチュエータ、静電マイクロモータ、電磁力アクチュエータ、圧電型アクチュエータなどを用いることができる。伝達機構についても同様にMEMS技術を利用した小型のものを用いることができる。また、アクチュエータと伝達機構とを単一の基板に集積化することも可能である。
後者の場合の例を説明する。超音波診断装置1は、超音波放射面を移動させるための専用の操作機器を有する。この操作機器は被検体Pの外部に設けられる。この操作機器は、外部装置40の操作部46として設けられてもよい。本体部20に接続された第1のケーブル部30A(図2参照)には、操作機器による操作内容を力学的に伝達するための機構を有する。この機構はたとえば1本以上のワイヤであり、その運動(前後移動、回転、ねじれ等)によって操作内容が伝達される。駆動機構25は、ワイヤの運動に連動して可動部を移動させる。
次に、外部装置40の内部構成について説明する。外部装置40は、送受信部41と、受信データ処理部42と、画像作成部43と、制御部44と、表示部45と、操作部46と、電源部47と、流体供給部48と、液体供給部49とを含んで構成される。
送受信部41は、制御部44からの制御信号をカプセル送受信部22に送信する。また、送受信部41は、カプセル送受信部22からのエコー信号を受信し、受信データ処理部42に出力する。
受信データ処理部42は、送受信部41から出力されたエコー信号に対して各種の信号処理を行う。たとえば、受信データ処理部42はBモード処理部を有する。Bモード処理部はエコー信号を送受信部41から受けて、エコー信号の振幅情報の映像化を行う。また、受信データ処理部42はCFM(Color Flow Mapping)処理部を有していてもよい。CFM処理部は血流情報の映像化を行う。また、受信データ処理部42はドプラ処理部を有していてもよい。ドプラ処理部はエコー信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を抽出し、これにFFT処理を施すことによって血流速度を表すドプラ周波数分布を生成する。受信データ処理部42は、信号処理が施されたエコー信号を画像作成部43に出力する。
画像作成部43は、受信データ処理部42から出力された信号処理後のエコー信号を処理し、画像データ(超音波画像データ)を作成する。
制御部44は、超音波診断装置1が有する各構成の動作を制御する。たとえば、制御部44は、送受信部41を介してカプセル送受信部22に対し超音波振動子21を駆動させる駆動信号を送信することにより、超音波の送受信を制御する。また、制御部44は、画像作成部43で作成された画像データ(超音波画像データ)に基づく画像(超音波画像)を表示部45に表示させる。
表示部45は、液晶ディスプレイやCRTなどの表示デバイスを含む。操作部46は、キーボードやマウス、操作卓などの入力装置を含む。術者は操作部46を介して本体部20による超音波の送受信等を行う。
電源部47は、信号線SL2を介して本体部20に電力を供給する。電源部47は、外部電源から入力される電力を本体部20に供給する構成であってよい。外部電源としては、商用電源やバッテリがある。或いは、電源部47は、内部電源(バッテリ、電池など)を含む構成であってよい。
なお、本体部20の電力源を本体部20内に設けることが可能である。この場合、本体部20に電力を供給する機能を外部装置40に設ける必要はなく、また、信号線SL2を設ける必要もない。また、公知の無線給電技術を適用することにより、外部装置40から本体部20への電力供給を無線化することも可能である。この場合にも信号線SL2は不要である。同様に、公知の無線通信技術を適用することにより、外部装置40と本体部20との間における信号の伝送を無線化することが可能である。この場合、信号線SL1が不要となる。以上のような無線技術を適用することで、ケーブル部30を細径化することができる。
流体供給部48は、前側閉塞部110および後側閉塞部120の一方または双方が、流体により膨張するバルーン(膨張部)を含む場合に設けられる(図5Aおよび図5Bを参照)。流体供給部48は、第2のケーブル部30Bを介して膨張部に流体を供給する。流体は、液体でも気体でもよい。たとえば生理食塩水が流体として用いられる。
流体供給部48は、たとえば、流体が格納された格納部と、この格納部内の流体を第2のケーブル部30B内の管状部材を介して膨張部に送るポンプとを含む。なお、流体供給部48は、外部から供給される流体をポンプによって膨張部に送るように構成されてもよい。この場合、流体供給部48は、たとえば外部のタンクまたは流体供給ライン(たとえば水道)から流体の供給を受ける。
流体供給部48は、膨張部に供給された流体を回収する機能を有していてよい。この場合、流体供給部48は、第2のケーブル部30B内の管状部材を介して膨張部の内部の流体を吸引するポンプを有する。このポンプは、流体供給用のポンプと一体でも別体でもよい。また、管状部材についても、流体供給用のそれと一体でも別体でもよい。膨張部から回収された流体は、流体供給用の格納部と一体または別体の格納部に格納される。或いは、膨張部から回収された流体は、外部に排出される。
このような流体回収機能を有する場合、外部装置40は、第2のケーブル部30Bを介し、流体供給部48と膨張部との間で流体を循環させることができる。具体例として、制御部44は、流体供給部48を制御することにより、膨張部に供給された流体を回収しつつ、膨張部に対して新たな流体を供給することができる。このとき、流体の回収量と供給量とが各タイミングにおいて実質的に等しくなるように制御を行うことが可能である。それにより、膨張部の膨張状態、すなわち前側閉塞部110や後側閉塞部120の外形寸法が実質的に変化しない。よって、食道Eの内壁Eaに対する前側閉塞部110や後側閉塞部120の当接状態(当接圧力など)が安定する。このような流体循環機能を設けることにより、本体部20内の超音波振動子21や回路から発生した熱エネルギーを排出することが可能となる。
液体供給部49は、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給する。液体としては、たとえば生理食塩水が用いられる。
液体供給部49は、たとえば、液体が格納された格納部と、この格納部内の液体を第3のケーブル部30C内の管状部材を介して空間Ebに送るポンプとを含む。なお、液体供給部49は、外部から供給される液体をポンプによって空間Ebに送るように構成されてもよい。この場合、液体供給部49は、たとえば外部の補給タンクまたは液体供給ラインから液体の供給を受ける。
液体供給部49は、空間Ebに供給された液体を回収する機能を有していてよい。この場合、液体供給部49は、第3のケーブル部30C内の管状部材を介して空間Eb内の液体を吸引するポンプを有する。このポンプは、液体供給用のポンプと一体でも別体でもよい。また、管状部材についても、液体供給用のそれと一体でも別体でもよい。空間Eb内から回収された液体は、液体供給用の格納部と一体または別体の格納部に格納される。或いは、空間Eb内から回収された液体は、外部に排出される。
このような液体回収機能を有する場合、外部装置40は、第3のケーブル部30Cを介し、液体供給部49と空間Ebとの間で液体を循環させることができる。具体例として、制御部44は、液体供給部49を制御することにより、空間Ebに供給された流体を回収しつつ、空間Ebに対して新たな流体を供給することができる。たとえば空間Ebに液体が充填される場合、液体の回収量と供給量とが各タイミングにおいて実質的に等しくなるように制御を行うことが可能である。それにより、空間Eb内の液体が前側閉塞部110や後側閉塞部120に印加する圧力を安定させることができる。このような液体循環機能を設けることにより、本体部20内の超音波振動子21や回路から発生した熱エネルギーを排出することが可能となる。また、この熱エネルギーによる内腔の温度の上昇速度を低減するために、比熱の大きな液体を用いることができる。
流体供給部48および液体供給部49に対する制御形態は、制御部44による自動制御、或いは術者による手動制御のいずれでもよい。
なお、上記した外部装置40の機能を、図1で示したような単一の装置に全て搭載する必要はない。たとえば、外部装置40は、画像作成部43による画像データの作成までの処理を実行するように構成されていてよい。この場合の構成例として、制御部44は、通信回線を介し、作成された画像データを遠隔地にある装置(たとえば、専門医が居る病院のサーバや、救急搬送先となる病院のサーバ)に送信することができる。画像データを受信した医療機関の医師は、外部装置40から受信した画像データに基づく超音波画像を観察できる。他の構成例として、制御部44は、画像作成部43により作成された画像データを記録媒体に記録することができる。この記録媒体は、救急搬送先の病院に渡され、表示装置(コンピュータ、超音波診断装置など)に装着される。それにより、救急搬送先の病院の医師は、超音波診断装置1により取得された画像データに基づく超音波画像を観察できる。さらに、外部装置40が受信したエコー信号を一般の超音波診断装置に送信することで、医療機関の医師は、体外診断用超音波プローブと同様に使用し、複合的な超音波画像診断を行うことができる。外部装置40の操作部を一般の超音波診断装置に備えることとしてもよい。
(使用形態)
実施形態に係る超音波診断装置1の使用形態について説明する。超音波診断装置1の使用形態の一例を図8に示す。
(S1:本体部、閉塞部等を導中管内に配置する)
まず、ユーザは、本体部20、前側閉塞部110、後側閉塞部120およびケーブル部30の一連を導中管10内に配置する。本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120は、ケーブル部30によって一体化されている(図2参照)。
(S2:導中管を食道内に配置する)
次に、ユーザは、ステップS1で本体部20等が内部に配置された導中管10を被検体Pの挿入口から挿入して食道Eに配置する。この操作は、導中管10に設けられたマーカmを参照して行われる。ユーザは、導中管10の先端の位置を調整することにより、前側閉塞部110を所望の位置に配置させる。この状態を図9Aに示す。
(S3:前側閉塞部の外形寸法を拡大する)
ステップS2において導中管10が所望の位置に配置されたら、ユーザは導中管10だけを少し引き抜く。引き抜かれる長さは、少なくとも前側閉塞部110が食道E内に露出する程度である。さらに、ユーザは、前側閉塞部110の外形寸法を拡大するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、流体供給部48を制御して前側閉塞部110の膨張部110bに流体を供給する。それにより、前側閉塞部110が食道Eを実質的に閉塞する。この状態を図9Bに示す。
なお、流体の供給量は、外部装置40またはユーザによって制御される。外部装置40が当該制御を行う場合については後述する。一方、当該制御をユーザに行わせる場合、膨張部110bに対する流体の供給度合を示す情報を提示する手段を設けることができる。この手段の例として、流体供給部48による流体の供給圧力を監視する手段がある。この供給圧力監視手段は、たとえば、流体の供給圧力を定期的に検出する圧力センサを含む。この圧力センサからの出力はたとえば制御部44に入力される。制御部44は、圧力センサから定期的に入力される圧力値を表示部45に表示させる。ユーザは、表示される圧力値の変化を参照することで、流体の供給度合を把握できる。把握可能な情報としては、食道Eの内壁Eaに対する前側閉塞部110の接触の有無、内壁Eaに対して前側閉塞部110が与えている圧力の程度などがある。
