JP2005142883A - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶えるという通信の不安定期間を短くし、通信の遅延を削減する。
【解決手段】 1回当たりのスキャン動作を前記伝送フレーム周期のN分の1の期間とし、全チャネル・スキャン周期内でN回の分散したスキャン動作により1チャネル上での1伝送フレーム周期分のスキャンを実現する。例えば、全チャネル・スキャン周期内でのあるチャネル上でのk回目のスキャン動作では、伝送フレーム周期の先頭から(k−1)/Nの時間的位置から開始するようにする(但し、1<k<Nとする)。
【選択図】 図18

Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、制御局となる装置を特に配置せずに各通信局が自律分散的に動作することにより無線ネットワークが構築される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、複数のチャネルが用意されている通信環境下において、特定の制御局の介在なしに自律分散型の無線ネットワークを形成する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、各通信局がビーコンを送信して存在把握やネットワーク状態変化の報知を行なうとともにチャネル上でビーコンのスキャン動作を行なうことにより、マルチチャネル自律分散型の無線ネットワークを形成する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
LANを始めとするコンピュータ・ネットワーキングにより、情報資源の共有や機器資源の共有を効率的に実現することができる。ここで、旧来の有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入が検討されている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格の1つにIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE302.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格…などの各種無線通信方式が存在する。
一般的には、無線技術を用いてローカル・エリア・ネットワークを構成するために、エリア内に「アクセス・ポイント」又は「コーディネータ」と呼ばれる制御局となる装置を1台設けて、この制御局の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が用いられている。
アクセス・ポイントを配置した無線ネットワークでは、ある通信装置から情報伝送を行なう場合に、まずその情報伝送に必要な帯域をアクセス・ポイントに予約して、他の通信装置における情報伝送と衝突が生じないように伝送路の利用を行なうという、帯域予約に基づくアクセス制御方法が広く採用されている。すなわち、アクセス・ポイントを配置することによって、無線ネットワーク内の通信装置が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
ところが、アクセス・ポイントが存在する無線通信システムで、送信側と受信側の通信装置間で非同期通信を行なう場合には、必ずアクセス・ポイントを介した無線通信が必要になるため、伝送路の利用効率が半減してしまうという問題がある。
これに対し、無線ネットワークを構成する他の方法として、端末同士が直接非同期的に無線通信を行なう「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
例えば、IEEE802.11系の無線LANシステムでは、制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作するアドホック・モードが用意されている。この動作モード下では、ビーコン送信時間になると各端末がランダムな期間をカウントし、その期間が終わるまでに他の端末のビーコンを受信しなかった場合に、自分がビーコンを送信する。
一方、パーソナル・コンピュータ(PC)などの情報機器が普及し、オフィス内に多数の機器が混在する作業環境下では、通信局が散乱し、複数のネットワークが重なり合って構築されていることが想定される。このような状況下では、単一チャネルを使用した無線ネットワークの場合、通信中に他のシステムが割り込んできたり、干渉などにより通信品質が低下したりしても、事態を修復する余地はない。
このため、従来の無線ネットワーク・システムでは、他のネットワークとの共存のために複数の周波数チャネルを用意しておき、アクセス・ポイントとなる無線通信装置において利用する周波数チャネルを1つ選択して動作を開始する、というマルチチャネル方式が適用される。例えば、IEEE802.11hなどの標準規格では、チャネルを動的に変更する仕組み(DFS:Dynamic Frequency Select)が検討されている。
このようなマルチチャネル通信方式によれば、通信中に他のシステムが割り込んできたり、干渉などにより通信品質が低下したりしたときに、利用する周波数チャネルを切り替えることにより、ネットワーク動作を維持し、他のネットワークとの共存を実現することができる。
ここで、アドホック通信など各通信局が自律分散的に動作する無線通信環境下では、各通信局が所定の伝送フレーム周期でビーコンを送信して存在把握やネットワーク状態変化の報知を行なう必要がある。また、ビーコン送信を行なう一方で、通信局はビーコン周期に渡ってビーコンの受信処理すなわちスキャン動作を定期的に実行し、周辺局からのビーコンを受信しなければならない。
ところが、通信局毎に、あるいは通信局がパケット毎に通信チャネルを選択することができるような自律分散型のマルチチャネル通信システムにおいては、時分割で各チャネルを受信する必要がある。この場合、通信局は、ある1つのチャネルを受信している期間は、その他のチャネル上では送受信を行なうことができない。このため、このスキャン動作期間では通常の通信が途絶えてしまう、という問題がある。
各通信局が伝送フレーム周期毎の1回だけビーコンの送信を行なう通信システムの場合、各チャネル上で1伝送フレーム周期に渡ってスキャン動作を行なわなければ、ビーコンを聞き逃してしまう可能性がある。
しかしながら、伝送フレーム期間だけのスキャン動作を複数のチャネルにまたがって連続して行なうとなると、このスキャン動作期間では通常の通信が途絶えることから、通信の不安定期間となり、送信開始までのオーバーヘッドが大きくなってしまう。
International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer
本発明の目的は、制御局となる装置を特に配置せずに各通信局が自律分散的に動作することにより無線ネットワークが構築される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、複数のチャネルが用意されている通信環境下において、特定の制御局の介在なしに自律分散型の無線ネットワークを形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、各通信局がビーコンを送信して存在把握やネットワーク状態変化の報知を行なうとともにチャネル上でビーコンのスキャン動作を行なうことにより、マルチチャネル自律分散型の無線ネットワークを形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶えるという通信の不安定期間を短くし、通信の遅延を削減することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数のチャネルが用意されている通信環境下において、制御局を配置せずに複数の通信局が自律分散的にネットワークを形成する無線通信システムであって、
各通信局は、所定の伝送フレーム周期でビーコンを送信して周辺局の存在把握やネットワーク状態の報知を行なうとともに、各チャネル上で周辺局からのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて行なう、
ことを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
自律分散型の通信環境下では、各通信局は、周辺局のビーコン送信チャネル及びビーコン送信タイミングに関する近隣装置情報をビーコン信号に含めて送信する。すなわち、ビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、通信局は、各チャネル上でスキャン動作を行ない、ビーコン信号を受信することにより、隣接局の通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。
また、各通信局は、周辺局のビーコン送信チャネル及びビーコン送信タイミングに関する近隣装置情報をビーコン信号に含めて送信するようにする。このような場合、通信局は、直接ビーコンを受信することができる隣接局のネットワーク情報だけでなく、自局はビーコンを受信できないが隣接局が受信することができる次隣接局すなわち「隠れ端末」についてのビーコン情報も取得することができる。
各通信局が自律分散的に動作する無線通信システムでは、周辺局からのビーコン信号を発見するためのスキャン動作を行なう必要がある。マルチチャネル環境では、チャネル毎に時分割でスキャン動作を行なわなければならない。ところが、通信局は、ある1つのチャネルを受信している期間は、その他のチャネル上では送受信を行なうことができない。このため、このスキャン動作期間では通常の通信が途絶えてしまう、という問題がある。
各通信局が伝送フレーム周期毎の1回だけビーコンの送信を行なう通信システムの場合、各チャネル上で1伝送フレーム周期に渡ってスキャン動作を行なわなければならない。このとき、伝送フレーム期間だけのスキャン動作を複数のチャネルにまたがって連続して行なうと、このスキャン動作期間では通常の通信が途絶えることから、送信開始までのオーバーヘッドが大きくなってしまう。
