JP2009099727A - 注入同期式放電励起レーザ装置及び注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法 - Google Patents

注入同期式放電励起レーザ装置及び注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法 Download PDF

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理 若林
Takanobu Ishihara
孝信 石原
Yasufumi Kawasuji
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Abstract

【課題】光学的なロスを増大させることなく、効果的に出力レーザ光のロングパルス化を図ることができ、所望の強度の出力レーザ光を得ることができる注入同期式放電励起レーザ装置及び注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法を提供する。
【解決手段】発振段レーザ10と増幅段レーザ20とを備える注入同期式放電励起レーザ装置を設ける。増幅段レーザ20のレーザチャンバ21は、1つの光共振器と、該光共振器の光軸上に配置された複数の電極ペアである電極2a、2bと、上記電極ペアの放電タイミングを制御する同期コントローラ35とを備える。また、同期コントローラ35は、発振段レーザ10から出力されたシード光が増幅段レーザ20に注入されるのと同期して、電極2aを放電させて増幅発振させ、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、上記電極2bを放電させて、増幅発振させる。
【選択図】図1

Description

本発明は発振段レーザと増幅段レーザとからなる露光装置用の注入同期式放電励起レーザ装置に関し、特に、光学ロスを抑えつつ、出力レーザ光をロングパルス化(伸長化)することが可能な注入同期式放電励起レーザ装置及び注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法に関するものである。
近年、半導体露光装置用光源としてはエキシマレーザが使用されている。テクノロジーノードが進むにつれて、45nmから32nmノードでは、ArFレーザを光源とする露光装置において、液浸技術による高NA(1.3〜1.5)化と2重露光が主力となりつつある。
露光装置用光源のArFレーザ光源の要求を以下に示す。
1.高ドーズ安定性の確保と高スループット化に伴い、高繰返し周波数(10kHz以上)かつ高平均出力(100W以上)が要求される。
2.高NA化に伴い、更なる超狭帯域化(0.1pm以下)が要求される。
3.露光装置の投影レンズや光学素子の寿命を長くするために、レーザパルスのロングパルス化が望まれる(70ns以上)。
出力レーザ光をロングパルス化する具体的な従来技術として、下記の特許文献1、特許文献2、特許文献3には、出力レーザ光を伸長させる光学パルスストレッチシステムを設置し、出力レーザ光をビームスプリッタで分岐して、ミラーにより、光遅延光路を設置した光学パルスストレッチャにより、出力レーザ光のパルス幅(20ns)を約70nsから200nsまでロングパルス化(伸長化)する技術に関して記載されている。
図30は、特許文献2に記載された、光学パルスストレッチを用いた出力レーザ光のパルス幅の伸長技術を示す図である。
図30(A)に示す例では、レーザ50’から出力されたレーザ光の一部は、ミラー22Aで反射させ、第1のパルスとして出力され、一部はミラー22Aを透過し、反射鏡26A、26B、ミラー22Bで反射して、第2のパルスとして出力される。また、ミラー22Bに反射せずに透過したレーザ光は、反射鏡26C、26D、ミラー22Cに反射して、第3のパルスとして出力される。
上記第1、第2、第3のパルスを合成すると、図30(C)に示すようなパルスストレッチ後のパルス波形が得られる。図30(C)に示すパルス波形を図30(B)に示すパルスストレッチ前のパルス波形と比較すると、パルスストレッチ後のパルスのパルス幅が伸びていることがわかる。
また、特許文献4,5に示されるように、従来から、通常のシングルステージレーザにおいて、電極を2分割し、2つの電極ペアの放電タイミングを遅延させることにより、出力レーザ光のロングパルス化を行う技術が提案されている。
図31は、2つの電極ペアの遅延放電により、出力レーザ光のロングパルス化を図る技術を示す図である。
図31(A)に示す例では、シングルステージレーザにおいて、電極20−1、20−2からなる第1の電極ペアを放電させてから、所定の遅延タイミングで電極20−3、20−4からなる第2の電極ペアを放電させることで、出力レーザ光のロングパルス化を図っている。
米国特許第6,928,093号明細書 米国特許第6,535,531号明細書 特許第2760159号公報 米国特許第4,547,883号明細書 米国公開特許第2005/0058172A2号
上記特許文献2に記載された、光学パルスストレッチにより出力レーザ光のロングパルス化を図る従来技術は、以下のような問題がある。
(1)複数段のミラーを有する光学パルスストレッチ装置を使用すると、光学パルスストレッチ装置の全体の透過率が悪くなり、このロスを補うだけのレーザの高出力化が必要となる。
例えば、1段の光パルスストレッチの透過率を約90%とすると、1段当りの光学パルスストレッチの透過率が約90%とすると、例えば2個の光学パルスストレッチを組合せた2段の光学パルスストレッチの場合、約81%となる。したがって、19%のレーザエネルギーがロスとなるため、2段の光学パルスストレッチ前(POレーザー)の出力は、2段パルスストレッチ後の出力に対して約1.23倍のエネルギーが必要となる。
(2)レーザのパルス幅が短いと、尖頭値が高いため、2光子吸収によるレーザの光学素子の寿命が問題となる。
例えば、レーザ装置の形態がMOPA(Master Oscillator Power Amprifier )方式の場合は、増幅器(PA)のレーザチャンバウインドの寿命、レーザ装置の形態がMOPO(Master Oscillator Power Oscillator)方式の場合は、増幅段レーザ(PO)の共振器の光学素子及びレーザチャンバウインドの寿命が短くなる。
なお、MOPA方式は、ダブルチャンバ方式(2ステージ方式)のレーザ装置の形態のうち、アンプ側に共振器ミラーを設けない方式であり、MOPO方式は、共振器ミラーを設ける方式である。
また、2つの電極ペアの遅延放電により、出力レーザのロングパルス化を図る従来技術は、以下のような問題がある。
図31(A)に示したように、2つの電極ペアを有するシングルステージレーザにおいて、2つの電極ペアに対して遅延放電させることを試みたが、パルス幅の伸長化という点で、それほど期待できる効果は得られないことがわかった。
すなわち図31(B)中に示すように、第1の電極ペアの放電により、光強度の極めて小さい第1のパルス101しか得ることができず、ついで、第2の電極ペアを放電させることにより、はじめて比較的大きな第2のパルス102が得られた。
これは、シングルステージレーザの場合、第1の電極ペアが放電したときはシード光となる光がなく、このため第1のパルス101の光強度は極めて小さくなるが、第2の電極ペアが放電したとき、第2のパルス102は、上記第1のパルス101をシード光として、増幅発振するので、光強度がある程度の大きさになるものと考えられる。なお、2つの電極ペアを同時に放電した場合には、図31(B)中に示すように比較的大きなパルス100が得られる。
また、2つの電極ペアに対して遅延放電させると、全体の放電時間は延びるが、第1の電極ペアの放電では、レーザ発振するまで時間がかかる。このため、パルス幅が同時放電の場合に比べて、画期的には延びない。
以上のように、シングルステージレーザにおいて、2つの電極ペアに対して遅延放電させても、パルス幅はそれほど延びないことがわかった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、発振段レーザと増幅段レーザとからなる露光装置用の注入同期式放電励起レーザ装置において、光学的なロスを増大させることなく、効果的に出力レーザ光のロングパルス化を図ることができ、所望の強度の出力レーザ光を得ることができる注入同期式放電励起レーザ装置及び注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明においては、MOPO方式のレーザ装置において、発振段レーザ(MO)の電極に高電圧を印加し放電することにより、シード光を発振させ、該シード光が増幅段レーザ(PO)の光共振器の内に注入されるのと同期して、増幅段レーザ(PO)が備える第1の電極ペアに高電圧を印加して、増幅レーザを発振させ、該レーザ発振が終了する前に、第2の電極ペアの電極に高電圧を印加して、増幅発振させる。 すなわち、本発明においては次のようにして前記課題を解決する。
(1)発振段レーザと、該発振段レーザからのシード光が注入され、該シード光を増幅発振させる増幅段レーザを備える注入同期式放電励起レーザ装置を設ける。上記増幅段レーザは、1つの光共振器と、上記光共振器の光軸上に配置された複数ペアの放電電極と、該複数ペアの放電電極を収納した1乃至複数のレーザチャンバと、上記複数のペアの放電電極の放電タイミングを制御する制御手段とを備える。また、上記制御手段は、上記シード光が増幅段レーザに注入されるのと同期して、上記放電電極の少なくとも1ペアの第1の電極ペアを放電させて、増幅発振させ、上記第1の電極ペアの放電から所定の遅延時間後、上記第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、上記第1の電極ペア以外の少なくとも1ペアの第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
(2)上記(1)において、上記制御手段は、上記遅延時間を一定時間として、上記第1の電極ペアの放電から一定の遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
(3)上記(1)において、各電極ペアの放電タイミングを検出する放電タイミング検出手段を備え、上記制御手段は、該放電タイミング検出手段の検出結果に基づき、上記遅延時間を制御し、上記第1の電極ペアの放電から上記検出結果に応じて定まる遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
(4)上記(1)において、増幅段レーザから出力されるレーザパルス波形を検出するレーザパルス波形検出手段を備え、上記制御手段は、該レーザパルス波形検出手段の検出結果に基づき、上記遅延時間を制御し、上記第1の電極ペアの放電から上記検出結果に応じて定まる遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
(5)上記(1),(2),(3),又は(4)において、上記発振段レーザは狭帯域レーザである。
(6)上記(1),(2),(3),(4),又は(5)において、発振段レーザは、1つの光共振器と、上記光共振器の光軸上に配置された複数ペアの放電電極と、該複数ペアの放電電極を収納した1乃至複数のレーザチャンバと、上記複数のペアの放電電極の放電タイミングを制御する発振段レーザ制御手段とを備える。上記発振段レーザ制御手段は、上記放電電極の少なくとも1ペアの第1の電極ペアを放電させて、増幅発振させ、上記第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、上記第1の電極ペアの放電から所定の遅延時間後、上記第1の電極ペア以外の少なくとも1ペアの第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
(7)上記(1),(2),(3),(4),(5)、又は(6)において、上記増幅段レーザもしくは発振段レーザおよび増幅段レーザの複数の電極ペアの接地側の電極を共通化した。
(8)発振段レーザと、該発振段レーザからのシード光が注入され、該シード光を増幅発振させる増幅段レーザを備え、上記増幅段レーザは、1つの光共振器と、上記光共振器の光軸上に配置された複数ペアの放電電極と、該複数ペアの放電電極を収納した1乃至複数のレーザチャンバから構成される注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法を用いる。上記注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法において、上記シード光が増幅段レーザに注入されるのと同期して、上記放電電極の少なくとも1ペアの第1の電極ペアを放電させて増幅発振させ、該第1の電極ペアの放電から所定の遅延時間後、上記第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、上記第1の電極ペア以外の少なくとも1ペアの第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)本発明の注入同期式放電励起レーザ装置は、発振段レーザからのシード光が増幅段レーザに注入されるのと同期して、増幅段レーザの第1の電極ペアを放電させて、増幅発振させ、該第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。従って、効果的に出力レーザ光のロングパルス化を図ることができ、所望の尖塔値及びパルスエネルギーの出力レーザ光を得ることができる。
(2)出力レーザのロングパルス化を図ることができるため、増幅段レーザの光共振器に用いられる光学素子の寿命を延ばすことが可能となる。
(3)光学パルスストレッチにより出力レーザ光のロングパルス化を図る従来技術では、出力されるレーザ光のロングパルス化を図るために大きな光学ロスがあるが、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、光学的なロスを増大させることなく、効果的に出力レーザ光のロングパルス化を図ることができる。
図1(A)、(B)は、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置の原理図である。
図1(A)に示すように、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置は、スペクトル線幅の狭いレーザ光を出力する発振段レーザ(MO)10と、MO10が出力するレーザビームを増幅段レーザ(PO)20の光共振器に導入するための2枚の高反射(HR)ミラー4a、4bと、発振段レーザ(MO)10のレーザ光を光共振器により増幅発振させるための増幅段レーザ(PO)20を備える。
発振段レーザ(MO)10は、レーザチャンバ11内に設置された1台の電極ペアである電極1a及び該電極1aの長手方向の軸延長上両端にウインドウ部材(ウインド)12a、12bを有し、その両端にはビーム整形のためのスリット13が設置されている。