(S4:後側閉塞部の外形寸法を拡大する)
ステップS3において前側閉塞部110の拡大が完了したら、ユーザは導中管10を所望の分だけを引き抜く。引き抜かれる長さは、本体部20と前側閉塞部110が食道E内に露出する程度である。図9Cは、後側閉塞部120が露出する程度、導中管10が引き抜かれた状態を示す。なお、この段階において導中管10を全て引き抜いてもよい(図9D参照)。ケーブル部30の可撓性を適宜に変化させて食道E内における本体部20や後側閉塞部120の位置を調整することにより、これらを所望の位置に配置させる。
さらに、ユーザは、後側閉塞部120の外形寸法を拡大するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、流体供給部48を制御して後側閉塞部120の膨張部に流体を供給させる。それにより、後側閉塞部120が食道Eを実質的に閉塞する。この状態を図9Dに示す。なお、流体の供給量の制御については、ステップS3と同様であってよい。
(S5:2つの閉塞部の間の空間に液体を供給する)
ステップS4において後側閉塞部120が食道Eを実質的に閉塞すると、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebは、実質的に閉塞された空間となる。ユーザは、空間Ebに液体を供給するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、液体供給部49を制御して空間Ebに液体を供給させる。空間Ebに液体が充填されている状態を図9Eに示す。
液体の供給量の制御は、ステップS3と同様に、外部装置40またはユーザにより行われる。なお、この制御において、次のステップS6で説明する「超音波ビームの送受信方向の調整」を行なってもよい。
液体の供給量の制御を外部装置40が行う場合、たとえば、あらかじめ決められた量だけ液体を供給するように制御を行うことができる。この既定量は、空間Ebの体積の推定量に基づいて決定される。体積の推定量は、たとえば、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の距離(固定値または調整後の値など)と、食道Eの断面積(標準値または実測値など)との積として算出される。
外部装置40が制御を行う場合の他の例を説明する。制御部44は、本体部20による超音波の送受信および外部装置40による画像データの作成と、液体供給部49による液体の供給とを並行して実行させる。制御部44は、画像作成部43により作成される画像データを解析することで、体内組織(たとえば観察対象である心臓とその周囲の血管系H)が好適に描出されているか判定する。体内組織が好適に描出されていると判定されたことに対応し、または当該判定から所定量だけ液体を供給した後に、制御部44は液体供給部49による液体の供給を停止させる。
液体の供給量の制御をユーザが行う場合の例を説明する。上記と同様に、画像データを取得しながら液体の供給を行う。さらに、制御部44は、逐次に取得される画像データに基づく画像をリアルタイムで表示部45に表示させる。ユーザは、リアルタイムで表示される画像を参照することで、体内組織(たとえば観察対象である心臓とその周囲の血管系H)が好適に描出されているか判断する。ユーザは、体内組織が好適に描出されていることを確認した後に、液体の供給を終了させるための操作を、操作部46を介して行う。
(S6:撮像視野を調整する)
ステップS5において空間Ebに液体が供給されたら、ユーザまたは制御部44は、撮像視野の調整を行う。これをユーザが行う場合、制御部44は、上記と同様にしてリアルタイムで画像を表示させる。ユーザは、表示される画像を参照しながら、操作部46等を介して本体部20の可動部(超音波振動子21を含む)を任意に平行移動、回転移動、煽り移動させることにより、超音波ビームの送受信方向を調整する。この調整操作は、観察対象である心臓とその周囲の血管系Hが描出されるまで行われる。
一方、撮像視野の調整を制御部44が行う場合、制御部44は、上記と同様にして画像データを取得させつつ、取得された画像データを解析して観察対象である心臓とその周囲の血管系Hが描出されているか判定する。心臓とその周囲の血管系Hが描出されていないと判定された場合、制御部44は、超音波ビームの送受信方向を変更するための制御信号を、送受信部41を介して本体部20に送る。カプセル制御部23は、駆動機構25を制御して超音波ビームの送受信方向を変更させる。このような処理をリアルタイムで繰り返し行うことにより、心臓とその周囲の血管系Hが描出されるような超音波ビームの送受信方向を探索する。
上記のような撮像視野の調整操作の概要を図9Fに示す。ユーザまたは制御部44は、本体部20の位置を、初期位置(実線で示す)から所望の位置および向き(点線で示す)に移動させる。それにより、超音波が送受信される範囲が初期の範囲R1から所望の範囲R2に変更される。所望の範囲R2には、観察対象である心臓とその周囲の血管系Hの少なくとも一部が含まれる。
(S7:画像データの取得を開始する)
ステップS6において撮像視野の調整が終了したら、心臓とその周囲の血管系Hの画像データの取得を開始する。画像データの作成は、前述した処理によって実行される。取得された画像データは、たとえば表示処理に供される。また、取得された画像データを記憶処理に供することもできる。この場合、制御部44が画像データを所定の記憶装置に記憶させる。画像データの記憶先としては、外部装置40に内蔵された記憶装置、外部装置40に外付けされた記憶装置、記録媒体、他の装置(たとえばネットワーク上のサーバやデータベース)などがある。以上で、この使用形態の説明は終了である。
(効果)
実施形態に係る超音波診断装置1およびこれに含まれる超音波医療装置の効果を説明する。
超音波診断装置1に含まれる超音波医療装置(超音波プローブ)は、本体部20と、前側閉塞部110(第1の閉塞部)と、後側閉塞部120(第2の閉塞部)と、液体供給部49とを有する。本体部20は、超音波を送受信する超音波振動子21を含み、被検体Pの内腔(食道E)に挿入される。前側閉塞部110は、内腔(食道E)に挿入され、本体部20に対して被検体Pへの挿入口(口)とは反対側(胃側)に配置される。さらに、前側閉塞部110は、外形寸法の変化によって内腔(食道E)を実質的に閉塞可能に構成されている。後側閉塞部120は、内腔(食道E)に挿入され、本体部20に対して挿入口(口)の側に配置される。さらに、後側閉塞部120は、外形寸法の変化によって内腔(食道E)を実質的に閉塞可能に構成されている。液体供給部49は、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給するように構成されている。
このような超音波医療装置によれば、カプセル型の超音波医療装置と同様に被検体の内腔に配置された状態で超音波の送受信を行うことができるので、患者への負担が比較的小さい。
また、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の実質的に閉塞された空間Ebに液体を供給することで、少なくとも、超音波振動子21の超音波放射面(超音波送受信面)と、観察対象(心臓とその周囲の血管系H)側の壁面との間の空間に、液体を配置させることができる。それにより、超音波振動子21から出力された超音波は、液体内を伝播し、壁面を通過し、観察対象に到達する。その反射波は、壁面を通過し、液体内を伝播して超音波振動子21により受信される。このような超音波の経路において、超音波を減弱させる要因は、内腔の壁面から観察対象に至る生体構造のみである。したがって、TEEプローブと同等の画質を実現することが可能である。
したがって、実施形態に係る超音波医療装置およびそれを有する超音波診断装置1によれば、所望の体内部位の高品質な画像を低侵襲で取得することが可能である。
実施形態において、前側閉塞部110および後側閉塞部120の一方または双方は、流体の供給を受けて膨張することにより外形寸法を拡大するように構成されていてよい。この構成が適用される場合、超音波医療装置は、流体の供給を行う流体供給部48を有する。また、前側閉塞部110および後側閉塞部120の一方または双方は、流体供給部48から流体の供給を受けて膨張することにより外形寸法が拡大する膨張部(膨張部110b等)を含む。この構成によれば、前側閉塞部110や後側閉塞部120の外形寸法の拡大を、簡便な構造で実現できる。なお、前述したように、第1の閉塞部や第2の閉塞部の外形寸法を拡大するための構成はこれに限定されるものではない。
実施形態において、前側閉塞部110(後側閉塞部120)の外形寸法が拡大されると、その一部(外周面110c等)が内腔の壁面(内壁Ea)に当接する。この部分が当接部に相当する。当接部は弾性部材を含んでいてよい。この構成によれば、前側閉塞部110(後側閉塞部120)が内壁Eaに対して確実に当接する。それにより、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebの閉塞性が向上される。
実施形態において、前側閉塞部110(後側閉塞部120)の当接部は、加水により粘度が増大する部材を含んでいてよい。この構成によれば、前側閉塞部110(後側閉塞部120)と内壁Eaとの間に隙間が生じることを防止できる。それにより、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebの閉塞性が向上される。
実施形態において、前側閉塞部110(後側閉塞部120)の当接部は、内腔の壁面(内壁Ea)に向けて突出する突出部を有していてよい。この構成によれば、前側閉塞部110(後側閉塞部120)が内腔に安定的に固定される。なお、突出部の少なくとも先端は針状に形成されていてよい。
実施形態において、液体供給部49は、図2および図4に示すような第3のケーブル部30Cを有していてよい。第3のケーブル部30Cは、後側閉塞部120を貫通している。さらに、第3のケーブル部30Cの先端側の開口30cは、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに露出されている。第3のケーブル部30Cは「第2の管状部材」の一例である。液体供給部49は、このような第2の管状部材を介して空間Ebに液体を供給することができる。
液体供給部49は、空間Ebに供給された液体を回収しつつ新たな液体を供給するように構成されていてよい。つまり、液体供給部49は、空間Ebを含む経路において液体を循環させることができる。この構成によれば、本体部20内の超音波振動子21や回路から発生した熱エネルギーを排出できる。それにより、本体部20を安定的に動作させることが可能となる。
実施形態に係る超音波医療装置は、導中管10を含んでいてよい。導中管10は、本体部20、前側閉塞部110、後側閉塞部120およびケーブル部30の一連を内腔に案内するために用いられる。被検体Pに挿入されている部分の長さを示すマーカmを導中管10に設けることができる。この構成によれば、内腔に挿入されている導中管10の長さをマーカmによって確認できるので、内腔における本体部20等の概略位置を把握することが可能である。
