JP2002279913A - カラ−陰極線管 - Google Patents

カラ−陰極線管

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JP2002279913A
JP2002279913A JP2001075343A JP2001075343A JP2002279913A JP 2002279913 A JP2002279913 A JP 2002279913A JP 2001075343 A JP2001075343 A JP 2001075343A JP 2001075343 A JP2001075343 A JP 2001075343A JP 2002279913 A JP2002279913 A JP 2002279913A
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insulating film
insulating
resistor
ray tube
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JP2001075343A
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Hisao Nakamura
久雄 仲村
Yukio Koizumi
幸生 小泉
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁基板の表面の抵抗体パタ−ンを覆う第一の
絶縁皮膜層及び絶縁基板の他面を覆う第二の絶縁皮膜層
を有する内蔵抵抗器のそれぞれの層の窪みと気泡を制御
し、絶縁耐力と抵抗体の信頼性を確保して高精細度の画
像表示と良好な耐電圧特性を実現する。 【解決手段】絶縁基板18の表面18aに設けた抵抗体
パタ−ン19を覆う第一の絶縁皮膜層23と絶縁基板1
8の他面18bを覆う第二の絶縁皮膜層24を持つ内蔵
抵抗器22を複数の電極を所定の順序と間隔で埋設固定
する絶縁支持杆9の外側に近接して配置した構造の電子
銃49を備え、内蔵抵抗器22の両表面絶縁皮膜層2
3、24の層表面に開口した窪み25と層中の気泡26
の数を両表面絶縁皮膜層23、24の作用に基づいて制
御した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラ−陰極線管に
係り、特にそのネック部に収容する電子銃を構成する複
数の電極に電位差の異なる電圧を印加するための内蔵抵
抗器を備えたカラ−陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ受像機や情報端末のモニター管と
して用いられている陰極線管、例えばカラー陰極線管
は、真空外囲器の一部を構成するネック部内に複数の電
子ビームを出射する電子銃を収容し、このネック部とフ
ァンネル部を介して連接されたパネル部の内面には複数
色の蛍光体膜を塗布した蛍光面(スクリーン画面)を有
している。そして、ネック部とファンネル部の遷移部分
の外周に電子銃からの電子ビームを蛍光面上に二次元走
査して所要の画像を表示する偏向ヨークを備えている。
【0003】また、多くのカラー陰極線管では、蛍光面
に近接させて設置した色選択電極であるシャドウマスク
を備え、電子銃から出射する複数の電子ビームをそれぞ
れの蛍光体膜に射突させてカラー画像を形成するように
なっている。
【0004】蛍光面に形成されるカラー画像を、スクリ
ーン画面全域にわたって良好なものとするために、陽極
電圧以外の高電圧を電子ビームを集束する複数の電極に
印加する方式とした電子銃を具備したカラー陰極線管が
知られている。
【0005】図5は内蔵抵抗器を備えた電子銃を収容し
た従来のカラー陰極線管の要部側面図で、図6は図5の
矢印A方向から見た要部側面図である。3本の電子ビー
