WO2023085390A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、チルト発現能の高い液晶配向膜、それを有する液晶表示素子と、それを与える液晶配向剤を提供する。本発明は、(A)成分として下記式(pa-1)(式中、Aはフェニレン等を表し、R1は単結合、酸素原子等であり、R2は2価の芳香族基等であり、R3は単結合、酸素原子等であり、R4は炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3~40の1価の有機基であり、Dは酸素原子、硫黄原子又は-NRd-を表し、aは0~3の整数であり、*は結合位置を表す。 熱架橋性基A及び熱架橋性基Bは、熱架橋性基Aと熱架橋性基Bとが熱により架橋反応するように選択されてなる。)で表される光配向性基、オキサゾリン骨格及びカルボキシ基を有する重合体を含有する液晶配向剤を提供する。 

Description

液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
 本発明は、液晶配向剤、これにより得られる液晶配向膜、及び得られた液晶配向膜を具備する液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、液晶配向性が良好であり、プレチルト角発現能にも優れ、且つ高い信頼性が得られる液晶配向膜を与えることのできる液晶配向剤および表示品位に優れる液晶表示素子に関する。
 液晶表示素子において、液晶配向膜は液晶を一定の方向に配向させるという役割を担っている。現在、工業的に使用されている主な液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸ともいわれる)、ポリアミック酸エステルや、ポリイミドの溶液からなるポリイミド系の液晶配向剤を、基板に塗布し成膜することで作製される。
 また、基板面に対して液晶を平行配向又は傾斜配向させる場合は、成膜した後、更にラビングによる表面延伸処理が行われている。
 一方、基板に対して垂直に液晶を配向させる場合(垂直配向(VA)方式と呼ばれる)は、長鎖アルキルや環状基又は環状基とアルキル基の組み合わせ(例えば特許文献1参照)、ステロイド骨格(例えば特許文献2参照)などの疎水性基をポリイミドの側鎖に導入した液晶配向膜が用いられている。この場合、基板間に電圧を印加して液晶分子が基板に平行な方向に向かって傾く際に、液晶分子が基板法線方向から基板面内の一方向に向かって傾くようにする必要がある。このための手段として、例えば、基板上に突起を設ける方法、表示用電極にスリットを設ける方法、ラビングにより液晶分子を基板法線方向から基板面内の一方向に向けてわずかに傾けておく(プレチルトさせる)方法、さらには、あらかじめ液晶組成物中に光重合性化合物を添加し、ポリイミド等の垂直配向膜と共に用いて、液晶セルに電圧を印加しながら紫外線を照射することで、液晶をプレチルトさせる方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
 近年、VA方式の液晶配向制御における突起やスリットの形成、及びPSA技術に代わるものとして偏光紫外線照射等による異方的光化学反応を利用する方法(光配向法)も提案されている。すなわち、光反応性を有する垂直配向性のポリイミド膜に、偏光紫外線照射し、配向規制能およびプレチルト角発現性を付与することにより、電圧印加時の液晶分子の傾き方向を均一に制御できることが知られている(特許文献4参照)。
 VA方式の液晶表示素子はコントラストが高い、視野角が広いといった特徴から、TVや車載ディスプレイに使用されている。TV用の液晶表示素子は高輝度を得るために発熱量が大きいバックライトを使用していたり、車載用途で用いられる液晶表示素子、例えば、カーナビゲーションシステムやメーターパネルでは、長時間高温環境下で使用あるいは放置される場合がある。そのような過酷条件において、プレチルト角が徐々に変化した場合、初期の表示特性が得られなくなったり、表示にムラが発生したりなどの問題が起こる。さらに、液晶を駆動させた際の、電圧保持特性や電荷蓄積特性も液晶配向膜の影響をうけ、電圧保持率が低い場合は表示画面のコントラストが低下する、直流電圧に対する電荷の蓄積が大きい場合は表示画面が焼き付くという現象が生じる。
特開平3-179323号公報 特開平4-281427号公報 特許第4504626号公報 特許第4995267号公報
 本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、その課題は、長時間駆動後でもプレチルト角の変化が少なく表示の信頼性に優れるとともに、電圧保持特性が高く、なおかつ電荷蓄積を低減しうる液晶配向膜、それを有する液晶表示素子と、それを与える液晶配向剤を提供することにある。
 本発明者らは、以下の<X>を要旨とする発明を見出した。
 <X> (A)成分として下記式(pa-1)で表される光配向性基、オキサゾリン骨格及びカルボキシ基を有する重合体を含有する液晶配向剤。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 式中、Aは場合によりフッ素原子、塩素原子、シアノ基から選択される基によるか、又は炭素数1~5のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基(これは、場合により1個のシアノ基又は1個以上のハロゲン原子で置換されている)で置換されている、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基、フラン-2,5-ジイル基、1,4-若しくは2,6-ナフチレン基又はフェニレン基を表し、Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-であり、Rは2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基または2価の縮合環式基であり、Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-であり、Rは炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3~40の1価の有機基であり、Dは、酸素原子、硫黄原子又は-NR-(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1~3のアルキルを表す)を表し、aは0~3の整数であり、aが2以上の場合、複数個のR及びRはそれぞれ独立して上記定義を有する。X及びYは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素数1~3のアルキル基である。*は結合位置を表す。
 本発明により、液晶配向性が良好であり、プレチルト角発現能にも優れる液晶配向膜ならびに液晶配向剤を提供できる。
 また、本発明の方法によって製造された液晶表示素子は優れた表示特性を有する。
 本発明の液晶配向剤は、上記式(pa-1)で表される光配向性基、オキサゾリン骨格及びカルボキシ基を有する重合体を含有する。
 本発明の液晶配向剤中に含有される(A)成分である重合体は、光に対して感度が高いため、低露光量の偏光紫外線照射においても、配向制御能を発現できる。
 また、(A)成分である重合体がカルボキシ基を含有するとともに、さらにオキサゾリン骨格を成分中に含有することによって、液晶配向剤の焼成時間が短い場合でも(A)成分である重合体を含む架橋反応が可能となる。これにより、光配向性部位が光反応により異方性を発現した際に、液晶配向膜に異方性が残存(メモリー)しやすくなるため、液晶配向性を高め、且つ液晶のプレチルト角を発現することが可能となる。
 以下、本発明の各構成要件、につき詳述する。
<(A)成分:特定重合体>
[式(pa-1)で表される光配向性基]
 本発明において、分子内に上記式(pa-1)で表される光配向性を有する部位は、例えば下記式(a-1)で表すことができる。また、該部位は、下記式(a-1-m)で表されるモノマー由来の構造を挙げることができるがこれに限定されない。式中、Iは、下記式(pa-1)で表される1価の有機基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 式(pa-1)中、Aは場合によりフッ素原子、塩素原子、シアノ基から選択される基によるか、又は炭素数1~5のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基(これは、場合により1個のシアノ基又は1個以上のハロゲン原子で置換されている)で置換されている、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基、フラン-2,5-ジイル基、1,4-若しくは2,6-ナフチレン基又はフェニレン基を表し、Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-であり、Rは2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基または2価の縮合環式基であり、Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-であり、Rは炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3~40の1価の有機基であり、Dは、酸素原子、硫黄原子又は-NR-(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1~3のアルキルを表す)を表し、aは0~3の整数であり、aが2以上の場合、複数個のR及びRはそれぞれ独立して上記定義を有する。X及びYは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素数1~3のアルキル基である。*は結合位置を表す。
 上記式(a-1)又は(a-1-m)中、Sは、スペーサーを表し、Iは、特定重合体の主鎖に、任意にスペーサーを介して結合することを示す。
 Sは、例えば下記式(Sp)の構造で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 式(Sp)中、
 Wの左の結合はMへの結合を表し、
 Wの右の結合はIへの結合を表し、
