WO2022181701A1 - 軸の支持構造、磁気検出装置及びアブソリュートエンコーダ - Google Patents

Abstract

圧入される軸の取り付け精度を改善することができる軸の支持構造を提供する。　軸の支持構造は、主軸アダプタ（１２）と、主軸アダプタ（１２）が一端部（１２４）から圧入される圧入部（１ｂ）を有する支持部材としての主軸（１ａ）と、を備える。主軸アダプタ（１２）は、一端部（１２４）の径が周面（１２９）の径よりも小さいテーパ面部（１２６）を有する。テーパ面部（１２６）は、周面（１２９）との接続部（１２６ａ）に曲面加工が施されている。

Description

軸の支持構造、磁気検出装置及びアブソリュートエンコーダ

　本発明は、軸の支持構造、磁気検出装置及びアブソリュートエンコーダに関する。

　従来から、磁石（マグネット）からの磁束を磁気センサによって検知する磁気検出装置は種々の技術に利用されている。各種の制御機械装置において、可動要素の位置や角度を検出するために用いられるロータリエンコーダにも磁気検出装置が用いられているものがある。ロータリエンコーダには、相対的な位置又は角度を検出するインクリメンタル型のエンコーダと、絶対的な位置又は角度を検出するアブソリュート型のアブソリュートエンコーダとが存在している。このようなアブソリュートエンコーダには磁気検出装置を備えるものがあり、磁気検出装置を備えるアブソリュートエンコーダとしては、着磁された磁石を測定対象となる回転軸（主軸）に取り付け、磁気センサによって磁石の回転角を検出することにより、測定対象となる主軸の回転量を検出する磁気式エンコーダ装置が知られている。また、この主軸の複数回転にわたる回転量を、主軸の回転に伴い減速回転する回転体の回転角を取得することによって特定する方法が知られている。

　このようなアブソリュートエンコーダにおいては、特定可能な主軸の回転量の分解能を維持しつつ、特定可能な主軸の回転量の範囲を広げるために、複数の磁石の回転量を、これに対応する角度センサとしての磁気センサによって検出する構造が提案されている。例えば、主軸と副軸或いはそれ以降の軸とを減速機構によって連結し、各軸に取り付けられた磁石の回転量を、これに対応する磁気センサによって検出し、主軸の回転量を特定する構造が提案されている（例えば、特許文献１参照。）。

　また、アブソリュートエンコーダにおいて、圧入により軸を支持部材に取り付ける構造が用いられている。アブソリュートエンコーダにおける圧入による軸の支持構造としては、例えば、主軸にギアを取り付けるための主軸アダプタを主軸に取り付ける構造、あるいは、副軸ギアの軸を基板に圧入する構造が挙げられる。圧入によって軸を支持部材に取り付ける支持構造としては、例えば、圧入代の部分において、軸に円周溝を設けるものが知られている（例えば、特許文献２参照。）。

特開２０１９－１５５３６号公報 特開平６－２４９２１８号公報

　上述したような軸の支持構造を有するアブソリュートエンコーダにおいては、支持部材の孔に圧入される軸の先端に、テーパ面が形成されている。

　しかしながら、軸のテーパ面に直線的な面取り加工のみを施した場合に、軸の先端を孔に圧入する際に、孔の淵とテーパ面が接触すると軸及び孔の双方から削りカスが出てしまうという問題がある。また、従来の圧入による軸の支持構造においては、部材が削れることに起因して軸が倒れて（傾いて）圧入されてしまうことがある。さらに、従来の圧入による軸の支持構造においては、軸が傾くことを考慮して圧入代（圧入に必要な寸法）を長く設定することがある。このため、圧入による軸の支持構造の精度を改善することが望まれている。

　本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧入される軸の取り付け精度を改善することができる軸の支持構造、磁気検出装置及びアブソリュートエンコーダを提供することにある。

　上記目的を達成するために、本発明に係る軸の支持構造は、軸と、前記軸が一端から圧入される穴を有する支持部材と、を備え、前記軸は、前記一端の径が周面の径よりも小さいテーパ面部を有し、前記テーパ面部は、周面との接続部に曲面加工が施されている。

　本発明の一態様に係る軸の支持構造において、前記軸は、前記一端から他端を貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記一端の側から軸線方向に所定の長さの領域における孔の径が、前記他端の側の孔の径よりも大きい。

　上記目的を達成するために、本発明に係る磁気検出装置は、着磁されたマグネットと、該マグネットからの磁束を検知する磁気センサと、前記マグネットを保持するマグネットホルダと、前記マグネットを回転可能に支持する軸と、前記軸が一端から圧入される穴を有する支持部材と、を備え、前記軸は、周面の一端から軸線方向に所定の長さの領域であり、前記穴に圧入される圧入部と、前記一端の径が周面の径よりも小さいテーパ面部を有し、前記テーパ面部は、周面との接続部に曲面加工が施されている。

　本発明の一態様に係る磁気検出装置において、前記軸は、前記一端から他端を貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記一端の側から軸線方向に所定の長さの領域における孔の径が、前記他端の側の孔の径よりも大きい。

　本発明の一態様に係る磁気検出装置において、前記ケースは、前記上面部から上側に突出しているボス部を有し、前記シールド部材は、前記ボス部が収容されるボス孔を有する。

　本発明の一態様に係る磁気検出装置において、前記マグネットを前記軸の先端側に支持する磁石支持部と、前記マグネット及び前記磁石支持部を前記軸の先端側から覆い前記マグネットを前記軸の先端側に保持する磁石保持部と、を備え、前記磁石保持部は、前記磁石支持部よりも破断伸び特性が大きい材料により形成され、前記マグネットの前記軸の先端側の面及び外周部に接する磁石接合部と、前記磁石支持部の外周部と嵌着する嵌着部と、を有する。

　上記目的を達成するために、本発明に係るアブソリュートエンコーダは、本発明に係る磁気検出装置を備えることを特徴とする。

　本発明に係る軸の支持構造、磁気検出装置及びアブソリュートエンコーダによれば、圧入される軸の取り付け精度を改善することができる。

本発明の実施の形態に係るアブソリュートエンコーダの構成を概略的に示す斜視図である。 図１に示すアブソリュートエンコーダの構成を、ケース及びシールドを除いた状態で概略的に示す斜視図である。 図２に示すアブソリュートエンコーダの構成を、基板、コネクタ及び支持プレートを除いた状態で概略的に示す斜視図である。 図３に示すアブソリュートエンコーダの構成を、別の角度から見た状態を概略的に示す斜視図である。 図３に示すアブソリュートエンコーダの構成を、モータを除いた状態で概略的に示す斜視図である。 図５に示すアブソリュートエンコーダの構成を概略的に示す平面図である。 図１に示すアブソリュートエンコーダを主軸の中心軸に平行な面で切断した状態を示す断面図である。 図１に示すアブソリュートエンコーダの構成において、モータを除いた状態で主軸ギアの中心軸を通り、かつ、第１中間ギアの中心軸と直交する面で切断した状態を概略的に示す断面図である。 図８に示すアブソリュートエンコーダの構成において、マグネット、主軸ギア、主軸アダプタ及びモータの主軸の構成を概略的に示す分解縦断面図である。 図８に示す主軸アダプタの一端部を示す拡大断面図である。 図６に示すアブソリュートエンコーダの構成において、第１中間ギアの中心軸を通り、かつ、ＸＹ平面と平行な面で切断した状態を概略的に示す断面図である。 図１１に示す断面図を別の角度から見た拡大斜視図である。 図６に示すアブソリュートエンコーダの構成において、第１中間ギアの中心軸を通り、かつ、ＸＹ平面と直交する面で切断した状態を概略的に示す部分断面図である。 図１２に示すアブソリュートエンコーダの構成において、ベース、第１中間ギア、第１中間ギア軸、板バネ、及びねじを分解した状態を概略的に示す分解斜視図である。 図２に示すアブソリュートエンコーダの構成において、第１副軸ギアの中心軸を通り、かつ、第１中間ギアの中心軸と直交する面で切断した状態を概略的に示す部分断面図である。 図１５に示すアブソリュートエンコーダの構成において、マグネット、マグネットホルダ、第１副軸ギア、及びベアリングを分解した状態を概略的に示す分解斜視図である。 図２に示すアブソリュートエンコーダの構成において、第２中間ギア及び第２副軸ギアの中心軸を通る面で切断した状態を概略的に示す部分断面図である。 図１７に示す第２中間ギアを拡大して示す拡大断面図である。 図１７に示す第２副軸ギアを有するマグネットホルダを拡大して示す拡大断面図である。 図１９に示すマグネットホルダを分解した状態を概略的に示す分解斜視図である。 図１９に示すマグネットホルダのマグネットとして適応可能な円筒状のマグネットを示す概略斜視図である。 図１８に示す第２副軸ギア軸の下側端側の一端部を示す拡大断面図である。 ベースの基部の軸支持部に第２副軸ギア軸が圧入される様子を示す模式図である。 ベースの基部の軸支持部に第２副軸ギア軸が圧入される様子を示す模式図である。 アブソリュートエンコーダにおける第１中間ギア軸の主軸側端部を支持する支持突起の一変形例を概略的に示すための図である。 アブソリュートエンコーダにおける第１中間ギア軸の主軸側端部を支持する支持突起の一変形例を概略的に示すための図である。 アブソリュートエンコーダにおける第１中間ギア軸の主軸側端部を支持する支持突起の一変形例を概略的に示すための図である。 図２に示される基板を下面側から見た図である。 図１に示すアブソリュートエンコーダの機能的構成を概略的に示すブロック図である。

　以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小されて示されている。また、各図面において、本発明の実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略されている。また、図面において歯車は歯部形状が省略して示されている。また、第１、第２などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。なお、本実施の形態により本発明は限定されない。

　本発明の実施の形態に係る磁気検出装置６０は、着磁されたマグネットＭｒと、マグネットＭｒからの磁束を検知する磁気センサである角度センサＳｒと、マグネットＭｒを保持するマグネットホルダ６１と、軸としての第２副軸ギア軸６２とを備えている。マグネットホルダ６１は第２副軸ギア軸６２に回転可能に支持されている。第２副軸ギア軸６２は磁性体から形成されており、マグネットホルダ６１の回転軸線方向において、マグネットＭｒと第２副軸ギア軸６２との間で磁力による吸引力が生じるようになっている。また、本発明の実施の形態に係るアブソリュートエンコーダ２は、上記本発明の実施の形態に係る磁気検出装置６０を備えている。以下、アブソリュートエンコーダ２及び磁気検出装置６０の構造を具体的に説明する。

　図１は、本発明の実施の形態に係るアブソリュートエンコーダ２の構成を概略的に示す斜視図である。図２は、図１に示すアブソリュートエンコーダ２の構成を、ケース４及びシールドを除いた状態で示す斜視図である。図１では、アブソリュートエンコーダ２のシールド、ケース４及び基板５が透過されて示されており、図２では、アブソリュートエンコーダ２の基板５が透過されて示されている。

　本説明においては、便宜上、アブソリュートエンコーダ２についてＸＹＺ直交座標系をもとに説明する。Ｘ軸方向は水平な左右方向に対応し、Ｙ軸方向は水平な前後方向に対応し、Ｚ軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Ｙ軸方向及びＺ軸方向は夫々Ｘ軸方向に直交する。本説明において、Ｘ軸方向を左側或いは右側と、Ｙ軸方向を前側或いは後側と、Ｚ軸方向を上側或いは下側ともいう。図１，２に示すアブソリュートエンコーダ２の姿勢（正立姿勢）において、Ｘ軸方向における左側が左側であり、Ｘ軸方向における右側が右側である。また、図１，２に示すアブソリュートエンコーダ２の姿勢において、Ｙ軸方向における手前側が前側であり、Ｙ軸方向における奥側が後側である。また、図１，２に示すアブソリュートエンコーダ２の姿勢において、Ｚ軸方向における上側が上側であり、Ｚ軸方向における下側が下側である。Ｚ軸方向で上側から視た状態を平面視と、Ｙ軸方向で前側から視た状態を正面視と、Ｘ軸方向で視た状態を側面視という。このような方向の表記はアブソリュートエンコーダ２の使用姿勢を制限するものではなく、アブソリュートエンコーダ２は任意の姿勢で使用され得る。

　アブソリュートエンコーダ２は、既述したように、モータ１の主軸１ａの複数回転にわたる回転量を特定して出力するアブソリュート型のエンコーダである。本発明の実施の形態では、アブソリュートエンコーダ２はモータ１のＺ軸方向の上側の端部に設けられている。本発明の実施の形態では、アブソリュートエンコーダ２は、平面視で略矩形状を有しており、正面視及び側面視で主軸１ａの延在方向である上下方向に薄い横長の矩形状を有している。つまり、アブソリュートエンコーダ２は上下方向よりも水平方向に長い偏平な直方体形状を有している。