ムをインラインに出射する電子銃は、カラー陰極線管の
真空外囲器10のネック部32内に収容されている。な
お、図5はインライン方向と直角な方向から見た側面
図、図6はインライン方向と平行な方向から見た側面図
である。
【0006】この電子銃は、最高電圧(陽極電圧)が印
加される陽極(第6グリッド電極)1と、内蔵抵抗器で
分圧された電圧が供給される中間グリッド電極2と、電
子ビームを出射するカソードKと、カソードKから出射
された電子ビームを集束するためのレンズを構成する複
数電極からなる第5グリッド電極群3と、第4グリッド
電極4と、第3グリッド電極5と、第2グリッド電極6
と、第1グリッド電極7等を備えている。
【0007】各電極1〜7は、それらの外縁の一部を一
対の絶縁支持杆9に埋設して所定の順序と所定の間隔で
固定されている。
【0008】さらに、第6グリッド電極1にはシールド
カップ8が取り付けられており、このシールドカップ8
の前方側面に導通スプリング11の一端が溶接されてい
る。真空外囲器10の内壁には、ファンネル部からネッ
ク部側へ延びる黒鉛等の内装導電膜10aが塗布されて
おり、この内装導電膜10aに導通スプリング11の他
端を弾接させて第6グリッド電極1にファンネル部に封
着された高圧端子を介して陽極電圧を供給している。
【0009】上記電子銃の絶縁支持杆9の一方には、抵
抗体パターンを有する後述する様な構成の内蔵抵抗器1
2が絶縁支持杆9の外側、すなわちネック管壁側に取り
付けられている。
【0010】この内蔵抵抗器12は接続用の端子13、
14、15を有すると共に、前記抵抗体パターンを前記
絶縁支持杆9側に向けて配置してあり、この状態で前記
端子13は陽極電圧が印加される第6グリッド電極1に
接続され、端子14は中間グリッド電極2に接続され、
また端子15はアースにそれぞれ接続される。
【0011】すなわち、端子13には電子銃の中心軸と
直角な方向に張り出した接続片13aが取り付けてあ
り、この接続片13aを第6グリッド電極1に接続す
る。また、端子14からは接続片14aが張り出してあ
り、この接続片14aを中間グリッド電極2に接続し
て、陽極電圧を抵抗比で分圧した高電圧が中間電極2に
供給される。そして、端子15からは、接続片15aに
接続リード15bを接続し、絶縁支持杆9に埋設した金
属片を介してステムピン45の何れかに接続し、このス
テムピン45を介して陰極線管の外部で接地などの電位
(以下、接地電位と言う)に接続される。
【0012】一方、金属線からなる導電体16はその一
端を第5グリッド電極群3に接続し、他端を重畳されて
いる絶縁支持杆9及び内蔵抵抗器12を取り巻いて前記
一端の接続個所とは絶縁支持杆9を挟んだ反対側で第5
グリッド電極群3に接続している。
【0013】この導電体16は、完成した電子銃組立体
をネック部内に封入後、管外から高周波加熱して導電体
16に含有される金属の一部を蒸発させてネック管内壁
に金属薄膜を形成し、動作時に安定した電位をネック内
壁に形成する役目を担っている。
【0014】又この導電体16は、管内で同電位電極相
互を接続する金属線を延長して用いられる構成も知られ
ており、更には一端のみが固定され他端は開放された構
成も用いられている。
【0015】図7(a)(b)(c)は前述した内蔵抵
抗器12を説明する平面図、側面図および背面図であ
り、(a)は抵抗体パターン側から見た平面図、(b)
は側面図、(c)は背面図である。
【0016】この内蔵抵抗器12は、セラミックを好適
とする絶縁基板18の片面上に所定の抵抗特性を持った
抵抗材料(金属酸化物、含酸化ルテニウム等)をパター
ン印刷し、乾燥・焼成した抵抗体パターン19が形成さ
れている。
【0017】そして、この抵抗体パターン19を覆うよ
うに、その上側にガラス(例えば、硼珪酸鉛系ガラス)
からなる第一の絶縁皮膜層20aを形成してある。この
第一の絶縁皮膜層20aは電子銃に組み込まれた際は前
