WO2023021997A1 - 核融合炉用ブランケット - Google Patents

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啓祐 向井
哲之 小西
リチャード ピアソン
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    • G21B1/00Thermonuclear fusion reactors
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Definitions

  • a divertor coil is provided below the poloidal coil 52 in the vertical direction, and as a result of the superimposition of the magnetic field by the divertor coil and the poloidal magnetic field, the plasma boundary, which is the magnetic force surface including the null point and the null point, where the poloidal magnetic field becomes zero. generated. Outside the plasma boundary, the magnetic field lines do not stay inside, so plasma particles present in the region outside the plasma boundary flow out along the plasma boundary.
  • a diverter 6 is provided to capture this particle and thermal energy inside the vacuum vessel 3 . The divertor 6 exhausts helium or the like generated by the nuclear fusion reaction, and also discharges and recovers thermal energy that has flowed to the divertor 6 .
  • the partition wall 43 is also provided with a large number of communication holes 43a for communicating the adjacent internal tanks 421 and 422 with each other, so that the coolant flows from the internal tank 421 on the plasma side to the internal tank 422 on the rear side. It has become so.
  • SiCf/SiC structural materials with a density of 3.21 g/cm 3 are used for each structural material and piping of the housing 40, it is excellent in lightness and is much lighter than steel materials (approximately 8 g/cm 3 ).
  • hydrogen isotope permeation is extremely low compared to steel structural materials.
  • SiCf/SiC blankets have almost no problem of fuel loss due to tritium permeation and leakage of radioactive materials.

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Abstract

