JP2003185502A - レーザ装置及び波長検出方法 - Google Patents

レーザ装置及び波長検出方法

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JP2003185502A
JP2003185502A JP2001384049A JP2001384049A JP2003185502A JP 2003185502 A JP2003185502 A JP 2003185502A JP 2001384049 A JP2001384049 A JP 2001384049A JP 2001384049 A JP2001384049 A JP 2001384049A JP 2003185502 A JP2003185502 A JP 2003185502A
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Toru Suzuki
徹 鈴木
Takanori Nakaike
孝昇 中池
Satoru Busshida
了 仏帥田
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Gigaphoton Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エタロンの経時変化等による特性の変動が生
じても波長検出に影響を及ぼさず、正確な波長制御が行
えるレーザ装置を提供する。 【解決手段】 このレーザ装置は、レーザ発振器と、第
1の基準光源及びグレーティング型分光器を含み、第1
の基準光源から出力される基準光の波長とレーザ発振器
から出力されるレーザ光の波長とを検出する第1の波長
検出手段と、第2の基準光源及びエタロン型分光器を含
み、第2の基準光源から出力される基準光の波長とレー
ザ発振器から出力されるレーザ光の波長とを検出する第
2の波長検出手段と、第1及び第2の波長検出手段によ
って得られる検出結果に基づいて、レーザ発振器から出
力されるレーザ光の波長と目標波長との関係を求める制
御手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、レーザ
装置に関し、特に、出力されるレーザ光の波長を制御す
ることができるレーザ装置に関する。さらに、そのよう
なレーザ装置を用いて波長を検出する、波長検出方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置製造用の縮小投影露光装置
(以下ステッパという)の光源として、エキシマレーザ
が使用されている。エキシマレーザ光を十分に透過し、
かつ均一性及び加工精度の得られるレンズ材料として
は、合成石英及び蛍石(フッ化カルシウム)しか使用で
きない。そのため、色収差補正をした縮小投影レンズの
設計は難しい。したがって、ステッパの光源として波長
の短いレーザ光を用いる場合には、色収差が無視できる
程度まで、レーザ光を狭帯域化する必要があり、しかも
この狭帯域化された出力レーザ光の波長を高精度に安定
化制御する必要がある。
【0003】狭帯域化されたエキシマレーザの発振波長
の安定化は、レーザ出力光の一部を分光器へ入射させ、
エタロン又はグレーティングを用いて計測することによ
り行われてきた。日本国特許第2631553号公報に
は、エタロンとグレーティングを用いて発振波長の安定
化を図ったエキシマレーザ装置が開示されている。図2
0に、かかる装置の構成を示す。図20において、レー
ザチャンバ100内には、封入されたレーザガス等を放
電励起するための電極(図示せず)、レーザガスを還流
させるためのファン(図示せず)等が設けられている。
レーザチャンバ100のフロント側にはウインド101
とフロントミラー103が配置されており、リア側には
ウインド102と狭帯域化部130とが配置されてい
る。狭帯域化部130は、リアミラーとして機能すると
共に出力レーザ光の狭帯域化を行うもので、例えばプリ
ズム等が配置されている。狭帯域化されたレーザ光は、
フロントミラー103を通って出力され、その一部が部
分反射ミラー104によって取り出される。取り出され
たレーザ光は、基準光源105から発生した基準光と共
に、モニタエタロン430及びグレーティング型分光器
440に導かれる。モニタエタロン430及びグレーテ
ィング型分光器440によって検出された波長を表すデ
ータが波長コントローラ108に出力され、このデータ
に基づき、ドライバ109を介して、狭帯域化部130
内に配置された波長選択素子の選択波長が制御される。
【0004】図21に、モニタエタロン430の具体例
を示す。図21において、部分反射ミラー104(図2
0)によって分割されたレーザ光の一部は、拡散板43
1で均一化され、部分反射ミラー432を通過し、ま
た、基準光源105から発生した基準光は部分反射ミラ
ー432によって反射して、これらはエタロン435の
方へ出射される。エタロン435を透過したレーザ光及
び基準光は、色消しレンズ434を通過し、干渉縞43
7、438をそれぞれ形成する。ここで、レーザ光によ
る干渉縞437と、基準光による干渉縞438の位置を
センサ436によって検出することにより、基準光を基
準としたレーザ光の相対波長を検出し、波長の安定した
既知の基準光(例えば、水銀同位体ランプの出力光)の
波長からレーザ光の絶対波長を求めることができる。こ
のように、基準光の干渉縞の位置438とレーザ光の干
渉縞の位置437との差分からレーザ波長を計算すれ
ば、温度等によって変動する分光器の分光特性の変動分
を相殺することができる。
【0005】図22にグレーティング型分光器440の
具体例を示す。図22において、基準光及び分割された
レーザ光の一部は、同一光路で入射光学系451に入射
し、ミラー443によって全反射され、凹面鏡442に
導かれ、凹面鏡442によって入射スリット444の位
置で集光させ、入射スリット444を通過する。入射ス
リット444を通過した光は、凹面鏡445によって平
行光に変換され、グレーティング446に入射する。グ
レーティング446によって反射回折した光は、波長に
よって回折角が異なる。この回折光は、凹面鏡447に
よって反射され、回折光の入射スリット像として焦点面
452に結像する。この焦点面にはそれぞれの波長に対
するそれぞれの回折光の入射スリット像448、449
が結像することになり、波長が変化すると入射スリット
像448、449の位置が変化する。そこで、この基準
光の回折光の入射スリット像448とレーザ光の入射ス
リット像449の位置を、光位置センサ450によって
それぞれ検出することにより、基準光を基準としたレー
ザ光の相対波長を検出し、レーザ光の絶対波長を検出す
ることができる。
【0006】再び図20を参照すると、このレーザ装置
は、エタロンを用いた狭い波長範囲を高分解能で分光す
るモニタエタロン430とグレーティングを用いて広い
波長範囲を低分解能で分光するグレーティング型分光器
440とを搭載している。レーザの目標発振波長λT
レーザの実際の発振波長λLとの差Δλが大きい場合に
は、グレーティング型分光器440を用いてレーザ波長
を計測し、レーザの波長選択素子を制御して目標発振波
長へ近づけ、その差が十分に小さくなった時点でモニタ
エタロン430を用いてレーザ発振波長を高精度に検出
して目標発振波長へ更に近付ける制御を行う。即ち、レ
ーザの発振波長と目標発振波長との差が大きい場合と、