また、増幅段レーザ(PO)20は、レーザチャンバ21内に設置された2台の電極ペアである電極2a、2b及び電極2a、2bの長手方向の軸延長上両端にウィンドウ部材(ウインド)22a、22bを有し、その両端にはビーム整形のためのスリット23が設置されている。同期コントローラ35は、増幅段レーザ(PO)20の電極2aに接続されている高圧パルス電源25と、増幅段レーザ(PO)20の電極2bに接続されている高電圧パルス電源26と、発振段レーザ(MO)10の電極1aに接続されている高圧パルス電源15の放電タイミングをコントロールする。レーザコントローラ31は、図示しない複数のコントローラと同期コントローラ35とを統括コントロールする。
まず、図1(A)に示す発振段レーザ(MO)10の構成と機能を説明する。発振段レーザ(MO)10は、スペクトル線幅を狭くするために、プリズムビームエキスパンダ3aとグレーティング(回折格子)3bを搭載した狭帯域化モジュール(LNM)3と、高圧パルス電源15を搭載したレーザチャンバ11と出力結合ミラー(OC(outputcoupler ))14とからなっている。すなわち、発振段レーザ(MO)10は狭帯域化レーザである。
LNM3に配置されているグレーティング3bの分散方向(=プリズム3aのビーム拡大方向)は電極1aの放電方向に対して垂直方向に配置されている。レーザチャンバ11内にはバッファガス(Ne)とArガスとF2 ガスが満たされており、高圧パルス電源15から電極1a間に電圧を印加放電させることで放電し、この放電により励起されArFエキシマが形成される。このArFエキシマからArガスとFに分離する時の193nmの波長の光を発光する。193nmの光をLNM3で波長選択することにより、スペクトル幅約400pm→0.1pmまで狭帯域化して、MO10のOC14から出力される。発振段レーザ(MO)10のOC14から出力された光は、高反射ミラー4a、4bを介して、増幅段レーザ(PO)20の光共振器のリアミラー27に導入される。
次に、図1(A)に示す増幅段レーザ(PO)20の構成と機能を説明する。増幅段レーザ(PO)20はOC24とレーザチャンバ21とリアミラー27とで構成されており、リアミラー27に導入された光はリアミラー28には部分反射膜がコーティングされており、シード光はこのリアミラー28の裏面から光共振器に注入される。レーザチャンバ21内の電極2a、2bは直列に配置され、電極2a、2bに、それぞれ、高圧パルス電源25、26が接続されている。同期コントローラ35は、発振段レーザ(MO)10から出た光が増幅段レーザ(PO)20の光共振器内に注入されると、該注入された光をシード光として、該シード光の光共振器への注入と同期して、高電圧パルス電源25を制御し、電極2a間に高電圧を印加放電させる。
電極2a間に高電圧が印加放電されることによって、光共振器に注入された光が光共振器内で増幅発振(第1のレーザ発振)し、OC24から第1のレーザ光(レーザパルス)が出力する。そして、この第一のレーザ発振が終了する直前に、同期コントローラ35は、高圧パルス電源26を制御して、電圧2b間に高電圧を印加放電させる。すなわち、電極2aの放電から所定の遅延時間(例えば、一定の遅延時間)後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
なお、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置が備える増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21内に設置される各々の電極ペアが、図1(B)に示すように、共通の接地側の電極2a’を備えるようにしてもよい。このような構成としても、本発明の目的を達成することができる。
図2は、図1に示す本発明の注入同期式放電励起レーザ装置により出力されるレーザパルスを示す図である。
図2の点線は、電極2a、2bを同時に放電させた場合に出力されるレーザパルスを示し、実線は、図1に示す注入同期式放電励起レーザ装置を用いて電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、電極2bを放電させた場合に出力されるレーザパルスを示す。
発振段レーザ(MO)10から増幅段レーザ(PO)20の光共振器へのシード光200の注入と同期して、電極2a、2bを同時に放電すると、図2中のレーザパルス201が出力される。一方、本発明に従って、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、電極2bを放電させると、図2中の第1のレーザパルス202と第2のレーザパルス203とが出力される。すなわち、電極2aを放電させると、第1のレーザパルス202が出力され、該第1のレーザパルスの光強度が0になる前に電極2bを放電させると、第2のレーザパルス203が出力される。図2に示すように、本発明に従って電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、電極2bを放電させた場合に出力されるレーザパルス(第1のレーザパルス202と第2のレーザパルス203とが合成されたレーザパルス)のパルス幅は、電極2a、2bを同時に放電させた場合に出力されるレーザパルス202のパルス幅より約2倍長くなる。
図1に示す構成を採る本発明の注入同期式放電励起レーザ装置は、発振段レーザ(MO)10から出力されたシード光が増幅段レーザ(PO)20の共振器内に注入したのと同期して、第1の電極ペア(電極2a)に高電圧を印加して放電させて第1のレーザ発振を行って、光強度が比較的大きい第1のレーザパルスを出力する。また、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置は、該第1のレーザ発振が終了する前に、第2の電極ペア(電極2b)に高電圧を印加して放電させて、第1のレーザ発振光をシード光として、第2のレーザ発振を行って、第2のレーザパルスを出力する。
従って、図1に示す構成を採る本発明の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、以下のメリットを得ることができる。
(1)本発明の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、増幅段レーザにおいて単一の電極ペアを用いてレーザ発振させた場合に比較して、出力されるレーザ光のパルス幅が約2倍となり、また、ピークエネルギが半分になる。このため、露光装置の投影レンズや光学素子の寿命を長くすることができる。
(2)本発明の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、シングルステージレーザにおいて2つの電極ペアに対して遅延放電させた場合(図31を参照)に比べて、出力されるレーザ光の光強度が約2倍になり、該2つの電極ペアを同時に放電させた場合の出力レーザ光の強度と略同じ強度の出力レーザ光を得ることができる。
(3)本発明の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、レーザ装置自身のパルス幅が大幅に延びる。その結果、前述した光学パルスストレッチにより出力レーザ光のロングパルス化を図る従来技術に比べて、増幅段レーザの共振器に用いられる光学素子の寿命を延ばすことが可能となる。
(4)光学パルスストレッチにより出力レーザ光のロングパルス化を図る従来技術では、出力されるレーザ光のロングパルス化を図るために大きな光学ロスがあるが、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、光学的なロスを増大させることなく、効果的に出力レーザ光のロングパルス化を図ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
1.第1の実施例
図3は、本発明の第1の実施例の構成を示す図である。図3には、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置を露光装置36用として適用した場合の構成例を示す。なお、前記図1(A)に示したものと同一のものには同一の符号が付されている。
図3に示す注入同期式放電励起レーザ装置が備える構成部のうち、波長およびスペクトル波形モニタ34、及びパワーモニタ38は、増幅段レーザ(PO)20から出力された光の光品位及びパルスエネルギを検出し、パワーモニタ37は、発振段レーザ(MO)10のパルスエネルギを検出する。
波長およびスペクトル波形コントローラ33は、上記波長およびスペクトル波形モニタ34の出力に基づき増幅段レーザ(PO)20から出射されるレーザ光の波長及びスペクトル波形を制御する。また、エネルギコントローラ30は、パワーモニタ37、38の出力に基づき、レーザのパルスエネルギをコントロールする。また、ガスコントローラ32は、発振段レーザ(MO)10と増幅段レーザ(PO)20のレーザガスをコントロールする。レーザコントローラ31は、レーザの全体を制御する。同期コントローラ35は増幅段レーザ(PO)20に接続されている2台の高電圧パルス電源25、26と、発振段レーザ(MO)10に接続されている高電圧パルス電源15の放電タイミングをコントロールする。
図3に示したものの発振段レーザ(MO)10などの動作は、前記図1(A)で説明したのと同様であり、以下では主として増幅段レーザ(PO)20及び各コントローラの動作について説明する。
発振段レーザ(MO)10のOC14から出力された光は、高反射ミラー4a、4bを介して、増幅段レーザ(PO)20の光共振器のリアミラー27に導入される。高反射ミラー4aと高反射ミラー4bとの間には、前述したパワーモニタ37と、ビームスプリッタ37aとが配置されている。ここで検出された発振段レーザ(MO)10のパルスエネルギの検出値はエネルギコントローラ30に入力される。
この発振段レーザ(MO)10のパルスエネルギの検出結果に基づいて、エネルギコントローラ30は同期コントローラ35を介して高圧パルス電源15に制御信号を送る。
発振段レーザ(MO)10からきたシード光が、増幅段レーザ(PO)20の光共振器内に注入されると、同期コントローラ35が、高電圧パルス電源25を制御して、シード光と同期して、電極2a間に高電圧を印加放電させる。
電極2a間に高電圧が印加放電されることによって、光共振器に注入された光が光共振器内で増幅発振(第1のレーザ発振)し、OC24から第1のレーザ光(レーザパルス)が出力する。そして、同期コントローラ35は、高圧パルス電源26を制御して、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
この出力された光はビームスプリッタ38a、38bによりサンプルされ、パワーモニタ38によりパルスエネルギを検出し、その結果がエネルギコントローラ30に送られる。エネルギコントローラ30はこの検出結果に基づいて同期コントローラ35を介して、高圧パルス電源15、25、26に制御信号を送る。また、増幅段レーザ(PO)20の出力光をビームスプリッタ38aにより光サンプルし、波長およびスペクトル波形モニタ34で、波長及びスペクトル波形を検出する。この検出結果は波長およびスペクトル波形コントローラ33に送られ、LNM3内にあるグレーティング3bの入射角度を変化させる機構(図示せず)に制御信号を送る。これにより、波長が制御される。
さらに、スペクトル波形も発振段レーザ(MO)10のレーザ共振器内の光学素子の光波面を制御する(制御機構は図示しない)ことにより、スペクトル波形を制御できる。また、レーザガスコントローラ32により、発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバ11のF2 ガス濃度を制御することによってもスペクトル波形を制御することができる。
レーザコントローラ31は、高圧パルス電源15、25、及び26の印加電圧と、増幅段レーザ(PO)20及び発振段レーザ(MO)10のパルスエネルギの経時変化とに基づき、ガスコントローラ32に対し、レーザガス(F2 、Ar及びバッファガス)の補給及び排気を徐々に行うように制御する。
2.第2の実施例(リング共振器を用いた例1)
図4に、増幅段レーザ(PO)20の光共振器として、リング共振器を設置した場合の第1の例を示す。
図4(A)は本実施例のレーザの側面図を示し、図4(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図4では、図3に示した各種モニタ、コントローラ等は省略され、図4に示したものの発振段レーザ(MO)10などの動作等は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
本実施例では、全反射直角プリズム8aと8bを共振器ミラーとし、このリング共振器内にOC24を配置し、発振段レーザ(MO)10から出たビームを増幅段レーザ(PO)20のリング共振器のOC(出力結合ミラー)24に入射させるようにする。
図4において、発振段レーザ(MO)10から出たビームを高反射ミラー4aにより増幅段レーザ(PO)20のOC24に入射させる。このビームは片面に部分反射(PR)膜と片面に反射防止(AR)膜がコーティングされたOC24において一部反射し、全反射直角プリズム8aに入射する。この全反射直角プリズム8aの入射出射面には、反射防止(AR)膜がコーティングされている。
シード光は全反射直角プリズム8aの2つ面でフレネル反射により全反射し、ウインド22aを透過してレーザチャンバ21に入射する。シード光は電極2a、2bに対して、略平行な光軸で透過し、増幅されずにレーザチャンバ21内を透過し、全反射直角プリズム8bに入射する。
シード光は全反射直角プリズム8bの2面で全反射し、再びウインド22bを介して電極2a、2bの放電空間と光軸が一致するようにレーザチャンバ21に入射する。電極2aにはシード光に同期して電圧が印加され放電する。そして放電空間を透過したシード光は増幅され、レーザチャンバ21を透過し、再びOC24に入射する。増幅した光の一部はOC24を反射してレーザ光として出力し、OC24の透過光はフィードバック光として再びリング共振器内に戻される。このようにして増幅段レーザ(PO)20において第1のレーザ発振が起こり、第1のレーザパルスが出力される。
次に、電極2aの放電から所定の遅延時間後、第1のレーザ発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
なお、電極ペアの位置は、リング共振器の光路上に放電するように複数の電極ペアが配置されるような任意の位置とすることができる。例えば、電極2bを図4(B)中の点線の矩形部に示す位置に配置しても、上記と同様の動作運転が可能である。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