述のように絶縁支持杆9と対向する向きに配置される。
【0018】また、絶縁基板18の他面側の前記抵抗体
パターン19の存在しない面にも同様にガラスからなる
第二の絶縁皮膜層20bを端子部を除いた略全面に形成
してあり、この第二の絶縁皮膜層20bは実装された際
はネック部32の内壁面と対向する。
【0019】従って、前記第一、第二の絶縁皮膜層20
a、20bの配置目的は、抵抗体パターン19を覆う第
一の絶縁皮膜層20aは抵抗体パターン19を保護する
為であり、一方他面側のネック部内壁面と対向する第二
の絶縁皮膜層20bは耐電圧特性の向上を目的としてい
る。
【0020】又、この内蔵抵抗器12の一端に張り出し
た端子13は接続片13aで第6グリッド電極1に、他
端に張り出した端子15は接地電位にある電極片に接続
片15aで接続され、中間に張り出した端子14は接続
片14aで中間電極2に接続される。
【0021】上記の接続片13a,14a,15aは、
抵抗体層19に接続された接続リード13b,14b,
15bにそれぞれかしめ等で固定されている。導電膜層
(接続リード)13b,14b,15bは上記した抵抗
体パターン19を被覆する第一の絶縁皮膜層20aで被
覆されておらず、露出している。
【0022】なお、この種の内蔵抵抗器を備えたカラー
陰極線管を開示したものとしては、例えば実開昭55−
38484号公報が有り、又特公平7−85403号公
報には絶縁基板の片面に抵抗体パタ−ンとこれを覆う絶
縁被膜を形成し、絶縁基板の他面は素地のままとした内
蔵抵抗器を前記抵抗体パタ−ン側をネック部内壁面に対
向配置し、前記絶縁被膜中の気泡径を規定した技術が開
示されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】カラー陰極線管の様な
陰極線管の製造工程中には、封止、排気工程を完了した
後、ノッキング(高圧安定化)と呼称される処理が施さ
れる。
【0024】これは、カラー陰極線管の動作時の陽極電
圧は通常25〜30kVの高電圧であるが、この使用電
圧の約2倍の高電圧を陽極に印加し、電子銃組立体の各
電極間、電極とネック管内壁間に強制的にスパ−クを発
生させ、電極部品の突起や管内の異物を除去することに
より、完成したカラー陰極線管の使用中の管内スパ−ク
の発生を防止するノッキング(高圧安定化)処理が施さ
れる。
【0025】図8はノッキング時の電極接続の一例を示
す接続図で、第5グリッド電極群3より前段の電極は点
線で示すように一括してア−ス電位となり、陽極電極で
ある第6グリッド電極1に前述した高電圧のノッキング
電圧が印加される。
【0026】ところが、このノッキング工程でスパ−ク
の衝撃によって前記ネック部32の内壁面と対向する第
二の絶縁皮膜層20b等にクラックが発生し、これによ
り生じたガラス破片がシャドウマスクの目詰まりの原因
となったり、或いは電子銃のスパ−クの要因となる等の
恐れが有リ、更にこの第二の絶縁皮膜層20bに気泡が
存在すると誘電分極が小さくなって耐電圧特性が低下す
る傾向に有る。また、気泡の存在が一因でスパ−クが第
二の絶縁皮膜層20bと絶縁基板18の両者を貫通して
抵抗体パタ−ン19に迄及ぶ可能性があり、耐電圧特性
の点で解決すべき課題があった。
【0027】又、第一の絶縁皮膜層20aは抵抗体パタ
−ン19を覆ってこれを保護しているが、第一の絶縁皮
膜層20aにその表面に開口を持つ小さな窪みが点在
し、この窪みの先端が抵抗体パタ−ン19に迄達する場
合がある。この状態になると抵抗体パタ−ン19が汚染
され、抵抗値が変化したり、絶縁不良になる等の問題が
あり、これに伴い抵抗比で分圧した電圧に変動をきたし
て所望のフォ−カス特性が得られず、高精細度の画像表
示が得られ難いと云う問題があった。
【0028】この対策として第一の絶縁皮膜層20aの
膜厚を厚くし窪みの先端が抵抗体パタ−ン迄達しない構
