WO2023195490A1 - 撮像システム及び細胞濃度調整方法 - Google Patents
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Abstract
撮像システムは、細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射する光源と、流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成する撮像センサと、干渉縞画像又は干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて試料中の細胞濃度を推定し、細胞濃度の推定値に基づいて試料中の細胞濃度を調整するプロセッサと、を備える。
Description
本開示の技術は、撮像システム及び細胞濃度調整方法に関する。
細胞等の小さな観察対象物体を撮像する装置を小型化するために、光学系部品を排除した、いわゆるレンズフリーのデジタルホログラフィが知られている。デジタルホログラフィでは、レーザ光等のコヒーレントな光を発する光源を用いて観察対象物体を撮像し、撮像により得られた干渉縞像を含む干渉縞画像を再構成することにより、任意の再構成位置において再構成画像を生成することができる(例えば、国際公開第2018/158947号参照)。
また、培養タンクからマイクロ流路に細胞を含む試料を流しながらマイクロ流路を撮像することにより、細胞の培養状態をリアルタイムにモニタリングすることを可能とするインラインセンシングが知られている。
マイクロ流路を流れる試料は細胞濃度が変化することがある。細胞濃度が高くなると、細胞による光の散乱量が大きくなり、干渉縞画像が散乱の影響を受ける。干渉縞画像が散乱の影響を受けると、細胞に関する正しい情報が得られず、結果として再構成画像が劣化してしまう。
国際公開第2018/158947号に記載の細胞観察装置では、オペレータは干渉縞画像を見て測定が適切でないと判断すると、測定停止ボタンを押すことにより直ちに測定を中止させることが可能である。これにより、試料に異物が混入している等、測定に不具合がある場合に、無駄な再構成時間等を消費することを避けることができる。
しかしながら、インラインセンシングでは、流路を流れる大量の試料を随時観察しながら細胞の培養状態をモニタリングする必要がある。このため、国際公開第2018/158947号に記載のようにオペレータが測定の適否を判断する方法は、オペレータへの負担が大きく現実的ではない。
本開示の技術は、細胞濃度の変化による再構成画像の劣化を抑制することを可能とする撮像システム及び細胞濃度調整方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の撮像システムは、細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射する光源と、流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成する撮像センサと、干渉縞画像又は干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて試料中の細胞濃度を推定し、細胞濃度の推定値に基づいて試料中の細胞濃度を調整するプロセッサと、を備える。
プロセッサは、干渉縞画像に含まれる干渉縞の数、又は干渉縞画像の周波数情報に基づいて、細胞濃度を推定することが好ましい。
プロセッサは、再構成画像の画質に基づいて細胞濃度を推定することが好ましい。
プロセッサは、干渉縞画像全体の輝度又は輝度分布に基づいて細胞濃度を推定することが好ましい。
プロセッサは、培養タンクから流路に試料を導入するポンプを制御することにより、試料中の細胞濃度を調整することが好ましい。
プロセッサは、ポンプの吸引口の径、吸引口の位置、及び吸引速度のうちの少なくともいずれか1つを制御することにより、試料中の細胞濃度を調整することが好ましい。
プロセッサは、流路に注入される希釈液の注入量を制御することにより、試料中の細胞濃度を調整することが好ましい。
プロセッサは、推定値が適正範囲より高い場合には、推定値が適正範囲内となるまで、段階的に細胞濃度を変更することが好ましい。
プロセッサは、推定値が適正範囲より低い場合には、推定値が適正範囲内となるまで、段階的に細胞濃度を変更することが好ましい。
プロセッサは、細胞濃度の変更を一定回数行っても推定値が適正範囲内とならない場合に、異常であることを報知する制御を行うことが好ましい。
本開示の細胞濃度調整方法は、細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射すること、流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成すること、干渉縞画像又は干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて試料中の細胞濃度を推定し、細胞濃度の推定値に基づいて試料中の細胞濃度を調整すること、を含む。
本開示の技術によれば、細胞濃度の変化による再構成画像の劣化を抑制することを可能とする撮像システム及び細胞濃度調整方法を提供することができる。
添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る細胞培養システム2の構成の一例を示す。細胞培養システム2は、細胞培養装置3と、撮像システム4と、回収タンク5とで構成される。撮像システム4は、光源6、撮像センサ7、及び情報処理装置8を含む。情報処理装置8は、例えば、パーソナルコンピュータである。