そこで、本発明に係る無線通信システムでは、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて行なうようにした。
したがって、通信局の各チャネル上でのスキャン動作期間は、全チャネル・スキャン周期内で分散して配置され、スキャン動作以外の期間は通常の受信待機又はアクセス動作を行なうことができる。スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶える期間が短くなり、通信の不安定期間が分散されるとともに、通信の遅延(オーバーヘッド)が削減される。
また、本発明によれば、スキャン動作を利用して各チャネルの干渉測定が可能になるとともに、各チャネルの測定期間も均等になるという効果も得ることができる。
ここで、通信局は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期分とし、全チャネル・スキャン周期内で分散して配置するようにしてもよい。
あるいは、通信局は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期よりも短い期間で行なうようにしてもよい。この場合、1回当たりのスキャン動作を前記伝送フレーム周期のN分の1の期間とし、前記全チャネル・スキャン周期内でN回の分散したスキャン動作により1チャネル上での1伝送フレーム周期分のスキャンを実現する。例えば、全チャネル・スキャン周期内でのあるチャネル上でのk回目のスキャン動作では、伝送フレーム周期の先頭から(k−1)/Nの時間的位置から開始するようにする(但し、1<k<Nとする)。
また、本発明の第2の側面は、複数のチャネルが用意されている通信環境下において、制御局を配置せずに複数の通信局が自律分散的にネットワークを形成する無線通信システムであって、
各通信局は、
所定の伝送フレーム周期でビーコンを送信して周辺局の存在把握やネットワーク状態の報知を行なう一方、各チャネル上で周辺局からのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を行なうとともに、
新規参入時など自局がスキャンされる立場にあるときに、相手局を発見したことに応答して、自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン要求を送信し、
スキャン要求を受信したことに応答して、該スキャン要求により指定されたビーコン送信タイミング及びチャネルにおいてスキャン動作を行なう、
ことを特徴とする無線通信システムである。
本発明の第1の側面に係るスキャン動作の設定方法によれば、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させることにより、スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶える期間が短くなり、通信の不安定期間が分散されるとともに、通信の遅延が削減される。
ところが、このように時間的に分散させてスキャンをする場合、場合によっては新規ビーコンが発生してから実際にビーコンが受信されるまでに長時間がかかってしまう、というという問題がある。
そこで、本発明の第2の側面に係る無線通信システムでは、新規参入時など自局がスキャンされる立場にある通信局は、ビーコンやその他のパケットの受信などにより相手局を発見した場合には、スキャンを要求する信号を送信するようにした。
スキャンされる立場にある通信局は、自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン・リクエスト信号を送信する。そして、このスキャン・リクエスト信号を受信した端末は、スキャン・リクエスト信号で指定されているビーコン送信時刻を含む期間で、指定されたチャネルにおいてスキャンを行なう。スキャン・リクエストに応答してスキャン動作を行なう場合、ビーコン送信タイミングが明確であることから、1伝送フレームにわたってスキャンを行なう必要はなく、短いスキャン期間でよい。
このようにスキャン・リクエスト信号の送信と、周辺局がこれに応答したスキャン動作を起動することより、効率的にビーコン位置だけをスキャンすることができる。また、定期的な分散スキャンで受信されるまで待つことなく、素早くビーコン情報を把握することが可能になる。正確な周辺端末状況が知れ渡るまでの時間が短くなり、より速く安定した通信状態へ収束できる。
また、本発明の第3の側面は、複数のチャネルが用意されている通信環境下において、制御局を配置せずに複数の通信局が自律分散的にネットワークを形成する無線通信システムであって、
各通信局は、周辺局の存在把握やネットワーク状態、次回スキャンするチャネル及びスキャン開始時刻を含んだスキャン情報を記載したビーコンの報知を所定の伝送フレーム周期毎に行なうとともに、各チャネル上で周辺局からのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を行なう、
ことを特徴とする無線通信システムである。
このような場合、各通信局は、ビーコン情報を交換することにより互いのスキャン時間情報を把握することができる。そして、通信局は、これらの情報はビーコンを受信する度に更新するだけでなく、ビーコン周期毎に各通信局は把握しているスキャン情報の次回スキャン位置を次のスキャン位置へと変更する。
各通信局は、周辺局のスキャン情報を逐次更新しておく。そして、特定の通信局に対して送信を始めるときには、このスキャン情報を基にして、まず当該局のスキャン情報を確認する。ここで、相手局がスキャン中で、送信しようとするチャネルにおいてアクセスできないと判断された場合には、この送信をキャンセルし、場合によっては他の通信局に対する通信を始める。
このようにして、通信開始時に周辺局のスキャン情報を参照することにより、無駄なアクセスを抑制し、無用な信号により通信メディアが占有されることを防ぐことができる。この結果、より効率的な通信が可能になり、システム全体のスループットが向上する。
また、本発明の第4の側面は、複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
を備え、
前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて設定する、
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第5の側面は、複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン要求を送信するスキャン要求ステップと、
を備え、
前記通信チャネル設定ステップ及び前記タイミング制御ステップでは、スキャン要求を受信したことに応答して、該スキャン要求により指定されたビーコン送信タイミング及びチャネルにおいてスキャン動作をそれぞれ設定する、
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第6の側面は、複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
自局に関する情報並びに次回スキャンするチャネル及びスキャン開始時刻を含んだスキャン情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
を備え、
前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上でスキャン動作のタイミングを設定する、
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第4乃至第6の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第4乃至第6の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1乃至第3の各側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、各通信局がビーコンを送信して存在把握やネットワーク状態変化の報知を行なうとともにチャネル上でビーコンのスキャン動作を行なうことにより、マルチチャネル自律分散型の無線ネットワークを形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶えるという通信の不安定期間を短くし、通信の遅延を削減することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、スキャン中のチャネル以外での通信が連続して途絶える期間を分散する方式を用いても、スキャン要求を送信することにより、特定のビーコン位置だけは先にスキャンさせることができ、定期的スキャンのみによるビーコン発見に比べて、素早く周辺ノードのビーコンの存在を把握できる。
また、本発明によれば、隣接局が互いのスキャン時間帯やスキャンを行なうチャネルを把握することができる。この結果、通信局は、相手局が別のチャネルをスキャン中に通信を試みることが無くなり、無駄な動作を抑制することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.システム構成
本発明において想定している通信の伝搬路は無線であり、且つ複数の周波数チャネルすなわちマルチチャネルからなる伝送媒体を用いて、複数の通信局間でネットワークを構築する。また、本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。
本発明に係る無線ネットワーク・システムは、コーディネータを配置しない自律分散型のシステム構成であり、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームにより複数のチャネルを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。また、各通信局は、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア検出多重接続)に基づくアクセス手順に従い直接非同期的に情報を伝送するアドホック通信を行なうこともできる。
