WO2023223410A1 - ロボット装置及びその制御方法 - Google Patents

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    • B25J13/08Controls for manipulators by means of sensing devices, e.g. viewing or touching devices

Abstract

ロボットアームを備えるロボット装置であって、複数の変位センサの検出結果を用いて前記ロボットアームの第1座標系上での位置を求める演算部と、マーク検出部で複数の基準マークを検出したときの、前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置と前記基準マークの第2座標系上での位置との間の変換関係を求める変換部と、前記第2座標系上で指定された目標位置を前記変換関係を用いて前記第1座標系上での前記ロボットアームの位置に変換して前記ロボットアームの位置を制御する制御部と、を備える。ロボットアームの位置のキャリブレーションを容易に行うことができる。

Description

ロボット装置及びその制御方法
 本発明は、例えばロボット装置及びロボット装置の制御方法に関する。
[規則91に基づく訂正 26.06.2023]
 ロボットアームでロボットハンドを対象物の位置まで正確に移動するために、予めロボットハンドと対象物とを撮像しておいた画像と、今回の画像とを比較して、この比較結果を用いてロボットハンドの位置を補正するようにしたロボット装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。かかる技術においては、種々の形状の対象物の位置までロボットハンドを正確に移動するために、ロボットハンド又はロボットアームの位置を容易に又は効率的にキャリブレーションできることが望まれている。
特開2021-24075号公報
 本発明の第1の態様によれば、ロボットアームを備えるロボット装置であって、そのロボットアームの変位を検出する複数の変位センサと、複数のその変位センサの検出結果を用いてそのロボットアームの第1座標系上での位置を求める演算部と、基準部材に設けられてそれぞれ第2座標系上での位置が規定された複数の基準マークを順次検出可能であるとともに、そのロボットアームに支持されたマーク検出部と、そのマーク検出部で複数のその基準マークを検出したときの、そのロボットアームのその第1座標系上での位置とその基準マークのその第2座標系上での位置との間の変換関係を求める変換部と、その第2座標系上で指定された目標位置をその変換関係を用いてその第1座標系上でのそのロボットアームの位置に変換してそのロボットアームの位置を制御する制御部と、を備えるロボット装置が提供される。
 第2の態様によれば、ロボットアームを備えるロボット装置の制御方法であって、複数の変位センサの検出結果を演算することによってそのロボットアームの第1座標系上での位置を求めることと、基準部材に設けられてそれぞれ第2座標系上での位置が規定された複数の基準マークを、そのロボットアームに支持されたマーク検出部を用いて順次検出することと、その基準マークを検出しているときのそのロボットアームのその第1座標系上での位置と、検出されたその基準マークのその第2座標系上での位置との間の変換関係を求めることと、その第2座標系上で指定された目標位置をその変換関係を用いてその第1座標系上でのそのロボットアームの位置に変換してそのロボットアームの位置を制御することと、を含むロボット装置の制御方法が提供される。
第1の実施形態のロボット装置を示す斜視図である。 (A)は図1のロボット装置で基準マーク部材の基準マークを検出する状態を示す斜視図、(B)は図2(A)のロボットハンドを-Y方向に見た拡大図、(C)は図2(A)の基準マーク部材を示す拡大平面図である。 図1のロボット装置の制御装置の一例を示す図である。 (A)は図2(A)の撮像装置の視野の一例を示す拡大図、(B)は検出される複数の基準マークの配列の一例及びロボット座標系でのその配列の一例を示す図である。 (A)は基準座標系の3つの軸とロボット座標系の3つの軸との関係の一例を示す図、(B)はロボット座標系上の立体図形及びドリフトによって変形した立体図形の一例を示す図である。 (A)は基準マーク部材の製造方法の一例を示すフローチャート、(B)はロボット装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。 (A)はロボット座標系のz軸の周りの回転の一例を示す図、(B)は複数軸の周りの回転の一例を示す図である。 ロボット座標系の原点からの距離に応じてロボットアームの先端部がz方向に撓む状態を示す図である。 (A)は第2の実施形態のマーク形成部を示す斜視図、(B)は第2の実施形態の基準マーク部材を示す斜視図、(C)は変形例のマーク形成部を示す斜視図である。 (A)は変形例の基準マークを示す図、(B)は別の変形例の基準マークを示す図である。
 [第1の実施形態]
 以下、第1の実施形態につき図1~図6を参照して説明する。
 図1は本実施形態の垂直多関節型のロボット装置4を示す。図1において、ロボット装置4のベース部14は例えば工場の床面や作業机等の表面等の設置面2aに設置されている。以下では、一例としてベース部14の中心に原点14Sを取り、原点14Sを通り設置面2aに平行に直交するx軸及びy軸を取り、原点14Sを通り設置面2aに垂直にz軸を取って説明する。一例として設置面2aはほぼ水平面であり、設置面2aの上方(鉛直方向の逆方向)をz軸の+方向とする。また、座標系(x,y,z)をロボット座標系と称する。この場合、原点14Sは外部からは見えない計算上の点である。原点14Sをベース部14の中心に取るときには、ロボット座標系(x,y,z)上での位置の計算が容易である。なお、原点14Sの位置はベース部14の中心に限られず、ロボット装置の構成や用途等に応じて他の任意の位置に設定可能である。
 ロボット装置4は、ロボット本体部6と、ロボット本体部6に接合されたロボットハンド26と、ロボット本体部6の動作を制御する制御装置10と、ロボットハンド26の動作を制御する制御装置12とを備えている。ロボット本体部6は、ベース部14と、ベース部14の中央にz軸の周りに回転可能に連結された回転部16と、回転部16に順に変位可能に連結された第1のロボットアーム18A、第2のロボットアーム18B、及び第3のロボットアーム18Cとを備えている。第3のロボットアーム18Cの先端部20Aにロボットハンド26が接合されている。ロボットハンド26はエンドエフェクタとも呼ぶことができる。一例として、ロボットハンド26は可動の2つのフィンガー28A,28Bを有する2指グリッパである。
 一例として、第1のロボットアーム18Aは、回転角θ1及び旋回角φ1が制御可能であり、第2のロボットアーム18Bは、回転角θ2及び旋回角φ2が制御可能であり、第3のロボットアーム18Cは、回転角θ3及び旋回角φ3が制御可能である。また、第3のロボットアーム18Cは、先端部20Aの回転角θ3を変化させる回転部20B、及び先端部20Aの旋回角φ3を変化させる傾斜駆動部20Cを有する。回転部20B及び傾斜駆動部20Cはそれぞれ駆動用モータ及び回転角(旋回角)を検出する角度センサを有する。他のロボットアーム18A,18Bも同様の駆動部を有する。
 このため、ロボット装置4は、3つの回転角及び3つの旋回角を検出するための少なくとも6個の角度センサ48A,48B,48C.48D.48E.48F(図3参照)を有する。角度センサ48A~48Fは変位センサでもある。本実施形態では3本のロボットアーム18A~18Cを備えているが、ロボット装置4は1個のロボットアーム18Cだけを備えていてもよい。この場合、変位センサとして2つの角度センサ48E,48Fを有するだけでもよい。
 6個の角度センサ48A~48Fの検出値及びロボットアーム18A~18Cの形状の既知の情報から、制御装置10中の座標算出部46E(図3参照)は、ロボットアーム18Cに接合されたロボットハンド26の、x方向、y方向、z方向の位置よりなるロボット座標系(x,y,z)上の位置、及び3軸の周りの回転角を含む6自由度の位置(角度を含む)を算出できる。その算出結果を用いて、ロボットハンド26の6自由度の位置が制御可能である。一例として、ロボットアーム18Cの位置は、ロボットハンド26の位置であり、ロボットハンド26の位置は、フィンガー28A,28Bで把持されるワーク(不図示)の設計上の中心である作用点28C(図2(C)参照)の位置としてもよい。なお、その作用点28Cとロボットアーム18Cの先端部20Aとの位置関係は既知であり、ロボットハンド26の位置及び角度を制御することは、ロボットアーム18Cの先端部20Aの位置及び角度を制御することでもある。言い替えると、ロボットアーム18Cの位置として、先端部20Aの位置を用いてもよい。なお、ロボット装置4の構成は図1の構成に限られることなく任意である。
 図1において、ベース部14の近くの載物台30に、他の複数のロボットハンド、例えば4本の可動のフィンガー部を有するロボットハンド26A、及び溶接を行うための溶接部を有するロボットハンド26B等が用意されている。ロボットアーム18A~18Cを駆動してロボットアーム18Cの先端のロボットハンド26を載物台30に戻し、ロボットハンド26A,26B等の他のロボットハンドをロボットアーム18Cの先端に接合することもできる。以下では、ロボットアーム18Cの先端部20Aにロボットハンド26が接合されているものとして説明する。
 また、ロボット装置4は、撮像装置22及び照明装置(不図示)を備えている。撮像装置22は例えばCMOS型又はCCD型等の撮像素子及びレンズ22aを有する。一例として、撮像装置22はロボットアーム18Cの先端部20Aに装着され、撮像装置22の視野内にロボットハンド26のフィンガー28A,28Bの先端部が収まっている。なお、撮像装置22は先端部20A以外の位置、例えばロボットハンド26の一面等に設けてもよい。なお、撮像装置22とは別の例えばロボット装置4の全体の動作を観察可能な撮像装置等(不図示)を設置面2a上の測定位置、又はロボット装置4が設置されている部屋の壁や天井等に設けてもよい。また、ロボットハンド26とワーク等の対象物(不図示)との位置関係等を検出するために、撮像装置22の代わりに、撮像装置とは異なる近接センサ等の任意のセンサを用いることができる。