(1)2個の全反射直角プリズム8a、8bでリング共振器を構成し、OC24をリング共振器の光軸上に設置しているので、リング共振器の光軸のアライメントが容易であり、安定に動作する。
(2)上述したように増幅段レーザ(PO)20が増幅発振し、OC24の反射率が20%〜30%とすると注入効率は80%から70%となり、高い注入効率を得ることができる。その結果、発振段レーザ(MO)10のパルスエネルギを小さくすることができる。
3.第3の実施例(リング共振器を用いた例2)
図5に、増幅段レーザ(PO)20の光共振器として、リング共振器を設置した場合の第2の例を示す。
図5(A)は増幅段レーザ(PO)20の側面図を示し、図5(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図4に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図5では、前記図3に示した発振段レーザ(MO)10、各種モニタ、コントローラ等は省略されている。
本実施例では、図4を参照して説明した第2の実施例と異なり、図5(B)に示すように、増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ11内に、電極2a、2bを、それぞれリング共振器の光軸に対して傾けて配置する(電極の長手方向の軸とリング共振器の光軸とが所定の角度となるように傾けて配置する)。図5(A)、(B)に示す第3の実施例における増幅段レーザ(PO)20の基本的動作等は、前記図4で説明したのと同様である。
本実施例では、上述した第2の実施例のメリットに加え以下のメリットが得られる。
すなわち、第3の実施例では、増幅段レーザ(PO)20において、各々の電極ペアがリング共振器の光軸に対して傾けて配置されているため、電極ペアがリング共振器の光軸に対して並行に配置されている場合に比較して、増幅段レーザ(PO)20から出力されるレーザ光のビーム幅を広くすることができる。その結果、増幅段レーザ(PO)20のリング共振器に用いられる光学素子の寿命をさらに延ばすことが可能となる。
4.第4の実施例(リング共振器を用いた例3)
図6に、増幅段レーザ(PO)20の光共振器として、リング共振器を設置した場合の第3の例を示す。
図6(A)は本実施例のレーザの側面図を示し、図6(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図6では、図3に示した各種モニタ、コントローラ等は省略され、図6に示したものの発振段レーザ(MO)10などの動作等は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
増幅段レーザ(PO)20は、図6(B)に示すようにOC24、高反射ミラー7a、7b、7cからなるリング共振器を備え、発振段レーザ(MO)10から出力されたシード光は、高反射ミラー4a、4b、4cを介して部分反射ミラーであるOC24から該リング共振器中に注入される。
OC24を透過したシード光は、図6(B)に示すように、高反射ミラー7aによりレーザチャンバ21の放電空間に傾いて入射され、このシード光に同期して、電極2a間に電圧が印加され、電極2aが放電する。そして放電空間を透過したシード光は増幅され、レーザチャンバ21を透過し2枚の高反射ミラー7bおよび7cにより折り返され、再び放電している放電空間に導かれ増幅される。増幅した光の一部はOC24を透過してレーザとして出力し、OC24の反射光は再びリング共振器の中にフィードバックされ共振する。そして、OC24から第1のレーザパルスとして出力される。
次に、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる第1のレーザ発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、OC24から第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
図6に示す増幅段レーザ(PO)20のリング共振器は、高反射ミラー7b及び7cにより、レーザ光を放電空間に戻す構成を採っているが、本発明の一実施形態によれば、45度よりも多少小さな角度(数mrad)の全反射プリズムを用いてフレネル反射でレーザ光を放電空間に戻すようにしても、図6に示す増幅段レーザ(PO)20のリング共振器と同様の機能を果たすことができる。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、本実施例では、リング共振器の往復時に放電領域を透過したシード光を増幅するので、第2の実施例(図4を参照)及び第3の実施例(図5を参照)に比較して増幅効率が高い。
5.第5の実施例(リング共振器を用いた例4)
図7に、増幅段レーザ(PO)20の光共振器として、リング共振器を設置した場合の第4の例を示す。
図7(A)は本実施例のレーザの側面図を示し、図7(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図7では、図3に示した各種モニタ、コントローラ等は省略され、図7に示したものの発振段レーザ(MO)10などの動作等は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
本実施例では、増幅段レーザ(PO)20の共振器として、2台のシリンドリカル状の凹面高反射ミラー(高反射ミラー7d、7e)を対向させて配置したリング共振器を構成する。
図7(B)に示す増幅段レーザ(PO)20のリング共振器では、シリンドリカル状の高反射ミラー7d及び7eが対向して設置されている。この高反射ミラー7d及び7eの曲率半径Rは、高反射ミラー7dと7eとの間の距離Lと一致し、両ミラーの焦点の位置が互いに一致するように配置されている。
発振段レーザ(MO)10から出力されたシード光は、高反射ミラー4aを介して部分反射ミラーであるOC24に入射する。このOC24に対して45度の角度で反射したシード光は、高反射ミラー7dに入反射し、ウインド22aを透過してレーザチャンバ21に入射する。
レーザチャンバ21に入射したシード光は、レーザチャンバ21内の、両ミラーの中心線上の焦点の位置にライン状に集光する。この集光したシード光は広がり、ウインド22bを透過して高反射ミラー7eに反射して、コリメートされる。コリメートされた光(コリメート光)は、再びレーザチャンバ21内を透過して、高反射ミラー7dに反射し、ウインド22bを透過して、レーザチャンバ21内の両ミラーの焦点位置にライン状に集光する。
この集光した光は、広がりながらウインド22bを透過して、再び高反射ミラー7eに反射して、再びコリメートされる。そして、この再びコリメートされたコリメート光が電極2aを透過するのと同期して、電極2aに電圧が印加され放電する。そして放電空間を透過したコリメート光は増幅され、レーザチャンバ21を透過し、再びOC24に入射する。
OC24で部分反射した光は、出力レーザ光として出力される。OC24で透過した光は、フィードバック光として再び共振器に戻され、第1のレーザ発振が開始されて、OC24から第1のレーザパルス光が出力される。そして、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる第1のレーザ発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、OC24から第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
なお、電極ペアの位置は、コリメート光が通過するような任意の位置とすることができる。例えば、電極2bの位置を図7(B)中の点線の矩形部に示す位置に配置しても、上記と同様の動作運転が可能である。また、本実施例では、図7に示すように、増幅段レーザ(PO)20のリング共振器において、2枚のシリンドリカル状の高反射ミラー7d及び7eが対向して設置されている構成を例をとって説明したが、4枚のシリンドリカル状の高反射ミラーが配置されたリング共振器を用いてもよい。該4枚のシリンドリカル状の高反射ミラーが配置されたリング共振器は、図7に示す増幅段レーザ(PO)20のリング共振器と同様の機能を果たすことができる。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、本実施例では、シリンドリカル状の高反射ミラー7d、7eを用いて、シード光を両ミラーの中心線上の焦点の位置にライン状に集光するので、高エネルギ密度とならず、安定なレーザ発振が可能となる。
6.第6の実施例(リング共振器を用いた例5)
図8に、増幅段レーザ(PO)20の光共振器として、リング共振器を設置した場合の第5の例を示す。
図8(A)は本実施例のレーザの側面図を示し、図8(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図8では、図3に示した各種モニタ、コントローラ等は省略され、図8に示したものの発振段レーザ(MO)10などの動作等は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
図8(B)に示すように、本実施例では、増幅段レーザ(PO)20が、2台のレーザチャンバ21a、21bを備える。なお、図8(B)には2台のレーザチャンバが示されているが、増幅段レーザ(PO)20が任意の数の複数のレーザチャンバを備える構成を採るようにしてもよい。
増幅段レーザ(PO)20のリング共振器は、4枚の高反射ミラー7f、7g、7h、及び7iによって構成され、このリング共振器の光軸上に2台のレーザチャンバ21a、21bと、2台の電極ペア(電極2a及び2b)を配置している。図8(B)に示すように、電極2aはレーザチャンバ21aに設置され、電極2bはレーザチャンバ21bに設置されている。
発振段レーザ(MO)10から出力されたシード光は、高反射ミラー4aを介して部分反射ミラーであるOC24に入射する。このOC24に対して45度の角度で反射したシード光は、高反射ミラー7fに入反射し、ウインド22aを透過してレーザチャンバ21aに入射する。
レーザチャンバ21aに入射したシード光は、レーザチャンバ21aの電極2a間を透過し、後述するように電極2aが放電される場合には増幅されて、高反射ミラー7g及び7hに反射して、レーザチャンバ21bに入射する。そして、該入射した光は、電極2b間を透過して、高反射ミラー7iに反射し、再びOC24に入射する。OC24で部分反射した光は、出力レーザ光として出力される。OC24で透過した光は、フィードバック光として、再びリング共振器に戻される。
発振段レーザ(MO)10から出力されてレーザチャンバ21aに入射したシード光が該レーザチャンバ21aに設置されている電極2aを透過するのと同期して、電極2aに電圧を印加し、放電する。電極2aが放電されると、第1のレーザ発振が開始されて、OC24から第1のレーザパルス光が出力される。
そして、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる第1のレーザ発振が終了する前に、レーザチャンバ21bに設置されている電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、OC24から第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、本実施例では、増幅段レーザ(PO)20において2台のレーザチャンバ21a、21bを並列に配置することができるので、レーザ装置の大きさをコンパクトにすることが可能となる。また、本実施例では、1つのリング共振器の光軸上にレーザチャンバを配置しているため、シード光の注入箇所及び増幅段レーザ(PO)20からのレーザ光の出力箇所は、それぞれ1箇所である。従って、本実施例によれば、シード光を分岐したり、複数の増幅段レーザを設けて各増幅段レーザからの出力レーザ光を合成したりする必要がなくなる。
7.第7の実施例(偏光制御による共振器の例)
図9に、増幅段レーザ(PO)20の光共振器として、ファブリペロ型共振器を設置し、シード光の注入に偏光素子と波長板を用いた実施例を示す。
図9(A)は本実施例のレーザの側面図を示し、図9(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図9では、図3に示した各種モニタ、コントローラ等は省略されている。
図9において、発振段レーザ(MO)10のLNM3のプリズムビームエキスパンダ3a及びレーザチャンバ11のウインド12a、12bがブリュースタ角で設置されており、紙面に対して垂直な偏波面でレーザ発振する。
この発振段レーザ(MO)10から出力されたレーザ光は偏波面を維持した状態で高反射ミラー4aに入反射して、PS分離膜をコートしたビームスプリッタ(BS)27aに入射する。このBS27aではS偏光(紙面に対して垂直な偏波面)は全反射する。この反射光はλ/4板27bを透過し円偏光に変換される。
この円偏光に変換された発振段レーザ(MO)10のビームは、シード光として増幅段レーザ(PO)20のOC24から増幅段レーザ(PO)20の光共振器中に注入され、チャンバ21の電極2a及び2bの電極ギャップ間で透過、増幅され、ウインド22bを透過して高反射膜がコートされたリアミラー27に入反射して、再び増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21に入射し、透過、増幅されてOC24により一部が反射されて再び増幅段レーザ(PO)20の光共振器内に戻される。
円偏光でOC24から出力したレーザ光は再びλ/4板27bにより、紙面を含む偏波面に変換される。この偏光状態の光はBS27aのP偏光成分の光なので、ほとんど全てBS27aを透過し出力レーザ光として取り出される。増幅段レーザ(PO)20の光共振器内では円偏光で共振するので、ウインド22a、22bには反射防止(AR)コートとして、P及びS偏光に対する反射防止膜をコートする必要がある。
発振段レーザ(MO)10から出力されてレーザチャンバ21に入射したシード光が電極2aを透過するのと同期して、電極2aに電圧を印加し、放電する。電極2aが放電されると、第1のレーザ発振が開始されて、OC24から第1のレーザパルス光が出力される。そして、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる第1のレーザ発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、OC24から第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、増幅段レーザ(PO)20のOC24の反射率が20%から30%で動作するので、注入効率が70%から80%の高い効率を得ることができ、増幅段レーザ(PO)20の共振器のアライメントが容易で安定している。
8.第8の実施例(ナイフエッジミラーによる注入例)
