WO2024111312A1

WO2024111312A1 - コネクタ及びコネクタ接続構造

Info

Publication number: WO2024111312A1
Application number: PCT/JP2023/038146
Authority: WO
Inventors: 考広久保; 章一野村; 淳平林
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2022-11-22
Filing date: 2023-10-23
Publication date: 2024-05-30
Also published as: JP2024075355A

Abstract

汎用性を向上し、コストを低減するとともに、接続対象に対して効率よく接続可能なコネクタを得ることを目的とする。　コネクタ１は、複数の端子付き電線１１と、複数の端子付き電線１１の端子１１２を、オス側端子２１２に対してまとめて接続可能に保持する接続部１２と、接続部１２に保持された複数の端子１１２を、個別に収容する複数のハウジング部１３と、を備えている。複数のハウジング部１３の各々は、接続部１２と別体で設けられ、接続部１２に対して着脱可能である。

Description

コネクタ及びコネクタ接続構造

　本発明は、コネクタ及びコネクタ接続構造に関する。

　車両等に設置されるバッテリーなどの機器と、車両等が備えるモータなどの機器と、を接続するコネクタが知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１には、バッテリー側に設けられるメス型のバッテリー電気コネクタと、車両側に設けられるオス型のバッテリーベイ電気コネクタと、が開示されている。バッテリー電気コネクタ及びバッテリーベイ電気コネクタは、複数のインターフェースと、複数のインターフェースをまとめて収容し保持するハウジングとしての搭載部分を備えている。

特許第５８８２４１４号公報

　しかしながら、上述したようなコネクタが設置される車両等では、搭載される機器の種類や数が様々であるため、例えば、コネクタに必要なインターフェースの数などの要件が異なることがある。このため、コネクタを設置する対象毎に、インターフェースの数を設定し直す必要があり、それに合わせて搭載部分等を設計し直す必要が生じてしまう。また、このような複数のインターフェースを備える、いわゆる多極コネクタでは、複数のインターフェースが搭載部分にまとめて収容されていることから、いずれかのインターフェースに導通不良が生じた場合、修理等のために全部品の分解又は交換が必要となる。したがって、従来の構造では、コネクタの製造、メンテナンス等に係るコストが増大し易かった。この問題に対し、インターフェース毎に搭載部分を設けることも考えられるが、この場合、各インターフェースが散乱することとなり、相手コネクタに対してインターフェースを効率よく接続することが難しくなってしまう。

　本発明の目的は、汎用性を向上し、コストを低減するとともに、接続対象に対して効率よく接続可能なコネクタ及びコネクタ接続構造を得ることにある。

　前記課題を解決し目的を達成するために、コネクタは、複数の端子付き電線と、複数の前記端子付き電線の端子を、相手側端子に対してまとめて接続可能に保持する接続部と、前記接続部に保持された複数の前記端子を、個別に収容する複数のハウジング部と、を備え、複数の前記ハウジング部の各々は、前記接続部と別体で設けられ、前記接続部に対して着脱可能であることを特徴とする。

　本発明によれば、汎用性を向上し、コストを低減するとともに、接続対象に対して効率よく接続可能なコネクタ及びコネクタ接続構造を得ることができる。

本発明の一実施形態に係るコネクタと、相手側コネクタの斜視図。コネクタと相手コネクタを図１と異なる方向から見た斜視図。（Ａ）は、図１のコネクタの要部拡大図であり、（Ｂ）は、図３（Ａ）に示す端子付き電線およびハウジング部を抜き出した図である。（Ａ）は、コネクタに接続される相手コネクタの要部拡大図であり、（Ｂ）は、図４（Ａ）に示すハウジング部を抜き出した図である。