このように制御局を特に配置しない無線通信システムでは、各通信局は適宜選択されるビーコン送信チャネル上でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、各通信局は、利用チャネル上でスキャン動作してビーコン信号を受信することにより周辺局を検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知る(又はネットワークに参入する)ことができる。また、通信局は伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、各通信局が利用する各チャネルにおける伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義される。
各通信局が自律分散的に動作する無線通信システムでは、周辺局からのビーコン信号を発見するために、チャネル上で信号受信を試み、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なうための「スキャン動作」を行なう必要がある。通信局は、ある1つのチャネルを受信している期間は、その他のチャネル上では送受信を行なうことができない。このため、このスキャン動作期間では通常の通信が途絶えてしまう、という問題がある。伝送フレーム周期内でビーコンを検出するためには、各チャネル上で1伝送フレーム周期に渡ってスキャン動作を行なわなければならないが、伝送フレーム期間だけのスキャン動作を複数のチャネルにまたがって連続して行なうと、このスキャン動作期間では通常の通信が途絶えることから、送信開始までのオーバーヘッドが大きくなってしまう。
そこで、本発明に係る無線通信システムでは、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて行なうようにした。この仕組みの詳細については後述に譲る。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信システムを構成する通信装置の配置例を示している。この無線通信システムでは、特定の制御極を配置せず、各通信装置が自律分散的に動作し、アドホック・ネットワークが形成されている。同図では、通信装置#0から通信装置#6までが、同一空間上に分布している様子を表わしている。
また、同図において各通信装置の通信範囲を破線で示してあり、その範囲内にある他の通信装置と互いに通信ができるのみならず、自己の送信した信号が干渉する範囲として定義される。すなわち、通信装置#0は近隣にある通信装置#1、#4、と通信可能な範囲にあり、通信装置#1は近隣にある通信装置#0、#2、#4、と通信可能な範囲にあり、通信装置#2は近隣にある通信装置#1、#3、#6、と通信可能な範囲にあり、通信装置#3は近隣にある通信装置#2、と通信可能な範囲にあり、通信装置#4は近隣にある通信装置#0、#1、#5、と通信可能な範囲にあり、通信装置#5は近隣にある通信装置#4、と通信可能な範囲にあり、通信装置#6は近隣にある通信装置#2、と通信可能な範囲にある。
ある特定の通信装置間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信装置からは聞くことができるが他方の通信装置からは聞くことができない通信装置、すなわち「隠れ端末」が存在する。
図2には、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示している。図示の無線通信装置は、複数のチャネルが用意されている通信環境下において、同じ無線システム内では効果的にチャネル・アクセスを行なうことにより、他の無線システムと干渉し合うことなく自律分散的なネットワークを形成することができる。
図示の通り、無線通信装置100は、インターフェース101と、データ・バッファ102と、中央制御部103と、ビーコン生成部104と、無線送信部106と、タイミング制御部107と、チャネル設定部108と、アンテナ109と、無線受信部110と、ビーコン解析部112と、情報記憶部113とで構成される。
インターフェース101は、この無線通信装置100に接続される外部機器(例えば、パーソナル・コンピュータ(図示しない)など)との間で各種情報の交換を行なう。
データ・バッファ102は、インターフェース101経由で接続される機器から送られてきたデータや、無線伝送路経由で受信したデータをインターフェース101経由で送出する前に一時的に格納しておくために使用される。
中央制御部103は、無線通信装置100における一連の情報送信並びに受信処理の管理と伝送路のアクセス制御(マルチチャネルにおけるスキャン設定やチャネル設定など)を一元的に行なう。
ビーコン生成部104は、近隣にある無線通信装置との間で周期的に交換されるビーコン信号を生成する。無線通信装置100が無線ネットワークを運用するためには、各チャネルにおける自己のビーコン送信スロット位置や、各チャネルにおける自己の受信スロット位置、各チャネルにおける近隣の通信装置からのビーコン受信スロット位置、各チャネルにおける自己のスキャン動作周期などを規定する。これらの情報は、情報記憶部113に格納されるとともに、ビーコン信号の中に記載して周囲の無線通信装置に報知する。ビーコン信号の構成については後述する。無線通信装置100は、伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、無線通信装置100が利用する各チャネルにおける伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義されることになる。
無線送信部106は、データ・バッファ102に一時格納されているデータやビーコン信号を無線送信するために、所定の変調処理を行なう。
アンテナ109は、他の無線通信装置宛に信号を選択された周波数チャネル上で無線送信し、あるいは他の無線通信装置から送られる信号を収集する。本実施形態では、単一のアンテナを備え、送受信をともに並行しては行なえないものとする。また、同時刻に複数の周波数チャネルをハンドルすることはできないものとする。
無線受信部110は、所定の時間に他の無線通信装置から送られてきた情報やビーコンなどの信号を受信処理する。無線送信部106及び無線受信部110における無線送受信方式は、例えば無線LANに適用可能な、比較的近距離の通信に適した各種の通信方式を適用することができる。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式などを採用することができる。
チャネル設定部108は、ビーコン信号やデータ・パケットなど、マルチチャネル方式の無線信号を実際に送受信する際における利用チャネルを選択する。
タイミング制御部107は、チャネル設定部108において設定されたチャネル上で無線信号を送信並びに受信するためのタイミングの制御を行なう。例えば、自局のビーコン送信チャネルにおける伝送フレーム周期の先頭における自己のビーコン送信タイミングや、各チャネルにおける他の通信装置からのビーコン受信タイミング、他の通信装置とのデータ送受信タイミング、並びに各チャネルにおけるスキャン動作周期などを制御する。スキャン動作の設定に関しては後に詳解する。
ビーコン解析部112は、隣接局から受信できたビーコン信号を解析し、近隣の無線通信装置の存在などを解析する。例えば、隣接局のビーコンの受信タイミングや初期チャネル情報、近隣ビーコン受信タイミングなどの情報は近隣装置情報として情報記憶部113に格納される。
情報記憶部113は、中央制御部103において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令(スキャン設定やチャネル設定などを行なうプログラム)や、他の通信局のビーコン送信タイミングや、近隣装置情報などを蓄えておく。
B.チャネル上でのアクセス動作
本実施形態では、通信局として動作する無線通信装置100は、複数のチャネルが用意され、特定の制御局を配置しない通信環境下で、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームにより複数のチャネルを効果的に利用した伝送制御、又はCSMA/CAに基づくランダム・アクセスなどの通信動作を行なう。
ここで、CSMAはキャリア検出に基づいて多重アクセスを行なう接続方式である。無線通信では、自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CSMA/CDではなくCSMA/CA方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。
また、本実施形態に係る自律分散型ネットワークでは、各通信局は、特定のチャネル上で所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。ビーコン送信周期のことを、「伝送フレーム(T_SF)」と定義し、例えば40ミリ秒とする。ビーコン送信チャネルはチャネル設定部108により設定される。
ある通信局の通信範囲に新規に参入する通信局は、ビーコン信号を受信することにより、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。そして、ビーコンの受信タイミングと緩やかに同期しながら、周辺局からビーコンが送信されていないタイミングに自局のビーコン送信タイミングを設定する。
本実施形態に係る各通信局のビーコン送信手順について、図3を参照しながら説明する。但し、ここではまず単一チャネル上で各通信局のビーコンが配置されている場合について説明する。
ビーコンで送信される情報が100バイトであるとすると、送信に要する時間は18マイクロ秒となる。40ミリ秒に1回の送信なので、通信局毎のビーコンのメディア占有率は2222分の1と十分小さい。
各通信局は、周辺で発信されるビーコンを聞きながら、ゆるやかに同期する。新規に通信局が現われた場合、新規通信局は既存の通信局のビーコン送信タイミングと衝突しないように、自分のビーコン送信タイミングを設定する。