図10に、シード光をナイフエッジミラーにより増幅段レーザ(PO)20に注入する実施例を示す。
図10(A)は本実施例のレーザの側面図を示し、図10(B)は増幅段レーザ(PO)20の上面図を示す。なお、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図10では、図3に示した各種モニタ、コントローラ等は省略されている。
発振段レーザ(MO)10は、スペクトル線幅を狭くするために、プリズムビームエキスパンダ3aとグレーティング(回折格子)3bを搭載した狭帯域化モジュール(LNM)3と、図示を省略する高圧パルス電源を搭載したレーザチャンバ11と出力結合ミラー(OC(outputcoupler ))14とからなっている。
LNM3に配置されているグレーティング3bの分散方向(=プリズム3aのビーム拡大方向)は電極1aの放電方向に対して垂直方向に配置されている。レーザチャンバ11内にはバッファガス(Ne)とArガスとF2 ガスが満たされており、高圧パルス電源から電極1a間に電圧を印加放電させることで放電し、この放電により励起されArFエキシマが形成される。このArFエキシマからArガスとFに分離する時の193nmの波長の光を発光する。193nmの光をLNM3で波長選択することにより、スペクトル幅約400pm→0.1pmまで狭帯域化して、MO10のOC14からビームが出力される。
発振段レーザ(MO)10のOC14から出力されたビームは、シリンドリカル凸レンズ41a及びシリンドリカル凹レンズ41bを備える一方向ビーム集光装置40を透過する。この一方向ビーム集光装置40により、一方向(放電に対して垂直方向)にビームが収束する。この収束ビームは、高反射ミラー4a、4b及び4dの順番に高反射されて、ナイフエッジの高反射ミラー(ナイフエッジミラー)4eに到達し、ライン状に集光する。そして、このナイフエッジミラー4eにより反射されたシード光は、1方向に所定の発散角度で広がり、増幅段レーザ(PO)20のOC24に到達する。
この増幅段レーザ(PO)20のOC24を透過したシード光は、ウインド22bを介してレーザチャンバ21の放電空間を透過し、ウインド22aを介して増幅段レーザ(PO)20のリアミラー27に到達して高反射される。そして、シード光がウインド22aを介して、再び放電空間を通過するのと同期して、図示を省略する高圧パルス電源がレーザチャンバ21の電極2a間に電圧を印加して放電を開始させ、一方向に発散しているシード光が増幅される。増幅されたシード光は、ウインド22bを介して、OC24により一部は反射され、再び放電空間を透過して増幅される。次に、該増幅されたシード光は、リアミラー27に到達して高反射され、再び放電空間を透過して増幅され、OC24を透過して、レーザ光として出力される。OC24に反射した反射光は、再び放電している電極2a間を透過し、増幅されて、第1のレーザ発振が起こる。このようにして、OC24から第1のレーザパルスが出力される。
次に、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる第1のレーザ発振が終了する前に、高圧パルス電源が電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、OC24から第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
本実施例では、発振段レーザ(MO)10から出力されたシード光が効率良く増幅段レーザ(PO)20の放電空間に注入されるように、ナイフエッジミラー4eを配置して、シード光をナイフエッジミラー4eの端部付近にライン状に集光させる。従って、本実施例では、以下のメリットが得られる。
(1)発振段レーザ(MO)10から出力され、増幅段レーザ(PO)20に注入されたシード光の殆どが増幅段レーザ(PO)20において注入光として使用され、増幅段レーザ(PO)20の放電空間において増幅される。
(2)ナイフエッジミラー4eによりライン状に集光し、反射したシード光は、増幅段レーザ(PO)20のOC24を介して増幅段レーザ(PO)20に注入されるため、注入効率が高い。
(3)本実施例では、増幅段レーザ(PO)20の共振器のミラーとして通常のミラーを用いることができるため、共振器のアライメントが容易であり、製作コストも抑えられる。なお、通常のミラーとは、例えば、OCの場合、HRコートのエリアとARコートのエリアを指定せずに、全面をARコートとしたミラーであり、リアミラーの場合、ARコートエリアとHRコートエリアを指定せずに、全面をHRコートにしたミラーである。
(4)本実施例では、ナイフエッジミラー4eに反射して1方向に広がるビームをシード光として増幅段レーザ(PO)20に注入するので、放電空間の全領域をシード光で満たすことができる。従って、ASE(増幅された自然放出光)の発生を抑制することができる。
(5)本実施例では、ナイフエッジミラー4eに反射して1方向に広がるビームをシード光として増幅段レーザ(PO)20に注入するので、増幅段レーザ(PO)20で共振するたびに増幅された光のビームは、放電方向に対して広がる。従って、ウインド及び増幅段レーザ(PO)20の共振器の光学素子に対する単位面積当たりの負荷を低減することができる。従って、ウインド及び増幅段レーザ(PO)20の共振器の光学素子の寿命が延びる。
9.第9の実施例(増幅段レーザにn個の電極ペアを用いた例)
図11に、増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21に複数台(n台)の電極ペアを設置した場合の実施例を示す。
図11に示す注入同期式放電励起レーザ装置の構成部のうち、前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図8に示したものの発振段レーザ(MO)10の動作等は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
図11に示す増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21内には、発振段レーザ(MO)10から出力されて導入されたレーザ光を増幅発振させるためのn台の電極ペア(電極2−1、2−2、2−3、・・・2−n)が、光共振器の光軸上で直列に配置されている。
そして、上記n台の電極ペアにn台の高圧パルス電源(高圧パルス電源25−1、25−2、25−3、・・・25−n)が、1台の電極ペアに1台の高圧パルス電源が対応するように接続されている。同期コントローラ35は、高電圧パルス電源25−1乃至25−nと、発振段レーザ(MO)10の電極1aに接続されている高圧パルス電源15の放電タイミングをコントロールする。また、レーザコントローラは、図示しない複数のコントローラと同期コントローラ35を統括コントロールする。
増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21の接地側の電極を、各電極ペアについて共通化してもよい。そして、該接地側の電極と該接地側の電極に対向する電極とで構成される各々の電極ペアに対して、高圧パルス電源が接続されるように構成してもよい。このような構成としても、本発明の目的を達成することができる。
本実施例において、発振段レーザ(MO)10のOC14から出力された光は、高反射ミラー4a、4bを介して、増幅段レーザ(PO)20の光共振器のリアミラー27に導入される。リアミラー27に導入された光は、シード光としてリアミラー27の裏面から増幅段レーザ(PO)20の光共振器に注入される。
シード光が増幅段レーザ(PO)20の光共振器内に注入されると、同期コントローラ35は、該シード光の光共振器への注入と同期して、高電圧パルス電源25−1を制御し、電極2−1間に高電圧を印加放電させる。電極2−1間に高電圧が印加放電されることによって、光共振器に注入された光が光共振器内で増幅発振(第1のレーザ発振)し、OC24から第1のレーザ光(レーザパルス)が出力する。
同期コントローラ35は、電極2−1の放電から所定の遅延時間後、電極2−1による増幅発振が終了する前に、電極2−2を放電させる。電圧2−2間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、OC24から第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。そして、同期コントローラ35は、電極2−2の放電から所定の遅延時間後、電極2−2による増幅発振が終了する前に、電極2−3を放電させる。電圧2−3間に高電圧が印加放電されることにより、上記第2のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第3のレーザ発振が起こり、OC24から第3のレーザ光(レーザパルス)が出力される。以下、同様にして、同期コントローラ35が、順次第n−1の電極の放電から所定の遅延時間後、第n−1の電極による第n−1のレーザ発振が終了する前に、第nの電極を放電させることにより、第n−1の電極によるレーザ発振により増幅した光をシード光として、第nのレーザ発振が起こり、OC24から第nのレーザ光(レーザパルス)が出力される。
この例では、POのリアミラー側から順番に、電極ペアを放電させたが、この例に限定されることなく、放電の順番は、順不動であっても、同様の結果を得ることが可能となる。また、各々の電極ペアの放電のタイミングは、前のレーザ発振が終了する前であれば、各々一定の遅延時間で各々放電させてもよいし、遅延時間を異ならせてもよい。なお、この実施例では、1つのレーザチャンバの中に複数個の電極ペアを設置した例を示したが、この例に限定されることなく、レーザチャンバの中に1つの電極ペアを配置して、複数個のレーザチャンバを直列に配置してもよい。
図12は、図11を参照して説明した本発明の第9の実施例におけるレーザパルスの出力タイミングチャートを示す図である。
時刻t1 において、発振段レーザ(MO)10から出力されたシード光が増幅段レーザ(PO)20の光共振器内に注入されると、該シード光の注入と同期して、電極2−1間に高電圧が印加放電され、第1のレーザ発振が起こり、第1のレーザパルスが出力される。次に、第1のレーザパルスの出力が終了する前(時刻t2 )において、電極2−2間に高電圧が印加放電され、第2のレーザ発振が起こり、第2のレーザパルスが出力される。第2のレーザパルスの出力が終了する前(時刻t3 )において、電極2−3間に高電圧が印加放電され、第3のレーザ発振が起こり、第3のレーザパルスが出力される。以下、同様にして、第n−1のレーザ発振が終了する前(時刻tn-1 )において、第nの電極間に高電圧が印加放電されることにより、第nのレーザパルスが出力される。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置は、増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21に設置された複数個の電極ペアの各々を、順次所定の遅延時間だけ遅延させながら自電極ペアの前に放電された電極ペアによる増幅発振が終了する前に放電させる。その結果、増幅段レーザ(PO)20から出力されるレーザ光について、非常に長いロングパルス化を図ることが可能となる。
10.第10の実施例(増幅段レーザ及び発振段レーザに複数の電極ペアを用いた例)
図13に、発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバ11に複数の電極ペアを設置した場合の実施例を示す。
図13に示す注入同期式放電励起レーザ装置の構成部のうち、前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されている。
図13に示す注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10は、スペクトル線幅を狭くするために、プリズムビームエキスパンダ3aとグレーティング(回折格子)3bを搭載した狭帯域化モジュール(LNM)3と、高圧パルス電源15、16を搭載したレーザチャンバ11と出力結合ミラー(OC(outputcoupler ))14とからなっている。レーザチャンバ11には、2台の電極ペア(電極1a及び1b)が設置されている。発振段レーザ(MO)10のLNM3に配置されているグレーティング3bの分散方向(=プリズム3aのビーム拡大方向)は、電極1a、1bの放電方向に対して垂直方向に配置されている。
また、同期コントローラ35は、発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバ11の電極1aに接続されている高圧パルス電源15、電極1bに接続されている高圧パルス電源16、増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21の電極2aに接続されている高電圧パルス電源25、電極2bに接続されている高電圧パルス電源26の放電タイミングをコントロールする。レーザコントローラ21は、図示しない複数のコントローラと同期コントローラ35を統括コントロールする。
発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバ11内にはバッファガス(Ne)とArガスとF2 ガスが満たされており、高圧パルス電源15から電極1a間に電圧を印加放電させることで放電し、この放電により励起されArFエキシマが形成される。このArFエキシマからArガスとFに分離する時の193nmの波長の光を発光する。193nmの光をLNM3で波長選択して、スペクトル幅約400pm→0.1pmまで狭帯域化することで、発振段レーザ(MO)10における第1のレーザ発振が起こり、レーザ光(第1のMOレーザパルス)が出力される。そして、第1のレーザ発振が起こった直後に、高圧パルス電源16から電極1b間に高電圧が印加される。
すなわち、同期コントローラ35が、電極1aの放電から所定の遅延時間後、電極1aによる第1のレーザ発振が終了する前に、電極1bを放電させる。電極1bが放電されることにより、第2のレーザ発振が起こり、発振段レーザ(MO)10のOC14からレーザ光(第2のMOレーザパルス)が出力される。
発振段レーザ(MO)10のOC14から出力されたレーザ光は、高反射ミラー4a、4bを介して、増幅段レーザ(PO)20の光共振器のリアミラー27に導入される。リアミラー27に導入された光は、リアミラー27の裏面から光共振器に注入される。
同期コントローラ35が、該注入された光をシード光として、該シード光の光共振器への注入と同期して、高電圧パルス電源25を制御し、電極2a間に高電圧を印加放電させる。電極2a間に高電圧が印加放電されることによって、光共振器に注入された光が光共振器内で増幅発振(第1のレーザ発振)し、OC24から第1のレーザ光(レーザパルス)が出力する。そして、同期コントローラ35は、電極2aの放電から所定の遅延時間後、電極2aによる増幅発振が終了する前に、電極2bを放電させる。電圧2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、増幅発振(第2のレーザ発振)が起こり、第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。