造とする事が考えられる。
【0029】しかし、内蔵抵抗器が配置されるスペ−ス
及びスパ−ク等の問題があり、単に膜厚のみを厚くして
も解決には至っていない。
【0030】更に、前記窪み及び気泡の発生は相反する
関係にある。すなわち、絶縁皮膜層用のガラスを充分に
加熱して焼成すると窪みは少なくなるが、気泡が増加す
る。逆に低温で焼成すると気泡は少なくなるが窪みは増
加する。従って、両者を同時に制御することは困難で、
解決が求められていた。
【0031】この様に、表面側のみに抵抗体パタ−ンの
配置された絶縁基板の前記表面及び裏面の両面を第一、
第二の絶縁皮膜層で覆った内蔵抵抗器を、前記抵抗体パ
タ−ンの配置された表面側を絶縁支持杆に対向する配置
とした構成のカラ−陰極線管では前述のように従来技術
では解決出来ない種々の課題があった。
【0032】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消して、精細度の高い画像表示と優れた耐電圧特性を
有するカラ−陰極線管を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の典型的な構成を記述すれば次の通りであ
る。すなわち、 (1)蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容したネ
ック部と、このネック部とパネル部とを連接して真空外
囲器を形成するファンネル部と、このファンネル部と前
記ネック部との遷移部分の外周に配置された偏向ヨ−ク
とを備え、前記電子銃は複数個の電極とこれら電極を所
定の順序と間隔で埋設固定する絶縁支持杆及びこの絶縁
支持棹の外側に近接して配置され前記絶縁支持棹に対向
する側に設けられて前記電極と接続される抵抗体パタ−
ンを有する内蔵抵抗器とを備えたカラ−陰極線管であっ
て、 前記内蔵抵抗器は、絶縁基板の片面に被着された前記抵
抗体パタ−ンとこの抵抗体パタ−ンを覆う第一の絶縁皮
膜層及び前記絶縁基板の他面を覆う第二の絶縁皮膜層と
を有し、かつこの第二の絶縁皮膜層の表面に開口した窪
みの数が、前記第一の絶縁皮膜層の窪みの数より多いこ
とを特徴とする。 (2)前記(1)で、第二の絶縁皮膜層の膜厚が第一の
絶縁皮膜層の膜厚より大であることを特徴とする。 (3)前記(1)又は(2)で、第一の絶縁皮膜層と第
二の絶縁皮膜層の材質が異なることを特徴とする。 (4)蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容したネ
ック部と、このネック部とパネル部とを連接して真空外
囲器を形成するファンネル部と、このファンネル部と前
記ネック部との遷移部分の外周に配置された偏向ヨ−ク
とを備え、前記電子銃は複数個の電極とこれら電極を所
定の順序と間隔で埋設固定する絶縁支持杆及びこの絶縁
支持棹の外側に近接して配置され前記絶縁支持棹に対向
する側に設けられて前記電極と接続される抵抗体パタ−
ンを有する内蔵抵抗器とを備えた構成のカラ−陰極線管
であって、前記内蔵抵抗器は、絶縁基板の片面に被着さ
れた前記抵抗体パタ−ンとこの抵抗体パタ−ンを覆う第
一の絶縁皮膜層及び前記絶縁基板の他面を覆う第二の絶
縁皮膜層とを有し、かつ前記第一の絶縁皮膜層の気泡数
が、前記第二の絶縁皮膜層の気泡数より多いことを特徴
とする。 (5)前記(4)で、第二の絶縁皮膜層の膜厚が第一の
絶縁皮膜層の膜厚より大であることを特徴とする。 (6)前記(4)又(5)で、第一の絶縁皮膜層と第二
の絶縁皮膜層の材質が異なることを特徴とする。 (7)蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容したネ
ック部と、このネック部とパネル部とを連接して真空外
囲器を形成するファンネル部と、このファンネル部と前
記ネック部との遷移部分の外周に配置された偏向ヨ−ク
