JP2004221550A - 圧電体積層構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電特性を改善し、かつ機械加工だけでなくフォトリソグラフィーによる微細加工を可能とする圧電体積層構造体を提供する。
【解決手段】圧電体3の分極方向が逆になるように中間層4を介して圧電体3を配置した構造を基本単位とし、この基本単位を1単位以上積層する。これにより、圧電体3の分極方向が交互に反対になるため、中間層3を介した圧電体同士は交互に反対方向に変位することになり、変位も力も改善される。
【選択図】図1
【解決手段】圧電体3の分極方向が逆になるように中間層4を介して圧電体3を配置した構造を基本単位とし、この基本単位を1単位以上積層する。これにより、圧電体3の分極方向が交互に反対になるため、中間層3を介した圧電体同士は交互に反対方向に変位することになり、変位も力も改善される。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜の圧電体を積層した圧電体積層構造体に関する。このような圧電体積層構造体は、ロボット、マイクロアクチュエータ、インクジェットヘッド、圧電振動子、圧電共振器、フィルタ、超音波トランスデューサ、弾性表面波デバイス、センサなど、各種の圧電体デバイスに幅広く適用される。
従来、圧電体積層構造体は、セラミック板や単結晶を用いた圧電体を分極処理し、この圧電体同士を分極方向が反対になるように接着剤で接着して積層していく構造となっていた。結晶中で分極方向を反転させる方法としては、ニオブ酸リチウム単結晶にチタンを拡散させることによりチタン拡散部分の分極方向を反転層とする方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、圧電体材料に圧電特性の優れているチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた圧電体が、アクチュエータ等の各種の圧電体応用分野で使われている。PZT以外の圧電体材料としては、用途に応じてニオブ酸リチウムやチタン酸ビスマス、水晶、酸化亜鉛、窒化アルミニウム等の無機材料やポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料も実用化されている。
中村他、電子通信学会技術研究報告、CPM86−17(1986)
中村他、電子通信学会技術研究報告、CPM86−17(1986)
しかしながら、上述したような従来技術においては、圧電体としてセラミック板や単結晶を用いているために、圧電体応用においては高周波化に適していなかった。また、個々の圧電体の厚さも通常は10μm以上であるために積層体が大型になり、また、機械加工が中心であるために半導体の微細加工に比べて精密構造の形成が困難であった。さらに、圧電体の厚さが厚いと共振周波数も低下するため、圧電体応用における高周波化には不適であり、アクチュエータ等では使用できる駆動周波数が大きくすることができないという問題もあった。
さらに、圧電体同士を接着剤により積層する方法は、通常、接着剤が有機物であるために高温での使用ができなかった。また、接着剤の厚さも分布が大きいために圧電特性のばらつきが生じていた。
また、ニオブ酸リチウムにチタンを拡散させる方法は、チタンの拡散と分極方向を反転させるために1000℃以上の高温が必要である。この方法は、ニオブ酸リチウム単結晶が非常に高価であり、単結晶の結晶方位も限られる。さらに、チタンの拡散範囲も限定されるために分極方向を反転させた圧電体の厚さの制御に限界もあった。また、ニオブ酸リチウムを用いてチタンを拡散させる方法では、2層構造は作れるが、これ以上の多層化が困難であるという問題もあった。
また、圧電体材料としては、PZTがアクチュエータをはじめとして各種応用分野で使われているが、地球環境問題からPZTを構成する鉛の使用制限が検討されている。すでに、圧電体応用分野以外の分野では、はんだやレンズ等で鉛を全く含まない材料が使われるようになっている。このように、圧電体応用分野でも圧電特性が優れているだけでは、実用材料とは言えなくなっており、環境負荷の少ない材料で優れた圧電特性を実現することが急務になってきている。
また、各種の圧電体応用製品の小型化も重要であり、このためには圧電体の厚さをより薄くして、機械加工では不可能な微細加工に対応する必要もある。