 さらに、ベース部14の近くの設置面2a上に、ロボット座標系(x,y,z)上の位置の後述のキャリブレーションを行う際に使用する基準マーク部材32(基準部材)が設置されている。基準マーク部材32は、平板部34と、平板部34上にマトリクス状に形成された互いに高さ(z方向の位置)が異なるマーク形成面40As,40Es,40Isを含む複数(図1では9個)のマーク形成面と、その複数のマーク形成面に形成された複数の基準マークMとを有する。一例として基準マークMは十字型のパターンであるが、そのパターンの形状は任意である。
 平板部34は、3箇所の高さ調節用のねじ38A,38B,38Cを介して設置面2aに載置され、ねじ38A,38B,38Cが設けられている部分がそれぞれ押さえ具36A,36B,36C及びボルトBによって設置面2aに固定されている。すなわち、平板部34(基準マーク部材32)は設置面2aに着脱可能に設置され、例えば平板部34の表面が水平面に平行になるようにねじ38A,38B,38Cの高さが調整されている。
 また、ベース部14に近いマーク形成面40Asに形成された基準マークMの中心を原点34Sとして、原点34Sを通り平板部34の表面に平行な互いに直交するX軸及びY軸、及び原点34Sを通り平板部34の表面に垂直なZ軸から、基準マークMの位置を規定する基準座標系(X,Y,Z)が構成されている。複数のマーク形成面40As,40Is等(ひいては基準マークM)はX方向及びY方向にそれぞれ所定間隔で配置され、X軸及びY軸がロボット座標系(x,y,z)のx軸及びy軸にほぼ平行になるように、基準マーク部材32が設置面2aに固定されている。なお、基準マーク部材32の基準座標系(X,Y,Z)の原点34Sの位置は任意である。ただし、ロボット装置4ではベース部14から離れるほどロボットアーム18A~18Cの撓み及び振動等の影響が大きくなる恐れがあるため、基準座標系(X,Y,Z)の原点34Sはベース部14に近い位置に設けることが好ましい。さらに、基準座標系(X,Y,Z)の原点34Sを設計上のロボット座標系(x,y,z)の原点14Sの位置にほぼ一致させておいてもよい。また、ロボット座標系(x,y,z)を第1座標系、基準座標系(X,Y,Z)を第2座標系と称することもできる。
 図2(A)は、ロボット装置4のロボットアーム18Cに設けられた撮像装置22で基準マーク部材32のマーク形成面40Asの基準マークMを検出している状態を示し、図2(B)は図2(A)中のロボットアーム18Cに接合されているロボットハンド26を-Y方向に見た図であり、図2(C)は図2(A)中の基準マーク部材32を示す。図2(B)において、ロボットハンド26は、ロボットアーム18Cの先端部20Aに接合される接合部(ジョイント)26a、及びフィンガー28A,28Bの開閉を行う駆動部を内蔵する作動部26bを有する。接合部26aは、先端部20Aに対して機械的(ねじによる固定、可動の爪機構による固定、永久磁石による固定等)、又は電気的(電磁石による固定等)に接合される。さらに、接合部26aには、必要に応じて電気配線、圧縮空気の配管、及び/又は真空吸着用の配管等の接続部が設けられている。接合部26aには先端部20Aに対する位置及び回転角が所定値になるように複数の凸部又は凹部等の位置決め部(不図示)が設けられている。
 図2(C)において、平板部34の表面にX方向及びY方向に所定間隔で断面が正方形の角柱状のマーク形成部40A…,40E…,40Iが形成され、マーク形成部40A~40Iの表面のマーク形成面40As~40Isにそれぞれ基準マークMが形成されている。一例として、平板部34及びマーク形成部40A~40Iは一体的に金属から形成されている。なお、平板部34及びマーク形成部40A~40Iの材料は任意であり、平板部34及びマーク形成部40A~40Iを別体で製造し、平板部34にマーク形成部40A~40Iをねじ止め等で固定してもよい。また、マーク形成部40A~40Iの個数は4個以上の任意の数でよく、マーク形成部40A~40Iの配置も任意である。
 一例として、マーク形成部40A,40F,40Hのマーク形成面の高さが低く、マーク形成部40B,40D,40Iのマーク形成面の高さが中程度であり、マーク形成部40C,40E,40Gのマーク形成面の高さが高く設定されている。基準マーク部材32を製造する際には、一例としてワークの位置を3次元的に位置決め可能なマシニングセンタ等で切削工具を用いて平板部34及びマーク形成部40A~40Iを形成した後、小型のドリル等を用いてマーク形成面40As~40Isに基準マークMの凹部を形成してもよい。また、基準マークMの凹部を形成する代わりに、マーク形成面40As~40Isに基準マークMが表示されたシール等を貼着してもよい。
 一例として、ベース部14に近いマーク形成部40Aのマーク形成面40Asに形成された基準マークMの中心が基準座標系(X,Y,Z)の原点34Sとなり、平面視でマーク形成部40A及び40Gの基準マークMの中心を通るようにX軸が設定され、平面視でマーク形成部40Aの基準マークMの中心及びマーク形成部40Cの基準マークMのほぼ中心を通るようにY軸が設定されている。なお、基準マークMの配列及び個数は、同一平面上にない4個の基準マークMを含むという条件のもとで任意である。また、マーク形成部40A~40Iの高さの分布は、少なくとも互いに異なる高さの2つのマーク形成面(例えばマーク形成面40As,40Es)を含むという条件のもとで任意である。
 また、図2(A)において、ロボットハンド26の+Y方向の面に近接センサ44が取り付けられている。基準マークMの形成面(例えばマーク形成面40As)の大きさは、実際には撮像装置22の視野がマーク形成面40As上にあるときに、同じマーク形成面40Asに近接センサ44からの光ビームも照射されるように設定されている。図2(B)に示すように、近接センサ44は、光ビームLBをマーク形成面40Asに照射する照射部と、マーク形成面40Asからの反射光を受光して検出信号S1を出力する受光部とを有する。
 一例として、マーク形成面40Asが予め設定された合焦面44Pに合致しているときに検出信号S1が最大(又は最小値と最大値との中間値等)になることから、マーク形成面40Asが合焦面44Pに所定の誤差範囲内で合致していることを検出できる。また、合焦面44Pとフィンガー28A,28Bの作用点28Cとのz方向のオフセットδz1は予め計測されて記憶されている。このため、近接センサ44の検出信号S1を用いてマーク形成面40Asが合焦面44Pに合致していることを検出した後、ロボット座標系(x,y,z)のz座標z1’からオフセットδz1を差し引くことで、ロボットハンド26の作用点28Cがマーク形成面40Asに接するときのz座標(z方向の位置)z1を求めることができる。
 また、マーク形成面40Asが合焦面44Pに合致しているときに、撮像装置22の視野22Fには、図4(A)に示すように、フィンガー28A,28Bの先端部の像及び基準マークMの像が収まっている。この画像信号を処理することによって、作用点28Cに対する基準マークMの中心のx方向及びy方向の位置ずれ量δx1及びδy1を求めることができる。このときのロボット座標系(x,y,z)のx座標x1’及びy座標y1’から位置ずれ量δx1及びδy1を補正することによって、作用点28Cが基準マークMの中心に合致しているときのロボット座標系(x,y,z)のx座標x1及びy座標y1を求めることができる。
 なお、図2(A)において、近接センサ44は、ロボットハンド26以外の位置、例えばロボットアーム18Cの先端部20A等に設けてもよい。また、近接センサ44の代わりに、マーク形成面40Asの面位置を検出できる任意の位置検出センサ、例えばTOF(Time of Flight)センサ、レーザセンサ、光ファイバを用いて対象面までの距離を計測できるセンサ、又は静電容量センサ等を使用できる。また、撮像装置22及び近接センサ44の代わりに、ステレオカメラを使用して、ステレオカメラによって基準マークMの中心の作用点28Cに対する3次元(x方向、y方向、z方向)の位置ずれ量を検出してもよい。
 次に、図3は図1のロボット装置4の制御装置10、及びロボットハンド26の制御装置12を示す。図3において、制御装置10は、装置全体の動作の制御を行う主制御部46Aと、例えばオペレータとの間で制御情報(使用するロボットハンドの種類、処理対象の対象物(ワーク)の位置情報、及び作業開始又は終了の情報等)の入出力を行う制御情報入出力部46Bと、近接センサ44の検出信号S1を処理して被検面が合焦面44Pに合致しているかどうかを検出するz位置検出部46Cと、撮像装置22の撮像信号を処理してロボットハンド26の作用点28Cと対象物又は基準マークMとの2次元の位置ずれ量等を求める画像処理部46Dと、を有する。さらに、制御装置10は、ロボットアーム18A~18Cの動きを検出する少なくとも6軸の角度センサ48A~48Fの検出結果を処理して第3のロボットアーム18Cの先端のロボットハンド26のロボット座標系(x,y,z)上での位置及び角度を算出する座標算出部46Eと、後述のロボット座標系(x,y,z)上の位置と基準座標系(X,Y,Z)上の位置との間の変換行列等(変換関係)を求める座標変換部46Fと、その変換関係を用いて後述の基準座標系(X,Y,Z)上の目標位置をロボット座標系(x,y,z)上の移動位置に変換する座標補正部46Gと、を有する。なお、制御装置10の一部(例えば座標算出部46E等)を例えば主制御部46Aが有するコンピュータのソフトウエアとしてもよい。そのソフトウエア(プログラム)は例えば後述の記憶部46I中の記憶媒体等に記録されていてもよい。
