WO2022259432A1

WO2022259432A1 - 通信システムおよび機器

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Publication number: WO2022259432A1
Application number: PCT/JP2021/021965
Authority: WO
Inventors: 孝一折戸
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2021-06-09
Filing date: 2021-06-09
Publication date: 2022-12-15
Also published as: US11800583B1; US20230319912A1; DE112021005426T5; CN116724599A; JP7101906B1; JPWO2022259432A1

Abstract

第１機器と、配信データを生成し、第１機器と無線通信可能な複数の第２機器と、を備える通信システムであって、第２機器は、無線通信部、ペアリング処理部、機器情報記憶部、コンテンツ生成部、配信データ処理部およびデータ制御部を備える。ペアリング処理部は、第２機器の機器固有情報を用いて、第１機器との間の認証処理を含むペアリング処理を実行する。機器情報記憶部は、ペアリング処理で得られる情報であるペアリング認証情報を含む機器情報を記憶する。ペアリング処理部は、ネットワーク内の他の第２機器の機器固有情報を用いて、第１機器と他の第２機器との間のペアリング処理を、他の第２機器に代行して行い、他の第２機器についてのペアリング認証情報を機器情報記憶部に記憶する。データ制御部は、ペアリング認証情報を、他の第２機器に送信する。他の第２機器のデータ制御部は、受信したペアリング認証情報を機器情報記憶部に記憶する。

Description

通信システムおよび機器

　本開示は、ペアリング処理を行った機器間で通信を行う通信システムおよび機器に関する。

　特許文献１には、デジタルテレビと、デジタルテレビにＨＤＭＩ（登録商標）（High-Definition　Multimedia　Interface）－ＣＥＣ（Consumer　Electronics　Control）接続される動画再生装置と、デジタルテレビとの間で予めペアリングがなされた電波式のリモートコントローラと、を有するシステムで、動画再生装置とリモートコントローラとの間でペアリングを行うペアリング方法が開示されている。特許文献１に記載のペアリング方法では、リモートコントローラと既にペアリングを行っているデジタルテレビが動画再生装置へリモートコントローラの識別情報を送信し、動画再生装置が動画再生装置の識別情報を含むペアリング情報を生成する。その後、動画再生装置は、生成したペアリング情報をデジタルテレビに送信し、デジタルテレビが受信したペアリング情報をリモートコントローラに送信する。そして、リモートコントローラは、ペアリング情報を受信すると、動画再生装置にペアリング確認情報を無線通信で送信する。動画再生装置がペアリング確認情報を受信することで、動画再生装置はリモートコントローラとのペアリングが完了したことを確認する。これによって、ユーザによる動画再生装置とデジタルテレビのリモートコントローラとの間のペアリング処理を行わずに、リモートコントローラは、デジタルテレビだけではなく、動画再生装置との間で直接信号のやり取りを行うことが可能となる。

国際公開第２０１０／１４６８０６号

　ところで、制御対象を制御する複数の制御装置、制御対象の状態を検知するセンサ等を用いて製品を製造する製造現場では、表示器が、制御装置、センサ等からデータを収集し、収集したデータを加工した加工データを製造現場で作業する作業者に対して配信したいという要望がある。製造現場では、製造現場内の複数の位置に、表示器からの加工データを、加工データの受信を行う機器であるシンク機器に無線通信によって配信する無線通信機であるソース機器が配置される。シンク機器は、製造現場で製造に携わるユーザによって保持される。製造現場では、特許文献１で想定される範囲に比して十分広い範囲で無線通信が行われるため、ソース機器の電波出力範囲である無線通信範囲がわずかに重複するように、製造現場内でソース機器が配置される。例えば、第１無線通信範囲に存在し、第１無線通信範囲を提供する第１ソース機器とペアリングを行っているシンク機器が、第２無線通信範囲を提供する第２ソース機器とペアリングをする場合に、特許文献１に記載の技術を適用した場合を考える。特許文献１に記載のペアリング方法によれば、第１ソース機器が第２ソース機器にシンク機器の識別情報を送信し、第２ソース機器が第２ソース機器の識別情報を含むペアリング情報を生成する。その後、ペアリング情報は、第１ソース機器を介してシンク機器に送信され、シンク機器は、ペアリング確認情報を無線通信で第２ソース機器に送信する。しかし、上記したように、製造現場では、第１ソース機器と第２ソース機器とは無線通信範囲がほとんど重ならないため、シンク機器が第１無線通信範囲と第２無線通信範囲とが重なる範囲に存在する場合でなければ、ペアリング確認情報を第２ソース機器に無線通信で送信することができず、ペアリング処理を完了できない可能性が高い。そして、シンク機器から送信されたペアリング確認情報を第２ソース機器が受信できなかった場合には、第２ソース機器はシンク機器とのペアリング処理完了を把握していないため、第２ソース機器からシンク機器へデータを配信できない。

　本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、無線通信機とペアリング状態にあるシンク機器が無線通信を行うことができない位置の他の無線通信機ともペアリング処理を完了することができる通信システムを得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、データを受信可能な第１機器と、第１機器に配信する配信データを生成し、第１機器と無線通信可能な複数の第２機器と、を備え、複数の第２機器がネットワークを介して接続される通信システムであって、第２機器は、無線通信部と、ペアリング処理部と、機器情報記憶部と、コンテンツ生成部と、配信データ処理部と、データ制御部と、を備える。無線通信部は、第２機器の無線通信可能な範囲である無線通信範囲に存在する第１機器との間で無線通信を行う。ペアリング処理部は、第２機器に固有の情報である機器固有情報を用いて、第１機器との間の認証処理を含むペアリング処理を実行する。機器情報記憶部は、ペアリング処理で得られる情報であるペアリング認証情報と、第２機器と第１機器との間の無線通信で使用される情報と、を含む機器情報を記憶する。コンテンツ生成部は、配信データを生成する。配信データ処理部は、第１機器に配信データを配信する。データ制御部は、第２機器におけるデータの流れを制御する。ペアリング処理部は、ネットワーク内の他の第２機器の機器固有情報を用いて、第１機器と他の第２機器との間のペアリング処理を、他の第２機器に代行して行い、他の第２機器についてのペアリング認証情報を機器情報記憶部に記憶する。データ制御部は、機器情報記憶部に記憶されているペアリング認証情報を、ネットワークを介して他の第２機器に送信する。他の第２機器のデータ制御部は、受信したペアリング認証情報を機器情報記憶部に記憶する。

　本開示にかかる通信システムは、無線通信機とペアリング状態にあるシンク機器が無線通信を行うことができない位置の他の無線通信機ともペアリング処理を完了することができるという効果を奏する。

実施の形態１に係る通信システムの構成の一例を模式的に示す図実施の形態１に係る通信システムで使用される表示器の構成の一例を示すブロック図実施の形態１に係る通信システムで使用されるソース機器の構成の一例を示すブロック図実施の形態１に係る通信システムで使用されるシンク機器の構成の一例を示すブロック図実施の形態１に係る通信システムの表示器における接続機器情報収集処理の手順の一例を示すフローチャート実施の形態１に係る通信システムの表示器およびソース機器におけるペアリング処理の手順の一例を示すフローチャート実施の形態２に係る通信システムの構成の一例を示す図実施の形態３に係る通信システムのソース機器が保持するシンク機器情報の一例を示す図実施の形態３に係る通信システムのソース機器が保持するアクセス権管理情報の一例を示す図実施の形態３に係る通信システムの表示器が保持するアクセスレベル設定情報の一例を示す図実施の形態３に係る通信システムでの音声データの配信の様子の一例を示す図実施の形態３に係る通信システムでの音声データの配信の様子の一例を示す図実施の形態３に係る通信システムの表示器におけるデータ配信方法の手順の一例を示すフローチャート実施の形態３に係る通信システムの表示器におけるデータ配信方法の手順の一例を示すフローチャート実施の形態３に係る通信システムの調停処理の手順の一例を示すフローチャート実施の形態３に係る通信システムの調停処理の手順の他の例を示すフローチャート実施の形態３に係る通信システムのソース機器におけるデータ配信処理の手順の一例を示すフローチャート実施の形態１から３にかかる表示器のハードウェア構成を概略的に示すブロック図実施の形態１から３にかかるソース機器のハードウェア構成を概略的に示すブロック図

　以下に、本開示の実施の形態にかかる通信システムおよび機器を図面に基づいて詳細に説明する。

実施の形態１．
　図１は、実施の形態１に係る通信システムの構成の一例を模式的に示す図である。ここでは、通信システム１が、工場に適用される場合を示す。通信システム１は、複数の表示器１０ａ，１０ｂと、複数のソース機器２０ａ，２０ｂと、シンク機器３０ａと、を備える。複数の表示器１０ａ，１０ｂは、有線または無線のネットワークを介して接続される。表示器１０ａ，１０ｂは、工場に設けられる図示しない生産機器から取得するデータを加工した情報である加工情報を生成し、加工情報を出力する制御装置である。表示器１０ａ，１０ｂは、加工情報を表示したり、あるいはソース機器２０ａ，２０ｂを介してシンク機器３０ａに配信したりする。なお、シンク機器３０ａに配信する加工情報は、配信データとも称される。複数の表示器１０ａ，１０ｂは、ネットワークを介して接続される。表示器１０ａ，１０ｂは、ソース機器２０ａ，２０ｂを接続した状態で、工場内で互いに離れた位置に配置される。工場内のすべての位置において、シンク機器３０ａがソース機器２０ａ，２０ｂと無線接続可能なように、ソース機器２０ａ，２０ｂが接続された表示器１０ａ，１０ｂが配置される。一例では、２つのソース機器２０ａ，２０ｂの無線通信可能な範囲がわずかに重なるように、ソース機器２０ａ，２０ｂが接続された表示器１０ａ，１０ｂが工場内で配置される。なお、生産機器は、プログラマブルコントローラ等の制御装置、制御対象の状態を取得するセンサ等を含む。以下では、表示器１０ａ，１０ｂは、個別に区別しない場合に、表示器１０と称される。