　アブソリュートエンコーダ２は内部構造を収容するケース４を備えている。ケース４は、少なくともモータ１の主軸１ａの一部と、主軸ギア１０と、第１中間ギア２０と、第１副軸ギア３０と、第２中間ギア７０と、マグネットホルダ６１とを包囲する複数（例えば４つ）の外壁部４ａを有している。さらに、ケース４は、４つの外壁部４ａの上側の開口を塞ぐ蓋部４ｂを有している。蓋部４ｂはシールドに覆われている。

　モータ１は、一例として、ステッピングモータやＤＣブラシレスモータであってもよい。一例として、モータ１は波動歯車装置等の減速機構を介して産業用等のロボットを駆動する駆動源として適用されるモータであってもよい。モータ１の主軸１ａは上下方向の両側がモータのケースから突出している。アブソリュートエンコーダ２はモータ１の主軸１ａの回転量をデジタル信号として出力する。

　モータ１の形状は、平面視で略矩形状を有し、上下方向においても略矩形状を有している。つまり、モータ１は略立方体形状を有している。平面視においてモータ１の外形を構成する４つの外壁部の夫々の長さは例えば２５ｍｍであり、すなわち、モータ１の外形は、平面視で２５ｍｍ角である。また、モータ１に設けられるアブソリュートエンコーダ２は、例えばモータ１の外形形状に合わせて平面視２５ｍｍ角である。

　図１，２に示すように、基板５がケース４と共にアブソリュートエンコーダ２内部を覆うように設けられている。基板５は、平面視で略矩形状を有し、上下方向に薄い板状のプリント配線基板である。また、コネクタ６が基板５に接続されており、コネクタ６はアブソリュートエンコーダ２を外部装置（不図示）に接続するためのものである。

　図３は、図２に示すアブソリュートエンコーダ２の構成を、基板５、及びコネクタ６を除いた状態で概略的に示す斜視図である。図４は、図３に示すアブソリュートエンコーダ２の構成を、別の角度から見た状態を概略的に示す斜視図である。図５は、図３に示すアブソリュートエンコーダ２の構成を、モータ１を除いた状態で概略的に示す斜視図である。図６は、図５に示すアブソリュートエンコーダ２の構成を概略的に示す平面図である。

　アブソリュートエンコーダ２は、第１ウォームギア部１１（第１駆動歯車）を有する主軸ギア１０と、第１ウォームホイール部２１（第１従動歯車）及び第２ウォームギア部２２（第２駆動歯車）を有する第１中間ギア２０と、第２ウォームホイール部３１（第２従動歯車）及びギア部３２（第３駆動歯車）を有する第１副軸ギア３０と、第２中間ギア７０と、第２副軸ギア６３を有するマグネットホルダ６１と、マグネットＭｐと、マグネットＭｐに対応する角度センサＳｐと、マグネットＭｑと、マグネットＭｑに対応する角度センサＳｑと、マグネットＭｒと、マグネットＭｒに対応する角度センサＳｒと、マイコン５１とを含んでいる。

　モータ１の主軸１ａは、モータ１の出力軸であり、アブソリュートエンコーダ２に回転力を伝達する入力軸である。主軸ギア１０は、モータ１の主軸１ａに固定されており、主軸１ａと一体にモータ１の軸受部材によって回転可能に支持されている。第１ウォームギア部１１は、モータ１の主軸１ａの回転に従って回転するように、主軸ギア１０の外周に設けられている。主軸ギア１０において、第１ウォームギア部１１は、その中心軸が主軸１ａの中心軸と一致又は略一致するように設けられている。第１ウォームホイール部２１は第１中間ギア２０の外周に設けられており、第１ウォームホイール部２１は、第１ウォームギア部１１と噛み合い、第１ウォームギア部１１の回転に従って回転するように設けられている。第１ウォームホイール部２１と第１ウォームギア部１１との軸角は９０°又は略９０°に設定されている。

　第１ウォームホイール部２１の外径に特別な制限はないが、図示の例では、第１ウォームホイール部２１の外径は第１ウォームギア部１１の外径より小さく設定されており（図８参照）、第１ウォームホイール部２１の外径が小さくなっている。これにより、アブソリュートエンコーダ２では、上下方向の寸法の小型化が図られている。

　第２ウォームギア部２２は第１中間ギア２０の外周に設けられており、第１ウォームホイール部２１の回転に伴って回転するようになっている。第１中間ギア２０において、第２ウォームギア部２２は、その中心軸が第１ウォームホイール部２１の中心軸と一致又は略一致するように設けられている。第２ウォームホイール部３１は、第１副軸ギア３０の外周に設けられており、第２ウォームギア部２２と噛み合い、第２ウォームギア部２２の回転に従って回転するように設けられている。第２ウォームホイール部３１と第２ウォームギア部２２との軸角は９０°又は略９０°に設定されている。第２ウォームホイール部３１の回転軸線は、第１ウォームギア部１１の回転軸線と平行又は略平行に設けられている。ギア部３２は、第１副軸ギア３０の外周に設けられており、第２ウォームホイール部３１の回転に伴って回転するようになっている。第１副軸ギア３０において、ギア部３２は、その中心軸が第２ウォームホイール部３１の中心軸と一致又は略一致するように設けられている。

　ここで、第１ウォームホイール部２１が第１ウォームギア部１１に噛み合うために、第１ウォームホイール部２１が第１ウォームギア部１１に向かう方向を第１噛み合い方向（図１２の矢印Ｐ１方向）とする。同様に、第２ウォームギア部２２が第２ウォームホイール部３１に噛み合うために、第２ウォームギア部２２が第２ウォームホイール部３１に向かう方向を第２噛み合い方向（図１２の矢印Ｐ２方向）とする。本実施の形態においては、第１噛み合い方向Ｐ１及び第２噛み合い方向Ｐ２は共に水平面（ＸＹ平面）に沿う方向となっている。

　第２中間ギア７０は、ギア部７１（第３従動歯車）とギア部７２（第４駆動歯車）とを有している。ギア部７１は、第２中間ギア７０の外周に設けられており、第１副軸ギア３０のギア部３２に噛み合い、ギア部３２の回転に従って回転するようになっている。ギア部７２は、第２中間ギア７０の外周に設けられており、ギア部７１の回転に伴って回転するようになっている。第２中間ギア７０において、ギア部７２は、その中心軸がギア部７１の中心軸と一致又は略一致するように設けられている。ギア部７１，７２の回転軸線は、第１副軸ギア３０のギア部３２の回転軸線と平行又は略平行に設けられている。

　マグネットホルダ６１は、第２副軸ギア６３を有しており、後述するように、第２副軸ギア６３に設けられたギア部６４（第４従動歯車）を有している。ギア部６４は、第２副軸ギア６３の外周に設けられており、第２中間ギア７０のギア部７２に噛み合い、ギア部７２の回転に従って回転するようになっている。ギア部６４の回転軸線は、第２中間ギア７０のギア部７２の回転軸線と平行又は略平行に設けられている。

　角度センサＳｑは、第２ウォームホイール部３１の回転角度、すなわち第１副軸ギア３０の回転角度を検知する。マグネットＭｑは、第１副軸ギア３０の上面に双方の中心軸が一致又は略一致するように固定されている。マグネットＭｑは、第１副軸ギア３０の回転軸線に対して垂直又は略垂直な方向に並んだ２極の磁極を有している。角度センサＳｑは、第１副軸ギア３０の回転角度を検知するために、その下面が隙間を介してマグネットＭｑの上面に上下方向に対向するように設けられる。

　一例として、角度センサＳｑは、アブソリュートエンコーダ２の後述するベース３に配設された基板支柱１１０によって支持されている基板５に固定されている。角度センサＳｑは、マグネットＭｑの磁束を検知し、検知情報をマイコン５１に出力する。マイコン５１は、入力された磁束に関する検知情報に基づいてマグネットＭｑの回転角度、つまり第１副軸ギア３０の回転角度を特定する。

　角度センサＳｒは、マグネットホルダ６１の回転角度、すなわち第２副軸ギア６３の回転角度を検知する。マグネットＭｒは、第２副軸ギア６３の上面に双方の中心軸が一致又は略一致するように固定されている。マグネットＭｒは、第２副軸ギア６３の回転軸線に対して垂直な方向に並んだ２極の磁極を有している。角度センサＳｒは、第２副軸ギア６３の回転角度を検知するために、その下面が隙間を介してマグネットＭｒの上面に上下方向に対向するように設けられる。

　一例として、角度センサＳｒは、角度センサＳｑが固定された基板５に、角度センサＳｑが固定される面と同一の面において固定されている。角度センサＳｒは、マグネットＭｒの磁束を検知し、検知情報をマイコン５１に出力する。マイコン５１は、入力された磁束に関する検知情報に基づいてマグネットＭｒの回転角度、つまり第２副軸ギア６３の回転角度を特定する。

　マグネットＭｐは、主軸ギア１０の上面に双方の中心軸が一致又は略一致するように固定される。マグネットＭｐは、主軸ギア１０の回転軸線に対して垂直な方向に並んだ２極の磁極を有している。角度センサＳｐは、主軸ギア１０の回転角度を検知するために、その下面が隙間を介してマグネットＭｐの上面に上下方向に対向するように設けられる。

　一例として、角度センサＳｐは、角度センサＳｑが固定された基板５に、角度センサＳｑが固定される面と同一の面において固定されている。角度センサＳｐは、マグネットＭｐの磁束を検知し、検知情報をマイコン５１に出力する。マイコン５１は、入力された磁束に関する検知情報に基づいてマグネットＭｐの回転角度を特定することにより、主軸ギア１０の回転角度、つまり主軸１ａの回転角度を特定する。主軸１ａの回転角度の分解能は角度センサＳｐの分解能に対応する。マイコン５１は、後述するように、特定された第１副軸ギア３０の回転角度、第２副軸ギア６３の回転角度、及び特定された主軸１ａの回転角度に基づいて主軸１ａの回転量を特定し、これを出力する。マイコン５１は、一例としてモータ１の主軸１ａの回転量をデジタル信号として出力するようにしてもよい。

　このように構成されたアブソリュートエンコーダ２は、角度センサＳｑの検知情報に基づいて特定された第１副軸ギア３０の回転角度、及び角度センサＳｒの検知情報に基づいて特定された第２副軸ギア６３の回転角度に応じて主軸１ａの回転数を特定すると共に、角度センサＳｐの検知情報に基づいて主軸１ａの回転角度を特定することができる。そして、マイコン５１は、特定された主軸１ａの回転数及び主軸１ａの回転角度に基づいて、主軸１ａの複数回の回転にわたる回転量を特定する。

　主軸１ａに設けられた主軸ギア１０の第１ウォームギア部１１の条数は例えば５であり、第１ウォームホイール部２１の歯数は例えば２０である。つまり、第１ウォームギア部１１と第１ウォームホイール部２１とは、減速比が２０／５＝４の第１変速機構Ｒ１を構成する（図６参照）。第１ウォームギア部１１が４回転するとき第１ウォームホイール部２１は１回転する。第１ウォームホイール部２１と第２ウォームギア部２２とは同軸上に設けられて第１中間ギア２０を構成しており、一体となって回転することから、第１ウォームギア部１１が４回転するとき、すなわち主軸１ａ及び主軸ギア１０が４回転するとき、第１中間ギア２０は１回転し、第２ウォームギア部２２は１回転する。

　第２ウォームギア部２２の条数は例えば２であり、第１副軸ギア３０の第２ウォームホイール部３１の歯数は例えば２５である。つまり、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１とは、減速比が２５／２＝１２．５の第２変速機構Ｒ２を構成する（図６参照）。第２ウォームギア部２２が１２．５回転するとき第２ウォームホイール部３１は１回転する。第２ウォームホイール部３１が形成された第１副軸ギア３０は、後述するようにマグネットホルダ３５及びマグネットＭｑと一体となって回転するようになっており、このため、第１中間ギア２０を構成する第２ウォームギア部２２が１２．５回転するとき、マグネットＭｑは１回転する。

　第１副軸ギア３０のギア部３２の歯数は例えば１８であり、第２中間ギア７０のギア部７１の歯数は例えば３６である。つまり、ギア部３２とギア部７１とは、減速比が４０／２０＝２の第３変速機構Ｒ３を構成する（図５参照）。第１副軸ギア３０のギア部３２が２回転するとき第２中間ギア７０のギア部７１は１回転する。また、第２中間ギア７０のギア部７２の歯数は例えば１９であり、第２副軸ギア６３のギア部６４の歯数は例えば３８である。つまり、ギア部６４とギア部７２とは、減速比が３８／１９＝２の第４変速機構Ｒ４を構成する（図５参照）。第２中間ギア７０のギア部７２が２回転するとき第２副軸ギア６３のギア部６４は１回転する。

