WO2023181313A1 - コントローラ装置、情報処理システム、コントローラ装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

Abstract

情報処理装置に通信可能に接続されるコントローラ装置１０であって、弾性変形可能な本体１１を有し、本体１１に対するユーザの操作を検出し、当該検出した操作を表す情報を情報処理装置２０へ出力する。またこの出力される情報が、コントローラ装置または情報処理装置のロック状態を制御する認証処理に供される。

Description

コントローラ装置、情報処理システム、コントローラ装置の制御方法、及びプログラム

　本発明は、コントローラ装置、情報処理システム、コントローラ装置の制御方法、及びプログラムに関する。

　従来、ゲーム等で用いるコントローラは、一般的にプラスチック等、比較的弾性変形しにくい材質で形成されていた。

　一方で近年ではゲーム等におけるユーザ体験の豊富化のため、振動や力覚等の触覚的体験を提示する技術が広く利用されつつある。

　上記のような現状の下、触覚的体験の豊富化を図ることのできるコントローラ装置を提供するため、弾性変形可能な材料でコントローラ装置の本体を形成することが考えられている。

　ところが、こうした弾性変形可能な材料でコントローラ装置の本体を形成した場合に、このコントローラ装置自身のロック状態（ユーザを認証するまでの操作不能状態）、またはコントローラ装置を用いて操作する情報処理装置等のロック状態を制御する方法については考慮されていないのが現状である。

　本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、弾性変形可能な材料で本体が形成されているコントローラ装置であって、機器のロック状態の制御を考慮したコントローラ装置、それを含む情報処理システム、コントローラ装置の制御方法、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。

　上記従来例の問題点を解決するための本発明の一態様は、コントローラ装置であって、弾性変形可能な本体と、前記本体に対するユーザの操作を検出する検出部と、前記検出部によって検出した操作を表す情報を前記情報処理装置へ出力する出力部と、を備え、前記出力部によって出力される情報は、前記コントローラ装置または前記情報処理装置のロック状態を制御する認証処理に用いられることとしたものである。

　本発明によると、機器のロック状態の制御を考慮したコントローラ装置、それを含む情報処理システム、コントローラ装置の制御方法、及びプログラムが提供される。

本発明の実施の形態に係るコントローラ装置の例を表す概略図である。 本発明の実施の形態に係るコントローラ装置の例に係るセンサの例を表す概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係るコントローラ装置の回路部の例を表す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態に係るコントローラ装置の制御部の例を表す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係るコントローラ装置の変形態様の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係るコントローラ装置による認証処理の例を表すフローチャート図である。

　本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態の一例に係るコントローラ装置１０は、図１に例示するように、コンローラ本体１１と、このコントローラ本体１１の表面または表面近傍（コントローラ本体１１の内部であって、コントローラ本体１１の表面から所定の距離の範囲内）に配された静電容量センサ１２と、回路部１３とを含んで構成され、無線または有線にて情報処理装置２０との間で通信可能に接続される。

　コントローラ本体１１は、変形可能な、例えばシリコン系高分子ゲル素材、ウレタン系ゲル素材等の高分子ゲル素材、ポリスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の種々のエラストマー素材など、弾性変形可能な材料を用いて構成される。また本実施の形態のある例では、このコントローラ本体１１は、光透過性のある材料で構成されることとするのも好ましい。

　このコントローラ本体１１は、例えば球形、直方体形など、外力がない状態で所定の形状を有し、ユーザが指などで外力を加えると、当該外力に応じてその形状を弾性的に変化させる。またこのコントローラ本体１１の表面または表面近傍には静電容量センサ１２が少なくとも一つ配される。さらにコントローラ本体１１の内部には回路部１３が配される。

　本実施の形態の例に係る静電容量センサ１２のそれぞれは、図２に例示するように、ベース部１２０と、電極１２１と、リード部１２２と、配線部１２３とを有して構成される。ここでベース部１２０は、弾性を有する絶縁材料（絶縁性の有機シリコン化合物など）を用いて形成される薄膜状の部材であり、電極１２１，リード部１２２はこのベース部１２０上に形成される。このとき、ベース部１２０は、本体１１と一体になっていてもよい。

　電極１２１は、ベース部１２０上に、弾性を有する導電性材料で形成される。この電極１２１は、所定面積を有する所定形状を成して形成される。この電極１２１を形成する導電性材料としては、例えば導電インク材等が利用できる。ここで電極１２１の所定の形状は、円形、矩形状（外周部のみの環状であってもよい）、コイル状などでよい。

　リード部１２２は、電極１２１に電気的に接続される端部１２２ａを有し、ベース部１２０上に弾性を有する導電性材料を用いて所定幅を有する線状に形成される。このリード部１２２を形成するための導電性材料も、電極１２１と同様、例えば導電インク材等が利用できる。

