JP2004271498A - レーザ光のスペクトル指標値演算方法、レーザ光のスペクトル指標値演算装置及びスペクトル波形計測装置 - Google Patents

レーザ光のスペクトル指標値演算方法、レーザ光のスペクトル指標値演算装置及びスペクトル波形計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
レーザ装置のコストを低コストに維持しつつ、スペクトル指標値の演算負荷を低減する。
【解決手段】
通常のレーザ運転前に、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)の線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)のスペクトル線幅Wやスペクトル純度E95と、の相関が予め求められ、記憶部41に記憶される。または線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)及び半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスCLと、の相関が予め求められ、記憶部41に記憶される。そして、半導体露光処理等のような通常のレーザ運転時に、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)の線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、予め求めた相関とを用いて、スペクトル線幅Wに対応するスペクトル線幅Wやスペクトル純度E95やコントラストロスCLが求められる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、レーザ装置に設けられた分光器で計測したレーザ光のスペクトル波形を用いてレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算方法又はレーザ光のスペクトル指標値演算装置に関し、特にスペクトル指標値の演算負荷を低減するものに関する。また計測されたスペクトル波形と分光器の装置関数からデコンボリューション処理によって信号回復されたスペクトル波形を求めるスペクトル波形計測装置に関する。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、半導体露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられている。現在の露光用ガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線を放出するKrFエキシマレーザ装置が用いられている。また、次世代の露光用光源としては波長193nmの紫外線を放出するArFエキシマレーザ装置が、次々世代の露光用光源としては波長157nmの紫外線を放出するF2レーザ装置が有力である。
多くの半導体露光装置の光学系には投影光学系が採用されている。投影光学系では異なる屈折率を有するレンズ等の光学素子が組み合わされ色収差補正が行われる。しかしながらガスレーザ装置から放出されるレーザ光の波長領域で投影光学系のレンズ材料として使用に適する光学材料は合成石英とCaF以外にない。このためKrFエキシマレーザ用の投影レンズとしては合成石英のみで構成された全屈折タイプの単色レンズが採用され、ArFエキシマレーザ用の投影レンズとしては合成石英とCaFで構成された全屈折タイプの部分消しレンズが採用されている。ところがKrF及びArFエキシマレーザの自然発振幅は約350〜400pmと広いために、これらの投影レンズを使用すると色収差が発生してしまう。そこで色収差が無視できるまでに、上記ガスレーザ装置から放出されるレーザ光のスペクトル線幅を狭帯域化する必要がある。このためレーザ装置には狭帯域化素子(エタロンや回折格子等)を有する狭帯域化モジュールがレーザ共振内に設けられ、スペクトル線幅の狭帯域化が実現されている。
投影レンズの解像力を評価するためには、光源であるレーザ光のスペクトルプロファイル(スペクトル波形)を精密に計測する必要がある。投影レンズの解像力とレーザ光のスペクトル波形の関係は、レーザのスペクトル波形の半値全幅だけでなく、スペクトル波形の裾野の評価が非常に重要である。そこで所謂スペクトル純度といわれるスペクトルの新しい指標値が導入されている。このスペクトル純度は、例えば全エネルギの95%エネルギが入るスペクトル幅で評価される(下記非特許文献1参照)。スペクトル線幅やスペクトル純度等をスペクトル指標値という。これらのスペクトル指標値については後述する。
[従来のレーザ装置]
図18は従来のガスレーザ装置の構成を示すブロック図である。
図18で示すように、ガスレーザ装置100は、主電極11、12間の放電によって発生した光を2つの対向するウィンドウ13、14から出射するチャンバ10と、ウィンドウ13から出射される光を狭帯域化してチャンバ10に戻す狭帯域化モジュール20と、ウィンドウ14から出射される光をチャンバ10に反射し又はモニタモジュール30に出射する出力ミラー(フロントミラー)25と、出力ミラー25から出射されたレーザ光をサンプリングしてレーザ光のデータを計測するモニタモジュール30と、モニタモジュール30で計測されたデータに基づいてモニタモジュール30に入射される前のレーザ光のスペクトル波形の指標値を演算するデータ処理部80と、データ処理部80の演算結果及び圧力計51の計測結果に基づきチャンバ10のガス制御を行うとともに、主電極11、12に高電圧を印加するために電源(高電圧パルス発生装置)60の充電電圧制御を行うコントローラ50とを有する。
例えばFレーザ装置の場合、チャンバ10内にはFレーザ励起媒質としてフッ素ガス及びバッファガスからなるレーザガスが充填されている。バッファガスにはヘリウムガスやネオンガス等が使用される。各ガスは図示しないガスボンベに封入されており、各ガスボンベは管路を介してチャンバ10に接続されている。管路に設けられたバルブV1、V2の開放によって各ガスがチャンバ10内に供給される。またチャンバ10内には図示しないファンとラジエータが設けられており、レーザガスはファンによってチャンバ10内を循環する。放電によって高温となったレーザガスはラジエータによって冷却される。
チャンバ10内には所定の距離だけ離れて対向する一対の電極11、12が設けられている。図18において、電極11、12は紙面に対する垂直方向を放電方向とするように紙面手前側と紙面奥側に配設されている。この電極11、12に電源60からの高電圧が印加されると、電極11、12間の放電部でレーザガスが励起され光が発生する。チャンバ10には「ハ」の字ブリュースター角度、または平行ブリュースター角度にしたウィンドウ13、14が設けられており、放電部で発生した光はこのウィンドウ13、14から外部に出射される。
狭帯域化モジュール20は回折格子21と1以上のプリズムからなるビーム拡大器22とで構成されている。スペクトルの狭帯域化は回折格子21の波長選択機能によって実現される。例えば回折格子21を回転駆動制御して回折格子21への光の入射角度を変化させることで、光の発振中心波長を変化させることが可能である。なお狭帯域化モジュール20がリアミラーとエタロンとで構成されていてもよい。このような場合にはスペクトルの狭帯域化がエタロンのフィルタ機能によって実現される。エタロンを回転させるか、またはエタロンギャップ間のガス圧力を変化(気体の屈折率変化)させることで、光の発振中心波長を変化させることが可能である。
チャンバ10のウィンドウ13側に配設される狭帯域化モジュール20と、チャンバ10のウィンドウ14側に配設される出力ミラー25とでレーザ共振器が構成される。チャンバ10内で発生した光は、狭帯域化モジュール20内の回折格子21と出力ミラー25の間を往復した後、出力ミラー25からレーザ光として出射される。
なおレーザ共振器内に波長選択素子(回折格子21)を配置する場合、レーザ出力が低下する。レーザ出力の低下を補償するためには電源60からの大きな電気入力が必要となる。すると主電極11、12等の負担が大きくなり、寿命が短くなる。また波長選択素子には寿命がある。以上からメンテナンス費用が上昇することが考えられる。これらを考慮し、比較的大きなレーザ出力が得られる注入同期(インジェクションロック)方式やMOPA方式が採用される場合もある。
モニタモジュール30はビームスプリッタ31とエタロン分光器32とで構成されている。図19に示すように、エタロン分光器32は、拡散板やレンズアレイのようなビーム拡散手段33とエタロン34とレンズ35とセンサアレイ36とで構成されてる。センサアレイ36としては複数のフォトダイオードアレイが1次元上に配列されたラインセンサ等が使用され、複数のラインセンサはチャンネル(ch:整数)順に並べられている。
モニタモジュール30ではビームスプリッタ31によってレーザ光の一部がサンプリングされエタロン分光器32に入射される。エタロン分光器32に入射されたレーザ光は、ビーム拡散手段33によって拡散され、エタロン34に入射される。エタロン34を通過したレーザ光はレンズ35に入射される。するとレンズ35の焦点面に設置されたセンサアレイ36上には干渉縞(フリンジ)が生成される。そしてこのフリンジデータからレーザ光の波長と光量の線形データがスペクトル波形として求められる。
データ処理部80にはモニタモジュール30で計測されたフリンジパターンが入力され、フリンジパターンからスペクトル波形が計算される。このレーザ光のスペクトル波形からスペクトル指標値が演算される。スペクトル指標値とレーザ装置から放出されたレーザ光の真のスペクトル波形から得られるスペクトル指標値とは相関がある。スペクトル指標値に関しては後述する。
コントローラ50にはデータ処理部80で演算したスペクトル指標値や圧力計51の検出値が入力され、これらの値に基づきバルブV1、V2、V3の開閉が調整される。こうしてチャンバ10内の各ガスの濃度が調整される。またコントローラ50によって電源60の電圧が調整される。
なお分光器の形態としては角度分散型の光学素子を用いるものもある。図22は一般的なツェルニ・ターナ(Czerny-Turner)型の分光器の構成図である。この分光器62は、入射スリット63と、2つの凹面ミラー64、65と、1つの反射形の回折格子66及び出射スリット67からなっている。入射スリット63を通過したコヒーレント光またはレーザ光は凹面ミラー64によりコリメートされ、回折格子66に入射する。回折格子66で回折された光は凹面ミラー65によって入射スリット像を出射スリット67上に結像する。このスリット像はCCD等のイメージセンサ68で一度に検出される。なおスリット像を検出するために出射スリットを設置して、この出射スリットを分光器の分散方向にスキャンするか、または回折格子66を少しずつ回転させて、その透過光を光電子増倍管(photomultiplier)で検出するようにしてもよい。
ここではツェルニ・ターナ型の分光器を示したが、この分光器に限定されることなく、複数の回折格子を使用した分光器やマルチパス化した分光器でもよい。回折格子型の分光器62の揚合、エタロン分光器32に比べて、フリースペクトラルレンジが広いため、広い波長範囲にわたってスペクトル波形を計測できるという利点がある。しかしレーザに搭載できるようなコンパクトな設計で装置関数の広がりを極端に狭くすることは難しい。
[分光器の特性]
エタロン分光器32は固有の応答特性すなわち装置関数h(λ)を有する。エタロン分光器32の計測結果として得られるスペクトル波形f(λ)は、エタロン分光器32に入力される前のレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)と装置関数h(λ)とのコンボリューション積分すなわち下記(1)式で表される。
Figure 2004271498
なお上記(1)式はf(λ)≡h(λ)*g(λ)と表す。“*”はコンボリューション記号である。
図21はエタロン分光器32におけるコンボリューション積分の概念をスペクトル波形を用いて説明する図である。分光器の分解能が高ければ、入射される前のレーザ光のスペクトル波形g(λ)と計測結果のスペクトル波形f(λ)はほぼ等しい。しかし高分解能分光器は、分散値を向上させるために焦点距離を長くすることによって開口数が小さくなったり、分解能を向上させるためにマルチパス化や複数個の波長分散素子(回折格子やエタロン)を使用するため、多くの光量を必要とする。このため複数パルスのレーザ光を積算しなければ高精度に計測結果を得られなかった。つまり、パルス毎の計測を実行できない。したがって通常はモニタモジュールには、光量をかせぐために開口が大きく透過率が高いエタロン分光器32が設けられている。このように高透過率であり、開口数が大きいエタロン分光器の分解能を高くすることは困難である。
図21に示すように、エタロン分光器32によると、レーザ光のスペクトル波形g(λ)は、装置関数h(λ)の影響を受けて変形したスペクトル波形f(λ)として計測される。このスペクトル波形f(λ)からスペクトル指標値を得たとしても、それはレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)から得られるスペクトル指標値とは異なる。コントローラ50によって正確な制御を行うためにはレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)を求める必要がある。
真のスペクトル波形g(λ)を装置関数h(λ)でコンボリューション積分した結果がスペクトル波形f(λ)であるならば、理論上はスペクトル波形f(λ)を装置関数h(λ)でデコンボリューション処理すれば真のスペクトル波形g(λ)が得られるはずである。デコンボリューション処理はフーリエ変換やヤコビ法、ガウス・ザイデル法等の反復処理により行われる。デコンボリューション処理については後述する。
