WO2023175947A1

WO2023175947A1 - 情報処理装置、制御方法及び記憶媒体

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Publication number: WO2023175947A1
Application number: PCT/JP2022/012764
Authority: WO
Inventors: 直人大坂; 達也松岡
Original assignee: 日本電気株式会社
Priority date: 2022-03-18
Filing date: 2022-03-18
Publication date: 2023-09-21

Abstract

情報処理装置１Ｘは、主に、取得手段１６Ｘと、履歴表示手段１６１Ｘとを有する。取得手段１６Ｘは、最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得する。履歴表示手段１６１Ｘは、制約緩和履歴情報に基づき、履歴に含まれる設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する。

Description

情報処理装置、制御方法及び記憶媒体

　本開示は、最適化問題に関する処理を行う情報処理装置、制御方法及び記憶媒体の技術分野に関する。

　従来から、最適化問題における解を算出するシステムが知られている。例えば、特許文献１には、業者と顧客との双方の希望取引条件が同時に満足するように、組み合わせ候補を複数作成する電子取引仲介システムが開示されている。また、特許文献２には、取引対象となる物資の売手と買手とがそれぞれ希望する取引量及び取引価格などの取引条件が合致するように組み合わせを決定（マッチング）した後、一部の取引条件を変更して再マッチングを行うことが可能な最適化システムが開示されている。

国際公開ＷＯ２００２／０２７５７５国際公開ＷＯ２０２１／００１９７７

　最適化問題の解を最適化により得る場合、定式化された制約条件を満たす解が得られる。一方、制約条件が厳密に守られない解であってもユーザが許容できる場合が存在する。よって、ユーザが制約条件の緩和に関する設定を試行した場合にその履歴を蓄積し、後に蓄積した履歴情報をユーザが好適に確認できると便宜である。

　本開示の目的の一つは、上述した課題を鑑み、制約条件の緩和の設定履歴を好適に提示することが可能な情報処理装置、制御方法及び記憶媒体を提供することである。

　情報処理装置の一の態様は、
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得する取得手段と、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する履歴表示手段と、
を有する情報処理装置である。

　制御方法の一の態様は、
　コンピュータが、
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得し、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する、
制御方法である。

　記憶媒体の一の態様は、
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得し、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記憶媒体である。

　制約条件の緩和の設定履歴を好適に提示することができる。

第１実施形態における最適化システムの構成を示す。情報処理装置のハードウェア構成を示す。制約緩和履歴情報のデータ構造の一例である。最適化処理に関するプロセッサの機能ブロックの一例である。変数ｘと、制約条件（ａ）に対する罰則値との関係を示すグラフである。履歴管理画面の表示例である。マージ実行後の履歴管理画面の表示例である。制約緩和指定画面の第１表示例である。（Ａ）制約緩和指定画面の第２表示例である。（Ｂ）制約緩和指定画面の第３表示例である。第１実施形態におけるフローチャートの一例である。第２実施形態における情報処理装置の機能ブロック図である。第２実施形態におけるフローチャートの一例である。

　以下、図面を参照しながら、情報処理装置、制御方法及び記憶媒体の実施形態について説明する。

　＜第１実施形態＞
　（１）システム構成
　図１は、第１実施形態に係る最適化システム１００の構成を示す。最適化システム１００は、主に、情報処理装置１と、複数の端末装置２（２Ａ，２Ｂ，…）と、条件情報４０及び制約緩和履歴情報４１を記憶する記憶装置４とを備える。情報処理装置１と端末装置２とは、ネットワーク６を介してデータ通信を行う。

　情報処理装置１は、端末装置２とデータ通信を行うサーバ装置として機能する。具体的には、情報処理装置１は、ユーザの入力に関する入力情報Ｓ１を、ネットワーク６を介して端末装置２から受信する。また、情報処理装置１は、端末装置２に所定の表示を実行させるための表示情報Ｓ２を、ネットワーク６を介して端末装置２へ送信する。

　情報処理装置１は、指定された最適化問題における最適化に関する処理を行う。具体的には、情報処理装置１は、条件情報４０と端末装置２から供給される入力情報Ｓ１により指定された制約条件とに基づき、最適化問題の解を算出し、算出結果に基づき制約緩和履歴情報４１を更新する。この場合、端末装置２が指定する制約条件は、条件情報４０に記憶された制約条件よりも緩和された条件を表す。また、情報処理装置１は、制約緩和履歴情報４１に基づき、制約条件の緩和の設定及び当該設定に基づく解に関する履歴（「制約緩和履歴」とも呼ぶ。）を表示するための表示情報Ｓ２を生成し、表示情報Ｓ２を端末装置２に送信する。

　なお、最適化問題は、例えば、取引対象となる物資の売手と買手の組み合わせ（及び当該物資の輸送スケジュール）を決定する問題であってもよく、従業員の勤務シフトを決定する問題であってもよく、その他の任意の組み合わせ最適化問題であってもよい。上述の取引対象となる物資は、ＬＮＧなどの燃料、鉄鋼、機械、エレクトロニクス、繊維、化学製品、医療関連商品、食品、その他の任意の物であってもよい。