光源6は、例えばレーザーダイオードである。なお、光源6は、発光ダイオードとピンホールとを組み合わせて構成されたものであってもよい。
光源6と撮像センサ7との間には、マイクロ流路9が配置される。マイクロ流路9は、例えばシリコーン樹脂により形成された流路ユニットに形成されており、液体を流すことが可能な流路である。流路ユニットは、透光性を有しており、流路ユニットの外部からマイクロ流路9内に光を照射することが可能である。マイクロ流路9には、細胞10を含む溶液である試料12を導入するための開口部9Aと、マイクロ流路9に導入された試料12を排出するための開口部9Bが設けられている。マイクロ流路9は、本開示の技術に係る「流路」の一例である。
試料12は、細胞培養装置3からマイクロ流路9の開口部9Aに導入され、マイクロ流路9内を一定の速度で流れて開口部9Bから排出される。開口部9Bから排出された試料12は、回収タンク5により回収される。
光源6、撮像センサ7、及びマイクロ流路9は、例えば、図示しないインキュベータ内に配置されている。撮像システム4は、例えば、試料12に含まれる1以上の細胞10を撮像対象とし、光源6から発せられてマイクロ流路9を通過した光を撮像センサ7により撮像する。
光源6は、マイクロ流路9に向けて照射光6Aを照射する。照射光6Aは、コヒーレントな光であり、例えばレーザ光である。照射光6Aは、マイクロ流路9に入射し、マイクロ流路9を透過した後、撮像センサ7の撮像面7Aに入射する。なお、矢印で示すZ方向は、照射光6Aの照射方向である。マイクロ流路9は、試料12の流れる方向が、Z方向にほぼ直交するように配置されている。
なお、マイクロ流路9の形状、及び開口部9A,9Bの数は、適宜変更可能である。また、光源6と撮像センサ7との間に配置されるマイクロ流路9の数は1に限られず、2以上であってもよい。本実施形態では、光源6と撮像センサ7との間に1つのマイクロ流路9が配置されているとする。
撮像センサ7は、例えば、モノクロのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサにより構成されている。撮像センサ7の撮像動作は、情報処理装置8により制御される。撮像センサ7は、撮像面7Aが、Z方向に直交するように配置されている。なお、撮像面7Aは、マイクロ流路9が形成された流路ユニットに接触していてもよい。
マイクロ流路9内の試料12に照射光6Aが入射し、細胞10で照射光6Aが回折されることにより、細胞10の形状が反映された干渉縞が生じる。撮像センサ7は、干渉縞を含む干渉縞画像FPを生成して情報処理装置8に出力する。
情報処理装置8は、撮像制御、干渉縞画像FPに基づく再構成画像の生成、干渉縞画像FPに基づく試料12中の細胞10の濃度(以下、細胞濃度という。)の推定、細胞濃度の推定値に基づく細胞培養装置3の制御等を行う。
図2は、細胞培養装置3の構成の一例を示す。細胞培養装置3は、培養タンク20、吸引ポンプP1、吸引管21、移送管22、攪拌装置23、通気装置24、温度調整装置25、培地タンク26、培地ポンプP2、溶液タンク27、溶液ポンプP3、及びコントローラ28を備える。コントローラ28は、吸引ポンプP1、攪拌装置23、通気装置24、温度調整装置25、及び溶液ポンプP3を制御する。コントローラ28は、情報処理装置8により制御される。吸引ポンプP1は、本開示の技術に係る「ポンプ」の一例である。
培養タンク20は、細胞10を培養するためのタンクであり、細胞10を含む試料12が収容されている。吸引管21は、一端が培養タンク20内に挿入され、他端が吸引ポンプP1に接続されている。吸引ポンプP1は、吸引管21の一端に設けられた吸引口21Aから試料12を吸引する。移送管22は、一端が吸引ポンプP1に接続され、他端がマイクロ流路9の開口部9Aに接続されている。移送管22は、吸引ポンプP1により吸引された試料12を、移送してマイクロ流路9に導入するための配管である。
吸引管21には、コントローラ28からの制御に基づいて動作するアクチュエータ29が接続されている。アクチュエータ29は、吸引管21を移動させることにより、培養タンク20内における吸引口21Aの位置を変更する。また、吸引管21は、吸引口21Aの径が変更可能に構成されている。アクチュエータ29は、コントローラ28からの制御に基づいて吸引口21Aの径を変更する。ここで、吸引口21Aの径とは、吸引口21Aの内径を意味する。
攪拌装置23は、攪拌翼を回転させることにより培養タンク20内の試料12を攪拌させる。通気装置24は、培養タンク20内の試料12に空気、酸素、窒素、二酸化炭素等を通気する。温度調整装置25は、培養タンク20内の試料12の温度を調整する。
培地タンク26は、液体状の培地を収容するためのタンクである。培地ポンプP2は、培地タンク26内の培地を培養タンク20に送る。培地ポンプP2による送液量は、培地タンク26内の培地成分の濃度等に応じて、コントローラ28により制御される。本実施形態では、複数の培地タンク26が培地ポンプP2に接続されている。
溶液タンク27は、アルカリ溶液を収容するためのタンクである。溶液ポンプP3は、溶液タンク27内のアルカリ溶液を培養タンク20に送る。試料12のpHは、アルカリ溶液の添加、二酸化炭素の通気等により所定の範囲に制御される。
また、培養タンク20内の培養環境及び細胞10の培養状態をモニタリングするために、図示しない各種のセンサが設けられている。例えば、培養タンク20には、熱電対等の温度センサ、溶存酸素センサ、二酸化炭素センサ、pHセンサ、セルカウンタ等が設けられている。