本発明の目的は、接着剤や環境負荷の大きい圧電体材料を使用することなく優れた圧電特性を実現することができるとともに、機械加工だけでなく微細加工をも可能とする圧電体積層構造体を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の圧電体積層構造体は、圧電特性を備える圧電体を積層した積層体からなる圧電体積層構造体において、前記積層体は、前記圧電体同士の界面に中間層を配置した積層体であり、前記中間層を介した前記圧電体同士は互いにその分極方向が反対方向であることを特徴とするものである。
したがって、電圧印加時に中間層を介した圧電体同士は互いに反対方向に変位することになり、変位も力も改善させることができるため、同じ膜厚で1層だけ成膜された圧電体と比較して大きな圧電特性を得ることができる。
また、高周波応用においても、本発明では圧電体の層間に中間層があり、この中間層の存在により圧電体の分極方向が明確になるために、従来の接着剤を用いるような場合に比べて、共振周波数のばらつきを少なくすることもできる。このために、共振の度合いを示すQ値も大幅に改善することが可能である。
以上説明したように本発明の圧電体積層構造体は、中間層を介した圧電体同士の分極方向が互いに反対方向であるため、電圧印加時に中間層を介した圧電体同士は互いに反対方向に変位することになり、変位、力、さらには高周波応用における共振周波数やQ値も改善させることができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による圧電体積層構造体の断面図である。
図1に示した本発明の一実施形態による圧電体積層構造体は、基板1に電極2aを積層したものの上に、次のような圧電体積層体7が形成された構造となっている。すなわち、圧電体積層体7は、圧電体3同士の界面に中間層4を配置した積層体であり、中間層4を介した圧電体3同士は互いにその分極方向が反対方向である。また、圧電体積層体7の上下の面には導電性材料からなる電極2を配置している。
圧電体3および中間層4の製造方法としては、各種真空成膜法、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MOCVD法、MBE法などが一般的に使用できる。また、ゾルゲル法、水熱法、化学気相法、各種メッキ法や焼結法なども使用可能である。
圧電体3の厚さは、目的の用途に応じて任意に設定可能であるが、1層分の厚さは20μm未満であることが望ましい。図1では、圧電体3の各層の厚さが同じであるように図示されているが、必ずしも同じ厚さでなくても良いことは言うまでもない。また、圧電体3の圧電体材料としては、圧電特性を有する材料であればいかなる材料も使用可能である。また、圧電体積層体7は、当該圧電体積層体7を構成する圧電体3がすべて同一の圧電体材料からなるものであっても良く、また、当該圧電体積層体7を構成する一の圧電体3が他の圧電体3とは異なる圧電体材料(組成が異なる、結晶構造が異なる、結晶状態が異なる等)からなるものであっても良い。ただし、環境問題を考慮すると、圧電体3の圧電体材料には、温度変化等により鉛、水銀、カドミウムやクロム等の重金属等の有害な元素を放出しない安定な材料であることが望ましいことは言うまでもない。
中間層4の厚さは、目的の用途に応じて任意に設定可能である。中間層4の厚さT1は、圧電体積層体7を構成する圧電体3の中で最も薄い圧電体3の膜厚T2に対して、0<T1≦T2の関係を満足することが望ましい。また、中間層4に用いられる材料には何ら制限がないが、圧電体材料と格子定数あるいは熱膨張係数が類似している材料が好ましい。
このように、圧電体3は、セラミック板や結晶を用いることなく、真空成膜法等で製造されるため、圧電体3の厚さを薄くすることができるとともに、主に有機材料からなる接着剤を用いる必要がなくなる。同様に、中間層4も、真空成膜法等で製造されるため、中間層4の厚さも薄くすることができる。
したがって、機械加工では不可能な微細加工に対応することもできるため、機械加工だけでなく、半導体加工技術を利用した微細加工およびレーザー光を利用した加工などを適用して圧電体積層構造体を加工することが可能となる。
上記のような圧電体積層構造体は、例えば、圧電定数d31を利用する場合、圧電体積層構造体を片持ち支持した状態で、圧電体積層構造体の電極2に交流電圧を印加すると、中間層4を介した圧電体3同士の分極方向が反転しているために、中間層4を介した圧電体3は互いに反対方向に変位することになる。
