WO2023032043A1 - Co2ガスを鉱物化し有価金属を回収する方法、co2鉱物化装置、並びにco2鉱物化及び有価金属回収装置 - Google Patents

Co2ガスを鉱物化し有価金属を回収する方法、co2鉱物化装置、並びにco2鉱物化及び有価金属回収装置 Download PDF

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Abstract

CO2ガスの大気中への放出を抑制し、かつ従来有効に活用されていなかった鉱物資源などから有価金属を効率的に回収することのできる方法及び装置を提供する。一実施態様の方法は、有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質に前処理を行って、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを得ること、アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属とCO2ガスとを反応させて、CO2ガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化すること、及び有価金属含有残渣から有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収することを含む。

Description

CO2ガスを鉱物化し有価金属を回収する方法、CO2鉱物化装置、並びにCO2鉱物化及び有価金属回収装置
 本開示は、COガスを鉱物化し有価金属を回収する方法、CO鉱物化装置、並びにCO鉱物化及び有価金属回収装置に関する。
 大気中へのCOガス排出量を低減することを目的としたCO固定化技術の一つとして、鉱石、石炭灰、海水、産業廃棄物などに含まれる、Mg、Caなどのアルカリ土類金属とCOガスとを反応させてCOガスを鉱物化することを含む、鉱物炭酸化(Mineral Carbonation)が知られている。
 特許文献1(特表2013-505124号公報)には、「鉱物炭酸化による二酸化炭素の固定に関する、含水マグネシウムシリケートの活性度を増大させる方法であって、該方法が該含水マグネシウムシリケートを急速に加熱する工程を含む、方法」が記載されている。
 特許文献2(特表2011-501726号公報)には、「二酸化炭素(CO)を炭酸塩として固定するCOの固定又は結合方法であって、以下の工程:水と石炭灰又は石炭残渣との水溶液を調製する工程;COを含有するガスを前記水溶液と接触させる工程;及び前記COと前記水溶液を反応させて炭酸塩を生じさせ、それによって前記COが固定又は結合される工程を含む方法」が記載されている。
 特許文献3(特開2020-175344号公報)には、「アルカリ土類金属を含むかん水からアルカリ土類金属酸化物を得る工程、及び前記アルカリ土類金属酸化物に二酸化炭素を含む気体を反応させる二酸化炭素反応工程、を含む二酸化炭素の固定化方法」が記載されている。
 一方、鉱物資源から、Fe、Ni、Co、Cuなどの有価金属を回収する技術として、乾式製錬及び湿式製錬が広く行われている。湿式製錬の一つとして、Ni、Co、Feなどを含む酸化ニッケル鉱を原料とする高圧酸浸出(High Pressure Acid Leaching、HPAL)法が知られている。
 特許文献4(特開2010-95788号公報)には、「鉱石処理工程、浸出工程、固液分離工程、中和工程、亜鉛除去工程、硫化工程及び最終中和工程を含む高圧酸浸出法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを回収する湿式製錬方法において、下記の(A)~(C)の工程から選ばれる少なくともひとつの工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法」が記載されており、工程(A)~(C)として、(A)前記鉱石処理工程から産出する鉱石スラリー中のシリカ鉱物、クロマイト又はケイ苦土鉱から選ばれる少なくとも1種を含む粒子を、物理分離法により分離回収すること、(B)前記固液分離工程から産出する浸出残渣スラリー中のヘマタイト粒子を、物理分離法により分離回収すること、(C)前記中和工程から産出する中和殿物スラリーは、前記固液分離工程から産出する浸出残渣とは別途に最終中和処理することが記載されている。
 特許文献5(特開2007-77459号公報)には、「ニッケルまたはコバルトと鉄とを含む第一の酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを回収する方法であって、硫酸を使用して、前記第一の酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出し、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と、浸出残渣と、を得る浸出工程と、前記浸出残渣を含む前記硫酸浸出溶液とマグネシウムとを反応させてpH調整し、ニッケルまたはコバルトを含む反応液と、鉄を含む反応残渣と、を得る反応工程と、前工程で得られた液を、中和剤を使用して中和し、ニッケルまたはコバルトを含む中和液と、鉄を含む中和残渣と、を得る中和工程と、を含み、前記浸出工程と前記中和工程との間に、マグネシウムを用いて前工程で得られた液のpHを上昇させる予備中和工程を含むことを特徴とする回収方法」が記載されている。
特表2013-505124号公報 特表2011-501726号公報 特開2020-175344号公報 特開2010-95788号公報 特開2007-77459号公報
 鉱物資源には様々な金属元素が含まれており、例えば、酸化ニッケル鉱にはNiに加えて、Co、Fe、Mgなどが含まれる。HPAL法では、高温高圧下で濃硫酸を利用して金属を溶解することにより、金属イオンを液相に浸出させる。硫酸と反応して塩を生成する成分を多く含む鉱石、例えばMgを多量に含む鉱石に対してHPAL法を適用すると、目的物であるNiなどの有価金属がイオン化される前にMgが優先的にイオン化される。そのため、高Mg含有鉱石に対してHPAL法を適用することは、濃硫酸の使用量が増加するため経済的に不利であった。このような理由から、HPAL法は、Mg濃度が比較的低い、例えばリモナイト(limonite)のようなMg濃度が約5質量%以下の酸化ニッケル鉱にしか適用されていなかった。しかしながら、原料鉱石の枯渇に伴い、Mgを高い含有量で含む、これまで利用されてこなかった鉱物資源から、有価金属を効率的に回収することが望まれている。
 一方、一般的な金属製錬プラントには、火力発電所、石炭ボイラーなどの設備が併設されていることが多く、このような設備の稼働に伴い排出されるCOガスを低減することも望まれている。
 本開示は、COガスの大気中への放出を抑制し、かつ従来有効に活用されていなかった鉱物資源などから有価金属を効率的に回収することのできる方法及び装置を提供する。