周辺に通信局がいない場合、通信局01は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。ビーコンの送信間隔は40ミリ秒である(前述)。図2中の最上段に示す例では、B01が通信局01から送信されるビーコンを示している。
以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。このとき、各通信局はビーコン送信の直後に優先利用領域(TGP)を獲得することから、1つのチャネル上では各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりも伝送フレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、本実施形態では、基本的に自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始するようにしている。
例えば、図3中の最上段に示すように、通信局01のみが存在するチャネル上において、新たな通信局02が現われたとする。このとき、通信局02は、通信局01からのビーコンを受信することによりその存在とビーコン位置を認識し、図3の第2段目に示すように、通信局01のビーコン間隔のほぼ真中に自己のビーコン送信タイミングを設定して、ビーコンの送信を開始する。
さらに、新たな通信局03が現われたとする。このとき、通信局03は、通信局01並びに通信局02のそれぞれから送信されるビーコンの少なくとも一方を受信し、これら既存の通信局の存在を認識する。そして、図3の第3段に示すように、通信局01及び通信局02から送信されるビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで送信を開始する。
以下、同様のアルゴリズムに従って近隣で通信局が新規参入する度に、ビーコン間隔が狭まっていく。例えば、図3の最下段に示すように、次に現われる通信局04は、通信局02及び通信局01それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定し、さらにその次に現われる通信局05は、通信局02及び通信局04それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定する。
但し、帯域(伝送フレーム周期)内がビーコンで溢れないように、最小のビーコン間隔Bminを規定しておき、Bmin内に2以上のビーコン送信タイミングを配置することを許容しない。例えば、40ミリ秒の伝送フレーム周期でミニマムのビーコン間隔Bminを2.5ミリ秒に規定した場合、電波の届く範囲内では最大で16台の通信局までしか収容できないことになる。
図4には、1チャネル上において伝送フレーム内でビーコン送信タイミングの一例を示している。但し、同図に示す例では、40ミリ秒からなる伝送フレーム周期における時間の経過を、円環上で時針が右回りで運針する時計のように表している。伝送フレーム内で、ビーコン送信タイミングを配置可能な位置のことを「スロット」とも呼ぶ。各通信局は、自局のビーコン送信タイミングであるTBTT(Target Beacon Transmission Time)から故意に若干の時間オフセット(TBTTオフセット)を持った時刻で送信する。
図4に示す例では、通信局0から通信局Fまでの合計16台の通信局がネットワークのノードとして構成されている。図3を参照しながら説明したように、既存の通信局が設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで新規参入局のビーコン送信タイミングを順次設定していくというアルゴリズムに従って、ビーコン配置が行なわれたものとする。Bminを5ミリ秒と規定した場合には、1スーパー・フレームにつき最大16個までしかビーコンを配置することができない。すなわち、16台以上の通信局はネットワークに参入できない。
本実施形態では、IEEE802.11方式などの場合と同様に、複数のパケット間隔を定義する。図5に示すように、パケット間隔として、Short Inter Frame Space(SIFS)とLong Inter Frame Space(LIFS)を定義する。
ここで、通常のパケットをCSMAの手順に従って送信する際には、何らかのパケットの送信が終了してから、まずLIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、送信権利が与えられることになっている。ランダム・バックオフ値の計算方法は既存技術で知られている方法を適用する。
これに対し、優先度又は緊急度の高いパケットを送信する際には、LIFSよりも短いSIFSのパケット間隔の後に送信することが許されている。これにより、緊急度の高いパケットは、通常のCSMAの手順に従って送信されるパケットよりも先に送信することが可能となる。
要するに、異なる種類のパケット間隔を定義することにより、パケット間隔の長さに応じてパケットの送信権争い優先付けが行なわれる訳である。
さらに本実施形態においては、上述したパケット間隔である「SIFS」と「LIFS+バックオフ」の他、「LIFS」と「FIFS+バックオフ」(FIFS:Far Inter Frame Space)を定義する。通常は「SIFS」と「LIFS+バックオフ」のパケット間隔を適用するが、ある通信局に送信の優先権が与えられている時間帯においては、他局は「FIFS+バックオフ」のパケット間隔を用い、優先権が与えられている局はSIFSあるいはLIFSでのパケット間隔を用いる。
各通信局はビーコンを一定間隔で送信しているが、ビーコンを送信した後しばらくの間は、該ビーコンを送信した局に送信の優先権を与えられる。図6には、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示している。本明細書では、この優先区間をTransmission Guaranteed Period(TGP)と定義する。
また、TGP以外の区間をFairly Access Period(FAP)と定義され、通信局間では通常のCSMA/CA方式により通信が行なわれる。図7には、伝送フレーム周期(T_SF)の構成を示している。同図に示すように、各通信局からのビーコンの送信に続いて、そのビーコンを送信した通信局のTGPが割り当てられ、TGPの長さ分だけ時間が経過するとFAPになり、次の通信局からのビーコンの送信でFAPが終わる。なお、ここではビーコンの送信直後からTGPが開始する例を示したが、これには限定されるものではなく、例えば、ビーコンの送信時刻から相対位置(時刻)でTGPの開始時刻を設定してもよい。
ここで、1チャネル上のパケット間隔について再度考察すると、各通信局は、ビーコン並びに自局のTGP内でのパケットの送信に関しては、SIFS間隔での送信が許容されることにより高いプライオリティが与えられる。すなわち、ビーコンを送信する度に、優先的にデータを送信する機会が得られることになる。また、それ以外のFAPパケットFAPにおいてはLIFS+バックオフの間隔での送信を行なうことが許容される。また、自局のTGP内でのパケットの送信に関してはLIFSの間隔での送信をも許容する。さらに、他局のTGP内でのパケットの送信に関してはFIFS+バックオフの間隔での送信とし、低いプライオリティが与えられる。IEEE802.11方式においては、常にパケット間隔としてFIFS+バックオフがとられていたが、本実施形態の構成によれば、この間隔を詰めることができて、より効果的なパケット伝送が可能となる。
上記では、TGP中の通信局にのみ優先送信権が与えられるという説明を行なったが、TGP中の通信局に呼び出された通信局にも優先送信権を与える。基本的にTGPにおいては、送信を優先するが、自通信局内に送信するものはないが、他局が自局宛てに送信したい情報を保持していることが判っている場合には、その「他局」宛てにページング(Paging)メッセージあるいはポーリング(Polling)メッセージを投げたりしてもよい。
逆に、通信局がビーコンを送信したものの、自局には何も送信するものがない場合でかつ他局が自局宛てに送信したい情報を保持していることを知らない場合、当該通信局は通信動作を行なわず、TGPで与えられた送信優先権を放棄し、何も送信しない。すると、TGPを与えられていない他の通信局は、LIFS+バックオフあるいはFIFS+バックオフ経過後に、この時間帯でも送信を開始することができる。
図7に示したようにビーコン送信した直後にTGPが続くという構成を考慮すると、各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりも伝送フレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、本実施形態では、基本的に自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始するようにしている。勿論、各通信局のビーコン送信タイミングを集中して配置し、残りの伝送フレーム周期では受信動作を停止して装置の消費電力を低減させるという利用方法もある。
図8には、ビーコン信号フォーマットの構成例を示している。同図に示すように、ビーコン信号は、当該信号の存在を知らしめるためのプリアンブルに、ヘディング、ペイロード部PSDUが続いている。ヘディング領域において、該パケットがビーコンである旨を示す情報が掲載されている。また、PSDU内にはビーコンで報知したい以下の情報が記載されている。
TX.ADDR:送信局(TX)のMACアドレス
TOIS:TBTTオフセット・インジケータ(TBTT Offset Indication Sequence)
NBOI:近隣ビーコンのオフセット情報(Neighbor Beacon Offset Information)
TIM:トラフィック・インジケーション・マップ(Traffic Indication Map)
PAGE:ページング(Paging)