　以下、本発明の一実施形態に係るコネクタ１について説明する。コネクタ１は、例えば、車両等に配索されるワイヤハーネスの一部を構成するメスコネクタであり、車両そのものや車両のモータなどの第１対象Ｍに固定される。図１に示すように、コネクタ１は、端子付き電線１１と、接続部１２と、ハウジング部１３と、を備えている。なお、図において、Ｘ、Ｙ、Ｚは、互いに直交する方向である。

　そして、図において接続部１２の短辺方向を「短辺方向Ｘ」と記す。また、短辺方向Ｘの一方側を「一方側Ｘ１」、他方側を「他方側Ｘ２」と記す。そして、接続部１２の長辺方向を「長辺方向Ｙ」と記す。また、長辺方向Ｙの一方側を「左側Ｙ１」、他方側を「右側Ｙ２」と記す。また、接続部１２の板厚方向を「板厚方向Ｚ」と記す。また、板厚方向Ｚの一方側を「裏側Ｚ１」、他方側を「表側Ｚ２」と記す。これは、あくまでも説明の便宜のためであり、必ずしも実際の使用状態における方向と一致するとは限らず、コネクタ１の実際の使用状態における方向を限定するものではない。

　端子付き電線１１は、図１に示す電線１１１と、電線１１１に接続される端子１１２と、を備えている。電線１１１は、大電流が流れる大径の第１電線１１１ａと、電子信号が送受信される小径の第２電線１１１ｂと、で複数個、配置されている。第１電線１１１ａは、不図示の編組によってシールドされたシールド電線であり、例えば、第１対象Ｍに電流を供給することなどに用いられる。第２電線１１１ｂは、シールド構造を有さない電線であり、例えば、第１対象Ｍに対してデータ等を送受信することなどに用いられる。

　本実施形態では、長辺方向Ｙに間隔をあけて配置された計２個の独立した第２電線１１１ｂの間に、計６個の独立した第１電線１１１ａが隣接して配置され、それぞれの第１電線１１１ａ及び第２電線１１１ｂが短辺方向Ｘに延びている。なお、電線１１１の数、形状、配置、及び第１電線１１１ａと第２電線１１１ｂとの構成の割合は、これに限られず、様々な組み合わせとすることができる。

　端子１１２は、コネクタ１を接続する対象である相手側コネクタ２（オスコネクタ）のオス側端子２１２（相手側端子）（図１参照）に接続されるものであり、図２に示すように、板厚方向Ｚに延びて筒状に形成されている。端子１１２は、第１電線１１１ａの先端に設けられる第１端子１１２ａと、第２電線１１１ｂの先端に設けられる第２端子１１２ｂと、を備えている。第１端子１１２ａ及び第２端子１１２ｂのそれぞれは、接続部１２の後述する保持部１２１に対して、板厚方向Ｚに挿通して延び、この状態で保持部１２１に固定されている。図２に示すように、第１端子１１２ａの各々には、第１電線１１１ａの編組と導通するとともに、保持部１２１に導通するシールド部１４が取り付けられている。シールド部１４は、第１端子１１２ａの外周を周方向に囲んでいる。

　接続部１２は、複数の端子付き電線１１の端子１１２を、オス側端子２１２に対してまとめて接続可能に保持する部分である。接続部１２は、図１に示すように、保持部１２１と、位置決め部１２２と、支持部１２３と、を備えている。

　保持部１２１は、図１に示すように、四隅が切り欠かれた略長方形の導電性板部材で構成され、図２に示すように、端子付き電線１１の端子１１２を、板厚方向Ｚ（端子１１２の延びる方向）に挿通させた状態でまとめて保持している。