このため、圧電体3を単独で用いた場合と比較して、変位も力も改善させることが可能であり、優れた圧電特性を実現することができる。特に、圧電体3を積層した構造にすることにより、印加電圧に対する変位特性のヒステリシスも緩和され、精密な変位を制御できるアクチュエータとして使用することができる。また、圧電特性が大きく改善されるため、上述のような環境負荷の少ない材料を用いた場合にも、優れた圧電特性を実現することができる。
なお、圧電体3の層数は、目的の用途に応じて任意に設定可能であり、図2に示すように、圧電体3と中間層4とを交互に成膜することとして、圧電体3の層数をさらに増やすことができる。たとえば、本発明の圧電体積層構造体を高周波応用の分野に適用する場合には、圧電体積層体7の共振周波数や共振の度合いを示すQ値が問題になるが、圧電体積層体7を構成する圧電体3の厚さや層数、面積などを調整することにより、目的の共振周波数を得ることができる。このため、本発明の圧電体積層構造体を用いて数十MHzから数百GHzの振動子や共振素子を実現することができる。
また、図1および図2に示した圧電体積層構造体においては、電極2は、圧電体積層体7の上下の面に配置するだけでなく、圧電体積層体7の上下のどちらかの面に配置しても良い。
さらに、本発明の圧電体積層構造体は、図3に示すように、基体A上に圧電体積層体7を形成した構造とすることも可能である。なお、図3に示した圧電体積層構造体においては、圧電体積層体7の構成、圧電体積層体7を構成する圧電体3および中間層4の好ましい形態(製造方法、厚さ、材料、層数等)は、図1に示したものと同様とである。また、図3に示した圧電体積層構造体においては、電極2は、圧電体積層体7の上下の面に配置するだけでなく、圧電体積層体7の上面に配置しても良く、また、基体Aと圧電体3の間に配置しても良く、また、基体Aと圧電体3の間および圧電体積層体7の上面に配置しても良く、また、基体Aの下面(圧電体3がある面と反対側の面)に配置しても良い。
以下に、具体的な実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、以下の実施例では、圧電体、中間層、電極の作製には、RFスパッタリング法等のスパッタリング法(以下、スパッタ法とも称する)を用いるが、本発明は、これらに限定されるものではないことは言うまでもない。
(実施例1)
本実施例では、以下のような方法で図1の圧電体積層構造体を作製した。
本実施例では、以下のような方法で図1の圧電体積層構造体を作製した。
まず、石英ガラス(厚さ0.5mm)である基板1に、スパッタ法でチタン/白金の積層電極である電極2a/電極2を形成した。本実施例では、チタンの電極2aは50nm、白金の電極2は100nmである。
次に、チタン/白金の積層電極の上に、酸化亜鉛をターゲット材料としてRFスパッタ法で酸化亜鉛膜を5μm成膜して圧電体3とし、続いて200nmの酸化マグネシウム膜を成膜して中間層4とした。
その後、酸化マグネシウム膜の上に、金属亜鉛をターゲット材料としてRFスパッタ法で酸化亜鉛膜を5μm成膜して圧電体3とし、続いて、電極2として白金電極を150nm取り付け、圧電体積層構造体とした。
ここで、上記のように作製した圧電体積層構造体に電圧を印加して、光変位計により変位を測定した。測定方法は、図4に示すように、圧電体積層構造体を台8上に片持ち支持した状態で、圧電体積層体7の上下に配置された電極2にリード線を取り付けて電源5(本実施例では、5Hz〜50Hzの低周波交流電源を使用)で交流電圧を印加した。このように電圧が印加されると、圧電体3は、圧電体3の横効果により積層方向に垂直、つまり基板1の長手方向に収縮または伸長する。このために圧電体積層構造体は全体として基板1の長手方向に垂直に屈曲変形する。この変形を光変位計6で検出することにより圧電特性を調べた。本実施例では、圧電体積層体7を幅が2mm、長さが10mmになるように機械加工により切断したものを試料として用いた。測定結果を図5に示す。
また、比較のために、本実施例の圧電体積層構造体の電極2間に形成されている圧電体3および中間層4からなる積層体の代わりに、金属亜鉛をターゲット材料として10μmの酸化亜鉛膜を成膜し、1層圧電体を形成した圧電体積層構造体、および、酸化亜鉛をターゲット材料として10μmの酸化亜鉛膜を成膜し、1層圧電体を形成した圧電体積層構造体についても上記と同様に変位を測定した。金属亜鉛をターゲット材料とした場合の測定結果を図6に示し、酸化亜鉛をターゲット材料とした場合の測定結果を図7に示す。