ここでレーザ光のスペクトル波形を計測する方法の一例を図23を用いて説明する。まずコヒーレント光を分光器に入射し(矢印1)、コヒーレント光のスペクトル波形を計測する(矢印2)。コヒーレント光源はスペクトル線幅が充分に狭いため、デルタ関数とみなすことができる。したがって計測されるスペクトル波形は分光器の装置関数h(λ)の実測値とみなすことができる。一方、この分光器に、スペクトル波形g(λ)のエキシマレーザ光を入射すると、計測されたスペクトル波形f(λ)が得られる(矢印3、4)。装置関数h(λ)を用いてスペクトル波形f(λ)のデコンボリューション処理を行うと、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)を求めることができ、これを真のスペクトル波形g(λ)とする(矢印5、6、7)。
[スペクトル指標値]
スペクトル指標値としてはスペクトル線幅、スペクトル純度、コントラストロス等があげられる。
図20(a)に示すように、スペクトル線幅とは、レーザ光のスペクトル波形の光量閾値における全幅である。本明細書では光量ピーク値に対する各光量閾値の相対値を線幅閾値Thresh(0<Thresh<1)ということにする。例えばピーク値の半値を線幅閾値0.5という。なお線幅閾値0.5におけるスペクトル波形の全幅W1/2を特別に半値全幅又はFWHM(Full Width at Half Maximum)という。
図20(b)に示すように、スペクトル純度、例えば95%純度E95とは、全スペクトルエネルギのうち波長λを中心として95%を占める部分の全幅W95%であって、下記(2)式が成り立つ。
Figure 2004271498
なお本明細書で特に何も述べない場合は、スペクトル純度をE95として説明する。
コントラストロスCLとは、レーザ光のスペクトル波形が色収差に与える指標値であり、露光装置の光学系における波長ごとの色収差量を表す色収差量関数p(λ)とスペクトル波形g(λ)の積を波長に関して積分した値であって、下記(3)式が成り立つ。
Figure 2004271498
またスペクトル標準偏差σもスペクトル指標値の一つである。スペクトル標準偏差σは下記(4)式、(5)式で定義される。
Figure 2004271498
Figure 2004271498
また白色OTF(Optical Transfer Function)もスペクトル指標値と考えることができる。露光装置に搭載されているレンズの解像力は白色OTFで表すことができる。白色OTFは単色光のOTFとスペクトル波形に基づいて下記(6)式から求めることができる。
Figure 2004271498
(6)式において、Rλ(u,v)は各単色のOTFであり、R(u,v)は白色OTFである。またWλは各波長に対する重み(波長の強度分布)である。単色OTFは単色の点像強度分布をフーリエ変換することにより求められる。(6)式からレンズを透過するスペクトル波形を精密に計測することによって(波長の測定点数を多くして)、白色OTFを精密に計算することができる。各波長における投影レンズのOTFをスペクトル計測装置またはレーザ装置内部の記憶装置に予め記憶しておき、レーザ光のスペクトル波形から各波長の光強度Wλを計算し、(6)式により白色OTFを求め、必要なコントラストCが得られるかどうかを判定する。なおこの白色OTFに関しては下記非特許文献2に記載されている。
[真のスペクトル波形の取得]
従来、分光器で計測されたスペクトル波形f(λ)を装置関数h(λ)でデコンボリューション処理することによってレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)を演算する技術は採用されてきた。例えば下記特許文献1には、デコンボリューション処理によってレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)を演算し、そのスペクトル波形g(λ)のスペクトル線幅を求めることに関して記載されている。
下記特許文献2には、KrFエキシマレーザと同じ波長(248.25nm)で発振する単一縦モードのアルゴンイオンレーザの第2高調波光を出力するレーザ装置を用いて分光器の装置関数を測定し、この分光器にKrFエキシマレーザ光を入力してスペクトル波形を計測し、計測された分光器の装置関数とスペクトル波形からKrFエキシマレーザ光の真のスペクトル波形を求める技術が記載されている。
下記特許文献3には、スペクトル線幅を求めるためのデコンボリューション処理が記載されている。ここにはフォワードデコンボリューション技術が記載されている。この技術は次のような手順で半値全幅と95%純度を求めるものである。まず、分光器の装置関数h(λ)をコヒーレント光源によって計測する。次にレーザ光のスペクトル波形f(λ)を計測する。そして分光器の装置関数h(λ)と計測したスペクトル波形f(λ)のコンボリューション積分の関数h(λ)*f(λ)を求める。次に関数h(λ)*f(λ)の波形の半値全幅FWHMCC(=W1/2CC)と95%純度E95CC(=W95%CC)を求め、またf(λ)の波形の半値全幅FWHM(W1/2C)と95%純度E95(=W95%C)を求める。そして半値全幅の差DFWHMと95%純度の差D95%を計算する。求める半値全幅FWHMと95%純度E95は下記(7a)、(7b)式で求めている。
Figure 2004271498
また下記特許文献4には、色収差のない反射光学系からなる分光器に被検出レーザ光と異なる波長のコヒーレント光源を入射して分光器の装置関数を計測し、この装置関数のプロファイルから被検出レーザ光の波長における分光器の装置関数を計算し、この計算された装置関数と被検出レーザ光の装置関数とレーザ光の計測スペクトルとから、デコンボリューション処理によって、元の被検出光のスペクトル波形を得る方法が開示されている。
このようにデコンボリューション処理を利用して真のスペクトル波形を求めようとする技術は数多く存在する。具体的なデコンボリューション処理法としては、例えば下記非特許文献3、4の手法が提案されている。
下記非特許文献3には、フーリエ変換を利用したフーリエ面処理法と、ヤコビ法、ガウス・ザイデル法等の反復計算処理を行う信号面処理法について記載されている。フーリエ面処理法は下記(8)式、(9)式によって真のスペクトル波形g(λ)を得る方法である。下記(8)式に示すように、計測したスペクトル波形f(λ)と装置関数h(λ)をそれぞれフーリエ変換したF(ω)、H(ω)から真のスペクトル波形g(λ)のフーリエ変換であるG(ω)を計算する。この結果を下記(9)式のように逆フーリエ変換することにより真のスペクトル波形g(λ)を得ることができる。
Figure 2004271498
Figure 2004271498
上記(9)式の、F-1は逆フーリエ変換記号である。
一般的に上記(8)式は下記(10)式のような行列で表現できる。
Figure 2004271498
上記(10)式のf及びgは計測したスペクトル波形及び真のスペクトル波形のベクトルであり、Hは装置関数を表す行列である。この装置関数を示すHは、一般的に対角要素を中心として同じ形をもち、各行の和は全て1となる。信号面処理法は上記(10)式を直接解く方法であり、(10)式の両辺にHの逆行列H−1を掛けて、計測したスペクトル波形fから真のスペクトルgを求めることができる。
下記非特許文献4には“Van citter's法”や“Gold's ratio法”や“Richardson-Lucy法”といった反復計算によるデコンボリューション処理が記載されている。
特開平06−160187号公報 特開平04−65640号公報 米国特許出願公開第2002/0122176A1号明細書 特開2000−241245号公報 P.Yan , O.Qian , J.Langston , and P.Leon著,「Proc.Optical Microlithography V SPIE 1674,1992」,SPIE,San Jose USA 1992,p.316 辻内順平、他著,「最新 光学技術ハンドブック」,初版,朝倉書店,2002年9月20日,p.417−418 南茂夫著,「科学計測のための波形データ処理 計測システムにおけるマイコン/パソコン活用技術」,CQ出版社,p.122−139 P.A.Jansson著,「Deconvolution of Images Spectra」,Academic Press,1997,2nd edition
半導体露光処理等にレーザ装置が使用される場合には、レーザ装置のコントローラはスペクトル指標値に基づいてレーザ装置を制御したり、レーザ発振を停止させる。特に高精度な露光を行うためには1パルス毎に正確なスペクトル指標値を求め、スペクトル指標値が露光装置の投影レンズに対して許容できない値となった時には、不良露光を防止するために、スペクトルの異常を通知してレーザ発振を停止させる必要がある。さらに求めたスペクトル指標値に基づいてレーザ装置を制御する必要がある。このためレーザ装置にはリアルタイムでスペクトル指標値を求めることが望まれる。
しかしデコンボリューション処理(フーリエ面処理法や信号面処理法)やスペクトル純度E95の演算に係る上記(2)式やコントラストロスCLの演算に係る上記(3)式等は積分計算や後述するデコンボリューション処理法を用いているため演算負荷が極めて高く、通常の演算機ではスペクトル指標値取得までに多大な時間を要する。したがって高速でパルス発振するレーザ装置においては、1パルス毎のスペクトルの評価及び制御に演算が追従できない。
一方、高速の演算機であれば各演算を短時間で処理できる。しかし高速の演算機は非常に大型且つ高額であり、そのような演算機を使用するとなるとレーザ装置自体が大型且つ高額となる。大型のレーザ装置は限られたスペースの製造現場には不向きであり、また高額のレーザ装置は製品としては実用的でない。
したがって従来はリアルタイムでスペクトル指標値を求めることができず、レーザ装置を露光機に搭載した場合にスペクトル異常による不良露光を防ぐことができなかった。
更にデコンボリューション処理自体には次のような問題もある。スペクトル波形の計測時には計測ノイズが含まれる。この計測ノイズはフーリエ面処理法や信号面処理法等のデコンボリューション処理によって増幅され、求める真のスペクトル波形g(λ)に大きな歪みを与える。
フーリエ面処理法の問題はH(ω)がゼロに近づくと上記(8)式が発散し、またこの近傍で雑音成分が大きく増幅される。これを制限するために1/H(ω)が有限となるように適当な制限を加えたり、雑音除去のために各種数値フィルタを用いるなどの工夫が必要となる。また多くのメモリを必要とし、計算時間が長いという問題もある。信号面処理法では、直接上記(10)式を解く方法があるが、この方法も多くのメモリを必要とし、計算時間が長いという問題がある。
そこで少ないメモリで、計算時間の短い反復計算法がなされてきた。しかし過度の反復計算を行うと、計測ノイズが増幅され、スペクトル波形が大きく歪む結果となる。したがって、正確なスペクトル指標値を求めることができない。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、レーザ運転の際のスペクトル指標値の演算負荷を低減すると共に、高精度にスペクトル指標値を求めることを解決課題とするものである。
そこで第1発明は、
レーザ装置に設けられた分光器で計測したレーザ光のスペクトル波形を用いてレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算方法において、
前記分光器でレーザ光のスペクトル波形を計測し、計測したスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅を演算し、演算したスペクトル線幅と、前記レーザ装置から放出されたレーザ光の真のスペクトル波形のスペクトル線幅又はスペクトル純度又はレーザ光の真のスペクトル波形及びレーザ光を入射する半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスと、を対応付けた相関性を予め記憶し、
前記相関性の記憶後に前記分光器でレーザ光のスペクトル波形を計測し、計測したスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅を演算し、演算したスペクトル線幅に対応するスペクトル純度又はコントラストロスを前記相関性を用いて求めること
を特徴とする。
第1発明を図1、図9、図10を用いて説明する。第1発明では、通常のレーザ運転前に、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)から演算される線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)から演算されるスペクトル純度E95と、の相関性が予め求められ、記憶部41に記憶される。図9にこの相関性を示す。または線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)及び半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスCLと、の相関性が予め求められ、記憶部41に記憶される。図10にこの相関性を示す。
そして、半導体露光処理等のような通常のレーザ運転時に、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)の線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、図9又は図10に示す相関性とを用いて、スペクトル線幅Wに対応するスペクトル純度E95やコントラストロスCLが求められる。
なお計測されるスペクトル波形f(λ)と真のスペクトル波形g(λ)のスペクトル線幅同士を対応付けて相関性を求めるようにしてもよい。
また第2発明は、第1発明において、
レーザ光のスペクトル波形、前記分光器の装置関数、光量閾値をパラメータとして複数の前記相関性を求め、相関性の精度が最も高くなる前記分光器の装置関数の幅になるように前記分光器を調整し、光量閾値を最適値に設定すること
を特徴とする。
Z個のレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)(k=1〜Z)、半値全幅δの異なるY個の装置関数h(λ)(i=1〜Y)、X個の線幅閾値Thresh(j=1〜X)をそれぞれ用意し、スペクトル波形g(λ)と装置関数h(λ)とをコンボリューション処理することでエタロン分光器で計測される波形f(λ)ikをシミュレーションで求め、求めた波形f(λ)ikの線幅閾値Threshにおけるスペクトル線幅Wijk及びスペクトル波形g(λ)のスペクトル純度E95を求め、更にスペクトル純度E95に対するスペクトル線幅Wijkの回帰直線を求めてその残差2乗和を評価することによって、エタロン分光器の装置関数h(λ)の半値全幅δ、及び線幅閾値Threshを最適化することができる。
