WO2023210705A1 - 通信制御方法 - Google Patents
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Abstract
一態様に係る通信制御方法は、移動通信システムにおける通信制御方法である。前記通信制御方法は、基地局が、送信パケットの再送を行わない場合、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をユーザ装置へ送信し、送信パケットの再送を行う場合、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値をユーザ装置に設定するステップを有する。
Description
本開示は、移動通信システムにおける通信制御方法に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(The Third Generation Partnership Project)(登録商標。以下同じ。)の仕様において、リリース18向けとして、XR(eXtended Reality)が承認された。XRは、仮想現実(VR:Virtual Reality)、拡張現実(AR:Augmented Reality)、及び複合現実(MR: Mixed Reality)を含み、現実世界と仮想空間とを融合した環境を表す広い用語である。XRは、コンピュータ技術とウェアラブル機器によって生成される、現実空間と仮想空間の複合環境を表し、人間と機械の相互作用を表している。
RP-213587、3GPP TSG RAN Meeting #94e、"Study on XR Enhancements for NR"、Nokia、Dec.6-17,2021
3GPP TR 38.838 V17.0.0 (2021-12)
一態様に係る通信制御方法は、移動通信システムにおける通信制御方法である。前記通信制御方法は、基地局が、送信パケットの再送を行わない場合、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をユーザ装置へ送信し、送信パケットの再送を行う場合、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値をユーザ装置に設定するステップを有する。
また、一態様に係る通信制御方法は、移動通信システムにおける通信制御方法である。前記通信制御方法は、ユーザ装置が、送信パケットの再送を行わない場合、前記送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知を基地局へ送信するステップを有する。
本開示の一態様は、XRを用いた通信を適切に行うことが可能な通信制御方法を提供することを目的とする。
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
[第1実施形態]
(移動通信システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る移動通信システムの構成を表す図である。移動通信システム1は、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。或いは、移動通信システムには第6世代(6G)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
(移動通信システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る移動通信システムの構成を表す図である。移動通信システム1は、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。或いは、移動通信システムには第6世代(6G)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
移動通信システム1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。以下において、NG-RAN10を単にRAN10と呼ぶことがある。また、5GC20を単にコアネットワーク(CN)20と呼ぶことがある。
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)又はタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
UE100は、XRデバイスを含む。XRデバイスとは、例えば、XRの処理が可能な装置のことである。XRデバイスとして、具体的には、人間の頭部に装着可能なヘッドマウントディスプレイ(HMD)、眼鏡型のARグラス(又はスマートグラス)、手に持つことが可能なモバイルハンドセット、腕時計型デバイス(スマートウォッチ)、又はスマートフォンなどがある。これらXRデバイスは、ウェアラブルデバイスと呼ばれてもよい。HMDには、ディスプレイ、レンズ、追跡センサ、カメラ、XRに関連する処理を行う制御部(CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)など)、及び通信機能を含む。ARグラスは、映像を透過する機能を有する。モバイルハンドセットは、追跡センサなど種々のセンサを含んでもよい。HMD、ARグラス、腕時計型デバイス、及びモバイルハンドセットは、5Gシステムなどをサポートする通信機能を有する。以下では、UE100は、このようなXRデバイスを含むものとして説明する。
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数(以下、単に「周波数」と呼ぶ)に属する。
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
図2は、第1実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成を表す図である。UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。受信部110及び送信部120は、gNB200との無線通信を行う無線通信部を構成する。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。なお、制御部130は、以下に示す各実施形態において、UE100における各処理又は各動作を行ってもよい。