図6および図7からわかるように、ターゲット材料を金属亜鉛から酸化亜鉛にすることにより、変位の位相が変化していることが確認された。
これに対して、本実施例では、図5からわかるように、圧電体3の総膜厚が10μmと同じであっても、変位量が約2倍に増大していることが確認された。
(実施例2)
本実施例では、以下のような方法で図3の圧電体積層構造体を作製し、これを薄膜共振子とした。
本実施例では、以下のような方法で図3の圧電体積層構造体を作製し、これを薄膜共振子とした。
まず、シリコン(100)ウエハーである基体Aに、酸化シリコンをRFスパッタ法で2.5μmの厚さで形成し、この酸化シリコンを基板1とする。
次に、基板1の上に、下部電極となる電極2をRFスパッタ法で形成した。この下部電極の材料は、Cr/Auであり、その膜厚は10nm/200nmである。この下部電極は、成膜後、図2のようにフォトリソグラフ技術によりパターニングした。
次に、下部電極の上に、圧電体3と中間層4とを交互に成膜して圧電体積層構造体7を形成する。まず、ZnO焼結体をターゲットとして2.2μmの厚さのZnO膜を成膜して圧電体3とし、次いで、0.1μmのアルミナ膜を成膜して中間層4とし、さらに、Zn金属をターゲットにして2.2μmの厚さのZnOを成膜して圧電体3とする。
次に、圧電体積層構造体7の上に、上部電極となる電極2をCr/Auをそれぞれ10nm/200nmの厚さに形成した。
最後に、シリコン(100)ウエハーである基体Aの裏面に、酸化シリコン膜を2μm形成し、これをマスクになるようにパターニングした後、EDP液(46%エチレンジアミン+4%ピロカテコール+50%水)でシリコン(100)ウエハーを図3のようにエッチングして薄膜共振子を作製した。
ここで、上記のように作製した圧電体積層構造体の電極2間に電力を投入して、圧電体3の厚み方向の振動モードのアドミタンスを測定した。測定結果を図8に示す。図8に示すように、共振周波数は466MHz、Qは5000であった。この結果は、本発明の圧電体積層構造体が薄膜共振子として十分な機能を示すことを示している。これに対して、ZnO膜を1層とし、その厚さを4.5μm、酸化シリコン膜を2.5μmとした場合には、共振周波数は同じであったが、Qは730であった。
(実施例3)
本実施例では、以下のような方法で、図2のように圧電体積層体7に電極2を取り付けた構造の圧電体積層構造体を作製し、これを薄膜共振子とした。
本実施例では、以下のような方法で、図2のように圧電体積層体7に電極2を取り付けた構造の圧電体積層構造体を作製し、これを薄膜共振子とした。
まず、エポキシ板に、RFスパッタ法でCr/Auからなる電極2を形成する。この電極2を所望の形状にパターニングした後、電極2以外の部分をエポキシ樹脂で覆うようにする。
次に、金属アルミニウムをターゲット材料として窒化アルミニウム膜を8nm成膜して圧電体3とする。続いて、酸化マグネシウム焼結体をターゲット材料として酸化マグネシウム膜を1nm成膜して中間層4とし、さらに、窒化アルミニウム焼結体をターゲット材料として窒化アルミニウム膜を8nm成膜して圧電体3とする。
以降、酸化マグネシウム焼結体、窒素アルミニウム焼結体、酸化マグネシウム焼結体、金属アルミニウムを順次ターゲット材料とした成膜を2000回繰り返し行い、圧電体積層体7を形成した。
その後、圧電体積層体7の上に、Cr/Auからなる電極2を形成し、最後にエポキシ樹脂を取り除いて、薄膜共振子とした。
ここで、上記のように作製した薄膜共振子の電極2間に電力を投入して、圧電体3の厚み方向の振動モードのアドミタンスを測定した。測定結果を図9に示す。図9に示すように、共振周波数が60GHz、Qが60000の薄膜共振子が得られた。
(実施例4)
図10に示すように、まず、シリコンウエハーを異方性エッチングして作製したシリコン加工体11にパイレックスガラス(振動板)10を陽極接合してインクジェット用インク室とした。続いて、Cr/Auの電極2を形成した。さらに、圧電体3として酸化亜鉛をターゲット材料にして成膜した酸化亜鉛膜(膜厚3μm)、中間層4として酸化シリコン焼結体をターゲット材料として成膜した酸化シリコン膜(膜厚0.2μm)、圧電体3として金属亜鉛をターゲット材料にして成膜した酸化亜鉛膜(膜厚7μm)を連続して成膜して圧電体積層体7とし、この圧電体積層体7上に電極2としてCr/Auを取り付けた。これを圧電体積層構造体9とし、上記のインク室に形成した。最後に、フォトリソグラフィーを用いて幅200μm、長さ3mmにパターニングし、インクジェットヘッドを作製した。