　ソース機器２０ａ，２０ｂは、表示器１０ａ，１０ｂに接続され、シンク機器３０ａと無線通信可能な機器である。一例では、ソース機器２０ａ，２０ｂは、ＵＳＢ（Universal　Serial　Bus）プラグを有する携帯可能な無線通信機であるＵＳＢドングル等である。この場合、ソース機器２０ａ，２０ｂは、表示器１０ａ，１０ｂに設けられるＵＳＢソケットにＵＳＢプラグを差し込むことで、表示器１０ａ，１０ｂと電気的に接続され、表示器１０ａ，１０ｂがシンク機器３０ａと無線通信可能となる。なお、ソース機器２０ａ，２０ｂは、無線通信によって、データを送信するだけではなく、データを受信する機能を有していてもよい。以下では、ソース機器２０ａ，２０ｂは、個別に区別しない場合に、ソース機器２０と称される。ソース機器２０ａは、ソース機器２０ａの電波出力範囲である無線通信範囲２１０ａに存在するシンク機器３０ａと無線通信可能である。ソース機器２０ｂは、ソース機器２０ｂの電波出力範囲である無線通信範囲２１０ｂに存在するシンク機器３０ａと無線通信可能である。以下では、無線通信範囲２１０ａ，２１０ｂは、個別に区別しない場合に、無線通信範囲２１０と称される。ソース機器２０ａ，２０ｂは、表示器１０ａ，１０ｂに組み込まれたものであってもよいし、表示器１０ａ，１０ｂに着脱可能なものであってもよい。表示器１０ａにソース機器２０ａが接続されたもの、および表示器１０ｂにソース機器２０ｂが接続されたものは、第２機器および機器に対応する。また、ソース機器２０ａ，２０ｂは第３機器に対応し、表示器１０ａ，１０ｂは第４機器に対応する。

　シンク機器３０ａは、ソース機器２０との間で無線通信可能な機器である。シンク機器３０ａは、データを受信可能な機器であればよい。一例では、シンク機器３０ａは、ワイヤレススピーカ、ワイヤレスイヤホン、インターコミュニケーションシステム等である。シンク機器３０ａは、第１機器に対応する。

　ソース機器２０とシンク機器３０ａとは、Bluetooth（登録商標）等の無線通信によって接続される。以下の実施の形態では、ソース機器２０とシンク機器３０ａとがBluetoothによって無線通信を行う場合を例に挙げる。シンク機器３０ａは、１台のソース機器２０からデータを受信している場合に、他のソース機器２０からのデータを同時に受信することができない仕様であるとする。また、Ｎ，Ｍを自然数として、Ｎ台のソース機器２０とＭ台のシンク機器３０ａとが無線接続されるものとする。また、以下では、表示器１０がソース機器２０を介してシンク機器３０ａに、配信データとして音声データを配信する場合を例に挙げるが、配信データは、音声データに限定されるものではない。

　図１では、シンク機器３０ａは、ソース機器２０ａの無線通信範囲２１０ａに存在し、ソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂの外に存在している。実施の形態１では、ソース機器２０ａは、ネットワーク内の他の表示器１０ｂに接続される他のソース機器２０ｂのペアリング処理に必要な情報を取得し、シンク機器３０ａとペアリング処理を行う際に、他のソース機器２０ｂについても代行してペアリング処理を実行する。そして、ソース機器２０ａは、ペアリング処理の結果得られる情報を、他のソース機器２０ｂに送信する。

　図２は、実施の形態１に係る通信システムで使用される表示器の構成の一例を示すブロック図である。表示器１０は、ネットワーク接続部１１と、データ記憶部１２と、コンテンツ生成部１３と、表示生成部１４と、表示部１５と、データ制御部１６と、を有する。

　ネットワーク接続部１１は、データ制御部１６による制御の下、通信ドライバによって他の表示器１０、生産機器等の外部機器とデータの送受信を行う。一例では、表示器１０に接続される生産機器から制御データを受信する。制御データは、一例ではプログラマブルコントローラが制御対象を制御するために演算したデータ、あるいはセンサで検知されたデータを含む。制御データは、バイナリ形式、テキスト形式等のデータである。

　また、ネットワーク接続部１１は、表示器１０の起動時に、自身に接続される機器の情報である接続機器情報を生成して、他の表示器１０に接続機器情報を送信するとともに、他の表示器１０からの接続機器情報を受信する。自身に接続される機器は、生産機器のほかに、ソース機器２０も含まれる。実施の形態１では、接続機器情報は、ソース機器２０を示す情報と、ソース機器２０に接続される表示器１０を示す情報と、ソース機器２０の固有の情報である機器固有情報と、を含む。ソース機器２０を示す情報の一例は、ソース機器２０に付される名称である。表示器１０を示す情報の一例は、表示器１０に付される名称である。機器固有情報の一例は、ソース機器２０のＭＡＣ（Media　Access　Control）アドレス、サービスＩＤ（identification）、キャラクタＩＤである。

　データ記憶部１２は、表示器１０内で生成されたデータまたは表示器１０で取得したデータを記憶する。一例では、データ記憶部１２は、コンテンツ生成部１３で生成される音声データ、他の表示器１０から受信する音声データ、表示器１０に接続される生産機器から受信した制御データ等を記憶する。

　コンテンツ生成部１３は、制御データを加工してコンテンツである加工情報を生成する。加工情報の一つは、表示部１５に表示する情報である。また、加工情報の一つは、人が聴覚で認識することができる配信データである音声データである。コンテンツ生成部１３は、アラームを示す制御データを受けた場合に、音声データを生成する。音声データの生成は、公知の技術によって実現可能である。一例では、コンテンツ生成部１３は、制御対象に流れる電流値等を含む音声データを生成する。

　表示生成部１４は、コンテンツ生成部１３で生成された加工情報を含む種々の情報を表示部１５に表示するための情報を生成する。一例では、表示部１５は、ＧＵＩ（Graphical　User　Interface）を生成する。表示部１５は、工場内の作業者等に情報を表示する機器である。表示部１５の一例は、液晶モジュールである。

　データ制御部１６は、表示器１０におけるデータの流れを制御する。一例では、データ制御部１６は、ネットワーク接続部１１におけるデータの送受信を制御する。また、データ制御部１６は、ネットワーク接続部１１で生成した自身の接続機器情報と、他の表示器１０の接続機器情報と、をソース機器２０の後述する機器情報記憶部に書き込む。データ制御部１６は、ソース機器２０の機器情報記憶部の接続機器情報を読み出し、音声データの送信先であるシンク機器３０ａと無線接続を行っているソース機器２０に接続される他の表示器１０を抽出する。データ制御部１６は、自身に接続されているソース機器２０を介してシンク機器３０ａに音声データを送信し、あるいはネットワーク接続部１１を介して抽出した他の表示器１０に音声データを送信する。この他に、データ制御部１６は、表示部１５に表示させるデータの調停を行う。

　図３は、実施の形態１に係る通信システムで使用されるソース機器の構成の一例を示すブロック図である。ソース機器２０は、ＲＦ（Radio　Frequency）部２１と、機器情報記憶部２２と、配信データ処理部２３と、ペアリング処理部２４と、を備える。

　ＲＦ部２１は、シンク機器３０ａとの間で無線通信を行う無線通信部である。ここでは、ＲＦ部２１は、表示器１０からの音声データを電波信号に変換し、アンテナからシンク機器３０ａに送信する。シンク機器３０ａがデータを送受信可能な機器である場合には、ＲＦ部２１は、シンク機器３０ａからの電波信号をアンテナで受信し、受信した電波信号をデータに変換する。

　機器情報記憶部２２は、シンク機器３０ａとの間の無線通信に必要な情報である機器情報を記憶する。機器情報は、表示器１０が接続されるネットワークにおける機器の構成を示す情報である接続機器情報と、ペアリング処理によって得られる情報であるペアリング認証情報と、シンク機器３０ａと各ソース機器２０とのペアリング処理の実行の有無、すなわちペアリング処理の実行結果を示す情報であるペアリング結果情報と、を含む。ペアリング認証情報は、ペアリング処理によって得られるシンク機器３０ａの機器固有情報を含む。ペアリング認証情報は、これに加えてペアリングを行ったシンク機器３０ａとソース機器２０との間の通信で使用される鍵情報を含んでいてもよい。

　配信データ処理部２３は、シンク機器３０ａに音声データを配信する。具体的には、配信データ処理部２３は、表示器１０からの音声データを、表示器１０のデータ制御部１６による制御の下、ＲＦ部２１からシンク機器３０ａへと配信する。配信データ処理部２３は、機器情報記憶部２２中の接続機器情報を参照しながら、データを配信するタイミングを調整する。

　ペアリング処理部２４は、ソース機器２０の機器固有情報およびシンク機器３０ａの機器固有情報を用いてシンク機器３０ａとの間で認証処理を含むペアリング処理を行う。ペアリング処理は、一例ではシンク機器３０ａとの間で機器固有情報を交換してそれぞれ登録する処理である。すなわち、ペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａからペアリング要求を受けると、機器情報記憶部２２の接続機器情報に含まれる自身の機器固有情報をシンク機器３０ａに送信する。また、ペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａからの機器固有情報を受信して、シンク機器３０ａの機器固有情報を機器情報記憶部２２のペアリング認証情報に登録し、ペアリング処理を行ったシンク機器３０ａとソース機器２０との組み合わせをペアリング結果情報に登録する。ペアリング結果情報は、一例では、ペアリング処理を行ったシンク機器３０ａおよびソース機器２０の組み合わせを登録することによって、ペアリング処理が実行されたことを示すものとすることができる。なお、ペアリング処理は、Bluetoothの規格に従って行われる。

　実施の形態１では、ペアリング処理部２４は、自身とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理だけではなく、ネットワーク内の他のソース機器２０とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理を代行する。このとき、ペアリング処理部２４は、機器情報記憶部２２に記憶される接続機器情報からネットワーク内の他のソース機器２０の機器固有情報を取得する。ペアリング処理部２４は、機器情報記憶部２２に記憶されるペアリング結果情報を参照して、取得した機器固有情報のうち、シンク機器３０ａとの間のペアリング処理が実行されていないソース機器２０の機器固有情報を選択する。そして、ペアリング処理部２４は、選択したソース機器２０の機器固有情報を用いて、シンク機器３０ａとの間でペアリング処理を実行し、シンク機器３０ａが送信した機器固有情報を選択したソース機器２０に対応付けてペアリング認証情報に登録する。このように、機器情報記憶部２２のペアリング認証情報には、自身のペアリング処理によって得られるシンク機器３０ａの機器固有情報だけではなく、ペアリング処理を代行したソース機器２０についてのシンク機器３０ａの機器固有情報も登録される。