　配線部１２３は、リード部１２２の、電極１２１に接続される端部１２２ａとは反対側の端部１２２ｂに電気的にその一端が接続され、また回路部１３に他端が接続される。この配線部１２３は、コントローラ本体１１の表面または表面近傍に配される他の静電容量センサ１２の配線部１２３と電気的に接触しないように配される。

　回路部１３は、コントローラ装置１０のコントローラ本体１１の中心部（表面からできるだけ離隔した位置）に配される。この回路部１３は、例えば図３に例示するように、制御部１３１と、記憶部１３２と、通信部１３３と、報知部１３４と、電源部１３５と、インタフェース部（Ｉ／Ｆ）１３６とを含んで構成される。

　制御部１３１は、記憶部１３２と通信部１３３と報知部１３４とにバスＢを介して相互にデータを授受可能に接続される。この制御部１３１は、プログラム制御デバイスであり、記憶部１３２に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の例では、この制御部１３１は、コントローラ本体１１に対するユーザの操作を検出し、当該検出した操作を表す情報を情報処理装置２０へ送信出力する。またこの制御部１３１は、所定の条件が満足されたときに、所定の認証操作（認証に係る所定の操作）が行われるまでコントローラ装置１０自身、または情報処理装置２０のロック状態を制御（ロック状態となるよう設定、あるいはロック状態を解除）する。この制御部１３１の動作については後に述べる。

　なおここでロック状態は、認証が行われる前の状態を指す。例えば情報処理装置２０は、ロック状態となるよう設定されていると、ユーザの指示に基づいて実行可能な処理が、認証処理を含む一部の処理に制限される。また情報処理装置２０は、ロック状態が解除されると、アプリケーションプログラム（ゲームなど）の起動・実行処理など、実行可能な処理の制限が緩和される。

　またコントローラ装置１０自身のロック状態は、当該コントローラ装置１０が受けた操作の内容を表す情報を、情報処理装置２０へ送出しないよう制御する状態である。このロック状態では、コントローラ装置１０は、自身のロック状態を解除するための所定の認証操作を受け入れるまで、情報処理装置２０への情報の送出を行わないよう制御する。つまりこの例ではコントローラ装置１０は、ロック状態が解除されている間に行われた操作の内容を表す情報を情報処理装置２０へ送出することとなる。

　記憶部１３２は、メモリデバイス等であり、制御部１３１によって実行されるプログラムを格納している。このプログラムは、コンピュータ可読、かつ非一時的な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部１３２に複写されて格納されたものであってもよい。またこの記憶部１３２は、制御部１３１のワークメモリとしても動作する。

　通信部１３３は、無線ＬＡＮネットワークインタフェースやブルートゥース（登録商標）等であり、制御部１３１から入力される指示に従って、無線にて情報処理装置２０との間でデータを送受する。またこの通信部１３３は、外部から受信したデータを、制御部１３１に出力する。

　報知部１３４は、制御部１３１によって制御され、発光、発音、または振動を呈示する。一例としてこの報知部１３４は、ＶＣＭ（Voice Coil Motor）を備え、制御部１３１から入力される指示に従って、振動を呈示する。もっとも状況を報知する必要がない場合、この報知部１３４は必ずしも必要ではない。

　電源部１３５は、電池（充電可能な二次電池でよい）を内蔵し、回路部１３の各部に電源を供給する。この電池は例えばＱｉ等の規格に従い、無線給電にて充電されてもよい。インタフェース部１３６は、静電容量センサ１２に接続され、各静電容量センサ１２の検出結果を表す情報を、制御部１３１に出力する。

　次に、本実施の形態の制御部１３１の動作例について説明する。本実施の一例では、この制御部１３１は、図４に例示するように、検出処理部３１と、出力処理部３２と、認証処理部３３とを機能的に含む。

　検出処理部３１は、所定のタイミング（例えば１／６０秒）ごとに繰り返してコントローラ本体に対するユーザの操作を検出する。具体的にこの検出処理部３１は、コントローラ本体１１の表面または表面近傍に複数配された静電容量センサ１２の検出結果に基づいて、コントローラ本体１１の弾性変形など、コントローラ本体１１に対するユーザの操作を検出する。例えば図５（ａ）に例示するように、外力を加えていない自然な状態で球状をなすコントローラ本体１１の中心を原点とする直交ＸＹＺ座標系を仮想的に設定する。そしてコントローラ本体１１の表面の上記ＸＹＺの各軸方向の６箇所に静電容量センサ１２を配したとする。このとき、Ｘ軸方向の２つの静電容量センサ１２が、ユーザの指により押圧されていることを検出したときには、コントローラ本体１１は、図５（ｂ）に例示するように、Ｙ軸方向とＺ軸方向とに伸び、扁平の状態となっていると判断できる。また扁平の度合いは、Ｘ軸方向の２つの静電容量センサ１２が検出した押圧力によって推定できる。

