JP2009520827A - 肺内沈着の増大を有するコルチコステロイドを送達するためのシステムおよび方法 - Google Patents

肺内沈着の増大を有するコルチコステロイドを送達するためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、(1)コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入型水性混合物、ならびに(2)吸入型ネブライザを備え、ネブライザによる該コルチコステロイド含有水性混合物の送達により、慣用的な吸入型療法剤と比較したときのコルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上をもたらす、コルチコステロイドの送達のための方法およびシステムに関する。この組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、かつコルチコステロイド以外の活性な医薬品を実質的に含まない。

Description

発明の分野
本発明は、(1)コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入型水性混合物、ならびに(2)吸入型ネブライザを備え、ネブライザによる該コルチコステロイド含有水性混合物の送達により、慣用的な吸入型療法剤と比較したときのコルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上および/または肺内沈着の増大をもたらす、コルチコステロイドの送達のための方法およびシステムに関する。
発明の背景
吸入コルチコステロイドは、持続性喘息の長期マネージメントに対して基本であり、喘息と診断された若年小児の治療法に対する米国内(national)ガイドラインに推奨されている。数多くの臨床試験により、小児に対するその有効性および比較的安全であることが裏付けられている。また、早期のコルチコステロイド介入は、永続的な肺損傷の低減および該疾患の慢性かつ進行性の性質の改変に重要な役割を果たし得ると考えられている。
喘息の処置における吸入コルチコステロイドの使用は、作用部位である肺(本明細書で用いる場合、「肺」は、右および左いずれかまたは両方の肺器官をいう)への直接送達による相当な有益性を提供する。吸入コルチコステロイド療法の目的は、作用部位において即効的薬物活性を有するコルチコステロイドの限局的送達を提供することである。吸入コルチコステロイドは、肺から良好に吸収されることが知られている。実際、肺内の受容体部位で利用可能な薬物の実質的に全部が吸収されると想定され得る。しかしながら、また、現行の方法および製剤では、吸入コルチコステロイド用量の大部分が嚥下され、経口吸収に利用され得るようになることも知られている。したがって、使用される具体的な方法またはシステムにより、一部のコルチコステロイドは肺よりも口および喉に沈着されやすくなり、有害効果が引き起こされ得る。吸入コルチコステロイド用量の経口送達部分では、バイオアベイラビリティは、GI管からの吸収および肝臓での初回通過代謝の程度に依存する。コルチコステロイド薬物送達のこの経口成分は、なんら有益な治療効果をもたらさず、全身性副作用のリスクを増大させるため、吸入コルチコステロイドの経口バイオアベイラビリティは比較的低いことが望ましい。したがって、吸入コルチコステロイドでは、肺が標的器官であるため、高い肺内利用可能性が、高い経口バイオアベイラビリティよりも重要である。
そのため、高い肺内利用可能性を有するコルチコステロイドを提供する送達の方法またはシステムは、肺内でプラスの効果を発揮する可能性が大きくなる。吸入コルチコステロイドを提供する理想的なシステムにより、最小限の経口送達および投与回数の低減がもたらされ得、それにより、全身性有害効果の尤度が低減され得る。
しかしながら、残念なことに、吸入によるコルチコステロイドの送達では、多くの場合、気道から離れた部分、例えば、口、喉および食道へのコルチコステロイドの沈着がもたらされる。一般的に、コルチコステロイドの粒径が小さいほど、より長時間、該粒子が空気中に懸濁した状態で残存し、さらに気道の下方まで薬物が送達され得る。コルチコステロイドは、ネブライザ、定量吸入器または乾燥粉末吸入器を用いて、吸入により送達される。コルチコステロイドの肺内送達の他の方法に対するネブライザの主な利点は、ネブライザが、他の方法と比べて、より効率的により高用量の投薬物を送達し得ることである。しかしながら、ネブライザに関する主な懸案事項は、コストの増大、携帯性が低いこと、ならびに事前に投薬物を調製する必要がある不便さ、および処置を施すことに対する時間要件が大きいことである。したがって、噴霧化によるコルチコステロイドなどの薬物の送達を改善する方法が所望されている。
粒径および製剤の両方が、吸入コルチコステロイドの有効性に影響を及ぼす。薬物の製剤は、肺への該薬物の送達に有意な影響を有し、したがって、その有効性に有意な影響を有する。さらに、肺への薬物送達における最も重要な考慮事項は、エーロゾル輸送手段および送達される粒子の大きさであると考えられている。
薬物粒子の吸入は、溶存薬物とは反対に、不都合であることが知られている。非特許文献1により、肺気道および鼻道を覆う粘液表層上に沈着する溶解度の低い粒子は、線毛によって咽頭の方に移動することが報告されている。かかる粒子としては大きな薬物粒子が挙げられ、これは、上気道内に沈着される。鼻腔および肺からの粘液、細胞および残屑が咽頭で一緒になると、唾液と混合され、嚥下されると胃腸管に侵入する。報告によると、この機構により、粒子は、数分〜数時間の半減期で肺から除去される。したがって、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)などの低速溶解性薬物の可溶化にはほとんど時間がかからない。対照的に、肺胞などの線毛のない区画内に沈着された粒子は、ずっと長い滞留時間を有する。深部肺内沈着用のコルチコステロイドの非常に小さな粒子を作製することは困難であるため、この吸入された懸濁物の大部分は、上気道および中気道に見出される可能性がある。しかしながら、溶液から小さな液滴を作製することは、固形物の懸濁物を作製することより、ずっと容易である。
ブデソニド、ブチルアルデヒドとの(R,S)−llβ、16α、17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンの環状16,17−アセタール(C25;MW:430.5)は、特に、気管支の障害の処置に使用されている。ブデソニドは、2つのジアステレオマー22Rおよび22Sの混合物からなるラセミ化合物であり、2つの異性体(22Rおよび22S)の混合物として市販されている。これは、強力なグルココルチコイド活性を示す抗炎症コルチコステロイドとして作用する。ブデソニドの投与は、喘息の維持処置のため、および小児における予防療法として指示される。
その親油性のため、ブデソニドならびに他の親油性コルチコステロイドは、事実上、水に不溶性であるが、アルコールには易可溶性である。充分な量の活性物質は、可溶化剤(例えば、有機系の水溶性アルコールなど)の使用によって溶解され得る。しかしながら、このようにして得られる溶液は、大量の活性物質が短時間の間に崩壊し得るため、一般的に、医薬用途のための安定性が限定的である。
市販のブデソニド製剤は、AstraZeneca LP(Wilmington、DE)によって商標Entocort(登録商標)EC、Pulmicort Respules(登録商標)、Rhinocort(登録商標)Aqua、Rhinocort(登録商標)Nasal Inhaler and Pulmicort(登録商標)Turbuhaler、およびその一般名で販売されている。Pulmicort Respules(登録商標)は、微粉化ブデソニドの滅菌水性懸濁物であり、ネブライザ、特に、圧縮空気駆動型ジェットネブライザを用いて吸入により投与される。Rhinocort(登録商標)Nasal Inhalerは、微粉化ブデソニドの懸濁物を噴射剤混合物中に含む定量加圧エーロゾルユニットである。Rhinocort(登録商標)Aquaは、微粉化ブデソニドの懸濁物を水性媒体中に含む、無香性の定量手動式ポンプスプレー製剤である。また、ブデソニドの懸濁物製剤は、分散および再分散時に急速に粗浮氷を形成する傾向を有し、これは、投薬量の再現性に悪影響を及ぼし得る。また、ブデソニドは、懸濁物から容器の壁面上に沈着する傾向がある。
したがって、コルチコステロイドを含む非懸濁製剤を噴霧化によって送達するためのシステムおよび方法の必要性が存在する。しかしながら、この必要性に鑑みても、Pulmicort Respule(登録商標)懸濁物は、吸入療法によるブデソニドを用いた小児喘息の処置のための、現在承認された唯一の治療法である。また、ブデソニド以外のコルチコステロイドのための組成物、方法およびシステムの利用可能性も同様に必要とされている。したがって、コルチコステロイドを含有する懸濁物単位用量製剤の薬物動態学的プロフィールと比べて、送達されるコルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上および/または肺内沈着の増大をもたらす方法またはシステムを提供することは、コルチコステロイド吸入療法の分野に対して相当な前進となり得る。
Brainら、Bronchial Asthma、第2版、E.B.Weisら編、Little Brown & Co.(1985)、pp.594−603
発明の要旨[特許請求の範囲が最終的である場合に確定する]
発明の詳細な説明
次に、本明細書に開示された吸入可能な組成物、システムおよび方法の実施形態について、詳細に記載する。実施形態の例は、以下の実施例のセクションで説明する。
特に記載のない限り、すべての本明細書で用いる科学技術用語は、本明細書に記載の発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で言及したすべての特許および特許公開公報は、参考として本明細書に援用される。
特定の定義
本明細書で用いる場合、用語「を含む(comprising)」、「挙げられる(including)」、「など(such as)」および「例えば(for example)」は、開放的で非限定的な意味で用いる。
用語「約」は、用語「ほぼ」と同義的に用いる。当業者には理解され得るように、「約」の正確な境界は、その組成物の成分または他のパラメータに依存する。例示的には、特定のある治療上有効な医薬用量に関する用語「約」の使用は、記載の値からわずかに外側の値、すなわち、+または−0.1%〜10%の値もまた有効で安全であることを示す。
「同じ条件下で投与」または「同じ条件下」は、本明細書で用いる場合、1つ以上の同じコルチコステロイド投与条件を有するコルチコステロイド送達のための2つ以上の方法および/またはシステムをいう。投与条件は、限定されないが、投与されるコルチコステロイド、コルチコステロイドの送達経路、投与時間、被験体に投与される名目投薬量、投与される投薬回数、投与される用量の容積、およびコルチコステロイドの送達に使用されるネブライザの型、または上記の投与条件の任意の組合せからなる群より選択されるものであり得る。一部のある実施形態において、「同じ条件下」は、投与されるコルチコステロイドが同じであることを意味するものであり得る。他の実施形態において、「同じ条件下」は、コルチコステロイドの送達経路が同じであることを意味するものであり得る。また他の実施形態において、「同じ条件下」は、コルチコステロイドの投与時間が同じであることを意味する。さらに他の実施形態において、「同じ条件下」は、被験体に投与されるコルチコステロイドの名目投薬量が同じであることを意味する。またさらに他の実施形態において、「同じ条件下」は、投与される投薬回数が同じであることを意味する。他の実施形態において、「同じ条件下」は、コルチコステロイドの投与時間は同じであるが、コルチコステロイドの名目投薬量が異なることを意味するものであり得る。さらに他の(stillother)実施形態において、「同じ条件下」は、投与されるコルチコステロイドは同じであるが、コルチコステロイドの名目投薬量が異なることを意味するものであり得る。またさらに他の実施形態において、「同じ条件下」は、投与されるコルチコステロイドは同じであるが、コルチコステロイドの名目投薬量およびコルチコステロイドの送達に使用されるネブライザの型が異なることを意味するものであり得る。さらにまた他の(yetother)実施形態において、「同じ条件下」は、コルチコステロイドの名目投薬量は同じであるが、コルチコステロイドの投与時間が異なることを意味するものであり得る。他の実施形態において、「同じ条件下」は、コルチコステロイドの名目投薬量は同じであるが、コルチコステロイドの送達に使用されるネブライザの型および送達時間が異なることを意味するものであり得る。さらに他の実施形態において、「同じ条件下」は、投与されるコルチコステロイドは同じであるが、名目投薬量、コルチコステロイドの送達に使用されるネブライザの型、および投与時間が異なることを意味するものであり得る。
「バイオアベイラビリティ」は、ブデソニドなどのコルチコステロイドの用量のうちの、試験対象の動物またはヒトの全身循環中に送達される重量パーセントをいう。静脈内投与したときの薬物の全身曝露量(total exposure)(AUC(0〜∞))が、通常、100%生体利用可能(Bioavailable)(F%)と規定される。
「血漿濃度」は、被験体または患者集団の血液の血漿成分中のブデソニドなどのコルチコステロイドの濃度をいう。血漿ブデソニドなどのコルチコステロイドの濃度は、代謝に関する多様性および/または他の治療用薬剤との相互作用の可能性のため、被験体間で有意に異なり得ることは理解されよう。本発明の一態様によれば、血漿ブデソニドなどのコルチコステロイドの濃度は、被験体毎に異なり得る。同様に、最大血漿濃度(Cmax)または最大血漿濃度(Tmax)に達する時間または時間0から最後の測定可能な濃度の時間(AUClast)までの曲線下面積または全血漿濃度時間曲線下面積(AUC(0〜∞))などの値は、被験体毎に異なり得る。この多様性のため、ブデソニドなどのコルチコステロイドの「治療有効量」を構成するのに必要な量は、被験体毎に異なり得る。
「気管支収縮性障害」は、本明細書で用いる場合、気管支の収縮または狭小が身体に現れたものであり得る任意の疾患または状態をいう。気管支収縮性障害の例としては、限定されないが、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、および気腫が挙げられる。
「慣用的な吸入型コルチコステロイド療法」または「コルチコステロイド含有(を含む)吸入可能な懸濁物」は、本明細書で用いる場合、入手可能な懸濁物系コルチコステロイド製剤、例えば、市販のPulmicort(登録商標)Respules(ブデソニド懸濁物)を、ネブライザ(好ましくは、ジェットネブライザ、例えば、Pari LC Jet Plus ネブライザ)との組合せで、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)あるいは他の気管支収縮性障害の処置のために、所与の被験体、集団(1つもしくは複数)に対する治療有効投薬量または当業者にはわかる慣用的な投薬量(例えば、上記の市販製剤Pulmicort(登録商標)Respulesでは、約500μg/日〜2000μg/日)で使用することをいう。特に、好ましいブデソニドの懸濁物比較対象は、Pulmicort(登録商標)Respulesであり、これは、単位用量アンプル内の2ml容積の水相中に懸濁された250μgのブデソニドまたは単位用量アンプル内の2ml容積の水相中に懸濁された500μgのブデソニドのいずれかを含む市販のブデソニド懸濁物である。さらなる懸濁物系コルチコステロイド調製物としては、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(Clenil(登録商標))およびプロピオン酸フルチカゾン(Flixotide(登録商標))が挙げられ、ここで、該懸濁物系コルチコステロイド調製物は、吸入ネブライザによって、治療有効投薬量または当業者にはわかる慣用的な投薬量で投与される。
「薬物吸収」または「吸収」は、典型的には、薬物送達部位から関門を通過して血管内または作用部位内への薬物の移動のプロセスをいい、例えば、薬物が肺胞の肺毛細血管床内に吸収されることをいう。
「等しい」または「相当する」は、本明細書で用いる場合、実質的に同じ値を有する2つ以上のパラメータまたは値をいう。当業者には認識されるように、「等しい」または「相当する」の正確な境界は、解析される具体的なパラメータまたは値に依存する。例示的には、用語「等しい」または「相当する」の使用は、本明細書で用いる場合、記載の値からわずかに外側の値、すなわち、+または−0.1%〜25%を包含する。例えば、本発明との関連において、578.2(pg/ml)のCmaxは、556.74pg/mlのCmaxと等しい。同様に、別の例において、1195.3(pg/ml)のCmaxは、1114.83pg/mlのCmaxと等しい。
「吸入ネブライザ」は、本明細書で用いる場合、投薬物、組成物、製剤、懸濁物および混合物などを、肺への送達のために微細なミストに変えるデバイスをいう。
「吸入水性混合物」、「水性吸入混合物」または「吸入可能な組成物」は、本明細書で用いる場合、一般的に、懸濁液以外の活性薬剤の吸入送達のための任意の水性(一部水性を含む)の投薬形態をいう。好適な水性混合物または吸入可能な組成物の例としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ粒子の分散液、ナノ粒子の懸濁液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル液、およびリポソーム液が挙げられる。また、他の好適な吸入水性混合物としては、溶解度向上剤が添加され、最初の懸濁液の少なくとも一部の溶解度が増大した懸濁液が挙げられる。
本発明の一部の実施形態において、「吸入水性混合物」、「水性吸入混合物」または「吸入可能な組成物」は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁液を含まない。他の実施形態において、「吸入水性混合物」、「水性吸入混合物」または「吸入可能な組成物」は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、「吸入水性混合物」、「水性吸入混合物」または「吸入可能な組成物」は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁液、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、「吸入可能な組成物」としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
「局所バイオアベイラビリティ」は、薬理剤の総用量のうちの、該薬剤が患者に、ある特定の送達経路によって投与されたときの該薬剤の薬理活性部位での生体利用可能な割合をいう。局所バイオアベイラビリティは、全身性のバイオアベイラビリティ(これは、投与された薬理剤の総用量のうちの、患者の全身循環に達する割合である)と対比されるものである。非限定的な一例として、吸入により送達される薬剤の局所バイオアベイラビリティは、吸入された薬剤の総用量のうちの、吸入送達経路による投与の際に肺に送達される割合をいう。
「名目投薬量」は、本明細書で用いる場合、薬学的に活性薬剤を含む吸入型投薬形態の投与前の吸入型投薬形態内に存在する薬学的に活性薬剤(例えば、コルチコステロイド)の総量をいう。したがって、非限定的な一例として、ブデソニドを120μg/用量の名目投薬量で含む水性吸入混合物は、患者への水性吸入混合物の投与前に、ほぼ120μgのブデソニドを含む水性吸入混合物をいう。同様に、投与前に1000μgのコルチコステロイド(例えば、ブデソニド)を有する吸入可能な懸濁物を含む単位用量アンプルは、単位用量アンプルの全内容物が、患者への投与のための送達デバイス(例えば、ネブライザ(nebulize))内に入っている場合、本明細書で用いる名目投薬量約1000μg/用量を有するはずである。
「薬物動態」は、作用部位における薬物濃度の達成および維持を反映する要素をいう。
「薬物動態学的プロフィールの向上」とは、本明細書で用いる場合、一部のある実施形態において、ある1つの薬物製剤(試験製剤)が別の薬物製剤(参照製剤)と比べ、薬物作用部位で吸収または分布の増大を示す薬物動態学的プロフィールをいう。他の実施形態では、薬物動態学的プロフィールの向上は、水性吸入混合物を吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与したとき、吸入可能な懸濁物と比べて、水性吸入混合物の投与により、薬物作用部位で相当する吸収または分布がもたらされる(例えば、参照品に対して1:2の名目投薬量の試験製剤に相当する吸収が、薬物動態学的プロフィールの2倍の向上と等しい、1:3の名目投薬量での試験製剤に相当する吸収が、3倍の薬物動態学的プロフィールと等しい、1:4の名目投薬量での試験製剤に相当する吸収が、4倍の薬物動態学的プロフィールと等しいなど)場合に生じる。他の実施形態において、薬物動態学的プロフィールの向上は、水性吸入混合物を吸入可能な懸濁物と同じ名目投薬量で投与したとき、吸入可能な懸濁物と比べて、水性吸入混合物の投与により薬物作用部位で、より大きな吸収または分布がもたらされる場合に生じる。他の特定の実施形態において、薬物動態学的プロフィールの向上は、吸入可能な懸濁物と比べたときの、水性吸入混合物の薬物作用部位における吸収または分布の増大に基づいて定量され得る。例えば、特定の実施形態において、2倍の薬物動態学的プロフィールの向上は、水性吸入混合物の投与により、水性吸入混合物の薬物作用部位での吸収または分布の価値を表す数値が、吸入可能な懸濁物の薬物作用部位での吸収または分布の価値を表す数値の少なくとも2倍(2×)である薬物動態学的プロフィールが示される場合に生じる。一部のある実施形態において、吸入可能な懸濁物はPulmicort Respules(登録商標)であり得、これは、Pulmicort Respules(登録商標)市販品(AstraZeneca LP、Wilmington Delaware、USA)とともに内包された添付文書に記載のような薬物動態学的プロフィールを示す。
本発明の一部の実施形態において、「肺内沈着の増進」は、本明細書で用いる場合、ある1つの薬物製剤(例えば、水性吸入混合物)が、別の薬物製剤(例えば、吸入可能な懸濁物)と比べて肺内沈着総量の増大を示す化合物の肺内沈着をいう。本発明の一部のある実施形態では、「肺内沈着の増進」は、本明細書で用いる場合、ある1つの薬物製剤(例えば、水性吸入混合物)が、別の薬物製剤(例えば、吸入可能な懸濁物)よりも少ない名目投薬量で投与されたとき、吸入可能な懸濁物と比べ、水性吸入混合物により、実質的に相当する肺内沈着総量を示す化合物の肺内沈着をいう。一部のある実施形態において、吸入可能な懸濁物はPulmicort(登録商標)Respulesであり得る。
本明細書で用いる場合、「呼吸用画分(respirable fraction)」は、ネブライザまたはネブライザのマウスピースから出ていく空気力学的直径が約5μm未満の薬物含有粒子の質量分率をいう。呼吸用画分は、ネブライザ内部の名目用量ではなく、ネブライザから出ていく薬物の用量に関する。
「溶解度向上剤」は、本明細書で用いる場合、化学薬品の作用を伴う、または伴わない溶解度の向上をもたらす方法を包含する。特定の実施形態において、「溶解度向上剤」は、溶媒中の第2の化学薬品化合物(例えば、活性成分)の可溶性を増大させる化学薬品をいうものであり得る。また、他の実施形態において、化学薬品は第2の化学薬品化合物のための溶媒であり得る。さらに他の実施形態において、化学薬品は、第2の化学薬品化合物のための溶媒ではない。また他の実施形態において、「溶解度向上剤」は、可溶性を増大させる手段としての化学薬品の作用なしで可溶性の向上をもたらす製剤化方法、例えば、溶媒中に分散させるナノ粒子を作製するための超臨界流体作製法の使用をいうものであり得る。
「実質的に含まない」は、本明細書で用いる場合、一部のある実施形態において、単一の治療活性薬剤を含む組成物または混合物をいう。特定の実施形態において、「実質的に含まない」は、単一の治療活性薬剤を含む組成物または混合物であって、測定可能な量の第2の薬学的に活性薬剤を含まない、または治療活性をもたらすのに充分な量の第2の薬学的に活性薬剤を含まない組成物または混合物をいう。
「治療有効量」または「有効量」は、薬理効果を達成する医薬用薬剤の量である。用語「治療有効量」には、例えば、予防有効量が含まれる。ブデソニドなどのコルチコステロイドの「有効量」は、過度の有害副作用なく、所望の薬理効果または治療的改善を得るのに有効な量である。ブデソニドなどのコルチコステロイドの有効量は、具体的な患者および疾患レベルに応じて、当業者により選択される。「有効(effect)量」または「治療有効量」は、ブデソニドなどのコルチコステロイドの代謝における変動、被験体の年齢、体重、一般状態、処置対象の状態、処置対象の状態の重症度、処方担当医の判断により、被験体毎、および集団毎に異なり得ることは理解されよう。
「処置する」または「処置」は、気管支収縮性障害との関連において用いる場合、気管支の収縮に関連する障害または疾患の任意の処置、例えば、該障害または疾患に対する素因を有するかもしれないが、該障害または疾患を有するとまだ診断されていない被験体において、該障害または疾患の発症を予防すること;該障害または疾患を抑制すること(例えば、該障害または疾患の発生を停止させること)、該障害または疾患を緩和すること、該障害または疾患の後退を引き起こすこと、該疾患または障害によって引き起こされる状態を緩和すること、または該疾患または障害の症状を抑止することなどをいう。したがって、本明細書で用いる場合、用語「処置」は、用語「予防(prophylaxisまたはprevention)」と同義的に用いる。
I.肺内沈着の増進をもたらすコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物
本発明は、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および懸濁物の形態で吸入により投与されるコルチコステロイドと比べ、送達されるコルチコステロイドの肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物を提供する。好ましい実施形態において、本明細書に記載の吸入可能な組成物は、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、送達されるコルチコステロイドの肺内沈着の増進を可能にするものであり得、さらに、とりわけ、局所治療効果をもたらすのに必要とされる投薬量を低減する手段を提供し得るものであり得る。同様に、溶媒および溶解度向上剤を有効量のコルチコステロイドに添加すること、ならびにネブライザを作動させて微粒子を作製することを含む、吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法が提供される。他の実施形態において、本明細書において提供される方法は、慣用的な治療剤と比べ、送達されるコルチコステロイドの肺内沈着の増進を可能にし、さらに、とりわけ、局所治療効果をもたらすのに必要とされる投薬量を低減する手段を提供する吸入可能な組成物を含む。
また、気管支収縮性障害、例えば、喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置のための方法およびシステムが提供され、これは、懸濁物の形態で吸入により投与されるコルチコステロイドと比べ、肺内沈着の増進を有するコルチコステロイドの送達を可能にし得る。本明細書に記載の方法およびシステムによる投与は、下記の利点:送達されるコルチコステロイドの肺内沈着の増大;局所治療効果をもたらすのに必要とされるコルチコステロイドの名目投薬量を低減させるための方法;有効用量のコルチコステロイドを投与するのに必要とされる時間を少なくするための方法;噴霧化されたコルチコステロイドの吸入を含む治療レジメンに関する患者のコンプライアンスを増大させるための方法;コルチコステロイドの送達を向上させる方法;肺(例えば、気管支および肺胞)内に沈着されるコルチコステロイド量を増大させるための方法;またはコルチコステロイドの吸入に伴う副作用を低減させる方法の1つ以上を提供する。
本発明の特定のある態様は、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物に関し、この組成物は、被験体にネブライザを介して投与すると、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約20%〜約55%、約20%〜約50%、または約20%〜約40%の肺内沈着(例えば、気管支および肺胞)を達成する。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、該組成物は、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約20%〜約55%の肺内沈着が達成され得るものである。他の実施形態において、該組成物は、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも25%〜約45%の肺内沈着が達成され得るものである。特定の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に対して、少なくとも約25%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に対して、少なくとも約30%の肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に対して、少なくとも約35%の肺内沈着が達成されるものである。またさらに他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に対して、少なくとも約40%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に対して、少なくとも約45%の肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に対して、少なくとも約55%の肺内沈着が達成されるものである。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のさらにより好ましい一実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の一部の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約250〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒、および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約60μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約120μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約125μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約240μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約500μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約40μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも15μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。他の特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約60μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも20μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約120μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも40μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。また他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約240μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも80μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。
特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約40μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも13μgのブデソニドの肺内沈着が達成され、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まないものであり得る。他の特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約60μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも20μgのブデソニドの肺内沈着が達成され、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まないものであり得る。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約120μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも40μgのブデソニドの肺内沈着が達成され、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まないものであり得る。また他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約240μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、被験体にネブライザを介して投与すると、少なくとも80μgのブデソニドの肺内沈着が達成され、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まないものであり得る。
一部のある実施形態において、適当なコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ粒子の分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョン、およびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物に有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン(fluclorolone)、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール(tixocortol)、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の一部のある実施形態において、吸入可能な組成物は溶媒を含むものである。特定の実施形態において、溶媒は、水、水性アルコール、プロピレングリコールまたは水性有機溶媒を含む群から選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の他の実施形態において、吸入可能な組成物は溶解度向上剤を含むものである。一部のある実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
本発明における使用に適した溶解度向上剤として作用する化学薬品としては、限定されないが、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、リン脂質、シクロデキストリンおよびその誘導体、ならびに表面改質剤および/または安定剤が挙げられる。他の実施形態において、溶解度向上剤は、可溶性を増大させる手段としての化学薬品の作用なしで可溶性の向上をもたらす製剤化方法、例えば、溶媒中に分散させるナノ粒子を作製するための超臨界流体作製法の使用をいう。
本明細書に記載の吸入可能な組成物における使用に適したさらなる溶解度向上剤は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,134,127号、同第5,145,684号、同第5,376,645号、同第6,241,969号ならびに米国特許出願公開第2005/0244339号および同第2005/0008707号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。また、適当な溶解度向上剤の例を以下に記載する。
本発明における使用のための好適なシクロデキストリンおよび誘導体は、当該技術分野において、例えば、Challaら、AAPS PharmSciTech 6(2):E329−E357(2005)、米国特許第5,134,127号、同第5,376,645号、同第5,874,418号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。一部のある実施形態において、本発明における使用のための好適なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体としては、限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、SAE−CD誘導体(例えば、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))およびSBE−γ−CD)(Cydex,Inc.Lenexa,KS)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(例えば、2−および3−ヒドロキシプロピル)ならびにジヒドロキシプロピルエーテル、その対応する混合エーテルおよびメチル基またはエチル基とのさらなる混合エーテル、例えば、α−、β−およびγ−シクロデキストリンのメチルヒドロキシエチル、エチル−ヒドロキシエチルおよびエチル−ヒドロキシプロピルエーテルなど;ならびにα−、β−およびγ−シクロデキストリンのマルトシル、グルコシルおよびマルトトリオシル誘導体(これは、1つ以上の糖残基、例えば、グルコシルまたはジグルコシル、マルトシルまたはジマルトシル、ならびにその種々の混合物、例えば、マルトシル誘導体とジマルトシル誘導体の混合物を含むものであり得る)が挙げられる。本明細書における使用のための具体的なシクロデキストリン誘導体としては、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、ジエチル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−エチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−ブチリル−O−シクロデキストリン、トリ−O−バレリル−β−シクロデキストリン、およびジ−O−ヘキサノイル−β−シクロデキストリン、ならびにメチル−β−シクロデキストリン、ならびにその混合物、例えば、マルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリンなどが挙げられる。かかるシクロデキストリン誘導体を調製するための手順は、例えば、米国特許第5,024,998号および引用によりそれに組み込まれた参考文献からよくわかる。本発明における使用に適した他のシクロデキストリンとしては、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、例えば、ORG 26054およびORG 25969など(ORGANON(AKZO−NOBEL))、ヒドロキシブテニルエーテル誘導体(EASTMAN)、スルホアルキル−ヒドロキシアルキルエーテル誘導体、スルホアルキル−アルキルエーテル誘導体、ならびに他の誘導体、例えば、米国特許出願公開第2002/0128468号、同第2004/0106575号、同第2004/0109888号および同第2004/0063663号、または米国特許第6,610,671号、同第6,479,467号、同第6,660,804号または同第6,509,323(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載のものなどが挙げられる。
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、Research Diagnostics Inc.(Flanders、NJ)から入手され得る。例示的なヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン製品としては、Encapsin(登録商標)(置換度約4)およびMolecusol(登録商標)(置換度約8)が挙げられる;しかしながら、他の置換度を含む実施形態もまた利用可能であり、本発明の範囲内である。
ジメチルシクロデキストリンはFLUKA Chemie(Buchs,CH)またはWacker(アイオワ州)から入手可能である。本発明における使用に適した他の誘導体化シクロデキストリンとしては、水溶性の誘導体化シクロデキストリンが挙げられる。例示的な水溶性誘導体化シクロデキストリンとしては、カルボキシル化誘導体;硫酸化誘導体;アルキル化誘導体;ヒドロキシアルキル化誘導体;メチル化誘導体;およびカルボキシ−β−シクロデキストリン(例えば、スクシニル−β−シクロデキストリン(SCD))が挙げられる。これらの物質はすべて、当該技術分野で知られた方法に従って作製され得るものおよび/または市販のものである。好適な誘導体化シクロデキストリンは、Modified Cyclodextrins:Scaffolds and Templates for Supramolecular Chemistry(編集Christopher J.Easton、Stephen F.Lincoln、Imperial College Press、ロンドン、UK、1999)およびNew Trends in Cyclodextrins and Derivatives(編集Dominique Duchene、Editions de Sante、Paris、France、1991)に開示されている。
本発明における使用に特に良好な生理学的適合性を有すると思われる非イオン界面活性剤の例は、チロキサポール、ポリソルベート、例えば、限定されないが、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)モノステアレート(商標Tween 20−40−60などで入手可能)、Polysorbate 80、Polyethylene glycol 400;ラウリル硫酸ナトリウム;ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート(商標Span 20−40−60などで入手可能)、塩化ベンザルコニウム、PPO−PEOブロックコポリマー(Pluronics)、Cremophor−EL、ビタミンE−TPGS(例えば、d−α−トコフェリル−ポリエチレングリコール−1000−スクシネート)、Solutol−HS−15、オレイン酸PEOエステル、ステアリン酸PEOエステル、Triton−X100、Nonidet P−40、およびマクロゴールヒドロキシステアレート(マクロゴール−15−ヒドロキシステアレートなど)である。
一部のある実施形態では、本発明における使用に適した非イオン界面活性剤をコルチコステロイドに配合し、リポソーム調製物、ミセルまたは混合ミセルを形成する。リポソームおよびリポソーム調製物の調製および特性評価のための方法は、当該技術分野で知られている。多くの場合、両親媒性の脂質が水和されると多層小胞が自発的に形成されるが、小さな単層小胞の形成には、通常、相当なエネルギー入力を伴うプロセス(例えば、超音波処理または高圧ホモジネーションなど)が必要とされる。リポソームの調製および特性評価のためのさらなる方法は、例えば、S.Vemuriら(Preparation and characterization of liposomes as therapuetic delivery systems:a review.Pharm Acta Helv.1995、70(2):95−111)および米国特許5,019,394号、同第5,192,228号、同第5,882,679号、同第6,656,497号(これらは各々、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
場合によっては、例えば、ミセルまたは混合ミセルは界面活性剤によって形成され得、この場合、可溶性の不充分な活性薬剤が可溶化され得る。一般に、ミセルは、界面活性剤などの両親媒性分子の自発的および動的会合によって形成される実質的に球形の構造体と理解されている。混合ミセルは、異なる型の両親媒性の分子で構成されたミセルである。ミセルおよび混合ミセルはともに、その構造、特性および挙動が固形物と非常に異なるため、固形粒子と理解されるべきではない。ミセルを形成する両親媒性の分子は、通常、一時的に会合している。ミセル溶液では、ミセル形成性両親媒性物質と単分子分散両親媒性物質(これもその溶液中に存在する)との間で動的な分子交換がある。かかるミセルまたは混合ミセル中に可溶化される薬物分子の部分は、これらの分子の構造ならびに使用される界面活性剤に依存する。例えば、特に無極性分子は主にコロイド構造内部に局在するが、極性物質は該構造の表面上に見られる可能性が高いと想定される。ミセル溶液または混合ミセル溶液の一実施形態において、ミセルの平均サイズは、約200nm未満(光子相関分光測光法によって測定)、例えば、約10nm〜約100nmなどであり得る。約10nm〜約50nmの平均直径を有するミセルが特に好ましい。ミセルおよび混合ミセルの作製方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,747,066号および同第6,906,042号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
リン脂質は、リンを含有する両親媒性物質の脂質と規定される。ホスファチジン酸から化学的に誘導されたリン脂質が広く存在し、また、製薬目的に一般に使用されている。この酸は、通常、(二重)アセチル化グリセロール−3−ホスフェート(その脂肪酸残基が異なる長さであり得る)である。ホスファチジン酸の誘導体としては、例えば、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン(リン酸基がコリンでさらにエステル化されている)、さらに、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールなどが挙げられる。レシチンは、通常、高比率のホスファチジルコリンを有する種々のリン脂質の天然の混合物である。具体的なレシチンの供給源ならびにその抽出および/または富化方法に応じて、このような混合物は、有意な量のステロール、脂肪酸、トリグリセリドおよび他の物質もまた含むものであり得る。
その生理学的特性のため吸入による送達に適したさらなるリン脂質には、特に、天然の供給源(大豆(soja bean/soy bean)もしくはニワトリの卵黄など)からレシチンの形態で、好ましくは水素添加形態で抽出された、および/またはリゾレシチンから遊離されたリン脂質混合物、ならびに精製、富化または部分合成により調製されたリン脂質(好ましくは、飽和脂肪酸エステルを用いて)が含まれる。リン脂質混合物のうち、レシチンが特に好ましい。富化または部分合成により調製された中鎖から長鎖の両性イオンリン脂質は、主として、アシル鎖内に不飽和結合がなく、リゾレシチンおよび過酸化物がないものである。富化された、または純粋な化合物の例は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)である。これらのうち、DMPCが、現時点でより好ましい。あるいはまた、オレイル残基を有するリン脂質およびコリン残基をもたないホスファチジルグリセロールが、本発明の一部のある実施形態および適用用途に適する。
一部のある実施形態では、本発明における使用に適した非イオン界面活性剤およびリン脂質をコルチコステロイドに配合し、コロイド構造を形成する。コロイド溶液は、コロイド溶液中に分散されたコロイド状の物質が、固形物質に通常伴う測定可能な物性をもたない単相系と規定される。コロイド状分散液の作製方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第6,653,319号(これは、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