　また、表示器１０のデータ制御部１６は、ソース機器２０の機器情報記憶部２２のペアリング認証情報およびペアリング結果情報をネットワーク内の他のソース機器２０に送信する。これは、他の表示器１０に接続されるソース機器２０の機器情報記憶部２２にペアリング認証情報およびペアリング結果情報を記憶させるためである。表示器１０のデータ制御部１６は、ネットワーク内の他のソース機器２０から受信したペアリング認証情報およびペアリング結果情報を、ソース機器２０の機器情報記憶部２２に登録する。

　図４は、実施の形態１に係る通信システムで使用されるシンク機器の構成の一例を示すブロック図である。シンク機器３０ａは、ＲＦ部３１と、入力部３２と、配信データ処理部３３と、シンク機器接続情報記憶部３４と、ペアリング処理部３５と、データ記憶部３６と、データ制御部３７と、出力部３８と、を備える。

　ＲＦ部３１は、ソース機器２０との間で無線通信を行う無線通信部である。ここでは、ＲＦ部３１は、ソース機器２０からの電波信号をアンテナで受信し、受信した電波信号を音声データに変換する。ＲＦ部３１は、入力部３２からのデータを電波信号に変換し、アンテナからソース機器２０に送信する。

　入力部３２は、シンク機器３０ａを所持する作業者からの情報の入力を受け付ける。入力部３２は、マイク、音量ボタン等である。入力部３２がマイクである場合には、入力部３２は音声データをデータ制御部３７に出力し、入力部３２が音量ボタンである場合には、入力部３２は音量ボタンで選択された音量情報をデータ制御部３７に出力する。

　配信データ処理部３３は、入力部３２からのデータを、データ制御部３７による制御の下、ＲＦ部３１からソース機器２０へと配信する。

　シンク機器接続情報記憶部３４は、ソース機器２０との間の無線通信に必要な情報であるシンク機器接続情報を記憶する。シンク機器接続情報は、ペアリング処理を行うのに必要な情報である登録情報、ペアリング処理によって得られる情報であるペアリング認証情報等を含む。登録情報として、シンク機器３０ａのＭＡＣアドレス、サービスＩＤ、キャラクタＩＤ等の自身を識別する機器固有情報を挙げることができる。ペアリング認証情報は、ペアリング処理によって得られるソース機器２０の機器固有情報を含む。ペアリング認証情報は、これに加えて、ペアリングを行ったソース機器２０との間の通信で使用される鍵情報を含んでいてもよい。シンク機器接続情報記憶部３４は、第１機器接続情報記憶部に対応する。また、シンク機器接続情報記憶部３４に記憶されるペアリング認証情報は、第１機器側のペアリング認証情報に対応する。

　ペアリング処理部３５は、ソース機器２０の機器固有情報およびシンク機器３０ａの機器固有情報を用いてソース機器２０との間で認証処理を含むペアリング処理を行う。ペアリング処理部３５は、一例ではペアリング要求を送信することによって開始される。上記したようにペアリング処理は、ソース機器２０との間で機器固有情報を交換し、登録することによって行われる。ペアリング処理部３５は、ペアリング処理の結果得られるソース機器２０の機器固有情報をシンク機器接続情報記憶部３４のペアリング認証情報に登録する。

　データ記憶部３６は、シンク機器３０ａ内で生成されたデータまたはシンク機器３０ａで取得したデータを記憶する。一例では、表示器１０から配信された音声データ、入力部３２から入力されるデータがデータ記憶部３６に記憶される。

　データ制御部３７は、シンク機器３０ａにおけるデータの流れを制御する。一例では、データ制御部３７は、表示器１０から受信したデータを出力部３８に出力する。また、データ制御部３７は、入力部３２からのデータのソース機器２０への送信を制御する。

　出力部３８は、音声データを出力する。出力部３８の一例は、スピーカである。ここでは、表示器１０からの音声データが出力部３８から出力される。

　つぎに、上記した通信システム１におけるペアリング処理について説明する。図５は、実施の形態１に係る通信システムの表示器における接続機器情報収集処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、図１に示されるように、ソース機器２０が表示器１０に接続されている状態にあるものとする。また、表示器１０には上記した生産機器も接続されているのが通常であるが、ここではソース機器２０とシンク機器３０ａとのペアリング処理についての説明であるため、生産機器についての説明は省略する。

　まず、表示器１０が起動されると、ネットワーク接続部１１は、自身に接続されている機器の情報を取得し、接続機器情報を生成する（ステップＳ１１）。ここでは、接続機器情報は、自身に接続されているソース機器２０の機器固有情報と、自身に接続されている機器の種別を示す機器種別情報と、を自身の表示器１０の機器固有情報および機器種別情報に対応させた情報であるとする。機器種別情報は、ソース機器２０、表示器１０等の種類である。

　ついで、データ制御部１６は、ネットワーク接続部１１を介して、接続機器情報をネットワーク内の他のソース機器２０に送信する（ステップＳ１２）。また、ネットワーク接続部１１は、他のソース機器２０から接続機器情報を受信する（ステップＳ１３）。データ制御部１６は、自身の接続機器情報と、他のソース機器２０の接続機器情報と、を、自身に接続されるソース機器２０の機器情報記憶部２２に記憶する（ステップＳ１４）。以上によって、接続機器情報収集処理が終了する。

　なお、ここでは、ネットワーク内の表示器１０のすべてで、接続機器情報を交換する場合を示したが、実施の形態がこれに限定されるものではない。例えば、表示器１０を起動した際に、ソース機器２０の無線通信範囲２１０におけるシンク機器３０ａの有無についてのシンク機器位置情報を表示器１０間で交換し、シンク機器３０ａが存在する無線通信範囲２１０を提供するソース機器２０に接続機器情報を送信し、シンク機器３０ａが存在しない無線通信範囲２１０を提供するソース機器２０には接続機器情報を送信しないようにしてもよい。シンク機器位置情報は、接続機器情報に含めてもよい。

　図６は、実施の形態１に係る通信システムの表示器およびソース機器におけるペアリング処理の手順の一例を示すフローチャートである。ソース機器２０のペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａからペアリング要求を受信したかを判定する（ステップＳ３１）。ペアリング要求を受信していない場合（ステップＳ３１でＮｏの場合）には、待ち状態となる。

　ペアリング要求を受信すると（ステップＳ３１でＹｅｓの場合）、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａとの間でペアリング処理を実行する（ステップＳ３２）。以下に、ペアリング処理の一例を説明する。ペアリング要求を受信すると、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、自身の機器固有情報をシンク機器３０ａに送信する。シンク機器３０ａのペアリング処理部３５は、ソース機器２０の機器固有情報を受信すると、シンク機器接続情報記憶部３４から自身の機器固有情報を読み出し、ソース機器２０に送信する。ソース機器２０のペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａの機器固有情報を受信すると、機器固有情報を受信した確認コードをシンク機器３０ａに送信し、受信したシンク機器３０ａの機器固有情報を機器情報記憶部２２のペアリング認証情報に登録する。確認コードは、シンク機器３０ａの機器固有情報をソース機器２０が正常に受信したことを示す情報である。シンク機器３０ａは、ソース機器２０からの確認コードを受信すると、ソース機器２０の機器固有情報をシンク機器接続情報記憶部３４のペアリング認証情報に登録する。

　ペアリング処理後、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、ソース機器２０とシンク機器３０ａとのペアリング処理が実行されたことを、機器情報記憶部２２のペアリング結果情報に登録する（ステップＳ３３）。

　ついで、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、機器情報記憶部２２の接続機器情報から、他の表示器１０に接続される他のソース機器２０を抽出する（ステップＳ３４）。ソース機器２０のペアリング処理部２４は、機器情報記憶部２２のペアリング結果情報を参照し、抽出した他のソース機器２０のうち、シンク機器３０ａとペアリング処理を実行していない他のソース機器２０を抽出する（ステップＳ３５）。そして、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、抽出した他のソース機器２０があるかを判定する（ステップＳ３６）。

　抽出した他のソース機器２０がある場合（ステップＳ３６でＹｅｓの場合）には、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、抽出した他のソース機器２０から１つの他のソース機器２０を選択し（ステップＳ３７）、選択した他のソース機器２０についてペアリング処理を代行する（ステップＳ３８）。

　以下に、ペアリング処理の代行処理の一例を説明する。ペアリング要求を受信すると、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、選択した他のソース機器２０の機器固有情報をシンク機器３０ａに送信する。シンク機器３０ａのペアリング処理部３５は、他のソース機器２０の機器固有情報を受信すると、シンク機器接続情報記憶部３４から自身の機器固有情報を読み出し、ソース機器２０に送信する。ソース機器２０のペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａの機器固有情報を受信すると、機器固有情報を受信した確認コードをシンク機器３０ａに送信し、受信したシンク機器３０ａの機器固有情報を機器情報記憶部２２のペアリング認証情報に登録する。シンク機器３０ａは、ソース機器２０からの確認コードを受信すると、選択した他のソース機器２０の機器固有情報をシンク機器接続情報記憶部３４のペアリング認証情報に登録する。

　ペアリング処理後、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、選択した他のソース機器２０とシンク機器３０ａとのペアリング処理が実行されたことを、機器情報記憶部２２のペアリング結果情報に登録する（ステップＳ３９）。

　その後、ソース機器２０のペアリング処理部２４は、抽出した他のソース機器２０が他にあるかを判定する（ステップＳ４０）。抽出した他のソース機器２０が他にある場合（ステップＳ４０でＹｅｓの場合）には、ステップＳ３７へと処理が移る。

　また、抽出した他のソース機器２０が他にない場合（ステップＳ４０でＮｏの場合）、あるいはステップＳ３６で抽出した他のソース機器２０がない場合（ステップＳ３６でＮｏの場合）には、表示器１０のデータ制御部１６は、ソース機器２０の機器情報記憶部２２に登録されたペアリング認証情報およびペアリング結果情報を、ネットワーク内の他のソース機器２０に送信する（ステップＳ４１）。これによって、他のソース機器２０の機器情報記憶部２２には、ネットワーク内のソース機器２０とシンク機器３０ａとのペアリング認証情報およびペアリング結果情報が記憶され、他のソース機器２０についてのペアリング処理が完了することになる。以上によって、ペアリング処理が終了する。

　なお、複数のシンク機器３０ａが存在する場合には、それぞれのシンク機器３０ａに対して上記したペアリング処理が実行される。

　このペアリング処理の後、シンク機器３０ａがソース機器２０ａの無線通信範囲２１０ａからソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂに移動すると、ソース機器２０ａとシンク機器３０ａとの間の通信を切断する。そして、シンク機器３０ａはシンク機器接続情報記憶部３４のソース機器２０ｂのペアリング認証情報を用いて、ソース機器２０ｂは機器情報記憶部２２のシンク機器３０ａのペアリング認証情報を用いて、接続を開始する。

