JP2011117026A - 金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液、および自己析出被膜処理方法 - Google Patents

金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液、および自己析出被膜処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リン酸亜鉛処理と電着塗装の組み合わせからなる塗装工程と比較して工程長を短縮し、スラッジ等の環境に有害な副生成物をほとんど生じず、袋構造部内部のつきまわり性に優れ、クロム化合物のような環境に有害な成分を使用せず、耐食性を有し、かつ得られた塗膜の上に更に焼き付け塗装を重ね塗り可能である従来の電着塗装に置き換えることが可能な自己析出被膜の提供。
【解決手段】アミン変性タンニンと、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はフェノール核と熱硬化反応可能な架橋基を有する少なくとも1種の架橋剤と、第二鉄イオンと、溶解型フッ素元素と、酸化剤とを含む、各成分・各成分の原料が所定比であるpH2〜6の水溶液であることを特徴とする、金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車車体や自動車部品、スチール家具、および家電製品のように耐食性が必要とされ、かつ用途に応じての塗料の重ね塗りが施されることがある鉄系金属材料表面に、単独でも十分な耐食性を有し、かつ塗料の重ね塗りが可能な有機塗膜を化学反応で析出させるための自己析出被膜処理用表面処理液、自己析出被膜処理方法、および自己析出被膜を有する金属材料に関する。
金属材料を使用した工業製品は、一部の特別な用途、及び材料を除き、そのほとんどが塗装されている。塗装の目的は、美観の向上もさることながら、金属の宿命である酸化、すなわち腐食を防止することである。ここで、金属材料に用いられる塗料は、その塗装方法や成分で様々に分類することができ、被塗装材料に要求される性能や可能な塗装方法によって選定される。ここで、自動車車体のように、被塗装材料が複雑な構造を有し、かつ高度な耐食性を要求される場合には、つきまわり性と称される袋構造部内部の塗膜厚の確保が重要である。
袋構造部内部の耐食性を確保するために用いられる一般的な方法は、塗装下地用の化成処理であるリン酸亜鉛処理とカチオン電着塗装の組み合わせである。何れの方法も、被塗装材料を処理浴に浸漬して化成処理、および塗装を行うため、袋構造部内部までも化成処理液、および塗料と接触させることができる。しかしながら、リン酸亜鉛処理工程は、湯洗→予備脱脂→脱脂→多段水洗(通常2から3段)→表面調整→皮膜化成→多段水洗(通常2から3段)→イオン交換水洗であり、さらにカチオン電着塗装工程は、電着塗装→多段水洗(通常3から5段)→イオン交換水洗→焼き付けであるため、その処理工程は非常に長く、例えば自動車車体の場合には200mを超える工程長となる。
リン酸亜鉛処理工程においては、従来から知られている通り、皮膜析出反応の副反応であるリン酸鉄スラッジの発生が避けられず、環境問題の観点から改良が望まれている。また、昨今のカチオン電着塗料は改良されてはいるものの、塗膜が電解によって析出し、析出した塗膜の電気抵抗によって塗膜がつきまわっていくメカニズム上、初期に塗膜が析出する外板部と遅れて塗膜が析出する袋構造部内部との膜厚差の発生は避けては通れない課題である。
そこで、化学反応によって有機塗膜を析出させることで、工程短縮を図りつつ、リン酸鉄スラッジ発生の問題と袋構造部内部の塗膜厚の問題を解決すべく技術が古くから提案されており、このような組成物はオートデポジション組成物、または自己析出組成物、または自己沈着組成物と称されている。
例えば、特許文献1は、塩化ビニリデンコポリマーを用いたオートデポジション組成物に関するものである。塩化ビニリデン樹脂は、防湿性、耐湿性、およびガスバリア性が非常に優れるため、塗膜とした際の腐食に対する抑制作用が非常に大きい。しかしながら、塩化ビニリデン樹脂は周知の通り耐熱性が非常に低い。そこで、特許文献1には、塩化ビニリデンモノマーをコモノマーたとえばアクリル系コモノマーと共重合させ、鎖中に熱により安定なコモノマーを挿入することで耐熱性を改善できることが開示されている。しかしながら、鎖中に安定な部位を挿入しても、塩化ビニリデン基本構造の耐熱性の低さは根本的に改善できない。従って、塩化ビニリデンを用いたオートデポジション技術は、高温に晒される環境で使用される金属材料には使用できないばかりか、オートデポジション塗膜の上に、焼き付け塗装による重ね塗りが出来ない問題点を有していた。
塩化ビニリデンを使用しないオートデポジション組成物も数多く開示されている。塩化ビニリデン以外にオートデポジション組成物に用いられる樹脂成分の例としては、特許文献2、3および4に引用されるとおり、スチレンブタジエン、アクリル重合体およびその共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンおよびウレタン樹脂が開示されている。
しかしながら、何れの方法においてもオートデポジション塗膜の耐食性は、塩化ビニリデンを用いたものと比較すると著しく低かった。そこで、耐食性を向上させるためには、特許文献3に示される通り、現在では環境問題の観点から使用が規制されるクロム化合物を使用した後処理をオートデポジション塗装の後に施す必要があった。
そこで、近年になって特許文献5に示される通り、エポキシ樹脂と架橋剤とを組み合せたオートデポジション組成物が提案された。しかしながら、本発明者らが前記発明の効果を検証した結果、エポキシ樹脂を使用したオートデポジション塗膜は、耐食性が未だ十分であるとは言い難く、かつ、溶剤塗料との密着性が著しく低く、重ね塗りが出来ないという問題を見出した。
特許文献6および7には、水分散性フェノール樹脂、及び柔軟剤重合体からなる、金属支持体上に自動付着できることを特徴とする水性塗料組成物が開示されている。しかしながら、本方法で得られた焼き付け前のオートデポジション塗膜には多量の水分を含んでいるため、焼き付け前の塗膜を水洗することができない。従って、平板な被塗装材料であれば問題はないが、袋構造部を有する材料である場合には、袋構造部内部に残った塗料を洗い出すことができないため、焼き付け後に塗膜膨れや剥離等の、耐食性に著しい影響を及ぼす重大な欠陥が生じる。