　端末装置２は、最適化問題の解に基づき行動を行うユーザ（意思決定者）が使用する端末である。本実施形態では、一例として、ユーザが複数人存在し、各ユーザが夫々の端末装置２を用いて制約緩和履歴の閲覧及び制約条件の緩和に関する指定などを行う。端末装置２は、受け付けたユーザ入力に基づき生成した入力情報Ｓ１を、ネットワーク６を介して情報処理装置１へ送信する。ここで、本実施形態では、端末装置２は、制約条件の緩和の設定内容を指定する情報（「制約緩和指定情報」とも呼ぶ。）を含む入力情報Ｓ１を、情報処理装置１に送信する。制約緩和指定情報は、例えば、緩和が許容される制約条件の種類、緩和が許容される範囲、及び緩和された場合の罰則の重みを指定する情報を含んでいる。入力情報Ｓ１には、制約緩和指定情報に加えて、端末装置２のユーザに関する情報（ユーザＩＤ及びコメント等）、及び日時情報などが含まれていてもよい。また、端末装置２は、情報処理装置１から表示情報Ｓ２を受信した場合に、当該表示情報Ｓ２に基づき各種画面を表示する。

　ここで、端末装置２の構成について補足説明する。端末装置２は、例えば、入力部、表示部、及び通信部を有する。入力部は、例えば、キーボード、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などである。表示部は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ等である。通信部は、例えば、ネットワークアダプタなどである。端末装置２は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｄｉｇｉｔａｌ　Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）などであってもよい。

　記憶装置４は、最適化処理に必要な各種情報を記憶するメモリである。例えば、記憶装置４は、条件情報４０と、制約緩和履歴情報４１とを記憶している。

　条件情報４０は、情報処理装置１が解くべき最適化問題の条件に関する情報であり、緩和される前の制約条件に関する情報を含んでいる。例えば、取引対象となる物資の売手と買手の組み合わせを決定する問題が情報処理装置１が解くべき最適化問題として設定されている場合には、条件情報４０は、取引対象の物資の売手の情報（受渡場所、受渡期間、取引量、及び価格等に関する各売手の希望条件を含む）、取引対象の物資の買手の情報（受渡場所、受渡期間、取引量、及び価格等に関する各買手の希望条件を含む）などを含む。

　制約緩和履歴情報４１は、制約緩和履歴を示す情報であり、例えば、過去に定められた制約条件の緩和の設定と当該設定に基づく解とを含むレコードを有するデータベースである。制約緩和履歴情報４１のレコードは、端末装置２からの要求に基づき情報処理装置１により追加される。制約緩和履歴情報４１のデータ構造の一例については後述する。

　記憶装置４は、情報処理装置１に接続又は内蔵されたハードディスクなどの外部記憶装置であってもよく、フラッシュメモリなどの記憶媒体であってもよい。また、記憶装置４は、情報処理装置１とデータ通信を行うサーバ装置であってもよい。この場合、記憶装置４は、複数のサーバ装置から構成されてもよい。

　図１に示す最適化システム１００の構成は一例であり、当該構成に種々の変更が行われてもよい。例えば、なお、図１では、複数の端末装置２が表示されているが、端末装置２は、単体であってもよい。また、情報処理装置１は、複数の装置から構成されてもよい。この場合、情報処理装置１を構成する複数の装置は、予め割り当てられた処理を実行するために必要な情報の授受を、これらの複数の装置間において行う。また、情報処理装置１と、端末装置２とは、１台の装置により実現されてもよい。同様に、情報処理装置１と、記憶装置４とは、１台の装置により実現されてもよい。

　（２）情報処理装置のハードウェア構成
　図２は、情報処理装置１のハードウェア構成を示す。情報処理装置１は、ハードウェアとして、プロセッサ１１と、メモリ１２と、インターフェース１３とを含む。プロセッサ１１、メモリ１２及びインターフェース１３は、データバス１９を介して接続されている。

　プロセッサ１１は、メモリ１２に記憶されているプログラムを実行することにより、所定の処理を実行する。プロセッサ１１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、ＧＰＵ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、ＴＰＵ（Ｔｅｎｓｏｒ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）などのプロセッサである。プロセッサ１１は、複数のプロセッサから構成されてもよい。プロセッサ１１は、コンピュータの一例である。

　メモリ１２は、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）などの各種の揮発性メモリ及び不揮発性メモリにより構成される。また、メモリ１２には、情報処理装置１が各種の処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、メモリ１２は、作業メモリとして使用され、記憶装置４から取得した情報等を一時的に記憶する。なお、メモリ１２は、記憶装置４として機能してもよい。同様に、記憶装置４は、情報処理装置１のメモリ１２として機能してもよい。なお、情報処理装置１が実行するプログラムは、メモリ１２以外の記憶媒体に記憶されてもよい。

　インターフェース１３は、情報処理装置１と他の装置とを電気的に接続するためのインターフェースである。これらのインターフェースは、他の装置とデータの送受信を無線により行うためのネットワークアダプタなどのワイアレスインターフェースであってもよく、他の装置とケーブル等により接続するためのハードウェアインターフェースであってもよい。

　なお、情報処理装置１のハードウェア構成は、図２に示す構成に限定されない。例えば、情報処理装置１は、入力装置、表示装置、音出力装置などを内蔵してもよい。

　（３）制約緩和履歴情報のデータ構造
　図３は、制約緩和履歴情報４１のデータ構造の一例である。図３に示す制約緩和履歴情報４１は、「ＩＤ」、「ユーザ」、「日時」、「コメント」、「制約緩和内容」、「目的関数値」、「最適解」の各項目を含む複数のレコードを有する。制約緩和履歴情報４１の各レコードは、端末装置２から情報処理装置１に供給される入力情報Ｓ１と、情報処理装置１による最適化問題の解の算出結果とに基づき生成される。