また第3発明は、第1、第2発明において、
前記レーザ装置から放出されたレーザ光のスペクトル波形を前記分光器よりも分解能が高い分光器で計測し、計測されたスペクトル波形を前記レーザ光の真のスペクトル波形とすること
を特徴とする。
また第4発明は、第1、第2発明において、
前記分光器又はレーザ装置の外部に設けられた外部分光器でレーザ光のスペクトル波形を計測し、計測されたスペクトル波形を計測した分光器の装置関数でデコンボリューション処理し、得られたスペクトル波形を前記レーザ光の真のスペクトル波形とすること
を特徴とする。
第3、第4発明はレーザ光の真のスペクトル波形の計測手段を示すものである。
また第5発明は、
レーザ装置に設けられた分光器で計測したレーザ光のスペクトル波形を用いてレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算装置において、
前記分光器で計測されるスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅と、前記レーザ装置から放出されたレーザ光の真のスペクトル波形のスペクトル線幅又はスペクトル純度又は前記レーザ光の真のスペクトル波形及びレーザ光を入射する半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスと、を対応付けた相関性を予め記憶する記憶部と、
前記分光器で計測されるスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅を演算し、求めたスペクトル線幅に対応するスペクトル純度又はコントラストロスを前記記憶部の相関性を用いて求める演算部と、を備えたこと
を特徴とする。
第5発明は、第1発明の方法の発明を、装置の発明に置換したものである。
第6発明は、
分光器を利用してレーザ光のスペクトル波形を計測する波形計測手段と、
前記分光器の装置関数h(λ)の線幅よりも狭いスペクトル線幅の単一縦モード発振するレーザ光を出力するコヒーレント光源と、
前記分光器に前記コヒーレント光を入力して計測される前記分光器の装置関数h(λ)を記憶する記憶手段と、
真のスペクトル波形g(λ)のレーザ光を前記分光器に入力して計測されたスペクトル波形f(λ)と、前記記憶手段に記憶された装置関数h(λ)と、を用いてデコンボリューション処理を行い、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)を演算する演算手段と、
を備えたスペクトル波形計測装置において、
前記演算手段は、
デコンボリューション処理を反復計算によって行い、反復計算のk回目では、
(k−1)回目の反復計算で得られたスペクトル波形g′(k−1)(λ)と、
このスペクトル波形g′(k−1)(λ)と前記装置関数h(λ)とをコンボリューション積分して得られたスペクトル波形f(k−1)(λ)と、
計測された前記スペクトル波形f(λ)と、
を用いてスペクトル波形g′(k)(λ)を演算し、また、
この演算されたスペクトル波形g′(k−1)(λ)と前記装置関数h(λ)とをコンボリューション積分してスペクトル波形f(k)(λ)を演算することとし、
更に各回の反復計算毎に、このスペクトル波形f(k)(λ)と、計測された前記スペクトル波形f(λ)と、を所定の収束判定条件にて比較し、所定条件を満たした回で反復計算を停止し、その回に演算された前記スペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の回に演算された前記スペクトル波形g′(k−1)(λ)を最終的に求める前記スペクトル波形g′(λ)とすること
を特徴とする。
第6発明を図1及び図24を用いて説明する。
通常、分光器は特有の装置関数h(λ)を有しており、スペクトル波形g(λ)の被検出光を計測すると、スペクトル波形g(λ)と装置関数h(λ)をコンボリューション積分したスペクトル波形f(λ)が計測結果として得られる。したがって真のスペクトル波形g(λ)を求めるためには、計測されたスペクトル波形f(λ)と装置関数(λ)とのデコンボリューション処理を行えばよい。
図24に示すように、分光器32の装置関数h(λ)はコヒーレント光源91から出射されるコヒーレント光を分光器32に入射することで計測される。装置関数h(λ)の計測が終了した分光器32は、図1に示すガスレーザ装置1のモニタモジュール30に搭載され、また計測された装置関数h(λ)は記憶部41に記憶される。
ガスレーザ装置1でレーザ発振されると、分光器32が設けられたモニタモジュール30でスペクトル波形f(λ)が計測される。演算部42ではレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)を求めるべく次に示す反復計算によるデコンボリューション処理が行われる。
k回目の反復計算では、
・(k−1)回目の反復計算で得られたスペクトル波形g′(k−1)(λ)
・スペクトル波形g′(k−1)(λ)と装置関数h(λ)とをコンボリューション積分して得られたスペクトル波形f(k−1)(λ)
・計測されたスペクトル波形f(λ)
を用いてスペクトル波形g′(k)(λ)が演算される。
更に演算部42では反復計算の各回で、演算されたスペクトル波形g′(k−1)(λ)と装置関数h(λ)とをコンボリューション積分してスペクトル波形f(k)(λ)が演算される。またこのスペクトル波形f(k)(λ)と計測されたスペクトル波形f(λ)とが所定の収束判定条件にて比較される。この収束判定条件が満たされた場合に、その段階で反復計算は停止され、その回に演算されたスペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の回に演算されたスペクトル波形g′(k−1)(λ)が最終的に求めるスペクトル波形g′(λ)とされる。
また第7発明は、第6発明において、
前記演算手段は、
計測された前記スペクトル波形f(λ)について、全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%を演算し、
反復計算の各回毎に、コンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)について、全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%(k)を演算し、
反復計算の各回毎に、前記スペクトル線幅WE%と前記スペクトル線幅WE%(k)とを比較し、前記スペクトル線幅WE%(k)が前記スペクトル線幅WE%以下になった回で反復計算を停止すること
を特徴とする。
また第8発明は、第7発明において、
前記所定比率E%を95%とすること
を特徴とする。
第7、第8発明を図28を用いて説明する。
計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%が、スペクトル波形f(k)(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%(k)以下になれば、スペクトル波形f(k)(λ)がスペクトル波形f(λ)に収束したといえる。この段階で反復計算が停止される。
なお露光装置の投影レンズの色収差に直接関わるスペクトル指標値の仕様は95%純度とされている場合が多いため、WE%=W95%(=E95)に設定することによって最適なスペクトル評価が行える。
また第9発明は、第6発明において、
前記演算手段は、
計測された前記スペクトル波形f(λ)について、全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E%を演算し、
反復計算の各回毎に、コンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)について、全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E′(k)%を演算し、
反復計算の各回毎に、前記比率E%と前記比率E′(k)%とを比較し、前記比率E′(k)%が前記比率E%以上になった回で反復計算を停止すること
を特徴とする。
また第10発明は、第9発明において、
前記比率E%を95%とすること
を特徴とする。
第9、第10発明を図29を用いて説明する。
計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率Eが、スペクトル波形f(k)(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E(k)以上になれば、スペクトル波形f(k)(λ)がスペクトル波形f(λ)に収束したといえる。この段階で反復計算が停止される。
なお露光装置の投影レンズの色収差に直接関わるスペクトル指標値の仕様は95%純度とされている場合が多いため、WE%=W95%(=E95)に設定することによって最適なスペクトル評価が行える。
また第11発明は、第6発明において、
前記演算手段は、
計測された前記スペクトル波形f(λ)に含まれる前記分光器の計測ノイズNsysを予測演算し、
反復計算の各回毎に、計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の二乗平均値RRMS (k)を演算し、
反復計算の各回毎に、前記計測ノイズNsysと前記二乗平均値RRMS (k)とを比較し、前記計測ノイズNsysが前記二乗平均値RRMS (k)以下になった回で反復計算を停止すること
を特徴とする。
また第12発明は、第6発明において、
前記演算手段は、
計測された前記スペクトル波形f(λ)に含まれる前記分光器の計測ノイズNsysを予測演算し、
反復計算の各回毎に、計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の二乗平均値RRMS (k)を演算し、また計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の平均値R (k)を演算し、
反復計算の各回毎に、前記計測ノイズNsysと前記二乗平均値RRMS (k)との比較と、前記平均値R (k)と所定値との比較のうち、少なくとも一方の比較を行い、前記計測ノイズNsysが前記二乗平均値RRMS (k)以下になるか、前記平均値R (k)が所定値以下になった回で反復計算を停止すること
を特徴とする。
第11、第12発明を図30を用いて説明する。
計測されたスペクトル波形f(λ)とスペクトル波形f(k)(λ)との差が無くなれば、スペクトル波形f(k)(λ)がスペクトル波形f(λ)に収束したといえる。この段階で反復計算が停止される。図30では例えばf(k)(λ)とf(λ)との差がハッチで表されている。
ところで計測されたスペクトル波形f(λ)には分光器の計測ノイズNsysが含まれる。そこでこの計測されたスペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られたスペクトル波形f(k)(λ)との差の二乗平均値RRMS (k)が演算される。そしてと二乗平均値RRMS (k)とが比較され、二乗平均値RRMS (k)が計測ノイズNsysの標準偏差NE%以下になった段階で反復計算が停止される。
または計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の平均値R (k)が演算され、この平均値R (k)と所定値(例えば(NE%/5))とが比較され、平均値R (kが所定値(例えば(NE%/5))以下になった段階で反復計算が停止される。
また第13発明は、
パルス発振するレーザ装置から出力されるレーザ光を計測し、そのレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算装置において、
第1の分光器を利用して1パルス毎にレーザ光のスペクトル波形を計測する第1のスペクトル波形計測手段と、
前記第1の分光器よりも分解能が高い第2の分光器を利用してレーザ光のスペクトル波形を計測する第2のスペクトル波形計測手段と、
前記第1のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第1のスペクトル指標値と、前記第2のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第2のスペクトル指標値と、を対応付けた相関性を予め記憶する記憶手段と、
1パルス毎に、前記第1のスペクトル波形計測手段の計測結果から第1のスペクトル指標値を演算し、この第1のスペクトル指標値に対応する第2のスペクトル指標値を前記相関性を用いて取得するスペクトル指標値取得手段と、
所定パルス毎に、前記第1のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第1のスペクトル指標値と、前記第2のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第2のスペクトル指標値と、を用いて、前記相関性を補正する補正手段と、を備えたこと
を特徴とする。
第13発明を図31を用いて説明する。
アンプレーザから出射されるレーザ光は、1パルス毎に高速分光器124でスペクトル波形を計測される。またアンプレーザから出射されるレーザ光は、所定パルス毎に高分解能分光器72でスペクトル波形を計測される。コントローラ125には高速分光器124の計測結果から求められるスペクトル指標値と高分解能分光器72の計測結果から求められるスペクトル指標値とを対応付けた相関性が予め記憶される。
レーザ発振されるとコントローラ125では、1パルス毎に高速分光器124で計測される結果に基づいてスペクトル指標値が演算され、このスペクトル指標値と記憶された相関性とから、高分解能分光器72を用いた場合に求められるスペクトル指標値が取得される。
