WO2024142787A1 - 粉末化粧料 - Google Patents

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ゆい 中村
麻友 舩山
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株式会社 資生堂
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Abstract

使用性に優れる粉末化粧料を提供する。 本開示の粉末化粧料は、(a)1.0質量%以上の保湿剤、(b)0質量%以上5.0質量%未満の油分、及び(c)粉末を含み、かつ、この(a)保湿剤は、25℃の大気圧下において液状の保湿剤である。

Description

粉末化粧料
 本開示は、粉末化粧料に関する。
 ファンデーションなどに使用され得る、粉末成分を含む粉末化粧料が知られている。
 特許文献1には、粉末を含む固形状メーキャップ化粧料であって、化粧料全量に対して、33質量%以上の油分、及び3~15質量%の保湿剤を含む、固形状メーキャップ化粧料が開示されている。
 特許文献2には、(A)エチルセルロース、(B)総炭素数18~24の1価の液状アルコール、(C)粉体、及び(D)分子量が1100以下、かつ水酸基が1つ以上の液状のエステル油等を含有する、固形粉末化粧料が開示されている。
 特許文献3には、(A)JIS A硬度10以下の、ジメチコン含有粉末状ジメチコンクロスポリマー10~30質量%、(B)25℃で液状のエステル油(成分(E)を除く)3.5~20質量%、(C)板状粉体、(D)着色顔料、(E)HLB6以下の非イオン性界面活性剤を含有する粉末化粧料が開示されている。
特開2012-197241号公報 特開2019-104690号公報 特開2023-020216号公報
 粉末化粧料には、粉末とともに油分が含まれ得る。例えば、プレストパウダーのような固形粉末化粧料においては、耐衝撃性等の性能を向上させるために、油分を多量に配合する場合がある。しかしながら、油分量が多くなると、パフ等で化粧料がとりにくくなったり、肌への適用が重くなったり、或いは、ケーキングが発生したりして、使用性が悪化するなどの不具合が発生する場合があった。
 また、ルースパウダーのような粉末化粧料においても、油分量を多く配合する場合がある。しかし、このような場合、粉末が粒状に造粒したり、或いは、油の塊が生じたりして、使用性などにおいて悪影響を及ぼす場合があった。
 したがって、本開示の主題は、使用性に優れる粉末化粧料を提供することである。
〈態様1〉
 (a)1.0質量%以上の保湿剤、
 (b)0質量%以上5.0質量%未満の油分、及び
 (c)粉末、
を含み、
 前記(a)保湿剤が、25℃の大気圧下において液状の保湿剤である、
粉末化粧料。
〈態様2〉
 前記(a)保湿剤が、多価アルコール及びポリエーテルからなる群から選択される少なくとも一種を含む、態様1に記載の化粧料。
〈態様3〉
 前記(c)粉末が、光輝性粉末を含む、態様1又は2に記載の化粧料。
〈態様4〉
 前記光輝性粉末の含有量が、前記化粧料の全量に対し、10質量%以上である、態様3に記載の化粧料。
〈態様5〉
 前記(c)粉末が、多孔質粒子を含む、態様1~4のいずれかに記載の化粧料。
〈態様6〉
 固形粉末化粧料である、態様1~5のいずれかに記載の化粧料。
〈態様7〉
 ファンデーションとして使用される、態様1~6のいずれかに記載の化粧料。
〈態様8〉
 アイシャドウとして使用される、態様1~6のいずれかに記載の化粧料。
 本開示によれば、使用性に優れる粉末化粧料を提供することができる。
 以下、本開示の実施の形態について詳述する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
 本開示の粉末化粧料は、油分を含まない又は油分の配合量が少ない化粧料であり、粉末とともに、保湿剤を所定量含んでいる。
 原理によって限定されるものではないが、本開示の粉末化粧料が、使用性に優れる作用原理は以下のとおりであると考える。
 例えば、粉末化粧料に配合する油分量が低下すると、粉末化粧料の特性(例えば、肌への塗布性、耐衝撃性など)に対して悪影響を及ぼす場合があるため、これまで油分量を低減する試みなどは行われていなかった。しかしながら、本発明者は、意外にも、油分の代わりに、25℃の大気圧下において液状の保湿剤を配合すると、粉末化粧料の特性に対する悪影響を低減又は抑制しつつ、例えば、油分を多量に含む粉末化粧料に比べて使用性を向上させ得ることなどを見出した。
