WO2014054808A1 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

 所定期間における体内組織の状態を観察する場合において、操作者の負担を軽減することにより、超音波診断装置による検査の効率を向上する。超音波送受信部と、制御部とを備える。超音波送受信部は、変更部を有し、かつ被検体内に挿入された状態で設定された方向に超音波を送信して被検体の観察部位の生体情報を取得する。変更部は、超音波の送信方向を変更可能である。制御部は、取得された生体情報に基づき、観察部位へ向かう方向を求め、超音波の送信方向が該方向へ向くように、変更部を制御する。

Description

超音波診断装置
 この発明の実施形態は超音波診断装置に関する。
 医用画像診断装置は、検査・診断を行うため、外科的手術によって組織の切除を伴わずに被検体内の組織の情報を医用画像(断層画像、血流画像等)として画像化する装置である。医用画像診断装置としては、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置等がある。
 一例において、医用画像は、被検体の撮像の後、医療機関内の医用画像保管システム(例えばPACS;Picture Archiving and CommunicationSystems)に記憶される。その後、読影医等は、医用画像保管システムから医用画像を読み出して読影を行う。他の例において、医用画像は被検体の撮像後、即座に(リアルタイムに)表示され、医師等に閲覧される。このように、医師等が被検体内の状態を即座に把握するために医用画像が利用される場合がある。その他の例として、医用画像は、経過観察等のため、被検体内の状態を一定期間モニタリングする目的に用いられる場合がある。このモニタリングにおいて、超音波診断装置が用いられる場合がある。この場合、被検体の被ばくの問題が生じない点などが考慮されて超音波診断装置が用いられる。
 また、検査・診断の一例として、被検体内の状態を一定期間モニタリングするとき、その期間の長さによっては、被検体をガントリ(X線CT装置、MRI装置等)に留めておくことが困難な場合がある。X線照射部と検出器の間に被検体を留める必要があるX線診断装置も同様である。この点、超音波診断装置は、ガントリ等を必要としない。超音波診断装置は、超音波プローブ等により観察部位に対して超音波を送受信することにより、体内組織の情報を得て画像化する。さらに、超音波診断装置は、MRI装置のように傾斜磁場コイルの振動による騒音が生じることもない。
 ただし、体外において観察部位に対して超音波を送受信する超音波プローブの場合、体外から所望の観察部位までの間に存在する組織(骨や肺等)の影響を受けることがある。この問題を解消するために、超音波診断装置において経食道超音波プローブ(TEE;transesophageal echocariography;プローブ)が用いられている(例えば特許文献1)。経食道超音波プローブを用いた超音波診断装置は、食道や上部消化器官において観察部位に対して超音波の送受信を行う。従って、経食道超音波プローブを用いた超音波診断装置は、上記組織(骨や肺等)の影響を受けずに所望の観察部位の超音波画像を取得することができる。
 構成の一例として、経食道超音波プローブは、導中管部と、先端部と、湾曲部とを有する。導中管部は、所定の長さを有する。先端部は、超音波トランスデューサを有する。湾曲部は、当該導中管部と先端部とを接続する。導中管部から先端部までは、体腔内、例えば食道、胃等の上部消化器官に挿入される。そのため、導中管部は屈曲可能に形成される。また、導中管部において、先端部側に対して反対側の他端には把持部が接続されている。把持部は操作者により把持される。また、把持部には、操作部が設けられている。操作部は、湾曲部や先端部の操作等に用いられる。また、把持部から導中管部を通り先端部まで至る間には、ワイヤーが設けられている。ワイヤーは、湾曲部を曲げるために用いられる。
 把持部に設けられた走査部に対する操作を受けることにより、ワイヤーが駆動される。ワイヤーが駆動されることにより、湾曲部が湾曲される。湾曲部が湾曲されることにより、先端部が所定方向に向けられる。経食道超音波プローブは、先端部を所定方向に向け、さらに、先端部の超音波トランスデューサにより所望の検査部位に対して超音波を送受信する。それにより、経食道超音波プローブを用いた超音波診断装置は、例えば食道の所定位置から心臓の状態を示す画像を取得することが可能である。
特開平5-161649号公報
 体腔内は拍動や呼吸の影響を受けるので、経食道超音波プローブの先端部と所望の観察部位との相対的位置が変化することがある。上記のように観察部位を一定期間モニタリングしようとする場合、超音波診断装置の操作者が先端部の変位を常に監視し続け、必要に応じて位置調整をすることは操作者の負担となるおそれがあり、当該検査の効率を低下させる可能性がある。
 この発明の実施形態は、所定期間における体内組織の状態を観察する場合において、操作者の負担を軽減することにより、超音波診断装置による検査の効率を向上することを目的とする。
 この実施形態にかかる超音波診断装置は、超音波送受信部と、制御部とを備える。超音波送受信部は、変更部を有し、かつ被検体内に挿入された状態で設定された方向に超音波を送信して被検体の観察部位から得られる超音波受信信号を用いて生体情報を取得する。変更部は、超音波の送信方向を変更可能である。制御部は、取得された生体情報に基づき、観察部位へ向かう方向を求め、超音波の送信方向が該方向へ向くように、変更部を制御する。
超音波診断装置を示す概略斜視図である。 先端部を示す概略側面図である。 図2Aの概略A―A´断面図と概略B―B´断面図に示される各部の位置関係を示す概略図である。 図2Aの超音波トランスデューサにおいてオフセットを付加した状態を示す概略断面図である。 フレキシブルプリント基板を示す概略斜視図である。 超音波トランスデューサを示す概略斜視図である。 超音波トランスデューサを示す概略斜視図である。 超音波トランスデューサを示す概略斜視図である。 超音波トランスデューサを示す概略斜視図である。 第1実施形態にかかる超音波診断装置の先端部の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。 第1実施形態にかかる超音波診断装置の先端部の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。 第1実施形態における生成部により生成されたBモード画像の一例を示す概略図である。 第1実施形態における生成部により生成されたドプラスペクトラム画像の一例を示す概略図である。 第1実施形態における生成部により生成されたドプラスペクトラム画像と心電波形の一例を示す概略図である。 図6のBモード画像を取得する位置関係を示す概略図である。 第1実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第1実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第1実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第1実施形態における超音波トランスデューサの変形例を示す概略斜視図である。 図12Aの概略C-C’断面図である。 第2実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第2実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第2実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第4実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第5実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 第5実施形態にかかる超音波診断装置の動作の概略を示すフローチャートである。 断層像上において設定された輪郭線と操作点を示す概略図である。 主制御部によって行なわれる心腔内容積計測の具体例の概要を示す概略図である。 主制御部によって行なわれる心腔内容積計測の具体例の概要を示す概略図である。
 図1~図20Bを参照して、第1実施形態~第7実施形態にかかる超音波診断装置について説明する。
[第1実施形態]
 まず第1実施形態にかかる超音波診断装置100の全体構成の概略について図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる超音波診断装置100の概略構成を示す外観図である。
 図1に示すように、本実施形態にかかる超音波診断装置100は、本体部101、先端部10等を有する。先端部10と本体部101とはケーブル11を介して接続される。図1の例においては、ケーブル11の端部に、コネクタ11aが設けられる。本体部101には、接続部101aが設けられている。接続部101aは、コネクタ11aと接続可能に構成される。また、本体部101には、操作部102と、表示部103とが設けられる。操作部102は、超音波診断装置100の操作に用いられる。表示部103は、超音波診断装置100により生成された画像およびその他の画像を表示する。なお、図1は、超音波診断装置100の例示である。したがって、本体部101の構成、ケーブル11、操作部102、表示部103の配置や構成などは、図1に例示するものに限られず、適宜変更が可能である。例えば、本体部101は、図1のような本体部101でなく、携帯型の超音波診断装置として構成される場合もある。
<先端部の構成>
 次に、図2A,図2Bおよび図3Aを参照して先端部10の構成について説明する。図2Aは、先端部10を示す概略側面図である。図2Bは、図2Aの概略A―A´断面図および概略B―B´断面図であり、これら断面図に示される各部の位置関係を示す概略図である。なお、図2Bにおいては、ケーブル11、方向制御部16および駆動部18の図示が省略されている。図3Aは、超音波振動子12aが支持体の外周面の全周にわたって設けられた1次元的配列の超音波トランスデューサ12を示す概略斜視図である。
(先端部の概要)
 図1および図2Aに示す例においては、超音波の送受信を行うためのデバイスとしての先端部10は、カプセル形状である。図2Bに示すように、先端部10は、収容部10aを有する。収容部10aは、楕円体状に形成される。収容部10aは、その内部に、超音波トランスデューサ12、送受信制御部14およびインターフェース(I/F)15(図4参照)等を備える。なお、収容部10aは、その内部に、方向制御部16および駆動部18を備える場合がある。図2Bにおいては、この場合に備えられる方向制御部16および駆動部18の図示が省略されている。
 また、図2Bに示すように、楕円体状の先端部10の場合、例えば収容部10aの長軸方向の一端側にはケーブル11が接続されている。さらに、ケーブル11内の信号線や電源線が収容部10a内部に通されている。これら線は、送受信制御部14や方向制御部16、駆動部18に接続されている。なお、収容部10aを被検体内の組織に留置させる構成とする場合、ケーブル11により被検体内での先端部10の進行を留める構成とすることが可能である。例えば、被検体の組織の一部に固定される固定部(不図示)に、さらにケーブル11の一部を固定する構成とすることが可能である。この固定部としては、被検体に装着されるマウスピース等が挙げられる。マウスピースに固定部を設けることにより、ケーブル11が被検体内に挿入される長さを所定範囲にとどめることが可能となる。それにより、先端部10を被検体内で留置することが可能となる。
 また、先端部10における収容部10aを膨張させ、食道等、被検体の体内組織に収容部10aを密着させる構成であってもよい。体内組織に収容部10aを密着させることにより、先端部10を体内組織に留置させることが可能となる。図示しないが、このような構成では収容部10aが2重の袋状に構成される。収容部10aの内部の袋部分には、超音波トランスデューサ12が収容される。収容部10aの外側の袋部分は、ケーブル11と接続される。ケーブル11と当該外側の袋部分とは連通されており、ケーブル11内のパイプ管11c(図2B参照)から流体、すなわち無菌水等の液体や空気等の気体等を注入可能に構成される。流体の注入により収容部10aが膨張し、流体の排出により収容部10aが収縮する。なお、先端部10における収容部10aの内部には超音波トランスデューサ12が設けられるが、その他、送受信制御部14や方向制御部16、駆動部18等を先端部10に設けるかについては、超音波トランスデューサ12の構成(素子配列等)に応じて適宜設計される。
(超音波トランスデューサの全体および各部の構成)
 図2Bの例における先端部10に用いられる超音波トランスデューサには、短冊状の超音波振動子12aが円環状に1列に配列(1次元配列)される(図3A参照)。超音波トランスデューサ12において、超音波振動子12aは、図示しない支持体の外周面上に配置される。なお、以下において、支持体上に配置される背面材、背面電極、圧電素子、前面電極、及び音響整合層を積層した構造体を「超音波振動子12a」と記載する。また、以下において、支持体、超音波振動子12aの群および音響レンズ12cのまとまりを「超音波トランスデューサ12」と記載する。支持体(不図示)は、超音波振動子12aを支持する。支持体は、例えば中心軸に沿って内側が中空の円筒状に形成される。また、支持体は、円柱状に形成されてもよい。超音波の送信方向(超音波ビーム角等)を変更するために、超音波振動子12aの全体が傾動される必要が有る場合には、この支持体は駆動部18に接続される。超音波振動子12aは、支持体の外周面から放射状に外側へ向かって背面材、背面電極、圧電素子、前面電極、音響整合層が積層されて構成される。
 図示しない圧電素子には、背面材側(支持体側)の面に背面電極が設けられ、その反対側(音響レンズ側)の面に前面電極が設けられている。圧電素子は、背面電極および前面電極に印加された電圧を超音波に変換する。この超音波は被検体へ送信される。また、圧電素子は、被検体からの反射波を受け、電圧(エコー信号)に変換する。圧電素子の材料としては、一般に、PZT(Piezoelectric element/例;チタン酸ジルコン酸鉛/Pb(Zr,Ti)O)が用いられる。また、圧電素子として、PVDF(PolyVinylideneDiFluoride/ポリフッ化ビニリデン/(CH2CF2)n)が用いられてもよい。圧電素子としてPVDFフィルムが用いられる場合、PVDFフィルムには可撓性があるので先端部10が構成されやすい。また、圧電素子としてPVDFフィルムが用いられる場合、超音波振動子12aの積層方向の厚さを薄くすることができるので、先端部10の小型化を図ることができる。また、PVDFフィルムには、耐衝撃性がある。その他、圧電素子として、チタン酸バリウム(BaTiO)、PZNT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)単結晶、PMNT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)単結晶等が用られてもよい。なお、圧電素子は単一層であってもよく、複数層の圧電素子が用いられてもよい。
 なお、すべての圧電素子のうちの一部が、図示しない温度検出用回路に接続されてもよい。温度検出用回路に接続された圧電素子は、焦電素子として用いられる。温度検出用回路は、この焦電素子から焦電電圧値または焦電電流値を受け、これらの値に基づいて超音波振動子12a付近の温度を求める。なお、温度検出用回路は、先端部10に配置されていても本体部101に配置されていてもよい。先端部10は被検体内に配置されるので、超音波振動子12a付近の温度を操作者が認識可能にすることは、観察部位のモニタリングにおいて有効である。
