WO2023032330A1

WO2023032330A1 - 集塵装置及び作業機

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Publication number: WO2023032330A1
Application number: PCT/JP2022/014715
Authority: WO
Inventors: 智志阿部
Original assignee: 工機ホールディングス株式会社
Priority date: 2021-08-31
Filing date: 2022-03-25
Publication date: 2023-03-09

Abstract

集塵装置及び作業機の作業性を向上させる。ハンマ１０の作業機本体１に取り付けられ、かつ、軸線Ｃ１に沿って延びる先端工具８の周囲の粉塵を吸引する集塵装置４０である。集塵装置４０は、先端工具８に当接し、かつ、先端工具８の外周を覆うカバー部４２と、カバー部４２内に取り込まれた粉塵を外部へ排出可能なホース部４３と、作業機本体１に取り付けられる取付部４４と、先端工具８の軸線Ｃ１方向に沿って延び、取付部４４とカバー部４２とを連結する第１アーム４５及び第２アーム４６と、を備えている。さらに、集塵装置４０は、軸線Ｃ１周りにおける第２アーム４６とホース部４３との間の角度を変更可能であり、かつ固定可能な角度調整機構４８を有している。

Description

集塵装置及び作業機

本発明は、集塵装置及び集塵装置が取り付けられる作業機に関する。

作業機の一例として、モータと、先端工具と、前記モータ及び前記先端工具を支持する本体部と、を有し、かつ、集塵装置が取り付けられる回転打撃工具などの電動工具が提案されている。

上述のような電動工具として、例えば、特許文献１には、先端工具の周囲を覆うとともに先端工具に設けられたカバーに、集塵装置に繋がるホースが取り付けられた電動工具が開示されている。

特開２００８－２０７２８８号公報

上述の電動工具では、先端工具に設けられたカバーに集塵用のホースが取り付けられているため、作業機の本体部に対するホースの引き出し方向が予め決められている。したがって、作業者が作業時に利き手などの影響でホースの引き出し方向を変えたくても容易に変えることができず、作業性が悪かった。すなわち、作業者が作業状況に応じてホースの引き出し方向を容易に変えることが可能な集塵装置及び作業機が必要とされていた。

本発明の目的は、作業性を向上した集塵装置及び作業機を提供することである。

本発明の集塵装置は、作業機本体に取り付けられ、かつ、軸線に沿って延びる先端工具の周囲の粉塵を吸引する集塵装置であって、前記先端工具に当接し、かつ、前記先端工具の外周を覆うカバー部と、前記カバー部内に取り込まれた粉塵を外部へ排出可能なホース部と、前記作業機本体に取り付けられる取付部と、前記先端工具の軸線方向に延び、前記取付部と前記カバー部とを連結する連結部と、前記先端工具の軸線周りにおける前記連結部と前記ホース部との間の角度を、変更可能かつ固定可能な角度調整機構と、を有する。

また、本発明の作業機は、作業機本体と、前記作業機本体に取り付けられ、かつ、軸線に沿って延びる先端工具と、前記先端工具を駆動する駆動機構と、前記先端工具の周囲の粉塵を吸引する集塵装置と、を有し、前記集塵装置は、前記先端工具に当接し、かつ、前記先端工具の外周を覆うカバー部と、前記カバー部内に取り込まれた粉塵を外部へ排出可能なホース部と、前記作業機本体に取り付けられる取付部と、前記先端工具の軸線方向に延び、前記取付部と前記カバー部とを連結する連結部と、前記先端工具の軸線周りにおける前記連結部と前記ホース部との間の角度を、変更可能かつ固定可能な角度調整機構と、を備える。

本発明によれば、集塵装置及び作業機の作業性を向上させることができる。

本発明の実施の形態の集塵装置及び作業機の構造を示す断面図である。図１に示す集塵装置におけるカバー部及び連結部の構造を示す断面図である。図２のＡ－Ａ線に沿う切断面の構造を示す断面図である。図１に示す集塵装置の集塵機の構造を一部破断して示す側面図である。図１に示す作業機においてホース部の引き出し角度の調整状態を示す概略図であり、（ａ）は調整前、（ｂ）は調整後である。図１に示す集塵装置におけるカバー部の回転調整状態を示す断面図であり、（ａ）は調整前、（ｂ）は調整後である。図６（ａ）のＢ－Ｂ線に沿う切断面の構造を示す断面図である。図１に示す集塵装置が備えるベルト部の構造を示す平面図である。図１に示す集塵装置が備える第１アームの構造を示す図であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は断面図である。図１に示す集塵装置が備える第２アームの構造を示す図であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は断面図、（ｃ）は背面図である。第１アームの変形例の構造を示す図であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は断面図である。図１に示す集塵装置におけるカバー部の変形例の回転調整状態を示す断面図であり、（ａ）は調整前、（ｂ）は調整後である。図１に示す集塵装置における第１アームと第２アームの重ね方を示す断面図であり、（ａ）は変更前、（ｂ）は変更後である。図１に示す集塵装置における変形例のホースの保持状態を示す断面図である。