 25℃の大気圧下において液状の保湿剤は、油分のような性能(例えば、粉末を保持する性能)を有する一方で、周囲の水分を補足する性能を有している。その結果、かかる保湿剤を粉末化粧料において油分のように使用すると、粉末を適度に保持しつつ、補足した水分の影響を受けて、化粧料のとれ性、塗布性、及び耐ケーキング性等の性能が、油分に比べて向上すると考えている。そして、25℃の大気圧下において液状の保湿剤は、粉末化粧料においてこれまで使用されていた油分に比べ、粉末化粧料の諸性能をバランスよく発揮させ得る好適な成分であり得ると考えている。
 なお、従来の粉末化粧料は、典型的には、保湿剤が使用されることはなかった。本開示の粉末化粧料は、25℃の大気圧下において液状の保湿剤を含んでいることから、従来の粉末化粧料に比べてスキンケア等の美容効果を向上させることもできる。
 本開示における用語の定義は以下のとおりである。
 本開示において「使用性」とは、粉末化粧料の使用性を意味し、例えば、粉末化粧料を充填したコンパクトケースにおける、パフによる粉末化粧料の取りやすさ(化粧料のなめらかさ)、取得した化粧料の肌への塗りやすさ(例えば化粧料を肌へ軽く塗れること)、肌に対する負担のなさ、或いは、ケーキングの発生のしにくさなどを意図する。ここで、本開示において「ケーキング」とは、油分などが表面に集まって固まり、表面の少なくとも一部が固くなる現象を意図する。ケーキングが生じた化粧料は、一般的に化粧料のとれ性が悪化しやすい。
 本開示において「耐衝撃性」とは、化粧料が衝撃(例えば落下による衝撃)を受けたときに、化粧料の外観に不具合(例えば割れ、ひび、亀裂又は剥離)が発生していない性能を意図する。
《粉末化粧料》
 本開示の粉末化粧料は、粉末を含んでおり、例えば、ルースパウダーと称するような粉末状の形態、又はプレストパウダーと称するような固形状の形態を採用することができる。ここで、ルースパウダーと称するような粉末状の形態を意図する場合、本開示の粉末化粧料は、「粉末状化粧料」と称することができ、また、プレストパウダーと称するような固形状の形態を意図する場合には、本開示の粉末化粧料は、「固形粉末化粧料」と称することができる。
〈(a)25℃の大気圧下において液状の保湿剤〉
 本開示の粉末化粧料は、25℃の大気圧下において液状の保湿剤(以下単に「保湿剤」と称する場合がある。)を1.0質量%以上含む。保湿剤の配合量としては、例えば、化粧料の全量に対し、1.0質量%超、3.0質量%以上、5.0質量%以上、7.0質量%以上、10質量%以上、又は12質量%以上とすることができる。かかる配合量の上限値としては、例えば、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、17質量%以下、又は15質量%以下とすることができる。保湿剤の配合量は、このような範囲で、粉末化粧料の形態等に応じて適宜設定することができる。例えば、ルースパウダー(粉末状化粧料)の場合には、保湿剤を、化粧料の全量に対し、1.0質量%以上、1.0質量%超、3.0質量%以上、又は5.0質量%以上、20質量%以下、17質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、10質量%以下、又は7.0質量%以下とすることができ、また、プレストパウダー(固形粉末化粧料)の場合には、保湿剤を、化粧料の全量に対し、5.0質量%以上、7.0質量%以上、10質量%以上、又は12質量%以上、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、又は17質量%以下とすることができる。
 本開示において「保湿剤」とは、油分のような疎水的な性能と、親水性の性能を有し、周囲環境等に存在する水分を保持し得る吸湿性又は吸水性を呈する剤を意図する。本開示において使用する保湿剤としては、25℃の大気圧下において液状の保湿剤であれば特に制限はないが、例えば、使用性及び場合によっては耐衝撃性等の観点から、多価アルコール及びポリエーテルからなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。保湿剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
(多価アルコール)
 保湿剤として、25℃の大気圧下において液状の多価アルコールを使用することができる。ここで、本開示において「多価アルコール」とは、1分子中にアルコール性ヒドロキシ基を2個以上有する有機化合物を意図する。アルコール性ヒドロキシ基に関しては、10個以下、8個以下、6個以下、又は3個以下とさらに規定することもできる。ただし、本開示における多価アルコールには、後述するポリエーテルは包含しない。