　ギア部７１とギア部７２とは同軸上に設けられて第２中間ギア７０を構成しており、一体となって回転することから、ギア部７１が１回転する時にギア部７２が１回転する。従って、第２中間ギア７０全体では、減速比が４となっている。つまり、第１副軸ギア３０のギア部３２が４回転するとき、第２中間ギア７０は２回転し、第２副軸ギア６３のギア部６４は１回転する。ギア部６４が形成された第２副軸ギア６３は、後述するようにマグネットホルダ６１を構成し、マグネットＭｒと一体となって回転するようになっている。このため、第１副軸ギア３０を構成するギア部３２が４回転するとき、マグネットＭｒは１回転する。

　以上より、主軸１ａが２００回転すると、第１中間ギア２０が５０回転し、第１副軸ギア３０及びマグネットＭｑが４回転し、第２中間ギア７０は２回転し、第２副軸ギア６３及びマグネットＭｒは１回転する。つまり、角度センサＳｑの第１副軸ギア３０の回転角度に関する検知情報により、主軸１ａの５０回転分の回転数を特定することができ、角度センサＳｒの第２副軸ギア６３の回転角度に関する検知情報により、主軸１ａの２００回転分の回転数を特定することができる。また、第１副軸ギア３０は、主軸ギア１０に対する減速比が第２副軸ギア６３よりも小さく、第１副軸ギア３０と共に回転するマグネットＭｑに対応する磁気センサＳｑの検知情報に基づく主軸１ａの回転量の分解能は、第２副軸ギア６３と共に回転するマグネットＭｒに対応する磁気センサＳｒの検知情報に基づく主軸１ａの回転量の分解能よりも高い。このため、アブソリュートエンコーダ２においては、特定可能な主軸１ａの回転量の分解能を低下させることなく、特定可能な主軸１ａの回転量の範囲を拡大することができる。

　以下、アブソリュートエンコーダ２の構成についてより具体的に説明する。

　上述のように（図１～６参照）、アブソリュートエンコーダ２は、ベース３と、ケース４と、基板５と、コネクタ６とを含んでいる。また、アブソリュートエンコーダ２は、主軸ギア１０と、第１中間ギア２０と、第１副軸ギア３０と、第２中間ギア７０と、第２副軸ギア６３を有するマグネットホルダ６１と、付勢機構４０とを含んでいる。また、アブソリュートエンコーダ２は、マグネットＭｐ，Ｍｑ，Ｍｒ及び角度センタＳｐ，Ｓｑ，Ｓｒを含んでおり、また、アブソリュートエンコーダ２の駆動部や検出部等を制御するためのマイコン５１を含んでいる。

　ベース３は、主軸ギア１０、第１中間ギア２０、第１副軸ギア３０、第２中間ギア７０、マグネットホルダ６１（第２副軸ギア６３）等の各回転体を回転可能に保持し、また、基板５や付勢機構４０等の各部材を固定する基台である。図３から図６、図１１から図１４等に示すように、ベース３は、基部１０１と、基部１０１に設けられたアブソリュートエンコーダ２の各部材を支持するための後述する種々の支持部とを有している。ベース３には、図７に示すように、ケース４が、支持プレート３ａを介して固定されている。支持プレート３ａはベース３とモータ１との間に挟持されており、ケース４は支持プレート３ａに例えば１箇所においてネジ８ｃによって固定されるようになっている。また、ベース３には、基板５が、例えば３箇所においてネジ８ａによって固定されるようになっている。基部１０１は、アブソリュートエンコーダ２の上下方向に面する一対の面を有する板状の部分であり、水平方向（Ｘ軸方向及びＹ軸方向）に延在している。

　基部１０１の上側の面である上面１０４には、基板５を支持するための部分である基板支柱１１０及び基板位置決めピン１２０が設けられている。ベース３は、例えば、３つの基板支柱１１０と２つの基板位置決めピン１２０とを有している。

　図５等に示すように、基板支柱１１０は、基部１０１の上面１０４から上側に向かって突出する部分であり、例えば、円柱状又は略円柱状の部分である。基板支柱１１０の上側の端面（上端面１１１）には、下側に向かって延びるネジ穴１１２が形成されている。各基板支柱１１０の上端面１１１は、同一の水平面上に延びるように、または、同一の水平面に沿って延びるように夫々形成されている。アブソリュートエンコーダ２において、基板５は、その下面５ａが基板支柱１１０の上端面１１１に接し、ネジ穴１１２に螺合されたネジ８ａによって基板支柱１１０に固定される。なお、後述するように、基板支柱１１０の１つは、１つの基板位置決めピン１２０及び後述する付勢機構４０を構成する支持突起４５と一体となっている。また、基板支柱１１０は、補強のためのリブを有していてもよい。

　図５等に示すように、基板位置決めピン１２０は、基部１０１の上面１０４から上側に向かって突出する部分であり、例えば、円柱状又は略円柱状の部分である。基板位置決めピン１２０の上側の端部（先端部１２１）は、先端部１２１よりも下側の部分（基部１２２）よりも細くなっており、先端部１２１と基部１２２との間には段差面１２３が形成されている。基板位置決めピン１２０の先端部１２１は、後述する図２８に示すように基板５に形成された位置決め孔５ｂに挿入可能になっており、基板５の位置決め孔５ｂに基板位置決めピン１２０の先端部１２１が夫々挿入されることにより、ベース３に対して基板５が位置決めされる。

　また、図５等に示すように、ベース３は、基部１０１の上面１０４に設けられた、上側に向かって突出する部分である支持突起１３１，１３２，１４１を有している（図３～図６等参照）。支持突起１３２は、後述するように、第１中間ギア２０を第１中間ギア２０の中心軸方向に押す板バネ９を支持する部分である。支持突起１３１，１４１は、後述するように、第１中間ギア２０を回転可能に支持するための部分である。また、ベース３は、後述するように、第１副軸ギア３０を回転可能に保持するベアリング１３５を支持するベアリングホルダ部１３４を有している（図１５参照）。また、ベース３は、後述するように、第２副軸ギア６３が形成されたマグネットホルダ６１を回転可能に支持する第２副軸ギア軸６２を支持する軸支持部１３６、及び第２中間ギア７０を回転可能に支持する軸７５を支持する軸支持部１３７を有している（図１７～１９参照）。また、ベース３の基部１０１の上面１０４には、支持突起４５が設けられている。支持突起４５は、後述するように、第２ウォームギア部２２を第２ウォームホイール部３１の方向に付勢する付勢機構４０を構成する部分であり、付勢バネ４１を支持する部分である。

　続いて、アブソリュートエンコーダ２のベース３が支持する各部品について夫々具体的に説明する。

　（主軸ギア）
　図８は、図１に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、モータ１を除いた状態で、主軸ギア１０の中心軸を通り、かつ、第１中間ギア２０の中心軸と直交する面で切断した状態を概略的に示す断面図である。図９は、図８に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、マグネットＭｐ、主軸ギア１０、主軸アダプタ１２、及びモータ１の主軸１ａの構成を概略的に示す分解縦断面図である。

　図８，図９に示すように、主軸ギア１０は、モータ１の主軸１ａ及び主軸アダプタ１２と同軸又略同軸に設けられる筒状部材である。主軸ギア１０は、筒状の筒状部１３と、筒状部１３の径方向外側に設けられた第１ウォームギア部１１とを備えている。第１ウォームギア部１１は主軸ギア１０のギア部である。図９に示すように、モータ１の主軸１ａの上端には、内周側に空間を形成する円筒面状の圧入部１ｂが形成されており、圧入部１ｂは、主軸アダプタ１２が圧入されて固定されるようになっている。また、主軸ギア１０の筒状部１３には、内側に空間を形成する円筒面状の圧入部１４が形成されており、圧入部１４は、主軸アダプタ１２が圧入されて固定されるようになっている。

　また、図８，９に示すように、主軸ギア１０の筒状部１３には、マグネットＭｐを保持するためのマグネット保持部１５が形成されている。マグネット保持部１５は、筒状部１３の上端面１３ａから下側に凹むマグネットＭｐの形状に対応した凹部を形成する部分であり、マグネットＭｐを収容可能になっている。マグネット保持部１５は、圧入部１４に連通しており、圧入部１４よりも大きな径を有する円筒面状の内周面１５ａと、内周面１５ａと圧入部１４とを接続する円環状の底面１５ｂとを有している。

　マグネット保持部１５の内周面１５ａは、マグネット保持部１５に収容されたマグネットＭｐの外周面Ｍｐｄに接するように形成されている。アブソリュートエンコーダ２において、主軸アダプタ１２の上端面１２ａは、マグネット保持部１５の底面１５ｂよりも上側に位置している。アブソリュートエンコーダ２において、マグネットＭｐの下面Ｍｐｂは主軸アダプタ１２の上端面１２ａに接触しており、主軸ギア１０のマグネット保持部１５の底面１５ｂには接触していない。このように、マグネットＭｐの上下方向の位置決めは主軸アダプタ１２の上端面１２ａによってなされ、水平方向の位置決めはマグネット保持部１５の内周面１５ａによってなされる。このように位置決めされたマグネットＭｐの下面Ｍｐｂは、主軸アダプタ１２の上端面１２ａに接着されて固定される。

　上述のように、マグネットＭｐは主軸アダプタ１２に固定されており、マグネットＭｐ、主軸ギア１０、及び主軸アダプタ１２は、モータ１の主軸１ａと一体となって回転する。マグネットＭｐ、主軸ギア１０、及び主軸アダプタ１２は、モータ１の主軸１ａと同じ軸線周りに回転するようになっている。

　第１ウォームギア部１１は、螺旋状に形成された歯部により構成され、第１中間ギア２０の第１ウォームホイール部２１と噛み合うように形成されている。第１ウォームギア部１１は、例えば、ポリアセタール樹脂で形成されている。第１ウォームギア部１１は、第１駆動歯車の一例である。

　図９に示すように、マグネットＭｐは、主軸ギア１０のマグネット保持部１５の内部に挿入される円盤状又は略円盤状の永久磁石であり、互いに背向する上面Ｍｐａ及び下面Ｍｐｂを有している。アブソリュートエンコーダ２において、マグネットＭｐの上面Ｍｐａが角度センサＳｐの表面から上下方向において一定距離を隔てて向き合っているように、主軸ギア１０の中心軸ＧＣ１方向におけるマグネットＭｐの位置（上下方向における位置）が、上述のように主軸アダプタ１２の上端面１２ａによって規定されている。

　マグネットＭｐの中心軸ＭｐＣ（マグネットＭｐの中心を表す軸又は磁極の境界の中心を通る軸）は、主軸ギア１０の中心軸ＧＣ１、主軸アダプタ１２の中心軸ＳａＣ、及びモータ１の主軸１ａの中心軸ＭｏＣと一致又は略一致している。このように各中心軸を一致又は略一致させることで、角度センサＳｐがより高精度にマグネットＭｐの回転角又は回転量を検出することが可能となっている。

　なお、本発明の実施の形態においては、マグネットＭｐの２つの磁極（Ｎ／Ｓ）は、マグネットＭｐの中心軸ＭｐＣに対して垂直な水平面（ＸＹ平面）内で隣り合うように形成されることが望ましい。これにより、角度センサＳｐの回転角又は回転量の検出精度をより向上させることができる。なお、マグネットＭｐは、例えばフェライト系、Ｎｄ（ネオジム）－Ｆｅ（鉄）－Ｂ（ホウ素）系等の磁性材料から形成される。マグネットＭｐは、例えば樹脂バインダを含むゴム磁石、ボンド磁石等であってもよい。

　（主軸アダプタ）
　図１０は、主軸アダプタ１２の一端部１２４を示す拡大断面図である。

　本発明の軸の支持構造の実施の形態に係る主軸アダプタ１２は、モータ１の主軸１ａ及び主軸ギア１０の筒状部１３を支持部材として、圧入部１ｂ及び圧入部１４に圧入される軸である。図８、図９、及び図１０に示すように、主軸アダプタ１２は、テーパ面部１２６，１２７と、貫通孔１２８とを有している。

　貫通孔１２８は、主軸アダプタ１２において、一端部１２４と他端部１２５とを貫通する。貫通孔１２８は、一端部１２４の側から軸線方向に所定の長さの領域を占める第１孔部１２８ａと、第１孔部１２８ａから連通し、他端部１２５までの領域を占める第２孔部１２８ｃとを有する。貫通孔１２８において、一端部１２４の側から軸線方向に所定の長さの領域における第１孔部１２８ａの孔の径は、他端部１２５の側に設けられている第２孔部１２８ｃの孔の径よりも大きい。なお、第１孔部１２８ａと第２孔部１２８ｃの間の端部１２８ｂは、第１孔部１２８ａの加工時、刃先の先端に角度を持つドリルで加工した際に生じる部分であり、エンドミルで加工した場合、端部１２８ｂは存在しない。

