WO2023144914A1 - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
電子機器は、受熱ブロックと、伝熱部材と、複数のフィンと、カバー(30)と、を備える。カバー(30)は、受熱ブロックの第2主面の法線に対する周方向に延在する側壁部(31)と、受熱ブロックとの間に伝熱部材を挟む位置で側壁部(31)に取り付けられる蓋部(32)と、を有する。カバー(30)は、側壁部(31)および蓋部(32)に囲まれた空間に伝熱部材および複数のフィンを収容する。カバー(30)において、少なくとも車両の進行方向に交差する側壁部(31)の外面に通風孔(31a)が形成され、側壁部(31)の外面の面積に対する通風孔(31a)の開口面積の比率は、蓋部(32)の外面の面積に対する通風孔(32a)の開口面積の比率より高い。
Description
本開示は、電子機器に関する。
鉄道車両に搭載される電子機器、例えば、電力変換装置は、電子部品で生じた熱を、冷却部を介して車両の走行によって生じる走行風、送風機から供給される冷却風等に放熱することで、電子部品を冷却する。この種の電子機器の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている電力変換装置は、鉄道車両の屋根上に取り付けられ、筐体の上面および側面に取り付けられたフィンを有する。特許文献1に開示される電力変換装置は、フィンに沿って流れる空気にフィンから熱を伝達する熱伝達およびフィンからの熱放射によって放熱することで、電力変換装置の筐体内部に収容されている電子部品、例えば、半導体素子を冷却する。
晴天時には、太陽光がフィンに照射されることで、フィンからの熱放射が阻害され、電子機器の冷却性能が低下してしまう。フィンを覆うカバーを備える電子機器においても、空気を通すための通風孔がカバーの全面に亘って形成されているため、通風孔を介して太陽光がフィンに照射されることで、フィンからの熱放射が阻害され、電子機器の冷却性能が低下してしまう。
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、晴天時にも電子部品を冷却可能な電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の電子機器は、車両の屋根に搭載される電子機器であって、伝熱性の受熱ブロックと、伝熱部材と、複数のフィンと、カバーと、を備える。受熱ブロックの第1主面に電子部品が取り付けられる。伝熱部材は、受熱ブロックに取り付けられ、受熱ブロックの第1主面の反対に位置し、鉛直方向上方に向く第2主面から離れる方向に延び、受熱ブロックを介して電子部品から伝達された熱を第2主面から離れる方向に伝達する。複数のフィンは、伝熱部材に取り付けられ、受熱ブロックおよび伝熱部材を介して電子部品から伝達された熱を周囲の空気に放熱し、車両の幅方向および車両の進行方向の少なくともいずれかに互いに空隙を挟んで並べられる。カバーは、第2主面の法線に対する周方向に延在する側壁部と、受熱ブロックの間に伝熱部材を挟む位置で側壁部に取り付けられる蓋部と、を有する。カバーは、側壁部および蓋部に囲まれた空間に伝熱部材および複数のフィンを収容する。カバーにおいて、少なくとも車両の進行方向に交差する側壁部の外面に通風孔が形成され、側壁部の上記外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より高い。
本開示に係る電子機器が備えるカバーにおいて、側壁部の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より高いため、フィンに対する太陽光の照射量を低減し、フィンからの熱放射が阻害されることを抑制することが可能となる。この結果、晴天時にも電子部品を冷却可能な電子機器が得られる。
以下、本開示の実施の形態に係る電子機器について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
電子機器の一例に、鉄道車両に搭載されて、交流電源から供給される交流電力を負荷に供給するための交流電力に変換し、変換した交流電力を負荷に供給する電力変換装置がある。鉄道車両の屋根に搭載され、鉄道車両の走行によって生じる鉄道車両の進行方向と反対方向に向かう空気の流れである走行風、および自然対流を利用して電子部品を冷却する電力変換装置を例にして、実施の形態に係る電子機器1について説明する。
電子機器の一例に、鉄道車両に搭載されて、交流電源から供給される交流電力を負荷に供給するための交流電力に変換し、変換した交流電力を負荷に供給する電力変換装置がある。鉄道車両の屋根に搭載され、鉄道車両の走行によって生じる鉄道車両の進行方向と反対方向に向かう空気の流れである走行風、および自然対流を利用して電子部品を冷却する電力変換装置を例にして、実施の形態に係る電子機器1について説明する。
図1に示す電子機器1は、交流き電方式の鉄道車両に搭載され、供給される交流電力を、負荷の一例である電動機61および空調機器62のそれぞれに適した交流電力に変換し、変換した交流電力を電動機61および空調機器62に供給する。電動機61は、例えば、鉄道車両の推進力を生じさせる三相誘導電動機である。鉄道車両の走行時、具体的には、力行運転時に、電子機器1が電動機61に電力を供給することで、鉄道車両の推進力が生じる。空調機器62は、鉄道車両内の空調設備である。鉄道車両の運転中、具体的には、鉄道車両の走行時および停止時のいずれにおいても、電子機器1が空調機器62に電力を供給することで、空調機器62が動作し、鉄道車両内の温度が所望の温度に調節される。
電子機器1の各部について以下に説明する。電子機器1は、電源に接続される端子1aと、接地される端子1bと、を備える。電子機器1はさらに、端子1aに接続される電源から供給される交流電力を降圧する変圧器11と、変圧器11で降圧された交流電力を直流電力に変換するコンバータ12と、コンバータ12が出力する直流電力で充電されるコンデンサC1と、コンデンサC1を介して入力される直流電力を交流電力に変換するインバータ13,14と、を備える。
端子1aは、例えば、電力供給線を介して変電所から供給される交流電力を取得する集電装置に電気的に接続される。この場合、集電装置が電子機器1に電力を供給する電源に相当する。電力供給線は、例えば、架線または第三軌条である。集電装置は、パンタグラフまたは集電靴である。端子1bは、図示しない接地ブラシ、アースリング、車輪等を介してレールに短絡されることで、接地される。
変圧器11は、一端が端子1aに接続され、他端が端子1bに接続される一次巻線と、コンバータ12に接続される二次巻線と、を有する。例えば、変圧器11は、集電装置から供給される25kVの単相交流電力を1520Vの単相交流電力に降圧し、降圧した交流電力をコンバータ12に供給する。
コンバータ12は、直列に接続された2つのスイッチング素子SW1を2組備える。一方の組のスイッチング素子SW1は、他方の組のスイッチング素子SW1に並列に接続される。一方の組の2つのスイッチング素子SW1の接続点に変圧器11の二次巻線の一端が接続され、他方の組の2つのスイッチング素子SW1の接続点に変圧器11の二次巻線の他端が接続される。
各スイッチング素子SW1は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と、アノードがIGBTのエミッタ端子に接続されて、カソードがIGBTのコレクタ端子に接続される還流ダイオードと、を有する。図示しない制御部からのゲート信号が、コンバータ12が備える各スイッチング素子SW1が有するIGBTのゲート端子に供給されて、IGBTのオンオフ、すなわち、各スイッチング素子SW1のオンオフが制御される。各スイッチング素子SW1のスイッチング動作によって、コンバータ12は、変圧器11から供給される交流電力を直流電力に変換する。
コンデンサC1は、コンバータ12が出力する直流電力によって充電される。コンデンサC1の一端は、コンバータ12の正極端子とインバータ13,14の一次側正極端子との接続点に接続される。コンデンサC1の他端は、コンバータ12の負極端子とインバータ13,14の一次側負極端子との接続点に接続される。
インバータ13は、直列に接続された2つのスイッチング素子SW2を3組備える。3組のスイッチング素子SW2はそれぞれ、三相交流電力のU相、V相、およびW相に対応する。U相に対応するスイッチング素子SW2、V相に対応するスイッチング素子SW2、およびW相に対応するスイッチング素子SW2は、インバータ13の一次側正極端子と一次側負極端子との間に互いに並列に接続される。U相に対応する2つのスイッチング素子SW2の接続点、V相に対応する2つのスイッチング素子SW2の接続点、およびW相に対応する2つのスイッチング素子SW2の接続点はそれぞれ、電動機61に接続される。