　位置決め部１２２は、保持部１２１の表側Ｚ２（端子１１２の挿通方向一方側）において保持部１２１と一体に設けられ、相手側コネクタ２に固定される部分であり、この固定によって、オス側端子２１２に対する端子１１２の位置決めをする部分である。図２に示すように、位置決め部１２２は、嵌合部１２２ａと、１対のピン受け筒部１２２ｂと、を備えている。嵌合部１２２ａは、枠状に形成され、保持部１２１上で端子１１２をまとめて囲み、表側Ｚ２に立ち上がり、端子１１２の先端部よりも表側Ｚ２に延び、同方向に開口している。この嵌合部１２２ａは、相手側コネクタ２の後述する被嵌合部２２２ａと嵌合するように形成されており、この嵌合によって、コネクタ１が相手側コネクタ２に固定される。また、この嵌合によって、オス側端子２１２に対する端子１１２の位置決めが行われる。

　１対のピン受け筒部１２２ｂは、嵌合部１２２ａの長辺方向Ｙ外方にそれぞれ設けられ、一方が嵌合部１２２ａの左側Ｙ１の端部に隣接し、他方が嵌合部１２２ａの右側Ｙ２の端部に隣接している。１対のピン受け筒部１２２ｂは、それぞれ板厚方向Ｚに延びる円筒状に形成され、表側Ｚ２に開口している。１対のピン受け筒部１２２ｂの表側Ｚ２の端部は、嵌合部１２２ａの表側Ｚ２の端部よりも、表側Ｚ２に位置している。この１対のピン受け筒部１２２ｂには、コネクタ１と相手側コネクタ２の接続時に、後述する位置決めピン２２２ｂが板厚方向Ｚに嵌合するようになっており、この嵌合によって、オス側端子２１２に対する端子１１２の位置決めが行われる。

　支持部１２３は、保持部１２１を支持した状態で、ビス等の固定部材を用いて上述の第１対象Ｍに固定される部分である。すなわち、支持部１２３は、コネクタ１を第１対象Ｍに固定するための構成である。図１、２に示すように、支持部１２３は、第１対象Ｍに当接する接続板１２３ａと、接続板１２３ａの裏側Ｚ１に積層される支持板１２３ｂと、を備えている。接続板１２３ａと支持板１２３ｂは、ともに保持部１２１よりも短辺方向Ｘ及び長辺方向Ｙの寸法が大きい長方形板状に形成されている。

　支持部１２３には、接続板１２３ａから支持板１２３ｂまで、板厚方向Ｚに貫通する配置孔１２３ｃが形成されており、この配置孔１２３ｃ内には、保持部１２１が配置された状態で支持されている。配置孔１２３ｃの内縁の長さは、保持部１２１の外縁の長さよりもやや長く形成されており、これによって保持部１２１外縁と、配置孔１２３ｃの内縁と、の間には、隙間が形成されている。このため、この隙間の分、保持部１２１は、支持部１２３に対して、短辺方向Ｘ及び長辺方向Ｙ（板厚方向Ｚに交差する交差方向）に、変位可能に支持されていることとなる。

　ハウジング部１３は、接続部１２とは別体に設けられて、接続部１２に保持された複数の端子１１２を個別に収容するものであり、各端子１１２に対応するように、複数設置されている。具体的には、ハウジング部１３は、図１に示すように、第１端子１１２ａを収容する第１ハウジング部１３ａと、第２端子１１２ｂを収容する第２ハウジング部１３ｂと、を備えている。図３（Ｂ）に示すように、第１ハウジング部１３ａは、箱部１３ａ１と、蓋部１３ａ２と、取付部１３ａ３と、を備えている。

　箱部１３ａ１は、第１電線１１１ａを囲むとともに、加締め等により第１電線１１１ａと一体となる部分であり、短辺方向Ｘに長い直方体状に形成され、裏側Ｚ１を向く面の一方側Ｘ１の一部が、板厚方向Ｚに開口可能となっている。なお、図示はしないが、この箱部１３ａ１内部には、第１電線１１１ａ（端子付き電線１１）のシールド部１４と、導通するとともに、接続部１２に導通するシールド構造を設けてもよい。すなわち、本実施形態では、複数のハウジング部１３の各々に、シールド構造を設けることができる。