 さらに、制御装置10は、z位置検出部46C、画像処理部46D、座標算出部46E、及び座標補正部46Gの処理結果に基づいてロボットアーム18A~18Cの動きを制御するアーム制御部46Hと、記憶部46Iとを有する。アーム制御部46Hは、ロボットハンド26の制御装置12の後述のハンド制御部50Aとの間で、フィンガー28A,28Bの開閉コマンド、及び開閉の完了コマンド等の制御情報の送受を行う。記憶部46Iは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の不揮発性メモリのいずれかを含んでもよい。記憶部46Iは、制御装置10のプログラム、及び各種設定値等を記憶する。
 また、ロボットハンド26の制御装置12は、制御装置10のアーム制御部46Hとの間での制御情報の送受、及びロボットハンド26の全体の動作の制御を行うハンド制御部50Aと、フィンガー28A,28Bの開閉を行うためのモータ50Dの動作を制御するモータ駆動部50Bと、フィンガー28A,28Bの把持力(ワークからの反力)を検出する把持力検出部50Cと、プログラム及び各種設定値等を記憶する記憶部(不図示)とを有する。一例として、把持力検出部50Cは、モータ50Dに流れる電流からフィンガー28A,28Bの把持力を検出し、ハンド制御部50Aはその検出される把持力が予め設定されているレベル(規格値)以下になるようにフィンガー28A,28Bの動作を制御する。これによって、フィンガー28A,28B、及び/又は対象物の破損等を防止できる。なお、制御装置12の一部(例えばモータ駆動部50B等)を例えばハンド制御部50Aが有するマイクロプロセッサ等のソフトウエアとしてもよい。そのソフトウエア(プログラム)は例えば制御装置12中の記憶部(不図示)の記憶媒体等に記録されていてもよい。
 次に、本実施形態のロボット装置4の制御方法の一例につき説明する。ロボット装置4にはロボット座標系(x,y,z)が設定され、ロボットアーム18Cに接合されたロボットハンド26のロボット座標系(x,y,z)上の位置、及びロボットハンド26の角度は、角度センサ48A~48Fの検出値から算出される。その算出された位置及び角度が指定された位置及び角度になるように、ロボットアーム18A~18Cを駆動することで、ロボットハンド26の位置及び角度が制御される。この場合、ロボット装置4の稼働中の発熱によるロボットアーム18A~18Cの僅かな変形及び撓み、並びにロボットアーム18A~18Cの経時変化による変形等によって、ロボット座標系(x,y,z)上の位置がドリフト又は変動することがある。なお、ロボット座標系(x,y,z)上の位置が変動することは、ロボット座標系(x,y,z)の3つの軸(x軸、y軸、z軸)の倒れ又は伸縮等でその3つの軸に沿った方向の位置が変動することも含んでいる。以下では、ロボット装置4の発熱及び経時変化等によるロボット座標系(x,y,z)上のロボットハンド26の位置の変動をドリフトによる変動と称する。
 そのようなドリフトによる位置の変動があると、それまでと同じロボット座標系(x,y,z)上の位置にロボットハンド26を移動しても、ロボットハンド26で対象物(ワーク)の把持がうまくできなくなる恐れがある。そこで、本実施形態ではそのようなドリフトによるロボットハンド26の位置の変動のキャリブレーションを行うために、基準マーク部材32の基準座標系(X,Y,Z)上での位置が規定された複数の基準マークMの検出を行う。なお、図2(C)の基準マーク部材32上の複数の基準マークMの配列精度は例えば0.1mm程度であり、ロボット座標系(x,y,z)上でのロボットハンド26の位置決め精度は例えば0.5mm程度である。また、そのドリフトによるロボットハンド26の位置の変動量は例えば1mm程度である。そして、そのキャリブレーションによって、そのドリフトした後のロボットハンド26の位置決め精度を例えば0.5mm程度に戻すこととする。
 一例として、図2(C)の基準マーク部材32の9個の基準マークMのうちのN個(Nは例えば4以上の整数)の基準マークMを検出するものとする。このとき、検出される基準マークMの基準座標系(X,Y,Z)上での既知の位置(Xn,Yn,Zn)(n=1~N)は、例えば図4(B)のほぼ正方形の基準格子52上にある。なお、図4(B)ではN=8である。また、例えば基準マーク部材32のマーク形成部40Aのマーク形成面40Asの高さを図2(B)の近接センサ44の合焦面44Pにほぼ合致させた状態で、マーク形成面40Asの基準マークMを撮像装置22で撮像することによって、基準マークMを検出しているときのロボットハンド26のロボット座標系(x,y,z)での位置x1,y1,z1を求める。これを繰り返して、上述のN個の基準マークMを撮像装置22及び近接センサ44で検出しているときのロボットハンド26のロボット座標系(x,y,z)での位置xn,yn,zn(n=1~N)を求める。上述のドリフトによるロボットハンド26の位置の変動があると、そのようにした求めたN個の位置(xn,yn,zn)は(説明の便宜上、2つの座標系の原点を一致させている)、図4(B)の正方形を変形させた格子(以下、ドリフト格子と称する)54となる。
 ここでは、ロボット座標系(x,y,z)上の任意の位置(x,y,z)が後述の変換行列Bで基準座標系(X,Y,Z)上の対応する位置(X,Y,Z)に変換されるとして、その変換行列Bを求める。このとき、上述の基準マークMの検出によって、ロボット座標系(x,y,z)上のN個の位置(xn,yn,zn)が変換行列Bによって基準座標系(X,Y,Z)上のN個の位置(Xn,Yn,Zn)に変換されているものとして、最小2乗法によって変換行列Bを求めることができる。
 まず、図5(A)に示すように、ロボット座標系(x,y,z)におけるx方向、y方向、z方向の単位ベクトルを<ex>,<ey>,<ez>とすると、例えば単位ベクトル<ex>の絶対値は1、ベクトル表示は(100)t となる。ここで、()t は転置行列を意味する。他の単位ベクトルも同様である。また、単位ベクトル<ex>,<ey>,<ez>を基準座標系(X,Y,Z)で見たときのベクトルをそれぞれ<OX>,<OY>,<OZ>とする。ベクトル<OX>,<OY>,<OZ>の絶対値は、それぞれ単位ベクトル<ex>,<ey>,<ez>の絶対値(=1)のMx倍,My倍,Mz倍となる。Mx,My,Mzはそれぞれほぼ1であるため、微小量の偏差mx,my,mzを用いて次のように近似できる。
 <OX>の絶対値=1+mx …(1A),<OY>の絶対値=1+my …(1B),
 <OZ>の絶対値=1+mz …(1C)
 その伸縮の行列をA1とすると、行列A1は次のようになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
 また、x軸、y軸、z軸の周りの回転角をα,β,γとすると、その回転を表す行列A2は次のようになる。この際に、回転角α,β,γを微小量とすると、行列A2は行列A2’で近似できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
 さらに、ロボット座標系(x,y,z)に対する基準座標系(X,Y,Z)のx方向、y方向、z方向のシフトをSx,Sy,Szとすると、伸縮、回転、及びシフトを合わせた変換関係は次の式(4)になる。また、位置(x,y,z)に形式的に4番目の要素‘1’を加え、位置(X,Y,Z)にも形式的に4番目の要素‘1’を加え、式(4)の3行×3列の行列及びシフト(Sx,Sy,Sz)を4行×4列の行列A3を用いて表すと、式(4)は式(5)のようになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
 ここで、座標軸の回転に軸の倒れを合わせて、図5(A)に示すように、x軸のy方向、z方向の倒れをTxy,Txz、y軸のz方向、x方向の倒れをTyz,Tyx、z軸のx方向、y方向の倒れをTzx,Tzyとする。このとき、式(5)に対応する式(6)が得られる。また、上述の変換行列B(変換関係)は式(6)で表すことができる。変換行列Bにおいて、i行でj列の成分をBijとすると、成分Bijは必ずしも-Bjiではない。図5(B)において、ロボット座標系(x,y,z)上で3つの単位ベクトルで規定される立体を立体52Cとすると、上述の単位ベクトルの伸縮、及びx軸、y軸、z軸の倒れによって、その立体52Cはドリフト立体54Cのように変形する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
 式(6)において、基準座標系(X,Y,Z)の位置X,Y,Zはそれぞれ位置x,y,zの一次関数(線形方程式)である。さらに、未知数は3個の偏差mx,my,mz、6個の軸の倒れTxy,Txz,Tyz,Tyx,Tzx,Tzy、及び3個のシフトSx,Sy,Szを含む12個である。また、1つの基準マークMを検出すると、位置X,Y,Zに関して全部で3つの式が得られる。このため、同一平面上にない4個の基準マークMを検出することによって、その12(=3×4)個の未知数を決定できる。また、検出する基準マークMの数を増加して最小2乗法を適用することで、平均化効果によってその12個の未知数をより高精度に決定できる。
 制御装置10の座標変換部46Fで式(6)の変換行列Bを決定した後、ロボット装置4でロボットアーム18Cを駆動する場合には、座標変換部46Fではその変換行列Bの逆行列B-1を計算し、計算結果を座標補正部46Gに供給する。その後、ロボットアーム18C(ロボットハンド26)の基準座標系(X,Y,Z)上での目標位置(Xm,Ym,Zm)が設定されると、座標補正部46Gでは式(7)を用いてその目標位置(Xm,Ym,Zm)からロボット座標系(x,y,z)上の移動位置(xm,ym,zm)を計算する。その後、座標算出部46Eで算出されるロボットハンド26の座標がその移動位置(xm,ym,zm)になるように、アーム制御部46Hがロボットアーム18A~18Cを駆動することで、ロボットハンド26のフィンガー28A,28Bの作用点28Cを基準座標系(X,Y,Z)上の目標位置(Xm,Ym,Zm)に移動できる。これによって、ロボットアーム18A~18Cのドリフトによってロボット座標系(x,y,z)上のロボットハンド26の位置が変動しても、ロボットハンド26の位置を目標とする位置に正確に移動できる。