　項目「ＩＤ」は、各レコードの識別情報を示す。項目「ユーザ」は、各レコードの生成に用いられた入力情報Ｓ１を送信した端末装置２のユーザの識別情報（ユーザＩＤ）を示す。項目「日時」は、各レコードの生成日時を示す。項目「コメント」は、ユーザが制約条件の緩和内容と共に端末装置２に入力したコメントを示す。

　項目「制約緩和内容」は、ユーザが指定した制約条件の緩和に関する設定内容を示す。ここでは、項目「制約緩和内容」には、緩和された各制約条件と、各制約条件が緩和された場合の罰則の重み（「罰則重み」とも呼ぶ。）とが含まれている。図３の例では、最適化問題において解として求めるべき変数として「ｘ」（連続値）及び「ｙ」（整数値）が含まれており、変数ｘに関する制約条件及び変数ｙに関する制約条件が指定されている。また、「ｐａ」は、変数ｘに関する制約条件に対する罰則重みを表し、「ｐｂ」は、変数ｙに関する制約条件に対する罰則重みを表す。ここで、「罰則重み」は、制約条件を緩和した場合の罰則（ペナルティ）の度合いを指し、制約条件の緩和度合いを総合的に表す指標値である罰則値の算出に用いられる係数である。罰則値の算出方法については後述する。

　項目「目的関数値」は、制約緩和内容に基づき最適化問題を解いた最適解に対する目的関数値を示す。目的関数値は、最適化において最大化又は最小化すべき目的関数の値を指す。項目「最適解」は、制約緩和内容に基づき最適化問題を解いた最適解を示す。なお、罰則値に応じた複数の解を情報処理装置１が算出した場合には、項目「最適解」及び「目的関数値」には、罰則値に応じた解及びその目的関数値の組が各罰則値に対応付けられて記録されてもよい。

　また、制約緩和履歴情報４１には、各レコードをノードとして木構造により表示するために必要な情報が含まれている。例えば、制約緩和履歴情報４１の各レコードには、木構造により表示する場合の親子関係となるレコードを示す情報が含まれている。

　（４）機能ブロック
　図４は、最適化処理に関するプロセッサ１１の機能ブロックの一例である。プロセッサ１１は、機能的には、解決定部１５と、ＵＩ（Ｕｓｅｒ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）制御部１６とを有する。また、なお、図４では、データの授受が行われるブロック同士を実線により結んでいるが、データの授受が行われるブロックの組み合わせは図４に限定されない。後述する他の機能ブロックの図においても同様である。

　解決定部１５は、ＵＩ制御部１６からの要求に基づき、最適化問題の解を決定する。例えば、解決定部１５は、ＵＩ制御部１６の子ノード生成部１６３から制約緩和指定情報が供給された場合には、制約緩和指定情報と、条件情報４０とに基づき、最適化問題の解を算出する。この場合、解決定部１５は、制約緩和指定情報により指定された範囲内において制約条件の緩和を許容した解を算出する。なお、解決定部１５は、罰則値の上限を変えることで算出される複数個の最適化の解を算出してもよい。そして、解決定部１５は、最適化問題の解の算出結果を示すデータ（「解データ」とも呼ぶ。）を、ＵＩ制御部１６に供給する。なお、解データには、求めた解及び当該解に対応する目的関数値の組が含まれている。

　なお、解決定部１５は、任意の最適化方法（最適化ソルバー）に基づき、最適化問題の解を決定してもよい。例えば、解決定部１５は、取引対象となる物資の売手と買手の組み合わせを決定する問題を解く場合、この問題を１つの組み合わせ最適化問題とみなして整数計画問題に定式化する。そして、解決定部１５は、定式化した整数計画問題を、一般的なアプリケーションプログラム（例えば、ＩＢＭ　ＩＬＯＧ　ＣＰＬＥＸ、Ｇｕｒｏｂｉ　Ｏｐｔｉｍｉｚｅｒ、ＳＣＩＰ）と同等の処理を行うことで解を求める。なお、整数計画問題に定式化して売手、買手、使用する船舶、及び当該船舶の航行期間を決定する方法については、例えば、特許文献２などに開示されている。

　ＵＩ制御部１６は、制約緩和履歴情報４１に基づく端末装置２の表示制御、及び、端末装置２から供給される入力情報Ｓ１に基づく制約緩和履歴情報４１の更新処理を行う。ＵＩ制御部１６は、機能的には、履歴表示部１６１と、マージ部１６２と、子ノード生成部１６３とを有する。

　履歴表示部１６１は、制約緩和履歴情報４１に基づく端末装置２の表示制御を行う。制約緩和履歴情報４１に基づく表示制御では、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴に関する管理画面（「履歴管理画面」とも呼ぶ。）を表示するための表示情報Ｓ２を生成する。そして、履歴表示部１６１は、生成した表示情報Ｓ２を端末装置２に送信することで、端末装置２に履歴管理画面を表示させる。履歴管理画面では、履歴表示部１６１は、後述するように、制約緩和履歴情報４１の各レコードをノードとする木構造を表示する。履歴管理画面の表示例については後述する。なお、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴情報４１の各レコードをノードとする木構造を表示する代わりに、制約緩和履歴情報４１の各レコードをノードとする木構造以外のグラフ構造を表示してもよい。この場合に表示されるグラフ構造には、ノード間の枝（矢印）の向きを考慮しない無向グラフに変換したときに閉路が含まれていてもよい。