　アブソリュートエンコーダ２は、主軸ギア１０をモータ１の主軸１ａに取り付ける構造として、さまざまな径の主軸１ａに対応するため、主軸１ａに主軸ギア１０を直接取り付けず、主軸アダプタ１２を介して主軸ギア１０を固定している。ここで、主軸１ａについては、モータの回転軸であり、剛性が必要となる。また、主軸アダプタ１２は、上述したように接着剤によりマグネットＭｇを固定する必要があるため、主軸１ａ及び主軸アダプタ１２は金属を用いることが望ましい。よって、主軸アダプタ１２を主軸１ａの圧入部１ｂに圧入する際に高い圧入力が必要となる。この場合において、圧入力により主軸１ａの座屈変形や、主軸１aと主軸アダプタ１２の圧入嵌合部（内径部、外径部）の削れなどの破損が発生するおそれがある。

　アブソリュートエンコーダ２では、主軸アダプタ１２の貫通孔１２８の第１孔部１２８ａの径を第２孔部１２８ｃの径よりも大きくして肉厚を薄くすることで、主軸アダプタ１２を撓み易くし、主軸１ａへの圧入力を低減させ、主軸１ａへの負荷を軽減することができる。一方、主軸アダプタ１２の上部（先端側）には、マグネットＭｐを接着剤で固定するため、マグネットＭｐとの接触面積（主軸アダプタ１２の外径と内径との間の肉厚）が必要となる。そこで、主軸アダプタ１２は、軸線方向において所定の位置、例えば、一端部１２４側の圧入代（圧入に必要な寸法）に相当する領域を境界として、貫通孔１２８の径を異なるものにした。

　つまり、主軸アダプタ１２は、圧入代よりも一端部１２４側の（図９において下側）の第１孔部１２８ａの径は、第２孔部１２８ｃよりも大きくすることで、主軸アダプタ１２の周面１２９の変形を容易にして圧入部１ｂに圧入しやすくしている。また、圧入代よりも他端部１２５の側（図９において上側）の第２孔部１２８ｃの径は、第１孔部１２８ａよりも小さくすることで、マグネットＭｐとの接着面積を確保し、接着保持力を損なうことなく圧入力の軽減を両立させることができる。

　テーパ面部１２６，１２７は、一端部１２４及び他端部１２５の径が周面１２９の径よりも小さくなるような傾斜した外周面である。テーパ面部１２６は、主軸アダプタ１２のテーパ面部１２６と周面１２９との間の外周面の接続部１２６ａが、曲面で接続されている。他端部１２５側のテーパ面部１２７においても、周面１２９との間の外周面の接続部１２７ａが、曲面で接続されている。つまり、テーパ面部１２６，１２７は、周面１２９との間の外周面の接続部１２６ａ，１２７ａに、曲面加工が施されている。

　図９に示すように、主軸アダプタ１２は、一端部１２４から軸線方向に所定の長さの領域は、モータ１の主軸１ａの上端に形成されている圧入部１ｂに圧入される。また、主軸アダプタ１２の他端部１２５から軸線方向に所定の長さの領域は、主軸ギア１０の筒状部１３に形成されている圧入部１４に圧入される。

　ここで、テーパ面部１２６に直線的な面取り加工のみを施した場合に、主軸アダプタ１２の一端部１２４を圧入部１ｂに圧入する際に、圧入部１ｂの孔の淵とテーパ面部１２６が接触すると主軸アダプタ１２及び圧入部１ｂの双方から削りカスが出てしまう。同様に、テーパ面部１２７に直線的な面取り加工のみを施した場合に、主軸アダプタ１２の他端部１２５を圧入部１４に圧入する際に、圧入部１４の孔の淵とテーパ面部１２７が接触すると主軸アダプタ１２及び圧入部１４の双方から削りカスが出てしまう。

　一方、主軸アダプタ１２及び圧入部１ｂ及び圧入部１４に圧入される際に、テーパ面部１２６，１２７が圧入部１ｂ，１４に挿入された後に、テーパ面部１２６，１２７と周面１２９との間の外周面の接続部１２６ａ，１２７ａが圧入部１ｂ，１４に接触する。主軸アダプタ１２は、テーパ面部１２６，１２７と周面１２９との間の外周面の接続部１２６ａ，１２７ａに曲面加工が施されていることにより、主軸アダプタ１２が円滑に圧入部１ｂ，１４に圧入されるため、主軸アダプタ１２及び圧入部１ｂ，１４の双方が削れてしまうことを防止することができる。このため、主軸アダプタ１２によれば、削りカス等の飛び散りを抑制することができる。また、主軸アダプタ１２によれば、部材が削れることに起因する、主軸アダプタ１２が倒れて（傾いて）圧入されてしまうことを抑制することができる。さらに、主軸アダプタ１２によれば、主軸アダプタ１２の傾きが抑えられることにより、圧入代（圧入に必要な寸法）を低減することができる。

　接続部１２６ａ，１２７ａの曲面加工は、例えば、半径Ｒ＝１［ｍｍ］程度とするのが望ましい。また、主軸アダプタ１２は、周面１２９及び接続部１２６ａ，１２７ａを含むテーパ面部１２６，１２７の表面の表面粗さをより滑らかにすることにより、主軸アダプタ１２及び圧入部１４双方の表面の材料が削れてしまうことを防止することができる。主軸アダプタ１２の表面の面粗度Ｒｍａｘ（最大粗さ）は、例えば、１．６［μｍ］以下とするとよい。なお、接続部１２６ａ，１２７ａの曲面加工は、一端部１２４及び他端部１２５のいずれか一方であってもよい。

　（第１中間ギア）
　図１１は、図６に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、第１中間ギア２０の中心軸を通り、かつ、水平面（ＸＹ平面）と平行な面で切断した状態を概略的に示す断面図である。図１２は図１１に示すように断面したアブソリュートエンコーダ２を第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂ側の上方から見た拡大斜視図である。図１３は、図６に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、第１中間ギア２０の中心軸を通り、かつ、水平面（ＸＹ平面）と直交する面で切断した状態を概略的に示す部分断面図である。

　図４から図６及び図１１から図１３に示すように、第１中間ギア２０は、ベース３の基部１０１の上側において、第１中間ギア軸２３によって回転自在に支持されている。第１中間ギア軸２３は、水平面に平行に延びている。また、第１中間ギア軸２３は、平面視で左右方向（Ｘ軸方向）及び前後方向（Ｙ軸方向）の夫々とは平行ではない。すなわち、第１中間ギア軸２３は、左右方向及前後方向の夫々に対して斜めとなっている。第１中間ギア軸２３が、左右方向及び前後方向の夫々に対して斜めであることは、第１中間ギア軸２３がベース３の基部１０１の外周面１０５～１０８に対して斜めに延びていることを意味している（図１１参照）。アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア軸２３は、主軸ギア１０側に位置する支持突起１３１と、第１副軸ギア３０側に位置する支持突起１４１とによってベース３の基部１０１に支持されている。

　図１１に示すように、ベース３の外周面は、右側外周面１０５及びＹＺ平面に平行な左側外周面１０７と、ＸＺ平面に平行で右側外周面１０５及び左側外周面１０７との間に延びる後側外周面１０６及び前側外周面１０８とにより構成される。右側外周面１０５は、ベース３の右側（Ｘ軸方向右側）に設けられる側面である。左側外周面１０７は、ベース３の左側（Ｘ軸方向左側）に設けられる側面である。後側外周面１０６は、ベース３の後側（Ｙ軸方向後側）に設けられる側面である。前側外周面１０８は、ベース３の前側（Ｙ軸方向前側）に設けられる側面である。

　図３から図６に示すように、アブソリュートエンコーダ２を平面視した寸法は、一例として２５ｍｍ角のモータ１の寸法に合わせられている。そのため、ベース３の上面１０４に平行に配置される第１中間ギア２０が、ベース３の外周面１０５～１０８に対して斜めに延びるように設けられることによって、水平方向へのアブソリュートエンコーダ２の寸法を小さくすることができる。なお、水平方向とは、モータ１の主軸１ａの中心軸と直交する方向に等しく、またＸＹ平面と平行な方向に等しい方向である。

　図５、図６及び図１１～図１４に示すように、第１中間ギア２０は、第１中間ギア軸２３を軸として回転可能に形成された筒状の部材であり、第１ウォームホイール部２１、第２ウォームギア部２２、筒状部２４、主軸側摺動部２５、及び副軸側摺動部２６を有している。筒状部２４は、筒状に延びる部材であり、第１中間ギア軸２３が挿通可能な貫通孔２４ａを形成する内周面２４ｂを有している。貫通孔２４ａは、筒状部２４の内周面２４ｂによって囲まれる空間である。内周面２４ｂは、貫通孔２４ａに挿通された第１中間ギア軸２３の外周面に摺動可能に形成されており、第１中間ギア２０は、第１中間ギア軸２３周りに回転自在に第１中間ギア軸２３に支持される。第１中間ギア２０は、金属、樹脂等で一体的に成形された部材であり、ここでは一例として、ポリアセタール樹脂で形成されている。

　図５から図８に示すように、第１ウォームホイール部２１は、主軸ギア１０の第１ウォームギア部１１が噛み合う歯車である。第１ウォームホイール部２１は、第１従動歯車の一例である。第１ウォームホイール部２１は、第１中間ギア２０の筒状部２４の一方の端部側に設けられており、例えば、第１中間ギア２０の筒状部２４の一方の端部側に形成された円筒面に設けられる複数の歯によって構成される。アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア２０は、第１ウォームホイール部２１がベース３の基部１０１の中央近傍の箇所に位置するように設けられる。従って、第１ウォームホイール部２１が近傍に設けられる筒状部２４の一方の端部とは、第１中間ギア２０の主軸ギア１０側となる端部である。

　図８に示すように、第１ウォームホイール部２１の外径は、第１ウォームギア部１１の外径よりも小さくなっている。第１ウォームホイール部２１の中心軸は、筒状部２４の内周面２４ｂの中心軸と同軸又は略同軸となっている。アブソリュートエンコーダ２において、第１ウォームホイール部２１の中心軸は、ベース３の基部１０１の上面１０４と平行又は略平行であるため、第１ウォームホイール部２１の外径が小さくなることにより、アブソリュートエンコーダ２の上下方向（高さ方向）における小型化が可能となる。

　図５、図６、図１１～図１５等に示すように、第２ウォームギア部２２は、螺旋状に形成された歯部によって構成され、第１ウォームホイール部２１と同軸上又は略同軸上に並んで設けられている。第２ウォームギア部２２は、第２駆動歯車の一例である。具体的には、第２ウォームギア部２２は、筒状部２４の他方の端部側に設けられており、例えば、筒状部２４の他方の端部側に形成された円筒面に設けられる螺旋状に形成された歯部によって構成される。筒状部２４の他方の端部側とは、第１中間ギア２０の第１副軸ギア３０側となる端部の側である。また、第２ウォームギア部２２の中心軸は、筒状部２４の内周面２４ｂの中心軸と同軸又は略同軸となっている。第２ウォームギア部２２が、第１副軸ギア３０に設けられた第２ウォームホイール部３１と噛み合うことによって、第１中間ギア２０の回転力が第１副軸ギア３０に伝達される。

　上述のように、第１ウォームギア部１１と第１ウォームホイール部２１との軸角は９０°又は略９０°であり、第１ウォームギア部１１の中心軸と第１ウォームホイール部２１の中心軸とは、第１ウォームギア部１１の中心軸に垂直であると共に第１ウォームホイール部２１の中心軸に垂直である方向から見たとき、互いに直交又は略直交している。また、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１との軸角は９０°又は略９０°であり、第２ウォームギア部２２の中心軸と第２ウォームホイール部３１の中心軸とは、第２ウォームギア部２２の中心軸に垂直であると共に第２ウォームホイール部３１の中心軸に垂直である方向から見たとき、互いに直交又は略直交している。

　図１５に示すように、第２ウォームギア部２２の外径は、アブソリュートエンコーダ２の上下方向（高さ方向）における小型化を可能にするために、可能な範囲で小さい値に設定されている。

　図６、図１１～図１３に示すように、第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５は、第１中間ギア２０の一端、すなわち第１中間ギア２０の主軸ギア１０側となる端に設けられている。具体的には、主軸側摺動部２５は、筒状部２４の一端の端面であり、筒状部２４の一端に形成された第１中間ギア２０の中心軸方向に面する環状の面である。アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５は、後述する板バネ９の一端９ａに接触する。