とを備え、前記電子銃は複数個の電極とこれら電極を所
定の順序と間隔で埋設固定する絶縁支持杆及びこの絶縁
支持棹の外側に近接して配置され前記絶縁支持棹に対向
する側に設けられて前記電極と接続される抵抗体パタ−
ンを有する内蔵抵抗器とを備えた構成のカラ−陰極線管
であって、前記内蔵抵抗器は、絶縁基板の片面に被着さ
れた前記抵抗体パタ−ンとこの抵抗体パタ−ンを覆う第
一の絶縁皮膜層及び前記絶縁基板の他面を覆う第二の絶
縁皮膜層とを有し、この第二の絶縁皮膜層の表面に開口
した窪みの数が、前記第一の絶縁皮膜層の窪みの数より
多く、かつ第一の絶縁皮膜層の気泡数が、前記第二の絶
縁皮膜層の気泡数より多いことを特徴とする。 (8)前記(7)で、第二の絶縁皮膜層の膜厚が第一の
絶縁皮膜層の膜厚より大であることを特徴とする。 (9)前記(7)又は(8)で、第一の絶縁皮膜層と第
二の絶縁皮膜層の材質が異なることを特徴とする。
【0034】なお、本発明は上記構成に限定されるもの
ではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々
の変更が可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【0036】図1は本発明のカラー陰極線管に用いられ
る内蔵抵抗器の一例の要部断面構造を説明する模式図
で、前述した各図と同じ部分には同一番号を付してあ
る。図1において、内蔵抵抗器22は図7で説明した従
来の内蔵抵抗器と同様に、厚さT1の絶縁基板18の片
面の表面18aに所定のパターンに形成した抵抗体パタ
ーン19及びこの抵抗体パターン19を覆う厚さT2の
第一の絶縁皮膜層23を有する。
【0037】そして、絶縁基板18の表面18aとは裏
側でネック管壁に対向する他面18bを、前述した端子
部を除く残部を前記第一の絶縁皮膜層23と同じ材料か
らなる厚さT2の第二の絶縁皮膜層24で覆っている。
【0038】25は窪みで、この窪み25は前記第一、
第二の絶縁皮膜層23、24のそれぞれに複数個存在し
ており、層の表面23a、24aに開口25aを持ち先
端25bは層中を絶縁基板18へ向かって延びている。
【0039】この窪み25の数は、第一、第二の絶縁皮
膜層23、24で異なり、第一の絶縁皮膜層23に存在
する窪み25の数が、第二の絶縁皮膜層24のそれに比
べ少ないものとなっている。26は気泡で、この気泡2
6も前記第一、第二の絶縁皮膜層23、24のそれぞれ
に複数個存在しており、その数は第一の絶縁皮膜層23
に存在する気泡26に比べ第二の絶縁皮膜層24のそれ
が少ない。T3は内蔵抵抗器22全体の厚さを示す。
【0040】ここで、両絶縁皮膜層23、24間の窪み
25及び気泡26のそれぞれの差は1:1.5程度が望
ましく、3倍を超えると効果が期待できない恐れがあ
る。
【0041】この内蔵抵抗器22の製造は、絶縁基板1
8として厚さT1:0.635mm、幅:5mm、長
さ:58mmのアルミナ基板(Al:96%以上)を用
い、これの表面18aに酸化ルテニウムを主成分とする
材料を用いて抵抗体パターンをスクリ−ン印刷により形
成した後乾燥し、850℃で焼成して抵抗体パターン1
9を形成した。
【0042】次に、その上及び他面18bを、PbO:
58重量%、SiO2 :26重量%、B2 3 :8重量
%、Al2 3 :4重量%、その他:残部からなる硼珪
酸鉛系ガラスのガラスペ−ストで覆い、乾燥させた後、
600°C、40分間焼成して第一、第二の絶縁皮膜層
23、24を形成した。この時の膜厚さT2:0.15
mmとした。
【0043】この絶縁皮膜層の焼成工程では、第一の絶
縁皮膜層23側が第二の絶縁皮膜層24側より高温とな
る様に、例えば焼成炉のヒ−タ配置を変えて焼成する等
の手段を用いることで窪み及び気泡の制御が可能であ
る。
【0044】次に、図2は本発明のカラー陰極線管に用