　検出処理部３１は、例えばこのようにしてコントローラ本体１１が
・操作が行われていない（例えばいずれの静電容量センサ１２も押圧力を検出しておらず、また、指や手の接近も検出していない）、
・手に持たれた状態となっている（例えば隣り合った2以上の静電容量センサ１２が指や手の接近を検出し、かつそれ以外の少なくとも1つの静電容量センサが押圧力を検出している）、
・一方向に押圧されて扁平な形状となっている（例えばいずれかの軸方向にある２つの静電容量センサがそれぞれ所定の力以上の押圧力を検出している）、
・握られている（例えば５以上の静電容量センサ１２が押圧力を検出している）、
・摘まれている（例えば１つの静電容量センサ１２が押圧力を検出している）、
・触れられている（例えば１つ以上の静電容量センサ１２が指や手の接近を検出し、かついずれの静電容量センサも所定のしきい値を超える押圧力を検出していない）、
・なでられている（例えば複数の静電容量センサ１２が交互に指や手の接近を検出している）、…
などといった複数の状態のうち、どの状態にあるかを推定し、どのような種類の操作が行われているかを検出する。

　出力処理部３２は、検出処理部３１が操作を検出するごとに、当該検出した操作の内容（どの種類の操作が行われたか）を表す情報を、認証処理部３３、または情報処理装置２０へ出力する。本実施の形態の一例として、この出力処理部３２は、最後に検出処理部３１が「操作が行われていない」状態以外の操作を検出したときからの経過時間を、図示しないタイマ等を用いてカウントし、当該経過時間が予め定めた時間を超過したときに、コントローラ装置１０をロック状態とする。

　ロック状態としている間、出力処理部３２は、検出処理部３１から、当該検出処理部３１が検出した操作の内容を表す情報の入力を受けると、当該情報を、情報処理装置２０に対して送出することなく、認証処理部３３に出力する。

　またこの出力処理部３２は、ロック状態としている間に認証処理部３３からロック状態を解除するべき旨の指示の入力を受けると、ロック状態を解除して、その後、所定の時間内（例えば１分以内）に検出処理部３１が検出した操作の内容を表す情報の入力を受けると、当該情報を、情報処理装置２０に対して送出し、最後に検出処理部３１が検出した操作の内容を表す情報を出力してからの経過時間を図示しないタイマ等を用いてカウントする処理に戻る。

　またロック状態を解除した後、上記所定の時間内に検出処理部３１から、検出した操作の内容を表す情報の入力がなければ、出力処理部３２は再びロック状態に移行するよう制御してもよい。

　認証処理部３３は、所定の認証操作が行われたか否かを判断する。またこの認証処理部３３は、所定の認証操作が行われたと判断したときに、所定のロック状態にあるコントローラ装置１０または情報処理装置２０のロック状態を解除する。

　本実施の形態において認証処理部３３が判断する所定の認証操作は、検出処理部３１が検出可能な操作の少なくとも一つを含んで予め定められた一連の操作（認証のための操作パターン、以下、単に操作パターンと呼ぶ）であってよい。例えばこの所定の認証操作は、
（操作１）いずれかの軸方向（第１の軸方向とする）に押圧して扁平な状態とする操作
（操作２）上記第１の軸方向に直交する軸方向（第２の軸方向とする）に押圧して、扁平な状態とする操作、
（操作３）上記第２の軸方向に直交する軸方向に押圧して、扁平な状態とする操作
の３つの操作の順列からなる操作パターンとして規定されてもよい。この認証操作の操作パターンは一例であり、必ずしも押圧の操作（つまり弾性変形を伴う操作）のみからなっていなくてもよいし、押圧の操作（弾性変形を伴う操作）を少なくとも一つ含むものであってもよいし、押圧の操作を含まないものであってもよい。さらにこの操作パターンは一つだけでなく、複数の操作パターンが設定できてもよい。

　本実施の形態の認証処理部３３は、出力処理部３２からコントローラ本体１１に対する操作を表す情報の入力を受けると、図６に例示する認証処理を開始する。この処理では、認証処理部３３は、上記入力された情報が表す操作を最初の操作とする、認証のための操作パターンが規定されているか否かを判断する（Ｓ１１：合致する操作パターンがあるか）。