　マージ部１６２は、履歴管理画面において任意の２つのノードのマージを指定する入力を受け付け、当該入力があった場合に、指定された２つのノードをマージしたノードを生成する処理を行う。この場合、マージ部１６２は、マージする２つのノードに対応する制約条件を論理和により統合し、統合後の制約条件を用いて解決定部１５が決定した最適化問題の解に基づき、制約緩和履歴情報４１のレコードを生成する。なお、マージに生成されるノードは、指定された２つのノードの共通する子ノードとなる。

　子ノード生成部１６３は、履歴管理画面において任意のノードを起点とする子ノードの生成を指示する入力を受け付け、当該入力があった場合に、起点となるノードを親ノードとした子ノードを生成する。この場合、子ノード生成部１６３は、生成する子ノードに対応する制約条件の緩和に関するユーザの指定を受け付ける。例えば、子ノード生成部１６３は、緩和が許容される制約条件の種類、許容される緩和の範囲（「緩和範囲」とも呼ぶ。）、及び罰則重みを指定するユーザ入力を受け付ける。そして、子ノード生成部１６３は、受け付けた制約条件により解決定部１５が算出した最適化問題の解に基づき、生成する子ノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードを生成する。親ノードは、「第１のノード」の一例であり、子ノードは、「第２のノード」の一例である。

　なお、図４において説明した解決定部１５、履歴表示部１６１、マージ部１６２及び子ノード生成部１６３の各構成要素は、例えば、プロセッサ１１がプログラムを実行することによって実現できる。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記憶媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。なお、これらの各構成要素の少なくとも一部は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、これらの各構成要素の少なくとも一部は、例えばＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ－Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｇａｔｅ　Ａｒｒａｙ）又はマイクロコントローラ等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。また、各構成要素の少なくとも一部は、ＡＳＳＰ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｓｔａｎｄａｒｄ　Ｐｒｏｄｕｃｅ）、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）又は量子プロセッサ（量子コンピュータ制御チップ）により構成されてもよい。このように、各構成要素は、種々のハードウェアにより実現されてもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。さらに、これらの各構成要素は，例えば，クラウドコンピューティング技術などを用いて、複数のコンピュータの協働によって実現されてもよい。

　（５）罰則重みに基づく罰則値の算出
　次に、罰則重みに基づく罰則値の算出方法について、具体例を用いて補足説明する。

　ここでは、最適化問題において解として求めるべき変数を「ｘ」（連続値）、「ｙ」（整数値）、「ｚ」（０又は１の２値）とし、以下の制約条件（ａ）～（ｃ）が条件情報に含まれているものとする。
　　　　　　　（ａ）４≦ｘ≦１０
　　　　　　　（ｂ）３≦ｙ≦５
　　　　　　　（ｃ）ｚ＝０

　また、目的関数は、以下のように、ｘ、ｙ、ｚの総和（ｘ＋ｙ＋ｚ）に設定され、目的関数値が最大化又は最小化（ここでは最大化とする）されるように最適化の解（ｘ、ｙ、ｚ）の決定が行われるものとする。
　　　　　　　ｍａｘ（ｘ＋ｙ＋ｚ）

　そして、制約条件（ａ）～（ｃ）は、以下の条件（ａ１）～（ｃ１）に夫々緩和されたものとする。
　　　　　　　（ａ１）１≦ｘ≦１３
　　　　　　　（ｂ１）２≦ｙ≦７
　　　　　　　（ｃ１）ｚ＝０又は１

　また、制約条件（ａ）～（ｃ）に対する罰則重み「ｐａ」、「ｐｂ」、「ｐｃ」が夫々設定されたものとする。
　　　　　　　ｐａ＝４
　　　　　　　ｐｂ＝２
　　　　　　　ｐｃ＝１０

　この場合、罰則重みｐａ～ｐｃは、罰則値の決定に用いられる係数であり、例えば、求めた解が元の制約条件（ａ）～（ｃ）から外れた度合い（外れ度合い）に乗じられる。そして、制約条件ごとの罰則重みと外れ度合いの乗算値の合計値が罰則値として算出される。

　図５は、変数ｘと、制約条件（ａ）に対する罰則値との関係を示すグラフである。図５に示すように、制約条件（ａ）に対する罰則値は、制約条件（ａ）が満たされる限り０となる。一方、制約条件（ａ）を満たさず、かつ、条件（ａ１）を満たす範囲（即ち緩和範囲）にある場合には、制約条件（ａ）から離れるほど（即ち外れ度合いが大きくなるほど）罰則重みｐａに応じて罰則値が大きくなる。

　例えば、解が（ｘ、ｙ、ｚ）＝（８、４、０）の場合、罰則値が０となる。一方、解が（ｘ、ｙ、ｚ）＝（１３、２、１）の場合、罰則値は、
（１３－１０）・ｐａ＋（３－２）・ｐｂ＋（１－０）・ｐｃ＝２４
となる。なお、（ｘ、ｙ、ｚ）＝（１５、５、０）は、制約条件（ａ）及びその緩和後の条件（ａ１）のいずれも満たされない（即ち初期範囲及び緩和範囲のいずれにも属しない）ため、解の候補から除外される。また、罰則値は、所定の上限値が設けられてもよい。この場合、解決定部１５は、罰則値が所定の上限値を越えない範囲において目的関数値が最大又は最小となる最適化問題の解を算出する。

　（６）表示例
　次に、履歴表示部１６１が制約緩和履歴情報４１に基づき端末装置２に表示させる履歴管理画面について説明する。図６は、履歴管理画面の表示例である。履歴表示部１６１は、端末装置２から履歴管理画面の表示要求を受信した場合に、制約緩和履歴情報４１に基づき生成した表示情報Ｓ２を当該端末装置２にインターフェース１３を介して送信することで、端末装置２に履歴管理画面を表示させる。