以下、本発明の実施の形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。

本実施の形態では、作業機の一例として、ハンマを取り上げ、このハンマと該ハンマに取り付けられる集塵装置について説明する。本実施の形態に係るハンマの用途は特に限定されないが、コンクリート壁や石材等の対象物にハツリ処理を施したり、対象物を破砕したりする作業に適している。

図１に示されるように、ハンマ１０は、例えば、ビット等の先端工具８を着脱可能である。ハンマ１０は、作業機本体１と、作業機本体１の下側に配置される駆動部（駆動機構）４と、作業機本体１に接続されたハンドル部２と、を有する。作業機本体１は、シリンダハウジング１ａ，中間ハウジング１ｂ及びモータハウジング１ｃから構成されており、これらは相互に固定されて一体化している。シリンダハウジング１ａは全体として円筒形である。そして、シリンダハウジング１ａの長手方向一端とハンドル部２との間に、中間ハウジング１ｂ及びモータハウジング１ｃが配置されている。以下の説明では、シリンダハウジング１ａの長手方向を前後方向Ｐ１と定義する。また、シリンダハウジング１ａの長手方向両側のうち、中間ハウジング１ｂ及びモータハウジング１ｃが配置されている側を後方と定義し、反対側を前方と定義する。すなわち、中間ハウジング１ｂ及びモータハウジング１ｃは、シリンダハウジング１ａの後端とハンドル部２との間に配置されている。

中間ハウジング１ｂとモータハウジング１ｃは上下に重なっており、ハンドル部２の一端がモータハウジング１ｃに接続され、ハンドル部２の他端が中間ハウジング１ｂに接続されている。以下の説明では、中間ハウジング１ｂに接続されているハンドル部２の他端を上端、モータハウジング１ｃに連結されているハンドル部２の一端を下端と定義する。換言すれば、ハンドル部２の延びる方向を、前後方向Ｐ１と直交する上下方向Ｑ１と定義する。また、前後方向及び上下方向の双方と直交する方向を左右方向Ｒ１と定義する。

シリンダハウジング１ａの内部には、円筒形のシリンダ１７及びリテーナスリーブ２５が収容されている。シリンダ１７及びリテーナスリーブ２５は同心であり、リテーナスリーブ２５の一部である先端工具保持部７は、シリンダハウジング１ａの先端から突出している。シリンダ１７及びリテーナスリーブ２５は相対回転不能に係合しており、シリンダ１７に回転力が伝達されると、シリンダ１７及びリテーナスリーブ２５が軸線Ｃ１を回転軸として一体回転する。また、先端工具８の一部がリテーナスリーブ２５の先端工具保持部７に挿入され、先端工具８は、リテーナスリーブ２５によって支持される。リテーナスリーブ２５の先端工具保持部７に挿入された先端工具８は、リテーナスリーブ２５に対して、回転方向には移動不能、かつ、前後方向Ｐ１には所定範囲で移動可能に係合する。よって、シリンダ１７及びリテーナスリーブ２５が回転すると、リテーナスリーブ２５の先端工具保持部７も回転し、これにより、先端工具８に回転力が伝達され、先端工具８が回転する。また、先端工具８に打撃力が伝達されると、先端工具８は前後方向Ｐ１に所定範囲で往復動する。すなわち、先端工具８は、後述する軸線Ｃ１方向に沿って延びる略円柱形状を有し、モータ１９の駆動力により前後方向Ｐ１に動作して所望の作業を行うビットである。

シリンダ１７内にはピストン９及びストライカ２２が往復動可能に収容されている。また、シリンダ１７とリテーナスリーブ２５とに跨ってセカンドハンマ２４が往復動可能に収容されている。これらピストン９，ストライカ２２及びセカンドハンマ２４は、シリンダ１７の後方から前方に向かってこの順で一列に並んでいる。さらに、シリンダ１７内であってピストン９とストライカ２２との間には空気室２３が設けられている。

モータハウジング１ｃ内の駆動部４には、動力源である電動のモータ１９が収容されている。つまり、モータ１９はモータハウジング１ｃによって支持される。そして、モータ１９は、例えば、インナーロータ型のブラシレスモータであって、筒形状のステータ１９ａと、ステータ１９ａの内側に配置されたロータ１９ｂと、ロータ１９ｂの内側に配置された出力軸１９ｃと、を有する。出力軸１９ｃはロータ１９ｂに固定されており、ロータ１９ｂを貫通して上下に伸びている。出力軸１９ｃの中心軸とシリンダ１７及びリテーナスリーブ２５の中心軸とは直交している。

ロータ１９ｂから突出している出力軸１９ｃの上部は、モータハウジング１ｃと中間ハウジング１ｂとの間の隔壁を貫通して中間ハウジング１ｂの内側に進入している。中間ハウジング１ｂ内に突出している出力軸１９ｃの上端側にはファン１９ｄが設けられており、さらに上端にはピニオンギヤ１９ｅが設けられている。中間ハウジング１ｂ内であって、出力軸１９ｃには、駆動軸３０が回転自在に配置されている。