　ステップＳ１１において、入力された情報が表す操作を最初の操作とする操作パターンが規定されていなければ（Ｓ１１：Ｎｏ）、認証処理部３３は、認証の処理を終了する。またステップＳ１１において、入力された情報が表す操作を最初の操作とする操作パターンが規定されていれば（Ｓ１１：Ｙｅｓ）、認証処理部３３は、いままでに入力された一連の操作に合致する一連の操作を規定した操作パターンがあるか否かを調べる（Ｓ１２）。このステップＳ１２では、認証処理部３３は、入力されたＮ個（Ｎは１以上の自然数）の操作からなる一連の操作Ｉi（ｉ＝１，２…，Ｎ）と、完全に一致するＮ個の操作からなる一連の操作Ｍi（ｉ＝１，２…，Ｎ）を規定した操作パターンを検索する。

　ステップＳ１２において、いままでに入力された一連の操作に合致する一連の操作を規定した操作パターンがあれば（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、認証処理部３３は、認証に成功したものとして、出力処理部３２に対してロック状態を解除するべき旨の指示を出力する（Ｓ１３）。

　一方、認証処理部３３は、ステップＳ１２においていままでに入力された一連の操作に合致する一連の操作を規定した操作パターンがなければ、いままでに入力された一連の操作に合致する一連の操作を規定した操作パターンから始まる一連の操作を規定した操作パターンがあるか否かを判断する（Ｓ１４）。

　このステップＳ１４では、認証処理部３３は、入力されたＮ個（Ｎは１以上の自然数）の操作からなる一連の操作Ｉi（ｉ＝１，２…，Ｎ）から始まるＮ＋１以上の数の操作からなる（いわば前方一致する）一連の操作Ｍi（ｉ＝１，２…）を規定した操作パターンを検索する。

　認証処理部３３は、ステップＳ１４で上記条件を満足する操作パターンがないと判断すると（Ｓ１４：Ｎｏ）、認証の処理を終了する。一方このステップＳ１４において、上記条件を満足する操作パターンがあると判断すると（Ｓ１４：Ｙｅｓ）、認証処理部３３は、所定の初期状態（例えば手に持たれた状態）となるまで待機し（Ｓ１５）、所定の初期状態となったときには、次の情報の入力を待機する（Ｓ１６）。

　このステップＳ１６において、コントローラ装置１０が置かれている（いずれの静電容量センサ１２も押圧力を検出しておらず、また、指や手の接近も検出していない）状態となり、その後所定のタイムアウトの時間が経過したときには（Ｓ１６：タイムアウト）、認証処理部３３は処理を終了する。一方ステップＳ１６において、「置かれている」状態を表す情報以外の情報の入力があったならば、認証処理部３３は、当該情報が表す操作が、予め定められた無視するべき操作を列挙した情報（無視対象操作情報と呼ぶ）に含まれるか否かを調べる。ここで入力された情報が表す操作が、無視対象操作情報に含まれていれば認証処理部３３は、ステップＳ１６の処理を続ける。また入力された情報が表す操作が、無視対象操作情報に含まれていなければ、認証処理部３３は、当該情報を入力された一連の操作に追加して（Ｓ１７）、ステップＳ１２に戻って処理を続ける。

　なお、無視対象操作情報は、例えばユーザが認証のための次の操作を行うまでに行う必要がある操作を列挙したものとする。一例としてユーザは、第１の軸方向に押圧した後、次に第２の軸方向に押圧しようとするとき、押圧する方向を調整するために手を移動したり、コントローラ装置１０を回転させたりするなどしてコントローラ本体１１に触れた状態が継続する。そこでこの場合、無視対象操作情報として、「触れられている」操作を含める。この無視対象操作情報は、予め定めておいてもよいし、ステップＳ１４で見出された操作パターンにおける次の操作（上記の例のＮ＋１番目の操作）に基づいて、これとは異なる操作の少なくとも一部を列挙したものとなるよう定めてもよい。

　さらに、操作パターンに含められる、認証のための操作がすべて押圧の操作（一方向に押圧するか、あるいは握る操作）に限定されることとするならば、ここでの無視対象操作情報は、押圧の操作以外の操作を列挙したものとして予め定めておけばよい。

　認証処理部３３のこの認証処理によると、例えば上述のように、
（操作１）いずれかの軸方向（第１の軸方向とする）に押圧して扁平な状態とする操作
（操作２）上記第１の軸方向に直交する軸方向（第２の軸方向とする）に押圧して、扁平な状態とする操作、
（操作３）上記第２の軸方向に直交する軸方向に押圧して、扁平な状態とする操作
の３つの操作の順列からなる操作パターンが認証の操作として規定されている場合、ユーザがコントローラ装置１０のコントローラ本体１１を、（操作Ａ）いずれかの第１の軸方向に押圧して、扁平な状態としたときに認証の処理を開始し、この操作Ａを最初の操作とする操作パターンが規定されており（ステップＳ１１，Ｓ１４でＹｅｓ）、かつ操作Ａと同じ操作だけで規定される操作パターンがないので（ステップＳ１２：Ｎｏ）、ステップＳ１４に移行し、既に述べたようにこのステップＳ１４の条件を満足するので、さらにステップＳ１５に移行して初期状態となる（手に持っただけの状態となった旨の情報が、出力処理部３２から入力される）まで待機し、初期状態となった後、次の操作を待機する（ステップＳ１６）。