いられる内蔵抵抗器の他の例の要部断面構造を説明する
模式図で、前述した各図と同じ部分には同一番号を付し
てある。
【0045】図2において、絶縁基板18の片面の表面
18aの裏側でネック管壁に対向する他面18bに、前
記第一の絶縁皮膜層23と同じ材料を用い、厚さをT2
より厚いT4、この例では0.25mmとした第二の絶
縁皮膜層27を被着したものである。T5は内蔵抵抗器
28全体の厚さを示す。
【0046】この図2に示す膜厚に差を持たせた例にお
いても、第一、第二の絶縁皮膜層23、27の窪み25
及び気泡26の個数の相対関係は前述の図1と同一で、
窪み25は第一の絶縁皮膜層23が第二の絶縁皮膜層2
7より少なく、また気泡26は第二の絶縁皮膜層27が
第一の絶縁皮膜層23より少ない構成となっている。
【0047】次に、図3は本発明のカラー陰極線管に用
いられる内蔵抵抗器の更に他の例の要部断面構造を説明
する模式図で、前述した各図と同じ部分には同一番号を
付してある。
【0048】図3において、絶縁基板18の片面の表面
18aの裏側でネック管壁に対向する他面18bに、前
記第一の絶縁皮膜層23とは異なる材料からなる厚さT
2の第二の絶縁皮膜層29を被着し、内蔵抵抗器30と
したものである。
【0049】この第二の絶縁皮膜層29の形成に用いた
硼珪酸鉛系ガラスは、前記第一の絶縁皮膜層23の形成
に用いた硼珪酸鉛系ガラスより軟化点が高い600°C
のもので、その組成は、PbO:55重量%、Si
2 :30重量%、B2 3 :6重量%、Al2 3
5重量%、その他:残部からなるものとした。
【0050】この図3に示す材質の異なる例において
も、第一、第二の絶縁皮膜層23、29の窪み25及び
気泡26の個数の相対関係は前述の図1と同一で、窪み
25は第一の絶縁皮膜層23が第二の絶縁皮膜層29よ
り少ない。
【0051】また、気泡26は第二の絶縁皮膜層29が
第一の絶縁皮膜層23より少ない構成となっている。
【0052】図1乃至図3の構成によれば、絶縁特性の
向上と抵抗体パタ−ンの保護を同時に達成できる。すな
わち、ネック部内壁面と対向する第二の絶縁皮膜層2
4、27、29の気泡26の発生を抑制したことによ
り、カラー陰極線管の製造工程中のノッキング(高圧安
定化)処理においても充分な絶縁耐力を有する為、絶縁
皮膜層及び絶縁基板18のクラックの発生を防止でき、
従ってクラックしたガラス破片が管内に飛散する事もな
い。
【0053】又、抵抗体パタ−ンを覆う第一の絶縁皮膜
層23の窪み25の発生が抑制されることから、抵抗体
パタ−ン19の汚染、損傷を防止でき、抵抗体の信頼性
の確保がはかれる。
【0054】次に、図4は本発明によるカラー陰極線管
の一実施例の全体構成例を説明する模式断面図で、前述
した各図と同じ部分には同一番号を付してある。
【0055】図4において、41はパネル部、42は蛍
光面、32は電子銃を収納するネック部、43はパネル
部41とネック部32とを連接するファンネル部、44
はシャドウマスク、46はマスクフレーム、47は磁気
シールド、48はマスク懸架機構、49はインライン型
電子銃、50は偏向ヨーク、51は外部補正磁気装置、
10aは内部導電膜、52は防爆バンド、53はパネル
ピン、54はマスク組立体、45はステムピンである。
【0056】このカラー陰極線管はパネル部41とネッ
ク部32およびファンネル部43とで真空外囲器55を
構成し、ネック部32に収納された電子銃49から発射
された電子ビーム(センタービーム及び2本のサイドビ
ーム)Bは偏向ヨーク50で形成される水平および垂直
偏向磁界によって蛍光面42を2次元に走査する。
【0057】電子ビームはステムピン45から供給され
る映像信号等の変調信号で強度変調され、蛍光面42の
直前に設置されたシャドウマスク44で色選択され、蛍
光面42を構成するそれぞれの蛍光体(赤、緑、青)に
射突して所定のカラー画像を再生する。