　板バネ９は、弾性部材の一例であり、例えば金属製である。板バネ９は、アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア２０を第１中間ギア軸２３の中心軸方向に押すための部材である。図４～図６及び図１３に示すように、板バネ９の他端９ｂは、ベース３の支持突起１３２の突起１３２ａに支持され、また、ベース３の支持突起４５にネジ８ｂによって固定されて、ベース３に支持されている。板バネ９の一端９ａは、第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５に接触するように形成されており、具体的には、図４及び図１３に示すように、板バネ９の一端９ａは、二股状に分かれた２つの分岐体で構成されている。板バネ９の一端９ａを構成する２つの分岐体の間には、第１中間ギア軸２３の直径より大きな隙間が形成されている。これにより、アブソリュートエンコーダ２において、板バネ９の一端９ａの２つの分岐体は、第１中間ギア軸２３を間に通して第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５に接触する。

　図４、図６、図１１及び図１３に示すように、板バネ９は、アブソリュートエンコーダ２において、板バネ９が撓んだ状態で一端９ａが第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５に接触するように、他端９ｂにおいて、ベース３の支持突起１３２に支持され、また、ベース３の支持突起４５に固定される。このため、板バネ９には弾性力が発生し、第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５は、板バネ９の一端９ａによって押圧される。この板バネ９の押圧力により、第１中間ギア２０は、第１中間ギア軸２３に沿って、主軸ギア１０側の支持突起１３１から第１副軸ギア３０側の支持突起１４１に向かう方向に付勢される。この状態で第１中間ギア２０が回転したとき、第１中間ギア２０の主軸側摺動部２５は、板バネ９の一端９ａに接触しながら回転する。

　図４、図６及び図１１から図１４に示すように、第１中間ギア２０の副軸側摺動部２６は、第１中間ギア２０の他端、すなわち第１中間ギア２０の第１副軸ギア３０側となる端に設けられている。具体的には、副軸側摺動部２６は、筒状部２４の他端の端面であり、筒状部２４の他端に形成された第１中間ギア２０の中心軸方向に面する環状の面であり、第１中間ギア２０の中心軸方向において主軸側摺動部２５に背向している。

　アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア２０の副軸側摺動部２６は、支持突起１４１に接触しており、支持突起１４１は、第１中間ギア軸２３の中心軸方向における第１中間ギア２０の位置を規定している。上述のように、第１中間ギア２０は、板バネ９によって、主軸ギア１０側の支持突起１３１から第１副軸ギア３０側の支持突起１４１に向かう方向に押圧されているため、第１中間ギア２０の副軸側摺動部２６も同方向に押圧されて支持突起１４１に接触している。このように、板バネ９の押圧力が第１副軸ギア３０から支持突起１４１に伝えられ、第１中間ギア２０は、支持突起１３１から支持突起１４１に向かう方向に安定して支持されている。第１中間ギア２０が回転した際は、第１中間ギア２０の副軸側摺動部２６は、支持突起１４１に接触しながら回転する。

　上述した、支持突起１３１及び支持突起１４１は夫々、第１中間ギア軸２３を介して第１中間ギア２０を回転自在に保持する第１軸支持部及び第２軸支持部の一例である。図５、図６及び図１１から図１３に示すように支持突起１３１及び支持突起１４１は、互いに対をなしており、例えば、ベース３の基部１０１から上側に突出する略直方体状の部分又は略直方体の部分を有する部分である。支持突起１３１は、主軸ギア１０の近傍に設けられており、平面視で（図６，１１参照）、ベース３の左側かつ前後方向中央付近に設けられている。また、支持突起１４１は、第１副軸ギア３０の近傍に設けられており、平面視で、ベース３の右側かつ前側に設けられている。

　図６及び図１１から図１３に示すように、支持突起１３１及び支持突起１４１は、第１中間ギア軸２３を水平面に沿って揺動可能に支持する支持部材として機能し、つまり、第１中間ギア２０を水平面に沿って揺動可能に支持する支持部材として機能する。第１中間ギア軸２３は、円柱棒状の部材であり、一方の端部としての主軸側端部２３ａと、他方の端部としての副軸側端部２３ｂとを有している。主軸側端部２３ａは、アブソリュートエンコーダ２において、主軸ギア１０側に位置する第１中間ギア軸２３の端部であり、副軸側端部２３ｂは、アブソリュートエンコーダ２において、第１副軸ギア３０側に位置する第１中間ギア軸２３の端部である。

　第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａ側に設けられた第１ウォームホイール部２１は、後述する付勢機構４０によって、第１噛み合い方向（図１２の矢印Ｐ１方向）に移動可能に、また、第１中間ギア軸２３の延びる方向（第１中間ギア軸２３の中心軸方向）及び第１噛み合い方向Ｐ１に直交する方向（上下方向）に移動不能になっている。なお、第１噛み合い方向とは、上述したように、第１ウォームホイール部２１が第１ウォームギア部１１に噛み合うために、第１ウォームホイール部２１が第１ウォームギア部１１に向かう方向である。

　図１１から図１４に示すように、支持突起１３１には、第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａが挿入される貫通孔１４３が形成されている。貫通孔１４３の延び方向に直交する断面における形状は、丸穴形状となっている。丸穴形状とは真円又は略真円の輪郭を有する形状である。

　また、アブソリュートエンコーダ２は、第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａと係合可能に形成された固定部としての止め輪（不図示）を有していてもよい。止め輪は、支持突起１３１の貫通孔１４３を通り抜けられない部分を第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａに形成する部材であり、第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａの外径を部分的に大きくする部材である。止め輪は、例えば第１中間ギア軸２３に形成された溝（不図示）に係合するｅリング等の環状部材である。また、止め輪は、アブソリュートエンコーダ２において、止め輪が支持突起１３１に対して副軸側端部２３ｂ側とは反対側に位置するように、第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａに設けられる。つまり、止め輪は、支持突起１３１の外側面１３１ａに接触するように設けられる。外側面１３１ａは、支持突起１３１の支持突起１４１側とは反対側に向かう面である。これにより、止め輪の支持突起１３１の外側面１３１ａとの接触により、主軸側端部２３ａから副軸側端部２３ｂに向かう方向への第１中間ギア軸２３の移動が制限されるようになる。

　第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂ側に設けられた第２ウォームギア部２２は、後述する付勢機構４０によって、第２噛み合い方向（図１２の矢印Ｐ２方向）に移動可能に、また、第１中間ギア軸２３が第１中間ギア軸２３の延びる方向（第１中間ギア軸２３の中心軸方向）及び第２噛み合い方向Ｐ２に直交する方向（Ｚ軸方向）に移動不能になっている。なお、第２噛み合い方向とは、上述したように、第２ウォームギア部２２が第２ウォームホイール部３１に噛み合うために、第２ウォームギア部２２が第２ウォームホイール部３１に向かう方向である。

　支持突起１４１には、第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂが挿入される貫通孔１４５が形成されている。貫通孔１４５の延び方向に直交する断面における形状は、長穴形状となっている。この貫通孔１４５の長穴形状は、長軸及び長軸に直交する短軸を有している。長軸側の幅は短軸側の幅よりも大きい。第１副軸ギア３０側の支持突起１４１の貫通孔１４５の長穴形状の長軸側の幅は、第１中間ギア軸２３の外周面の径よりも大きくなっている。また、貫通孔１４５の短軸側の幅は、第１中間ギア軸２３の外周面の径と同じ又は略同じである。アブソリュートエンコーダ２において、支持突起１４１の貫通孔１４５の長軸方向は、水平面と平行又は略平行となるようになっている。第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂが支持突起１４１の貫通孔１４５に挿入された第１中間ギア軸２３には、後述するように、付勢バネ４１が係合し、付勢バネ４１は第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂを第２噛み合い方向Ｐ２に付勢するようになっている。

　このように、第１中間ギア軸２３は、後述する付勢機構４０、支持突起１３１及び支持突起１４１によって、主軸側端部２３ａを支点（＝揺動中心）とし、副軸側端部２３ｂが水平方向に平行に又は略平行に移動できるように、また、主軸側端部２３ａ側の第１ウォームホイール部２１よりも副軸側端部２３ｂ側の第２ウォームギア部２２が水平方向に平行に又は略平行に大きな幅で移動できるようになっている。これにより、付勢機構４０により付勢され、支持突起１３１及び支持突起１４１に支持された第１中間ギア軸２３、すなわち第１中間ギア２０は、水平面（ＸＹ平面）に沿って揺動可能になっている。

　このような構成において、第１中間ギア軸２３の移動量（揺動量）は、支持突起１３１に形成される貫通孔１４３の深さ、すなわち、第１中間ギア軸２３の中心軸方向における支持突起１３１の厚さ、貫通孔１４３と第１中間ギア軸２３との間のクリアランス、及び貫通孔１４５の長軸側の幅によって決まる。しかし、貫通孔１４３と第１中間ギア軸２３との間のクリアランスが大きい場合、第１中間ギア軸２３のガタつきが大きくなり位置ずれが生じるため、このクリアランスを大きくすることは避けたい。このため、支持突起１３１を薄板等で形成し、支持突起１３１の厚さを薄くすることで、つまり貫通孔１４３を浅くすることで、貫通孔１４３と第１中間ギア軸２３との間のクリアランスを小さくしつつ、第１中間ギア軸２３の移動量を確保することが可能となる。なお、貫通孔１４５の長軸側の幅による第１中間ギア軸２３の移動量よりも、支持突起１３１の厚さによる第１中間ギア軸２３の移動量が大きくなるように設計しておくことで、第１中間ギア軸２３の移動量は貫通孔１４５の長軸側の幅によって規定することができる。

　（第１副軸ギア）
　図１５は、図２に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、第１副軸ギア３０の中心軸を通り、かつ、第１中間ギア２０の中心軸と直交する面で切断した状態を概略的に示す部分断面図である。図１６は、図１５に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、マグネットＭｑ、マグネットホルダ３５、第１副軸ギア３０、及びベアリング１３５を分解した状態を概略的に示す分解斜視図である。

　図１５，１６に示すように、第１副軸ギア３０は、マグネットホルダ３５の軸部３５ｂが圧入されてマグネットホルダ３５に固定される円筒状の部材である。第１副軸ギア３０は、第２ウォームホイール部３１と、ギア部３２と、貫通孔３３とを備えている。第１副軸ギア３０は、金属又は樹脂で一体的に成形された部材であり、ここでは一例として、ポリアセタール樹脂で形成されている。

　第２ウォームホイール部３１は、第１中間ギア２０の第２ウォームギア部２２が噛み合う歯車である。第２ウォームホイール部３１は、第２従動歯車の一例である。第２ウォームホイール部３１は、例えば、第１副軸ギア３０の上側の円筒部の外周部に設けられる複数の歯によって構成されている。第１中間ギア２０が回転することによって、第１中間ギア２０の回転力は、第１中間ギア２０の第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１を介して、第１副軸ギア３０に伝達される。

　ギア部３２は、第２中間ギア７０のギア部７１に噛み合う歯車である。ギア部３２は、第３駆動歯車の一例である。ギア部３２は、例えば、第１副軸ギア３０の下側の円筒部の外周部に設けられる複数の歯によって構成されている。また、ギア部３２は、図１５に示すように、第２ウォームホイール部３１の下側に形成されており、その歯先円直径は、第２ウォームホイール部３１の歯先円直径よりも小さくなっている。第１副軸ギア３０が回転することによって、第１副軸ギア３０の回転力は、第１副軸ギア３０のギア部３２と第２中間ギア７０のギア部７１を介して、第２中間ギア７０に伝達される。

　図１５及び図１６に示すように、貫通孔３３は、円筒状の第１副軸ギア３０の中心軸に沿って第１副軸ギア３０を貫通する孔である。貫通孔３３には、マグネットホルダ３５の軸部３５ｂが圧入され、第１副軸ギア３０はマグネットホルダ３５と一体となって回転するようになっている。