 多価アルコールとして、例えば、2価のアルコール及び3価のアルコールなどを挙げることができる。その具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール)、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、及びポリグリセリンを挙げることができる。なかでも、使用性及び場合によっては耐衝撃性等の観点から、グリセリン及びジプロピレングリコールが好ましく、ジプロピレングリコールがより好ましい。多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
(ポリエーテル)
 保湿剤として、25℃の大気圧下において液状のポリエーテルを使用することができる。ポリエーテルは、エーテル結合(-C-O-C-)を主鎖にもつ鎖状高分子であり、以下の式1の構造を有している:
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 ポリエーテルは、ポリエーテル化合物又はポリエーテルポリオールと称することもできる。ポリエーテルの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(例えば、ポリオキシエチレン(9)ポリオキシプロピレン(2)ジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(36)ポリオキシプロピレン(41)ジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(55)ポリオキシプロピレン(28)ジメチルエーテル)などを挙げることができる。なかでも、使用性及び場合によっては耐衝撃性等の観点から、ポリエチレングリコールが好ましい。ポリエーテルは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる
 ポリエーテルは、使用性及び場合によっては耐衝撃性等の観点から、上記式1のnの値が、17以下、15以下、13以下、又は10以下の化合物が好ましい。かかるnの値の下限値としては特に制限はなく、2以上、3以上、4以上、又は5以上とすることができる。あるいは、ポリエーテルは、数平均分子量が、1,000以下、800以下、600以下、又は500以下の化合物が好ましい。かかる分子量の下限値としては特に制限はなく、100以上、150以上、200以上、250以上、又は300以上とすることができる。ポリエーテルは、このようなnの値及び/又は数平均分子量を有し、かつ、25℃の大気圧下において液状の化合物であることが好ましい。ここで、ポリエーテル化合物の数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における、ポリスチレン換算の数平均分子量を意図する。
〈(b)油分〉
 本開示の粉末化粧料は、油分を含まない又は油分の配合量が少ない化粧料である。油分を含むとしても、その配合量は、化粧料の全量に対し、5.0質量%未満、4.5質量%以下、4.5質量%未満、4.0質量%以下、3.5質量%以下、3.5質量%未満、3.0質量%以下、2.5質量%以下、2.0質量%以下、1.5質量%以下、1.0質量%以下、0.5質量%以下、又は0.1質量%以下とすることができる。例えば、固形粉末化粧料において、油分の量が少ないと、耐衝撃性が低下するが、本開示の化粧料は、保湿剤を所定量含んでいるため、耐衝撃性の低下を低減又は抑制することができる。なかでも、タルク等の体質顔料よりも光輝性粉末(例えばパール顔料)の方が、一般に、吸油量及び粒子径が大きいため、光輝性粉末を多く含むアイシャドウの方がファンデーションよりも耐衝撃性の面で不利であり得る。しかし、本開示の化粧料は、ファンデーションに限らず、アイシャドウに対しても耐衝撃性の低下を低減又は抑制することができる。
 ここで、本開示における「油分」とは、粉末化粧料において一般的に使用される油分、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、シリコーン油、及び極性油などを指し、上述した保湿剤は包含しない。
〈(c)粉末〉
 本開示の粉末化粧料に用いられる粉末としては特に制限なく、例えば、粉末化粧料の分野において一般的に用いられる球状又は非球状の粉末を使用することができる。粉末は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。粉末化粧料には、粉末として、球状粉末のみ又は非球状粉末のみが含まれていてもよく、或いは球状粉末と非球状粉末との両方が含まれていてもよい。