また、タンニン、又は合成タンニンを用いた表面処理技術も過去から提案されている。例えば、特許文献8には、金属表面を水溶性又は水分散性有機高分子水溶液にタンニンを0.1−20重量パーセント添加した処理液で処理する金属表面の保護被膜形成方法が開示されている。また、特許文献9には、チタンフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化水素酸、シリカ、タンニン酸及び水分散性有機樹脂からなり、水分散性有機樹脂に対するタンニン酸の質量比率が100:0.5〜15、乾燥重量換算でタンニン酸及び水分散性有機樹脂の合計量に対する無機物の質量比が1:0.5〜2であることを特徴とする塗装前処理用化成処理液が開示されている。また、特許文献10には、タンニン酸と、一価または二価以上のフェノール類と、アルデヒドまたはケトンと、酸触媒からなることを特徴とする防錆樹脂が開示されている。
前記いずれの方法も、被処理金属材料表面に付着した処理液をロール等で絞って付着量を制御した後に乾燥して皮膜形成を行う塗布型表面処理に関するものである。従って、前記文献に示された方法では、得られる膜厚が非常に薄いものであり、かつ化学反応によって皮膜を析出させる方法ではないため、袋構造部内部に皮膜を析出させることは不可能であった。
特許文献11には、タンニンをアミンと反応させて架橋した組成物を防錆成分として含有することを特徴とする架橋したタンニンを利用した防錆皮膜形成用処理剤が開示されている。また、特許文献12には、植物タンニン、アルデヒド及びアミンの縮合反応生成物を約0.01g/L〜約50g/L含有する金属処理水溶液が開示されている。しかしながら、前記文献に示された方法では、得られる膜厚が非常に薄いものであるため、本発明者が求める耐食性を得ることは不可能であった。
さらに特許文献13には、(A)ポリイソシアネート化合物、(B)水酸基を2個以上を有するポリオール化合物及び、(C)イソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上有し、かつカルボキシル基とスルホニル基から選ばれる1種以上の親水基を有する官能性化合物を重合させて得られるウレタンポリマーが水に分散され、上記ウレタンポリマー100重量部に、ポリタンニン酸化合物を0.5〜20重量部添加されていることを特徴とするウレタン系水性接着剤組成物が開示されている。しかしながら、本特許文献が接着剤組成物に関するものであり、自己析出組成物に関わる処理液組成、および方法に関しては何ら開示されていない。
また、特許文献14には、水溶性の熱硬化型樹脂および架橋剤と多価フェノール化合物からなる処理液を金属剤に施した表面処理金属材であって、水溶性熱硬化型樹脂がポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂から選ばれ、かつ架橋剤がアミノ樹脂、イソシアネートから選ばれ、多価フェノール化合物がタンニン酸であり、また全固形物に対し前記多価フェノール化合物が0.1mass%以上50mass%以下含有され、表面処理鋼板がZn系めっき鋼板である表面処理金属材が開示されている。しかしながら、本特許文献も塗布型表面処理に関するものであり、かつ対象とされる金属材料がZn系めっき鋼板に限られていた。
従って、従来技術では、リン酸亜鉛処理と電着塗装の組み合わせからなる塗装工程と比較して工程長を短縮し、スラッジ等の環境に有害な副生成物を生じず、袋構造部内部のつきまわり性に優れ、クロム化合物のような環境に有害な成分を使用せず、耐食性を有し、かつ得られた塗膜の上に更に焼き付け塗装を重ね塗り可能な自己析出被膜を提供することは不可能であった。また、従来のタンニンを利用した技術では、電着塗装に置き換えることが可能なほどの高膜厚を得ることは不可能であった。
特開昭60-58474 特開昭47-32039 特開昭48-13428 特開昭61-168673 特開2003-176449 特表2002-501100 特表2002-501124 特開昭53-116240 特開2002-266081 特開昭61-4775 特開2008-223111 特開平2-145784 特開平8-92540 特開2003-301274
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決することである。すなわち、リン酸亜鉛処理と電着塗装の組み合わせからなる塗装工程と比較して工程長を短縮し、スラッジ等の環境に有害な副生成物をほとんど生じず、袋構造部内部のつきまわり性に優れ、クロム化合物のような環境に有害な成分を使用せず、耐食性を有し、かつ得られた塗膜の上に更に焼き付け塗装を重ね塗り可能である従来の電着塗装に置き換えることが可能な自己析出被膜を、環境に無害なタンニンを利用して提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するための手段について鋭意検討した結果、従来技術にはない自己析出被膜処理用表面処理液、自己析出被膜処理方法、及び自己析出被膜を有する金属材料を発明するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも1種のアミン変性タンニンと、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はフェノール核と熱硬化反応可能な架橋基を有する少なくとも1種の架橋剤と、第二鉄イオンと、溶解型フッ素元素と酸化剤とを含むpHが2〜6の水溶液であって、
前記アミン変性タンニンと前記架橋剤との固形分質量濃度比が1:1から1:10の範囲であり、前記溶解型フッ素元素のモル濃度が前記第二鉄イオンの少なくとも3倍であり、
前記少なくとも1種のアミン変性タンニンが、タンニン、ホルムアルデヒド及びアミン化合物を反応させることにより得られるアミン変性タンニンであって、前記タンニンと前記アミン化合物との固形分質量反応比が、1.0:0.15から1.0:1.0の範囲であることを特徴とする、金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液である。
前記アミン化合物が下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。

Figure 2011117026
(式中、RおよびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ジアルコキシシリルアルキル基、トリアルコキシシリルアルキル基、アセチル基またはアルキルカルボニル基であり、R1、R2は互いに結合してモルホリノ基を形成していてもよい。)
前記少なくとも1種の架橋剤の熱硬化反応可能な架橋基が、イソシアネート基であることが好ましく、さらに前記少なくとも1種の架橋剤が、1モルのポリオールに対して、予め一方のイソシアネート基がブロック剤でブロックされた少なくとも2モルのポリイソシアネートを付加した多官能ブロックイソシアネートであることが好ましい。
前記少なくとも1種の架橋剤中のポリオールが、少なくとも一分子のビスフェノールA構造を有することが好ましい。