 W、W及びWは、それぞれ独立して、単結合、2価の複素環、-(CH-(式中、nは1~20を表す)、-OCH-、-CHO-、―COO-、-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCF-又は-C≡C-を表すが、これらの置換基において非隣接のCH基の一つ以上は独立して、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-Si(CH-O-Si(CH―、-NR-、-NR-CO-、-CO-NR-、-NR-CO-O-、-OCO-NR-、-NR-CO-NR-、-CH=CH-、-C≡C-又は-O-CO-O-(式中、Rは独立して水素又は炭素数1~5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す)で置換することができ、
 A及びAは、それぞれ独立して、単結合、2価の炭化水素基、2価の芳香族基、2価の脂環式基、及び2価の複素環式基から選ばれる基であり、それぞれの基は無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていてもよい。
 式(a-1-m)中、Mは重合性基を表す。該重合性基として、(メタ)アクリレート、フマレート、マレエート、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、ノルボルネン、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体のラジカル重合性基、及びシロキサンを挙げることができる。好ましくは(メタ)アクリレート、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、アクリルアミドである。
 rは、1≦r≦3を満たす整数である。
 Mは、単結合、(r+1)価の複素環式基、(r+1)価の炭素数1~10の直鎖状又は分岐状炭化水素基、(r+1)価の芳香族基、及び(r+1)価の脂環式基から選ばれる基であり、それぞれの基は無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていてもよい。
 A、A2、及びMにおける芳香族基としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル構造、ナフタレン環のような炭素数6~18の芳香族炭化水素を挙げることができ、上記ベンゼン環、ビフェニル構造、ナフタレン環中の一部又は全部の水素原子はフッ素原子で置換されてもよい。A、A2、及びMにおける脂環式基としては、例えばシクロヘキサン環、ビシクロヘキサン構造のような炭素数6~12の脂環式炭化水素を挙げることができる。A、A2、及びMにおける複素環式基としては、例えばピリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の窒素含有複素環を挙げることができる。A、Aにおける炭化水素基としては、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状炭化水素基等を挙げることができ、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、t-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基がより好ましい。
 良好な垂直配向制御能と安定なプレチルト角を発現し得る観点から、上記(pa-1)で表される基は、下記(pa-1-a)で表される基であることが好ましい。また、該部位は、下記式(pa-1-ma)で表されるモノマー由来の構造を挙げることができるがこれに限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 式(pa-1-a)又は(pa-1-ma)中、M、M、及びSは、上述と同じ定義である。
 Zは酸素原子、または硫黄原子である。
 X及びXは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素数1~3のアルキル基である。
 Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-である。
 Rは2価の芳香族基、2価の脂環式基、又は2価の複素環式基である。
 Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-である。
 Rは炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3~40の1価の有機基である。
 Rは炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基、フッ素原子またはシアノ基であり、好ましくはメチル基、メトキシ基又はフッ素原子である。
 aは0~3の整数であり、aが2以上の場合、複数個のR及びRはそれぞれ独立して上記定義を有する。bは0~4の整数であり、bが2以上の場合、複数個のRはそれぞれ独立して上記定義を有する。
 Sは、炭素数1~8のアルキレン基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1~6のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1~4のアルキレン基である。
 Rの2価の芳香族基として、例えば1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、2,3,5,6-テトラフルオロ-1,4-フェニレン基、ナフチレン基等を挙げることができる。
 Rの2価の脂環式基として、例えばトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-トランス-1,4-ビシクロヘキシレン基等を挙げることができる。
 Rの2価の複素環式基として、例えばピリジン-1,4-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、フラン-2,5-ジイル基、ピペラジン-1,4-ジイル基、ピペリジン-1,4-ジイル基等を挙げることができる。
 Rは、1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-トランス-1,4-ビシクロヘキシレン基であるのが好ましい。
 Rの炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、例えば炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を挙げることができ、このアルキル基中の水素原子の一部または全部はフッ素原子により置換されていてもよい。かかるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ラウリル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2-(パーフルオロブチル)エチル基、2-(パーフルオロオクチル)エチル基、2-(パーフルオロデシル)エチル基等を挙げることができる。
 Rの脂環式基を含む炭素数3~40の1価の有機基としては、例えばコレステニル基、コレスタニル基、アダマンチル基、下記式(Alc-1)または(Alc-2)(式中、Rは、水素原子、フッ素原子または炭素数1~20のアルキル基であり、炭素数1~20のアルキル基中の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されていてもよく、*は結合位置を示す)で表される基等を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 上記式(pa-1-ma)で表されるモノマーとして、式(paa-1-ma1)~(paa-1-ma18)で表される化合物を挙げることができるがこれらに限定されない。なお、式中、「E」は、E体であることを表し、「t」は、シクロヘキシル基がトランス型であることを表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
[オキサゾリン骨格]
 オキサゾリン骨格を(A)成分である重合体に導入するには、オキサゾリン骨格を有するモノマーを共重合させればよい。
 オキサゾリン骨格を有するモノマーとしては、例えば、下記式(1-ma)で表される化合物を挙げることができる。
 式(1-ma)中、M、M、S、及びrは、上述と同じ定義であり、Ioxはオキサゾリン骨格を有する1価の基を表す。
 Ioxとしては、オキサゾリン骨格を末端に有する基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいオキサゾリン-2-イル基がより好ましい。具体的には、下記式(1-ma1)~式(1-ma7)で表されるモノマーを挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 このようなモノマーは、p-ヒドロキシベンゾニトリル等のニトリル化合物と2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等のアミノエタノール類縁体を出発物質として、後述のモノマー合成例に記載したような方法で製造することができる。
[カルボキシ基]
 カルボキシ基を(A)成分である重合体に導入するには、カルボキシ基を有するモノマーを共重合させればよい。
 カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ-(2-(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ-(2-(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N-(カルボキシフェニル)マレイミド、N-(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、及びN-(カルボキシフェニル)アクリルアミド等が挙げられる。
 また、本発明においては、特定重合体を得る際に、上記式(a-1-m)で表される光配向性基を有するモノマー、オキサゾリン骨格を有するモノマー及びカルボキシ基を有するモノマーの他に、これらのモノマーと共重合可能なその他モノマーを併用することができる。
 そのようなその他モノマーの具体例としては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸アミド化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、窒素含有芳香族複素環基と重合性基とを有するモノマーが挙げられる。