実施形態において、本体部20は、超音波振動子21を含む可動部を移動させるための駆動機構25を有していてよい。駆動機構25は、前側閉塞部110に近接する方向および後側閉塞部120に近接する方向に可動部を移動させるように構成されていてよい。また、駆動機構25は、超音波振動子21による超音波の送受信方向を変更させるように可動部を移動させるように構成されていてよい。この構成によれば、超音波を送受信する位置や超音波ビームの送受信方向を変更できるので、観察対象に対して好適に超音波を送受信することが可能である。たとえば、観察対象の所望の位置を所望の方向から画像化することが可能である。
実施形態において、本体部20、前側閉塞部110および後側閉塞部120にケーブル部30が接続されていてよい。ケーブル部30は、可撓性を有していてよい。また、ケーブル部30は、1または複数のケーブル部を含んでいてよい。上記実施形態では、3つのケーブル部30A〜30Cが設けられている。ケーブル部30には、たとえば、本体部20と外部装置40との間で信号を伝送するための信号線(第1のケーブル部30A)と、前側閉塞部110および後側閉塞部120のそれぞれの外形寸法を変化させるための部材(第2のケーブル部30B)と、液体供給部49から前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給するための部材(第3のケーブル部30C)とが設けられている。このような構成によれば、可撓性を有するケーブル部30によって本体部20等をスムースに内腔に挿入することができる。また、ケーブル部30を介して本体部20等の制御を行うことができる。
ケーブル部30の一部または全部は、捻じりが加えられることよって可撓性が変化するように構成されていてよい。この構成によれば、内腔における本体部20等の位置を調整する際に、ケーブル部30の可撓性を適宜に変化させつつケーブル部30を先に進めたり引き戻したりすることができる。それにより、内腔の所望の位置に本体部20等を配置させる操作の容易化を図ることが可能となる。
実施形態に係る超音波診断装置1は、上記のような超音波医療装置に加え、超音波振動子21により受信された反射波に基づくエコー信号を処理して画像データを作成する機能を有する。この画像作成機能は、受信データ処理部42および画像作成部43を含む「画像作成部」によって実現される。
上記した各種の構成を任意に組み合わせることが可能である。また、上記した構成のうち任意の構成を、後述する実施形態や変形例に適用することが可能である。
〈変形例〉
実施形態に係る超音波医療装置および超音波診断装置の変形例について説明する。以下の変形例では、上記の実施形態と異なる部分を取り上げて説明する。
(変形例1)
前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の間隔を変更する機能を設けることが可能である。この機能を実現するための構成は任意である。以下の例において、前側閉塞部110と後側閉塞部120とを接続する接続部材が用いられる。
第1の構成例として、所定の長さを有する接続部材であって、一端が前側閉塞部110に着脱可能であり、かつ他端が後側閉塞部120に着脱可能に構成された接続部材を用いることができる。本例では、長さの異なる複数の接続部材が準備される。そして、所望の長さの接続部材が選択的に適用される。
接続部材は、変形可能な部材でもよいし、実質的に変形しない部材でもよい。変形可能な構成が適用される場合、この接続部材は、自在に変形する部材でもよいし、可撓性を有する部材でもよいし、可塑性を有する部材でもよい。
本例において、接続部材の両端にはそれぞれ係合部が設けられている。また、前側閉塞部110の後側閉塞部120側の面と、後側閉塞部120の前側閉塞部110側の面には、係合部がそれぞれ設けられている。接続部材の一端側の係合部が前側閉塞部110の係合部に接続され、他端側の係合部が後側閉塞部120の係合部に接続される。このように接続部材を介して連結された前側閉塞部110と後側閉塞部120が、本体部20とともに内腔に挿入される。
第1の構成例は、内腔に挿入する前に前側閉塞部110と後側閉塞部120との間隔を変更する構成の一例である。これに対し、第2の構成例では、内腔に配置された状態で間隔を変更する構成を説明する。本例においても、接続部材の一端が前側閉塞部110に接続され、他端が後側閉塞部120に接続される。本例では、接続部材は、前側閉塞部110および後側閉塞部120に着脱可能に構成されてもよいし、これらに固定されていてもよい。
また、接続部材は、自身の長さを変更するための機構を備えている。この機構は、たとえば、内周面にネジ山が形成された雌ネジを含む第1の部材と、この雌ネジに係合されたネジ山が外周面に形成された雄ネジを含む第2の部材と、雌ネジと雄ネジとを相対的に回転させるアクチュエータ(パルスモータ等)とを含む。第1の部材の端部は前側閉塞部110(または後側閉塞部120)に接続されており、第2の部材の端部は後側閉塞部120(または前側閉塞部110)に接続されている。制御部44は、ケーブル部30を介して制御信号を送ることによりアクチュエータを制御する。アクチュエータにより雌ネジと雄ネジとが相対的に回転されると、第1の部材と第2の部材とが互いに近接する方向または遠離する方向に移動する。それにより接続部材の長さが変化し、その結果、前側閉塞部110と後側閉塞部120とが相対的に近接・遠離される。なお、前側閉塞部110と後側閉塞部120とを近接させるか遠離させるかは、制御部44によるアクチュエータの回転方向に依存する。
以上に例示したように、本変形例に係る超音波医療装置およびこれを含む超音波診断装置は、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の距離を変更するための機構を有する。
本変形例に係る構成によれば、内腔の状態や個人差などの条件に応じて前側閉塞部110と後側閉塞部120との間隔を任意に調整することが可能である。
(変形例2)
上記実施形態において、前側閉塞部110および後側閉塞部120は、その外形寸法が変化するように構成されている。一方、内腔の大きさ(太さ、径)には、部位による差や個人差がある。本変形例では、このような条件において、内腔が好適に閉塞されるように前側閉塞部110等を拡大する構成について説明する。
本変形例に係る構成例を図10に示す。本変形例において、外部装置40は、図7に記載された構成に加え、記憶部50と、変化量決定部52とを有する。記憶部50には、内腔サイズ情報51が記憶されている。内腔サイズ情報51は事前に作成されて記憶部50に記憶される。
内腔サイズ情報51は、内腔のサイズを示す情報を含む。内腔のサイズを示す値としては、直径、半径、周囲長、断面積などがある。また、この値は、標準的な内腔に関する値でもよいし、当該被検者に関する値でもよい。
内腔のサイズの標準値は、たとえば、複数の被検者についての内腔の測定値から統計的に得られた値(平均値、最頻値、中央値など)であってよい。また、標準値は、論文等の文献に記載された値であってよい。また、標準値として、複数の値が記録されていてよい。この場合、複数の標準値をそれぞれ被検者の属性と関連付けておくことができる。被検者の属性としては、たとえば性別、年齢層、体格(身長、体重等)、既往症など、内腔のサイズに影響を与える条件またはその可能性がある条件がある。内腔サイズ情報51に複数の標準値が含まれている場合、超音波検査の対象となる被検者の属性に対応する標準値が選択的に適用される。このとき、被検者の属性は、たとえば、操作部46を介して手入力される。或いは、当該被検者の電子カルテ等から制御部44が属性を取得するように構成することも可能である。また、複数の標準値を表示部45に表示させ、操作部46を介して所望の標準値を選択可能に構成することも可能である。
一方、当該被検者に関する値が内腔サイズ情報51に含まれる場合、この値は、当該被検者の内腔のサイズを実際に測定した値である。この実測値は、たとえば被検者の識別情報(患者ID等)と関連付けられて記憶されていてよい。また、この識別情報の入力を受けて院内情報システムから取得された電子カルテ等に記録されている実測値を、内腔サイズ情報51として用いることも可能である。
変化量決定部52は、内腔サイズ情報51に基づいて、前側閉塞部110および/または後側閉塞部120の外形寸法の変化量(拡大量)を決定する。この変化量は、外形寸法のサイズ(直径、半径、周囲長、断面積など)を示す情報でも、前側閉塞部110等に供給される流体の量を示す情報でもよい。
変化量を決定する処理の例を説明する。内腔サイズ情報51には、前述したように、内腔サイズの標準値または実測値が含まれている。また、記憶部50または変化量決定部52には、前側閉塞部110および/または後側閉塞部120の拡大前のサイズ、つまり縮小時のサイズを示す情報(初期サイズ情報)があらかじめ記憶されている。この初期サイズ情報には、たとえば、縮小時における膨張部110b等の体積を示す情報や、縮小時における外形寸法のサイズ(直径、半径、周囲長、断面積など)を示す情報が含まれている。また、初期サイズ情報に加えて、或いは初期サイズ情報に代えて、記憶部50または変化量決定部52には、前側閉塞部110(後側閉塞部120)に対する流体の供給量と、前側閉塞部110(後側閉塞部120)のサイズの変化量との関係を示す情報(供給量−変化量情報)があらかじめ記憶されていてよい。なお、流体の供給量は、サイズの変化量に伴う膨張部110bの体積の変化と実質的に等しい。
変化量決定部52は、内腔サイズ情報51と、初期サイズ情報および/または供給量−変化量情報とに基づいて、前側閉塞部110や後側閉塞部120に対する流体の供給量を決定することができる。この処理の例として、変化量決定部52は、まず、初期サイズ情報に示された縮小時のサイズと、内腔サイズ情報51に示された標準サイズまたは実際のサイズとの間の変化量(たとえば直径の変化量)を求める。続いて、変化量決定部52は、供給量−変化量情報を参照することにより、求められたサイズ(直径等)の変化量に対応する流体供給量を取得する。取得された流体供給量が、前側閉塞部110(後側閉塞部120)の外形寸法の変化量(拡大量)として用いられる。
変化量決定部52は、上記のような処理を、前側閉塞部110および後側閉塞部120のそれぞれについて実行することができる。また、前側閉塞部110(後側閉塞部120)について決定された変化量を参照して後側閉塞部120(前側閉塞部110)に関する変化量を決定するようにしてもよい。一方、前側閉塞部110と後側閉塞部120との距離が十分に短い場合や、部位によるサイズの変化が小さい内腔に本例が適用される場合などにおいて、前側閉塞部110と後側閉塞部120の双方に対して同一の変化量を適用するようにしてもよい。
制御部44は、変化量決定部52により決定された変化量に基づいて流体供給部48を制御することにより、前側閉塞部110および/または後側閉塞部120の外形寸法を拡大させる。すなわち、制御部44は、変化量決定部52により決定された供給量だけ流体を供給するように流体供給部48を制御することにより、前側閉塞部110の膨張部110b(後側閉塞部120における同様の膨張部)を膨張させることができる。
以上に例示したように、本変形例に係る超音波医療装置およびこれを含む超音波診断装置は、あらかじめ作成された内腔サイズ情報51に基づいて、前側閉塞部110および後側閉塞部120の少なくとも一方の外形寸法の変化量を決定する変化量決定部52と、決定された変化量に基づいて前側閉塞部110および後側閉塞部120の少なくとも一方の外形寸法を変化させる(少なくとも一方を膨張させる)制御部44とを有する。変化量決定部52は「決定部」に相当し、制御部44は「制御部」に相当する。