前記アミン変性タンニンの少なくとも1種の濃度が水溶液中の固形分濃度として1〜5質量%であることが好ましい。
酸化剤が過塩素酸、次亜塩素酸、溶存酸素、オゾン、過マンガン酸、過酸化水素から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
白金電極で測定される酸化還元電位が、300から500mVであることが好ましい。
予め脱脂、水洗処理によって表面を清浄化した金属材料を、前記何れかの自己析出被膜処理用表面処理液と接触させた後、さらに水洗工程で該金属材料表面に付着した余剰な前記処理液を除去し、次いで焼き付け処理を行うことによって被膜を熱硬化させることを特徴とする金属材料の自己析出被膜処理方法である。
また、本発明に用いられる金属材料は鉄系金属材料であることが好ましい。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書において使用する各用語の意味について説明する。「第二鉄イオン」とは、Fe3+で示されるイオンであれば、表面処理用処理液中での存在形態は特に限定されず、例えば、Fe3+や配位子が配位した状態のものを示す。フッ素元素が第二鉄イオンに配位した状態の例としては、FeF2+、FeF 、FeF等を挙げることができる。「溶解型フッ素元素」とは、分子の状態、イオンの状態など、その形態に特に限定されないが、本発明の自己析出被膜用処理用表面処理液中において溶解せずに固体粒子として存在する塩等に含まれるフッ素元素は除かれる。従って、「溶解型フッ素元素」とは、フッ化水素、及び又はその塩等のフッ素含有化合物によって自己析出被膜表面処理液中に供給される溶解しているフッ素元素全般を意味する。更に「溶解型フッ素元素」の濃度とは、系内に存在する様々な溶解しているフッ素元素の合計モル濃度である。例えば、前記フッ素含有化合物によって供給されるフッ素元素は水溶液のpHによって、F、HF、HF 等の解離形態を取ることが出来、ここで言う溶解しているフッ素元素の濃度とは、水溶液中の全てのFの合計モル濃度である。更には、第二鉄イオンと錯体を形成している場合、当該錯体は「第二鉄イオン」を含み「溶解型フッ素元素」をも含む。「タンニン」とは、一般的に広く認識されているタンニンと同義(例えば、株式会社東京化学同人発行の「化学辞典」参照)であり、植物界に広く分布する多数のフェノール性水酸基をもつ複雑な芳香族化合物で、水によく溶け、水溶液は収レン性が強く、皮を革に変化させる性質を有する物質の総称である。カリ融解によってピロガロールを生ずるピロガロールタンニン類とカテコールを生ずるカテコールタンニン類とに二大別される。また、希酸と加熱すると加水分解され没食子酸、エラグ酸などを生ずる加水分解性タンニン類と、重合して水に不溶のフロバフェンを生ずる縮合型タンニン類とに分類される。
本発明の自己析出被膜処理方法を用いることで、湯洗→予備脱脂→脱脂→多段水洗(通常2から3段)→表面調整→皮膜化成→多段水洗(通常2から3段)→イオン交換水洗→電着塗装→多段水洗(通常3から5段)→イオン交換水洗→焼き付けからなる従来技術、すなわちリン酸亜鉛処理と電着塗装の組み合わせからなる塗装工程と比較して工程長を短縮することが可能である。さらに、本発明の方法によるとスラッジ等の環境に有害な副生成物を生じず、かつ自己析出被膜処理浴にはクロム化合物のような有害な成分を使用しないため、環境に対する影響も小さい。また、本発明の自己析出被膜は被膜単独での耐食性に非常に優れ、かつ袋構造部内部のつきまわり性に優れるため、複雑な構造を有する被塗装物の耐食性の向上にも有効である。さらに、本発明の自己析出被覆金属材料は、自己析出被膜の上に焼き付け塗装を重ね塗りすることが可能である。従って、様々な塗装と組み合わせて使用することが可能である。
タンニンをアミン変性することにより、タンニン単体よりも耐食性、析出性にすぐれた自己析出被膜を形成できるという効果を奏する。
架橋剤をイソシアネートとすることにより、より耐食性にすぐれた自己析出被膜を形成できるという効果を奏する。
架橋剤として多官能ブロックイソシアネートを使用することにより、よりいっそう耐食性に優れた自己析出被膜を形成できるという効果を奏する。
架橋剤に少なくとも一分子のビスフェノールA構造を有するものを使用することにより、よりいっそう耐食性に優れた自己析出被膜を形成できるという効果を奏する。
前記アミン変性タンニンの少なくとも1種の濃度が水溶液中の固形分濃度として1〜5質量%とすることにより、耐食性を得るのに十分な膜厚を有し、且つ、成分の消費量を抑えることができる。
前記アミン変性タンニンの少なくとも1種と、少なくとも1種の架橋剤との固形分質量濃度比を1:1から1:10とすることにより、均一な自己析出被膜外観が得られ、かつ耐食性も向上するという効果を奏する。
前記酸化剤を過塩素酸、次亜塩素酸、溶存酸素、オゾン、過マンガン酸、過酸化水素から選ばれる少なくとも一種とすることにより、自己析出被膜処理用処理液の安定性を損なわずに自己析出反応を促進するという効果を奏する。
白金電極で測定される酸化還元電位を300から500mVとすることにより、浴中に存在する全ての鉄イオンを第二鉄イオンに酸化しその酸化状態を維持するに十分な量の酸化剤が存在することとなり、自己析出膜の析出反応を促進し、かつ第一鉄イオンによる自己析出被膜処理液の不安定化を抑制することができる。
本発明に係る自己析出被膜処理方法によれば、本発明に係る処理液を使用することにより、より耐食性に優れた自己析出被膜を形成できるという効果を奏する。
金属材料が、鉄系金属材料であることにより、より自己析出被膜を形成し易くなり、耐食性に優れた該膜を形成することができるという効果を奏する。
本発明者らは、少なくとも1種のアミン変性タンニンと、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はフェノール核と熱硬化反応可能な架橋基を有する少なくとも1種の架橋剤と、第二鉄イオンと、溶解型フッ素元素と、酸化剤とを含むpHが2から6である水溶液であって、前記アミン変性タンニンと前記架橋剤との固形分質量濃度比が1:1から1:10の範囲であり、前記溶解型フッ素元素のモル濃度が前記第二鉄イオンの少なくとも3倍であり、前記少なくとも1種のアミン変性タンニンが、タンニン、アミン化合物、及びホルムアルデヒドを反応させることにより得られるアミン変性タンニンであり、前記タンニンと前記アミン化合物との固形分質量比、1.0:0.15から1.0:1.0の範囲で反応させたものであることを特徴とする、金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液を用いることで、金属材料表面に耐食性に優れる自己析出被膜を析出させることを可能としたのである。