図3は、第1実施形態に係るgNB200(基地局)の構成を表す図である。gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。送信部210及び受信部220は、UE100との無線通信を行う無線通信部を構成する。バックホール通信部240は、CN20との通信を行うネットワーク通信部を構成する。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、gNB200における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。なお、制御部230は、以下に示す各実施形態において、gNB200における各処理又は各動作を行ってもよい。
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNB200は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間がフロントホールインターフェイスであるF1インターフェイスで接続されてもよい。
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を表す図である。
ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。なお、UE100のPHYレイヤは、gNB200から物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される下りリンク制御情報(DCI)を受信する。具体的には、UE100は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてPDCCHのブラインド復号を行い、復号に成功したDCIを自UE宛てのDCIとして取得する。gNB200から送信されるDCIには、RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されている。
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化等を行う。
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS(Quality of Service)制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を表す図である。
制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)を有する。
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間にコネクション(RRCコネクション)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間にコネクション(RRCコネクション)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間のコネクションがサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
RRCレイヤよりも上位に位置するNASは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASとAMF300のNASとの間では、NASシグナリングが伝送される。なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。また、NASよりも下位のレイヤをAS(Access Stratum)と呼ぶ。
(XRについて)
XRは、上述したように、例えば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、及び複合現実(MR)を含み、現実世界と仮想空間とを融合した環境を表す広い用語である。XRは、例えば、このような様々な種別の現実感(realities)の総称でもある。また、XRは、例えば、現実世界と仮想空間とを融合することで、現実にはないものを知覚できるようにした技術の総称でもある。
XRは、上述したように、例えば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、及び複合現実(MR)を含み、現実世界と仮想空間とを融合した環境を表す広い用語である。XRは、例えば、このような様々な種別の現実感(realities)の総称でもある。また、XRは、例えば、現実世界と仮想空間とを融合することで、現実にはないものを知覚できるようにした技術の総称でもある。
XRでは、携帯型又は装着型のエンドユーザデバイスであるUE100の支援によって、人間対機械、人間対人間のコミュニケーションが実行される。このようなコミュニケーションによって、エンターテイメント、ヘルスケア、又は教育などの様々な応用領域に、XRを適用させることが可能となる。
XRとともに、将来のモバイルシステムにおけるユースケースの1つとして、クラウドゲーミング(CG:Cloud Gaming)がある。クラウドゲーミングは、例えば、ゲームに関連する計算の大部分をエッジサーバ又はリモートサーバにオフロードしたユースケースの総称である。クラウドゲーミングにおいて、UE100は、姿勢(pose)及び/又は制御(control)に関連する情報を送信する。クラウド側では、これらの情報に基づいて、映像データなどに関する計算などを行い、ゲームに関する映像などをUE100へ提供する。
なお、仮想現実(VR)とは、オリジナル(又は現実世界)ではないものの機能としての本質はオリジナルと同じである環境をユーザの感覚を刺激することで作り出すことをいう。仮想現実(VR)では、通常、ユーザがHMDを装着し、ユーザの視野がシミュレーションされた視覚的要素に置き換えられ、付随する音声がヘッドフォンを通じてユーザに提供される。仮想空間では、現実世界の視覚又は聴覚などの感覚刺激をできるだけ自然に模倣されるように設計される。また、コンピュータ又はコンピュータネットワーク中に構築され、現実世界とは異なる仮想空間(又はサービス)であるメタバースも、仮想現実(VR)に含まれ得る。