【課題】炉設計をシンプル且つ軽量なものとすることによって、プラント全体の構造的な健全性を維持しつつ、高いトリチウム増殖性能を実現する。 【解決手段】 複数のブランケットモジュール4aのそれぞれは、核融合プラズマに臨ませて配置される第一壁41と、第一壁41の背後に配置されSiC又はSiC複合材を含む構造材料により形成された内部が中空の筐体40と、筐体40内部において核融合プラズマから離れる方向に複数連設された内部槽421,422と、第一壁41側の構造材料と最前列に位置する内部槽との間に形成された前面側流路45と、前面側流路45と最前列に位置する内部槽421とを連通させる流入孔45aと、隣接された内部槽421,422同士を相互に連通させる連通孔43aと、筐体40の外部から前面側流路45に冷却材を供給する供給路46と、最後尾の内部槽422から筐体40の外部に冷却材を排出する排出管47とを備える。

Description

核融合炉用ブランケット
 本発明の実施形態は、核融合プラズマを生成する核融合炉の真空容器の内側に沿って配された複数のブランケットモジュールを有する核融合炉用ブランケットに関する。
 核融合炉では、重水素と三重水素(トリチウム)を含む混合燃料を真空容器内でプラズマ化して保持し、核融合反応で生じる14.1MeVの一次中性子からエネルギーを取り出して発電を行う。トリチウムは自然界に存在しないため、炉を継続的に運転するにはトリチウムの消費分を補いつつ、増殖する必要がある。このため、核融合炉では、核融合反応により生成される中性子の捕獲によるトリチウム生成と、核融合反応により生じる熱の回収とを行うために、真空容器の内面にブランケットが取り付けられる。
 ブランケットの一例として、特別に成分調整された低放射化フェライト鋼(例えば、F82H)で構成された箱形状の金属容器(筐体)に、リチウムを含むトリチウム増殖材、ベリリウムを含む中性子増倍材の層を交互に設けたものがある。筐体内部に冷却水が流通する流路が形成されて、発生した熱が回収される。筐体には、冷却水を供給して、回収するための配管、生成したトリチウムを回収するために搬送ガスを供給し、回収するための配管が取り付けられる(例えば特許文献1参照)。
特開2004-239807号公報
 しかしながら、発生した熱を回収するために冷却水を使用する場合、冷却水が構造材の破損により高温部に吹き込んだ場合には、水素発生などのリスクが避けられない。特に、冷却水を循環させる配管や、精製したトリチウムを回収するための配送ガスを供給・回収するための配管が複雑になると、プラント全体の安全上の懸念及び潜在的なリスクの一つになる。
 そこで、本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、炉設計をシンプル且つ軽量なものとすることによって、プラント全体の構造的な健全性を維持しつつ、高いトリチウム増殖性能を実現する核融合炉用ブランケットを提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本発明は、核融合プラズマを生成する核融合炉の真空容器の内側に沿って配された複数のブランケットモジュールを有する核融合炉用ブランケットであって、前記複数のブランケットモジュールのそれぞれは、
 核融合プラズマに臨ませて配置される第一壁と、
 第一壁の背後に配置されSiC又はSiC複合材を含む構造材料により形成された内部が中空の筐体と、
 筐体内部の中空内において核融合プラズマから離れる方向に複数連設された内部槽と、
 筐体内において第一壁側の構造材料と最前列に位置する内部槽との間に形成された前面側流路と、
 前面側流路と最前列に位置する内部槽とを連通させる流入孔と、隣接された内部槽同士を相互に連通させる連通孔と、
 筐体の外部から前面側流路に冷却材を供給する供給路と、
 最後尾の内部槽から筐体の外部に冷却材を排出する排出路とを備える。
 上記発明において、冷却材は増殖材の機能を有するリチウム鉛或いはベリリウム、又はこれら配合して含有する流体であることが好ましい。また、上記発明において、第一壁はタングステン薄膜を含むことが好ましい。さらに、上記発明において、供給路又は排出路の少なくともいずれかはSic又はSic複合材を含む構造材で形成された管材を含むことが好ましい。
 本発明によれば、核融合プラズマを生成する核融合炉の真空容器の内側に沿って複数配置される核融合炉用ブランケットにおいて、炉設計をシンプル且つ軽量なものとし、プラント全体の構造的な健全性を維持しつつ、高いトリチウム増殖性能を実現できる。