本発明における使用のための好適な表面改質剤は、当該技術分野において、例えば、米国特許第5,145,684号、同第5,510,118号、同第5,565,188号、および同第6,264,922号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。本発明における使用に適した表面改質剤および/または表面安定剤の例としては、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化性ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweenTM、例えば、Tween 20TMおよびTween 80TM(ICI Specialty Chemicals))、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowaxs 3550TMおよび934TM(Union Carbide))、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状の二酸化ケイ素、リン酸塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオンおよびトリトンとしても知られる)、ポロキサマー(例えば、Pluronic F68TMおよびF108TM、これらは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、ポロキサミン(例えば、Tetronic 908TM、Poloxamine 908TMとしても知られ、これは、エチレンジアミンへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの逐次付加により誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Wyandotte Corporation、Parsippany、N.J.))、Tetronic 1508TM(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation)、Tritons X−200TM(これは、アルキルアリールポリエーテルスルホネートである)(Rohm and Haas)、Crodestas F−100TM(これは、スクロースステアレートとスクロースジステアレートの混合物である)(Croda Inc.)、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)(Olin−10GTMまたはSurfactant 10TMとしても知られる)(Olin Chemicals、Stamford、Conn.)、Crodestas SL−40.RTM.(Croda,Inc.)、およびSA9OHCO(これは、C18H37CH2(CON(CH3)−CH2(CHOH)4(CH2OH)2である)(Eastman Kodak Co.)、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−β−D−グルコピラノシド、n−デシル−β−D−マルトピラノシド、n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ノイル−β−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチル β−D−チオグルコピラノシド、PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのランダムコポリマーなど(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウムおよびスルホコハク酸ジオクチルナトリウム)が挙げられる。
他の有用なカチオン系安定剤としては、限定されないが、カチオン系脂質、スルホニウム、ホスホニウムおよび第4級アンモニウム化合物、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロライド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロライドまたはブロミド、N−アルキル(C12〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−アルキル(C14〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−テトラデシリドメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロライド、N−アルキルおよび(C12〜14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムハライド、アルキルトリメチルアンモニウム塩およびジアルキルジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、エトキシ化アルキル(alky)アミドアルキルジアルキルアンモニウム塩および/またはエトキシ化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロライド、N−ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、N−アルキル(C12〜14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロライドおよびドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジル−ジメチルアンモニウムブロミド、C12、C15、C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジル−トリエチルアンモニウムクロライド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(ALlQUAT 336TM)、POLYQUAT 10TM、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジル−トリメチルアンモニウムブロミドなど、コリンエステル(脂肪酸のコリンエステルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアラルコニウム化合物(塩化ステアリルトリモニウムおよび塩化ジステアリルジモニウムなど)、セチルピリジニウムブロミドまたはクロリド、4級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、MirapolTMおよびALKAQUATTM(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩、アミン(アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびビニルピリジンなど)、アミン塩(ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルピリジニウム塩およびアルキルイミダゾリウム塩ならびにアミンオキシドなど)、イミドアゾリニウム塩、プロトン化第4級アクリルアミド、メチル化第4級ポリマー(ポリ[ジアリジメチルアンモニウムクロライド]およびポリ−[N−メチルビニルピリジニウムクロリド]など)、ならびにカチオン系グアールなどが挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、特定の実施形態において、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(Supercritical Fluids)(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(Rapid Expansion of Supercritical Solutions)(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(Solution Enhanced Dispersion of Supercritical fluids)(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。これらの方法により、選択された方法およびパラメータに応じて異なる形態を有するミクロンサイズおよびミクロン未満のサイズの粒子の形成が可能になる。また、このようなナノ粒子は、噴霧乾燥、凍結乾燥、体積排除(volume exclusion)、および任意の他の慣用的な粒子縮小法によって加工され得る。
さらにまた、ナノメートルサイズの粒子の作製方法(例えば、SCF)によって、沈殿または凝縮中の粒子形成の条件を適切に調整することにより、所望の形態(例えば、非晶質、結晶性、分割されたラセミ体)の選択が可能となり得る。所望の粒子形態の選択の結果、選択した医薬の持続放出が達成され得る。このような粒子加工プロセスを用い、高い純度、低い表面不完全性、低い表面電荷および低い沈降速度を有するナノ粒子状物質が得られる。かかる粒子の特徴により、粒子の粘着、凝集が抑制され、また、液状分散液中での沈降が妨げられる。さらに、SCFなどのプロセスでは、ある種の医薬の異性体が分離され得るため、かかる分離が、該医薬の活性、有効性の増強ならびに極度の用量低減に寄与し得る。場合によっては、異性体の分離はまた、副作用の低減に寄与する。本発明の方法およびシステムにより、水性吸入混合物は、任意のプロセス、例えば、回収媒体中での直接的なSCF、噴霧乾燥、沈殿および体積排除によって粉末形態に加工された組成物となり得、従って、該微粒状化合物が、自動的に分散型製剤に作製される。一部のある実施形態において、この製剤は、最終的な製剤であり得る。
本発明の他の実施形態において、吸入可能な組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、ドパミン(D2)受容体作用薬、抗コリン作用剤および予防的治療薬からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものであり得る。本発明の一部の実施形態において、第2の治療用薬剤は、アルブテロール、レバルブテロールまたはその薬学的に許容され得る誘導体を含む群から選択されるβ2−アドレナリン作用性受容体作用薬である。
本明細書において提供される吸入可能な組成物における使用のためのβ2−アドレナリン作用性受容体作用薬としては、限定されないが、アルブテロール(α−1−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール);バンブテロール(ジメチルカルバミン酸5−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,3−フェニレンエステル);ビトルテロール(4−メチル安息香酸4−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,2−フェニレンエステル);ブロキサテロール(3−ブロモ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−5−イソキサゾールメタノール);イソプロテレノール(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル−)アミノ)エチル)−1,2−ベンゼン−ジオール);トリメトキノール(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−((3,4−,5−トリメトキシフェニル)−メチル)−6,7−イソキノリンジオール);クレンブテロール(4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−(((1,1−ジメチル(diemthyl)エチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);フェノテロール(5−(1−ヒドロキシ−2−((2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,3−ベンゼンジオール);フォルモテロール(2−ヒドロキシ−5−((l RS)−1−ヒドロキシ−2−(((l RS)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)ホルムアニリド);(R,R)−フォルモテロール;デスフォルモテロール((R,R)または(S,S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−(((2−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−エチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);ヘキソプレナリン(4,4’−(1,6−ヘキサン−ジイル)−ビス(イミノ(1−ヒドロキシ−2,1−エタンジイル)))ビス−1,2−ベンゼンジオール);イソエタリン(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)ブチル)−1,2−ベンゼンジオール);イソプレナリン(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,2−ベンゼンジオール);メタ−プロテレノール(5−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,3−ベンゼンジオール(d−iol));ピクメテロール(4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−(((6−(2−(2−ピリジニル)エトキシ)ヘキシル)−アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);ピルブテロール(α−6−(((1,1−ジメチルエチル)−アミノ)メチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ピリジンメタノール);プロカテロール(((R,S)−(+−)−8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)ブチル)−2(1H)キノリン−オン);レプロテロール((7−(3−((2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル)アミノ)−プロピル)−3,7−ジヒドロ−1,3−ジメチル−1H−プリン−2,6−ジオン);リミテロール(4−(ヒドロキシ−2−ピペリジニルメチル)−1,2−ベンゼンジオール);サルブタモール((+−)−α−1−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼン(b−enzene)ジメタノール);(R)−サルブタモール;サルメテロール((+−)−4−ヒドロキシ−α−1−(((6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル)−アミノ)メチル)−1,3−ベンゼンジメタノール);(R)−サルメテロール;テルブタリン(5−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,3−ベンゼンジオール);ツロブテロール(2−クロロ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);およびTA−2005(8−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−(N−((1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)カルボスチリル塩酸塩)が挙げられる。
硫酸アルブテロールであるα1[(tert−ブチルアミノ)メチル]−4−ヒドロキシ−m−キシレン−α,α’−ジオール硫酸塩(2:1)(塩)は、化学式(C13H21NO3)2・H2SO4を有する比較的選択的なβ2−アドレナリン作用性気管支拡張薬である。アルブテロール吸入エーロゾルは、可逆性閉塞性気道疾患を有する4歳以上の患者における気管支痙攣の予防および緩和、ならびに4歳以上の患者における運動誘発性気管支痙攣の予防に指示される。アルブテロール吸入溶液は、可逆性閉塞性気道疾患および気管支痙攣の急性発作を有する2歳以上の患者における気管支痙攣の緩和に指示される。
レバルブテロールHClである(R)−a1−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]メチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール塩酸塩は、化学式C13H21NO3・HClを有し、比較的選択的なβ2−アドレナリン作用性の受容体作用薬であり、薬物アルブテロールの(R)−エナンチオマーである。Xopenex(レバルブテロールHCl)Inhalation Solutionは、単位投薬バイアルで供給され、噴霧化による前に希釈を必要としない。各々3mLの単位投薬バイアルは、0.63mgのレバルブテロール(0.73mgのレバルブテロールHClとして)または1.25mgのレバルブテロール(1.44mgのレバルブテロールHClとして)のいずれか、張度を調整するための塩化ナトリウム、およびpHを4.0(3.3〜4.5)に調整するための硫酸を含む。Xopenex(レバルブテロールHCl)Inhalation Solutionは、可逆性閉塞性気道疾患を有する成人および12歳以上青年における気管支痙攣処置または予防に指示される。
ドパミン(D2)受容体作用薬としては、限定されないが、アポモルヒネ((r)5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de,グルキノリン(glquinoline)−10,11−ジオール);ブロモクリプチン((5’.α.)−2−ブロモ−12’−ヒドロキシ−2’−(1−メチルエチル)−5’−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3’,6’,18−トリオン);カベルゴリン((8−β)−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N−((エチルアミノ)カルボニル−l)−6−(2−プロペニル)エルゴリン−8−カルボキサミド);リスリド(N’−((8−α−)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル)−N,N−ジエチル尿素);ペルゴリド((8−β−)−8−((メチルチオ)メチル)−6−プロピルエルゴリン);レボドパ(3−ヒドロキシ−L−チロシン);プラミペキソール((s)−4,5,6,7−テトラヒドロ−N6−プロピル−2,6−ベンゾチアゾールジアミン);キンピロール塩酸塩(トランス−(−)−4aR−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩);ロピニロール(4−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドル−2−オン);およびタリペキソール(5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チア−ゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミン)が挙げられる。本明細書における使用のための他のドパミンD2受容体作用薬は、国際特許出願公開公報WO99/36095(その関連する開示は、参考として本明細書に援用される)に開示されている。
本明細書における使用のための抗コリン作用剤としては、限定されないが、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸アトロピンメチル、硫酸アトロピンメチル、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド(scopolamine methobromide)、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド(isopriopramide)、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウムおよび臭化グリコピロニウムが挙げられる。
本明細書に記載の吸入可能な組成物における使用のための他の活性成分としては、限定されないが、IL−5インヒビター、例えば、米国特許第5,668,110号、同第5,683,983号、同第5,677,280号、同第6,071,910号、および同第5,654,276号(これらは各々、参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;IL−5のアンチセンスモジュレータ、例えば、米国特許第6,136,603号(その関連する開示は、参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;ミルリノン(1,6−ジヒドロ−2−メチル−6−オキソ−[3,4’−ビピリジン]−5−カルボニトリル);乳酸ミルリノン;トリプターゼインヒビター、例えば、米国特許第5,525,623号(これは参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;タキキニン受容体拮抗物質、例えば、米国特許第5,691,336号、同第5,877,191号、同第5,929,094号、同第5,750,549号および同第5,780,467号(これらは各々、参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;ロイコトリエン受容体拮抗物質、例えば、モンテルカストナトリウム(Singular、R−(E)]−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]−フェニル]−3−[2−(I−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−プロピル]−チオ]−メチル]シクロプロ−パン酢酸、一ナトリウム塩)など、5−リポキシゲナーゼインヒビター、例えば、ジロイトン(Zyflo(登録商標)、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)など、および抗IgE抗体、例えば、Xolair(組換えヒト化抗IgEモノクローナル抗体(CGP 51901;IGE 025A;rhuMAb−E25)、Genentech,Inc.、South San Francisco、CA)、ならびに表面麻酔薬、例えば、リドカイン、N−アリールアミド、アミノアルキルベンゾエート、プリロカイン、エチドカインなど(米国特許第5,510,339号、同第5,631,267号および同第5,837,713号(その関連する開示は、参考として本明細書に援用される))が挙げられる。
本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に1日1回以下で投与される。他の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に1日2回以下で投与される。本発明の一部の実施形態において、該組成物は患者に、1日2回または1日2回より多く投与される。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に、夜間に1日1回以下で投与される。
本発明の別の態様は、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、より高い呼吸用画分が達成される吸入可能な組成物に関する。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。本発明の好ましい一実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約10%高い呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約15%高い呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約20%高い呼吸用画分が達成されるものである。
特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む本明細書に記載の吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約5%高い肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約10%高い肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約15%高い肺内沈着が達成されるものである。また他の実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約20%高い肺内沈着が達成されるものである。さらにまた他の実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約25%高い肺内沈着が達成されるものである。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の一部の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与されたとき、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、ほぼ同じコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与されたとき、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、約90%〜110%のコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与されたとき、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、約80%〜120%のコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与されたとき、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、約70%〜130%のコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物はまた、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約10%高い微粒子分率(fine particle fraction)が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約15%高い微粒子分率が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、吸入可能な組成物は、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約20%高い微粒子分率が達成されるものである。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
特定の実施形態において、本発明の組成物はまた、加圧式定量吸入器(pMDI)を用いて投与され得る。典型的なpMDIは、噴射剤、界面活性剤、および溶解または懸濁された形態の薬物を含む。デバイスは、携帯可能で廉価であるとともに、薬物が光、酸素または(of)湿気から保護され、投与されると常時定容量が提供されるように設計される。完全な噴射剤の蒸発後、小さい噴霧粒径が達成され得る。より揮発性の噴射剤を使用すると(より高速で蒸発する)、より小さい粒径が得られ得る。最も一般的な技術的課題は、噴射剤中での薬物の可溶性である。したがって、本発明の溶解度向上剤により、MDIを用いたコルチコステロイド、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬またはその組合せの有効な投与のための方法およびシステムが提供される。
本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュもしくはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
さらに他の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも有意に短い時間で送達される。例えば、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、典型的には、少なくとも5分〜8分かかり、場合によっては10分を超える。対照的に、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、特定の投与時間に限定されないが、好ましい実施形態では、約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において投与され得る。一部のある実施形態において、送達時間は約5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約5分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約4.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約4.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約4分であり得る。また他の実施形態において、送達時間は約4分未満であり得る。さらにまた他の実施形態において、送達時間は約3.5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3.5分未満であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約3分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約2.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約2.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約2分であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約2分未満であり得る。好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分であり得る。より好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分未満であり得る。
本発明の別の態様は、アルブテロールおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、同じ条件下で投与されるアルブテロールと比べて、肺内沈着の増進が達成される組成物に関する。本発明の一態様はまた、アルブテロールおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、同じ条件下で投与されるアルブテロールと比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が達成される組成物に関する。また、本発明の一態様は、Pari eFlowネブライザを作動させる工程、および患者に投与されるとアルブテロールの肺内沈着の増進がもたらされるようにすることを含む、有効量のアルブテロールを含む吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法に関する。また、本発明の別の態様は、Pari eFlowネブライザを作動させる工程、および患者に投与されるとアルブテロール薬物動態学的プロフィールの向上がもたらされるようにすることを含む、有効量のアルブテロールを含む吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法に関する。本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、コルチコステロイドを含むものである。
II.デバイス内コルチコステロイドの濃度の増大の低減をもたらすコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物
本発明の別の態様は、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物に関し、この組成物は、デバイスを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該デバイスを介する該コルチコステロイドの投与にわたって、約5μg/ml/分以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度を達成する。特定の実施形態において、該組成物は、約5μg/ml/分以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が、投与の最初の3分間にわたって達成されるものである。他の特定の実施形態において、該組成物は、約3.5μg/ml/分以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が、投与の最初の3分間にわたって達成されるものである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約500μg以下のコルチコステロイドを含む。他の特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約250μg以下のコルチコステロイドを含む。他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約240μg以下のコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約120μg以下のコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約60μg以下のコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約40μg以下のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
他の特定の実施形態において、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、約5%/分以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が、投与の最初の3分間にわたって達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドまたは薬学的に許容され得る誘導体である。他の特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
他の特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み(comprising)、デバイスを介しての被験体への該組成物の投与の際に、同じ条件下で投与された溶解度向上剤なしで該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって達成されるデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度の(or)約60%以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が達成されるものである。
一実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の最初の3分間にわたって達成される。別の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第2および第3の1分間の間に達成される。さらに別の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第3の1分間の間に達成される。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
一実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与が5分以下にわたって達成され、吸入可能な懸濁物の投与が5分以下にわたって達成される吸入可能な組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが同じである吸入可能な組成物に関する。さらに他の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが異なる吸入可能な組成物に関する。
本発明の好ましい一実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のさらにより好ましい一実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。
本発明の一部のある実施形態では、投与時間において、約5μg/ml/分以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が達成され得るコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物組成物は、約15〜約500μgのコルチコステロイドを含む。他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約50〜約500μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約60〜約250μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、該組成物は、約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、約40μg、60μg、120μg、125μg、240μg、250μg、500μg、1000μg、1500μgまたは2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約(about of about)40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約60μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約100μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約120μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約125μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約240μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
一部の実施形態において、適当なコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物に有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の他の実施形態において、吸入可能な組成物は溶解度向上剤を含むものである。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
本発明における使用に適した溶解度向上剤として作用する化学薬品としては、限定されないが、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、リン脂質、シクロデキストリンおよびその誘導体、ならびに表面改質剤および/または安定剤が挙げられる。他の実施形態において、溶解度向上剤は、可溶性を増大させる手段としての化学薬品の作用なしで可溶性の向上をもたらす製剤化方法、例えば、溶媒中に分散させるナノ粒子を作製するための超臨界流体作製法の使用をいう。
本明細書に記載の吸入可能な組成物における使用に適したさらなる溶解度向上剤は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,134,127号、同第5,145,684号、同第5,376,645号、同第6,241,969号ならびに米国特許出願公開第2005/0244339号および同第2005/0008707号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。また、適当な溶解度向上剤の例を以下に記載する。
本発明における使用のための好適なシクロデキストリンおよび誘導体は、当該技術分野において、例えば、Challaら、AAPS PharmSciTech 6(2):E329−E357(2005)、米国特許第5,134,127号、同第5,376,645号、同第5,874,418号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。一部の実施形態において、本発明における使用のための好適なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体としては、限定されないが、
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、SAE−CD誘導体(例えば、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、およびSBE−γ−CD)(Cydex,Inc.Lenexa,KS)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(例えば、2−および3−ヒドロキシプロピル)およびジヒドロキシプロピルエーテル、その対応する混合エーテルおよびメチル基またはエチル基とのさらなる混合エーテル、例えば、α−、β−およびγ−シクロデキストリンのメチルヒドロキシエチル、エチル−ヒドロキシエチルおよびエチル−ヒドロキシプロピルエーテルなど;ならびにα−、β−およびγ−シクロデキストリンのマルトシル、グルコシルおよびマルトトリオシル誘導体(これは、1つ以上の糖残基、例えば、グルコシルまたはジグルコシル、マルトシルまたはジマルトシル、ならびにその種々の混合物、例えば、マルトシル誘導体とジマルトシル誘導体の混合物を含むものであり得る)が挙げられる。本明細書における使用のための具体的なシクロデキストリン誘導体としては、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、ジエチル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−エチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−ブチリル−β−シクロデキストリン、トリ−O−バレリル−β−シクロデキストリン、およびジ−O−ヘキサノイル−β−シクロデキストリン、ならびにメチル−β−シクロデキストリン、ならびにその混合物、例えば、マルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリンが挙げられる。かかるシクロデキストリン誘導体を調製するための手順は、米国特許第5,024,998号および参考としてそれに援用された参考文献から周知である。本発明における使用に適した他のシクロデキストリンとしては、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、例えば、ORG 26054およびORG 25969など(ORGANON(AKZO−NOBEL))、ヒドロキシブテニルエーテル誘導体(EASTMAN)、スルホアルキル−ヒドロキシアルキルエーテル誘導体、スルホアルキル−アルキルエーテル誘導体、ならびに他の誘導体、例えば、米国特許出願公開第2002/0128468号、同第2004/0106575号、同第2004/0109888号および同第2004/0063663号、または米国特許第6,610,671号、同第6,479,467号、同第6,660,804号もしくは同第6,509,323号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載のものなどが挙げられる。
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、Research Diagnostics Inc.(Flanders、NJ)から入手され得る。例示的なヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン製品としては、Encapsin(登録商標)(置換度約4)およびMolecusol(登録商標)(置換度約8)が挙げられる;しかしながら、他の置換度を含む実施形態もまた利用可能であり、本発明の範囲内である。
ジメチルシクロデキストリンはFLUKA Chemie(Buchs,CH)またはWacker(アイオワ州)から入手可能である。本発明における使用に適した他の誘導体化シクロデキストリンとしては、水溶性の誘導体化シクロデキストリンが挙げられる。例示的な水溶性誘導体化シクロデキストリンとしては、カルボキシル化誘導体;硫酸化誘導体;アルキル化誘導体;ヒドロキシアルキル化誘導体;メチル化誘導体;およびカルボキシ−β−シクロデキストリン、例えば、スクシニル−β−シクロデキストリン(SCD)が挙げられる。これらの物質はすべて、当該技術分野で知られた方法に従って作製され得るものおよび/または市販のものである。好適な誘導体化シクロデキストリンは、Modified Cyclodextrins:Scaffolds and Templates for Supramolecular Chemistry(編集Christopher J.Easton,Stephen F.Lincoln,Imperial College Press,ロンドン、UK,1999)およびNew Trends in Cyclodextrins and Derivatives(編集Dominique Duchene,Editions de Sante,Paris,France,1991)に開示されている。
本発明における使用に特に良好な生理学的適合性を有すると思われる非イオン界面活性剤の例は、チロキサポール、ポリソルベート、例えば、限定されないが、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)モノステアレート(商標Tween 20−40−60などで入手可能)、Polysorbate 80、Polyethylene glycol 400;ラウリル硫酸ナトリウム;ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート(商標Span 20−40−60などで入手可能)、塩化ベンザルコニウム、PPO−PEOブロックコポリマー(Pluronics)、Cremophor−EL、ビタミンE−TPGS(例えば、d−α−トコフェリル−ポリエチレングリコール−1000−スクシネート)、Solutol−HS−15、オレイン酸PEOエステル、ステアリン酸PEOエステル、Triton−X100、Nonidet P−40、およびマクロゴールヒドロキシステアレート(マクロゴール−15−ヒドロキシステアレートなど)である。
一部のある実施形態では、本発明における使用に適した非イオン界面活性剤をコルチコステロイドに配合し、リポソーム調製物、ミセルまたは混合ミセルを形成する。リポソームおよびリポソーム調製物の調製および特性評価のための方法は、当該技術分野で知られている。多くの場合、両親媒性の脂質が水和されると多層小胞が自発的に形成されるが、小さな単層小胞の形成には、通常、相当なエネルギー入力を伴うプロセス(例えば、超音波処理または高圧ホモジネーションなど)が必要とされる。リポソームの調製および特性評価のためのさらなる方法は、例えば、S.Vemuriら(Preparation and characterization of liposomes as therapuetic delivery systems:a review.Pharm Acta Helv.1995,70(2):95−111)および米国特許第5,019,394号、同第5,192,228号、同第5,882,679号、同第6,656,497号(これらは各々、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
場合によっては、例えば、ミセルまたは混合ミセルは界面活性剤によって形成され得、この場合、可溶性の不充分な活性薬剤が可溶化され得る。一般に、ミセルは、界面活性剤などの両親媒性分子の自発的および動的会合によって形成される実質的に球形の構造体と理解されている。混合ミセルは、異なる型の両親媒性の分子で構成されたミセルである。ミセルおよび混合ミセルはともに、その構造、特性および挙動が固形物と非常に異なるため、固形粒子と理解されるべきではない。ミセルを形成する両親媒性の分子は、通常、一時的に会合している。ミセル溶液では、ミセル形成性両親媒性物質と単分子分散両親媒性物質(これもその溶液中に存在する)との間で動的な分子交換がある。かかるミセルまたは混合ミセル中に可溶化される薬物分子の部分は、これらの分子の構造ならびに使用される界面活性剤に依存する。例えば、例えば、特に無極性分子は主にコロイド構造内部に局在するが、極性物質は該構造の表面上に見られる可能性が高いと想定される。ミセル溶液または混合ミセル溶液の一実施形態において、ミセルの平均サイズは、約200nm未満(光子相関分光法によって測定)、例えば、約10nm〜約100nmなどであり得る。約10〜約50nmの平均直径を有するミセルが特に好ましい。ミセルおよび混合ミセルの作製方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,747,066号および同第6,906,042号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