また、拡張現実(AR)は、例えば、現実世界に仮想空間を重ね合わせて表示する技術のことである。拡張現実(AR)では、ユーザの現実の環境に、追加情報(人工的に生成されたアイテム又はコンテンツ)と重ねて提供することでもある。追加情報は、センサなど伴わないで直接的に知覚されたり、或いは、センサなどを介して間接的に知覚されたりすることも可能である。
更に、複合現実(MR)は、例えば、現実世界と仮想空間とを複合及び/又は融合させ、相互にリアルタイムで影響し合う空間を構築する技術のことである。複合現実(MR)は、拡張現実(AR)の発展形であり、物理的なシーンに仮想的な要素を挿入して、実際のシーンの一部であるかのような錯覚を与えることを意図して構築される。
XRの代表的な形態として、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、及び複合現実(MR)があるが、これらの間を補間する領域もXRに含まれ得る。
XRとクラウドゲーミング(CG)のユースケースの多くは、DL方向はビデオストリームのトラフィック、UL方向は姿勢(pose)及び/又は制御(control)とビデオストリームとを組み合わせたトラフィックで特徴付けられる。ビデオストリームは他と比較して高データレートであり、姿勢及び/又は制御に関するデータは頻繁に更新される、という特徴も有している。また、XRとクラウドゲーミング(CG)は、他のユースケースと比較して、DL方向のトラフィックとUL方向のトラフィックとが遅延に厳しいトラフィックであるという特徴も有している。
(XRのトラフィックモデル)
以下では、XRのトラフィックモデルについて説明する。XRのトラフィックモデルとして、(1)一般的なトラフィックモデルと、(2)具体的なトラフィックモデルとがある。最初に、(1)一般的なトラフィックモデルについて説明する。(1)一般的なトラフィックモデルには、(1.1)DL方向のトラフィックモデルと、(1.2)UL方向のトラフィックモデルとがある。
以下では、XRのトラフィックモデルについて説明する。XRのトラフィックモデルとして、(1)一般的なトラフィックモデルと、(2)具体的なトラフィックモデルとがある。最初に、(1)一般的なトラフィックモデルについて説明する。(1)一般的なトラフィックモデルには、(1.1)DL方向のトラフィックモデルと、(1.2)UL方向のトラフィックモデルとがある。
(1)一般的なトラフィックモデル
(1.1)DL方向のトラフィックモデル
DL方向のトラフィックモデルは、シングルストリームDLトラフィックモデルとマルチストリームDLトラフィックモデルとがある。2つのトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
DL方向のトラフィックモデルは、シングルストリームDLトラフィックモデルとマルチストリームDLトラフィックモデルとがある。2つのトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
(1.1.1)シングルストリームDLトラフィックモデル:一連の映像フレーム
(1.1.2)マルチストリームDLトラフィックモデル:
(1.1.2.1)オプション#1:第1ストリームがI(Intra-coded)ストリーム、第2ストリームがP(Predicted)ストリームである2つのストリーム。オプション#1には、スライスベースによるトラフィックモデル(オプション#1A)と、GOP(Group-Of-Picture)ベースによるトラフィックモデル(オプション#1B)がある。
(1.1.2.1A)オプション#1A(スライスベース):第1ストリームがIスライス(Iストリーム)、第2ストリームがPスライス(Pストリーム)となる。ここで、Iスライスは、例えば、Iスライスに含まれる全てのマクロブロックがフレーム内予測によって符号化されたスライスである。Pスライスは、例えば、Pスライスに含まれる全てのマクロブロックがフレーム内予測又はフレーム間予測によって符号化されたスライスである。映像フレームをN個にスライスした場合、1個がIスライスとなり、残りの(N-1)個がPスライスとなり得る。
(1.1.2.1B)オプション#1B(GOPベース):第1ストリームがIフレーム(Iストリーム)、第2ストリームがPスライス(Pストリーム)となる。ここで、Iフレームは、他の映像フレームを用いずに当該映像フレームで符号化されたフレームである。Pフレームは、時間的に前方向の映像フレームを用いて符号化されたフレームである。GOPのサイズがKフレーム個の場合、IフレームはKフレーム毎に送信される。GOPには1個のIフレームと、(K-1)個のPフレームとが含まれる。
(1.1.2.2)オプション#2:第1ストリームが映像、第2ストリームが音声及び/又はデータである2つのストリームによるトラフィックモデルである。
(1.1.2.3)オプション#3:第1ストリームがFOV(Field Of View)、第2ストリームが全方位視点(omnidirectional view)によるトラフィックモデルである。例えば、FOVがユーザ視線の映像データであり、全方位視点がユーザ視線の映像データを含む、ユーザを中心とする全方位の映像データである。
(1.2)UL方向のトラフィックモデル
UL方向のトラフィックモデルとして、姿勢及び/又は制御ストリームトラフィックモデルがある。UE100が姿勢及び/又は制御に関するデータを送信するトラフィックモデルである。
UL方向のトラフィックモデルとして、姿勢及び/又は制御ストリームトラフィックモデルがある。UE100が姿勢及び/又は制御に関するデータを送信するトラフィックモデルである。
(2)具体的なトラフィックモデル
具体的なトラフィックモデルとして、(2.1)仮想現実(VR)、(2.2)拡張現実(AR)、及び(2.3)クラウドゲーミング(CG)の各トラフィックモデルがある。
具体的なトラフィックモデルとして、(2.1)仮想現実(VR)、(2.2)拡張現実(AR)、及び(2.3)クラウドゲーミング(CG)の各トラフィックモデルがある。
(2.1)仮想現実(VR)のトラフィックモデル