 次に、本実施形態の基準マーク部材32の製造方法の一例につき図6(A)のフローチャートを参照して説明する。
 まず、図6(A)のステップ102において、基準マーク部材32の本体部(図2(C)の平板部34及びマーク形成部40A~40I)を切削加工等で形成する。さらにステップ104において、その本体部のマーク形成部40A~40Iの表面(マーク形成面40As~40Is)に、ドリル加工等で基準マークMを形成する。これによって基準マーク部材32が完成する。次のステップ106において、例えば3次元測定機を用いてマーク形成面40As~40Isの全部の基準マークMの中心の3次元座標を計測する。この際に、基準マークMが凹部で形成されている場合、3次元測定機のプローブとしていわゆるタッチプローブを使用し、基準マークMの中心の凹部にそのタッチプローブを接触させたときの3次元座標を取り込むことによって、各基準マークMの中心の座標を正確に計測できる。なお、基準マークMを検出するセンサとしては、タッチプローブに限らず、例えば光学的に基準マークMを検出する撮像装置等のセンサ等も使用できる。また、複数のマーク形成部40A~40Iの高さはそれぞれ高精度に加工できる。このため、各基準マークMの高さは、マーク形成部40Aの高さに対する他のマーク形成部40B~40Iの加工された高さの差分としてもよい。
 さらに、その3次元測定機の計算部において、一例として、基準マーク部材32の端部のマーク形成部40Aの基準マークMの中心を原点34Sとして、平面視で両端のマーク形成部40A,40Gの基準マークMの中心を通るようにX軸を設定し、平面視でマーク形成部40Aの基準マークMの中心及びマーク形成部40Cの基準マークMのほぼ中心を通り、X軸に直交するようにY軸を設定し、そのX軸及びY軸に直交するようにZ軸を設定する。そして、各基準マークMの計測された座標をそのX軸、Y軸、Z軸に沿った値に変換することによって、各基準マークMの中心の基準座標系(X,Y,Z)上の位置が求められる。求められた全部の基準マークMの位置は、その3次元測定機の計算部から制御装置10の制御情報入出力部46Bを介して記憶部46Iに記憶される。
 その後、ステップ108において、図1に示すようにロボット装置4が設置されている設置面2aに、押さえ具36A,36B,36C及びボルトBによって基準マーク部材32を固定する。この際に、基準座標系(X,Y,Z)のX軸及びY軸はそれぞれロボット座標系(x,y,z)のx軸及びy軸にほぼ平行になるように設定されることが好ましい。さらに、ロボット座標系(x,y,z)の原点に対する基準座標系(X,Y,Z)の原点のx方向、y方向、z方向のおおまかなオフセットが求められており、そのオフセットが記憶部46Iに記憶されている。
 次に、本実施形態のロボット装置4のロボットハンド26のドリフトによる位置変動のキャリブレーションを行う方法(制御方法の一部)の一例につき図6(B)のフローチャートを参照して説明する。このキャリブレーションは、例えばロボット装置4の稼働開始時に行うようにしてもよい。また、そのキャリブレーションは、ロボット装置4を工場等に設置する際のセットアップ時に行うようにしてもよい。また、そのキャリブレーションは、例えばロボット装置4のメンテナンス時、又は週に1回等の定期的に行うようにしてもよい。さらに、一例として基準マーク部材32のN個(Nは4以上の整数)の基準マークMの中心の位置を検出するものとする。
 まず図6(B)のステップ112において、座標算出部46Eで6個の角度センサ48A~48Fの検出値を用いてロボット座標系(x,y,z)上でのロボットハンド26の位置を算出する。このロボットハンド26の位置算出は所定のサンプリングレートで連続的に繰り返される。また、6個の角度センサ48A~48Fの検出値を用いると、ロボットハンド26の3次元の位置の他に、3方向の角度も計算可能である。そして、本実施形態において、複数の基準マークMの位置を検出する際には、ロボットハンド26(ロボットアーム18Cの先端部20A)の3方向の角度は一定の角度に設定される。具体体に、ロボットハンド26(先端部20A)はz軸に平行で、かつ鉛直方向(-z方向)を向くように設定され、先端部20Aの回転角θ3は一定の値(例えば0度)になるように設定されている。
 そして、ステップ114において、座標算出部46Eで算出されたロボットハンド26の位置が、基準マーク部材32の基準座標系(X,Y,Z)の原点34S(マーク形成面40As)の上方に近づくようにロボットアーム18A~18Cが駆動される。そして、ステップ116において、撮像装置22の視野22F内にマーク形成面40Asの基準マークMの像が入った後、近接センサ44の検出信号を用いて、マーク形成面40Asが合焦面44Pに合致するようにロボットハンド26のz方向の位置を調整する。この状態で撮像装置22でフィンガー28A,28Bの作用点28Cと基準マークMの中心との2次元の位置ずれ量を検出する。さらに、ステップ118において、座標算出部46Eで算出されたロボットハンド26の位置を、その位置ずれ量及び上述のオフセットδz1で補正することによって、基準マークMの中心がフィンガー28A,28Bの作用点28Cに合致しているときのロボット座標系(x,y,z)の位置(x1,y1,z1)を求めることができる。求められた位置は座標変換部46Fに供給される。このときの基準座標系(X,Y,Z)上での基準マークMの既知の位置(X1,Y1,Z1)(ここでは(0,0,0))も記憶部46Iから座標変換部46Fに供給される。
 次のステップ120で別の基準マークMを検出するかどうかを判定する。ここでは検出する基準マークMが残っているため、N個の基準マークMが検出されるまで、ステップ116~118の動作が繰り返されて、n番目の基準マークMを検出したときのロボットハンド26のロボット座標系(x,y,z)上の位置(xn,yn,zn)(n=2~N)が求められる。求められた位置及びn番目の基準マークMの基準座標系上の既知の位置(Xn,Yn,Zn)は座標変換部46Fに供給される。
 なお、このように必要な基準マークMの検出が終わった後、図1の設置面2aから基準マーク部材32を取り外してもよい。そして、取り外す前の基準座標系(X,Y,Z)の原点34S及びX軸、Y軸の方向が分かるようなマークが形成された工具を設置面2aに設置しておいてもよい。今後はその工具を用いて後述の基準座標系(X,Y,Z)上の目標位置を設定できる。言い替えると、ロボット装置4は必ずしも基準マーク部材32を備える必要はない。
 必要な基準マークMの検出が終わった後、動作はステップ122に移行して、座標変換部46Fでは、上述の式(6)の左辺の(X,Y,Z)に既知の値(Xn,Yn,Zn)を代入し、右辺の(x,y,z)に検出された値(xn,yn,zn)(n=1~N)を代入したときの変換行列Bの複数の係数を最小2乗法で算出する。この際に、座標変換部46Fでは、変換行列Bの逆行列B-1を求めて座標補正部46Gに供給する。また、予め例えばオペレータは、制御情報入出力部46B及び出制御部46Aを介して記憶部46Iに、基準座標系(X,Y,Z)上でのロボットハンド26の1組の目標位置(Xm,Ym,Zm)(m=1~M)(Mは移動回数を示す整数)を記憶させておく。
 次のステップ124で座標補正部46Gは、記憶部46Iから基準座標系(X,Y,Z)上でのロボットハンド26の目標位置(Xm,Ym,Zm)(m=1~M)を読み出す。次のステップ126において座標補正部46Gは、その目標位置を式(7)の右辺に代入して逆行列を掛けることによって、ロボット座標系(x,y,z)上でのロボットハンド26の移動位置(xm,ym,zm)を算出する。その位置はアーム制御部46Hに供給される。ステップ128において、座標算出部46Eで算出されるロボットハンド26の位置がその移動位置(駆動位置)(xm,ym,zm)になるようにロボットアーム18A~18Cを駆動する。この際に、ロボットハンド26の位置がその移動位置(xm,ym,zm)になると、ロボットハンド26のフィンガー28A,28Bの間には例えば把持対象のワーク(不図示)がある。この状態で、例えば主制御部46Aからの制御によってアーム制御部46Hはロボットハンド26のハンド制御部50Aに把持コマンドを出力する。これに応じてロボットハンド26のフィンガー28A,28Bがそのワークを把持する。そして、ステップ124,126,128を繰り返すことによって、ロボットハンド26がそのワークを例えば移動先に移動してフィンガー28A,28Bからワークを離脱させる。そして、ステップ130で次の目標位置がなくなったときにロボットハンド26による操作が終了する。
 このキャリブレーション方法によれば、基準マーク部材32に設定された基準座標系(X,Y,Z)上で位置が規定された複数の基準マークMを検出することによって、ロボットハンド26(ロボットアーム18C)のロボット座標系(x,y,z)上の位置のキャリブレーションを行っている。このため、ドリフトによってロボット座標系(x,y,z)上の位置が変動しても、その変動のキャリブレーションを容易にかつ効率的に行うことができる。さらに、ロボット座標系(x,y,z)の原点14Sは外部から見えない位置にあるのに対して、基準座標系(X,Y,Z)の原点34Sは外部から見える位置にあるため、基準座標系(X,Y,Z)上での目標位置の指定は容易であり、ロボット装置4の作業を正確に、かつ効率的に行うことができる。