 本発明者らは、アルカリ土類金属を含有する鉱石などの出発物質に前処理を行うことによりアルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有成分とを分離した後、アルカリ土類金属高含有成分を利用してCOガスを鉱物化し、有価金属含有成分を有価金属の回収に利用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
 本開示は以下の態様を包含する。
[態様1]
 有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質に前処理を行って、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを得ること、
 前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属とCOガスとを反応させて、前記COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化すること、及び
 前記有価金属含有残渣から前記有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収すること
を含む、方法。
[態様2]
 前記アルカリ土類金属がMgを含む、態様1に記載の方法。
[態様3]
 前記COガスの供給源が、石炭発電所、石油発電所、天然ガス発電所、バイオマス発電所、石炭ボイラー、製錬設備、中和設備、及び焙焼設備からなる群より選ばれる少なくとも1つである、態様1又は2のいずれかに記載の方法。
[態様4]
 前記アルカリ土類金属高含有成分がスラリーの形態であり、前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属と前記COガスとを加圧下で反応させることを含む、態様1~3のいずれかに記載の方法。
[態様5]
 前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属を液相中にアルカリ土類金属イオンとして抽出し、前記アルカリ土類金属イオンと前記COガスとを常圧下で反応させることを含む、態様1~3のいずれかに記載の方法。
[態様6]
 前記アルカリ土類金属イオンが、アルカリ土類金属珪酸塩又はアルカリ土類金属珪酸複塩の形態である、態様5に記載の方法。
[態様7]
 前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属を液相中にアルカリ土類金属イオンとして抽出する際に、pH調整剤及び錯化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を添加することを含む、態様5又は6のいずれかに記載の方法。
[態様8]
 前記前処理が、
 前記出発物質を炭素質還元剤の存在下で前記アルカリ土類金属を金属の形態で気相側に揮発させることを含む還元焙焼法又は還元溶融法、
 前記出発物質を酸素の存在下で酸化分解した後、アルカリ土類金属酸化物を生成させることを含む酸化焙焼法、
 前記出発物質を酸素の存在下で熱分解することを含む酸化熱分解法、
 前記出発物質に含まれる前記アルカリ土類金属を塩化物の形態で気相側に揮発させることを含む塩化揮発法、
 前記出発物質に含まれる前記アルカリ土類金属をその塩に変換した後、固液分離することを含む方法、及び
 前記出発物質に含まれる前記有価金属を硫酸化し焙焼することを含む硫酸化焙焼法
からなる群より選ばれる少なくとも1つにより行われる、態様1~7のいずれかに記載の方法。
[態様9]
 前記出発物質が超苦鉄質岩(Ultramafic Rock)を含む、態様1~8のいずれかに記載の方法。
[態様10]
 前記超苦鉄質岩が、カンラン石(Olivine)及び蛇紋石(Serpentine)からなる群より選ばれる少なくとも1種の鉱物を含む、態様9に記載の方法。
[態様11]
 前記前処理が、比重差分離により前記アルカリ土類金属高含有成分と前記有価金属含有残渣とを分離することを含む、態様1~10のいずれかに記載の方法。
[態様12]
 前記有価金属が、Ni、Co、Fe、Cu、及び白金族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種である、態様1~11のいずれかに記載の方法。
[態様13]
 前記出発物質が、前記有価金属を含む鉱石である、態様12に記載の方法。
[態様14]
 常圧酸浸出法、高圧酸浸出法、塩素溶解法、アンモニア溶解法、又は電気炉溶解法により、前記有価金属含有残渣から前記有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収することを含む、態様1~13のいずれかに記載の方法。
[態様15]
 有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質から、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを生成する前処理装置と、
 前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属とCOガスとを反応させて、前記COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化するCOガス反応装置と
を備える、CO鉱物化装置。
[態様16]
 態様15に記載のCO鉱物化装置と、
 前記有価金属含有残渣から前記有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収する有価金属回収装置と
を備える、CO鉱物化及び有価金属回収装置。
 本開示によれば、COガスの大気中への放出を抑制し、かつ従来有効に活用されていなかった鉱物資源などから有価金属を効率的に回収することができる。特に、本開示の方法は、従来利用されていなかった高Mg含有鉱石を用いてCOガスの鉱物化を行い、かつ該鉱石からNiなどの有価金属を回収するために、有利に使用することができる。
 なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
一実施態様の方法の概要を説明するフロー図である。 CO鉱物化に高圧反応法を用いる一実施態様の方法を説明するフロー図である。 CO鉱物化に常温常圧法を用いる別の実施態様の方法を説明するフロー図である。 HPALプロセスの概要を説明するフロー図である。 例1の硫黄混合鉱石サンプルを加熱したときのTG/DTA曲線である。
 以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