本変形例に係る構成によれば、前側閉塞部110や後側閉塞部120を拡大させて内腔を実質的に閉塞する処理の自動化を図ることが可能である。
なお、標準値が用いられる場合や、前回以前の検査において実測値が得られた場合などにおいて、内腔サイズ情報51に示された値と、現在の内腔サイズとの間に無視できない程度のズレが介在するおそれがある。この不都合を回避するための方法の一つとして、今回の検査において内腔サイズを測定し、その測定値を内腔サイズ情報51として用いるようにすることができる。
他の方法として、前側閉塞部110等を拡大させる処理を実行しつつ、その拡大状況を監視する機能を設けることができる。なお、拡大状況とは、内腔サイズに対する前側閉塞部110等の現在のサイズの関係を示す。その具体例として、前側閉塞部110内の流体の圧力の時間変化に基づいて、前側閉塞部110が内壁Eaに接触したことを検知するように構成することが可能である。なお、流体の圧力の検出は、たとえば圧力センサにより行われる。或いは、流体供給部48のポンプの動作状態(流体を送出する圧力など)を監視することによって流体の圧力の時間変化を把握するようにしてもよい。上記のようにして取得される前側閉塞部110等の拡大状況は、たとえば制御部44によって表示部45に提示される。ユーザは、操作部46を介して所望の処理(流体の供給の停止・続行)を指示することができる。また、リアルタイムで取得される拡大状況を、制御部44による流体供給部48の制御にフィードバックする構成を適用することも可能である。
(変形例3)
上記実施形態において、前側閉塞部110と後側閉塞部120は内腔を実質的に閉塞するための機能を有している。しかし、内腔は生体組織であるから、個人差や運動(蠕動運動等)の影響により、内腔を実質的に閉塞できない場合、前側閉塞部110等と内腔との隙間から液体が漏出してしまうおそれがある。本変形例では、このような不都合な状況が生じているかを検知する機能について説明する。
本変形例に係る構成例を図11に示す。本変形例において、外部装置40は、図7に記載された構成に加え、漏出判定部53を有する。
漏出判定部53は、液体供給部49による空間Ebへの液体の供給状態に基づいて空間Ebから液体が漏れているか否か判定する。漏出判定部53が実行する処理の例として、液体供給部49のポンプの動作状態(液体を送出する圧力など)を監視し、その時間変化に基づいて判定処理を実行することができる。より具体的に説明すると、空間Ebに液体が充満するまでは、ポンプによる送出圧力は実質的に一定であり、充満した後には漏出の有無や程度に応じて送出圧力が変化する。典型的には、漏出が無い場合には送出圧力が次第に高まっていくが、漏出が有る場合には、或る時点において送出圧力の増大が停止したり、送出圧力が減少したりする。このとき、送出圧力に応じて液体の供給レート(単位時間あたりの液体の供給量)を制御することにより、空間Eb内における液体の圧力の過剰な増大を防止することができる。
漏出判定部53は、上記のような関係に基づいてあらかじめ作成された、ポンプの動作状態と漏出の有無(またはそのおそれの有無)とを関係付けた情報(動作状態−漏出情報)を記憶している。そして、漏出判定部53は、液体供給部49から受けたポンプの動作状態を示す情報と、動作状態−漏出情報とに基づいて、漏出の有無を判定する。
なお、液体供給部49の動作状態は、別途の制御やデバイスの故障などの要因が無い限りにおいて、空間Eb内の圧力や第3のケーブル部30C内の圧力に依存する。よって、空間Eb内や第3のケーブル部30C内の圧力を検知する圧力センサからの出力に基づいて、漏出の有無を判定することも可能である。
漏出判定部53により漏出が有ると判定された場合、制御部44は、所定の報知情報を出力させる。この報知制御は、たとえば、所定の視覚情報(文字情報、画像情報等)を表示部45に表示させる制御、または、所定の音声情報(警告音等)を図示しない音声出力部に出力させる制御を含む。一方、漏出判定部53により漏出が無いと判定されている場合についても同様の報知制御を行うことが可能である。
以上に例示したように、本変形例に係る超音波医療装置およびこれを含む超音波診断装置は、液体供給部49による液体の供給状態に基づいて、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebから液体が漏れているか否か判定する漏出判定部53と、漏出判定部53による判定結果に基づいて報知制御を実行する制御部44とを有する。ここで、漏出判定部53は「第1の判定部」に相当し、制御部44(および表示部45、音声出力部等)は「第1の報知部」に相当する。
本変形例に係る構成によれば、液体が漏出していることを自動検知し、これを報知することが可能である。したがって、空間Eb内の液体が漏出しているという不適当な状態のまま超音波検査を行ってしまうことを防止できる。
(変形例4)
本変形例では、図12A〜図12Hを参照しつつ、前側閉塞部110および後側閉塞部120に流体を供給するための構成の例を説明する。
図12Aに示すように、前側閉塞部110は、上記実施形態と同様の基部110aおよび膨張部110bに加え、弁110dを有する。膨張部110bにおける被検体Pの挿入口側(本例では口側)の面には開口が形成されており、弁110dはこの開口に嵌め込まれている。この開口は、膨張部110bの内部領域に通じている。図12C等における符号110eは、膨張部110bに露出した開口を示す。弁110dは、開口を遮蔽可能に構成されている。開口を遮蔽している状態において、弁110dは、膨張部110bの内部に供給された流体が外部へ移動することを制限する。つまり、遮蔽状態において、弁110dは、膨張部110b内の流体が漏出することを防止する機能を奏する。
後側閉塞部120については、その双方の面に弁が設けられている。つまり、後側閉塞部120の膨張部における被検体Pの挿入口側の面には開口が形成されており、この開口に弁120dが嵌め込まれている。さらに、後側閉塞部120の膨張部における前側閉塞部110側の面にも開口が形成されており、この開口に弁120gが嵌め込まれている。これら2つの開口は、互いに対向する位置に配置されており、後側閉塞部120の内部に形成された経路120eにより連通されている。すなわち、2つの弁120dおよび120gは、後側閉塞部120を貫通する経路120eの両端に配置されている。2つの弁120dおよび120gは、それぞれ、開口を遮蔽可能に構成されている。開口を遮蔽している状態において、弁120dおよび120gは、膨張部の内部に供給された流体が外部へ移動することを制限する。つまり、遮蔽状態において、弁120dおよび120gは、後側閉塞部120の膨張部内の流体が漏出することを防止する機能を奏する。また、経路120eの少なくとも一部は、膨張部の内部に露出している。図12C等に示す例では、経路120eの一部に、経路120eと膨張部の内部とを連通する開口120fが形成されている。他の例として、メッシュ状の管状部材によって経路が形成されていてもよい。
図12Bは、第2のケーブル部30Bの内部に挿入される管状部材30bの先端部分を示している。管状部材30bは、中空の部材であり、第2のケーブル部30Bと同様に可撓性を有している。管状部材30bの基端は流体供給部48に接続されており、前側閉塞部110および後側閉塞部120に流体を供給するために使用される。管状部材30bの先端部分には、テーパ状に形成された(つまり先細り形状の)尖部301が設けられている。尖部301の周面には、1つ以上の孔部302が形成されている。孔部302は、管状部材30bの中空領域に通じている。よって、管状部材30bにより案内された流体は孔部302から噴出する。
上記のような構成を有する本変形例の使用形態について、図12C〜図12Hを参照しつつ説明する。図12Cに示す状態において、前側閉塞部110および後側閉塞部120は縮小された状態にある。また、全ての弁110d、120dおよび120gは閉塞状態にある。図示は省略するが、第2のケーブル部30Bは、管状部材30bを弁110d、120dおよび120gに案内するように設けられている。たとえば、第2のケーブル部30Bは、弁120dが設けられた開口に接続され、かつ、弁120dが設けられた開口と弁110dが設けられた開口とを連結するように設けられている。
ユーザは、後側閉塞部120の弁120dを介して管状部材30bの尖部301を経路120eに進入させる。さらに、ユーザは、管状部材30bを進めていき、弁120gを介して尖部301を後側閉塞部120の外部に導く。それにより、管状部材30bが後側閉塞部120を貫通する(図12D参照)。このとき、弁120dおよび120gは、尖部301の通過に対応して変形または移動する。
弁が変形する場合の構成例を説明する。弁120d(120g)は、たとえばゴム等の弾性部材により構成され、弾性変形によってサイズが自在に変化する円形(管状部材30bの断面に応じた形状)の開口を形成している。管状部材30bを進入させていくと、テーパ状の尖部301が開口を徐々に押し広げていく。このとき、弾性変形の作用により、管状部材30bの周面と開口のエッジと実質的に常に密着している。
弁が移動する場合の構成例を説明する。弁120d(120g)は、たとえば蝶番などの機構によって、後側閉塞部120の内部と外部とを遮断している遮断部材を移動可能に保持した構成を有する。管状部材30bを進入させていくと、この機構によって遮断部材が移動する。他の構成例として、弁120d(120g)は、重畳領域が可変な複数枚の羽状部材を含む絞り羽機構を有していてよい。絞り羽機構は、管状部材30bの進入に対応して開口サイズを拡大していく。
図12Dに示す状態から、ユーザはさらに管状部材30bを進めていく。そして、ユーザは、前側閉塞部110の弁110dを介して管状部材30bの尖部301を前側閉塞部110の内部に進入させる。外部装置40は、所定の操作を受けて、流体の供給を開始する。流体供給部48から送出された流体は、管状部材30bの中空領域を通じて尖部301に到達し、孔部302を介して前側閉塞部110(膨張部110b)の内部に流入する。それにより、前側閉塞部110(膨張部110b)の外形寸法が拡大される。流体の供給は、前側閉塞部110が内腔を実質的に閉塞するまで行われる(図12E参照)。
続いて、ユーザは、管状部材30bを前側閉塞部110から抜去する(図12F参照)。このとき、弁110dは、尖部301の退出に対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。さらに、ユーザは、管状部材30bを引き出していく。具体的には、尖部301が後側閉塞部120の経路120eに配置される状態まで管状部材30bを後退させる。このとき、弁120gは、尖部301の通過に対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。
外部装置40は、所定の操作を受けて、流体の供給を開始する。流体供給部48から送出された流体は、管状部材30bの中空領域を通じて尖部301に到達し、孔部302を介して後側閉塞部120(膨張部)の内部に流入する。それにより、後側閉塞部120(膨張部)の外形寸法が拡大される。流体の供給は、後側閉塞部120が内腔を実質的に閉塞するまで行われる(図12G参照)。
最後に、ユーザは、管状部材30bを後側閉塞部120から抜去する(図12H参照)。このとき、弁120dは、尖部301の退出に対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。