仮想現実(VR)のトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
仮想現実(VR)のトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
(2.1.1)DLストリーム:
シングルストリームモデル:上記(1.1.1)「シングルストリームDLトラフィックモデル」(一連の映像フレーム)と同一
マルチストリームモデル:上記(1.1.2.2)「オプション#2」(第1ストリームが映像、第2ストリームが音声及び/又はデータ)と同一
シングルストリームモデル:上記(1.1.1)「シングルストリームDLトラフィックモデル」(一連の映像フレーム)と同一
マルチストリームモデル:上記(1.1.2.2)「オプション#2」(第1ストリームが映像、第2ストリームが音声及び/又はデータ)と同一
(2.1.2)ULストリーム:上記(1.2)「UL方向のトラフィックモデル」と同一
(2.2)拡張現実(AR)のトラフィックモデル
拡張現実(AR)のトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
拡張現実(AR)のトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
(2.2.1)DLストリーム:上記(2.1.1)と同一
(2.2.2)ULストリーム:
モデル#1:1ストリームモデル
モデル#2:2ストリームモデル:第1ストリームが姿勢及び/又は制御、第2ストリームがシーン(例えば連続した映像)、映像、データ、及び音声をまとめたもの
モデル#3A:3ストリームモデルA:第1ストリームが姿勢及び/又は制御、第2ストリームがシーンのストリームと映像のストリームとをまとめた1つのストリーム、第3ストリームが音声とデータとをまとめた1つのストリーム
モデル#3B:3ストリームモデルB:第1ストリームが姿勢及び/又は制御、第2ストリームが映像のIストリーム、第3ストリームが映像のPストリーム
モデル#1:1ストリームモデル
モデル#2:2ストリームモデル:第1ストリームが姿勢及び/又は制御、第2ストリームがシーン(例えば連続した映像)、映像、データ、及び音声をまとめたもの
モデル#3A:3ストリームモデルA:第1ストリームが姿勢及び/又は制御、第2ストリームがシーンのストリームと映像のストリームとをまとめた1つのストリーム、第3ストリームが音声とデータとをまとめた1つのストリーム
モデル#3B:3ストリームモデルB:第1ストリームが姿勢及び/又は制御、第2ストリームが映像のIストリーム、第3ストリームが映像のPストリーム
(2.3)クラウドゲーミング(CG)のトラフィックモデル
クラウドゲーミング(CG)のトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
クラウドゲーミング(CG)のトラフィックモデルは以下のようにまとめることができる。
(2.3.1)DLストリーム
シングルストリームモデル:上記(1.1.1)「シングルストリームDLトラフィックモデル」(一連の映像フレーム)と同一
マルチストリームモデル:上記(1.1.2)「マルチストリームDLトラフィックモデル」と同一
シングルストリームモデル:上記(1.1.1)「シングルストリームDLトラフィックモデル」(一連の映像フレーム)と同一
マルチストリームモデル:上記(1.1.2)「マルチストリームDLトラフィックモデル」と同一
(2.3.2)ULストリーム:上記(1.2)「UL方向のトラフィックモデル」と同一
(第1実施形態に係る通信制御方法)
上述したようにXRトラフィックでは、映像ストリームが用いられる場合があり、他のトラフィックと比較して、大容量のデータ送信が行われる場合がある。また、XRトラフィックでは、クラウドゲーミング(CG)など、リアルタイム性が要求され、他のトラフィックと比較して、低遅延が要求される場合がある。
上述したようにXRトラフィックでは、映像ストリームが用いられる場合があり、他のトラフィックと比較して、大容量のデータ送信が行われる場合がある。また、XRトラフィックでは、クラウドゲーミング(CG)など、リアルタイム性が要求され、他のトラフィックと比較して、低遅延が要求される場合がある。
また、XRトラフィックでは、映像ストリームなど、周期的にトラフィックが発生することが考えられることから、周期的な送信又は受信が可能なSPS(Semi-Persistent Scheduling)又はCG(Configured Grant)と呼ばれるスケジューリング方式が用いられることが想定される。SPSとCGは、最初にDCI(Downlink Control Information)による無線リソースの割り当てが行われると、以後は、DCIを用いることなく周期的に当該無線リソースを用いることができるスケジューリング方式である。5Gシステムでは、SPSはDL方向のスケジューリング方式であり、CGはUL方向のスケジューリング方式となっている。
ここで、XRトラフィックにおいて、あるパケットの送信又は受信に失敗した場合、当該パケットの再送が行われるケースを想定する。3GPPでは、MACレイヤにおいてHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)がサポートされている。HARQは、自動再送要求(ARQ:Automatic Repeat Request)と前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)とを組み合わせた再送制御方式である。HARQでは、例えば、送信側では、トランスポートブロック(TB)(MAC PDU)を構成するコードブロック単位で再送が行われ、受信側では、バッファに蓄積した既に受信済のデータと再送データとを結合(ソフト結合)して送信パケットを得ることができる。また、RLCレイヤにおいても、ARQがサポートされている。RLCレイヤにおけるARQは、受信側において、RLC SDU又はRLC SDUセグメントの欠落を検出した場合、RLC状態報告を送信側へ送信し、送信側では、RLC状態報告に基づいて、RLC SDU又はRLC SDUセグメントを再送する。RLCレイヤのARQは、例えば、MACレイヤのHARQの残留誤りを補う役割を果たしている。