 一実施態様の方法は、(1)有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質に前処理を行って、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを得ること、(2)アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属とCOガスとを反応させて、COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化すること、及び(3)有価金属含有残渣から有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収することを含む。
 図1に一実施態様の方法の概要をフロー図で示す。本開示のフロー図において、四角で囲まれた部分は工程又は装置を示す。図1において、有価金属とアルカリ土類金属を含む出発物質に対して前処理が行われる。前処理工程において、出発物質から、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とが製造され、これらはそれぞれ別の次工程に供給される。アルカリ土類金属高含有成分に対してはCO鉱物化が行われる。CO鉱物化工程において、アルカリ土類金属高含有成分に含まれるアルカリ土類金属がCOガスと反応することによりアルカリ土類金属炭酸塩が生成し、COガスはアルカリ土類金属炭酸塩の形態で鉱物化(固定化)される。有価金属含有残渣は、有価金属回収工程において、有価金属含有製品、有価金属含有中間体又はそれらの両方として回収される。
(1)前処理
 前処理では、出発物質からアルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを得る。
 出発物質は、有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む。出発物質の形態は特に限定されず、例えば、鉱石、溶液、スラリー、粉体、塊状物、又は成形体であってよい。粉体及び塊状物は、例えば、鉱石を粉砕することにより、あるいは溶液又はスラリーを乾燥させて粉砕することにより得ることができる。粉体又は塊状物は、自由水を蒸発除去することにより乾燥されたものであってもよい。成形体は、例えば、鉱石、粉体、又は塊状物を打錠成形することにより得ることができる。成形体に、前処理に使用される薬剤、例えば焙焼のための燃料などが混合されていてもよい。
 有価金属は特に限定されないが、例えば、Ni、Co、Fe、Cu、及び白金族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種である。本開示において「白金族金属」(Platinum Group Metal、PGM)とは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金の総称であり、これらのいずれか又は2種以上の組合せを意味する。有価金属は、金、銀、又はそれらの組合せを含んでもよい。
 一実施態様では、出発物質は上記有価金属を含む鉱石である。そのような鉱石として、例えば、酸化ニッケル鉱石、硫化ニッケル鉱石、コバルト鉱石、鉄鉱石、銅鉱石、白金鉱石、及びこれらの鉱石のいずれか又は2種以上を浮遊選鉱して得られた金属精鉱が挙げられる。鉱石は、好ましくは酸化ニッケル鉱石である。酸化ニッケル鉱石としては、例えば、リモナイト(limonite)(MgO含有量0.5~5質量%)、スメクタイト(Smectite)(MgO含有量5~15質量%)、及びサプロライト(Saprolite)(MgO含有量15~35質量%)が挙げられる。本開示の方法は、サプロライト、及びサプロライトとリモナイトの混合物のような、高Mg含有酸化ニッケル鉱石からのNi回収に好適に使用することができる。酸化ニッケル鉱石の採掘に関して、サプロライトは地中深くに存在し、一方でラテライトは地上近くに存在する。地殻変動、貫入現象などが起こると、これら両者が混合して存在する領域が生じる。この混合領域は、Mg含有量が大きいため、HPALプロセスでは従来利用されていなかったが、本開示の方法によれば、このような混合領域から採掘される鉱石も有価金属の回収に有効に利用することができる。
 アルカリ土類金属はMgを含むことが好ましい。Mgの炭酸塩はCaの炭酸塩と比較して水への溶解度がより低いため、CO鉱物化においてアルカリ土類金属炭酸塩を液相から容易に分離することができる。本開示において「アルカリ土類金属」とは、周期表第2族元素を意味する。
 一実施態様では、出発物質は超苦鉄質岩(Ultramafic Rock)を含む。超苦鉄質岩は、カンラン石(Olivine、組成式:(Mg,Fe)SiO)及び蛇紋石(Serpentine、組成式:(Mg,Fe)Si(OH))からなる群より選ばれる少なくとも1種の鉱物を含むことが好ましい。カンラン石及び蛇紋岩は高Mg含有鉱物であるため、CO鉱物化に必要な出発物質の使用量を低減することができる。
 前処理は、出発物質の化学組成又は化学的性質を変化させることにより、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とに分離可能にする工程を含む。そのような工程としては、例えば、還元焙焼、酸化焙焼、硫酸化焙焼などの焙焼、還元溶融、酸化熱分解、塩化物揮発、及び塩変換・固液分離が挙げられる。
 一実施態様では、前処理は、以下の方法からなる群より選ばれる少なくとも1つにより行われる。
 (1)出発物質を炭素質還元剤の存在下でアルカリ土類金属を金属の形態で気相側に揮発させることを含む還元焙焼法又は還元溶融法
 (2)出発物質を酸素の存在下で酸化分解した後、アルカリ土類金属酸化物を生成させることを含む酸化焙焼法
 (3)出発物質を酸素の存在下で熱分解することを含む酸化熱分解法
 (4)出発物質に含まれるアルカリ土類金属を塩化物の形態で気相側に揮発させることを含む塩化揮発法
 (5)出発物質に含まれるアルカリ土類金属をその塩に変換した後、固液分離することを含む方法
 (6)出発物質に含まれる有価金属を硫酸化し焙焼することを含む硫酸化焙焼法
 還元焙焼法は、例えば、ロータリーキルンを用いて行うことができる。例示的な還元焙焼法は以下の工程を含む。石炭、コークスなどの炭素質還元剤の存在下、出発物質を1100℃~1200℃程度に加熱することにより還元する。アルカリ土類金属は0価の金属形態まで還元されて気相側に揮発し、アルカリ土類金属高含有成分として回収される。有価金属は炉内で再酸化され、酸化物の形態で有価金属含有残渣として回収される。
 還元溶融法は、例えば、アルミナ製坩堝などの耐熱坩堝を用いて行うことができる。例示的な還元溶融法は以下の工程を含む。出発物質を耐熱坩堝に装入し、人工黒鉛、天然黒鉛、石炭、コークス、一酸化炭素などの炭素質還元剤の存在下、抵抗加熱などの加熱装置を用いて1200℃~1500℃に加熱することにより還元する。アルカリ土類金属は0価金属まで還元されて気相側に揮発し、アルカリ土類金属高含有成分として回収される。有価金属は0価金属まで還元され、有価金属含有残渣として回収される。