　履歴管理画面は、制約緩和履歴ツリー３０と、制約緩和履歴テーブル３１と、マージ実行ボタン３２と、子ノード生成ボタン３３と、個別表示ボタン３４と、比較表示ボタン３５とを有する。

　制約緩和履歴ツリー３０は、制約緩和履歴情報４１の各レコードをノードとして有する木構造である。各ノードＡ～Ｄは、履歴管理画面上でのクリック操作などにより夫々選択可能であり、図６の例では、ノードＣとノードＤが選択状態となっていることにより強調表示されている。ここで、ノードＡは、根ノードであり、最初に生成された制約緩和履歴情報４１のレコードを表す。ノードＢは、ノードＡの子ノードであり、ノードＡを起点として生成されたレコードを表す。ノードＣ及びノードＤは、夫々、ノードＢの子ノードかつ葉ノードであり、ノードＢを起点として生成されたレコードを表す。このように、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴情報４１のレコード間の関係を木構造により制約緩和履歴ツリー３０として表現する。これにより、制約緩和履歴情報４１のレコード間の関係をユーザに視覚的に認識させることができる。

　制約緩和履歴テーブル３１は、制約緩和履歴ツリー３０の各ノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードを表すテーブルである。ここでは、図３の「ＩＤ」が「００１」～「００４」となる制約緩和履歴情報４１のレコードがノードＡ～Ｄに対応するレコードとして表示されている。なお、図６の例では、表示スペース等の関係上、制約緩和履歴情報４１に含まれている制約緩和内容などの一部の項目が非表示となっているが、これらの項目についても制約緩和履歴テーブル３１に含まれていてもよい。

　マージ実行ボタン３２は、選択された２つのノードのマージの実行を指示するボタンである。マージ部１６２は、マージ実行ボタン３２が選択されたことを検知した場合、選択されている２つのノードが表す制約緩和履歴情報４１のレコードに記録された制約緩和内容をマージして得られる制約緩和内容を含む最適化の実行要求を、解決定部１５に供給する。そして、解決定部１５は、最適化の実行要求において指定された制約緩和内容に基づき最適化問題の解を算出する。そして、マージ部１６２は、解決定部１５による解の算出結果及びマージされた制約緩和内容を示すレコードを、制約緩和履歴情報４１に追加する。また、履歴表示部１６１は、マージにより生成されたノードを反映した制約緩和履歴ツリー３０及び制約緩和履歴テーブル３１を、履歴管理画面上に表示する。

　ここで、制約緩和内容のマージについて補足説明する。制約緩和内容のマージでは、種類が同じ制約条件ごとに、論理和（ＯＲ）による結合が行われる。例えば、変数ｘ（連続値）に関する制約条件として、一方の制約緩和内容では「２≦ｘ≦５」、他方の制約緩和内容では「４≦ｘ≦７」である場合、マージされた制約緩和内容では「２≦ｘ≦７」となる。他の例では、変数ｙ（整数値）に関する制約条件として、一方の制約緩和内容では「５≦ｙ」、他方の制約緩和内容では「３≦ｙ」である場合、マージされた制約緩和内容では「３≦ｙ」となる。このように、制約緩和内容のマージでは、種類が同じ制約条件ごとに、マージする２つのいずれかの制約緩和内容が満たされれば足りるようにマージ後の制約条件が設定される。

　子ノード生成ボタン３３は、任意のノードを起点としたノードの追加を指示するボタンである。子ノード生成部１６３は、任意のノードが選択された状態で子ノード生成ボタン３３の選択を検知した場合、選択された状態のノードを起点とするノードを生成する。この場合、まず、子ノード生成部１６３は、生成するノードに対する制約緩和内容の指定を受け付ける画面を表示し、制約緩和指定情報を含む入力情報Ｓ１を端末装置２から受信する。そして、解決定部１５は、制約緩和指定情報により示される制約緩和内容に基づき最適化問題の解を算出し、子ノード生成部１６３は、解決定部１５の算出結果等に基づき、生成するノードに対する制約緩和履歴情報４１のレコードを追加する。なお、この場合、例えば、新たなレコードには、起点として選択されたノードを親ノードとして指定する情報が含まれている。その後、履歴表示部１６１は、生成したノードを反映した制約緩和履歴ツリー３０及び制約緩和履歴テーブル３１を表示する。

　個別表示ボタン３４は、選択された１つのノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの詳細表示を要求するボタンである。履歴表示部１６１は、個別表示ボタン３４が選択されたことを検知した場合、選択されているノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードに基づく制約緩和内容及び解などの情報を履歴管理画面上に表示する。比較表示ボタン３５は、選択された２つのノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの比較表示を要求するボタンである。履歴表示部１６１は、個別表示ボタン３４が選択されたことを検知した場合、選択されている２つのノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの制約緩和内容を比較する情報を、履歴管理画面上に表示する。

　図７は、マージ実行後の履歴管理画面の表示例である。ここでは、ノードＣ及びノードＤが選択された状態でマージ実行ボタン３２が選択されたことにより、ノードＣ及びノードＤをマージした新たなノードＥが生成されている。