レーザ発振に伴うドリフトの影響によって、コントローラ125に記憶された相関性には誤差が生じる。そこでコントローラ125では、所定パルス毎に、高速分光器124の計測結果に基づいて演算されたスペクトル指標値と、高分解能分光器72の計測結果に基づいて演算されたスペクトル指標値と、を用いて、記憶した相関性の補正が行われる。
また第14発明は、第13発明において、
前記第2のスペクトル波形計測手段に第6発明のスペクトル波形計測装置を使用すること
を特徴とする。
第14発明は高速分光器72で計測されるスペクトル波形を第6発明のスペクトル波形計測装置によってデコンボリューション処理するものである。
第1〜第5発明によれば、半導体露光処理等のような通常のレーザ運転時に積分計算のような高負荷の演算ではなく、低負荷の演算によって高精度にスペクトル線幅やスペクトル純度やコントラストロス等を求めることができる。したがって演算時間を短くすることができるため、スペクトル指標値をリアルタイムに取得できる。更に高速の演算機を必要としないため、レーザ装置のコストを低コストに維持できる。
また特に第2発明によれば、第1発明で取得するスペクトル純度E95やコントラストロスCLの精度を更に高くすることができる。
また第6〜第12発明によれば、反復計算によって求められるスペクトル波形g(λ)の精度を高くすることができ、真のスペクトル波形g(λ)に近づけることができる。この信号回復されたスペクトル波形g′(λ)から得られるスペクトル指標値と、計測されたスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値との相関性を求め、実際のレーザ運転時に、この相関性と計測されたスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値とを用いて、スペクトル波形g′(λ)すなわち真のスペクトル波形g(λ)のスペクトル指標を求めることができる。したがって測定結果の精度が向上する。
また第13、14発明によれば、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)から得られるスペクトル指標値と、計測されたスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値との相関性が記憶され、この相関性が所定パルス毎に補正される。したがってドリフトが発生したとしても、スペクトル指標値の精度の低下を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るガスレーザ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すガスレーザ装置1の各構成要素のうちデータ処理部40を除いた各構成要素は図18に示す従来のガスレーザ装置100と同じである。図1ではデータ処理部40をその機能に合わせてブロック図として示している。
データ処理部40は記憶部41と演算部42を有する。記憶部41では、スペクトル線幅とスペクトル純度との相関性やスペクトル線幅とコントラストロスとの相関性が記憶される。演算部42では、モニタモジュール30からの出力データに基づいてスペクトル線幅を求める際の演算が行われ、また記憶部41の相関性に基づいてスペクトル線幅に対応するスペクトル純度やコントラストロス等を求める際の演算が行われる。
本発明は下記(1)、(2)の順で実施される。
(1)例えばガスレーザ装置1の生産やメンテナンス等の際に、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)から演算される線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)から演算されるスペクトル純度E95と、の相関性が予め求められ、記憶部41に記憶される。またはスペクトル線幅Wと、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)及び半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスCLと、の相関性が予め求められ、記憶部41に記憶される。
(2)例えば半導体露光処理等のようなガスレーザ装置1の運転時に、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)の線幅閾値Thresuにおけるスペクトル線幅Wと、予め求めた相関性とを用いて、スペクトル線幅Wに対応するスペクトル純度E95やコントラストロスCLが求められる。
以下で上記(1)、(2)の処理手順について具体的に説明するが、説明の便宜上(2)、(1)の順に説明する。なお本明細書では、上記(1)を“事前処理”といい、上記(2)を“通常処理”ということにする。
[1.1]通常処理
“通常処理”は、スペクトル線幅の演算工程とスペクトル純度又はコントラストロスの演算工程という2つの工程に分けられる。
[1.1.1]スペクトル線幅の演算
図2はスペクトル線幅の演算工程を示す図である。
ガスレーザ装置1が運転されると、レーザチャンバ10から出射されたレーザ光の一部はビームスプリッタ31で反射し、エタロン分光器32に入射される。するとエタロン分光器32のセンサアレイで複数のフリンジが計測される。図3に示すように、各フリンジはエタロン分光器光軸中心を対称軸とした対となって計測される。ここで予め設定された計測範囲にあるフリンジのピーク光量が検出される(ステップ21)。本実施形態では最も内側(エタロン分光器光軸中心側)のフリンジの対が計測されるように計測範囲が設定される。一対のフリンジを“左右のフリンジL、R”といい、そのピーク光量を“Lpeak、Rpeak”ということにする。
検出された左右のピーク光量Lpeak、Rpeakから、左右のフリンジL、Rの線幅閾値Threshにおける光量Lth、Rthが演算される。ここでは線幅閾値0.5として、Lth=(0.5×Lpeak)、Rth=(0.5×Rpeak)が演算される(ステップ22)。なお線幅閾値Threshは任意に設定することができ、例えば線幅閾値0.8である場合はLth=(0.8×Lpeak)、Rth=(0.8×Rpeak)が演算される。
ところで実際のセンサアレイ36で左右のフリンジL、Rは各ラインセンサの出力値の集合として得られる。具体的には、図4に示すように、ラインセンサのチャンネルの位置を横軸にし光量すなわちラインセンサの出力を縦軸にした座標系に各ラインセンサの出力値を表示した状態として得られる。このようなことから、線幅閾値Threshにおけるスペクトル線幅Wは次のようにして求められる。
左側フリンジLにおいてはフリンジピークの左右にそれぞれ光量Lthに対応する仮想のチャンネルLch1、Lch2があり、右側フリンジRにおいてはフリンジピークの左右にそれぞれ仮想のチャンネルRch1、Rch2がある。そこでチャンネルLch1の両側に実在するチャンネル(Lch11、Lch12)と、チャンネルLch2の両側に実在するチャンネル(Lch21、Lch22)が検出される。同様にチャンネルRch1の両側に実在するチャンネル(Rch11、Rch12)と、チャンネルRch2の両側に実在するチャンネル(Rch21、Rch22)が検出される。これらチャンネルを境界チャンネルという。境界チャンネルは整数で表される。更に境界チャンネル(Lch11、Lch12)、(Lch21、Lch22)の出力(I_Lch11、I_Lch12)、(I_Lch21、I_Lch22)が検出される。同様に境界チャンネル(Rch11、Rch12)、(Rch21、Rch22)の出力(I_Rch11、I_Rch12)、(I_Rch21、I_Rch22)が検出される(ステップ23)。
境界チャンネル間の光量は線形補間され、線幅閾値Threshの光量となるチャンネル位置Lch1、Lch2、Rch1、Rch2が下記(11a)〜(11d)式によって演算される(ステップ24)。
Figure 2004271498
図5に示すように、左右フリンジL、Rにおいて、外側のチャンネルLch1、Rch1の間隔を線幅閾値Threshにおける大径フリンジ直径2×rr1とし、内側のチャンネルLch2、Rch2の間隔を線幅閾値Threshにおける小径フリンジ直径2×rr2とすると、線幅閾値Threshにおける大径フリンジ半径rr1及び小径フリンジ半径rr2は下記(12a)、(12d)式によって演算される(ステップ25)。
Figure 2004271498
波長はフリンジの半径の二乗に比例するので、スペクトル線幅Wは下記(13)式によって演算される(ステップ26)。
Figure 2004271498
上記(13)式において、FSRはエタロン分光器32に設けられたエタロン34の自由スペクトラルレンジであり、Cは定数である。
[1.1.2]スペクトル純度又はコントラストロスの演算
図6はスペクトル純度、コントラストロスの演算工程を示す図である。
スペクトル線幅Wとスペクトル純度E95との間には下記(14)式に示すような相関性がある。この相関性は後述する“事前処理”で取得される。したがってスペクトル純度E95は上記(13)式で求めたスペクトル線幅Wと下記(14)式を用いて求められる(ステップ61)。
Figure 2004271498
上記(14)式において、C1、C2は定数である。
またスペクトル線幅WとコントラストロスCLとの間には下記(15)式に示すような相関性がある。この相関性は後述する“事前処理”で取得される。したがってコントラストロスCLは上記(13)式で求めたスペクトル線幅Wと下記(15)式を用いて求められる(ステップ61)。
Figure 2004271498
上記(15)式において、C3、C4は定数である。
なお(14)式は、計測されたスペクトル波形f(λ)における任意の線幅Wと、真のスペクトル波形g(λ)におけるE95との対応関係を示す式である。この(14)式は後述する“事前処理”にて求められる。しかしこれに限らず、計測されたスペクトル波形f(λ)における任意の線幅Wと、真のスペクトル波形g(λ)における任意の線幅Wとの対応関係を示す式を“事前処理”にて求め、その式を用いてもよい。例えば互いの半値全幅W1/2の対応関係を示す式であってもよい。
[1.2]事前処理
図7は“事前処理”を行うための構成を示す図である。
高分解能分光器72は、ガスレーザ装置1の外部であって且つビームスプリッタ31を透過するレーザ光の光路上に設けられる。高分解能分光器72の分解能は高い。ここでは高分解能分光器72で計測されるスペクトル波形がレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)であるとする。
図8は“事前処理”の処理工程を示す図である。
ガスレーザ装置1が運転されると、レーザチャンバ10から出射されたレーザ光の一部はビームスプリッタ31で反射しエタロン分光器32に入射され、一部はビームスプリッタ31を透過し高分解能分光器72に入射される。
最初にカウンタiに1がセットされ(ステップ81)、スペクトル線幅W及びそれに対応するスペクトル純度E95を求める前に、レーザ運転条件を調節してスペクトル線幅W及びスペクトル純度E95を変化させる(ステップ82)。
レーザ運転条件調節後、各分光器32、72にレーザ光が入射される。エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)からはスペクトル線幅Wが演算され、高分解能分光器72で計測されるスペクトル波形g(λ)からはスペクトル純度E95_extが演算される。スペクトル線幅Wiは上記[1.1.1]の処理にて求められ、スペクトル純度E95_extは上記(2)式によって求められる(ステップ83)。スペクトル線幅W及びスペクトル純度E95_extの取得後、カウンタiに1が加算される(ステップ84)。
ステップ82〜84の処理はZ回行われ、Z個のスペクトル線幅WとZ個のスペクトル純度E95_extとが取得される(ステップ85)。
Z個のスペクトル線幅WとZ個のスペクトル純度E95_extとが取得された後、スペクトル純度E95_extに対するスペクトル線幅Wの回帰分析(最小2乗法)が行われ、図9に示すような回帰直線が求められる。この回帰直線は下記(16)式のように表され、係数C1、C2が決定される(ステップ86)。
Figure 2004271498
このようにして、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)から演算されるスペクトル線幅Wと、真のスペクトル波形g(λ)から演算されるスペクトル純度E95との相関性が求められる。回帰直線(16)式は上記(14)式として記憶部41に記憶される。
スペクトル純度E95に関する回帰直線を求めるのと同様にして、コントラストロスCLに関する回帰直線を求めることができる。Z個のスペクトル線幅WとZ個のコントラストロスCL_extとが取得された後、コントラストロスCL_extに対するスペクトル線幅Wの回帰分析(最小2乗法)が行われ、図10に示すような回帰直線が求められる。この回帰直線は下記(17)式のように表され、係数C3、C4が決定される。
Figure 2004271498
このようにして、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)から演算されるスペクトル線幅Wと、真のスペクトル波形g(λ)から演算されるコントラストロスCLとの相関性が求められる。回帰直線(17)式は上記(15)式として記憶部41に記憶される。
測定レンジが狭い場合、例えばスペクトル線幅W=0.2〜0.5(pm)、スペクトル純度E95=0.5〜1.5(pm)という範囲においては、前述した回帰直線近似を適用することができる。測定レンジが広い場合は、非線形な関数近似、例えば多項式近似を使用することによって精度を向上させることができる。
なお高分解能分光器72の分解能は高いほど望ましいが、少なくともエタロン分光器32の分解能よりも高ければ、ある程度の効果は期待できる。しかしそのような場合は、高分解能分光器72で計測されるスペクトル波形をデコンボリューション処理して、求められた波形をレーザ光の真のスペクトル波形とすることが望ましい。また高精度の高分解能分光器72であっても、計測されるスペクトル波形を更にデコンボリューション処理して、求められた波形をレーザ光の真のスペクトル波形とすれば、更に信頼性の高い相関性が得られる。