 各圧電素子の前面電極における音響レンズ12c側に、音響整合層が前面電極に隣接して設けられている。それにより、音響整合層は、圧電素子と音響レンズ12cの間に配置される。音響整合層は、圧電素子と被検体との間で音響インピーダンスを整合させるものである。また、音響整合層が積層方向に2層以上設けられる場合がある。この場合、音響整合層には音響インピーダンスが段階的に異なる材料が用いられる。このような構成によれば圧電素子と音響レンズ12cとの間で音響インピーダンスを段階的に変化させて、音響的な整合をとることが可能である。
 各圧電素子の背面電極における支持体側に、背面材が背面電極に隣接して設けられている。背面材は、超音波の送信の際に超音波の照射方向と反対側(後方)に放射される超音波を吸収することにより、各圧電素子の余分な振動を抑える。背面材は、各圧電素子の振動時に、各圧電素子の背面からの超音波の反射を抑制する。従って、背面材を設けることによって、超音波の送受信に悪影響を及ぼすことを回避することが可能となる。なお、背面材としては、音響減衰、音響インピーダンス等の特性に基づいて、PZT粉末やタングステン粉末等を含むエポキシ樹脂、ポリ塩化ビニールやフェライト粉末を充填したゴムあるいは多孔質のセラミックにエポキシ等の樹脂を含漬したもの等、任意の材料を用いることができる。
〈音響レンズ〉
 音響レンズ12c(図2B参照)は、送受信される超音波を集束してビーム状に整形するものである。音響レンズ12cの材料としては、生体に近い音響インピーダンスを有する材料であるシリコーンなどが使用される。なお、超音波トランスデューサ12において、超音波振動子12aが2次元的に配列され、かつ、超音波トランスデューサ12が、電子的な走査によって超音波を集束してビーム状に整形することができる場合には、音響レンズ12cが設けられない場合がある。
 また、先端部10が、被検体の食道に挿入され、さらに、超音波の送信方向が心臓に向けられるという用途で用いられる場合には、図2Cに示すように音響レンズ12cと、超音波振動子12aとの間に楔状のオフセット12fが付加されてもよい。オフセット12fが付加されることにより、音響レンズ12cが超音波振動子12aの支持体に対して傾く。このような構成によれば、圧電素子からの超音波の方向が異なる方向に集束される。オフセット12fの傾斜角によっては、食道に留置された先端部10の超音波振動子12aから心臓に向けて超音波を送信させるための駆動制御が不要となる。または、該傾斜角によっては、該駆動制御が簡便になる。
 図3Aに示される構成においては、後述する方向制御部16および駆動部18は、本体部101から、超音波の送信方向にかかる指示信号を受け、超音波トランスデューサ12の傾動を実行する。この傾動により、超音波の送信方向が調整される。なお、オフセット12fが設けられている場合は、傾動が実行されない構成とすることも可能である。
(超音波トランスデューサの他の例)
 図3B~図3Dを参照して超音波トランスデューサ12の構成の他の例について説明する。図3B~図3Dは、超音波トランスデューサ12を示す概略斜視図である。そのうち、図3Cが、1次元配列の超音波トランスデューサ12であり、図3Bおよび図3Dは、2次元配列の超音波トランスデューサ12を示すものである。また、図3Bは支持体に対して超音波振動子12aが全周にわたって設けられた超音波トランスデューサ12を示すものである。図3Cおよび図3Dは、支持体の外周面の一部に超音波振動子12aが設けられている超音波トランスデューサ12を示すものである。
 図3Bの例においては、超音波振動子12aが、支持体の外周面の全周にわたって2次元的に配列されている。この構成において、後述する送受信制御部14は、電子走査によって、駆動する超音波振動子の切替え、並びに超音波(超音波ビーム)の偏向および集束を、実行可能である。図3Bに示す超音波トランスデューサ12の構成においては、送受信制御部が、超音波振動子の配列方向(アジマス(Azimuth)方向)だけでなく、その方向と実質的に直交するエレベーション(Elevation)方向においても、電子走査によって、超音波の偏向および集束を行うことが可能である。したがって、この構成においては、超音波トランスデューサ12の回転および傾動が必要とされない場合がある。この場合は、方向制御部16および駆動部18が設けられない。さらに、この場合は、音響レンズ12cが設けられない場合がある。
 図3Cの例においては、超音波振動子12aが、支持体の外周面の周方向における一部に1次元的に配列されている。一部に配列されている状態とは、例えば支持体が円筒状である場合に、その中心軸から外周面の周方向の所定角度範囲(例えば60°)に含まれる外周面に、超音波振動子12aが並んで設けられている状態である。この構成においては、後述する方向制御部16および駆動部18は、本体部101からの指示信号を受け、超音波トランスデューサ12の回転および傾動の一方または双方を実行する。
 図3Dの例においては、超音波振動子12aが、支持体の外周面の周方向における一部に2次元的に配列されている。この構成においては、後述する方向制御部16および駆動部18は、本体部101からの指示信号を受け、超音波トランスデューサ12の回転を実行する。一部に配列されている状態とは、例えば支持体が円筒状である場合に、その中心軸から外周面の周方向の所定角度範囲(例えば60°)に含まれる外周面に、超音波振動子12aがアジマス方向およびエレベーション方向に並んで設けられている状態である。
(先端部の変形例)
 また、圧電素子としてPVDFのような音響インピーダンスの低いものが用いられる場合は、背面材へ向かって放射される超音波を吸収せずに反射させるような構成の背面材が用いられてもよい。例えば、超音波振動子12aの支持体と背面材とを兼ねる材料が用いられてもよい。この材料として形状記憶合金を採用することにより、次のような構成の先端部10を構成することが可能となる。この先端部10の変形例について図2Dを参照して説明する。
 収容部10aは、先端部10を被検体に挿入するときは先端部10全体が収縮された状態となるように構成されている。また、図2Dに示すように、音響整合層から圧電素子までがフレキシブルプリント基板12d(FPC;Flexible Printed Circuits)上に配置される。このフレキシブルプリント基板12dには、送受信制御部14等の機能を有するIC(Integrated Circuit)12e等が配置されてもよい。IC12eは、送受信制御部14等の機能を有する。送受信制御部14と圧電素子の電極とはフレキシブルプリント基板12dに形成されたパターン等により電気的に接続されている。また、フレキシブルプリント基板12dは、形状記憶合金により構成された背面材上に形成される。
 また、収容部10aは、被検体に挿入された後、例えば食道に位置しているときに、ケーブル11を介して空気、水等の流体が注入されることにより、先端部10全体が膨張した状態(図2B参照)となるように構成されている。また、収容部10aが膨張すると、その内部に所定の空間が形成される。背面材としての形状記憶合金は、この膨張した状態において、例えば図3Aに示すような円柱状または円筒状の形状となるように構成されている。また、先端部10は、収容部10aに注入された流体が排出(吸引等)されることにより、その全体が収縮する。
 超音波トランスデューサ12は、フレキシブルプリント基板12dや、形状記憶合金としての背面材により支持されている。従って、収容部10aが収縮すると、それに応じて超音波トランスデューサ12もその全体が収縮する。このような構成によれば、先端部10は収縮時に、小型化される。それにより、操作者は、先端部10を任意に伸縮させることが可能である。したがって、操作者は、被検体内に対する先端部10の挿入および排出を容易に行いうる。
(送受信制御部)
 次に、図4を参照して先端部10の送受信制御部14について説明する。図4は、第1実施形態にかかる超音波診断装置100の先端部10の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。図4に示すように、送受信制御部14は、送信部141、受信部142および切替部143を有して構成される。以下、各部ごとに説明する。
(送信部)
 先端部10の送信部141は、送信制御部141a、送信波形発生部141bおよび送信アンプ141cを有して構成される。送信部141は、インターフェース(I/F)15を介して、本体部101(送信部105等/図5)から超音波の送信にかかる指示信号を受ける。送信部141は、クロック発生回路および送信遅延回路等(不図示)を含んで構成される。送信制御部141aは、クロック発生回路および送信遅延回路等を制御する。クロック発生回路は、超音波の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。例えば、クロック発生回路は、送信遅延回路に基準クロック信号を与える。送信遅延回路は、所定の遅延時間が付与された駆動信号を送信波形発生部141bに送信する。なお、所定の遅延時間は、超音波の送信フォーカス点に基づいて決定される。
 送信波形発生部141bは、例えば図示しないパルサ回路を有する。パルサ回路は、各超音波振動子12aに対応した個別経路(チャンネル)に相当する個数のパルサを内蔵し、送信駆動パルスを発生する回路である。パルサ回路は、所定の繰り返し周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)でレートパルスを繰り返し発生する。このレートパルスはチャンネル数に分配され、送信遅延回路に送られる。
 送信制御部141aにおける送信遅延回路は、レートパルスに送信方向および送信フォーカスにかかる送信遅延時間を与える。そして各遅延されたレートパルスに基づくタイミングで送信駆動パルスが発生される。この発生された送信駆動パルスは、送信アンプ141cにより増幅されて切替部143に送られる。このように送信遅延回路がレートパルスに与える送信遅延時間は、超音波の送信フォーカスを行う(超音波をビーム状に集束する)ためのものである。それにより、超音波の送信指向性が決定される。さらに、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える送信遅延時間を変化させることにより、超音波振動子12aの超音波放射面からの超音波送信方向を制御する。
(切替部)
 切替部143は、送信部141と受信部142との切り替えにかかる制御を行う。切替部143は、超音波の送受信にかかるスイッチを備える。後述するように、本体部101側での走査モードが連続波ドプラモード(CWD;Continuous wave doppler)に設定されている場合、切替部143は、超音波振動子12aの幾つかの素子を送信用として送信部141に接続させ、他の幾つかの素子を受信用として受信部142に接続させる。
 また、本体部101側での走査モードが、B(Brightness)モードとパルスドプラモード(PWD;Pulsed wave doppler)とを並行して実行する設定がされている場合、切替部143は、Bモードに応じて駆動される素子を順次切り替える制御と、設定されたサンプルボリューム(サンプリングゲート)へ向かって超音波を送信する素子に切り替える制御とを交互に繰り返す。Bモードにおいては、駆動する素子群を素子配列方向にずらしていくようにして超音波の送信方向等が制御される。
 また、切替部143は、2次元配列の場合の超音波トランスデューサ12における、m行×n列の素子群(振動子群)を含む各サブアレイの切り替えを行う。切替部143のスイッチに接続されたサブアレイの各素子には、送信アンプ141cからの送信駆動パルスが印加されて圧電素子が駆動される。
(受信部)
 先端部10における受信部142は、被検体により反射された超音波に応じたエコー信号を受ける。受信部142は、超音波トランスデューサ12が受信したエコー信号を増幅し、さらに遅延加算処理を行う。受信部142の遅延加算処理により、アナログのエコー信号が整相された(つまり受信ビームフォームされた)デジタルのデータに変換される。具体例は次の通りである。
 受信部142は、受信アンプ142a、A/D変換部142bおよび遅延加算部142cを有して構成される。受信部142は、サブアレイ遅延加算部(不図示)を有していてもよい。受信アンプ142aは、超音波トランスデューサ12から受信したエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換部142bは、増幅されたエコー信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換されたエコー信号は、図示しないデジタルメモリに記憶される。なお、デジタルメモリはチャンネル(または各素子)毎に設けられている。エコー信号は対応するデジタルメモリに記憶される。また、エコー信号は、そのエコー信号の受信時刻に応じたアドレスに記憶される。A/D変換部142bは、エコー信号の帯域幅にあわせてフィルタリングしたデータを間引くことが可能である。なお、受信部142がサブアレイ遅延加算部(不図示)を有する場合、サブアレイ遅延加算部は、超音波振動子12aにおける近接した素子からのエコー信号を加算することが可能である。
 遅延加算部142cは、デジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。この受信遅延時間は素子毎に計算される。また、遅延加算部142cは、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。遅延加算部142cは、計算した必要な遅延時間に基づいて、適宜デジタルメモリからエコー信号を読み出し、そして加算する。遅延加算部142cは、受信フォーカス位置を送信ビーム上に沿って変更しながらこの加算処理を繰り返す。遅延加算部142cは、加算処理によって、受信指向性に応じた方向からの反射成分を強調する。受信部106により処理された受信ビーム信号は、インターフェース(I/F)15、受信部106等を介して信号処理部(Bモード信号処理部107、ドプラ信号処理部108)に送信される。
(方向制御部・駆動部)
 方向制御部16は、本体部101から超音波の送信方向にかかる指示信号を受け、駆動部18を制御する。例えば、方向制御部16は、本体部101側で設定されたROI(Region of Interest)に応じて超音波の放射面の向きまたは角度を変えるため、駆動部18を駆動させる制御を行う。駆動部18は、例えば超音波モータ等のマイクロアクチュエータにより構成される。駆動部18は、方向制御部16に制御されて駆動する。また、駆動部18は、超音波トランスデューサ12に接続されている。この構成によって、駆動部18が駆動されることにより、超音波トランスデューサ12が回転され、または傾動される。駆動部18が駆動されることにより、超音波トランスデューサ12における超音波の送信方向を変更することができる。
<本体部の構成>
 次に、本体部101の各部の制御および各部の処理について、図5を参照して説明する。同図に示す超音波診断装置100は、例えば、心臓等の生体組織の形態を表す画像(図6参照)や血流状態を表す画像(図7A参照)を取得するために用いられる。図5に示すように超音波診断装置100においては、本体部101に先端部10および生体情報計測部120が接続されている。なお、先端部10は「超音波送受信部」の一例に該当する。図5は、第1実施形態にかかる超音波診断装置100の本体部101の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。
 本体部101は、その内部に、超音波診断装置100における入出力、演算、制御等の各処理を行うユニットを有している(図5参照)。図5においては、本体部101の機能として操作部102、表示部103、主制御部104、送信部105、受信部106、Bモード信号処理部107、ドプラ信号処理部108、生成部109、方向設定部110、探索部111を有する。なお、生体情報計測部120は、超音波診断装置100自体に含まれていてもよい。また、本体部101には、先端部10とケーブル11を介して接続される電源が含まれていてもよい。
(操作部)