移動通信システム1においても、このような再送制御方式がサポートされているものの、XRトラフィックは、再送パケットが不要となる場合がある。例えば、遅延パケットは、既に次の映像ストリームが送信されている場合は、受信側において不要となる。また、例えば、HMDの方向が変化してしまった場合、受信側において遅延パケットが不要となる。このような場合にHARQなどの再送が行われても、受信側では、再送パケットが不要となる場合がある。この場合に、送信側において、再送パケットの送信を一方的に停止してしまうと、受信側では、受信済のパケットをバッファに格納したまま再送パケットの受信を待つことになるため、受信が正常に行われなかったり、上位レイヤへのパケットの引き渡しが遅れてしまったりしてしまう。
そのため、XRトラフィックにおいて、HARQなどの再送制御を行うことは必ずしも効率的な通信とは言えない場合がある。
その一方、XRトラフィックにおいて、重要なシーンなどで再送が発生した場合に、再送を行った方が良い場合がある。その場合、通常の再送よりも早く再送を行った方が好ましい。
そこで、一実施形態では、送信パケットの再送が行われない場合、送信装置が、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知を受信装置へ送信する。一方、送信パケットの再送が行われる場合、gNB200は、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマをUE100へ設定する。
具体的には、基地局(例えば、gNB200)が、送信パケットの再送を行わない場合、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をユーザ装置(例えば、UE100)へ送信し、送信パケットの再送を行う場合、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値をユーザ装置に設定する。
このように再送が行われない場合は、スキップ通知が送信されるため、受信側は、再送待ちの受信済パケットを上位レイヤへ出力するなど、適切な処理を行うことができる。一方、再送が行われる場合は、UE100は、基準タイマよりも満了時間が短いタイマ値の高速再送用タイマを起動させることが可能である。そのため、UE100は、当該タイマ満了後に再送パケットを受信することが可能となるため、基準タイマを用いた場合より早く、再送パケットを受信できる。よって、移動通信システム1において、XRを用いた通信を適切に行うことが可能となる。
なお、第1実施形態では、再送が行われない場合について説明する。すなわち、第1実施形態では、スキップ通知の例について説明する。第2実施形態において、再送が行われる場合、すなわち、高速再送用タイマの例について説明する。
(第1実施形態の動作例)
図6(A)と図6(B)は、第1実施形態に係る動作例を表す図である。
図6(A)と図6(B)は、第1実施形態に係る動作例を表す図である。
再送に関し、DL方向においてgNB200が行う場合もあれば、UL方向においてUE100が行う場合もある。つまり、再送に関し、送信側がgNB200で受信側がUE100となる場合(すなわちDL方向)もあれば、送信側がUE100で受信側がgNB200となる場合(すなわち、UL方向)となる場合もある。そこで、第1実施形態に係る動作例では、送信側と受信側として説明する。この場合、送信側(又は送信装置)はgNB200の場合、受信側(又は受信装置)はUE100となり、送信側がUE100の場合、受信側はgNB200となる。
なお、図6(A)と図6(B)とは時間的に連続しているが、例えば、図6(B)の動作が開始される前は、例えば、以下のような状態になっているものとする。すなわち、送信側は受信側へ送信パケットを送信したものの、受信側では送信パケットを受信することができず、送信側へ再送要求(例えば、HARQ-フィードバックのNACK)を送信したものとする。
図6(A)に示すように、ステップS10において、gNB200は、UE100に対してスキップ条件を送信してもよい。この場合、再送に関して、UE100が送信パケットの送信側、gNB200が送信パケットの受信側となる。スキップ条件は、UE100からの送信パケットの再送に適用される。
スキップ条件は、例えば、以下である。
第1に、スキップ条件は、送信パケットの滞留時間でもよい。送信パケットの滞留時間は、送信側のASがアプリケーションレイヤから送信パケットを受け取り、当該送信パケットの受信側への送信が完了(Ackの受信を完了でもよい)するまでの時間の上限値を表してもよい。送信パケットの滞留時間は、当該滞留時間をカウントするタイマのタイマ値でもよい。
第2に、スキップ条件は、再送回数でもよい。当該再送回数は、HARQによる再送の上限回数でもよい。或いは、当該再送回数は、RLCレイヤにおけるARQによる再送の上限回数でもよい。2つの上限回数はそれぞれに別の上限回数、又は同じ上限回数が設定されてもよい。当該再送回数は、受信側からのNACKの受信回数の上限でもよい。
なお、スキップ条件は、再送が行われる前に送信されてもよい。或いは、当該スキップ条件は、再送中に送信されてもよい。gNB200は、DCI、MAC PDU、又はRRCメッセージなどにスキップ情報を含めて送信してもよい。
図6(B)に示すように、ステップS11において、送信側は、送信パケットの再送を行い、当該送信パケットの有効期限が満了したことを認識する。送信側は、当該送信パケットの送信が不要になったことを認識してもよい。送信側は、送信パケットの有効期限に関する条件を当該送信パケットが満たすときに、当該送信パケットの有効期限が満了したことを認識してもよい。有効期限に関する条件は、スキップ条件(ステップS10)であってもよい。例えば、UE100(送信側)は、スキップ条件(ステップS10)を当該送信パケットが満たしたときに、当該送信パケットの有効期限が満了したことを認識する。また、有効期限に関する条件は、QoS設定で示されたQoS条件でもよい。例えば、gNB200(送信側)は、QoS設定で示されたQoS条件を当該送信パケットが満たさない場合、当該送信パケットの有効期限が満了した(又は当該パケットの送信が不要になった)と認識する。QoS条件は、5QIで表されてもよい。