図14は、注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)が1台の電極ペアを備える場合のレーザパルスの出力タイミングと2台の電極ペアを備える場合のレーザパルスの出力タイミングとの比較を示す。
図14(A)は、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10における放電パルスとレーザパルス(MOレーザパルス)の出力タイミングを示し、図14(B)は、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置の増幅段レーザ(PO)20におけるレーザパルス(第1のレーザパルス及び第2のレーザパルス)の出力タイミングを示す。
また、図14(C)は、図13に示す注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10における放電パルスとレーザパルス(第1のMOレーザパルス及び第2のMOレーザパルス)の出力タイミングを示し、図14(D)は、図13に示す注入同期式放電励起レーザ装置の増幅段レーザ(PO)20におけるレーザパルス(第1のレーザパルス及び第2のレーザパルス)の出力タイミングを示す。
まず、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置におけるレーザパルスの出力タイミングについて説明する。図14(A)に示すように、発振段レーザ(MO)10において、時刻t0 に電極1aの放電が開始されて放電パルスが発生すると、MOレーザパルスが出力される。
次に、図14(B)に示すように、上記発振段レーザ(MO)10の電極1aの放電開始時刻である時刻t0 から遅延時間Dmoが経過した時刻t1 に、MOレーザパルスがシード光として増幅段レーザ(PO)20の光共振器に注入されると、該シード光の注入と同期して、増幅段レーザ(PO)20の電極2aが放電されて、第1のレーザパルスが出力される。また、時刻t2 に該第1のレーザパルスをシード光として増幅段レーザ(PO)20の電極2bが放電されて、第2のレーザパルスが出力される。
一方、図13に示す注入同期式放電励起レーザ装置においては、図14(C)に示すように、発振段レーザ(MO)10において、時刻t0 に電極1aの放電が開始(第1の放電パルスが発生)すると、第1のMOレーザパルスが出力される。また、該第1のMOレーザパルスの終了前である時刻t1 に電極1bが放電(第2の放電パルスが発生)して、第2のMOレーザパルスが出力される。
次に、図14(D)に示すように、上記発振段レーザ(MO)10の電極1aの放電開始時刻である時刻t0 から遅延時間Dm2が経過した時刻t2 に、上記第2のMOレーザパルスがシード光として増幅段レーザ(PO)20の光共振器に注入されると、該シード光の注入と同期して、増幅段レーザ(PO)20の電極2aが放電されて、第1のレーザパルスが出力される。また、時刻t3 に該第1のレーザパルスをシード光として増幅段レーザ(PO)20の電極2bが放電されて、第2のレーザパルスが出力される。
第10の実施例では、以下のメリットが得られる。
(1)図13に示す本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置は、発振段レーザ(MO)10において、第1のレーザ発振を起こし、該第1のレーザ発振が終了する前に、第2のレーザ発振を起こす。従って、本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置では、発振段レーザ(MO)10における通常の単一ペア電極で放電させる図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置に比べて、LNM3への光の往復回数が多くなる。その結果、発振段レーザ(MO)10から出力されるレーザパルスのスペクトル線幅を非常に狭くすることができる。
(2)図14(A)乃至(D)に示すように、本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10において放電が開始されてから増幅段レーザ(PO)20において放電されるまでの遅延時間Dm02は、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10において放電が開始されてから増幅段レーザ(PO)20において放電されるまでの遅延時間Dm0の約2倍となる。
従って、本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、スペクトル線幅が図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置による場合に比べて約1/2に狭くなったレーザ光をシード光として増幅段レーザ(PO)20の光共振器に注入することが可能となる。その結果、増幅段レーザ(PO)20で増幅されるレーザ光も、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置による場合と比べて約1/2に狭帯域化された光が増幅発振する。
また、本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、上述したように、LNM3への光の往復回数が多くなるので、低分解能のLNM3でも、スペクトル線幅を狭くすることが可能となる。その結果、発振段レーザ(MO)10の出力マージンが増え、発振段レーザ(MO)10の寿命を延長させることができ、また、LNM3のコストを低減することができる。
(3)本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10から出力されるMOレーザパルスのパルス幅(Tmo2)は、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)10から出力されるMOレーザパルスのパルス幅(Tmo)よりも長くなる。
従って、本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置によれば、増幅段レーザ(PO)20の光共振器へのMOレーザパルス(シード光)の注入と同期して第1の電極ペア(電極2a)を放電する場合の同期許容タイミング幅が、図1(A)に示す注入同期式放電励起レーザ装置による場合と比べて約2倍となる。その結果、増幅段レーザ(PO)20から出力されるレーザ光のレーザパルス波形及びエネルギが安定する。
(4)本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置では、発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバ11及び高圧パルス電源15、16と、増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21及び高圧パルス電源25、26とを共通化することができる。その結果、注入同期式放電励起レーザ装置の製造コストを抑えることが可能となる。また、メンテナンスの配備品は、発振段レーザ(MO)10又は増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ、高圧パルス電源について用意すればよいので、メンテナンスコストを大幅に低減することが可能となる。
以上説明したように、本実施例によれば、発振段レーザ(MO)10からスペクトル線幅が非常に狭いMOレーザパルスが出力されるので、増幅段レーザ(PO)20において増幅発振した出力レーザ光も非常に狭いスペクトル線幅となる。その結果、さらに高NAの投影レンズ(NA>1.4)を搭載した露光装置用の光源として使用することができるようになる。
11.放電タイミングの検出およびフィードバック制御
以下、発振段レーザ及び増幅段レーザにおける放電タイミングの検出と、そのフィードバック制御について説明する。
(a)第11の実施例(発振段レーザ及び増幅段レーザにおける放電タイミングを検出とフィードバック制御の例)
図15に、発振段レーザ(MO)10及び増幅段レーザ(PO)20における放電タイミングを検出し、放電タイミングの遅延時間をフィードバック制御する実施例を示す。
図15に示す注入同期式放電励起レーザ装置の構成部のうち、前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、図15に示したものの発振段レーザ(MO)10、増幅段レーザ(PO)20の基本的動作は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
図15に示す発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバ21の放電空間付近には、放電タイミング検出器50が設置され、増幅段レーザ(PO)20の放電空間付近には、放電タイミング検出器60a、60bが設置されている。放電タイミング検出器50は、電極1aの放電タイミングを検出する。放電タイミング検出器60aは、電極2aの放電タイミングを検出する。放電タイミング検出器60bは、電極2bの放電タイミングを検出する。各放電タイミング検出器は、放電タイミングの検出結果を同期コントローラ35に入力する。
同期コントローラ35は、各放電タイミング検出器から入力された放電タイミングの検出結果に基づいて、発振段レーザ(MO)10の電極ペアの放電開始から増幅段レーザ(PO)20の第1の電極ペア(電極2a)の放電までの遅延時間(以下、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間という)が所定の遅延時間となるように、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間をフィードバック制御する。
また、同期コントローラ35は、増幅段レーザ(PO)20の第1の電極ペア(電極2a)の放電開始から第2の電極ペア(電極2b)の放電までの遅延時間(以下、POにおける放電タイミングの遅延時間という)が所定の遅延時間となるように、POにおける放電タイミングの遅延時間をフィードバック制御する。すなわち、同期コントローラ35は、各電極ペアの放電タイミングの検出結果に基づき、増幅段レーザ(MO)10の第1の電極ペアの放電開始から第2の電極ペアの放電までの遅延時間を制御し、上記第1の電極ペアの放電から上記検出結果に応じて決まる遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて増幅発振させる。
注入同期式放電励起レーザ装置に電極ペアの放電タイミングの遅延時間をフィードバック制御する機能が備えられていない場合は、電源の熱ドリフト等による放電タイミングの変化を補正することができず、放電タイミングが時間とともに変化していく。一方、図15に示す本実施例の注入同期式放電励起レーザ装置は、各電極ペアの放電タイミングを検出して、放電タイミングの遅延時間をフィードバック制御するので、発振段レーザ(MO)10と増幅段レーザ(PO)20の同期タイミングが安定し、増幅段レーザ(PO)20から出力されるレーザパルスが、ロングパルス化が図られた状態で安定する。
図16は、図15に示す注入同期式放電励起レーザ装置による、電極ペアの放電タイミングの遅延時間のフィードバック制御処理フローの一例を示す図である。
図16では、図15に示す注入同期式放電励起レーザ装置が運転中に実行する制御処理を例にとって説明する。まず、ステップS101において、同期コントローラ35が、各電極ペアの放電タイミングの遅延時間の設定値を読み込む。具体的には、同期コントローラ35が、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間の設定値であるTMo-E1tを読み込むとともに、POにおける放電タイミングの遅延時間の設定値であるTE1-E2tを読み込む。次に、ステップS102において、同期コントローラ35が、各電極ペアの電源のスイッチに信号を送って放電させる。そして、ステップS103において、同期コントローラ35が、放電タイミング検出器50による電極1aの放電タイミングの検出結果と放電タイミング検出器60aによる電極2aの放電タイミングの検出結果とに基づいて、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間(TMO-E1 )を検出するとともに、放電タイミング検出器60aによる電極2aの放電タイミングの検出結果と放電タイミング検出器60bによる電極2bの放電タイミングの検出結果とに基づいて、POにおける放電タイミングの遅延時間(TE1-E2 )を検出する。
次に、ステップS104において、同期コントローラ35が、上記ステップS103において検出された各々の放電タイミングの遅延時間について、上記ステップS101において読み込まれた放電タイミングの遅延時間の設定値との差を計算する。具体的には、上記TMO-E1 とTMO-E1tとの差としてDTMO-E1 が算出され、上記TE1-E2 とTE1-E2tとの差としてDTE1-E2 が算出される。
そして、ステップS105において、同期コントローラ35が、電極ペアの放電タイミングが許容範囲に入っているかを判断する。具体的には、上記ステップS104において算出されたDTMO-E1 の絶対値である|DTMO-E1 |がDTMO-E1 の所定の許容値であるDTMO-E1TR 未満であり、DTE1-E2 の絶対値である|DTE1-E2 |がDTE1-E2 の所定の許容値であるDTE1-E2TR 未満であるかが判断される。
同期コントローラ35が、電極ペアの放電タイミングが許容範囲に入っていると判断した場合は、ステップS106に進み、電極ペアの放電タイミングが許容範囲に入っていることを示す信号(同期タイミングOKを示す信号)をレーザコントローラ31に出力して、ステップS108に進む。
同期コントローラ35が、電極ペアの放電タイミングが許容範囲に入っていないと判断した場合は、ステップS107に進み、電極ペアの放電タイミングが許容範囲に入っていないことを示す信号(同期タイミングNGを示す信号)をレーザコントローラ35に出力する。ステップS107においては、更に、同期コントローラ35が、異常を外部装置(例えばパドル及び露光装置)に通知するようにしてもよい。
そして、ステップS108において、レーザコントローラ31が同期コントローラ35を制御して、各電極ペアに接続された高圧パルス電源のスイッチのタイミングを制御して、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間をDTMO-E1 だけ変化させるとともに、POにおける放電タイミングの遅延時間をDTE1-E2 だけ変化させて、上記ステップS101に戻る。