　ここでユーザが操作パターンに規定された操作２とは別の操作、例えば再度第１の軸方向に押圧して扁平な状態とする操作を行うと、ステップＳ１２からの繰り返しの処理において、ステップＳ１４にて、入力された一連の操作、つまりここでは
（操作Ａ）第１の軸方向に押圧して扁平な状態とする操作、
（操作Ｂ）第１の軸方向に押圧して扁平な状態とする操作、
から始まる操作パターンが規定されていないので、認証に失敗したものとして処理を終了する。

　一方、上記操作Ａの後、操作パターンに規定された操作２の操作、すなわち
（操作Ｂ′）第１の軸方向に直交する軸方向（第２の軸方向とする）に押圧して、扁平な状態とする操作、
を行うと、これら操作Ａ，操作Ｂ′から始まる操作パターンが規定されているので、ステップＳ１４を経てステップＳ１５に移行して初期状態となるまで待機し、初期状態となった後、次の操作を待機する（ステップＳ１６）。ここでさらに
（操作Ｃ）第２の軸方向に直交する軸方向に押圧して、扁平な状態とする操作
が行われると、再度のステップＳ１２からの繰り返しの処理において、入力された一連の操作（操作Ａ，操作Ｂ′，操作Ｃ）に合致する一連の操作を規定した操作パターンが存在するので、認証処理部３３は、認証に成功したものとして、出力処理部３２に対してロック状態を解除するべき旨の指示を出力することとなる（ステップＳ１３）。

［動作］
　本発明の実施の形態に係るコントローラ装置１０は、以上の構成を基本的に備えており、次のように動作する。本実施の形態によると、コントローラ装置１０は、操作が行われない状態（置かれている状態）で所定の時間が経過すると、自身をロック状態とするよう制御する。

　ロック状態となっているとき、コントローラ装置１０は、ユーザが行った操作を表す情報を、情報処理装置２０に対して送出しないよう制御する。

　コントローラ装置１０は、ユーザの一連の操作を受け入れて、当該一連の操作が予め認証のための一連の操作を定めた操作パターンのいずれかに合致しているか否かを調べ、合致しているならば、認証に成功したものとして、ロック状態を解除する。

　コントローラ装置１０は、ロック状態を解除した後に行われた操作を表す情報を、情報処理装置２０に対して送出するようになる。

［状態の報知］
　また制御部１３１は、認証処理部３３としての認証処理において、例えば図６に例示したステップＳ１７の処理において、報知部１３４を制御して、発光、発音、または振動の少なくとも一つを呈示して、ユーザに操作を受け入れたことを報知（操作受入報知）することとしてもよい。

　またこの場合は、ステップＳ１４において条件を満足する操作パターンがないと判断した後もただちに認証の処理を終了せず、認証処理部３３は、無視対象操作情報に含まれない操作が行われるごとに発光、発音、または振動の少なくとも一つを呈示して、操作受入報知を行うこととしてもよい。このようにすると、ユーザに対して操作を受け入れたことが報知され、ユーザは操作が受け入れられたことを理解できる。また、条件を満足する操作パターンがなくなった後も、操作が受け入れられる限り、同じ態様の操作受入報知が行われることで、操作パターンとして設定されている認証操作の内容が漏洩することも防止できる。

　さらに制御部１３１は、認証処理部３３としての認証処理のステップＳ１３の処理において、ロック状態を解除するときには、報知部１３４を制御して、発光、発音、または振動の少なくとも一つを呈示してその旨の報知を行ってもよい。この際の報知の態様（発光、発音、振動の態様）は、操作受入報知における態様とは異なっていることも好適である。

　制御部１３１は、その他の場合においても報知の必要があるときには、報知部１３４を制御して、発光、発音、または振動の少なくとも一つを呈示してもよい。

［リセット操作］
　また、本実施の形態では、認証操作に対してリセットの操作（認証処理を中断する操作）が予め規定されていてもよい。この操作は例えば、「所定のリセット操作時間以上の時間、握った状態とする」などとして予め定めておけばよい。

　この場合制御部１３１は、認証処理部３３としての認証処理の上記ステップＳ１６の処理において、上記所定のリセット操作時間に亘って、「握る」操作が行われたか否かを判断し、当該操作が行われたと判断したときに、認証の処理を中断する。