また、駆動軸３０の下部にはピニオンギヤ１９ｅと噛合うギヤ３１が設けられており、駆動軸３０の上部には偏心ピン３２が設けられおり、この偏心ピン３２がコンロッド３３を介してピストン９に連結されている。すなわち、往復動機構部１８として、コンロッド３３とピストン９が設けられている。

なお、ハンドル部２の下端部には、電源ケーブル３が取り付けられており、電源ケーブル３は、商用電源に接続される。ハンドル部２にはトリガ５によりオンオフ操作されるトリガスイッチ６が設けられている。作業者が、トリガ５を操作すると、モータ１９が作動する。そして、モータ１９が作動すると、出力軸１９ｃの回転がピニオンギヤ１９ｅ及びギヤ３１を介して駆動軸３０に伝達され、駆動軸３０が回転する。

駆動軸３０が回転すると、駆動軸３０の上端に設けられている偏心ピン３２が駆動軸３０の中心軸を回転軸として回転する。すなわち、駆動軸３０の中心軸の周囲を偏心ピン３２が旋回する。この結果、コンロッド３３を介して偏心ピン３２と連結されているピストン９がシリンダ１７内で往復動する。ピストン９がストライカ２２から離反する方向に移動すると、つまりピストン９が後退すると、空気室２３内の圧力が低下し、ストライカ２２が後退する。一方、ピストン９がストライカ２２に近接する方向に移動すると、つまりピストン９が前進すると、空気室２３内の圧力が上昇し、ストライカ２２が前進する。ストライカ２２が前進すると、該ストライカ２２によってセカンドハンマ２４が打撃され、セカンドハンマ２４によって先端工具８が打撃される。このようにして先端工具８に断続的に打撃力が伝達される。これにより、先端工具８によって対象物に所望の作業が行われる。

次に、ハンマ１０に取り付けられる集塵装置４０について説明する。集塵装置４０は、作業機本体１に取り付けられる先端工具８の周囲の粉塵を吸引する装置である。集塵装置４０の構成は、軸線Ｃ１に沿って延びる先端工具８に当接し、かつ、先端工具８の外周を覆うカバー部４２と、カバー部４２内に取り込まれた粉塵を外部へ排出可能なホース部４３と、作業機本体１に取り付けられる取付部４４と、を備えている。さらに、集塵装置４０は、先端工具８の軸線Ｃ１方向に延び、かつ、取付部４４とカバー部４２とを連結する連結部と、軸線周り（軸線Ｃ１を中心とする周方向）Ｕ１における上記連結部とホース部４３との間の角度θを、変更可能かつ固定可能な角度調整機構４８と、を備えている。なお、ホース部４３には、アダプタ４３ａを介してホース４１ａが接続され、このホース４１ａに集塵機４１が接続されている。したがって、先端工具８の周囲の粉塵は、ホース４１ａを介して集塵機４１内に取り込まれる。

ここで、カバー部４２は、軸線Ｃ１に沿う形状の先端工具８によって支持されており、一方、取付部４４は、図２および図３に示されるように、ハンマ１０の作業機本体１のシリンダハウジング１ａにベルト部４４ｆによって固定されている。そして、カバー部４２と取付部４４とは、連結部である第１アーム（第１連結部材）４５及び第２アーム（第２連結部材）４６によって連結されている。

また、図４に示されるように、集塵機４１は、内部に設けられたモータ４１ｂによってファン４１ｅを回転させ、このファン４１ｅの回転によって空気の流れＳ１，Ｓ２，Ｓ３を生成し、ホース４１ａを介して粉塵を吸引する。吸引された粉塵は、フィルタ４１ｄによって除去され、集塵室４１ｃに収容される。

また、集塵装置４０では、図５に示されるように、角度調整機構４８において、カバー部４２を第２アーム４６に対し軸線周りＵ１に回転させることで、第２アーム４６とホース部４３との間の角度θを変更することができる。例えば、図５（ａ）に示される状態では、軸線周りＵ１における第２アーム４６とホース部４３との間の角度は、θ１である。この状態から軸線Ｃ１を中心として軸線周りＵ１にカバー部４２を所望の角度回転させることで、図５（ｂ）に示されるように、軸線周りＵ１における第２アーム４６とホース部４３との間の角度をθ２にすることが可能である。

ここで、図６及び図７に示されるカバー部４２の構造について説明する。カバー部４２は、図５に示されるように円筒形に形成されたゴム製の部材であり、図１に示す先端工具８が配置される貫通孔４２ａを有している。貫通孔４２ａの周囲には、環状の吸入口４２ｄが形成されている。また、カバー部４２は、吸入口４２ｄと連通する接続口４２ｂを備えたホース部４３を有している。さらに、カバー部４２には、環状の吸入口４２ｄの背面側に貫通孔４２ａを有した筒状部４２ｅが設けられている。なお、貫通孔４２ａの内壁には先端工具８に当接する当接部４２ｃが設けられている。具体的には、カバー部４２は、先端工具８に対し軸線Ｃ１方向及び軸線周りＵ１に相対移動可能な状態で当接する当接部４２ｃを有している。すなわち、集塵装置４０の構成部材であるカバー部４２は、当接部４２ｃにおいて先端工具８によって支持されている。