ステップS12において、送信側は、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知を受信側へ送信する。例えば、送信側は、送信パケットの有効期限に関する条件(ステップS11)を当該送信パケットが満たしたときに、スキップ通知を受信側へ送信する。もしくは、例えば、UE100は、スキップ条件(ステップS10)を当該送信パケットが満たしたときに、スキップ通知をgNB200へ送信する。
第1に、スキップ通知は、例えば、以下のメッセージを用いて送信される。すなわち、送信側は、スキップ通知を含むSDAP Control PDUを受信側へ送信してもよい。SDAPレイヤでは、QoSフローと無線ベアラ(DRB)とのマッピングを行うため、SDAP Control PDUを用いることで、送信側は、QoSフロー単位で、スキップ通知を送信することができる。また、送信側は、スキップ通知を含むPDCP Control PDUを受信側へ送信してもよい。この場合、例えば、送信側は、PDCP PDU単位でのスキップ通知を送信することができる。更に、送信側は、スキップ通知を含むRLC Control PDUを受信側へ送信してもよい。この場合、例えば、送信側は、RLC SDUセグメント単位(又はRLC SDU単位)で、スキップ通知を送信することができる。更に、送信側は、スキップ通知を含むRRCメッセージを送信してもよい。
第2に、スキップ通知の内容は、例えば、以下である。すなわち、スキップする送信パケットのSN(Sequence Number)がスキップ通知に含まれる。複数の送信パケットがスキップされる場合、スキップ通知には、スキップする送信パケットのSNの範囲が含まれてもよい。スキップ対象のSNは、PDCP SNで表されてもよい。或いは、当該スキップ対象のSNは、HFN(Hyper Frame Number)とPDCP SNとが組み合わされたCOUNT値で表されてもよい。また、スキップ対象のSNは、RLC SNで表されてもよい。また、スキップ通知には、スキップする送信パケットのSNが含まれるのではなく、次のパケットの送信を行わないことを示す情報が含まれてもよい。複数のパケットの送信をスキップする場合、スキップ通知には、次からN個(例えば、スキップするSNの個数又はスキップするパケットの個数)をスキップすることを示す情報が含まれてもよい。スキップ通知には、受信側の受信ウィンドウの状態変数を指定する情報が含まれてもよい。受信ウィンドウは、PDCPの受信ウィンドウ(reordering window)でもよく、状態変数は、次に受信することが期待されるPDCP SDUのCOUNT値を示すRX_NEXTでもよい。
なお、送信側は、スキップ通知の対象となる当該送信パケットを破棄してもよい。
ステップS13において、受信側は、スキップ通知を受信したことに応じて、送信パケットを受信したものとして処理を行う。
第1に、PDCPレイヤでは、例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、受信側のPDCPレイヤでは、受信済の送信パケットであり、再送待ちの送信パケットをPDCPレイヤの上位レイヤへ出力してもよい。これにより、例えば、受信済のパケットをバッファなどにスタックしたままの状態が解消され、上位レイヤへの受信済パケットの引き渡しの遅延を抑制させることができる。また、受信側のPDCPレイヤは、受信ウィンドウの下限値を当該送信パケットの次のPDCP SN(又はCOUNT値)にセットしてもよい。当該PDCP SNは、スキップ通知に含まれるため、PDCPレイヤはこれを利用すればよい。更に、受信側のPDCPレイヤは、下位レイヤ(RLCレイヤなど)に、パケット受信をスキップすることを通知してもよい。
第2に、RLCレイヤでは、例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、受信側のRLCレイヤでは、受信済のRLC SDU又はRLC SDUセグメントを破棄してもよい。また、受信側のRLCレイヤでは、受信ウィンドウの下限値を、当該送信パケットの次のSNにセットする。また、受信側のRLCレイヤは、上位レイヤ(PDCPレイヤなど)へ、パケット受信をスキップすることを通知してもよい。
このように、第1実施形態では、gNB200(送信装置)が、送信パケットの再送を行わない場合、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をUE100(受信装置)へ送信するようにしている。また、第1実施形態では、UE100(送信装置)が、送信パケットの再送を行わない場合、送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知を基地局(受信装置)へ送信するようにしている。
[第2実施形態]
第2実施形態では、送信パケットの再送が行われる場合の例について説明する。
第2実施形態では、送信パケットの再送が行われる場合の例について説明する。
XRトラフィックでは、拡張現実(AR)又はクラウドゲーミング(CG)などのユースケースにおいて、リアルタイム性が要求される場合がある。そのため、XRトラフィックでは、他のトラフィックと比較して、低遅延が要求される。このような状況で、XRトラフィックの再送が発生した場合、第1実施形態のように、送信側が一定の条件でスキップ通知を受信側へ送信し、送信側が再送を行わないようにすることも1つの方策である。その一方で、上述したように、他と比較して重要な映像シーンなどで再送が発生する場合もある。このような場合、再送が行われることが好ましく、更に、XRトラフィックの低遅延の要求から、通常の再送よりも早く再送が行われることが好ましい。
そこで、第2実施形態では、基準タイマよりも短いタイマ値を有する高速再送用タイマを用いる例について説明する。
具体的には、基地局(例えば、gNB200)が、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値をユーザ装置(例えば、UE100)に設定する。更に、第1に、基地局が、高速再送用タイマのタイマ値をユーザ装置へ送信する。第2に、ユーザ装置が、送信パケットの受信に失敗したとき、高速再送用タイマを起動する。第3に、ユーザ装置が、高速再送用タイマのタイマ値が満了したとき、送信パケットの受信を試みる。