 操作部102は、操作者による操作を受けて、この操作内容に応じた信号や情報を装置各部に入力する。また、操作部102には、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードに限らず、任意のユーザインターフェースを用いられることができる。操作部102におけるこの信号や情報の入力手段が、例えば、表示部103と一体のタッチパネルにおけるソフトウェアキー(softkey)として構成されることも可能である。なお、操作部102は、ネットワークやメディアを介して信号や情報の入力を受ける機能を有していてもよい。なお、以下において超音波画像とは、Bモード画像のような形態画像だけでなく、血流や組織の運動情報に基づく波形画像や、血流や組織の運動情報に基づく色彩や明度のカラー表示画像も含むものとする。
 また、例えば、操作者が操作部102における終了ボタンやFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了、または一時停止状態となる。また、操作者は、操作部102を操作することにより、超音波の走査モードを選択することが可能である。操作者は、操作部102を介して、超音波の送受信にかかる走査モードの選択操作、初期設定を行うことができる。また、操作者は、操作部102を介して、ドプラモードにおけるサンプルボリューム(サンプリングゲート)の指定操作を行うこともできる。また、操作者は、操作部102を介して、心臓駆出率等、生体情報のモニタリングに関する設定を行うことも可能である。
(表示部)
 表示部103は、超音波画像、操作画面や設定画面等を表示する。表示部103には、CRT(CathodeRayTube)や液晶ディスプレイ(LCD;LiquidCrystalDisplay)、プラズマディスプレイPlasmaDisplayPanel)、有機EL(OELD;OrganicElectro-Luminescence)、FED(FieldEmissionDisplay;電界放出ディスプレイ)など、任意の表示装置が用いられることが可能である。
(主制御部)
 主制御部104は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUが制御プログラムを適宜RAM上に展開することにより、主制御部104は、本体部101の各部の制御を行う機能部として機能する。それにより、主制御部104は本体部101における以下の各部の制御を実行する。
(送信部)
 本体部101の送信部105は、選択された走査モードに応じて、先端部10の送受信制御部14に、超音波トランスデューサ12の駆動にかかる信号を送信する。例えば、主制御部104は、操作部102により走査モード(スキャンシーケンス)の選択操作を受ける。この操作により、主制御部104は、送信部105を、選択された走査モードに応じて制御する。選択された走査モードにより、送信周波数、送信駆動電圧等が変更される。なお、走査モードとしては、Bモード、パワードプラモード(PDI;Power Doppler Imaging)、パルスドプラモード、連続波ドプラモード、カラードプラモード(CDI;Color Doppler Imaging/またはCFM;Color Flow Mapping)、組織ドプラモード(TDI;Tissue Doppler Imaging)、M(Motion)モード等が選択されることが可能であり、さらにはこれらの複合による走査モードが選択されることも可能である。
 なお、パルスドプラモードにおいて、送信ビームの方向および送信フォーカス点(観測領域の位置および深さ方向に関する範囲)は、サンプルボリューム(サンプリングゲート)により設定される。サンプルボリュームは、例えば、表示されたBモード画像上で、操作者が操作部102により任意の範囲を指定することにより、方向設定部110を介して設定される。連続波ドプラモードの場合、送信ビームが占める空間領域が観測領域である。
 また、探索部111における探索処理が実施される場合は、送信部105は、所定時間の経過に応じて、上記いずれかのドプラモードにより、被検体内の観察部位の血流や組織の運動情報を取得する制御信号を先端部10の送信部141に送信する。この処理においては、ドプラモードによる超音波の送信方向が所定のトリガに応じて変更される。詳細は探索部111の説明において記載する。
(受信部)
 本体部101の受信部106は、先端部10から、受信部142により所定の処理を施されたデジタルのエコー信号(受信ビーム信号)を受ける。エコー信号は、信号処理部(Bモード信号処理部107、ドプラ信号処理部108)に送信される。
(信号処理部・Bモード信号処理部)
 信号処理部はBモード信号処理部107およびドプラ信号処理部108を有する。Bモード信号処理部107は、受信ビーム信号を受信部106から受けて、受信ビーム信号の振幅情報の映像化を行う。具体的には、Bモード信号処理部107は、受信ビーム信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、バンドパスフィルタ処理された受信ビーム信号の包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。それにより、Bモード信号処理部107は、Bモード画像のRAWデータを生成する。
(信号処理部・ドプラ信号処理部)
 ドプラ信号処理部108は、ドプラ処理として、受信ビーム信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、高速フーリエ変換(FFT処理;FastFourierTransform)を施す。それにより、ドプラ信号処理部108は、受信ビーム信号(ドプラ信号)の周波数解析を行ってドプラ偏移を抽出する。ドプラ信号処理部108は、ドプラ偏移を用いることで、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワーなどの移動体情報を多点について抽出したドプラ画像のRAWデータを生成する。
 また、ドプラ信号処理部108は、カラードプラ処理を行う構成としてもよい。カラードプラ処理により血流情報の映像化が行われる。血流や組織の運動情報には、速度、分布、またはパワーなどの情報がある。例えば、ドプラ信号処理部108は、受信ビーム信号を処理し、関心領域内のカラーフローマッピング(CFM)画像のRAWデータを生成する。具体的には、ドプラ信号処理部108は、受信部106からの受信ビーム信号を直交検波する。次に、ドプラ信号処理部108は、直交検波されたエコー信号を自己相関法により周波数解析する。周波数解析によりドプラ信号処理部108は、サンプルの各点において血流の平均速度値や分散値を算出する。そして、ドプラ信号処理部108は、算出された平均流速値や分散値をカラーで表現するカラーフローマッピング画像のRAWデータを生成する。また、ドプラ信号処理部108は、直交検波された受信ビーム信号に基づいて血流のパワー値を算出する。そして、ドプラ信号処理部108は、算出されたパワー値をカラーで表現するカラーフローマッピング画像のRAWデータを生成する。
 これらの信号処理部は、信号処理が施されたRAWデータ(超音波ラスタデータ)を生成部109に送信する。なお、本実施形態に係るBモード信号処理部107およびドプラ信号処理部108は、2次元のエコーデータおよび3次元のエコーデータの双方について処理可能である。
(生成部)
 次に、生成部109の処理を図6、図7A、図7B及び図8を参照して説明する。図6は、第1実施形態における生成部109により生成されたBモード画像の一例を示す概略図である。図7Aは、第1実施形態における生成部109により生成されたドプラスペクトラム画像の一例を示す概略図である。図7Bは、図7Aのドプラスペクトラム画像と生体情報計測部120から入力された心電波形Wを並行して表示した状態の一例を示す概略図である。図8は、食道からのアプローチにより図6に示すBモード画像の断面を取得するための位置関係を示す概略画面データ図である。
 生成部109は、信号処理部(Bモード信号処理部107、ドプラ信号処理部108)から出力された信号処理後のRAWデータに基づいて超音波画像データを生成する。生成部109は、例えば、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)を有する。生成部109は、走査線の信号列で表される信号処理後のRAWデータを、直交座標系で表される画像データに変換する(スキャンコンバージョン処理)。例えば、生成部109は、Bモード処理部によって信号処理が施されたRAWデータにスキャンコンバージョン処理を施すことにより、被検体の組織の形態ごとの信号強度を輝度で表現するBモード画像データを生成する(図6参照)。なお、図8に示すように、図6は、食道からのアプローチによる四腔断面像である。図6には、左房LA、超音波の送信方向に係る破線L1および僧帽弁Mが示されている。また、図6には、心電波形Wも表示されている。
 また、生成部109は、カラードプラ処理またはドプラ処理を受けたRAWデータに座標変換を施し、表示部103に表示することができるカラーフローマッピング画像のデータ、ドプラ画像のデータを生成する。例えば、生成部109は、ドプラ信号処理部108によるドプラ信号(エコー信号)のFFT(Fast Fourier Transform)による周波数解析の結果に基づき、移動体の速度情報(血流の速度情報や組織の速度情報)を時系列に沿って描画したドプラスペクトラム画像を生成する(図7A参照)。
 なお、図7Aにおいては、縦軸に周波数f(速度v)、横軸が時間tとしてスペクトラムの表示が行われている(FFT表示)。また、この波形表示において、線幅は速度の大きさを示し、輝度はドプラスペクトラムの強度(ドプラ信号のパワーに相当する)を表している。なお、図7Aは、図の見易さを優先して階調を反転して表示されている(図7Bにおいても同じ)。
 先端部10を通じて経時的に超音波の送受信が行われると、上述の工程を経て生成部109によりドプラスペクトラム画像が順次生成される。表示部103が生成された画像を順次表示していくことにより、周波数f(対象物体の速度v)が刻々と変化する様子がパターンとして表示される。
 また、生成部109は、受信部106および主制御部104を介して、本体部101に接続された生体情報計測部120から心電波形を取得することが可能である。生成部109は、取得された心電波形Wに基づき、図7Bに示すように、ドプラスペクトラム画像と心電波形Wとを同期させて並行して表示可能な画像を生成する。
 また、例えば、生成部109は、カラーフローマッピング画像のRAWデータから、移動体情報(血流情報や組織の移動情報)を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラーフローマッピング画像を生成する。また、生成部109は、Bモード画像、カラーフローマッピング画像およびドプラ画像から、任意の画像同士を合成することによって合成画像を生成してもよい。例えば、生成部109は、Bモード画像(またはMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像)に血流や組織の運動情報に基づくカラー表示画像を重ねてカラーフローマッピング画像を生成するとともに、パルスドプラモードによるドプラスペクトラム画像を生成する。さらに、生成部109は、生体情報計測部120から取得した心電波形に基づき、カラーフローマッピング画像とドプラスペクトラム画像と心電波形とを並行して表示可能な画像を生成することも可能である。
 また、本体部101の信号処理部において図示しないボリュームデータ処理部を有している場合には、生成部109は、ボリュームレンダリング画像やMPR画像を表示することも可能である。この場合、信号処理部は、超音波トランスデューサ12が受信したエコー信号に基づき、被検体内の組織の3次元的な形状等を表すボリュームデータを生成する。また、信号処理部は、例えば、そのボリュームデータにボリュームレンダリング処理を施しRAWデータを生成する。生成部109は、信号処理部からボリュームレンダリング後のRAWデータを取得してボリュームレンダリング画像を生成する。また生成部109は、ボリュームデータからMPR画像を生成することも可能である。
(方向設定部)
 方向設定部110は、先端部10における超音波トランスデューサ12による超音波の送信方向を設定する。送信方向の設定は、操作部102を介した操作者の操作または後述する探索部111から送信方向データを受けることに基づいて行われる。方向設定部110は、設定した送信方向データを先端部10の送受信制御部14または方向制御部16に送信する。また、方向設定部110は、図示しない記憶部を備えており、サンプルボリュームや送信方向データを記憶する。
 超音波の送信方向の設定に関して方向設定部110が受ける操作としては、走査モードの選択操作、サンプルボリュームの設定操作、超音波トランスデューサ12の回転操作/傾動操作等が挙げられる。また、方向設定部110は、先端部10の超音波トランスデューサ12において駆動信号が印加される素子(またはチャンネル)を走査モード(連続波ドプラモード等)に応じて設定する。探索部111からの送信方向データを受けた送信方向の設定処理については、探索部111の説明において記載する。
 走査モードの選択操作、サンプルボリュームの設定操作に応じた超音波の送信方向の設定情報(駆動する素子、超音波放射面に対する角度/方向等)は、送信部105を介して先端部10の送受信制御部14に送られる。超音波トランスデューサ12の回転操作/傾動操作に応じた超音波の送信方向の設定情報(超音波トランスデューサ12の傾動角度、回転量等)は、先端部10の方向制御部16に送られる。なお、方向設定部110は、「変更部」の一例に該当する。また、方向設定部110は、先端部10の方向制御部16および駆動部18との組み合わせにおいて「変更部」の一例に該当する。また、方向設定部110は、送信部105および先端部10の送受信制御部14との組み合わせにおいて「変更部」の一例に該当する。これら「変更部」の一例は、上述した構成によって、超音波の送信方向を変更可能である。
(探索部)
 探索部111は、超音波診断装置100により超音波画像を取得するための超音波の送受信をしているとき、検査部位の位置と超音波の送信方向との調整を行うため、超音波の送信方向の探索を行う。この探索は、ドプラモードでの超音波の送受信により取得されたドプラ信号に基づく。具体的には、この探索は、ドプラ信号における超音波の送信方向(またはサンプルボリューム)が、血流を生じる所望の観察対象に適応しているかを判断することにより行われる。なお、前提として、探索部111による当該調整が実施される場合、主制御部104は、操作者により選択された走査モードがいずれの走査モードであっても、超音波画像の取得と並行してドプラ信号を取得するように先端部10を制御する。なお、ドプラ信号とは、上記ドプラモードにより取得されたエコー信号、または信号処理部により信号処理が施された後のドプラ画像のRAWデータを示すものである。なお、説明の便宜上、以下においてもドプラ信号について同様の記載をすることがある。また、ドプラモードとは、パルスドプラモード、連続波ドプラモード、カラードプラモード、パワードプラモード等、血流情報を取得するための走査モードのいずれかを示すものである。なお、説明の便宜上、以下においてもドプラモードについて同様の記載をすることがある。
 例えば、Bモードが選択されてBモード画像が生成される場合において、主制御部104は、表示されたBモード画像に重ねてサンプルボリュームを設定するように促す制御を行う。操作者によりサンプルボリュームが設定されると、先端部10は、送信部105から受けた制御信号にしたがい、Bモードのスキャンと、パルスドプラモードによるドプラ信号の取得を交互に繰り返す。探索部111は、取得したドプラ信号に基づき、検査部位の位置と超音波の送信方向との調整のための探索を行う。例えば、探索部111は、心臓駆出率のモニタリングにおいて超音波トランスデューサ12における超音波の送信方向の探索に用いられることが可能である。