また、カバー部４２には、該カバー部４２を第２アーム４６に対して軸線Ｃ１方向一方側（後方側）に付勢するコイルスプリング（付勢部）４２ｇが設けられている。詳細には、カバー部４２の筒状部４２ｅの外周にコイルスプリング４２ｇが巻かれた状態で配置されている。なお、図７に示されるように、筒状部４２ｅの外周部には、周方向に沿って等間隔に配置された８つの凸部４２ｆが設けられている。そして、筒状部４２ｅの根元部において、該筒状部４２ｅに対して第２アーム４６が係合している。具体的には、図１０（ｃ）に示されるように、第２アーム４６は、折り曲げられたアーム端部に円形の係合孔４６ｃを有している。さらに、係合孔４６ｃの内周面には、一つ一つが筒状部４２ｅの凸部４２ｆと嵌合可能な８つの凹部４６ｄが設けられている。そして、筒状部４２ｅの根元部において、図７に示されるように、筒状部４２ｅの複数の凸部４２ｆと、第２アーム４６の係合孔４６ｃの内周面の複数の凹部４６ｄとが嵌合することで、第２アーム４６に対してカバー部４２が軸線周りＵ１に回転することなく固定された状態となる。このとき、図６（ａ）に示されるように、筒状部４２ｅの先端のフランジ部４２ｈと第２アーム４６との間にコイルスプリング４２ｇが配置されており、コイルスプリング４２ｇは、カバー部４２を第２アーム４６に対して軸線Ｃ１方向一方側（後方側）に付勢している。したがって、筒状部４２ｅの根元部において、カバー部４２の筒状部４２ｅと第２アーム４６の係合孔４６ｃとは、コイルスプリング４２ｇの付勢力により、複数の凸部４２ｆと複数の凹部４６ｄとの嵌合状態が維持され、第２アーム４６に対してカバー部４２が軸線周りＵ１に回転することなく固定された状態となっている（図６（ａ）の状態）。

そして、カバー部４２を第２アーム４６に対して軸線周りＵ１に回転させる際には、図６（ｂ）に示されるように、作業者がコイルスプリング４２ｇの付勢力に抗してカバー部４２の筒状部４２ｅを第２アーム４６に対して軸線Ｃ１方向他方側（前方側）に押し出す。第２アーム４６に対してカバー部４２の筒状部４２ｅを前方側に押し出すと、軸線Ｃ１方向における第２アーム４６に対する筒状部４２ｅの位置がずれて複数の凸部４２ｆと複数の凹部４６ｄとの嵌合状態が解除される。これにより、第２アーム４６に対してカバー部４２を軸線周りＵ１に回転させることが可能になる。すなわち、図５（ｂ）に示されるように、軸線周りＵ１における第２アーム４６とホース部４３との間の角度を、４５°間隔の所望の角度に変更することができる。このとき、作業者は、カバー部４２の筒状部４２ｅを前方側に押し付けながらカバー部４２を回転させる。つまり、図５に示される角度調整機構４８では、カバー部４２の第２アーム４６に対する相対位置が軸線Ｃ１方向一方側（後方側）に位置するときに第２アーム４６とホース部４３との間の角度が固定され、カバー部４２の第２アーム４６に対する相対位置が軸線Ｃ１方向他方側（前方側）に位置するときに第２アーム４６とホース部４３との間の角度が変更可能である。

そして、第２アーム４６とホース部４３との間の角度を所望の角度に変更した後、筒状部４２ｅの前方側への押し付けを停止することで、筒状部４２ｅの根元部において、筒状部４２ｅの複数の凸部４２ｆと、第２アーム４６の係合孔４６ｃの複数の凹部４６ｄとが再度嵌合し、第２アーム４６に対してカバー部４２が回転することなく固定された状態となる。

次に、集塵装置４０の取付部４４について、図３を用いて説明する。取付部４４は、第１アーム（第１連結部材）４５を作業機本体１のシリンダハウジング１ａに固定する部分である。取付部４４は、作業機本体１のシリンダハウジング１ａに当接するベース部４４ａと、作業機本体１、ベース部４４ａ及び第１アーム４５の周囲を巻回することで、ベース部４４ａ及び第１アーム４５を作業機本体１のシリンダハウジング１ａに取り付けるベルト部４４ｆと、を有している。ベース部４４ａは、樹脂製であるとともに、一面が開口した略箱状の部材であり、開口を形成する枠部４４ｍの一部がシリンダハウジング１ａの外周面に当接するように設けられている。略箱状のベース部４４ａの枠部４４ｍの反対側の面の外周部には、シリンダハウジング１ａの周方向に沿って３つの突起である端部突起４４ｂ、中央部突起４４ｃ及び端部突起４４ｄが設けられている。