　この例では、ユーザが例えば操作を誤ったと判断したときに、上記リセット操作時間に亘って握ったままとすることで、最初から操作をやり直すことができる。この場合も制御部１３１は、認証の操作を中断する際、その旨を報知するため、報知部１３４を制御して、発光、発音、または振動の少なくとも一つを呈示してもよい。

［ロック状態の設定操作］
　また制御部１３１は、ロック状態が解除された状態で、所定の操作（あるいは所定の一連の操作）を受け入れたときに、コントローラ装置１０をロック状態としてもよい。

　この例では、予め、ロック状態を設定するための操作として、例えば第１の軸方向に押圧し、続いてこの第１の軸方向とは直交する第２の軸方向に押圧する操作（この一連の操作を定める操作のパターンを、以下ロック操作パターンと呼ぶ）を定めておく。

　制御部１３１は、ロック状態が解除された状態で、このロック操作パターンに定められた一連の操作が順番に行われると、コントローラ装置１０をロック状態とする。

［操作パターンの設定］
　また操作パターンやロック操作パターンは、ユーザが任意に設定できるようになっていることも好ましい。この例では、予め認証パターン設定を開始するための操作（設定開始操作）が規定されていてもよい。

　このために操作パターンの設定を開始するための操作（操作パターン設定開始操作）を予め定めておくこととしてもよい。

　制御部１３１は、ロックが解除された状態で、この操作パターン設定開始操作（例えば予め定めた時間だけコントローラ本体１１を握った状態とする操作）が行われると、操作パターンの設定を受け入れる処理を開始する。このとき制御部１３１は、当該処理を開始したことを報知するため、報知部１３４を制御して、発光、発音、または振動の少なくとも一つを呈示してもよい。

　制御部１３１は、この処理の開始後、ユーザが行った所定の、記録の対象とする操作（以下、記録対象操作と呼ぶ）を検出するごとに、当該記録対象操作を表す情報を記録する。ここで記録対象操作は、検出可能な操作のうち、既に述べた無視対象操作情報として規定される操作（例えば「触れる」操作など）と、記録の終了を表す操作として予め規定された操作以外の操作とする。

　制御部１３１は、記録対象操作を予め定めた最大回数受け入れるか、あるいはユーザが記録の終了を表す操作を行うと、それまでに記録した操作を表す情報の順列を、操作パターンとして記憶する。

　制御部１３１は、ロック操作パターンを設定可能とする場合も同様に行う。この場合は、ロック操作パターンの設定を開始する操作と、上述の操作パターン設定開始操作とを異なる操作としておけばよい。

［変形量の情報をさらに利用する例］
　またここまでの説明では、いずれかの軸方向にある２つの静電容量センサがそれぞれ所定の力以上の押圧力を検出しているときには、制御部１３１は、一方向に押圧されて扁平な形状となっているものと判断していたが、このとき押圧力の大きさによって形状の変形量を併せて推定し、処理に供してもよい。

　この例では、検出処理部３１は、コントローラ本体１１に対する押圧を検出する際に、その押圧力の情報を併せて検出する。

　そして認証処理部３３は、コントローラ本体１１を握る、コントローラ本体１１を所定の軸方向に押圧して扁平な形状に変形するといった弾性変形操作が操作パターンに含まれるときには、当該弾性変形の変形量の条件（具体的にはコントローラ本体１１に与えられる押圧力によって定めてよい）を併せて用いる。

　すなわち本実施の形態のこの例では、先に例示した操作パターンは、
（操作１）いずれかの軸方向（第１の軸方向とする）に、押圧力Ｐ１±ΔＰで押圧して扁平な状態とする操作
（操作２）上記第１の軸方向に直交する軸方向（第２の軸方向とする）に、押圧力Ｐ２±ΔＰで押圧して、扁平な状態とする操作、
（操作３）上記第２の軸方向に直交する軸方向に、押圧力Ｐ３±ΔＰで押圧して、扁平な状態とする操作
といったように、押圧力の条件を含めて設定される。

　そして認証処理部３３は、図６に例示したステップＳ１１，ステップＳ１６の処理において、入力された操作が弾性変形操作であったときには、その押圧力Ｐを併せて出力処理部３２から取得し、操作パターンで規定される操作の種類（扁平な形状とする、握る、などの種類）だけでなく、押圧力の条件との双方を満足するか否かを判断する。

　例えばステップＳ１１において、ユーザが最初に行った操作が、第１の軸方向に押圧して扁平な状態とする操作であるが、その押圧力Ｐが、上記操作パターンの操作１に示された押圧力Ｐ１±ΔＰの範囲にない場合（Ｐ＜Ｐ１－ΔＰまたはＰ＞Ｐ１＋ΔＰならば）、認証処理部３３は、上記操作パターンに合致しないと判断する。