 酸化焙焼法は、例えば、焙焼炉を用いて行うことができる。例示的な酸化焙焼法は以下の工程を含む。天然ガス、石油、石炭、硫黄、又はパイライト(Pyrite、FeS)などの燃料を使用し、酸素、空気などを供給することにより酸素分圧を上昇させ、出発物質を500℃~700℃程度に加熱することにより酸化分解する。アルカリ土類金属はアルカリ土類金属酸化物に変換されて、アルカリ土類金属高含有成分として回収される。例えば、カンラン石、蛇紋石のような高Mg含有鉱物は、酸化焙焼することによりMgOとSiOに熱分解される。この熱分解物には、Fe、MgSiO、(Mg,Fe)SiO、又はこれらの組合せも含まれる場合がある。有価金属も酸化物の形態で有価金属含有残渣として回収される。
 酸化熱分解法は、例えば、誘導加熱式、電気加熱式、マイクロ波加熱式などの加熱炉を用いて行うことができる。例示的な酸化熱分解法は以下の工程を含む。出発物質を上記の加熱炉に入れ、燃焼を伴わない程度の量の酸素、例えば理論酸素量+α程度の酸素の存在下、出発物質の熱分解に必要なエネルギーを外部から加えることを含む。例えば、蛇紋石は酸化熱分解法により630℃程度で熱分解し、MgSiO、(Mg,Fe)SiOなどが生成する。
 塩化揮発法は、例えば、ロータリーキルンを用いて行うことができる。例示的な塩化揮発法は以下の工程を含む。出発物質に塩化カルシウムなどの塩素源と還元剤を混合してペレットに造粒する。還元剤の使用量はペレットの質量を基準として15~20質量%とする。得られたペレットをロータリーキルンに装入し、500℃~800℃程度に加熱することにより、アルカリ土類金属を塩化物に変換する。沸点の低いアルカリ土類金属塩化物は気相側に揮発し、アルカリ土類金属高含有成分として回収される。有価金属は、酸化物又は塩化物の形態で有価金属含有残渣として回収される。
 出発物質に含まれるアルカリ土類金属をその塩に変換した後、固液分離することを含む方法は、例えば、温水、又は硫酸、塩酸、硝酸などの酸性水溶液を用いて行うことができる。例示的な方法は以下の工程を含む。出発物質を容器に入れ、温水、又は硫酸、塩酸、硝酸などの酸性水溶液を加えて、アルカリ土類金属及び有価金属をそれらの塩の形態で溶解させる。温水又酸性水溶液の添加後、H、KMnOなどの酸化剤を添加して撹拌することにより、アルカリ土類金属又は有価金属の溶解を促進してもよい。溶解したアルカリ土類金属及び有価金属は、HSガスなどを用いて金属硫化物を形成した後、あるいはCa(OH)、NaOHなどのアルカリを用いてpHを調整することにより有価金属水酸化物を形成した後、固液分離することにより、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを分離することができる。
 硫酸化焙焼法は、例えば、ロータリーキルン、流動層式加熱炉、又は電気炉を用いて行うことができる。例示的な硫酸化焙焼法は以下の工程を含む。還元促進剤として硫黄、又は硫化ナトリウム、硫化カルシウム、ピロタイト、パイライトなどの硫黄化合物と出発物質とを混合し、有価金属の還元域、例えばNiについては400℃~680℃程度に加熱することにより、その有価金属を選択的に硫酸化する。硫酸化後、HSガスなどを用いて金属硫化物を形成した後、あるいはCa(OH)、NaOHなどのアルカリを用いてpHを調整することにより有価金属水酸化物を形成した後、固液分離することにより、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを分離することができる。別の例示的な硫酸化焙焼法は、出発物質に濃硫酸を添加した後、酸化焙焼することにより有価金属を硫酸化することを含む。
 前処理は酸化焙焼を含むことが好ましい。出発物質を酸化焙焼することにより得られるアルカリ土類金属酸化物と有価金属酸化物の混合物は、比重差分離などの分離工程で容易に分離することができる。
 酸化焙焼に硫黄、パイライトなどの硫黄成分を含む燃料を使用した場合は、焙焼時に二酸化硫黄が生成する。そのため、前処理は二酸化硫黄の排ガス処理を含んでもよい。二酸化硫黄の排ガス処理設備として、一般的な硫酸プラントを使用することができる。二酸化硫黄の排ガス処理により生成する濃硫酸は、製品として、又は本開示の方法の(3)有価金属回収、特に高圧酸浸出(HPAL)法を用いた有価金属回収において有効に利用することができる。
 前処理は分離工程を更に含んでもよい。分離方法としては、例えば、比重差分離、粒子径分離、及び化学組成分離が挙げられる。比重差分離は、化学組成により粒子の比重が異なる場合に、比重の違いを利用してこれらの粒子を分離する方法である。比重差分離は、例えば石炭の選炭技術で利用されている流動式比重差分離装置を用いて行うことができる。粒子径分離は、粒子の大きさにより粒子中に存在する有価金属の濃度が異なる場合、又は鉱物中の有価金属が微細な粒子の形態で存在する場合に、粒子径の大きさの違いを利用してこれらの粒子を分離する方法である。粒子径分離は、例えば、篩又は遠心分離機を用いて行うことができる。化学組成分離は、ウランなどの特殊な金属を含む粒子が存在する場合に、このような粒子を赤外線を用いてオンラインで分析し、空気鉄砲で当該粒子のみを選択的に吹き飛ばすことにより分離する方法である。
 前処理は、好ましくは比重差分離によりアルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを分離することを含む。比重差分離装置において、例えば比重4を設定値とすると、MgO、SiOなどの比重が小さい物質をアルカリ土類金属高含有成分として、NiO、CoO、Feなどの有価金属を含む比重が大きい物質を有価金属含有残渣として分離することができる。
 前処理によって得られるアルカリ土類金属高含有成分は、アルカリ土類金属に加えて、例えば、珪素、アルミニウム、又はこれらのうち2種以上の他の元素を含んでもよい。アルカリ土類金属及び他の元素は、アルカリ土類金属高含有成分中、酸化物、硫酸塩、珪酸塩、又はそれらの組合せの形態で存在していてもよい。一実施態様では、アルカリ土類金属高含有成分は、MgO、SiO及びMgSiOを含む。
 有価金属含有残渣は、有価金属に加えて、例えば、珪素、アルミニウム、又はこれらのうち2種以上の元素を含んでもよい。有価金属は、有価金属含有残渣中、酸化物、塩化物、硫化物、又はそれらの組合せの形態で存在してもよい。一実施態様では、有価金属含有残渣は、NiO、CoO、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
(2)CO鉱物化