　通信に当たり、ソース機器２０は、自身のソース機器２０の機器固有情報と、音声データの送信先であるシンク機器３０ａの機器固有情報と、を含めたデータをシンク機器３０ａに送信する。シンク機器３０ａでは、自身のシンク機器３０ａの機器固有情報と、ペアリング認証情報に登録されているソース機器２０の機器固有情報と、が含まれた音声データのみ受信処理を行い、それ以外の音声データは無視する。これによって、シンク機器３０ａは、自身宛ての音声データのみを取得して、再生することができる。シンク機器３０ａからソース機器２０へと音声データを送信する場合も同様である。これによって、ある作業者宛ての音声データが他の作業者に受信されてしまうことを防ぐことができる。

　なお、上記した説明では、ペアリング認証情報が、ソース機器２０の機器情報記憶部２２に記憶される場合を示したが、表示器１０のデータ記憶部１２に一覧として記憶されるようにしてもよい。

　実施の形態１では、ソース機器２０が接続された複数の表示器１０を有するネットワークにおいて、少なくともシンク機器３０ａが無線通信範囲２１０に存在するソース機器２０に、他のソース機器２０の接続機器情報を送信する。シンク機器３０ａがソース機器２０に対してペアリング要求を出すと、ソース機器２０とシンク機器３０ａとの間でペアリング処理が実行され、その後、他のソース機器２０とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理を、無線通信範囲２１０にシンク機器３０ａが存在するソース機器２０が代行して実行する。そして、ソース機器とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理と、他のソース機器２０とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理の結果得られるペアリング認証情報を、ネットワークを介して他のソース機器２０に送信する。他のソース機器２０が、ソース機器２０からのペアリング認証情報を受信することによって、他のソース機器２０とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理が完了する。これによって、ソース機器２０とペアリング状態にあるシンク機器３０ａが無線通信を行うことができない位置の他のソース機器２０ともペアリング処理を行うことができる。図１の場合には、ソース機器２０ａとペアリング状態にあるシンク機器３０ａが、ソース機器２０ａの無線通信範囲２１０ａとは重ならないまたは一部が重なる無線通信範囲２１０ｂを提供する他のソース機器２０ｂともペアリング処理を行うことができる。このように、シンク機器３０ａから無線通信可能な範囲に存在しないソース機器２０ともペアリング処理を完了することが可能となる。

　実施の形態１によらない場合では、シンク機器３０ａは、ソース機器２０ａとペアリング処理をした後、移動によって他のソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂに移動すると、ソース機器２０ａとの通信を切断し、次に接続するソース機器２０ｂを探索し、ペアリング処理を実行して、他のソース機器２０ｂと無線通信を行う。しかし、実施の形態１では、シンク機器３０ａは、無線通信範囲２１０ａを提供するソース機器２０ａとペアリング処理を行うと、シンク機器３０ａとは無線通信を行うことができない他のソース機器２０ｂともペアリング処理を行うことになる。移動によって他のソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂに移動した場合に、次に接続するソース機器２０ｂを探索することなく、ペアリング処理の代行によって得られたペアリング認証情報を用いて、他のソース機器２０ｂと接続することができる。すなわち、ソース機器２０の切り替え時におけるソース機器２０の探索回数を低減することができる。

　また、ペアリング処理を行ったソース機器２０は、すべてのペアリング認証情報およびペアリング結果情報をネットワーク内の他のソース機器２０に送信し、ネットワーク内のソース機器２０で共有するようにした。これによって、ソース機器２０がシンク機器３０ａとペアリング処理を行う際に、他のソース機器２０が、ペアリング処理を行うシンク機器３０ａと既にペアリング処理を行っているのか否かを判断することができる。この結果、既にペアリング処理を行っているソース機器２０のペアリング処理を再度行ってしまうことを防ぐことができる。

実施の形態２．
　シンク機器３０ａによっては、１つのペアリング認証情報しか保持できない構成のものもある。この場合には、ソース機器２０が複数台設置される工場では、ソース機器２０の無線通信範囲２１０が切り替わるたびにペアリング処理が実行されなければならない。実施の形態２では、シンク機器３０ａが１つのペアリング認証情報しか保持できない場合でも、ソース機器２０の無線通信範囲２１０が切り替わるたびにペアリング処理を行うことなく、接続先のソース機器２０の切り替えを行うことができる表示器１０、ソース機器２０および通信システム１について説明する。

　図７は、実施の形態２に係る通信システムの構成の一例を示す図である。実施の形態２に係る通信システム１の構成は、実施の形態１と同様である。また、通信システム１を構成する表示器１０、ソース機器２０およびシンク機器３０ａの構成は、実施の形態１の図１から図４で示したものと同様である。ただし、上記したように、シンク機器３０ａのシンク機器接続情報記憶部３４は、１つのペアリング認証情報しか記憶することができない。実施の形態１と同様に、ソース機器２０ａ，２０ｂは、表示器１０ａ，１０ｂに組み込まれたものであってもよいし、表示器１０ａ，１０ｂに着脱可能なものであってもよい。表示器１０ａにソース機器２０ａが接続されたもの、および表示器１０ｂにソース機器２０ｂが接続されたものは、第２機器および機器に対応する。また、ソース機器２０ａ，２０ｂは第３機器に対応し、表示器１０ａ，１０ｂは第４機器に対応する。さらに、シンク機器３０ａは、第１機器に対応する。

　また、同一のネットワーク内の表示器１０に接続されるすべてのソース機器２０は、共通の仮想識別子を有する。つまり、実施の形態２では、ネットワーク内のすべてのソース機器２０ａ，２０ｂを１つの仮想的なソース機器２００として、この仮想的なソース機器２００を識別する機器固有情報を仮想識別子とする。

　以下に、仮想識別子を用いたペアリング処理の概要を説明する。ソース機器２０のペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａからペアリング要求を受けると、自身の機器固有情報ではなく、仮想識別子をシンク機器３０ａに送信する。シンク機器３０ａのペアリング処理部３５は、仮想識別子を受信すると、シンク機器接続情報記憶部３４から自身の機器固有情報を読み出し、ソース機器２０に送信する。ソース機器２０のペアリング処理部２４は、シンク機器３０ａの機器固有情報を受信すると、機器固有情報を受信したことを示す確認コードをシンク機器３０ａに送信し、受信したシンク機器３０ａの機器固有情報を機器情報記憶部２２のペアリング認証情報に登録する。シンク機器３０ａは、ソース機器２０からの確認コードを受信すると、仮想識別子をシンク機器接続情報記憶部３４のペアリング認証情報に登録する。その後、表示器１０のデータ制御部１６は、ソース機器２０の機器情報記憶部２２に登録されたペアリング認証情報を、他のソース機器２０に送信する。一例では、ペアリング認証情報は、同報によって他のソース機器２０に送信される。また、ペアリング認証情報の送信は、初回のソース機器２０の仮想識別子を用いたペアリング処理時に行われるほか、例えば１時間に１回などのように一定周期で行われてもよい。他のソース機器２０は、受信したペアリング認証情報をそれぞれの機器情報記憶部２２に登録する。これによって、ペアリング処理が完了する。

　このように、最初にシンク機器３０ａとペアリング処理を行うソース機器２０が、ペアリング処理の結果得られるペアリング認証情報を他のソース機器２０に送信するようにしているので、実施の形態２でも、最初にシンク機器３０ａとペアリング処理を行うソース機器２０が、他のソース機器２０とシンク機器３０ａとの間のペアリング処理を代行しているとみなすことができる。

　なお、ソース機器２０に接続されるすべてのシンク機器３０ａに対して、１つの仮想識別子が設けられてもよいし、ソース機器２０に接続されるシンク機器３０ａごとに、１つの仮想識別子が設けられてもよい。後者の場合には、シンク機器３０ａの数の仮想識別子が存在することになる。後者の場合、例えばシンク機器３０ａが初めて接続したソース機器２０が仮想識別子を生成してもよい。この場合、ペアリング認証情報に、シンク機器３０ａの機器固有情報と、生成した仮想識別子と、を含めて他のソース機器２０に送信すればよい。

　実施の形態２の場合の通信では、音声データに含めるソース機器２０の機器固有情報が仮想識別子に置き換わるだけであり、実施の形態１の場合と同様に、ソース機器２０から目的とするシンク機器３０ａへと音声データを配信することが可能となる。また、シンク機器３０ａがハンドオーバすることによってソース機器２０が切り替わったとしても、シンク機器３０ａは、ハンドオーバ先のソース機器２０とペアリング処理をする必要がない。

　実施の形態２では、ソース機器２０が接続された複数の表示器１０を有するネットワークにおいて、すべてのソース機器２０を１つの仮想的なソース機器２００と見なして仮想識別子を設定する。シンク機器３０ａが初めて接続するソース機器２０は、シンク機器３０ａとの間で仮想識別子を用いたペアリング処理を行い、ペアリング処理の結果得られるシンク機器３０ａの機器固有情報を他のソース機器２０に送信する。そして、ソース機器２０とシンク機器３０ａとの間では、仮想識別子とシンク機器３０ａの機器固有情報とを含むデータが送受信されることになる。これによって、ソース機器２０とペアリング状態にあるシンク機器３０ａが無線通信を行うことができない他のソース機器２０ともペアリング処理を行うことと同様となる。すなわち、シンク機器３０ａから無線通信可能な範囲に存在しないソース機器２０のペアリング処理が代行されることと同等となる。

　また、１つのペアリング認証情報しか保持できないシンク機器３０ａが、工場内のように複数のソース機器２０が配置される状況下でハンドオーバする場合でも、ハンドオーバ先のソース機器２０とペアリング処理を実行することなく、通信を継続することができるという効果を有する。これによって、安価な構成のシンク機器３０ａを通信システム１に導入することも可能となる。さらに、シンク機器３０ａは、いずれか１つのソース機器２０とペアリング処理を行えばよいので、複数のソース機器２０が存在する状況下において、シンク機器３０ａおよびソース機器２０におけるペアリング処理の回数を従来に比して低減することができるという効果も有する。

実施の形態３．
　シンク機器３０ａは、あるソース機器２０から音声データの配信を受けていると、他のソース機器２０からのシンク機器３０ａ宛の音声データを受信することができない。工場内で、シンク機器３０ａに対してアラームを含む音声データを通知する場合に、シンク機器３０ａが音声データを受信し損ねてしまう事態の発生は抑えなければならない。そこで、実施の形態３では、実施の形態１，２の場合で、音声データをシンク機器３０ａにもれなく配信することができる表示器１０、ソース機器２０および通信システム１について説明する。