　一方、ステップＳ１１において、ユーザが最初に行った操作が、第１の軸方向に押圧して扁平な状態とする操作であり、かつその押圧力Ｐが、上記操作パターンの操作１に示された押圧力Ｐ１±ΔＰの範囲にあれば（Ｐ１－ΔＰ≦Ｐ≦Ｐ１＋ΔＰならば）、認証処理部３３は、入力された情報が表す操作を最初の操作とする操作パターンが規定されていると判断する。

［方向を規定しておく場合］
　ここまでの説明では、コントローラ装置１０のコントローラ本体１１において上下方向あるいは、左右の方向が規定されていないものとしていた。

　このため認証のための操作において、最初に、操作によって方向が規定できた場合に、その後の操作の方向を、当該規定した方向で決定していた。例えば認証のための操作が、第１の軸方向への押圧に続いて、当該第１の軸方向とは直交する方向へ押圧を行う操作パターンとして規定されている場合、最初に行われた押圧操作の方向を第１の軸方向としていた。

　しかしながら本実施の形態はこれに限られない。例えばコントローラ本体１１の表面には、上方向となるべき位置に凸部または凹部を設けるなどして、上下の方向を明示し、その上方向となるべき位置に配された静電容量センサ１２と、これに対向する下方向となるべき位置に配された静電容量センサ１２とを結ぶ軸方向をＺ軸方向としてもよい。

　この例によると、例えば第１の軸方向をＺ軸方向などとして定めておくことが可能となる。同様に、例えば静電容量センサ１２を、コントローラ本体１１の中心から上下（Ｚ軸とする）左右（Ｘ軸とする）前後（Ｙ軸とする）の６方向に配しておくとき、コントローラ本体１１のそれぞれの静電容量センサ１２の近傍にそれぞれ互いに異なる図形を表示しておく（例えば表面に印刷するなどして表しておく）ことで、各軸方向が規定できるようになっていてもよい。例えば上方向にある静電容量センサ１２の近傍に「○」、下方向にある静電容量センサ１２の近傍に「×」、左方向にある静電容量センサ１２の近傍に「△」…などとして図形を配しておくと、各軸方向を定めることが可能となり、制御部１３１における操作の種類の判断に供することが可能となる。

［情報処理装置のロック状態の制御］
　またここまでの説明では、コントローラ装置１０が、ユーザの操作によりコントローラ装置１０自身のロック状態を解除する例について述べたが、本発明の実施の形態はこの例だけに限られない。

　すなわち本実施の形態のある例では、コントローラ装置１０は、所定の認証操作を受け入れたときに、コントローラ装置１０と通信可能に接続されている情報処理装置２０のロック状態を解除することとしてもよい。

　この例では、例えば情報処理装置２０は、ロック状態（認証操作を含む制限された操作のみを受け入れる状態）にあるとき、コントローラ装置１０からロック状態を解除するべき旨の指示を受信してロック状態を解除する。

　またこの例ではコントローラ装置１０は、自身のロック状態が解除されているときに、情報処理装置２０のロック状態を解除するための認証処理を行う。この認証処理は、図６に示した処理と同様のものであるが、ステップＳ１２において、入力された一連の操作に合致する一連の操作を規定した操作パターン（情報処理装置２０のロック状態を解除するための操作として定められた操作パターン）があれば、認証に成功したものとして、情報処理装置２０に対してロック状態を解除するべき旨の指示を送出する。

［ジェスチャーの認識］
　また本実施の形態のコントローラ装置１０は、コントローラ本体１１に対するユーザの操作を検出し、当該検出された操作に基づいてコントローラ装置を操作するユーザの手のポーズを推定してもよい。あるいは、コントローラ装置１０が、コントローラ本体１１に対するユーザの操作を検出して情報処理装置２０に対して当該操作の内容を表す情報を出力し、情報処理装置２０が当該検出された操作に基づいてコントローラ装置を操作するユーザの手のポーズを推定してもよい。

　この例では、コントローラ装置１０または情報処理装置２０は、ユーザが行っている操作の種類（あるいはそれによるコントローラ本体１１の変形量、つまりユーザが与えている押圧力）と、ユーザの手のポーズとの関係を予め定めておくか、あるいは機械学習して当該関係を推定するための機械学習モデルを得ておく。

　そしてコントローラ装置１０または情報処理装置２０は、コントローラ装置１０が検出したユーザが行っている操作の種類等に基づいて、ユーザの手のポーズを推定し、当該推定された手のポーズの情報を、情報処理装置２０のアプリケーションプログラムの制御など（ゲームキャラクタの制御など）に供する。

［アカウントの切り替え］
　また情報処理装置２０には、互いに異なる複数のユーザのログインアカウントが設定されていてもよい。この場合、このコントローラ装置１０に対する所定の操作等により、ログインアカウントの切り替えが可能となっていてもよい。