本発明の自己析出被膜処理用表面処理液は、鉄系金属材料、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料、ニッケル系金属材料、チタン系金属材料、ジルコニウム系金属材料、銅系金属材料、錫系金属材料などの金属材料に適用することができる。更に、上記金属においては同様な性能が得られるが、より適した金属材料は鉄系金属材料である。ここで言う鉄系金属材料とは、冷延鋼板、及び熱間圧延鋼板等の鋼板や、鋳鉄、及び焼結材等の鉄系材料を示す。
本発明の金属材料の用途は、特に限定されないが、自動車車体や自動車部品、スチール家具、家電製品、電子部品、磁性材料、および金属やゴムなどの接着下地等であり、各々の用途に応じて本発明の自己析出被膜のみの状態か、溶剤塗装等の他の上塗り塗装と組み合せて使用することができる。
本発明におけるアミン変性タンニンは、いわゆるマンニッヒ反応により、タンニンが有する芳香環のヒドロキシ基のオルト位またはパラ位に、ホルムアルデヒド由来のメチレン基を介してアミノ基が結合した構造であると考えられる。
ここで、アミン変性タンニンに用いることが出来るタンニンに限定はないが、例えば、チェストナット、オーク、ユーカリブタス、ディビディビ、タラ、スマック、ミラボラム、アルガロビア、バロニア、五倍子、および没食子等の加水分解型タンニン、ケブラチョ、ビルマカッチ、ミモザ、スプルーム、ヘムロック、マングローブ、カシワ樹皮、アラバム、ガンビア、茶、および柿等の縮合型タンニンである。これらの中では、アミン化合物と組み合わせたときには、五倍子、没食子、チェストナット、タラ、ミラボラム、ミモザ、ガンビアが好適であり、五倍子、ミラボラム、ミモザ、ガンビアが特に好適である。
アミン化合物は、第一級アミノ基および/または第二級アミノ(イミノ基)を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。

Figure 2011117026
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基(例えば、ジヒドロキシアルキル基、トリヒドロキシアルキル基)、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ジアルコキシシリルアルキル基、トリアルコキシシリルアルキル基、アセチル基またはアルキルカルボニル基であり、R1、R2は互いに結合してモルホリノ基を形成していてもよい。これらの中で、ヒドロキシアルキル基及びポリヒドロキシアルキル基が特に好適である。ここで、上記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ジアルコキシシリルアルキル基、トリアルコキシシリルアルキル基、アセチル基及びアルキルカルボニル基における「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルコキシ」及び「アセチル」は、直鎖又は分岐鎖でもよく、炭素数は、1〜12が好適であり、1〜8がより好適である。また、炭素に結合した一又は複数の水素原子が他の置換基で置換されていてもよく、更には、炭素鎖の途中がSやO等のヘテロ原子で置換されていてもよい。「アリール」は、フェニルやナフチル等の炭素原子のみから骨格が形成されるもののみならず、ヘテロ原子を含むヘテロアリールも包含し、更にはアリール骨格の炭素又はヘテロ原子に結合した一又は複数の水素原子が他の置換基で置換されていてもよい。ここで、アリールの骨格炭素数は、1〜10が好適であり、より好適には6〜10である(具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基)。
上記アミン化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−メチルエタノールアミン、2−エチルエタノールアミン、N-メチルグルカミン、1,3−プロパンジアミン、モルホリン、ベンジルアミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで特に好適なアミン変性タンニンは、タンニンとして、五倍子、没食子、チェストナット、タラ、ミラボラム、ミモザ及び/又はガンビア(更に好適には、五倍子、ミラボラム、ミモザ及び/又はガンビア)を選択し、アミンとして、ヒドロキシアルキル基を有するアミン及び/又はポリヒドロキシアルキル基を有するアミンを選択したものである。
アミン変性タンニンは、反応で付加した官能基の働きにより、新たな機能性が付与され耐食性や密着性がタンニン単体よりも大きく向上する。さらに、高分子化されること、及び付加した官能基の効果によって、タンニン単体で用いるよりも析出性が大きく向上するのである。また、特許文献12のような従来技術においても、タンニン付加物を用いた表面処理技術が公開されているが、得られる膜厚は低く、耐食性も不十分である。対して本発明においては、被膜析出反応の基本にはアミン変性タンニンと他の成分と組み合わせることによって、従来にない数10μmもの被膜厚、及び高い耐食性を得ることに成功した。
アミン変性タンニンの反応におけるタンニンとアミン化合物との固形分質量比が1.0:0.15から1.0:1.0であることが好ましく、更に好ましくは1.0:0.15から1.0:0.5である。タンニンに対するアミン化合物の比率が0.15倍未満の場合には、タンニンへのアミン導入率が低いため、被膜の析出性が低く十分な耐食性を得ることができない。また、1.0倍よりも大きい場合には、タンニンへのアミン導入率が過剰であるため、アミン変性タンニンの水溶性低下や、自己析出被膜処理用表面処理液を作製した際に液安定性が損なわれる恐れがあるのである。
アミン変性タンニンの反応におけるが出来るホルムアルデヒドとしては、溶媒で希釈されているものを用いることもできる。
アミン変性タンニンの反応におけるホルムアルデヒドの使用量は、アミンの使用量に対し等モルであることが好ましい。
アミン変性タンニンの反応温度は、特に限定されないが、10〜90℃であることが好ましく、更に好ましくは15〜60℃である。
アミン変性タンニンの反応時間は、特に限定されないが、3〜120時間程度が好ましく、更に好ましくは6〜24時間である。
また、反応で得られたアミン変性タンニンは、析出性が高いために中性のpH領域では沈殿物を生じることがあるが、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸、又はアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを加え溶解することができる。
アミン変性タンニンの上記反応の進行度は、反応生成物に亜硝酸ナトリウムを加え、系内に存在する未反応ホルムアルデヒドを滴定し反応率を求めることで確認することができる。