各スイッチング素子SW2は、スイッチング素子SW1と同様に、IGBTと、還流ダイオードと、を有する。図示しない制御部からのゲート信号が、インバータ13が備える各スイッチング素子SW2が有するIGBTのゲート端子に供給されて、IGBTのオンオフ、すなわち、各スイッチング素子SW2のオンオフが制御される。各スイッチング素子SW2のスイッチング動作によって、インバータ13は、直流電力を三相交流電力に変換し、三相交流電力を電動機61に供給する。
インバータ14は、直列に接続された2つのスイッチング素子SW3を3組備える。3組のスイッチング素子SW3はそれぞれ、三相交流電力のU相、V相、およびW相に対応する。U相に対応するスイッチング素子SW3、V相に対応するスイッチング素子SW3、およびW相に対応するスイッチング素子SW3は、インバータ14の一次側正極端子と一次側負極端子との間に互いに並列に接続される。
各スイッチング素子SW3は、スイッチング素子SW1と同様に、IGBTと、還流ダイオードと、を有する。図示しない制御部からのゲート信号が、インバータ14が備える各スイッチング素子SW3が有するIGBTのゲート端子に供給されて、IGBTのオンオフ、すなわち、各スイッチング素子SW3のオンオフが制御される。各スイッチング素子SW3のスイッチング動作によって、インバータ14は、直流電力を三相交流電力に変換する。
インバータ14はさらに、直流電力から変換した三相交流電力の電圧を空調機器62に適した電圧まで降圧する変圧器15を有する。U相に対応する2つのスイッチング素子SW3の接続点、V相に対応する2つのスイッチング素子SW3の接続点、およびW相に対応する2つのスイッチング素子SW3の接続点はそれぞれ、変圧器15に接続される。変圧器15で降圧された三相交流電力が空調機器62に供給される。
鉄道車両が走行している間は、コンバータ12およびインバータ13,14が動作しているため、スイッチング素子SW1,SW2,SW3はオンオフを繰り返し、すなわち、スイッチング動作を行い、発熱している。一方、鉄道車両が停止している間、電動機61に電力を供給する必要はないが、空調機器62は、鉄道車両が停止している間も稼動する必要がある。このため、鉄道車両が停止している間は、インバータ13は停止していて、コンバータ12およびインバータ14が動作している。換言すれば、スイッチング素子SW2は発熱していないが、スイッチング素子SW1,SW3はオンオフを繰り返し、発熱している。
そこで、電子機器1は、鉄道車両の走行時には走行風によってスイッチング素子SW1,SW2,SW3を含む電子部品を冷却し、鉄道車両の停止時には自然対流によってスイッチング素子SW1,SW3を含む電子部品を冷却するための構造を有する。電子機器1はさらに、鉄道車両の走行時および停止時のいずれの場合でも、晴天時に太陽光の照射によりフィンからの輻射が阻害されることを抑制するための構造を有する。
電子機器1の構造の詳細について以下に説明する。図2に示すように、電子機器1は、車両100の屋根100aに設けられる。図2におけるIII-III線での矢視断面図である図3に示すように、電子機器1は、電子部品が第1主面21aに取り付けられる伝熱性の受熱ブロック21と、受熱ブロック21の鉛直方向上方、具体的には、Z軸正方向に向く第2主面21bに取り付けられ、受熱ブロック21を介して電子部品から伝達された熱を第2主面21bから離れる方向に伝達する伝熱部材22と、を備える。電子機器1はさらに、伝熱部材22に取り付けられ、受熱ブロック21および伝熱部材22を介して電子部品から伝達された熱を周囲の空気に放熱する複数のフィン23と、を備える。
電子機器1はさらに、屋根100aに設置され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3を含む電子部品を収容する筐体20を備えることが好ましい。この場合、受熱ブロック21は、筐体20の開口20aを塞いだ状態で筐体20に取り付けられればよい。伝熱部材22およびフィン23の破損を抑制するために、電子機器1は、伝熱部材22およびフィン23を覆って筐体20に取り付けられるカバー30を備える。
図2および図3において、Z軸は、車両100が水平に位置している状態で、鉛直方向を示す。X軸は、車両100の進行方向を示す。Y軸は、車両100の幅方向を示す。X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。後続の図においても同様である。
筐体20は屋根100aの鉛直方向上部に取り付けられる。筐体20は、鉄道車両の予想される最大振動を受けても変形しない程度の剛性と強度を有する。例えば、筐体20は、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成される。筐体20の鉛直方向上部に開口20aが形成される。
受熱ブロック21は、開口20aを塞いだ状態で筐体20に取り付けられる。実施の形態では、受熱ブロック21は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成され、開口20aを塞いだ状態で筐体20の外面に取り付けられる平板部材である。受熱ブロック21の第1主面21aに、発熱する電子部品、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が取り付けられる。第1主面21aの反対に位置し、鉛直方向上方に向く第2主面21bに伝熱部材22が取り付けられる。車両100が水平に位置している状態で、第1主面21aおよび第2主面21bは、水平になる。
伝熱部材22は、第2主面21bから離れる方向に延び、受熱ブロック21を介して電子部品から伝達された熱を第2主面21bから離れる方向に伝達する。実施の形態では、伝熱部材22は、内部に冷媒が封入されているヒートパイプを有する。具体的には、伝熱部材22は、ヒートパイプとして、受熱ブロック21に取り付けられる母管24と、母管24に取り付けられ、母管24に連通する支管25と、を有する。母管24および支管25の内部には、常温で気液二相の状態で存在する冷媒が封入されている。冷媒は、例えば、水である。実施の形態1では、母管24および支管25は、XZ平面に対して対称に配置される。
図3および図3におけるIV-IV線での矢視断面図である図4に示すように、X軸方向に延びる複数の母管24がY軸方向に並べて設けられる。母管24は、受熱ブロック21の第2主面21bに形成された溝に挿入されて、接着剤による接着、溶接、ろう付け、はんだ付け等の取付方法によって受熱ブロック21に取り付けられている。母管24は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成されるパイプである。各母管24に対して複数の支管25が取り付けられる。
車両100の走行時には、車両100の進行方向の前方でフィン23から伝達された熱で暖められた走行風が車両100の進行方向の後方に流れる。このため、電子機器1において、車両100の進行方向の後方に位置する電子部品は、車両100の進行方向の前方に位置する電子部品と比べて十分に冷却されないことがある。上述のようにX軸方向に延びる母管24が設けられ、母管24の内部で冷媒の対流が生じることで、X軸方向に熱が分散され、X軸方向に並んで設けられる電子部品の冷却のばらつきが抑制される。
各支管25は、受熱ブロック21から離れる方向、例えば、Z軸正方向に延びる。支管25は、溶接、ろう付け、はんだ付け等の取付方法によって母管24に取り付けられ、母管24に連通する。支管25は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成されるパイプである。
支管25の長さは、車両100の進行方向に直交する断面、すなわちYZ平面における車両限界に含まれる長さに設定される。車両限界は、車両100の最大寸法を示す。実施の形態1では、車両限界に応じて、支管25の長さが異なる。具体的には、図3に示すように、Y軸方向の両端部それぞれに2つずつ位置する母管24に取り付けられている支管25のZ軸方向の長さは、Y軸方向の中央に位置する4つの母管24に取り付けられている支管25のZ軸方向の長さより短い。
フィン23は、車両100の幅方向および車両100の進行方向の少なくともいずれかに互いに空隙を挟んで並べられる。実施の形態1では、複数のフィン23は、車両100の幅方向、すなわち、Y軸方向に互いに空隙を挟んで並べられる。さらに、複数のフィン23は、受熱ブロック21から離れる方向、すなわち、Z軸方向に互いに空隙を挟んで並べられる。
上述のように並べられた複数のフィン23は、伝熱部材22に取り付けられる。詳細には、フィン23に形成された貫通孔に伝熱部材22が挿通された状態で、フィン23は伝熱部材22に取り付けられる。伝熱部材22に取り付けられたフィン23は、受熱ブロック21および伝熱部材22を介して電子部品から伝達された熱を周囲の空気に放熱する。実施の形態1では、フィン23は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成される平板部材である。