図3は、マイクロ流路9に流れる試料12に含まれる細胞10により干渉縞が生成される様子を示す。マイクロ流路9に入射した照射光6Aは、一部が細胞10によって回折される。すなわち、照射光6Aは、細胞10によって回折される回折光30と、細胞10によって回折されず、マイクロ流路9を透過する透過光31とに分かれる。透過光31は平面波である。回折光30及び透過光31は、マイクロ流路9を透過して、撮像センサ7の撮像面7Aに入射する。
回折光30と透過光31とは、互いに干渉することにより、干渉縞33を生成する。干渉縞33は、明部36及び暗部38により構成される。図3では、干渉縞33は、明部36及び暗部38をそれぞれ円形として図示しているが、干渉縞33の形状は、細胞10の形状及び内部構造に応じて変化する。撮像センサ7は、撮像面7Aに形成された干渉縞33を含む光像を撮像し、干渉縞33を含む干渉縞画像FPを出力する。
なお、照射光6Aが試料12に入射することにより生じる光の成分には、回折光30と透過光31との他に、照射光6Aが細胞10等により散乱されることにより生じる散乱光が含まれる。干渉縞画像FPは、散乱光の量に応じて劣化する。干渉縞画像FPが劣化すると、干渉縞画像FPに基づいて生成される再構成画像が劣化する。
図4は、撮像センサ7から出力される干渉縞画像FPの一例を示す。図4に示す干渉縞画像FPは、撮像センサ7の撮像領域に含まれる1つの細胞10により照射光6Aが回折されることにより生じた1つの干渉縞33が含まれている。
図5は、情報処理装置8のハードウェア構成の一例を示す。図5に示すように、情報処理装置8は、CPU(Central Processing Unit)40、記憶装置41、及び通信部42を備え、これらはバスライン43を介して相互接続されている。また、バスライン43には、ディスプレイ44及び入力デバイス45が接続されている。入力デバイス45は、キーボード、マウス、タッチパネル等であり、ユーザが情報を入力する際に操作される。
CPU40は、記憶装置41に格納された作動プログラム41A及び各種データ(図示せず)を読み出して処理を実行することにより、各種機能を実現する演算装置である。CPU40は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。
記憶装置41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はストレージ装置等を含む。RAMは、例えば、ワークエリア等として用いられる揮発性メモリである。ROMは、例えば、作動プログラム41A及び各種データを保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。ストレージ装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)である。ストレージは、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、画像データ、及び各種データ等を記憶する。
通信部42は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。情報処理装置8は、通信部42を介して、光源6、撮像センサ7、及び細胞培養装置3に接続される。ディスプレイ44は、各種画面を表示する。情報処理装置8は、各種画面を通じて、入力デバイス45からの操作指示の入力を受け付ける。
図6は、情報処理装置8の機能構成の一例を示す。情報処理装置8の機能は、作動プログラム41Aに基づいてCPU40が処理を実行することにより実現される。図6に示すように、CPU40には、撮像制御部50、干渉縞画像取得部51、再構成処理部52、表示制御部53、細胞濃度推定部54、及び濃度制御部55が構成される。
撮像制御部50は、撮像システム4の動作を制御する。具体的には、撮像制御部50は、撮像システム4に撮像制御信号を送信することにより、光源6による照射光6Aの発生動作、及び撮像センサ7の撮像動作を制御する。以下、光源6による照射光6Aの発生動作と、撮像センサ7の撮像動作とを合わせて、撮像システム4の撮像動作という。撮像制御部50は、入力デバイス45から入力される操作信号に基づいて、撮像システム4に撮像動作を開始させる。
干渉縞画像取得部51は、撮像センサ7から出力される干渉縞画像FPを取得する。干渉縞画像取得部51は、取得した干渉縞画像FPを再構成処理部52に供給する。
再構成処理部52は、干渉縞画像FPに基づいて演算を行うことにより、再構成画像を生成する。例えば、再構成処理部52は、再構成位置をZ方向に一定値ずつ変更しながら、再構成位置を変更するたびに再構成画像を生成する。再構成位置は、撮像センサ7の撮像面7Aから光源6の方向への距離dにより表される位置(いわゆる深さ位置)である。以下、再構成位置を焦点位置ともいう。
再構成処理部52は、例えば、下式(1)~(3)で表されるフレネル変換式に基づいて再構成処理を行う。
ここで、I(x,y)は、画像データを表す。xは、撮像センサ7を構成する画素のX方向に関する座標を表す。yは、画素のY方向に関する座標を表す。Δxは、画素のX方向への配列ピッチであ。Δyは、画素のY方向への配列ピッチである。λは、照射光6Aの波長である。
式(1)に示すように、Γ(m,n)は、干渉縞画像FPに含まれる干渉縞がフレネル変換された複素振幅画像である。ここで、m=1,2,3,・・・Nx-1、及びn=1,2,3,・・・Ny-1である。Nxは、干渉縞画像FPのX方向への画素数を表している。Nyは、干渉縞画像FPのY方向への画素数を表している。
式(2)に示すように、A0(m,n)は、複素振幅画像Γ(m,n)の振幅成分(すなわち強度成分)を表す振幅画像である。式(3)に示すように、φ0(m,n)は、複素振幅画像Γ(m,n)の位相差成分を表す位相差画像である。