 上述のように本実施形態のロボットアーム18Cを備えるロボット装置4は、ロボットアーム18Cの変位を検出する複数の角度センサ48A~48F(変位センサ)と、角度センサ48A~48Fの検出結果を用いてロボットアーム18C(又はロボットアーム18Cに接合されたロボットハンド26)のロボット座標系(x,y,z)(第1座標系)上での位置を求める座標算出部46E(演算部)と、基準マーク部材32(基準部材)に設けられてそれぞれ基準座標系(X,Y,Z)(第2座標系)上での位置が規定された複数の基準マークMを順次検出可能であるとともに、ロボットアーム18Cに支持された撮像装置22(マーク検出部)と、撮像装置22で複数の基準マークMを検出したときの、ロボットアーム18Cのロボット座標系(x,y,z)上での位置と基準マークMの基準座標系(X,Y,Z)上での位置との間の変換行列B(変換関係)を求める座標変換部46Fと、基準座標系(X,Y,Z)上で指定された目標位置をその変換関係を用いてロボット座標系(x,y,z)上でのロボットアーム18Cの位置に変換してロボットアーム18Cの位置を制御する座標補正部46G及びアーム制御部(制御部)と、を備えている。
 また、本実施形態のロボットアーム18Cを備えるロボット装置4の制御方法は、複数の角度センサ48A~48Fの検出結果を演算することによってロボットアーム18Cのロボット座標系(x,y,z)上での位置を求めるステップ112と、基準マーク部材32に設けられてそれぞれ基準座標系(X,Y,Z)上での位置が規定された複数の基準マークMを、ロボットアーム18Cに支持された撮像装置22を用いて順次検出するステップ116と、基準マークMを検出しているときのロボットアーム18Cのロボット座標系(x,y,z)上での位置と、検出された基準マークMの基準座標系(X,Y,Z)上での位置との間の変換行列B(変換関係)を求めるステップ122と、基準座標系(X,Y,Z)上で指定された目標位置をその変換関係を用いてロボット座標系(x,y,z)上でのロボットアーム18Cの位置に変換してロボットアーム18Cの位置を制御するステップ124,126,128と、を含んでいる。
 本実施形態によれば、基準マーク部材32の複数の基準マークMを検出し、ロボットアーム18Cのロボット座標系(x,y,z)上での位置と、検出された基準マークMの基準座標系(X,Y,Z)上での位置との間の変換関係を求めている。このため、ロボット座標系(x,y,z)上の位置がドリフトによって変動している場合でも、ロボットアーム18Cのロボット座標系(x,y,z)上での位置のキャリブレーションを容易に行うことができる。そして、基準座標系(X,Y,Z)上で指定された目標位置をその変換関係を用いてロボット座標系(x,y,z)上でのロボットアーム18Cの位置に変換することによって、ロボットアーム18C(ロボットハンド26)を目標とする位置に正確に、かつ迅速に移動できる。また、ロボットアーム18Cの位置を制御しているため、種々の形状の対象物(ワーク)の位置までロボットアーム18C(ロボットハンド26の作用点)を高精度に移動できる。
 なお、上述の実施形態では以下のような変形が可能である。
 まず、上述の実施形態では、複数の基準マークMの検出によってロボット座標系(x,y,z)の位置を基準座標系(X,Y,Z)の位置に変換する式(6)の変換行列Bを求めている。このため、基準座標系(X,Y,Z)上の目標位置(Xm,Ym,Zm)からロボット座標系(x,y,z)上の移動位置を求める際に、式(7)に示すように変換行列Bの逆行列を計算する必要がある。これに対して、複数の基準マークMの検出によって、基準座標系(X,Y,Z)上の位置をロボット座標系(x,y,z)上の位置に変換する変換行列Cを求めてもよい。この場合には、基準座標系(X,Y,Z)上の目標位置(Xm,Ym,Zm)からロボット座標系(x,y,z)上の移動位置を求める際には、変換行列Cをそのまま使用できるので、計算が容易である。
 また、上述の実施形態では、同一平面上にない4個の基準マークMを含む複数の基準マークMを検出している。しかしながら、例えばロボット装置4のロボットアーム18Cのロボットハンド26の作用点がほぼz方向の位置が同じ同一平面上を移動するような場合には、基準マーク部材32として、z軸に垂直な広いマーク形成面を有し、そのマーク形成面に同一直線上にない3つの基準マークを含む複数の基準マークが形成された基準マーク部材を使用してもよい。この場合、上述の式(6)の行列Bの要素の内、倒れTxy,Tyx、倍率の偏差mx,my、及びシフトSx,Syの6個の要素を決定すればよく、1つの基準マークMの検出でx方向、y方向の2つの式が得られる。このため、撮像装置22及び近接センサ44を用いて同一直線上にない3つの基準マークMを検出することによって、行列Bのその6個の要素を決定できる。行列Bの他の6個の要素は例えば0にしてもよい。その後、行列Bの逆行列を式(7)に適用することで、2次元平面上の目標位置から対応するロボット座標系(x,y,z)上の移動位置を高精度に求めることができる。
 また、上述の実施形態では、式(6)の変換行列Bはロボット座標系(x,y,z)の位置に関する線形成分のみを含んでおり、線形誤差のみが補正されている。これに対してさらに非線形成分の補正を行うようにしてもよい。
 3次元特有のドリフトによる非線形誤差の一例として、図7(A)に示すように、ロボット座標系(x,y,z)において、z方向の位置に比例して、z軸の周りに2次元の座標系(x,y)が次第に回転するように見える誤差がある。この場合、上述の式(3)中のz軸の周りの回転を表す行列において、角度γを位置zに比例するaz(aは一定の係数)に置き換えることによって、3行3列の行列Dを用いる次の式(8A)が得られる。なお、式(8A)は、基準座標系(X,Y,Z)の原点34Sを(Sx,Sy,Sz)だけシフトさせて、原点34Sを仮想的にロボット座標系(x,y,z)の原点14Sに一致させた場合の関係式である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
 なお、式(8A)中の行列Dの逆行列D-1は、三角関数の行列が位置zにのみ依存するような単純な場合は、上述の式(8B)のように簡単に書ける。なお、式(8B)中の位置zとして近似的に位置Zを用いてもよい。しかしながら、実際には行列Dの逆行列は複雑になっている場合がある。その場合には、以下のようにしてもよい。
 すなわち、まずロボット座標系(x,y,z)上で検出されたN個の位置(xn,yn,zn)(n=1~N)に関して、対応する基準マークMの基準座標系(X,Y,Z)上の既知の位置(Xn,Yn,Zn)を式(7)に代入して、線形誤差が補正されたロボット座標系(x,y,z)上での位置(xn’,yn’,zn’)を算出する。その後、検出された位置と線形誤差が補正された位置との偏差δxn(=xn-xn’),δyn(=yn-yn’),δzn(=zn-zn’)を求める。さらに、基準マークMの既知の位置(Xn,Yn,Zn)からシフトSx,Sy,Szを差し引いたシフト位置Xn’(=Xn-Sx),Yn’(=Yn-Sy),Zn’(=Zn-Sz)を求める。そして、式(8A)に対応する次の式(8C)の右辺の(X’,Y’,Z’)にシフト位置Xn’,Yn’,Zn’を代入し、左辺の(δx,δy,δz)に偏差δxn,δyn,δznを代入し(n=1~N)、例えば最小2乗法で係数aを求める。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000006
 その後、基準座標系(X,Y,Z)上の目標位置(Xm,Ym,Zm)を式(7)に代入してロボット座標系(x,y,z)上の移動位置(xm,ym,zm)を求めた後、式(8C)の(X’,Y’,Z’)にシフト位置(Xm-Sx,Ym-Sy,Zm-Sz)を代入して、ロボット座標系(x,y,z)のz軸の回転による偏差(δxm,δym,δzm)を求める。そして、式(7)で求めた移動位置(xm,ym,zm)に、式(8C)から求めた偏差(δxm,δym,δzm)を加算することによって、z軸の回転による誤差が補正された移動位置を求めることができる。
 さらに、ロボット座標系(x,y,z)の回転は任意の軸の周りでもよい。その回転軸を求めるには、一例として図7(B)に示すように、図5(B)のドリフト立体54Cと同様のドリフト立体54Dにおいて、対向する2つの面の中でそれぞれ回転中心を求めればよい。例えば対向する2つの面54Da,54Dbの回転中心を通る軸として軸X’が求められる。同様に他の2組の2つの面の回転中心を通る軸Y’,Z’も求められる。
 次に、軸X’,Y’,Z’に沿った方向の位置を位置X’,Y’,Z’として、軸X’,Y’,Z’に沿った方向の回転角をaX’,bY’,cZ’として、最小2乗法等で係数a,b,cを決定すればよい。
 次に、非線形成分の補正方法の一例につき説明する。このため、まずロボット座標系(x,y,z)上で検出されたN個の位置(xn,yn,zn)(n=1~N)に関して、対応する基準マークMの基準座標系(X,Y,Z)上の既知の位置(Xn,Yn,Zn)から式(7)を用いて、線形誤差が補正されたロボット座標系(x,y,z)上での位置(xn’,yn’,zn’)を算出する。このとき、次のように検出された位置と線形誤差が補正された位置との偏差dxn,dyn,dzn(n=1~N)が非線形誤差である。この非線形誤差は線形誤差よりもかなり小さい値である。
 dxn=xn-xn’ …(9A),dyn=yn-yn’ …(9B),
 dzn=zn-zn’ …(9C)
 さらに、これらの非線形誤差をフィッティング係数pi,qi,ri(i=1,2,3,…)を用いてx,y,zの関数で表す。
 dxn=p1+p2x+p3y+p4z+p5x2 +p6y2 +p7z2 +p8xy+p9yz+p10zx+p11x3 +p12y3 +…   …(10A)
 dyn=q1+q2x+q3y+q4z+q5x2 +q6y2 +q7z2 +q8xy+q9yz+q10zx+q11x3 +q12y3 +…   …(10B)
 dzn=r1+r2x+r3y+r4z+r5x2 +r6y2 +r7z2 +r8xy+r9yz+r10zx+r11x3 +r12y3 +…   …(10C)