車両100の走行時における電子部品の冷却性能を高めるため、フィン23の主面は、X軸に平行であることが好ましい。車両100の走行時に生じる走行風はX軸方向に流れるため、フィン23の主面をX軸に平行にすることで、フィン23からフィン23の間を流れる走行風に熱を効率よく伝達することができる。この結果、スイッチング素子SW1,SW2,SW3を含む電子部品を冷却することが可能となる。
実施の形態1では、フィン23はそれぞれ、車両100が水平に位置している状態で、主面が水平であるとみなせる向きで伝熱部材22、すなわち、支管25に取り付けられる。主面が水平であるとみなせるとは、主面と水平面とがなす角度が十分に小さい、例えば10度以下であることを意味する。
カバー30は、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン23を覆って、筐体20に取り付けられる。カバー30は、鉄道車両の予想される最大振動を受けても変形しない程度の剛性と強度を有する。例えば、カバー30は、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成される。カバー30は、締結部材による締結、溶接、ろう付け等の取付方法によって筐体20に取り付けられる。
図5および図6に示すように、カバー30は、第2主面21bの法線に対する周方向に延在する側壁部31と、受熱ブロック21との間に伝熱部材22を挟む位置で側壁部31に取り付けられる蓋部32と、を有する。第2主面21bの法線は、Z軸に平行であるため、側壁部31は、Z軸周りに延在する筒状の形状を有する。蓋部32は、側壁部31の一端の開口を塞ぐ向きで側壁部31に取り付けられる。
カバー30は、側壁部31および蓋部32に囲まれた空間に、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン23を収容する。カバー30において、少なくとも車両の進行方向、すなわち、X軸方向に交差する側壁部31の外面に貫通孔である通風孔が形成され、側壁部31の上記外面に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部32の外面に対する通風孔の開口面積の比率より高い。
実施の形態1では、通風孔は、側壁部31に形成される貫通孔である第1通風孔31aおよび蓋部32に形成される貫通孔である第2通風孔32aを含む。詳細には、側壁部31の各外面に第1通風孔31aが形成され、蓋部32の各外面に第2通風孔32aが形成される。この場合、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、側壁部31の各外面の面積の合計に対する側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31aの開口面積の合計の比率を意味する。蓋部32の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部32の各外面の面積の合計に対する蓋部32の各外面に形成される第2通風孔32aの開口面積の合計の比率を意味する。
側壁部31の各面に形成される第1通風孔31aの形状は互いに同じである。側壁部31のX軸に交差する外面をX軸負方向に見た拡大図である図7に示すように、各第1通風孔31aは、一辺が長さd1の正方形とみなせる形状を有する。側壁部31のX軸に交差する外面において、複数の第1通風孔31aは、Z軸方向およびY軸方向に間隔g1を空けて並べて形成される。図示しないが、側壁部31のY軸に交差する外面において、複数の第1通風孔31aは、Z軸方向およびX軸方向に間隔g1を空けて並べて形成される。
図5および図6に示すように、蓋部32の各外面に形成される第2通風孔32aの形状は互いに同じである。蓋部32のZ軸に直交する外面をZ軸負方向に見た拡大図である図8に示すように、各第2通風孔32aは、一辺が長さd2の正方形とみなせる形状を有する。複数の第2通風孔32aは、X軸方向および蓋部32の外面においてX軸に直交する方向に間隔g1を空けて並べて形成される。蓋部32のZ軸に直交する外面においては、複数の第2通風孔32aは、X軸方向およびY軸方向に間隔g1を空けて並べて形成される。
上述したように、第1通風孔31aの間隔g1と第2通風孔32aの間隔g1とを同じ長さとし、第2通風孔32aの一辺の長さd2を第1通風孔31aの一辺の長さd1より短くすることで、側壁部31の外面に対する第1通風孔31aの開口面積の比率を、蓋部32の外面に対する第2通風孔32aの開口面積の比率より高くすることができる。この結果、カバー全体に亘って、例えば第1通風孔31aのように均一に多数の通風孔が形成されている電子機器と比べて、電子機器1は、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを抑制することができる。例えば、側壁部31の外面に対する第1通風孔31aの開口面積の比率を0.7以上とし、蓋部32の外面に対する第2通風孔32aの開口面積の比率を0.6以下とすることが好ましい。
上記構成を有する電子機器1における電子部品の冷却について以下に説明する。スイッチング素子SW1,SW2,SW3の少なくともいずれかで生じた熱は、受熱ブロック21および母管24を介して冷媒に伝達される。この結果、冷媒は気化する。気化した冷媒は母管24から支管25に流入し、支管25の内部をZ軸正方向に移動する。冷媒は、Z軸正方向に移動しながら熱を支管25およびフィン23を介して、伝熱部材22の周囲の空気に伝達することで冷却され、液化する。液化した冷媒は支管25の内壁を伝ってZ軸負方向に移動する。上述のように冷媒が気化と液化を繰り返しながら循環することで、スイッチング素子SW1,SW2,SW3の少なくともいずれかで生じた熱が伝熱部材22の周囲の空気に伝達され、発熱しているスイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
例えば車両100がX軸正方向に走行する場合、図9に矢印AR1で示すようにX軸負方向に流れる走行風が生じる。図9において、図の複雑化を避けるために、一部の空気の流れについてのみ記載されている。走行風はフィン23の間を通る。走行風がフィン23の間を通ることで、フィン23から走行風に熱が伝達されて、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
車両100の停止中は、図9に示す走行風は生じない。フィン23または支管25から熱を伝達されて暖められた空気は、図10および図11に矢印AR2で示すように、フィン23の間の空隙を鉛直方向上方に移動する。図10および図11において、図の複雑化を避けるために、一部の空気の流れについてのみ記載されている。鉛直方向上方に移動した空気は、カバー30の蓋部32に形成された第2通風孔32aを通ってカバー30の外部に流出する。
カバー30の内部の空気が第2通風孔32aを通って流出すると、図10および図11に矢印AR3で示すように、カバー30の側壁部31に形成される第1通風孔31aを通ってカバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。
矢印AR3で示すようにカバー30の内部に流入した空気は、フィン23から熱を伝達されて暖められ、矢印AR2で示すようにフィン23の間の空隙を通って鉛直方向上方に移動し、第2通風孔32aを通ってカバー30の外部に流出する。このように自然対流を利用して、車両100の停止時にもスイッチング素子SW1,SW2,SW3を冷却することが可能となる。
車両100の走行時および停止時のいずれの場合においても、鉛直方向上端に位置するフィン23からの熱放射によって、熱が蓋部32の内面に伝達され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
以上説明した通り、実施の形態1に係る電子機器1が備えるカバー30において、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率は、蓋部32の外面の面積に対する第2通風孔32aの開口面積の比率より高い。換言すれば、蓋部32の外面の面積に対する第2通風孔32aの開口面積の比率は、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率より低い。この結果、カバー全体に亘って、例えば第1通風孔31aのように均一に多数の通風孔が形成されている電子機器と比べて、電子機器1において、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることが抑制される。この結果、晴天時にも電子部品を冷却可能な電子機器1が得られる。