　実施の形態３に係る通信システム１および通信システム１を構成する表示器１０、ソース機器２０およびシンク機器３０ａの構成は、実施の形態１の図１から図４および実施の形態２の図７で示したものと同様である。以下では、実施の形態１と異なる部分について説明する。

　ソース機器２０の機器情報記憶部２２は、機器情報を記憶するが、実施の形態３の機器情報は、接続機器情報、ペアリング認証情報およびペアリング結果情報に加えて、シンク機器情報と、アクセス権管理情報と、を含む。シンク機器情報は、ソース機器２０の無線通信範囲２１０に存在するシンク機器３０ａと、シンク機器３０ａのソース機器２０への接続状態と、シンク機器３０ａの音声データの受信状態と、音声データを受信している場合に音声データの送信元のソース機器２０と、を含む情報である。シンク機器情報は、後述するように、自身のソース機器２０についてのものだけではなく、ネットワーク内の他のソース機器２０についてのものも含まれる。他のソース機器２０についてのシンク機器情報は、他の表示器１０から受信したものである。シンク機器情報は、予め定められた周期で、例えば秒単位で更新される。

　図８は、実施の形態３に係る通信システムのソース機器が保持するシンク機器情報の一例を示す図である。図８に示されるシンク機器情報は、「シンク機器」、「ソース機器」、「接続状態」、「受信状態」および「通信相手」の項目を含む。「シンク機器」の項目には、シンク機器３０ａを識別する情報、一例では、機器固有情報が格納される。「ソース機器」の項目には、「シンク機器」の項目のシンク機器３０ａが存在する無線通信範囲２１０を提供するソース機器２０を識別する情報、一例では、ソース機器２０の機器固有情報が格納される。「接続状態」の項目には、ソース機器２０と接続しているか否かを示す情報が格納される。「受信状態」の項目には、シンク機器３０ａが音声データを受信しているか否かを示す情報が格納される。また、「受信状態」の項目には、音声データを識別する情報が含まれていてもよい。「通信相手」の項目には、「受信状態」の項目が受信中である場合に、音声データの送信元のソース機器２０を識別する情報が格納される。

　図１および図７に示されるように、ソース機器２０の無線通信範囲２１０は、隣接する他のソース機器２０の無線通信範囲２１０と一部が重なるので、このような重なる範囲にシンク機器３０ａが存在する場合には、シンク機器３０ａは複数のソース機器２０の無線通信範囲２１０に存在することになる。このようなシンク機器３０ａは、シンク機器情報に複数登録されることとなる。例えば、図８の例では、機器固有情報が「ａａａ」であるシンク機器３０ａは、機器固有情報が「ｓ－ｘｘｘ」であるソース機器２０の無線通信範囲２１０と、機器固有情報が「ｓ－ｙｙｙ」であるソース機器２０の無線通信範囲２１０と、が重なる範囲に存在している。そして、このシンク機器３０ａは、機器固有情報が「ｓ－ｘｘｘ」であるソース機器２０と接続中であり、音声データを受信中であることが示されている。なお、図８に示される機器固有情報の値は、説明のために簡略化したものであり、実際の値を示すものではない。

　アクセス権管理情報は、シンク機器３０ａのアクセス権を規定した情報である。具体的には、アクセス権管理情報は、シンク機器３０ａがアクセス可能な音声データを管理する情報である。図９は、実施の形態３に係る通信システムのソース機器が保持するアクセス権管理情報の一例を示す図である。図９に示されるアクセス権管理情報は、アクセスレベルにシンク機器３０ａを対応付けた情報であり、「アクセスレベル」および「シンク機器」の項目を含む。「アクセスレベル」の項目には、後述するように音声データの種類に応じてアクセスすることができるシンク機器３０ａをレベルによって規定した情報が格納される。この例では、アクセスレベルは、数値で示されている。「シンク機器」の項目のシンク機器３０ａが存在する無線通信範囲２１０を提供するソース機器２０を識別する情報、一例では、ソース機器２０の機器固有情報が格納される。

　対応付けられるシンク機器３０ａの数が少ないアクセスレベルほど、重要性の高い情報ということができる。また、多くのアクセスレベルに対応付けられているシンク機器３０ａほど、工場全体を管理する管理者に近い職位を有するユーザによって保持され、アクセスレベルに対応付けられる数が少ないシンク機器３０ａほど、工場の各部で作業をする作業者に近い職位を有するユーザによって保持される。なお、図９に示されるアクセスレベルおよび機器固有情報の値は、説明のために簡略化したものであり、実際の値を示すものではない。

　表示器１０のコンテンツ生成部１３は、アクセスレベル設定情報を参照し、音声データのアクセスレベルを設定し、アクセスレベルを含む音声データを生成する。図１０は、実施の形態３に係る通信システムの表示器が保持するアクセスレベル設定情報の一例を示す図である。アクセスレベル設定情報は、生成する音声データの種類とアクセスレベルとを対応付けした情報であり、「データ種類」および「アクセスレベル」の項目を含む。「データ種類」の項目には、音声データの種類が格納される。音声データの種類の一例は、機器の状態に対する警報、欠品についての通知等である。「アクセスレベル」は、アクセス権管理情報で説明した「アクセスレベル」と同様である。アクセスレベル設定情報は、一例では、データ記憶部１２に記憶される。

　表示器１０のデータ制御部１６は、ソース機器２０からシンク機器情報を取得し、表示器１０に接続されるソース機器２０の機器情報記憶部２２に記憶する。例えば、データ制御部１６は、接続されるソース機器２０の配信データ処理部２３での音声データの配信状況、ＲＦ部２１からの各シンク機器３０ａの電波強度等を取得することによって、自身に接続されるソース機器２０についてのシンク機器情報を生成することができる。データ制御部１６は、生成したシンク機器情報をネットワーク内のソース機器２０が接続される他の表示器１０との間で、ネットワーク接続部１１を介して送受信する。データ制御部１６は、自身に接続されるソース機器２０のシンク機器情報と、他の表示器１０から受信したシンク機器情報と、をソース機器２０の機器情報記憶部２２に記憶する。

　表示器１０のデータ制御部１６は、コンテンツ生成部１３で生成された音声データを、配信先のシンク機器３０ａと接続されるソース機器２０を有する表示器１０に分配する。具体的には、コンテンツ生成部１３で音声データが生成されると、データ制御部１６は、音声データのアクセスレベルを読み込み、ソース機器２０の機器情報記憶部２２のアクセス権管理情報を参照し、音声データの送信先のシンク機器３０ａを抽出する。データ制御部１６は、ソース機器２０の機器情報記憶部２２のシンク機器情報を参照して、抽出したシンク機器３０ａが接続されるソース機器２０を取得し、音声データを取得したソース機器２０が接続される表示器１０にネットワーク接続部１１を介して送信する。また、データ制御部１６は、ネットワーク接続部１１を介して他の表示器１０から音声データを受信する。

　音声データの送信対象であるシンク機器３０ａは、２つ以上のソース機器２０の無線通信可能な範囲が重複した範囲である重複範囲に存在する場合と、１つのソース機器２０の無線通信可能な範囲であって重複範囲以外の範囲である非重複範囲に存在する場合と、がある。シンク機器情報で、シンク機器３０ａが複数のソース機器２０に対応付けられている場合に、シンク機器３０ａが重複範囲に存在し、シンク機器３０ａが１つのソース機器２０に対応付けられている場合に、非重複範囲に存在すると判定される。

　データ制御部１６は、非重複範囲に存在するシンク機器３０ａに対しては、他のソース機器２０での音声データの配信状況を考慮することなく、自身のソース機器２０の配信データ処理部２３に対して音声データの配信の指示を出すことができる。

　データ制御部１６は、重複範囲に存在するシンク機器３０ａに対しては、他のソース機器２０との間で音声データの配信の調停を行う。ここでは、重複範囲に存在するシンク機器３０ａに対して、それぞれのソース機器２０に接続される表示器１０から音声データが配信される場合を例に挙げる。１つの方法は、重複範囲を提供する１つのソース機器２０に対して、他のソース機器２０が音声データの送信を依頼するものである。

　図１１は、実施の形態３に係る通信システムでの音声データの配信の様子の一例を示す図である。ここでは、ソース機器２０ａの無線通信範囲２１０ａとソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂとが重なる重複範囲２１１に、シンク機器３０ａ，３０ｂが存在する例が示されている。そして、表示器１０ａで生成された音声データ１１０ａの宛先は、シンク機器３０ｂであり、表示器１０ｂで生成された音声データ１１０ｂの宛先は、シンク機器３０ａ，３０ｂであるとする。この場合、ソース機器２０ａは、ソース機器２０ｂに音声データ１１０ａの送信を依頼し、ソース機器２０ｂは、シンク機器３０ａ，３０ｂに対して音声データ１１０ｂ，１１０ａを順に配信する。

　どちらのソース機器２０ａ，２０ｂが音声データ１１０ａ，１１０ｂを配信するかについては、先に重複範囲２１１のシンク機器３０ａ，３０ｂに音声データ１１０ａ，１１０ｂを送信しているソース機器２０とする方法、ソース機器２０に優先度を予め設定しておく方法等がある。また、シンク機器３０ａ，３０ｂのソース機器２０ａ，２０ｂからの距離に基づいて決めてもよい。一例では、シンク機器３０ａ，３０ｂの信号強度を用いて、ソース機器２０ａ，２０ｂからの距離を判断することができる。そして、信号強度が大きい方のソース機器２０ａ，２０ｂが音声データ１１０ａ，１１０ｂを送信するようにしてもよい。ソース機器２０ａ，２０ｂからの距離は、信号強度だけでなく、他の公知の技術を用いて判断することができる。

　もう１つの方法は、それぞれのソース機器２０が音声データをシンク機器３０ａに送信するが、シンク機器３０ａに送信するタイミングをソース機器２０間で調停するものである。図１２は、実施の形態３に係る通信システムでの音声データの配信の様子の一例を示す図である。図１２には、音声データの配信の順序を示すステップ番号が記載され、以下の説明では、このステップ番号が参照される。ここでは、ソース機器２０ａの無線通信範囲２１０ａとソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂとが重なる重複範囲２１１に、シンク機器３０ａ，３０ｂが存在する例が示されている。そして、表示器１０ａで生成された音声データ１１０ａの宛先は、シンク機器３０ｂであり、表示器１０ｂで生成された音声データ１１０ｂの宛先は、シンク機器３０ａ，３０ｂであるとする。