 dxn,dyn,dznは線形誤差が補正されているため、係数p1~p4,q1~q4,r1~r4は小さい値になる。そして、例えばdxn(n=1~N)と式(10A)の右辺との差分の2乗和が最小になるように、最小二乗法で係数piを求めることができる。同様に他の係数qi及びriも求めることができる。なお、偏差dxn,dyn,dznを基準座標系(X,Y,Z)の位置X,Y,Zの関数で表す方法もある。これらの係数pi,qi,ri及び式(7)で計算される位置xm,ym,zmを用いて偏差dxm,dym,dzmを計算し、計算結果を位置xm,ym,zmに加算することによって、非線形誤差が補正されたロボット座標系(x,y,z)上の移動位置を算出できる。
 次に、3次元特有の誤差として、図8に示すようにロボット座標系(x,y,z)の原点14Sからロボットハンド26までの距離(ロボットアーム18A~18Cの先端までの長さ)による撓みがある。すなわち、ロボットアーム18A~18Cは、自重や把持するワークの重量で先端部が撓まないように太く設計されている。それでも、発熱や経時変化等のドリフトによって、原点14Sからの距離Lが長くなるとロボットアーム18A~18Cの先端が撓む恐れがある。図8において、ロボットハンド26の原点14Sからの距離L1のときの-z方向の撓みをdz1とすると、距離L1よりも長い距離L2のときのロボットハンド26の撓みdz2は大きくなる。
 すなわち、ロボットハンド26(先端部20A)の-z方向の撓みdzは、次のように係数si(i=1,2,…)を用いてロボットハンド26の原点14S(ベース部14の中心)からの距離Lの関数(非線形な固有関数)となる。
 dz=s1L+s2L2 +s3L3 +s4L44 +… …(11)
 L=(x2 +y2 )1/2       …(12)
 ロボットハンド26(腕先)の荷重が大きい場合にはdzは主にLの3乗に比例して撓み、ロボットアーム18A~18Cが均一に重い場合(等分布荷重)には、dzは主にLの4乗に比例して撓む。そこで、例えば基準マーク部材32の複数の基準マークMを検出する際のロボットハンド26の位置zとその基準マークMの既知の位置Zとの差分を式(11)に当てはめることで係数siを求めることができる。求めた係数siを用いて、距離Lに応じてロボットハンド26の位置zを補正することで、ロボットハンド26の位置をより目標位置に近づけることができる。
 [第2の実施形態]
 次に、第2の実施形態につき図9(A)~(C)を参照して説明する。
 図9(A)は本実施形態の基準マーク部材32Aの構成要素のマーク形成部60を示し、図9(B)は基準マーク部材32Aを示す。図9(B)において、基準マーク部材32Aは、矩形の平板状で平面度の良好な定盤62の表面に複数(図9(B)では6個)のマーク形成部60を固定したものである。なお、マーク形成部60の個数及び配置は任意である。以下、定盤62の短辺方向をX方向、長辺方向をY方向として説明する。定盤62の表面には、X方向に所定間隔で、かつY方向に間隔LY(X方向の間隔の1.5~2倍程度の間隔)で多数のねじ穴64が形成されている。ねじ穴64のX方向、Y方向の間隔は高精度に加工(設定)されている。
 なお、定盤62としていわゆる光学定盤を使用してもよい。さらに、例えば図1のロボット装置4のようにロボットアーム18C(ロボットハンド26)の可動範囲が分かっているロボット装置に基準マーク部材を設置する場合、そのロボットアームの可動範囲内の所定領域を覆う大きさの平板状部材を用意してもよい。そして、その平板状部材の表面の位置精度を保った複数位置にねじ穴を設けておき、そのねじ穴を設けた平板状部材をそのロボット装置の設置面に例えばロボット台として設置してもよい。
 一方、図9(A)において、マーク形成部60は階段状で、その長手方向の低い平板状の同じ高さの両端部60a,60dに間隔LYで、ねじ穴64に螺合可能なボルト66を挿通することが可能な円形の開口60c,60dが形成されている。また、マーク形成部60の両端部60a,60dの間に、低い段差のマーク形成面60e、中程度の段差のマーク形成面60f、及び高い段差のマーク形成面60gが形成されている。マーク形成面60e~60gはそれぞれマーク形成部60の底面に平行な平面である。マーク形成面60e~60gの大きさ及びマーク形成部60の底面からの高さは予め規定されて記憶されている。さらに、3つのマーク形成面60e~60gの中心にそれぞれ基準マークMが形成されている。定盤62及びマーク形成部60は金属製であるが、それ以外の材料でも可能である。マーク形成部60及び基準マークMは例えばフライス盤等を用いて高精度に加工できる。なお、マーク形成部60に設ける基準マークMも、例えばシールを貼着したものでもよい。
 図9(B)において、定盤62の表面の一例として6箇所の2つのねじ穴64に、それぞれ2本のボルト66を介して6個のマーク形成部60が固定されている。1つのマーク形成部60には3つの基準マークMが形成されているため、基準マーク部材32Aには全体として18個の基準マークMが形成されている。定盤62の表面にマーク形成部60を固定するときのX方向、Y方向の精度は例えば0.1mm程度以下であり、マーク形成部60の形状の加工精度は例えば0.01mm程度以下である
 本実施形態において、図1のロボット装置4を使用する場合、図1の設置面2a上に定盤62を設置した後、その6個のマーク形成部60が定盤62に固定される。必要に応じて、定盤62の角部を図1の押さえ具36A~36Cで固定してもよい。このとき、基準マーク部材32Aの端部のマーク形成部60のマーク形成面60eの基準マークMの中心を原点34Sとして、原点34Sを通りX方向及びY方向に平行な軸をX軸及びY軸として、原点34Sを通り定盤62の表面に垂直な軸をZ軸とすると、基準座標系(X,Y,Z)が構成される。基準座標系(X,Y,Z)上での基準マーク部材32Aの全部の基準マークMの位置(X,Y,Z)はほぼ0.1mm程度以下の精度で既知である。基準マーク部材32Aの座標系(X,Y,Z)上での全部の基準マークMの位置の情報は図3の記憶部46Iに記憶される。本実施形態においても、基準マーク部材32Aにおいて検出する基準マークMは、同一平面上にない少なくとも4個の基準マークMでよい。
 本実施形態によれば、基準マーク部材32Aを用いることによって、第1の実施形態と同様に、ロボット装置4においてドリフトによるロボット座標系(x,y,z)上での位置の変動のキャリブレーションを容易に行うことができる。また、本実施形態の基準マーク部材32Aの基準マークMの位置はほぼ加工精度のみで定まるため、基準マークMの位置を計測するための計測装置が不要である。さらに、本実施形態では、定盤62上のマーク形成部60の配置及び個数を任意に容易に変更できる。このため、例えば上述の式(9A)~(9C)のように計算できる座標系の非線形誤差をも高精度に検出できるようにするなど、種々の条件で位置変動のキャリブレーションを容易に行うことができる。
 なお、上述の実施形態において、定盤62の表面には直交するX方向及びY方向に所定間隔でねじ穴64が形成されている。なお、定盤62の表面には予め定めた任意の複数の位置にねじ穴64を形成しておき、その複数のねじ穴64に複数のマーク形成部60を固定してもよい。
 また、上述の実施形態において、図9(C)に示すように、マーク形成部60の3つの基準マークMの他に、マーク形成部60のY軸にほぼ垂直な側面60h,60i,60jにそれぞれ基準マークMYを形成してもよい。基準マークMYの形状は基準マークMと同じでもよいが、基準マークMの形状と異なる形状でもよい。この変形例のマーク形成部60を用いて、例えば最も高い位置又は次に高い位置の側面60j,60iの基準マークMYを検出する場合、図1のロボット装置4のロボットアーム18C(ロボットハンド26)をY軸に平行に+Y方向に向けて設定し、先端部20Aの回転角を0度等に設定してもよい。このような検出方法を用いることによって、ロボットアーム18CをY軸に平行に設定して作業を行う場合のロボット座標系(x,y,z)でのドリフトによる位置の変動のキャリブレーションを容易に行うことができる。
 次に、上述の実施形態では基準マークとして十字型等の基準マークMが使用されている。基準マークとしては、任意の形状のマークが使用可能である。基準マークとしては、図10(A)に示すエイプリルタグ(AprilTag又はApril Tag)、又は図10(B)に示すQRコード(登録商標)(2次元バーコード)のような識別コードを使用することもできる。その識別コードには当該基準マークの2次元又は3次元の位置又は設計上の位置からの位置ずれ量の情報を付加しておくことが好ましい。なお、エイプリルタグは、3次元上の物体の位置及び姿勢を検出するアプリケーション用の視覚的マーク(マーカ)である。また、エイプリルタグは、AR(Augmented Reality)マーカ、即ち拡張現実マーカの一例でもある。上述の実施形態の基準マークとしても、任意のARマーカを使用可能である。
 次に、上述の実施形態のロボット装置4は垂直多関節型である。これに対して、ロボット装置として、水平多関節型(スカラ型)のロボット装置、パラレルリンク型のロボット装置、直交型のロボット装置、又は他の任意の関節構造を備える各種ロボット装置(例えば組立ロボット、人間協調型ロボット等)を使用する場合にも上述の実施形態を適用できる。
 また、本明細書には以下の発明の態様も記載されている。