タンニンと金属イオンとの錯体形成反応は古くから知られており、錯体形成反応を利用した表面処理技術も既に開示されている。例えば、前記特許文献8〜10および14は、金属イオンとタンニン又はアミン変性タンニンとの錯体形成反応を利用した塗布方式の表面処理技術であるが、得られる膜厚は低く、耐食性も不十分である。対して本発明においては、被膜析出反応の基本にはアミン変性タンニンと金属イオン(例えば鉄イオン)との錯体形成反応を利用しているが、他の成分と組み合わせることによって、従来にない数10μmもの被膜厚、及び高耐食性を得ることができる。
アミン変性タンニンと組み合せる第一の成分は、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はフェノール核と熱硬化反応可能な架橋基を有する少なくとも1種の架橋剤である。ここで言うフェノール性ヒドロキシル基とは、フェノール類のヒドロキシル基、フェノール核とは、フェノールのヒドロキシル基に対してオルソ基、又はパラ位の炭素を示す。前記架橋剤の架橋基としては、メチロール基、カルボキシル基、グリシジル基、グリシジル基が開環した二級アルコール基、およびイソシアネート基等を用いることができ、中でもイソシアネート基であることが好ましい。
さらに前記架橋剤が、1モルのポリオールに対して、予め一方のイソシアネート基がブロック剤でブロックされた少なくとも2モルのポリイソシアネートを付加した多官能ブロックイソシアネートであることが好ましい。イソシアネート基は、ブロック剤でブロックすることによって水との反応を抑制することができ、かつ熱を与えることでブロック剤が解離して架橋反応が起こるため、架橋剤として最適である。
前記ポリイソシアネートとしては、公知のものを用いることができる。例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの様な脂肪族ジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエートの様な脂肪族トリイソシアネートやイソホロンジイソシアネートの様な環状構造を有するジイソシアネート、更には、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネートの様な芳香族ジイソシアネート等を用いることができる。
中でも好ましいポリイソシアネートは、得られる被膜の柔軟性の観点からは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアネート基の反応性の観点からはトルエン−2,4−または2,6−ジイソシアネートである。
前記イソシアネート基のブロック剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、フェノール、メチルフェノール、クロルフェノール、p−iso−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−iso−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のフェノール類、マロン酸ジメチルエステル、マロン酸ジエチルエステル、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン化合物類、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、2−ブタノンオキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム類、およびチオ硫酸塩等が挙げられる。
イソシアネート基からの解離温度が低いブロック剤を選択することによって、本発明の自己析出被膜処理における被膜の焼き付け温度を低下させることができる。しかしながら、あまりにも解離温度が低い場合には、自己析出被膜処理用表面処理液の安定性を損なう恐れがある。そこで、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、2−ブタノンオキシム等のオキシム類、およびチオ硫酸塩の使用が好ましい。尚、ここで用いるブロック剤は、イソシアネート基に対して、ジイソシアネートの場合は1/2、トリイソシアネートの場合は2/3をブロックし、それぞれ2モルを1モルのポリオールと反応させることが好ましい。当該ブロック剤を用いると、ポリオールと反応させた後の架橋剤の水との反応を抑制し、自己析出表面処理用処理液の安定性を維持しつつ、焼き付け前の自己析出被膜に熱を与えることで塗膜を硬化させるという効果を奏する。
本発明に用いることができるポリオールとしては、ポリプロピレングルコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体の様なポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジベート、ポリジエチレンアジベート、ポリプロピレンアジベート、ポリテトラメチレンアジベート、ポリ−ε−カプロラクトンの様なポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等が挙げられる。
中でも好ましいポリオールは、分子構造中に少なくとも一分子のビスフェノールA構造を有するエポキシポリオールやビスフェノールAである。ここで、「少なくとも一分子のビスフェノールA構造を有する」とは、前記エポキシポリオールのようなポリマーであることや、ビスフェノールAの繰り返し単位を一部に有するポリマーであることや、ビスフェノールAのホモポリマーや、ビスフェノールAそのものであることを意味する。ビスフェノールAは、ベンゼン環を基本骨格に有し、かつ二つのベンゼン環が二つのメチル基がついたメチレン鎖で繋がれているため、樹脂自体の頑丈さ(堅さ)と高い耐薬品性を併せ持つ構造である(HO−C−C(CH−C−OH)。従って、ビスフェノールA構造を有するポリオールを本発明の多官能ブロックイソシアネートに用いることによって、耐食性が飛躍的に向上するのである。
アミン変性タンニンの少なくとも1種の濃度が水溶液中の固形分濃度として1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは、1〜3質量%である。その濃度が1質量%よりも小さい時は、十分な自己析出性が得られず、本発明の効果のひとつである耐食性を得られるだけの自己析出塗膜厚が得られない。また、5質量%よりも大きい場合は、被塗装物による処理液の持ち出しに起因する自己析出成分の消費量が増えるばかりか、持ち出された処理液は水洗工程で除去されて排水処理工程へ送られるため、不要な廃棄物の増大を招くこととなる。従って、より好ましい変性タンニンの上限濃度は3質量%である。