　蓋部１３ａ２は、箱部１３ａ１の開口可能な部分を閉塞する部分であり、長辺方向Ｙ両端部に設けられた爪部１３ａ２－１を箱部１３ａ１に設けられた突起１３ａ１－１に引っ掛けることで、箱部１３ａ１に固定されている。なお、爪部１３ａ２－１と突起１３ａ１－１との固定を解除することで、蓋部１３ａ２は、箱部１３ａ１から取り外すことが可能となっており、これによって、端子付き電線１１のメンテナンス時等には、箱部１３ａ１内に容易にアクセスすることができるようになっている。

　取付部１３ａ３は、第１ハウジング部１３ａを接続部１２に取り付けるための部分であり、箱部１３ａ１の一方側Ｘ１を向く面から、一方側Ｘ１に延びる三角形の板状に形成されている。取付部１３ａ３は、図３（Ａ）に示すように、第１端子１１２ａを保持部１２１に挿通させた際に、その表側Ｚ２の面が保持部１２１の裏側Ｚ１を向く面に当接するようになっている。

　取付部１３ａ３には、板厚方向Ｚに貫通するねじ孔１３ａ３－１が設けられており、このねじ孔１３ａ３－１には、締結部材としての第１固定ねじ１５が螺合するようになっている。そして、この第１固定ねじ１５の締結及び締結の解除により、第１ハウジング部１３ａは、他の第１ハウジング部１３ａとは別々に、接続部１２に対して着脱可能となっている。そして、任意の第１ハウジング部１３ａを接続部１２に対して着脱することで、複数の端子付き電線１１のうち、任意の端子付き電線１１を、容易に接続部１２に対して着脱することができるようになっている。

　第２ハウジング部１３ｂは、図３（Ａ）に示すように、短辺方向Ｘに延びる長円形板状に形成されている。この第２ハウジング部１３ｂには、第２電線１１１ｂが板厚方向Ｚに挿通した状態で収容されている。この第２ハウジング部１３ｂには、一方側Ｘ１に不図示のねじ孔が形成されており、このねじ孔には、第２固定ねじ１６が螺合するようになっている。このため、第２ハウジング部１３ｂは、第２固定ねじ１６の締結及び締結の解除により、他の第２ハウジング部１３ｂとは別々に、接続部１２に対して着脱可能となっている。そして、任意の第２ハウジング部１３ｂを接続部１２に対して着脱することで、複数の第２電線１１１ｂのうち、任意の第２電線１１１ｂを、容易に接続部１２に対して着脱することができるようになっている。このように、ハウジング部１３（第１ハウジング部１３ａ、第２ハウジング部１３ｂ）の各々は、接続部１２と別体で設けられ、接続部１２に対して着脱可能となっている。

　次に、コネクタ１の接続先である、相手側コネクタ２について説明する。相手側コネクタ２は、例えば、車両等に配索されるワイヤハーネスの一部を構成するオスコネクタであり、車両そのものや車両に搭載されるバッテリー等の第２対象Ｂに固定される。図１、２に示すように、相手側コネクタ２は、オス側端子付き電線２１と、オス側接続部２２と、オス側ハウジング部２３と、を備えている。オス側端子付き電線２１は、図２に示すオス側電線２１１と、オス側電線２１１に接続されるオス側端子２１２（図１参照）と、を備えている。

　オス側電線２１１は、上述した第１電線１１１ａとともに回路を形成するオス側第１電線２１１ａと、第２電線１１１ｂとともに回路を形成するオス側第２電線２１１ｂと、を備えている。オス側第１電線２１１ａは、第１電線１１１ａのそれぞれに対応するよう、６個配置されている。オス側第２電線２１１ｂは、第２電線１１１ｂのそれぞれに対応するよう、２個配置されている。