リン脂質は、リンを含有する両親媒性物質の脂質と規定される。ホスファチジン酸から化学的に誘導されたリン脂質が広く存在し、また、製薬目的に一般に使用されている。この酸は、通常、(二重)アシル化グリセロール−3−ホスフェート(その脂肪酸残基が異なる長さであり得る)である。ホスファチジン酸の誘導体としては、例えば、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン(リン酸基がコリンでさらにエステル化されている)、さらに、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールなどが挙げられる。レシチンは、通常、高比率のホスファチジルコリンを有する種々のリン脂質の天然の混合物である。具体的なレシチンの供給源ならびにその抽出および/または富化方法に応じて、このような混合物は、有意な量のステロール、脂肪酸、トリグリセリドおよび他の物質もまた含むものであり得る。
その生理学的特性のため吸入による送達に適したさらなるリン脂質には、特に、天然の供給源(大豆もしくはニワトリの卵黄など)からレシチンの形態で、好ましくは水素添加形態で抽出された、および/またはリゾレシチンから遊離されたリン脂質混合物、ならびに精製、富化または部分合成により調製されたリン脂質(好ましくは、飽和脂肪酸エステルを用いて)が含まれる。リン脂質混合物のうち、レシチンが特に好ましい。富化または部分合成により調製された中鎖から長鎖の両性イオンリン脂質は、主として、アシル鎖内に不飽和結合がなく、リゾレシチンおよび過酸化物がないものである。富化された、または純粋な化合物の例は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)である。これらのうち、DMPCが、現時点でより好ましい。あるいはまた、オレイル残基を有するリン脂質およびコリン残基をもたないホスファチジルグリセロールが、本発明の一部のある実施形態および適用用途に適する。
一部のある実施形態では、本発明における使用に適した非イオン界面活性剤およびリン脂質をコルチコステロイドに配合し、コロイド構造を形成する。コロイド溶液は、コロイド溶液中に分散されたコロイド状の物質が、固形物質に通常伴う測定可能な物性をもたない単相系と規定される。コロイド状分散液の作製方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第6,653,319号(これは、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
本発明における使用のための好適な表面改質剤は、当該技術分野において、例えば、米国特許第5,145,684号、同第5,510,118号、同第5,565,188号、および同第6,264,922号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。本発明における使用に適した表面改質剤および/または表面安定剤の例としては、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化性ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweenTM、例えば、Tween 20TMおよびTween 80TM(ICI Specialty Chemicals))、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowaxs 3550TMおよび934TM(Union Carbide))、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、phosphates、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオンおよびトリトンとしても知られる)、ポロキサマー(例えば、Pluronic F68TMおよびF108TM、これらは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、ポロキサミン(例えば、Tetronic 908TM、Poloxamine 908TMとしても知られ、これは、エチレンジアミンへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの逐次付加により誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Wyandotte Corporation、Parsippany、N.J.))、Tetronic 1508TM(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation)、Tritons X−200TM、(これは、アルキルアリールポリエーテルスルホネートである)(Rohm and Haas)、Crodestas F−100TM、(これは、スクロースステアレートとスクロースジステアレートとの混合物である)(Croda Inc.)、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)、(Olin−IOGTMまたはSurfactant 10TMとしても知られる)(Olin Chemicals、Stamford、Conn.)、Crodestas SL−40.RTM.(Croda,Inc.)、およびSA9OHCO(これは、C18H37CH2(CON(CH3)−CH2(CHOH)4(CH2OH)2である)(Eastman Kodak Co.)、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−β−D−グルコピラノシド、n−デシル−β−D−マルトピラノシド、n−ドデシルβ−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ノイル−β−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチルβ−D−チオグルコピラノシド、PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのランダムコポリマーなど(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびスルホコハク酸ジオクチルナトリウム)が挙げられる。
他の有用なカチオン性安定剤としては、限定されないが、カチオン性脂質、スルホニウム、ホスホニウムおよび第4級アンモニウム化合物、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロライド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロライドまたはブロミド、N−アルキル(C12〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−アルキル(C14〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−テトラデシリドメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロライド、N−アルキルおよび(C12〜14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムハライド、アルキルトリメチルアンモニウム塩およびジアルキルジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、エトキシ化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩および/またはエトキシ化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロライド、N−ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、N−アルキル(C12〜14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロライドおよびドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジル−ジメチルアンモニウムブロミド、C12、C15、C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジル−トリエチルアンモニウムクロライド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(ALIQUAT 336TM)、POLYQUAT 10TM、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジル−トリメチルアンモニウムブロミドなど、コリンエステル(脂肪酸のコリンエステルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアラルコニウム化合物(塩化ステアリルトリモニウムおよび塩化ジステアリルジモニウムなど)、セチルピリジニウムブロミドまたはクロリド、4級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、MirapolTMおよびALKAQUATTM(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩、アミン(アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびビニルピリジンなど)アミン塩(ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルピリジニウム塩およびアルキルイミダゾリウム塩ならびにアミンオキシドなど)、イミドアゾリニウム塩、プロトン化第4級アクリルアミド、メチル化第4級ポリマー(ポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロライド]およびポリ−[N−メチルビニルピリジニウムクロリド]など)、ならびにカチオン性グアーが挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される、溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。他の特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。これらの方法により、選択された方法およびパラメータに応じて異なる形態を有するミクロンサイズおよびミクロン未満のサイズの粒子の形成が可能になる。また、このようなナノ粒子は、噴霧乾燥、凍結乾燥、体積排除、および任意の他の慣用的な粒子縮小法によって加工され得る。
さらにまた、ナノメートルサイズの粒子の作製方法(例えば、SCF)によって、沈殿または凝縮中の粒子形成の条件を適切に調整することにより、所望の形態(例えば、非晶質、結晶性、分割されたラセミ体)の選択が可能となり得る。所望の粒子形態の選択の結果、選択した医薬の持続放出が達成され得る。このような粒子加工プロセスを用い、高い純度、低い表面不完全性、低い表面電荷および低い沈降速度を有するナノ粒子状物質が得られる。かかる粒子の特徴により、粒子の粘着、凝集が抑制され、また、液状分散液中での沈降が妨げられる。さらに、SCFなどのプロセスでは、ある種の医薬の異性体が分離され得るため、かかる分離が、該医薬の活性、有効性の増強ならびに極度の用量低減に寄与し得る。場合によっては、異性体の分離はまた、副作用の低減に寄与する。本発明の方法およびシステムにより、水性吸入混合物は、任意のプロセス、例えば、回収媒体中での直接的なSCF、噴霧乾燥、沈殿および体積排除によって粉末形態に加工された組成物となり得、従って、該微粒状化合物が、自動的に分散型製剤に作製される。一部の実施形態において、この製剤は、最終的な製剤であり得る。
本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の一部の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に1日1回以下で投与される。他の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に1日2回以下で投与される。本発明の一部の実施形態において、該組成物は患者に、1日2回または1日2回より多く投与される。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に、夕方に1日1回以下で投与される。
本発明の一部の実施形態において、デバイスはネブライザである。特定の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュもしくはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の他の特定の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
III.肺内沈着の増進をもたらすコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法
本発明は、さらに、吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法を提供し、この方法は、溶媒および溶解度向上剤を有効量のコルチコステロイドに添加する工程、ならびにネブライザを作動させて前記組成物の微粒子を作製する工程を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約20%〜約40%、約20%〜約50%、または約20%〜約55%の肺内沈着(例えば、気管支および肺胞)が達成される。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。一部の実施形態において、該方法は、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約25%〜約45%の肺内沈着が達成され得るものである。他の実施形態において、該方法は、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも35%〜約40%の肺内沈着が達成され得るものである。特定の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約25%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約30%の肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約35%の肺内沈着が達成されるものである。またさらに他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約40%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該組成物は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約45%の肺内沈着が達成されるものである。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
好ましい一実施形態において、吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のさらにより好ましい一実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法は、投与前組成物中コルチコステロイド量約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約250〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、有効の量コルチコステロイド、溶媒および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、有効量のコルチコステロイド、溶媒および肺内沈着の増進をもたらすことができる溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約(about of)60μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約120μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約125μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約240μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、投与前組成物中コルチコステロイド量約500μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
一部の実施形態において、適当なコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物に有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は溶媒を含むものである。特定の実施形態において、溶媒は、水、水性アルコール、プロピレングリコールまたは水性有機溶媒を含む群から選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の他の実施形態において、吸入可能な組成物は溶解度向上剤を含むものである。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えば、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
他の実施形態において、本発明の方法における使用のための吸入可能な組成物は、さらに溶解度向上剤を含むものである。特定の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。好ましい実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。他の特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
本発明の一部の実施形態において、本発明の方法における使用のための吸入可能な組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の他の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
本発明の一部の実施形態において、本発明の方法は、本明細書に記載の吸入可能な組成物患者に1日1回以下で投与することを含む。本発明の他の実施形態において、本発明の方法は、本明細書に記載の吸入可能な組成物患者に1日2回または1日2回より多く投与することを含む。
任意の既知の吸入ネブライザが、ここに記載する本発明における使用に適する。かかるネブライザとしては、例えば、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、ならびに振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザ(例えば、Pari eFlow(登録商標))が挙げられる。本発明における使用に適した市販の空気駆動型ジェットネブライザ、超音波ネブライザまたは拍動メンブレンネブライザとしては、Aeroneb(登録商標)、Aeroneb GO(登録商標)(Aerogen,San Francisco,CA)、Pari LC PLUS(登録商標)、Pari Boy(登録商標)NおよびPari Duraneb(登録商標)(PARI Respiratory Equipment,Inc.、モンテレー、CA)、MicroAir(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Halolite(登録商標)(Profile Therapeutics Inc、ボストン、MA)、Respimat(登録商標)(Boehringer Ingelheim Ingelheim、ドイツ)、Aerodose(登録商標)(Aerogen,Inc、マウンテンビュー、CA)、Omron Elite(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Omron Microair(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Mabismist II(登録商標)(Mabis Healthcare,Inc、レークフォレスト、イリノイ州)、Lumiscope(登録商標)6610、(The Lumiscope Company,Inc、イーストブラウンズウィック、ニュージャージー州)、Airsep Mystique(登録商標)、(AirSep Corporation、バッファロー、NY)、Acorn−1およびAcorn−II(Vital Signs,Inc、トトワ、ニュージャージー州)、Aquatower(登録商標)(Medical Industries America、アデル、アイオワ州)、Ava−Neb(登録商標)(Hudson Respiratory Care Incorporated、テメキュラ、カリフォルニア州)、Cirrus(登録商標)(Intersurgical Incorporated、リバプール、ニューヨーク州)、Dart(登録商標)(Professional Medical Products、グリーンウッド、サウスカロライナ州)、Devilbiss(登録商標)Pulmo Aide(DeVilbiss Corp.サマセット、ペンシルバニア州)、Downdraft(登録商標)(Marquest、エングルウッド、コロラド州)、Fan Jet(登録商標)(Marquest、エングルウッド、コロラド州)、MB−5(Mefar、ボヴェッツォ、イタリア)、Misty Neb(登録商標)(Baxter、バレンシア、カリフォルニア州)、Salter 8900(Salter Labs、アービン、カリフォルニア州)、Sidestream(登録商標)(Medic−Aid、サセックス州、UK)、Updraft−II(登録商標)(Hudson Respiratory Care;テメキュラ、カリフォルニア州)、Whisper Jet(登録商標)(Marquest Medical Products、エングルウッド、コロラド州)、Aiolos(登録商標)(Aiolos Medicnnsk Teknik、カルルスタード、スウェーデン)、Inspiron(登録商標)(Intertech Resources,Inc.、バノックバーン、イリノイ州)、Optimist(登録商標)(Unomedical Inc.、マッカレン、テキサス州)、Prodomo(登録商標)、Spira(登録商標)(Respiratory Care Center、ヘメーンリンナ、フィンランド)、AERx(Aradigm Corporation、ヘイワード、カリフォルニア州)、Sonik(登録商標)LDI Nebulizer(Evit Labs、サクラメント、カリフォルニア州)、ならびにSwirler W Radioaerosol System(AMICI,Inc.、スプリングシティ、PA)が挙げられる。
任意のこれらおよび他の既知のネブライザを用いて、本発明に記載の水性吸入混合物が送達され得る。一部の実施形態において、ネブライザは、例えば、Pari GmbH(シュタルンベルク、ドイツ)、DeVilbiss Healthcare(へストン、ミドルセックス州、UK)、Healthdyne、Vital Signs、Baxter、Allied Health Care、Invacare、Hudson、Omron、Bremed、AirSep、Luminscope、Medisana、Siemens、Aerogen、Mountain Medical、Aerosol Medical Ltd.(コールチェスター、エセックス州、UK)、AFP Medical(ラグビー、ウォリックシャー州、UK)、Bard Ltd.(サンダーランド州、UK)、Carri−Med Ltd.(ドーキング、UK)、Plaem Nuiva(ブレシア、イタリア)、Henleys Medical Supplies(ロンドン、UK)、Intersurgical(バークシャー、UK)、Lifecare Hospital Supplies(ライリーズ、UK)、Medic−Aid Ltd.(ウェストサセックス州、UK)、Medix Ltd.(エセックス州、UK)、Sinclair Medical Ltd.(サリー州、UK)、および他の多くから入手可能である。(describe herein)方法およびシステムにおける使用に適した他のネブライザとしては、限定されないが、ジェットネブライザ(任意選択で、圧縮器とともに販売)、超音波ネブライザなどが挙げられる。本明細書における使用のための例示的なジェットネブライザとしては、Pari LC plus/ProNeb、Pari LC plus/ProNeb Turbo、Pari LCPlus/Dura Neb 1000 & 2000 Pari LC plus/Walkhaler、Pari LC plus/Pari Master、Pari LC star、Omron CompAir XL Portable Nebulizer System(NE−C18およびJetAir Disposable nebulizer)、Omron compare Elite Compressor Nebulizer System(NE−C21およびElite Air Reusable Nebulizer、Proneb Ultra compressorを備えるPari LC PlusまたはPari LC Star nebulizer、Pulomo−aide、Pulmo−aide LT、Pulmo−aide traveler、Invacare Passport、Inspiration Healthdyne 626、Pulmo−Neb Traveler、DeVilbiss 646、Whisper Jet、AcornII、Misty−Neb、Allied aerosol、Schuco Home Care、Lexan Plasic Pocet Neb、SideStream Hand Held Neb、Mobil Mist、Up−Draft、Up−DraftII、T Up−Draft、ISO−NEB、Ava−Neb、Micro Mist、ならびにPulmoMateが挙げられる。
本明細書における使用のための例示的な超音波ネブライザとしては、MicroAir、UltraAir、Siemens Ultra Nebulizer 145、CompAir、Pulmosonic、Scout、5003 Ultrasonic Neb、5110 Ultrasonic Neb、5004 Desk Ultrasonic Nebulizer、Mystique Ultrasonic、Lumiscope’s Ultrasonic Nebulizer、Medisana Ultrasonic Nebulizer、Microstat Ultrasonic Nebulizer、およびMabismist Hand Held Ultrasonic Nebulizerが挙げられる。本明細書における使用のための他のネブライザとしては、5000 Electromagnetic Neb、5001 Electromagnetic Neb 5002 Rotary Piston Neb、Lumineb I Piston Nebulizer 5500、Aeroneb Portable Nebulizer System、Aerodose Inhaler、およびAeroEclipse Breath Actuated Nebulizerが挙げられる。多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを含む例示的なネブライザは、R.Dhandによって、New Nebuliser Technology−Aerosol Generation by Using a Vibrating Mesh or Plate with Multiple Apertures、Long−Term Healthcare Strategies 2003(2003年7月)、p.1−4およびRespiratory Care,47:1406−1416(2002)(その各々の開示は、参考として本明細書に援用される)に記載されている。
ここに記載する本発明における使用に適したさらなるネブライザとしては、振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザが挙げられる。かかるネブライザは、例えば、Pari eFlowとして市販されており、米国特許第6,962,151号、同第5,518,179号、同第5,261,601号および同第5,152,456号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
噴霧化において使用されるパラメータ、例えば、流速、メッシュ膜サイズ、エーロゾル吸入チャンバのサイズ、マスクのサイズおよび材質、弁ならびに電源などは、これらの使用を最大限にするための本発明の原理に従い、種々の型の水性吸入混合物または種々の型のコルチコステロイドにより異なり得る。
上記のネブライザに加え、アトマイザもまた、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入溶液の送達のための本明細書に記載のシステムおよび方法に適している。アトマイザは、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,954,047号、同第6,026,808号、同第6,095,141号および同第6,527,151(これらは各々、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
本発明の特定の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュもしくはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
IV.デバイス内のコルチコステロイド濃度における増大の低減をもたらすコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法
本発明の別の態様は、吸入可能な組成物からの微粒子の作製方法に関し、この方法は、溶媒および溶解度向上剤を有効量のコルチコステロイドに添加することにより該組成物を形成する工程、ならびにネブライザを作動させて前記組成物の微粒子を作製する工程を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該組成物により、同じ条件下で投与された溶解度向上剤なしで該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって達成されるデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度の約60%以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が達成される。特定の実施形態において、該方法は、該コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない単一のコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物を含む。
特定の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の最初の3分間にわたって達成される。他の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第2および第3の1分間の間に達成される。さらに他の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第3の1分間の間に達成される。
一実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与が5分以下にわたって達成され、吸入可能な懸濁物の投与が5分以下にわたって達成される吸入可能な組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが同じである吸入可能な組成物に関する。さらに他の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが異なる吸入可能な組成物に関する。
本発明の特定の実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のさらにより好ましい一実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。
本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。他の実施形態において、該組成物は、約50〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、該組成物は、約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、該組成物は、約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、該組成物は、約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。本発明の一部の実施形態において、該組成物は、約40、60、120、125、240、250、500、1000、1500または2000μgの前記コルチコステロイドを含む。本発明の一部の実施形態において、該組成物は、名目投薬量約60〜2000μgの前記コルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約60μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約120μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約125μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約240μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入可能な組成物は、名目投薬量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
一部の実施形態において、適当なコルチコステロイドを含む吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物に有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は溶媒を含むものである。特定の実施形態において、溶媒は、水、水性アルコール、プロピレングリコールまたは水性有機溶媒を含む群から選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入可能な組成物の他の実施形態において、吸入可能な組成物は溶解度向上剤を含むものである。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えば、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
他の実施形態において、本発明の方法における使用のための吸入可能な組成物は、さらに溶解度向上剤を含むものである。特定の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。好ましい実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBΕ−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。他の特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。これらの方法により、選択された方法およびパラメータに応じて異なる形態を有するミクロンサイズおよびミクロン未満のサイズの粒子の形成が可能になる。また、これらのナノ粒子は、噴霧乾燥、凍結乾燥、体積排除および任意の他の慣用的な粒子縮小法によって加工され得る。
本発明の一部の実施形態において、本発明の方法における使用のための吸入可能な組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の他の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に1日1回以下で投与される。他の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に1日2回以下で投与される。本発明の一部の実施形態において、該組成物は患者に、1日2回または1日2回より多く投与される。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は患者に、夕方に1日1回以下で投与される。
本発明の特定の実施形態において、デバイスはネブライザである。他の特定の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュもしくはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
任意の既知の吸入ネブライザが、ここに記載する本発明における使用に適する。かかるネブライザとしては、例えば、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、ならびに振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザ(例えば、Pari eFlow(登録商標))が挙げられる。本発明における使用に適した市販の空気駆動型ジェットネブライザ、超音波ネブライザまたは拍動メンブレンネブライザとしては、Aeroneb(登録商標)、Aeroneb GO(登録商標)(Aerogen、San Francisco、CA)、Pari LC PLUS(登録商標)、Pari Boy(登録商標)NおよびPari Duraneb(登録商標)(PARI Respiratory Equipment,Inc.、モンテレー、CA)、MicroAir(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Halolite(登録商標)(Profile Therapeutics Inc、ボストン、MA)、Respimat(登録商標)(Boehringer Ingelheim Ingelheim、ドイツ)、Aerodose(登録商標)(Aerogen,Inc、マウンテンビュー、CA)、Omron Elite(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Omron Microair(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Mabismist II(登録商標)(Mabis Healthcare,Inc、レークフォレスト、イリノイ州)、Lumiscope(登録商標)6610、(The Lumiscope Company,Inc、イーストブラウンズウィック、ニュージャージー州)、Airsep Mystique(登録商標)、(AirSep Corporation、バッファロー、NY)、Acorn−1およびAcorn−II(Vital Signs,Inc、トトワ、ニュージャージー州)、Aquatower(登録商標)(Medical Industries America、アデル、アイオワ州)、Ava−Neb(登録商標)(Hudson Respiratory Care Incorporated、テメキュラ、カリフォルニア州)、Cirrus(登録商標)(Intersurgical Incorporated、リバプール、ニューヨーク州)、Dart(登録商標)(Professional Medical Products、グリーンウッド、サウスカロライナ州)、Devilbiss(登録商標)Pulmo Aide(DeVilbiss Corp.サマセット、ペンシルバニア州)、Downdraft(登録商標)(Marquest、エングルウッド、コロラド州)、Fan Jet(登録商標)(Marquest、エングルウッド、コロラド州)、MB−5(Mefar、ボヴェッツォ、イタリア)、Misty Neb(登録商標)(Baxter、バレンシア、カリフォルニア州)、Salter S900(Salter Labs、アービン、カリフォルニア州)、Sidestream(登録商標)(Medic−Aid、サセックス州、UK)、Uρdraft−II(登録商標)(Hudson Respiratory Care;テメキュラ、カリフォルニア州)、Whisper Jet(登録商標)(Marquest Medical Products、エングルウッド、コロラド州)、Aiolos(登録商標)(Aiolos Medicnnsk Teknik、カルルスタード、スウェーデン)、Inspiron(登録商標)(Intertech Resources,Inc.、バノックバーン、イリノイ州)、Optimist(登録商標)(Unomedical Inc.、マッカレン、テキサス州)、Prodomo(登録商標)、Spira(登録商標)(Respiratory Care Center、ヘメーンリンナ、フィンランド)、AERx(Aradigm Corporation、ヘイワード、カリフォルニア州)、Sonik(登録商標)LDI Nebulizer(Evit Labs、サクラメント、カリフォルニア州、ならびにSwirler W Radioaerosol System(AMICI,Inc.、スプリングシティ、PA)が挙げられる。
任意のこれらおよび他の既知のネブライザを用いて、本発明に記載の水性吸入混合物が送達され得る。一部の実施形態において、ネブライザは、例えば、Pari GmbH(シュタルンベルク、ドイツ)、DeVilbiss Healthcare(へストン、ミドルセックス州、UK)、Healthdyne、Vital Signs、Baxter、Allied Health Care、Invacare、Hudson、Omron、Bremed、AirSep、Luminscope、Medisana、Siemens、Aerogen、Mountain Medical、Aerosol Medical Ltd.(コールチェスター、エセックス州、UK)、AFP Medical(ラグビー、ウォリックシャー州、UK)、Bard Ltd.(サンダーランド州、UK)、Carri−Med Ltd.(ドーキング、UK)、Plaem Nuiva(ブレシア、イタリア)、Henleys Medical Supplies(ロンドン、UK)、Intersurgical(バークシャー、UK)、Lifecare Hospital Supplies(ライリーズ、UK)、Medic−Aid Ltd.(ウェストサセックス州、UK)、Medix Ltd.(エセックス州、UK)、Sinclair Medical Ltd.(サリー州、UK)、および他の多くから入手可能である。
本明細書に記載の方法およびシステムにおける使用に適した他のネブライザとしては、限定されないが、ジェットネブライザ(任意選択で、圧縮器とともに販売)、超音波ネブライザなどが挙げられる。本明細書における使用のための例示的なジェットネブライザとしては、Pari LC plus/ProNeb、Pari LC plus/ProNeb Turbo、Pari LCPlus/Dura Neb 1000 & 2000 Pari LC plus/Walkhaler、Pari LC plus/Pari Master、Pari LC star、Omron CompAir XL Portable Nebulizer System(NE−C18およびJetAir Disposable nebulizer)、Omron compare Elite Compressor Nebulizer System(NE−C21およびElite Air Reusable Nebulizer、Proneb Ultra compressorを備えるPari LC PlusまたはPari LC Star nebulizer、Pulomo−aide、Pulmo−aide LT、Pulmo−aide traveler、Invacare Passport、Inspiration Healthdyne 626、Pulmo−Neb Traveler、DeVilbiss 646、Whisper Jet、AcornII、Misty−Neb、Allied aerosol、Schuco Home Care、Lexan Plasic Pocet Neb、SideStream Hand Held Neb、Mobil Mist、Up−Draft、Up−Draftll、T Up−Draft、ISO−NEB、Ava−Neb、Micro Mist、ならびにPulmoMateが挙げられる。
本明細書における使用のための例示的な超音波ネブライザとしては、MicroAir、UltraAir、Siemens Ultra Nebulizer 145、CompAir、Pulmosonic、Scout、5003 Ultrasonic Neb、5110 Ultrasonic Neb、5004 Desk Ultrasonic Nebulizer、Mystique Ultrasonic、Lumiscope’s Ultrasonic Nebulizer、Medisana Ultrasonic Nebulizer、Microstat Ultrasonic Nebulizer、およびMabismist Hand Held Ultrasonic Nebulizerが挙げられる。本明細書における使用のための他のネブライザとしては、5000 Electromagnetic Neb、5001 Electromagnetic Neb 5002 Rotary Piston Neb、Lumineb I Piston Nebulizer 5500、Aeroneb Portable Nebulizer System、Aerodose Inhaler、およびAeroEclipse Breath Actuated Nebulizerが挙げられる。多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを含む例示的なネブライザは、R.Dhandによって、New Nebuliser Technology−Aerosol Generation by Using a Vibrating Mesh or Plate with Multiple Apertures、Long−Term Healthcare Strategies 2003(2003年7月)、p.1−4およびRespiratory Care,47:1406−1416(2002)(その各々の開示は、参考として本明細書に援用される)に記載されている。
ここに記載する本発明における使用に適したさらなるネブライザとしては、振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザが挙げられる。かかるネブライザは、例えば、Pari eFlowとして市販されており、米国特許第6,962,151号、同第5,518,179号、同第5,261,601号および同第5,152,456(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
噴霧化において使用されるパラメータ、例えば、流速、メッシュ膜サイズ、エーロゾル吸入チャンバのサイズ、マスクのサイズおよび材質、弁ならびに電源などは、これらの使用を最大限にするための本発明の原理に従い、種々の型の水性吸入混合物または種々の型のコルチコステロイドにより異なり得る。
上記のネブライザに加え、アトマイザもまた、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入溶液の送達のための本明細書に記載のシステムおよび方法に適している。アトマイザは、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,954,047号、同第6,026,808号、同第6,095,141号および同第6,527,151(これらは各々、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
VI.肺内沈着の増進をもたらすためのコルチコステロイド吸入システム