 前記アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、2-メチル-2-アダマンチルアクリレート、2-プロピル-2-アダマンチルアクリレート、8-メチル-8-トリシクロ[5.2.1.0<2,6>]デシルアクリレート、及び、8-エチル-8-トリシクロ[5.2.1.0<2,6>]デシルアクリレート等が挙げられる。
 前記メタクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3-メトキシブチルメタクリレート、2-メチル-2-アダマンチルメタクリレート、2-プロピル-2-アダマンチルメタクリレート、8-メチル-8-トリシクロ[5.2.1.0<2,6>]デシルメタクリレート、及び、8-エチル-8-トリシクロ[5.2.1.0<2,6>]デシルメタクリレート等が挙げられる。
 前記(メタ)アクリル酸アミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
 前記ビニル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アリルグリシジルエーテル、及び3-エテニル-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン等が挙げられる。
 前記スチレン化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、及びブロモスチレン等が挙げられる。
 前記マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、及びN-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
 窒素含有芳香族複素環は、下記式[N-a]~[N-b](式中、Zは炭素数1~5の直鎖または分岐アルキル基である)からなる群から選ばれる構造を少なくとも1個、好ましくは1~4個含有する芳香族炭化水素環であるのがよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 具体的には、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラジン環、フェナントロリン環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、オキサジアゾール環、アクリジン環などを挙げることができる。さらに、これら窒素含有芳香族複素環の炭素原子には、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい。これらのうち、例えば、ピリジン環が挙げられる。
 窒素含有芳香族複素環基と重合性基とを有するモノマーとして、例えば、2-(2-ピリジルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(3-ピリジルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(4-ピリジルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
 本発明に用いる上記その他モノマーは1種類単独で用いてもよく、また2種以上のモノマーを組合せて用いてもよい。
 本発明の液晶配向剤の(A)成分である重合体に含有させる上記式(pa-1)で表される光反応性の部位は1種類単独で用いてもよく、また2種以上の部位を組合せて用いてもよい。
 上記式(pa-1)で表される光反応性の部位は、(A)成分である重合体の全繰り返し単位の5~95mol%、10~60mol%、又は15~50mol%の割合で含有されることが好ましい。
 オキサゾリン骨格を有する部位の導入量は、(A)成分である重合体の全繰り返し単位の5~50mol%、20~45mol%、又は25~40mol%であることが好ましい。
 カルボキシ基を有する部位の導入量は、(A)成分である重合体の全繰り返し単位の5~55mol%、20~50mol%、又は25~45mol%であることが好ましい。
 上記その他モノマー由来の構造の含有量は、(A)成分である重合体の全繰り返し単位の0~40mol%、0~30mol%、又は0~20mol%であることが好ましい。
<特定重合体の製造方法>
 本発明の液晶配向剤に含有される(A)成分の特定重合体は、上記の式(pa-1)で表される光配向性基を有するモノマー、オキサゾリン骨格を有するモノマー、カルボキシ基を有するモノマー及び、所望により上記その他モノマーと共重合することができる。
 本発明における(A)成分の特定重合体の製造方法については、特に限定されるものではなく、工業的に扱われている汎用な方法が利用できる。具体的には、モノマーのビニル基を利用したカチオン重合やラジカル重合、アニオン重合により製造することができる。これらの中では反応制御のしやすさなどの観点からラジカル重合が特に好ましい。
 ラジカル重合の重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤や、可逆的付加-開裂型連鎖移動(RAFT)重合試薬等の公知の化合物を使用することができる。
 ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することにより、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド類(メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、ジアシルパーオキサイド類(アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、ハイドロパーオキサイド類(過酸化水素、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド類(ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パーオキシケタール類(ジブチルパーオキシシクロヘキサン等)、アルキルパーエステル類(パーオキシネオデカン酸-tert-ブチルエステル、パーオキシピバリン酸-tert-ブチルエステル、パーオキシ 2-エチルシクロヘキサン酸-tert-アミルエステル等)、過硫酸塩類(過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、および2,2’-ビス(2-ヒドロキシエチル)アゾビスイソブチロニトリル等)が挙げられる。
 このようなラジカル熱重合開始剤は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
 ラジカル光重合開始剤は、ラジカル重合を光照射によって開始する化合物であれば特に限定されない。このようなラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン等、公知の化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用することもできる。
 ラジカル重合法は、特に制限されるものでなく、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈殿重合法、塊状重合法、溶液重合法等を用いることができる。
 (A)成分の特定重合体の重合反応に用いる溶媒としては、生成した高分子が溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述の<溶媒>の項に記載の溶媒、例えば、N-アルキル-2-ピロリドン類、ジアルキルイミダゾリジノン類、ラクトン類、カーボネート類、ケトン類、式(Sv-1)で表される化合物及び式(Sv-2)で表される化合物、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
 これら溶媒は単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、生成する高分子を溶解させない溶媒であっても、生成した高分子が析出しない範囲で、上述の溶媒に混合して使用してもよい。
 また、ラジカル重合において溶媒中の酸素は重合反応を阻害する原因となるので、有機溶媒は可能な程度に脱気されたものを用いることが好ましい。
 ラジカル重合の際の重合温度は30~150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは50~100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、モノマー濃度は、好ましくは1~50質量%、より好ましくは5~30質量%であるのがよい。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
 上述のラジカル重合反応においては、ラジカル重合開始剤の比率がモノマーに対して多いと得られる高分子の分子量が小さくなり、少ないと得られる高分子の分子量が大きくなるので、ラジカル開始剤の比率は重合させるモノマーに対して0.1~10mol%であることが好ましい。また重合時には各種モノマー成分や溶媒、開始剤などを追加することもできる。
[重合体の回収]
 上述の反応により得られた反応溶液から、生成した高分子を回収する場合には、反応溶液を貧溶媒に投入して、それら重合体を沈殿させれば良い。沈殿に用いる貧溶媒としては、メタノール、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ブチルセロソルブ、ヘプタン、エタノール、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、水等を挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させた重合体は、濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2~10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素等が挙げられ、これらの中から選ばれる3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
 (A)成分の特定重合体の分子量は、得られる塗膜の強度、塗膜形成時の作業性、および塗膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量が、2,000~1,000,000が好ましく、より好ましくは、5,000~100,000である。
<(B)成分>