側壁部31の進行方向、すなわち、X軸方向に交差する外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率は、蓋部32の外面の面積に対する第2通風孔32aの開口面積の比率より高いため、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを抑制しながら、車両100の走行時には、車両100の走行風を利用してスイッチング素子SW1,SW2,SW3を十分に冷却することが可能となる。
第1通風孔31aより小さい第2通風孔32aが蓋部32に形成されることで、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを抑制しながら、車両100の停止時には、フィン23から熱を伝達されて暖められた空気を第2通風孔32aを介してカバー30の外部に流出させることができる。この結果、車両100の停止時に、自然対流を利用してスイッチング素子SW1,SW2,SW3を冷却することが可能となる。
(実施の形態2)
カバー30の形状は、上述の例に限られず、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを抑制可能であれば、任意である。実施の形態1と異なる形状のカバー30を有する電子機器2について、実施の形態1と異なる点を中心に実施の形態2で説明する。
カバー30の形状は、上述の例に限られず、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを抑制可能であれば、任意である。実施の形態1と異なる形状のカバー30を有する電子機器2について、実施の形態1と異なる点を中心に実施の形態2で説明する。
図12に示す電子機器2が備えるカバー30は、側壁部31と、受熱ブロック21との間に伝熱部材22を挟む位置で側壁部31に取り付けられる蓋部33と、を備える。カバー30は、側壁部31および蓋部33に囲まれた空間に、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン23を収容する。カバー30において、少なくともX軸方向に交差する側壁部31の面に通風孔が形成され、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部33の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より大きい。
実施の形態2では、通風孔は、実施の形態1と同様に側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31a、および蓋部33の各外面に形成される第2通風孔33aを含む。この場合、実施の形態1と同様に、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、側壁部31の各外面の面積の合計に対する側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31aの開口面積の合計の比率を意味する。蓋部33の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部33の各外面の面積の合計に対する蓋部33の各外面に形成される第2通風孔33aの開口面積の合計の比率を意味する。蓋部33における第2通風孔33aの間隔は、図3に示す蓋部32における第2通風孔32aの間隔より広い。
図13に示すように、蓋部33の各外面に形成される第2通風孔33aの形状は互いに同じである。蓋部33のZ軸に直交する面をZ軸負方向に見た拡大図である図14に示すように、各第2通風孔33aは、実施の形態1における第2通風孔32aと同様に、一辺が長さd2の正方形とみなせる形状を有する。複数の第2通風孔33aは、実施の形態1における第2通風孔32aの場合よりも広い間隔を空けて並べて形成される。
詳細には、複数の第2通風孔33aは、X軸方向および蓋部33の外面においてX軸に直交する方向に間隔g2=g1+d2+g1だけ空けて並べて形成される。蓋部33のZ軸に直交する外面においては、複数の第2通風孔33aは、X軸方向およびY軸方向に間隔g2を空けて並べて形成される。この結果、複数の第2通風孔33aの個数は、実施の形態1に係る電子機器1が備えるカバー30の蓋部32に形成される第2通風孔32aの個数よりも少なくなる。
上述したように、第1通風孔31aの間隔g1は、第2通風孔33aの間隔g2より短くし、第2通風孔32aの一辺の長さd2を第1通風孔31aの一辺の長さd1より短くすることで、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率を、蓋部33の外面に対する第2通風孔33aの開口面積の比率より高くすることができる。
上記構成を有する電子機器2における電子部品を冷却する仕組みは、実施の形態1と同様である。
以上説明した通り、実施の形態2に係る電子機器2が備えるカバー30において、蓋部33の外面の面積に対する第2通風孔33aの開口面積の比率は、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率より低い。実施の形態1と比べて、蓋部33の外面の面積に対する第2通風孔33aの開口面積の比率がより低いため、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを、より抑制することが可能となる。この結果、晴天時における電子部品の冷却性能が高い電子機器2が得られる。
(実施の形態3)
フィンの形状およびカバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1,2と異なる形状のフィンおよびカバー30を有する電子機器3について、実施の形態1,2と異なる点を中心に実施の形態3で説明する。
フィンの形状およびカバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1,2と異なる形状のフィンおよびカバー30を有する電子機器3について、実施の形態1,2と異なる点を中心に実施の形態3で説明する。
図15および図16に示す電子機器3は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に空隙を挟んで並べて設けられる複数のフィン26を備える。フィン26はそれぞれ、車両100が水平に位置している状態で、主面が水平であるとみなせる向きで伝熱部材22、すなわち、支管25に取り付けられる。
電子機器3が備えるカバー30は、側壁部31と、受熱ブロック21との間に伝熱部材22を挟む位置で側壁部31に取り付けられる蓋部34と、を備える。カバー30は、側壁部31および蓋部34に囲まれた空間に、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン26を収容する。
カバー30において、側壁部31の内、少なくともX軸方向に交差する外面に通風孔が形成される。実施の形態3では、側壁部31の各外面に第1通風孔31aが形成される。側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31aの形状および間隔は、実施の形態1と同様である。
図15、図16および図17に示すように、蓋部34には通風孔が形成されず、蓋部34の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は0である。換言すれば、実施の形態3では、側壁部31にのみ通風孔、具体的には、第1通風孔31aが形成される。このため、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部34の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より高い。
上記構成を有する電子機器3における電子部品の冷却について以下に説明する。車両100の走行時は、実施の形態1と同様に、フィン26から走行風に熱が伝達されることで、電子部品、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
車両100の停止中は、走行風は生じない。フィン26または支管25から熱を伝達されて暖められた空気は、図18に矢印AR4で示すように、フィン26の間の空隙を鉛直方向上方に移動する。カバー30の蓋部34に通風孔が形成されていないため、Z軸正方向に移動した空気は、カバー30の蓋部34に沿って移動し、第1通風孔31aを通ってカバー30の外部に流出する。図18において、図の複雑化を避けるために、一部の空気の流れについてのみ記載されている。鉛直方向上方に移動した空気の一部は、図18に示されていないが、Y軸方向に交差する側壁部31の面に形成された第1通風孔31aを通ってカバー30の外部に流出する。