TOISフィールドでは、TBTTオフセット(上述)を決定するための情報(例えば、擬似ランダム系列)が格納されており、当該ビーコンがビーコン送信タイミングTBTTに対してどれだけのオフセットを以って送信されているかを示す。TBTTオフセットを設けることにより、2台の通信局がスーパーフレーム上では同じスロットにビーコン送信タイミングを配置している場合であっても、実際のビーコン送信時刻がずらすことができ、あるスーパーフレーム周期にはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレーム周期では各通信局は互いのビーコンを聞き合う(あるいは、近隣の通信局は双方のビーコンを聞く)、すなわち衝突を認識することができる。
TIMとは、現在この通信局がどの通信局宛てに情報を有しているかの報知情報であり、TIMフィールドを参照することにより、受信局は自分が受信を行なわなければならないことを認識することができる。また、Pagingは、TIMに掲載されている受信局のうち、直後のTGP において送信を予定していることを示すフィールドであり、このフィールドで指定された局はTGPでの受信に備えなければならない。その他のフィールド(ETCフィールド)も用意されている。
NBOIフィールドは、伝送フレーム内において自局が受信可能な隣接局のビーコンの位置(受信時刻)を記述した情報である。本実施形態では、図4に示したように1伝送フレーム内で最大16個のビーコンを配置なスロットが用意されていることから、受信できたビーコンの配置に関する情報を16ビット長のビットマップ形式で記述する。すなわち、自局の正規ビーコンの送信時刻TBTTのスロットを基準としてNBOIフィールドの先頭ビット(MSB)にマッピングするとともに、その他の各スロットを自局のTBTTからの相対位置(オフセット)に対応するビット位置にそれぞれマッピングする。そして、自局の送信ビーコン並びに受信可能なビーコンの各スロットに割り当てられたビット位置に1を書き込み、それ以外のビット位置は0のままとする。
図9には、利用チャネル数を1つとした場合におけるNBOIの記述例を示している。同図に示す例では、通信局0が「1100,0000,0100,0000」のようなNBOIフィールドを作っている。これは、図4に示したように最大16局を収容可能な各スロットに通信局0〜FがそれぞれTBTTを設定しているような通信環境下で、図3に示した通信局0が、「通信局1並び通信局9からのビーコンが受信可能である」旨を伝えることになる。つまり、受信ビーコンの相対位置に対応するNBOIの各ビットに関し、ビーコンが受信可能である場合にはマーク、受信されてない場合にはスペースを割り当てる。また、MSBが1になっているのは自局がビーコンを送信しているためで、自局がビーコンを送信している時刻に相当する場所もマークする。
各通信局は、あるチャネル上でお互いのビーコン信号を受信すると、その中に含まれるNBOIの記述に基づいて、使用可能な各周波数チャネル上でビーコンの衝突を回避しながら自己のビーコン送信タイミングを配置したり周辺局からのビーコン受信タイミングを検出したりすることができる。
本発明はマルチチャネル型の自律分散ネットワークに関するものであり、利用可能な各周波数チャネルについてのビーコン配置を記述したNBOI情報が必要であるが、この点について後述に譲る。
図10には、ある周波数チャネル上において、新規参入局がNBOIの記述に基づいて既存のビーコンとの衝突を回避しながら自己のビーコン送信タイミングを配置する様子を示している。同図の各段では、通信局STA0〜STA2の参入状態を表している。そして、各段の左側には各通信局の配置状態を示し、その右側には各局から送信されるビーコンの配置を示している。
図10上段では、通信局STA0のみが存在している場合を示している。このとき、STA0はビーコン受信を試みるが受信されないため、適当なビーコン送信タイミングを設定して、このタイミングの到来に応答してビーコンの送信を開始することができる。ビーコンは40ミリ秒(伝送フレーム)毎に送信されている。このとき、STA0から送信されるビーコンに記載されているNBOIフィールドのすべてのビットが0である。
図10中段には、通信局STA0の通信範囲内でSTA1が参入してきた様子を示している。STA1は、ビーコンの受信を試みるとSTA0のビーコンが受信される。さらにSTA0のビーコンのNBOIフィールドは自局の送信タイミングを示すビット以外のビットはすべて0であることから、上述した処理手順に従ってSTA0のビーコン間隔のほぼ真中に自己のビーコン送信タイミングを設定する。
STA1が送信するビーコンのNBOIフィールドは、自局の送信タイミングを示すビットとSTA0からのビーコン受信タイミングを示すビットに1が設定され、それ以外のビットはすべて0である。また、STA0も、STA1からのビーコンを認識すると、NBOIフィールドの該当するビット位置に1を設定する。
図10の最下段には、さらにその後、通信局STA1の通信範囲にSTA2が参入してきた様子を示している。図示の例では、STA0はSTA2にとって隠れ端末となっている。このため、STA2は、STA1がSTA0からのビーコンを受信していることを認識できず、右側に示すように、STA0と同じタイミングでビーコンを送信し衝突が生じてしまう可能性がある。
NBOIフィールドはこの現象を回避するために用いられる。まず、STA1のビーコンのNBOIフィールドは自局の送信タイミングを示すビットに加え、STA0がビーコンを送信しているタイミングを示すビットにも1が設定されている。そこで、STA2は、隠れ端末であるSTA0が送信するビーコンを直接受信はできないが、STA1から受信したビーコンに基づいてSTA0のビーコン送信タイミングを認識し、このタイミングでのビーコン送信を避ける。
そして、図11に示すように、このときSTA2は、STA0とSTA1のビーコン間隔のほぼ真中にビーコン送信タイミングを定める。勿論、STA2の送信ビーコン中のNBOIでは、STA2とSTA1のビーコン送信タイミングを示すビットを1に設定する。このようなNBOIフィールドの記述に基づくビーコンの衝突回避機能により、隠れ端末すなわち2つ先の隣接局のビーコン位置を把握しビーコンの衝突を回避することができる。
C.マルチチャネル環境下でのアクセス動作
上述したように、自律分散型の無線通信システムでは、各通信局は伝送フレーム周期内でビーコン情報を報知するとともに、他局からのビーコン信号のスキャン動作を行なうことにより1チャネル上でのネットワーク構成を認識することができる。ところが、本実施形態に係るマルチチャネル自律分散型ネットワークの場合、図4に示したような伝送フレームが周波数軸上に利用チャネル数分だけ配置された構成となっている(図12を参照のこと)。このため、通信局は、利用可能な各チャネルにおいてスキャン動作を行なうとともに、周辺局のビーコン送信タイミングなどの近隣装置情報を獲得する必要がある。
単チャネルの自律分散型システムの場合、図9に示したようなビットマップ形式のNBOI情報をビーコン信号に含ませて報知することにより、各通信局は、衝突を回避しながら自己のビーコン送信タイミングを配置したり周辺局(隣接局並びに次隣接局を含む)のビーコン受信タイミングを検出したりすることができる(前述)。この項では、マルチチャネルの通信システムにおいて、各通信局が近隣装置情報を獲得する仕組みについて説明する。
ここで、図13に示すように、チャネル1〜チャネル4の4チャネルからなるマルチチャネル通信システムにおいて、通信範囲内に通信局A〜Dが4台だけ存在し、このうち通信局Aが送信チャネルを選択する場合について考える。そして、通信局A〜Dが各チャネル1〜4上で図14に示すようにビーコン送信タイミングを配置しているとする。
図14に示すように、各通信局A〜Dは、ビーコン送信タイミングが他局のビーコンと衝突しないように互いにずらして配置している。また、ビーコンが送受信されるチャネルは、例えば通信局毎に周辺局でのチャネル品質情報に基づいてそれぞれ設定される。
仮に、各端末のビーコン間隔の最小ステップをT_SF/8とすると、図14に示したようなビーコン送信時刻、相対的なチャネル配置の場合には、図15のように記述されるビーコン位置情報として把握することができる。
図15に示す例では、ビーコン位置情報は、伝送フレーム周期T_SF内に配置可能なビーコンの個数だけカラムが用意されている。その先頭カラムは、自局のビーコン送信位置に割り当てられ、ビーコン送信チャネルが書き込まれる。そして、以降の各カラムは、自局のビーコン送信位置TBTTを基準としたT_SF/8毎の送信時刻(スロット)に割り当てられており、自局のビーコン送信位置TBTTから対応する相対位置(オフセット)において受信することができたビーコンのチャネル情報が書き込まれる。
図15に示したようなビーコン位置情報は、それぞれのカラムに該当する送信時刻(スロット)における受信ビーコンの有無、受信できたビーコンがある場合はその受信ビーコンが伝送されるチャネルが記録されており、マルチチャネル通信環境下における近隣通信装置情報NBOIに相当する。各通信局は、自局が各チャネル上で受信できたビーコンに基づいてビーコン位置情報を作成するとともに、ビーコン内にこれを書き込んで周辺局に報知し合うことで、近隣の通信環境を把握することができる。また、受信したビーコンからビーコン位置情報を取り出して、自局のビーコン位置情報の内容を更新する。
通信局は、このようなビーコン位置情報の記載内容に基づいて、各伝送フレーム周期において、ビーコン送信チャネルを求め、ビーコン送受信時刻になったら該当のチャネルに切り替えて、ビーコンの送受信を試みる。
ビーコンは、各ビーコンの送信時刻が互いにできる限り離れるように配置するのが望ましい。何故ならば、ビーコン送受信後に獲得する優先送信期間TGPにおけるデータ通信はビーコンのチャネルで行なわれるため、できる限りビーコンが離れている方がそれぞれの通信可能時間を長くできるからである。図16には、マルチチャネル上における各通信局のビーコン配置例を示している。
D.マルチチャネル上でのスキャン動作
各通信局が自律分散的に動作する無線通信システムでは、周辺局からのビーコン信号を発見するためのスキャン動作を行なう必要がある。マルチチャネル環境では、チャネル毎に時分割でスキャン動作を行なわなければならない。ところが、ある1つのチャネルを受信している期間、通信局はその他のチャネル上では送受信を行なうことができないため、通常の通信が途絶えてしまうという問題がある。