 詳述すると、本発明では、筐体をSiC又はSiC複合材を含む構造材料により形成するとともに、筐体内部に内部槽を複数連設する構造としたため、内部槽のサイズや配置を最適化することができ、核発熱分布に応じた流路の制御ができ、熱の回収率及びトリチウムの増殖性能を適正に向上させることができる。また、従来のブランケットでは、ベリリウムの充填層が設置できず、また、リチウム鉛が垂直方向に流動する構造になっているものもあり、例えば10m 以上の揚程があるようなときには、非常に大きなポンプ動力や電力消費が伴う。これに対して本発明のブランケットモジュールでは、供給路及び排出路が水平方向に配置可能であり、小さいポンプ動力で冷却材を流動させることができる。
 さらに、本発明において冷却材としてベリリウムを配合する場合には、ベリリウム増倍反応(Be + n →2He +2n)を誘発する高速中性子束の高い位置に必要量のベリリウムを配置できるため、トリチウム増殖比が調整できる。特に、本発明では、自然比のリチウム鉛やベリリウムを配合することにより、非常にコストが高い高濃縮リチウム鉛(6Li 濃縮度:90%程度)を不要とするか、或いは使用量を低減することができ、コストの低減が可能となる。
実施形態に係るトカマク型の核融合炉の構成を一部切り欠いて示す斜視図。 実施形態において真空容器の内面に核融合炉用ブランケットが配置された状態を模式的に示す説明図。 実施形態に係るブランケットモジュールの外部構成を示す斜視図。 実施形態に係るブランケットモジュールの内部構成を示す断面図。
 以下に添付図面を参照して、本発明に係る核融合路用ブランケットの実施形態を詳細に説明する。図1に本実施形態に係る核融合炉の構成を示す。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(核融合炉の構成)
 図1に示す核融合炉1では、重水素とトリチウムを含む混合燃料を真空容器3の内部でプラズマ化する。発生した高温のプラズマは、各超伝導コイル51~53などによる磁界によって真空容器3の内部に保持される。そして、プラズマ内部では、重水素とトリチウムの核融合反応が発生する。なお、ダイバータ6は、核融合反応により生じたヘリウムと燃料粒子の排気を行うとともに、ダイバータ6に流れてきた熱エネルギーの排出を行う。
 詳述すると、核融合炉1は、いわゆるトカマク型の核融合炉であり、ドーナツ状で、垂直な断面の形状がほぼD字形の形状の真空容器3が設けられている。真空容器3の外側には、超伝導コイルが設けられており超伝導コイルは低温状態に維持される。この超伝導コイルとしては、真空容器3の外側の空間に、トロイダルコイル51、ポロイダルコイル52及びセンターソレノイドコイル53が設けられている。
 センターソレノイドコイル53は、真空容器3のドーナツの中心の空間に設けられている。トロイダルコイル51は、真空容器3の大径に沿って互いに間隔をあけて複数が配置されている。これら複数のトロイダルコイル51のそれぞれは、真空容器3のドーナツ状の筒部分を囲むように配されている。それぞれのトロイダルコイル51においては、真空容器3の大径沿って互いに同一方向の電流が流れるように構成されている。また、ポロイダルコイル52は、真空容器3の大径に沿って形成された環状をなし、すなわちドーナツ状の大径と同心に、複数本が垂直方向に互いに間隔をあけて配されている。
 そして、トロイダルコイル51によって形成されるトロイダル磁場は、設置されている複数のトロイダルコイル51によって形成される磁場の合成磁場である。トロイダル磁場は、真空容器3内で真空容器3の大径に沿って形成される。このトロイダル磁場の方向を、以下、トロイダル方向と呼び、磁場の外側の領域についても使用することとする。また、ポロイダルコイル52によって形成されるポロイダル磁場は、プラズマ内に誘導されるプラズマ電流によって形成される磁場の合成磁場である。このポロイダル磁場は、真空容器3内で真空容器3のドーナツ状の筒部分の垂直断面内に沿って形成される。
 これらの磁場を合成して形成される全体合成磁場は、トロイダル磁場、及びポロイダル磁場の全体合成磁場である。この全体合成磁場は、ドーナツ状の表面に沿って形成されプラズマの中心軸に向かうような捻れた磁場となる。