カバー30の内部の空気が第1通風孔31aを通って流出すると、実施の形態1と同様に、矢印AR3で示すように、カバー30の側壁部31に形成される第1通風孔31aを通ってカバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。図18に示されていないが、実施の形態1と同様に、Y軸方向に交差する側壁部31の面に形成された第1通風孔31aからも、カバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。
カバー30の内部に流入した空気は、フィン26および支管25から熱を伝達されて暖められ、上述のように、フィン26の間の空隙を通って鉛直方向上方に移動し、蓋部34に沿って流れ、第1通風孔31aを通ってカバー30の外部に流出する。このように自然対流を利用して、車両100の停止時にもスイッチング素子SW1,SW2,SW3を冷却することが可能となる。
車両100の走行時および停止時のいずれの場合においても、鉛直方向上端に位置するフィン26から熱放射によって、熱が蓋部34の内面に伝達され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
以上説明した通り、実施の形態3に係る電子機器3が備えるカバー30の蓋部34には通風孔が形成されていないため、太陽光の照射によってフィン26からの熱放射が阻害されることが防止される。この結果、晴天時における電子部品の冷却性能が高い電子機器3が得られる。
(実施の形態4)
フィンの形状およびカバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1-3と異なる形状のフィンおよびカバー30を有する電子機器4について、実施の形態1-3と異なる点を中心に実施の形態4で説明する。
フィンの形状およびカバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1-3と異なる形状のフィンおよびカバー30を有する電子機器4について、実施の形態1-3と異なる点を中心に実施の形態4で説明する。
図19に示す電子機器4は、主面が第2主面21bに対して傾いている向きで伝熱部材22に取り付けられる複数のフィン27を備える。換言すれば、複数のフィン27は、車両100が水平に位置している状態で、主面が水平面に対して傾いている向きで伝熱部材22の支管25に取り付けられる。詳細には、フィン27は、主面が第2主面21bに対して傾き、かつ、主面がX軸に平行になる向きで支管25に取り付けられる。
電子機器4が備えるカバー30は、側壁部31と、受熱ブロック21との間に伝熱部材22を挟む位置で側壁部31に取り付けられる蓋部35と、を備える。カバー30は、側壁部31および蓋部35に囲まれた空間に、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン27を収容する。
カバー30において、少なくともX軸方向に交差する側壁部31の外面に通風孔が形成され、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部35の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より高い。
実施の形態4では、通風孔は、実施の形態1と同様に側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31a、および蓋部35の各外面に形成される第2通風孔35aを含む。この場合、実施の形態1と同様に、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、側壁部31の各外面の面積の合計に対する側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31aの開口面積の合計の比率を意味する。蓋部35の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部35の各外面の面積の合計に対する蓋部35の各外面に形成される第2通風孔35aの開口面積の合計の比率を意味する。
図19から図21に示すように、蓋部35の各外面において、フィン27の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置および当該位置の近傍に第2通風孔35aが形成される。換言すれば、第2通風孔35aは、フィン27の間の空隙を鉛直方向上方に移動する空気をカバー30の外部に流出させることができる位置に形成される。蓋部35の各面に形成される第2通風孔35aの形状は互いに同じである。例えば、第2通風孔35aは、実施の形態1に係る電子機器1が備えるカバー30の蓋部32に形成される第2通風孔32aと同じ形状を有し、フィン27の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置において、第2通風孔32aと同じ間隔で配置される。
第2通風孔35aの形状および互いに隣接する第2通風孔35aの間隔は第2通風孔32aと同じであるが、第2通風孔35aは、フィン27の間の空隙を鉛直方向上方に移動する空気をカバー30の外部に流出させることができる位置に形成される。換言すれば、蓋部35において上述の位置と異なる位置、例えば、蓋部35において、フィン27のY軸方向の中心に対向する位置には、第2通風孔35aは形成されない。この結果、複数の第2通風孔35aの個数は、実施の形態1に係る電子機器1が備えるカバー30の蓋部32に形成される第2通風孔32aの個数よりも少なくなる。
上記構成を有する電子機器4における電子部品の冷却について以下に説明する。フィン27は、主面がX軸に沿う向きで伝熱部材22に取り付けられている。このため、車両100の走行時は、実施の形態1と同様に、フィン27から走行風に熱が伝達されることで、電子部品、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
車両100の停止中は、走行風は生じない。フィン27および支管25から熱を伝達されて暖められた空気は、図22に矢印AR5で示すように、フィン27の主面に沿って鉛直方向上方に移動してから、Y軸方向に互いに隣接しているフィン27の間の空隙を通って鉛直方向上方に移動する。フィン27の間の空隙を鉛直方向上方に移動した空気は、蓋部35の第2通風孔35aを通って、カバー30の外部に流出する。図22において、図の複雑化を避けるために、一部の空気の流れについてのみ記載されている。
カバー30の内部の空気が第2通風孔35aを通って流出すると、実施の形態1と同様に、矢印AR3で示すように、カバー30の側壁部31に形成される第1通風孔31aを通ってカバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。図22に示されていないが、実施の形態1と同様に、Y軸方向に交差する側壁部31の面に形成された第1通風孔31aからも、カバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。
カバー30の内部に流入した空気は、フィン27および支管25から熱を伝達されて暖められ、上述のように、フィン27に沿って鉛直方向上方に移動してから、フィン27の間の空隙を鉛直方向上方に移動し、第2通風孔35aを通ってカバー30の外部に流出する。このように自然対流を利用して、車両100の停止時にもスイッチング素子SW1,SW2,SW3を冷却することが可能となる。
車両100の走行時および停止時のいずれの場合においても、鉛直方向上端に位置するフィン27からの熱放射によって、熱が蓋部35の内面に伝達され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
以上説明した通り、実施の形態4に係る電子機器4が備えるカバー30の蓋部35の外面の面積に対する第2通風孔35aの開口面積の比率は、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率より低い。第2通風孔35aは、フィン27の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置に形成されるため、実施の形態1と比べて、蓋部35の外面の面積に対する第2通風孔35aの開口面積の比率がより低い。このため、太陽光の照射によってフィン27からの熱放射が阻害されることを、より抑制することが可能となる。この結果、晴天時における電子部品の冷却性能が高い電子機器4が得られる。
フィン27は、車両100が水平に位置している状態で、主面が水平面に対して傾いている向きで伝熱部材22の支管25に取り付けられる、蓋部35の第2通風孔35aは、フィン27の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置に形成される。この結果、フィン27および支管25から熱を伝達されて暖められた空気は、フィン27に沿って鉛直方向上方に移動してから、フィン27の間の空隙を鉛直方向上方に移動し、蓋部35の第2通風孔35aを通ってカバー30の外部に流出する。これにより、自然冷却時に空気がスムーズに鉛直方向上方に移動するため、車両100の停止時において自然冷却による冷却性能が高まる。