1)ロボットアームを備えるロボット装置であって、前記ロボットアームの変位を検出する複数の変位センサと、複数の前記変位センサの検出結果を用いて前記ロボットアームの第1座標系上での位置を求める演算部と、基準部材に設けられてそれぞれ第2座標系上での位置が規定された複数の基準マークを順次検出可能であるとともに、前記ロボットアームに支持されたマーク検出部と、前記マーク検出部で複数の前記基準マークを検出したときの、前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置と前記基準マークの前記第2座標系上での位置との間の変換関係を求める変換部と、前記第2座標系上で指定された目標位置を前記変換関係を用いて前記第1座標系上での前記ロボットアームの位置に変換して前記ロボットアームの位置を制御する制御部と、を備えるロボット装置。2)前記基準部材を備える1に記載のロボット装置。3)前記基準部材は、平板状部材と、前記平板状部材に設けられて前記平板状部材の一面からの高さが互いに異なる少なくとも2つのマーク形成面を含む複数のマーク形成面を有し、複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、1又は2(又は1)に記載のロボット装置。4)複数の前記変位センサは、少なくとも3つの変位センサを含み、前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置は3次元の位置を含み、前記基準マークの前記第2座標系上での位置は3次元の位置を含み、複数の前記基準マークは、同一平面上にはない4つの基準マークを含む、1から3(又は1)のいずれか一項に記載のロボット装置。5)前記基準部材は、平板状部材と、前記平板状部材に設けられたマーク形成面とを有し、前記マーク形成面に複数の前記基準マークが形成され、複数の前記基準マークは、同一直線上にない3つの基準マークを含む、1又は2(又は1)に記載のロボット装置。6)前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの3次元の位置を検出する撮像装置を有する、1から5のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。7)前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの交差する2つの方向の位置を検出する撮像装置と、前記基準マークの前記2つの方向に交差する方向の位置を検出する位置検出センサとを有する、1から5のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。
 8)前記変換関係は、前記第1座標系に対する前記第2座標系の平行移動、前記第1座標系の第1群の3つの軸に対する前記第2座標系の第2群の3つの軸のそれぞれ2つの方向の倒れ角、及び前記第1群の3つの軸に対する前記第2群の3つの軸の長さ方向の倍率の情報を含む変換行列を含む、1から7のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。9)前記変換関係は、前記第2座標系の少なくとも1つの軸に沿った方向における前記第1座標系の対応する軸の回転の情報を含む、1から8のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。10)前記変換関係は、前記第2座標系上の位置に関する少なくとも2次の関数で前記第1座標系上の位置を表すための複数の係数の情報を含む、1から9のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。11)前記変換関係は、前記第1座標系の原点から前記第1座標系上の位置までの距離に応じて前記第2座標系上の位置の補正量を表すための係数の情報を含む、1から10のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。12)前記基準部材は、表面の予め定められた複数の位置に複数のねじ穴が設けられた定盤と、前記定盤の前記表面に前記ねじ穴を用いて固定されたそれぞれ互いに高さが異なる複数のマーク形成面を持つ複数のマーク形成部材とを有し、複数の前記マーク形成部材の複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、1から11のいずれか一項(又は1)に記載のロボット装置。13)前記ロボットアームの先端に接合されたロボットハンドを備え、前記ロボットアームの位置は前記ロボットハンドの位置である、1から12のいずれか一項に記載のロボット装置。
 14)複数の前記基準マークは、それぞれ前記第2座標系上での位置の情報を含む識別コードである、1から13(又は1から12)のいずれか一項に記載のロボット装置。15)ロボットアームを備えるロボット装置の制御方法であって、複数の変位センサの検出結果を演算することによって前記ロボットアームの第1座標系上での位置を求めることと、基準部材に設けられてそれぞれ第2座標系上での位置が規定された複数の基準マークを、前記ロボットアームに支持されたマーク検出部を用いて順次検出することと、前記基準マークを検出しているときの前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置と、検出された前記基準マークの前記第2座標系上での位置との間の変換関係を求めることと、前記第2座標系上で指定された目標位置を前記変換関係を用いて前記第1座標系上での前記ロボットアームの位置に変換して前記ロボットアームの位置を制御することと、を含むロボット装置の制御方法。16)前記基準部材は前記ロボット装置に設けられている15に記載のロボット装置の制御方法。17)前記基準部材は、平板状部材と、前記平板状部材に設けられて前記平板状部材の一面からの高さが互いに異なる少なくとも2つのマーク形成面を含む複数のマーク形成面を有し、複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、15又は16(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。18)複数の前記変位センサは、少なくとも3つの変位センサを含み、前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置は3次元の位置を含み、前記基準マークの前記第2座標系上での位置は3次元の位置を含み、複数の前記基準マークは、同一平面上にはない4つの基準マークを含む、15から17のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。19)前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの3次元の位置を検出する、15から18のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。20)複数の前記基準マークは、同一平面上に形成されるとともに、同一直線上にはない3つの基準マークを含む、15又は16(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。21)前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの交差する2つの方向の位置を検出するとともに、前記基準マークの形成面に検出光を照射して前記基準マークの前記2つの方向に交差する方向の位置を検出する、15から20のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。
 22)前記変換関係は、前記第1座標系に対する前記第2座標系の平行移動、前記第1座標系の第1群の3つの軸に対する前記第2座標系の第2群の3つの軸のそれぞれ2つの方向の倒れ角、及び前記第1群の3つの軸に対する前記第2群の3つの軸の長さ方向の倍率の情報を含む変換行列を含む、15から21のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。23)前記変換関係は、前記第2座標系の少なくとも1つの軸に沿った方向における前記第1座標系の対応する軸の回転の情報を含む、15から22のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。24)前記変換関係は、前記第2座標系上の位置に関する少なくとも2次の関数で前記第1座標系上の位置を表すための複数の係数の情報を含む、15から23のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。25)前記変換関係は、前記第1座標系の原点から前記第1座標系上の位置までの距離に応じて前記第2座標系上の位置の補正量を表すための係数の情報を含む、15から24のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。26)前記基準部材は、表面の予め定められた複数の位置に複数のねじ穴が設けられた定盤と、前記定盤の前記表面に前記ねじ穴を用いて固定されたそれぞれ互いに高さが異なる複数のマーク形成面を持つ複数のマーク形成部材とを有し、複数の前記マーク形成部材の複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、15から25のいずれか一項(又は15)に記載のロボット装置の制御方法。27)前記ロボット装置は、前記ロボットアームの先端に接合されたロボットハンドを備え、前記ロボットアームの位置は前記ロボットハンドの位置である、15から26のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。28)複数の前記基準マークは、それぞれ前記第2座標系上での位置の情報を含む識別コードである、15から27(又は15から26)のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
 M…基準マーク、4…ロボット装置、10…ロボット装置の制御装置、12…ロボットハンドの制御装置、14…ベース部、18A~18C…ロボットアーム、20A…ロボットアーム18Cの先端部、22…撮像装置、26…ロボットハンド、32,32A…基準マーク部材、34…平板部、40A~40I…マーク形成部、44…近接センサ、48A~48F…角度センサ、46E…座標算出部、60…マーク形成部、62…定盤

Claims (28)

  1.  ロボットアームを備えるロボット装置であって、
     前記ロボットアームの変位を検出する複数の変位センサと、
     複数の前記変位センサの検出結果を用いて前記ロボットアームの第1座標系上での位置を求める演算部と、
     基準部材に設けられてそれぞれ第2座標系上での位置が規定された複数の基準マークを順次検出可能であるとともに、前記ロボットアームに支持されたマーク検出部と、