表面処理液中のアミン変性タンニンと架橋剤との固形分質量濃度比が1:1から1:10であることが好ましく、より好ましくは1:1から1:6であり、更に好ましくは1:1から1:3である。アミン変性タンニンに対する架橋剤の比率が1倍未満の場合は、架橋密度が低く十分な耐食性を得ることができない。また、10倍よりも大きい場合には、架橋密度が高すぎて塗膜が脆くなり実用に適さないのである。
さらに本発明には、表面処理液中の成分、特に架橋剤の水溶性向上、および焼き付け硬化後の被膜の外観を向上させるための溶剤性分を添加することができる。本発明に好適な溶剤としては、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、および2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート等が挙げられる。
本発明は自己析出被膜処理用表面処理液に関するものである。ここで、本発明における自己析出反応は、pHが2から6であることによる金属材料の溶解反応、および第二鉄イオンによる金属の酸化反応によって浴中に溶け出した金属イオンと、アミン変性タンニンの多価フェノールが金属イオンと錯体を形成することによって、アミン変性タンニンが不溶化し自己析出被膜として析出するのである。
自己析出反応に使用されなかった余剰の金属イオンは、そのままでは自己析出処理浴の安定性を損なう原因となり得るが、本発明の処理浴に含まれる溶解したフッ素元素が配位することによって、処理浴の安定性が保たれるのである。
ここで、鉄イオンの供給源としては、可溶性の鉄塩、例えば硝酸鉄、硫酸鉄、塩化鉄等を用いることができ、第一鉄塩、第二鉄塩のいずれを用いても、自己析出被膜用表面処理液中の酸化剤で酸化することによって、処理液中で第二鉄イオンとすることができる。また、鉄粉、酸化鉄、水酸化鉄等をフッ化水素酸で溶解して使用してもよい。
前記自己析出反応が起こるための第二鉄イオンの濃度は0.1〜10.0g/Lであり、好ましくは0.5〜5g/Lであり、より好ましくは1〜2.5g/Lである。尚、第二鉄イオンの濃度は、当業界で一般的な方法で測定でき、例えば、予め樹脂分を酸と加熱によって分解、分離した自己析出被膜処理用表面処理液を用い、原子吸光法、ICP発光分析、EDTAによるキレート分析法によって測定することができる。また、溶解型フッ素元素の濃度は、第二鉄イオンの少なくとも三倍モル濃度である。上限は特に限定されないが、例えば、第二鉄イオンの十倍モル濃度以下である。尚、溶解型フッ素元素の濃度は、0.1〜11g/Lである。ここで、この溶解型フッ素元素濃度は、当業界で一般的な方法で測定でき、例えば、本発明の自己析出被膜処理用表面処理液中の固形物粒子をフィルターで除去した後に、さらに蒸留操作を行い蒸留液中のフッ素元素濃度をイオンクロマトグラフィやキャピラリー電気泳動装置によって測定することができる。第二鉄イオン濃度が0.1g/L未満では、自己析出に好適な量の鉄の酸化溶解反応を起こしにくくなる。また、10.0g/Lよりも大きい場合には、析出した自己析出塗膜に取り込まれる鉄分濃度が上昇し、鉄イオンとともに塗膜中に取り込まれる水分量が増えるために、自己析出塗膜が後の水洗工程で剥離しやすくなる。
溶解したフッ素元素の供給源としては、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、二フッ化水素ナトリウム、フッ化カリウム、二フッ化水素カリウム等を用いることができる。ここで、フッ化水素酸以外のフッ化物を用いる場合には、硝酸、硫酸等の酸を使用して自己析出被膜処理用表面処理液のpHを調整してもよい。
本発明の自己析出被膜処理用表面処理液の好ましいpHは2から6、より好ましくは、2.5から5、より好ましくは2.5から4である。尚、pHの測定方法は、JIS Z 8802の方法によるものとする。本発明の自己析出被膜処理方法は、前述したとおり、自己析出被膜処理用表面処理液中のフッ化水素酸による金属材料の溶解反応、および第二鉄イオンによる金属の酸化反応を起点とするものである。従って、pHが6よりも大きいと金属材料の溶解反応が起こりにくく、かつ第二鉄イオンの還元反応も起こりにくくなるのである。また、pHが2よりも小さいと自己析出被膜の析出反応に対する金属材料の溶解反応が大きくなりすぎて、自己析出被膜処理用表面処理液の安定性が損なわれる恐れがあるのである。
前記酸化剤は過塩素酸、次亜塩素酸、溶存酸素、オゾン、過マンガン酸、過酸化水素から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。過酸化水素は、入手が容易であり、かつ自身の還元反応による副生成物が水であることから自己析出被膜処理液に対する影響を考慮する必要がなく、本発明に好適な酸化剤である。
本発明の自己析出処理液における酸化剤の濃度は、白金電極を作用極に用いた市販のORP電極で測定される酸化還元電位で管理することができる。ここで、本発明の自己析出反応メカニズムからは、全ての第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化した状態で余剰の酸化剤が処理浴に存在する状態が好ましい。即ち、酸化剤の量は、浴中に存在する全ての鉄イオンを第二鉄イオンに酸化しその酸化状態を維持するに十分な量が好ましい。酸化還元電位を選択した酸化剤によって与えられる値の最小値以上に保つことによって、前記状態を維持することが可能となる、ここで、過酸化水素を例にとった場合の好ましい酸化還元電位は、少なくとも300mV以上であり、より好ましくは350mV以上であり、さらにより好ましくは400mV以上である。上限は特に限定されないが500mV以下である。
また、本発明の自己析出被膜処理用表面処理液には、防錆顔料を含有することも出来る。防錆顔料は特に限定されないが、例えばフッ化セリウム、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、フッ化ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を、変性タンニンと架橋剤の合計固形分濃度の0.1〜10質量%の範囲で含有することが好ましい。防錆顔料を含有することにより、自己析出被膜の耐食性、特に耐塩温水性が向上する効果が得られる。
前記フッ化物は、フッ素水素酸水溶液中での溶解度が小さいため、本発明の表面処理液中では供給した前記フッ化物がほとんど固体粒子として存在し、自己析出反応によって有機被膜が析出する際に被膜中に取り込まれる。取り込まれたフッ化物粒子によって、自己析出被膜の耐食性が向上するのである。現時点では、前記フッ化物の粒子の作用効果は明確ではないが、フッ化物粒子が被膜中に存在することによって、被膜中に進入した腐食促進成分が金属界面まで到達する速度を遅らせる効果と、焼き付け時における該自己析出被膜中の樹脂成分と架橋剤との架橋反応を促進する効果を有するものと考えられる。