 本発明の液晶配向剤は、(B)成分として、ポリイミド及びその前駆体から選ばれる重合体を含有していてもよい。(B)成分である重合体を含有することにより、電圧保持率向上や残留電荷蓄積抑制等の電気特性のさらなる向上を図ることができる。
 (B)成分であるポリイミド及びその前駆体から選ばれる重合体は、好ましくは垂直配向性基及びtert-ブトキシカルボニル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するか、化学的イミド化されているかの少なくとも一方である重合体である。
 かかる(B)成分の重合体は、ポリイミド及びその前駆体(以下、ポリイミド成分ともいう)であって、(A)成分である重合体と表面エネルギーが近い成分である。(A)成分のようなアクリル成分は基本的に極性が低く、表面エネルギーが低い。一方、ポリイミド成分は極性が高く、表面エネルギーが高い。しかし、この二成分の表面エネルギーの差異が大きすぎると、うまく相溶せず凝集が発生することにより、凹凸のある膜ができたり、ハジキやムラが発生することによりプロセスマージンが狭くなってしまうといった問題を生じる恐れがある。そこで、ポリイミド成分の極性を低くすることにより、表面エネルギーをアクリル成分よりは高いものの、差異が小さい値に制御することができる。ポリイミド成分の極性を下げる方法として、化学的イミド化をしたのちに(A)成分と混ぜる方法や、側鎖を導入する方法がある。
 そのような重合体としては、公知のテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸誘導体と公知のジアミンとを重合したのち、化学的イミド化して得られる重合体、側鎖を有するジアミンを用いて得られるポリイミド前駆体、それをイミド化して得られるポリイミド、tert-ブトキシカルボニル基を有するジアミンを用いて得られるポリイミド前駆体、それをイミド化して得られるポリイミドなどが挙げられる。このような側鎖や化学的イミド化により、表面エネルギーを(A)成分であるアクリルポリマーに近づけることができるため、液晶配向剤を塗布、焼成して硬化膜を形成した際に、凝集等が起こらず、平坦な硬化膜を与えることができる。側鎖を有するジアミンとしては、国際特許出願公開WO2016/125870の段落[0023]~[0039]に記載の、式(2)、(3)、(4)、(5)で表されるジアミン及びその具体例としての式[A-1]~[A-32]で表されるジアミンが挙げられる。tert-ブトキシカルボニル基を有するジアミンとしては、国際特許出願公開WO2017/119461の段落[0011]~[0034]に記載の式[A-1]、[A-2]、[A-3]の構造を有するジアミンおよびその具体例として例示されているジアミンが挙げられる。
 本発明の液晶配向剤が(B)成分である重合体を含有する場合における(A)成分である重合体と(B)成分である重合体との含有比率は、(A)成分:(B)成分の質量比が5:95~95:5であることが好ましく、10:90~90:10であることがより好ましく、20:80~60:40であることがさらに好ましい。
<(C)成分>
 本発明に用いられる液晶配向剤は、(C)成分として架橋剤を含有することもできる。
 (C)成分である架橋剤としては、エポキシ化合物、アミノ基を2個以上有する化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、フェノプラスト化合物、ブロックイソシアネート化合物等の低分子化合物、N-アルコキシメチルアクリルアミドの重合体、エポキシ基を有する化合物の重合体、イソシアネート基を有する化合物の重合体等の重合体が挙げられる。
 上述したエポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6-テトラグリシジル-2,4-ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、及びN,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
 アミノ基を2個以上有する化合物の例としては、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、芳香族-脂肪族ジアミン、脂肪族ジアミン等のジアミンが挙げられる。
 脂環式ジアミン類の例としては、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
 芳香族ジアミン類の例としては、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノトルエン、3,5-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノ-2-メトキシベンゼン、2,5-ジアミノ-p-キシレンおよび1,3-ジアミノ-4-クロロベンゼンなどが挙げられる。
 芳香族-脂肪族ジアミンの例としては、3-アミノベンジルアミン、4-アミノベンジルアミン、3-アミノ-N-メチルベンジルアミン、4-アミノ-N-メチルベンジルアミン、3-アミノフェネチルアミン、4-アミノフェネチルアミン、3-アミノ-N-メチルフェネチルアミン、4-アミノ-N-メチルフェネチルアミン、3-(3-アミノプロピル)アニリン、4-(3-アミノプロピル)アニリン、3-(3-メチルアミノプロピル)アニリン、4-(3-メチルアミノプロピル)アニリン、3-(4-アミノブチル)アニリン、4-(4-アミノブチル)アニリン、3-(4-メチルアミノブチル)アニリン、4-(4-メチルアミノブチル)アニリン、3-(5-アミノペンチル)アニリン、4-(5-アミノペンチル)アニリン、3-(5-メチルアミノペンチル)アニリン、4-(5-メチルアミノペンチル)アニリン、(6-アミノ-2-ナフチル)メチルアミン、(6-アミノ-3-ナフチル)メチルアミン、2-(6-アミノ-2-ナフチル)エチルアミン、2-(6-アミノ-3-ナフチル)エチルアミンなどが挙げられる。
 脂肪族ジアミン類の例としては、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,3-ジアミノ-2,2-ジメチルプロパン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,7-ジアミノ-2,5-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-4,4-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-3-メチルヘプタン、1,9-ジアミノ-5-メチルノナンなどが挙げられる。
 メチロール化合物の具体例としては、アルコキシメチル化ウレア、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、及びアルコキシメチル化メラミン等の化合物が挙げられる。
 アルコキシメチル化ウレアの具体例としては、例えば、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6-テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6-テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,1,3,3-テトラキス(ブトキシメチル)尿素、1,1,3,3-テトラキス(メトキシメチル)尿素、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-4,5-ジヒドロキシ-2-イミダゾリジノン、および1,3-ビス(メトキシメチル)-4,5-ジメトキシ-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。市販品として、ダイセル・オルネクス(株)製グリコールウリル化合物(商品名:サイメル(登録商標)1170、パウダーリンク(登録商標)1174)等の化合物、メチル化尿素樹脂(商品名:UFR(登録商標)65)、ブチル化尿素樹脂(商品名:UFR(登録商標)300、U-VAN10S60、U-VAN10R、U-VAN11HV)、DIC(株)製尿素/ホルムアルデヒド系樹脂(高縮合型、商品名:アミディア(登録商標)J-300S、同P-955、同N)等が挙げられる。
 アルコキシメチル化ベンゾグアナミンの具体例としては、例えば、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン等が挙げられる。市販品として、ダイセル・オルネクス(株)製(商品名:サイメル(登録商標)1123)、(株)三和ケミカル製(商品名:ニカラック(登録商標)BX-4000、同BX-37、同BL-60、同BX-55H)等が挙げられる。
 アルコキシメチル化メラミンの具体例としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。市販品として、ダイセル・オルネクス(株)製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:サイメル(登録商標)300、同301、同303、同350)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:マイコート(登録商標)506、同508)、三和ケミカル製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:ニカラック(登録商標)MW-30、同MW-22、同MW-11、同MS-001、同MX-002、同MX-730、同MX-750、同MX-035)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:ニカラック(登録商標)MX-45、同MX-410、同MX-302)等が挙げられる。
 また、このようなアミノ基の水素原子がメチロール基又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン化合物、尿素化合物、グリコールウリル化合物及びベンゾグアナミン化合物を縮合させて得られる化合物であってもよい。例えば、米国特許第6323310号に記載されているメラミン化合物およびベンゾグアナミン化合物から製造される高分子量の化合物が挙げられる。前記メラミン化合物の市販品としては、商品名:サイメル(登録商標)303(ダイセル・オルネクス(株)製)等が挙げられ、前記ベンゾグアナミン化合物の市販品としては、商品名:サイメル(登録商標)1123(ダイセル・オルネクス(株)製)等が挙げられる。
 イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、VESTANAT B1358/100、VESTAGON BF 1540(以上、イソシアヌレート型変性ポリイソシアネート、エボニック ジャパン(株)製)、タケネート(登録商標)B-882N、同B-7075(以上、イソシアヌレート型変性ポリイソシアネート、三井化学(株)製)等が挙げられる。
 フェノプラスト化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられるが、フェノプラスト化合物は以下の化合物例に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 前記分子末端にヒドロキシアルキルアミド基を2個以上有する化合物の具体的な例としては、例えば下記の化合物やPrimid QM-1260、SF-4510(以上、EMS-GRILTECH社製)が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS-50(以上、東ソー(株)製)、タケネートB-830、B-815N、B-820NSU、B-842N、B-846N、B-870N、B-874N、B-882N(以上、三井化学(株)製)等を挙げることができる。
 さらに、上述したN-アルコキシメチルアクリルアミドの重合体としては、例えば、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基で置換されたアクリルアミド化合物又はメタクリルアミド化合物を使用して製造されるポリマーが挙げられる。
 そのようなポリマーの具体例としては、例えば、ポリ(N-ブトキシメチルアクリルアミド)、N-ブトキシメチルアクリルアミドとスチレンとの共重合体、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミドとメチルメタクリレートとの共重合体、N-エトキシメチルメタクリルアミドとベンジルメタクリレートとの共重合体、及びN-ブトキシメチルアクリルアミドとベンジルメタクリレートと2-ヒドロキシプロピルメタクリレートとの共重合体等が挙げられる。このようなポリマーの重量平均分子量は、1,000~200,000であり、より好ましくは3,000~150,000であり、さらに好ましくは3,000~50,000である。
 エポキシ基を有する化合物の重合体としては、例えば、グリシジルメタクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等のエポキシ基を有する化合物を使用して製造されるポリマーが挙げられる。
 そのようなポリマーの具体例としては、例えば、ポリ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート)、ポリ(グリシジルメタクリレート)、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、グリシジルメタクリレートとスチレンとの共重合体等が挙げられる。このようなポリマーの重量平均分子量は、1,000~200,000であり、より好ましくは3,000~150,000であり、さらに好ましくは3,000~50,000である。
 上述したイソシアネート基を有する化合物の重合体としては、例えば、2-イソシアナトエチルメタクリレート(カレンズMOI[登録商標]、昭和電工(株)製)、2-イソシアナトエチルアクリレート(カレンズAOI[登録商標]、昭和電工(株)製)等のイソシアネート基を有する化合物、または2-(O-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチルメタクリレート(カレンズMOI-BM[登録商標]、昭和電工(株)製)、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI-BP[登録商標]、昭和電工(株)製)等のブロックイソシアネート基を有する化合物を使用して製造されるポリマーが挙げられる。
 そのようなポリマーの具体例としては、例えば、ポリ(2-イソシアナトエチルアクリレート)、ポリ(2-(O-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチルメタクリレート)、2-イソシアナトエチルメタクリレートとスチレンとの共重合体、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体等が挙げられる。このようなポリマーの重量平均分子量は、1,000~200,000であり、より好ましくは3,000~150,000であり、さらに好ましくは3,000~50,000である。
 これらの架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
 本発明に用いる液晶配向剤に(C)成分の架橋剤を含有させる場合の含有量は、(A)成分である樹脂の100質量部に基づいて1~100質量部であることが好ましく、より好ましくは1~80質量部である。
[液晶配向剤の調製]
 本発明に用いられる液晶配向剤は、液晶配向膜の形成に好適となるように塗布液として調製されることが好ましい。すなわち、本発明の液晶配向剤は、樹脂被膜を形成するための樹脂成分が有機溶媒に溶解した溶液として調製されることが好ましい。ここで、その樹脂成分とは、既に説明した(A)成分である特定重合体および必要に応じて(B)成分である重合体である。その際、(A)成分の特定重合体の含有量と(B)成分である重合体の含有量との合計は、液晶配向剤全体に対して0.5~20質量%が好ましく、より好ましくは1~20質量%、さらに好ましくは1~15質量%、特に好ましくは1~10質量%であるのがよい。
<溶媒>
 本発明に用いられる液晶配向剤に含有する溶媒は、(A)成分、必要に応じて(B)成分及び(C)成分を溶解させる溶媒であれば特に限定されない。液晶配向剤に含有する溶媒は1種でも良く、2種類以上混合して使用しても良い。また、(A)成分や(B)成分を溶解させる溶媒でなくとも、(A)成分や(B)成分を溶解させる溶媒と併用することができる。この場合、(A)成分や(B)成分を溶解させない溶媒の表面エネルギーが(A)成分や(B)成分を溶解させる溶媒よりも低いと、液晶配向剤の基板への塗布性を良くすることができるため好ましい。
 具体例として、水、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドンなどのN-アルキル-2-ピロリドン類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルカプロラクタム、テトラメチル尿素、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-エトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのジアルキルイミダゾリジノン類、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトンなどのラクトン類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、イソアミルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルイソブチルケトン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類、下記式(Sv-1)で表される化合物及び下記式(Sv-2)で表される化合物、酢酸4-メチル-2-ペンチル、酢酸2-エチルブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2-メチルシクロヘキシル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、ジイソブチルカルビノール、ジイソペンチルエーテル等をあげることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 式(Sv-1)~(Sv-2)中、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基であり、Xは酸素原子又は-COO-であり、Xは単結合又はカルボニル基であり、Rは炭素数2~4のアルカンジイル基である。nは1~3の整数である。nが2又は3の場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。Zは炭素数1~6の2価の炭化水素基であり、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基である)等が挙げられる。
 式(Sv-1)中、Y及びYの炭素数1~6の1価の炭化水素基として、例えば炭素数1~6の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1~6の1価の脂環式炭化水素基及び炭素数1~6の1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭素数1~6の1価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1~6のアルキル基等を挙げることができる。Rのアルカンジイル基は直鎖状でも分岐状でもよい。
 式(Sv-2)中、Zの炭素数1~6の2価の炭化水素基として、例えば炭素数1~6のアルカンジイル基等を挙げることができる。
 Y及びYの炭素数1~6の1価の炭化水素基としては、炭素数1~6の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1~6の1価の脂環式炭化水素基及び炭素数1~6の1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭素数1~6の1価の鎖状炭化水素基としては炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。
 式(Sv-1)で表される溶媒の具体例としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコール-i-プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、3-メトキシブチルアセテート、3-エトキシブチルアセタート等を;