　マグネットホルダ３５は、マグネット保持部３５ａと軸部３５ｂとを有している。マグネットホルダ３５は、金属又は樹脂で一体的に成形された部材であり、ここでは一例として、非磁性のステンレス鋼で形成されている。ベース３に形成された筒状のベアリングホルダ部１３４の内周面には、２つのベアリング１３５の外輪が圧入されている。マグネットホルダ３５の軸部３５ｂは円柱状の部材である。軸部３５ｂは、第１副軸ギア３０の貫通孔３３に圧入されており、軸部３５ｂの下部は、２つのベアリング１３５の内輪に挿入されて固定されている。従って、マグネットホルダ３５は、２つのベアリング１３５によってベース３に対して支持され、第１副軸ギア３０と一体となって回転する。マグネットホルダ３５は、ベアリング１３５を介してベアリングホルダ部１３４に、Ｚ軸に平行又は略平行な回転軸線周りに回転可能に保持される。なお、マグネットホルダ３５の軸部３５ｂにはベアリングストッパー３５ｃが圧入されている。第１副軸ギア３０の組み立てにおいては、まず、ベース３の上面１０４側に設置されるベアリング１３５の外輪をベアリングホルダ部１３４に圧入し、その後、マグネットホルダ３５の軸部３５ｂをこのベアリング１３５の内輪に挿入する。次に、ベアリングストッパー３５ｃをマグネットホルダ３５の軸部３５ｂに、ベアリング１３５の内輪の下側に当接するまで圧入する。その後、ベース３の下面１０２側に設置されるベアリング１３５の内輪にマグネットホルダ３５の軸部３５ｂを挿入しつつ、外輪をベアリングホルダ部１３４に圧入して固定する。よって、このベアリングストッパー３５ｃによって、ベアリング１３５に挿入された状態のマグネットホルダ３５がベアリング１３５から抜けることを防止し、ベアリング１３５とマグネットホルダ３５を隙間なく固定することができるため、マグネットＭｇの上下方向のがたつきを可能な限り小さくすることが可能となる。２つのベアリング１３５については、ベース３に設けられたベアリング位置決め部材３５ｄに当接することによって、それぞれ圧入される位置が定められるが、ベアリング位置決め部材３５ｄを設けず、ベース３の上面１０４及び下面１０２の表面と、ベアリング１３５の表面がそれぞれ同じ高さになるように位置決めしてもよい。

　また、マグネット保持部３５ａはマグネットホルダ３５の上端に設けられている。マグネット保持部３５ａは、有底円筒状の部材である。マグネット保持部３５ａは、マグネットホルダ３５の上端面から下側に向かって窪む窪みを有している。このマグネット保持部３５ａの窪みの内周面は、マグネットＭｑの外周面Ｍｑｄに接するように形成されている。これにより、アブソリュートエンコーダ２において、マグネットＭｑは、マグネット保持部３５ａの窪みに収容されることにより、マグネット保持部３５ａに固定されている。

　ベース３に形成されたベアリングホルダ部１３４に配設された２つのベアリング１３５によってマグネットホルダ３５の軸部３５ｂが支持されることで、マグネットホルダ３５の傾きを防止することができる。そして、２つのベアリング１３５は、軸部３５ｂの上下方向においてできるだけ距離を離して配置すると、よりマグネットホルダ３５の傾きを防止する効果が大きくなる。

　図１６に示すように、マグネットＭｑは、マグネットホルダ３５のマグネット保持部３５ａの内部に圧入される円盤状又は略円盤状の永久磁石であり、上面Ｍｑａ及び下面Ｍｑｂを有している。アブソリュートエンコーダ２において、マグネットＭｑの上面Ｍｑａは、角度センサＳｐの下面から一定距離を隔てて向き合っている。マグネットＭｑの中心軸ＭｑＣ（マグネットＭｑの中心を表す軸又は磁極の境界の中心を通る軸）は、マグネットホルダ３５の中心軸ＳＣ、第１副軸ギア３０の中心軸ＧＣ２及びベアリング１３５の中心軸ＢＣと一致している。このように各中心軸を一致させることで、より高精度に回転角又は回転量を検出することが可能となっている。

　なお、本発明の実施の形態においては、マグネットＭｑの２つの磁極（Ｎ／Ｓ）は、マグネットＭｑの中心軸ＭｑＣに対して垂直な水平面（ＸＹ平面）内で隣り合うように形成されることが望ましい。これにより、角度センサＳｑの回転角又は回転量の検出精度をさらに向上させることができる。なお、マグネットＭｑは、例えばフェライト系、Ｎｄ（ネオジム）－Ｆｅ（鉄）－Ｂ（ホウ素）系等の磁性材料から形成される。マグネットＭｑは、例えば樹脂バインダを含むゴム磁石、ボンド磁石等であってもよい。

　（第２中間ギア）
　図１７は、図２に示すアブソリュートエンコーダ２の構成において、第２中間ギア７０及び第２副軸ギア６３の中心軸を通る面で切断した状態を概略的に示す部分断面図である。図１８は、図１７に示す第２中間ギア７０を拡大して示す拡大断面図である。

　図１７，１８に示すように、第２中間ギア７０は、ベース３の軸支持部１３６に固定された軸７５に回転可能に支持された部材であり、ギア部７１と、ギア部７２と、本体部７３とを備えている。第２中間ギア７０は、例えば摺動抵抗の低い樹脂材料から一体的に成形された部材であり、第２中間ギア７０の樹脂材料の一例としては、ポリアセタール樹脂がある。軸７５は、第２中間ギア７０の中心軸ＧＣ３が第１副軸ギア３０の中心軸ＧＣ２に平行又は略平行となるようにベース３の軸支持部１３６に固定されており、例えば、軸７５の下側の端（下端面７５ａ）側の部分がベース３の軸支持部１３６の貫通孔１３６ａに圧入されて固定されている。

　本体部７３は、円筒又は略円筒状の部分であり、内部に貫通孔７４を有している。貫通孔７４は、軸７５に対して摺動可能に軸７５が挿入可能に形成されている。ギア部７１は、第１副軸ギア３０のギア部３２が噛み合う歯車である。ギア部７１は、第３従動歯車の一例である。ギア部７１は、例えば、本体部７３の下側の外周部に設けられる複数の歯によって構成されている。第１副軸ギア３０が回転することによって、第１副軸ギア３０の回転力は、第１副軸ギア３０のギア部３２を介して第２中間ギア７０のギア部７１に伝達される。これにより第２中間ギア７０が回転する。

　ギア部７２は、第２副軸ギア６３のギア部６４に噛み合う歯車である。ギア部７２は、第４駆動歯車の一例である。ギア部７２は、例えば、本体部７３の上側の外周部に設けられる複数の歯によって構成されており、ギア部７１の上側に設けられている。第２中間ギア７０が回転することによって、第２中間ギア７０の回転力は、ギア部７２を介して第２副軸ギア６３のギア部６４に伝達される。これにより第２副軸ギア６３が回転する。

　図１７，１８に示すように、第２中間ギア７０において貫通孔７４は、貫通孔７４の中心軸が、ギア部７１及びギア部７２の各々の中心軸夫々と一致又は略一致するように本体部７３を貫通して延びる孔である。また、貫通孔７４は、第２中間ギア７０の中心軸ＧＣ３が軸７５の中心軸と一致又は略一致するように形成されている。

　本体部７３の下側の端面（下端面７３ａ）は、ベース３の上面１０４に接触して、上面１０４に対して摺動可能に形成されている。本体部７３の下端面７３ａは、例えば、第２中間ギア７０の中心軸ＧＣ３に直交又は略直交する平面又は略平面となっている。また、本体部７３の上側の端面（上端面７３ｂ）は、上端面７３ｂが面する部材に接触して、この部材に対して摺動可能に形成されている。本体部７３の上端面７３ｂは、例えば、第２中間ギア７０の中心軸ＧＣ３に直交又は略直交する平面又は略平面となっている。

　軸７５の上側の端（上端面７５ｂ）側の部分には、軸７５の軸線周りに環状の溝７５ｃが形成されており、溝７５ｃには止め輪７６が係合可能に形成されている。止め輪７６は、第２中間ギア７０が軸７５に回転可能の支持された状態を保持するための部材であり、軸７５の上端面７５ｂ側の部分の外径を部分的に大きくする部材である。図１８に示すように、止め輪７６は、例えば、ｃリングやｅリング等の環状部材である。アブソリュートエンコーダ２において、溝７５ｃは、止め輪７６が第２中間ギア７０の本体部７３の上端面７３ｂに対向するように、軸７５に設けられている。アブソリュートエンコーダ２において、溝７５ｃに取り付けられた止め輪７６が、第２中間ギア７０の上端面７３ｂに接触するようになっていてもよく、また、第２中間ギア７０の上端面７３ｂに隙間を空けて対向するようになっていてもよい。止め輪７６により、第２中間ギア７０の軸７５の軸線方向における移動が制限されるようになっている。

　上述のように第２中間ギア７０は構成されており、アブソリュートエンコーダ２において、第２中間ギア７０の貫通孔７４に軸７５が挿入され、軸７５の溝７５ｃに止め輪７６が取り付けられ、アブソリュートエンコーダ２において、第２中間ギア７０は取り付けられる。アブソリュートエンコーダ２において、第２中間ギア７０は、軸７５を回転軸として、第１副軸ギア３０の中心軸ＧＣ２と平行又は略平行な回転軸線周りに回転可能になっている。また、第２中間ギア７０は、ベース３の上面１０４と軸７５に取り付けられた止め輪７６と摺動可能になっており、軸７５の軸線方向における移動が制限されている。

　（第２副軸ギア）
　図１９は、図１７に示す第２副軸ギア６３を有するマグネットホルダ６１を拡大して示す拡大断面図であり、図２０は、図１９に示すマグネットホルダ６１を分解した状態を概略的に示す分解斜視図である。

　図１７，１９，２０に示すように、マグネットホルダ６１は、ベース３の軸支持部１３７に固定された第２副軸ギア軸６２に回転可能に支持された部材であり、第２副軸ギア６３と、マグネットホルダ部６５と、マグネットＭｒとを備えている。マグネットホルダ部６５は、第２副軸ギア６３との間にマグネットＭｒを挟持してマグネットホルダ６１においてマグネットＭｒを固定するための部材である。第２副軸ギア軸６２は、その軸線（中心軸ＧＣ４）が第２中間ギア７０の中心軸ＧＣ３に平行又は略平行となるようにベース３の軸支持部１３７に固定されており、例えば、第２副軸ギア軸６２の下側の端（下端面６２ａ）側の部分がベース３の軸支持部１３７の貫通孔１３７ａに圧入されて固定されている。また、第２副軸ギア軸６２は、アブソリュートエンコーダ２において、マグネットホルダ６１のマグネットＭｒが、基板５に取り付けられた角度センサＳｒに中心軸ＧＣ３方向において対向するように、ベース３に固定されている。

　第２副軸ギア６３は、ギア部６４と、本体部６６と、マグネット支持部６７とを備えている。第２副軸ギア６３は、例えば摺動抵抗の低い樹脂材料から一体的に成形された部材である。つまり、ギア部６４、本体部６６、及びマグネット支持部６７は、同一の材料から互いに一体的に形成されており、夫々第２副軸ギア６３の一部を成している。第２副軸ギア６３の樹脂材料の一例としては、ポリアセタール樹脂がある。本体部６６は、円筒又は略円筒状の部分であり、内部に貫通孔６６ａを有している。貫通孔６６ａは、第２副軸ギア軸６２に対して摺動可能に第２副軸ギア軸６２が挿入可能に形成されている。ギア部６４は、第２中間ギア７０のギア部７２が噛み合う歯車である。ギア部６４は、第４従動歯車の一例である。ギア部６４は、例えば、本体部６６の外周部に設けられる複数の歯によって構成されている。図示の例においては、ギア部６４は、本体部６６の外周面から外周方向に突出した円盤状の部分を形成しており、この円盤状の部分の外周面に複数の歯が設けられて形成されている。第２中間ギア７０が回転することによって、第２中間ギア７０の回転力は、第２中間ギア７０のギア部７２を介して第２副軸ギア６３のギア部６４に伝達される。これにより第２副軸ギア６３が回転する。

　図１７，１９に示すように、第２副軸ギア６３において貫通孔６６ａは、貫通孔６６ａの中心軸が、ギア部６４の中心軸夫々と一致又は略一致するように本体部６６を貫通して延びる孔である。また、貫通孔６６ａは、第２副軸ギア６３の中心軸ＧＣ４が第２副軸ギア軸６２の中心軸と一致又は略一致するように形成されている。

　本体部６６の下側の端面（下端面６６ｂ）は、ベース３の上面１０４に接触して、上面１０４に対して摺動可能に形成されている。本体部６６の下端面６６ｂは、例えば、第２副軸ギア６３の中心軸ＧＣ４に直交又は略直交する平面又は略平面となっている。また、本体部６６の上側の端面（上端面６６ｃ）は、上端面６６ｃが面する部材に接触して、この部材に対して摺動可能に形成されている。本体部６６の上端面６６ｃは、例えば、第２副軸ギア６３の中心軸ＧＣ４に直交又は略直交する平面又は略平面となっている。