 核融合炉1では、重水素とトリチウムを含む混合燃料を真空容器3の内部でプラズマ化し、発生した高温の核融合プラズマP(図2に示すコアプラズマPc及びソルプラズマPs)は、トロイダルコイル51及びポロイダルコイル52などによる全体合成磁場によって、真空容器3の内部に保持される。この核融合プラズマの内部では、重水素とトリチウムの核融合反応が発生し、ヘリウムと中性子が生成される。
 ポロイダルコイル52の鉛直方向の下方には、ダイバータコイルが設けられており、ダイバータコイルによる磁場とポロイダル磁場が重なった結果、ポロイダル磁場がゼロとなるヌル点及びヌル点を含む磁力面であるプラズマ境界が生成される。プラズマ境界の外側では、磁力線が内部にとどまることはなく、このため、プラズマ境界の外側の領域に存在するプラズマ粒子は、プラズマ境界に沿って流出する。この粒子及び熱的エネルギーを真空容器3の内部で捕獲するために、ダイバータ6が設けられている。このダイバータ6は、核融合反応により生じたヘリウム等の排気を行うとともに、ダイバータ6に流れてきた熱エネルギーの排出・回収を行う。
 なお、真空容器3の内側には、ダイバータ6の他に、核融合プラズマにエネルギーを付与するための電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH:ElectronCyclotronHeating)装置や、プラズマ中に高エネルギー粒子を注入する中性粒子ビーム入射加熱(NBI:NeutralBeamInjectionheating)装置などの一部も、設けられている。
(ブランケットの構成)
 さらに、真空容器3内には、真空容器3の内面に沿って、核融合プラズマを囲むように核融合炉用ブランケット4が設けられている。核融合炉用ブランケット4は、複数のブランケットモジュール4aによって構成された核融合炉用ブランケットであり、それぞれのブランケットモジュール4aは、図2に示すように、筐体40の前面の第一壁41を核融合プラズマPに対向させるようにして、核融合プラズマPの周囲を囲んで配置されている。
 ブランケットモジュール4aは真空容器3の内側に配置され、冷却材(液体リチウム鉛)が供給管44から筐体40内部へ供給されて、筐体40内において発生した熱及びトリチウムを冷却材により回収し、排出管47を通じて真空容器3の外部へ排出された冷却材を介して熱交換機(IHX = Intermediate Heat Exchanger)201及びVST(Vacuum Sieve Tray)装置202により熱及びトリチウムが回収され、電磁ポンプ(EM Pump:Electromagnetic Pump)203により冷却材は再びブランケットモジュール4aに供給される。
 図3及び図4に、実施形態に係るブランケットモジュール4aの外部構成及び内部構成を示す。図3に示すように、各ブランケットモジュール4aは、外観的に、立方体状の筐体40を基体とした構造物であり、供給管44から供給された冷却材を筐体40内部で循環させ、排出管47から外部へ送出する構成を備えている。
 内部的には、図4に示すように、筐体40内部に形成された内部槽42と、筐体40外部から冷却材を供給する供給管44に連通された供給路46及び前面側流路45と、内部槽42から筐体40の外部へ連通された排出管47とを備えている。なお、本実施形態では、供給管44から排出管47に至る各流路が水平方向に配置されている。
 筐体40は、第一壁41の背後に配置され、密度3.21g/cm3の炭化ケイ素複合材料(SiCf/SiC:SiC又はSiC複合材)を含む構造材料により六面が形成された内部が中空の立方体状の函体である。この第一壁41は、核融合プラズマに臨ませて配置される四角形状のプレートであり、核融合プラズマPに対向する面にタングステン薄膜が塗布されている。なお、本実施形態におけるタングステン薄膜は0.1mmの厚さとなっている。
 内部槽42は、筐体40を構成する炭化ケイ素複合材料と同様の材料によって筐体40の内部に隔成された水密性の空間であり、筐体40内部の中空内において核融合プラズマから離れる方向に複数連設されている。本実施形態では、内部槽42を隔壁43によって複数の槽に区画されて複数(本実施形態では2槽)の内部槽421,422としている。また、この内部槽42のプラズマ側前面42aには、内部槽421の内外に連通する流入孔45aが多数穿設されており、内部槽421の外側から内側へ冷却材が流入されるように構成されている。一方、隔壁43にも、隣接する内部槽421,422同士を相互に連通させる連通孔43aが多数穿設されており、プラズマ側の内部槽421から後方の内部槽422へと冷却材が流通されるようになっている。