 (Sv-2)で表される溶媒の具体例としては、例えばグリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、エチル-3-エトキシプロピオネート、メチル-3-メトキシプロピオネート、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチルなどをそれぞれ挙げることができる。
 前記溶媒としては沸点が80~200℃にあることが好ましい。より好ましくは、80~180℃であり、好ましい溶媒として、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1-プロパノール、イソプロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、イソアミルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルイソブチルケトン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、酢酸4-メチル-2-ペンチル、酢酸2-エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2-メチルシクロヘキシル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、ジイソブチルカルビノール、ジイソペンチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコール-i-プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシブチルアセテート、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、エチル-3-エトキシプロピオネート、メチル-3-メトキシプロピオネート、3-メトキシプロピオン酸エチル、等を挙げることができる。
 沸点がこの範囲であることは、特に、前記溶媒を含む液晶配向剤が後述するプラスチック基板上に塗布される場合に好ましい。
<他の成分>
 本発明に用いられる液晶配向剤は、上記(A)成分、必要に応じて(B)成分及び(C)成分以外の他の成分を含有してもよい。このような他の成分としては、架橋触媒や、液晶配向剤を塗布した際の、膜厚均一性や表面平滑性を向上させる化合物、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物、等を挙げることができるが、これに限定されない。
<架橋触媒>
 本発明に用いられる液晶配向剤に、オキサゾリン骨格とカルボキシ基との反応を促進させる目的で、架橋触媒を添加してもよい。このような架橋触媒としては、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-フェノールスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p-キシレン-2-スルホン酸、m-キシレン-2-スルホン酸、4-エチルベンゼンスルホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ(2-エトキシエタン)スルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタン-1-スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸またはその水和物や塩等が挙げられる。熱により酸を発生する化合物としては、例えば、1,2-ビス(トシルオキシ)エタン、1,3-ビス(トシルオキシ)プロパン、1,4-ビス(トシルオキシ)ブタン、p-ニトロベンジルトシラート、o-ニトロベンジルトシラート、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、p-トルエンスルホン酸モルフォニウム塩、p-トルエンスルホン酸エチルエステル、p-トルエンスルホン酸プロピルエステル、p-トルエンスルホン酸ブチルエステル、p-トルエンスルホン酸イソブチルエステル、p-トルエンスルホン酸メチルエステル、p-トルエンスルホン酸フェネチルエステル、シアノメチルp-トルエンスルホネート、2,2,2-トリフルオロエチル-p-トルエンスルホネート、2-ヒドロキシブチル-p-トルエンスルホネート、N-エチル-p-トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
[膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物]
 膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびノ二オン系界面活性剤等が挙げられる。
 具体的には、例えば、エフトップ(登録商標)301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成社製)、メガファック(登録商標)F171、F173、R-30(DIC社製)、フロラードFC430、FC431(スリーエム社製)、アサヒガード(登録商標)AG710(AGC社製)、サーフロン(登録商標)S-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(AGCセイミケミカル社製)等が挙げられる。
 これらの界面活性剤の使用割合は、重合体組成物に含有される樹脂成分の100質量部に対して、好ましくは0.01~2質量部、より好ましくは0.01~1質量部である。
[液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物]
 液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物などが挙げられる。
 例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、2-アミノプロピルトリメトキシシラン、2-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-3-トリエトキシシリルプロピルトリエチレンテトラミン、N-3-トリメトキシシリルプロピルトリエチレンテトラミン、10-トリメトキシシリル-1,4,7-トリアザデカン、10-トリエトキシシリル-1,4,7-トリアザデカン、9-トリメトキシシリル-3,6-ジアザノニルアセテート、9-トリエトキシシリル-3,6-ジアザノニルアセテート、N-ベンジル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シラン含有化合物が挙げられる。
 基板との密着性を向上させる化合物を使用する場合、その使用量は、重合体組成物に含有される樹脂成分100質量部に対して0.1~30質量部であることが好ましく、より好ましくは1~20質量部である。
 ある実施形態において、光配向性基の光反応性を向上させるために添加剤として、光増感剤を用いることもできる。具体例として、芳香族2-ヒドロキシケトン(ベンゾフェノン)、クマリン、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、アセトフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、およびアセトフェノンケタール等を挙げることができる。
<液晶配向膜及び液晶表示素子>
 本発明の液晶配向剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は一部の垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜とすることができる。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル及びトリアセチルセルロースなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。
 基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム-酸化スズ(In-SnO)からなるITO膜などを用いることができる。
<塗膜形成工程>
 本発明の液晶配向剤の塗布方法は特に限定されないが、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット、ディップコーティング、ロールコーティング、スリットコーティング、スピンコーティングなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。これらの方法により基板上に塗布した後、ホットプレートなどの加熱手段により溶媒を蒸発させて、塗膜を形成させることができる。
 液晶配向剤を塗布した後の焼成は、40~300℃の任意の温度で行うことができるが、好ましくは40℃~250℃であり、より好ましくは40℃~230℃である。
 基板上に形成される塗膜の膜厚は、好ましくは5~1,000nmであり、より好ましくは10~500nm又は10~300nmである。この焼成はホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などで行うことができる。
 ラビング処理には、レーヨン布、ナイロン布、コットン布などを使用することができる。
<光照射工程>
 ある実施形態において光照射による配向処理を行ってもよく、例えば上記の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜が液晶層と接触していない状態で又は液晶層と接触した状態で前記塗膜に光照射する工程とを含んでもよい。
 光照射による配向処理で照射する光としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線、可視光線などを挙げることができる。これらのうち、300~400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。照射光は偏光であっても非偏光であってもよい。偏光としては、直線偏光を含む光を使用することが好ましい。
 光の照射は、用いる光が偏光である場合には、基板面に垂直の方向から行っても斜め方向から行ってもよく、あるいはこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光を照射する場合には、基板面に対して斜めの方向から行うことが好ましい。
 光の照射量は、0.1mJ/cm以上1,000mJ/cm未満とすることが好ましく、1~500mJ/cmとすることがより好ましく、2~200mJ/cmとすることがさらに好ましい。