再構成処理部52は、式(1)に基づいて複素振幅画像Γ(m,n)を求め、求めた複素振幅画像Γ(m,n)を、式(2)又は式(3)に適用することにより、振幅画像A0(m,n)又は位相差画像φ0(m,n)を求める。再構成処理部52は、振幅画像A0(m,n)と位相差画像φ0(m,n)とのうちの少なくともいずれか1つを、再構成画像として出力する。
再構成処理部52は、フレネル変換式を用いる方法に限られず、フーリエ反復位相回復法等により再構成処理を行ってもよい。
表示制御部53は、再構成処理部52により生成された再構成画像をディスプレイ44に表示させる。
細胞濃度推定部54は、干渉縞画像取得部51が取得した干渉縞画像FPに基づいて、マイクロ流路9に流れる試料12中の細胞濃度を推定する。本実施形態では、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPに含まれる干渉縞33の数に基づいて細胞濃度を推定する。細胞濃度推定部54は、干渉縞33の数が多いほど、細胞濃度が高いと推定する。細胞濃度推定部54は、細胞濃度の推定値Rを濃度制御部55に出力する。
なお、本開示において、推定値Rは、細胞濃度を直接的に表す数値でなくてもよく、細胞濃度と関連する数値であってもよい。本実施形態では、干渉縞画像FPに含まれる干渉縞33の数を、推定値Rとしている。
濃度制御部55は、細胞濃度推定部54から出力された推定値Rが適正範囲内であるか否かを判定する。濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲内でないと判定した場合には、濃度制御信号を細胞培養装置3に出力することにより、細胞濃度を調整する。
図7は、細胞濃度が高い場合における干渉縞画像FPの一例を概念的に示す。細胞濃度が高い場合には、干渉縞画像FPには複数の干渉縞33が現れる。細胞濃度が高くなると、個々の細胞10で生じる光の散乱量が大きくなり、干渉縞画像FPが劣化する。これにより、再構成画像が劣化してしまう。
濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲より高い場合には、細胞濃度を下げて適正範囲内とするように、細胞培養装置3を制御する。適正範囲とは、再構成画像の劣化が許容される細胞濃度の範囲をいう。濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲より低い場合には、細胞濃度を上げて適正範囲内とするように、細胞培養装置3を制御する。
図8は、細胞培養装置3による細胞濃度の制御の一例を概念的に示す。培養タンク20内の試料12中の細胞濃度は、吸引口21Aの径、吸引口21Aの位置、及び吸引ポンプP1による試料12の吸引速度Vに依存して変化すると考えられる。培養タンク20内の試料12は、攪拌装置23により攪拌されているので、培養タンク20内の位置に応じて細胞濃度が異なる。
コントローラ28は、濃度制御部55から入力される細胞制御信号に基づいて、アクチュエータ29を制御することにより、吸引口21Aの径D、又は吸引口21Aの位置を変化させ、吸引ポンプP1を制御することにより吸引速度Vを変化させる。吸引口21Aの位置とは、X方向、Y方向、及びZ方向に関する位置である。例えば、コントローラ28は、セルカウンタによる細胞濃度の検出値を参照しながら、吸引口21Aの径D、吸引口21Aの位置、及び吸引速度Vのうち少なくとも1つを変更することにより、細胞制御信号により指定された所定の量だけ細胞濃度を変更する。なお、コントローラ28は、過去に実験等により取得された培養タンク20内の細胞濃度の分布データに基づいて、吸引口21Aの位置等を変更してもよい。
図9は、撮像システム4の動作の流れの一例を示す。まず、細胞培養装置3により、マイクロ流路9への試料12の供給を開始する(ステップS10)。次に、撮像制御部50は、撮像システム4に撮像動作を行わせる(ステップS11)。干渉縞画像取得部51は、撮像センサ7から出力された干渉縞画像FPを取得する(ステップS12)。
細胞濃度推定部54は、干渉縞画像取得部51が取得した干渉縞画像FPに基づいて細胞濃度を推定し、推定値Rを濃度制御部55に出力する(ステップS13)。濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲内であるか否かを判定する(ステップS14)。濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲内でない場合には(ステップS14:NO)、濃度制御信号を細胞培養装置3に出力することにより、細胞濃度を変更する(ステップS15)。ステップS15の後、処理は、ステップS11に戻る。
ステップS11~S15の処理は、ステップS14で推定値Rが適正範囲内であると判定されるまでの間、繰り返し行われる。すなわち、細胞濃度の調整は、細胞濃度を段階的に変更することにより行われる。具体的には、推定値Rが適正範囲より高い場合には、細胞濃度が適正範囲内となるまで、段階的に細胞濃度を変更する。推定値Rが適正範囲より低い場合についても、細胞濃度が適正範囲内となるまで、段階的に細胞濃度を変更する。
推定値Rが適正範囲内であると判定されると(ステップS14:YES)、再構成処理部52は、干渉縞画像FPに基づいて再構成処理を行うことにより再構成画像を生成する(ステップS16)。そして、表示制御部53は、再構成処理部52により生成された再構成画像をディスプレイ44に表示させる(ステップS17)。
なお、ステップS17の後、処理をステップS11に戻し、ステップS11~S17を繰り返し実行してもよい。