　オス側端子２１２は、端子１１２に接続されるものであり、図１に示すように、板厚方向に延びてピン状に形成されている。オス側端子２１２は、オス側第１電線２１１ａの先端に設けられるオス側第１端子２１２ａと、オス側第２電線２１１ｂの先端に設けられるオス側第２端子２１２ｂと、を備えている。

　オス側接続部２２は、複数のオス側端子付き電線２１のオス側端子２１２を、端子１１２に対してまとめて接続可能に保持する部分である。オス側接続部２２は、オス側保持部２２１と、オス側位置決め部２２２と、を備えている。

　オス側保持部２２１は、長辺方向Ｙに延びる長方形状の導電性板部材で構成され、図２に示すように、オス側端子付き電線２１のオス側端子２１２を、板厚方向Ｚ（オス側端子２１２の延びる方向）に挿通させた状態でまとめて保持している。なお、本実施形態では、オス側接続部２２は、上述した接続部１２と異なり、支持部１２３のような構成を有しておらず、ビス等の固定部材を用いてオス側保持部２２１を直接第２対象Ｂに固定することとなっている。すなわち、オス側保持部２２１は、相手側コネクタ２を第２対象Ｂに固定するための構成としても機能している。

　オス側位置決め部２２２は、オス側保持部２２１の裏側Ｚ１においてオス側保持部２２１と一体に設けられ、コネクタ１に固定される部分であり、この固定によって、端子１１２に対するオス側端子２１２の位置決めをする部分である。図１に示すように、オス側位置決め部２２２は、被嵌合部２２２ａと、１対の位置決めピン２２２ｂと、を備えている。被嵌合部２２２ａは、オス側保持部２２１上でオス側端子２１２をまとめて囲み、裏側Ｚ１に立ち上がり、オス側端子２１２の先端部よりも裏側Ｚ１に延び、同方向に開口している。この被嵌合部２２２ａは、裏側Ｚ１に立ち上がり、上述のとおり、コネクタ１の嵌合部１２２ａと、嵌合するようになっている。

　１対の位置決めピン２２２ｂは、被嵌合部２２２ａの長辺方向Ｙ外方にそれぞれ設けられ、一方が被嵌合部２２２ａの左側Ｙ１の端部に隣接し、他方が被嵌合部２２２ａの右側Ｙ２の端部に隣接している。１対の位置決めピン２２２ｂは、それぞれ板厚方向Ｚに延びる先端先細の円柱状に形成され、上述のようにコネクタ１と相手側コネクタ２の接続時に、ピン受け筒１２２ｂに嵌合するようになっている。１対の位置決めピン２２２ｂの裏側Ｚ１の端部は、被嵌合部２２２ａの裏側Ｚ１の端部よりも、裏側Ｚ１に位置している。

　オス側ハウジング部２３は、オス側接続部２２とは別体に設けられて、オス側接続部２２に保持された複数のオス側端子２１２を個別に収容するものであり、各オス側端子２１２に対応するように、複数設置されている。具体的には、オス側ハウジング部２３は、オス側第１端子２１２ａを収容するオス側第１ハウジング部２３ａと、オス側第２端子２１２ｂを収容するオス側第２ハウジング部２３ｂと、を備えている。オス側第１ハウジング部２３ａ及びオス側第２ハウジング部２３ｂは、それぞれ、短辺方向Ｘに延びる長円形板状又はひし形板状に形成されている。図４（Ｂ）に示すように、各オス側ハウジング部２３には、オス側端子２１２が板厚方向Ｚに挿通した状態で収容されている。そして、オス側ハウジング部２３は、オス側端子２１２をオス側保持部２２１に挿通させた際に、その裏側Ｚ１の面がオス側保持部２２１の表側Ｚ２を向く面に当接するようになっている。