　ここでは、ソース機器２０ｂから音声データ１１０ｂをシンク機器３０ａ，３０ｂに配信するものとする。つまり、表示器１０ｂのデータ制御部１６は、ソース機器２０の配信データ処理部２３に音声データ１１０ｂを送信する指示を与える（ステップＳ５１）。どちらが先に音声データ１１０ａ，１１０ｂを配信するかについては、上記と同様の方法によって定められる。

　ソース機器２０ｂの配信データ処理部２３は、表示器１０ｂから音声データ１１０ｂの送信の指示を受けると、音声データ１１０ｂに含まれるアクセスレベルを取得し、機器情報記憶部２２のアクセス権管理情報を参照して、音声データ１１０ｂの送信先を決定する。そして、ソース機器２０ｂの配信データ処理部２３は、ＲＦ部２１を介して実施の形態１または２で説明したように、目的のシンク機器３０ａ，３０ｂに音声データ１１０ｂを送信する（ステップＳ５２）。また、表示器１０ａのデータ制御部１６は、表示器１０ｂからシンク機器３０ｂに対する音声データ１１０ｂの送信が終了したことを示す同期信号を受信するまで、シンク機器３０ｂに対して音声データ１１０ａを送信しない。

　表示器１０ｂのデータ制御部１６は、シンク機器３０ａに対する音声データ１１０ｂの送信が終了すると、表示器１０ａに同期信号を送信する（ステップＳ５３）。表示器１０ａのデータ制御部１６は、同期信号を受信すると、ソース機器２０ａの配信データ処理部２３にシンク機器３０ｂに対する音声データ１１０ａの送信を指示する（ステップＳ５４）。

　ソース機器２０ａの配信データ処理部２３は、表示器１０ａから音声データ１１０ａの送信の指示を受けると、音声データ１１０ａに含まれるアクセスレベルを取得し、機器情報記憶部２２のアクセス権管理情報を参照して、音声データ１１０ａの送信先を決定する。そして、ソース機器２０ａは、ＲＦ部２１を介して実施の形態１または２で説明したように、目的のシンク機器３０ａに音声データ１１０ａを送信する（ステップＳ５５）。

　つぎに、実施の形態３に係る通信システム１でのデータ配信方法について説明する。図１３から図１４は、実施の形態３に係る通信システムの表示器におけるデータ配信方法の手順の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、図１１または図１２で、表示器１０ｂが重複範囲２１１のシンク機器３０ａ，３０ｂに音声データ１１０ｂを送信しているときに、表示器１０ａがシンク機器３０ｂに音声データ１１０ａを送信しようとする場合の表示器１０ａの処理を例に挙げて説明する。また、図１１または図１２に示されるように、シンク機器３０ａも重複範囲２１１に存在するが、表示器１０ａは、音声データ１１０ａに設定されたアクセスレベルによってシンク機器３０ａには音声データ１１０ａの送信を行わないものとする。

　まず、表示器１０ａのデータ制御部１６は、ソース機器２０ａのＲＦ部２１から取得される情報を用いて、シンク機器３０ａ，３０ｂが存在する位置を含むシンク機器情報を取得する（ステップＳ７１）。ついで、データ制御部１６は、シンク機器情報をネットワーク内のソース機器２０ｂを有する他の表示器１０ｂに送信する（ステップＳ７２）。また、データ制御部１６は、他の表示器１０ｂからシンク機器情報を受信する（ステップＳ７３）。データ制御部１６は、ステップＳ７１で取得したシンク機器情報と、ステップＳ７３で受信したシンク機器情報と、をソース機器２０ａの機器情報記憶部２２に記憶する（ステップＳ７４）。

　その後、コンテンツ生成部１３は、データの種類に応じたアクセスレベルを含む音声データ１１０ａを生成する（ステップＳ７５）。データ制御部１６は、音声データ１１０ａからアクセスレベルを読み出し、ソース機器２０ａの機器情報記憶部２２に記憶されているアクセス権管理情報から音声データ１１０ａを送信すべきシンク機器を抽出する（ステップＳ７６）。図１１および図１２では、説明の簡略化のため、無線通信範囲２１０ａ，２１０ｂ以外の無線通信範囲２１０、および無線通信範囲２１０ａ，２１０ｂの非重複範囲にはこのようなシンク機器が存在せず、重複範囲２１１にシンク機器３０ｂが存在する場合が示されている。なお、重複範囲２１１のシンク機器３０ａは、アクセスレベルによって音声データ１１０ａの送信対象ではない。

　ついで、データ制御部１６は、ソース機器２０ａの機器情報記憶部２２に記憶されているシンク機器情報を参照し、抽出したシンク機器が存在する無線通信範囲２１０を提供するソース機器２０を抽出する（ステップＳ７７）。データ制御部１６は、抽出したソース機器２０の無線通信範囲２１０に存在するシンク機器宛ての音声データ１１０ａを、抽出したソース機器２０を有する表示器１０に送信する（ステップＳ７８）。また、データ制御部１６は、他のソース機器２０から自身に接続されるソース機器２０の無線通信範囲２１０に存在するシンク機器宛ての音声データを受信する（ステップＳ７９）。

　その後、ネットワーク接続部１１は、他の表示器１０からシンク機器情報を受信すると（ステップＳ８０）、受信したシンク機器情報をソース機器２０ａの機器情報記憶部２２に記憶する（ステップＳ８１）。ネットワーク接続部１１は、シンク機器情報を参照して、重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂに、他の表示器１０ｂが音声データ１１０ｂを送信しているかを確認する（ステップＳ８２）。重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂに、他の表示器１０ｂが音声データ１１０ｂを送信していない場合（ステップＳ８２でＮｏの場合）には、データ制御部１６は、自身に接続されるソース機器２０ａの無線通信範囲２１０ａに存在するシンク機器３０ｂに対して、音声データ１１０ａの配信の実行をソース機器２０ａの配信データ処理部２３に指示する（ステップＳ８３）。その後、処理がステップＳ７１に戻る。

　一方、重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂに、他の表示器１０ｂが音声データ１１０ｂを送信している場合（ステップＳ８２でＹｅｓの場合）には、データ制御部１６は、調停処理を実行する（ステップＳ８４）。

　図１５は、実施の形態３に係る通信システムの調停処理の手順の一例を示すフローチャートである。表示器１０ａのデータ制御部１６は、自身に接続されるソース機器２０ａの非重複範囲に存在するシンク機器に音声データ１１０ａを送信し、重複範囲２１１のシンク機器３０ｂには音声データ１１０ａを送信しないように、ソース機器２０ａの配信データ処理部２３に指示する（ステップＳ１１１）。これによって、ソース機器２０ａの配信データ処理部２３は、非重複範囲のシンク機器３０ｂに対して音声データ１１０ａの配信処理を行う。

　その後、表示器１０のデータ制御部１６は、重複範囲２１１を無線通信範囲２１０ｂに含む他のソース機器２０ｂによる音声データ１１０ｂの送信が終了したことを示す同期信号を受信したかを判定する（ステップＳ１１２）。同期信号を受信していない場合（ステップＳ１１２でＮｏの場合）には、待ち状態となる。同期信号を受信した場合（ステップＳ１１２でＹｅｓの場合）には、データ制御部１６は、重複範囲２１１のシンク機器３０ｂに音声データ１１０ａを送信するように、ソース機器２０ａの配信データ処理部２３に指示する（ステップＳ１１３）。これによって、ソース機器２０ａの配信データ処理部２３は、重複範囲２１１のシンク機器３０ｂに対して音声データ１１０ａの配信処理を行う。なお、上記したように、シンク機器３０ａは、設定されたアクセスレベルによって音声データ１１０ａの配信対象外である。そして、処理が図１４に戻る。

　図１６は、実施の形態３に係る通信システムの調停処理の手順の他の例を示すフローチャートである。表示器１０ａのデータ制御部１６は、自身に接続されるソース機器２０ａの非重複範囲に存在するシンク機器に音声データ１１０ａを送信するように、ソース機器２０ａの配信データ処理部２３に指示する（ステップＳ１３１）。また、データ制御部１６は、重複範囲２１１を無線通信範囲２１０ｂに含む他のソース機器２０ｂに接続される表示器１０ｂに、重複範囲２１１のシンク機器３０ｂへの音声データ１１０ａの送信を指示する（ステップＳ１３２）。これによって、他のソース機器２０ｂは、ソース機器２０ａに代わって、重複範囲２１１のシンク機器３０ｂへ音声データ１１０ａの送信を実行する。そして、処理が図１４に戻る。

　図１４に戻り、ステップＳ８４の調停処理の後、表示器１０ａのネットワーク接続部１１は、自身のソース機器２０ａにおける最新のシンク機器情報をネットワーク内のソース機器２０ｂを有する他の表示器１０ｂに送信する（ステップＳ８５）。そして、処理がステップＳ７１に戻る。

　ここで、ステップＳ８３，Ｓ１１３，Ｓ１３１で、データ制御部１６がソース機器２０ａの配信データ処理部２３に音声データ１１０ａの送信を指示したときのソース機器２０ａの処理について説明する。図１７は、実施の形態３に係る通信システムのソース機器におけるデータ配信処理の手順の一例を示すフローチャートである。ソース機器２０ａの配信データ処理部２３は、表示器１０ａのデータ制御部１６から音声データ１１０ａの配信の実行の指示を受信すると（ステップＳ１５１）、音声データ１１０ａのアクセスレベルを読み出す（ステップＳ１５２）。配信データ処理部２３は、機器情報記憶部２２のアクセス権管理情報を参照して、送信対象のシンク機器３０ｂを取得する（ステップＳ１５３）。また、配信データ処理部２３は、機器情報記憶部２２のシンク機器接続情報から、取得した送信対象のシンク機器３０ｂのうち、自身の無線通信範囲２１０ａに存在するシンク機器３０ｂを抽出する（ステップＳ１５４）。