差が小さい場合とでモニタエタロン及びグレーティング
型分光器を使い分ける。
【0007】ここで、エタロンのギャップをd、エタロ
ンギャップの空間の屈折率をn、波長λの光がエタロン
に入射する角度(垂直入射光軸からの傾斜角度)をθと
すると、(1)式が成り立つときに光は最大強度でエタ
ロンを透過し、波長λに応じた位置に集光する。 m・λ=2・n・d・cosθ …(1) (1)式中、mは次数と言われる整数である。ここで、
θ=0のときの波長をλ 0とすれば、(2)式が成り立
つ。 m・λ0=2・n・d …(2) (1)式、(2)式から(3)式が得られる。 m(λ0−λ)=2nd(1−cosθ)=4nd・sin2(θ/2) …(3) θ≒0ではsinθ≒θであるので、近似式として
(4)式が得られる。 m(λ0−λ)=n・d・θ2 …(4) 集光レンズの焦点距離をf、干渉縞半径をr(m)とす
れば、r(m)=f・tanθ≒fθであるので、
(5)式が得られる。 λ=λ0−(n・d/(f2・m))・(r(m))2 …(5) ここで、波長基準となる光源の出力光波長をλS、レー
ザ光の波長をλL、それぞれの干渉縞半径をr(mS)、
r(mL)、それぞれの次数をmS、mLとすると、
(6)式及び(7)式が得られる。 λS=λ0−(n・d/(f2・mS))・(r(mS))2 …(6) λL=λ0−(n・d/(f2・mL))・(r(mL))2 …(7) (6)式と(7)式から(8)式が得られる。 λL=λS−(n・d/f2)((r(mL))2/mL−(r(mS))2/mS ) …(8) (8)式においてλS、n、d、fは既知の値であり、
干渉縞半径r(mS)、r(mL)は対応する次数mS
Lにおける実測値であるから、レーザ光の波長λLを計
算することができる。
【0008】ところで、(8)式においては、屈折率n
を一定としたが、エタロンギャップ内の気体の分子数が
変化すると、その屈折率nの値が変動し、また、一般に
物質の屈折率は波長ごとに異なるので、エタロンギャッ
プの光学長n・dは一定ではない。そこで、波長による
屈折率の変化を考慮した計算式を以下に求める。なお、
収差のためレンズの焦点距離fも波長により異なるの
で、レンズは色消し処理を施してあるものとする。
【0009】レーザ波長をλL、基準光波長をλS、これ
らの各波長における屈折率をそれぞれnL、nSとすれ
ば、(6)式、(7)式はそれぞれ(6’)式、
(7’)式となる。 λS=λ0−(nS・d/(f2・mS))・(r(mS))2 … (6’) λL=λ0−(nL・d/(f2・mL))・(r(mL))2 … (7’) (6’)式と(7’)式から(8’)式が得られる。 λL=λS−(d/f2)〔(nL・(r(mL))2/mL) +(nS・(r(mS))2/mS)〕…(8’ ) (8’)式を用いれば、レーザ光の波長をより正確に計
算することができる。
【0010】しかしながら、熱によるエタロン材の伸縮
があるので、エタロンギャップdは本来一定ではない。
ゼロデュア(登録商標)を用いてエタロンギャップdを
ほぼ一定に保つ技術が開発されているので、(8’)式
においてはエタロンギャップdを一定としていたが、実
際にはエタロンギャップdの変動を無視できないことが
分かってきた。
【0011】即ち、エタロンには、各波長のレーザ光を
高反射率で反射できるように多層の反射膜がコートされ
ている。これらの反射膜の材質は吸湿性を有するので、
エタロンが保管されたり設置される雰囲気中の湿度の影
響を受ける。エタロンの反射膜が含む水分量が変動する
と、反射膜の膜厚が変化したり、光学特性が変化し、
(8’)式中のエタロンギャップdが時間と共に変化す
る。
【0012】例えば、エタロンを用いた低分解能で広い
波長範囲を分光する第1の波長検出器と、エタロンを用
いた高分解能で狭い波長範囲を分光する第2の波長検出
器とを用いて、レーザ発振波長を目標発振波長に近付け
るような制御を行う場合には、(8’)に基づいてレー
ザ波長λLを計算するとエタロンギャップdの変動が加
味されない数値しか求めることができない。したがっ
て、この数値λLを用いて、波長誤差Δλ=λT−λL
小さくなるような制御を行っても、実際に波長誤差Δλ
が小さくなる制御が行われているとは限らない。図20
に示すレーザ装置のように、第1の波長検出器としてグ
レーティングを含む波長検出器を用いた場合には、エタ
ロンのような問題は生じないが、第1の波長検出器によ
る制御の後、第2の波長検出器による制御に移行した時
点で、同様の問題が生じてくる。一方、エタロンを採用
せず、第1、第2の波長検出器にグレーティングを搭載
した場合には、光量が少ないため、パルス発振するエキ
シマレーザやフッ素分子レーザでは複数のパルスを分光
してラインセンサ検出結果を積分することが必要である
ので、パルスごとに波長を正確に制御することはできな
い。したがって、パルスごとに波長を制御するために
は、エタロンを採用する必要がある。
【0013】(8’)式中のエタロンギャップdは、エ
タロン製造後、保管中、及びレーザに搭載された後、周
囲の湿度等の影響を受けて変動するので、エタロンギャ
ップdの変動値を計算によって補正することは極めて困
難である。また、エタロンの保管中や使用中の湿度等が
一定となるように管理することは、理論上は可能である
が、保管や輸送が煩雑になり、レーザ光の波長モニタも
複雑化し、コストアップにもつながる。そのため、エタ
ロンの経時変化等による特性の変動が生じても波長計測
に影響を及ぼさないような波長計測手段を含むレーザ装
置の開発が求められていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決すべくなされたものであり、エタロンの経時変化
等による特性の変動が生じても波長計測に影響を及ぼさ
ず、正確な波長制御が行えるレーザ装置を提供すること
を目的とする。さらに、本発明は、そのようなレーザ装
置を用いて、波長を検出し、制御する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の観点に係るレーザ装置は、レーザ発
振器と、第1の基準光源及びグレーティング型分光器を
含み、第1の基準光源から出力される基準光の波長とレ
ーザ発振器から出力されるレーザ光の波長とを検出する
第1の波長検出手段と、第2の基準光源及びエタロン型
分光器を含み、第2の基準光源から出力される基準光の
波長とレーザ発振器から出力されるレーザ光の波長とを
検出する第2の波長検出手段と、第1及び第2の波長検
出手段によって得られる検出結果に基づいて、レーザ発
振器から出力されるレーザ光の波長と目標波長との関係
を求める制御手段とを具備する。
【0016】また、本発明の第2の観点に係るレーザ装
置は、レーザ発振器と、第1の基準光源及びグレーティ
ング型分光器を含み、第1の基準光源から出力される基
準光の波長とレーザ発振器から出力されるレーザ光の波
長とを検出する第1の波長検出手段と、エタロン型分光
器を含み、レーザ発振器から出力されるレーザ光の波長
を検出する第2の波長検出手段と、第1及び第2の波長
検出手段によって得られる検出結果に基づいて、レーザ
発振器から出力されるレーザ光の波長と目標波長との関
係を求める制御手段とを具備する。
【0017】本発明の第1の観点に係る波長検出方法
は、第1の基準光源及びグレーティング型分光器を含む
第1の波長検出手段を用いて、第1の基準光源から出力