　各オス側ハウジング部２３の他方側Ｘ２には、板厚方向Ｚに貫通するオス側ねじ孔２３ａ－１が形成されており、このオス側ねじ孔２３ａ－１には、固定ねじ２４が螺合するようになっている。上述したハウジング部１３と同様に、固定ねじ２４の締結及び締結の解除により、オス側ハウジング部２３は、他のオス側ハウジング部２３とは別々に、オス側接続部２２に対して着脱可能となっている。そして、任意のオス側ハウジング部２３をオス側接続部２２に対して着脱することで、複数のオス側端子付き電線２１のうち、任意のオス側端子付き電線２１を、容易にオス側接続部２２に対して着脱することができるようになっている。

　次に、コネクタ１と、相手側コネクタ２と、の接続構造について説明する。コネクタ１と、相手側コネクタ２と、を接続する際には、まず、コネクタ１を第１対象Ｍに固定し、相手側コネクタ２を第２対象Ｂに固定する。具体的には、接続部１２の保持部１２１に、複数の端子付き電線１１の各端子１１２を挿通させ、各端子１１２を保持させる。次に、各端子１１２を収容するハウジング部１３を、第１固定ねじ１５又は第２固定ねじ１６によって、接続部１２にそれぞれ固定する。そして、端子付き電線１１、接続部１２、及びハウジング部１３が一体となった状態のコネクタ１を、接続板１２３ａを介して第１対象Ｍに当接させ、ビス等の固定部材で、第１対象Ｍに固定する。

　また、オス側接続部２２のオス側保持部２２１に、複数のオス側端子付き電線２１の各オス側端子２１２を挿通させ、各オス側端子２１２を保持させる。次に、各オス側端子を収容するオス側ハウジング部２３を、固定ねじ２４によってオス側接続部２２にそれぞれ固定する。そして、オス側端子付き電線２１、オス側端子２１２、及びオス側ハウジング部２３が一体となった状態の相手側コネクタ２を、オス側保持部２２１を介して第２対象Ｂに当接させる。

　次に、第１対象Ｍと第２対象Ｂを、板厚方向Ｚに並べる。この際、各端子１１２と各オス側端子２１２とが板厚方向Ｚに対向し、嵌合部１２２ａと被嵌合部２２２ａとが板厚方向Ｚに対向し、位置決めピン２２２ｂの中心軸とピン受け筒１２２ｂの中心軸とが同軸となるように、位置を調整する。そして、位置調整後、第１対象Ｍと第２対象Ｂとを板厚方向Ｚに沿って、接近させていく。第１対象Ｍと第２対象Ｂとが接近すると、上述した構成の位置関係により、まず、位置決めピン２２２ｂがピン受け筒１２２ｂに挿入され始める。次いで嵌合部１２２ａが被嵌合部２２２ａに嵌合し始め、コネクタ１と相手側コネクタ２との位置が決まった状態で、端子１１２とオス側端子２１２との接続がまとめて行われる。これにより、コネクタ１と相手側コネクタ２との接続が完了する。

　なお、第１対象Ｍに対するコネクタ１の取り付け公差や、第２対象Ｂに対する相手側コネクタ２の取り付け公差等により、嵌合部１２２ａの被嵌合部２２２ａへの嵌合がうまく行えない場合がある。この場合、コネクタ１の支持部１２３に対して、保持部１２１を短辺方向Ｘや長辺方向Ｙに変位させる、いわゆるフローティングを行うことで、コネクタ１と相手側コネクタ２との位置ずれを解消することができる。

　なお、第１対象Ｍや第２対象Ｂの種類が変わる等した場合、端子付き電線１１の数や、形状等の要件が変更される場合があり、これに伴って複数の端子付き電線１１の増減が必要になる場合がある。この場合、例えば、現状の構成はそのままに、新たな端子付き電線１１を用意し、その端子付き電線１１を本実施形態のハウジング部１３で覆い、そのハウジング部１３を接続部１２に固定することで、容易に端子付き電線１１を増やすことができる。また、現状の構成から、第１固定ねじ１５を緩め、一のハウジング部１３を外すことで、容易に端子付き電線１１を接続部１２から外すことができる。