以上の処理を行った後、上記実施形態で説明したように、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給し(図8のステップS5参照)、撮像視野の調整を行い(ステップS6参照)、画像データの取得を行う(ステップS7)。
ステップS5における空間Ebへの液体の供給を、管状部材30bを介して行うことができる。その場合、ステップS5において、まず尖部301を空間Eb内に配置させる。そして、その状態で、液体供給部49から管状部材30bを介して空間Ebに液体を供給する。なお、本例が適用される場合、第3のケーブル部30Cを設ける必要はない。
画像データの取得が終了したら、前側閉塞部110および後側閉塞部120に供給された流体を回収する操作を行う。この操作は、上記と同様に管状部材30bを介して実行される。
以上に例示したように、本変形例に係る超音波医療装置およびこれを含む超音波診断装置において、前側閉塞部110や後側閉塞部120の膨張部における被検体Pの挿入口の側の面には、開口が形成されている。さらに、本変形例においては、開口を遮蔽可能に構成され、遮蔽状態において膨張部の内部から外部への流体の移動を制限する弁110dおよび120d(制限部材)が設けられている。また、流体供給部48は、遮蔽状態の弁110dおよび120dを変形または移動させることにより膨張部の内部に先端が挿入される管状部材30b(第1の管状部材)を含む。流体供給部48は、管状部材30bを介して膨張部に流体を供給する。弁110dおよび120dは、先端が挿入されている状態の管状部材30bが膨張部から抜去されたことに対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。なお、後側閉塞部120については、その被検体Pの挿入口とは反対側の面にも開口が形成され、この開口に弁120gが設けられている。弁120gは、弁110dおよび120dと同様に作用する。
本変形例によれば、前側閉塞部110や後側閉塞部120に対する流体の供給(および回収)を好適に行うための具体的な構成が提供される。
(変形例5)
前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給する処理に関する変形例を説明する。上記の実施形態では、空間Ebに液体を充填する場合、つまり空間Ebに液体を充満させる場合について、特に詳しく説明した。しかし、超音波検査の特性を考慮すると、空間Eb全体を液体で満たす必要はなく、超音波の送受信経路に液体が存在していればよい。つまり、超音波の減衰や不要な反射が内腔において発生しないように液体が分布していればよい。
本変形例に係る構成例を図13に示す。本変形例において、外部装置40は、図7に記載された構成に加え、液体分布判定部54を有する。本変形例では、空間Ebに液体を供給しつつ、または液体Ebに液体を供給した後に、超音波の送受信と、それにより得られたデータに基づく画像データの作成とを実行する。画像作成部43により作成された画像データは、液体分布判定部54に送られる。
液体分布判定部54は、画像作成部43により作成された画像データに基づいて、空間Ebにおける液体の分布の適否を判定する。この判定処理は、たとえば、画像データに基づいて観察対象(心臓とその周囲の血管系H)の描画状態を示す情報(描画状態情報)を取得する処理と、この描画状態情報に基づいて適否を判定する処理とを含む。
描画状態情報を取得する処理は、画像データを解析することにより行われる。この処理はたとえば次のようにして行われる。まず、液体分布判定部54は、観察対象に相当する部分データを画像データのうちから抽出する。この抽出処理は、閾値処理やフィルタ処理などの画像処理を含んでいてよい。また、抽出処理は、観察対象の形状に基づくパターンマッチングなどの画像処理を含んでいてよい。液体分布判定部54は、抽出処理により得られた部分データに基づいて、画質の程度を示す評価値を算出する。この処理には、任意の画質評価技術が適用される。それにより得られた評価値が描画状態情報として用いられる。
描画状態情報が得られたら、液体分布判定部54は、この描画状態情報に基づいて、空間Ebにおける液体の分布の適否を判定する。画質の評価値が描画状態情報に含まれる場合、液体分布判定部54は、たとえば、この評価値と所定の閾値とを比較する。そして、液体分布判定部54は、評価値が閾値以上である場合には液体の分布状態が適当であると判定し、評価値が閾値未満である場合には不適当であると判定する。本例においては、液体の分布が適当であることと、観察対象を適当な画質で画像化できることとが同義である。
液体分布判定部54による判定結果は制御部44に送られる。制御部44は、この判定結果に基づいて、所定の報知情報を出力するための制御を行う。この報知制御は、たとえば、所定の視覚情報(文字情報、画像情報等)を表示部45に表示させる制御、または、所定の音声情報(警告音等)を図示しない音声出力部に出力させる制御を含む。
制御部44は、たとえば、「不適当」との判定結果が得られた場合にのみ報知情報を出力させる。また、制御部44は、「適当」および「不適当」の双方の判定結果が得られた場合に、その判定結果に応じた内容の報知情報を出力させてもよい。また、画質の評価値のような数値情報を、文字情報や画像情報として表示させることも可能である。
以上に例示したように、本変形例に係る超音波医療装置およびこれを含む超音波診断装置は、画像作成部43により作成された画像データに基づいて空間Ebにおける液体の分布の適否を判定する液体分布判定部54と、その判定結果に基づいて報知制御を行う制御部44とを有する。ここで、液体分布判定部54は「第2の判定部」に相当し、制御部44(および表示部45、音声出力部等)は「第2の報知部」に相当する。
本変形例に係る構成によれば、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体が適当に分布しているか、つまり観察対象の画像化を適当に実行できるか判定することができる。よって、空間Ebに液体を供給する処理を好適に支援することが可能である。また、上記において説明した処理と、超音波振動子21の位置や向きを変更する処理とを任意に組み合わせることにより、撮像視野の調整作業の容易化を図ることができる。
〈第2の実施形態〉
図14〜図18Jを参照して、第2の実施形態に係る超音波医療装置およびこれを有する超音波診断装置について説明する。この実施形態では、内腔の所望の位置に超音波医療装置を確実に配置させるための構成を説明する。以下、食道に超音波医療装置を配置させる場合を例として説明する。なお、特に言及しない限り、第1の実施形態およびその変形例において説明した構成のうち任意のものを、この実施形態に適用することが可能である。
(構成)
この実施形態に係る超音波医療装置は、第1の実施形態と同様に、本体部20、前側閉塞部110、後側閉塞部120およびケーブル部30を有する(図2等を参照)。さらに、この超音波診断装置は、図14に示すような固定部130を有する。また、この実施形態に係る超音波診断装置は、このような超音波医療装置に加え、第1の実施形態と同様の外部装置40を含む(図7等を参照)。
固定部130は、前側閉塞部110に対して被検体Pの挿入口とは反対側に配置される。つまり、内腔に挿入された状態において、固定部130は、被検体Pの挿入口から最も遠い位置に配置される。固定部130は、前側閉塞部110等と同様に、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能に構成される。
固定部130は、たとえば図5Aに示す前側閉塞部110と同様に、基部と、膨張部とを有する。基部は円柱状に形成され、膨張部は基部の周囲に円筒状に形成されている。膨張部は、外部から流体の供給を受けて膨張することにより外形寸法が拡大するように構成されている。一方、膨張部は、その内部に充填されている流体の排出を受けて収縮する。固定部130に対する流体の供給は、外部装置40の流体供給部48によって行われる。また、前側閉塞部110等の場合と同様に、固定部130に供給される流体を循環させてもよい。
固定部130の最大外形寸法は、前側閉塞部110および後側閉塞部120の最大外形寸法よりも大きく設計されていてよい(図15参照:D2>D1)。また、固定部130は、前側閉塞部110等と同様に、次のいずれかの構成を有していてよい:(1)内腔の壁面に当接する当接部が、弾性部材を含む;(2)当接部が、加水により粘度が増大する部材を含む;(3)当接部が、内腔の壁面に向けて突出する突出部を有する;(4)突出部の少なくとも先端が、針状に形成されている。また、固定部130の少なくとも被検体Pの挿入口とは反対側の面に、体液(胃液等)に対する耐性加工(耐酸性加工等)が施されていてよい。つまり胃液等が付着する可能性がある部分に耐性加工を施すことができる。
前側閉塞部110と固定部130とを接続する接続部材を設けることができる。この接続部材は、たとえば、所定の長さを有し、一端が前側閉塞部110の固定部130側の面に接続され、他端が固定部130の前側閉塞部110側の面に接続される。接続部材の例を図16に示す。同図に示す接続部材140は、前側閉塞部110に設けられた係合部141に接続される。また、接続部材140は、同様の係合部によって固定部130に接続される。このように接続部材140を介して連結された前側閉塞部110と固定部130が、本体部20や後側閉塞部120とともに内腔に挿入される。本例において、長さが異なる複数の接続部材140を選択的に適用することができる。それにより、前側閉塞部110と固定部130との間の距離を変更することができる。なお、適用される接続部材140は、被検体Pの体格等に応じて任意に選択される。
接続部材の他の構成例として、第1の実施形態の変形例1と同様に、内腔に配置された状態で間隔を変更可能な構成を設けてもよい。
(使用形態)
実施形態に係る超音波診断装置の使用形態について説明する。超音波診断装置1の使用形態の一例を図17に示す。
(S11:本体部、閉塞部等を導中管内に配置する)
まず、ユーザは、本体部20、前側閉塞部110、後側閉塞部120、固定部130およびケーブル部30の一連を導中管10内に配置する。
(S12:導中管を胃の中まで挿入する)
次に、ユーザは、ステップS11で本体部20等が内部に配置された導中管10を被検体Pの挿入口から挿入する。この使用形態では、少なくとも固定部130が胃の中に配置されるように導中管10が挿入される。この状態を図18Aに示す。なお、同図における符号Cは、被検体Pの胃の噴門部を示す。
(S13:固定部の外形寸法を拡大する)
ステップS12において導中管10が胃の中まで挿入されたら、ユーザは、導中管10だけを少し引き抜く。引き抜かれる長さは、少なくとも固定部130が胃内に露出する程度である(図18B参照)。さらに、ユーザは、固定部130の外形寸法を拡大するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、流体供給部48を制御して固定部130の膨張部に流体を供給する。それにより、固定部130が胃の内部において膨張する。この状態を図18Cに示す。
(S14:固定部を胃の噴門部に当接させる)
ステップS13において固定部130の外形寸法が拡大されたら、ユーザは、導中管10をゆっくり引き抜く。この引き抜き動作を行なっていくと、或る段階で抵抗が掛かる。これは、固定部130が噴門部Cに当接したことを意味する。この状態を図18Dに示す。なお、本例では、膨張時の固定部130のサイズが食道Eの内径よりも大きくなるように設計されている。
(S15:前側閉塞部の外形寸法を拡大する)