 本発明の液晶表示素子は通常の方法により作製することができ、その作製方法は特に限定されるものではない。上記一対の基板が、適正なギャップを介して対向し、基板間に挟持される液晶の厚さを均一とする目的で、基板間にスペーサーを配置することが好ましい。このスペーサーとしては、旧来からの散布型スペーサー、感光性のスペーサー形成用組成物から形成されたスペーサーなどの公知のスペーサー材料を使用することができるほか、液晶硬化物からなる層に形成した凹凸をスペーサーとして使用することも可能である。
<液晶挟持工程>
 基板間に液晶を挟持して液晶セルを構成するには、例えば以下の2つの方法を挙げることができる。第1の方法として、各液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して一対の基板を対向配置し、該一対の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面および適当なシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造する方法を挙げることができる。
 第2の方法として、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数カ所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造する方法(ODF(One Drop Fill)法)を挙げることができる。
 液晶としては、用途に応じて正や負の誘電率異方性を有するフッ素系液晶やシアノ系液晶、また加熱および光照射のうちの少なくとも1種の処理によって重合する液晶化合物または液晶組成物(以下、重合性液晶又は硬化性液晶組成物ともいう)を用いても良い。
 ある実施形態において、前記液晶配向剤の塗膜を形成する工程が、ロール・ツー・ロール方式によって行われてもよい。ロール・ツー・ロール方式によって行われると、液晶表示素子の製造工程を簡略化し、製造コストを削減することが可能となる。
 そして、前記液晶セルの外側両面に偏光板を貼付することにより、液晶表示素子を得ることができる。
 液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。
 上記のようにして本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、液晶配向性が良好であり、プレチルト角発現能にも優れ、且つ高い信頼性が得られる。また、本発明の方法によって製造された液晶表示素子は優れた表示特性を有する。
 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定して解釈されるものではない。化合物の略号、及び各特性の測定方法は以下の通りである。Bocはtert-ブトキシカルボニル基を表す。
<メタクリルモノマー>
(光配向性モノマー)
 MA-1は特許文献(WO2017/115790号)に記載の合成法にて合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(カルボキシ基含有モノマー)
 MAA:メタクリル酸
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(オキサゾリン骨格含有モノマー)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
<テトラカルボン酸二無水物モノマー>
 A1~A8:それぞれ、下記式[A1]~[A8]で表される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
<側鎖ジアミンモノマー>
 B1~B14:それぞれ、下記式[B1]~[B14]で表される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
<その他ジアミンモノマー>
 C1~C20:それぞれ、下記式[C1]~[C20]で表される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
(架橋剤成分)
 D1~D3:それぞれ、下記式[D1]~[D3]で表される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
(重合開始剤)
 AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
(溶媒)
 NMP:N-メチル-2-ピロリドン
 BCS:ブチルセロソルブ
 THF:テトラヒドロフラン
<分子量測定>
 合成例におけるポリマーの分子量はセンシュー科学社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(SSC-7200、Shodex社製カラム(KD-803、KD-805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃、溶離液:DMF(添加剤として、臭化リチウム-水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、THFが10ml/L)、流速:1.0mL/分
 検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
<イミド化率測定>
 合成例におけるイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d、0.05%TMS混合品)1.0mLを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW-ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5~10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。なお下記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基のプロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
 イミド化率(%)=(1-α・x/y)×100
<モノマーの合成>
 MB-1は、文献等未公開の新規化合物であり、下記モノマー合成例1でその合成法を詳述する。
H-NMRの測定>
 装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT-NMR)「AVANCE III」(BRUKER社製)500MHz。
 溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)。
 標準物質:テトラメチルシラン(TMS)。
(モノマー合成例1:[MB-1]の合成)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
([MB-1-1]の合成)
 4-ヒドロキシベンゾニトリルを原料として文献(Organic Letters, 14(23), 5900-5903; 2012)と同様の手法で[MB-1-1]を得た。
([MB-1-2]の合成)
 2000mLの4口ナスフラスコ中、1,2-ジクロロベンゼン(428g)、MB-1-1(42.8g,262mmоl)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(70.1g)、及び塩化亜鉛(17.9g)を仕込み、窒素雰囲気150℃加熱条件下で24時間反応させて原料を消失させた。反応終了後、反応溶液を室温に戻し、クロロホルム(428g)、純水(642g)、及びエチレンジアミン(31.5g)を加えて、分液処理を行った。続いて、純水(500g)で有機相を2回洗浄後、有機相を回収した。回収した有機相を減圧濃縮することで内部重量を532gとし、ヘキサン(1470g)加えて結晶を析出させ、濾別し、乾燥させることで[MB-1-2]を白色結晶として得た(収量:50.6g、収率:82%)。
([MB-1]の合成)
 1000mLの4口ナスフラスコ中、テトラヒドロフラン(300g)、MB-1-2(30.0g、128mmоl)、トリエチルアミン(25.9g)、及び2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(84.6mg)を仕込み、窒素雰囲気氷冷条件下でメタクリル酸クロリド(14.7g)を滴下した。滴下後、室温条件下で一晩反応させ、原料を消失させた。反応終了後、純水(1800g)に反応液を注ぎ込み結晶を析出させ、ろ過により粗結晶を回収した。粗結晶を酢酸エチルに溶解させ、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理を行った。続いて、酢酸エチル溶液を減圧濃縮することで内部重量を86.7gとし、ヘキサン(270g)を加えて結晶を析出させ、濾別し、乾燥させることで[MB-1]を白色結晶として得た(収量:22.9g、収率:59%)。
H-NMR(500 MHz,DMSO-d):δ(ppm)=7.76-7.79(m,2H),7.01-7.04(m,2H),6.03(s,1H),5.70(s,H),4.43-4.45(m,2H),4.06-4.32(m,2H),4.06(s,2H),1.88(s,3H),1.26(s,6H)
<ポリメタクリレートの合成>
(合成例1)
 MA-1(3.04g、6.00mmol)、MB-1(1.52g、5.00mmol)及び、MAA(0.77g、9.00mmol)をNMP(31.1g)中に溶解し、ダイアフラムポンプで脱気を行った後、重合開始剤としてAIBN(0.16g、0.97mmol)を加え、再び脱気を行った。この後、窒素雰囲気下60℃で13時間反応させポリマー溶液を得た。
 次いで、このポリマー溶液(4.0g)に、NMP(5.0g)、BCS(6.0g)を加え、室温にて撹拌することにより、ポリメタクリレート溶液(MP1)を得た。
 このポリマーの数平均分子量は32,000、重量平均分子量は121,000であった。
(合成例2)
 表1に示す組成にて、ポリマー合成例1と同様の方法を用いて、ポリメタクリレート溶液(MP2)を合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000023
<ポリアミック酸の合成>
(合成例3)