　その後、配信データ処理部２３は、抽出したシンク機器３０ｂに、音声データ１１０ａを順に送信する（ステップＳ１５５）。一例では、実施の形態１の場合には、自身の機器固有情報と送信対象のシンク機器３０ｂの機器固有情報とを含む音声データ１１０ａが送信される。これによって、シンク機器３０ｂは、自身が保持しているソース機器２０ａの機器固有情報と自信の機器固有情報とを含む音声データ１１０ａのみを受信処理する。また、実施の形態２の場合には、仮想識別子と送信対象のシンク機器３０ｂの機器固有情報とを含む音声データ１１０ａが送信される。これによって、シンク機器３０ｂは、自身が保持している仮想識別子と自信の機器固有情報とを含む音声データ１１０ａのみを受信処理する。このように、アクセスレベルによって、シンク機器３０ａに送信する音声データ１１０ａの内容および条件を切り替えることが可能となる。以上で処理が終了する。

　なお、上記した説明では、ソース機器２０ａ，２０ｂからシンク機器３０ａ，３０ｂへの一方向の音声データ１１０ａ，１１０ｂの転送の場合を示したが、シンク機器３０ａ，３０ｂの入力部３２から入力されるコントロール信号をシンク機器３０ａ，３０ｂからソース機器２０ａ，２０ｂに送信してもよい。コントロール信号の一例は、音声データ１１０ａ，１１０ｂの再生または停止の指示、ボリュームコントロールである。Bluetoothの規格では、コントロール信号がAudio　Video　Remote　Control　Profile（ＡＶＲＣＰ）に規定されている。

　また、Bluetoothでは、１台のソース機器２０に、接続されるシンク機器３０ａ，３０ｂの台数が制限されている。一例では、制限台数は７台である。このため、１つのソース機器２０の無線通信範囲２１０に７台以上のシンク機器３０ａ，３０ｂが存在する場合には、すべてのシンク機器３０ａ，３０ｂと接続することができない。この場合には、音声データ１１０ａ，１１０ｂの配信が終了したシンク機器３０ａ，３０ｂとの間の接続を切断し、接続されていない他のシンク機器とペアリング認証情報を用いて接続し、音声データ１１０ａ，１１０ｂの配信を行うという処理が繰り返し行われる。この場合、優先度の高いシンク機器３０ａ，３０ｂを優先的にソース機器２０ａ，２０ｂと接続するようにしてもよい。優先度は、一例では、アクセス権管理情報で、より多くのアクセスレベルに登録されているシンク機器３０ａ，３０ｂほど優先度が高いとすることができる。

　ソース機器２０ｂがシンク機器３０ｂに音声データ１１０ｂを送信しているときに、ソース機器２０ａがシンク機器３０ｂに異なる音声データ１１０ａを送信すると、シンク機器３０ｂは１つのソース機器２０ｂからの音声データ１１０ｂしか受信できないので、他のソース機器２０ａからの音声データ１１０ａを受信することができない。特に、工場内で送信される音声データ１１０ａ，１１０ｂは、アラーム情報など重要な情報であるので、シンク機器３０ｂに音声データ１１０ａが届かない場合があることは好ましくない。

　そこで、実施の形態３では、ソース機器２０ｂがシンク機器３０ｂに音声データ１１０ｂを送信しているときに、ソース機器２０ａがシンク機器３０ｂに異なる音声データ１１０ａを送信する場合に、ソース機器２０ａが接続される表示器１０ａとソース機器２０ｂが接続される表示器１０ｂとの間で音声データ１１０ａ，１１０ｂの配信について調停して音声データ１１０ａ，１１０ｂを送信するようにした。具体的には、先に音声データ１１０ｂの送信を行うソース機器２０ｂがある場合には、ソース機器２０ｂによる重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂへの送信が終了したことを示す同期信号をソース機器２０ｂから受信した後に、ソース機器２０ａは、重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂへ音声データ１１０ａを送信する。あるいは、先に音声データ１１０ｂの送信を行うソース機器２０ｂがある場合には、ソース機器２０ｂに重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂへの音声データ１１０ａの送信を依頼する。これによって、重複範囲２１１に存在するシンク機器３０ｂに対して、音声データ１１０ａを送信することができる。つまり、シンク機器３０ｂへの重要な情報の欠落を抑制することができるという効果を有する。

　また、実施の形態３では、他のソース機器２０ｂの無線通信範囲２１０ｂに存在するシンク機器に対して、表示器１０ａが音声データ１１０ａを生成した場合に、表示器１０ａはソース機器２０ｂが接続される表示器１０ｂに音声データ１１０ａの送信を依頼する。そして、表示器１０ｂがソース機器２０ｂを介してシンク機器に音声データ１１０ａを送信する。これによって、自身の無線通信範囲２１０ａに対象となるシンク機器３０ａが存在しない場合でも、工場内に存在するシンク機器であれば、音声データ１１０ａを届けることができる。

　また、音声データ１１０ａ，１１０ｂにアクセスレベルを設定し、アクセスレベルに対応付けられたシンク機器３０ａ，３０ｂに対して音声データ１１０ａ，１１０ｂを送信するようにした。これによって、シンク機器３０ａ，３０ｂが、ソース機器２０ａ，２０ｂと同期を取って、自身に対応する音声データ１１０ａ，１１０ｂのみを取得したり、自身に対する音声データ１１０ａ，１１０ｂ以外の音声データ１１０ａ，１１０ｂを受信する場合にミュート処理を行ったりすることなく、複数のソース機器２０ａ，２０ｂへの情報を適切なレベルで送信することができる。

　なお、上記した説明では、表示器１０にソース機器２０が接続される場合を示したが、実施の形態はこれに限定されない。ソース機器２０が接続される装置は、データを生成し、生成したデータをシンク機器３０ａ，３０ｂに配信することができる制御装置であればよい。つまり、表示器１０において表示に関する機能を除いた制御装置であればよい。

　また、表示器１０に１台のソース機器２０が接続される場合を示したが、表示器１０に複数台のソース機器２０が接続されていてもよい。

　図１８は、実施の形態１から３にかかる表示器のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。表示器１０は、各種プログラムの命令を処理するプロセッサ１２１と、メモリ１２２と、記憶装置１２３と、通信ＩＦ（Interface）装置１２４と、入力装置１２５と、ディスプレイ装置１２６と、を備える。

　プロセッサ１２１の例は、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ＤＳＰ（Digital　Signal　Processor）ともいう）、またはシステムＬＳＩ（Large　Scale　Integration）である。

　メモリ１２２は、ＲＡＭ（Random　Access　Memory）等の主記憶装置である。記憶装置１２３は、ＲＯＭ（Read　Only　Memory）、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭ（Erasable　Programmable　Read　Only　Memory）またはＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Electrically　Erasable　Programmable　Read　Only　Memory）等の不揮発性のメモリである。記憶装置１２３には、表示器１０を動作させるための制御プログラム等のプログラムが格納されている。このプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて、例えば、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよく、ネットワーク等を介して、表示器１０でダウンロードされてもよい。メモリ１２２は、プロセッサ１２１が行う演算の途中結果等を一時的に記憶する、高速に書き込み読み出しが可能なメモリである。

　プロセッサ１２１は、記憶装置１２３に格納されているプログラム、またはメモリ１２２に格納されたプログラムに従って各種の処理を実施する。また、プロセッサ１２１は、各処理に必要なデータをメモリ１２２または記憶装置１２３に一時的にまたは永続的に記憶させる。

　表示器１０は、プロセッサ１２１が音声データを他の表示器１０と協調しながらシンク機器３０ａ，３０ｂに配信するための、コンピュータで実行可能な、通信プログラムを記憶装置１２３から読み出して実行することにより実現される。表示器１０におけるシンク機器３０ａ，３０ｂへの音声データの送信を実行するためのプログラムである通信プログラムは、図５、図６および図１３から図１６における表示器１０の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。

　プロセッサ１２１は、表示器１０全体の制御を行う。すなわち、表示器１０の表示生成部１４、コンテンツ生成部１３およびデータ制御部１６は、プロセッサ１２１により実現される。換言すると、表示器１０で実行される通信プログラムは、表示生成部１４、コンテンツ生成部１３およびデータ制御部１６を含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置であるメモリ１２２上にロードされ、これらがメモリ１２２上に生成される。なお、表示器１０の機能について、一部を専用回路などの専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。

　また、表示生成部１４、コンテンツ生成部１３およびデータ制御部１６の一部または全部は、システムＬＳＩ等の処理回路により実現されてもよく、複数の処理回路が連携することにより実現されてもよい。

　通信ＩＦ装置１２４は、他の表示器１０、生産機器、ソース機器２０等の外部装置との通信を行う。通信ＩＦ装置１２４は、外部装置との間でデータの入出力を実行する。通信ＩＦ装置１２４は、ネットワーク接続部１１の処理を実行する。すなわち、通信ＩＦ装置１２４は、例えば、Ethernet（登録商標）、シリアルポート、ＵＳＢを用いて通信を行う。

　入力装置１２５は、入力部の処理を実行する。入力装置１２５は、例えば、ディスプレイ装置１２６のタッチパネル、ソフトウェアキーボード、テンキー、キーボード等であり、ユーザからの各種操作が入力される装置である。

　ディスプレイ装置１２６は、各種情報を表示する装置であり、例えば、ＬＣＤ（Liquid　Crystal　Display）、ＰＤＰ（Plasma　Display　Panel）、または、ＣＲＴ（Cathode－Ray　Tube）ディスプレイ等である。

　図１９は、実施の形態１から３にかかるソース機器のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。ソース機器２０は、各種プログラムの命令を処理するプロセッサ２２１と、メモリ２２２と、記憶装置２２３と、通信ＩＦ装置２２４と、を備える。

　プロセッサ２２１の例は、ＣＰＵ、またはシステムＬＳＩである。

　メモリ２２２は、ＲＡＭ等の主記憶装置である。記憶装置２２３は、ＲＯＭ、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭ等の不揮発性のメモリである。記憶装置２２３には、ソース機器２０を動作させるための制御プログラム等のプログラムが格納されている。このプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて、例えば、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。この場合、ソース機器２０を接続したコンピュータを介して、ソース機器２０にインストールされる。また、このプログラムは、ネットワーク等を介してコンピュータにダウンロードされてもよい。この場合には、ソース機器２０を接続したコンピュータからソース機器２０にインストールされる。メモリ２２２は、プロセッサ２２１が行う演算の途中結果等を一時的に記憶する、高速に書き込み読み出しが可能なメモリである。

　プロセッサ２２１は、記憶装置２２３に格納されているプログラム、またはメモリ２２２に格納されたプログラムに従って各種の処理を実施する。また、プロセッサ２２１は、各処理に必要なデータをメモリ２２２または記憶装置２２３に一時的にまたは永続的に記憶させる。