　一方、第１対象Ｍや第２対象Ｂの使用中に、一部の端子付き電線１１に導通不良が生じた場合、その対象の端子付き電線１１について、第１固定ねじ１５を緩め、ハウジング部１３を外すことができる。これにより、容易に端子付き電線１１を接続部１２から外し、点検、修理、又は交換をすることができる。

　以上、上述した実施形態によれば、コネクタ１は、複数の端子付き電線１１と、複数の端子付き電線１１の端子１１２を、オス側端子２１２（相手側端子）に対してまとめて接続可能に保持する接続部１２と、接続部１２に保持された複数の端子１１２を、個別に収容する複数のハウジング部１３と、を備え、複数のハウジング部１３の各々は、接続部１２と別体で設けられ、接続部１２に対して着脱可能であることを特徴とする。

　このような構成によれば、接続部１２によって、複数の端子付き電線１１の端子１１２を保持してまとめてオス側端子２１２に接続することができるので、相手側コネクタ２に対して効率よく接続できるコネクタ１を得ることができる。また、接続部１２と別体で設けられ、接続部１２に対して着脱可能な複数のハウジング部１３によって、接続部１２に保持された複数の端子１１２が個別に収容されている。このため、第１対象Ｍによって必要な端子付き電線１１の数の要件が異なったとしても、例えば、接続部１２の構造はそのままに、ハウジング部１３ごと端子付き電線１１を増減することで要件の変更に柔軟に対応することができる。また、一部の端子付き電線１１について、形状の要件が異なったとしても、例えば、接続部１２の構造はそのままに、対象のハウジング部１３の形状のみを変更することで要件の変更に柔軟に対応することができる。このため、コネクタ１の汎用性を向上し、コネクタ１の製造コストを低減することができる。また、複数の端子付き電線１１のうち、いずれかの端子付き電線１１に導通不良等の不具合が生じた場合、対象の端子付き電線１１のみハウジング部１３ごと取り外すことで、点検又は修理等をすることができる。これにより、従来の多極コネクタのように、コネクタの全部品の分解又は交換が必要となることがない。このため、コネクタ１のメンテナンスに係るコストを低減することができる。したがって、汎用性を向上し、コストを低減するとともに、接続対象に対して効率よく接続可能なコネクタ１を得ることができる。

　また、接続部１２と一体に設けられた位置決め部１２２によって端子１１２のオス側端子２１２に対する位置を決めることができるので、端子１１２をオス側端子２１２に対して確実に接続することができる。

　また、この際、嵌合部１２２ａを被嵌合部２２２ａに嵌合させることで、端子１１２のオス側端子２１２に対する位置を決め、端子１１２とオス側端子２１２との接続を確実に行うことができる。

　また、本実施形態では、支持部１２３は、第１対象Ｍに固定され、保持部１２１は、支持部１２３に対して交差方向に変位可能に支持されている。このため、第１対象Ｍに固定されたコネクタ１をオス側端子２１２に接続させる際、例えば、公差等により被嵌合部２２２ａに対する嵌合部１２２ａの位置がずれた場合にも、保持部１２１を変位させることでその位置ずれを解消することができる。これにより、嵌合部１２２ａと被嵌合部２２２ａとの嵌合をより一層確実に行うことができ、端子１１２とオス側端子２１２との接続を確実に行うことができる。

　また、従来のように、搭載部分によって複数のインターフェースをまとめて収容し保持する構成では、複数のインターフェースがシールド電線であった場合、搭載部分にシールド構造を設けて全てのインターフェースをまとめてシールドする必要があることから、シールド構造が複雑化又は大型化し易かった。しかしながら、本発明の一態様によれば、複数のハウジング部の各々にシールド構造を設けることができるので、全ての端子付き電線１１をまとめてシールドする必要がない。このため、シールド構造の複雑化又は大型化を避けることができる。