本発明の別の態様は、(a)コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物、ならびに(b)ネブライザを備える治療有効用量のコルチコステロイドを患者に送達するためのシステムに関し、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該システムにより、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約20%〜約40%、約20%〜約50%、または約20%〜約55%の肺内沈着(例えば、気管支および肺胞)が達成される。一部の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約25%〜約45%の肺内沈着が達成され得るものである。他の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも35%〜約40%の肺内沈着が達成され得るものである。特定の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、約25%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約30%の肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約35%の肺内沈着が達成されるものである。また他の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約40%の肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約45%の肺内沈着が達成されるものである。またさらに他の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約50%の肺内沈着が達成されるものである。さらに別の実施形態において、該システムは、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約40%〜約55%の肺内沈着が達成されるものである。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の特定の実施形態において、前記ネブライザによって治療有効用量のコルチコステロイド含有水性吸入混合物を送達するためのシステムは、少なくとも約60%の呼吸用画分をもたらすものである。他の実施形態において、前記ネブライザによって治療有効用量のコルチコステロイド含有水性吸入混合物を送達するためのシステムは、少なくとも約75%の呼吸用画分をもたらすものである。さらに他の実施形態において、前記ネブライザによって治療有効用量のコルチコステロイド含有水性吸入混合物を送達するためのシステムは、少なくとも約80%の呼吸用画分をもたらすものである。またさらに他の実施形態において、前記ネブライザによって治療有効用量のコルチコステロイド含有水性吸入混合物を送達するためのシステムは、少なくとも約85%の呼吸用画分をもたらすものである。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の一部の実施形態において、該システムは、投与前混合物中コルチコステロイド量約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む水性吸入混合物を含む。他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約250〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約60μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約120μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約125μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約240μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
一部の実施形態において、好適なコルチコステロイド含有水性吸入混合物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載の吸入混合物に有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入混合物の他の実施形態において、吸入混合物は溶解度向上剤を含む。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
他の実施形態において、本発明の方法における使用のための吸入混合物は、さらに溶解度向上剤を含むものである。特定の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。好ましい実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
さらに他の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
本発明の一態様は、(a)コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物、ならびに(b)ネブライザを備える治療有効用量のコルチコステロイドを患者に送達するための吸入システムに関し、前記ネブライザを介する前記吸入可能な水性混合物の投与の際に、該システムにより、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、肺内沈着が増進されたコルチコステロイドが送達される。本発明の好ましい一実施形態において、該システムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約10%高い呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、該システムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約15%高い呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、該システムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約20%高い呼吸用画分が達成されるものである。
本発明の好ましい一実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約5%高い肺内沈着が達成されるものである。本発明の別の好ましい実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約10%高い肺内沈着が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約15%高い肺内沈着が達成されるものである。本発明の別のより好ましい実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約20%高い肺内沈着が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約25%高い肺内沈着が達成されるものである。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、該組成物が吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与されたとき、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、ほぼ同じコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、約90%〜110%のコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、約80%〜120%のコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を含むシステムは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、約70%〜130%のコルチコステロイド肺内沈着が達成されるものである。
本明細書に記載のシステムにより、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物が、被験体に、個々の患者の臨床状態、投与の部位および方法、投与計画ならびに医療行為者にはわかる他の要素を考慮し、良好な医療行為に従って活性成分が送達される様式で送達され得る。ヒトの治療法では、本明細書に記載のシステムおよび方法により、治療有効量のコルチコステロイド(例えば、ブデソニド)を作用部位に維持され、それにより気管支収縮性障害に関連する症状を低減または緩和するコルチコステロイド含有吸入可能な水性混合物(例えば、ブデソニド溶液)が送達され得る。
別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日2回(b.i.d)以下で投与される。また別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日1回以下で投与される。さらに別の実施形態において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、夕方に1日1回以下で投与される。
さらに他の実施形態において、本発明のシステムにより、治療有効量のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも有意に短い時間で送達され得る。例えば、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、少なくとも5分〜8分かかり、場合によっては10分を超える。対照的に、本発明の方法およびシステムでは、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が、約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において送達され得る。一部の実施形態において、送達時間は約5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約5分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約4.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約4.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約4分であり得る。また他の実施形態において、送達時間は約4分未満であり得る。さらにまた他の実施形態において、送達時間は約3.5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3.5分未満であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約3分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約2.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約2.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約2分であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約2分未満であり得る。好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分であり得る。より好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分未満であり得る。
前述のように、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、10分を超えることがあり得る。この長い投与時間は、患者にとって、特に患者が小児患者である場合は非常に負担である。したがって、コルチコステロイドの吸入による送達時間が低減され得るシステムまたは方法は、治療レジメンに関する患者のコンプライアンスを増大させ得る。対照的に、本発明の方法およびシステムでは、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において送達され得る。一部の実施形態において、送達時間は約5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約5分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約4.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約4.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約4分であり得る。また他の実施形態において、送達時間は約4分未満であり得る。さらにまた他の実施形態において、送達時間は約3.5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3.5分未満であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約3分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約2.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約2.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約2分であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約2分未満であり得る。好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分であり得る。より好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分未満であり得る。
本発明のさらに他の実施形態において、本発明の方法における使用のための吸入混合物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の他の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
本発明の別の態様は、(a)アルブテロールを含む水性吸入混合物、および(b)Pan eFlow ネブライザを備える、治療有効用量のアルブテロールを患者に送達するための吸入システムに関し、前記ネブライザによる前記吸入混合物の送達によって、別のネブライザにより同じ条件下で投与されるアルブテロールと比べて肺内沈着が増進されたコルチコステロイドが送達される。また、本発明の一態様は、(a)アルブテロールを含む水性吸入混合物、および(b)Pan eFlow ネブライザを備える、治療有効用量のアルブテロールを患者に送達するための吸入システムに関し、前記ネブライザによる前記吸入混合物の送達によって、別のネブライザにより同じ条件下で投与されるアルブテロールと比べて薬物動態学的プロフィールが向上したコルチコステロイドが送達される。本発明の一部の実施形態において、吸入可能な組成物は、コルチコステロイドを含むものである。
VII.デバイス内のコルチコステロイド濃度における増大の低減をもたらすコルチコステロイド吸入システム
本発明の別の態様は、(a)コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む水性吸入混合物、ならびに(b)ネブライザを備える治療有効用量のコルチコステロイドを患者に送達するための吸入システムに関し、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該システムにより、同じ条件下で投与された溶解度向上剤なしで該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって達成されるデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度の約60%以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が達成される。特定の実施形態において、水性吸入混合物は、単一のコルチコステロイドを含み、該コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
特定の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の最初の3分間にわたって達成される。他の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第2および第3の1分間の間に達成される。さらに他の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第3の1分間の間に達成される。
一実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与が5分以下にわたって達成され、吸入可能な懸濁物の投与が5分以下にわたって達成される吸入可能な組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが同じである吸入可能な組成物に関する。さらに他の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが異なる吸入可能な組成物に関する。
本発明の特定の実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のさらにより好ましい一実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。
本発明の一部の実施形態において、該システムは、約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む水性吸入混合物を含む。他の実施形態において、吸入混合物は、約50〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、吸入混合物は、約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、吸入混合物は、約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入混合物は、約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約60μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約100μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約120μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約125μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約240μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入混合物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
一部の実施形態において、好適なコルチコステロイド含有水性吸入混合物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載の吸入混合物に有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入混合物の特定の実施形態において、吸入混合物は溶解度向上剤を含む。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えば、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
本発明の一部の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−/8−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
本発明の一部の実施形態において、該組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の一部の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日2回(b.i.d)以下で投与される。また別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日1回以下で投与される。さらに別の実施形態において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、夕方に1日1回以下で投与される。
本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュもしくはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
VIII.肺内沈着の増進を達成するための処置方法
本発明の他の態様において、患者への治療有効用量のコルチコステロイドの送達のための方法が提供される。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法は、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を提供すること、ならびに該水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含む、患者の気管支収縮性障害の処置に関する。
特定の実施形態において、本発明により、気管支収縮性障害の処置を必要とする患者において気管支収縮性障害を処置するための方法が提供され、この方法は、溶媒および溶解度向上剤をある量のコルチコステロイドに添加することにより混合物を形成する工程、ならびにネブライザを作動させる工程を含み、該ネブライザを介する被験体への該混合物の投与の際に、該方法により、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約20%〜約40%、約20%〜約50%、または約20%〜約55%の肺内沈着(例えば、気管支および肺胞)が達成され得る。一部の実施形態において、該方法は、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約20%〜約35%の肺内沈着が達成され得るものである。他の実施形態において、該方法は、投与前の混合物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも20%〜約30%の肺内沈着が達成され得るものである。特定の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、約25%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約30%の肺内沈着が達成されるものである。さらに他の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約35%の肺内沈着が達成されるものである。また他の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約40%の肺内沈着が達成されるものである。またさらに他の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約45%の肺内沈着が達成されるものである。さらにまた他の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約50%の肺内沈着が達成されるものである。他の実施形態において、該方法は、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約40%〜約55%の肺内沈着が達成されるものである。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の他の実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のさらにより好ましい実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、該方法はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
特定の実施形態において、気管支収縮性障害の処置方法は、コルチコステロイドを含む吸入可能な水性混合物の送達を含む。本発明において有用なコルチコステロイドとしては、限定されないが、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられる。一部の実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
本発明の一部の実施形態において、該処置方法は、投与前混合物中コルチコステロイド量約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む水性吸入混合物を含む。他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約250〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約60μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約120μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約125μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約240μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入混合物は、投与前混合物中コルチコステロイド量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。一実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。別の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
特定の実施形態において、吸入型混合物は、約40μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも13μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。他の特定の実施形態において、吸入型混合物は、約60μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも20μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約120μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも40μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。また他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約240μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも80μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得る。
特定の実施形態において、吸入型混合物は、約40μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも13μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得、該組成物はブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。他の特定の実施形態において、吸入型混合物は、約60μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも20μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得、該組成物はブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。さらに他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約120μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも40μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得、該組成物は、ブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。また他の実施形態において、吸入可能な組成物は、約240μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、少なくとも80μgのブデソニドの肺内沈着が達成されるものであり得、該組成物はブデソニド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
一部の実施形態において、好適なコルチコステロイド含有水性吸入混合物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
一部の実施形態において、気管支収縮性障害の処置方法は、コルチコステロイドおよび溶媒を含む吸入可能な水性混合物の送達を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水性アルコール、プロピレングリコールまたは水性有機溶媒からなる群より選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入混合物の特定の実施形態において、吸入混合物は溶解度向上剤を含む。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
本発明の一部の実施形態において、気管支収縮性障害の処置方法は、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物の送達を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。他の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
本発明の一部の実施形態において、該組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の一部の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
本発明の特定の実施形態において、気管支収縮性障害は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎および気腫からなる群より選択される。
別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日2回(b.i.d)以下で投与される。また別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日1回以下で投与される。さらに別の実施形態において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、夕方に1日1回以下で投与される。
本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュもしくはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
さらに他の実施形態において、本発明は、患者の気管支収縮性障害を処置するための方法を提供し得、この方法は、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を提供する工程、ならびに該水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達する工程を含み、吸入可能な水性混合物の送達により、肺の外部、例えば、口、食道および/または胃に送達されるコルチコステロイドが約10%〜約30%以下であることがもたらされる。一実施形態において、該方法は、肺の外部に送達されるコルチコステロイドが約10%以下である吸入可能な水性混合物の送達を提供するものであり得る。別の実施形態において、該方法は、肺の外部に送達されるコルチコステロイドが約15%以下である吸入可能な水性混合物の送達を提供するものであり得る。また別の実施形態において、該方法は、肺の外部に送達されるコルチコステロイドが約20%以下である吸入可能な水性混合物の送達を提供するものであり得る。さらに別の実施形態において、該方法は、肺の外部に送達されるコルチコステロイドが約25%以下である吸入可能な水性混合物の送達を提供するものであり得る。また別の実施形態において、該方法は、肺の外部に送達されるコルチコステロイドが約30%以下である吸入可能な水性混合物の送達を提供するものであり得る。
他の実施形態において、本発明により、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な水性混合物を提供すること、ならびに該水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含む、患者の気管支収縮性障害の予防のための方法が提供され得る。別の実施形態において、本発明により、コルチコステロイド吸入療法に伴う副作用のリスクを低減するための方法であって、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて、治療効果を得るのに必要とされるコルチコステロイドの名目投薬量が少ない方法が提供され得る。一実施形態において、副作用のリスクは、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。
IX.デバイス内のコルチコステロイド濃度における増大の低減をもたらす処置方法
本発明のさらなる態様は、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置する方法に関し、この方法は、溶媒および溶解度向上剤をコルチコステロイドに添加することにより組成物を形成する工程、ならびにネブライザを作動させる工程を含み、該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、同じ条件下で投与された溶解度向上剤なしで該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって達成されるデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度の約60%以下のデバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度が達成される。特定の実施形態において、該組成物は、単一のコルチコステロイドを含み、該コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。本発明の他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドまたは薬学的に許容され得る誘導体である。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
特定の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の最初の3分間にわたって達成される。他の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第2および第3の1分間の間に達成される。さらに他の実施形態において、デバイス内のコルチコステロイド濃度の増大速度は、投与の第3の1分間の間に達成される。
一実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与が5分以下にわたって達成され、吸入可能な懸濁物の投与が5分以下にわたって達成される吸入可能な組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが同じである吸入可能な組成物に関する。さらに他の実施形態において、本発明は、デバイスを介する該組成物の投与時間と、吸入可能な懸濁物の投与時間とが異なる吸入可能な組成物に関する。
本発明の特定の実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の好ましい一実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約70%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明のより好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約80%の呼吸用画分が達成されるものである。本発明の最も好ましい実施形態において、吸入可能な組成物はまた、投与されると少なくとも約85%の呼吸用画分が達成されるものである。
本発明の一部の実施形態において、該システムは、約15〜約2000μgのコルチコステロイドを含む水性吸入混合物を含む。他の実施形態において、吸入混合物は、約50〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、吸入混合物は、約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、吸入混合物は、約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入混合物は、約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約60μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約120μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約125μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約240μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。本発明の他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドまたは薬学的に許容され得る誘導体である。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
一部の実施形態において、好適なコルチコステロイド含有水性吸入混合物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載の吸入混合物の特定の実施形態において、吸入混合物は溶解度向上剤を含む。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
本発明の一部の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。他の特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
本発明の一部の実施形態において、該組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の一部の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日2回(b.i.d)以下で投与される。また別の態様において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、本明細書に記載の方法に従って1日1回以下で投与される。さらに別の実施形態において、吸入可能な水性混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な水性混合物は、夕方に1日1回以下で投与される。
本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
本発明の特定の実施形態において、気管支収縮性障害は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎および気腫からなる群より選択される。
X.本発明の吸入可能な組成物の製造方法
本発明の別の態様は、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための吸入可能な組成物の製造におけるコルチコステロイドの使用に関し、これは、溶媒および溶解度向上剤をある量のコルチコステロイドに添加する工程、ならびにネブライザを作動させる工程を含み、該組成物により、投与前の組成物中のコルチコステロイドの量に基づき、少なくとも約25%の肺内沈着が達成される。本発明の一部の実施形態において、該組成物はまた、投与されると少なくとも約60%の呼吸用画分が達成されるものである。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。一部の実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
また、本発明の一態様は、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置するための吸入可能な組成物の製造におけるコルチコステロイドの使用であって、溶媒および溶解度向上剤をある量のコルチコステロイドに添加する工程、ならびにネブライザを作動させる工程を含み、該組成物により、治療有効量の前記コルチコステロイドを送達するために同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、少なくとも約5%高い肺内沈着が達成される、コルチコステロイドの使用に関する。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
また、本発明の一態様は、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置するための吸入可能な組成物の製造におけるコルチコステロイドの使用に関し、これは、溶媒および溶解度向上剤をある量のコルチコステロイドに添加する工程、ならびにネブライザを作動させる工程を含み、該組成物により、治療有効量の前記コルチコステロイドを送達するために該組成物が吸入可能な懸濁物よりも少ない名目投薬量で投与されたときのコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、ほぼ同じ肺内沈着が達成される。特定の実施形態において、吸入可能な組成物は、単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の活性医薬用薬剤を実質的に含まない。
本発明の一部の実施形態において、該システムは、コルチコステロイド約15〜約2000μgでコルチコステロイドを含む水性吸入混合物を含む。他の実施形態において、吸入混合物は、約50〜約2000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、約60〜約1500μgのコルチコステロイドを含む。また他の実施形態において、吸入混合物は、約100〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。さらに他の実施形態において、吸入混合物は、約120〜約1000μgのコルチコステロイドを含む。またさらに他の実施形態において、吸入混合物は、約125〜約500μgのコルチコステロイドを含む。特定の実施形態において、吸入混合物は、約40μg、約60μg、約100μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのコルチコステロイドを含む。一実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約40μgのコルチコステロイドを含む。別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約60μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約100μgのコルチコステロイドを含む。また別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約120μgのコルチコステロイドを含む。またさらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約125μgのコルチコステロイドを含む。さらに別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約240μgのコルチコステロイドを含む。さらにまた別の実施形態において、吸入混合物は、名目投薬量約250μg未満のコルチコステロイドを含む。本発明の他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドまたは薬学的に許容され得る誘導体である。他の好ましい実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本発明の一部の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザである。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
本発明の一部の実施形態において、該組成物は、さらに、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬、予防的治療薬および抗コリン作用剤からなる群より選択される第2の治療用薬剤を含むものである。本発明の一部の実施形態において、β2−アドレナリン作用性受容体作用薬は、アルブテロール、レバルブテロールまたは薬学的に許容され得る誘導体である。
本発明の一部の実施形態において、気管支収縮性障害は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎および気腫からなる群より選択される。
別の態様において、吸入可能な組成物はブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な組成物は、本明細書に記載の方法に従って1日2回(b.i.d)以下で投与される。また別の態様において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な組成物(compositin)は、本明細書に記載の方法に従って1日1回以下で投与される。さらに別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該吸入可能な組成物は、夕方に1日1回以下で投与される。
XI.pKプロフィールを向上させた処置方法
本明細書に記載の気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムでは、懸濁物の形態で吸入により投与されるコルチコステロイドと比べ、送達されるコルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上がもたらされ得る。好ましい実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムは、慣用的な吸入療法と比べ、送達されるコルチコステロイドの局所バイオアベイラビリティの増大を可能にするものであり得、さらに、とりわけ局所治療効果をもたらすのに必要とされる投薬量を低減する手段を提供する。同様に、懸濁物の形態で吸入により投与されるコルチコステロイドと比べ、薬物動態学的特性が向上したコルチコステロイド送達を可能にするものであり得る、気管支収縮性障害(例えば、喘息)の処置のための方法およびシステムが提供され、ここで、本明細書に記載の方法およびシステムによる投与は、下記の利点:送達されるコルチコステロイドの局所バイオアベイラビリティの増大;局所治療効果をもたらすのに必要とされるコルチコステロイドの名目投薬量を低減させるための方法;有効用量のコルチコステロイドを投与するのに必要とされる時間を少なくするための方法;噴霧化されたコルチコステロイドの吸入を含む治療レジメンに関する患者のコンプライアンスを増大させるための方法;コルチコステロイドの送達を向上させる方法;肺(例えば、気管支および肺胞)内に沈着されるコルチコステロイド量を増大させるための方法;およびコルチコステロイドの吸入に伴う副作用を低減させる方法の1つ以上を提供する。