以上のように、本開示の技術によれば、干渉縞画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、推定値に基づいて試料中の細胞濃度を調整するので、細胞濃度の変化による再構成画像の劣化を抑制することができる。
次に、上記実施形態の各種変形例について説明する。以下の各変形例では、上記実施形態と異なる点のみについて説明する。
[第1変形例]
上記実施形態では、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPに含まれる干渉縞33の数に基づいて細胞濃度を推定している。これに代えて、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPを周波数解析することにより、干渉縞画像FPの周波数情報に基づいて細胞濃度を推定してもよい。
上記実施形態では、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPに含まれる干渉縞33の数に基づいて細胞濃度を推定している。これに代えて、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPを周波数解析することにより、干渉縞画像FPの周波数情報に基づいて細胞濃度を推定してもよい。
細胞濃度が高くなるほど、干渉縞画像FPは光の散乱による高周波成分が増加する。さらに、細胞濃度が高くなると、コヒーレンスの低下により干渉縞33が消滅して、光の散乱による高周波成分が支配的となる。細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPに含まれる周波数成分を解析することにより、細胞濃度を推定することができる。
[第2変形例]
細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度に基づいて細胞濃度を推定してもよい。例えば、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPを構成する複数の画素の積算輝度又は平均輝度を求め、積算輝度又は平均輝度に基づいて細胞濃度を推定する。細胞濃度が高くなるほど、マイクロ流路9を通過する照射光6Aの光強度が低下し、撮像センサ7への入射光量が低下する。このように、細胞濃度と干渉縞画像FP全体の輝度とに相関があるため、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度に基づいて細胞濃度を推定することができる。
細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度に基づいて細胞濃度を推定してもよい。例えば、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPを構成する複数の画素の積算輝度又は平均輝度を求め、積算輝度又は平均輝度に基づいて細胞濃度を推定する。細胞濃度が高くなるほど、マイクロ流路9を通過する照射光6Aの光強度が低下し、撮像センサ7への入射光量が低下する。このように、細胞濃度と干渉縞画像FP全体の輝度とに相関があるため、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度に基づいて細胞濃度を推定することができる。
[第3変形例]
細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度分布に基づいて細胞濃度を推定してもよい。例えば、細胞濃度推定部54は、輝度と画素数との関係を表す輝度分布の分散値に基づいて細胞濃度を推定する。図10に示すように、細胞濃度が高くなるほど干渉縞画像FPは光の散乱による高周波成分が増加し、かつ干渉縞33が不鮮明となるので、輝度分布の分散値が低下すると考えられる。このように、細胞濃度と輝度分布とに相関があると考えられるため、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度分布に基づいて細胞濃度を推定することができる。
細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度分布に基づいて細胞濃度を推定してもよい。例えば、細胞濃度推定部54は、輝度と画素数との関係を表す輝度分布の分散値に基づいて細胞濃度を推定する。図10に示すように、細胞濃度が高くなるほど干渉縞画像FPは光の散乱による高周波成分が増加し、かつ干渉縞33が不鮮明となるので、輝度分布の分散値が低下すると考えられる。このように、細胞濃度と輝度分布とに相関があると考えられるため、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FP全体の輝度分布に基づいて細胞濃度を推定することができる。
[第4変形例]
上記実施形態では、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPに基づいて細胞濃度を推定している。これに代えて、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPを再構成した再構成画像に基づいて細胞濃度を推定してもよい。
上記実施形態では、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPに基づいて細胞濃度を推定している。これに代えて、細胞濃度推定部54は、干渉縞画像FPを再構成した再構成画像に基づいて細胞濃度を推定してもよい。