一方、図８に示されるベルト部４４ｆは、伸縮性を有するゴム製であるとともに、該ベルト部４４ｆの延在方向に沿って複数の貫通孔４４ｋが所定の間隔で設けられている。そして、図３に示されるように、ベース部４４ａは、該ベース部４４ａの枠部４４ｍの一部がシリンダハウジング１ａの外周面に当接するようにベルト部４４ｆによって締め付けられて作業機本体１に固定されている。ベルト部４４ｆに複数の貫通孔４４ｋが設けられていることで、シリンダハウジング１ａの種々の直径に対応させてベース部４４ａを固定することができる。

また、図９（ａ）,（ｂ）に示されるように、第１アーム４５は金属製の板状部材であり、該第１アーム４５には、その両側の端部に丸孔４５ａが設けられているとともに、両側の丸孔４５ａの間に細長い長孔４５ｂが設けられている。そして、図３に示されるように、第１アーム４５は、該第１アーム４５の端部の丸孔４５ａ（図９参照）がベース部４４ａの中央部突起４４ｃに嵌め込まれている。このとき、樹脂製のベース部４４ａの中央部突起４４ｃの根元には、ベース部４４ａと一体に成形されたＬ字型の金具４４ｅが設けられており、第１アーム４５とベース部４４ａとの間にＬ字型の金具４４ｅが介在され、第１アーム４５とベース部４４ａとが接触しない構造となっている。ベース部４４ａをベルト部４４ｆによって作業機本体１に固定する際には、中央部突起４４ｃに第１アーム４５の丸孔４５ａが嵌め込まれた状態のベース部４４ａの枠部４４ｍを、作業機本体１のシリンダハウジング１ａの外周部に押し付けた状態で、まず、図８に示されるベルト部４４ｆの基端側貫通孔４４ｎをベース部４４ａの端部突起４４ｄに嵌め込む。そして、端部突起４４ｄを基点として、ベース部４４ａの枠部４４ｍを作業機本体１に押し付けた状態を維持しつつ、ベルト部４４ｆをシリンダハウジング１ａの外周部に沿って引き延ばしながら巻く。すなわち、ゴム製のベルト部４４ｆを引き延ばしながら作業機本体１及びベース部４４ａの周囲を巻回させる。そして、ベルト部４４ｆを引き延ばしつつ、例えば、ベルト部４４ｆの貫通孔４４ｇをベース部４４ａの端部突起４４ｂに嵌め込む。これにより、ベース部４４ａは、ベルト部４４ｆによって作業機本体１に固定される。さらに、第１アーム４５の丸孔４５ａが嵌め込まれた状態の中央部突起４４ｃにベルト部４４ｆの貫通孔４４ｈを嵌め込む。このとき、ベルト部４４ｆは、第１アーム４５を覆う程度に第１アーム４５上に配置される。そして、ベルト部４４ｆの貫通孔４４ｉをベース部４４ａの端部突起４４ｄに嵌め込む。このとき、端部突起４４ｄの先端には、フランジ４４ｊが形成されているため、端部突起４４ｄからベルト部４４ｆが容易に外れることはない。これにより、ベルト部４４ｆは、作業機本体１、ベース部４４ａ及び第１アーム４５の周囲を巻回し、作業機本体１にベース部４４ａが固定される。なお、第１アーム４５上においては、第１アーム４５は、ベルト部４４ｆに覆われている程度であり、ベース部４４ａの中央部突起４４ｃから脱落しない程度にベルト部４４ｆによって保持されている。したがって、第１アーム４５は、径方向Ｔ１及び丸孔４５ａの周方向においてある程度動ける状態となっている。言い換えると、取付部４４は、連結部である第１アーム４５の一端を、該第１アーム４５の他端側が揺動可能な状態となるように支持している。さらに、言い換えると、集塵装置４０の構成部材である第１アーム４５は、その一端が取付部４４によって支持されている。このとき、第１アーム４５とベース部４４ａとの間にＬ字型の金具４４ｅが介在されており、第１アーム４５とベース部４４ａとが接触しない構造となっているため、第１アーム４５が摺動してもベース部４４ａが削られることを抑制できる。

次に、集塵装置４０における連結部と固定部について説明する。図１０に示されるように、第２連結部材である第２アーム４６は、図１０（ｂ）に示される折り曲げ部４６ｂで折り曲げられてＬ字型に形成された金属製の板状部材である。図１０（ａ）に示される第２アーム４６の長尺部分には、細長い長孔４６ａが設けられている。また、図１０（ｃ）に示される第２アーム４６の短尺部分には、内周部に複数の凹部４６ｄを有した係合孔４６ｃが設けられている。この係合孔４６ｃには、図６に示されるカバー部４２の筒状部４２ｅが、図７に示されるように嵌め込まれており、図６（ｂ）に示されるように筒状部４２ｅの根元部で筒状部４２ｅと第２アーム４６とが係合している。