 内部槽42の周囲は、筐体40の内壁との間隙部分が冷却材の供給路となっている。本実施形態では、筐体40の下部に接続された供給管44が、内部槽42周囲に形成された供給路46に連通され、この供給路46は、筐体40内において第一壁41側の構造材料40aと最前列に位置する内部槽421との間に形成された前面側流路45と連通されており、供給路46及び前面側流路45から、内部槽421の構造材42aに穿設された流入孔を通じて、内部槽421内へ冷却材が供給される。
 供給管44及び排出管47は、本実施形態では、炭化ケイ素複合材料(SiCf/SiC:SiC又はSiC複合材)で形成された厚み1mm、長さ10cmの鉛管が採用されている。供給管44は、筐体40の背面側下部において筐体40背面の構造材40dを貫通させて筐体40内部の供給路46に連通されている。本実施形態では、この筐体40内部の供給路46と供給管44とが、筐体40の外部から冷却材を供給する供給路となる。一方、排出管47は、筐体40背面側下部において筐体40背面の構造材40d及び内部槽422背面の構造材42dを貫通させて内部槽422内部に連通されている。本実施形態では、この排出管47が、最後尾の内部槽422から筐体40の外部に冷却材を排出する排出路となる。
 本実施形態において、上記ブランケットモジュール4a内で循環される冷却材は、増殖材の機能を有するリチウム鉛を含有する流体である。このリチウム鉛(LiPb)は、冷却材と増殖材の機能を併せ持つ流体であり、本実施形態では、核融合反応により生じた一次中性子の照射を受けて、冷却材であるリチウム鉛に含まれる質量数6のリチウムの核反応を発生させてトリチウムが生成される。同時に、冷却材に含まれるリチウム鉛と一次中性子との核反応が発生して二次中性子が生成される。この二次中性子も核融合炉用ブランケット4内の冷却材と核反応してトリチウム生成に寄与する。なお、冷却材としてベリリウムを充填することで天然Li 比のリチウム鉛(Li比率:7.8%)でもトリチウム増殖比>1を達成可能である。同時に、核融合炉用ブランケット4では、筐体40の内部に供給され流通する冷却材であるリチウム鉛を介して、プラズマから生じる熱が回収される。
(核融合炉の動作)
 以上説明した構成の核融合炉の動作は、以下の通りである。
 先ず、重水素とトリチウムを含む混合燃料を真空容器3の内部でプラズマ化する。発生した高温のプラズマは、各超伝導コイル51~53などのコイルの磁界によって真空容器3の内部に保持される。そして、プラズマ内部では、重水素とトリチウムの核融合反応が発生し、ヘリウムと中性子が生成される。粒子及び熱的エネルギーの一部は、ダイバータ6によって真空容器3の内部で捕獲され、ダイバータ6により核融合反応により生じたヘリウム等の排気が行われるとともにダイバータ6に流れてきた熱エネルギーが排出・回収される。
 一方、核融合炉用ブランケット4では、各ブランケットモジュール4aにおいて、電磁ポンプ203により供給管44を通じて筐体40内部へ冷却材(液体リチウム鉛)が供給され、供給された冷却材によって筐体40内において発生した熱及びトリチウムが回収され、排出管47を通じて真空容器3の外部へ排出される。この各ブランケットモジュール4aから排出された冷却材を介して熱交換機201及びVST装置202により熱及びトリチウムが回収される。そして、電磁ポンプ203により冷却材は再びブランケットモジュール4aに供給される。
 詳述すると、電磁ポンプ203により供給管44を通じて筐体40内部へ冷却材(液体リチウム鉛)が供給され、筐体40内に供給された冷却材は、内部槽42の周囲に形成された供給路46を通じて、第一壁41側の構造材料40aと最前列に位置する内部槽421との間に形成された前面側流路45へと流入され、次いで前面側流路45から、内部槽421の構造材42aに穿設された流入孔を通じて、内部槽421内へ供給される。また、内部槽42内において冷却材は、隔壁43に多数穿設された連通孔43aを通じて、プラズマ側の内部槽421から後方の内部槽422へと流通する。このように、冷却材は、供給管44から供給路46、前面側流路45を経て、内部槽421,422を通過する間に、筐体40内において発生した熱及びトリチウムを捕捉する。