そこで、本発明では、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて行なうようにした。この結果、スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶える期間が短くなり、通信の不安定期間が分散されるとともに、通信の遅延が削減される。以下、このようなスキャン動作の設定方法について説明する。
C−1.スキャン動作の設定方法1:
図13に示したような自律分散型の通信環境下で、各通信局A〜Dがそれぞれ所定の伝送フレーム周期T_SF間隔で定期的にビーコンを送信していると想定する。ここでは、各通信局A〜Dは図14に示したようなタイミングで各チャネル上にビーコンを配置しているものとする。
通信局から送信されるビーコンには、各周辺局の状況を示す情報が記されており、このビーコンの受信により、周辺端末はその端末の存在を把握するとともに、置かれている状況を知ることができる(前述)。
通信局は、通常、スリープ動作により最低限の送受信動作を行なう一方、定期的にビーコン周期の受信動作すなわちスキャン動作を行なうことで、数回に一度の割合で周辺局からのビーコンを受信し、近隣装置情報を更新する。どの通信局も伝送フレーム周期T_SFの間隔でビーコンを送信していることから、T_SFの間だけ受信動作を継続すれば、受信可能なすべてのビーコンを受信することができる。新規参入した通信局や通信範囲から消滅してしまった通信局を知るためにも、この定期的なスキャン動作が必要である。
ここで、複数のチャネルを利用することができるシステムの場合、あるチャネルをスキャン動作中には他のチャネルでの送受信が不可能になってしまう点が問題になる。
図17には、通信局が各チャネル上でスキャン動作を行なう手順の一例を示している。図示の例では、4チャネル構成のマルチチャネルにおいて、各チャネル上で連続的にスキャン動作を行なっている。この場合、伝送フレーム周期(T_SF)×チャネル数(4)の期間だけ通信の不安定な状態が続いてしまう。
また、図18には、通信局が各チャネル上でスキャン動作を行なう手順の他の例を示している。同図に示す例では、伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期(All Channel Scan Interval)内で時間的に分散させて、各チャネル上でスキャン動作期間を配置するようにした。この場合、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期分とし、全チャネル・スキャン周期内で分散して配置している。
図18に示したようなスキャン動作タイミングの配置方法によれば、ビーコンの受信頻度、周辺端末の情報の更新間隔は同じままで、スキャンによる通信不安定期間を分散させることができる。また、通信の遅延も小さくすることができる。
C−2.スキャン動作の設定方法2:
上述したC−1項と同様に、図13並びに図14に示したような通信環境を想定する。
伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期(All Channel Scan Interval)内で時間的に分散させて、各チャネル上でスキャン動作期間を配置することにより、ビーコンの受信頻度、周辺端末の情報の更新間隔は同じままで、スキャンによる通信不安定期間を分散させることができる。
上述した例では、通信局は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期としたが、1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期よりも短い期間で行なうようにしてもよい。この場合、さらに、チャネル上のスキャン動作が分散するので、スキャンによる通信不安定期間をさらに分散させ、通信の遅延もより小さくすることができる。
例えば、1回当たりのスキャン動作を伝送フレーム周期のN分の1の期間とし、全チャネル・スキャン周期内でN回の分散したスキャン動作により1チャネル上での1伝送フレーム周期分のスキャンを行なう。全チャネル・スキャン周期内でのあるチャネル上でのk回目のスキャン動作では、伝送フレーム周期の先頭から(k−1)/Nの時間的位置から開始するようにする(但し、1<k<Nとする)。
図19には、通信局が各チャネル上でスキャン動作を行なう手順の他の例を示している。同図に示す例では、N=2とし、1チャネル上でのスキャン動作を伝送フレーム周期の前半と後半の2つに分割している。この分割により、他のチャネルでの通信が連続して途絶えてしまう期間を短くすることができる。これにより、通信の不安定期間を分散するとともに、通信の遅延を小さくすることが可能になる。
C−3.スキャン動作の設定方法3:
上述したスキャン動作の設定方法によれば、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させることにより、スキャン動作中のチャネル以外での通信が連続して途絶える期間が短くなり、通信の不安定期間が分散されるとともに、通信の遅延が削減される。
ところが、このように時間的に分散させてスキャンをする場合、新規ビーコンが発生してから実際にビーコンが受信されるまでに長時間がかかってしまうという事態が考えられる。例えば、ビーコンの送信時刻やチャネルによっては、最悪の場合、全期間全チャネルのスキャンが完了するまで待たなければビーコンが発見される場合もある。
そこで、本実施形態では、新規参入局などスキャンされる立場にある通信局は、ビーコンやその他のパケットの受信などにより相手局を発見した場合には、スキャンを要求する信号を送信するようにした。
スキャンされる立場にある通信局は、自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン・リクエスト信号を送信する。そして、このスキャン・リクエスト信号を受信した端末は、スキャン・リクエスト信号で指定されているビーコン送信時刻を含む期間で、指定されたチャネルにおいてスキャンを行なう。
ここで、スキャン・リクエストに応答してスキャン動作を行なう場合、ビーコン送信タイミングが明確であることから、1伝送フレームにわたってスキャンを行なう必要はなく、短いスキャン期間でよい。
図20には、通信局が周辺局からのスキャン・リクエスト信号に応答して新たなタイミングでスキャン動作を行なう様子を示している。
図示の通り、既存局は、チャネルCH0においては、0〜3999マイクロ秒を1周期とする伝送フレームにおいて、網掛けしている時間区間をスキャン予定区間として設定している。
ここで、新規参入局が、この既存局のビーコン信号又はその他のパケットを受信するなどして、存在を発見したとする。新規参入局は、自局のビーコン送信チャネル(図示の例ではCH0)と、ビーコン送信タイミング(図示の例では、伝送フレームの先頭から3500マイクロ秒)を記載したスキャン・リクエスト信号を送信する。
このスキャン・リクエスト信号を受信した相手局は、スキャン・リクエスト信号で指定されているチャネルCH0上で、ビーコン送信時刻(伝送フレームの先頭から3500マイクロ秒)を含む期間で、スキャン動作を行なう。ビーコン送信タイミングが明確であることから、1伝送フレームにわたってスキャンを行なう必要はなく、短いスキャン期間を設定する。
このようにスキャン・リクエスト信号の送信と、周辺局がこれに応答したスキャン動作を起動することより、効率的にビーコン位置だけをスキャンすることができる。また、定期的な分散スキャンで受信されるまで待つことなく、素早くビーコン情報を把握することが可能になる。正確な周辺端末状況が知れ渡るまでの時間が短くなり、より速く安定した通信状態へ収束できる。
C−4.スキャン動作の設定方法4:
前項C−3と同様、自律分散制御のマルチチャネル無線通信システムにおいて、時間分散で定期的スキャンを行なうシステムを想定する。そして、図21に示すように、ビーコン送信間隔でもある1伝送フレーム周期を4分割し、毎周期で1/4周期分ずつスキャンしていく。したがって、4伝送フレーム周期分の時間を使って1チャネル上の1伝送フレーム周期分のスキャンを完了する。さらに、4チャネルあるため、全スキャンが完了するには16周期分の時間が必要になる。
通信局間で交換するビーコン情報フォーマットについては既に図8を参照しながら説明したが、ここではビーコンで送信する情報に、次回の定期的スキャンの開始時刻とそのチャネルの情報をさらに加えて送信することとした。
図22には、スキャン情報を含んだビーコン情報フォーマットの構成例を示している。但し、同図において、ビーコン情報(Beacon Information)と記載されているフィールドは、図8に記載したものと略同一の構造なので、ここでは説明を省略する。
同図に示すビーコン情報には、次回の定期的スキャンの開始時刻とそのチャネルの情報を含んだスキャン情報が付加されている。図示の例では、スキャン開始時刻に相当する情報として、スキャン・スロット番号を使用している。この番号は図21中のスキャン・スロット番号に対応する。このスロット番号は自ビーコン送信時刻を基準にして考えているため、番号に対応する実際の時刻は通信局毎に異なる。したがって、受け取ったスロット番号は相手端末との相対時刻の差(オフセット)を考慮してスキャン・タイミングを補正すればよい。
このようにして、各通信局は互いのスキャン時間情報を把握し、情報記憶部113内で近隣装置情報として管理する。これらの情報はビーコンを受信する度に更新されるだけでなく、ビーコン周期毎に各通信局は把握しているスキャン情報の次回スキャン位置を次のスキャン位置へと変更する。
図23には、図22に示したビーコン情報の受信に基づいて周辺局がスキャン情報を更新するための処理手順をフローチャートの形式で示している。このような処理動作は、実際には、無線通信装置100内の中央制御部103が所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