なお、図１に示されるように集塵装置４０において、連結部は、取付部４４に取り付けられる第１アーム４５（第１連結部材）と、カバー部４２に取り付けられる第２アーム４６（第２連結部材）と、第１アーム４５と第２アーム４６とを相対移動不能に固定する固定部とを有する。そして、該固定部は、蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂであり、蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂによって第１アーム４５と第２アーム４６とが固定される。具体的には、図１、図９及び図１０に示されるように、第１アーム４５の長孔４５ｂと第２アーム４６の長孔４６ａとに蝶ボルト４７ａが装着されて、第１アーム４５と第２アーム４６とが固定され、さらに、第１アーム４５の丸孔４５ａと第２アーム４６の長孔４６ａとに蝶ボルト４７ｂが装着されて、アーム同士が回転しないように固定されている。また、取付部４４からカバー部４２までを２本のアーム（第１アーム４５と第２アーム４６）で連結することで、先端工具８の種類によって取付部４４からカバー部４２までの距離が変わった際にも、２本のアームの連結長さを対応させることができる。すなわち、蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂによる２本のアームの固定位置を変えることで、取付部４４からカバー部４２までの距離に応じて第１アーム４５と第２アーム４６による連結長さを変えることが可能になる。言い換えると、固定部である蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂは、第１アーム４５に対する第２アーム４６の軸線Ｃ１方向の固定位置を変更することが可能であり、取付部４４からカバー部４２までの種々の距離に対応することが可能である。また、図１１に示されるような長さがさらに長い第１アーム４５を使用することで、作業機の長さ（作業機本体１の長さ）が長くなった場合でも、取付部４４からカバー部４２までの距離の変更に対応させることができる。

本実施の形態の集塵装置４０及びそれを用いたハンマ１０では、角度調整機構４８において、第２アーム４６の係合孔４６ｃに対するカバー部４２の筒状部４２ｅの嵌合を外すことで、カバー部４２を第２アーム４６に対し軸線Ｃ１周りに回転させることができ、第２アーム４６に対するカバー部４２に接続されるホース４１ａの軸線Ｃ１周りの引き出し方向を容易に変えることができる。言い換えると、作業機本体１に対する軸線Ｃ１周りのホース４１ａの引き出し方向（第２アーム４６とホース部４３との間の角度）を容易に変えることができる。例えば、作業機本体１に対するホース４１ａの引き出し方向は、顧客における作業状況によって様々である。また、作業者の利き手によってホース４１ａの引き出し方向を変えたい場合がある。そこで、本実施の形態の集塵装置４０及びハンマ１０では、角度調整機構４８において、第２アーム４６とカバー部４２の筒状部４２ｅとの嵌合を外すことで、容易に作業機本体１に対する軸線Ｃ１周りのホース４１ａの引き出し方向を変えることができる。すなわち、顧客における作業状況に応じて作業機本体１に対するホース４１ａの引き出し方向を容易に変えることができる。また、作業者の利き手に応じて作業機本体１に対するホース４１ａの引き出し方向を容易に変えることができる。これにより、集塵装置４０及びハンマ１０の作業性を向上させることができる。

また、集塵装置４０では、第１アーム４５は、その一端が作業機本体１に取り付けられる取付部４４によって支持され、かつ、第１アーム４５と連結される第２アーム４６と係合するカバー部４２は、その当接部４２ｃにおいて先端工具８に当接されている。すなわち、集塵装置４０のカバー部４２は、ハンマ１０に対して取付部４４及び先端工具８の２箇所で支持されている。これにより、作業機本体１に対する集塵装置４０の固定の安定化を図ることができる。

次に、本実施の形態の集塵装置４０の変形例について説明する。図１２に示される変形例は、角度調整機構４８において、ゴム製の筒状部４２ｅと金属製のボール４９との係合を利用するものである。詳細には、カバー部４２の筒状部４２ｅの根元部と係合する第２アーム４６の端部に、筒状部４２ｅの根元部の周囲に沿って複数の溝５０が設けられ、さらに、これら複数の溝５０に対応して複数の金属製のボール４９が配置され、これら複数のボール４９が筒状部４２ｅの端部のフランジ部４２ｈと第２アーム４６の端面とによって挟持されている。

図１２（ａ）に示される状態では、各ボール４９が第２アーム４６に形成された複数の溝５０のそれぞれの上部に配置され、さらに各ボール４９は、ゴム製のフランジ部４２ｈによって溝５０側（前側）に押圧されているため、各ボール４９の一部と溝５０とが嵌合した状態となっている。つまり、カバー部４２は、第２アーム４６に対して回転することなく固定された状態である。この状態から図１２（ｂ）に示されるように、筒状部４２ｅを回転させると、各ボール４９とゴム製のフランジ部４２ｈとの摩擦力により各ボール４９が各溝５０から第２アーム４６の端面上に乗り上がり、第２アーム４６に対してカバー部４２を回転させることができる。そして、各ボール４９は、隣に設けられた溝５０に嵌合し、図１２（ａ）に示される状態となる。すなわち、第２アーム４６に対してカバー部４２を所定の角度回転させた位置で、第２アーム４６とカバー部４２とを固定することができる。このように第２アーム４６に設けられた複数の溝５０と複数のボール４９との係合を利用した角度調整機構４８においても、図１に示される作業機本体１に対するホース４１ａの引き出し方向を容易に変えることができる。尚、さらなる変形例として、ボール４９と溝５０を省略し、第２アーム４６とフランジ部４２ｈとの摩擦力により、角度を固定する構成としてもよい。この場合、図５、６や図１２に示す構成と比較してさらに細かく、実質的に無段階に角度を固定することができる。