 この間、冷却材は、液体リチウム鉛であり、増殖材の機能を有することから、核融合反応により生じた一次中性子の照射を受けて、リチウム鉛に含まれる質量数6のリチウムの核反応を発生させてトリチウムが生成されるとともに、同時に、冷却材に含まれるリチウム鉛と一次中性子との核反応が発生して二次中性子が生成される。この二次中性子も核融合炉用ブランケット4内の冷却材と核反応してトリチウム生成に寄与する。
 その後、冷却材は、熱及びトリチウムを捕捉した状態で、最後尾の内部槽422から排出管47を通じて、筐体40の外部に排出され、これら各ブランケットモジュール4aから排出された冷却材を介して熱交換機201及びVST装置202により熱及びトリチウムが回収される。
(作用・効果)
 以上説明した本実施形態に係る核融合炉用ブランケット4によれば、先進的な炭化ケイ素複合材料(SiCf/SiC)及び自己冷却リチウム鉛増殖材を用いた高温運転可能なブランケット設計が可能となる。具体的に核融合炉用ブランケット4は、第一壁41にタングステン薄膜、ブランケットモジュール4aの構造材として炭化ケイ素複合材料(SiCf/SiC)を採用し、液体リチウム鉛は増殖材と冷却材を兼ねることから、核融合により発生した熱の取り出し、トリチウムの生産及び放射線の遮蔽の役割を果たすこととなる。また、リチウム鉛は非圧縮性流体であり、空気や水との化学反応性が低いため、漏洩等の想定しうる事故シナリオにおいても安全である。さらにはリチウム鉛を循環させて冷却するため、加圧水やヘリウムガスといった冷却材をブランケット内部に入れる必要がなく、シンプルなブランケット構造が可能となる。
 また、本実施形態では、筐体42内部に内部42槽を複数連設する構造とするとともに、筐体40、内部槽42,各流路をSiC又はSiC複合材を含む構造材料により形成するたため、内部槽42のサイズや配置を最適化することができ、核発熱分布に応じた冷却材の流路を制御することができ、熱の回収率及びトリチウムの増殖性能を適正に向上させることができる。また、本実施形態のブランケット6では、供給管44から排出管47に至る各流路が水平方向に配置されており、小さいポンプ動力で冷却材を流動させることができる。
 また、筐体40の各構造材や配管に密度3.21g/cm3のSiCf/SiC構造材を使用していることから軽量性に優れ、鉄鋼材(約8 g/cm3)に比べて遥かに軽いうえ、鉄鋼材料の構造材と比較して水素同位体の透過が極めて少ない。SiCf/SiCを構造材とするブランケットではトリチウム透過による燃料損失や放射性物質の漏洩による問題がほとんど生じない。
 さらに、SiCf/SiCは、高温・中性子照射下においても、熱化学的安定性と損傷回復性に優れており、従来材料よりも交換の頻度を下げることができ、メンテナンスコストも低減できる。また、SiCf/SiCは、他の鉄鋼材料と比較して中性子の反射・吸収が非常に少ないことから、高いトリチウム増殖比を達成できる。
 また、本実施形態に係るブランケットモジュールでは、その構造材は全て中性子照射によって放射性同位体を生成し、放射性廃棄物として処理される。SiCf/SiCの放射化レベルは、低放射化フェライト鋼などの他の構造材と比較しても著しく低く、SiCf/SiCは1日に3桁以上放射能を低減するするため、放射性廃棄物量を大幅に低減することが可能となる。さらには、鉄鋼材料にリチウム鉛を流動させる場合、ブランケット中で液体リチウム鉛の流れに対して強いブレーキが働く現象などのMHD圧力損失が問題となるが、SiCf/SiCでは原理的にMHD圧力損失が生じない。また、シリコンとカーボンは自然界に豊富に存在するため、SiCf/SiC材料は環境負荷が小さく、安定して調達できる。
 また、本実施形態の第一壁41は、タングステン薄膜が塗布されているため、高熱負荷耐性を有し、中性粒子のスパッタリングの発生を低減することができる。また、タングステンとSiCf/SiCは熱膨張率の差が小さく、第一壁41と筐体40との接合性も確保することができる。
 また、本実施形態に係るブランケットモジュールでは、冷却材として液体リチウム鉛を用いるとともに構造材として炭化ケイ素複合材料(SiCf/SiC:SiC又はSiC複合材)を採用しており、これらは高温で優れた共存性を示すことから、安定性が隠されている。すなわち、SiCf/SiCは、1000°Cを超える温度においても安定しており、他の冷却材と比較して遥かに高い温度で循環させることができ、鋼構造材にとって重大な課題である化学的な腐食を引き起こさず、また高温で利用可能であるため、高効率ブレイトンサイクルを用いると、55%を超える発電効率が達成される。