図11は、第4変形例に係る情報処理装置8の機能構成を示す。本変形例では、細胞濃度推定部54は、再構成処理部52により生成された干渉縞画像FPに基づいて細胞濃度を推定する。細胞濃度が高くなるほど光の散乱量が増加することにより、再構成画像の画質が低下するため、本変形例では、細胞濃度推定部54は、再構成画像の画質に基づいて細胞濃度を推定する。画質とは、例えば、再構成画像に写る細胞の輪郭のシャープネスである。
図12は、第4変形例に係る撮像システム4の動作の流れの一例を示す。ステップS20~S22は、図9に示す上記実施形態のステップS10~S12と同様である。本変形例では、再構成処理部52は、ステップS22の後、干渉縞画像FPに基づいて再構成画像を生成する(ステップS23)。細胞濃度推定部54は、再構成処理部52により生成された再構成画像に基づいて細胞濃度を推定する(ステップS24)。この後のステップS25~S27は、図9に示す上記実施形態のステップS14,S15,S17と同様である。
[第5変形例]
上記実施形態では、濃度制御部55は、吸引口21Aの径D、吸引口21Aの位置、及び吸引速度Vのうち少なくとも1つを変更することにより、細胞濃度を調整している。これに代えて、濃度制御部55は、マイクロ流路9に注入される希釈液の注入量を制御することにより、細胞濃度を調整してもよい。
上記実施形態では、濃度制御部55は、吸引口21Aの径D、吸引口21Aの位置、及び吸引速度Vのうち少なくとも1つを変更することにより、細胞濃度を調整している。これに代えて、濃度制御部55は、マイクロ流路9に注入される希釈液の注入量を制御することにより、細胞濃度を調整してもよい。
図13は、第5変形例に係る細胞培養システム2の構成を示す。本変形例では、細胞培養システム2には、細胞培養装置3、撮像システム4、及び回収タンク5に加えて、希釈液供給装置60が設けられている。希釈液供給装置60は、細胞培養装置3が供給する試料12とは別の経路で、開口部9Aからマイクロ流路9に希釈液を注入する。マイクロ流路9を流れる試料12に希釈液が注入されることで、細胞濃度が低下する。
本変形例では、濃度制御部55は、希釈液供給装置60を制御することにより、細胞濃度を調整する。
[第6変形例]
上記実施形態では、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲内であると判定されるまでの間、細胞濃度の変更を繰り返し行っているが、細胞濃度の変更を一定回数行っても推定値Rが適正範囲内とならない場合に、異常であることを報知する制御を行ってもよい。これは、細胞濃度の変更を一定回数行っても推定値Rが適正範囲内とならない場合は、試料12が流路のどこかで詰まって流れていない等の異常が生じていると考えられるためである。
上記実施形態では、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲内であると判定されるまでの間、細胞濃度の変更を繰り返し行っているが、細胞濃度の変更を一定回数行っても推定値Rが適正範囲内とならない場合に、異常であることを報知する制御を行ってもよい。これは、細胞濃度の変更を一定回数行っても推定値Rが適正範囲内とならない場合は、試料12が流路のどこかで詰まって流れていない等の異常が生じていると考えられるためである。
図14は、第6変形例に係る撮像システム4の動作の流れを示す。図14に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートに、ステップS18及びS19を追加したものである。本変形例では、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲内でないと判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS15による細胞濃度の変更を一定回数繰り返したか否かを判定する(ステップS18)。濃度制御部55は、細胞濃度の変更を一定回数繰り返していないと判定した場合には(ステップS18:NO)、細胞濃度を変更する(ステップS15)。
一方、濃度制御部55は、細胞濃度の変更を一定回数繰り返したと判定した場合には(ステップS18:YES)、異常であることを報知する制御を行う(ステップS19)。濃度制御部55は、例えば、表示制御部53を制御して、異常が発生していることをユーザに知らせるメッセージをディスプレイ44に表示させる。
[その他の変形例]
上記実施形態及び上記各変形例では、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲より高い場合に細胞濃度を下げる方向に変更し、かつ推定値Rが適正範囲より低い場合に細胞濃度を上げる方向に変更している。これに代えて、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲より高い場合にのみ、細胞濃度を下げる方向に変更してもよい。
上記実施形態及び上記各変形例では、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲より高い場合に細胞濃度を下げる方向に変更し、かつ推定値Rが適正範囲より低い場合に細胞濃度を上げる方向に変更している。これに代えて、濃度制御部55は、推定値Rが適正範囲より高い場合にのみ、細胞濃度を下げる方向に変更してもよい。
上記実施形態及び上記各変形例に係る撮像システム4は、光学レンズを備えない、いわゆるレンズフリーイメージングと呼ばれる技術に関する。本開示の技術は、レンズフリーイメージングに限定されず、デジタルホログラフィ全般(例えば、参照光を用いる場合など)に適用可能である。
情報処理装置8を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、情報処理装置8を、処理能力及び信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のコンピュータで構成することも可能である。