 CO鉱物化では、アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属とCOガスとを反応させることにより、COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化する。生成したアルカリ土類金属炭酸塩は、アルカリ土類金属炭酸塩の製品等として、又は本開示の方法の(3)有価金属回収を高圧酸浸出(HPAL)法により行う場合に、HPAL処理の後工程となる1次中和、最終中和、テーリングダムのpH調整などのための中和剤として用いることができる。
 HPAL処理の後工程となる1次中和、最終中和などにおいて、CO鉱物化で生成したMgCOを中和剤として用いることが有利である。中和剤として用いたMgCOに含まれるMgは、MgSOの形態に変換されてテーリングダムの液相に存在する。Mgイオンについては海洋放出に関する規制が厳格ではないため、テーリングダムを低コストで処理することができる。これらの中和で再発生したCOガスを収集して、上記CO鉱物化に利用することもできる。
 CO鉱物化の前に、アルカリ土類金属高含有成分をスラリー化してもよい。アルカリ土類金属高含有成分は、水、又は水と薬剤の混合物を添加し、撹拌することによりスラリー化することができる。薬剤としては、例えば、硫酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、及び塩化アンモニウムが挙げられる。
 COガスの供給源としては、例えば、石炭発電所、石油発電所、天然ガス発電所、バイオマス発電所、石炭ボイラー、製錬設備、中和設備、及び焙焼設備からなる群より選ばれる少なくとも1つが挙げられる。石炭発電所はCOガス排出量が特に多いため、本開示の方法を用いることによりCOガス排出量を効果的に低減することができる。COガスの供給源としての焙焼設備は、前処理の焙焼で使用されるものであってもよい。
 CO鉱物化の後に固液分離を行ってもよい。固液分離を行うことにより、アルカリ土類金属炭酸塩を固相側に分離することができる。固液分離により得られる液相は、他の設備の冷却水として、あるいはCO鉱物化の前のアルカリ土類金属高含有成分のスラリー化のための水又は水溶液として使用することができる。
 一実施態様では、CO鉱物化は高圧反応法によって行われる。高圧反応法は、スラリーの形態のアルカリ土類金属高含有成分と、COガスとを加圧下で共存させることにより、アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属とCOガスとを反応させることを含む。高圧反応法に使用できる反応装置として、例えば、撹拌機付き圧力容器、シックナー型圧力容器、充填塔型向流接触反応容器、及び内部分散板付き撹拌塔型容器が挙げられる。撹拌機付き圧力容器は、加圧可能な一般的な容器型反応槽である。シックナー型圧力容器は、生成した固体を容器下部で分離することができる機構が設けられた、下部が円錐型の反応容器である。充填塔型向流接触反応容器は、充填塔の塔底からガスを流し、塔頂から液を流して、これらを向流で接触させることによりCOガスを反応させる装置であり、代表的なものとして排ガス処理に用いられるスクラバが知られている。内部分散板付き撹拌塔型容器は、中心に撹拌機を備えた細長い塔型容器であり、下部からCOガスが液中に注入され、COガスと液との接触を促進させるための分散板又はバッフルを塔内部の各段に有する。
 高圧反応法において、反応装置の反応器内を冷却してもよい。反応器内を低温にすることにより、COガスを液相により多く溶解させてCO鉱物化を促進することができる。一方、高圧反応が終了した溶液においては、反応装置の反応容器内を加熱することにより、生成したアルカリ土類金属炭酸塩の溶解度が低下し、その結果アルカリ土類金属炭酸塩の固相への析出を促進することができる。反応器内の温度は、高圧反応時は、好ましくは0℃~40℃、より好ましくは10℃~30℃、更に好ましくは20℃~25℃である。反応器内の温度は、加熱時は、好ましくは40℃~100℃、より好ましくは60℃~95℃、更に好ましくは80℃~90℃である。反応器内を加熱するための熱源として、前処理、例えば焙焼で生じた熱を再利用することもできる。前処理で生じた熱を再利用することにより、反応器内の加熱に係るCO排出を低減又はなくすことができる。
 図2に、CO鉱物化に高圧反応法を用いる一実施態様の方法をフロー図で示す。図2において、燃料を焙焼装置に供給して、有価金属とアルカリ土類金属を含む出発物質を焙焼する。燃料が硫黄成分を含む場合、点線で囲われた硫酸プラントにより、焙焼で生じた二酸化硫黄から硫酸(HSO)を製造する。製造された硫酸はHPAL法などの有価金属回収で利用することができる。
 次に、焙焼の生成物(焙焼物)を、比重差分離によりアルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とに分離する。アルカリ土類金属高含有成分に水を添加することによりアルカリ土類金属高含有成分をスラリー化し、その後、石炭発電所などのCOガス供給源からのCOガスと高圧下で反応させることにより、スラリーに含まれるアルカリ土類金属を鉱物化する。CO鉱物化の際に、焙焼で生じた熱を再利用してスラリーを加熱することにより、生成したアルカリ土類金属炭酸塩の溶解度を低下させて、アルカリ土類金属炭酸塩を固相に析出させてもよい。その後、固液分離によりアルカリ土類金属炭酸塩を得る。アルカリ土類金属炭酸塩は、有価金属回収における中和工程などで利用することができる。固液分離により得られる液相はスラリー化の水として再利用することができる。
 別の実施態様では、CO鉱物化は常温常圧法によって行われる。常温常圧法は、アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属を液相中にアルカリ土類金属イオンとして抽出し、アルカリ土類金属イオンとCOガスとを常圧下で反応させることを含む。常温常圧法に使用できる反応装置として、例えば、撹拌機付き容器、シックナー型容器、充填塔型向流接触反応容器、及び内部分散板付き撹拌塔型容器が挙げられる。これらの装置は、加圧機構及び圧力保持機構を必要としないことを除き、高温反応法で説明した容器と同様の形状、材質及び機構を有してもよい。
 アルカリ土類金属イオンの抽出の際に、有価金属又は他の元素もイオン化してもよい。一実施態様では、アルカリ土類金属イオンの抽出の際に、Fe、Al、及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種もイオン化されて液相中に抽出される。