これにより、例えば、UE100では、gNB200から送信された送信パケットの受信に失敗した場合でも、基準タイマよりも満了時間が短い時間で、送信パケットの受信を試みることができるため、基準タイマが用いられるよりも、再送パケットを高速に受信できる。よって、移動通信システム1において、XRを用いた通信を適切に行うことが可能となる。
(第2実施形態に係る動作例)
図7は第2実施形態に係る動作例を表す図である。
図7は第2実施形態に係る動作例を表す図である。
図7に示すように、ステップS20において、gNB200は、基準RTT(Round Trip Timer)タイマのタイマ値と、当該タイマ値よりも短い時間のタイマ値を有する高速再送用RTTタイマの当該タイマ値とを設定する。例えば、基準タイマは基準RTTタイマであり、高速再送用タイマは高速再送用RTTタイマである。基準RTTタイマは、例えば、DRX(Discontinuous Reception)の再送制御(HARQ)で用いられるHARQ RTTタイマである。
DRXでは、対象のUE100のPDCCHのモニタリングを非連続で行わせることで、連続的にPDCCHをモニタリングする場合と比較して、UE100の消費電力の削減を図ることができる。UE100はDRXサイクルに入るとオン区間タイマ(OnDurationTimer)を起動させて当該タイマが満了するまでの期間(オン区間(On Duration))、PDCCHをモニタリングする。UE100では、オン区間(On Duration)においてPDCCHを用いて送信パケットの受信が指示されるものの送信パケットを受信できなかった場合、UE100のMACレイヤでは、HARQによる再送制御を行い、gNB200に対して送信パケットの再送を要求する。MACレイヤでは、送信パケットを受信できなかったとき(又は再送要求を行ったとき)から、HARQ RTTタイマを起動させる。送信パケットの再送要求から送信パケットの受信に至るまでに一定の時間がかかることから、HARQ RTTタイマを起動させて、一定時間(HARQ RTTタイマのタイマ値)、UE100を休眠させることができる。そして、MACレイヤでは、HARQ RTTタイマが満了すると、DRX再送タイマ(drx-RetransmissionTimer)を起動させ、当該DRX再送タイマが動作中に、送信パケット(すなわち、再送パケット)の受信を試みるようにしている。MACレイヤでは、送信パケットを受信すると、DRX再送タイマを停止させ、送信パケットを受信することができない場合、DRX再送タイマが満了するまで送信パケットの受信を試みる。第2実施形態では、HARQ RTTタイマのタイマ値よりも短いタイマ値を有する高速再送用RTTタイマを用いて、HARQ RTTタイマよりも早い時間でDRX再送タイマを起動させるようにすることで、高速再送を実現している。そのため、gNB200は、HARQ RTTタイマのタイマ値Xと、高速再送用RTTタイマのタイマ値Yとを、X>Yとなるように、2つのタイマ値を設定する。gNB200は、設定した2つのタイマ値を、UE100へ送信する。gNB200は、RRCメッセージ、MAC PDU、又はDCIなどに、設定した2つのタイマ値を含ませて送信してもよい。
なお、gNB200は、ステップS20よりも前に、UE100に対して、DRX設定を行っているものとする。
ステップS21において、gNB200は、UE100に対してデータ送信を行う。
ステップS22において、UE100は、DRXアクティブ期間(DRX active time)において、PDCCHを受信する。DRXアクティブ期間は、例えば、オン区間タイマ(OnDurationTimer)が動作中の期間である。gNB200は、当該PDCCHを利用して、高速再送用RTTタイマの適用を指示してもよい。例えば、gNB200は、高速再送用RTTタイマを適用することを示す含む新たなDCIフォーマットを、PDCCHを利用してUE100へ送信してもよい。また、例えば、gNB200は、DCIの情報(ビット)により、高速再送用RTTタイマの適用を指示してもよい。
ステップS23において、UE100は、当該PDCCHを用いて受信したDCIを用いてPDSCHの受信を試みる。ここでは、UE100は、PDSCHのデコードに失敗したと仮定する。
ステップ24において、UE100は、HARQ-フィードバックとしてNACKを送信するとともに、ステップS25において、UE100は、高速再送用RTTタイマを起動させる。ステップS24とステップS25とは同時に行われてもよい。ステップS24において、UE100は、高速再送用RTTタイマを適用(起動)することを、gNB200へ通知してもよい。当該通知は、PUCCH(Physical Up-link Control Channel)で行われてもよく、特別なNACK信号により示されてもよい。
ステップS26において、UE100は、高速再送用RTTタイマが満了した場合、DRX再送タイマ(drx-RetransmissionTimer)を起動させる。すなわち、UE100は、高速再送用RTTタイマが満了したとき、PDSCHを利用して送信された送信パケット(再送パケット)の受信を試みる。UE100は、DRX再送タイマが動作中、当該送信パケットの受信を試みる。
[その他の実施形態]
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM及び/又はDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM及び/又はDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC:System on a chip)として構成してもよい。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。また、矛盾しない範囲で、各実施形態、各動作、各処理、及び各ステップの全部又は一部を組み合わせることも可能である。
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。従って、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