また高分解能分光器72を設けずに、エタロン分光器32で計測されるスペクトル波形をデコンボリューション処理して、求められた波形をレーザ光の真のスペクトル波形とすることも可能である。
これらのデコンボリューション処理の最適な方法については、実施例4で述べる。
ところで本処理では演算負荷が高い(2)式、(3)式が用いられる。しかし前述した如く、本処理は半導体露光時のような“通常処理”の際に行われるのではなく、“通常処理”の前に行われる。つまりリアルタイムに演算結果を求める必要はなく、演算速度が遅くなる(2)式、(3)式を用いたとしても何ら悪影響はない。
本実施形態によれば、半導体露光処理等のような通常のレーザ運転時に積分計算のような高負荷の演算ではなく、低負荷の演算によって高精度にスペクトル純度やコントラストロス等を求めることができる。したがって演算時間を短くすることができるため、スペクトル指標値をリアルタイムに取得できる。更に高速の演算機を必要としないため、レーザ装置のコストを低コストに維持できる。
前述した“事前処理”で求める相関性の精度(上記(14)式、(15)式の誤差の2乗和)は、エタロン分光器32の装置関数h(λ)の半値全幅δ、或いは線幅閾値Threshの変化に応じて変化する。そこで以下に示すシミュレーションを行い、エタロン分光器32の装置関数h(λ)の半値全幅δ、及び線幅閾値Threshを最適化することによって、求めるスペクトル純度E95やコントラストロスCLの精度をより高くすることが可能である。
Z個のレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)(k=1〜Z)、半値全幅δの異なるY個の装置関数h(λ)(i=1〜Y)、X個の線幅閾値Thresh(j=1〜X)をそれぞれ用意し、スペクトル波形g(λ)と装置関数h(λ)とをコンボリューション処理することでエタロン分光器で計測される波形f(λ)ikをシミュレーションで求め、求めた波形f(λ)ikの線幅閾値Threshにおけるスペクトル線幅Wijk及びスペクトル波形g(λ)のスペクトル純度E95を求め、更にスペクトル純度E95に対するスペクトル線幅Wijkの回帰直線を求めてその残差2乗和を評価することによって、エタロン分光器の装置関数h(λ)の半値全幅δ、及び線幅閾値Threshを最適化することができる。以下でその具体的な処理手順の一例を説明する。
[2.1]装置関数及び線幅閾値の最適化
本処理は図7とほぼ同じ構成によって行われるが、シミュレーション用の演算機をガスレーザ装置1の外部に設ける必要がある。
図11は最適化処理の処理工程を示す図である。
図11に示すように、本処理では、“スペクトル波形取得処理”(ステップ111)と“シミュレーション処理”(ステップ112)とが行われる。
図12は“スペクトル波形取得処理”の処理工程を示す図である。
最初にカウンタkに1がセットされる(ステップ121)。レーザ光の真のスペクトル波形の計測前に、レーザ運転条件を調節してスペクトル線幅W及びスペクトル純度E95を変化させる(ステップ122)。レーザ運転条件調節後、高分解能分光器72にレーザ光が入射され、レーザ光の真のスペクトル波形g(λ)が計測される(ステップ123)。スペクトル波形g(λ)の計測後、カウンタkに1が加算される(ステップ124)。ステップ122〜124の工程はZ回行われ、Z個のスペクトル波形g(λ)が取得されたら、“スペクトル波形取得処理”は終了する(ステップ125)。取得された各スペクトル波形g(λ)は図示しないシミュレーション用の演算機に一時的に記憶される。
この“スペクトル波形取得処理”はZ個のスペクトル波形g(λ)が取得できればよく、ガスレーザ運転条件を調節して異なるZ個のスペクトル波形g(λ)を取得する以外に、Z個の異なるガスレーザ装置からスペクトル波形g(λ)を取得してもよい。
図13は“シミュレーション処理”の処理工程を示す図である。
本実施形態ではエタロン分光器の装置関数波形を表現できる関数としてAiry関数が使用される。最初にカウンタiに1がセットされる(ステップ131)。次に、“スペクトル指標値演算処理”で用いる装置関数h(λ)を求めるために、Airy関数の半値全幅δを変化させる(ステップ132)。装置関数h(λ)が求められたら、後述する“残差2乗和演算処理”が行われる(ステップ133)。
“残差2乗和演算処理”後、カウンタiに1が加算される(ステップ134)。ステップ132〜134の工程はY回行われ、X×Y個の残差2乗和Sijが求められる(ステップ135)。
エタロン分光器の装置関数h(λ)の半値全幅δ及びスペクトル線幅Wを求める際の線幅閾値Threshを変えることによって、残差2乗和Sが一番小さくなるような装置関数h(λ)の半値全幅δ及び線幅閾値Threshが求められる(ステップ136)。図16はその具体例を示す図である。図16については一連の処理を説明した後に述べる。
図14は“残差2乗和演算処理”の処理工程を示す図である。
最初にカウンタjに1がセットされる(ステップ141)。次に“スペクトル指標値演算処理”で用いる線幅閾値Threshを変化させ(ステップ142)、後述する“スペクトル指標値演算処理”が行われる(ステップ143)。
“スペクトル指標値演算処理”後、求められたZ個のスペクトル純度E95_extに対するスペクトル線幅Wijkが回帰分析(最小2乗法)され、下記(18)式で表される回帰直線が求められる。
Figure 2004271498
更に下記(19)式に示すように、上記(18)式の残差2乗和Sijが求められる(ステップ144)。
Figure 2004271498
残差2乗和Sijの取得後、カウンタjに1が加算される(ステップ145)。ステップ142〜145の工程はX回行われ、X個の残差2乗和Sijが求められる(ステップ146)。X個の残差2乗和Sijが取得されたら、“残差2乗和演算処理”は終了し、“シミュレーション処理”に戻る。
図15は“スペクトル指標値演算処理”の処理工程を示す図である。
最初にカウンタkに1がセットされる(ステップ151)。次に前述した“スペクトル波形取得処理”で取得されたスペクトル波形g(λ)及び上記(2)式からスペクトル純度E95_extが求められる(ステップ152)。次にスペクトル波形g(λ)とエタロン分光器の装置関数として求めた装置関数h(λ)とがコンボリューション処理され、エタロン分光器で計測されるスペクトル波形f(λ)ikが求められる(ステップ153)。そして求められたスペクトル波形f(λ)ikの線幅閾値Threshiにおけるスペクトル線幅Wijkが上記[1.1.1]の処理にて求められる(ステップ154)。スペクトル線幅Wijkの取得後、カウンタkに1が加算される(ステップ155)。ステップ152〜155の工程はZ回行われ、Z個のスペクトル線幅Wijkが求められる(ステップ156)。Z個のスペクトル線幅Wijkが取得されたら、“スペクトル指標値演算処理”は終了し、“残差2乗和演算処理”に戻る。
以上が本処理の一連の流れである。
なお同様の処理はコントラストロスCLに対しても適用できる。スペクトル純度E95に代えてコントラストロスCLを求めるようにした場合、求められたZ個のコントラストロスCL_extに対するスペクトル線幅Wijkが回帰分析(最小2乗法)され、下記(20)式で表される回帰直線が求められる。
Figure 2004271498
更に下記(21)式に示すように、上記(20)式の残差2乗和Sijが求められる。
Figure 2004271498
装置関数h(λ)の半値全幅δを横軸にし、残差2乗和Sを縦軸にし、求めたX×Y個の残差2乗和Sijを示すと図16のような結果が得られる。ここで残差2乗和Sが最小となるような線幅閾値Threshを線幅閾値の最適値とする。同様に、残差2乗和Sが最小となるような半値全幅δを装置関数の半値全幅の最適値とする。
因みにレーザ光のスペクトル純度E95が0.5〜1.5(pm)の範囲で変化する場合には、装置関数h(λ)の半値全幅δは約1(pm)であり、線幅閾値Threshは0.3以下が最適である。但し、線幅閾値Threshが0.3以下であると、スペクトル線幅Wを求める際の安定性に影響がでる。そこで本シミュレーションで線幅閾値Threshの最適値が0.3以下であるという結果が得られた場合は、その最適値は採用しないことにする。
ここまででエタロン分光器の装置関数h(λ)の半値全幅δ及び線幅閾値Threshの最適値について説明した。エタロン分光器の装置関数h(λ)の半値全幅δは、下記(22)式に示すように、装置フィネスNと自由スペクトラルレンジFSRによって決まる。
Figure 2004271498
装置フィネスNとは、反射フィネス、面精度フィネス、開口フィネスという3種類のフィネスを総合したものであり、両鏡面の膜の反射率、鏡面の面精度及び平行度、出口開口に応じて決定される。つまりフィネスNは設計により調整可能である。同様に自由スペクトラルレンジFSRも設計により調整可能である。したがってエタロン分光器の装置関数h(λ)の最適化のためには、エタロン分光器の装置関数h(λ)の半値全幅δが最適値となるように、(22)式を用いてフィネスN及び自由スペクトラルレンジFSRを求め、エタロン分光器を設計・製作すればよい。例えばδ=1(pm)である場合は、FSR=10(pm)、N=10とすればよい。
本実施形態で使用される高分解能分光器72は、第1の実施形態と同様に、分解能が高いほど望ましいが、少なくともエタロン分光器32の分解能よりも高ければ、ある程度の効果は期待できる。しかしそのような場合は、高分解能分光器72で計測されるスペクトル波形をデコンボリューション処理して、求められた波形をレーザ光の真のスペクトル波形とすることが望ましい。また高精度の高分解能分光器72であっても、計測されるスペクトル波形を更にデコンボリューション処理して、求められた波形をレーザ光の真のスペクトル波形とすれば、更に信頼性の高い相関性が得られる。
また本処理も[1.2]の“事前処理”と同様にレーザ装置の生産時やメンテナンス時等に行われる。
なお本実施形態は複数のスペクトル波形と複数の装置関数と複数の線幅閾値をそれぞれ組み合わせて最適な結果を求めるものであって、その処理手順は図11〜図15の処理手順に限られるものではない。
本実施形態によれば、実施例1で取得するスペクトル純度E95やコントラストロスCLの精度を更に高くすることができる。
実施例3は、実施例1で取得したスペクトル純度E95を使用してレーザ装置を制御するものである。具体的には、スペクトル純度E95が一定値以下となるようにガス制御するものである。
図17はガス制御の処理工程を示す図である。
レーザ装置で所定パルス分発振され(ステップ171)、上記[1.1.2]の処理にてスペクトル純度E95が演算される(ステップ172)。求めたスペクトル純度E95と予め設定した閾値とが比較され(ステップ173)、スペクトル純度E95が閾値を超えていた場合、チャンバ内のFガス濃度を薄くすべく、チャンバ内へのバッファガスの供給やチャンバ内のガスの排気等が行われる(ステップ174)。ステップ171〜ステップ174の工程はスペクトル純度E95が閾値以下になるまで繰り返される。こうしてレーザのスペクトルが所望の狭帯域化されたスペクトル純度E95に維持される。
実施例1では高分解能分光器72で計測されるスペクトル波形がレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)であると想定した。しかし前述したように、高分解能分光器72であっても計測されたスペクトル波形f(λ)とその装置関数h(λ)からデコンボリューション処理することによって、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)を得ることができ、これを真のスペクトル波形g(λ)とすることができる。また高分解能分光器72を用いなくとも、エタロン分光器32で計測されたスペクトル波形f(λ)とその装置関数h(λ)からデコンボリューション処理することによって、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)を得ることができ、これを真のスペクトル波形g(λ)とすることができる。こうして得たスペクトル波形g(λ)から得られるスペクトル指標値とエタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値とを対応付けることによって、より正確な相関性が得られる。
ここではこのデコンボリューション処理について説明する。デコンボリューション処理としては反復計算を行うものとし、この反復計算の結果として信号回復されたスペクトル波形g′(λ)をレーザ光の真のスペクトル波形g(λ)とする。なお具体例としてエタロン分光器32で計測されるスペクトル波形f(λ)と、エタロン分光器32の装置関数h(λ)と、をデコンボリューション処理する技術について説明するが、高分解能分光器72についても同様のデコンボリューション処理を行える。
本明細書において、“′(ダッシュ)”を付した関数は反復計算過程で演算され信号回復されたレーザ光のスペクトル波形を意味し、“′(ダッシュ)”を付した記号は信号回復されたレーザ光のスペクトル波形に基づいて導き出されるものを意味する。また“(k)”とはk回目の反復計算で演算されるものを意味する。
最初に分光器の装置関数h(λ)の取得について説明する。
図24はエタロン分光器の装置関数を取得するための構成を示す図である。また図25は装置関数の取得工程を示す図である。
コヒーレント光源91から出射されるコヒーレント光をエタロン分光器32に入射すると、計測されたスペクトル波形はエタロン分光器32の装置関数h(λ)とみなすことができる(ステップ251)。この装置関数h(λ)のデータは記録装置92を介して読み出し自在の記憶媒体93に記憶される(ステップ252)。例えば記憶媒体93としてはフロッピー(登録商標)等があげられる。