　この場合、履歴表示部１６１は、マージにより生成された制約緩和履歴情報４１の新たなレコードをノードＥとみなし、ノードＥを含んだ制約緩和履歴ツリー３０及び制約緩和履歴テーブル３１を、履歴管理画面上に表示している。ここで、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴ツリー３０において、ノードＥを、マージに用いたノードＣ及びノードＤの共通の子ノードとして表示している。また、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴テーブル３１において、マージにより生成された制約緩和履歴情報４１の新たなレコードに基づき、ノードＥに対する制約緩和履歴テーブル３１のレコードを表示している。なお、マージ実行ボタン３２が選択された後、解決定部１５は、ノードＣ及びノードＤに対応する制約緩和内容をマージした制約緩和内容に基づく最適化問題の解を算出し、マージ部１６２は、その解の算出結果等に基づき、ノードＥに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードを生成している。

　このように、情報処理装置１は、任意の２つのノードのマージの指定を履歴管理画面上において受け付け、かつ、マージにより生成された新たなノードを反映した制約緩和履歴ツリー３０及び制約緩和履歴テーブル３１を表示することができる。また、端末装置２のユーザは、マージを含む制約緩和の遷移の履歴を履歴管理画面上において好適に確認することができる。

　なお、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴ツリー３０のノードをユーザごとに色分けして表示してもよい。同様に、履歴表示部１６１は、制約緩和履歴テーブル３１のレコードをユーザごとに色分けして表示してもよい。また、各ユーザには、マージの実行指示の可否、及び、子ノードの追加等の実行指示の可否を示す権限情報が紐付けられていてもよい。このような権限情報は、例えば、記憶装置４等に予め記憶されている。

　図８は、図６において子ノード生成ボタン３３が選択された場合に表示される制約緩和内容を指定する入力画面（「制約緩和指定画面」とも呼ぶ。）の第１表示例である。第１表示例は、緩和する候補となる制約条件が期間などの連続的な範囲により指定される場合の表示例を示す。

　子ノード生成部１６３は、制約緩和指定画面を表示するための表示情報Ｓ２を生成し、生成した表示情報Ｓ２を端末装置２にインターフェース１３を介して送信することで、端末装置２に制約緩和指定画面を表示させる。

　第１表示例に係る制約緩和指定画面は、「制約名」、「罰則重み」、「内容」の各項目に対応する表示フィールドを含んでいる。項目「制約名」は、条件を緩和する候補となる制約条件（言い換えると、緩和可能な制約条件）の名前を示す。ここでは、「取引先Ａの受渡期間」及び「取引先Ｂの受渡期間」が項目「制約名」の表示フィールドに列挙されている。

　項目「罰則重み」は、項目「制約名」の表示フィールドに表示された制約名の制約条件に対して設定する罰則重みを示し、項目「罰則重み」の表示フィールドには、重み指定欄３６、３７が設けられている。重み指定欄３６、３７は、端末装置２によりユーザが任意の罰則重みの数値を指定可能な入力欄である。重み指定欄３６、３７には、起点として選択されたノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの「制約緩和内容」に基づく罰則重みが、初期値として表示されている。

　項目「内容」には、項目「制約名」の表示フィールドに表示された制約名の制約条件の内容を夫々示すグラフ４２Ａ、４２Ｂが表示されている。グラフ４２Ａ、４２Ｂは、初期状態において、起点として選択されたノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの「制約緩和内容」に基づく制約条件の内容を、ゲージにより表している。そして、子ノード生成部１６３は、ユーザ入力に基づき、グラフ４２Ａ、４２Ｂ上でのゲージが示す範囲の変更を受け付ける。例えば、子ノード生成部１６３は、初期範囲の右端又は左端を許容可能な日付に対応する位置までドラッグアンドドロップする操作を検知すること等により、ゲージが示す範囲の変更を受け付ける。

　そして、制約緩和指定画面において入力の完了を指示するボタン（不図示）が選択されたこと等を検知した場合、子ノード生成部１６３は、制約緩和指定画面の「罰則重み」及び「内容」の最新内容を示す制約緩和指定情報を、端末装置２から受信する。そして、解決定部１５は、制約緩和指定情報に基づく最適化問題の解を算出し、解の算出結果と制約緩和指定情報とに基づき、生成する子ノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードを追加する。また、履歴表示部１６１は、履歴管理画面上において、起点として選択されたノードを親ノードとする新たなノードを、制約緩和履歴ツリー３０及び制約緩和履歴テーブル３１の表示に反映する。

　図９（Ａ）は、制約緩和指定画面の第２表示例である。第２表示例は、緩和する候補となる制約条件が離散的な数値により指定される場合の表示例である。

　第２表示例では、項目「制約名」の表示フィールドに「取引先Ａの約定回数の下限」が表示されている。そして、項目「罰則重み」の表示フィールドには、制約条件「取引先Ａの約定回数の下限」に対して設定する罰則重みの入力欄である重み指定欄３８が設けられている。さらに、項目「内容」の表示フィールドには、上述の制約条件の設定を指定するための入力欄である条件指定欄４３が設けられている。

　条件指定欄４３は、一例としてプルダウンメニュー形式の入力欄となっており、取引先Ａの約定回数の下限として設定可能な値（離散値）を夫々選択可能に表示している。なお、初期状態の条件指定欄４３では、起点として選択されたノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの「制約緩和内容」に基づき、初期値「３」が設定されている。また、条件指定欄４３では、初期値（ここでは３）よりも緩い制約となる値「０」、「１」、「２」の各メニューが強調表示されている。例えば、緩和範囲指定欄４３において「１」が選択された場合、取引先Ａの約定回数が１回及び２回となる場合が新たに許容されることになる。