本願は、日本国特許出願第2022-073808号(2022年4月27日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
(付記)
一実施形態において、(付記1)移動通信システムにおける通信制御方法であって、移動通信システムにおける通信制御方法であって、基地局が、送信パケットの再送を行わない場合、前記送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をユーザ装置へ送信し、前記送信パケットの再送を行う場合、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値をユーザ装置に設定するステップを有することができる。
一実施形態において、(付記1)移動通信システムにおける通信制御方法であって、移動通信システムにおける通信制御方法であって、基地局が、送信パケットの再送を行わない場合、前記送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をユーザ装置へ送信し、前記送信パケットの再送を行う場合、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値をユーザ装置に設定するステップを有することができる。
(付記2)上記(付記1)の通信制御方法において、前記ユーザ装置が、前記スキップ通知を受信したことに応じて、前記送信パケットを受信したものとして処理を行うステップ、を更に有することができる。
(付記3)上記(付記1)または(付記2)の通信制御方法において、前記設定するステップは、前記基地局が、前記送信パケットの有効期限に関する条件を前記送信パケットが満たしたときに、前記スキップ通知を前記ユーザ装置に送信するステップを含むことができる。
(付記4)上記(付記1)乃至(付記3)のいずれかの通信制御方法において、前記基地局が、前記高速再送用タイマの前記タイマ値を前記ユーザ装置へ送信するステップと、前記ユーザ装置が、前記送信パケットの受信に失敗したとき、前記高速再送用タイマを起動するステップと、前記ユーザ装置が、前記高速再送用タイマの前記タイマ値が満了したとき、前記送信パケットの受信を試みるステップと、を更に有することができる。
また、一実施形態において、(付記5)移動通信システムにおける通信制御方法であって、ユーザ装置が、送信パケットの再送を行わない場合、前記送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知を基地局へ送信するステップ、を有することができる。
(付記6)上記(付記5)の通信制御方法において、前記基地局が、前記スキップ通知を受信したことに応じて、前記送信パケットを受信したものとして処理するステップ、を更に有することができる。
(付記7)上記(付記5)又は(付記6)の通信制御方法において、前記基地局が、スキップ条件を前記ユーザ装置へ送信するステップ、を更に有し、前記スキップ通知を送信するステップは、前記ユーザ装置が、前記スキップ条件を前記送信パケットが満たしたときに、前記スキップ通知を前記基地局へ送信するステップを含むことができる。
(付記8)上記(付記1)乃至(付記7)の通信制御方法において、前記送信パケットはXRトラフィック用の送信パケットとすることができる。
1 :移動通信システム
20 :CN
100 :UE
110 :受信部
120 :送信部
130 :制御部
200 :gNB
210 :送信部
220 :受信部
230 :制御部
300 :AMF
20 :CN
100 :UE
110 :受信部
120 :送信部
130 :制御部
200 :gNB
210 :送信部
220 :受信部
230 :制御部
300 :AMF
Claims (8)
- 移動通信システムにおける通信制御方法であって、
基地局が、送信パケットの再送を行わない場合、前記送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知をユーザ装置へ送信し、前記送信パケットの再送を行う場合、基準タイマより短いタイマ値の高速再送用タイマの当該タイマ値を前記ユーザ装置に設定すること、を有する
通信制御方法。 - 前記ユーザ装置が、前記スキップ通知を受信したことに応じて、前記送信パケットを受信したものとして処理を行うこと、を更に有する
請求項1記載の通信制御方法。 - 前記設定することは、前記基地局が、前記送信パケットの有効期限に関する条件を前記送信パケットが満たしたときに、前記スキップ通知を前記ユーザ装置に送信することを含む、
請求項1記載の通信制御方法。 - 前記基地局が、前記高速再送用タイマの前記タイマ値を前記ユーザ装置へ送信することと、
前記ユーザ装置が、前記送信パケットの受信に失敗したとき、前記高速再送用タイマを起動することと、
前記ユーザ装置が、前記高速再送用タイマの前記タイマ値が満了したとき、前記送信パケットの受信を試みることと、を更に有する
請求項1記載の通信制御方法。 - 移動通信システムにおける通信制御方法であって、
ユーザ装置が、送信パケットの再送を行わない場合、前記送信パケットの送信をスキップすることを示すスキップ通知を基地局へ送信すること、を有する
通信制御方法。 - 前記基地局が、前記スキップ通知を受信したことに応じて、前記送信パケットを受信したものとして処理すること、を更に有する
請求項5記載の通信制御方法。 - 前記基地局が、スキップ条件を前記ユーザ装置へ送信すること、を更に有し、
前記スキップ通知を送信することは、前記ユーザ装置が、前記スキップ条件を前記送信パケットが満たしたときに、前記スキップ通知を前記基地局へ送信することを含む、
請求項5記載の通信制御方法。 - 前記送信パケットはXRトラフィック用の送信パケットである、
請求項1又は5に記載の通信制御方法。
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Legal Events
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---|---|---|---|
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