なお、露光処理を行う前の調整運転中に図16に示す電極ペアの放電タイミングの遅延時間のフィードバック制御処理を行って、遅延時間を調整するようにしてもよい。
第11の実施例では、以下のメリットが得られる。
(1)本実施例では、図16を参照して説明したように、各放電タイミング検出器から入力された放電タイミングの検出結果に基づいて、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間とPOにおける放電タイミングの遅延時間を検出する。また、本実施例では、MOとPO間での放電タイミングの遅延時間の設定値とPOにおける放電タイミングの遅延時間の設定値を読み込み、上記検出された放電タイミングの遅延時間が上記読み込まれた放電タイミングの遅延時間の設定値になるように、電極ペアの放電タイミングを制御する。従って、本実施例によれば、電極ペアの放電タイミングを自由に制御することができる。
(2)本実施例によれば、電極ペアの放電タイミングが許容範囲から外れた場合、外部の装置に異常を通知することができる。
(3)本実施例では、直前に行われた電極ペアの放電の際の放電タイミングの検出結果に基づいて、現在の電極ペアの放電についての放電タイミングをフィードバック制御する。従って、長期間、安定した放電タイミングを維持することができる。
(b)第12の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電光を検出する例1)
図17に、増幅段レーザ(PO)20の各電極ペアの放電光を検出することで、電極ペアの放電タイミングを検出する第1の例を示す。
図17には、本実施例のレーザの上面図が示され、該レーザの構成部のうち、前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、増幅段レーザ(PO)20及び図17では図示されていない発振段レーザ(MO)10等の動作は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
図17に示す増幅段レーザ(PO)20のレーザチャンバ21の側面には、ウインド70a、70bが設置されている。電極2aが放電されることによって、レーザの光軸に対して垂直に放出される放電光が、各電極(電極2a,2b)の側面のウインド(70a、70b)を介して、転写レンズ(80a、80b)により、光センサ(90a、90b)上に放電像を結像させる。そして、この光センサ90a、90bの信号を同期コントローラ35が検出することにより、各電極ペアの放電タイミングを検出する。
なお、図17では図示されていない発振段レーザ(MO)10のレーザチャンバの側面に、発振段レーザ(MO)10の電極の放電光を検出する放電検出手段を設置し、該放電検出手段による該電極の放電光の検出結果に基づいて、同期コントローラ35が発振段レーザ(MO)10の電極の放電タイミングを検出するようにしてもよい。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、本実施例では、レーザ発振の光軸と放電を検出する光学軸とがずれているため、レーザ発振による光の影響を受けることなく放電光を検出することができる。従って、確実に各電極ペアの放電タイミングを検出することが可能となる。
(c)第13の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電光を検出する例2)
図18に、増幅段レーザ(PO)20の各電極ペアの放電光を検出することで、電極ペアの放電タイミングを検出する第2の例を示す。
図18は、本実施例のレーザの側面図を示し、発振段レーザ(MO)10等の図示は省略されている。前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、増幅段レーザ(PO)20及び図示を省略する発振段レーザ(MO)10等の動作は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
本実施例では、レーザ光軸上に配置されたウインド22a、リアミラー27、高反射ミラー7f、転写レンズ81aを介して、光センサ91aが電極2aの放電光を検出する。また、レーザ光軸上に配置されたウインド22b、OC24、高反射ミラー7g、転写レンズ81bを介して、光センサ91bが、電極2bの放電光を検出する。光センサ91a、91bの信号を同期コントローラ35が検出することにより、各電極ペアの放電タイミングを検出する。
本実施例では、高反射ミラー7f、7g、リアミラー27、及びOC24のコーティングは、誘電体多層膜が蒸着されており、193nmの波長の光において高反射ミラー、部分反射ミラー又は反射防止として機能し、可視光の光は透過する誘電体多層膜がコートされている。具体的には、高反射ミラー7f、7gには、193nm及び可視光を透過するCaF2 等の基板上に、193nmで高反射、放電光の波長(可視域)で透過する誘電体多層膜がコートされている。リアミラー27は、193nm及び可視光を透過するCaF2 基板上の片面(レーザチャンバ21に対して外側の面)に、193nmにおいて反射防止膜コートで放電光の波長を透過する誘電体多層膜がコートされ、レーザチャンバ21側の面に、193nmに対して約70から90%の反射率で放電光の波長に対して透過する誘電体多層膜がコートされている。そして、OC24には、193nm及び可視光を透過するCaF2 基板上の片面(レーザチャンバ21に対して外側の面)に、193nmにおいて反射防止膜コートで放電光の波長を透過する誘電体多層膜がコートされ、レーザチャンバ21側の面に、193nmに対して約20から30%の反射率で放電光の波長に対して透過する誘電体多層膜がコートされている。
なお、図18では図示を省略した発振段レーザ(MO)10の光軸上に、発振段レーザ(MO)10の電極の放電光を検出する放電検出手段を設置し、該放電検出手段による該電極の放電光の検出結果に基づいて、同期コントローラ35が発振段レーザ(MO)10の電極の放電タイミングを検出するようにしてもよい。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
本実施例では、レーザ光軸上に配置されたウインド22a、リアミラー27、高反射ミラー7f、転写レンズ81aを介して、光センサ91aが電極2aの放電光を検出する。また、レーザ光軸上に配置されたウインド22b、OC24、高反射ミラー7g、転写レンズ81bを介して、光センサ91bが、電極2bの放電光を検出する。従って、本実施例によれば、例えば、レーザチャンバ21の側面に、前記図17に示すウインド70a、70bのような、放電光を検出するための複数のウインドを新たに設置する必要がない。
(d)第14の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電電流又は放電電圧を検出する例)
図19に、増幅段レーザ(PO)20の各電極ペアの放電電流又は放電電圧を検出することで、電極ペアの放電タイミングを検出する実施例を示す。
図19(A)は、本実施例のレーザの側面図を示し、発振段レーザ(MO)10等の図示は省略されている。前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、増幅段レーザ(PO)20及び図示を省略する発振段レーザ(MO)10等の基本的動作は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
本実施例では、増幅段レーザ(PO)20の電極2aと高圧パルス電源25との間に、電極2aの放電電流又は放電電圧を検出する放電電流/電圧検出器61aが設置されており、電極2bと高圧パルス電源26との間に、電極2bの放電電流(又は放電電圧)を検出する放電電流/電圧検出器61bが設置されている。
図示を省略する発振段レーザ(MO)から出力された光は、高反射ミラー4aを介して、リアミラー27から増幅段レーザ(PO)20の光共振器内にシード光として注入される。シード光の光共振器への注入と同期して、高電圧パルス電源25を制御し、電極2a間に高電圧を印加放電させる。このタイミングで放電電流/電圧検出器61aが動作して、電極2bの放電電流(又は放電電圧)を検出し、検出結果を示す信号を同期コントローラ35に入力する。
上記電極2aが放電することによって、光共振器に注入された光が光共振器内で増幅発振(第1のレーザ発振)し、OC24から第1のレーザ光(レーザパルス)が出力する。そして、この第1のレーザ発振が終了する直前に、同期コントローラ35が、高圧パルス電源26を制御して、電圧2b間に高電圧を印加放電させる。このタイミングで放電電流/電圧検出器61bが動作して、電極2bの放電電流(又は放電電圧)を検出し、検出結果を示す信号を同期コントローラ35に入力する。
上記電極2b間に高電圧が印加放電されることにより、上記第1のレーザ発振により増幅した光をシード光として、第2のレーザ発振が起こり、第2のレーザ光(レーザパルス)が出力される。同期コントローラ35は、放電電流/電圧検出器61a、61bから入力された信号に基づいて、電極ペアの放電タイミングの遅延時間を計測し、電極ペアの放電タイミングの遅延時間が所定の遅延時間となるように、高圧電源パルス25、26のスイッチのタイミングを制御する。
なお、図19(A)では図示を省略した発振段レーザ(MO)10に、発振段レーザ(MO)10の電極の放電電流又は放電電圧を検出する放電電圧/電流検出手段を設置し、該放電電流/電圧検出手段による該電極の放電電流又は放電電圧の検出結果に基づいて、同期コントローラ35が、電極ペアの放電タイミングの遅延時間が所定の遅延時間となるように、該電極に電圧を印加する高圧電源パルスのスイッチのタイミングを制御するようにしてもよい。
図19(B)は、図19(A)に示す増幅段レーザ(PO)20の電源回路(AMP1)の回路構成例を示す。この電源回路(AMP1)の動作例の詳細については、図23を参照して後述する。
図19(B)に示す例では、ピーキングコンデンサ(Cp)の高圧側に電圧センサ300を設置し、電極ペア11aと11b間で高電圧が印加され、ブレークダウンして電圧が急激に降下するタイミングを検出することにより、放電が開始するタイミングを計測する。
また、図19(B)中に示すように、電源回路中に電流センサ301を配置して、放電電流の立ち上がりにより、放電開始タイミングを検出してもよいし、放電電流が流れなくなる電流終了タイミングを計測するようにしてもよい。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
本実施例では、増幅段レーザ(PO)20の電源回路に電圧センサ300又は電流センサ301を設置するだけで、余分な光学計測装置を設置することなく、放電タイミングを簡単に計測することができる。
図20は、発振段レーザ(MO)及び増幅段レーザ(PO)の電極ペアの放電電流又は放電光の検出結果に基づく、電極ペアの放電タイミングを示す。
図20(A)、(B)、(C)は、それぞれ、発振段レーザ(MO)10の電極1a、増幅段レーザ(PO)20の電極2a及び2bの放電強度と時間の関係を示す。図中の太線の矢印は、各電極ペアの放電が開始するタイミングを示し、放電の強度が単調増加し、ピークに到達した後、単調減少し、放電が終了するタイミングを点線の矢印で示している。この例では、放電の強度が1つのピークしかない場合を示しているが、ピークが複数個ある場合でも、同様に、放電開始時刻又は放電終了時刻を検出することによって、後述する(1)〜(3)の3つの遅延時間を計測することができる。
まず、発振段レーザ(MO)10の放電開始時刻Tmosと、増幅段レーザ(PO)20の放電開始時刻T1sとを計測し、発振段レーザ(MO)10の放電開始から増幅段レーザ(PO)20の放電開始までの遅延時間(図20(B)中のMOとPOの放電開始遅延時間:T1s−Tmos)を計測し、所定の遅延時間となるように、同期コントローラ35が、発振段レーザ(MO)10の放電開始から増幅段レーザ(PO)20の放電開始までの遅延時間をフィードバック制御する。
発振段レーザ(MO)10で狭帯域発振した出力光が、シード光として、増幅段レーザ(PO)20の共振器内に注入されるのと同期して、増幅段レーザ(PO)20の電極2aが放電することにより、上記共振器に注入された光が増幅発振する。同期コントローラ35は、以下のような電極ペアの放電タイミングの遅延時間を計測する。
(1)放電開始遅延時間(T2s−T1s):電極2aと電極2bの放電開始タイミングを検出して、電極2aの放電開始から電極2bの放電開始までの遅延時間として計測する。
(2)放電終了遅延時間(T2e−T1e):電極2aと電極2bの放電終了タイミングを検出して、電極2aの放電終了から電極2bの放電終了までの遅延時間として計測する。
(3)放電終了開始遅延時間(T1e−T2s):電極2aの放電終了タイミングと電極2bの放電開始タイミングとを検出して、電極2bの放電開始から電極2aの放電終了までの遅延時間として計測する。
同期コントロ−ラ35は、上記(1)〜(3)のいずれかの遅延時間を計測して、該遅延時間を所定の時間となるようにフィードバック制御する。重要なことは、電極2aの放電が終了する前、すなわちレーザ発振が終了する前に、電極2bの放電を開始させるように、上記(1)〜(3)のいずれかの遅延時間を計測してフィードバック制御することである。
特に、上記(3)の放電終了開始遅延時間が一定になるように制御することにより、例えば、レーザガス条件の変化によって放電時間の長さが変化したとしても、電極2aの放電が終了する前に、必ず電極2bの放電を開始させることができるので、レーザの発振出力が安定し、同期ミス(シード光をタイミングよく放電させて、増幅発振できない場合)による自然発振光が出力されないというメリットがある。
(e)第15の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電光を1台の光センサにより検出する例)
図21に、増幅段レーザ(PO)20の各電極ペアの放電光を1台の光センサにより検出する実施例を示す。
図21(A)は、本実施例のレーザの側面図を示し、発振段レーザ(MO)10等の図示は省略されている。前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、増幅段レーザ(PO)20及び図示を省略する発振段レーザ(MO)10等の基本的動作は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
本実施例では、レーザ光軸上に配置されたウインド22a、リアミラー27、高反射ミラー7f、コリメータレンズ82を介して、光センサ91aが電極2a、2bの放電光を検出し、検出結果を同期コントローラ35に入力する。本実施例では、高反射ミラー7f、リアミラー27のコーティングは、誘電体多層膜が蒸着されており、193nmの波長の光において、高反射ミラー、部分反射ミラー、又は反射防止として機能し、可視光の光は透過する誘電体多層膜がコートされている。