一部の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムにより、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含み、該コルチコステロイドが約250μg/用量未満の名目投薬量で投与される、患者の気管支収縮性障害の処置のための方法が提供され得る。一実施形態において、コルチコステロイドは、約240μg/用量未満の名目投薬量で投与され得る。別の実施形態において、コルチコステロイドは、約200μg/用量未満の名目投薬量で投与され得る。また別の実施形態において、コルチコステロイドは、約150μg/用量未満の名目投薬量で投与され得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイドは、約125μg/用量未満の名目投薬量で投与され得る。別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約120μg/用量で投与され得る。またさらに別の(anther)実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約100μg/用量で投与され得る。また別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約60μg/用量で投与され得る。またさらに別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約50μg/用量で投与され得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約40μg/用量で投与され得る。本明細書に記載の方法の他の特定の実施形態において、水性吸入混合物は、約15μg/用量〜約250μg/用量、または約40μg/用量〜約250μg/用量、または約60μg/用量〜約250μg/用量、または約40μg/用量〜約200μg/用量、または約60μg/用量〜約200μg/用量、または約40μg/用量〜約150μg/用量、または約60μg/用量〜約150μg/用量、または約40μg/用量〜約125μg/用量、または約60μg/用量〜約125μg/用量、または約40μg/用量〜約100μg/用量、または約60μg/用量〜約100μg/用量、または約25μg/用量〜約50μg/用量、または約25μg/用量〜約60μg/用量の範囲のコルチコステロイド名目投薬量を含むものであり得る。一部の実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
他の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムにより、単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含み、該コルチコステロイドが約250μg/用量未満の名目投薬量で投与され、吸入混合物が、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない、患者の気管支収縮性障害の処置のための方法が提供され得る。一実施形態において、コルチコステロイドは、約240μg/用量未満の名目投薬量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。別の実施形態において、コルチコステロイドは、約200μg/用量未満の名目投薬量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。また別の実施形態において、コルチコステロイドは、約150μg/用量未満の名目投薬量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。さらに別の実施形態において、コルチコステロイドは、約125μg/用量未満の名目投薬量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。別の実施形態において、コルチコステロイドは、120μg/用量の名目投薬量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。またさらに別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約100μg/用量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。また別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約60μg/用量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。またさらに別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約50μg/用量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。別の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約40μg/用量で投与され得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。本明細書に記載の方法の他の特定の実施形態において、水性吸入混合物は、約15μg/用量〜約250μg/用量、または約40μg/用量〜約250μg/用量、または約60μg/用量〜約250μg/用量、または約40μg/用量〜約200μg/用量、または約60μg/用量〜約200μg/用量、または約40μg/用量〜約150μg/用量、または約60μg/用量〜約150μg/用量、または約40μg/用量〜約125μg/用量、または約60μg/用量〜約125μg/用量、または約40μg/用量〜約100μg/用量、または約60μg/用量〜約100μg/用量、または約25μg/用量〜約50μg/用量、または約25μg/用量〜約60μg/用量の範囲のコルチコステロイド名目投薬量を含むものであり得、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。一部の実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
さらに他の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む水性吸入混合物の送達が提供され、該コルチコステロイドの送達により、慣用的な吸入型懸濁物系療法剤によるコルチコステロイド送達と比べて、コルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上がもたらされる。一部の実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。
本発明において有用であるコルチコステロイドとしては、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR 106541、チクソコルトール、トリアムシノロン、およびこれらのそれぞれの薬学的に許容され得る誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、コルチコステロイドはブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、ブデソニドの個々のジアステレオマー、または治療効果のために個々に、もしくは一緒に投与されるブデソニドの2つのジアステレオマーの混合物のいずれかである。他の特定の実施形態において、コルチコステロイドは、先の段落のベタメタゾンを含まないコルチコステロイドの群から選択される。別の実施形態において、本発明により、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて、治療効果を得るのに必要とされるコルチコステロイドの名目投薬量が少ない、コルチコステロイド吸入療法に伴う副作用のリスクを低減するための方法が提供され得る。一実施形態において、副作用のリスクは、コルチコステロイドが約250μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。別の実施形態において、副作用のリスクは、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。コルチコステロイドが約240μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、さらに別の実施形態において、副作用のリスクは、コルチコステロイドが約200μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。また別の実施形態において、副作用のリスクは、コルチコステロイドが約150μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。また別の実施形態において、副作用のリスクは、コルチコステロイドが約125μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。さらにまた別の実施形態において、副作用のリスクは、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。コルチコステロイドが約100μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、またさらに別の実施形態において、副作用のリスクは、コルチコステロイドが約60μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。さらにまた別の実施形態において、副作用のリスクは、コルチコステロイドが約50μg/用量未満の名目投薬量で投与されたとき、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて低下する。一部の実施形態において、コルチコステロイドは、約250μg/用量未満の名目投薬量で投与されるブデソニドである。他の実施形態において、コルチコステロイドは、約125μg/用量未満の名目投薬量で投与されるブデソニドである。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約120μg/用量で投与されるブデソニドである。また他の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約60μg/用量で投与されるブデソニドである。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイドは、名目投薬量約40μg/用量で投与されるブデソニドである。
本明細書に記載のシステムおよび方法により、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物の送達がもたらされる。一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む適当な水性吸入混合物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
[代替物#1]本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
本明細書に記載のシステムおよび方法により、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む水性吸入混合物の送達がもたらされる。一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む適当な水性吸入混合物としては、限定されないが、溶液、分散液、ナノ分散液、エマルジョン、コロイド液、ミセルまたは混合ミセル溶液、およびリポソーム液が挙げられる。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む混合ミセル溶液である。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むリポソーム溶液である。
本発明の一部の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物を含まない。他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ミセル、混合ミセル液またはリポソーム液を含まない。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドを含む吸入可能な組成物は、ナノ分散液および/またはナノ懸濁物、ミセル、混合ミセル液、またはリポソーム液を含まない。他の実施形態において、吸入可能な組成物としては、限定されないが、溶液、エマルジョンおよびコロイド液が挙げられる。一実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む溶液である。別の実施形態において、吸入可能な組成物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含むエマルジョンである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、溶媒を含む。特定の実施形態において、溶媒は、水、水/エタノール混合物、水性アルコール、プロピレングリコールもしくは水性有機溶媒、またはその組合せからなる群より選択される。特定の実施形態において、溶媒は水を含む。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載のシステムおよび方法の一部の実施形態において、さらに溶解度向上剤を含むコルチコステロイド含有水性吸入混合物が使用される。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
本発明における使用に適した溶解度向上剤として作用する化学薬品としては、限定されないが、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、リン脂質、シクロデキストリンおよびその誘導体、ならびに表面改質剤および/または安定剤が挙げられる。他の実施形態において、溶解度向上剤は、可溶性を増大させる手段としての化学薬品の作用なしで可溶性の向上をもたらす製剤化方法、例えば、溶媒中に分散させるナノ粒子を作製するための超臨界流体作製法の使用をいう。
さらなる溶解度向上剤は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,134,127号、同第5,145,684号、同第5,376,645号、同第6,241,969号ならびに米国特許出願公開第2005/0244339号および同第2005/0008707号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。また、適当な溶解度向上剤の例を以下に記載する。
本発明における使用のための好適なシクロデキストリンおよび誘導体は、当該技術分野において、例えば、Challaら、AAPS PharmSciTech 6(2):E329−E357(2005)、米国特許第5,134,127号、同第5,376,645号、同第5,874,418号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。一部の実施形態において、本発明における使用のための好適なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体としては、限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、SAE−CD誘導体(例えば、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、およびSBE−γ−CD)(Cydex,Inc.Lenexa,KS)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(例えば、2−および3−ヒドロキシプロピル)ならびにジヒドロキシプロピルエーテル、その対応する混合エーテルおよびメチル基またはエチル基とのさらなる混合エーテル、例えば、α−、β−およびγ−シクロデキストリンのメチルヒドロキシエチル、エチル−ヒドロキシエチルおよびエチル−ヒドロキシプロピルエーテルなど;ならびにα−、β−およびγ−シクロデキストリンのマルトシル、グルコシルおよびマルトトリオシル誘導体(これは、1つ以上の糖残基、例えば、グルコシルまたはジグルコシル、マルトシルまたはジマルトシル、ならびにその種々の混合物、例えば、マルトシル誘導体とジマルトシル誘導体の混合物を含むものであり得る)が挙げられる。本明細書における使用のための具体的なシクロデキストリン誘導体としては、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、ジエチル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−エチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−ブチリル−β−シクロデキストリン、トリ−O−バレリル−β−シクロデキストリン、およびジ−O−ヘキサノイル−β−シクロデキストリン、ならびにメチル−β−シクロデキストリン、ならびにその混合物、例えば、マルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリンなどが挙げられる。かかるシクロデキストリン誘導体を調製するための手順は、米国特許第5,024,998号、および引用によりそれに組み込まれた参考文献からよくわかる。本発明における使用に適した他のシクロデキストリンとしては、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、例えば、ORG 26054およびORG 25969など(ORGANON(AKZO−NOBEL))、ヒドロキシブテニルエーテル誘導体(EASTMAN)、スルホアルキル−ヒドロキシアルキルエーテル誘導体、スルホアルキル−アルキルエーテル誘導体、ならびに他の誘導体、例えば、米国特許出願公開第2002/0128468号、同第2004/0106575号、同第2004/0109888号および同第2004/0063663号、または米国特許第6,610,671号、同第6,479,467号、同第6,660,804号または同第6,509,323(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載のものなどが挙げられる。
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、Research Diagnostics Inc.(Flanders、NJ)から入手され得る。例示的なヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン製品としては、Encapsin(登録商標)(置換度約4)およびMolecusol(登録商標)(置換度約8)が挙げられる;しかしながら、他の置換度を含む実施形態もまた利用可能であり、本発明の範囲内である。
ジメチルシクロデキストリンはFLUKA Chemie(Buchs,CH)またはWacker(アイオワ州)から入手可能である。本発明における使用に適した他の誘導体化シクロデキストリンとしては、水溶性の誘導体化シクロデキストリンが挙げられる。例示的な水溶性誘導体化シクロデキストリンとしては、カルボキシル化誘導体;硫酸化誘導体;アルキル化誘導体;ヒドロキシアルキル化誘導体;メチル化誘導体;およびカルボキシ−β−シクロデキストリン、例えば、スクシニル−β−シクロデキストリン(SCD)が挙げられる。これらの物質はすべて、当該技術分野で知られた方法に従って作製され得るものおよび/または市販のものである。好適な誘導体化シクロデキストリンは、Modified Cyclodextrins:Scaffolds and Templates for Supramolecular Chemistry(編集Christopher J.Easton、Stephen F.Lincoln、Imperial College Press、ロンドン、UK、1999)およびNew Trends in Cyclodextrins and Derivatives(編集Dominique Duchene、Editions de Sante、パリ、フランス、1991)に開示されている。
本発明における使用に特に良好な生理学的適合性を有すると思われる非イオン界面活性剤の例は、チロキサポール、ポリソルベート、例えば、限定されないが、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)モノステアレート(商標Tween 20−40−60などで入手可能)、Polysorbate 80、Polyethylene glycol 400;ラウリル硫酸ナトリウム;ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート(商標Span 20−40−60などで入手可能)、塩化ベンザルコニウム、PPO−PEOブロックコポリマー(Pluronics)、Cremophor−EL、ビタミンE−TPGS(例えば、d−α−トコフェリル−ポリエチレングリコール−1000−スクシネート)、Solutol−HS−15、オレイン酸PEOエステル、ステアリン酸PEOエステル、Triton−X100、Nonidet P−40、およびマクロゴールヒドロキシステアレート(マクロゴール−15−ヒドロキシステアレートなど)である。
一部のある実施形態では、本発明における使用に適した非イオン界面活性剤をコルチコステロイドに配合し、リポソーム調製物、ミセルまたは混合ミセルを形成する。リポソームおよびリポソーム調製物の調製および特性評価のための方法は、当該技術分野で知られている。多くの場合、両親媒性の脂質が水和されると多層小胞が自発的に形成されるが、小さな単層小胞の形成には、通常、相当なエネルギー入力を伴うプロセス(例えば、超音波処理または高圧ホモジネーションなど)が必要とされる。リポソームの調製および特性評価のためのさらなる方法は、例えば、S.Vemuriら(Preparation and characterization of liposomes as therapuetic delivery system:a review.Pharm Acta Helv.1995、70(2):95−111)および米国特許5,019,394号、同第5,192,228号、同第5,882,679号、同第6,656,497号(これらは各々、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
場合によっては、例えば、ミセルまたは混合ミセルは界面活性剤によって形成され得、この場合、可溶性の不充分な活性薬剤が可溶化され得る。一般に、ミセルは、界面活性剤などの両親媒性分子の自発的および動的会合によって形成される実質的に球形の構造体と理解されている。混合ミセルは、異なる型の両親媒性の分子で構成されたミセルである。ミセルおよび混合ミセルはともに、その構造、特性および挙動が固形物と非常に異なるため、固形粒子と理解されるべきではない。ミセルを形成する両親媒性の分子は、通常、一時的に会合している。ミセル溶液では、ミセル形成性両親媒性物質と単分子分散両親媒性物質(これもその溶液中に存在する)との間で動的な分子交換がある。かかるミセルまたは混合ミセル中に可溶化される薬物分子の部分は、これらの分子の構造ならびに使用される界面活性剤に依存する。例えば、特に無極性分子は主にコロイド構造内部に局在するが、極性物質は該構造の表面上に見られる可能性が高いと想定される。ミセル溶液または混合ミセル溶液の一実施形態において、ミセルの平均サイズは、約200nm未満(光子相関分光法によって測定)、例えば、約10nm〜約100nmなどであり得る。約10nm〜約50nmの平均直径を有するミセルが特に好ましい。ミセルおよび混合ミセルの作製方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,747,066号および同第6,906,042号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
リン脂質は、リンを含有する両親媒性物質の脂質と規定される。ホスファチジン酸から化学的に誘導されたリン脂質が広く存在し、また、製薬目的に一般に使用されている。この酸は、通常、(二重)アシル化グリセロール−3−ホスフェート(その脂肪酸残基が異なる長さであり得る)である。ホスファチジン酸の誘導体としては、例えば、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン(リン酸基がコリンでさらにエステル化されている)、さらに、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールなどが挙げられる。レシチンは、通常、高比率のホスファチジルコリンを有する種々のリン脂質の天然の混合物である。具体的なレシチンの供給源ならびにその抽出および/または富化方法に応じて、このような混合物は、有意な量のステロール、脂肪酸、トリグリセリドおよび他の物質もまた含むものであり得る。
その生理学的特性のため吸入による送達に適したさらなるリン脂質には、特に、天然の供給源(大豆もしくはニワトリの卵黄など)からレシチンの形態で、好ましくは水素添加形態で抽出された、および/またはリゾレシチンから遊離されたリン脂質混合物、ならびに精製、富化または部分合成により調製されたリン脂質(好ましくは、飽和脂肪酸エステルを用いて)が含まれる。リン脂質混合物のうち、レシチンが特に好ましい。富化または部分合成により調製された中鎖から長鎖の両性イオンリン脂質は、主として、アシル鎖内に不飽和結合がなく、リゾレシチンおよび過酸化物がないものである。富化された、または純粋な化合物の例は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)である。これらのうち、DMPCが、現時点でより好ましい。あるいはまた、オレイル残基を有するリン脂質およびコリン残基をもたないホスファチジルグリセロールが、本発明の一部のある実施形態および適用用途に適する。
一部のある実施形態では、本発明における使用に適した非イオン界面活性剤およびリン脂質をコルチコステロイドに配合し、コロイド構造を形成する。コロイド溶液は、コロイド溶液中に分散されたコロイド状の物質が、固形物質に通常伴う測定可能な物性をもたない単相系と規定される。コロイド状分散液の作製方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第6,653,319号(これは、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
本発明における使用のための好適な表面改質剤は、当該技術分野において、例えば、米国特許第5,145,684号、同第5,510,118号、同第5,565,188号、および同第6,264,922号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。本発明における使用に適した表面改質剤および/または表面安定剤の例としては、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化性ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTween(登録商標)、例えば、Tween 20(登録商標)およびTween 80(登録商標)(ICI Specialty Chemicals))、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowaxs 3550(登録商標)および934(登録商標)(Union Carbide))、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状の二酸化ケイ素、リン酸塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオンおよびトリトンとしても知られる)、ポロキサマー(例えば、Pluronic F68(登録商標)およびF108(登録商標)、これらは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、ポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、Poloxamine 908(登録商標)としても知られ、これは、エチレンジアミンへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの逐次付加により誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Wyandotte Corporation、Parsippany、N.J.))、Tetronic 1508(登録商標)(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation)、Tritons X−200(登録商標)、(これは、アルキルアリールポリエーテルスルホネートである)(Rohm and Haas)、Crodestas F−100(登録商標)、(これは、スクロースステアレートとスクロースジステアレートとの混合物である)(Croda Inc.)、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)、(Olin−1OG(登録商標)またはSurfactant 10(登録商標)としても知られる)(Olin Chemicals、Stamford、Conn.)、Crodestas SL−40.RTM.(Croda,Inc.)、およびSA9OHCO(これは、C1837CH(CON(CH)CH(CHOH)(CHOH)(Eastman Kodak Co.)、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−β−D−グルコピラノシド、n−デシル−β−D−マルトピラノシド、n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ノイル−β−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチルβ−D−チオグルコピラノシド、PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのランダムコポリマーなど(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびスルホコハク酸ジオクチルナトリウム)が挙げられる。
他の有用なカチオン性安定剤としては、限定されないが、カチオン性脂質、スルホニウム、ホスホニウム、および第4級アンモニウム化合物、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロライド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)アンモニウムクロライドまたはブロミド、N−アルキル(C12〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−アルキル(C14〜18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N−テトラデシリドメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロライド、N−アルキルおよび(C12〜14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムハライド、アルキルトリメチルアンモニウム塩およびジアルキルジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、エトキシ化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩および/またはエトキシ化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロライド、N−ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、N−アルキル(C1214)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロライドおよびドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジル−ジメチルアンモニウムブロミド、C12、C15、C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジル−トリエチルアンモニウムクロライド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(ALIQUAT 336(登録商標))、POLYQUAT 10(登録商標)、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジル−トリメチルアンモニウムブロミドなど、コリンエステル(脂肪酸のコリンエステルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアラルコニウム化合物(塩化ステアリルトリモニウムおよび塩化ジステアリルジモニウムなど)、セチルピリジニウムブロミドまたはクロリド、4級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、Mirapol(登録商標)およびALKAQUAT(登録商標)(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩、アミン(アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびビニルピリジンなど)アミン塩(ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルピリジニウム塩およびアルキルイミダゾリウム塩ならびにアミンオキシドなど)、イミドアゾリニウム塩、プロトン化第4級アクリルアミド、メチル化第4級ポリマー(ポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロライド]およびポリ−[N−メチルビニルピリジニウムクロリド]など)、ならびにカチオン性グアーなどが挙げられる。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)に概説されており、Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。これらの方法により、選択された方法およびパラメータに応じて異なる形態を有するミクロンサイズおよびミクロン未満のサイズの粒子の形成が可能になる。また、これらのナノ粒子は、噴霧乾燥、凍結乾燥、体積排除および任意の他の慣用的な粒子縮小法によって加工され得る。
さらにまた、ナノメートルサイズの粒子の作製方法(例えば、SCF)によって、沈殿または凝縮中の粒子形成の条件を適切に調整することにより、所望の形態(例えば、非晶質、結晶性、分割されたラセミ体)の選択が可能となり得る。所望の粒子形態の選択の結果、選択した医薬の持続放出が達成され得る。このような粒子加工プロセスを用い、高い純度、低い表面不完全性、低い表面電荷および低い沈降速度を有するナノ粒子状物質が得られる。かかる粒子の特徴により、粒子の粘着、凝集が抑制され、また、液状分散液中での沈降が妨げられる。さらに、SCFなどのプロセスでは、ある種の医薬の異性体が分離され得るため、かかる分離が、該医薬の活性、有効性の増強ならびに極度の用量低減に寄与し得る。場合によっては、異性体の分離はまた、副作用の低減に寄与する。本発明の方法およびシステムにより、水性吸入混合物は、任意のプロセス、例えば、回収媒体中での直接的なSCF、噴霧乾燥、沈殿および体積排除によって粉末形態に加工された組成物となり得、従って、該微粒状化合物が、自動的に分散型製剤に作製される。一部の実施形態において、この製剤は、最終的な製剤であり得る。
本発明の一部の実施形態において、溶解度向上剤は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される化学薬品である。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
任意の既知の吸入ネブライザが、ここに記載する本発明における使用に適する。かかるネブライザとしては、例えば、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、ならびに振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザ(例えば、Pari eFlow(登録商標))が挙げられる。本発明における使用に適した市販の空気駆動型ジェットネブライザ、超音波ネブライザまたは拍動メンブレンネブライザとしては、Aeroneb(登録商標)、Aeroneb GO(登録商標)(Aerogen、サンフランシスコ、CA)、Pari LC PLUS(登録商標)、Pari Boy(登録商標)NおよびPari Duraneb(登録商標)(PARI Respiratory Equipment,Inc.、モンテレー、CA)、MicroAir(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Halolite(登録商標)(Profile Therapeutics Inc、ボストン、MA)、Respimat(登録商標)(Boehringer Ingelheim Ingelheim、ドイツ)、Aerodose(登録商標)(Aerogen,Inc、マウンテンビュー、CA)、Omron Elite(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Omron Microair(登録商標)(Omron Healthcare,Inc、バーノンヒルズ、イリノイ州)、Mabismist II(登録商標)(Mabis Healthcare,Inc、レークフォレスト、イリノイ州)、Lumiscope(登録商標)6610、(The Lumiscope Company,Inc、イーストブラウンズウィック、ニュージャージー州)、Airsep Mystique(登録商標)、(AirSep Corporation、バッファロー、NY)、Acorn−1およびAcorn−II(Vital Signs,Inc、トトワ、ニュージャージー州)、Aquatower(登録商標)(Medical Industries America、アデル、アイオワ州)、Ava−Neb(登録商標)(Hudson Respiratory Care Incorporated、テメキュラ、カリフォルニア州)、Cirrus(登録商標)(Intersurgical Incorporated、リバプール、ニューヨーク州)、Dart(登録商標)(Professional Medical Products、グリーンウッド、サウスカロライナ州)、Devilbiss(登録商標)Pulmo Aide(DeVilbiss Corp.サマセット、ペンシルバニア州)、Downdraft(登録商標)(Marquest、エングルウッド、コロラド州)、Fan Jet(登録商標)(Marquest、エングルウッド、コロラド州)、MB−5(Mefar、ボヴェッツォ、イタリア)、Misty Neb(登録商標)(Baxter、バレンシア、カリフォルニア州)、Salter 8900(Salter Labs、アービン、カリフォルニア州)、Sidestream(登録商標)(Medic−Aid、サセックス州、UK)、Updraft−II(登録商標)(Hudson Respiratory Care;テメキュラ、カリフォルニア州)、Whisper Jet(登録商標)(Marquest Medical Products、エングルウッド、コロラド州)、Aiolos(登録商標)(Aiolos Medicnnsk Teknik、カルルスタード、スウェーデン)、Inspiron(登録商標)(Intertech Resources,Inc.、バノックバーン、イリノイ州)、Optimist(登録商標)(Unomedical Inc.、マッカレン、テキサス州)、Prodomo(登録商標)、Spira(登録商標)(Respiratory Care Center、ヘメーンリンナ、フィンランド)、AERx(Aradigm Corporation、ヘイワード、カリフォルニア州)、Sonik(登録商標)LDI Nebulizer(Evit Labs、サクラメント、カリフォルニア州)、ならびにSwirler W Radioaerosol System(AMICI,Inc.、スプリングシティ、PA)が挙げられる。
任意のこれらおよび他の既知のネブライザを用いて、本発明に記載の水性吸入混合物が送達され得る。一部の実施形態において、ネブライザは、例えば、Pari GmbH(シュタルンベルク、ドイツ)、DeVilbiss Healthcare(へストン、ミドルセックス州、UK)、Healthdyne、Vital Signs、Baxter、Allied Health Care、Invacare、Hudson、Omron、Bremed、AirSep、Luminscope、Medisana、Siemens、Aerogen、Mountain Medical、Aerosol Medical Ltd.(コールチェスター、エセックス州、UK)、AFP Medical(ラグビー、ウォリックシャー州、UK)、Bard Ltd.(サンダーランド州、UK)、Carri−Med Ltd.(ドーキング、UK)、Plaem Nuiva(ブレシア、イタリア)、Henleys Medical Supplies(ロンドン、UK)、Intersurgical(バークシャー、UK)、LifecaTe Hospital Supplies(ライリーズ、UK)、Medic−Aid Ltd.(ウェストサセックス州、UK)、Medix Ltd.(エセックス州、UK)、Sinclair Medical Ltd.(サリー州、UK)、および他の多くから入手可能である。
本明細書に記載の方法およびシステムにおける使用に適した他のネブライザとしては、限定されないが、ジェットネブライザ(任意選択で、圧縮器とともに販売)、超音波ネブライザなどが挙げられる。本明細書における使用のための例示的なジェットネブライザとしては、Pari LC plus/ProNeb、Pari LC plus/ProNeb Turbo、Pari LCPIus/Dura Neb 1000 & 2000 Pari LC plus/Walkhaler、Pari LC plus/Pari Master、Pari LC star、Omron CompAir XL Portable Nebulizer System(NE−C18およびJetAir Disposable nebulizer)、Omron compare Elite Compressor Nebulizer System(NE−C21およびElite Air Reusable Nebulizer、Proneb Ultra compressorを備えるPari LC PlusまたはPari LC Star nebulizer、Pulomo−aide、Pulmo−aide LT、Pulmo−aide traveler、Invacare Passport、Inspiration Healthdyne 626、Pulmo−Neb Traveler、DeVilbiss 646、Whisper Jet、AcornII、Misty−Neb、Allied aerosol、Schuco Home Care、Lexan Plasic Pocet Neb、SideStream Hand Held Neb、Mobil Mist、Up−Draft、Up−DraftII、T Up−Draft、ISO−NEB、Ava−Neb、Micro Mist、ならびにPulmoMateが挙げられる。
本明細書における使用のための例示的な超音波ネブライザとしては、MicroAir、UltraAir、Siemens Ultra Nebulizer 145、CompAir、Pulmosonic、Scout、5003 Ultrasonic Neb、5110 Ultrasonic Neb、5004 Desk Ultrasonic Nebulizer、Mystique Ultrasonic、Lumiscope’s Ultrasonic Nebulizer、Medisana Ultrasonic Nebulizer、Microstat Ultrasonic Nebulizer、およびMabismist Hand Held Ultrasonic Nebulizerが挙げられる。本明細書における使用のための他のネブライザとしては、5000 Electromagnetic Neb、5001 Electromagnetic Neb 5002 Rotary Piston Neb、Lumineb I Piston Nebulizer 5500、Aeroneb Portable Nebulizer System、Aerodose InhalerおよびAeroEclipse Breath Actuated Nebulizerが挙げられる。多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを含む例示的なネブライザは、R.Dhandによって(New Nebuliser Technology−Aerosol Generation by Using a Vibrating Mesh or Plate with Multiple Apertures、Long−Term Healthcare Strategies 2003(2003年7月)、p.1−4)およびRespiratory Care,47:1406−1416(2002)(その各々の開示は、参考として本明細書に援用される)に記載されている。
ここに記載する本発明における使用に適したさらなるネブライザとしては、振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザが挙げられる。かかるネブライザは、かかるネブライザは、例えば、Pari eFlow(登録商標)として市販されており、米国特許第6,962,151号、同第5,518,179号、同第5,261,601号および同第5,152,456号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
噴霧化において使用されるパラメータ、例えば、流速、メッシュ膜サイズ、エーロゾル吸入チャンバのサイズ、マスクのサイズおよび材質、弁ならびに電源などは、これらの使用を最大限にするための本発明の原理に従い、種々の型の水性吸入混合物または種々の型のコルチコステロイドにより異なり得る。
上記のネブライザに加え、アトマイザもまた、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入溶液の送達のための本明細書に記載のシステムおよび方法に適している。アトマイザは、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,954,047号、同第6,026,808号、同第6,095,141号および同第6,527,151(これらは各々、参考として本明細書に具体的に援用される)に記載されている。
特定のある好ましい実施形態において、本明細書に記載の方法およびシステムは、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを有するネブライザ、または振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択されるネブライザを含む。本発明の一部の実施形態において、ネブライザは、Pari LC Jet Plus、Intertech、Baxter Misty−Neb、Hudson T−Updraft II、Hudson Ava−Neb、Aiolos、Pari LC Jet、DeVilbiss Pulmo−Neb、Hudson Iso−Neb(B)、Hudson T−Updraft Neb−U−Mist、Pari−Jet 1460、およびT−pieceを伴うAeroTechからなる群より選択される。他の特定の実施形態において、ネブライザはPari eFlowネブライザである。
本発明の他の態様において、本明細書に記載の方法およびシステムにより、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、気腫、または前記のものの任意の組合せからなる群より選択される気管支収縮性障害を有したことがあるか、または該障害が予期される被験体の処置のために、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)を含む水性吸入型混合物が被験体に治療有効量で送達され得る。
本発明のさらに他の態様において、本明細書に記載の方法およびシステムは、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日2回(b.i.d)以下で投与されるコルチコステロイドを含む水性吸入混合物を含む。さらに別の態様において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日2回投与される。また別の態様において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日1回以下で投与される。さらにまた別の態様において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日1回投与される。さらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って夕方に1日1回以下で投与される。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法およびシステムは、さらに、コルチコステロイドを含む水性吸入混合物を、1種類以上の活性薬剤との組合せで投与することを含むものであり得る。一部の実施形態において、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)は、(a)B2−アドレナリン作用性受容体作用薬;(b)ドパミン(D2)受容体作用薬;(c)ステロイドなどの予防的治療薬;(d)表面麻酔剤;または(e)抗コリン作用剤からなる群より選択される1種類以上の活性薬剤である1種類以上の他の薬物との組合せで、本明細書に示す吸入可能な組成物と同時、その前またはその後のいずれかで投与され得る。