 B1(2.28g、6.00mmol)、C2(1.22g、8.00mmol)、C7(1.45g、6.00mmol)及びA1(2.23g、11.4mmol)をNMP(27.2g)中に溶解し、60℃で5時間反応させたのち、A2(1.00g、4.00mmol)及びA4(0.87g、4.00mmol)とNMP(9.1g)を加え、40℃で10時間反応させることで、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(PAA-1A)を得た。
 得られたポリアミック酸溶液(10.0g)にNMP(20.0g)、BCS(20.0g)を加え、室温で2時間撹拌することにより、固形分濃度4.0質量%のポリアミック酸溶液(PAA-1)を得た。
(合成例4~21)
 表2に示す組成にて、合成例3と同様の方法を用いて、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液(PAA-2A)~(PAA-19A)及び固形分濃度4.0質量%のポリアミック酸溶液(PAA-2)~(PAA-19)を合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000024
<ポリイミドの合成>
(合成例22)
 ポリアミック酸溶液(PAA-1A)(15g)にNMPを加え固形分濃度6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.6g)及びピリジン(0.81g)を加え、75℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(210mL)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、数平均分子量は12,400、重量平均分子量は42,500であった。
 得られたポリイミド粉末(E)(2.0g)にNMP(14.7g)を加え、70℃にて20時間撹拌して溶解させた。この溶液にNMP(13.3g)、BCS(20.0g)を加え、室温で5時間撹拌することによりポリイミド溶液(SPI-1)を得た。
(合成例23~40)
 ポリアミック酸溶液(PAA-1A)の代わりに、合成例4~21で得られたポリアミック酸溶液(PAA-2A)~(PAA-19A)を使用したこと以外は、合成例22と同様の方法にて、ポリイミド溶液(SPI-2)~(SPI-19)を合成した。
<液晶配向剤の調製>
(実施例1)
 合成例1で得られたポリメタクリレート溶液(MP1)(10.0g)に、D3(0.04g)を加え、室温にて撹拌することにより、液晶配向剤(PM1)を得た。
(実施例2)
 合成例1で得られたポリメタクリレート溶液(MP1)(3.0g)に、合成例3で得られたポリアミック溶液(PAA-1)(7.0g)を加え、更にD3(0.04g)を加え、室温にて撹拌することにより、液晶配向剤(PM2)を得た。
(実施例3~20)
 表3に示すように、ポリアミック酸溶液(PAA-1)の代わりに(PAA-2)~(PAA-19)を用いたことを除いては実施例2と同様に実施することで、液晶配向剤(PM3)~(PM20)を得た。
(実施例21)
 合成例1で得られたポリメタクリレート溶液(MP1)(3.0g)に、合成例22で得られたポリイミド溶液(SPI-1)(7.0g)を加え、更にD3(0.04g)を加え、室温にて撹拌することにより、液晶配向剤(PM21)を得た。
(実施例22~39)
 表3に示すように、ポリイミド溶液(SPI-1)の代わりに(SPI-2)~(SPI-19)を用いたことを除いては実施例21と同様に実施することで、液晶配向剤(PM22)~(PM39)を得た。
(実施例40~41)
 表3に示すように、架橋剤成分(D3)の代わりに(D1)~(D2)を用いたことを除いては実施例2と同様に実施することで、液晶配向剤(PM40)~(PM41)を得た。
(比較例1)
 合成例2で得られたポリメタクリレート溶液(MP2)(10.0g)に、D3(0.04g)を加え、室温にて撹拌することにより、液晶配向剤(RPM1)を得た。
(比較例2)
 合成例2で得られたポリメタクリレート溶液(MP2)(3.0g)に、合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA-1)(7.0g)を加え、更にD3(0.04g)を加え、室温にて撹拌することにより、液晶配向剤(RPM2)を得た。
(比較例3)
 合成例2で得られたポリメタクリレート溶液(MP2)(3.0g)に、合成例22で得られたポリイミド溶液(SPI-1)(7.0g)を加え、更にD3(0.04g)を加え、室温にて撹拌することにより、液晶配向剤(RPM3)を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000025
<液晶表示素子の作製>
 実施例で得られた液晶配向剤(PM1)~(PM41)及び比較例で得られた液晶配向剤(RPM1)~(RPM3)を、それぞれ細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過した。
 得られた溶液をITO膜からなる透明電極付きガラス基板のITO面にスピンコートし、70℃のホットプレートで90秒間乾燥した後、200℃のホットプレートで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
 次いで、塗膜面に偏光板を介して、照射強度4.3mW/cmの波長313nmの直線偏光紫外線を基板法線方向から40°傾斜した角度から50mJ/cm照射し、液晶配向膜付き基板を得た。直線偏光紫外線は高圧水銀ランプの紫外光に波長313nmのバンドパスフィルターを通した後、波長313nmの偏光板を通すことで調製した。
 上記の基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜上に4μmのビーズスペーサーを散布した後、シール剤(三井化学社製、XN-1500T)を塗布した。次いで、もう一方の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が180°になるようにして張り合わせた後、120℃で90分間シール剤を熱硬化させることで空セルを作製した。この空セルに液晶(メルク社製、MLC-3022)を減圧注入法によって注入し、液晶表示素子を得た。
<評価>
(液晶配向性)
 上記で得られた液晶表示素子を120℃で1時間の等方相処理を行った後、偏光顕微鏡にてセル観察を行った。光抜けやドメイン発生などの配向不良が無い場合や液晶セルに電圧印加を行った際に均一な液晶の駆動が得られる場合を良好とした。評価結果を表4に示す。
(プレチルト角)
 上記で作製した液晶表示素子に、液晶セルのプレチルト角の測定は、Axo Metrix社製のAxoScanを用いて、ミューラーマトリックス法により測定した。このチルト角を90°から引いた値が大きいほど、チルト発現能が高いと言える。評価結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000026
 表4の結果からわかるように、光反応性モノマー、カルボキシ基含有モノマー及び、オキサゾリン骨格含有モノマーを共重合したポリメタクリレート溶液もしくは、そのポリメタクリレート溶液とポリアミック酸又はポリイミド溶液をブレンドした液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、比較例の液晶配向膜と比べて、チルト発現能が高かった。具体的には、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例21と比較例3との比較である。
 本発明の液晶配向剤、それから得られる液晶配向膜を用いた液晶表示素子は、車載用等の耐久性が要求される液晶表示素子に、好適に用いることができる。

Claims (7)

  1.  (A)成分として下記式(pa-1)
    (式中、Aは場合によりフッ素原子、塩素原子、シアノ基から選択される基によるか、又は炭素数1~5のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残基(これは、場合により1個のシアノ基又は1個以上のハロゲン原子で置換されている)で置換されている、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基、フラン-2,5-ジイル基、1,4-若しくは2,6-ナフチレン基又はフェニレン基を表し、Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-であり、Rは2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基または2価の縮合環式基であり、Rは単結合、酸素原子、-COO-または-OCO-であり、Rは炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3~40の1価の有機基であり、Dは、酸素原子、硫黄原子又は-NR-(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1~3のアルキルを表す)を表し、aは0~3の整数であり、aが2以上の場合、複数個のR及びRはそれぞれ独立して上記定義を有する。X及びYは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素数1~3のアルキル基である。*は結合位置を表す。)
    で表される光配向性基、オキサゾリン骨格及びカルボキシ基を有する重合体を含有する液晶配向剤。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
  2.  さらに、(B)成分としてポリイミド及びその前駆体から選ばれる重合体を含有する請求項1記載の液晶配向剤。
  3.  (B)成分が、tert-ブトキシカルボニル基を有する重合体である請求項1記載の液晶配向剤。
  4.  (B)成分が、化学的イミド化されている重合体である請求項1記載の液晶配向剤。
  5.  請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  6.  請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜が液晶層と接触していない状態で又は液晶層と接触した状態で前記塗膜に光照射する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
  7.  請求項5に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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