される基準光の波長とレーザ発振器から出力されるレー
ザ光の波長とを検出するステップ(a)と、第2の基準
光源及びエタロン型分光器を含む第2の波長検出手段を
用いて、第2の基準光源から出力される基準光の波長と
レーザ発振器から出力されるレーザ光の波長とを検出す
るステップ(b)と、ステップ(a)及びステップ
(b)における検出結果に基づいて、レーザ発振器から
出力されるレーザ光の波長と目標波長との関係を求める
ステップ(c)とを具備する。
【0018】また、本発明の第2の観点に係る波長検出
方法は、第1の基準光源及びグレーティング型分光器を
含む第1の波長検出手段を用いて、第1の基準光源から
出力される基準光の波長とレーザ発振器から出力される
レーザ光の波長とを検出するステップ(a)と、エタロ
ン型分光器を含む第2の波長検出手段を用いて、レーザ
発振器から出力されるレーザ光の波長を検出するステッ
プ(b’)と、ステップ(a)及びステップ(b’)に
おける検出結果に基づいて、レーザ発振器から出力され
るレーザ光の波長と目標波長との関係を求めるステップ
(c)とを具備する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。なお、同一の構成要素につ
いては同一の参照番号を付して、これらの説明を省略す
る。
【0020】図1に、本発明の第1の実施形態に係るレ
ーザ装置の構成を示す。図1において、レーザ装置は、
レーザ光を発生するレーザ共振器を備えている。レーザ
共振器のレーザチャンバ1内には、レーザ媒質として、
Ar、F2、He等のガスを含む混合ガスが数気圧で充
填されている。レーザチャンバ1には、放電用の一対の
電極(図示せず)が紙面と直交する方向に対向して配置
されており、電極間には、パルスパワーモジュール等の
高圧電源(図示せず)によってパルス状の高電圧が印加
される。レーザチャンバ1内にレーザ媒質を供給し、電
極間に高電圧を印加して放電を起こすと、レーザ媒質か
ら光が発生する。
【0021】レーザチャンバ1のリア側とフロント側の
壁には、それぞれウインド2、3が、レーザチャンバ1
を貫く光軸と所定のブリュースタ角を為すように配置さ
れている。レーザチャンバ1のリア側には、リアミラー
として機能すると共に、出力レーザ光を狭帯域化する狭
帯域化部30が配置されている。
【0022】波長狭帯域化部30によって狭帯域化され
たレーザ光は、ウインド2からレーザチャンバ1内に進
入し、増幅されたレーザ光がレーザチャンバ1からウイ
ンド3を通過し、レーザ共振器の外部に出力される。本
実施形態に係るレーザ装置は、第1の波長検出手段60
の前段に、第2の波長検出手段50を含んでいる。ウイ
ンド3から出射したレーザ光は、第2の波長検出手段5
0の方に出射する。
【0023】第2の波長検出手段50に入射したレーザ
光は、第2の波長検出手段50内に配置されたビームス
プリッタ4によって第1の方向(図中右側)と第2の方
向(図中下側)とに分割される。ビームスプリッタ4を
第1の方向に通過したレーザ光は、ビームスプリッタ5
によって第1の方向(図中右側)と第3の方向(図中下
側)とに分割され、ビームスプリッタ5を第1の方向に
通過したレーザ光は、第1の波長検出手段60の方向に
出射する。第1の波長検出手段60に入射したレーザ光
は、第2の波長検出手段内に配置されたビームスプリッ
タ6によって第1の方向(図中右側)と第4の方向(図
中下側)とに分割され、ビームスプリッタ6を第1の方
向に通過したレーザ光は、レーザ装置の出力光として露
光器に入射する。
【0024】一方、ビームスプリッタ4によって第2の
方向に反射されたレーザ光は、ビームスプリッタ4の下
方に設置された部分反射ミラー7を透過してコースエタ
ロン型分光器12に入射する。ビームスプリッタ5によ
って第3の方向に反射されたレーザ光は、ビームスプリ
ッタ5の下方に配置された部分反射ミラー8を透過して
ファインエタロン型分光器13に入射する。また、第2
の基準光源10から発生した第2の基準光は、その一部
が部分反射ミラー7によって反射されてコースエタロン
型分光器12に入射し、残りの基準光は部分反射ミラー
7を通過して部分反射ミラー8によって反射され、ファ
インエタロン型分光器13に入射する。
【0025】ビームスプリッタ6によって第4の方向に
反射されたレーザ光は、ビームスプリッタ6の下方に配
置された部分反射ミラー9を透過してグレーティング型
分光器14に入射する。また、第1の基準光源11から
発生した第1の基準光は、部分反射ミラー9によって反
射されてグレーティング型分光器14に入射する。
【0026】第1の波長検出手段60内に配置されたグ
レーティング型分光器14によって検出された結果と、
第2の波長検出手段50内に配置されたコースエタロン
型分光器12及びファインエタロン型分光器13によっ
て検出された結果は、波長コントローラ15に出力さ
れ、ドライバ16を介して狭帯域化部30内に配置され
た波長選択素子の制御が行われる。
【0027】以下に、図1に示すレーザ装置を用いて波
長を検出し、制御する方法の原理を説明する。レーザ光
の発振開始後、まず、第1の基準光源11から発生した
基準光と、レーザ発振器から発生したレーザ光とを第1
の波長検出手段60を用いて分光し、基準光とレーザ光
がラインセンサ上に集光する位置の差からレーザ光の波
長λLを計算する。但し、グレーティング型分光器14
は光量損失が大きいので、複数のパルスレーザ光の積分
値によって波長を検知する。
【0028】ここではグレーティングを用いるので、エ
タロンを用いた場合に生じる反射膜特性変動の影響は無
く、レーザ光の波長λLの正確な値(絶対波長)が得ら
れる。なお、レーザ光の波長λLが目標発振波長λTから
大きく外れていた場合には、狭帯域化部内に配置された
波長選択素子を制御することにより、レーザ光の波長λ
Lを目標発振波長λTに近付ける。レーザ光の波長λL
目標発振波長λTとの差が小さくなると、第2の波長検
出手段内に配置されたエタロンへ波長λTの光が入射し
たときにラインセンサ上に形成される干渉縞と、波長λ
Lの光を入射したときにラインセンサ上に形成される干
渉縞とは、同一次数で隣り合う位置になる。したがっ
て、波長選択素子を制御することによって2つの干渉縞
を一致させれば、レーザ光の波長λLを目標発振波長λT
に確実に近付けることができる。
【0029】つまり、レーザ光を第2の波長検出手段へ
入射させたときにラインセンサ上に形成される干渉縞の
位置Psを波長λSとして記憶する。この干渉縞の位置
Psを基準としてレーザ光の目標発振波長λTに該当す
るラインセンサ上の位置を求め、波長選択素子を制御す
ることにより、レーザ光の形成する干渉縞が位置Psに
近付くようにすればよい。また、位置Psはエタロンの
様々な特性変化を反映した値であるから、たとえエタロ
ン特性が変化したとしても、レーザ光の波長λ Lを目標
発振波長λTへ近付けるための制御において誤差は少な
くなる。また、エタロンを用いるので、レーザのパルス
発振ごとに波長を検知して波長制御を行うようにフィー
ドバックすることができる。
【0030】なお、図1に示すレーザ装置を用いれば、
露光装置へレーザ光を出力しつつ、レーザ光の波長の校
正を行うことができる。
【0031】図2に、第1の波長検出手段の具体例の構
成を示す。図2において、発生したレーザ光を分割する
ビームスプリッタ71と、全反射ミラー72とが配置さ
れ、全反射ミラー72の上方に部分反射ミラー73が配