 いくつかの実施態様では、本開示の粉末化粧料は球状粉末を含む。球状粉末のサイズは特に制限はない。例えば、球状粉末の平均粒子径は、0.01μm以上、0.05μm以上、0.1μm以上、0.5μm以上、1.0μm以上、3.0μm以上、又は5.0μm以上とすることができ、また、50μm以下、30μm以下、20μm以下、15μm以下、又は10μm以下とすることができる。球状粉末は、平均粒子径がこのような範囲の粉末を単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
 平均粒子径は、粉末形状を球状と仮定したときに、動的光散乱法により光学的に測定された粉末(粒子)の直径の平均値として規定することができる。
 いくつかの実施態様では、本開示の粉末化粧料は非球状粉末を含む。非球状粉末は、上述した球状粉末に包含されない粉末を意図し、例えば、アスペクト比で規定することができる。非球状粉末のアスペクト比は、1.2以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、5.0以上、7.0以上、10以上、15以上、20以上、25以上、又は30以上とすることができ、また、200以下、170以下、150以下、120以下、100以下、70以下、又は50以下とすることができる。非球状粉末は、アスペクト比がこのような範囲の粉末を単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
 アスペクト比は、例えば、顕微鏡観察によって、任意の10個以上(例えば100個)の粉末を抽出し、各粉末の長手方向(面方向)の長さ及び粉末の短手方向(厚さ方向)の長さを測定し、長手方向の長さを短手方向の長さで除すること(即ち、長手方向の長さ/短手方向の長さ)により算出することができる。長手方向の長さは最も長いものを選択し、短手方向の長さは最も短いものを選択する。アスペクト比は、任意の10個以上(例えば100個)の粉末のアスペクト比の平均値とすることができる。
 粉末の配合量としては特に制限はなく、例えば、化粧料の全量に対し、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、又は85質量%以上とすることができ、また、95質量%以下、93質量%以下、90質量%以下、87質量%以下、85質量%以下、83質量%以下、又は80質量%以下とすることができる。粉末(例えば、光輝性粉末)はこのような範囲で、化粧料中に適宜配合することができる。例えば、アイシャドウは、化粧料の全量に対し、光輝性粉末を、40質量%以上の割合で高濃度に含み得る。
 粉末の種類としては特に制限はなく、例えば、無機粉末及び/又は有機粉末を使用することができる。無機粉末及び有機粉末は、それぞれ単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
 無機粉末を構成する成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母(例えば、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、合成金雲母鉄、紅雲母、黒雲母)、焼成タルク、焼成雲母(例えば、焼成セリサイト、焼成白雲母、焼成金雲母)、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、ホウケイ酸Ca/Al、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、アルミナ、ゼオライト、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素、フォトクロミック性酸化チタン(酸化鉄を焼結した二酸化チタン、)、及び還元亜鉛華を挙げることができる。このような粉末は、以下に示すような着色性の顔料以外の顔料として、化粧料の増量又は補強を目的として配合される場合がある。このような目的に使用される粉末を体質顔料と称する場合がある。