フッ化セリウム、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、フッ化ストロンチウムは、市販の塩を使用しても構わないし、硝酸セリウム等の可溶性金属塩とフッ化水素酸とを反応させることによって析出した沈殿物である粒子を使用して構わない。
また、本発明の自己析出被膜処理用表面処理液には、可溶性成分としてヘキサフルオロジルコニウム酸、およびヘキサフルオロチタニウム酸を添加することができる。前記可溶性成分は、自己析出被膜析出時の界面pHの上昇によって、ジルコニウム、又はチタニウムが酸化物、及び又は水酸化物として析出し、本発明の自己析出被膜の耐食性を更に高める効果を有するのである。
さらに、本発明の金属材料の自己析出被膜処理方法は、金属材料を予め脱脂、水洗処理によって表面を清浄化した後、前記自己析出被膜処理方法に記載された水溶液と接触させた後、さらに水洗工程で該金属材料表面に付着した余剰な水溶液を除去し、次いで焼き付け処理を行うことによって被膜を熱硬化させることによって行う。焼き付け工程における好ましい焼き付け温度は、170〜220℃、より好ましくは180〜200℃である。
ここで、脱脂処理は従来から一般に用いられている溶剤脱脂、アルカリ脱脂等を用いることができ、その工法も流しかけ、スプレー、浸漬、および電解等なんら制約されるものではない。また、脱脂処理後、および自己析出被膜処理後に行われる水洗処理に関しても何ら制約はなく、流しかけ、スプレー、浸漬等から選択することができる。水洗に用いられる水の水質にも特に制約はないが。自己析出被膜処理浴への微小成分の持ち込み、および塗膜中への残存を考慮するとイオン交換水が望ましい選択である。
本発明の自己析出被膜処理は、被処理物を処理浴へ浸漬する浸漬法によって行われる。浸漬法が行われる処理浴に関しては、処理浴中の成分濃度が均一に保たれる程度の撹拌を備えているのみでよい。
本発明の自己析出被膜処理における自己析出処理槽への被処理金属材料の浸漬時間には特に限定はないが、工業的に利用可能な短い処理時間で、十分な膜厚の被膜を析出させることも本発明の効果の一つである。ここで、本発明の自己析出被膜を得るために好ましい浸漬時間は、10秒から10分、より好ましくは30秒から5分、更により好ましくは1分から3分である。
被塗装材料の表面状態によっては酸洗工程を採用することもできる。その場合の処理工程は、脱脂→多段水洗(通常2から3段)→酸洗→多段水洗(通常1から2段)→自己析出被膜化成→多段水洗(通常2から3段)→焼き付けとなる。
さらに、自己析出被膜処理工程の後に後処理工程を組み合わせることによって、耐食性をさらに高めることも可能である。後処理工程を用いた場合の処理工程は、脱脂→多段水洗(通常2から3段)→自己析出被膜化成→多段水洗(通常2から3段)→後処理→焼き付けとなる。
本発明は金属材料表面に前記方法によって析出した自己析出被膜層を有し、かつ焼き付け硬化後の自己析出被膜層の膜厚が10〜50μmであることを特徴とする自己析出被覆金属材料である。当該範囲内では、十分な耐食性を有し、クラックや収縮といった外観不良が生じにくくなる。
〔実施例〕
以下に実施例を比較例とともに挙げ、本発明の表面処理用処理液、及び表面処理方法を具体的に説明する。尚、実施例で使用した被処理素材、脱脂剤、及び塗料は市販されている材料の中から任意に選定したものであり、本発明の表面処理用組成物、表面処理用処理液、及び表面処理方法の実際の用途を限定するものではない。
(供試板)
実施例と比較例に用いた供試板の略号と内訳を以下に示す。
・CRS(冷延鋼板:JIS−G−3141)
(自己析出被膜処理用処理浴組成と処理工程)
・ タンニンのアミン変性例
撹拌機のついた反応装置に、表1に示すタンニン100質量部、及び水400質量部を加え撹拌し十分に溶解させた。次に、表1に示す量(質量部)のアミン化合物、37質量%ホルムアルデヒド液を表1に示す量(質量部)室温にて順次滴下して加え、30℃にて24時間反応させた後、硝酸を用いてpH3.5に調整した。最後に、亜硫酸ナトリウムを加えて系内に存在する未反応ホルムアルデヒドを滴定して反応率を求め、ほぼ定量的に反応が進行していることを確認した。
・実施例1〜8、及び比較例1〜4
市販のアルカリ脱脂剤であるファインクリーナーL4460(日本パーカライジング(株)製)を水で2質量%に希釈し40℃に加湿した液を供試板にスプレー装置で噴霧し脱脂処理を行った。脱脂処理後の供試板表面を、スプレー装置を用いてイオン交換水で洗浄した。前記、表面を脱脂洗浄した供試板を、アミン変性タンニン(表1)、架橋剤として市販の水溶性ブロックイソシアネート(商品名エラストロンH38:第一工業製薬(株)製)、及び鉄粉(試薬)、フッ化水素酸(試薬)、過酸化水素水(試薬)を用いて調整した表2に示す自己析出被膜処理浴に浸漬した後、スプレー装置を用いてイオン交換水で洗浄し、次いで180℃×20分間焼き付けを行った。さらに、市販のアミノアルキッド系中塗り塗装(商品名アミラックTP-37グレー:関西ペイント(株)製、膜厚35μm、スプレー塗装、140℃で20分間焼き付け)、及び市販のアミノアルキッド系上塗り塗装(商品名アミラックTM-13白:関西ペイント(株)製、膜厚35μm、スプレー塗装、140℃で20分間焼き付け)を行った。各々の実施例および比較例で得られた被覆金属材料を後述する方法に従って評価した。
・実施例9
市販のアルカリ脱脂剤であるファインクリーナーL4460(日本パーカライジング(株)製)を水で2質量%に希釈し40℃に加湿した液を供試板にスプレー装置で噴霧し脱脂処理を行った。脱脂処理後の供試板表面を、スプレー装置を用いてイオン交換水で洗浄した。前記、表面を脱脂洗浄した供試板を、アミン変性タンニン(表1)、架橋剤として市販の水溶性ブロックイソシアネート(商品名エラストロンH38:第一工業製薬(株)製)、及び鉄粉(試薬)、フッ化水素酸(試薬)、過酸化水素水(試薬)、及びフッ化セリウム(試薬)を用いて調整した表2に示す自己析出被膜処理浴に浸漬した後、スプレー装置を用いてイオン交換水で洗浄し、次いで180℃×20分間焼き付けを行った。なお、表2中のフッ化物粒子の濃度は、自己析出被膜処理用表面処理液中の固形分に対する質量%を示。さらに、市販のアミノアルキッド系中塗り塗装(商品名アミラックTP-37グレー:関西ペイント(株)製、膜厚35μm、スプレー塗装、140℃で20分間焼き付け)、及び市販のアミノアルキッド系上塗り塗装(商品名アミラックTM-13白:関西ペイント(株)製、膜厚35μm、スプレー塗装、140℃で20分間焼き付け)を行った。各々の実施例および比較例で得られた被覆金属材料を後述する方法に従って評価した。
(自己析出被膜処理金属材料の膜厚評価)