 第1の態様としての探索部111は、経時的に取得されたドプラ信号の強度を示す信号強度情報それぞれを比較し、信号強度が最大となる超音波の送信方向を求める。このように求められた送信方向は、送受信時の超音波ビームが観察部位へ向かう方向に相当する。探索部111による探索処理の一例は、次の通りである。
《超音波の送信開始》
 前提として、被検体内に先端部10が挿入され、かつ操作者により走査モードが選択され、超音波の送信が開始される。そして、本体部101の受信部106は当該走査モードに基づくエコー信号を経時的に取得する。このエコー信号に基づいて信号処理部、生成部109等により、走査モードに応じた超音波画像が生成される。表示部103は、適宜この超音波画像を表示する。なお、選択された走査モードがドプラモードである場合には、選択された走査モードに基づくエコー信号のみが取得される。この場合、走査モードの切り替え処理が行われない。
《探索の開始》
 走査モードがBモードである場合、Bモード信号処理部107は、エコー信号に基づくRAWデータを生成部109に送り、かつ、ドプラ信号処理部108は、ドプラ信号を探索部111に送る。また、本体部101の送信部105は、探索部111の探索処理のためドプラモードによる超音波の送信を実施させる。送信部105は、上記送信開始時点から起算して、所定時間(設定された任意の時間)が経過することを契機として、先端部10にドプラモードによる超音波の送信を実施させる。このとき、方向設定部110は、最初に超音波を送信した方向だけでなく、先端部10に、送信方向を順次変更させながら超音波を送信させる。なお、探索処理を行う時間間隔は、任意に設定されることが可能である。
《心電波形に基づく超音波送信》
 探索処理において、送信方向が変更されて超音波が送信される時間間隔は、操作者が設定した任意の時間間隔ごととされることが可能である。例えば、主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形に基づいて、所定の心時相(拡張期等)を求める。さらに、主制御部104は、求めた心時相ごとに、送信部105に、超音波の送信タイミングにかかる制御信号を送ってもよい。所定の心時相とは、拡張期もしくは収縮期、または収縮早期、収縮中期、収縮末期、拡張早期、拡張中期もしくは拡張末期等である。なお、探索処理において、主制御部104は、所定の心時相において超音波の送信タイミングにかかる制御信号を送信する構成に限られない。他の例として、主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形から所定の心時相を求め、順次取得されたドプラ信号のうち、当該所定の心時相に対応した時間におけるドプラ信号について、後述の信号強度を求める構成であってもよい。
 なお、探索部111による探索処理を行う場合においても、ドプラモードの初期設定が必要である。例えば、選択された走査モードが開始されること、またはそれに前後して、主制御部104により、サンプルボリュームを設定することを促す報知がなされる。例えば、表示部103に所定の文字列を表示させる処理、音声のガイダンスを出力する処理等がこの報知にあたる。所定時間が経過すると、方向設定部110は、送信部105を介して、まず、初期設定に応じた方向を送信方向として先端部10に超音波を送信させる。次に、方向設定部110は、送信部105を介して、初期設定の送信方向の周囲、例えば初期設定の方向と隣接する方向へ先端部10に超音波を送信させる。
《信号強度情報の取得》
 受信部106は、ドプラモードにおける、送信方向が異なるドプラ信号それぞれを順次取得していく。このドプラ信号は、ドプラ信号処理部108で取得される、血流由来(観察対象が血流の場合:CWDもしくは血流PWD)又は組織由来(観察対象が組織の場合:組織PWD)の信号である。以下、特に説明のない限り、観察対象は血流とする。この場合、ノイズとなる組織由来の成分が除去された血流由来の信号がドプラ信号として抽出されているものとする。ドプラ信号処理部108は、ドプラ信号を探索部111に送る。探索部111は、信号処理部から順次取得されたドプラ信号を、超音波の送信方向の情報とともに、図示しない記憶部に記憶させる。また、探索部111は、記憶された送信方向がそれぞれ異なるドプラ信号から信号の強度を示す信号強度情報を取得する。信号強度情報は、例えばパルスドプラモードにおける血流の感度情報であり、この場合、ドプラスペクトラム画像に示された波形における振幅値または輝度値等を血流の感度情報とすることができる。なお、探索部111は、ドプラ信号を取得するごとに当該ドプラ信号から信号強度情報を取得してもよい。この場合、探索部111は順次求められた信号強度情報と超音波の送信方向の情報とを図示しない記憶部に記憶させる。
《信号強度の比較》
 また、探索部111は、例えば所定の心時相に対応した、異なる方向におけるドプラ信号それぞれを比較し、より信号強度の大きいドプラ信号を求める。信号強度の比較において最大の信号強度を示すドプラ信号は、対応する超音波の送信方向の情報とともに記憶される。なお、探索部111により信号強度が求められるタイミングは、探索部111がドプラ信号を取得するごとでもよい。また、次に記載する探索処理の終了後に、探索部111が各時点のドプラ信号から最大の信号強度を求める構成であってもよい。
《探索の終了》
 方向設定部110の制御にしたがった、超音波の送信およびこれに応じたドプラ信号の取得の処理は、所定の条件が満たされるまで継続される。所定の条件として、例えば所定送信回数の完了、所定の範囲(音源からの所定角度範囲)における送信完了、または所定時間の経過が挙げられる。1つの所定条件は、1つのサイクルに相当する。探索部111は、このサイクルにおいて最後に取得されたドプラ信号を受けると、このサイクルの終了とし、その信号強度情報を求める。そして、探索部111は、それより前のサイクルの最大の信号強度を有するドプラ信号と比較する。探索部111は、この比較を行うことにより、探索処理の1サイクル分を完了し、最大の信号強度を有するドプラ信号と対応する超音波の送信方向の情報を確定する。探索部111は、確定された超音波の送信方向の情報を方向設定部110に送信する。
《方向設定の更新》
 方向設定部110は、上記探索処理を実行する前の超音波の送信方向と、探索部111から受けた超音波の送信方向の情報とを比較する。これらの間に差異があれば、方向設定部110は、探索部111から受けた超音波の送信方向の情報に基づき、超音波の送信方向の設定を更新する。また、方向設定部110は、更新された設定に基づき、先端部10の送信部141か、あるいは方向制御部16および駆動部18によって超音波の送信方向を新たな方向に変更する。なお、本実施形態における方向設定部110および探索部111は、「制御部」の一例に該当する。
 以上が、探索部111の探索処理の一例である。なお、他の例として、操作者によって最初に連続波ドプラモードが選択されている場合には、上記のように所定時間の経過を待たず、超音波の送信の開始に応じて、ドプラ信号の信号強度が求められてもよい。この場合、順次取得されたドプラ信号に基づいて同一送信方向における信号強度の変化が継続して求められてもよい。ただし、連続波ドプラモードにおいては、超音波の送信と受信とが連続して実行される。従って、上記のように信号強度に基づく送信方向の探索のように超音波の送信方向を変更して、超音波の送信方向を探索することは、やはり所定時間間隔ごとに実行されることが好ましい。
 被検体の呼吸、拍動、体動、咽喉反射、嘔吐反応等により、超音波診断装置による観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまう場合がある。特に、超音波の送信方向における深さ方向へのズレでなく、その方向から外れる方向(直交方向等)に観察の対象がずれた場合は、超音波診断装置におけるモニタリングの継続が困難となる。したがって、ズレが生じる度に、先端部10における超音波トランスデューサ12の回転、傾動や、超音波ビームのフォーカス、送信方向等が調整されなければならない。または、ズレが生じる度に、サンプルボリューム位置(深さ)が調整されなければならない。
 PWDモードは、距離分解能を有する。例えば、PWDモードによるモニタリングが行なわれている場合、超音波ビームの送信方向の調整だけでなく、この超音波ビームの音線(走査線)における距離方向についてサンプルボリューム位置(深さ)の調整が行われる。
 一方、CWDモードは距離分解能を有さない。例えば、CWDモードによるモニタリングが行なわれている場合、超音波ビームのフォーカス位置(深さ)を変えながら、ドプラ信号の信号強度が最大となる位置(深さ)を求める調整が行なわれる。
 しかしながら、操作者が継続してズレの観察をし、さらにこれらの調整をすることは非常に煩雑である。操作者がこれらの作業を負担すると、超音波診断装置による被検体内のモニタリングの作業効率が低下するおそれがある。さらには、また長期のモニタリングの場合、操作者がこれらの作業を負担すると、操作者が超音波の送信方向が適当であるかを常に監視し続けることは困難であるので、モニタリングの実現に支障が生じる。この点、上記のような探索部111を備える超音波診断装置100によれば、定期的に超音波の送信方向の調整が実施されるので、これらの問題が解消する。つまり、探索部111を備える超音波診断装置100によれば、被検体内のモニタリングにおいて操作者に煩雑な作業を強いず、作業効率が向上する。また、探索部111を備える超音波診断装置100によれば、長期のモニタリングにも対応することが可能となる。
(生体情報計測部)
 図5において、生体情報計測部120は、本体部101に接続されている。生体情報計測部120は、生体信号等の被検体の状態を示す情報を生成し、生成した情報を本体部101に送信する。生体情報計測部120としては、生体電気器具(心電計、脳波計、筋電計など)、呼吸器系器具(呼吸流量計、電子式呼吸計(スパイロメータ)、呼吸抵抗計など)および、医用監視装置(単数監視装置(ベッドサイドモニタ)、複数監視装置(セントラルモニタ))等が該当する。医用監視装置は、心電図・血圧・呼吸数・体温・脈拍・血中酸素飽和度・呼気ガス分圧などのバイタルサインを監視するものである。
 例えば、生体情報計測部120が心電計である場合、主制御部104は、受信部106等を介して生体情報計測部120から心電波形を受ける。図5において、生体情報計測部120は、本体部101の外部に設けられているが、生体情報計測部120の一部が本体部101側の内部に含まれ、計測の処理を本体部101において行ってもよい。
<動作>
 次に、この実施形態においてBモード画像、ドプラスペクトラム画像および心電波形を並列表示しつつ、所定時間ごとに探索処理を実行する制御のフローについて図9~図11を参照して説明する。図9~11は、第1実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。
(ステップS01)
 操作者により、操作部102を介して、走査モードの選択操作や初期設定(送受信方向、送信フォーカス点、受信フォーカス点、サンプルボリューム設定等)がなされる。主制御部104は、本体部101の送信部105、先端部10のI/F15を介して、走査モードに応じた超音波トランスデューサ12の駆動制御にかかる制御信号を、先端部10の送受信制御部14に送る。なお、このときに、主制御部104が、受信部106等を介して、生体情報計測部120から心電波形を取得する構成であってもよい。さらに、表示部103が心電波形を表示してもよい。
(ステップS02)
 送受信制御部14は、一例において、送信波形発生部141bにより遅延されたレートパルスに基づくタイミングで送信駆動パルスを発生する。送信駆動パルスは、送信アンプ141cにより増幅され、そして切替部143に送られる。それにより、所定の超音波振動子12aが駆動される。このようにして超音波トランスデューサ12から所定の超音波が放射される。このように、超音波の送信が開始される。走査モードがBモードである場合、受信部106は先端部10から受けたエコー信号をBモード信号処理部107に送る。Bモード信号処理部107は信号処理を行うことによりRAWデータを生成する。生成部109は、このRAWデータに基づいてBモード画像を生成する。Bモード画像は、表示部103に適宜表示される。
(ステップS03)
 主制御部104は、選択された走査モードに基づく超音波の送信が開始された時点から起算して、所定時間が経過したかについて判断する。ステップS03において、所定時間(例えば操作者が設定した任意の時間)が経過していないと判断された場合(ステップS03;No)、主制御部104はこの判断を繰り返す。
(ステップS04)
 ステップS03において、所定時間が経過したと判断された場合(ステップS03;Yes)、主制御部104は、送信部105を介して、探索処理にかかる先端部10の超音波の送受信を開始させる。また、表示部103にBモード画像BIが表示されている場合(図6参照)、主制御部104は、ここでドプラ信号を取得するためのサンプルボリュームの位置指定を促す報知を行ってもよい。操作者により、操作部102を介してBモード画像における任意の領域がサンプルボリュームとして指定される。サンプルボリュームの方向は、図6においては、左房LAから僧帽弁Mを抜けて左室へ至る線であって左心系の中央付近を通る送信方向が破線L1により示されている。PWドプラの場合におけるサンプルボリュームの深さ(サンプリングゲート)は、例えば、左室腔内で僧帽弁に当たらない破線L1における位置として設定される。指定されたサンプルボリュームの方向や深さは、方向設定部110に送られ、方向設定部110により送信部105を介して、音源からの超音波の送信方向にかかる情報が先端部10に送信される。なお、サンプルボリュームの位置指定は、ステップS04より前に設定される構成であってもよい。
(ステップS05)
 主制御部104は、ステップS01において選択された走査モードがドプラモードであるかについて判断する。この判断の結果、走査モードがドプラモードであると判断された場合(ステップS05;Yes)、ステップS07へ進む。
(ステップS06)
 ステップS05の判断の結果、走査モードがドプラモードでないと判断された場合(ステップS05;No)、主制御部104は、探索処理の開始のため、走査モードをドプラモードに切り替える。
(ステップS07)
 探索処理のため、主制御部104は、送信部105を介して、先端部10にドプラモードによる超音波の送信を実施させる。ステップS01において選択された走査モードがドプラモード以外の走査モード(Bモード等)である場合、ドプラモードでの送信の後、ステップS01において選択された走査モードとドプラモードとが交互に切り替わる。
(ステップS08)
 受信部106は、先端部10からドプラモードに基づくエコー信号を受ける。ドプラ信号処理部108は、このエコー信号に信号処理を施すことで取得されたドプラ信号を探索部111に送る。探索部111は、所定の心時相に対応した時間におけるドプラ信号に基づいて信号強度情報を生成する。探索部111により生成された信号強度情報は、超音波の送信方向の情報とともに図示しない記憶部に記憶される。
(ステップS09)
 主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形に基づいて、探索処理における次の超音波の送信タイミングを計る。主制御部104は、次の超音波の送信タイミングが到来するまで(ステップS09;No)この処理を繰り返す。
(ステップS10)
 ステップS09において、心電波形に基づいて、次の超音波の送信タイミングが到来したと判断された場合(ステップS09;Yes)、主制御部104は、方向設定部110を制御して、先端部10の超音波の送信方向を、初期設定の方向からその周囲の方向へ変更させて超音波を送信させる。なお、初期設定における走査モードがドプラモードでない場合、主制御部104は、走査モードをドプラモードへ切り替えてから先端部10の超音波の送信方向を変更させる。
(ステップS11)