　マグネット支持部６７は、本体部６６においてギア部６４よりも上側の部分から上側に延びる部分であり、第２副軸ギア６３の中心軸ＧＣ４に沿って延びる筒状の部分である。マグネット支持部６７は、本体部６６の上端面６６ｃを超えて上側に延びており、本体部６６の上端面６６ｃとマグネット支持部６７の内周側に面する面（内周面６７ａ）とによってマグネット支持部６７の内部に筒状の空間を形成している。マグネット支持部６７の外周面６７ｂは、ギア部６４の先端よりも内周側に位置するようになっている。マグネット支持部６７は、例えば、第２副軸ギア６３の中心軸ＧＣ４を中心又は略中心とする円筒状又は略円筒状の部材である。図１９に示すように、マグネット支持部６７の内周面６７ａには本体部６６の上端面６６ｃが接続しており、本体部６６は、マグネット支持部６７と接続する部分において、ギア部６４よりも下の部分より外周側に大きくなっていてもよく、また、マグネット支持部６７と接続する部分において、ギア部６４よりも下の部分より外周側に大きくなっていなくてもよい。なお、マグネット支持部６７の形状は、円筒状又は略円筒状に限られず他の形状であってもよい。例えば、マグネット支持部６７の形状は角筒状等の形状であってもよい。

　マグネット支持部６７の上側の端面（上端面６７ｃ）は、第２副軸ギア６３の中心軸ＧＣ４に直交又は略直交する平面又は略平面となっている。アブソリュートエンコーダ２において、上端面６７ｃの全周にマグネットＭｒが接触可能になるように、マグネット支持部６７の内周面６７ａは、マグネットＭｒの外周側に面する面（外周面Ｍｒｄ）よりも内周側に位置するようになっている。また、アブソリュートエンコーダ２において、上端面６７ｃが第２副軸ギア軸６２の上側の端面（上端面６２ｂ）よりも上側に位置するように、マグネット支持部６７は形成されている。なお、マグネット支持部６７の上端面６７ｃは、ベース３の上面１０４に対して平行又は略平行になっており、第２副軸ギア６３が回転した時に、上端面６７ｃがベース３の上面１０４に対して面ブレせずに回転するようになっている。

　マグネットホルダ部６５は、有底筒状の樹脂材料から形成された部材である。マグネットホルダ部６５の樹脂材料は、例えば接着剤が着く樹脂材料である。マグネットホルダ部６５は、具体的には、筒状に延びる筒部６８と、筒部６８の一端側の端から内周側に延びる底部６９とを有している。筒部６８は、第２副軸ギア６３のマグネット支持部６７を内部に収容して、マグネットホルダ部６５をマグネット支持部６７に嵌着可能にする嵌着部６５ａを形成し、筒部６８及び底部６９は、マグネットＭｒを内部に収容して保持可能にするマグネット収容部６５ｂを形成している。

　マグネットホルダ部６５の筒部６８は、アブソリュートエンコーダ２において、第２副軸ギア６３の中心軸ＭＣ４に一致又は略一致する中心軸に沿って延びる円筒面状又は略円筒面状の内周面６８ａを有している。内周面６８ａは、内周側に面する面であり、筒部６８の底部６９側の端とは反対側の端（開口端６８ｃ）から底部６９側に延びる面であり、筒部６８の開口端６８ｃにおいて開口を形成している。内周面６８ａが内部に形成する空間が嵌着部６５ａとなる。内周面６８ａは、第２副軸ギア６３のマグネット支持部６７が嵌着部６５ａに収容された際に、マグネット支持部６７がマグネットホルダ部６５に締まり嵌めとなるように、マグネット支持部６７の外周面６７ｂに接触するように形成されている。なお、筒部６８の内周面６８ａの形状は、円筒状又は略円筒状に限られず他の形状であってもよい。筒部６８の内周面６８ａの形状は、収容されるマグネット支持部６７の形状に対応する形状となる。

　また、マグネットホルダ部６５の筒部６８は、アブソリュートエンコーダ２において、第２副軸ギア６３の中心軸ＭＣ４に一致又は略一致する中心軸に沿って延びる、また、マグネットＭｒの中心軸ＭｒＣに一致又は略一致する中心軸に沿って延びる、円筒面状又は略円筒面状の内周面６８ｂを有している。内周面６８ｂは、内周側に面する面であり、内周面６８ａと底部６９の底面６９ａとの間に延びる面である。内周面６８ｂと底部６９の底面６９ａとが内部に形成する空間がマグネット収容部６５ｂとなる。内周面６８ｂは、マグネットＭｒがマグネット収容部６５ｂに収容された際に、マグネットＭｒの外周面Ｍｒｄに径方向において対向するように形成されている。内周面６８ｂは、内周面６８ａよりも内周側に位置しており、内周面６８ａと内周面６８ｂとの間には段差が形成されている。また、内周面６８ｂは、中心軸方向の幅がマグネットＭｒの中心軸ＭｒＣ方向の幅よりも小さくなっている。内周面６８ｂは、マグネットＭｒがマグネット収容部６５ｂに収容された際に、マグネットＭｒの外周面Ｍｒｄに径方向において空間を空けて対向するように形成されていてもよく、マグネットＭｒの外周面Ｍｒｄに径方向において空間を空けないで対向するように形成されていてもよい。

　マグネットホルダ部６５の底部６９は、筒部６８の開口端６８ｃとは反対側の端（閉鎖端６８ｄ）から内周側に向かって延びる円盤状の部分であり、上述の底面６９ａを有している。底面６９ａは、マグネット収容部６５ｂに面する面であり、筒部６８の中心軸に対して直交又は略直交する平面又は略平面の沿う面である。また、底部６９には、底部６９を筒部６８の中心軸方向において貫通する貫通孔である開口部６９ｂが形成されている。底部６９の底面６９ａは、マグネットＭｒがマグネット収容部６５ｂに収容された際に、マグネットＭｒの中心軸ＭｒＣが筒部６８の中心軸と平行又は略平行となるマグネットＭｒの姿勢で、マグネットＭｒの上面Ｍｒａに接触するように形成されている。また、底部６９の開口部６９ｂは、マグネットＭｒがマグネット収容部６５ｂに収容された際に、マグネットＭｒの磁束が開口部６９ｂを通過するように形成されている。

　第２副軸ギア軸６２は、上述のように、磁性体から形成されており、マグネットホルダ６１の回転軸線方向においてマグネットＭｒと第２副軸ギア軸６２との間で磁力による吸引力が生じるようになっている。具体的には、第２副軸ギア軸６２は、第２副軸ギア軸６２の方向にマグネットＭｒを付勢する磁力を発生するようになっている。

　また、第２副軸ギア軸６２の上側の端（上端面６２ｂ）側の部分には、第２副軸ギア軸６２の軸線周りに環状の溝６２ｃが形成されており、溝６２ｃには止め輪６２ｄが係合可能に形成されている。止め輪６２ｄは、マグネットホルダ６１の第２副軸ギア軸６２の軸線方向の移動を制限するための部材であり、第２副軸ギア軸６２の上端面６２ｂ側の部分の外径を部分的に大きくする部材である。図１９に示すように、止め輪６２ｄは、例えば、ｃリングやｅリング等の環状部材である。アブソリュートエンコーダ２において、溝６２ｃは、止め輪６２ｄが第２副軸ギア６３の本体部６６の上端面６６ｃに空間を空けて対向するように、第２副軸ギア軸６２に設けられている。

　図１９，２０に示すように、マグネットＭｒは、マグネットホルダ部６５のマグネット収容部６５ｂ内に収容される円盤状又は略円盤状の永久磁石であり、上面Ｍｒａ、下面Ｍｒｂ、及び外周面Ｍｒｄを有している。なお、本発明の実施の形態においては、マグネットＭｒの２つの磁極（Ｎ／Ｓ）は、マグネットＭｒの中心軸ＭｒＣに対して垂直な水平面（ＸＹ平面）内で隣り合うように形成されることが望ましい。これにより、角度センサＳｒの回転角又は回転量の検出精度をさらに向上させることができる。なお、マグネットＭｒは、例えばフェライト系、Ｎｄ（ネオジム）－Ｆｅ（鉄）－Ｂ（ホウ素）系等の磁性材料から形成される。マグネットＭｒは、例えば樹脂バインダを含むゴム磁石、ボンド磁石等であってもよい。また、図２１は、本発明の実施の形態に適応可能な円筒状のマグネットＭｒを示す概略斜視図である。図示の例のマグネットＭｒでは、第１磁極部分Ｎと第２磁極部分Ｓとが、マグネットＭｒの径方向Ｄ１における中央又は略中央を境に、径方向Ｄ１に並んで隣接して設けられている。また、図示の例のマグネットＭｒでは、第１磁極部分Ｎと第２磁極部分Ｓとが、軸（中心軸ＭｒＣ）方向Ｄ２の中央又は略中央を境に、軸方向Ｄ２に並んで隣接して設けられている。なお、図２１に示される矢印ＤＭは磁化方向を表す。このような着磁方向は、一般的に面方向着磁と呼ばれ、マグネットＭｒには面方向着磁された磁石が用いられている。

　上述のようにマグネットホルダ６１は構成されており、アブソリュートエンコーダ２において、第２副軸ギア６３の本体部６６の貫通孔６６ａに第２副軸ギア軸６２が挿入され、第２副軸ギア軸６２の溝６２ｃに止め輪６２ｄが取り付けられ、アブソリュートエンコーダ２において、第２副軸ギア６３は取り付けられる。アブソリュートエンコーダ２において、マグネットホルダ６１は、回転軸線周りに回転可能となっている。マグネットホルダ６１の回転軸線は、第２副軸ギア軸６２の中心軸ＧＣ４に一致又は略一致している。止め輪６２ｄ及び第２副軸ギア軸６２の上端面６２ｂ側の部分は、第２副軸ギア６３のマグネット支持部６７が内周側に形成する空間に収容される。

　また、アブソリュートエンコーダ２において、マグネットホルダ部６５のマグネット収容部６５ｂにマグネットＭｒが収容され、マグネットホルダ部６５にマグネットＭｒが固定される。マグネットホルダ部６５へのマグネットＭｒの固定は、接着剤による接着によって成される。例えば、マグネットホルダ部６５のマグネット収容部６５ｂを形成する内周面６８ｂとマグネットＭｒの外周面Ｍｒｄとの間を接着材によって接着する。マグネットホルダ部６５のマグネット収容部６５ｂを形成する底面６９ａにマグネットＭｒの下面Ｍｒｂが接触した状態でマグネットＭｒがマグネットホルダ部６５に固定されることにより、マグネットＭｒの中心軸ＭｒＣと第２副軸ギア軸６２の中心軸との一致を図ることができ、マグネットＭｒの中心軸ＭｒＣと第２副軸ギア軸６２の回転軸線との一致を図ることができ、角度センサＳｒによるマグネットＭｒの回転量又は回転角の検知をより高精度にすることができる。なお、マグネットＭｒのマグネット収容部６５ｂへの固定は、接着剤によるものに限らず、第１副軸ギア３０のようなマグネットＭｒのマグネット収容部６５ｂへの圧入による嵌着等の他の固定方法によるものであってもよい。

　また、アブソリュートエンコーダ２において、上述のように、マグネットＭｒが固定されたマグネットホルダ部６５が、第２副軸ギア６３のマグネット支持部６７に嵌着されて、マグネットホルダ部６５が第２副軸ギア６３に固定され、マグネットホルダ６１が組立られる。具体的には、マグネットホルダ部６５の嵌着部６５ａにマグネット支持部６７が圧入され、マグネットホルダ部６５の嵌着部６５ａを形成する内周面６８ａがマグネット支持部６７の外周面６７ｂを内周側に押圧し、また、マグネット支持部６７の外周面６７ｂがマグネットホルダ部６５の内周面６８ａを外周側に押圧し、マグネットホルダ部６５が第２副軸ギア６３に固定される。なお、マグネットホルダ部６５の第２副軸ギア６３への固定は、嵌着によるものに限らず、他の固定方法によるものであってもよい。

　マグネットホルダ部６５が第２副軸ギア６３に固定されて組み立てられたマグネットホルダ６１において、マグネットＭｒは、第２副軸ギア６３とマグネットホルダ部６５との間に挟持されて固定される。具体的には、マグネット支持部６７の上端面６７ｃがマグネットＭｒの下面Ｍｒｂに接触し、マグネット支持部６７の上端面６７ｃとマグネットホルダ部６５の底部６９の底面６９ａとの間にマグネットＭｒは挟まれて、マグネットＭｒはその中心軸ＭｒＣ方向において固定される。一方、マグネットＭｒのその中心軸ＭｒＣに直交する径方向の固定は、マグネットＭｒの外周面Ｍｒｄとマグネットホルダ部６５の内周面６８ｂとの間の接着によって成される。