置されていて、全反射ミラー72で反射されたレーザ光
は部分反射ミラー73を通過してグレーティング型分光
器69の方へ導かれる。また、第1の基準光源74とし
てのPtランプから発生した第1の基準光は、干渉フィ
ルタ75及びレンズ75’、シャッタ76を通過して部
分反射ミラー73に入射し、反射して第1の波長検出手
段の方へ出射する。レンズ75’は基準光源74の光を
集光して効率良く分光器69に入射させる。グレーティ
ング型分光器69は、内部全体の温度調節が可能なよう
に全体が筐体で覆われており、グレーティング型分光器
への入り口部には、スリット67が配置されている。ス
リット67を通過したレーザ光及び第1の基準光は、3
個の全反射ミラー、すなわちミラー66、ミラー65、
ミラー64によって全反射した後、レンズ63によって
平行光となり、グレーティング62に入射する。次い
で、グレーティング62によって分光されたレーザ光と
第1の基準光はレンズ63を通過し、ミラー64、ミラ
ー65、ミラー66によって反射した後、CCD68に
入射する。なお、ビームスプリッタ71は、移動ステー
ジ(図示せず)上に配置されており、レーザ光の光路を
クローズにするときには実線で示した位置に配置され、
レーザ光の光路をオープンにするときには破線で示した
位置に配置される。
【0032】ここで、ミラーに誘電体多層膜を設けたも
のを使用して、干渉フィルタ75の代替とすることがで
きることを以下に説明する。Ptランプは、紫外光のみ
だけでなく可視光も発生する。また、グレーティング分
光器からの回折光に関し、異なる波長でも回折次数と波
長の積が同一なら、回折角は同一となる。例えば、波長
λ1で回折次数m1と、波長λ2で回折次数m2とが、
式m1×λ1=m2×λ2の関係を満たせば、λ1とλ
2のスペクトルは同じ位置に回折されて識別することが
できない。したがって、Ptランプの193nm近傍の
発光線のみを取り出す必要がある。そのために、波長バ
ンドパス特性を持つ干渉フィルタを用いてもよいが、透
過率が非常に小さく、例えば、193nmの領域で半値
幅±20nmの領域のみを透過するフィルタの透過率は
15%である。このため検出されるスペクトル強度が小
さくなり、S/N比が低下し、波長検出精度を悪化させ
る。
【0033】これを改善するために、干渉フィルタを用
いず、図2におけるミラー64及びミラー65として、
波長193nm近傍で光反射率の高い誘電体多層膜ミラ
ーを使用することができる。例えば、図3(a)に示す
ような分光反射率特性を持つミラーをミラー64および
ミラー65に使用すると、光は、グレーティング分光器
に入射した後、多層膜ミラーによって合計4回反射され
ることになる。このため、分光反射率特性は図3(b)
に示すようになり、波長193nmにおける反射率が9
0%以上で、それ以外の波長ではほぼ0%に近い。した
がって、結果として、半値幅±7nmで透過率が90%
以上のフィルタ機能が実現されることになり、干渉フィ
ルタよりも性能の非常に優れたものとなる。
【0034】グレーティング型分光器69は、密閉構造
にすることが好ましい。このような構成にすれば、検出
されるスペクトルの波形は、グレーティング型分光器内
の気体の流れによる撹乱、屈折率変動および屈折率分布
による影響を受けにくくすることができる。また、この
密閉構造の筐体全体を一定温度に調節保持することによ
り、外気温度の変化による機械部品および筐体の熱膨張
による分光器性能の変化を防止して、安定性の良い波長
測定を行うことができる。
【0035】次に、本発明の第1の実施形態に係るレー
ザ装置を用いて波長を検出、制御する方法について説明
する。図4〜図8は、波長を検出して制御するための方
法の一例を示すフローチャートである。本実施形態にお
ける波長検出について、ArFエキシマレーザ、及び第
1の基準光源としてNe封入Pt(白金)ランプを用い
た場合を例にとり具体的に説明する。半導体露光用の狭
帯域化されたArFエキシマレーザの目標発振中心波長
は、約193.368nm±0.1nmである。一方、
Ne封入Ptランプは、波長193nmの近傍に複数の
発振線を有し、ここではPtの波長Pt1=193.4
3690nmとNeの波長Pt2=193.00345
nmを基準波長として用いる。
【0036】図4において、まず、ガス交換した後であ
るか、又はレーザ装置の運転を開始してから所定時間
(T1)が経過した後であるかを判断する。ガス交換し
た後、又は所定時間が経過した後のいずれかに該当する
場合には、第1の波長検出手段(グレーティング型分光
器+第1の基準光源)による波長検出サブルーチン(図
5及び図6)に移行する。すなわち、ガス交換するたび
に、また、所定時間経過するたびに、グレーティング分
光器を用いた第1の波長検出手段によって、目標発振波
長との間に大きなずれが生じていないか判断する。所定
時間(T1)は、例えば1週間〜1ヶ月である。上記場
合に該当しないときには、第2の波長検出手段(コース
&ファインエタロン+第2の基準光源)による波長検出
サブルーチン(図7)に移行する。
【0037】以下に、第1の波長検出手段による波長検
出サブルーチンについて説明する。グレーティング分光
器を含む第1の波長検出手段による波長検出サブルーチ
ンのフローチャートを図5及び図6に示す。図5に示す
ように、第1の波長検出手段による波長検出サブルーチ
ンが開始されると、まず、ステップS21において、ヒ
ータに電流を供給して第1の波長検出手段を加熱し、温
度コントロールを開始する。これにより、波長検出を開
始する際に、第1の波長検出手段を加熱して所定の温度
範囲内になるようにする。そのようにする理由は、第1
の波長検出手段の近傍にはレーザチャンバを始めとする
熱源が存在するので、第1の波長検出手段が加熱されて
分光特性が変動するのを防ぐために、予め波長検出手段
自体の温度を上げておく必要があるからである。
【0038】ステップS22において、第1の波長検出
手段が所定の温度範囲内であるか判断し、所定の温度範
囲内にない場合には、第1の波長検出手段の温度が所定
の温度範囲内となるように安定するまで待ってから、ス
テップS23へ移行する。第1の波長検出手段が所定の
温度範囲内に該当する場合には、ステップS23におい
て、第1の基準光源(Ptランプ)のシャッタを閉じ
る。
【0039】次に、ステップS24において、過去の発
光時間の合計から第1の基準光源が寿命に達したか否か
を判断し、寿命に達している場合にはエラー信号を発し
て、第1の基準光源のランプを交換する。第1の基準光
源がまだ寿命に達していない場合には、ステップS25
において、第1の基準光源の電源を入れる。ステップS
26において、第1の基準光源の電源を入れてから発光
が安定するまでの所定時間が経過したか判断する。所定
時間に達していない場合にはステップS26を繰り返
す。第1の基準光源の電源を入れてから所定時間が経過
した場合には、ステップS27において、シャッターを
閉じたままで、CCDラインセンサの出力を検出する。
これはバックグラウンドノイズを計測して、後のステッ
プにおいて検出する光信号からノイズを除去するためで
ある。次いで、ステップS28において、第1の基準光
源のシャッタを開き、ステップS29において、第1の
基準光源から出力される基準光(Pt、Ne)のスペク
トルを計測し、基準光の分光データを記憶する。
【0040】基準光はスリットを通過し、各ミラーで反