スキャン動作などにより周辺局からのビーコンを受信すると(ステップS1)、ビーコン解析部112においてビーコン情報の記載内容を解析する。そして、ビーコン情報に含まれているスキャン情報に基づいて、情報記憶部113に格納されている当該周辺局のスキャン情報を更新しておく(ステップS2)。
そして、当該周辺局のスキャン時刻が到来すると(ステップS3)、把握しているスキャン情報の次回スキャン位置を次のスキャン位置へと変更する(ステップS4)。
そして、通信局は、周辺局のスキャン情報を逐次更新しておき、特定の通信局に対して送信を始めるときには、このスキャン情報を基にして、まず当該局のスキャン情報を確認する。ここで、相手局がスキャン中で、送信しようとするチャネルにおいてアクセスできないと判断された場合には、この送信をキャンセルし、場合によっては他の通信局に対する通信を始める。
図24には、通信局がスキャン情報に基づいてアクセス可否の判断を行なうための処理手順をフローチャートの形式で示している。このような処理動作は、実際には、無線通信装置100内の中央制御部103が所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
ある特定の通信局に対する送信要求が発生すると、スキャン情報を基にして、まず当該局のスキャン情報を確認する(ステップS11)。
ここで、相手局がスキャン中でなければ、送信を許可し、送信を開始する(ステップS14)。
一方、相手局がスキャン中で、送信しようとするチャネルにおいてアクセスできないと判断された場合には、送信不許可とし、この送信をキャンセルする(ステップS12)。場合によっては他の通信局に対する通信を始める(ステップS13)。
このようにして、通信開始時に周辺局のスキャン情報を参照することにより、無駄なアクセスを抑制し、無用な信号により通信メディアが占有されることを防ぐことができる。これにより、より効率的な通信が可能になり、システム全体のスループットが向上する。
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムを構成する通信装置の配置例を示した図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示した図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る各通信局のビーコン送信手順を示した図である。 図4は、1チャネル上におけるビーコン送信タイミングの一例を示した図である。 図5は、パケット間隔の定義を示した図である。 図6は、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示した図である。 図7は、伝送フレーム周期(T_SF)の構成を示した図である。 図8は、ビーコン信号フォーマットの構成例を示した図である。 図9は、利用チャネル数を1つとした場合におけるNBOIの記述例を示した図である。 図10は、ある周波数チャネル上において、新規参入局がNBOIの記述に基づいて既存のビーコンとの衝突を回避しながら自己のビーコン送信タイミングを配置する様子を示した図である。 図11は、新規参入局がビーコン間隔のほぼ真中にビーコン送信タイミングを定める様子を示した図である。 図12は、マルチチャネル構成の無線通信システムの構成を模式的に示した図である。 図13は、通信範囲内に通信局A〜Dが4台だけ存在し、このうち通信局Aが送信チャネルを選択する様子を示した図である。 図14は、チャネル1〜チャネル4の4チャネルからなるマルチチャネル通信システムにおいて、通信局A〜Dが各チャネル上でビーコン送信タイミングを配置している様子を示した図である。 図15は、図14に示したようなビーコン送信時刻、相対的なチャネル配置の場合のビーコン位置情報を示した図である。 図16は、マルチチャネル上における各通信局のビーコン配置例を示した図である。 図17は、通信局が各チャネル上でスキャン動作を行なう手順の例を示した図である。 図18は、通信局が各チャネル上でスキャン動作を行なう手順の例を示した図である。 図19は、通信局が各チャネル上でスキャン動作を行なう手順の例を示した図である。 図20は、スキャン・リクエスト信号の送信によりスキャン動作を行なう仕組みを説明するための図である。 図21は、ビーコン送信周期とスキャン周期の関係を示した図である。 図22は、スキャン情報を含めたビーコン情報フォーマットの構成例を示した図である。 図23は、図22に示したビーコン情報の受信に基づいて周辺局がスキャン情報を更新するための処理手順を示したフローチャートである。 図24は、通信局がスキャン情報に基づいてアクセス可否の判断を行なうための処理手順を示したフローチャートである。
符号の説明
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…データ・バッファ
103…中央制御部
104…ビーコン生成部
106…無線送信部
107…タイミング制御部
108…チャネル設定部
109…アンテナ
110…無線受信部
112…ビーコン解析部
113…情報記憶部

Claims (27)

  1. 複数のチャネルが用意されている通信環境下において、制御局を配置せずに複数の通信局が自律分散的にネットワークを形成する無線通信システムであって、
    各通信局は、所定の伝送フレーム周期でビーコンを送信して周辺局の存在把握やネットワーク状態の報知を行なうとともに、各チャネル上で周辺局からのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて行なう、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 通信局は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期分とし、前記全チャネル・スキャン周期内で分散して配置する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 通信局は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期よりも短い期間で行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 通信局は、1回当たりのスキャン動作を前記伝送フレーム周期のN分の1の期間とし、前記全チャネル・スキャン周期内でN回の分散したスキャン動作により1チャネル上での1伝送フレーム周期分のスキャンを実現する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 通信局は、前記全チャネル・スキャン周期内でのあるチャネル上でのk回目のスキャン動作では、伝送フレーム周期の先頭から(k−1)/Nの時間的位置から開始する(但し、1<k<Nとする)、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 複数のチャネルが用意されている通信環境下において、制御局を配置せずに複数の通信局が自律分散的にネットワークを形成する無線通信システムであって、
    各通信局は、
    所定の伝送フレーム周期でビーコンを送信して周辺局の存在把握やネットワーク状態の報知を行なう一方、各チャネル上で周辺局からのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を行なうとともに、
    スキャンされる立場にあるときに、相手局を発見したことに応答して、自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン要求を送信し、
    スキャン要求を受信したことに応答して、該スキャン要求により指定されたビーコン送信タイミング及びチャネルにおいてスキャン動作を行なう、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 複数のチャネルが用意されている通信環境下において、制御局を配置せずに複数の通信局が自律分散的にネットワークを形成する無線通信システムであって、
    各通信局は、周辺局の存在把握やネットワーク状態、次回スキャンするチャネル及びスキャン開始時刻を含んだスキャン情報を記載したビーコンの報知を所定の伝送フレーム周期毎に行なうとともに、各チャネル上で周辺局からのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を行なう、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 通信局は、
    周辺局のスキャン情報を逐次更新しておき、
    特定の通信局に対して送信を始めるときに当該相手局のスキャン情報を確認し、当該相手局がスキャン中で送信しようとするチャネルにおいてアクセスできないと判断された場合には送信をキャンセルする、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
  9. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作する無線通信装置であって、
    各チャネルにおいて無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段における通信チャネルを設定する通信チャネル設定手段と、
    前記通信チャネル設定手段により設定されたチャネル上で前記通信手段による通信動作タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    を備え、
    前記タイミング制御手段は、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて設定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  10. 前記タイミング制御手段は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期分とし、前記全チャネル・スキャン周期内で分散して配置する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