 この他、無機粉末として、例えば、無機顔料(「無機着色顔料」と称する場合がある。)を使用することもできる。無機顔料としては、例えば、無機白色系顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄);無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト);及び無機青色系顔料(例えば、群青、紺青)を挙げることができる。この他、光輝性粉末を挙げることができる。このような光輝性粉末としては、例えば、パール顔料(例えば、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、低次酸化チタン被覆雲母チタン、フォトクロミック性を有する雲母チタン、基板として雲母の代わりタルク、ガラス、合成フッ素金雲母、シリカ、オキシ塩化ビスマスなどを使用したもの、被覆物として酸化チタン以外に、低次性酸化チタン、着色酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化コバルト、アルミなどを被覆したもの、機能性パール顔料として、パール顔料表面に樹脂粒子を被覆したもの、パール顔料表面に水酸化アルミニウム粒子を被覆したもの、パール顔料表面に酸化亜鉛粒子を被覆したもの、パール顔料表面に硫酸バリウム粒子を被覆したもの);及び金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー)を挙げることができる。
 有機粉末を構成する成分としては、例えば、シリコーンエラストマー、シリコーン、シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン)、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、スチレンとアクリル酸との共重合体樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フッ素樹脂(例えばポリ四フッ化エチレン)、デンプン(例えばオクテニルコハク酸デンプンAl)、及びセルロースを挙げることができる。
 この他、有機粉末として、例えば、有機顔料(「有機着色顔料」と称する場合がある。)及び/又は色素を使用することもできる。有機顔料としては、例えば、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、具体的には、例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、及び青色1号を挙げることができる。
 色素としては、例えば、天然色素、具体的には、例えば、クロロフィル、及びβ-カロチンを挙げることができる。
 本開示の粉末化粧料に用いられる粉末は、表面処理剤で処理されてもよく、或いは処理されてなくてもよい。表面処理剤(例えばアクリル-シリコーン系グラフト共重合体)で処理された粉末を使用する場合、かかる処理粉末の粉末全体に対する割合は、100%以下、80%以下、50%以下、30%以下、15%以下、10%以下、5%以下、1%以下、0.5%以下、0.1%以下、0.05%以下、又は0.01%以下とすることができ、また、0.01%以上、0.1%以上、1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、又は50%以上とすることができる。
 いくつかの実施形態において、本開示の粉末化粧料は、光輝性粉末を含む。原理は定かではないが、例えば光輝性粉末とエタノールを含む系に比べ、保湿剤と光輝性粉末を含む系の方が、驚くべきことに、光輝性粉末に伴う輝度をより向上させることができる。保湿剤としては、輝度を向上させる観点から、ブチレングリコール(なかでも1,3-ブチレングリコール)、グリセリン、ジプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールが好ましく、ブチレングリコール(なかでも1,3-ブチレングリコール)及びジプロピレングリコールがより好ましく、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
 いくつかの実施形態において、本開示の粉末化粧料は、多孔質粒子を含む。本開示の粉末化粧料は、保湿剤を含むため、かかる化粧料を充填した容器を高湿度環境下において保管すると、充填した化粧料表面において目視し得るような大きさの水滴が発生する場合がある。本開示の粉末化粧料は、多孔質粒子を含むと、このような水滴の発生を低減又は抑制することができる。