射して焦点距離820mmのレンズでコリメートされ、
グレーティング(溝線数94本/mm、ブレーズ角80
度)で回折される。回折した光は逆の光路をたどって、
再び各ミラーで反射してCCDラインセンサ(センサ画
素サイズ24ミクロン)に入射する。CCDラインセン
サは、例えば1024チャンネルのCCD素子を羅列し
た受光素子であって、各チャンネルが分光された光の波
長に対応するため、Ptの波長Pt1=193.436
90nmとNeの波長Pt2=193.00345nm
のそれぞれに対応するCCD素子が強い光強度を検知す
る。Ptランプの発光強度は小さいため、ラインセンサ
による受光はある程度の時間行い、受光強度を積分し平
均処理してスペクトルを計測する。
【0041】その後、図6に示すように、第1の基準光
源のシャッタを閉じて(ステップS30)、第1の基準
光源の電源を切り(ステップS31)、第1の基準光源
を点灯していた時間を記憶し、過去の点灯時間に加算す
る(ステップS32)。ステップS33において、レー
ザ光をサンプリングするために移動ステージを用いてビ
ームスプリッタを実線位置に移動してレーザ光の光路を
クローズにする。次に、ステップS34において、エキ
シマレーザの発振を開始し、レーザ光を波長検出手段内
へ入射させ、グレーティング型分光器を用いてレーザ光
のスペクトルを計測する(ステップS35)。その後、
移動ステージを用いてビームスプリッタ破線位置へ移動
してレーザ光の光路をオープンにする(ステップS3
6)。基準光(Pt、Ne)の分光データを用いて、レ
ーザ光の絶対波長λAを計算する(ステップS37)。
レーザ光の絶対波長の求め方を図8に示す。
【0042】図8に示すように、ステップS51におい
て、まず基準光及びレーザ光の分光データから、それぞ
れバックグラウンド計測データを差し引いてノイズ成分
を除去する。すなわち、バックグラウンド計測データを
BG(x)、Ptランプのスペクトル計測データをP
t’(x)、エキシマレーザのスペクトル計測データを
Ex’(x)で表すと、PtランプのスペクトルはPt
(x)=Pt’(x)−BG(x)、レーザ光のスペク
トルはEx(x)=Ex’(x)−BG(x)で求めら
れる。ここでxはCCD素子のch番号1〜1024を
表す。
【0043】次いでステップS52において、Pt(波
長Pt1)の検出範囲内でピーク位置(受光強度が最大
の位置)を検出し、そのピーク位置が193.43690nm±Δ
λPtの範囲内にあるか否かを判定する(ステップS5
3)。ここで、ΔλPtは、ピーク位置の誤差の許容範囲
を表し、例えば5pm程度に設定しておく。検出したP
tのピーク位置が上記範囲外である場合には、分光器が
正常に動作していないかランプに異常が生じているもの
として、エラー信号を発生する。ピーク位置が所定の範
囲内である場合には、ステップS54において、2次関
数補間演算によりピーク位置X1を計算する。次に、N
e(波長Pt2)の検出範囲内でピーク位置(受光強度
が最大の位置)をサーチして、そのピーク位置が19
3.00345nm±ΔλNeの範囲内にあるか否かを判
定する。ここで、ΔλNeは、ピーク位置の誤差の許容範
囲を表し、例えば5pm程度に設定しておく。検出した
Neのピーク位置が上記範囲外である場合には、分光器
が正常に動作していないかランプに異常が生じているも
のとして、エラー信号を発生する。ピーク位置が上記範
囲内にある場合には、ステップS57において、2次関
数補間演算によりピーク位置X2を計算する。なお、ス
テップS54及びステップS57においてピーク位置の
計算をより精度よく行うためには、ピーク位置近傍のデ
ータを使用して2次関数補間演算、3次関数補間演算等
の補間演算を適宜選択して行うことが好ましい。
【0044】次に、レーザ波長Exについても同様の手
順でピーク位置を計算する。ステップS58において、
レーザ光のピーク位置を検出し、ステップS59におい
て、ピーク位置が所定の範囲内にあるか判断する。検出
したピーク位置が所定の範囲内である場合には、ステッ
プS60において、例えば2次関数補間演算を用いてピ
ーク位置XExを計算する。
【0045】ステップS61において、計算して得られ
た各ピーク位置(X1、X2、XEx)から、下記に示す
式を用いて、レーザの実際の発振波長(絶対波長)λEx
(=λA)求める。
【数1】
【0046】ここで、β0はCCDの中心位置(座標原
点)に回折光が戻る場合のグレーティング分光器の出射
角であり、β1、β2は基準光源から発生した基準光の
波長がそれぞれλ1、λ2の場合のグレーティング分光
器の出射角、βExはエキシマレーザの場合のグレーティ
ング分光器の出射角である。また、X1、X2は、基準
光の波長λ1、λ2のそれぞれのスペクトルがCCD上
に結像する位置の、CCD中心位置からの距離、XEx
エキシマレーザのスペクトルがCCD上に結像する位置
の、CCD中心位置からの距離、fはレンズの焦点距離
を表す。
【0047】図9を用いて具体的に説明すると、基準光
(波長λ1)はグレーティングによって出射角β1で出
射され、CCD中心位置からX1の距離の位置に結像す
る。同様に、基準光(波長λ2)はグレーティングによ
って出射角β2で出射され、CCD中心位置からX2の
距離の位置に結像し、エキシマレーザ光はグレーティン
グによって出射角βExで出射され、CCD中心位置から
Exの距離のところに結像する。図10に、CCD上に
結像したPtランプの基準光及びエキシマレーザ光の位
置とセンサ出力との関係を示す。
【0048】再び図6を参照すると、ステップS38に
おいて、第2の基準光源を用いてコースエタロンとファ
インエタロンの干渉縞を検出する。一般に、粗い測定を
行う場合にはコースエタロン型分光器が使用され、細か
い測定を行う場合にはファインエタロン型分光器が使用
される。ステップS39において、エキシマレーザによ
る干渉縞を検出し、ステップS40において、第2の基
準光源及びエキシマレーザによる干渉縞からエキシマレ
ーザの波長λEを計算した後、ステップS41におい
て、式ΔλA=λE−λAを用いてΔλAを計算する。
【0049】以下に、第2の波長検出手段による波長検
出サブルーチンについて説明する。図7に示すように、
第2の波長検出手段による波長検出サブルーチンが開始
されると、ステップS11において、第2の基準光源を
点灯し、ステップS12において、基準光源の発光が安
定したか判断し、安定していない場合にはステップS1
1を安定するまで繰り返す。基準光源の発光が安定した
ら、第2の基準光によるコースエタロンの干渉縞又はフ
ァインエタロンの干渉縞の検出を行う(ステップS1
3)。次にエキシマレーザの発振を行い(ステップS1
4)、発振しない場合には発振するまでステップS13
〜S14を繰り返す。発振した後は、ステップS15に
おいてエキシマレーザによる干渉縞を検出する。次に、
ステップS16において、第2の基準光及びレーザ光に
よる干渉縞を用いて、レーザ光の波長λEを計算する。
ステップS17において、Δλ=λT−λEの計算を行
い、ステップS18において波長コントローラの目標発
振波長を(Δλ+ΔλA)だけシフトさせる。その後、
ステップS14〜S18の操作を繰り返す。
【0050】ここではPtランプの発振線193.00
345nmと193.4369nmの組み合わせを使用
する場合を記載したが、これ以外に193.00345
nmと193.22433nmの組み合わせ、193.