  11. 前記タイミング制御手段は、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期よりも短い期間とし、前記全チャネル・スキャン周期内で分散して配置する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
  12. 前記タイミング制御手段は、1回当たりのスキャン動作を前記伝送フレーム周期のN分の1の期間とし、前記全チャネル・スキャン周期内でN回の分散したスキャン動作タイミングを設定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記タイミング制御手段は、前記全チャネル・スキャン周期内でのあるチャネル上でのk回目のスキャン動作を、伝送フレーム周期の先頭から(k−1)/Nの時間的位置に設定する(但し、1<k<Nとする)、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
  14. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作する無線通信装置であって、
    各チャネルにおいて無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段における通信チャネルを設定する通信チャネル設定手段と、
    前記通信チャネル設定手段により設定されたチャネル上で前記通信手段による通信動作タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン要求を送信するスキャン要求手段と、
    を備え、
    前記通信チャネル設定手段及び前記タイミング制御手段は、スキャン要求を受信したことに応答して、該スキャン要求により指定されたビーコン送信タイミング及びチャネルにおいてスキャン動作をそれぞれ設定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  15. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作する無線通信装置であって、
    各チャネルにおいて無線データを送受信する通信制御手段と、
    自局に関する情報並びに次回スキャンするチャネル及びスキャン開始時刻を含んだスキャン情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段における通信チャネルを設定する通信チャネル設定手段と、
    前記通信チャネル設定手段により設定されたチャネル上で前記通信手段による通信動作タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    を備え、
    前記タイミング制御手段は各チャネル上でのスキャン動作のタイミングを設定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  16. 前記ビーコン解析手段は、ビーコン信号に含まれるスキャン情報を解析し、
    前記通信制御手段は、特定の通信局に対して送信を始めるときに当該相手局のスキャン情報を確認し、当該相手局がスキャン中で送信しようとするチャネルにおいてアクセスできないと判断された場合には送信をキャンセルする、
    ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信装置。
  17. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
    前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    を備え、
    前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて設定する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  18. 前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期分とし、前記全チャネル・スキャン周期内で分散して配置する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信方法。
  19. 前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上での1回当たりのスキャン動作を1伝送フレーム周期よりも短い期間とし、前記全チャネル・スキャン周期内で分散して配置する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信方法。
  20. 前記タイミング制御ステップでは、1回当たりのスキャン動作を前記伝送フレーム周期のN分の1の期間とし、前記全チャネル・スキャン周期内でN回の分散したスキャン動作タイミングを設定する、
    ことを特徴とする請求項19に記載の無線通信方法。
  21. 前記タイミング制御ステップでは、前記全チャネル・スキャン周期内でのあるチャネル上でのk回目のスキャン動作を、伝送フレーム周期の先頭から(k−1)/Nの時間的位置に設定する(但し、1<k<Nとする)、
    ことを特徴とする請求項20に記載の無線通信方法。
  22. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
    前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン要求を送信するスキャン要求ステップと、
    を備え、
    前記通信チャネル設定ステップ及び前記タイミング制御ステップでは、スキャン要求を受信したことに応答して、該スキャン要求により指定されたビーコン送信タイミング及びチャネルにおいてスキャン動作をそれぞれ設定する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  23. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための無線通信方法であって、
    自局に関する情報並びに次回スキャンするチャネル及びスキャン開始時刻を含んだスキャン情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
    前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    を備え、
    前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上でスキャン動作のタイミングを設定する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  24. 前記ビーコン解析ステップでは、ビーコン信号に含まれるスキャン情報を解析し、
    特定の通信局に対して送信を始めるときに当該相手局のスキャン情報を確認し、当該相手局がスキャン中で送信しようとするチャネルにおいてアクセスできないと判断された場合には送信をキャンセルする通信制御ステップをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項23に記載の無線通信方法。
  25. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
    前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    を備え、
    前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上でのビーコン信号の受信を試みるスキャン動作を前記伝送フレーム周期×全チャネル数よりも長い全チャネル・スキャン周期内で時間的に分散させて設定する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  26. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
    前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    自局のビーコン送信チャネルとビーコン送信タイミングを記載したスキャン要求を送信するスキャン要求ステップと、
    を備え、
    前記通信チャネル設定ステップ及び前記タイミング制御ステップでは、スキャン要求を受信したことに応答して、該スキャン要求により指定されたビーコン送信タイミング及びチャネルにおいてスキャン動作をそれぞれ設定する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  27. 複数のチャネルが用意されている無線通信環境下で自律分散的に動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    自局に関する情報並びに次回スキャンするチャネル及びスキャン開始時刻を含んだスキャン情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    通信チャネルを設定する通信チャネル設定ステップと、
    前記通信チャネル設定ステップにおいて設定されたチャネル上での通信動作タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    を備え、
    前記タイミング制御ステップでは、各チャネル上でスキャン動作のタイミングを設定する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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