このように、情報処理装置8のコンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム41A等のアプリケーションプログラムについても、安全性及び信頼性の確保を目的として、二重化すること、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することも可能である。
上記実施形態及び上記各変形例において、例えば、撮像制御部50、干渉縞画像取得部51、再構成処理部52、表示制御部53、細胞濃度推定部54、及び濃度制御部55といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(作動プログラム41A)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU40に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device: PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、及び/又は、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip: SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
また、上記実施形態及び各変形例は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
上記説明によって以下の技術を把握することができる。
[付記項1]
細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射する光源と、
前記流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成する撮像センサと、
前記干渉縞画像又は前記干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、前記細胞濃度の推定値に基づいて前記試料中の前記細胞濃度を調整するプロセッサと、
を備える撮像システム。
[付記項2]
前記プロセッサは、前記干渉縞画像に含まれる干渉縞の数、又は前記干渉縞画像の周波数情報に基づいて、前記細胞濃度を推定する、
付記項1に記載の撮像システム。
[付記項3]
前記プロセッサは、前記再構成画像の画質に基づいて前記細胞濃度を推定する、
付記項1に記載の撮像システム。
[付記項4]
前記プロセッサは、前記干渉縞画像全体の輝度又は輝度分布に基づいて前記細胞濃度を推定する、
付記項1に記載の撮像システム。
[付記項5]
前記プロセッサは、培養タンクから前記流路に前記試料を導入するポンプを制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
付記項1から付記項4のうちいずれか1項に記載の撮像システム。
[付記項6]
前記プロセッサは、前記ポンプの吸引口の径、吸引口の位置、及び吸引速度のうちの少なくともいずれか1つを制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
付記項5に記載の撮像システム。
[付記項7]
前記プロセッサは、前記流路に注入される希釈液の注入量を制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
付記項1から付記項4のうちいずれか1項に記載の撮像システム。
[付記項8]
前記プロセッサは、前記推定値が適正範囲より高い場合には、前記推定値が前記適正範囲内となるまで、段階的に前記細胞濃度を変更する、
付記項1から付記項7のうちいずれか1項に記載の撮像システム。
[付記項9]
前記プロセッサは、前記推定値が前記適正範囲より低い場合には、前記推定値が前記適正範囲内となるまで、段階的に前記細胞濃度を変更する、
付記項8に記載の撮像システム。
[付記項10]
前記プロセッサは、前記細胞濃度の変更を一定回数行っても前記推定値が前記適正範囲内とならない場合に、異常であることを報知する制御を行う、
付記項8又は付記項9に記載の撮像システム。
[付記項11]
細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射すること、
前記流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成すること、
前記干渉縞画像又は前記干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、前記細胞濃度の推定値に基づいて前記試料中の前記細胞濃度を調整すること、
を含む細胞濃度調整方法。
[付記項1]
細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射する光源と、
前記流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成する撮像センサと、
前記干渉縞画像又は前記干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、前記細胞濃度の推定値に基づいて前記試料中の前記細胞濃度を調整するプロセッサと、
を備える撮像システム。
[付記項2]
前記プロセッサは、前記干渉縞画像に含まれる干渉縞の数、又は前記干渉縞画像の周波数情報に基づいて、前記細胞濃度を推定する、
付記項1に記載の撮像システム。
[付記項3]