装置関数の計測が終了したエタロン分光器32は図1に示すガスレーザ装置1に搭載され、記憶媒体93に記憶された装置関数h(λ)のデータは記憶部41に読み込まれる。そして実施例1の“事前処理”が行われる。実施例1の“事前処理”では高分解能分光器72で計測されたスペクトル波形を真のスペクトル波形g(λ)としたが、ここでは次の“スペクトル波形取得処理”によって最終的に求められるスペクトル波形g′final(λ)を真のスペクトル波形g(λ)とする。
図26はスペクトル波形g′final(λ)の取得工程を示す図である。
まずエタロン分光器32によって計測されたスペクトル波形f(λ)とエタロン分光器32の装置関数h(λ)とを用いたk回目の反復計算、すなわちデコンボリューション処理が行われ、信号回復されたスペクトル波形g′(k)(λ)が求められる(ステップ261)。g′(k)(λ)とは、k回目の反復計算過程で信号回復されたスペクトル波形であることを意味する。つぎにこのスペクトル波形g′(k)(λ)に関する収束判定値が求められる(ステップ262)。この収束判定値はk回目の反復計算過程で演算されるスペクトル波形f(k)(λ)に基づいて求められる値であり、計測されたスペクトル波形f(λ)に基づいて求められた収束判定値と比較される。この収束判定値の詳細については後述する。
この比較の結果、反復計算の停止条件が満たされていれば、その反復計算の段階(k回目)で求められたスペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の反復計算の段階(k−1回目)で求められたスペクトル波形g′(k−1)(λ)が、最終的なスペクトル波形g′final(λ)として求められ、これが真のスペクトル波形g(λ)であると想定される(ステップ263の判断YES、ステップ264)。一方反復計算の停止条件が満たされていなければ、ステップ261以降の処理が繰り返される(ステップ263の判断NO)。
ここで上記各ステップ261〜264について更に詳細に説明する。
上記ステップ261で行われる反復計算法としては各種の方法が考えられている。具体的には従来の線形法や、線形法と比べて誤差が少ない非線形法がある。線形法の一例としては“Van citter's法”があり、非線形法の一例としては“Gold's ratio法”、“Richardson-Lucy法”がある。
エタロン分光器32に設けられるセンサアレイ36は、各チャンネルi毎に配置されたフォトダイオードアレイで構成されている。計測されたスペクトル波形f(λ)と装置関数h(λ)は、各チャンネルi毎のフォトダイオードアレイのカウント値(検出値)から求められ、計測されたスペクトル波形データf(λ)と装置関数データh(λ)とすることができる。反復計算法である“Van citter's法”を下記(23)式で示し、“Gold's ratio法”を下記(24)式で示し、“Richardson-Lucy法”を下記(25)式で示す。
Figure 2004271498
Figure 2004271498
Figure 2004271498
なお(23)〜(25)式において、f(k−1)(λ)=h(λ)*g′(k−1)(λ)とし、初期の計測スペクトル波形はg′(0)(λ)=f(λ)とする。
またノイズの影響を小さくするために自己相関と相互相関のプレフィルタを使用してもよい。具体的には上記(23)〜(25)式において、f(λ)とf(k−1)(λ)を下記(26a)式、(26b)式に置き換えて計算する。
Figure 2004271498
つぎに上記ステップ262〜ステップ264について詳細に説明する。
図27は本実施形態の基本的概念を説明するための図である。
図27に示すように、第1回目の反復計算の際に演算されたスペクトル波形f(0)(λ)(=h(λ)*g′(0)(λ))は、計測されたスペクトル波形f(λ)よりも太くなる。しかし第2回目の反復計算の際に演算されたスペクトル波形f(1)(λ)(=h(λ)*g′(1)(λ))は、第1回目の反復計算の際に演算されたスペクトル波形f(0)(λ)よりも細くなる。このように第n回目の反復計算の際に演算されたスペクトル波形f(n)(λ)(=h(λ)*g′(n)(λ))は、第(n−1)回目の反復計算の際に演算されたスペクトル波形f(n−1)(λ)(=h(λ)*g′(n−1)(λ))よりも細くなり、計測されたスペクトル波形f(λ)に収束していく。
ところが反復計算を繰り返すと、ある段階でスペクトル波形f(k)(λ)(=h(λ)*g′(k)(λ))が計測されたスペクトル波形f(λ)よりも細くなる。この段階で反復計算は十分であるとして反復計算が停止され、この段階で信号回復されたスペクトル波形g′(k)(λ)又は前の段階で信号回復されたスペクトル波形g′(k−1)(λ)が最終的なスペクトル波形g′final(λ)として求められる。
演算されたスペクトル波形f(k)(λ)と計測されたスペクトル波形f(λ)との比較は、それぞれの収束判定値が比較されることによって行われる。本明細書では三種類の収束判定について説明する。
[4.1]第1の収束判定
図28は第1の収束判定の概念を説明するための図である。
図28を用いて説明すると、第1の収束判定では、計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%が、スペクトル波形f(k)(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%(k)以下になれば、スペクトル波形f(k)(λ)がスペクトル波形f(λ)に収束したといえる。この段階で反復計算が停止される。
具体的には、計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%が求められ、またスペクトル波形f(k)(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%(k)が求められ、これらが収束判定値として比較される。スペクトル線幅WE%は下記(27b)式によって求められ、スペクトル線幅WE%(k)は下記(27d)式によって求められる。
Figure 2004271498
(27a)式〜(27d)式において、N、N′及びN、N′はラインセンサのフォトダイオードアレイ番号に相当し、それぞれスペクトル波形f(λ)及びf(k)(λ)の全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅の開始点番号と終了点番号である。Dはフォトダイオードアレイの1チャンネル当たりの分散値である。またf(k)(λ)=h(λ)*g′(k)(λ)、g′(k)(λ)はk回目の反復計算の段階におけるデコンボリューション後のスペクトル波形である。そして下記(28)式を満たした場合に反復計算は停止される。
Figure 2004271498
反復計算が停止されると、その反復計算の段階(k回目)で求められたスペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の反復計算の段階(k−1回目)で求められたスペクトル波形g′(k−1)(λ)が、最終的なスペクトル波形g′final(λ)として求められ、これが真のスペクトル波形g(λ)であると想定される。
ある程度の回数迄は反復計算の回数を増やすことによって、スペクトル波形g′(k)(λ)の精度は向上する。しかしある程度の回数を超えて反復計算が継続されるとノイズが増幅されるため、かえってスペクトル波形g′(k)(λ)の精度が低下する。したがって反復計算を停止するタイミングが重要である。このような見地から、本発明者は上記(28)式が満たされれれば、それ以上の反復計算を行う必要がないとした。
第1の収束判定では上記(28)式が満たされた段階で反復計算が停止されるため、過度の反復計算が行われない。したがって反復計算によるノイズの増幅を抑制でき、高精度にスペクトル波形g′final(λ)を求めることができる。
なお露光装置の投影レンズの色収差に直接関わるスペクトル指標値の仕様は95%純度とされている場合が多いため、WE%=W95%(=E95)に設定することによって最適なスペクトル評価が行える。
[4.2]第2の収束判定
図29は第2の収束判定の概念を説明するための図である。
図29を用いて説明すると、第2の収束判定では、計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率Eが、スペクトル波形f(k)(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E(k)以上になれば、スペクトル波形f(k)(λ)がスペクトル波形f(λ)に収束したといえる。この段階で反復計算が停止される。
具体的には、計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率Eが求められ、またスペクトル波形f(k)(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E(k)が求められ、これらが収束判定値として比較される。そして下記(29)式を満たした場合に反復計算は停止される。
Figure 2004271498
反復計算が停止されると、その反復計算の段階(k回目)で求められたスペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の反復計算の段階(k−1回目)で求められたスペクトル波形g′(k−1)(λ)が、最終的なスペクトル波形g′final(λ)として求められ、これが真のスペクトル波形g(λ)であると想定される。
ある程度の回数迄は反復計算の回数を増やすことによって、スペクトル波形g′(k)(λ)の精度は向上する。しかしある程度の回数を超えて反復計算が継続されるとノイズが増幅されるため、かえってスペクトル波形g′(k)(λ)の精度が低下する。したがって反復計算を停止するタイミングが重要である。このような見地から、本発明者は上記(29)式が満たされれれば、それ以上の反復計算を行う必要がないとした。
第2の収束判定では上記(29)式が満たされた段階で反復計算が停止されるため、過度の反復計算が行われない。したがって反復計算によるノイズの増幅を抑制でき、高精度にスペクトル波形g′final(λ)を求めることができる。
なお露光装置の投影レンズの色収差に直接関わるスペクトル指標値の仕様は95%純度とされている場合が多いため、WE%=W95%(=E95)に設定することによって最適なスペクトル評価が行える。
[4.3]第3の収束判定
図30は第3の収束判定の概念を説明するための図である。
図30を用いて説明すると、第3の収束判定では、計測されたスペクトル波形f(λ)とスペクトル波形f(k)(λ)との差が無くなれば、スペクトル波形f(k)(λ)がスペクトル波形f(λ)に収束したといえる。この段階で反復計算が停止される。図30では例えばf(k)(λ)とf(λ)との差がハッチで表されている。
具体的には、計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%の範囲内に含まれるノイズの標準偏差値NE%が求められ、またスペクトル波形f(k)(λ)の誤差の二乗平均値(RMS値)RRMS(k)と誤差の平均値R(k)が求められ、これらが収束判定値として比較される。
スペクトル波形f(k)(λ)について誤差の二乗平均値(RMS値)RRMS(k)は下記(30)式によって求められ、誤差の平均値R(k)は下記(31)式によって求められる。
Figure 2004271498
Figure 2004271498
(30)式、(31)式において、N、Nはラインセンサのフォトダイオードアレイ番号に相当し、スペクトル波形の幅の開始点番号と終了点番号である。N(=N−N+1)はその範囲内のフォトダイオードアレイ数に相当し、データ点数である。またf(k)(λ)=h(λ)*g′(k)(λ)、g′(k)(λ)はk回目の反復計算の段階におけるデコンボリューション後のスペクトル波形である。
一方、ノイズの予測値NE%は本スペクトル計測システムのシステムノイズNsysから求められる。システムノイズNsysには様々なノイズが含まれており、例えばダークノイズNdarkや、ショットノイズNshotや、データ読み込みノイズNreadや、熱ノイズNthermal等が含まれる。
ダークノイズNdarkは分光器に光を入射しない暗状態での計測結果から求めることができる。ショットノイズNshotは分光器に光を入射した場合に発生するノイズであり、光強度Isigに応じて変化する。データ読み込みノイズNreadはデータを読み込む場合に発生するノイズであり、主にA/D変換器のノイズである。熱ノイズNtheamalは温度に起因するノイズであり、絶対温度の平方根に比例する。
ダークノイズNdarkは下記(32)式に示されるようにデータ読み込みノイズNreadと熱ノイズNtheamalとで表される。
Figure 2004271498
ショットノイズNshotは下記(33)式に示されるように入射光の光強度Isigの平方根に比例する。
Figure 2004271498
(33)式において、Kは定数である。
光強度Isig、平均回数MにおけるシステムノイズNsysの標準偏差Nsys(Isig)は下記(34)式により求められる。
Figure 2004271498
計測されたスペクトル波形f(λ)の全エネルギに対する所定スペクトル線幅WE%の範囲内に含まれるノイズの予測値NE%は、上記(34)式を用いて、下記(35)式により求められる。
Figure 2004271498
そして下記(36)式と(37)式を満たした場合に反復計算は停止される。
Figure 2004271498
Figure 2004271498
反復計算が停止されると、その反復計算の段階(k回目)で求められたスペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の反復計算の段階(k−1回目)で求められたスペクトル波形g′(k−1)(λ)が、最終的なスペクトル波形g′final(λ)として求められ、これが真のスペクトル波形g(λ)であると想定される。