【0058】インライン型電子銃49は前記実施例で説
明した構造の内蔵抵抗器を備えた電子銃である。
【0059】なお、本発明は上記構成に限定されるもの
ではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々
の変更が可能であり、複数電子ビームを出射する電子銃
を備えたカラー陰極線管に限らず、単一電子ビームを出
射する、例えば投射型陰極線管、その他の内蔵抵抗器を
有する電子銃を備えた各種の陰極線管にも同様に適用で
きる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
絶縁基板の表面に設けた抵抗体パタ−ンを覆う第一の絶
縁皮膜層と絶縁基板の他面を覆う第二の絶縁皮膜層を持
つ内蔵抵抗器を複数の電極を所定の順序と間隔で埋設固
定する絶縁支持杆の外側に近接して配置した構造の電子
銃を備えたカラー陰極線管において、内蔵抵抗器のその
両表面絶縁皮膜層の層表面に開口した窪みと層中の気泡
の数を前記両表面絶縁皮膜層の作用に基づいて制御した
ことにより、前記絶縁皮膜層の絶縁特性の向上と抵抗体
パタ−ンの保護を同時に達成でき、クラックの発生を防
止してガラス破片が管内に飛散する事も無くなり、シャ
ドウマスクの電子ビ−ム通過孔の詰り不良の解決と電子
銃の耐電圧特性の劣化の問題点を解消し、更に抵抗体の
信頼性を確保してフォ−カス特性の変動を防止し、精細
度の高い画像表示と優れた耐電圧特性を有するカラ−陰
極線管を可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー陰極線管に用いられる内蔵抵抗
器の一例の要部断面構造を説明する模式図である。
【図2】本発明のカラー陰極線管に用いられる内蔵抵抗
器の他の例の要部断面構造を説明する模式図である。
【図3】本発明のカラー陰極線管に用いられる内蔵抵抗
器の更に他の例の要部断面構造を説明する模式図であ
る。
【図4】本発明によるカラー陰極線管の一実施例の全体
構成例を説明する模式断面図である。
【図5】内蔵抵抗器を備えた電子銃を収容した従来のカ
ラー陰極線管の要部側面図である。
【図6】図5の矢印A方向から見た要部側面図である。
【図7】電子銃に内蔵する内蔵抵抗器を説明する図で、
図7(a)は平面図、図7(b)は側面図、図7(c)
は背面図である。
【図8】ノッキング時の電極接続の一例を示す接続図で
ある。
【符号の説明】 9 絶縁支持杆 18 絶縁基板 18a 絶縁基板の表面 18b 絶縁基板の他面 19 抵抗体パタ−ン 20a、23 第一の絶縁皮膜層 20b、24、27、29 第二の絶縁皮膜層 12、22、28、30 内蔵抵抗器 25 窪み 26 気泡 32 ネック部 41 パネル部 42 蛍光面 43 ファンネル部 49 電子銃 50 偏向ヨ−ク 55 真空外囲器。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容
    したネック部と、このネック部と前記パネル部とを連接
    して真空外囲器を形成するファンネル部と、このファン
    ネル部と前記ネック部との遷移部分の外周に配置された
    偏向ヨ−クとを備え、 前記電子銃は複数個の電極と、これらの電極を所定の順
    序と間隔で埋設固定する絶縁支持杆、及び前記絶縁支持
    棹の外側に近接し、前記絶縁支持棹に対向する側に配置
    されて前記電極と接続される抵抗体パタ−ンを有する内
    蔵抵抗器とを備えたカラ−陰極線管であって、 前記内蔵抵抗器は、絶縁基板の片面に被着された前記抵
    抗体パタ−ンと、表面に開口した第一の窪みを有して前
    記抵抗体パタ−ンを覆う第一の絶縁皮膜層、及び表面に
    開口した第二の窪みを有して前記絶縁基板の他面を覆う
    第二の絶縁皮膜層とを有し、 かつ、前記第二の絶縁皮膜層の表面に開口した前記第二