具体的には、高反射ミラー7fには、193nm及び可視光を透過するCaF2 等の基板上に193nmで高反射し、放電光の波長(可視域)で透過する誘電体多層膜がコートされている。リアミラー27は、193nm及び可視光を透過するCaF2 基板上の片面(レーザチャンバ21に対して外側の面)に、193nmにおいて反射防止膜コートで放電光の波長を透過する誘電体多層膜がコートされ、レーザチャンバ21側の面に、193nmに対して約70から90%の反射率で放電光の波長に対して透過する誘電体多層膜がコートされている。
図21(B)及び図21(C)は、図21(A)に示す光センサ91aによって検出される電極2a、2bの放電光の計時変化を示す。
図21(B)は、同期コントローラ35による、電極2a及び2bのそれぞれの放電光の最大ピークタイミング(T1max,T2max)の検出結果を示す。同期コントローラ35は、光センサ91aによる放電光の検出結果に基づいて、この放電ピーク間の遅延時間(放電ピーク遅延時間:T2max−T1max)を計測して、所定の遅延時間となるように制御する。図21(C)は、同期コントローラ35による、電極2aの放電光の立上り時間(T1s)と該放電光が極小となる時刻(T2min)との検出結果を示す。同期コントローラ35は、この放電光の立ち上がりから放電光が極小となる時刻までの遅延時間(放電開始極小遅延時間:T2min−T1s)を計測して、所定の遅延時間となるように制御する。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、本実施例では、増幅段レーザ(PO)20の各電極ペアの放電光を1台の光センサにより検出する。従って、レーザチャンバ21の側面に、放電光を検出するための複数のウインドを新しく設置する必要がない。また、1台の光センサを用いて2つの電極ペアの放電光を簡単に検出することができる。
(f)第16の実施例(増幅段レーザの出力レーザ光のパルス波形を光センサにより検出する例)
図22に、増幅段レーザ(PO)20の増幅段レーザの出力レーザ光のパルス波形を光センサにより検出する実施例を示す。
図22(A)は、本実施例のレーザの側面図を示し、発振段レーザ(MO)10等の図示は省略されている。前記図1(A)、図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、増幅段レーザ(PO)20及び図示を省略する発振段レーザ(MO)10等の基本的動作は、前記図1(A)、図3で説明したのと同様である。
本実施例では、増幅段レーザ(PO)20から出力されたレーザ光をビームスプリッタ110によりサンプルし、サンプルされたレーザ光のレーザパルス波形をレーザパルス波形検出器111により検出する。レーザパルス波形検出器111は、該レーザパルス波形の検出結果を同期コントローラ35に入力する。
図22(B)及び(C)は、レーザパルス波形検出器110により検出された、増幅段レーザ(PO)20から出力されたレーザパルス波形を示す。
図22(B)では、電極2a及び2bのそれぞれのレーザ光のパルス波形が最大ピークとなるタイミング(T1max,T2max)の計測結果を示す。同期コントローラ35は、レーザパルス波形検出器110によるレーザパルス波形の検出結果に基づいて、レーザ光のパルス波形が最大ピークとなるタイミング間の遅延時間(パルス波形ピーク遅延時間:T2max−T1max)を計測して、該パルス波形ピーク遅延時間が所定の時間となるように、電極2aの放電開始から電極2bの放電開始までの遅延時間を制御する。
図22(C)では、電極2a及び2bのそれぞれのレーザ光の立上り時間(T1s)とレーザ光が極小となる時刻(T2min)との計測結果を示す。同期コントローラ35は、電極2aのレーザ光の立ち上がりから該レーザ光が極小となるまでの遅延時間(レーザ発振開始パルス極小遅延時間:T2min−T1s)を計測して、該レーザ発振開始パルス極小遅延時間が所定の時間となるように、電極2aの放電開始から電極2bの放電開始までの遅延時間を制御する。すなわち、同期コントローラ35は、レーザパルス波形検出器111の検出結果に基づき、増幅段レーザ(PO)20の第1の電極ペア(電極2a)の放電から第2の電極ペア(電極2b)までの遅延時間を制御し、該第1の電極ペアの放電から上記検出結果に応じて定まる遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる。
本実施例では、以下のメリットが得られる。
すなわち、本実施例では、増幅段レーザ(PO)20から出力されたレーザ光をビームスプリッタ110によりサンプルし、サンプルされたレーザ光のレーザパルス波形をレーザパルス波形検出器111により検出する。従って、レーザチャンバ21の側面に、放電光を検出するための複数のウインドを新しく設置する必要がない。また、1台のレーザパルス波形検出器111を用いて2つの電極ペアによるレーザ発振光を直接計測できるので、レーザのパルスの変化や自然発振が発生した場合に、直接異常を検出することができる。
12.電源回路の構成例と動作
図23乃至図29に、本発明の注入同期式放電励起レーザ装置が備える発振段レーザ(MO)10の電源回路(OSC)と増幅段レーザ(PO)20の電源回路(AMP)の回路構成例を示す。
図23は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第1の例を示している。OSCは発振段レーザ(MO)10の電極ペアに対応する電源回路である。AMP1は増幅段レーザ(PO)20の第1の電極ペア(電極2a)に対応する電源回路である。AMP2は増幅段レーザ(PO)20の第2の電極ペア(電極2b)に対応する電源回路である。
OSCは、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、固体スイッチSW0、昇圧トランスTr0、コンデンサC1、C2、磁気スイッチSR2、SR3からなる回路構成30’と、ピーキングコンデンサCp、電極10a、10b、予備電離電極90、コンデンサCcとからなる回路構成10’とを有する。図中の20’は充電器である。
AMP1は、主コンデンサC01、磁気スイッチSR11、固体スイッチSW1、昇圧トランスTr1、コンデンサC11、C21、磁気スイッチSR21、SR31からなる回路構成31’と、ピーキングコンデンサCp、電極11a、11b、予備電離電極91、コンデンサCcとからなる回路構成11’とを有する。図中の21は充電器である。AMP1は、主コンデンサC02、磁気スイッチSR12、固体スイッチSW2、昇圧トランスTr2、コンデンサC12、C22、磁気スイッチSR22、SR32からなる回路構成32’と、ピーキングコンデンサCp、電極12a、12b、予備電離電極92、コンデンサCcとからなる回路構成12とを有する。図中の22は充電器である。
以下では、OSC、AMP1、AMP2の構成及び動作は同等であるため、AMP1について説明する。
充電器21の電圧は所定の値に調整され、主コンデンサC01が充電される。このとき、固体スイッチSW1はオフになっている。主コンデンサC01の充電が完了し、固体スイッチSW1がオンになったとき、固体スイッチSW1の両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR11の両端にかかる。これは磁気スイッチSR11のインダクタンスが大きく、ほとんど電流は流れないためである。磁気スイッチSR11の両端にかかる電圧の時間積分値が磁気スイッチSR11の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR11が飽和しインダクタンスが急激に減少する。その結果、主コンデンサC01、磁気スイッチSR11、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSW1のループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC11のループに電流が流れ、主コンデンサC01に蓄えられた電荷がコンデンサC11に移行し、コンデンサC11が充電される。
コンデンサC11における電圧の時間積分値が磁気スイッチSR21の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR21が飽和してインダクタンスが急激に減少する。その結果、コンデンサC11、コンデンサC21、磁気スイッチSR21のループに電流が流れ、コンデンサC11に蓄えられた電荷がコンデンサC21に移行し、コンデンサC21が充電される。コンデンサC21における電圧の時間積分値が磁気スイッチSR31の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR31が飽和してインダクタンスが急激に減少する。その結果、コンデンサC21、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR31のループに電流が流れ、コンデンサC21に蓄えられた電荷がピーキングコンデンサCpに移行し、ピーキングコンデンサCpが充電される。
ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその両端の電圧が上昇し、所定の電圧になると、予備電離電極91でコロナ放電が発生する。このコロナ放電で、電極11a、11b間のレーザガスが予備電離される。
さらにピーキングコンデンサCpの充電が進み、電圧がブレークダウン電圧に達すると、電極11a、11b間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電がおきる。この主放電によりレーザ媒質が励起される。そして、増幅段レーザ(PO)20の光共振器内に注入されたシード光が増幅される。なお、OSCの場合はシード光が発生する。主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧は急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。固体スイッチSW1のスイッチング動作によってこのような放電動作が繰り返し行なわれることで、増幅発振が行われる。固体スイッチSW1のスイッチング動作は、外部からのトリガ信号に基づき行われる。このトリガ信号を送出する外部コントローラは、例えば、同期コントローラ35である。
図23に示すAMP1の回路構成例では、磁気スイッチSR21、SR31及びコンデンサC11、C21で2段の容量移行型回路が構成されている。容量移行型回路では、後段のインダクタンスが小さくなるように設定すれば、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるパルス圧縮が実現できる。その結果、電極11a、11b間に強励起の放電が実現される。
上記図23において、AMP1とAMP2の放電タイミングは、SW1へのトリガ信号に対して所定時間遅らせて、例えば同期コントローラ35からSW2にトリガ信号を送信することにより調整できる。ドリガ信号の遅れは、固定値でも、放電を検出するセンサからの信号に基づいてフィードバック制御しても良い。この場合、遅れが一定になる制御またはパルス幅最大になる制御等が可能である。固定値の場合、ソフトまたはハードで行っても良い。
放電を検出するセンサとして、前記したように以下の(1)〜(4)が考えられる。
(1)発光検出センサ
放電による発光を検出するセンサである。発光の開始の検出であれば可視光を検出するセンサでも良い。ゲインの存在時間を算出する場合は、レーザ光と同じ波長の光を光軸方向でなく、サイドから検出する必要がある。
(2)磁界コイルセンサ
磁界の変化を検出するセンサである。放電により大きな磁界の変化を起きるため、放電の開始を検出できる。
(3)電極間電圧センサ
電極間電圧(ピーキングコンデンサCpの充電電圧)をモニタするセンサである。レーザガスが絶縁破壊されて主放電が起きる時、電圧が反転するので、放電開始を検出できる。
(4)電極間電流センサ
電極間電流をモニタするセンサである。レーザガスが絶縁破壊されて主放電が起きるる時、電極間に電流が流れ始めるので、放電開始を検出できる。
図23に示す回路構成例において、AMP1とAMP2の放電タイミングをSR11(SR21)、SR21(SR22)、SR31(SR32)の少なくとも一つの飽和時間を変えて調整するようにしてもよい。この場合、SW1とSW2へのトリガ信号を同一信号にすることができる。SR11(SR21)、SR21(SR22)、SR31(SR32)の少なくとも一つの飽和時間が違えば、ピーキングコンデンサCpの充電開始時間がずれる。その結果、主放電の開始時間をずらすことができる。
飽和時間を変える方法には、以下の(1)〜(5)に示すような方法がある。
(1)磁芯への巻数または並列数を変える。
(2)磁芯の材質を変える。
(3)磁芯の有効断面積を変える。
(4)巻線の断面積を変える
(5)インダクタンスを付加する
また、図23に示す回路構成例において、AMP1とAMP2の放電タイミングを昇圧トランスTr1(Tr2)の巻数比とコンデンサC11(C12)、C21(C22)の容量を変えて調整するようにしてもよい。この場合、SW1とSW2へのトリガ信号を同一信号にすることができる。昇圧トランスTr1(Tr2)の巻数比とコンデンサC11(C12)、C21(C22)の容量を変えると、ピーキングコンデンサCpの充電開始時間が変わる。これにより、放電開始時間を変えることができる。昇圧トランスTr1(Tr2)の巻数比とコンデンサC11(C12)、C21(C22)の容量は、ピーキングコンデンサCpの充電電圧を同程度とすることも考慮して決める。
図23に示す回路構成例において、AMP1とAMP2の放電タイミングを昇圧トランスTr1(Tr2)の巻数比とコンデンサC01(C02)の容量を変えて調整するようにしてもよい。この場合、SW1とSW2へのトリガ信号を同一信号にすることができる。昇圧トランスTr1(Tr2)の巻数比とコンデンサC01(C02)の容量を変えると、ピーキングコンデンサCpの充電開始時間が変わる。これにより、放電開始時間を変えることができる。昇圧トランスTr1(Tr2)の巻数比とコンデンサC01(C02)の容量は、ピーキングコンデンサCpの充電電圧を同程度とすることも考慮して決める。
図24は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第2の例を示している。
図24では、図13を参照して前述した第10の実施例における発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成を示している。OSC1は、図13中の発振段レーザ(MO)10の第1の電極ペア(電極1a)に対応する電源回路であり、図24中に示す回路構成10’,30−1を備える。OSC2は、該発振段レーザ(MO)10の第2の電極ペア(電極1b)に対応する電源回路であり、図24中の回路構成10’,30−2を備える。なお、AMP1は回路構成11’,31−1を備え、AMP2は回路構成12,32−1を備える。