ステップS14において固定部130が噴門部Cに当接されたら、ユーザは導中管10だけを少し引き抜く。引き抜かれる長さは、少なくとも前側閉塞部110が食道E内に露出する程度である(図18E参照)。
さらに、ユーザは、前側閉塞部110の外形寸法を拡大するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、流体供給部48を制御して前側閉塞部110の膨張部110bに流体を供給する。それにより、前側閉塞部110が食道Eを実質的に閉塞する。この状態を図18Fに示す。このステップにおいて、第1の実施形態と同様に、外部装置40またはユーザが流体の供給量の制御を行うことができる。
(S16:後側閉塞部の外形寸法を拡大する)
ステップS15において前側閉塞部110の外形寸法が拡大されたら、ユーザは、導中管10を引き抜いて本体部20と後側閉塞部120を食道E内に露出させる(図18G参照)。なお、この段階において導中管10を全て引き抜いてもよい。
さらに、ユーザは、後側閉塞部120の外形寸法を拡大するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、流体供給部48を制御して後側閉塞部120の膨張部に流体を供給させる。それにより、後側閉塞部120が食道Eを実質的に閉塞する。この状態を図18Hに示す。なお、流体の供給量の制御については、ステップS15と同様であってよい。
(S17:前側閉塞部と後側閉塞部との間の空間に液体を供給する)
ステップS16において後側閉塞部120が食道Eを実質的に閉塞すると、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebは、実質的に閉塞された空間となる。ユーザは、空間Ebに液体を供給するための操作を、操作部46を介して行う。この操作に対応し、制御部44は、液体供給部49を制御して空間Ebに液体を供給させる。空間Ebに液体が充填されている状態を図18Iに示す。
液体の供給量の制御は、第1の実施形態と同様に、外部装置40またはユーザにより行われる。
(S18:撮像視野を調整する)
ステップS17において空間Ebに液体が供給されたら、ユーザまたは制御部44は、撮像視野の調整を行う。撮像視野の調整操作の概要を図18Jに示す。ユーザまたは制御部44は、本体部20の位置を、初期位置(実線で示す)から所望の位置および向き(点線で示す)に移動させる。それにより、超音波が送受信される範囲が初期の範囲R1から所望の範囲R2に変更される。所望の範囲R2には、観察対象である心臓とその周囲の血管系Hの少なくとも一部が含まれる。
(S19:画像データの取得を開始する)
ステップS18において撮像視野の調整が終了したら、第1の実施形態と同様に、心臓とその周囲の血管系Hの画像データの取得を開始する。画像データの取得が終了したら、前側閉塞部110、後側閉塞部120および固定部130のそれぞれの内部の流体を回収して外形寸法を縮小させる。そして、これらと本体部20を体内から引き出す。以上で、この使用形態の説明は終了である。
(効果)
実施形態に係る超音波診断装置およびこれに含まれる超音波医療装置の効果を説明する。
超音波診断装置に含まれる超音波医療装置(超音波プローブ)は、本体部20と、前側閉塞部110(第1の閉塞部)と、後側閉塞部120(第2の閉塞部)と、固定部130と、液体供給部49とを有する。本体部20は、超音波を送受信する超音波振動子21を含み、被検体Pの内腔(食道E)に挿入される。前側閉塞部110は、内腔(食道E)に挿入され、本体部20に対して被検体Pの挿入口(口)とは反対側(胃側)に配置される。さらに、前側閉塞部110は、外形寸法の変化によって内腔(食道E)を実質的に閉塞可能に構成されている。後側閉塞部120は、内腔(食道E)に挿入され、本体部20に対して挿入口(口)の側に配置される。さらに、後側閉塞部120は、外形寸法の変化によって内腔(食道E)を実質的に閉塞可能に構成されている。固定部130は、内腔(胃)に挿入され、前側閉塞部110に対して本体部20とは反対側に配置される。さらに、固定部130は、外形寸法の変化により内腔における位置を固定可能とされている。液体供給部49は、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給するように構成されている。
このような超音波医療装置およびそれを有する超音波診断装置によれば、第1の実施形態と同様に、所望の体内部位の高品質な画像を低侵襲で取得することが可能である。さらに、固定部130の作用により本体部20等の位置を実質的に固定できるので、本体部20を所望の位置に確実に配置することが可能である。よって、撮像視野を安定的に保持することができる。
実施形態において、固定部130の最大外形寸法を、前側閉塞部110および後側閉塞部120のそれぞれの最大外形寸法よりも大きく設計することが可能である。この構成は、たとえば上記の使用形態における食道と胃のように、内腔のサイズが部位によって大きく異なる場合などにおいて有効である。
実施形態において、前側閉塞部110と固定部130との間の間隔を変更するための機構を設けることができる。この機構は、たとえば、図16に示す接続部材140および係合部141を含んでいてよい。或いは、この機構は、第1の実施形態の変形例1と同様に、内腔に配置された状態で間隔を変更可能な機構を含んでいてよい。
実施形態において、固定部130の少なくとも本体部20とは反対側の面には、体液に対する耐性加工が施されていてよい。この構成によれば、体液(胃液等)による固定部130の変性(変形や破損)を防止することが可能である。
実施形態において、固定部130は、内腔を実質的に閉塞するように構成されていてよい。そのための構成は、たとえば前側閉塞部110等と同様であってよい。このような構成により、体液が前側閉塞部110等に付着することを防止することができる(たとえば胃液の逆流を防止することができる)。なお、閉塞作用を有しない固定部130を適用する場合、前側閉塞部110の少なくとも固定部130側の面に、体液に対する耐性加工を施すことが可能である。
実施形態において、固定部130は、流体供給部48から流体の供給を受けて膨張することにより外形寸法が拡大する膨張部を含んでいてよい。この構成によれば、固定部130の外形寸法の拡大を、簡便な構造で実現できる。なお、固定部130の外形寸法を拡大するための構成はこれに限定されるものではない。たとえば、第1の実施形態で説明したように、屈曲・伸展が可能な折り畳み式アームや、重畳領域が可変な複数枚の羽状部材を含む絞り羽機構などを適用することができる。
実施形態に係る超音波診断装置は、上記のような超音波医療装置に加え、超音波振動子21により受信された反射波に基づくエコー信号を処理して画像データを作成する機能を有する。この画像作成機能は、受信データ処理部42および画像作成部43を含む「画像作成部」によって実現される。
〈第3の実施形態〉
第1の実施形態の変形例4において、前側閉塞部110および後側閉塞部120に対して挿脱が可能な管状部材を用いてこれらに流体を供給する構成を説明した。第3の実施形態においては、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間(図4等に示す空間Eb)への液体の供給を、変形例4と同様の構成を用いて実行する場合について説明する。なお、特に言及しない限り、第1の実施形態およびその変形例、並びに第2の実施形態において説明した構成のうち任意のものを、この実施形態に適用することが可能である。以下、第1の実施形態に係る図面を参照しつつ、この実施形態に係る装置の例を説明する。
(構成)
この実施形態に係る超音波医療装置およびそれを含む超音波診断装置は、第1の実施形態と同様の構成を有し、特に、図12A〜図12Hに示す構成を有する。具体的には、この実施形態に係る超音波診断装置は、図7等に示す構成と同様に、本体部20と、前側閉塞部110と、後側閉塞部120と、流体供給部48と、液体供給部49とを少なくとも含む。なお、本体部20と外部装置40とを結ぶケーブル部30も設けられる。
また、この実施形態に係る超音波診断装置は、当該超音波医療装置の構成要素に加えて画像作成部43を備え、さらに、図13に示す液体分布判定部54(第2の判定部)および制御部44(および表示部45、音声出力部等)(第2の報知部)を備えていてよい。
本体部20は、第1の実施形態と同様に、超音波を送受信する超音波振動子21を含み、被検体Pの内腔に挿入される(図7等を参照)。
この実施形態の前側閉塞部110は、第1の実施形態と同様に、被検体Pの内腔に挿入され、本体部20に対して被検体Pの挿入口(口、肛門など)とは反対側に配置され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能に構成される。さらに、この実施形態の前側閉塞部110においては、その挿入口の側の面に、遮蔽可能な開口(第1の開口)が設けられている。挿入口側の面とは、本体部20側の面である。また、第1の開口は、図12A等に示す弁110dによって遮蔽可能に構成された開口であってよい。
この実施形態の後側閉塞部120は、第1の実施形態と同様に、被検体Pの内腔に挿入され、本体部20に対して挿入口の側に配置され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能に構成される。さらに、この実施形態の後側閉塞部120の挿入口側の面には遮蔽可能な開口(第2の開口)が設けられ、その対向面にも遮蔽可能な開口(第3の開口)が設けられている。加えて、この後側閉塞部120には、第2の開口と第3の開口とを結ぶ経路(第1の経路)が設けられている。このような構成の具体例として、図12C等に示す後側閉塞部120がある。すなわち、第2の開口は、弁120dにより遮蔽可能に構成された開口であってよく、第3の開口は、弁120gにより遮蔽可能に構成された開口であってよく、第1の経路は、後側閉塞部120を貫通する経路120eであってよい。
この実施形態の流体供給部48について説明する。流体供給部48(それから延びる管状部材30b)は、前側閉塞部110および後側閉塞部120のそれぞれに挿脱可能とされ、管状部材30bが挿入された状態で流体の供給を行うよう構成されている。この構成についてより具体的に説明する。まず、前側閉塞部110への流体供給について説明する。流体供給部48から延びる管状部材30bの先端(尖部301)は、前側閉塞部110の第1の開口(弁110d)に対する挿入/退避が可能に構成されている。管状部材30bの尖部301が弁110dを通して前側閉塞部110の内部に配置された状態で、流体供給部48は、前側閉塞部110に対して流体を供給する。それにより、前側閉塞部110の外形寸法が拡大する。次に、後側閉塞部120への流体供給について説明する。管状部材30bは、後側閉塞部120の経路120eに対する挿入/退避が可能に構成されている。管状部材30bの尖部301が経路120eに配置された状態、つまり尖部301が弁120dを通して後側閉塞部120の内部に配置された状態で、流体供給部48は、後側閉塞部120に対して流体を供給する。それにより、後側閉塞部120の外形寸法が拡大する。
この実施形態の液体供給部49は、第1の実施形態と同様に、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebに液体を供給する機能を有する。