 常温常圧法において、アルカリ土類金属イオンは、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属珪酸塩又はアルカリ土類金属珪酸複塩の形態で存在していてもよい。アルカリ土類金属水酸化物としては、MgO又はCaOが水和して生成するMg(OH)及びCa(OH)が挙げられる。アルカリ土類金属珪酸塩としては、MgSiO(苦土珪酸塩)及びCaSiOが挙げられる。アルカリ土類金属珪酸複塩としては、例えば、アルカリ土類金属と、アルカリ金属、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、若しくはAl、又はこれらの2種以上との珪酸塩が挙げられる。代表的なアルカリ土類金属珪酸複塩は(Mg,Fe)SiO(苦鉄珪酸塩)である。一実施態様では、アルカリ土類金属イオンは、アルカリ土類金属珪酸塩又はアルカリ土類金属珪酸複塩の形態で存在する。これらのアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属珪酸塩、又はアルカリ土類金属珪酸複塩は、COガスとの反応により、アルカリ土類金属炭酸塩と、水、又は他の元素の珪酸塩又は珪酸複塩とに変換される。
 アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属を液相中にアルカリ土類金属イオンとして抽出する際に、pH調整剤及び錯化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を添加してもよい。これにより、アルカリ土類金属イオンの液相への抽出、及び任意に他の金属イオン、例えばFeイオンの液相への抽出を促進することができる。
 pH調整剤としては、例えば、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、アンモニア、水酸化アンモニウム、及び硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウムなどの硫酸水素塩が挙げられる。
 錯化剤としては、液相への抽出を企図する金属イオンを錯化する能力を有するものであれば特に限定されない。例えば、Feイオンを液相に抽出するための錯化剤として、2,2’-ビピリジル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。
 一実施態様では、錯化剤を用いて金属イオンを液相に抽出した後、pH調整剤を用いて溶液のpHを調整する。例えば、2,2’-ビピリジルで錯化されたFeイオンは、pH調整剤としてNaOHを用いてpHを調整することで、(Fe,Mg)SiOなどのアルカリ土類金属珪酸複塩の形態で液相に存在させることができる。
 図3に、CO鉱物化に常温常圧法を用いる別の実施態様の方法をフロー図で示す。図3において、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを得る工程までは、図2で説明したとおりである。アルカリ土類金属高含有成分を、硫酸水素アンモニウムなどの薬剤を水に溶解させて添加することによりスラリー化し、その後、アルカリ土類金属(Mg、Ca)と他の金属(Feなど)をイオン化する。錯化剤を添加することにより金属イオンを錯化し、pH調整剤を添加することにより、MgSiOなどのアルカリ土類珪酸塩、又は(Fe,Mg)SiOなどのアルカリ土類金属珪酸複塩を生成させる。その後、石炭発電所などのCOガス供給源からのCOガスと常温常圧下で反応させることにより、スラリーの液相に含まれるアルカリ土類金属を鉱物化する。その後、固液分離によりアルカリ土類金属炭酸塩を得る。アルカリ土類金属炭酸塩は、有価金属回収における中和工程などで利用することができる。固液分離により得られる液相はスラリー化の水として再利用することができる。
(3)有価金属回収
 有価金属回収では、有価金属含有残渣から有価金属含有製品、有価金属含有中間体又はそれらの両方が回収される。有価金属含有製品としては、例えば、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、塩化コバルト、金属ニッケル、及び金属コバルトが挙げられる。有価金属含有中間体としては、例えば、硫化ニッケル硫化コバルト混合硫化物(Mixed Sulfide Precipitate、MSP)、及び水酸化ニッケル水酸化コバルト混合物(Mixed Hydroxide Precipitate、MHP)が挙げられる。硫酸ニッケル、硫酸コバルト、塩化コバルトなどの有価金属含有製品は、有価金属含有中間体を精製することにより製造することができる。金属ニッケル、金属コバルトなどの有価金属含有製品は、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、塩化コバルトなどの有価金属含有製品を電解精錬することにより製造することができる。
 有価金属含有製品、有価金属含有中間体又はそれらの両方の回収方法としては、例えば、常圧酸浸出法、高圧酸浸出(HPAL)法、塩素溶解法、アンモニア溶解法、及び電気炉溶解法が挙げられる。常圧酸浸出及び高圧酸浸出は、例えば、常圧下又は高圧下、好ましくは高温で、濃硫酸などの酸を有価金属含有残渣に添加することにより、有価金属をイオン化して液相に浸出させることを含む。塩素溶解法は、例えば、塩酸を有価金属含有残渣に添加することにより、有価金属塩化物を含有する水溶液を形成し、有価金属塩化物の形態で有価金属を回収するか、あるいは電解などにより有価金属塩化物を還元して有価金属を回収することを含む。アンモニア溶解法は、例えば、アンモニアを有価金属含有残渣に添加することにより、金属錯塩(例えばニッケル錯塩)の形態で抽出することを含み、カロン法としても知られている。電気炉溶解法は、例えば、電気炉を用いて有価金属含有残渣を溶解させ、アルゴンと酸素の混合ガス流中、C、Si、Mn、Cr、P等を酸化除去して、有価金属単体又はそれらの合金を回収することを含む。
 一実施態様では、HPAL法により有価金属含有残渣から有価金属含有製品、有価金属含有中間体又はそれらの両方が回収される。HPAL法は、出発物質としてNi含有量が少ない酸化ニッケル鉱石を使用した場合でも、Ni、Coなどの有価金属を効率的に回収することができる。
 図4に、HPALプロセスの概要をフロー図で示す。図4に示すHPALプロセスでは、高温高圧下、オートクレーブなどの反応器内で、スラリーの形態の有価金属含有残渣に濃硫酸などの酸を添加することにより浸出スラリーを得る。有価金属含有残渣に含まれる有価金属は濃硫酸との反応でイオン化して浸出スラリーの液相に浸出される。その後、1次中和で浸出スラリーに中和剤を添加することによりpHを約1.5程度とする。このpH調整は、浸出スラリーに含まれるFe、Alなどの金属イオンを酸化物としてCCD内で析出させることを目的とする。次に、連続式向流型デカンテーション(Counter Current Decantation、CCD)により浸出スラリーは多段洗浄されて、浸出液と浸出残渣とに固液分離される。Feは浸出残渣中にヘマタイト(Fe)の形態で取り出される。Fe、AlなどがCCDで分離された浸出液には、微量のCu、Znなどが含まれるため、浸出液のpH及び酸化還元電位を調整してこれらの元素を分離した後、浸出液のpHを5近辺に調整してNi及びCoを選択的に沈殿分離する。沈殿分離の際にHSガスを用いると、硫化ニッケル硫化コバルト混合硫化物(Mixed Sulfide Precipitate、MSP)が有価金属含有中間体として得られる。