ある程度の回数迄は反復計算の回数を増やすことによって、スペクトル波形g′(k)(λ)の精度は向上する。しかしある程度の回数を超えて反復計算が継続されるとノイズが増幅されるため、かえってスペクトル波形g′(k)(λ)の精度が低下する。したがって反復計算を停止するタイミングが重要である。また誤差の二乗平均値(RMS値)RRMS(k)が予測したノイズの標準偏差値NE%以下になるまで反復計算を行う必要があり、誤差の平均値Rがゼロにできる限り近い必要がある。このような見地から、本発明者は上記(36)式及び上記(37)式が満たされれば、それ以上の反復計算を行う必要がないとした。
第3の収束判定では上記(36)式及び上記(37)式が満たされた段階で反復計算が停止されるため、過度の反復計算が行われない。したがって反復計算によるノイズの増幅を抑制でき、高精度にスペクトル波形g′final(λ)を求めることができる。
なお露光装置の投影レンズの色収差に直接関わるスペクトル指標値の仕様は95%純度とされている場合が多いため、WE%=W95%(=E95)に設定することによって最適なスペクトル評価が行える。
本実施形態によれば、反復計算によって高精度にスペクトル波形g(λ)を求めることができ、真のスペクトル波形g(λ)に近づけることができる。この信号回復されたスペクトル波形g′(λ)から得られるスペクトル指標値と、計測されたスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値との相関性を求め、実際のレーザ運転時に、この相関性と計測されたスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値とを用いて、スペクトル波形g′(λ)すなわち真のスペクトル波形g(λ)のスペクトル指標を求めることができる。したがって測定結果の精度が向上する。
前記(14)式は、計測されたスペクトル波形f(λ)における任意の線幅Wと、真のスペクトル波形g(λ)におけるE95との対応関係を示す式である。しかしこれに限らず、計測されたスペクトル波形f(λ)における任意の線幅Wと、真のスペクトル波形g(λ)における任意の線幅Wとの対応関係を示す式を用いてもよい。
例えば下記(38)式は、計測されるスペクトル波形f(λ)と真のスペクトル波形g(λ)の半値全幅W1/2同士を対応付けた式である。ここで計測されるスペクトル波形f(λ)のデータをfW1/2とし、真のスペクトル波形g(λ)のデータをgW1/2とする。
Figure 2004271498
上記(38)式において、a1/2、b1/2は定数である。
また例えば下記(39)式は、計測されるスペクトル波形f(λ)と真のスペクトル波形g(λ)の95%純度W95%(=E95)同士を対応付けた式である。ここで計測されるスペクトル波形f(λ)のデータをfW95%とし、真のスペクトル波形g(λ)のデータをgW95%とする。
Figure 2004271498
上記(39)式において、a95%、b95%は定数である。
以下の本実施形態では(38)式や(39)式を用いて説明する。
露光装置の光源のレーザ装置に搭載された分光器では、露光時の不良露光を防止するため及びレーザを制御するために、1パルス毎に波長及びスペクトルを計測する必要がある。パルス毎に計測するためには、レーザ光のエネルギを高く設定することによってSN比を高くし、計測精度を高くする必要がある。しかしこの場合、分光器に設けられた光学素子やエタロンはエネルギが高いレーザ光に長期間曝されるため劣化する。これによってエタロンのフィネスが悪化する。またセンサアレイのフォトダイオードも劣化する。これらの弊害に起因して計測値がドリフトする。よって長期間レーザを運転すると前記(38)式等には誤差が生じることになる。レーザ光のスペクトル線幅が比較的太い場合、前記(38)式等の誤差は無視できる。しかしレーザ光のスペクトル線幅が比較的細い場合、前記(38)式等で得られる結果の精度は悪化する。本実施形態はレーザ発振中にスペクトル計測のドリフトによる誤差を補正するものであり、(38)式等の定数a又はbを補正するものである。
図31は本発明に係るレーザシステムの構成を示すブロック図である。
図31に示すレーザシステムはガスレーザ装置100と露光装置200とがビームデリバリーユニット300で連結されており、ガスレーザ装置100から出射されるレーザ光がビームデリバリーユニット300を介して露光装置200に入射されるものである。ここに配設されたガスレーザ装置100の構成は次の点を除いて図1に示すレーザ装置1の構成と同じであるとする。
図1に示すガスレーザ装置1には単一のチャンバ10が備えられているが、図31に示すガスレーザ装置100には二つのチャンバ111、121が備えられている。これは所謂2ステージレーザ又はダブルチャンバレーザと呼ばれるレーザ装置である。2ステージレーザはMaster oscillatorと呼ばれるオシレータレーザ110と、Power oscillatorと呼ばれるアンプレーザ120からなる。
オシレータレーザ110はチャンバ111と狭帯域化モジュール20とフロントミラー25からなる。狭帯域化モジュール20とフロントミラー25はチャンバ111の両側には配設され、光共振器を構成する。チャンバ111内で放電励起すると、光共振器間で光が往復し、狭帯域化されたレーザ光がフロントミラー25から出射される。
アンプレーザ120はチャンバ121とリアミラー122とフロントミラー123からなる。リアミラー122とフロントミラー123はチャンバ121の両側に配設され、光共振器を構成する。オシレータレーザ110からのレーザ光がチャンバ121内の放電空間に注入された直後にチャンバ121内で放電励起すると、オシレータレーザ110の狭帯域化された光が光共振器間で増幅されながら往復し、狭帯域化された高出力のレーザ光がフロントミラー123から出射される。
2ステージレーザを備えたガスレーザ装置100によれば、前述したように低出力でスペクトル線幅の非常に狭いレーザ光をオシレータレーザ110から放出し、その光をアンプレーザ120で増幅発振することによってガスレーザ装置1よりもレーザ光のスペクトル線幅を細く且つ高出力とすることが可能である。前述したようにスペクトル線幅を細くすると、ドリフトに起因する(38)式等の誤差の影響が大きくなる。したがって適宜(38)式を補正することが望ましい。
また図1に示すガスレーザ装置1ではデータ処理部40とコントローラ50とが別々の構成とされているが、図31のガスレーザ装置100では二つを機能がコントローラ125に集約されているものとする。
また図31に示すガスレーザ装置100には高速分光器124と高分解能分光器72が備えられおり、アンプレーザ120から出射されるレーザ光が高速分光器124と高分解能分光器72に入射される。高速分光器124では1パルス毎にレーザ光のスペクトル波形f(λ)が計測され、その計測結果がコントローラ125に送信される。高分解能分光器72では複数パルスのレーザ光の積算値から高精度にスペクトル波形g(λ)が計測され、その計測結果がコントローラ125に送信される。
露光装置200には露光装置コントローラ201が設けられており、露光状態に応じてガスレーザ装置100のコントローラ125に制御指令が送信される。
ここで図31に示すレーザシステムの動作を説明する。
図32は図31に示すレーザシステムの処理工程を示す図である。
アンプレーザ120から出射されるレーザ光は1パルス毎に高速分光器124で計測される(ステップ321)。計測されたスペクトル波形f(λ)のデータはコントローラ125に送信され、(38)式等の予め記憶された式から高精度にスペクトル指標値(gW1/2やgW95%)が求められる(ステップ322)。本システムではサンプル数を複数にすることができ、その場合は更に複数パルス分のレーザ光についてのスペクトル指標値が求められ、その平均値又は移動平均値が求められる(ステップ323)。得られたスペクトル指標値は露光装置コントローラ201に送信され、レーザ装置100のパドルに表示される(ステップ324)。
コントローラ125では得られたスペクトルの良否が判定される(ステップ325)。得られたスペクトルが不良であると判定された場合は、(38)式等に誤差が生じたか、実際に露光されたレーザ光のスペクトルが異常であると考えられる。そこでコントローラ125から露光装置コントローラ201に異常通知信号が送信され、レーザ発振が停止される(ステップ327)。そしてガスレーザ装置100のレーザ出射口がシャッタで閉じられ、レーザの調整発振が開始される(ステップ328)。ここで後述する“割り込み処理”にて(38)式等の補正が行われる(ステップ329)。
一方得られたスペクトルが良好であると判定された場合は、レーザ発振時間が判定される(ステップ326)。タイマTでは前回行った(38)式等の補正からの経過時間がカウントされており、タイマTが所定時間Zを超えた場合に、後述する“割り込み処理”にて(38)式等の補正が行われる。
図33は“割り込み処理”の処理工程を示す図である。
高分解能分光器72で複数パルスのレーザ光が計測されスペクトル波形が取得される。この結果を真のスペクトル波形g(λ)であるとしてもよいが、高分解能分光器72の装置関数h(λ)を用いて実施例4に示したデコンボリューション処理を行えば、より高精度に真のスペクトル波形g(λ)を求めることができる。そして求めたスペクトル波形g(λ)の半値全幅gW1/2、95%純度gW95%が演算される(ステップ331)。
また同時に高速分光器124でもパルス毎のレーザ光が計測されスペクトル波形f(λ)が取得されており、計測されたスペクトル波形f(λ)の半値全幅fW1/2、95%純度fW95%が演算される。この二つの半値全幅gW1/2とfW1/2及び半値全幅の定数a1/2を上記(38)式に代入すると、下記(40)式より補正後のb1/2が得られる。
Figure 2004271498
同様に二つの95%純度gW95%とfW95%及び95%純度の定数a95%を上記(39)式に代入すると、下記(41)式より補正後のb95%が得られる。
Figure 2004271498
こうして(38)式のb1/2が補正され、又は(39)式のb95%が補正され、補正後の(38)式又は(39)式がコントローラ125に記憶される(ステップ332)。
なお定数b1/2、b95%でなく定数a1/2、a95%が補正されるようにすることも可能である。
式の補正後、タイマTはリセットされ、新たにカウントが開始される(ステップ333)。
なお高分解能分光器72はガスレーザ装置100内に設けなくてもよい。例えば図31に示す高分解能分光器72′のように、ビームデリバリーユニット300内に設けられていてもよい。この場合は、ビームデリバリーユニット300の出口又は露光装置200内にシャッタが設けられる。
ここでは本実施形態を図31に示す2チャンバのガスレーザ装置100を例にして説明したが、本実施形態を図1に示す単一チャンバのガスレーザ装置1に適用することも可能である。また2チャンバのガスレーザ装置をMaster Oscillator Power Oscillator方式としたが、この方式に限定されることなく、Master Oscillator Power Amprifier方式にしてもよい。この方式はアンプレーザに共振器を有することなくオシレータレーザの出力が増幅される。
本実施形態によれば、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)から得られるスペクトル指標値と、計測されたスペクトル波形f(λ)から得られるスペクトル指標値との相関性が記憶され、この相関性が所定パルス毎に補正される。したがってドリフトが発生したとしても、スペクトル指標値の精度の低下を防止することができる。
実施例5によってドリフトによる誤差は補正される。しかし実施例5では定数a又はbの何れかが補正されるのみである。より精度の高い結果を得るのであれば、定数a及びbを補正することが望ましい。具体的には、レーザによる露光が行われない時、例えばガス交換時に実施例1で説明した“事前処理”と同様の処理を行えばよい。本実施形態はレーザ発振停止時にドリフトによる誤差を補正するものであり、高分解能分光器と高速分光器の相関性を求め直すものである。
図34は本発明に係るレーザシステムの構成を示すブロック図である。
図34に示すレーザシステムが図31に示すレーザシステムと異なる点は、単一のチャンバ401を備える点である。なお図34に示す給排気モジュール402と圧力計403は、通常のガスレーザ装置に備えられているものであって、図31では省略されている。
高分解能分光器72と高速分光器124の相関性を求める手段としては、レーザのスペクトル線幅を変化させる方法がとられる。その一例にレーザガスのうちフッ素ガスの分圧を変化させる方法がある。本発明者が行った実験によれば、フッ素ガスの分圧又はレーザガスの全圧が高くなるに従ってスペクトル線幅が太くなることが確認されている。したがって具体的にはガス交換が行われる。
図35は高分解能分光器と高速分光器の相関性を求める処理工程を示す図である。
本実施形態はレーザによる露光が行われない時に実施されるため、露光装置200には露光不可の旨を通知する信号が送信される(ステップ3501)。ここでコントローラ125から給排気モジュール402にガス交換指令が送信され、チャンバ401内のレーザガスが排気される(ステップ3502)。そしてレーザ光が出射されても露光されないように、ガスレーザ装置400のレーザ出射口がシャッタで閉じられる(ステップ3503)。
相関性を求めるためには、高分解能分光器72で計測されたスペクトル波形から演算されるスペクトル指標と、高速分光器124で計測されたスペクトル波形から演算されるスペクトル指標と、の対応付けをN回行う必要がある。この回数をカウンタCでカウントする。カウンタCには初期値として1が設定される(ステップ3504)。
次にコントローラ125から給排気モジュール402にガス供給指令が送信され、チャンバ401内にガスが供給される。まずフッ素ガスを除くガス、レアガス(Ar又はKr)及びバッファガス(Ne又はHe)が、所定圧になるまでチャンバ401内に供給される(ステップ3505)。チャンバ401内の圧力は圧力計403でモニタされる。続いてフッ素ガス、又はフッ素ガスとバッファガスとの混合ガス、又はフッ素ガスとバッファガスとレアガスとの混合ガスが、所定のフッ素圧になるまでチャンバ401内に供給される(ステップ3506)。そしてレーザ発振が行われる(ステップ3507)。