なお、この実施形態において、前側閉塞部110および後側閉塞部120に流体を供給するための管状部材と、空間Ebに液体を供給するための管状部材とは、同一でもよいし、異なってもよい。異なる2つの管状部材が用いられる構成は、たとえば図2に示されている。すなわち、図2に示す構成においては、前側閉塞部110および後側閉塞部120に流体を供給するための管状部材である第2のケーブル部30Bと、空間Ebに液体を供給するための管状部材である第3のケーブル部30Cとが別々に設けられている。この実施形態に係る構成の一例として、図2に示す第2のケーブル部30Bを、図12B〜図12Hに示す管状部材30bと同様の機能を奏するように構成することが可能である。
共通の管状部材を用いて流体供給と液体供給とを行う場合の例として、流体供給部48と液体供給部49とを切り替え動作させる構成がある。この切り替え動作は、制御部44により実行される。この場合、流体供給部48からの延びる経路と液体供給部49から延びる経路とが合流する位置に、管状部材30への流入を排他的に切り替えるための切替弁を設けることが可能である。この切替弁の動作は制御部44によって制御される。
共通の管状部材を用いて流体供給と液体供給とを行う場合の他の例として、二重管を用いることができる。たとえば、管状部材30bは、流体供給部48から延びる管状部材の先端部の内部に、液体供給部49から延びる管状部材の先端部が配置された構成であってよい。逆に、管状部材30bは、液体供給部49から延びる管状部材の先端部の内部に、流体供給部48から延びる管状部材の先端部が配置された構成であってもよい。
(使用形態)
この実施形態に係る超音波診断装置の使用形態の例を、図12C〜図12Hを参照しつつ説明する。なお、この使用形態は、前側閉塞部110および後側閉塞部120への流体供給と、空間Ebへの液体供給とを、共通の管状部材(管状部材30b)を用いて実行する場合の例である。また、第1の実施形態の変形例4において説明された任意の事項をこの使用形態に適用することができる。
図12Cに示す状態において、前側閉塞部110および後側閉塞部120は縮小された状態にある。また、全ての弁(開口)110d、120dおよび120gは閉塞状態にある。図示は省略するが、第2のケーブル部30Bは、管状部材30bを弁110d、120dおよび120gに案内するように設けられている。
ユーザは、後側閉塞部120の弁120dを介して管状部材30bの尖部301を経路120eに進入させる。さらに、ユーザは、管状部材30bを進めていき、弁120gを介して尖部301を後側閉塞部120の外部に導く。それにより、管状部材30bが後側閉塞部120を貫通する(図12D参照)。このとき、弁120dおよび120gは、尖部301の通過に対応して変形または移動する。弁120dおよび120gの変形または移動の態様は、第1の実施形態の変形例4と同様であってよい。
図12Dに示す状態から、ユーザはさらに管状部材30bを進めていく。そして、ユーザは、前側閉塞部110の弁110dを介して管状部材30bの尖部301を前側閉塞部110の内部に進入させる。外部装置40は、所定の操作を受けて、流体の供給を開始する。流体供給部48から送出された流体は、その先端部である管状部材30bの中空領域を通じて尖部301に到達し、孔部302を介して前側閉塞部110(膨張部110b)の内部に流入する。それにより、前側閉塞部110(膨張部110b)の外形寸法が拡大される。流体の供給は、前側閉塞部110が内腔を実質的に閉塞するまで行われる(図12E参照)。
続いて、ユーザは、管状部材30bを前側閉塞部110から抜去する(図12F参照)。このとき、弁110dは、尖部301の退出に対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。さらに、ユーザは、管状部材30bを引き出していく。具体的には、尖部301が後側閉塞部120の経路120eに配置される状態まで管状部材30bを後退させる。このとき、弁120gは、尖部301の通過に対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。
外部装置40は、所定の操作を受けて、流体の供給を開始する。流体供給部48から送出された流体は、管状部材30bの中空領域を通じて尖部301に到達し、孔部302を介して後側閉塞部120(膨張部)の内部に流入する。それにより、後側閉塞部120(膨張部)の外形寸法が拡大される。流体の供給は、後側閉塞部120が内腔を実質的に閉塞するまで行われる(図12G参照)。ここまでの工程は、第1の実施形態の変形例4と同様である。以上の工程により、前側閉塞部110と後側閉塞部120との間の空間Ebは、実質的に閉塞された空間となる。
次に、ユーザは、管状部材30bを再度進めていき、後側閉塞部120を貫通させる。それにより、図12Dまたは図12Fに示すように、管状部材30bの尖部301が空間Eb内に配置される。外部装置40は、所定の操作を受けて、液体の供給を開始する。液体供給部49から送出された液体は、管状部材30bの中空領域を通じて尖部301に到達し、孔部302を介して空間Ebに流入する。
空間Ebへの液体の供給が完了したら、ユーザは、管状部材30bを引き出していき、後側閉塞部120から抜去する(図12H参照)。
以上の処理を行った後、第1の実施形態と同様に、撮像視野の調整を行い(図8のステップS6参照)、画像データの取得を行う(ステップS7)。画像データの取得が終了したら、前側閉塞部110および後側閉塞部120に供給された流体を回収する操作を行う。この操作は、上記と同様に管状部材30bを介して実行される。
(効果)
この実施形態に係る超音波医療装置および超音波診断装置の効果を説明する。
この実施形態に係る超音波医療装置の例は、本体部(20)と、第1の閉塞部(前側閉塞部110)と、第2の閉塞部(後側閉塞部120)と、流体供給部(流体供給部48および管状部材30b)と、液体供給部(液体供給部49および管状部材30b)とを有する。
本体部は、超音波を送受信する超音波振動子(21)を含み、被検体(P)の内腔に挿入される。
第1の閉塞部は、被検体の内腔に挿入され、本体部に対して被検体の挿入口(口)とは反対側に配置され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能とされる。さらに、第1の閉塞部における被検体の挿入口の側の面には、遮蔽可能な第1の開口(弁110dを伴う開口)が設けられている。
第2の閉塞部は、被検体の内腔に挿入され、本体部に対して挿入口の側に配置され、外形寸法の変化により内腔を実質的に閉塞可能とされる。さらに、第2の閉塞部における挿入口側の面には遮蔽可能な第2の開口(弁120dを伴う開口)が設けられ、その対向面(挿入口とは反対側の面)には遮蔽可能な第3の開口(弁120gを伴う開口)が設けられている。そして、第2の閉塞部には、第2の開口と第3の開口とを結ぶ第1の経路(経路120e)が設けられている。
流体供給部の先端部(管状部材30b)は、第1の開口に挿脱可能とされている。流体供給部は、第1の開口を通して第1の閉塞部の内部に先端部が配置された状態で流体を供給することにより、第1の閉塞部の外形寸法を拡大させる。同様に、流体供給部の先端部は、第1の経路に挿脱可能とされている。流体供給部は、第1の経路に先端部が配置された状態で流体を供給することにより、第2の閉塞部の外形寸法を拡大させる。
液体供給部は、第1の閉塞部と第2の閉塞部との間の空間(空間Eb)に液体を供給する。
このような超音波医療装置によれば、第1の実施形態と同様に、所望の体内部位の高品質な画像を低侵襲で取得することが可能である。さらに、この実施形態によれば、第1の閉塞部および第2の閉塞部に対する流体の供給(および回収)を好適に行うための具体的な構成が提供される。
この実施形態の第2の閉塞部に、空間Ebへの液体供給を行うための貫通経路を設けることが可能である。具体的には、第2の閉塞部(後側閉塞部120)における挿入口の側の面に閉塞可能な開口を設け、その対向面(挿入口とは反対側の面)に閉塞可能な開口を設け、さらに、これら開口を結ぶ第2の経路を設けることが可能である。この場合において、液体供給部の先端部(管状部材30bまたは他の管状部材)は、第2の経路に挿脱可能とされる。そして、液体供給部は、第2の経路を通して先端部が空間Ebに配置された状態で液体を供給する。
ここで、第2の経路は、第1の経路と共通であってもよいし、第1の経路とは別に設けられてもよい。上記の使用形態においては、第1の経路(経路120e)が第2の経路を兼ねる場合が説明されている。一方、第2の経路を個別に設ける場合、たとえば図14に示すように、ケーブル部30C(管状部材)が後側閉塞部120を貫通可能なように構成される。この場合において、ケーブル部30Cは、たとえば、経路120eと同様に構成され、かつ、経路120eとは別に設けられた第2の経路を案内されて後側閉塞部120を貫通し、空間Ebへの液体供給を行う。この第2の経路の両端はそれぞれ、弁を伴う開口であってよい。
このような実施形態によれば、第1の閉塞部と第2の閉塞部との間の空間に対する液体の供給(および回収)を好適に行うための具体的な構成が提供される。
この実施形態において、流体供給部の先端部と液体供給部の先端部とが共通の管状部材として構成されていてよい。このような共通の管状部材の例として、上記の使用形態における管状部材30bがある。また、共通の管状部材の他の例として二重管構造がある。すなわち、流体供給部および液体供給部の一方の管状の先端部の内部に、他方の管状の先端部が配置された二重管構造を、共通の管状部材に適用することが可能である。
このような実施形態によれば、流体および液体を供給するための構造の簡略化を図ることができる。
この実施形態に係る超音波診断装置は、この実施形態に係る超音波医療装置と、超音波振動子により受信された反射波に基づく信号を処理して画像データを作成する画像作成部とを含む。この画像作成部は、たとえば、受信データ処理部42および画像作成部43を含む(図7参照)。
このような超音波診断装置によれば、第1の実施形態と同様に、所望の体内部位の高品質な画像を低侵襲で取得することが可能である。
この実施形態の超音波診断装置は、第1の実施形態や第2の実施形態における任意の機能を備えていてよい。たとえば、画像作成部により作成された画像データに基づいて、第1の閉塞部と第2の閉塞部との間の空間における液体の分布の適否を判定する機能と、その判定結果に基づいて報知を行う機能とを設けることができる。この判定機能は、たとえば図13に示す液体分布判定部54(第2の判定部)により実現され、この報知機能は、たとえば制御部44(および表示部45、音声出力部等)(第2の報知部)により実現される。
〈付記〉
上記の実施形態が具備する特徴のうちのいくつかを以下に示す。
第1の例として、実施形態は、次の特徴を有していてよい:
前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部の一方または双方の膨張部における挿入口の側の面には、開口が形成されており;
前記開口を遮蔽可能に構成され、遮蔽状態において前記膨張部の内部から外部への前記流体の移動を制限する制限部材を有し;
前記流体供給部は、遮蔽状態の前記制限部材を変形または移動させることにより前記膨張部の内部に先端が挿入される第1の管状部材を含み、前記第1の管状部材を介して前記膨張部に流体を供給し;
前記制限部材は、先端が挿入されている状態の前記第1の管状部材が前記膨張部から抜去されたことに対応して変形または移動することにより遮蔽状態に復帰する。