　具体的に、コントローラ装置１０がロック解除の状態にあるときに、ユーザが予め定められた少なくとも一つの操作を含む一連の操作を行ったとき、あるいは所定の手のポーズをとったときに、コントローラ装置１０は、ログインアカウントを切り替えるよう情報処理装置２０に指示してもよい。

［他のセンサ］
　本実施の形態のここまでの説明では、ユーザの操作を検出するセンサとして、静電容量センサを用いていた。しかし本実施の形態はこの例に限られず、押圧力が検出可能であれば、ひずみセンサや、その他の感圧センサなどが用いられてもよい。

　１０　コントローラ装置、１１　コントローラ本体、１２　静電容量センサ、１３　回路部、２０　情報処理装置、３１　検出処理部、３２　出力処理部、３３　認証処理部、１２０　ベース部、１２１　電極、１２２　リード部、１２３　配線部、１３１　制御部、１３２　記憶部、１３３　通信部、１３４　報知部、１３５　電源部、１３６　インタフェース部。
 

Claims (9)

1. 　情報処理装置に通信可能に接続されるコントローラ装置であって、
   　弾性変形可能な本体と、
   　前記本体に対するユーザの操作を検出する検出部と、
   　前記検出部によって検出した操作を表す情報を前記情報処理装置へ出力する出力部と、
   を備え、
   　前記出力部によって出力される情報は、前記コントローラ装置または前記情報処理装置のロック状態を制御する認証処理に用いられる、コントローラ装置。
2. 　情報処理装置に通信可能に接続されるコントローラ装置であって、
   　弾性変形可能な本体と、
   　前記本体に対するユーザの操作を検出する検出部と、
   　前記検出部によって検出した操作が所定の認証操作であるか否かを判断して認証処理を行う認証部と、を含み、
   　前記認証部が、前記所定の認証操作が行われたと判断した場合、前記コントローラ装置または前記情報処理装置のロック状態を制御するコントローラ装置。
   　
3. 　請求項１または２に記載のコントローラ装置であって、
   　前記認証処理に用いられる操作は、前記検出部により検出される前記本体の少なくとも一種類の弾性変形を伴う操作を含むコントローラ装置。
4. 　請求項１から３のいずれか一項に記載のコントローラ装置であって、
   　前記所定の認証操作は、前記検出手段により検出される少なくとも一種類の操作を含む予め定められた操作パターンであり、
   　前記所定の認証操作のための操作パターンが複数通り定められ、前記認証処理では、当該複数通り定められた操作パターンの一連の操作のいずれかが行われたときに所定の認証操作が行われたと判断して、所定のロック状態にある前記コントローラ装置または前記情報処理装置のロック状態を解除するコントローラ装置。
5. 　請求項１から４のいずれか一項に記載のコントローラ装置であって、
   　発光部、発音部、振動部の少なくとも一つを含む報知部をさらに備え、
   　前記認証部は、所定の操作が行われた場合、前記報知部を動作させて、発光、発音、または振動の少なくとも一つの動作を行うコントローラ装置。
6. 　請求項５に記載のコントローラ装置であって、
   　前記検出部が、認証に係る所定の操作を検出した際に、前記報知部を動作させて、発光、発音、または振動の少なくとも一つの動作を行うコントローラ装置。
7. 　弾性変形可能な本体を有するコントローラ装置と、当該コントローラ装置と通信可能に接続される情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
   　前記コントローラ装置が、前記本体に対するユーザの操作を検出し、
   　前記検出された操作に基づいて、前記コントローラ装置または前記情報処理装置の少なくとも一方が前記コントローラ装置を操作するユーザの手のポーズを推定し、
   当該推定された手のポーズの情報が、所定の処理に用いられる情報処理システム。
8. 　弾性変形可能な本体を有し、情報処理装置に通信可能に接続されるコントローラ装置の制御方法であって、
   　前記本体に対するユーザの操作を検出するステップと、
   　検出された前記操作が所定の認証操作であるか否かを判断するステップと、
   　前記所定の認証操作が行われたと判断された場合、前記コントローラ装置または前記情報処理装置のロック状態を制御するステップと、を含むコントローラ装置の制御方法。
9. 　一又は複数のプロセッサに実行されることにより、情報処理装置、または当該情報処理装置と通信可能に接続され、弾性変形可能な本体を備えるコントローラ装置を制御するプログラムであって、
   　前記一又は複数のプロセッサに、
   　前記本体に対するユーザの操作を検出するステップと、
   　検出された前記操作が所定の認証操作であるか否か判断するステップと、
   　前記所定の認証操作が行われたと判断された場合、前記コントローラ装置または前記情報処理装置のロック状態を制御するステップと、
   　を実行させるプログラム。
    

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