次に、図１３に示される変形例は、大口径シリンダカバー２０が取り付けられたハンマ１０を用いる場合の第１アーム４５と第２アーム４６の固定部（蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂ）による固定方法に関するものである。

図１３（ａ）に示されるハンマ１０は、図１に示されるハンマ１０と同様に通常サイズのシリンダハウジング１ａが設けられたハンマ１０である。この場合には、軸線Ｃ１を中心とする径方向Ｔ１における第１アーム４５と第２アーム４６の重なり方において、第１アーム４５が先端工具８に近い側に配置され、第２アーム４６が先端工具８から遠い側に配置されている。これに対して、図１３（ｂ）に示されるハンマ１１０では、口径が大きな先端工具保持部１０７が設けられた大口径シリンダカバー２０が取り付けられているため、第１アーム４５と大口径シリンダカバー２０との距離が短くなる。そこで、軸線Ｃ１を中心とする径方向Ｔ１における第１アーム４５と第２アーム４６の重なり方において、第１アーム４５を先端工具８から遠い側に配置し、第２アーム４６を先端工具８に近い側に配置している。すなわち、蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂは、軸線Ｃ１を中心とする径方向Ｔ１において、第１アーム４５が第２アーム４６よりも先端工具８側に位置する状態と、第２アーム４６が第１アーム４５よりも先端工具８側に位置する状態とで、第１アーム４５と第２アーム４６とを固定することが可能である。言い換えると、蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂは、シリンダハウジング１ａの直径の大きさに対応させて、第１アーム４５と第２アーム４６の何れかを先端工具８側に配置しても第１アーム４５と第２アーム４６とを固定することが可能である。

なお、第１アーム４５とシリンダハウジング１ａとの距離が変化して第１アーム４５と第２アーム４６の重なり方を変える場合、ベルト部４４ｆによる固定を解放することなく、蝶ボルト４７ａ及び蝶ボルト４７ｂによるねじ固定を解放するだけで、第１アーム４５と第２アーム４６の重なり方を容易に変えることができる。

次に、図１４に示される変形例は、ホース部４３に取り付けられたアダプタ４３ａを介して接続されたホース４１ａを保持するホース保持部５１が、作業機本体１に取り付けられたハンマ１０を示すものである。すなわち、ホース部４３に接続されたホース４１ａを作業機本体１に固定することも可能である。この場合、ホース保持部５１を作業機本体１に対して回転可能に取り付けることにより、ホース保持部５１におけるホース４１ａの軸線Ｃ１周りの引き出し方向を変えることができる。

本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、作業機の一例としてハンマ１０を取り上げて説明したが、上記作業機は、ハンマドリルであってもよい。

また、上記実施の形態で説明したベルト部４４ｆに設けられる貫通孔４４ｋの数と設置間隔は、適宜変更が可能である。

さらに、角度調整機構４８において、カバー部４２の筒状部４２ｅの外周部に設けられるコイルスプリング４２ｇの代わりとして、ゴム製の弾性体等を用いてもよい。

１…作業機本体、１ａ…シリンダハウジング、１ｂ…中間ハウジング、１ｃ…モータハウジング、２…ハンドル部、３…電源ケーブル、４…駆動部（駆動機構）、５…トリガ、６…トリガスイッチ、７…先端工具保持部、８…先端工具、９…ピストン、１０…ハンマ（作業機）、１７…シリンダ、１８…往復動機構部、１９…モータ、１９ａ…ステータ、１９ｂ…ロータ、１９ｃ…出力軸、１９ｄ…ファン、１９ｅ…ピニオンギヤ、２０…大口径シリンダカバー、２２…ストライカ、２３…空気室、２４…セカンドハンマ、２５…リテーナスリーブ、３０…駆動軸、３１…ギヤ、３２…偏心ピン、３３…コンロッド、４０…集塵装置、４１…集塵機、４１ａ…ホース、４１ｂ…モータ、４１ｃ…集塵室、４１ｄ…フィルタ、４１ｅ…ファン、４２…カバー部、４２ａ…貫通孔、４２ｂ…接続口、４２ｃ…当接部、４２ｄ…吸入口、４２ｅ…筒状部、４２ｆ…凸部、４２ｇ…コイルスプリング（付勢部）、４２ｈ…フランジ部、４３…ホース部、４３ａ…アダプタ、４４…取付部、４４ａ…ベース部、４４ｂ…端部突起、４４ｃ…中央部突起、４４ｄ…端部突起、４４ｅ…金具、４４ｆ…ベルト部、４４ｇ，４４ｈ，４４ｉ…貫通孔、４４ｊ…フランジ、４４ｋ…貫通孔、４４ｍ…枠部、４４ｎ…基端側貫通孔、４５…第１アーム（第１連結部材）、４５ａ…丸孔、４５ｂ…長孔、４６…第２アーム（第２連結部材）、４６ａ…長孔、４６ｂ…折り曲げ部、４６ｃ…係合孔、４６ｄ…凹部、４７ａ，４７ｂ…蝶ボルト（固定部）、４８…角度調整機構、４９…ボール、５０…溝、５１…ホース保持部、１０７…先端工具保持部、１１０…ハンマ（作業機）、Ｃ１…軸線、Ｐ１…前後方向、Ｑ１…上下方向、Ｒ１…左右方向、Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３…空気の流れ、Ｔ１…径方向、Ｕ１…軸線周り（周方向）、θ１，θ２…角度