第2の例として、実施形態において、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部のそれぞれにおいて前記内腔の壁面に当接する当接部は、弾性部材を含んでいてよい。
第3の例として、実施形態において、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部のそれぞれにおいて前記内腔の壁面に当接する当接部は、加水により粘度が増大する部材を含んでいてよい。
第4の例として、実施形態において、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部のそれぞれにおいて前記内腔の壁面に当接する当接部は、前記壁面に向けて突出する突出部を有していてよい。
第5の例として、実施形態において、前記突出部の少なくとも先端は針状に形成されていてよい。
第6の例として、実施形態において、内腔に挿入され、前記第1の閉塞部に対して前記挿入口とは反対側に配置され、外形寸法の変化により前記内腔における位置を固定可能な固定部に関し、前記固定部の最大外形寸法は、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部のそれぞれの最大外形寸法よりも大きく構成されていてよい。
第7の例として、実施形態において、前記第1の閉塞部と前記固定部との間の間隔を変更するための機構を有していてよい。
第8の例として、実施形態において、前記固定部の少なくとも前記挿入口とは反対側の面には、体液に対する耐性加工が施されていてよい。
第9の例として、実施形態において、前記固定部は、前記流体供給部から流体の供給を受けて膨張することにより前記外形寸法が拡大する膨張部を含んでいてよい。
第10の例として、実施形態において、前記本体部のうち少なくとも前記超音波振動子を含む可動部を移動させるための機構は、前記第1の閉塞部に近接する方向および前記第2の閉塞部に近接する方向に前記可動部を移動させるよう構成されていてよい。
第11の例として、実施形態において、前記本体部のうち少なくとも前記超音波振動子を含む可動部を移動させるための機構は、前記超音波振動子による超音波の送受信方向を変更させるように前記可動部を移動させるよう構成されていてよい。
第12の例として、実施形態において、前記ケーブル部の少なくとも一部は、捻じりが加えられることにより可撓性が変化する構造を有していてよい。
第13の例として、実施形態において、前記第2の判定部は、前記画像作成部が前記超音波振動子により受信された反射波に基づく信号を処理することにより作成した前記画像データに基づいて、前記被検体の観察対象の描画状態情報を取得し、前記描画状態情報に基づいて前記適否の判定を行うよう構成されていてよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
10 導中管
20 本体部
21 超音波振動子
22 カプセル送受信部
23 カプセル制御部
24 カプセル電源部
25 駆動機構
30、30A、30B、30C ケーブル部
40 外部装置
41 送受信部
42 受信データ処理部
43 画像作成部
44 制御部
45 表示部
46 操作部
47 電源部
48 流体供給部
49 液体供給部
50 記憶部
51 内腔サイズ情報
52 変化量決定部
53 漏出判定部
54 液体分布判定部
110 前側閉塞部
110b 膨張部
120 後側閉塞部
130 固定部
140 接続部材
C 噴門部
E 食道
Ea 内壁
Eb 空間
H 心臓とその周囲の血管系
m マーカ
P 被検体
SL1、SL2 信号線

Claims (17)

  1. 超音波を送受信する超音波振動子を含み、被検体の内腔に挿入される本体部と、
    前記内腔に挿入され、前記本体部に対して前記被検体の挿入口とは反対側に配置され、外形寸法の変化により前記内腔を実質的に閉塞可能であり、前記挿入口の側の面に遮蔽可能な第1の開口が設けられた第1の閉塞部と、
    前記内腔に挿入され、前記本体部に対して前記挿入口の側に配置され、外形寸法の変化により前記内腔を実質的に閉塞可能であり、前記挿入口の側の面に設けられた遮蔽可能な第2の開口とその対向面に設けられた遮蔽可能な第3の開口とを結ぶ第1の経路が設けられた第2の閉塞部と、
    前記第1の開口に先端部が挿脱可能とされ、前記第1の開口を通して前記第1の閉塞部の内部に前記先端部が配置された状態で流体を供給することにより前記第1の閉塞部の外形寸法を拡大させ、かつ、前記第1の経路に前記先端部が挿脱可能とされ、前記第1の経路に前記先端部が配置された状態で流体を供給することにより前記第2の閉塞部の外形寸法を拡大させる流体供給部と、
    前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の空間に液体を供給する液体供給部と
    を有する超音波医療装置。
  2. 前記第2の閉塞部には、前記挿入口の側の面に設けられた閉塞可能な開口とその対向面に設けられた閉塞可能な開口とを結ぶ第2の経路が設けられており、
    前記液体供給部は、前記第2の経路に先端部が挿脱可能とされ、前記第2の経路を通して該先端部が前記空間に配置された状態で液体を供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波医療装置。
  3. 前記第1の経路は、前記第2の経路を兼ねる
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波医療装置。
  4. 前記流体供給部の前記先端部と前記液体供給部の前記先端部とは、共通の管状部材として構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波医療装置。
  5. 前記共通の管状部材は、前記流体供給部および前記液体供給部の一方の管状の先端部の内部に他方の管状の先端部が配置された二重管として構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の超音波医療装置。
  6. 超音波を送受信する超音波振動子を含み、被検体の内腔に挿入される本体部と、
    前記内腔に挿入され、前記本体部に対して前記被検体の挿入口とは反対側に配置され、外形寸法の変化により前記内腔を実質的に閉塞可能な第1の閉塞部と、
    前記内腔に挿入され、前記本体部に対して前記挿入口の側に配置され、外形寸法の変化により前記内腔を実質的に閉塞可能な第2の閉塞部と、
    前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の間隔を変更するための機構と、
    前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の空間に液体を供給する液体供給部と
    を有する超音波医療装置。
  7. 流体を供給する流体供給部を有し、
    前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部の少なくとも一方は、前記流体供給部から流体の供給を受けて膨張することにより前記外形寸法が拡大する膨張部を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の超音波医療装置。
  8. 前記液体供給部は、
    前記第2の閉塞部を貫通し、前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の空間に先端側の開口が露出された管状部材を含み、
    前記管状部材を介して前記空間に液体を供給する
    ことを特徴とする請求項1または請求項6に記載の超音波医療装置。
  9. 前記液体供給部は、前記空間に供給された液体を回収しつつ新たな液体を供給する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  10. 前記内腔に挿入され、前記第1の閉塞部に対して前記挿入口とは反対側に配置され、外形寸法の変化により前記内腔における位置を固定可能な固定部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  11. 前記本体部、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部を前記挿入口から内腔に案内するために用いられ、前記被検体に挿入されている部分の長さを示すマーカが設けられた導中管を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  12. 前記本体部のうち少なくとも前記超音波振動子を含む可動部を移動させるための機構を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  13. あらかじめ作成された内腔サイズ情報に基づいて、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部の少なくとも一方の前記外形寸法の変化量を決定する決定部と、
    前記決定部により決定された変化量に基づいて、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部の少なくとも一方の外形寸法を変化させる制御部と
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  14. 前記液体供給部による液体の供給状態に基づいて、前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の空間から液体が漏れているか否か判定する第1の判定部と、
    前記第1の判定部による判定結果に基づいて報知を行う第1の報知部と
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  15. 一端側が前記本体部、前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部のそれぞれに接続された1または複数のケーブル部を有し、
    前記1または複数のケーブル部には、
    前記本体部と外部装置との間で信号を伝送するための信号線と、
    前記第1の閉塞部および前記第2の閉塞部のそれぞれの外形寸法を変化させるための部材と、
    前記液体供給部から前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の空間に液体を供給するための部材と
    が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の超音波医療装置。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の超音波医療装置と、
    前記超音波振動子により受信された反射波に基づく信号を処理して画像データを作成する画像作成部と
    を有する超音波診断装置。
  17. 前記画像作成部により作成された画像データに基づいて、前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部との間の空間における液体の分布の適否を判定する第2の判定部と、
    前記第2の判定部による判定結果に基づいて報知を行う第2の報知部と
    を有することを特徴とする請求項16に記載の超音波診断装置。
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