22433nmと193.4369nmの組み合わせ、
193.74245nmと193.4369nmの組み
合わせを用いて波長を検出しても良い。また、Ptラン
プ以外にAsランプの193.759nmと193.0
0345nmの輝線を使用しても良い。
【0051】以上の操作において、第1の波長検出手段
によってレーザ光を分光する時間と同一時刻に第2の波
長検出手段によってラインセンサ上に形成された干渉縞
の位置を計測し、その位置を第1の波長検出手段によっ
て求められた絶対波長の値で校正すれば、様々な要因に
よりエタロンの特性が変化したとしても正しい絶対波長
に再校正することができる。なお、エタロンの特性変化
は時間的に非常に緩やかに変化する現象であり、レーザ
光の波長制御に悪影響を及ぼすようなレベルは数ヶ月間
以上かかる。したがって、そのようなレベルに達する前
に、例えば数週間から1ヶ月ごとに、第2の波長検出手
段を用いて再校正する作業を実施すればよい。
【0052】本発明においては、レーザ光のスペクトル
と、基準光源のスペクトルとを同時に計測することもで
きる。第1の実施形態に係る波長検出、制御方法におい
ては、まず第1の基準光源であるPtランプのスペクト
ルを計測し、次にエキシマランプレーザ光のスペクトル
を計測したが、これは同時にPtランプのスペクトルと
レーザ光のスペクトルとを計測すると、レーザ光の波長
がPtランプの発光線と一致する場合には計測できなく
なるためである。ところが、計測可能なレーザ光の波長
領域をPtランプの発光線以外の部分のみに限定すれ
ば、Ptランプのスペクトルとエキシマレーザ光のスペ
クトルとを同時に計測することができる。この方法によ
れば、Ptランプのスペクトルとレーザ光のスペクトル
とを計測する計測時間のずれによる分光器性能の変動の
影響を避けることができる。
【0053】以下に、第1の波長検出手段において、グ
レーティングによる波長の検出と、第1の基準光の波長
の計測とを同時に行う本発明の第2の実施形態について
説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る波
長検出方法を説明するためのフローチャートである。第
1の波長検出手段による波長検出を開始する際に、ステ
ップS120において、ヒータに電流を供給して第1の
波長検出手段を加熱し、温度コントロールを開始する。
ステップS121において、第1の波長検出手段が所定
の温度範囲内にあるか判断し、所定の温度範囲内にない
場合には、所定の温度範囲内となるように安定するまで
待ってから、ステップS122へ移行する。第1の波長
検出手段が所定の温度範囲内である場合には、ステップ
122において、第1の基準光源のシャッタを閉じる。
【0054】次に、ステップS123において、過去の
発光時間の合計から第1の基準光源が寿命に達したか判
断し、寿命に達していない場合には、第2の基準光源の
電源を入れる(ステップS124)。ステップS125
において、第1の基準光源の電源を入れてから発光が安
定するまでの所定時間が経過したか判断する。所定時間
に満たない場合には所定時間が超えるまでステップS1
25を繰り返して待つ。所定時間を超えた場合には、バ
ックグラウンドを計測しておく(ステップS126)。
ステップS127において、第1の基準光源のシャッタ
を開き、ビームスプリッタを移動して光路をクローズに
する(ステップS128)。
【0055】ステップS129において、エキシマレー
ザ光の目標発振波長が波長測定範囲内にあるか判定し、
測定範囲内にない場合、例えば図13(b)に示すよう
な場合には、エキシマレーザの発振波長を測定範囲内に
移動させる(ステップS130)。例えば図13(a)
に示すように測定範囲内にある場合には、ステップS1
31において、エキシマレーザを発振させ、ステップS
132において、グレーティング型分光器を用いて、第
1の基準光源とエキシマレーザ光のスペクトルとを同時
に計測する。その後、第1の基準光源のシャッタを閉じ
て(ステップS133)、第1の基準光源の電源を切る
(ステップS134)。ステップS135において、第
1の基準光源の点灯時間を加算し、ビームスプリッタを
移動して光路をオープンにする(ステップS136)。
【0056】ステップS137において、レーザ光の絶
対波長λAを求め、ステップS138において、第2の
基準光源によるコースエタロンとファインエタロンの干
渉縞を検出する。次に、ステップS139において、エ
キシマレーザ光による干渉縞を検出する。ステップS1
40において、第2の基準光及びエキシマレーザ光によ
る干渉縞を求めて、これからエキシマレーザの発振波長
λEを計算により求める。その後、式ΔλA=λE−λA
らΔλAを求める。
【0057】次に、本発明の第3の実施形態に係る波長
検出方法について説明する。図14及び図15は、第3
の実施形態に係る波長検出、制御方法を示すフローチャ
ートである。ここでは、基準光(波長Pt1)と同一波
長にエキシマレーザ光の波長を移動させて、波長を校正
する。
【0058】まず、ステップS61において、ヒータへ
電流を供給し、第1の波長検出手段を加熱して所定の温
度範囲内となるようにする。ステップS62において、
第1の波長検出手段が所定の温度範囲内であるか判断
し、所定の温度範囲内にない場合には、第1の波長検出
手段が所定の温度範囲内となるように安定するまで待っ
てから、ステップS63へ移行する。第1の波長検出手
段が所定の温度範囲内に該当する場合には、ステップS
63において、第1の基準光源のシャッタを閉じる。
【0059】次に、ステップS64において、過去の発
光時間の合計から第1の基準光源が寿命に達したか判断
し、寿命に達している場合には基準光源のランプを交換
する。寿命に達していない場合には、ステップS65に
おいて、第1の基準光源の電源を入れる。ステップS6
6において、第1の基準光源の電源を入れてから所定時
間経過したか判断し、経過していない場合には、ステッ
プS66の操作を繰り返して、所定時間が経過するまで
待つ。第1の基準光源の電源を入れてから所定時間経過
した場合には、ステップS67において、第1の波長検
出手段を用いて、レーザ光の波長を第1の基準光源のP
tランプの輝線(波長Pt1)と同一の波長193.4
3690nmとなるように調節する。
【0060】次に、ステップS68において、シヤッタ
ーを閉じたままで、CCDラインセンサの出力を検出し
てバックグラウンドノイズを計測する(ステップS6
8)。ステップS69において、第1の基準光源のシャ
ッタを開き、ステップS70において、第1の基準光源
から出力される基準光のスペクトルを計測し、基準光の
分光データを記憶する。Pt及びNeの光はスリットを
通過し、各ミラーで反射してグレーティング分光器で回
折される。回折した光は逆の光路をたどって、再び各ミ
ラーで反射してCCDラインセンサへ入射する。CCD
ラインセンサは、例えば1024チャンネルのCCD素
子を羅列した受光素子であって、各チャンネルが分光さ
れた光の波長に対応するため、Ptの波長Pt1=19
3.43690nmとNeの波長Pt2=193.00
345nmのそれぞれに対応するCCD素子が強い光強
度を検知する。なお、Ptランプの発光強度は小さいた
め、ラインセンサによる受光はある程度の時間行い、受
光強度を積分し平均処理してスペクトルを計測する。計
測が終ったら第1の基準光源のシャッタを閉じて(ステ
ップS71)、第1の基準光源の電源を切る。また、第
1の基準光源の点灯時間を記憶する。
【0061】その後、ビームスプリッタ(BS)の移動
ステージを実線位置へ移動して光路をクローズにして
(ステップS72)、レーザ光をグレーティング型分光
器内へ入射させる。図15のステップS73において、
グレーティング型分光器によってレーザ光のスペクトル
を計測した後、光路をオープンにする(ステップS7
4)。ステップS75において、基準光(Pt、Ne)
の分光データを用いて、図8に示すフローチャートに基
づいてレーザ光の絶対波長λAを求める。得られたレー
ザ光の波長λAと、レーザ光の現在の設定波長193.