(実施の形態5)
フィンの形状およびカバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1-4と異なる形状のフィンおよびカバー30を有する電子機器5について、実施の形態1-4と異なる点を中心に実施の形態5で説明する。
フィンの形状およびカバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1-4と異なる形状のフィンおよびカバー30を有する電子機器5について、実施の形態1-4と異なる点を中心に実施の形態5で説明する。
図23に示す電子機器5は、貫通孔28aが形成されている複数のフィン28を備える。フィン28は、主面が第2主面21bに平行であるとみなせる向きで伝熱部材22の支管25に取り付けられる。フィン28には、第2主面21bから離れる方向に延びる貫通孔28aが形成されている。
電子機器5が備えるカバー30は、側壁部31と、受熱ブロック21との間に伝熱部材22を挟む位置で側壁部31に取り付けられる蓋部36と、を有する。カバー30は、側壁部31および蓋部36に囲まれた空間に、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン28を収容する。
カバー30において、少なくともX軸方向に交差する側壁部31の外面に通風孔が形成され、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部36の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より高い。
実施の形態5では、通風孔は、実施の形態1と同様に側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31a、および蓋部36の各外面に形成される第2通風孔36aを含む。この場合、実施の形態1と同様に、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、側壁部31の各外面の面積の合計に対する側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31aの開口面積の合計の比率を意味する。蓋部36の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部36の各外面の面積の合計に対する蓋部36の各外面に形成される第2通風孔36aの開口面積の合計の比率を意味する。
図23から図25に示すように、蓋部36の各外面において、実施の形態5と同様にフィン28の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置および当該位置の近傍、ならびにフィン28の貫通孔28aに対向する位置および当該位置の近傍に第2通風孔36aが形成される。換言すれば、第2通風孔36aは、フィン28の間の空隙を鉛直方向上方に移動する空気およびフィン28の貫通孔28aを通って鉛直方向上方に移動する空気をカバー30の外部に流出させることができる位置に形成される。蓋部36の各面に形成される第2通風孔36aの形状は互いに同じである。例えば、第2通風孔36aは、実施の形態1に係る電子機器1が備えるカバー30の蓋部32に形成される第2通風孔32aと同じ形状を有し、フィン28の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置およびフィン28の貫通孔28aに対向する位置において、第2通風孔32aと同じ間隔で配置される。
第2通風孔36aの形状および互いに隣接する第2通風孔36aの間隔は第2通風孔32aと同じであるが、第2通風孔36aは、フィン28の間の空隙を鉛直方向上方に移動する空気およびフィン28の貫通孔28aを通って鉛直方向上方に移動する空気をカバー30の外部に流出させることができる位置に形成される。換言すれば、蓋部36において上述の位置と異なる位置、例えば、蓋部36において、フィン28の端部と貫通孔28aの間の部分に対向する位置には、第2通風孔35aは形成されない。この結果、複数の第2通風孔36aの個数は、実施の形態1に係る電子機器1が備えるカバー30の蓋部32に形成される第2通風孔32aの個数よりも少なくなる。
上記構成を有する電子機器5における電子部品の冷却について以下に説明する。車両100の走行時は、実施の形態1と同様に、フィン28から走行風に熱が伝達されることで、電子部品、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
車両100の停止中は、走行風は生じない。フィン28および支管25から熱を伝達されて暖められた空気の一部は、実施の形態1と同様に、図26に矢印AR2で示すように、フィン28の間の空隙を鉛直方向上方に移動する。フィン28および支管25から熱を伝達されて暖められた空気の他の一部は、矢印AR6で示すように、フィン28の貫通孔28aを通って鉛直方向上方に移動する。上述のように鉛直方向上方に移動した空気は、蓋部36の第2通風孔36aを通って、カバー30の外部に流出する。図26において、図の複雑化を避けるために、一部の空気の流れについてのみ記載されている。
カバー30の内部の空気が第2通風孔36aを通って流出すると、実施の形態1と同様に、矢印AR3で示すように、カバー30の側壁部31に形成される第1通風孔31aを通ってカバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。図26に示されていないが、実施の形態1と同様に、Y軸方向に交差する側壁部31の面に形成された第1通風孔31aからも、カバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。
カバー30の内部に流入した空気は、フィン28および支管25から熱を伝達されて暖められ、上述のように、フィン28の間の空隙またはフィン28の貫通孔28aを通って鉛直方向上方に移動し、第2通風孔36aを通ってカバー30の外部に流出する。このように自然対流を利用して、車両100の停止時にもスイッチング素子SW1,SW2,SW3を冷却することが可能となる。
車両100の走行時および停止時のいずれの場合においても、鉛直方向上端に位置するフィン28からの熱放射によって、熱が蓋部36の内面に伝達され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
以上説明した通り、実施の形態5に係る電子機器5が備えるカバー30の蓋部36の外面の面積に対する第2通風孔36aの開口面積の比率は、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率より低い。第2通風孔35aは、フィン28の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置およびフィン28の貫通孔28aに対向する位置に形成されるため、実施の形態1と比べて、蓋部36の外面の面積に対する第2通風孔36aの開口面積の比率がより低い。このため、太陽光の照射によってフィン28からの熱放射が阻害されることを、より抑制することが可能となる。この結果、晴天時における電子部品の冷却性能が高い電子機器5が得られる。
フィン28に貫通孔28aが形成され、蓋部36の第2通風孔36aは、フィン28の間の空隙を挟んで第2主面21bに対向する位置および貫通孔28aに対向する位置に形成される。この結果、フィン28および支管25から熱を伝達されて暖められた空気は、フィン28の間の空隙またはフィン28の貫通孔28aを通って鉛直方向上方に移動し、蓋部36の第2通風孔36aを通ってカバー30の外部に流出する。これにより、自然冷却時に空気がスムーズに鉛直方向上方に移動するため、車両100の停止時において自然冷却による冷却性能が高まる。
(実施の形態6)
カバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1-5と異なる形状のカバー30を有する電子機器6について、実施の形態1-5と異なる点を中心に実施の形態6で説明する。
カバー30の形状は、上述の例に限られない。実施の形態1-5と異なる形状のカバー30を有する電子機器6について、実施の形態1-5と異なる点を中心に実施の形態6で説明する。
図27に示す電子機器6は、側壁部31と、受熱ブロック21との間に伝熱部材22を挟む位置で側壁部31に取り付けられ、多重構造を有する蓋部37と、を有するカバー30を備える。カバー30は、側壁部31および蓋部37に囲まれた空間に、受熱ブロック21、伝熱部材22、およびフィン23を収容する。