 受信部106は、送信方向を変更して送信された超音波にかかるエコー信号を受け、ドプラ信号処理部108に送る。探索部111は、ドプラ信号処理部108から受けたドプラ信号に基づいて信号強度情報を生成し、対応する超音波の送信方向の情報とともに図示しない記憶部に記憶させる。なお、主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形から所定の心時相を求め、順次取得されたドプラ信号のうち、当該所定の心時相に対応した時間における信号強度を求める。
(ステップS12)
 主制御部104は、所定送信回数の完了、所定の範囲(音源からの所定角度範囲)における送信完了、または所定時間の経過等の探索処理の終了条件が満たされたかについて判断する。ステップS12において、主制御部104が、探索処理の終了条件が満たされていないと判断した場合(ステップS12;No)、主制御部104は、ステップS09~ステップS12の処理を繰り返す制御を行う。
(ステップS13)
 ステップS12において、主制御部104が、探索処理の終了条件が満たされたと判断した場合(ステップS12;Yes)、探索部111は、図示しない記憶部から信号強度情報それぞれを読み出し、そして比較する。なお、探索部111は、ステップS09~ステップS11の処理が繰り返されることによって順次信号強度情報が取得されるごとに、前の信号強度情報と比較をする構成であってもよい。この場合には、暫定的な最大信号強度が既に求められているので、探索部111は、最後に取得された信号強度とその前の時点での暫定的な最大信号強度とを比較する。
(ステップS14)
 探索部111は、ステップS13の比較の結果、信号強度が最大である超音波の送信方向を確定する。
(ステップS15)
 探索部111は、確定した超音波の送信方向の情報を方向設定部110に送る。
(ステップS16)
 方向設定部110は、あらかじめ設定された送信方向と、ステップS15で受けた送信方向の情報とを比較し、これらの間に差異があるか判断する。
(ステップS17)
 ステップS16の判断の結果、方向設定部110が、あらかじめ設定された送信方向と、ステップS15で受けた送信方向の情報とに差異があると判断した場合(ステップS16;Yes)、方向設定部110は、ステップS15で受けた超音波の送信方向の情報に基づき、超音波の送信方向の設定を更新する。
(ステップS18)
 方向設定部110は、更新された設定に基づき、方向制御部16および駆動部18によって超音波トランスデューサ12を回転または傾動させる必要があるか判断する。
(ステップS19)
 ステップS18において、方向設定部110が、超音波トランスデューサ12を回転または傾動させる必要があると判断した場合(ステップS18;Yes)、方向設定部110は、方向制御部16および駆動部18によって、超音波トランスデューサ12を回転または傾動させる。ただし、2次元アレイの超音波トランスデューサ12が用いられた場合には、この判断がなされない場合がある。
(ステップS20)
 方向設定部110は、先端部10の送信部141により、超音波の送信方向を新たな方向に変更して超音波の送信を行う。ステップS18において、方向設定部110が、超音波トランスデューサ12を回転または傾動させる必要がないと判断した場合(ステップS18;No)、方向設定部110は、ステップS19の処理を行わずに、このステップS20の処理を行う。
 ステップS16の判断の結果、方向設定部110が、あらかじめ設定された送信方向と、ステップS15で受けた送信方向の情報とに差異がないと判断した場合(S16;No)、方向設定部110はステップS17~ステップS20の処理を行わずに、処理を終了する。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
 本実施形態における超音波診断装置100は、あらかじめ設定された超音波送信方向とその周囲の方向に、所定時間ごとに超音波を送信し、異なる送信方向に対応する複数のドプラ信号を取得する。また、探索部111は、異なる送信方向に対応する複数のドプラ信号の信号強度情報を比較して信号強度が最大となる超音波の送信方向を探索する。方向設定部110は、先端部10における超音波の送信方向をその送信方向に変更する。したがって、被検体の呼吸、拍動、体動、咽喉反射、嘔吐反応等により、被検体内の先端部10が変位してしまい、観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまったとしても、超音波診断装置100は、操作者に煩雑な処理を強いずに、上記変位に応じて追随するように超音波の送信方向を変更し、被検体内のモニタリングを継続することが可能である。さらに、長期のモニタリングを行うとしても、超音波診断装置100は、その作業効率が損なわれる事態を回避できる。
 また、本実施形態における超音波診断装置100は、先端部10を有する。先端部10は、一例として、カプセル状の収容部10aに超音波トランスデューサ12を収容した構成である。このような先端部10は、被検体内に挿入される。これに対して、一般的な経食道超音波プローブが食道に挿入された場合、把持部から先端部までの導中管部は、食道に留置された状態となる。例えば、食道の所定位置から心臓に超音波が送受信される場合、少なくとも超音波が送受信される間は、導中管部も食道に留置される。すなわち、心臓等の観察部位が継続して観察されている間は、導中管部から先端部までが被検体の食道に常に留置された状態となる。
 経食道超音波プローブの導中管部および先端部は、超音波トランスデューサと信号のやりとりをする信号線、電力を供給するための電源線等だけでなく先端部を曲げるためのワイヤーを内部に備えている。つまり被検体は、ワイヤー等を内蔵する導中管部等が食道に留置された状態で耐え続けることになる。このことは、観察する時間が長期間になった場合、被検体の状態によっては負担となるおそれがある。その結果、経食道超音波プローブを観察部位の継続的な観察に用いることができない場合がある。この問題を避けるために、体外から超音波が送受信される場合は、体外から観察部位までの間に存在する組織(骨や肺等)の影響を考慮しなければならない。本実施形態のように、先端部10が、カプセル型で、ケーブル11の内部に通される線も電源線と信号線程度で最小限に抑える構成であれば、経食道超音波プローブが用いられる場合と比較して被検体の負担を軽減することが可能となる。また、中心軸に沿って貫通された、中空を有する円筒状の支持体が用いられれば、一定箇所に先端部10が長期間留置されても、食道はその機能を維持できる。
〈変形例1〉
 次に、第1実施形態の変形例1について図12Aおよび図12Bを参照して説明する。図12Aは、第1実施形態における超音波トランスデューサ12の変形例1を示す概略斜視図である。図12Bは、図12Aの概略C-C’断面図である。図12Aおよび図12Bに示すように、この変形例1にかかる超音波トランスデューサ12は、超音波振動子12aの支持体12kが、軸方向の一端面から他端面へ向かって径が漸次大きくなり、裾野が広がっていくように形成されている。
 この構成においては、超音波振動子12aが、収容部10aの長軸(先端部10の挿入方向の軸)に対して傾いて設置される。それにより、上記実施形態のように超音波トランスデューサ12がアクチュエータ等によって傾動されなくても、例えば、食道中部付近に挿入された先端部10の超音波トランスデューサ12の超音波放射面に対して仰ぎ見るような位置関係にある心臓等がROIに含められることが可能となる。
 したがって、駆動部18の駆動制御が不要となり、収容部10aの内部の省スペース化を図ることが可能となる。
 また、観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまったとしても、変形例1の超音波診断装置は、操作者に煩雑な処理を強いずに、先端部10の変位に応じて追随するように超音波の送信方向を変更し、被検体内のモニタリングを継続することが可能である。
〈変形例2〉
 次に、第1実施形態の変形例2について説明する。この変形例では、第1実施形態の先端部10における送信部141、受信部142の機能の大半を、本体部101の送信部105、受信部106が実行する。それにより、収容部10aの内部の構成が簡素化されることが可能となる場合がある。送信部105および受信部106の機能は、例えば以下の通りである。
(送信部-変形例2)
 本体部101の送信部105は、クロック発生回路、送信遅延回路およびパルサ回路(不図示)等を含んで構成される。クロック発生回路、送信遅延回路およびパルサ回路等は、主制御部104によって制御される。クロック発生回路は、超音波の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。例えば、クロック発生回路は、送信遅延回路に基準クロック信号を与える。送信遅延回路は、所定の遅延時間が付与された駆動信号をパルサ回路に供給する。なお、所定の遅延時間は、超音波の送信フォーカス点に基づいて決定される。また、パルサ回路は、各超音波振動子12aに対応した個別経路(チャンネル)に相当する個数のパルサを内蔵し、送信駆動パルスを発生する回路である。
 パルサ回路は、送信超音波を形成するためのレートパルスを所定の繰り返し周波数(PRF)で繰り返し発生する。送信遅延回路は、レートパルスに送信方向および送信フォーカスにかかる送信遅延時間を与える。そして各遅延されたレートパルスに基づくタイミングで送信駆動パルスが発生される。この発生された送信駆動パルスは、ケーブル11を介して先端部10に送信され、送受信制御部14を介して超音波トランスデューサ12における各超音波振動子12aに供給される。供給された送信駆動パルスは各圧電素子を励振する。このように、送信遅延回路がレートパルスに送信遅延時間を与えることにより、超音波の送信フォーカスが実施され、超音波がビーム状に集束される。それにより、超音波の送信指向性が決定される。さらに送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える送信遅延時間を変化させることで、超音波放射面からの超音波送信方向を制御する。
(受信部-変形例2)
 本体部101の受信部106は、主制御部104に制御される。本体部の受信部106は、被検体により反射された超音波に応じたエコー信号を受ける。受信部106は、先端部10が受信したエコー信号を受信し、そのエコー信号に対して遅延加算処理を行う。それにより、受信部106は、アナログのエコー信号を整相された(つまり受信ビームフォームされた)デジタルのデータに変換する。具体例は次のとおりである。
 受信部106は、例えば、図示しないプリアンプ回路と、A/D変換器と、受信遅延回路と、加算器とを有する。プリアンプ回路は、超音波トランスデューサ12から受信したエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換されたエコー信号は図示しないデジタルメモリに記憶される。なお、デジタルメモリはチャンネル(または各素子)毎に設けられている。エコー信号は対応するデジタルメモリに記憶される。また、エコー信号は、そのエコー信号の受信時刻に応じたアドレスに記憶される。
 受信遅延回路は、デジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。この受信遅延時間は素子毎に計算される。加算器は、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。加算器は、計算した必要な遅延時間に基づいて、適宜デジタルメモリからエコー信号を読み出し、そして加算する。加算器は、受信フォーカス位置を送信ビーム上に沿って変更しながらこの加算処理を繰り返す。加算器は、加算処理によって、受信指向性に応じた方向からの反射成分を強調する。受信部106により処理された受信ビーム信号は、信号処理部(Bモード信号処理部107、ドプラ信号処理部108)に送信される。
[第2実施形態]
 次に、第2実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と比較して探索部111の処理内容が異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点について主に説明する。
 第1実施形態においては、探索部111は、ドプラ信号における信号強度に基づいて最適な超音波の送信方向を求める構成である。これに対して、第2実施形態における超音波診断装置100では、探索部111における探索処理が、生成部109によって生成された血流情報を示す波形に基づいて実行される。
《探索部の概要》
 例えば、第2実施形態の探索部111は、あらかじめ記憶されたドプラ信号に基づく波形と、探索処理において順次取得されたドプラ信号に基づく波形(例えば図7A)とを比較してもよい。比較するドプラ信号の波形同士は、心時相を同期させた所定の期間(例えば1心周期)単位で比較されることが好適である。比較の結果、探索部111は、あらかじめ記憶されたドプラ信号に基づく波形との類似度が最大となる方向を求めることにより超音波の送信方向を求める構成であってもよい。前述の第1実施形態においては、ドプラ信号の信号強度に基づいて送信方向を求める例を説明した。ここで、パルスドプラの場合には、サンプルボリュームが心筋組織や弁に当たると受信ビーム信号が飽和して、血流から信号が取得される場合と比べてドプラ信号の信号強度が突出して大きくなる場合がある。このような場合に備えて、探索部111は、ドプラ信号の信号強度の期待値に上限値を設けておき、期待値の範囲内で信号強度の最大値を取得する方向を探索することが好適である。また、ここで後述するように、探索部111は、所定の期間内におけるドプラ波形の類似度が最大となる方向を探索することで、飽和の影響を軽減しながら精度の高い送信方向を推定することが可能となる。なお、あらかじめ記憶されたドプラ信号に基づく波形(基準の波形)について、以下、「第2の波形」と記載することがある。また、探索処理により順次取得されたドプラ信号に基づく波形を「第1の波形」と記載することがある。また、第2の波形は、「第2の波形パターン」の一例に相当する。第1の波形は、「第1の波形パターン」の一例に該当する。
《基準の波形データの生成》
 第2の波形にかかる第2の波形データは、図示しない記憶部に記憶されている。第2の波形は、探索処理において第1の波形との比較対象とされる。この第2の波形データは、例えば選択された走査モードにおける、あらかじめ定められた取得条件に基づいて、超音波の送受信の開始時から所定時間経過後までに取得される。この場合において、操作者により選択された走査モードがBモードであれば、主制御部104は、送信部105を介して、Bモードに応じた超音波トランスデューサ12の電子走査の制御と、ドプラモードに応じた超音波送受信の制御とが交互に繰り返し切り替えられるように先端部10を制御する。この制御の切り替えは、所定時間が経過するまで繰り返される。このときのドプラモードにおける超音波の送信方向は、初期設定おいて設定された方向である。初期設定は、超音波の送信の開始タイミングまたはそれに前後して操作者により行われる。なお、第2の波形の生成においては、探索処理と異なり、送信方向の変更は行われず、設定された方向において超音波が送信される。
 また、主制御部104は、第2の波形データを生成するために、所定の心時相(拡張期等)においてドプラ信号を取得するように先端部10の送受信制御部14を制御する。この制御のために、主制御部104は、生体情報計測部120から心電波形を取得する。生成部109は、ドプラ信号に基づいてドプラモードにおける波形を示す画像(ドプラスペクトラム画像等)を生成する。
 探索部111は、ドプラモードにおける波形を示す画像から心電波形における所定の心時相に対応する波形を抽出する。探索部111は、その波形を第2の波形として生成し、そして記憶部に記憶させる。なお、上記のような第2の波形データの生成処理を行わずに、あらかじめ取得された波形を示すデータを第2の波形データとして記憶させておいてもよい。一例として、探索部111は、被検体の状態に応じた標準的な波形を示す波形データ用いることも可能である。また、他の例として、探索部111は、過去に同一の被検体から取得されたドプラ信号に基づく波形から、現在の被検体の状態を参照して特定の波形を抽出し、該特定の波形を第2の波形として利用することも可能である。