図10に示すように、まず、シリコンウエハーを異方性エッチングして作製したシリコン加工体11にパイレックスガラス(振動板)10を陽極接合してインクジェット用インク室とした。続いて、Cr/Auの電極2を形成した。さらに、圧電体3として酸化亜鉛をターゲット材料にして成膜した酸化亜鉛膜(膜厚3μm)、中間層4として酸化シリコン焼結体をターゲット材料として成膜した酸化シリコン膜(膜厚0.2μm)、圧電体3として金属亜鉛をターゲット材料にして成膜した酸化亜鉛膜(膜厚7μm)を連続して成膜して圧電体積層体7とし、この圧電体積層体7上に電極2としてCr/Auを取り付けた。これを圧電体積層構造体9とし、上記のインク室に形成した。最後に、フォトリソグラフィーを用いて幅200μm、長さ3mmにパターニングし、インクジェットヘッドを作製した。
ここで、液体供給口12を液体(例えば、水、アルコール、カラーインクなど)タンク(不図示)と接続して、圧電体積層構造体9にパルス電圧を印加したところ、ノズル13からの液体の吐出が観測された。この時の液体の吐出速度は、液体にイソプロピルアルコールを用いた場合、最高10m/sであった。
これに対して、酸化亜鉛膜を10μmの厚さに成膜して1層圧電体を形成したインクジェットヘッドを作製したところ、パルス電圧を印加しても液体の吐出が観測されないことがあり、また、液体の吐出が観測されてもイソプロピルアルコールの吐出速度は最高1m/sであった。
1 基板
2,2a 電極
3 圧電体
4 中間層
5 電源
6 光変位計
7a,7b,7c 圧電体積層体
8 台
9 圧電体積層構造体
10 パイレックスガラス(振動板)
11 シリコン加工体
12 液体供給口
13 ノズル
A 基体
2,2a 電極
3 圧電体
4 中間層
5 電源
6 光変位計
7a,7b,7c 圧電体積層体
8 台
9 圧電体積層構造体
10 パイレックスガラス(振動板)
11 シリコン加工体
12 液体供給口
13 ノズル
A 基体
Claims (9)
- 圧電特性を備える圧電体を積層した積層体からなる圧電体積層構造体において、
前記積層体は、前記圧電体同士の界面に中間層を配置した積層体であり、前記中間層を介した前記圧電体同士は、互いにその分極方向が反対方向であることを特徴とする圧電体積層構造体。 - 前記積層体の上下の面、または、前記積層体の上下の一方の面に電極を配置したことを特徴とする請求項1に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体は、基体上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体の上下の面、または、前記積層体の上面、または、前記基体と前記圧電体の間、または、前記基体と前記圧電体の間および前記積層体の上面、または、前記基体の下面に、電極を配置したことを特徴とする請求項3に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体を構成する中間層の厚さT1は、前記積層体を構成する圧電体の中でもっとも薄い圧電体の厚さT2に対して、0<T1≦T2の関係を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体を構成する圧電体の1層の厚さは、20μm未満であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体を構成する圧電体および中間層は、真空成膜法、メッキ法、ゾルゲル法、水熱法、化学気相法、焼結法のいずれかを用いて製造されたものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体は、当該積層体を構成する圧電体がすべて同一材料からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電体積層構造体。
- 前記積層体は、当該積層体を構成する一の圧電体が他の圧電体とは異なる材料からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電体積層構造体。
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