前記プロセッサは、前記再構成画像の画質に基づいて前記細胞濃度を推定する、
付記項1に記載の撮像システム。
[付記項4]
前記プロセッサは、前記干渉縞画像全体の輝度又は輝度分布に基づいて前記細胞濃度を推定する、
付記項1に記載の撮像システム。
[付記項5]
前記プロセッサは、培養タンクから前記流路に前記試料を導入するポンプを制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
付記項1から付記項4のうちいずれか1項に記載の撮像システム。
[付記項6]
前記プロセッサは、前記ポンプの吸引口の径、吸引口の位置、及び吸引速度のうちの少なくともいずれか1つを制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
付記項5に記載の撮像システム。
[付記項7]
前記プロセッサは、前記流路に注入される希釈液の注入量を制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
付記項1から付記項4のうちいずれか1項に記載の撮像システム。
[付記項8]
前記プロセッサは、前記推定値が適正範囲より高い場合には、前記推定値が前記適正範囲内となるまで、段階的に前記細胞濃度を変更する、
付記項1から付記項7のうちいずれか1項に記載の撮像システム。
[付記項9]
前記プロセッサは、前記推定値が前記適正範囲より低い場合には、前記推定値が前記適正範囲内となるまで、段階的に前記細胞濃度を変更する、
付記項8に記載の撮像システム。
[付記項10]
前記プロセッサは、前記細胞濃度の変更を一定回数行っても前記推定値が前記適正範囲内とならない場合に、異常であることを報知する制御を行う、
付記項8又は付記項9に記載の撮像システム。
[付記項11]
細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射すること、
前記流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成すること、
前記干渉縞画像又は前記干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、前記細胞濃度の推定値に基づいて前記試料中の前記細胞濃度を調整すること、
を含む細胞濃度調整方法。
Claims (11)
- 細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射する光源と、
前記流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成する撮像センサと、
前記干渉縞画像又は前記干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、前記細胞濃度の推定値に基づいて前記試料中の前記細胞濃度を調整するプロセッサと、
を備える撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記干渉縞画像に含まれる干渉縞の数、又は前記干渉縞画像の周波数情報に基づいて、前記細胞濃度を推定する、
請求項1に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記再構成画像の画質に基づいて前記細胞濃度を推定する、
請求項1に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記干渉縞画像全体の輝度又は輝度分布に基づいて前記細胞濃度を推定する、
請求項1に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、培養タンクから前記流路に前記試料を導入するポンプを制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
請求項1に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記ポンプの吸引口の径、吸引口の位置、及び吸引速度のうちの少なくともいずれか1つを制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
請求項5に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記流路に注入される希釈液の注入量を制御することにより、前記試料中の前記細胞濃度を調整する、
請求項1に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記推定値が適正範囲より高い場合には、前記推定値が前記適正範囲内となるまで、段階的に前記細胞濃度を変更する、
請求項1に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記推定値が前記適正範囲より低い場合には、前記推定値が前記適正範囲内となるまで、段階的に前記細胞濃度を変更する、
請求項8に記載の撮像システム。 - 前記プロセッサは、前記細胞濃度の変更を一定回数行っても前記推定値が前記適正範囲内とならない場合に、異常であることを報知する制御を行う、
請求項8又は請求項9に記載の撮像システム。 - 細胞を含む試料を流す流路に向けて光を照射すること、
前記流路を通過した光を撮像することにより干渉縞を含む干渉縞画像を生成すること、
前記干渉縞画像又は前記干渉縞画像を再構成した再構成画像に基づいて前記試料中の細胞濃度を推定し、前記細胞濃度の推定値に基づいて前記試料中の前記細胞濃度を調整すること、
を含む細胞濃度調整方法。
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