43690nm(Pt1)との誤差を計算し(ステップ
S76)、その値が所定の範囲(たとえば0.01pm
以内)か否か判断し(ステップS77)、誤差が所定の
範囲を越えている場合には、再度その分だけレーザの発
振波長を変化させる(ステップS78)。その後、ステ
ップS69へ戻り、ステップS69〜ステップS77の
操作を所定の誤差以下になるまで繰り返す。
【0062】所定の誤差以下になったら、第1の基準光
源の電源を切り(ステップS79)、第1の基準光源の
点灯時間を加算し(ステップS80)、モニタモジュー
ルによって波長を補正する。すなわち、設定波長が19
3.43690nmとなるように、第1の波長検出手段
を校正する。ここでは、レーザの発振波長をPtランプ
の発光線(波長Pt1)と同一の波長193.4369
0nmに設定したが、それ以外の波長に設定しても良
い。
【0063】次に、本発明の第2の実施形態に係るレー
ザ装置について説明する。図16に、本発明に係る第2
の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す。図16にお
いて、波長狭帯域化部31によって狭帯域化されたレー
ザ光は、ウインド2からレーザチャンバ1内に進入し、
増幅されたレーザ光がレーザチャンバ1からウインド3
を通過し、レーザ共振器の外部に出力される。ウインド
3から出射したレーザ光は、第2の波長検出手段51の
方へ出射される。
【0064】ウインド3から出射したレーザ光は、第2
の波長検出手段51内に配置されたビームスプリッタ7
1によって第1の方向(図中右側)と第2の方向(図中
下側)とに分割される。ビームスプリッタ71を第1の
方向に通過したレーザ光は、ビームスプリッタ6によっ
て第1の方向(図中右側)と第3の方向(図中下側)と
に分割され、ビームスプリッタ6を第1の方向に通過し
たレーザ光は、レーザ装置の出力光として露光器に入射
する。ここで、第2の波長検出手段51は、ファインエ
タロン型分光器のみを含み、コースエタロン型分光器は
含まない。したがって、ビームスプリッタ71によって
第2の方向に反射されたレーザ光は、ビームスプリッタ
71の下方に配置されたファインエタロン型分光器72
に入射する。また、ビームスプリッタ6によって第3の
方向に反射されたレーザ光は、ビームスプリッタ6の下
方に配置された部分反射ミラー9を透過して、部分反射
ミラー9によって反射された第1の基準光と共にグレー
ティング型分光器14に入射する。
【0065】以下に図16に示すレーザ装置を用いて、
波長検出、制御を行う方法について説明する。ただし、
グレーティング型分光器14としては、図1に示すもの
と同一の構成のものを使用し、ファインエタロン型分光
器72においては、FSRが通常の10pmよりも小さ
い2pmのエタロンと、焦点距離が300mmのレンズ
を使用し、CCDセンサとしては、画素サイズが25ミ
クロン、画素数が512chのものを使用した。本実施
形態によれば、図1に示すレーザ装置において使用する
エタロンのFSRよりも小さい値のものを使用すること
が可能となるので、高分解能に優れた波長検出を行うこ
とができるというメリットがある。
【0066】図17〜図19に、本発明の第4の実施形
態に係る波長検出方法のフローチャートを示す。ここで
は、1パルスごとにファインエタロン型分光器を用いて
波長検出を行い、数パルス(N個)ごとにグレーティン
グ型分光器を用いて波長検出を行う。図17に示すよう
に、まず、ステップS91において、カウンタをリセッ
トする。次にファインエタロン型分光器による波長計測
サブルーチン(図18)を開始する(ステップS9
2)。図18に示すように、ステップS101におい
て、エキシマレーザによる干渉縞を検出し、現在の干渉
縞の位置と前回の干渉縞の位置XAとを比較して波長位
置の移動量を求め、これから、現在の波長λNを算出す
る(ステップS102)。次に、ステップS103にお
いて、ターゲットとする目標発振波長λTを求め、目標
発振波長との差Δλ=λT−λNを計算する。次に波長コ
ントローラの制御波長をΔλだけ変更する。
【0067】再び図17を参照すると、ステップS93
において、干渉縞の位置Xiを保存する。ステップS9
4において、グレーティング型分光器の露光を開始し、
カウント数を1つ増加させる(ステップS95)。次
に、カウント数Cntが所定のカウント数Nを超えたか
否か判断し(ステップS96)、所定のカウント数を超
えていない場合にはステップS92に戻り、ステップS
92からS96の操作を繰り返す。カウント数が所定の
カウント数を超えた場合には、グレーティング型分光器
の露光を停止し(ステップS97)、干渉縞の位置Xi
(i=0、…、N−1)から平均的な位置XAを計算に
より求める。
【0068】次に、ステップS99において、グレーテ
ィング型分光器及び第1の基準光源による波長計測サブ
ルーチンを開始する。図19に示すように、ステップS
111において、露光されたスペクトル波形から、エキ
シマレーザ光のスペクトル部分及び第1の基準光源から
出力される基準光のスペクトル部分を切り出す。次に、
ステップS112において、レーザ光の絶対波長λA
計算し、ステップS113において、目標発振波長λT
との差Δλ=λT−λAを計算する。ステップS114に
おいて、波長コントローラの制御波長をΔλだけ変更す
る。再び図17を参照すると、ステップS100におい
て、干渉縞の位置XAに相当する波長を絶対波長λAとす
る。これにより、グレーティング型分光器によって測定
した基準光の絶対波長を基準としながら、レーザ光の波
長をパルスごとに制御することが可能となる。
【0069】ところで、図1又は図16に示すレーザ装
置を使用して、第1の波長検出手段が正常に機能してい
るか否かを判断することもできる。すなわち、第1の基
準光源(Ptランプ)の波長として、既知の3つの発光
線を用い、この内の2つを基準波長とし、もう1つをエ
キシマレーザ光の波長とみなして計測を実施する。計測
された波長がPtランプの波長と同一であれば、第1の
波長検出手段が正常に機能していると判断することがで
きる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エタロンの経時変化等による特性の変動が生じても波長
検出に影響を及ぼさず、正確な波長制御が行えるレーザ
装置を提供することができる。さらに、そのようなレー
ザ装置を用い波長を検出、制御する方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーザ装置の構
成を示す図である。
【図2】本発明のレーザ装置に用いられるグレーティン
グを含む波長検出手段の構成を示す図である。
【図3】(a)は誘電多層膜を形成したミラーの分光反
射率と波長との関係を示す図であり、(b)は誘電多層
膜を形成したミラーによって4回反射された場合の分光
反射率と波長との関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る波長検出方法を
示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る波長検出方法に
おいて、第1の波長検出手段による波長検出方法(前
半)を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る波長検出方法に
おいて、第1の波長検出手段による波長検出方法(後
半)を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る波長検出方法に
おいて、第2の波長検出手段による波長検出方法を示す
フローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る波長検出方法に
おいて、絶対波長を求める方法を示すフローチャートで
ある。
【図9】グレーティングとこれにより回折されCCDセ
ンサ上に結像したレーザ光と基準光の像を示す図であ
る。
【図10】CCDセンサ上に結像した基準光とレーザ光
の位置の関係を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る波長検出方法
(前半)を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る波長検出方法
(後半)を示すフローチャートである。
【図13】(a)は波長検出方法を実施する際に、エキ
シマレーザ光のスペクトルが測定範囲内に存在する場合
を示す図であり、(b)は測定範囲内に存在しない場合
を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る波長検出方法
(前半)を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る波長検出方法
(後半)を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置の
構成を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る波長検出方法
を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4の実施形態に係る波長検出方法
において、第2の波長検出手段による波長検出方法を示
すフローチャートである。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る波長検出方法
において、第1の波長検出手段による波長検出方法を示
すフローチャートである。
【図20】従来のレーザ装置の構成を示す図である。
【図21】レーザ装置に使用されるモニタエタロンの具
体例を示す図である。
【図22】レーザ装置に使用されるグレーティング型分