沈殿分離の際にアルカリを用いると、水酸化ニッケル水酸化コバルト混合物(Mixed Hydroxide Precipitate、MHP)が有価金属含有中間体として得られる。これらの有価金属含有中間体を、固液分離装置で分離することにより有価金属含有製品を得ることができる。Ni、Co、及びその他の有価金属が除去された溶液には、Mn、Mgなどが溶解している。そのため、海洋放出基準値に達するまでこれらのアルカリ土類金属を除去するために最終中和を行う。具体的には、最終中和で溶液に中和剤を添加することにより溶液のpHを約8.5~約9とする。これにより溶液に含まれるMn、Mgなどの金属イオンが酸化物として析出する。このHPALプロセスにおいて、HPAL処理用の酸の一部又は全部として、前処理に含まれる焙焼の排ガス処理により製造される濃硫酸を使用することができる。このHPALプロセスにおいて、CO鉱物化により生成するアルカリ土類金属炭酸塩を、1次中和、最終中和、及び/又はテーリングダムのpH調整のための中和剤として使用することができる。
 一実施態様では、有価金属回収にHPAL法を用いる。この実施態様では、CO鉱物化と非鉄金属製錬プロセスとを高度に統合することができる。前処理により得られる有価金属含有残渣はHPAL法の原料として利用することができ、CO鉱物化により生成するアルカリ土類金属炭酸塩は、HPAL処理の後工程となる1次中和、最終中和、テーリングダムのpH調整などのための中和剤として利用することができる。更に、焙焼に硫黄成分含有燃料を使用した場合は、硫酸プラントで製造される濃硫酸をHPAL処理用の酸として利用することができる。
 一実施態様によれば、有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質から、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを生成する前処理装置と、アルカリ土類金属高含有成分中のアルカリ土類金属とCOガスとを反応させて、COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化するCOガス反応装置とを備える、CO鉱物化装置が提供される。
 前処理装置及びCOガス反応装置としては、前処理工程及びCO鉱物化工程で説明した方法を実施するための装置を使用することができる。一実施態様では、前処理装置は焙焼装置及び比重差分離装置の組合せである。一実施態様では、COガス反応装置は、撹拌機付き容器、撹拌機付き圧力容器、シックナー型容器、シックナー型圧力容器、充填塔型向流接触反応容器、又は内部分散板付き撹拌塔型容器である。
 別の実施態様によれば、上記CO鉱物化装置と、有価金属含有残渣から有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収する有価金属回収装置とを備える、CO鉱物化及び有価金属回収装置が提供される。
 一実施態様では、有価金属回収装置はHPAL製錬プラントである。
 本開示の方法及び装置は、COガスの鉱物化及び有価金属の回収に有利に使用することができる。特に、本開示の方法及び装置は、HPALプロセスと組み合わせることで、これまでHPALプロセスで有効に利用されていなかったNi含有量の少ない高Mg含有酸化ニッケル鉱石からNi、Coなどの有価金属を回収しつつ、該鉱石に含まれるMgを用いてCOガスを鉱物化することができる。
 以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
例1
(1-1)高Mg含有酸化ニッケル鉱石の酸化焙焼
 乾燥質量で1kgの高Mg含有酸化ニッケル鉱石(超苦鉄質岩)のサンプルを、フィリピン国のニッケル製錬所から入手した。鉱石サンプルの元素組成を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 鉱石サンプルの酸化焙焼には以下の装置及び条件を使用した。
 焙焼装置:外熱バッチ式ロータリーキルン(高砂工業株式会社)
 レトルト全長:700mm
 レトルト材質:耐熱鋼管
 シェル回転数:6rpm
 加熱装置:5kW電気ヒータ
 焙焼ガス:空気、又は酸素富空気(酸素濃度10%増加)
 500gの鉱石サンプルに助燃剤として100gの固体状の硫黄(S)を混合し、得られた硫黄混合鉱石サンプルを容量0.8LのSUS310S製試料ケースに入れた。
 最終到達温度が1000℃又は700℃となるように、硫黄混合鉱石サンプルを昇温速度5℃/分で加熱した。温度600℃~700℃で温度上昇速度が減少した。このことは、この温度域で吸熱反応が起こっていることを示唆する。示差熱分析装置(TG/DTA)を用いて20mgの硫黄混合鉱石サンプルを分析した結果、この温度域で大きな質量減少が観察された。この質量減少は、鉱石サンプル中の高Mg源であるカンラン石又は蛇紋岩が熱分解したことに起因すると考えられる。図5に硫黄混合鉱石サンプルを加熱したときのTG/DTA曲線を示す。
(1-2)酸化焙焼生成物の流動層式比重差分離
 最終到達温度を700℃とした試験で得られた500gの生成物(焙焼物)を、SUS304製ジョンソンスクリーン(目開き34マイクロメートル)を備えた流動目皿の周りに直径100mm、高さ300mmのアクリル製円筒が取り付けられた、バッチ式流動分離槽の内部に充填した。流動層下部から上部に向けて、周期的に空気流量を変えることにより空気をパルス状態で流し、生成物がアクリル製円筒から飛散しない程度の流動状態を10分間維持した。その後、流動層の上層(質量比で30%)及び下層(質量比で70%)を分取した。上層の比重は約4以下であった。上層及び下層の組成を表2及び表3にそれぞれ示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
(2A)高圧反応法によるCO鉱物化
 (1-2)で得られた上層に水を加えて15質量%のスラリーを調製した。得られたスラリーを20℃に保持して、1.05MPaに昇圧したCOガスを供給し、180分間撹拌することにより液相にMgを抽出し、MgCOとして鉱物化した。更にスラリーの液温度を90℃まで昇温することにより液相中のMgCOを析出分離させた。
(2B)常温常圧法によるCO鉱物化
 (1-2)で得られた上層に17質量%硫酸水素アンモニウム水溶液を加えて、Mg、Ca、及びFeを液相にイオンとして抽出した。抽出後の残渣から液相を分離した後、液相に0.8質量%2,2’-ビピリジル水溶液を加えてFeイオンを錯化した。次に、液相に4質量%NaOH水溶液を加えて液相のpHを9~12に調整した。その後、液相にCOガスを常温常圧で供給することにより、MgCOとして鉱物化し液相から析出させた。
(3)HPAL法によるNiの回収