高分解能分光器72と高速分光器124とでは略同時にスペクトル波形が計測される(ステップ3508)。高分解能分光器72で計測されたスペクトル波形g(λ)から半値全幅gW1/2、95%純度gW95%が演算され、高速分光器124で計測されたf(λ)から半値全幅fW1/2、95%純度fW95%が演算される。コントローラ125ではこれらのデータが互いに対応付けられて記憶される(ステップ3509)。
ここで対応付けの処理回数すなわちカウンタCと所定回数Nとが比較される(ステップ3510)。カウンタCが所定回数Nに到達していなければ、フッ素ガス、又はフッ素ガスとバッファガスとの混合ガス、又はフッ素ガスとバッファガスとレアガスとの混合ガスが、所定のフッ素圧になるまでチャンバ401内に供給される(ステップ3511)。カウンタCに1が加算され、ステップ3508以降の処理が行われる(ステップ3512)。
ステップ3508〜ステップ3512の処理は繰り返される。処理回数が増えるに従ってフッ素ガスの供給回数が増え、スペクトル線幅が太くなる。したがって各回で異なるスペクトル指標が得られる。カウンタCが所定回数Nに到達すると、スペクトル波形の計測は終了され、記憶された各データに基づいて高分解能分光器72と高速分光器124の相関直線が求められる(ステップ3513)。また図8のステップ86で示した回帰分析(最小2乗法)によって相関直線を求めてもよい。
図36は図35の処理によって求められた相関直線を示す図である。
ここでは所定回数を6回とした場合の結果を示している。この直線から定数a、bが求められ、新たな相関性が求められる。
図1は本発明に係るガスレーザ装置の構成を示すブロック図である。 図2はスペクトル線幅の演算工程を示す図である。 図3はエタロン分光器で計測されるフリンジを示す図である。 図4はフリンジを詳細に示す図である。 図5は線幅閾値の演算方法を説明するための図である。 図6はスペクトル純度、コントラストロスの演算工程を示す図である。 図7は“事前処理”を行うための構成を示す図である。 図8は“事前処理”の処理工程を示す図である。 図9は回帰直線を示す図である。 図10は回帰直線を示す図である。 図11は最適化処理の処理工程を示す図である。 図12は“スペクトル波形取得処理”の処理工程を示す図である。 図13は“シミュレーション処理”の処理工程を示す図である。 図14は“残差2乗和演算処理”の処理工程を示す図である。 図15は“スペクトル指標値演算処理”の処理工程を示す図である。 図16はシミュレーションの結果を示す図である。 図17はガス制御の処理工程を示す図である。 図18は従来のガスレーザ装置の構成を示すブロック図である。 図19はエタロン分光器の構成を示す図である。 図20(a)はスペクトル線幅を示す図であり、図20(b)はスペクトル純度を示す図である。 図21はコンボリューション積分の概念をスペクトル波形を用いて説明する図である。 図22はツェルニ・ターナ型の分光器の構成を示す図である。 図23はレーザ光のスペクトル波形を計測する方法の一例を説明するための図である。 図24はエタロン分光器の装置関数を取得するための構成を示す図である。 図25は装置関数の取得工程を示す図である。 図26はスペクトル波形g′final(λ)の取得工程を示す図である。 図27は実施例4の基本的概念を説明するための図である。 図28は第1の収束判定の概念を説明するための図である。 図29は第2の収束判定の概念を説明するための図である。 図30は第3の収束判定の概念を説明するための図である。 図31は本発明に係るレーザシステムの構成を示すブロック図である。 図32は図31に示すレーザシステムの処理工程を示す図である。 図33は“割り込み処理”の処理工程を示す図である。 図34は本発明に係るレーザシステムの構成を示すブロック図である。 図35は高分解能分光器と高速分光器の相関を求める処理工程を示す図である。 図36は図35の処理によって求められた相関直線を示す図である。
符号の説明
10 チャンバ 30 モニタモジュール 32 エタロン分光器
40 データ処理部 50 コントローラ

Claims (14)

  1. レーザ装置に設けられた分光器で計測したレーザ光のスペクトル波形を用いてレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算方法において、
    前記分光器でレーザ光のスペクトル波形を計測し、計測したスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅を演算し、演算したスペクトル線幅と、前記レーザ装置から放出されたレーザ光の真のスペクトル波形のスペクトル線幅又はスペクトル純度又はレーザ光の真のスペクトル波形及びレーザ光を入射する半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスと、を対応付けた相関性を予め記憶し、
    前記相関性の記憶後に前記分光器でレーザ光のスペクトル波形を計測し、計測したスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅を演算し、演算したスペクトル線幅に対応するスペクトル純度又はコントラストロスを前記相関性を用いて求めること
    を特徴とするレーザ光のスペクトル指標値演算方法。
  2. レーザ光のスペクトル波形、前記分光器の装置関数、光量閾値をパラメータとして複数の前記相関性を求め、相関性の精度が最も高くなる前記分光器の装置関数の幅になるように前記分光器を調整し、光量閾値を最適値に設定すること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光のスペクトル指標値取得方法。
  3. 前記レーザ装置から放出されたレーザ光のスペクトル波形を前記分光器よりも分解能が高い分光器で計測し、計測されたスペクトル波形を前記レーザ光の真のスペクトル波形とすること
    を特徴とする請求項1、2記載のレーザ光のスペクトル指標値取得方法。
  4. 前記分光器又はレーザ装置の外部に設けられた外部分光器でレーザ光のスペクトル波形を計測し、計測されたスペクトル波形を計測した分光器の装置関数でデコンボリューション処理し、得られたスペクトル波形を前記レーザ光の真のスペクトル波形とすること
    を特徴とする請求項1、2記載のレーザ光のスペクトル指標値取得方法。
  5. レーザ装置に設けられた分光器で計測したレーザ光のスペクトル波形を用いてレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算装置において、
    前記分光器で計測されるスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅と、前記レーザ装置から放出されたレーザ光の真のスペクトル波形のスペクトル線幅又はスペクトル純度又は前記レーザ光の真のスペクトル波形及びレーザ光を入射する半導体露光装置の色収差関数から演算されるコントラストロスと、を対応付けた相関性を予め記憶する記憶部と、
    前記分光器で計測されるスペクトル波形の光量閾値におけるスペクトル線幅を演算し、求めたスペクトル線幅に対応するスペクトル純度又はコントラストロスを前記記憶部の相関性を用いて求める演算部と、を備えたこと
    を特徴とするレーザ光のスペクトル指標値取得装置。
  6. 分光器を利用してレーザ光のスペクトル波形を計測する波形計測手段と、
    前記分光器の装置関数h(λ)の線幅よりも狭いスペクトル線幅の単一縦モード発振するレーザ光を出力するコヒーレント光源と、
    前記分光器に前記コヒーレント光を入力して計測される前記分光器の装置関数h(λ)を記憶する記憶手段と、
    真のスペクトル波形g(λ)のレーザ光を前記分光器に入力して計測されたスペクトル波形f(λ)と、前記記憶手段に記憶された装置関数h(λ)と、を用いてデコンボリューション処理を行い、信号回復されたスペクトル波形g′(λ)を演算する演算手段と、
    を備えたスペクトル波形計測装置において、
    前記演算手段は、
    デコンボリューション処理を反復計算によって行い、反復計算のk回目では、
    (k−1)回目の反復計算で得られたスペクトル波形g′(k−1)(λ)と、
    このスペクトル波形g′(k−1)(λ)と前記装置関数h(λ)とをコンボリューション積分して得られたスペクトル波形f(k−1)(λ)と、
    計測された前記スペクトル波形f(λ)と、
    を用いてスペクトル波形g′(k)(λ)を演算し、また、
    この演算されたスペクトル波形g′(k−1)(λ)と前記装置関数h(λ)とをコンボリューション積分してスペクトル波形f(k)(λ)を演算することとし、
    更に各回の反復計算毎に、このスペクトル波形f(k)(λ)と、計測された前記スペクトル波形f(λ)と、を所定の収束判定条件にて比較し、所定条件を満たした回で反復計算を停止し、その回に演算された前記スペクトル波形g′(k)(λ)又は1回前の回に演算された前記スペクトル波形g′(k−1)(λ)を最終的に求める前記スペクトル波形g′(λ)とすること
    を特徴とするスペクトル波形計測装置。
  7. 前記演算手段は、
    計測された前記スペクトル波形f(λ)について、全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%を演算し、
    反復計算の各回毎に、コンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)について、全エネルギのうちの所定比率E%のエネルギを含むスペクトル線幅WE%(k)を演算し、
    反復計算の各回毎に、前記スペクトル線幅WE%と前記スペクトル線幅WE%(k)とを比較し、前記スペクトル線幅WE%(k)が前記スペクトル線幅WE%以下になった回で反復計算を停止すること
    を特徴とする請求項6記載のスペクトル波形計測装置。
  8. 前記所定比率E%を95%とすること
    を特徴とする請求項7記載のスペクトル波形計測装置。
  9. 前記演算手段は、
    計測された前記スペクトル波形f(λ)について、全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E%を演算し、
    反復計算の各回毎に、コンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)について、全エネルギのうち所定スペクトル線幅WE%に含まれるエネルギの比率E′(k)%を演算し、
    反復計算の各回毎に、前記比率E%と前記比率E′(k)%とを比較し、前記比率E′(k)%が前記比率E%以上になった回で反復計算を停止すること
    を特徴とする請求項6記載のスペクトル波形計測装置。
  10. 前記比率E%を95%とすること
    を特徴とする請求項9記載のスペクトル波形計測装置。
  11. 前記演算手段は、
    計測された前記スペクトル波形f(λ)に含まれる前記分光器の計測ノイズNsysを予測演算し、
    反復計算の各回毎に、計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の二乗平均値RRMS (k)を演算し、
    反復計算の各回毎に、前記計測ノイズNsysと前記二乗平均値RRMS (k)とを比較し、前記計測ノイズNsysが前記二乗平均値RRMS (k)以下になった回で反復計算を停止すること
    を特徴とする請求項6記載のスペクトル波形計測装置。
  12. 前記演算手段は、
    計測された前記スペクトル波形f(λ)に含まれる前記分光器の計測ノイズNsysを予測演算し、
    反復計算の各回毎に、計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の二乗平均値RRMS (k)を演算し、また計測された前記スペクトル波形f(λ)とコンボリューション積分で得られた前記スペクトル波形f(k)(λ)との差の平均値R (k)を演算し、
    反復計算の各回毎に、前記計測ノイズNsysと前記二乗平均値RRMS (k)との比較と、前記平均値R (k)と所定値との比較のうち、少なくとも一方の比較を行い、前記計測ノイズNsysが前記二乗平均値RRMS (k)以下になるか、前記平均値R (k)が所定値以下になった回で反復計算を停止すること
    を特徴とする請求項6記載のスペクトル波形計測装置。
  13. パルス発振するレーザ装置から出力されるレーザ光を計測し、そのレーザ光のスペクトル指標値を演算するレーザ光のスペクトル指標値演算装置において、
    第1の分光器を利用して1パルス毎にレーザ光のスペクトル波形を計測する第1のスペクトル波形計測手段と、
    前記第1の分光器よりも分解能が高い第2の分光器を利用してレーザ光のスペクトル波形を計測する第2のスペクトル波形計測手段と、
    前記第1のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第1のスペクトル指標値と、前記第2のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第2のスペクトル指標値と、を対応付けた相関性を予め記憶する記憶手段と、
    1パルス毎に、前記第1のスペクトル波形計測手段の計測結果から第1のスペクトル指標値を演算し、この第1のスペクトル指標値に対応する第2のスペクトル指標値を前記相関性を用いて取得するスペクトル指標値取得手段と、
    所定パルス毎に、前記第1のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第1のスペクトル指標値と、前記第2のスペクトル波形計測手段の計測結果から求められる第2のスペクトル指標値と、を用いて、前記相関性を補正する補正手段と、を備えたこと
    を特徴とするレーザ光のスペクトル指標値演算装置。
  14. 前記第2のスペクトル波形計測手段に請求項6記載のスペクトル波形計測装置を使用すること
    を特徴とする請求項13記載のレーザ光のスペクトル指標値演算装置。
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