　また、本実施形態によれば、汎用性を向上し、コストを低減するとともに、接続対象に対して効率よく接続可能なコネクタを用いて、コネクタ接続構造を得ることができる。

　以上、コネクタ１の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。

　例えば、本実施形態では、位置決め部１２２は、嵌合部１２２ａと、ピン受け筒１２２ｂと、で構成したが、位置決め部１２２の構成はこれに限られない。すなわち、嵌合部１２２ａやピン受け筒１２２ｂのいずれかを省略してもよいし、位置決め部１２２について爪嵌合等の異なる構造を採用してもよい。いずれにしても、コネクタ１と相手側コネクタ２の接続時に、オス側端子２１２に対する複数の端子１１２の位置を決めることができる構造であればよい。

　また、本実施形態では、コネクタ１の接続部１２に、支持部１２３を設け、この支持部１２３に対して保持部１２１を交差方向に変位可能に支持した。しかしながら、コネクタ１ではなく、相手側コネクタ２においてこのような構成を用い、オス側保持部２２１を交差方向に変位可能としてもよいし、コネクタ１及び相手側コネクタ２の両方に支持部１２３を設けてもよい。

　また、本実施形態では、ハウジング部１３の各々にシールド構造を設けたが、各シールド構造は、それぞれ省略することも可能である。

　また、本実施形態では、メスコネクタをコネクタ１とし、オスコネクタを相手側コネクタ２としたが、この関係は逆でもよく、オスコネクタをコネクタ１とし、メスコネクタを相手側コネクタ２としてもよい。すなわち、コネクタ接続構造は、メスコネクタ及びオスコネクタのうち少なくとも一方が、上述したコネクタ１で構成されていればよい。

　１　　　コネクタ
　１１　　端子付き電線
　１１２　端子
　１２　　接続部
　１３　　ハウジング部
　２１２　オス側端子（相手側端子）

Claims

　複数の端子付き電線と、
　複数の前記端子付き電線の端子を、相手側端子に対してまとめて接続可能に保持する接続部と、
　前記接続部に保持された複数の前記端子を、個別に収容する複数のハウジング部と、を備え、
　複数の前記ハウジング部の各々は、前記接続部と別体で設けられ、前記接続部に対して着脱可能であることを特徴とするコネクタ。
　前記接続部は、複数の前記端子付き電線を、前記端子の延びる方向に挿通させた状態で保持する保持部と、前記端子の挿通方向一方側において前記保持部と一体に設けられ前記相手側端子を備えた相手側コネクタに固定される位置決め部と、を備え、
　前記位置決め部が前記相手側コネクタに固定されることで、前記端子の前記相手側端子に対する位置が決まることを特徴とする請求項１に記載のコネクタ。
　前記位置決め部は、前記端子を囲んで前記保持部から立ち上がる枠状の嵌合部であり、
　前記嵌合部は、前記相手側コネクタに設けられた被嵌合部に嵌合して固定されることを特徴とする請求項２に記載のコネクタ。
　前記接続部は、板厚方向に貫通する配置孔が設けられた支持部を備え、
　前記支持部は、前記コネクタが配置される対象に固定され、
　前記保持部は、前記配置孔内に配置された状態で、前記支持部に対して前記板厚方向に交差する交差方向に変位可能に支持されていることを特徴とする請求項２又は３に記載のコネクタ。
　前記端子付き電線は、シールド電線であり、
　複数の前記ハウジング部の各々には、前記端子付き電線のシールドと導通するとともに、前記接続部に導通するシールド構造が設けられていることを特徴とする請求項１に記載のコネクタ。
　メスコネクタと、オスコネクタと、を接続するコネクタ接続構造であって、前記メスコネクタ及び前記オスコネクタのうち少なくとも一方が、請求項１に記載のコネクタで構成されていることを特徴とするコネクタ接続構造。