図24に示す回路構成例では、AMP1とAMP2の放電タイミングは、AMP1のSW1へのトリガ信号に対して所定時間遅らせてAMP2のSW2にトリガ信号を、例えば同期コントローラ35から送信することにより調整する。また、OSC1とOSC2の放電タイミングは、OSC1のSW0へのトリガ信号に対して所定時間遅らせてOSC2のSW0にトリガ信号を、例えば同期コントローラ35から送信することにより調整する。また、OSC2とAMP2の放電タイミングも同様に、それぞれSW0’とSW1のトリガー信号を例えば同期コントローラ35から送信することにより調整する。
図24に示す回路構成例では、OSC1とOSC2、AMP1とAMP2において、充電器20,21が共通である。充電器の共通化によって、OSC1とOSC2のコンデンサC0への充電電圧を同じにすることができる。また、AMP1とAMP2のコンデンサC0への充電電圧を同じにすることができる。したがって、OSC1とOSC2間のタイミングとAMP1とAMP2のタイミングがそれぞれ、充電電圧の変動による磁気スイッチ(SR)のスイッチのタイミングの変動が抑制される。その結果、より正確に放電タイミングを制御することができる。また、この実施例において、OSC1、OSC2、AMP1及びAMP2の電源回路を全て同じにすることも可能である。すなわち、L1=L11=L12、C0=C01=C02、SR1=SR11=SR12、Tr0=Tr1=Tr2、C1=C11=C12、C2=C21=C22のパラメータを同じとして、同じ仕様の高圧パルス電源を4個、同じ仕様の充電器2台、同じ仕様のレーザチャンバ2台で動作させることが可能となる。
図25は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第3の例を示している。
図25に示す回路構成例では、AMP1、AMP2、OSCについて、充電器21が共通である。充電器の共通化によって、OSC、AMP1、AMP2の、それぞれのコンデンサC0、C01、C02への充電電圧を同じにすることができる。その結果、OSCとAMP1、又はOSCとAMP2の放電タイミングをより正確に制御することができる。
図26は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第4の例を示している。
AMP2は回路構成12,32−2を備える。図26に示す回路構成例では、AMP1とAMP2の放電タイミングをSR21(SR22)、SR31(SR32)の少なくとも一つの飽和時間を変えて調整する。
また、図26に示す回路構成例では、AMP1とAMP2とで、昇圧トランスTr1までの回路が共通である。従って、コンデンサC11とコンデンサC12への充電電圧とタイミングを同じにすることができる。その結果、AMP1とAMP2との放電タイミングをより正確に制御することができる。
図27は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第5の例を示している。
AMP1は回路構成11’,31−2を備える。図26に示す回路構成例との違いは、OSCについても、昇圧トランス(Tr0)までの回路が共通な点である。回路の共通化により、OSC、AMP1とAMP2のそれぞれのコンデンサC1、C11、C12への充電電圧とタイミングを同じにすることができる。その結果、OSCとAMP1、又はOSCとAMP2の放電タイミングをより正確に制御することができる。
図28は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第6の例を示している。
AMP2は回路構成12,32−3を備える。図28に示す回路構成例では、AMP1とAMP2の放電タイミングを、SR31(SR32)の飽和時間を変えて調整する。図28に示す回路構成例では、AMP1とAMP2とで、コンデンサC11までの回路が共通であるので、コンデンサC21とC22への充電電圧とタイミングを同じにすることができる。その結果、AMP1とAMP2との放電タイミングをより正確に制御することができる。
図29は、発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第7の例を示している。
AMP2は回路構成11’,31−3を備える。図29に示す回路構成例では、OSCとAMP1とAM2とで、コンデンサC1までの回路が共通である。回路の共通化により、コンデンサC1への充電電圧とタイミングを同じにすることができる。その結果、OSCとAMP1、又はOSCとAMP2の放電タイミングをより正確に制御することができる。
本発明の注入同期式放電励起レーザ装置の原理図である。 本発明の注入同期式放電励起レーザ装置により出力されるレーザパルスを示す図である。 本発明の第1の実施例の構成を示す図である。 本発明の第2の実施例(リング共振器の例1)の構成を示す図である。 本発明の第3の実施例(リング共振器の例2)の構成を示す図である。 本発明の第4の実施例(リング共振器の例3)の構成を示す図である。 本発明の第5の実施例(リング共振器の例4)の構成を示す図である。 本発明の第6の実施例(リング共振器の例5)の構成を示す図である。 本発明の第7の実施例(偏光制御)の構成を示す図である。 本発明の第8の実施例(ナイフエッジミラーによる注入例)の構成を示す図である。 本発明の第9の実施例(増幅段レーザにn台の電極ペアを用いた例)の構成を示す図である。 本発明の第9の実施例におけるレーザパルスの出力タイミングチャートを示す図である。 本発明の第10の実施例(増幅段レーザ及び発振段レーザに複数台の電極ペアを用いた例)の構成を示す図である。 注入同期式放電励起レーザ装置の発振段レーザ(MO)が1台の電極ペアを備える場合のレーザパルスの出力タイミングと2台の電極ペアを備える場合のレーザパルスの出力タイミングとの比較を示す図である。 本発明の第11の実施例(発振段レーザ及び増幅段レーザにおける放電タイミングを検出する例)の構成を示す図である。 電極ペアの放電タイミングの遅延時間のフィードバック制御処理フローの一例を示す図である。 本発明の第12の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電光を検出する例1)の構成を示す図である。 本発明の第13の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電光を検出する例2)の構成を示す図である。 本発明の第14の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電電流又は放電電圧を検出する例)の構成を示す図である。 発振段レーザ(MO)及び増幅段レーザ(PO)の電極ペアの放電電流又は放電光の検出結果に基づく、電極ペアの放電タイミングを示す図である。 本発明の第15の実施例(増幅段レーザの各電極ペアの放電光を1台の光センサにより検出する例)の構成を示す図である。 本発明の第16の実施例(増幅段レーザの出力レーザ光のパルス波形を光センサにより検出する例)の構成を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第1の例を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第2の例を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第3の例を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第4の例を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第5の例を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第6の例を示す図である。 発振段レーザ(MO)と増幅段レーザ(PO)の電源回路の回路構成の第7の例を示す図である。 特許文献2に記載された、光学パルスストレッチを用いた出力レーザ光のパルス幅の伸長技術を示す図である。 2つの電極ペアの遅延放電により、出力レーザ光のロングパルス化を図る技術を示す図である。
符号の説明
1a,1b,2a,2a’,2b,2−1〜2−3,2−n,10a,10b,11a,11b,12a,12b,20−1〜20−4 電極
3 LNM
3a プリズム
3b 回折格子
4a,4b,4d,7a〜7h 高反射ミラー
4e ナイフエッジミラー
8a,8b 全反射直角プリズム
10 発振段レーザ(MO)
10’,11’,12,30’,30−1,30−2,31’,31−1,31−2,,31−3,32’,32−1,32−2,32−3 回路構成
11,21 レーザチャンバ
12a,12b,22a,22b,70a,70b ウインド
13 スリット
14,24 OC(出力結合ミラー)
15,16,25,26,25−1,25−2,25−3,25−n 高圧パルス電源 20 増幅段レーザ(PO)
20’,21,22 充電器
22A〜22C ミラー
23 スリット
26 リアミラー
26A〜26D 反射鏡
27a,37a,38a,38b,110 ビームスプリッタ
27b λ/4板
30 エネルギコントローラ
31 レーザコントローラ
32 ガスコントローラ
33 波長およびスペクトル波形コントローラ
34 波長およびスペクトル波形モニタ
35 同期コントローラ
36 露光装置
37,38 パワーモニタ
40 一方向ビーム発散装置
41b シリンドリカル凸レンズ
41b シリンドリカル凹レンズ
50,60a,60b 放電検出器
50’レーザ
61a,61b 放電電流/電圧検出器
80a,80b、81a,81b 転写レンズ
82 コリメータレンズ
90〜92 予備電離電極
90a,90b,91a,91b 光センサ
100 パルス
101 第1のパルス
102 第2のパルス
111 レーザパルス波形検出器
200 シード光
201 レーザパルス
202 第1のレーザパルス
203 第2のレーザパルス
300 電圧センサ
301 電流センサ

Claims (8)

  1. 発振段レーザと、該発振段レーザからのシード光が注入され、該シード光を増幅発振させる増幅段レーザを備え、
    前記増幅段レーザは、1つの光共振器と、前記光共振器の光軸上に配置された複数ペアの放電電極と、該複数ペアの放電電極を収納した1乃至複数のレーザチャンバと、
    上記複数のペアの放電電極の放電タイミングを制御する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、前記シード光が増幅段レーザに注入されるのと同期して、前記放電電極の少なくとも1ペアの第1の電極ペアを放電させて、増幅発振させ、
    上記第1の電極ペアの放電から所定の遅延時間後、前記第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、前記第1の電極ペア以外の少なくとも1ペアの第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる
    ことを特徴とする注入同期式放電励起レーザ装置。
  2. 前記制御手段は、前記遅延時間を一定時間として、上記第1の電極ペアの放電から一定の遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の注入同期式放電励起レーザ装置。
  3. 各電極ペアの放電タイミングを検出する放電タイミング検出手段を備え、
    前記制御手段は、該放電タイミング検出手段の検出結果に基づき、上記遅延時間を制御し、上記第1の電極ペアの放電から上記検出結果に応じて定まる遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の注入同期式放電励起レーザ装置。
  4. 増幅段レーザから出力されるレーザパルス波形を検出するレーザパルス波形検出手段を備え、
    前記制御手段は、該レーザパルス波形検出手段の検出結果に基づき、上記遅延時間を制御し、上記第1の電極ペアの放電から上記検出結果に応じて定まる遅延時間後、第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の注入同期式放電励起レーザ装置。
  5. 前記発振段レーザは狭帯域レーザである
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4に記載の注入同期式放電励起レーザ装置。
  6. 発振段レーザは、1つの光共振器と、前記光共振器の光軸上に配置された複数ペアの放電電極と、該複数ペアの放電電極を収納した1乃至複数のレーザチャンバと、上記複数のペアの放電電極の放電タイミングを制御する発振段レーザ制御手段とを備え、
    上記発振段レーザ制御手段は、前記放電電極の少なくとも1ペアの第1の電極ペアを放電させて、増幅発振させ、
    前記第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、上記第1の電極ペアの放電から所定の遅延時間後、前記第1の電極ペア以外の少なくとも1ペアの第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4または請求項5に記載の注入同期式放電励起レーザ装置。
  7. 前記増幅段レーザもしくは発振段レーザおよび増幅段レーザの複数の電極ペアの接地側の電極を共通化した
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または請求項6に記載の注入同期式放電励起レーザ装置。
  8. 発振段レーザと、該発振段レーザからのシード光が注入され、該シード光を増幅発振させる増幅段レーザを備え、前記増幅段レーザは、1つの光共振器と、前記光共振器の光軸上に配置された複数ペアの放電電極と、該複数ペアの放電電極を収納した1乃至複数のレーザチャンバから構成される注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法であって、
    前記シード光が増幅段レーザに注入されるのと同期して、前記放電電極の少なくとも1ペアの第1の電極ペアを放電させて増幅発振させ、該第1の電極ペアの放電から所定の遅延時間後、前記第1の電極ペアによる増幅発振が終了する前に、前記第1の電極ペア以外の少なくとも1ペアの第2の電極ペアを放電させて、増幅発振させる
    ことを特徴とする注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法。
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