 (1-2)で得られた下層から20gのサンプルを採取して、100mLのビーカーに入れ、固形分が45質量%となるように44gの純水を添加してスラリーを得た。スラリーを内容積100mLのオートクレーブ(東洋高圧株式会社)に移し替え、更に5.6gの98%濃硫酸を添加した後に、36分かけて245℃まで昇温した。245℃で60分間保持してNiを浸出させた後、オートクレーブから電気ヒータを取り外し、空冷ファンを用いてオートクレーブを常温まで冷却した。その後、オートクレーブの蓋を開けて内容物を回収した。内容物の固相(スラリー)の固形分は殆どがFeであり、液相からNiを収率96%で回収した。
 本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることも当業者には明らかである。
 本開示の方法及び装置は、COガスの鉱物化及び有価金属の回収に有利に使用することができる。

Claims (16)

  1.  有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質に前処理を行って、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを得ること、
     前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属とCOガスとを反応させて、前記COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化すること、及び
     前記有価金属含有残渣から前記有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収すること
    を含む、方法。
  2.  前記アルカリ土類金属がMgを含む、請求項1に記載の方法。
  3.  前記COガスの供給源が、石炭発電所、石油発電所、天然ガス発電所、バイオマス発電所、石炭ボイラー、製錬設備、中和設備、及び焙焼設備からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4.  前記アルカリ土類金属高含有成分がスラリーの形態であり、前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属と前記COガスとを加圧下で反応させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5.  前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属を液相中にアルカリ土類金属イオンとして抽出し、前記アルカリ土類金属イオンと前記COガスとを常圧下で反応させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6.  前記アルカリ土類金属イオンが、アルカリ土類金属珪酸塩又はアルカリ土類金属珪酸複塩の形態である、請求項5に記載の方法。
  7.  前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属を液相中にアルカリ土類金属イオンとして抽出する際に、pH調整剤及び錯化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を添加することを含む、請求項5又は6のいずれかに記載の方法。
  8.  前記前処理が、
     前記出発物質を炭素質還元剤の存在下で前記アルカリ土類金属を金属の形態で気相側に揮発させることを含む還元焙焼法又は還元溶融法、
     前記出発物質を酸素の存在下で酸化分解した後、アルカリ土類金属酸化物を生成させることを含む酸化焙焼法、
     前記出発物質を酸素の存在下で熱分解することを含む酸化熱分解法、
     前記出発物質に含まれる前記アルカリ土類金属を塩化物の形態で気相側に揮発させることを含む塩化揮発法、
     前記出発物質に含まれる前記アルカリ土類金属をその塩に変換した後、固液分離することを含む方法、及び
     前記出発物質に含まれる前記有価金属を硫酸化し焙焼することを含む硫酸化焙焼法
    からなる群より選ばれる少なくとも1つにより行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9.  前記出発物質が超苦鉄質岩(Ultramafic Rock)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10.  前記超苦鉄質岩が、カンラン石(Olivine)及び蛇紋石(Serpentine)からなる群より選ばれる少なくとも1種の鉱物を含む、請求項9に記載の方法。
  11.  前記前処理が、比重差分離により前記アルカリ土類金属高含有成分と前記有価金属含有残渣とを分離することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12.  前記有価金属が、Ni、Co、Fe、Cu、及び白金族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13.  前記出発物質が、前記有価金属を含む鉱石である、請求項12に記載の方法。
  14.  常圧酸浸出法、高圧酸浸出法、塩素溶解法、アンモニア溶解法、又は電気炉溶解法により、前記有価金属含有残渣から前記有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15.  有価金属と、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属とを含む出発物質から、アルカリ土類金属高含有成分と有価金属含有残渣とを生成する前処理装置と、
     前記アルカリ土類金属高含有成分中の前記アルカリ土類金属とCOガスとを反応させて、前記COガスをアルカリ土類金属炭酸塩として鉱物化するCOガス反応装置と
    を備える、CO鉱物化装置。
  16.  請求項15に記載のCO鉱物化装置と、
     前記有価金属含有残渣から前記有価金属を含有する製品、中間体又はそれらの両方を回収する有価金属回収装置と
    を備える、CO鉱物化及び有価金属回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS498767B1 (ja) * 1970-02-09 1974-02-28
JP2002241857A (ja) * 2001-02-15 2002-08-28 Kashima Kita Electric Power Corp ニッケル粉末の製造方法
US20040213705A1 (en) * 2003-04-23 2004-10-28 Blencoe James G. Carbonation of metal silicates for long-term CO2 sequestration

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