　ソース機器２０は、表示器１０からの制御の下、シンク機器３０ａ，３０ｂと無線通信を行うための、コンピュータで実行可能な、通信プログラムを記憶装置２２３から読み出して実行することにより実現される。表示器１０からの制御の下、シンク機器３０ａ，３０ｂと無線通信を行うためのソース機器２０におけるプログラムである通信プログラムは、図６および図１７におけるソース機器２０の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。

　プロセッサ２２１は、ソース機器２０全体の制御を行う。すなわち、ソース機器２０の配信データ処理部２３およびペアリング処理部２４は、プロセッサ２２１により実現される。換言すると、ソース機器２０で実行される通信プログラムは、配信データ処理部２３およびペアリング処理部２４を含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置であるメモリ２２２上にロードされ、これらがメモリ２２２上に生成される。なお、ソース機器２０の機能について、一部を専用回路などの専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。

　また、配信データ処理部２３およびペアリング処理部２４の一部または全部は、システムＬＳＩ等の処理回路により実現されてもよく、複数の処理回路が連携することにより実現されてもよい。

　通信ＩＦ装置２２４は、表示器１０、シンク機器３０ａ，３０ｂ等の外部装置との通信を行う。通信ＩＦ装置２２４は、表示器１０などの外部装置との間でデータの入出力を実行する。また、通信ＩＦ装置２２４は、シンク機器３０ａ，３０ｂとの間で、無線通信によってデータの入出力を実行する。通信ＩＦ装置２２４は、表示器１０との間ではＵＳＢを用いて通信を行い、シンク機器３０ａ，３０ｂとの間ではＲＦ部２１の処理を実行する。

　以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１　通信システム、１０，１０ａ，１０ｂ　表示器、１１　ネットワーク接続部、１２，３６　データ記憶部、１３　コンテンツ生成部、１４　表示生成部、１５　表示部、１６，３７　データ制御部、２０，２０ａ，２０ｂ　ソース機器、２１，３１　ＲＦ部、２２　機器情報記憶部、２３，３３　配信データ処理部、２４，３５　ペアリング処理部、３０ａ，３０ｂ　シンク機器、３２　入力部、３４　シンク機器接続情報記憶部、３８　出力部、１１０ａ，１１０ｂ　音声データ、２００　仮想的なソース機器、２１０，２１０ａ，２１０ｂ　無線通信範囲、２１１　重複範囲。

Claims

　データを受信可能な第１機器と、前記第１機器に配信する配信データを生成し、前記第１機器と無線通信可能な複数の第２機器と、を備え、複数の前記第２機器がネットワークを介して接続される通信システムであって、
　前記第２機器は、
　前記第２機器の無線通信可能な範囲である無線通信範囲に存在する前記第１機器との間で無線通信を行う無線通信部と、
　前記第２機器に固有の情報である機器固有情報を用いて、前記第１機器との間の認証処理を含むペアリング処理を実行するペアリング処理部と、
　前記ペアリング処理で得られる情報であるペアリング認証情報と、前記第２機器と前記第１機器との間の無線通信で使用される情報と、を含む機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
　前記配信データを生成するコンテンツ生成部と、
　前記第１機器に前記配信データを配信する配信データ処理部と、
　前記第２機器におけるデータの流れを制御するデータ制御部と、
　を備え、
　前記ペアリング処理部は、前記ネットワーク内の他の第２機器の機器固有情報を用いて、前記第１機器と前記他の第２機器との間の前記ペアリング処理を、前記他の第２機器に代行して行い、前記他の第２機器についての前記ペアリング認証情報を前記機器情報記憶部に記憶し、
　前記データ制御部は、前記機器情報記憶部に記憶されている前記ペアリング認証情報を、前記ネットワークを介して前記他の第２機器に送信し、
　前記他の第２機器の前記データ制御部は、受信した前記ペアリング認証情報を前記機器情報記憶部に記憶することを特徴とする通信システム。
　前記機器情報は、前記第２機器および前記他の第２機器と前記第１機器との間の前記ペアリング処理の実行結果を示す情報であるペアリング結果情報をさらに含み、
　前記第２機器の前記ペアリング処理部は、前記第２機器に接続される機器の情報である接続機器情報を参照して前記ネットワークに接続される前記第２機器を抽出し、抽出した前記ネットワークに接続される前記第２機器のうち前記ペアリング結果情報を参照して前記第１機器と前記ペアリング処理を行っていない前記他の第２機器が存在する場合に、前記第１機器と前記他の第２機器のペアリング処理を代行することを特徴とする請求項１に記載の通信システム。
　前記第２機器の前記ペアリング処理部は、前記ペアリング処理の後、前記第１機器と前記他の第２機器との前記ペアリング処理が実行されたことを、前記機器情報記憶部の前記ペアリング結果情報に登録することを特徴とする請求項２に記載の通信システム。
　前記第２機器の前記データ制御部は、前記機器情報記憶部に登録された前記ペアリング認証情報および前記ペアリング結果情報を、前記ネットワーク内の前記他の第２機器に送信し、
　前記他の第２機器の前記データ制御部は、前記機器情報記憶部に、前記第２機器からの前記ペアリング認証情報および前記ペアリング結果情報を記憶することを特徴とする請求項３に記載の通信システム。
　データを受信可能な第１機器と、前記第１機器に配信する配信データを生成し、前記第１機器と無線通信可能な複数の第２機器と、を備え、複数の前記第２機器がネットワークを介して接続される通信システムであって、
　前記第２機器は、
　前記第２機器の無線通信可能な範囲である無線通信範囲に存在する前記第１機器との間で無線通信を行う無線通信部と、
　前記ネットワーク内の前記複数の第２機器を１つの仮想的な第２機器とし、前記仮想的な第２機器に対して付される仮想識別子を用いて、前記第１機器との間の認証処理を含むペアリング処理を実行するペアリング処理部と、
　前記ペアリング処理で得られる情報であるペアリング認証情報と、前記第２機器と前記第１機器との間の無線通信で使用される情報と、を含む機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
　前記配信データを生成するコンテンツ生成部と、
　前記第１機器に前記配信データを配信する配信データ処理部と、
　前記第２機器におけるデータの流れを制御するデータ制御部と、
　を備え、
　前記第１機器は、
　前記第２機器との間で無線通信を行う無線通信部と、
　前記ペアリング処理によって得られる情報である第１機器側のペアリング認証情報を含む情報を記憶する第１機器接続情報記憶部と、
　前記第１機器に固有の情報である機器固有情報を用いて、前記第２機器との間の認証処理を含むペアリング処理を実行し、前記第２機器から受信した前記仮想識別子を前記第１機器側のペアリング認証情報に登録するペアリング処理部と、
　を備え、
　前記第２機器の前記データ制御部は、前記機器情報記憶部に記憶されている前記ペアリング認証情報を、前記ネットワークを介して他の第２機器に送信し、
　前記他の第２機器の前記データ制御部は、受信した前記ペアリング認証情報を前記機器情報記憶部に記憶することを特徴とする通信システム。
　前記第２機器の前記データ制御部は、前記機器情報記憶部に記憶されている前記機器情報を参照して、前記第１機器が前記他の第２機器に接続されている場合に、前記他の第２機器に前記配信データを送信することを特徴とする請求項１から５のいずれか１つに記載の通信システム。
　前記第２機器の前記データ制御部は、前記第２機器の前記無線通信範囲と前記他の第２機器の前記無線通信範囲とが重なる重複範囲に前記第１機器が存在し、前記他の第２機器による他の配信データの配信および前記第２機器による前記配信データの配信が前記第１機器に行われる場合に、前記第２機器から前記第１機器への前記配信データの配信を行わず、前記他の第２機器による前記第１機器への前記他の配信データの配信が終了した後に、前記第２機器の前記配信データ処理部に前記第１機器への前記配信データの配信を指示することを特徴とする請求項１から６のいずれか１つに記載の通信システム。
　前記第２機器の前記データ制御部は、前記第２機器の前記無線通信範囲と前記他の第２機器の前記無線通信範囲とが重なる重複範囲に前記第１機器が存在し、前記他の第２機器による他の配信データの配信および前記第２機器による前記配信データの配信が前記第１機器に行われる場合に、前記他の第２機器に前記配信データを送信し、前記配信データの前記第１機器への配信を前記他の第２機器に依頼することを特徴とする請求項１から６のいずれか１つに記載の通信システム。
　前記第２機器の前記コンテンツ生成部は、前記配信データの種類に対して配信する前記第１機器を規定したアクセスレベルを含む前記配信データを生成し、
　前記機器情報は、前記アクセスレベルに対して配信する前記第１機器を規定したアクセス権管理情報をさらに含み、
　前記第２機器の前記配信データ処理部は、前記配信データの前記アクセスレベルを読み出し、前記アクセス権管理情報を参照して、読み出した前記アクセスレベルに対応する前記第１機器に対して前記配信データを配信することを特徴とする請求項１から８のいずれか１つに記載の通信システム。
　前記第２機器は、
　前記無線通信部、前記ペアリング処理部、前記機器情報記憶部および前記配信データ処理部を有し、前記第１機器と無線通信可能な第３機器と、
　前記コンテンツ生成部および前記データ制御部を有し、前記第３機器と接続される第４機器と、
　を備えることを特徴とする請求項１から９のいずれか１つに記載の通信システム。
　データを受信可能なシンク機器に配信する配信データを生成し、前記シンク機器と無線通信可能な機器であって、
　前記機器の無線通信可能な範囲である無線通信範囲に存在する前記シンク機器との間で無線通信を行う無線通信部と、
　前記機器に固有の情報である機器固有情報を用いて、前記シンク機器との間の認証処理を含むペアリング処理を実行するペアリング処理部と、
　前記ペアリング処理で得られる情報であるペアリング認証情報と、前記機器と前記シンク機器との間の無線通信で使用される情報と、を含む機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
　前記配信データを生成するコンテンツ生成部と、
　前記シンク機器に前記配信データを配信する配信データ処理部と、
　前記機器におけるデータの流れを制御するデータ制御部と、
　を備え、
　前記ペアリング処理部は、前記機器とネットワークを介して接続される他の機器の機器固有情報を用いて、前記シンク機器と前記他の機器との間の前記ペアリング処理を、前記他の機器に代行して行い、前記他の機器についての前記ペアリング認証情報を前記機器情報記憶部に記憶し、
　前記データ制御部は、前記機器情報記憶部に記憶されている前記ペアリング認証情報を、前記他の機器の前記機器情報記憶部に記憶させるために、前記ネットワークを介して前記他の機器に送信することを特徴とする機器。