《探索の開始》
 また、本体部101の送信部105は、探索部111の探索処理に用いる第1の波形を取得するためドプラモードによる超音波の送信を実施させる。送信部105は、上記第2の波形の取得時点から起算して、所定時間が経過することを契機として、先端部10にドプラモードによる超音波の送信を実施させる。なお、探索処理を行う時間間隔は、任意に設定されることが可能である。
《心電波形に基づく超音波送信》
 探索処理において、送信方向が変更されて超音波が送信される間隔は、第2の波形における心時相に対応して設定される。主制御部104は、生体情報計測部120から心電波形を受ける。そして、主制御部104は、心電波形から第2の波形における心時相(例えば拡張期)に対応する心時相を求める。さらに、主制御部104は、当該心時相に基づいて、送信部105に、超音波の送信タイミングにかかる制御信号を送る。なお、探索処理において、主制御部104は、所定の心時相において超音波の送信タイミングにかかる制御信号を送信する構成に限られない。他の例として、主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形から所定の心時相を求め、順次取得されたドプラ信号のうち、当該所定の心時相に対応して後述の第1の波形を生成する構成であってもよい。
《波形画像の生成》
 ドプラ信号処理部108は、受信部106から受けたエコー信号に第1実施形態と同様の信号処理を行い、ドプラモードのRAWデータを生成部109に送る。生成部109は、RAWデータに基づいてドプラスペクトラム画像を順次生成する。
《第1の波形の生成》
 このとき、主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形から、第2の波形の心時相に対応する心時相を求め、探索部111に送る。探索部111は、生成部109により生成されたドプラスペクトラム画像から、第2の波形の心時相に対応する心時相の波形を抽出する。探索部111は、この波形を第1の波形として超音波の送信方向ごとに順次生成する。
《波形の類似度の算出》
 また、探索部111は、記憶された第2の波形と、探索処理において順次生成された第1の波形それぞれとの類似度を求める。類似度は、例えば、相互相関演算により求められる。探索部111は、第1の波形と第2の波形との相互相関係数値に基づいて、2つの波形の類似度を求める。求められた類似度は、探索部111により、超音波の送信方向の情報とともに図示しない記憶部に記憶される。
《類似度の比較》
 また、探索部111は、異なる方向における第1の波形それぞれを比較し、より第2の波形との類似度が高い第1の波形を求める。類似度の比較において類似度が最高となる第1の波形は、対応する超音波の送信方向の情報とともに記憶される。なお、類似度が最高となる第1の波形は、「類似波形パターン」の一例に該当する。
<動作>
 次に、この実施形態において、ドプラスペクトラム画像および心電波形を並列表示しつつ、所定時間ごとに探索処理を実行する制御のフローについて図13~図15を参照して説明する。図13~図15は、第2実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。
 なお、ドプラスペクトラム画像および心電波形を並列表示することにより、例えば図7Bのように、左室流入血流の収縮期のピーク値のモニタリングが行われる。この際、心電波形が取得されることにより、ドプラ波形に対する心時相(収縮期や拡張期)の区別が可能となる。ここで、図7Bのように、拡張期に生じる左室流入血流が観察される場合、血流の方向を示す波形の極性が負(図の下側)として検出される。また、図7Bで示すように、収縮期に逆向き(正方向(図の上側))の波形の極性成分が検出される場合には、僧帽弁逆流(図7B;MR)が存在することを意味する。ただし、波形の極性のみで僧帽弁逆流MRの判断が行われると、この判断は、誤判断となる可能性がある。なぜならば、左室流入血流(観察の対象)に対して先端部10が変位すると、超音波の送信方向がずれる。それにより、収縮期に同じ正の(図の上側)の極性を有する大動脈駆出血流についてのドプラ信号が受信され、該ドプラ信号の波形が僧帽弁逆流MRとして誤検出される可能性があるからである。このような誤検出を避けるために、探索部111が心時相を加味した探索処理をこのモニタリングにおいて実行することが重要である。
 (ステップS31)
 操作者により、操作部102を介して、走査モードの選択操作や初期設定(送受信方向、送信フォーカス点、受信フォーカス点、サンプルボリューム設定等)がなされる。主制御部104は、本体部101の送信部105、先端部10のI/F15を介して、走査モードに応じた超音波トランスデューサ12の駆動制御にかかる制御信号を、先端部10の送受信制御部14に送る。なお、このときに、主制御部104が、受信部106等を介して、生体情報計測部120から心電波形を取得する構成であってもよい。さらに、表示部103が心電波形を表示しもよい(例えば図7B)。
(ステップS32)
 送受信制御部14により、超音波振動子12aが駆動され、それにより、所定の超音波が放射される。このように、超音波の送信が開始される。走査モードがドプラモードである場合、受信部106は、先端部10から受けたエコー信号をドプラ信号処理部108に送る。ドプラ信号処理部108は信号処理を行うことによりRAWデータを生成する。生成部109は、このRAWデータに基づいてドプラスペクトラム画像を生成し、この画像は適宜、表示部103に表示される。
(ステップS33)
 主制御部104は、ステップS01において選択された走査モードがドプラモードであるかについて判断する。この判断の結果、走査モードがドプラモードであると判断された場合(ステップS33;Yes)、ステップS35へ進む。
(ステップS34)
 ステップS33の判断の結果、走査モードがドプラモードでないと判断された場合(ステップS33;No)、主制御部104は、探索処理の開始のため、走査モードをドプラモードに切り替える。
(ステップS35)
 探索処理のため、主制御部104は、送信部105を介して、先端部10にドプラモードによる超音波の送信を実施させる。そして、エコー信号は、受信部106を介して先端部10から本体部101に送信され、ドプラ信号処理部108により信号処理される。生成部109は、ドプラ信号処理部108からRAWデータを受け、そしてドプラスペクトラム画像を生成する。探索部111は、当該ドプラスペクトラム画像から、心電波形における所定の心時相に対応した波形を抽出する。探索部111は、その波形を第2の波形として生成し、そして記憶部に記憶させる。
(ステップS36)
 主制御部104は、選択された走査モードに基づく超音波の送信が開始された時点、または第2の波形の生成時点から起算して、所定時間が経過したかについて判断する。ステップS36において、所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS36;No)、主制御部104はこの判断を繰り返す。
(ステップS37)
 ステップS37において、所定時間が経過したと判断された場合(ステップS36;Yes)、主制御部104は、送信部105を介して、探索処理にかかる先端部10の超音波の送受信を開始させる。主制御部104は、ステップS31において選択された走査モードがドプラモードでない場合、探索処理の開始のため、走査モードをドプラモードに切り替える。
(ステップS38)
 受信部106は、先端部10からドプラモードに基づくエコー信号を受ける。ドプラ信号処理部108は、このエコー信号に信号処理を施したドプラ信号を生成部109に送る。生成部109は、ドプラスペクトラム画像を生成する。
(ステップS39)
 探索部111は、生成部109により生成されたドプラスペクトラム画像から第2の波形の心時相に対応する心時相の波形を抽出する。探索部111は、この波形を第1の波形として生成する。探索部111は、第1の波形を超音波の送信方向の情報とともに図示しない記憶部に記憶させる。
(ステップS40)
 主制御部104は、生体情報計測部120から入力された心電波形に基づいて、探索処理における次の超音波の送信タイミングを計る。主制御部104は、次の超音波の送信タイミングが到来するまで(ステップS40;No)この処理を繰り返す。
(ステップS41)
 ステップS40において、心電波形に基づいて、次の超音波送信のタイミングが到来したと判断された場合(ステップS40;Yes)、主制御部104は、方向設定部110を制御して、先端部10の超音波の送信方向を、初期設定の方向からその周囲の方向へ変更させて超音波を送信させる。なお、初期設定における走査モードがドプラモードでない場合、主制御部104は、走査モードをドプラモードへ切り替えてから先端部10の超音波の送信方向を変更させる。
(ステップS42)
 受信部106は、送信方向を変更して送信された超音波にかかるエコー信号を受け、ドプラ信号処理部108に送る。生成部109は、ドプラ信号処理部108が処理したドプラ信号に基づいてドプラスペクトラム画像を生成する。探索部111は、生成部109により生成されたドプラスペクトラム画像から、第2の波形の心時相に対応する心時相の波形を抽出する。探索部111は、この波形を第1の波形として生成する。探索部111は、第1の波形を対応する超音波の送信方向の情報とともに図示しない記憶部に記憶させる。
(ステップS43)
 主制御部104は、所定送信回数の完了、所定の範囲(音源からの所定角度範囲)における送信完了、または所定時間の経過等の探索処理の終了条件が満たされたかについて判断する。ステップS42において、主制御部104が、探索処理の終了条件が満たされていないと判断した場合(ステップS43;No)、主制御部104は、ステップS40~ステップS42の処理を繰り返す制御を行う。
(ステップS44)
 ステップS42において、主制御部104が、探索処理の終了条件が満たされたと判断した場合(ステップS43;Yes)、探索部111は、図示しない記憶部から第1の波形それぞれを読み出し、そして第2の波形と比較する。比較の結果、第1の波形それぞれと、第2の波形との類似度が求められる(相互相関演算等)。さらに、探索部111は、第1の波形それぞれのうち、第2の波形との類似度が最も高いものを求める。
 なお、探索部111は、ステップS40~ステップS42の処理が繰り返されることによって順次第1の波形が生成されるごとに、第2の波形と比較をし、類似度を求めておく構成であってもよい。さらに、この構成において、探索部111は、前の時点までに求められた類似度のうち、最も類似度が高い第1の波形を暫定的に定めておいてもよい。このような構成の場合、探索部111は、最後に取得された第1の波形の類似度と、その前に求められた最高値の類似度とを比較する。
(ステップS45)
 探索部111は、ステップS44の比較の結果、類似度が最も高い第1の波形に対応する超音波の送信方向を確定する。
(ステップS46~ステップS50)
 なお、送信方向の情報を送ること(ステップS46)、送信方向の差異の有無の判断(ステップS47)、方向設定の更新(ステップS48)、超音波トランスデューサ12の回転または傾動の要否の判断(ステップS49)、超音波トランスデューサ12回転または傾動させる制御(ステップS50)、新たな方向への超音波の送信(ステップS51)については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
 本実施形態における超音波診断装置100は、あらかじめ設定された超音波送信方向とその周囲の方向に、所定時間ごとに超音波を送信し、異なる送信方向に対応する複数のドプラ信号を取得する。また、探索部111は、異なる送信方向に対応する複数の第1の波形それぞれと、あらかじめ記憶しておいた第2の波形(基準の波形)とを比較する。比較の結果、探索部111は、第2の波形との類似度を求める。探索部111は、求められた類似度のうち、類似度が最も高い第1の波形を求める。探索部111は、その第1の波形に対応する超音波の送信方向を方向設定部110に送る。方向設定部110は、この送信方向に、超音波の送信方向を変更する。したがって、被検体の呼吸、拍動、体動、咽喉反射、嘔吐反応等により、被検体内の先端部10が変位してしまい、観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまったとしても、超音波診断装置100は、操作者に煩雑な処理を強いずに、上記変位に応じて追随するように超音波の送信方向を変更し、被検体内のモニタリングを継続することが可能である。さらに、長期のモニタリングを行うとしても、超音波診断装置100は、その作業効率が損なわれる事態を回避できる。
 また、第2実施形態においても、超音波診断装置100は、第1実施形態と同様に、カプセル状の先端部10を有してもよい。さらに、先端部10は、ケーブル11の内部に通される線を電源線と信号線程度として最小限に抑えられた構成であってもよい。それにより、経食道超音波プローブを用いる場合と比較して被検体の負担を軽減することが可能となる。
[第3実施形態]
 次に、第3実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第2実施形態においては、基準となる第2の波形と、定期的に生成される第1の波形とを比較して類似度が最も高くなる超音波の送信方向を求める構成である。これに対し、第3実施形態の探索部111は、第2実施形態の探索処理だけでなく、それと並行して第1実施形態にかかる探索処理も実行する。その他の部分は、第2実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点について主に説明する。
 第2実施形態におけるドプラ信号処理部108は、第1の波形の生成のために、ドプラモードにおけるエコー信号に基づいて、ドプラスペクトラム画像のRAWデータを生成する。第3実施形態において、ドプラ信号処理部108は、このRAWデータまたはエコー信号を探索部111に送る。探索部111は、第1の波形の類似度の演算と並行して信号強度を求める。また、第3実施形態においては、類似度に重み付けがされ、さらに、信号強度にも、類似度の重み付けに対応する重み付けがされる。したがって、探索部111は、類似度の高低と信号強度の大小とを関連付けた評価を行うことが可能である。探索部111は、類似度および信号強度の重みに基づいて、超音波の送信方向ごとに評価を行う。探索部111は、当該評価に基づいて最適な超音波の送信方向を確定し、方向設定部110に送信する。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置100の作用および効果について説明する。
 本実施形態の超音波診断装置100は、類似度および信号強度の双方に基づいて、最適な超音波の送信方向を探索する構成である。それにより、超音波の送信方向の探索の精度を向上させることができる。
[第4実施形態]
 次に、第4実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第4実施形態にかかる超音波診断装置100は、第1実施形態及び第3実施形態と比較して、探索部111による探索処理の開始タイミングが異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点について主に説明する。
 第1実施形態においては、探索部111が所定時間ごとに探索処理を行う構成である。これに対して、第4実施形態における超音波診断装置100の探索部111は、所定の超音波の送信方向における信号強度を継続的または断続的に求める。なお、以下において、探索部111が所定の超音波の送信方向における信号強度を継続的または断続的に求めることを、「信号強度を監視する」または単に「監視する」と記載することがある。また、探索部111は、監視により取得された信号強度があらかじめ記憶された閾値を下回った場合に、探索処理を開始する。
<動作>