　図９（Ｂ）は、制約緩和指定画面の第３表示例である。第３表示例は、緩和する候補となる制約条件が除外可能か否かが指定される場合の表示例である。

　第３表示例では、項目「制約名」の表示フィールドに「スタッフＸは夜勤連続可」、「スタッフＹは夜勤連続可」が列挙されている。そして、項目「罰則重み」の表示フィールドには、これらの制約条件に対して設定する罰則重みの入力欄である重み指定欄３９、５０が設けられている。さらに、項目「緩和可否」の表示フィールドには、上述の各制約条件に対する緩和（ここでは除外）の可否を指定するための入力欄であるチェックボックス４４、４５が夫々設けられている。なお、初期状態では、起点として選択されたノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードの「制約緩和内容」に基づき、チェックボックス４４にチェックが入っており、チェックボックス４５にはチェックが入っていない。

　このように、子ノード生成部１６３は、起点とするノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードに基づく制約緩和内容を初期値として表示し、生成する子ノードに対応する制約条件に関する罰則重み及び内容の指定を好適に受け付けることができる。

　（７）処理フロー
　図１０は、第１実施形態において情報処理装置１が実行するフローチャートの一例である。

　まず、情報処理装置１は、制約条件の緩和の設定及び当該設定に基づく解に関する履歴である制約緩和履歴の表示を要求する表示要求を任意の端末装置２から受信したか否か判定する（ステップＳ１０）。そして、情報処理装置１は、表示要求を端末装置２から受信した場合（ステップＳ１０；Ｙｅｓ）、制約緩和履歴情報４１に基づき、制約緩和履歴を木構造により表示するための表示情報Ｓ２を生成する。そして、情報処理装置１は、当該表示情報Ｓ２を端末装置２に送信することで、制約緩和履歴を木構造により端末装置２上において表示させる（ステップＳ１１）。この場合、例えば、情報処理装置１は、図６等に示される履歴管理画面を端末装置２に表示させる。一方、情報処理装置１は、上述の表示要求を端末装置２から受信していない場合（ステップＳ１０；Ｎｏ）、引き続きステップＳ１０を実行する。

　次に、情報処理装置１は、表示した木構造においてマージする任意の２つのノードが指定されたか否か判定する（ステップＳ１２）。この場合、情報処理装置１は、端末装置２から受信する入力情報Ｓ１に基づき、上述のノードの指定の有無を判定する。そして、情報処理装置１は、任意の２つのノードが指定されたと判定した場合（ステップＳ１２；Ｙｅｓ）、指定された２つのノードのマージを行う（ステップＳ１３）。この場合、情報処理装置１は、指定された２つのノードの制約緩和内容を統合した新たなノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードを生成し、新たなノードを反映した上述の木構造等を端末装置２上に表示させる。一方、情報処理装置１は、任意の２つのノードが指定されていないと判定した場合（ステップＳ１２；Ｎｏ）、ステップＳ１４へ処理を進める。

　次に、情報処理装置１は、表示した木構造において比較する任意の２つのノードが指定されたか否か判定する（ステップＳ１４）。そして、情報処理装置１は、比較する任意の２つのノードが指定されたと判定した場合（ステップＳ１４；Ｙｅｓ）、指定された２つのノードに対応する制約緩和内容の比較表示を端末装置２に実行させる（ステップＳ１５）。この場合、情報処理装置１は、指定された２つのノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードに基づき、指定された２つのノードの制約緩和内容を比較表示するための表示情報Ｓ２を生成し、当該表示情報Ｓ２を端末装置２に供給する。一方、情報処理装置１は、比較する任意の２つのノードが指定されていないと判定した場合（ステップＳ１４；Ｎｏ）、ステップＳ１６へ処理を進める。

　次に、情報処理装置１は、新たなノード作成のための起点となるノードが指定されたか否か判定する（ステップＳ１６）。そして、情報処理装置１は、新たなノード作成のための起点となるノードが指定されたと判定した場合（ステップＳ１６；Ｙｅｓ）、制約条件の緩和に関する入力を受け付け、受け付けた入力に基づきノードを生成する（ステップＳ１７）。この場合、情報処理装置１は、指定されたノードの制約緩和内容を初期値として新たなノードの制約緩和内容を受け付ける制約緩和指定画面を端末装置２に表示させる。また、情報処理装置１は、制約緩和指定画面での入力情報に基づき、新たなノードに対応する制約緩和履歴情報４１のレコードを生成し、かつ、新たなノードを反映した上述の木構造等を端末装置２上に表示させる。

　ここで、制約条件の緩和の効果について補足説明する。例えば、取引における意思決定者が本システムを用いる場合、意思決定の途中で意思決定者が履歴管理画面等を参照して制約条件の緩和状況を把握することで、取引相手に影響を与えるための交渉等の材料を得ることができる。他の例では、制約条件の緩和を行わずに単一の最適化を行う場合と比較して目的関数値の向上に繋げることができる。さらに別の例では、解決定部１５による最適化において許容解が見つからない（実行不能）場合において、制約条件の緩和を選択肢に含めることで許容解が得られるようになる。

　＜第２実施形態＞
　図１１は、第２実施形態における情報処理装置１Ｘの機能ブロック図である。情報処理装置１Ｘは、主に、取得手段１６Ｘと、履歴表示手段１６１Ｘとを有する。情報処理装置１Ｘは、複数の装置から構成されてもよい。

　取得手段１６Ｘは、最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得する。取得手段１６Ｘは、例えば、第１実施形態において記憶装置４に記憶された制約緩和履歴情報４１を取得するＵＩ制御部１６とすることができる。