本発明の別の態様において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、重量基準で、より効率的な用量のコルチコステロイドが提供され得る。一部の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により水性吸入混合物において提供されるコルチコステロイド用量は、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて、重量基準で有意に多くの量が、患者の血流中に吸収され得る。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、ブデソニドおよび溶解度向上剤を含む吸入混合物が送達され得る。ここで、投与されるブデソニドは重量基準で、約55%より多く(greater than greater than);または約50%;または約45%より多く;または約40%より多く;または約35%より多く;または約30%より多く;または約25%より多く;または約20%より多くが血流中に吸収される。
さらに他の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、治療有効量のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも有意に短い時間で送達され得る。例えば、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、少なくとも5分〜8分かかり、場合によっては10分を超える。対照的に、本発明の方法およびシステムでは、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が、約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において送達され得る。一部の実施形態において、送達時間は約5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約5分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約4.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約4.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約4分であり得る。また他の実施形態において、送達時間は約4分未満であり得る。さらにまた他の実施形態において、送達時間は約3.5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3.5分未満であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約3分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約2.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約2.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約2分であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約2分未満であり得る。好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分であり得る。より好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分未満であり得る。
他の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、名目投薬量の実質的に全部のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも有意に短い時間で送達され得る。例えば、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、少なくとも5分〜8分かかり、場合によっては10分を超える。対照的に、本発明の方法およびシステムでは、名目投薬量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が、約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において送達され得る。一部の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約5分間で送達され得る。他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約5分未満で送達され得る。特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4.5分間で送達され得る。他の特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4.5分(than)未満で送達され得る。さらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4分間で送達され得る。また他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4分未満で送達され得る。さらにまた他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3.5分間で送達され得る。他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3.5分未満で送達され得る。またさらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3分間で送達され得る。他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3分未満で送達され得る。特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2.5分間で送達され得る。他の特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2.5分未満で送達され得る。さらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2分間で送達され得る。またさらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2分未満で送達され得る。好ましい一実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約1.5分間で送達され得る。より好ましい一実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約1.5分未満で送達され得る。
他の特定の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、治療有効量のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも少ない容量を含む単位用量で送達され得る。例えば、本発明のシステムおよび方法により、水性吸入混合物の容量が約0.5ml〜5ml未満のとき、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が送達され得る。一部の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約3.5mlであり得る(can)。他の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約3.0mlであり得る。さらに他の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約2.5mlであり得る。また他の実施形態において、水性吸入混合物の容量約2.0mlであり得る。特定の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約1.5mlであり得る。他の特定の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約1.0mlであり得る。好ましい一実施形態において、水性吸入混合物の容量は約0.5mlであり得る。
本明細書に記載の方法およびシステムの態様には、本発明によってもたらされる利点の任意の1つ以上または全部を含むものであり得、さらなる実施形態は、本発明の範囲内であることを理解されたい。例えば、本明細書に記載の方法およびシステムは、を約60μg/用量の名目投薬量のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を、吸入混合物容量約0.5mlで、吸入型ネブライザにより提供するものであり得、ここで、該ネブライザによる該コルチコステロイド含有水性混合物の送達は約2分未満であり、該ネブライザによる該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の送達により、Cmaxが、約100μg/用量未満の名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物が、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約60%である場合の該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxに等しくなるようなコルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上がもたらされる。上記の実施形態は、数多くの態様または異形を含む本発明の一実施形態の単なる一例であり、なんら本発明の範囲を限定することを意図しない。
A.薬物動態学的プロフィールの向上を示すコルチコステロイドの送達
本発明はまた、ある名目投薬量のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに該水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含む、患者の気管支収縮性障害の処置または予防のための方法またはシステムが提供され得る。このような実施形態において、該方法は、同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を示すコルチコステロイドの送達を提供するものであり得る。
特定の実施形態において、本発明の方法およびシステムは、特定の実施形態において、(a)ある名目投薬量のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに(b)コルチコステロイドを含む水性吸入混合物をネブライザにより送達することを含む、気管支収縮性障害の、その処置を必要とする患者における処置または予防であって、該方法およびシステムにより、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイド(例えば、Pulmicort Respules(登録商標))を含む吸入可能な懸濁物の薬物動態学的プロフィールと比べて、該ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物の少なくとも2倍の薬物動態学的プロフィールの向上がもたらされる処置または予防を提供するものであり得る。一部の実施形態において、吸入可能な水性混合物により、有意に少ない名目投薬量を用いても、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、コルチコステロイドについて実質的に相当するバイオアベイラビリティが示され得る。他の実施形態において、吸入可能な水性混合物により、同じ名目投薬量で送達された場合、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、コルチコステロイドのバイオアベイラビリティの増大が示され得る。特定の実施形態において、吸入可能な懸濁物中のコルチコステロイドの名目投薬量(nominal dosage the corticosteroid)に対する水性吸入混合物中のコルチコステロイドの名目投薬量の比は、約0.01:1〜約1:100である。
他の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、(a)名目投薬量の単一のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに(b)コルチコステロイドを含む水性吸入混合物をネブライザにより送達することを含む、気管支収縮性障害の、その処置を必要とする患者における処置または予防であって、該方法およびシステムにより、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイド(例えば、Pulmicort Respules(登録商標))を含む吸入可能な懸濁物の薬物動態学的プロフィールと比べて、該ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物の少なくとも2倍の薬物動態学的プロフィールの向上がもたらされ、ここで、該吸入混合物は、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない、処置または予防が提供され得る。一部の実施形態において、吸入可能な水性混合物により、有意に少ない名目投薬量を用いても、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、コルチコステロイドについて実質的に相当するバイオアベイラビリティが示され得る。他の実施形態において、吸入可能な水性混合物により、同じ名目投薬量で送達された場合、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、コルチコステロイドのバイオアベイラビリティの増大が示され得る。特定の実施形態において、吸入可能な懸濁物中のコルチコステロイド名目投薬量に対する水性吸入混合物中のコルチコステロイドの名目投薬量の比は、約0.01:1〜約1:100である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤のCmaxよりも大きいCmaxを有するものであり得る。他の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤のAUC(last)よりも大きいAUC(last)を有するものであり得る。さらに他の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤のAUC(0〜∞)よりも大きいAUC(0〜∞)を有するものであり得る。また他の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤のTmaxより小さいTmaxを有するものであり得る。
他の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、水性吸入混合物の名目投薬量が、同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤の名目投薬量より少ないときに、懸濁物系コルチコステロイド製剤のCmaxに相当するCmaxを有するものであり得る。他の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、水性吸入混合物の名目投薬量が、同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤の名目投薬量より少ないときに、懸濁物系コルチコステロイド製剤のAUC(last)に相当するAUC(last)を有するものであり得る。さらに他の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、水性吸入混合物の名目投薬量が、同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤の名目投薬量より少ないときに、懸濁物系コルチコステロイド製剤のAUC(0〜∞)に相当するAUC(0〜∞)を有するものであり得る。また他の実施形態において、本明細書に記載の方法によって送達されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、水性吸入混合物の名目投薬量が、同じ条件下で投与される懸濁物系コルチコステロイド製剤の名目投薬量より少ないときに、懸濁物系コルチコステロイド製剤のTmaxより小さいTmaxを有するものであり得る。
前述のように、血漿レベルが上昇したコルチコステロイドへの曝露の増大により、望ましくない副作用がもたらされ得る。したがって、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法の高用量で観察されるものと同じまたはより良好な治療効果が得られ得る、より低いコルチコステロイド用量が所望される。かかる低用量は、本明細書に記載の方法およびシステムを用いると、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、コルチコステロイドのバイオアベイラビリティが大きくなる結果、実現され得る。本明細書に記載の方法およびシステムにより、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物で、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイド(例えば、Pulmicort Respules(登録商標))を含む吸入可能な懸濁物の薬物動態学的プロフィールと比べて、特定の治療パラメータ(例えば、AUC(0〜∞))が少なくとも約1.5倍(150%)〜約10倍(1000%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を伴うコルチコステロイドが送達され得、薬物動態学的プロフィールが向上する。特定の実施形態において、吸入可能な懸濁物中のコルチコステロイドの名目投薬量に対する水性吸入混合物中のコルチコステロイドの名目投薬量の比は約0.01:1〜約1:100である。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法およびシステムにより、水性吸入混合物中のコルチコステロイドの名目投薬量が、慣用的な吸入可能な懸濁物中のコルチコステロイドの名目用量の少なくとも約1:1.5〜約1:10の範囲であるとき、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、相当するバイオアベイラビリティ(例えば、相当するAUC(0〜∞))を含む薬物動態学的プロフィールの向上を伴って、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物が送達され得、薬物動態学的プロフィールの向上(1.5倍〜約10倍の薬物動態学的プロフィールの向上)がもたらされる。
特定の実施形態において、本発明の方法およびシステムは、(a)ある名目投薬量のコルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに(b)コルチコステロイドを含む水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含み、該方法およびシステムにより、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の薬物動態学的プロフィールと比べて、薬物動態学的プロフィールが約1.5倍(150%)〜約10倍(1000%)向上した該名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物が送達される気管支収縮性障害の、その処置を必要とする患者における処置または予防をもたらすものであり得る。他の実施形態において、吸入混合物は、単一のコルチコステロイドを含み、コルチコステロイド以外の他のいずれの薬学的に活性薬剤も実質的に含まない。一実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物により、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約1.5倍(150%)〜約9倍(900%)の薬物動態学的プロフィールの向上が送達され得る。別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与される名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約1.5倍(150%)〜約8倍(800%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有し得る(can deliver have)。また別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が約1.5倍(150%)〜約7倍(700%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が約1.5倍(150%)〜約6倍(600%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。一実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が約1.5倍(150%)〜約5倍(500%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。また別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が約1.5倍(150%)〜約4倍(400%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が約1.5倍(150%)〜約3倍(300%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。またさらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が約1.5倍(150%)〜約2倍(200%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。一実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約2倍(200%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約3倍(300%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。また別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約4倍(400%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約5倍(500%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。またさらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約6倍(600%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。
他の特定の実施形態において、ある名目投薬量のブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のブデソニドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上が少なくとも約2倍(200%)〜約6倍(600%)の範囲である薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。一実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のブデソニドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のブデソニドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約2倍(200%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のブデソニドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のブデソニドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約3倍(300%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。また別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のブデソニドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のブデソニドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約4倍(400%)薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のブデソニドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のブデソニドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約5倍(500%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。またさらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるある名目投薬量のブデソニドを含む水性吸入混合物は、同じ条件下で投与される場合、ある名目投薬量のブデソニドを含む慣用的な吸入可能な懸濁物と比べて、約6倍(600%)の薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。
本明細書に記載の方法およびシステムによってもたらされるコルチコステロイドの薬物動態学的プロフィールの向上により、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本発明の方法およびシステムにより、コルチコステロイド含有水性吸入型混合物が、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:10の範囲である名目投薬量を有するとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物に相当するバイオアベイラビリティを有するコルチコステロイド含有水性吸入型混合物が送達され得る。一実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、(1)コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物を提供すること、ならびに(2)水性吸入混合物を吸入ネブライザにより送達することを含み、該ネブライザによる該コルチコステロイド含有水性混合物の送達により、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:10であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べると、相当するコルチコステロイドのバイオアベイラビリティがもたらされ得る、気管支収縮性障害の、その処置を必要とする患者における処置または予防が提供され得る。別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:9であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:8であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。また別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:7であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:6であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。一実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:5であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。また別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:4であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:3であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。またさらに別の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって投与されるコルチコステロイド含有水性吸入混合物は、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:2であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものであり得る。
他の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:10であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:5であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:4であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。さらに他の実施形態において、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:4であるとき、該コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。
他の特定の実施形態において、ブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なブデソニド含有吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:10であるとき、該ブデソニド含有吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。さらに他の実施形態において、ブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なブデソニド含有吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:5であるとき、該ブデソニド含有吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。またさらに他の実施形態において、ブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なブデソニド含有吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:4であるとき、該ブデソニド含有吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。さらに他の実施形態において、ブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物は、本明細書に記載のシステムおよび方法によって送達され、該水性吸入混合物の名目投薬量が、慣用的なブデソニド含有吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:4であるとき、該ブデソニド含有吸入可能な懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールの向上を有するものである。
特定の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、治療有効量のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも少ない容量を含む単位用量で送達され得る。例えば、本発明のシステムおよび方法により、水性吸入混合物の容量が約0.5ml〜5ml未満のとき、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が送達され得る。一部の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約3.5mlであり得る。他の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約3.0mlであり得る。さらに他の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約2.5mlであり得る。また他の実施形態において、水性吸入混合物の容量約2.0mlであり得る。特定の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約1.5mlであり得る。他の特定の実施形態において、水性吸入混合物の容量は約1.0mlであり得る。好ましい一実施形態において、水性吸入混合物の容量は約0.5mlであり得る。
さらに他の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、治療有効量のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも有意に短い時間で送達され得る。例えば、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、少なくとも5分〜8分かかり、場合によっては10分を超える。対照的に、本発明の方法およびシステムでは、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が、約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において送達され得る。一部の実施形態において、送達時間は約5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約5分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約4.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約4.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約4分であり得る。また他の実施形態において、送達時間は約4分未満であり得る。さらにまた他の実施形態において、送達時間は約3.5分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3.5分未満であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約3分であり得る。他の実施形態において、送達時間は約3分未満であり得る。特定の実施形態において、送達時間は約2.5分であり得る。他の特定の実施形態において、送達時間は約2.5分未満であり得る。さらに他の実施形態において、送達時間は約2分であり得る。またさらに他の実施形態において、送達時間は約2分未満であり得る。好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分であり得る。より好ましい一実施形態において、送達時間は約1.5分未満であり得る。
他の実施形態において、本発明の方法およびシステムにより、名目投薬量の実質的に全部のコルチコステロイドが、慣用的な吸入型コルチコステロイド療法よりも有意に短い時間で送達され得る。例えば、Pari LC Plusジェットネブライザによって投与されるPulmicort(登録商標)Respulesの噴霧化時間は、少なくとも5分〜8分かかり、場合によっては10分を超える。対照的に、本発明の方法およびシステムでは、治療有効量のコルチコステロイド(ブデソニドなど)が、約5分未満〜約1.5分未満の送達時間において送達され得る。一部の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約5分間で送達され得る。他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約5分未満で送達され得る。特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4.5分間で送達され得る。他の特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4.5分間未満で送達され得る。さらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4分間で送達され得る。また他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約4分未満で送達され得る。さらにまた他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3.5分間で送達され得る。他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3.5分間未満で送達され得る。またさらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3分間で送達され得る。他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約3分未満で送達され得る。特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2.5分間で送達され得る。他の特定の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2.5分未満で送達され得る。さらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2分間で送達され得る。またさらに他の実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約2分未満で送達され得る。好ましい一実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約1.5分間で送達され得る。より好ましい一実施形態において、名目投薬量の実質的に全部が約1.5分間未満で送達され得る。
B.Cmax血漿値
気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、コルチコステロイド含有吸入混合物が被験体に、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、コルチコステロイドのCmax血漿値の増大を有する活性成分が送達される様式で送達され得る。一例において、慣用的なブデソニド懸濁物を単回用量で、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約5分の投与時間で投与すると、Cmax血漿値が、500μg〜1000μgの名目投薬量で、それぞれ、約556±193(pg/ml)〜約1114±593(pg/ml)の範囲となるような薬物動態学的プロフィールが示される。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μg、120μgおよび240μgの名目投薬量を有するブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液を単回用量で、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、それぞれ、約227±89(pg/ml)、約578±238(pg/ml)および1195±811(pg/ml)のCmax血漿値が得られた。図4に、上記のCmax血漿値を得るために用いたデータのグラフ表示を示す。
第2の例では、慣用的なブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))を1日2回7日間、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約4分の投与時間で投与すると、250μgおよび500μgの名目投薬量で、それぞれ、319.6±185pg/mlおよび約491.4±207pg/mlの平均Cmax血漿値を有する薬物動態学的プロフィールが示された。同250μgおよび500μgのPulmicort Respules(登録商標)吸入懸濁物は、それぞれ、270.5pg/mlおよび451.6pg/mlのCmax血漿幾何平均値を有した。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小Cmax血漿値が約186.4pg/ml、最大Cmax血漿値が約779.4pg/ml、および幾何平均Cmax値が約362.2pg/mlであった。同様に、120μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小Cmax血漿値が約169.8pg/ml、最大Cmax血漿値が約1160.4pg/ml、および幾何平均Cmax値が約516.9pg/mlであった。図5に、上記のCmax血漿値の基準としたデータのグラフ表示を示す。
したがって、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムにより、同じ条件下で投与されるある名目投薬量のコルチコステロイドを含む慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールが向上した、ある名目投薬量のコルチコステロイドを含む吸入混合物の送達がもたらされる。より具体的には、特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイド用量に正規化されたコルチコステロイドに対して、Cmax血漿値(個体ベースで測定)の少なくとも約1.5倍〜約14倍の増加がもたらされる。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイド用量に正規化されたコルチコステロイドに対して、Cmax血漿値(個体ベースで測定)の少なくとも約1.5倍〜約13倍、約1.5倍〜約12倍、約1.5倍〜約10倍、約1.5倍〜約8倍、約1.5倍〜約7.5倍、約1.5倍〜約7倍、約1.5倍〜約6.5倍、約1.5倍〜約6.25倍、約1.5倍〜約6倍、約1.5倍〜約5.75倍、約1.5倍〜約5.5倍、約1.5倍〜約5倍、約1.5倍〜約4.75倍、約1.5倍〜約4.5倍、約1.5倍〜約4倍の増加がもたらされる。
他の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、試験患者集団間で考慮したコルチコステロイドに対して(例えば、試験患者集団間の幾何平均を用いて測定すると)、Cmax血漿値の少なくとも約4倍〜約7倍の増加がもたらされる。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、試験患者集団間で考慮したコルチコステロイドに対して、Cmax血漿値の少なくとも約4倍〜約7倍、約4倍〜約6.5倍、約4倍〜約6.25倍、約4倍〜約6倍、約4倍〜約5.75倍、約4倍〜約5.5倍、約4倍〜約5倍、約5倍〜約7倍、約5.5倍〜約7倍、約6倍〜約7倍の増加がもたらされる。
一部の実施形態において、Cmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値よりも有意に大きいものであり得る。特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値の約1.5倍(150%)〜約14倍(1400%)であり得る。他の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値の約1.5倍(150%)〜約12倍(1200%)であり得る。さらに他の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値の約1.5倍(150%)〜約10倍(1000%)であり得る。一実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値の少なくとも約12倍(1200%)であり得る。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約1000%(10倍)〜約1200%(12倍)、約1100%(11倍)〜約1200%(12倍)、または約1150%(11.5倍)〜約1200%(12倍)大きいものであり得る。他の実施形態において、薬物動態学的プロフィールの向上は、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与されるコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより大きい水性吸入混合物のCmaxを含む。一実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約1000%(10倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約900%(9倍)〜約1000%(10倍)、約925%(9.25倍)〜約1000%(10倍)、または約950%(9.5倍)〜約1000%(10倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約900%(9倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約800%(8倍)〜約900%(9倍)、約825%(8.25倍)〜約900%(9倍)、または約850%(8.5倍)〜約900%(9倍)大きいものであり得る。さらに別の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約800%(8倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約700%(7倍)〜約800%(8倍)、約725%(7.25倍)〜約800%(8倍)、または約750%(7.5倍)〜約800%(8倍)大きいものであり得る。さらにまた別の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約700%(7倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約600%(6倍)〜約700%(7倍)、約625%(6.25倍)〜約700%(7倍)、または約650%(6.5倍)〜約700%(7倍)大きいものであり得る。一実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより少なくとも約600%(6倍)大きい。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約500%(5倍)〜約600%(6倍)、約525%(5.25倍)〜約600%(6倍)、または約550%(5.5倍)〜約600%(6倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより少なくとも約500%(5倍)大きい。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約400%(4倍)〜約500%(5倍)、約425%(4.25倍)〜約500%(5倍)、または約450%(4.5倍)〜約500%(5倍)大きいものであり得る。また別の実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより少なくとも約400%(4倍)大きい。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約300%(3倍)〜約400%(4倍)、約325%(3.25倍)〜約400%(4倍)、または約350%(3.5倍)〜約400%(4倍)大きいものであり得る。さらに別の実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより少なくとも約300%(3倍)大きい。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値より少なくとも約200%(2倍)〜約300%(3倍)、約225%(2.25倍)〜約300%(3倍)、または約250%(2.5倍)〜約300%(3倍)大きいものであり得る。またさらに別の実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより少なくとも約200%(2倍)大きい。他の特定の実施形態において、Cmaxは、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値の約150%(1.5倍)〜約200%(2倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のCmaxより少なくとも約150%(1.5倍)大きい。