 次に、この実施形態において、信号強度の監視により探索処理を実行する制御のフローについて図16を参照して説明する。図16は、第4実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。なお、操作者が走査モード等の初期設定をして、選択された走査モードにより超音波が送信される処理については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS61)
 主制御部104は、初期設定において選択された走査モードがドプラモードであるかについて判断する。
(ステップS62)
 ステップS61の判断の結果、走査モードがドプラモードでないと判断された場合(ステップS61;No)、主制御部104は、監視処理の開始のため、走査モードをドプラモードに切り替える。
(ステップS63)
 ステップS62において、走査モードがドプラモードに切り替えられた場合、または、ステップS61の判断の結果、初期設定において選択された走査モードがドプラモードであると判断された場合(ステップS61;Yes)、監視処理が行われる。監視処理のため、主制御部104は、送信部105を介して、先端部10にドプラモードによる超音波の送信を実施させる。初期設定において選択された走査モードがドプラモード以外の走査モード(Bモード等)である場合、ドプラモードでの送信の後、初期設定において選択された走査モードとドプラモードとが交互に切り替わる。
(ステップS64)
 受信部106は、先端部10からドプラモードに基づくエコー信号を受ける。ドプラ信号処理部108は、このエコー信号に信号処理を施したドプラ信号を探索部111に送る。探索部111は、所定の心時相に対応した時間におけるドプラ信号に基づいて信号強度情報を生成する。
(ステップS65)
 生成された信号強度情報は、探索部111により、あらかじめ記憶された閾値と比較される。信号強度情報における信号強度が閾値以上である場合は(ステップS65;Yes)、ステップS63~ステップS65の処理を繰り返す。
(ステップS66)
 ステップS65の比較の結果、探索部111により、信号強度が閾値を下回ったと判断された場合は(ステップS65;No)、主制御部104は、送信部105を介して、探索処理にかかる先端部10の超音波の送受信を開始させる。
 探索処理による超音波の送信方向の選定、および超音波の送信方向の設定の更新については、第1実施形態または第3実施形態と同様である。その後、主制御部104は、上記ステップS63~ステップS66の処理を繰り返す。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
 本実施形態における超音波診断装置100は、選択された走査モードにおける超音波の送受信が開始されると、所定方向における信号強度の監視を行う。また、探索部111は、信号強度が閾値を下回ると、探索処理を開始する。探索処理において探索部111は、異なる送信方向に対応する複数のドプラ信号の信号強度情報を比較して信号強度が最大となる超音波の送信方向を求める。方向設定部110は、その送信方向に、先端部10における超音波の送信方向を変更する。したがって、被検体の呼吸、拍動、体動、咽喉反射、嘔吐反応等により、被検体内の先端部10が変位してしまい、観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまったとしても、超音波診断装置100は、操作者に煩雑な処理を強いずに、上記変位に応じて追随するように超音波の送信方向を変更し、被検体内のモニタリングを継続することが可能である。さらに、長期のモニタリングを行うとしても、超音波診断装置100は、その作業効率が損なわれる事態を回避できる。
 また、第4実施形態においても、超音波診断装置100は、第1実施形態と同様に、カプセル状の先端部10を有してもよい。さらに、先端部10は、ケーブル11の内部に通される線を電源線と信号線程度として最小限に抑えられた構成であってもよい。それにより、経食道超音波プローブを用いる場合と比較して被検体の負担を軽減することが可能となる。
 また、第4実施形態において、探索部111は、必要に応じて探索処理を実行する。それにより、超音波診断装置100は、適切なタイミングで超音波の送信方向の修正を行うことができる。このようにして、超音波診断装置100は、観察対象と超音波の送信方向とのズレが生じた状態をより防止することができる。また、超音波診断装置100は、不要な超音波の送受信を抑制することが可能である。
[第5実施形態]
 次に、第5実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第5実施形態においては、第2実施形態、第3実施形態と比較して探索部111による探索処理の開始タイミングが異なる。その他の部分は第2実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点について主に説明する。
 第2実施形態においては、探索部111が所定時間ごとに探索処理を行う構成である。これに対して、第5実施形態における超音波診断装置100の探索部111は、所定の超音波の送信方向におけるドプラ信号に基づく波形(以下、「第3の波形」と記載することがある)を継続的または断続的に生成する。第3の波形は、「第3の波形パターン」の一例に相当する。また、探索部111は、第3の波形とあらかじめ記憶された第2の波形との類似度を求める。なお、以下において、探索部111が所定の超音波の送信方向における類似度を継続的または断続的に求めることを、「類似度を監視する」または単に「監視する」と記載することがある。また、探索部111は、監視により取得された類似度があらかじめ記憶された閾値を下回った場合に、探索処理を開始する。
<動作>
 次に、この実施形態において、信号強度の監視により探索処理を実行する制御のフローについて図17を参照して説明する。図17は、第5実施形態にかかる超音波診断装置100の動作の概略を示すフローチャートである。なお、操作者が走査モード等の初期設定をして、選択された走査モードにより超音波が送信される処理については第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、第2の波形が生成されて記憶される処理についても第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(ステップS71)
 主制御部104は、初期設定において選択された走査モードがドプラモードであるかについて判断する。
(ステップS72)
 ステップS71の判断の結果、走査モードがドプラモードでないと判断された場合(ステップS71;No)、主制御部104は、監視処理の開始のため、走査モードをドプラモードに切り替える。
(ステップS73)
 ステップS72において、走査モードがドプラモードに切り替えられた場合、または、ステップS71の判断の結果、初期設定において選択された走査モードがドプラモードであると判断された場合(ステップS71;Yes)、監視処理が行われる。監視処理のため、主制御部104は、送信部105を介して、先端部10にドプラモードによる超音波の送信を実施させる。初期設定において選択された走査モードがドプラモード以外の走査モード(Bモード等)である場合、ドプラモードでの送信の後、初期設定において選択された走査モードとドプラモードとが交互に切り替わる。
(ステップS74)
 受信部106は、先端部10からドプラモードに基づくエコー信号を受ける。ドプラ信号処理部108は、このエコー信号に信号処理を施したRAWデータを生成部109に送信する。生成部109はRAWデータに基づくドプラスペクトラム画像を生成する。探索部111は、監視処理において生成部109により生成されたドプラスペクトラム画像から、第3の波形を生成する。
(ステップS75)
 また、探索部111は、第3の波形とあらかじめ記憶された第2の波形との類似度を求める。
(ステップS76)
 求められた類似度は、探索部111により、あらかじめ記憶された閾値と比較される。第3の波形における類似度が閾値以上である場合は(ステップS76;Yes)、ステップS73~ステップS76の処理を繰り返す。
(ステップ77)
 ステップS65の比較の結果、探索部111により、類似度が閾値を下回ったと判断された場合は(ステップS76;No)、主制御部104は、送信部105を介して、探索処理にかかる先端部10の超音波の送受信を開始させる。
 探索処理による超音波の送信方向の選定、および超音波の送信方向の設定の更新については、第2実施形態または第3実施形態と同様である。その後、主制御部104は、上記ステップS73~ステップS77の処理を繰り返す。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
 本実施形態における超音波診断装置100は、選択された走査モードにおける超音波の送受信が開始されると、所定方向における第3の波形と第2の波形との類似度の監視を行う。また、探索部111は、類似度が閾値を下回ると、探索処理を開始する。探索処理において探索部111は、異なる送信方向に対応する複数の第1の波形それぞれと、第2の波形との類似度を求める。探索部111は、これらの類似度のうち、類似度が最も高い第1の波形に対応する超音波の送信方向を求める。方向設定部110は、その送信方向に、先端部10における超音波の送信方向を変更する。したがって、被検体の呼吸、拍動、体動、咽喉反射、嘔吐反応等により、被検体内の先端部10が変位してしまい、観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまったとしても、超音波診断装置100は、操作者に煩雑な処理を強いずに、上記変位に応じて追随するように超音波の送信方向を変更し、被検体内のモニタリングを継続することが可能である。さらに、長期のモニタリングを行うとしても、超音波診断装置100は、その作業効率が損なわれる事態を回避できる。
 また、第5実施形態においても、超音波診断装置100は、第1実施形態と同様に、カプセル状の先端部10を有してもよい。さらに、先端部10は、ケーブル11の内部に通される線を電源線と信号線程度として最小限に抑えられた構成であってもよい。それにより、経食道超音波プローブを用いる場合と比較して被検体の負担を軽減することが可能となる。
 また、第5実施形態において、探索部111は、必要に応じて探索処理を実行する。それにより、超音波診断装置100は、適切なタイミングで超音波の送信方向の修正を行うことができる。このようにして、超音波診断装置100は、観察対象と超音波の送信方向とのズレが生じた状態をより防止することができる。また、超音波診断装置100は、不要な超音波の送受信を抑制することが可能である。
[第6実施形態]
 次に、第6実施形態にかかる超音波診断装置100について説明する。第5実施形態においては、所定方向における第3の波形と第2の波形との類似度の監視を行い、その結果、類似度が閾値を下回ると、探索処理を開始する構成である。これに対し、第6実施形態の探索部111は、第5実施形態の監視処理だけでなく、それと並行して第4実施形態にかかる監視処理も実行する。その他の部分は、第5実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点について主に説明する。
 第5実施形態における探索部111は、選択された走査モードにおける超音波の送受信が開始されると、所定方向における第3の波形と第2の波形との類似度の監視を行う。第6実施形態においては、この第3の波形と第2の波形との類似度の監視と並行して、所定方向のドプラ信号における信号強度の監視を行う。ここでの「所定方向」とは、第3の波形における超音波の送信方向と同じ方向である。また、第6実施形態の探索部111は、類似度および信号強度の一方または双方が、それぞれの閾値を下回ったときに探索処理を開始する。なお、探索処理は、第1実施形態~第3実施形態のいずれかと同様の処理であればよい。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
 本実施形態の超音波診断装置100は、類似度および信号強度を監視することにより、探索処理の開始のタイミングを計る構成である。この構成により、超音波診断装置100は、適切なタイミングで超音波の送信方向の修正を行うことができる。それにより、観測対象と超音波の送信方向のズレが生じた状態をより防止することができる。また、不要な超音波の送受信を抑制することが可能である。
[第7実施形態]
 次に、第7実施形態について説明する。第1~第6実施形態の探索部111は、上述のいずれかの探索処理により、最適な超音波の送信方向を探索する構成である。この構成については、第7実施形態も同様である。ただし、第7実施形態の探索部111は、適切な超音波の送信方向が探索されなかった場合に対応して、エラーの報知、超音波によるモニタリング(超音波の送受信)の終了等の処理を実行する。その他の部分は、第1~第6実施形態にかかる超音波診断装置100と同様である。以下、これらの相違点について主に説明する。
(探索処理-信号強度)
 第7実施形態における探索部111は、信号強度の閾値を記憶している。探索部111は、探索処理において、最大の信号強度を確定すると、その信号強度を当該閾値と比較する。探索部111は、信号強度が閾値を下回った場合、適切な超音波の送信方向を探索することができなかったと判断する。そして、探索部111は、図示しない報知部を介して、操作者が認識可能なエラー情報を通知する。報知部は、例えば、表示部103にエラーメッセージを表示させる。また、報知部は、図示しない音声出力部に所定の音声を出力させる。また、探索部111は、この場合、超音波の送信方向の情報を方向設定部110に送らない。
 また、探索部111の他の処理として、探索部111は、信号強度が閾値を下回った場合、適切な超音波の送信方向を探索できなかったと判断する。そして、探索部111は、主制御部104にその旨の情報を送る。主制御部104は、その情報を受けることにより、先端部10による超音波の送信を中止させる。なお、探索部111が適切な超音波の送信方向を探索することができない場合として、先端部10の変位が大きい場合が挙げられる。この場合、方向設定部110による超音波トランスデューサ12の回転・傾動や電子走査による超音波の送信方向の変更によっても観察対象がROIに含まれない状態となっている可能性がある。
(探索処理-類似度)
 第7実施形態における探索部111は、類似度の閾値を記憶している。探索部111は、探索処理において、類似度が最も高い超音波の送信方向を確定すると、その類似度を当該閾値と比較する。探索部111は、類似度が閾値を下回った場合、適切な超音波の送信方向を探索することができなかったと判断する。そして、探索部111は、図示しない報知部を介して、操作者が認識可能なエラー情報を通知する。報知部の構成は、上記と同様である。また、主制御部104が先端部10による超音波の送信を中止させる構成も上記と同様である。
 第3実施形態のように、探索処理において信号強度および類似度の双方を用いる場合、探索部111は、上記の処理の組み合わせを実行する。
<作用・効果>
 以上説明した本実施形態にかかる超音波診断装置の作用および効果について説明する。
 本実施形態において、探索部111は、適切な超音波の送信方向が探索できなかった場合に、エラーの報知、超音波の送信の中止等を実行する構成である。例えば、超音波トランスデューサ12の回転・傾動や電子走査による超音波の送信方向の変更によっても観測対象がROIに含まれない状態においては、操作者は、まず、その状態を認識する必要がある。また、その状態においては先端部10を移動させる必要がある。この点、本実施形態によれば、操作者は、被検体に対する先端部10の変位が大きい場合に適切な対処を行うことが可能である。
[使用例]
 次に、第1~第7実施形態における超音波診断装置100の使用例について説明する。超音波診断装置100が心臓駆出率のモニタリングを実施する使用例について説明する。
(Bモード画像の表示)