 なお、冷却材に加圧水を用いる場合、熱効率は33%程度である。また、加圧冷却水を使用する場合、加圧冷却水が構造材の破損により高温部に吹き込んだ場合に冷却水損失事故時の水素発生など、事故のリスクが避けられない。これに対して、本実施形態に係るブランケットモジュールでは、自己冷却で冷却水を使用しないため、この冷却水損失事故が原理的に生じない。なお、冷却材に水やヘリウムを利用するシステムの場合、トリチウム汚染を伴う一次冷却材の想定される漏洩の軽減は重要であり、起こりうる環境汚染の脅威に備えて、ヘリウム又は水が体積膨張した場合のサプレッションプールの準備が必要である。
 さらに、本実施形態に係るブランケットモジュールでは、細かい配管を使わないためシンプルな構造とすることができることから、複雑な炉設計によるプラント全体の安全上の懸念及び潜在的なリスクを低減することができるとともに、プラント全体の構造的な健全性を維持しつつ、高いトリチウム増殖性能を実現できる。
 さらに、本発明において冷却材としてベリリウムを配合する場合には、ベリリウム増倍反応(Be + n →2He +2n)を誘発する高速中性子束の高い位置に必要量のベリリウムを配置できるため、トリチウム増殖比が調整できる。特に、本発明では、自然比のリチウム鉛やベリリウムを配合することにより、非常にコストが高い高濃縮リチウム鉛(6Li 濃縮度:90%程度)を不要とするか、或いは使用量を低減することができ、コストの低減が可能となる。
 以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
 P…核融合プラズマ
 Pc…コアプラズマ
 Ps…ソルプラズマ
 1…核融合炉
 3…真空容器
 4…核融合炉用ブランケット
 4a…ブランケットモジュール
 6…ダイバータ
 40…筐体
 40a~d…構造材
 41…第一壁
 42…内部槽
 42a~d…構造材
 43…隔壁
 43a…連通孔
 44…供給管
 45…前面側流路
 45a…流入孔
 46…供給路
 47…排出管
 51…トロイダルコイル
 52…ポロイダルコイル
 53…センターソレノイドコイル
 201…熱交換機
 202…VST装置
 203…電磁ポンプ
 421,422…内部槽

Claims (5)

  1.  核融合プラズマを生成する核融合炉の真空容器の内側に沿って配された複数のブランケットモジュールを有する核融合炉用ブランケットであって、
     前記複数のブランケットモジュールのそれぞれは、
     前記核融合プラズマに臨ませて配置される第一壁と、
     前記第一壁の背後に配置され、SiC又はSiC複合材を含む構造材料により形成された内部が中空の筐体と、
     前記筐体内部の前記中空内において前記核融合プラズマから離れる方向に複数連設された内部槽と、
     前記筐体内において前記第一壁側の構造材料と最前列に位置する前記内部槽との間に形成された前面側流路と、
     前記前面側流路と前記最前列に位置する内部槽とを連通させる流入孔と、
     隣接された内部槽同士を相互に連通させる連通孔と、
     前記筐体の外部から前記前面側流路に冷却材を供給する供給路と、
     最後尾の内部槽から前記筐体の外部に冷却材を排出する排出路と
    を備えることを特徴とする核融合炉用ブランケット。
  2.  前記冷却材は、増殖材の機能を有するリチウム鉛を含有する流体であることを特徴とする請求項1に記載の核融合炉用ブランケット。
  3.  前記冷却材は、ベリリウムを含有する流体であることを特徴とする請求項1に記載の核融合炉用ブランケット。
  4.  前記第一壁は、タングステン薄膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の核融合炉用ブランケット。
  5.  前記供給路又は前記排出路の少なくともいずれかはSiC又はSiC複合材を含む構造材で形成された管材を含むことを特徴とする請求項1に記載の核融合炉用ブランケット。
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