　履歴表示手段１６１Ｘは、制約緩和履歴情報に基づき、履歴に含まれる設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する。表示装置は、情報処理装置１Ｘと別体の装置（例えば、端末装置２）であってもよく、情報処理装置１Ｘに内蔵されてもよい。履歴表示手段１６１Ｘは、例えば、第１実施形態における履歴表示部１６１とすることができる。

　図１２は、第２実施形態において情報処理装置１Ｘが実行するフローチャートの一例である。まず、取得手段１６Ｘは、最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得する（ステップＳ２１）。そして、履歴表示手段１６１Ｘは、制約緩和履歴情報に基づき、履歴に含まれる設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する（ステップＳ２２）。

　第２実施形態に係る情報処理装置１Ｘは、最適化問題における制約条件の緩和の設定の経緯を直感的に分かりやすく表示することができる。

　その他、上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。

　［付記１］
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得する取得手段と、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する履歴表示手段と、
を有する情報処理装置。
　［付記２］
　前記ノードのうちマージする２つのノードを指定する入力を受け付け、前記入力があった場合に、前記２つのノードをマージした前記グラフ構造のノードを追加するマージ手段を有する、付記１に記載の情報処理装置。
　［付記３］
　前記マージ手段は、前記マージにより追加する前記ノードに対応する前記制約条件を、前記２つのノードに対応する前記制約条件の論理和に基づき決定する、付記２に記載の情報処理装置。
　［付記４］
　前記ノードのうち起点となるノードを指定する入力を受け付け、前記入力があった場合に、前記起点となるノードを前記グラフ構造における第１のノードとする第２のノードを生成するノード生成手段を有する、付記１～３のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　［付記５］
　前記ノード生成手段は、緩和が許容される前記制約条件の種類と、当該制約条件の緩和範囲と、当該制約条件が緩和された場合の罰則の重みと、に関する入力を受け付け、当該入力に基づき前記第２のノードに関する前記制約緩和履歴情報を生成する、付記４に記載の情報処理装置。
　［付記６］
　前記履歴表示手段は、前記ノードのうち比較する２つのノードを指定する入力を受け付け、当該入力があった場合に、前記２つのノードに対応する前記設定を前記表示装置により比較表示する、付記１～５のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　［付記７］
　前記制約緩和履歴情報は、前記設定に基づき算出された前記最適化問題の解に関する情報を含む、付記１～６のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　［付記８］
　前記ノードが追加された場合に、当該ノードに対応する前記設定に基づき前記最適化問題における解を決定する解決定手段をさらに有する、付記１～７のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　［付記９］
　コンピュータが、
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得し、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する、
制御方法。
　［付記１０］
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得し、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記憶媒体。

　なお、上述した各実施形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体（Ｎｏｎ－ｔｒａｎｓｉｔｏｒｙ　ｃｏｍｐｕｔｅｒ　ｒｅａｄａｂｌｅ　ｍｅｄｉｕｍ）を用いて格納され、コンピュータであるプロセッサ等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体（Ｔａｎｇｉｂｌｅ　ｓｔｏｒａｇｅ　ｍｅｄｉｕｍ）を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体（例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ）、光磁気記憶媒体（例えば光磁気ディスク）、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ－Ｒ、ＣＤ－Ｒ／Ｗ、半導体メモリ（例えば、マスクＲＯＭ、ＰＲＯＭ（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　ＲＯＭ）、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ　ＰＲＯＭ）、フラッシュＲＯＭ、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体（Ｔｒａｎｓｉｔｏｒｙ　ｃｏｍｐｕｔｅｒ　ｒｅａｄａｂｌｅ　ｍｅｄｉｕｍ）によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。

　以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。

　１、１Ｘ　情報処理装置
　２（２Ａ，２Ｂ，…）　端末装置
　４　記憶装置
　１００　最適化システム

Claims

　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得する取得手段と、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する履歴表示手段と、
を有する情報処理装置。
　前記ノードのうちマージする２つのノードを指定する入力を受け付け、前記入力があった場合に、前記２つのノードをマージした前記グラフ構造のノードを追加するマージ手段を有する、請求項１に記載の情報処理装置。
　前記マージ手段は、前記マージにより追加する前記ノードに対応する前記制約条件を、前記２つのノードに対応する前記制約条件の論理和に基づき決定する、請求項２に記載の情報処理装置。
　前記ノードのうち起点となるノードを指定する入力を受け付け、前記入力があった場合に、前記起点となるノードを前記グラフ構造における第１のノードとする第２のノードを生成するノード生成手段を有する、請求項１～３のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記ノード生成手段は、緩和が許容される前記制約条件の種類と、当該制約条件の緩和範囲と、当該制約条件が緩和された場合の罰則の重みと、に関する入力を受け付け、当該入力に基づき前記第２のノードに関する前記制約緩和履歴情報を生成する、請求項４に記載の情報処理装置。
　前記履歴表示手段は、前記ノードのうち比較する２つのノードを指定する入力を受け付け、当該入力があった場合に、前記２つのノードに対応する前記設定を前記表示装置により比較表示する、請求項１～５のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記制約緩和履歴情報は、前記設定に基づき算出された前記最適化問題の解に関する情報を含む、請求項１～６のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記ノードが追加された場合に、当該ノードに対応する前記設定に基づき前記最適化問題における解を決定する解決定手段をさらに有する、請求項１～７のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　コンピュータが、
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得し、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する、
制御方法。
　最適化問題における制約条件の緩和の設定に関する履歴を示す制約緩和履歴情報を取得し、
　前記制約緩和履歴情報に基づき、前記履歴に含まれる前記設定の各々をノードとするグラフ構造を、表示装置に表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記憶媒体。