     前記マーク検出部で複数の前記基準マークを検出したときの、前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置と前記基準マークの前記第2座標系上での位置との間の変換関係を求める変換部と、
     前記第2座標系上で指定された目標位置を前記変換関係を用いて前記第1座標系上での前記ロボットアームの位置に変換して前記ロボットアームの位置を制御する制御部と、を備えるロボット装置。
  2.  前記基準部材を備える請求項1に記載のロボット装置。
  3.  前記基準部材は、平板状部材と、前記平板状部材に設けられて前記平板状部材の一面からの高さが互いに異なる少なくとも2つのマーク形成面を含む複数のマーク形成面を有し、
     複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、請求項1又は2に記載のロボット装置。
  4.  複数の前記変位センサは、少なくとも3つの変位センサを含み、
     前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置は3次元の位置を含み、
     前記基準マークの前記第2座標系上での位置は3次元の位置を含み、
     複数の前記基準マークは、同一平面上にはない4つの基準マークを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のロボット装置。
  5.  前記基準部材は、平板状部材と、前記平板状部材に設けられたマーク形成面とを有し、前記マーク形成面に複数の前記基準マークが形成され、
     複数の前記基準マークは、同一直線上にない3つの基準マークを含む、請求項1又は2に記載のロボット装置。
  6.  前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの3次元の位置を検出する撮像装置を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のロボット装置。
  7.  前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの交差する2つの方向の位置を検出する撮像装置と、前記基準マークの前記2つの方向に交差する方向の位置を検出する位置検出センサとを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のロボット装置。
  8.  前記変換関係は、前記第1座標系に対する前記第2座標系の平行移動、前記第1座標系の第1群の3つの軸に対する前記第2座標系の第2群の3つの軸のそれぞれ2つの方向の倒れ角、及び前記第1群の3つの軸に対する前記第2群の3つの軸の長さ方向の倍率の情報を含む変換行列を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のロボット装置。
  9.  前記変換関係は、前記第2座標系の少なくとも1つの軸に沿った方向における前記第1座標系の対応する軸の回転の情報を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のロボット装置。
  10.  前記変換関係は、前記第2座標系上の位置に関する少なくとも2次の関数で前記第1座標系上の位置を表すための複数の係数の情報を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のロボット装置。
  11.  前記変換関係は、前記第1座標系の原点から前記第1座標系上の位置までの距離に応じて前記第2座標系上の位置の補正量を表すための係数の情報を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のロボット装置。
  12.  前記基準部材は、表面の予め定められた複数の位置に複数のねじ穴が設けられた定盤と、前記定盤の前記表面に前記ねじ穴を用いて固定されたそれぞれ互いに高さが異なる複数のマーク形成面を持つ複数のマーク形成部材とを有し、
     複数の前記マーク形成部材の複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、請求項1から11のいずれか一項に記載のロボット装置。
  13.  前記ロボットアームの先端に接合されたロボットハンドを備え、
     前記ロボットアームの位置は前記ロボットハンドの位置である、請求項1から12のいずれか一項に記載のロボット装置。
  14.  複数の前記基準マークは、それぞれ前記第2座標系上での位置の情報を含む識別コードである、請求項1から13のいずれか一項に記載のロボット装置。
  15.  ロボットアームを備えるロボット装置の制御方法であって、
     複数の変位センサの検出結果を演算することによって前記ロボットアームの第1座標系上での位置を求めることと、
     基準部材に設けられてそれぞれ第2座標系上での位置が規定された複数の基準マークを、前記ロボットアームに支持されたマーク検出部を用いて順次検出することと、
     前記基準マークを検出しているときの前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置と、検出された前記基準マークの前記第2座標系上での位置との間の変換関係を求めることと、
     前記第2座標系上で指定された目標位置を前記変換関係を用いて前記第1座標系上での前記ロボットアームの位置に変換して前記ロボットアームの位置を制御することと、を含むロボット装置の制御方法。
  16.  前記基準部材は前記ロボット装置に設けられている請求項15に記載のロボット装置の制御方法。
  17.  前記基準部材は、平板状部材と、前記平板状部材に設けられて前記平板状部材の一面からの高さが互いに異なる少なくとも2つのマーク形成面を含む複数のマーク形成面を有し、
     複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、請求項15又は16に記載のロボット装置の制御方法。
  18.  複数の前記変位センサは、少なくとも3つの変位センサを含み、
     前記ロボットアームの前記第1座標系上での位置は3次元の位置を含み、
     前記基準マークの前記第2座標系上での位置は3次元の位置を含み、
     複数の前記基準マークは、同一平面上にはない4つの基準マークを含む、請求項15から17のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  19.  複数の前記基準マークは、同一平面上に形成されるとともに、同一直線上にはない3つの基準マークを含む、請求項15又は16に記載のロボット装置の制御方法。
  20.  前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの3次元の位置を検出する、請求項15から19のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  21.  前記マーク検出部は、前記基準マークの像から前記基準マークの交差する2つの方向の位置を検出するとともに、前記基準マークの形成面に検出光を照射して前記基準マークの前記2つの方向に交差する方向の位置を検出する、請求項15から19のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  22.  前記変換関係は、前記第1座標系に対する前記第2座標系の平行移動、前記第1座標系の第1群の3つの軸に対する前記第2座標系の第2群の3つの軸のそれぞれ2つの方向の倒れ角、及び前記第1群の3つの軸に対する前記第2群の3つの軸の長さ方向の倍率の情報を含む変換行列を含む、請求項15から21のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  23.  前記変換関係は、前記第2座標系の少なくとも1つの軸に沿った方向における前記第1座標系の対応する軸の回転の情報を含む、請求項15から22のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  24.  前記変換関係は、前記第2座標系上の位置に関する少なくとも2次の関数で前記第1座標系上の位置を表すための複数の係数の情報を含む、請求項15から23のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  25.  前記変換関係は、前記第1座標系の原点から前記第1座標系上の位置までの距離に応じて前記第2座標系上の位置の補正量を表すための係数の情報を含む、請求項15から24のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  26.  前記基準部材は、表面の予め定められた複数の位置に複数のねじ穴が設けられた定盤と前記定盤の前記表面に前記ねじ穴を用いて固定されたそれぞれ互いに高さが異なる複数のマーク形成面を持つ複数のマーク形成部材とを有し、
     複数の前記マーク形成部材の複数の前記マーク形成面にそれぞれ前記基準マークが形成された、請求項15から25のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  27.  前記ロボット装置は、前記ロボットアームの先端に接合されたロボットハンドを備え、
     前記ロボットアームの位置は前記ロボットハンドの位置である、請求項15から26のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
  28.  複数の前記基準マークは、それぞれ前記第2座標系上での位置の情報を含む識別コードである、請求項15から27のいずれか一項に記載のロボット装置の制御方法。
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