実施例、及び比較例における供試板の被膜厚を電磁式膜厚計(フィッシャースコープMMS:FISCHER製)を用いて測定した。
(自己析出被覆材料の性能評価)
実施例、及び比較例の性能評価を行った。評価項目と略号を以下に示す。尚、焼き付け完了後の自己析出被膜を自己析出被膜、中塗り塗装、上塗り塗装後に焼き付けまでを行った塗膜を3caots塗膜と称することとする。
(1)SST:塩水噴霧試験(自己析出塗膜)
(2)SDT:塩温水試験(自己析出塗膜)
(3)1STADH:1次密着性(3caots塗膜)
(4)2ndADH:耐水2次密着性(3caots塗膜)
・SST
鋭利なカッターでクロスカットを入れた自己析出塗膜板に5質量%塩水を1000時間噴霧(JIS−Z−2371に準ずる)した。噴霧終了後にクロスカットからの両側最大ふくれ幅を測定した。
・SDT
鋭利なカッターでクロスカットを入れた自己析出塗膜板を、50℃に昇温した5質量%のNaCl水溶液に240時間浸漬した。浸漬終了後に水道水で水洗→常温乾燥したクロスカット部を粘着テープで剥離し、塗膜の両側最大剥離幅を測定した。
・1STADH
3coats塗膜に鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切った。碁盤目部を粘着テープで剥離し、碁盤目の残存個数を数えた。
3coats塗装板を40℃の脱イオン水に240時間浸漬した。浸漬後に鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切った。碁盤目部を粘着テープで剥離し、碁盤目の残存個数を数えた。
表3に実施例1〜9、および比較例1〜4で得られた自己析出被膜の評価結果を示した。実施例1〜9は、全ての水準において均一な外観が得られ、かつ耐食性も優れていた。
実施例1〜9に比べて、タンニンとアミン化合物の固形分質量反応比におけるアミン化合物の比率が低い比較例1は、得られた膜厚が低く、密着性は得られたものの耐食性は劣る結果であった。
実施例1〜9に比べて、タンニンとアミン化合物の固形分質量反応比におけるアミン化合物の比率が高い比較例2は、自己析出被膜処理用表面処理液がゲル化したため、耐食性評価を行わなかった。
実施例1〜9に比べて、アミン変性タンニンと架橋剤の固形分質量濃度比における架橋剤の濃度が高い比較例3は、得られた膜厚が低く密着性は得られたものの、耐食性は劣る結果であった。
比較例4では、自己析出被膜は得られたが、架橋剤を使用していなかったため膜厚が低く、外観も不均一であり、かつ耐食性、密着性も劣る結果であった。
以上より、本発明の効果は明らかである。
Figure 2011117026
Figure 2011117026
Figure 2011117026
本発明の金属材料の用途は、特に限定されないが、自動車車体や自動車部品、スチール家具、家電製品、電子部品、磁性材料、および金属やゴムなどの接着下地等であり、各々の用途に応じて本発明の自己析出被膜のみの状態か、溶剤塗装等の他の上塗り塗装と組み合せて使用することができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも1種のアミン変性タンニンと、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はフェノール核と熱硬化反応可能な架橋基を有する少なくとも1種の架橋剤と、第二鉄イオンと、溶解型フッ素元素と、酸化剤とを含むpH2〜6の水溶液であって、前記アミン変性タンニンと前記架橋剤との固形分質量濃度比が1:1から1:10の範囲であり、前記溶解型フッ素元素のモル濃度が前記第二鉄イオンの少なくとも3倍であり、
    前記少なくとも1種のアミン変性タンニンが、タンニン、アミン化合物及びホルムアルデヒドを反応させることにより得られるアミン変性タンニンであり、前記タンニンと前記アミン化合物とを固形分質量比、1.0:0.15から1.0:1.0の範囲で反応させたものであることを特徴とする、金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
  2. 前記アミン化合物が下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
    Figure 2011117026

    (式中、RおよびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ジアルコキシシリルアルキル基、トリアルコキシシリルアルキル基、アセチル基またはアルキルカルボニル基であり、R1、R2は互いに結合してモルホリノ基を形成していてもよい。)
  3. 前記少なくとも1種の架橋剤の熱硬化反応可能な架橋基が、イソシアネート基である、請求項1または2に記載の金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
  4. 前記少なくとも1種の架橋剤が、1モルのポリオールに対して、予め一方のイソシアネート基がブロック剤でブロックされた少なくとも2モルのポリイソシアネートを付加した多官能ブロックイソシアネートである、請求項3に記載の金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
  5. 前記少なくとも1種の架橋剤中のポリオールが、少なくとも一分子のビスフェノールA構造を有することを特徴とする、請求項4に記載の金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
  6. 前記アミン変性タンニンの少なくとも1種の濃度が水溶液中の固形分濃度として1〜5質量%であることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
  7. 酸化剤が過塩素酸、次亜塩素酸、溶存酸素、オゾン、過マンガン酸、過酸化水素から選ばれる少なくとも一種である、請求項1から6の何れかに一項に記載の金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液。
  8. 白金電極で測定される酸化還元電位が、300から500mVであることを特徴とする、請求項7に記載の自己析出被膜用表面処理液。
  9. 予め脱脂、水洗処理によって表面を清浄化した金属材料を、請求項1から8の何れか一項に記載された表面処理液と接触させた後、さらに水洗工程で該金属材料表面に付着した余剰な前記処理液を除去し、次いで焼き付け処理を行うことによって被膜を熱硬化させることを特徴とする金属材料の自己析出被膜処理方法。
  10. 前記金属材料が鉄系金属材料であることを特徴とする、請求項9に記載の自己析出被膜処理方法。
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