他の実施形態において、Cmaxは、コルチコステロイド含有水性吸入混合物が、より少ない名目投薬量で同じ条件下で投与されるとき、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるCmax血漿値に実質的に相当するものであり得る。一実施形態において、該名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5(すなわち、1.5倍の薬物動態学的プロフィールの向上)〜約1:10(すなわち、10倍の薬物動態学的プロフィールの向上)であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:9であり得る。また別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:8であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:7であり得る。さらなる一実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:6であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:5であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:4であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:3であり得る。特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:3であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:4であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:5であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:6であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:7であり得る。他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:8であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:9であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:10であり得る。
C.AUC(last)血漿値
気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、コルチコステロイド含有吸入混合物が被験体に、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、コルチコステロイドのAUC(last)血漿値の増大を有する活性成分が送達される様式で送達され得る。例えば、慣用的なブデソニド懸濁物を単回用量で、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約5分の投与時間で投与すると、AUC(last)血漿値が、500μg〜1000μgの名目投薬量で、それぞれ、約739±220(pg/h/ml)〜約1989±379(pg/h/ml)の範囲となるような薬物動態学的プロフィールが示される。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μg、120μgおよび240μgの名目投薬量を有するブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液を単回用量で、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、それぞれ、約179±75(pg/h/ml)、約569±213(pg/h/ml)、および1183±328(pg/h/ml)のAUC(last)血漿値が得られた。図4に、上記のAUC(last)血漿値を得るために用いたデータのグラフ表示を示す。
第2の例では、慣用的なブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))を1日2回7日間、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約4分の投与時間で投与すると、250μgおよび500μgの名目投薬量で、それぞれ、361.1±212pg/mlおよび約811.1±328pg/mlの平均AUC(last)血漿値を有する薬物動態学的プロフィールが示された。同250μgおよび500μgのPulmicort Respules(登録商標)吸入懸濁物は、それぞれ、302.6pg/mlおよび735.1pg/mlのAUC(last)血漿幾何平均値を有した。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小AUC(last)血漿値が約106.4pg/ml、最大AUC(last)血漿値が約463.1pg/ml、および幾何平均AUC(last)値が約293.7pg/mlであった。同様に、120μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小AUC(last)血漿値が約168.2pg/ml、最大AUC(last)血漿値が約1496.7pg/ml、および幾何平均AUC(last)値が約621.4pg/mlであった。図5に、上記のAUC(last)血漿値の基準としたデータのグラフ表示を示す。
したがって、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムにより、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールが向上したコルチコステロイド含有吸入混合物の送達がもたらされる。より具体的には、本明細書に記載のシステムおよび方法により、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、コルチコステロイド(個体ベースで測定)のAUC(last)血漿値の少なくとも約1.5倍〜約10倍の増加がもたらされる。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイド用量に正規化されたコルチコステロイドに対して、AUC(last)血漿値(個体ベースで測定)の少なくとも約1.5倍〜約10倍、約1.5倍〜約9.5倍、約1.5倍〜約9倍、約1.5倍〜約8.5倍、約1.5倍〜約8倍、約1.5倍〜約7.75倍、約1.5倍〜約7.5倍、約1.5倍〜約7.25倍、約1.5倍〜約7倍、約1.5倍〜約6.75倍、約1.5倍〜約6.5倍、約1.5倍〜約6倍、約1.5倍〜約5.75倍、約1.5倍〜約5.5倍、約1.5倍〜約5倍、約1.5倍〜約4.75倍、約1.5倍〜約4.5倍、約1.5倍〜約4倍の増加がもたらされる。
他の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、試験患者集団間で考慮したコルチコステロイドに対して(例えば、試験患者集団間の幾何平均を用いて測定すると)、AUC(last)血漿値の少なくとも約4倍〜約6倍の増加がもたらされる。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、試験患者集団間で考慮したコルチコステロイドに対して、AUC(last)血漿値の少なくとも約4倍〜約6倍、約4倍〜約5.75倍、約4倍〜約5.5倍、約4倍〜約5.25倍、約4倍〜約5倍、約4.5倍〜約6倍、約4.75倍〜約6倍、約5倍〜約6倍、約5.5倍〜約6倍の増加がもたらされる。
一部の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より有意に大きいAUC(last)をもたらすものであり得る。特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値の約1.5倍(150%)〜約10倍(1000%)であり得る。一実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約1000%(10倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約900%(9倍)〜約1000%(10倍)、約925%(9.25倍)〜約1000%(10倍)、または約950%(9.5倍)〜約1000%(10倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約900%(9倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約800%(8倍)〜約900%(9倍)、約825%(8.25倍)〜約900%(9倍)、または約850%(8.5倍)〜約900%(9倍)大きいものであり得る。さらに別の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約800%(8倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約700%(7倍)〜約800%(8倍)、約725%(7.25倍)〜約800%(8倍)、または約750%(7.5倍)〜約800%(8倍)大きいものであり得る。さらにまた別の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約700%(7倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約600%(6倍)〜約700%(7倍)、約625%(6.25倍)〜約700%(7倍)、または約650%(6.5倍)〜約700%(7倍)大きいものであり得る。一実施形態において、AUC(last)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(last)より少なくとも約600%(6倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約500%(5倍)〜約600%(6倍)、約525%(5.25倍)〜約600%(6倍)、または約550%(5.5倍)〜約600%(6倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、AUC(last)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(last)より少なくとも約500%(5倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約400%(4倍)〜約500%(5倍)、約425%(4.25倍)〜約500%(5倍)、または約450%(4.5倍)〜約500%(5倍)大きいものであり得る。また別の実施形態において、AUC(last)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(last)より少なくとも約400%(4倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約300%(3倍)〜約400%(4倍)、約325%(3.25倍)〜約400%(4倍)、または約350%(3.5倍)〜約400%(4倍)大きいものであり得る。さらに別の実施形態において、AUC(last)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(last)より少なくとも約300%(3倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値より少なくとも約200%(2倍)〜約300%(3倍)、約225%(2.25倍)〜約300%(3倍)、または約250%(2.5倍)〜約300%(3倍)大きいものであり得る。またさらに別の実施形態において、AUC(last)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(last)より少なくとも約200%(2倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(last)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値の約150%(1.5倍)〜約200%(2倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、AUC(last)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(last)より少なくとも約150%(1.5倍)大きい。
一部の実施形態において、AUC(last)は、水性吸入混合物が、より少ない名目投薬量で同じ条件下で投与されるとき、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(last)血漿値に実質的に等しいものである。一実施形態において、該名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5(すなわち、1.5倍の薬物動態学的プロフィールの向上)〜約1:10(すなわち、10倍の薬物動態学的プロフィールの向上)であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:9であり得る。また別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:8であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:7であり得る。さらなる一実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:6であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:5であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:4であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:3であり得る。特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:3であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:4であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:5であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:6であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:7であり得る。他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:8であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:9であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:10であり得る。
D.AUC(0〜∞)血漿値
気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、コルチコステロイドが被験体に、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、コルチコステロイドのAUC(0〜∞)血漿値の増大を有する活性成分が送達される様式で送達され得る。例えば、慣用的なブデソニド懸濁物を単回用量で、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約5分の投与時間で投与すると、AUC(0〜∞)血漿値が、500μg〜1000μgの名目投薬量で、それぞれ、約867±216(pg/h/ml)〜約2083±394(pg/h/ml)の範囲となるような薬物動態学的プロフィールが示される。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μg、120μgおよび240μgの名目投薬量を有するブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液を単回用量で、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、それぞれ、約262±125(pg/h/ml)、約679±201(pg/h/ml)、および約1365±313(pg/h/ml)のAUC(0〜∞)が得られた。図4に、上記のAUC(last)血漿値を得るために用いたデータのグラフ表示を示す。
第2の例では、慣用的なブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))を1日2回7日間、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約4分の投与時間で投与すると、250μgおよび500μgの名目投薬量で、それぞれ、472.3±239pg/mlおよび約945.7±363pg/mlの平均AUC(0〜∞)血漿値を有する薬物動態学的プロフィールが示された。同250μgおよび500μgのPulmicort Respules(登録商標)吸入懸濁物は、それぞれ、413.0pg/mlおよび874.6pg/mlのAUC(0〜∞)血漿幾何平均値を有した。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小AUC(0〜∞)血漿値が約156.5pg/ml、最大AUC(0〜∞)血漿値が約748.5pg/ml、および幾何平均AUC(0〜∞)値が約396.1pg/mlであった。同様に、120μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小AUC(0〜∞)血漿値が約221.4pg/ml、最大AUC(0〜∞)血漿値が約1863.7pg/ml、および幾何平均AUC(0〜∞)値が約752.2pg/mlであった。図5に、上記のAUC(0〜∞)血漿値の基準としたデータのグラフ表示を示す。
したがって、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、薬物動態学的プロフィールが向上したコルチコステロイドの送達がもたらされる。より具体的には、本明細書に記載のシステムおよび方法により、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、コルチコステロイドのAUC(0〜∞)血漿値(個体ベースで測定)の少なくとも約1.5倍〜約10倍の増加がもたらされる。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べて、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイド用量に正規化されたコルチコステロイドに対して、AUC(0〜∞)血漿値(個体ベースで測定)の少なくとも約1.5倍〜約10倍、約1.5倍〜約9.5倍、約1.5倍〜約9倍、約1.5倍〜約8.5倍、約1.5倍〜約8倍、約1.5倍〜約7.75倍、約1.5倍〜約7.5倍、約1.5倍〜約7.25倍、約1.5倍〜約7倍、約1.5倍〜約6.75倍、約1.5倍〜約6.5倍、約1.5倍〜約6倍、約1.5倍〜約5.75倍、約1.5倍〜約5.5倍、約1.5倍〜約5倍、約1.5倍〜約4.75倍、約1.5倍〜約4.5倍、約1.5倍〜約4倍の増加がもたらされる。
他の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、試験患者集団間で考慮したコルチコステロイドに対して(例えば、試験患者集団間の幾何平均を用いて測定すると)、AUC(0〜∞)血漿値の少なくとも約4倍〜約6倍の増加がもたらされる。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法により、投与されたコルチコステロイド1マイクログラムあたりのコルチコステロイドの用量に正規化すると、同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド療法と比べ、試験患者集団間で考慮したコルチコステロイドに対して、AUC(0〜∞)血漿値の少なくとも約4倍〜約6倍、約4倍〜約5.75倍、約4倍〜約5.5倍、約4倍〜約5.25倍、約4倍〜約5倍、約4.5倍〜約6倍、約4.75倍〜約6倍、約5倍〜約6倍、または約5.5倍〜約6倍の増加がもたらされる。
一部の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より有意に大きいAUC(0〜∞)をもたらすものであり得る。特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値の約1.5倍(150%)〜約10倍(1000%)であり得る。一実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約1000%(10倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約900%(9倍)〜約1000%(10倍)、約925%(9.25倍)〜約1000%(10倍)、または約950%(9.5倍)〜約1000%(10倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約900%(9倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約800%(8倍)〜約900%(9倍)、約825%(8.25倍)〜約900%(9倍)、または約850%(8.5倍)〜約900%(9倍)大きいものであり得る。さらに別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約800%(8倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約700%(7倍)〜約800%(8倍)、約725%(7.25倍)〜約800%(8倍)、または約750%(7.5倍)〜約800%(8倍)大きいものであり得る。さらにまた別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約700%(7倍)大きいものであり得る。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約600%(6倍)〜約700%(7倍)、約625%(6.25倍)〜約700%(7倍)、または約650%(6.5倍)〜約700%(7倍)大きいものであり得る。一実施形態において、AUC(0〜∞)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(0〜∞)より少なくとも約600%(6倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約500%(5倍)〜約600%(6倍)、約525%(5.25倍)〜約600%(6倍)、または約550%(5.5倍)〜約600%(6倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(0〜∞)より少なくとも約500%(5倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約400%(4倍)〜約500%(5倍)、約425%(4.25倍)〜約500%(5倍)、または約450%(4.5倍)〜約500%(5倍)大きいものであり得る。また別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(0〜∞)より少なくとも約400%(4倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約300%(3倍)〜約400%(4倍)、約325%(3.25倍)〜約400%(4倍)、または約350%(3.5倍)〜約400%(4倍)大きいものであり得る。さらに別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(0〜∞)より少なくとも約300%(3倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値より少なくとも約200%(2倍)〜約300%(3倍)、約225%(2.25倍)〜約300%(3倍)、または約250%(2.5倍)〜約300%(3倍)大きいものであり得る。またさらに別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(0〜∞)より少なくとも約200%(2倍)大きい。他の特定の実施形態において、AUC(0〜∞)は、同じ条件下で同じ名目投薬量の慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値の約150%(1.5倍)〜約200%(2倍)大きいものであり得る。別の実施形態において、AUC(0〜∞)は、コルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物のAUC(0〜∞)より少なくとも約150%(1.5倍)大きい。
一部の実施形態において、AUC(0〜∞)は、水性吸入混合物が、より少ない名目投薬量で同じ条件下で投与されるとき、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるAUC(0〜∞)血漿値に実質的に等しいものである。一実施形態において、該名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5(すなわち、1.5倍の薬物動態学的プロフィールの向上)〜約1:10(すなわち、10倍の薬物動態学的プロフィールの向上)であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:9であり得る。また別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:8であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:7であり得る。さらなる一実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:6であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:5であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:4であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:3であり得る。特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:3であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:4であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:5であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:6であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:7であり得る。他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:8であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:9であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:10であり得る。
E.Tmax血漿値の低減
気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、コルチコステロイドが被験体に、同じ用量で同じ条件下で投与される慣用的な吸入型コルチコステロイド懸濁物と比べて、コルチコステロイドのTmax血漿値の低減を有する活性成分が送達される様式で送達され得る。一例において、慣用的なブデソニド懸濁物を単回用量で、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約5分の投与時間で投与すると、Tmax血漿値が、500μg〜1000μgの名目投薬量で、それぞれ、約0.24±0.25(h)〜約0.23±0.24(h)の範囲となるような薬物動態学的プロフィールが示される。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μg、120μgおよび240μgの名目投薬量を有するブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液を単回用量で、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、それぞれ、約0.11±0.09(h)、0.11±0.09(h)、および0.21±0.24(h)のTmax血漿値が得られた。
第2の例では、慣用的なブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))を1日2回7日間、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約4分の投与時間で投与すると、250μgのブデソニドの名目投薬量で平均Tmax血漿値が0.22±0.22(h)であり、最小Tmax血漿値が約0.08(h)および最大Tm2x血漿値が約0.75(h)であり、500μgのブデソニドの名目投薬量で、平均Tmax血漿値が約0.19±0.19(h)であり、最小Tmax血漿値が約0.08(h)および最大Tmax血漿値が約0.75(h)である薬物動態学的プロフィールが示された。本明細書に記載のシステムおよび方法を用い、60μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小Tmax血漿値が約0.08(h)、最大Tmax血漿値が約0.25(h)、および平均Tmax値が約0.11(h)であった。同様に、120μgのCBIS吸入溶液を1日2回7日間、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達すると、最小Tmax血漿値が約0.08(h)、最大Tmax血漿値が約0.50(h)、および平均Tmax値が約0.14(h)であった。図5に、上記のTmax血漿値の基準としたデータのグラフ表示を示す。
したがって、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値より有意に小さいTmaxをもたらすものであり得る。一部の実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値の少なくとも約1/1.5〜約1/10であり得る。特定の実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値の少なくとも約1/8であり得る。他の特定の実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値より少なくとも約1/6倍であり得る。かかる一実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値の少なくとも約1/4であり得る。別の実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値の少なくとも約1/3であり得る。さらに別の実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値より少なくとも約2倍速い(fast)ものであり得る。またさらに別の実施形態において、Tmaxは、同じ名目投薬量で同じ条件下で投与される慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値より少なくとも約1.5倍速いものであり得る。
一部の実施形態において、Tmaxは、水性吸入混合物が、より少ない名目投薬量で同じ条件下で投与されるとき、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物によって示されるTmax血漿値より小さいものであり得る。一実施形態において、該名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5(すなわち、1.5倍の薬物動態学的プロフィールの向上)〜約1:10(すなわち、10倍の薬物動態学的プロフィールの向上)であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:9であり得る。また別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:8であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:7であり得る。さらなる一実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:1.5〜約1:6であり得る。別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:5であり得る。さらに別の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:4であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイドを含む水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2〜約1:3であり得る。特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:2であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:3であり得る。他の特定の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:4であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:5であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:6であり得る。さらにまた他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:7であり得る。他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:8であり得る。さらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:9であり得る。またさらに他の実施形態において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物の名目投薬量は、慣用的なコルチコステロイドを含む吸入可能な懸濁物の名目投薬量の約1:10であり得る。
XIII.処置のための方法およびシステムにおける使用のための投薬量
気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムにより、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)および溶解度向上剤を含む水性吸入混合物が被験体に、個々の患者の臨床状態、投与の部位および方法、投与計画ならびに医療行為者にはわかる他の要素を考慮し、良好な医療行為に従って活性成分が送達される様式で送達され得る。ヒトの治療法では、本明細書に記載の方法により、治療有効量のコルチコステロイド(例えば、ブデソニド)が作用部位に維持され、それにより気管支収縮性障害に関連する症状が低減または緩和されるコルチコステロイド溶液(例えば、ブデソニド溶液)が送達され得る。他の実施形態において、水性吸入混合物は、コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。
他の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)、溶媒および溶解度向上剤を含む水性吸入混合物が被験体に、個々の患者の臨床状態、投与の部位および方法、投与計画ならびに医療行為者にはわかる他の要素を考慮し、良好な医療行為に従って活性成分が送達される様式で送達され得る。ヒトの治療法では、本明細書に記載の方法により、本明細書に記載の方法により、治療有効量のコルチコステロイド(例えば、ブデソニド)が作用部位に維持され、それにより気管支収縮性障害に関連する症状が低減または緩和されるコルチコステロイド溶液(例えば、ブデソニド溶液)が送達され得る。他の実施形態において、水性吸入混合物は、コルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含み、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。
セクションXIIに上記の本明細書に記載の方法およびシステムの種々の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置を必要とする患者において処置または予防するための本明細書に記載の方法およびシステムにより、被験体に対して吸入ネブライザにより投与される治療有効量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、約15μg/用量〜約250μg/用量未満、または約25μg/用量〜約240μg/用量、または約200μg/用量〜約240μg/用量、または約125μg/用量〜約200μg/用量、または約150μg/用量〜約200μg/用量、または約100μg/用量〜約150μg/用量、または約100μg/用量〜約125μg/用量、または約50μg/用量〜約125μg/用量、または約60μg/用量〜約125μg/用量、または約25μg/用量〜約50μg/用量の範囲の名目投薬量で送達され得る。好ましい一実施形態において、コルチコステロイドは、被験体に対して吸入ネブライザにより、約25μg/用量〜約240μg/用量の範囲の名目投薬量で投与されるブデソニドである。一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約60μg/用量〜約250μg/用量未満のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約250μg/用量未満のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。さらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約240μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。また別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約125μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。さらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約120μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。またさらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約60μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。さらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約40μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。特定の実施形態において、水性吸入混合物は、単一のコルチコステロイドを含み、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。
In certain embodiments, the methods and systems for the treatment or prophylaxis of a bronchoconstrictive disorder in a patient in need thereof can deliver an aqueous inhalation mixture comprising a therapeutically effective amount of a corticosteroid administered to a subject via an inhalation nebulizer at a nominal dosage in the range of about 25 μg/dose to less than about 100 μg/dose wherein the the corticosteroid is selected group of corticosteroids in the foregoing paragraph not including the betamethasone.特定の実施形態において、気管支収縮性障害を、その処置または予防を必要とする患者において処置または予防するための方法およびシステムにより、被験体に対して吸入ネブライザにより投与される治療有効量のコルチコステロイドを含む水性吸入混合物は、約25μg/用量〜約100μg/用量未満の範囲の名目投薬量で送達され得、ここで、該コルチコステロイドは、先の段落のベタメタゾンを含まないコルチコステロイドの群から選択される。かかる一実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約100μg/用量未満のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約60μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。さらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って、約40μg/用量のコルチコステロイド名目投薬量で投与される。特定の実施形態において、水性吸入混合物は、単一のコルチコステロイドを含み、コルチコステロイド以外の薬学的に活性な薬剤を実質的に含まない。
本明細書に記載の吸入可能な組成物または水性吸入混合物の一部の実施形態において、吸入可能な組成物または水性吸入混合物は溶媒を含むものである。特定の実施形態において、溶媒は、水、水性アルコール、プロピレングリコールまたは水性有機溶媒を含む群から選択される。好ましい実施形態において、溶媒は水である。
本明細書に記載のシステムおよび方法の一部の実施形態において、さらに溶解度向上剤を含むコルチコステロイド含有水性吸入混合物が使用される。一部の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。さらに他の実施形態において、溶解度向上剤は、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。また他の実施形態において、溶解度向上剤は、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。好ましい一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し得る。一実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約2%の濃度(w/v)を有し得る。別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約5%の濃度(w/v)を有し得る。また別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約7%の濃度(w/v)を有し得る。さらにまた別の実施形態において、溶解度向上剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、例えばSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である場合、約10%の濃度(w/v)を有し得る。
特定の実施形態において、水性吸入混合物は、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択されるからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
他の特定の実施形態において、本発明の吸入可能な組成物は、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリンからなる群より選択される溶解度向上剤を含む。特定の実施形態において、溶解度向上剤はSBE7−β−CD(Captisol(登録商標))である。
コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物または吸入可能な組成物に加え、本明細書では、可溶性の向上をもたらす方法によって製剤化される水性吸入混合物または組成物が同様に、ここに開示する本発明における使用に適することが想定される。したがって、本発明との関連において、「溶解度向上剤」には、溶解度向上剤として作用する化学薬品を伴って、または伴わずに可溶性の向上をもたらす方法により製剤化される水性吸入混合物が含まれる。かかる方法としては、例えば、超臨界流体の調製が挙げられる。かかる方法により、ブデソニドなどのコルチコステロイド組成物は、粒径分布が狭く(通常、200ナノメートル未満の広がり)、粒子の平均流体力学的半径が50ナノメートル〜700ナノメートル範囲の粒子に加工される。ナノサイズのコルチコステロイド粒子(ブデソニド粒子など)は、超臨界流体(SCF)プロセス、例えば、超臨界流体急速膨張法(RESS)、または超臨界流体溶液促進分散法(SEDS)、ならびに超臨界流体を伴う任意の他の手法を用いて加工される。粒子を形成するためのSCFプロセスの使用は、Palakodaty,S.ら、Pharmaceutical Research 16:976−985(1999)and Bandiら、Eur.J.Pharm.Sci.23:159−168(2004)に概説されており、米国特許第6,576,264号および米国特許出願公開第2003/0091513号(これらは各々、参考として具体的に本明細書に援用される)に記載されている。
別の態様において、コルチコステロイド含有水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日2回(b.i.d)以下で投与される。さらに別の態様において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日2回投与される。また別の態様において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って1日1回以下で投与される。さらに別の実施形態において、水性吸入混合物は、ブデソニドなどのコルチコステロイドを含み、該水性吸入混合物は、本明細書に記載の方法およびシステムに従って夕方に1日1回以下で投与される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法およびシステム は、さらに、コルチコステロイドを含む水性吸入混合物を、1種類以上の活性薬剤との組合せで投与することを含むものであり得る。一部の実施形態において、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)は、(a)B2−アドレナリン作用性受容体作用薬;(b)ドパミン(D2)受容体作用薬;(c)ステロイドなどの予防的治療薬;(d)表面麻酔剤;または(e)抗コリン作用剤からなる群より選択される1種類以上の活性薬剤である1種類以上の他の薬物との組合せで、本明細書に示す吸入可能な組成物と同時、その前またはその後のいずれかで投与され得る。
本発明の方法およびシステムに使用され得る活性薬剤の組合せの例を以下に示す。