光器の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1、100 レーザチャンバ 2、3、101、102 ウインド 4、5、6、71 ビームスプリッタ 7、8、9、73、104、432 部分反射ミラー 10 第2の基準光源 11 第1の基準光源 12 コースエタロン型分光器 13 ファインエタロン型分光器 14、69、440 グレーティング型分光器 15 波長コントローラ 16 ドライバ 30、31、130 狭帯域化部 50、51 第2の波長検出手段 60、61 第1の波長検出手段 62、446 グレーティング 63 レンズ 64〜66、72、73 67 スリット 68 CCDセンサ 71 移動ステージ 74 第1の基準光源 75 干渉フィルタ(193nmフィルタ) 76 シャッタ 103 フロントミラー 105 基準光源 108 波長コントローラ 109 ドライバ 244、245 凹面ミラー 246、443 ミラー 430 モニタエタロン 431 拡散板 442、445、447 凹面鏡 444 入射スリット 448、449 入射スリット像 450 光位置センサ 451 入射光学系 452 焦点面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仏帥田 了 栃木県小山市横倉新田400 ギガフォトン 株式会社内 Fターム(参考) 5F072 AA06 HH05 JJ05 JJ13 KK07 KK08 YY09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器と、 第1の基準光源及びグレーティング型分光器を含み、前
    記第1の基準光源から出力される基準光の波長と前記レ
    ーザ発振器から出力されるレーザ光の波長とを検出する
    第1の波長検出手段と、 第2の基準光源及びエタロン型分光器を含み、前記第2
    の基準光源から出力される基準光の波長と前記レーザ発
    振器から出力されるレーザ光の波長とを検出する第2の
    波長検出手段と、 前記第1及び第2の波長検出手段によって得られる検出
    結果に基づいて、前記レーザ発振器から出力されるレー
    ザ光の波長と目標波長との関係を求める制御手段と、を
    具備するレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザ発振器と、 第1の基準光源及びグレーティング型分光器を含み、前
    記第1の基準光源から出力される基準光の波長と前記レ
    ーザ発振器から出力されるレーザ光の波長とを検出する
    第1の波長検出手段と、 エタロン型分光器を含み、前記レーザ発振器から出力さ
    れるレーザ光の波長を検出する第2の波長検出手段と、 前記第1及び第2の波長検出手段によって得られる検出
    結果に基づいて、前記レーザ発振器から出力されるレー
    ザ光の波長と目標波長との関係を求める制御手段と、を
    具備するレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ発振器が、前記レーザ発振器
    から出力されるレーザ光を狭帯域化する狭帯域化手段を
    含み、 前記制御手段が、前記レーザ発振器から出力されるレー
    ザ光の波長を目標波長に近付けるように前記狭帯域化手
    段を制御する、請求項1又は2記載のレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、前記レーザ発振器から
    出力されるレーザ光の波長を、前記第1の基準光源から
    出力される既知の発光線の中から選択された1つの発光
    線の波長に近付けるように前記狭帯域化手段を制御す
    る、請求項3記載のレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の波長検出手段が、前記第1の
    基準光源から出力される第1の基準光をフィルタリング
    するために、波長バンドパス特性を有する干渉フィルタ
    又は誘電体多層膜を使用したミラーを含む、請求項1〜
    4のいずれか1項記載のレーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の波長検出手段が、精度の異な
    る検出を行う複数のエタロン型分光器を含む、請求項1
    〜5のいずれか1項記載のレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記グレーティング型分光器及び/又は
    前記エタロン型分光器が、温度制御手段を有する密閉し
    た筐体内に配置されている、請求項1〜6のいずれか1
    項記載のレーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1又は第2の基準光源が、Ptラ
    ンプ、Neランプ、Asランプ及びHgランプからなる
    群から選ばれた1つであり、前記第1又は第2の基準光
    源から出力される既知の2つの発光線が基準波長として
    用いられる、請求項1〜7のいずれか1項記載のレーザ
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の波長検出手段が正常に機能し
    ているか否かを自己診断するために、前記第1の基準光
    源から出力される既知の3つの発光線の内の2つを基準
    波長として用い、もう1つをレーザ光の波長とみなして
    前記第1の波長検出手段に検出させる自己診断手段をさ
    らに具備する請求項1〜8のいずれか1項記載のレーザ
    装置。
  10. 【請求項10】 第1の基準光源及びグレーティング型
    分光器を含む第1の波長検出手段を用いて、前記第1の
    基準光源から出力される基準光の波長と前記レーザ発振
    器から出力されるレーザ光の波長とを検出するステップ
    (a)と、 第2の基準光源及びエタロン型分光器を含む第2の波長
    検出手段を用いて、前記第2の基準光源から出力される
    基準光の波長と前記レーザ発振器から出力されるレーザ
    光の波長とを検出するステップ(b)と、 ステップ(a)及びステップ(b)における検出結果に
    基づいて、前記レーザ発振器から出力されるレーザ光の
    波長と目標波長との関係を求めるステップ(c)と、を
    具備する波長検出方法。
  11. 【請求項11】 第1の基準光源及びグレーティング型
    分光器を含む第1の波長検出手段を用いて、前記第1の
    基準光源から出力される基準光の波長と前記レーザ発振
    器から出力されるレーザ光の波長とを検出するステップ
    (a)と、 エタロン型分光器を含む第2の波長検出手段を用いて、
    前記レーザ発振器から出力されるレーザ光の波長を検出
    するステップ(b’)と、 ステップ(a)及びステップ(b’)における検出結果
    に基づいて、前記レーザ発振器から出力されるレーザ光
    の波長と目標波長との関係を求めるステップ(c)と、
    を具備する波長検出方法。
  12. 【請求項12】 ステップ(c)が、前記第1の波長検
    出手段を用いて、前記第1の基準光源から出力される既
    知の2つの発光線と前記レーザ発振器から出力されるレ
    ーザ光の波長とを検出することによりレーザ光の絶対波
    長を求め、前記第2の波長検出手段を用いて得られた検
    出結果に基づいて、前記レーザ発振器から出力されるレ
    ーザ光の波長を目標波長に近付けるようにレーザ光の波
    長制御を行うことを含む、請求項10記載の波長検出方
    法。
  13. 【請求項13】 ステップ(c)が、前記レーザ発振器
    から出力されるレーザ光の波長を、前記第1の基準光源
    から出力される既知の発光線の中から選択された1つの
    発光線の波長に近付けるようにレーザ光の波長制御を行
    うことを含む、請求項12記載の波長検出方法。
  14. 【請求項14】 ステップ(a)における検出結果に基
    づいて、前記レーザ発振器から出力されるレーザ光の波
    長を目標波長に近付けるように粗調整を行うステップを
    さらに具備し、 ステップ(c)が、前記レーザ発振器から出力されるレ
    ーザ光の波長を目標波長にさらに近付けるように微調整
    を行うことを含む、請求項10〜13のいずれか1項記
    載の波長検出方法。
  15. 【請求項15】 ステップ(b)又は(b’)が、複数
    のエタロン型分光器を含む第2の波長検出手段を用いて
    精度の異なる検出を行うことを含む、請求項10〜14
    のいずれか1項記載の波長検出方法。
  16. 【請求項16】 ステップ(a)の前に、グレーティン
    グ型分光器を所定温度に調整しておくステップをさらに
    具備する請求項10〜15のいずれか1項記載の波長検
    出方法。
  17. 【請求項17】 ステップ(a)が、前記第1の基準光
    源から出力される基準光の波長と前記レーザ発振器から
    出力されるレーザ光の波長とを同時に検出することを含
    む、請求項10〜16のいずれか1項記載のレーザ光の
    波長検出方法。
  18. 【請求項18】 前記第1の波長検出手段が正常に機能
    しているか否かを自己診断するために、前記第1の基準
    光源から出力される既知の3つの発光線の内の2つを基
    準波長として用い、もう1つをレーザ光の波長とみなし
    て前記第1の波長検出手段に検出させるステップをさら
    に具備する請求項10〜17のいずれか1項記載の波長
    検出方法。
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