Claims

作業機本体に取り付けられ、かつ、軸線に沿って延びる先端工具の周囲の粉塵を吸引する集塵装置であって、
前記先端工具に当接し、かつ、前記先端工具の外周を覆うカバー部と、
前記カバー部内に取り込まれた粉塵を外部へ排出可能なホース部と、
前記作業機本体に取り付けられる取付部と、
前記先端工具の軸線方向に延び、前記取付部と前記カバー部とを連結する連結部と、
前記先端工具の軸線周りにおける前記連結部と前記ホース部との間の角度を、変更可能かつ固定可能な角度調整機構と、
を有する、集塵装置。
前記角度調整機構は、前記カバー部を前記連結部に対し前記軸線周りに回転させることで、前記連結部と前記ホース部との間の角度を変更可能である、請求項１に記載の集塵装置。
前記カバー部の前記連結部に対する相対位置が前記先端工具の軸線方向一方側に位置するときに前記連結部と前記ホース部との間の角度が固定され、前記カバー部の前記連結部に対する相対位置が前記先端工具の軸線方向他方側に位置するときに前記連結部と前記ホース部との間の角度が変更可能である、請求項２に記載の集塵装置。
前記カバー部を前記連結部に対して前記軸線方向一方側に付勢する付勢部を有する、請求項３に記載の集塵装置。
前記取付部は、前記連結部の一端を、前記連結部の他端が揺動可能となるように支持する、請求項１乃至４の何れか一項に記載の集塵装置。
前記カバー部は、前記先端工具に対し前記軸線方向及び前記軸線周りに相対移動可能な状態で当接する当接部を有する、請求項５に記載の集塵装置。
前記取付部は、
前記作業機本体に当接するベース部と、
前記作業機本体、前記ベース部及び前記連結部の周囲を巻回することで、前記ベース部及び前記連結部を前記作業機本体に取り付けるベルト部と、を有する、請求項５または６に記載の集塵装置。
前記連結部は、前記取付部に取り付けられる第１連結部材と、前記カバー部に取り付けられる第２連結部材と、前記第１連結部材と前記第２連結部材とを相対移動不能に固定する固定部と、を有し、
前記固定部は、前記第１連結部材に対する前記第２連結部材の前記軸線方向の固定位置を変更可能である、請求項１乃至７の何れか一項に記載の集塵装置。
前記固定部は、前記先端工具の軸線を中心とする径方向において、前記第１連結部材が前記第２連結部材よりも前記先端工具側に位置する状態と、前記第２連結部材が前記第１連結部材よりも前記先端工具側に位置する状態とで、前記第１連結部材と前記第２連結部材とを固定可能である、請求項８に記載の集塵装置。
作業機本体と、
前記作業機本体に取り付けられ、かつ、軸線に沿って延びる先端工具と、
前記先端工具を駆動する駆動機構と、
前記先端工具の周囲の粉塵を吸引する集塵装置と、
を有し、
前記集塵装置は、
前記先端工具に当接し、かつ、前記先端工具の外周を覆うカバー部と、
前記カバー部内に取り込まれた粉塵を外部へ排出可能なホース部と、
前記作業機本体に取り付けられる取付部と、
前記先端工具の軸線方向に延び、前記取付部と前記カバー部とを連結する連結部と、
前記先端工具の軸線周りにおける前記連結部と前記ホース部との間の角度を、変更可能かつ固定可能な角度調整機構と、
を備える、作業機。
前記角度調整機構は、前記カバー部を前記連結部に対し前記軸線周りに回転させることで、前記連結部と前記ホース部との間の角度を変更可能である、請求項１０に記載の作業機。
前記カバー部の前記連結部に対する相対位置が前記先端工具の軸線方向一方側に位置するときに前記連結部と前記ホース部との間の角度が固定され、前記カバー部の前記連結部に対する相対位置が前記先端工具の軸線方向他方側に位置するときに前記連結部と前記ホース部との間の角度が変更可能である、請求項１０または１１に記載の作業機。