本明細書に示す組成物との組合せでの使用のためのB2−アドレナリン作用性受容体作用薬としては、限定されないが、アルブテロール(α−1−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール);バンブテロール(ジメチルカルバミン酸5−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,3−フェニレンエステル);ビトルテロール(4−メチル安息香酸4−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,2−フェニレンエステル);ブロキサテロール(3−ブロモ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−5−イソキサゾールメタノール);イソプロテレノール(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル−)アミノ)エチル)−1,2−ベンゼン−ジオール);トリメトキノール(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−((3,4−,5−トリメトキシフェニル)−メチル)−6,7−イソキノリンジオール);クレンブテロール(4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);フェノテロール(5−(1−ヒドロキシ−2−((2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,3−ベンゼンジオール);フォルモテロール(2−ヒドロキシ−5−((l RS)−I −ヒドロキシ−2−(((l RS)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)ホルムアニリド);(R,R)−フォルモテロール;デスフォルモテロール((R,R)または(S,S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−(((2−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−エチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);ヘキソプレナリン(4,4’−(1,6−ヘキサン−ジイル)−ビス(イミノ(1−ヒドロキシ−2,1−エタンジイル)))ビス−1,2−ベンゼンジオール);イソエタリン(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)ブチル)−1,2−ベンゼンジオール);イソプレナリン(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,2−ベンゼンジオール);メタ−プロテレノール(5−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,3−ベンゼンジオール);ピクメテロール(4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−(((6−(2−(2−ピリジニル)エトキシ)ヘキシル)−アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);ピルブテロール(α−6−(((1,1−ジメチルエチル)−アミノ)メチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ピリジンメタノール);プロカテロール(((R*,S*)−(+−)−8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)ブチル)−2(1H)キノリン−オン);レプロテロール((7−(3−((2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル)アミノ)−プロピル)−3,7−ジヒドロ−1,3−ジメチル−1H−プリン−2,6−ジオン);リミテロール(4−(ヒドロキシ−2−ピペリジニルメチル)−1,2−ベンゼンジオール);サルブタモール((+−)−α−1−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール);(R)−サルブタモール;サルメテロール((+−)−4−ヒドロキシ−α−1−(((6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル)−アミノ)メチル)−1,3−ベンゼンジメタノール);(R)−サルメテロール;テルブタリン(5−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,3−ベンゼンジオール);ツロブテロール(2−クロロ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);およびTA−2005(8−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−(N−((1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)カルボスチリル塩酸塩)が挙げられる。
ドパミン(D2)受容体作用薬としては、限定されないが、アポモルヒネ((r)5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de,グルキノリン(glquinoline)−10,11−ジオール);ブロモクリプチン((5’.α.)−2−ブロモ−12’−ヒドロキシ−2’−(1−メチルエチル)−5’−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3’,6’,18−トリオン);カベルゴリン((8−β)−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N−((エチルアミノ)カルボニル−1)−6−(2−プロペニル)エルゴリン−8−カルボキサミド);リスリド(N’−((8−α−)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル)−N,N−ジエチル尿素);ペルゴリド((8−β−)−8−((メチルチオ)メチル)−6−プロピルエルゴリン);レボドパ(3−ヒドロキシ−L−チロシン);プラミペキソール((s)−4,5,6,7−テトラヒドロ−N6−プロピル−2,6−ベンゾチアゾールジアミン);キンピロール塩酸塩(トランス−(−)−4aR−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩);ロピニロール(4−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドル−2−オン);およびタリペキソール(5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チア−ゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミン)が挙げられる。本明細書における使用のための他のドパミンD2 受容体作用薬は、国際特許出願公開公報WO99/36095(その関連する開示は、参考として本明細書に援用される)に開示されている。
本明細書における使用のための抗コリン作用剤としては、限定されないが、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸アトロピンメチル、硫酸アトロピンメチル、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウムおよび臭化グリコピロニウムが挙げられる。
本明細書に記載の併用療法における使用のための他の活性成分としては、限定されないが、IL−5インヒビター、例えば、米国特許第5,668,110号、同第5,683,983号、同第5,677,280号、同第6,071,910号、および同第5,654,276号(これらは各々、参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;IL−5のアンチセンスモジュレータ、例えば、米国特許第6,136,603号(その関連する開示は、参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;ミルリノン(1,6−ジヒドロ−2−メチル−6−オキソ−[3,4’−ビピリジン]−5−カルボニトリル);乳酸ミルリノン;トリプターゼインヒビター、例えば、米国特許第5,525,623号(これは参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;タキキニン受容体拮抗物質、例えば、米国特許第5,691,336号、同第5,877,191号、同第5,929,094号、同第5,750,549号および同第5,780,467号(これらは各々、参考として本明細書に援用される)に開示されたものなど;ロイコトリエン受容体拮抗物質、例えば、モンテルカストナトリウム(Singular、R−(E)]−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]−フェニル]−3−[2−(I−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−プロピル]−チオ]−メチル]シクロプロ−パン酢酸、一ナトリウム塩)など、5−リポキシゲナーゼインヒビター、例えば、ジロイトン(Zyflo(登録商標)、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)など、および抗IgE抗体、例えば、Xolair(組換えヒト化抗IgEモノクローナル抗体(CGP 51901;IGE 025A;rhuMAb−E25)、Genentech,Inc.、South San Francisco、CA)、ならびに表面麻酔薬、例えば、リドカイン、N−アリールアミド、アミノアルキルベンゾエート、プリロカイン、エチドカインなど(米国特許第5,510,339号、同第5,631,267号および同第5,837,713号(その関連する開示は、参考として本明細書に援用される))が挙げられる。
XIV.コルチコステロイド含有水性吸入型混合物の使用方法
本明細書においてセクションXIIに上記の本明細書に記載の方法およびシステムにより、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド)を含む水性吸入型混合物が被験体に治療有効量で、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、気腫、または前記のものの任意の組合せからなる群より選択される気管支収縮性障害を有したことがあるか、または該障害が予期される被験体の処置のために送達され得る。一実施形態において、気管支収縮性障害は小児喘息である。別の実施形態において、気管支収縮性障害は気管支喘息である。さらに別の実施形態において、気管支収縮性障害は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
特定のある組成物および投与方法に対して、所望の局所治療応答を得るのに有効な活性成分量を得るための本明細書に記載のコルチコステロイド含有水性吸入混合物の実際の投薬量レベルは、異なり得る。選択される投薬量レベルは、したがって、所望の治療効果、所望の処置持続期間および他の要素に依存する。
XV.薬物動態学的解析
任意の標準的な薬物動態プロトコルを用い、本明細書に記載のシステムおよび方法によって、コルチコステロイド(ブデソニドなど)および溶解度向上剤を含む水性吸入溶液の投与後、ヒトにおける血漿濃度プロフィールが測定され得、それにより、該製剤が、本明細書に示す薬物動態学的基準を満たすか否かが確立され得る。例えば、限定ではなく、無作為化単回投与クロスオーバー試験の型が、健常成人ヒト被験体の群を用いて行なわれ得る。被験体の数は、統計学的解析において充分な変動制御がもたらされるのに充分であるのがよく、典型的には、約8例以上であるが、目的によってはより少数の群で充分であり得る。例えば、被験体に時間0で、コルチコステロイド(ブデソニドなど)および溶解度向上剤を含む試験吸入混合物の単回用量(例えば、240μg)を投与する。各被験体から、投与前(例えば、15分前)および投与後、数回間隔をあけて血液試料を採取する。本発明の目的のため、典型的には、最初の1時間のうちに数回試料を採取し、その後は、頻度を下げて試料採取することが好ましい。例示的には、血液試料は、投与の5、10、20、30、45および60分後、次いで、投与の2、4、8および12時後に採取され得る。同じ被験体が第2の試験製剤の試験に使用される場合、第2の製剤の投与前に、少なくとも10日間の期間をおくのがよい。血漿は、血液試料から遠心分離によって分離され、分離された血漿は、コルチコステロイド(ブデソニドなど)について、有効な高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量(weight)分析(LC/APCI−MS/MS)手順(例えば、Ramuら、Journal of Chromatography B、751:49−59(2001)など)によって解析される。他の実施形態において、単一の被験体からのデータにより、薬物動態学的プロフィールの向上が示され得る。さらに他の実施形態において、適切なインビトロモデルを用いて、薬物動態学的プロフィールの向上が実証され得る。
所望の薬物動態学的プロフィールをもたらす任意の水性吸入型混合物が、本発明のシステムおよび方法による投与に適する。かかるプロフィールをもたらす吸入型混合物の例示的な型は、コルチコステロイド(ブデソニドなど)および溶解度向上剤を含む溶液である。
本明細書に開示された組成物、システムおよびプロセスを実施するための以下の成分、方法および手順は、上記のものに相当する。下記の手順は、本明細書に記載のブデソニド含有水性吸入混合物の送達方法およびその薬物動態学的プロフィールの具体的な実施形態を示す。以下の実施例に具体的に記載していない方法、材料または賦形剤は、本発明の範囲内であり、本明細書の開示を参照すると、当業者には自明であろう。
実施例1
多数の水性吸入混合物を、1つ以上の容器の市販のPulmicort Respules(登録商標)(1000μgのブデソニド/2mL懸濁物)の内容物を排出することにより調製し、Pulmicort Respules(登録商標)1mLあたり82.5mg(含水量を補正)のCaptisol(登録商標)(CyDex,Inc.、Lenexa、KS、USA)を添加し(分配容量は2.1mLであった)、5〜10分間ボルテックスした。ブデソニドおよび水に加え、Pulmicort Respules(登録商標)はまた、不活性であると考えられる以下の成分:クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、EDTA 2ナトリウムおよびポリソルベート80を含有する。
実施例2
実施例1の代替的な調製方法として、多数の水性吸入混合物を、ほぼ200mg量のCAPTISOL(登録商標)(CyDex,Inc.、Lenexa、KS、USA)(含水量を補正)を2ドラムアンバーバイアル内に計り入れることにより調製する。2つのPulmicort Respules(登録商標)容器(0.5mg/2mL)の内容物を、その変形可能なプラスチック容器を最後の可能な1滴までゆっくりと絞ることにより、秤量された量のCAPTISOLが入った各バイアル内に空ける。Pulmicort Respules(登録商標)は事前にかき混ぜて、ブデソニド粒子を再懸濁させる。バイアルにスクリューキャップをし、ボルテックスによって激しく混合し、次いで、ホイルで覆う。該物質は、使用まで冷蔵で維持され得る。
実施例3
表1に、本明細書に記載の方法およびシステムにおいて使用されるブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物の例示的な製剤を示す。以下の実施例に示すように、水性吸入混合物は、さらに賦形剤、例えば、抗酸化剤、安定化剤および保存剤を含むものであり得る。水性吸入混合物に使用される種々の賦形剤の量は、投与される投薬量に相対的であり、当業者には容易に確認されよう。
Figure 2009520827
実施例4
表2に、本明細書に記載の方法およびシステムにおいて使用されるブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物の例示的な製剤を示す。以下の実施例に示すように、水性吸入混合物は、さらに賦形剤、例えば、抗酸化剤、安定化剤および保存剤を含むものであり得る。水性吸入混合物に使用される種々の賦形剤の量は、投与される投薬量に相対的であり、当業者には容易に確認されよう。
Figure 2009520827
実施例5
表3に、ブデソニド含有水性吸入混合物およびPulmicort Respules(登録商標)の用量、ならびに前記用量を肺へ送達するために使用したネブライザデバイスを示す。投与A〜Cは、実施例1に記載のようにして調製した水性吸入混合物を0.9%(w/w)生理食塩水で、以下のようにして希釈することにより調製した。投与Aは、25:75の比で0.9%(w/w)生理食塩水により希釈し、投与Bは、50:50の比で0.9%(w/w)生理食塩水により希釈し、投与Cは希釈しなかった。ブデソニド+SBE7−β−CD(Captisol(登録商標))吸入溶液は、Pari eFlow Inhaler(登録商標)を使用し、0.5mlの容量で約1.5分の送達時間で送達した。Pari eFIow Inhaler(登録商標)には、サイズ30メッシュ膜および小型サイズのエーロゾルチャンバを取り付けた。Pulmicort Respules(登録商標)は、Pari LC Plus(登録商標)ジェットネブライザを使用し、2.0mlの容量で約5分の投与時間で投与した。
Figure 2009520827
実施例6
噴霧化による投薬形態の投与の前と後で、被験体においてガンマシンチグラフィ解析を行なうことにより臨床評価を行なった。本試験の目的は、ガンマシンチグラフィにより、ブデソニド懸濁物または溶解度向上剤を含む溶液の噴霧化後の、放射性標識ブデソニドの肺内沈着を調べることである。
表4に、実施例5に記載の方法によって送達された投与A〜Cの肺内沈着パーセントに関するデータの概要を示す。肺内沈着パーセントは、評価したすべての被験体の平均値であり、各投与で得られたシンチグラフィデータの定量化によって決めた。図1は、ブデソニド含有吸入可能な組成物の総肺内沈着および総口腔咽頭沈着のパーセンテージを示す。図2は、シンチグラフィ(scintigrapgy)データによるブデソニドの肺内沈着総量を示す。
Figure 2009520827
実施例7
表5に、実施例5に示す投与A〜Eの単回用量送達後の、ブデソニドの薬物動態学的プロフィールの概要を示す。8例の健常男性をこの臨床試験に使用し、以下に示す値は、該臨床試験中に測定された各薬物動態学的パラメータの平均値である。図4に、投与A〜Eの薬物動態学的プロフィールを得るために用いたデータのグラフ表示を示す。
Figure 2009520827
実施例8
表6に、実施例8に示す臨床試験に用いた試験投薬物の用量を示す(以下に詳細に記載)。試験投薬物には、2種類の試験製剤、吸入Captisol−Enabled(登録商標)Budesonide Inhalation Solution (CBIS)(処置AおよびB)ならびに2種類の参照製剤、吸入ブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))(処置CおよびD)を含め、前記試験投薬物の肺への送達には、ネブライザデバイスを使用した。
Figure 2009520827
試験製剤および参照製剤の個々の成分を、表7に詳細に示す。
Figure 2009520827
実施例9
表8に、実施例8に示す投与A〜Dを伴う、単一施設、二重盲検、複数回投与、平行な群、プラセボ対照比較、二期間クロスオーバー試験後の、ブデソニドの薬物動態学的プロフィールの概要を示す。48例の健常男性志願者をこの臨床試験に使用した。該試験に適格の各被験体に、無作為に以下の処置:処置A(60μgのCBIS溶液)、処置B(120μgのCBIS 溶液)、処置C(250μgのPulmicort Respule Respule(登録商標)懸濁物(250μgのPulmicort))、処置D(500μgのPulmicort Respule(登録商標)懸濁物(500μgのPulmicort))のうちの1つを行なった。被験体には、処置A、B、CまたはDを1日2回7日間行なった。各被験体には、2つの試験期間で、活性薬物およびプラセボを交代して与えた。表8に、臨床試験中、処置A〜D投与に関する該試験で測定された各薬物動態学的パラメータの値を示す。
Figure 2009520827
実施例10
実施例3および4に示す水性吸入混合物を患者集団に、実施例5に示した方法に従って送達する。Pulmicort Respules(登録商標)を同様に、実施例5に示した方法に従って投与する。水性吸入溶液の薬物動態学的プロフィールは、Pulmicort Respules(登録商標)の薬物動態学的プロフィールと比べて、薬物動態学的パラメータの向上を示す。例えば、水性吸入溶液は、Pulmicort Respules(登録商標)と比べ、より大きいCmax、AUC(last)、AUC(0〜∞)の値および/またはより小さいTmax値を示す。同様に、水性吸入溶液は、より少ない投薬量で投与した場合、Pulmicort Respules(登録商標)と比べると、等しいQmax、AUC(last)、AUC(0〜∞)の値を示す。
実施例11
実施例1および2に示す水性吸入混合物を患者集団に、実施例5に示した方法に従って送達する。Pulmicort Respules(登録商標)を、1000μg/用量〜2500μg/用量までの範囲の名目投薬量で、実施例5に示した方法に従って投与する。水性吸入溶液の薬物動態学的プロフィールは、Pulmicort Respules(登録商標)の薬物動態学的プロフィールと比べて、薬物動態学的パラメータの向上を示す。例えば、水性吸入溶液は、投与される名目投薬量がかなり少なくても、Pulmicort Respules(登録商標)と実質的に等しいCmax、AUC(last)、AUC(0〜∞)の値を示す。
実施例12
コルチコステロイド、溶解度向上剤および硫酸アルブテロールまたはレバルブテロールHCl(Xopenex)を含有する水性吸入混合物の調製および使用
クエン酸バッファー(3mM pH4.5)を、以下のようにして調製する。ほぼ62.5mgのクエン酸を、1つの100ml容のメスフラスコ内にて水で溶解し、その容量までにする。ほぼ87.7mgのクエン酸ナトリウムを、別の100mL容のメスフラスコ内にて水で溶解し、その容量までにする。ビーカー内で、クエン酸ナトリウム溶液をクエン酸溶液に、pHがほぼ4.5になるまで添加する。
ほぼ10.4mgのブデソニドおよび1247mgのCaptisol(登録商標)(CyDex Inc.)を、乳鉢と乳棒で一緒に磨砕し、10mL容フラスコに移す。バッファー溶液を添加し、混合物をボルテックスし、超音波処理し、さらに1.4mgのブデソニドを添加する。一晩振とう後、溶液を、0.22μm Durapore Millex−GV Milliporeシリンジフィルターユニットに通して濾過する。得られるブデソニド濃度は約1mg/mlである。ほぼ0.5mlのブデソニド溶液を、単位用量のProventil(登録商標)(2.5mg/3mL)またはXopenex(登録商標)(1.25mg/3mL)いずれかに添加し、それにより、実施例5に記載の吸入ネブライザにおける使用に適した透明な水性吸入混合物が形成される。
実施例13
コルチコステロイド、溶解度向上剤およびフォルモテロール(FORADIL(登録商標);(フマル酸フォルモテロール吸入粉末剤))を含有する水性吸入混合物の調製および使用
25mgのラクトースとブレンドされた12μgのフマル酸フォルモテロールを含有するカプセル剤1つの内容物を、バイアル内に空け、これに、実施例12に記載のようにして調製される3mlの3mMクエン酸バッファー(pH 4.5)を添加する。バイアルの内容物をボルテックスして、存在する固形物を溶解させる。ブデソニド濃縮物は、実施例9に記載のようにして調製し、1mg/mLの濃度とする。
ほぼ1mlのブデソニド溶液を、フマル酸フォルモテロール緩衝溶液に添加する。この組み合わせは、実施例5に記載の吸入ネブライザにおける使用に適した透明な水性吸入混合物である。
実施例14
実施例12および13に示す水性吸入混合物を患者集団に、実施例5に示した方法に従って送達する。Pulmicort Respules(登録商標)を同様に、実施例5に示した方法に従って投与する。水性吸入混合物の薬物動態学的プロフィールは、Pulmicort Respules(登録商標)の薬物動態学的プロフィールと比べて、薬物動態学的パラメータの向上を示す。例えば、水性吸入溶液は、同じ名目投薬量で投与した場合、Pulmicort Respules(登録商標)と比べ、より大きいCmax、AUC(last)、AUC(0〜∞)の値および/またはより小さいTmax値を示す。同様に、水性吸入溶液は、より少ない名目投薬量で投与した場合、Pulmicort Respules(登録商標)と比べると、等しいCmax、AUC(last)、AUC(0〜∞)の値を示す。
実施例15
粒径のインビトロ試験用の従来のカスケードインパクターを使用すると、下記の沈着特性が、ブデソニド溶液およびPulmicort Respule懸濁物の両方について観察される。ブデソニド溶液は、PARI eFlowデバイスを用いて噴霧化した。Pulmicort Respule懸濁物は、PARI LC Plusネブライザを用いて噴霧化した。これらの結果を、段階範囲(段階3〜7、段階4〜7、段階5〜7)の関数として種々の定義(difinition)の肺内沈着を用い、さらに肺内沈着効率に変換し、表9に示す。表10は、肺内沈着に使用した段階範囲(段階3〜7、段階4〜7、段階5〜7)に応じて、肺内沈着の比(eFlow/Pari LC plus 沈着比で示す)が、段階3〜7、段階4〜7または段階5〜7で、それぞれ、1.2、1.9〜3.8の範囲であることを示す。微粒子分率は、4.7μm未満の粒径と定義される(Bosco APら、In Vitro Estimation of In Vivo Jet Nebulizer Efficiency Using Actual and Simulated Tidal Breathing Patterns, Journal of Aerosol Medicine 18(4):427−38(2005);参考としてその全体が本明細書に援用される)。
Figure 2009520827
Figure 2009520827
図1は、ブデソニドを含む吸入可能な組成物の肺内沈着および口腔咽頭沈着のパーセンテージを示す。 図2は、シンチグラフィデータからのブデソニドの全肺内沈着を示す。 図3は、異なる方法論(レーザー回折20L/分、レーザー回折28.3L/分、およびカスケードインパクション(cascade impaction))を用いて測定された呼吸用画分(RF;5μm未満の粒径)のパーセンテージを示す。 図4は、単回用量のブデソニド投与A〜E後の平均血漿濃度の概要を示す。投与Aは、改造Pari(登録商標)eFlowネブライザで送達された60μgの99mTc−DTPA標識ブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液である。投与Bは、改造Pari(登録商標)eFlowネブライザで送達された120μgの99mTc−DTPA標識ブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液である。投与Cは、改造Pari(登録商標)eFlowネブライザで送達された240μgの99mTc−DTPA標識ブデソニド+SBE7−β−CD吸入溶液である。投与Dは、Pari(登録商標)LC Plusジェットネブライザで送達された500μgのブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))である。投与Eは、Pari(登録商標)LC Plusジェットネブライザで送達された1000μgのブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))である。 図5は、ブデソニドを1日2回、7日間投与後の平均血漿濃度の概要を示す。処置A(−Δ−)は、Pari(登録商標)eFlowネブライザで送達された60μgのCaptisol−Enabled(登録商標)ブデソニド Inhalation Solution(CBIS)吸入溶液である。処置B(−○−)は、Pari(登録商標)eFlowネブライザで送達された120μgのCBIS吸入溶液である。処置C(−□−)は、Pari(登録商標)LC Plusジェットネブライザで送達された250μgのブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))である。処置D(−◇−)は、Pari(登録商標)LC Plusジェットネブライザで送達された500μgのブデソニド懸濁物(Pulmicort Respules(登録商標))である。

Claims (99)

  1. 有効量の単一のコルチコステロイド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該組成物が、投与前の該組成物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして該組成物が、該コルチコステロイド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、吸入可能な組成物。
  2. 前記組成物が、投与前の該組成物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物がまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記組成物が、約60μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgの前記コルチコステロイドを含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記ネブライザによる前記投与が、約5分未満、約4分未満、約3分未満、約2分未満、または約1.5分未満の送達時間を有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項1に記載の組成物。
  8. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記溶媒が、水を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 吸入可能な組成物からの微粒子を作製する方法であって:
    溶媒および溶解度向上剤を有効量のコルチコステロイドに添加する工程、ならびに
    ネブライザを作動させて該組成物の微粒子を作製する工程
    を含み、
    該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該方法が、投与前の該組成物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして該組成物が、該コルチコステロイド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、
    方法。
  13. 前記方法が、投与前の該組成物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約80%の呼吸用画分を達成する、請求項12に記載の方法。
  15. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項12に記載の方法。
  16. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  17. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項12に記載の方法。
  18. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記溶媒が、水を含む、請求項12に記載の方法。
  20. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  21. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 治療有効用量の単一のコルチコステロイドを患者に送達するための吸入システムであって:
    (a)該コルチコステロイドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入混合物、ならびに
    (b)ネブライザ
    を備え、
    それによって、該ネブライザを介しての被験体への組成物の投与の際に、該システムが、投与前の該混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして該組成物が、該コルチコステロイド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、
    吸入システム。
  23. 前記システムが、投与前の前記混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記システムがまた、投与の際に少なくとも約80%の呼吸用画分を達成する、請求項22に記載のシステム。
  25. 前記システムがまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項22に記載のシステム。
  26. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項22に記載のシステム。
  27. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項22に記載のシステム。
  28. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項26に記載のシステム。
  29. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項22に記載のシステム。
  30. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項29に記載のシステム。
  31. 気管支収縮性障害の処置を必要とする患者において気管支収縮性障害を処置するための方法であって:
    溶媒および溶解度向上剤をある量の単一のコルチコステロイドに添加することにより混合物を形成する工程、ならびに
    ネブライザを作動させる工程
    を含み、
    該ネブライザを介しての被験体への該混合物の投与の際に、該方法が、投与前の該混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして組成物が、該コルチコステロイド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、
    方法。
  32. 前記方法が、投与前の前記混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記方法が、投与前の前記混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約45%の肺内沈着を達成する、請求項33に記載の方法。
  34. 前記方法が、投与前の前記混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて少なくとも約50%の肺内沈着を達成する、請求項31に記載の方法。
  35. 前記方法が、投与前の前記混合物中のコルチコステロイドの量に基づいて約40%と約55%との間の肺内沈着を達成する、請求項31に記載の方法。
  36. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約80%の呼吸用画分を達成する、請求項31に記載の方法。
  37. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項31に記載の方法。
  38. 前記混合物が、約60μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgの前記コルチコステロイドを含む、請求項31に記載の方法。
  39. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項31に記載の方法。
  40. 投与前の前記組成物中の前記単一のコルチコステロイドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記溶媒が、水を含む、請求項31に記載の方法。
  42. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
  43. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記気管支収縮性障害が、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性気管支炎、および気腫からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
  45. 前記混合物が、患者に1日1回以下で投与される、請求項31に記載の方法。
  46. 前記混合物が、患者に1日2回または1日2回よりも多く投与される、請求項31に記載の方法。
  47. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
  48. 有効量のブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該組成物が、投与前の該組成物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、該組成物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、吸入可能な組成物。
  49. 前記組成物が、投与前の該組成物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項48に記載の組成物。
  50. 前記組成物がまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項48に記載の組成物。
  51. 前記組成物が、約60μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのブデソニドを含む、請求項48に記載の組成物。
  52. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項48に記載の組成物。
  53. 前記ネブライザによる前記投与が、約5分未満、約4分未満、約3分未満、約2分未満、または約1.5分未満の送達時間を有する、請求項48に記載の組成物。
  54. 投与前の前記組成物中のブデソニドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項48に記載の組成物。
  55. 投与前の前記組成物中のブデソニドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項54に記載の組成物。
  56. 前記溶媒が、水を含む、請求項48に記載の組成物。
  57. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項48に記載の組成物。
  58. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項57に記載の組成物。
  59. 約60μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該組成物が、少なくとも20μgのブデソニドの肺内沈着を達成し、該組成物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、吸入可能な組成物。
  60. 約120μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該組成物が、少なくとも40μgのブデソニドの肺内沈着を達成し、該組成物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、吸入可能な組成物。
  61. 約240μgのブデソニド、溶媒および溶解度向上剤を含む吸入可能な組成物であって、ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該組成物が、少なくとも80μgのブデソニドの肺内沈着を達成し、該組成物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、吸入可能な組成物。
  62. 吸入可能な組成物からの微粒子を作製する方法であって:
    溶媒および溶解度向上剤を有効量のブデソニドに添加する工程、ならびに
    ネブライザを作動させて該組成物の微粒子を作製する工程
    を含み、
    該ネブライザを介しての被験体への該組成物の投与の際に、該方法が、投与前の該組成物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして該組成物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、
    方法。
  63. 前記方法が、投与前の該組成物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項62に記載の方法。
  64. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約80%の呼吸用画分を達成する、請求項62に記載の方法。
  65. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項62に記載の方法。
  66. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項62に記載の方法。
  67. 投与前の前記組成物中のブデソニドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項62に記載の方法。
  68. 投与前の前記組成物中のブデソニドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項67に記載の方法。
  69. 前記溶媒が、水を含む、請求項62に記載の方法。
  70. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項62に記載の方法。
  71. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項70に記載の方法。
  72. 治療有効用量のブデソニドを患者に送達するための吸入システムであって:
    (a)ブデソニドおよび溶解度向上剤を含む水性吸入薬、ならびに
    (b)ネブライザ
    を備え、
    それによって、該ネブライザを介しての被験体への組成物の投与の際に、該システムが、投与前の該混合物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして混合物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、
    吸入システム。
  73. 前記システムが、投与前の前記混合物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項72に記載のシステム。
  74. 前記システムがまた、投与の際に少なくとも約80%の呼吸用画分を達成する、請求項72に記載のシステム。
  75. 前記システムがまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項72に記載のシステム。
  76. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項72に記載のシステム。
  77. 投与前の該組成物中のブデソニドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項72に記載のシステム。
  78. 投与前の該組成物中のブデソニドの量が、約120μg、約60μgまたは約40μgである、請求項77に記載のシステム。
  79. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項72に記載のシステム。
  80. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項79に記載のシステム。
  81. 気管支収縮性障害の処置を必要とする患者において気管支収縮性障害を処置するための方法であって:
    溶媒および溶解度向上剤をある量のブデソニドに添加することにより混合物を形成する工程、ならびに
    ネブライザを作動させる工程
    を含み、
    該ネブライザを介しての被験体への該混合物の投与の際に、該方法が、投与前の該混合物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約35%の肺内沈着を達成し、そして組成物が、ブデソニド以外の活性な医薬品を実質的に含まない、
    方法。
  82. 前記方法が、投与前の前記混合物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約40%の肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
  83. 前記方法が、投与前の前記混合物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約45%の肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
  84. 前記方法が、投与前の前記混合物中のブデソニドの量に基づいて少なくとも約50%の肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
  85. 前記方法が、投与前の前記混合物中のブデソニドの量に基づいて約40%と約55%との間の肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
  86. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約80%の呼吸用画分を達成する、請求項81に記載の方法。
  87. 前記方法がまた、投与の際に少なくとも約85%の呼吸用画分を達成する、請求項81に記載の方法。
  88. 前記混合物が、約60μg、約120μg、約125μg、約240μg、約250μg、約500μg、約1000μg、約1500μg、または約2000μgのブデソニドを含む、請求項81に記載の方法。
  89. 投与前の前記組成物中のブデソニドの量が、約250μgの名目投薬量である、請求項81に記載の方法。
  90. 前記溶媒が、水を含む、請求項81に記載の方法。
  91. 前記溶解度向上剤が、プロピレングリコール、非イオン界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、精製および/または富化レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE1−β−CD、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE−γ−CD、ジメチルβ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG 26054、ORG 25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルピロリドンのコポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ならびにその組合せからなる群より選択される、請求項81に記載の方法。
  92. 前記溶解度向上剤が、SBE7−β−CDを含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記気管支収縮性障害が、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、慢性気管支炎、および気腫からなる群より選択される、請求項81に記載の方法。
  94. 前記混合物が、患者に1日1回以下で投与される、請求項81に記載の方法。
  95. 前記混合物が、患者に1日2回または1日2回よりも多く投与される、請求項87に記載の方法。
  96. 前記ネブライザが、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、拍動メンブレンネブライザ、多数の孔を有する振動メッシュまたはプレートを備えるネブライザ、あるいは振動発生器および水性チャンバを備えるネブライザからなる群より選択される、請求項87に記載の方法。
  97. 前記混合物が、約60μgのブデソニドを含み、ネブライザを介しての被験体への該混合物の投与の際に、組成物が、少なくとも20μgのブデソニドの肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
  98. 前記混合物が、120μgのブデソニドを含み、ネブライザを介しての被験体への該混合物の投与の際に、組成物が、少なくとも40μgのブデソニドの肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
  99. 前記混合物が、240μgのブデソニドを含み、ネブライザを介しての被験体への該混合物の投与の際に、組成物が、少なくとも80μgのブデソニドの肺内沈着を達成する、請求項81に記載の方法。
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