蓋部37は、外側蓋部38と、外側蓋部38より受熱ブロック21に近い位置に設けられる内側蓋部39と、を有する。
カバー30において、少なくともX軸方向に交差する側壁部31の外面に通風孔が形成され、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、蓋部37の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率より高い。
実施の形態6では、通風孔は、実施の形態1と同様に側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31a、外側蓋部38の各外面に形成される第2通風孔38a、および内側蓋部39の各外面に形成される第2通風孔39aを含む。この場合、実施の形態1と同様に、側壁部31の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、側壁部31の各外面の面積の合計に対する側壁部31の各外面に形成される第1通風孔31aの開口面積の合計の比率を意味する。蓋部37の外面の面積に対する通風孔の開口面積の比率は、外側蓋部38の各外面の面積の合計に対する外側蓋部38の各外面に形成される第2通風孔38aの開口面積の合計の比率および内側蓋部39の各外面の面積の合計に対する内側蓋部39の各外面に形成される第2通風孔39aの開口面積の合計の比率を意味する。内側蓋部39の外面は、内側蓋部39の受熱ブロック21から遠い面を意味する。
実施の形態6では、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率は、外側蓋部38の外面の面積に対する第2通風孔38aの開口面積の比率および内側蓋部39の外面の面積に対する第2通風孔39aの開口面積の比率のいずれよりも高い。
図27および図27におけるXXVIII-XXVIII線での矢視断面図である図28に示すように、外側蓋部38の第2通風孔38aおよび内側蓋部39の第2通風孔39aは、互いにずれた位置、換言すれば、開口が対向しない位置に形成される。詳細には、外側蓋部38の第2通風孔38aは、内側蓋部39の第2通風孔39aが形成されていない部分、換言すれば、内側蓋部39の第2通風孔39aに挟まれている部分に対向する。同様に、内側蓋部39の第2通風孔39aは、外側蓋部38の第2通風孔38aが形成されていない部分、換言すれば、外側蓋部38の第2通風孔38aに挟まれている部分に対向する。
例えば、外側蓋部38において、実施の形態2と同様に、一辺が長さd2の正方形とみなせる形状の第2通風孔38aが間隔g2を空けて形成される。内側蓋部39において、一辺が長さd2の正方形とみなせる形状の第2通風孔39aが間隔g2を空けて、第2通風孔38aに対向しない位置に形成される。
この結果、太陽光の一部は、外側蓋部38によって遮られ、外側蓋部38の第2通風孔38aを通った太陽光の他の一部は、内側蓋部39によって遮られるため、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを抑制することが可能となる。
上記構成を有する電子機器6における電子部品の冷却について以下に説明する。車両100の走行時は、実施の形態1と同様に、フィン23から走行風に熱が伝達されることで、電子部品、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。
車両100の停止中は、走行風は生じない。フィン23および支管25から熱を伝達されて暖められた空気は、図29および図30に矢印AR7で示すように、フィン23の間の空隙を鉛直方向上方に移動する。鉛直方向上方に移動した空気は、内側蓋部39の第2通風孔39aを通ってから、外側蓋部38の第2通風孔38aを通って、カバー30の外部に流出する。図29および図30において、図の複雑化を避けるために、一部の空気の流れについてのみ記載されている。
カバー30の内部の空気が第2通風孔39a,38aを順に通って流出すると、実施の形態1と同様に、矢印AR3で示すように、カバー30の側壁部31に形成される第1通風孔31aを通ってカバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。
カバー30の内部に流入した空気は、フィン23および支管25から熱を伝達されて暖められ、上述のように、フィン23の間の空隙を通って鉛直方向上方に移動し、第2通風孔39a,38aを順に通ってカバー30の外部に流出する。このように自然対流を利用して、車両100の停止時にもスイッチング素子SW1,SW2,SW3を冷却することが可能となる。
車両100の走行時および停止時のいずれの場合においても、鉛直方向上端に位置するフィン23からの熱放射によって、熱が蓋部37の内面、具体的には、内側蓋部39の内面に伝達され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3が冷却される。内側蓋部39の内面は、内側蓋部39の受熱ブロック21に近い面を意味する。
以上説明した通り、実施の形態6に係る電子機器6が備えるカバー30において、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率は、外側蓋部38の外面の面積に対する第2通風孔38aの開口面積の比率および内側蓋部39の外面の面積に対する第2通風孔39aの開口面積の比率のいずれよりも高い。換言すれば、外側蓋部38の外面の面積に対する第2通風孔38aの開口面積の比率および内側蓋部39の外面の面積に対する第2通風孔39aの開口面積の比率はいずれも、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率より低い。さらに、外側蓋部38の第2通風孔38aおよび内側蓋部39の第2通風孔39aは、互いにずれた位置に形成される。
上述のように、カバー30は、互いにずれた位置に通風孔が形成される外側蓋部38および内側蓋部39を備えるため、カバー全体に亘って、例えば第1通風孔31aのように均一に多数の通風孔が形成されている電子機器と比べて、電子機器6において、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることが抑制される。外側蓋部38の第2通風孔38aを通った太陽光は、内側蓋部39によって遮られるため、実施の形態1と比べて、太陽光の照射によってフィン23からの熱放射が阻害されることを、より抑制することが可能となる。この結果、晴天時における電子部品の冷却性能が高い電子機器6が得られる。
本開示は、上述の実施の形態に限られない。上述の実施の形態の内、任意の実施の形態を組み合わせることが可能である。一例として、図31に示すように、電子機器5は、主面が第2主面21bに対して傾く向きで伝熱部材22の支管25に取り付けられ、第2主面21bから離れる方向に延びる貫通孔29aが形成されているフィン29を備えてもよい。
第1通風孔31aおよび第2通風孔32a,33a,35a,36a,38a,39aの形状、大きさ、個数および配置位置は、上述の例に限られない。側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率が蓋部32,33,35,36の外面の面積それぞれに対する第2通風孔32a,33a,35a,36aの開口面積の比率より高ければ、第1通風孔31aおよび第2通風孔32a,33a,35a,36aの形状、大きさ、間隔、個数および配置位置は、任意である。同様に、側壁部31の外面の面積に対する第1通風孔31aの開口面積の比率が、外側蓋部38の外面の面積に対する第2通風孔38aの開口面積の比率および内側蓋部39の外面の面積に対する第2通風孔39aの開口面積の比率のいずれよりも高ければ、第1通風孔31aおよび第2通風孔38a,39aの形状、大きさ、間隔、個数、および配置位置は、任意である。
一例として、第1通風孔31aおよび第2通風孔32a,33a,35a,36a,38a,39aの形状は正方形に限られず、長方形、円形、楕円形等でもよい。
インバータ14は、空調機器62に限られず、車両100の停止時に稼動している任意の負荷装置に電力を供給することができる。一例として、インバータ14は、照明機器、車両100のドア開閉装置等に電力を供給することができる。
筐体20の形状は、スイッチング素子SW1,SW2,SW3を含む電子部品を内部に収容し、屋根100aに取り付け可能な形状であれば、任意である。一例として、筐体20の鉛直方向上面は、車両100が水平に位置した状態で、水平面に対して傾いていてもよい。
受熱ブロック21は、筐体20から離れる方向に突出する曲面を有する板状部材でもよい。受熱ブロック21は、上述の実施の形態のように一枚の板状部材で形成されてもよいし、複数の板状部材を組み合わせて形成されてもよい。