 多孔質粒子の配合量は、このような水滴の発生を低減又は抑制する観点から、化粧料の全量に対し、1.0質量%以上、5.0質量%以上、7.0質量%以上、又は10質量%以上配合することが好ましい。上述した粉末(例えば体質顔料、光輝性粉末)が多孔質である場合には、それを多孔質粒子としてみなしてもよい。或いは、多孔質粒子は上述した粉末以外の粒子であってもよい。多孔質粒子が上述した粉末以外の粒子である場合には、かかる多孔質粒子の配合量の上限値は、30質量%以下、20質量%以下、又は15質量%以下とすることができる。なお、本開示において「多孔質粒子」とは、無孔質粒子よりも表面に多数の孔を有する粒子を意図し、例えば、BET法(気体吸着法)によって測定したBET比表面積が、50m/g以上、80m/g以上、又は100m/g以上以上を呈する粒子を意図し得る。かかる比表面積の上限値としては特に制限はなく、例えば、700m/g以下、500m/g以下、又は300m/g以下とすることができる。
〈任意成分〉
 本開示の粉末化粧料は、本開示の効果に悪影響を及ぼさない範囲で、各種成分を適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば、化粧品及び医薬品等に用いられる上述した成分以外の他の成分を挙げることができる。その例として、具体的には、界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、退色防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、防腐剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、賦形剤、香料、色材(例えば、上述したもの以外の顔料及び色素、並びに染料)、及び水を挙げることができる。任意成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
 いくつかの実施形態において、本開示の粉末化粧料は、界面活性剤の配合量を、化粧料の全量に対し、0.5質量%未満、0.3質量%未満、0.1質量%未満、0.09質量%以下、0.07質量%以下、又は0.05質量%以下とすることができる。あるいは、本開示の粉末化粧料は、界面活性剤を含まなくてもよい。
《粉末化粧料の用途》
 本開示の粉末化粧料の用途としては特に制限はなく、例えば、ルースパウダーのような粉末状化粧料、プレストパウダーのような固形粉末化粧料を挙げることができる。具体的には、例えば、ファンデーション、アイシャドウ、チークカラー、ボディーパウダー、パフュームパウダー、ベビーパウダー、デオドラントパウダー、及びおしろいを挙げることができる。本開示の粉末化粧料は、使用性に優れることに加え、衝撃による化粧料の割れ等の不具合を低減又は抑制する性能も呈し得るため、固形粉末化粧料、例えば、ファンデーション又はアイシャドウとして好適に使用することができる。例えば、アイシャドウは、吸油量が一般的に大きい光輝性粉末を多く含み、その結果、ファンデーションよりも耐衝撃性が弱くなりやすいため、油分を多く配合する必要があり、使用性に関する不具合が発生しやすかった。本開示の粉末化粧料は、光輝性粉末を高濃度に含む場合であっても、耐衝撃性及び使用性に関する不具合の発生を低減又は抑制し得るため、光輝性粉末を高濃度に含む粉末化粧料、例えばアイシャドウなどとして好適に使用することができる。
《粉末化粧料の製造方法》
 本開示の粉末化粧料の製造方法としては特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。かかる製造方法としては、例えば、乾式成型法、及び湿式成型法を挙げることができる。ここで、保湿剤は、例えば、粉末に対して直接配合してもよく、或いは、溶媒と混合したものを粉末に対して配合してもよい。なお、粉末化粧料の製造方法では、上述した各種の成分を同様に使用することができる。
 以下に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、配合量は質量%で示す。また、実施例に記載される各種評価方法は、実施例に記載される化粧料に限らず、上述した各成分を含む化粧料に対しても同様に実施することができる。
《実施例1~7及び比較例1~2》
 表1に示す処方及び下記に示す製造方法により得た粉末化粧料について、以下の評価を行い、その結果を表1に示す。ここで、この粉末化粧料は、固形粉末化粧料であるプレストパウダータイプのアイシャドウに該当する。また、使用した保湿剤成分はいずれも、25℃の大気圧下において液状の性能を呈していた。なお、25℃の大気圧下において固形の保湿剤を用いた場合には、固形粉末化粧料に成型することができなかった。
〈評価方法〉
(使用性試験1:化粧料の肌への塗りやすさ)
 専門パネルによる使用性についての官能評価を行った。評価方法としては、ブラシで化粧料を採取し、それを上瞼に塗布したときの使用性、すなわち、化粧料の伸びの軽さについて下記の基準で評価した:
 A:非常によい。
 B:よい。
 C:悪い。
(使用性試験2:化粧料の取れ性)
 専門パネルによる使用性についての官能評価を行った。評価方法としては、ブラシで化粧料を採取したときの使用性、すなわち、化粧料が滑らかであり取れやすかったかについて下記の基準で評価した:
 A:非常によい。
 B:よい。
 C:悪い。
(使用性試験3:肌負担感)
 専門パネルによる使用性についての官能評価を行った。評価方法としては、ブラシで化粧料を採取し、それを上瞼に塗布したときの使用性、すなわち、肌への負担がないかについて下記の基準で評価した:
 A:非常によい。
 B:よい。
 C:悪い。
(使用性試験4:耐ケーキング性)
 専門パネルによる使用性についての官能評価を行った。評価方法としては、下記の基準でケーキングの生じにくさを目視で評価した。なお、ケーキングが発生するとブラシ等で化粧料が取れにくくなるため、使用性の低下につながる:
 A:非常によい。
 B:よい。
 C:悪い。
(耐衝撃性試験)
 粉末化粧料の試験サンプルを5個用意し、これらを30cmの高さからコンクリートの床面に落下させた。落下後の試験サンプルについて、割れ、ひび、亀裂又は剥離等の外観不良が発生するまでの落下回数を計測した。表1において、この回数が10回未満の場合を「不良」、10回以上の場合を「良」と記載している。
〈粉末化粧料の製造方法〉
(比較例1)
 表1に記載される粉末成分と油性成分を表1に記載される配合量となるように加温しながらヘンシェルミキサーにて混合した後、それをエタノール溶媒中に配合した。得られた混合物を、略正方形状(約3cm×約4cm)で深さが約5mmの樹脂製の中皿容器に充填した後、エタノール溶媒を除去して乾燥させ、比較例1の粉末化粧料を得た。
(比較例2)
 粉末成分と油性成分の配合量を表1に記載される量に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の粉末化粧料を得た。
(実施例1)
 表1に記載される粉末成分と保湿剤成分を表1に記載される配合量となるように加温しながらヘンシェルミキサーにて混合した後、それをエタノール溶媒中に配合した。得られた混合物を、略正方形状(約3cm×約4cm)で深さが約5mmの樹脂製の中皿容器に充填した後、エタノール溶媒を除去して乾燥させ、実施例1の粉末化粧料を得た。
(実施例2~7)
 表1に記載される粉末成分と保湿剤成分及び配合量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~7の粉末化粧料を各々得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
〈結果〉
 表1から分かるように、保湿剤を用いて調製した実施例1~7の粉末化粧料は、従来の油性成分を用いて調製した比較例1及び2の粉末化粧料と同等以上の耐衝撃性を有しつつ、かつ、使用性の評価において良好な結果が得られることが確認できた。
 また、保湿剤と光輝性粉末を用いて調製した実施例1~7の粉末化粧料は、保湿剤を用いずに調製した比較例1及び2の粉末化粧料に比べ、光輝性粉末に伴う輝度が向上していることも確認できた。

Claims (8)

  1.  (a)1.0質量%以上の保湿剤、
     (b)0質量%以上5.0質量%未満の油分、及び
     (c)粉末、
    を含み、
     前記(a)保湿剤が、25℃の大気圧下において液状の保湿剤である、
    粉末化粧料。
  2.  前記(a)保湿剤が、多価アルコール及びポリエーテルからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の化粧料。
  3.  前記(c)粉末が、光輝性粉末を含む、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4.  前記光輝性粉末の含有量が、前記化粧料の全量に対し、10質量%以上である、請求項3に記載の化粧料。
  5.  前記(c)粉末が、多孔質粒子を含む、請求項1又は2に記載の化粧料。
  6.  固形粉末化粧料である、請求項1又は2に記載の化粧料。
  7.  ファンデーションとして使用される、請求項1又は2に記載の化粧料。
  8.  アイシャドウとして使用される、請求項1又は2に記載の化粧料。
PCT/JP2023/043389 2022-12-28 2023-12-05 粉末化粧料 WO2024142787A1 (ja)

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