 超音波診断装置100は、心臓駆出率のモニタリングを実施するにあたり、心臓のBモード画像を表示部103に表示させる。この処理は、例えば次の通りである。まず、操作者により、操作部102を介して、Bモードが走査モードとして選択される初期設定がなされる。送信部105は、初期設定に応じて、Bモードにかかる超音波トランスデューサ12の駆動制御信号を先端部10に送信する。先端部10の送信部141により超音波トランスデューサ12が駆動され、そして被検体に超音波が送信される。
 先端部10は、受信部142等を介して、エコー信号を本体部101に送る。本体部101は、受信部106等を介して、Bモード信号処理部107にエコー信号を送る。Bモード信号処理部107は、エコー信号に信号処理を施し、Bモードのエコー信号にかかるRAWデータを生成する。生成部109は、Bモード信号処理部107からRAWデータを受け、Bモード画像データを生成する。生成部109は、Bモード画像データに基づいて、表示部103にBモード画像を表示させる。次いで、操作者により先端部10が被検体内に挿入される。操作者は、Bモード画像を参照しながら、先端部10を被検体内に挿入する。
(輪郭線の設定)
 操作者により先端部10が被検体の食道の所定の位置まで挿入され、さらに超音波トランスデューサ12の位置の調整(回転、傾動等)が行われ、または超音波ビーム角が調整されることにより、ROIに心臓が含まれる。それによって、表示部103に心臓の断層像を表すBモード画像が表示される。さらに、心臓を表すBモード画像において、主制御部104により心筋と心腔との境界(以下、「心筋/心腔境界」と記載する。)に輪郭線が設定される。一例として、主制御部104は、操作者による用手的な設定を受けること、または、ACT(Automated-Contour-Tracking)法などの自動的な手法を用いることによって、心内腔の境界位置に相当する輪郭線を抽出する。この輪郭線は、心臓駆出率を算出するための心腔内容積がmodified-Simpson法やArea-Length法などによって求められる際に用いられる。
 この輪郭線の具体的な設定例について図19を参照して説明する。図19は、心尖二腔断面上において設定された輪郭線と操作点とを示す概略図である。図19に示すように、操作者は操作部102を介して、断層像上に示される心腔内における所定位置に閉曲線B1を設定する。主制御部104は、図19に示すように、設定された閉曲線において複数の操作点R1、R2、R3...RNを所定間隔で配置する。また、主制御部104は、この操作点の各々を心筋に向かって放射状に移動させる。主制御部104は、例えば、閉曲線B1における各操作点R1、R2、R3...RNの法線方向C1、C2、C3...CNに沿って操作点を移動させる。
 主制御部104は、操作点R1、R2、R3...RNを放射状に移動させながら、各操作点R1、R2、R3...RNの位置に対応した断層画像データにおける画素値を継続的に求めていく。そして、主制御部104は、画素値が急激に変化する位置を心筋と心腔との境界位置として検出する。さらに、主制御部104は、検出した複数の境界位置を接続することによって輪郭データを生成する。この輪郭データの生成方法では、主制御部104は、画像データについて、心腔内を放射状に移動する操作点R1、R2、R3...RNの位置に対応した画素値を順次読み出すことによって画素値の変化量を求める。また、主制御部104は、この変化量に基づいて超音波の反射が少ない心腔内と反射が比較的大きい心筋との境界(心筋/心腔境界)を検出する。
(サンプリングゲートの設定)
 さらに、操作者は、操作部102を介して、心臓を表すBモード画像に重ねて、サンプリングゲートを設定する。図6においては、サンプリングゲートの図示が省略されているが、パルスドプラにおける超音波の送信方向(音源からのビーム角)が示されている。例えば、操作者は、図6の破線L1に重ねてサンプリングゲートを設定する。なお、当該破線L1は、断層像に示される左房LAから僧帽弁Mを抜けて左室へ至っており、左心系の中央付近を通っている。また、サンプリングゲートは、例えば、僧帽弁M付近の左室腔内の領域に設定される。この方向は、血流の強度が大きく検出されやすい方向である。
(心腔内容積の計測)
 図20Aおよび図20Bは、主制御部104によって行なわれる心腔内容積計測の具体例を示したものである。主制御部104は、操作部102により選択操作を受け、図示しない記憶部に記憶された時系列的なBモード画像データの中から、所望期間T0に相当するM枚の画像データP1~画像データPMを選択して別途記憶部に記憶させる。また、主制御部104は、画像データP1~画像データPMの各々に対して生成した輪郭データから弁輪部を検出し、この弁輪部の位置を基準に心臓の長軸FLを設定する。さらに、主制御部104は、長軸FLに対する垂線を、長軸FLを間隔ΔhでJ分割した分割点hj(j=1~J)を通るように引く。主制御部104は、この垂線が輪郭データEと交わる2つの交点f1j及びf2jの間の長さXj(j=1~J)を算出する(図20A参照)。
 次いで、主制御部104は、上記手順によって求めた長さX1~長さXjを直径とし、予め設定された間隔Δhを高さとした微小円柱の和で体積を近似する方法、いわゆるModified-Simpson法を用いて各時相における心腔内容積を計測する(図20B参照)。そして計測された各時相の心腔内容積は、その時相を付帯情報として主制御部104の図示しない記憶回路に記憶される。
(心臓駆出率の計測)
 さらに、主制御部104は、主制御部104の記憶回路に記憶された心腔内容積データの中から、収縮末期における心腔内容積Vxsと拡張末期における心腔内容積Vxdとを読み出し、下式(1)に基づいて心臓駆出率Zxを算出する。
 Zx=(Vxd-Vxs)/Vxd×100 (%) ・・・(1)
 なお、このような心臓駆出率の計測は、操作者により終了されるか、設定されたモニタリングの時間が経過するまで継続して行われる。
(監視処理)
 主制御部104は、第1~第6実施形態のいずれかにおける、探索処理の開始タイミングで探索処理を開始する。例えば、超音波診断装置100において、探索部111により、図6の上記方向における第3の波形が順次求められる。探索部111は、第3の波形と第2の波形との類似度の監視を行う。例えば、蠕動運動により、被検体の観察部位に対し先端部10が相対的に変位してしまった場合、探索部111は、監視に係る第3の波形と第2の波形の類似度が閾値を下回る。それにより、超音波診断装置100による探索処理が開始される。
(探索処理)
 探索処理において先端部10は、送信部105から受けた制御信号に基づいて、設定されたサンプリングゲートを通る超音波の送信方向と、その送信方向に所定角度だけ隣接する周囲の方向とにおいて、超音波を送信する。探索部111は、異なる送信方向に対応する複数の第1の波形それぞれと、第2の波形との類似度を求める。探索部111は、これらの類似度のうち、類似度が最も高い第1の波形に対応する超音波の送信方向を求める。また、探索部111は、最も高い類似度が、設定された閾値を下回っていないか判断する。適切な超音波の送信方向が探索された場合、方向設定部110は、その超音波の送信方向の情報に基づいて、超音波のビーム角を変更する。このとき、方向設定部110は、先端部10の方向制御部16を介して、駆動部18を駆動させ、超音波トランスデューサ12の回転/傾動等を実施させる。あるいは更に、サンプリングゲートの深さが変えられながら波形の類似度が比較されることにより、探索部111は、最も類似度の高い深さを求め、求めた深さにサンプリングゲートを変更してもよい。
(エラー処理)
 探索部111は、適切な超音波の送信方向を探索することができなかった場合、例えば、表示部103に「送信方向エラー」等のエラーメッセージを表示させ、さらにエラーを示す音声を音声出力部に出力させる。さらに、探索部111は、適切な超音波の送信方向を探索することができなかった場合、主制御部104にエラーの信号を送ってもよい。主制御部104は、それを受けて超音波によるモニタリングを終了させる。操作者は、エラーの報知により先端部10が変位してしまったことを認識でき、ケーブル11により手動で先端部10の位置を調整することが可能である。また、操作者は、操作部102により駆動部18を駆動させて超音波トランスデューサ12を回転/傾動させて心臓がROIに含まれるように超音波法斜面の操作をすることが可能である。
 なお、超音波診断装置100は、心臓駆出率だけでなく、心腔内容積(左室容積、左房容積等を含む)や僧帽弁近傍の左室流入血流や僧帽弁逆流のモニタリングを行うことも可能である。また、超音波診断装置100は、操作者が超音波画像を閲覧して明らかに位置ずれが生じていることを認識する場合も考えられ、探索処理を操作部102等の操作を介して即時実施させる構成とすることも可能である。
[効果]
 以上説明した第1~第7実施形態にかかる超音波診断装置100によれば、被検体の呼吸、拍動、体動、咽喉反射、嘔吐反応等により、被検体内の先端部10が変位してしまい、観察の対象と、超音波の送信方向とがずれてしまったとしても、操作者に煩雑な処理を強いずに、上記変位に応じて追随するように超音波の送信方向を変更し、被検体内のモニタリングを継続することが可能である。さらに、長期のモニタリングを行うとしても、超音波診断装置100は、その作業効率が損なわれる事態を回避できる。
 また、上述した第1実施形態~第7実施形態は、適宜組み合わせることが可能である。また、これら実施形態は、カプセル状の先端部10を採用する構成だけでなく、経食道超音波プローブを用いることも可能である。
 この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
 100 超音波診断装置
 10  先端部
 10a 収容部
 11  ケーブル
 11a コネクタ
 12a 超音波振動子
 12d フレキシブルプリント基板
 12f オフセット
 12k 支持体
 101 本体部
 103 表示部
 104 主制御部
 107 Bモード信号処理部
 108 ドプラ信号処理部
 109 生成部
 110 方向設定部
 111 探索部
 120 生体情報計測部

Claims (17)

  1.  超音波の送信方向を変更可能な変更部を有し、かつ被検体内に挿入された状態で設定された方向に超音波を送信して被検体の観察部位の生体情報を取得する超音波送受信部と、
     取得された前記生体情報に基づき、前記観察部位へ向かう方向を求め、前記超音波の送信方向が該方向へ向くように、前記変更部を制御する制御部と
     を備えることを特徴とする超音波診断装置。
  2.  前記超音波送受信部は、継続的に、または所定間隔で繰り返し超音波を送受信することにより前記生体情報を取得し、
     前記生体情報に基づき、前記観察部位の状態を示す情報を表示する表示部をさらに備える
     ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3.  前記生体情報には、前記被検体の血流情報を表すドプラ信号が含まれ、
     前記観察部位は、前記超音波の観察対象である血流の位置であり、
     前記制御部は、前記ドプラ信号の信号強度、または前記ドプラ信号による波形パターンに基づいて、前記観察部位へ向かう方向を求める
     ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  4.  前記超音波送受信部は、前記被検体の血流情報を表すドプラ信号を前記生体情報として取得し、
     前記制御部は、超音波の送信方向を順次変更するように前記変更部を制御することにより、前記ドプラ信号の信号強度が最大となる超音波の送信方向を前記観察部位へ向かう方向として求める
     ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5.  前記制御部は、所定の時間間隔ごとに、前記ドプラ信号の信号強度が最大となる超音波の送信方向を前記観察部位へ向かう方向として求めることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
  6.  前記制御部は、前記超音波送受信部により取得された前記ドプラ信号の信号強度があらかじめ記憶された閾値を下回ったとき、前記ドプラ信号の信号強度が最大となる超音波の送信方向を前記観察部位へ向かう方向として求めることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
  7.  前記超音波送受信部により前記生体情報として取得された、前記被検体の血流情報を表すドプラ信号に基づく第1の波形パターンを生成する生成部を備え、
     前記制御部は、超音波の送信方向を変更するように前記変更部を制御するとともに、送信方向ごとに生成された前記第1の波形パターンから、あらかじめ記憶された第2の波形パターンに最も類似する類似波形パターンを求め、前記類似波形パターンが生成されたときの送信方向を前記観察部位へ向かう方向として求める
     ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  8.  前記制御部は、所定の時間間隔ごとに前記類似波形パターンを求めることを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  9.  前記生成部は、所定の超音波の送信方向におけるドプラ信号に基づく第3の波形パターンを生成し、
     前記制御部は、前記第3の波形パターンと前記第2の波形パターンとの類似度を求め、求めた類似度があらかじめ記憶された閾値を下回ったとき、前記類似波形パターンを求める処理を開始する
     ことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  10.  前記超音波送受信部による超音波の送信方向は、前記被検体の左室の方向に設定されており、
     前記超音波送受信部は、前記左室からの前記ドプラ信号を前記生体情報として取得する
     ことを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
  11.  前記制御部は、順次前記被検体の心電波形を受けて所定の心時相を求め、前記心時相に基づいて、超音波を送信して前記ドプラ信号を取得するように前記超音波送受信部を制御することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  12.  前記所定の心時相は、拡張期であることを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置。
  13.  前記超音波送受信部は、カプセル状の収容部に収容されており、
     前記収容部は、前記収容部と本体部との間で信号を送受信するインターフェースと、前記超音波送受信部に電力を供給する電源線とをさらに収容することを特徴とする請求項4または7に記載の超音波診断装置。
  14.  前記第2の波形パターンは、あらかじめ定められた取得条件により取得された前記生体情報に基づいて生成されて記憶されることを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  15.  前記生体情報には、前記被検体の血流情報を表すドプラ信号が含まれ、
     前記制御部は、順次取得さられる前記ドプラ信号に基づいて、観察部位前記観察部位の位置を求める
     ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  16.  前記生体情報は、心腔内容積、心臓駆出率および観察部位の血流情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  17.  前記本体部は、前記電源線に接続された電源と、前記制御部と、前記インターフェースに接続され前記超音波送受信部から受けた信号を処理する信号処理部とを有し、
     前記収容部は、前記インターフェースにより前記本体部と接続される
     ことを特徴とする請求項13に記載の超音波診断装置。
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