受熱ブロック21に取り付けられる電子部品は、スイッチング素子SW1,SW2,SW3に限られず、例えば、サイリスタ、ダイオード等の筐体20の内部に収容されている任意の電子部品である。
伝熱部材22は、ヒートパイプに限られず、第2主面21bから離れる方向に熱を伝達する部材であれば任意である。一例として、伝熱部材22は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成される棒状部材でもよい。
伝熱部材22の配置は、上述の例に限られず、走行風および自然対流を利用して電子部品を冷却することが可能であれば、任意である。具体的には、実施の形態では、伝熱部材22の支管25はZ軸正方向に延びるが、支管25はZ軸に対して傾いた方向に延びてもよい。
母管24および支管25の形状は、上述の例に限られず、第2主面21bから離れる方向に熱を伝達する部材であれば任意である。一例として、母管24および支管25は一体に形成されて、U字状またはL字状の形状のヒートパイプである伝熱部材22を形成してもよい。
伝熱部材22の延伸方向に直交する断面の形状は、円形に限られず、扁平形状でもよい。扁平形状は、円の一部の幅を元の円より狭く変形することで得られる形状であり、楕円、流線型、長円等を含む。長円は、同一の直径である2つの円の外縁を2本の直線で繋いだ形状の外形を意味する。
各フィン23,26,27,28,29は互いに同じ部材で形成されてもよいし、フィン23,26,27,28,29の少なくともいずれかは、他のフィン23,26,27,28,29と異なる部材で形成されてもよい。フィン23,27,28,29の少なくともいずれかを、他のフィン23,26,27,28,29と異なる部材で形成する場合、フィン23,26,27,28,29の少なくともいずれかの熱伝導率は、他のフィン23,26,27,28,29の熱伝導率と異なる。
この場合、鉛直方向上部に位置するフィン23,26,27,28,29の熱伝導率は、鉛直方向下部に位置するフィン23,26,27,28,29の熱伝導率より高いことが好ましい。例えば、鉛直方向上部のフィン23,26,27,28,29を銅で形成し、鉛直方向下部のフィン23,26,27,28,29をアルミニウムで形成することが好ましい。
鉛直方向上部に位置するフィン23,26,27,28,29は、鉛直方向下部に位置するフィン23,26,27,28,29と比べて、電子機器1-6の周囲に他の機器が設けられている場合であっても、外部から流入した空気に容易に接触することができる。このため、鉛直方向上部に位置するフィン23,26,27,28,29の熱伝導率を他のフィン23,26,27,28,29の熱伝導率より高くすることで、電子機器1-6の冷却性能を向上させることが可能となる。
フィン23,26,27,28,29の個数、形状、および配置位置は、上述の例に限られず、任意である。一例として、フィン23,26,27,28,29は曲面を有する板状部材でもよい。他の一例として、各フィン23,26,27,28,29の形状は互いに異なってもよい。
カバー30の形状は、伝熱部材22およびフィン23,26,27,28,29を覆い、空気を内部に流入させることができる形状であれば任意である。一例として、カバー30の蓋部32,33,34,35,36,37は、曲面の形状を有してもよい。カバー30は、車両限界内で内部のスペースを最大限にする形状を有することが好ましい。
電子機器1-6は、車両100の屋根100aの凹部に設置されてもよい。凹部に設置される電子機器1の例を図32に示す。図32に示すように、車両100の屋根100aには、鉛直方向上部が開口している凹部である収容部100bが形成される。電子機器1は、収容部100bに設けられてもよい。この場合、フィン23,26,27,28,29の一部は、収容部100bの鉛直方向上端より高く位置することが好ましい。
電子機器1-6は、図1に示す電力変換装置に限られず、車両100に搭載され、発熱する電子部品を有する任意の電子機器である。一例として、電子機器1-6は、空調機器の熱交換器でもよい。
上述の実施の形態では、電子機器1-6は、走行風を利用して電子部品の冷却を行うが、電子機器1-6は、走行風に限られず、外部から供給される空気を利用して電子部品の冷却を行うことができる。一例として、電子機器1-6は、電子機器1-6に隣接した位置に設けられる送風機から供給される空気を利用して、電子部品の冷却を行うことができる。
電子機器1-6は、交流き電方式の鉄道車両に限られず、直流き電方式の鉄道車両に搭載されてもよい。電子機器1-6が搭載される車両は、鉄道車両に限られず、トロリーバス、路面電車等の走行風が生じる任意の移動体である。
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
1,2,3,4,5,6 電子機器、1a,1b 端子、11,15 変圧器、12 コンバータ、13,14 インバータ、20 筐体、20a 開口、21 受熱ブロック、21a 第1主面、21b 第2主面、22 伝熱部材、23,26,27,28,29 フィン、24 母管、25 支管、28a,29a 貫通孔、30 カバー、31 側壁部、31a 第1通風孔、32,33,34,35,36,37 蓋部、32a,33a,35a,36a,38a,39a 第2通風孔、38 外側蓋部、39 内側蓋部、61 電動機、62 空調機器、100 車両、100a 屋根、100b 収容部、AR1,AR2,AR3,AR4,AR5,AR6,AR7 矢印、C1 コンデンサ、d1,d2 長さ、g1,g2 間隔、SW1,SW2,SW3 スイッチング素子。
Claims (9)
- 車両の屋根に搭載される電子機器であって、
電子部品が第1主面に取り付けられる伝熱性の受熱ブロックと、
前記受熱ブロックに取り付けられ、前記受熱ブロックの前記第1主面の反対に位置し、鉛直方向上方に向く第2主面から離れる方向に延び、前記受熱ブロックを介して前記電子部品から伝達された熱を前記第2主面から離れる方向に伝達する伝熱部材と、
前記伝熱部材に取り付けられ、前記受熱ブロックおよび前記伝熱部材を介して前記電子部品から伝達された熱を周囲の空気に放熱し、前記車両の幅方向および前記車両の進行方向の少なくともいずれかに互いに空隙を挟んで並べられる複数のフィンと、
前記第2主面の法線に対する周方向に延在する側壁部と、前記受熱ブロックとの間に前記伝熱部材を挟む位置で前記側壁部に取り付けられる蓋部と、を有し、前記側壁部および前記蓋部に囲まれた空間に前記伝熱部材および前記複数のフィンを収容するカバーと、を備え、
前記カバーにおいて、少なくとも前記車両の進行方向に交差する前記側壁部の外面に通風孔が形成され、前記側壁部の前記外面の面積に対する前記通風孔の開口面積の比率は、前記蓋部の外面の面積に対する前記通風孔の開口面積の比率より高い、
電子機器。 - 前記電子部品を収容し、鉛直方向上部に開口が形成され、前記車両の前記屋根に設置される筐体をさらに備え、
前記受熱ブロックは、前記第1主面で前記筐体の前記開口を塞いだ状態で前記筐体に取り付けられる、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記カバーにおいて、前記側壁部にのみ前記通風孔が形成される、
請求項1または2に記載の電子機器。 - 前記通風孔は、前記側壁部の内、少なくとも前記進行方向に交差する前記側壁部の面に形成される第1通風孔および前記蓋部に形成される第2通風孔を含み、
前記進行方向に交差する前記側壁部の外面の面積に対する前記第1通風孔の開口面積の比率は、前記蓋部の外面の面積に対する前記第2通風孔の開口面積の比率より高い、
請求項1または2に記載の電子機器。 - 前記第1通風孔のそれぞれの開口面積は、前記第2通風孔のそれぞれの開口面積より大きい、
請求項4に記載の電子機器。 - 前記側壁部の内、少なくとも前記進行方向に交差する前記側壁部の面に複数の前記第1通風孔が形成され、
前記蓋部に複数の前記第2通風孔が形成され、
互いに隣接する前記第1通風孔の間隔は、互いに隣接する前記第2通風孔の間隔より狭い、
請求項4または5に記載の電子機器。 - 前記蓋部において、前記フィンの間の前記空隙を挟んで前記第2主面に対向する位置に前記第2通風孔が形成される、
請求項4から6のいずれか1項に記載の電子機器。 - 前記フィンに、前記第2主面から離隔する方向に延伸する貫通孔が形成され、
前記蓋部において、前記貫通孔に対向する位置に前記第2通風孔が形成される、
請求項4から7のいずれか1項に記載の電子機器。 - 前記蓋部は、外側蓋部と、前記外側蓋部より前記受熱ブロックに近い位置に設けられる内側蓋部と、を有し、
前記外側蓋部の前記第2通風孔および前記内側蓋部の前記第2通風孔は、互いにずれた位置に形成される、
請求項4から8のいずれか1項に記載の電子機器。
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