    の窪みの数が、前記第一の絶縁皮膜層の表面に開口した
    第一の窪みの数より多いことを特徴とするカラ−陰極線
    管。
  2. 【請求項2】前記第二の絶縁皮膜層の膜厚が第一の絶縁
    皮膜層の膜厚より大であることを特徴とする請求項1に
    記載のカラ−陰極線管。
  3. 【請求項3】前記第一の絶縁皮膜層と第二の絶縁皮膜層
    の材質が異なることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載のカラ−陰極線管。
  4. 【請求項4】蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容
    したネック部と、このネック部と前記パネル部とを連接
    して真空外囲器を形成するファンネル部と、このファン
    ネル部と前記ネック部との遷移部分の外周に配置された
    偏向ヨークとを備え、 前記電子銃は複数個の電極と、これらの電極を所定の順
    序と間隔で埋設固定する絶縁支持杆、及びこの絶縁支持
    棹の外側に近接して前記絶縁支持棹に対向する側に配置
    されて前記電極と接続される抵抗体パターンを有する内
    蔵抵抗器とを備えた構成のカラ−陰極線管であって、 前記内蔵抵抗器は、絶縁基板の片面に被着された前記抵
    抗体パタ−ンと表面に開口した第一の窪みを有して前記
    抵抗体パタ−ンを覆う第一の絶縁皮膜層、及び表面に開
    口した第二の窪みを有して前記絶縁基板の他面を覆う第
    二の絶縁皮膜層とを有し、 前記第一の絶縁皮膜層の気泡数が、前記第二の絶縁皮膜
    層の気泡数より多いことを特徴とするカラー陰極線管。
  5. 【請求項5】前記第二の絶縁皮膜層の膜厚が第一の絶縁
    皮膜層の膜厚より大であることを特徴とする請求項4に
    記載のカラ−陰極線管。
  6. 【請求項6】前記第一の絶縁皮膜層と第二の絶縁皮膜層
    の材質が異なることを特徴とする請求項4又は請求項5
    に記載のカラ−陰極線管。
  7. 【請求項7】蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容
    したネック部と、このネック部と前記パネル部とを連接
    して真空外囲器を形成するファンネル部と、このファン
    ネル部と前記ネック部との遷移部分の外周に配置された
    偏向ヨ−クとを備え、 前記電子銃は、複数個の電極とこれらの電極を所定の順
    序と間隔で埋設固定する絶縁支持杆及びこの絶縁支持棹
    の外側に近接して前記絶縁支持棹に対向する側に配置さ
    れて前記電極と接続される抵抗体パタ−ンを有する内蔵
    抵抗器とを備えた構成のカラ−陰極線管であって、 前記内蔵抵抗器は、絶縁基板の片面に被着された前記抵
    抗体パタ−ンと、表面に開口した第一の窪みを有して前
    記抵抗体パタ−ンを覆う第一の絶縁皮膜層、及び表面に
    開口した第二の窪みを有して前記絶縁基板の他面を覆う
    第二の絶縁皮膜層とを有し、 前記第二の絶縁皮膜層の表面に開口した前記第二の窪み
    の数が、前記第一の絶縁皮膜層の表面に開口した第一の
    窪みの数より多く、かつ前記第一の絶縁皮膜層の気泡数
    が、前記第二の絶縁皮膜層の気泡数より多いことを特徴
    とするカラ−陰極線管。
  8. 【請求項8】前記第二の絶縁皮膜層の膜厚が第一の絶縁
    皮膜層の膜厚より大であることを特徴とする請求項7に
    記載のカラ−陰極線管。
  9. 【請求項9】前記第一の絶縁皮膜層と第二の絶縁皮膜層
    の材質が異なることを特徴とする請求項7又は請求項8
    に記載のカラ−陰極線管。
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