　また、アブソリュートエンコーダ２において、マグネットＭｒの上面Ｍｒａは、マグネットホルダ部６５の底部６９に形成された開口部６９ｂを介してマグネットＭｒの中心軸ＭｒＣ方向において角度センサＳｒと対向する。これにより、角度センサＳｒがマグネットＭｒからの磁束を検知可能になっている。

　上述のように、アブソリュートエンコーダ２に取り付けられたマグネットホルダ６１は、第２副軸ギア軸６２を回転軸として、第２中間ギア７０の中心軸ＧＣ３と平行又は略平行な回転軸線周りに回転可能になっている。

　また、第２副軸ギア軸６２は、磁性体から形成されており、第２副軸ギア軸６２の方向にマグネットＭｒを付勢する磁力を発生するようになっている。このため、アブソリュートエンコーダ２において、マグネットＭｒには第２副軸ギア軸６２からの磁力が作用しており、第２副軸ギア軸６２からの磁力は、マグネットＭｒを第２副軸ギア軸６２に向かって引き付けている。アブソリュートエンコーダ２が図示の姿勢（正立状態）においては、第２副軸ギア６３の本体部６６の下端面６６ｂがベース３の上面１０４に摺動可能に接触しており、第２副軸ギア軸６２からの軸力により、マグネットホルダ６１は、第２副軸ギア６３の下端面６６ｂがベース３の上面１０４に接触する方向に付勢されている。ここで、面方向着磁されたマグネットは、径方向着磁されたマグネットに比べて、磁束密度がマグネット中央に集約されているという特性がある。上述のように、マグネットＭｒは面方向着磁されたマグネットであり、また、第２副軸ギア軸６２は磁性体で形成されている。このため、マグネットＭｒの磁束密度は、第２副軸ギア軸６２の磁性体によって、よりマグネットＭｒの中央付近に集約されることになり、これにより、アブソリュートエンコーダ２においては、角度センサＳｒが精度よく磁束を検出することが可能となる。

　一方、アブソリュートエンコーダ２が図示の正立状態から反転して上下方向が逆になった状態（倒立状態）においては、止め輪６２ｄと第２副軸ギア６３の本体部６６の上端面６６ｃとの間の隙間により、マグネットホルダ６１が第２副軸ギア６３の中心軸ＭＣ４方向に、第２副軸ギア軸６２に対して移動し得る。つまり、マグネットＭｒが角度センサＳｒ側に移動し、マグネットＭｒと角度センタＳｒとの間の間隔が変化し得る。しかしながら、アブソリュートエンコーダ２においては、第２副軸ギア軸６２が磁性体から形成されており、第２副軸ギア軸６２がその磁力によってマグネットＭｒを第２副軸ギア軸６２に向かって引き付けている。このため、アブソリュートエンコーダ２が倒立状態になったとしても、マグネットホルダ６１は第２副軸ギア６３の下端面６６ｂがベース３の上面１０４に接触した状態に保持され、マグネットホルダ６１が正立状態における中心軸ＭＣ４方向における位置を保ち、マグネットＭｒが角度センサＳｒ側に移動することが防止されている。このため倒立状態においても、マグネットＭｒと角度センタＳｒとの間の間隔は、正立状態における間隔に保持される。

　このように、アブソリュートエンコーダ２においては、アブソリュートエンコーダ２の使用姿勢によってマグネットＭｒと角度センタＳｒとの間の間隔が変わることがなく、アブソリュートエンコーダ２の使用姿勢が検出精度に与える影響を低減することができる。

　また、第２副軸ギア６３は、第２副軸ギア軸６２に取り付けられた止め輪６２ｄによって、第２副軸ギア軸６２の軸線方向における移動が制限されている。つまり、マグネットホルダ６１は、第２副軸ギア軸６２の軸線方向における移動が制限されている。このため、アブソリュートエンコーダ２に大きな衝撃が加わり、第２副軸ギア軸６２の磁力に抗してマグネットホルダ６１を第２副軸ギア軸６２の軸線方向上側に移動させる力が加わった場合であっても、止め輪６２ｄによってマグネットホルダ６１の移動が制限される。このため、マグネットホルダ６１が第２副軸ギア軸６２から外れる等の不具合の発生を防止することができる。

　上述のように、第２副軸ギア６３におけるマグネット支持部６７は、上側の端面である上端面６７ｃがマグネットＭｒを第２副軸ギア６３の上側に支持する磁石支持部としても機能する。マグネットホルダ部６５は、マグネットＭｒ及び第２副軸ギア６３を、上側から覆いマグネットＭｒをマグネット支持部６７の上端面６７ｃに保持する磁石保持部として機能する。

　そして、マグネットホルダ部６５は、第２副軸ギア６３よりも破断伸び特性が大きい樹脂材料により形成されている。マグネットホルダ部６５は、磁石接合部として機能する底部６９の底面６９ａと、嵌着部６５ａとして機能する内周面６８ａとを有する。

　圧入による組付け構造は、組み付ける部材同士の同芯を確保するという点において、特殊な設備も必要なく、比較的簡易に行える工法の一つである。マグネットホルダ部６５及び第２副軸ギア６３のような樹脂同士の圧入構造においては、部材の形状の一部、具体的にはマグネット支持部６７の外周面６７ｂをガイドとして、組み付けられる部品の保持及び芯出しの確保、圧入部材同士の保持強度の確保を考慮する必要がある。このため、マグネットホルダ部６５及び第２副軸ギア６３の樹脂材料には、フィラーを加えた強化材にし、低線膨張係数化、高弾性率化の傾向を有する材質を選択することが必要となる。しかしながら、このような低線膨張係数化、高弾性率化された樹脂材料は、強度の面において圧入時に割れが発生しやすく、かつ、圧入された状態を保持する耐久性を得ることが難しかった。

　嵌着部６５ａを有するマグネットホルダ部６５は、外周方向に圧入後の変形の逃げ場があり、引張応力を受けやすい。一方、圧入される軸側の第２副軸ギア６３は、マグネットホルダ部６５が圧入された後の変形の逃げ場がないため、マグネットホルダ部６５と比較すると応力による破損リスクが低い。そこで、アブソリュートエンコーダ２において、材料の破断伸び特性に着目し、マグネットホルダ部６５において、強化フィラー含有率を変えることなく、第２副軸ギア６３よりも破断伸びの大きい特性のものを採用することで、圧入時の破損を防止することができる。ここで、破断伸び特性（破断時伸び）とは、引張り試験における試験片の破断時の伸び、決められた標点間での破断直前の伸びである。

　（第２副軸ギア軸）
　上述の第２副軸ギア軸６２の具体的な形状について以下に説明する。図２２は、第２副軸ギア軸６２の下端面６２ａ側の一端部６２ｆを示す拡大断面図である。

　第２副軸ギア６３の第２副軸ギア軸６２は、上述のように、ベース３の基部１０１の軸支持部１３７の貫通孔１３７ａに圧入されて固定される軸である。図２２に示すように、第２副軸ギア軸６２は、テーパ面部６２ｅを有している。テーパ面部６２ｅは、一端部６２ｆの径が周面６２ｇの径よりも小さくなるような傾斜した外周面である。テーパ面部６２ｅは、第２副軸ギア軸６２のテーパ面部６２ｅと周面６２ｇとの間の外周面の接続部６２ｈが、曲面で接続されている。つまり、テーパ面部６２ｅは、周面６２ｇとの間の外周面の接続部６２ｈに、曲面加工が施されている。

　図２３，２４は、ベース３の基部１０１の貫通孔１３７ａに第２副軸ギア軸６２が圧入される様子を示す模式図である。

　図２３，２４に示すように、本発明の軸の支持構造の別の実施の形態に係る第２副軸ギア軸６２は、ベース３の貫通孔１３７ａに圧入される際に、テーパ面部６２ｅが貫通孔１３７ａに挿入された後に、テーパ面部６２ｅと周面６２ｇとの間の外周面の接続部６２ｈが貫通孔１３７ａに接触する。主軸アダプタ１２のテーパ面部１２６，１２７の接続部１２６ａ，１２７ａと同様に、接続部６２ｈにも曲面加工が施されていることにより、第２副軸ギア軸６２が円滑に貫通孔１３７ａに圧入されるため、第２副軸ギア軸６２及び貫通孔１３７ａの双方が削れてしまうことを防止することができる。また、主軸アダプタ１２の表面の面粗度Ｒｍａｘ（最大粗さ）は、例えば、１．６［μｍ］以下とするとよい。このため、第２副軸ギア軸６２によれば、主軸アダプタ１２と同様に、削りカス等の飛び散りを抑制することができる。また、第２副軸ギア軸６２によれば、部材が削れることに起因する、第２副軸ギア軸６２が倒れて（傾いて）圧入されてしまうことを抑制することができる。さらに、第２副軸ギア軸６２によれば、第２副軸ギア軸６２の傾きが抑えられることにより、圧入代（圧入に必要な寸法）を低減することができる。

　なお、アブソリュートエンコーダ２の軸の支持構造において、支持部材に圧入される軸において、テーパ面部と周面との間の外周面の接続部に曲面加工が施されている例は、上述した主軸アダプタ１２や第２副軸ギア軸６２には限定されない。アブソリュートエンコーダ２において、例えば、第１副軸ギア３０の支持軸における、テーパ面部と周面との間の外周面の接続部に曲面加工が施されていてもよい。

　アブソリュートエンコーダ２において、主軸ギア１０、第１中間ギア２０、第１副軸ギア３０、第２中間ギア７０、及び第２副軸ギア６３は上述のように設けられており、主軸ギア１０及び第１副軸ギア３０の回転軸線は互いに平行であり、第１中間ギア２０の回転軸線は、主軸ギア１０及び第１副軸ギア３０の夫々の回転軸線に対してねじれの位置にある。また、第１副軸ギア３０、第２中間ギア７０、及び第２副軸ギア６３の回転軸線は互いに平行である。この各ギアの配置により、角度センサＳｑ，Ｓｒの検出結果に応じて主軸ギア１０の複数回の回転にわたる回転量を特定することができる。第１中間ギア２０の回転軸線が、主軸ギア１０及び第１副軸ギア３０の回転軸線に対してねじれの位置にあり正面視で直交するため、アブソリュートエンコーダ２は屈曲した伝達経路を構成して薄型化することができる。

　（バックラッシュ低減機構）
　上述のように、アブソリュートエンコーダ２は、第２ウォームギア部２２を第２ウォームホイール部３１の方向に付勢する付勢機構４０を有しており、付勢機構４０は、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１との間のバックラッシュを低減するバックラッシュ低減機構である。図５、図６、図１１、図１４等に示すように、付勢機構４０は、付勢バネ４１と、支持突起４５と、付勢バネ４１を支持突起４５に固定するためのネジ８ｂとを有している。また、上述のベース３の支持突起１３１の貫通孔１４３及び支持突起１４１の貫通孔１４５も、付勢機構４０を構成する。

　付勢バネ４１は、第２ウォームギア部２２を第２ウォームホイール部３１の方向に押圧する押圧力を発生するための部材であり、弾性部材である。付勢バネ４１は、例えば板バネであり、金属板から形成されている。図１２，１４に示すように、付勢バネ４１は、具体的には、弾性変形して押圧力を発生する部分であるバネ部４２と、バネ部４２を挟んで対向する部分である係合部４３及び固定部４４とを有している。係合部４３と固定部４４とは、付勢バネ４１において一対の端部を形成する部分である。

　固定部４４は、ベース３の基部１０１の上面１０４から突出する支持突起４５にネジ８ｂによって固定可能に形成されている。ネジ８ｂは固定部材の一例であり、固定部４４には、ネジ８ｂが挿通される孔４４ａが形成されている。固定部４４は、平面状に延びており、支持突起４５の平面状の支持面４５ａに接触した状態でネジ８ｂにより支持突起４５に固定されるようになっている。

　係合部４３は、第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂに係合可能な形状を有している。係合部４３は、例えば、図１３，図１４に示すように、係合部４３のバネ部４２からの延び方向に沿って延びる隙間を形成する係合溝４３ａを有している。係合溝４３ａは、係合部４３のバネ部４２との接続部４３ｃと背向する端縁である先端縁４３ｂ側に開放する溝であり、上述の板バネ９の一端９ａのように二俣状に分かれた分岐体を形成している。係合部４３も平面状に延びている。第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂには、第１中間ギア軸２３の中心軸に直交又は略直交する方向に延びる環状の溝である被係合溝２３ｄが形成されており、係合部４３の係合溝４３ａはこの被係合溝２３ｄに係合可能になっている。この係合溝４３ａの上下方向に平行な一辺が被係合溝２３ｄにおいて第１中間ギア軸２３を押圧することで、第２ウォームギア部２２が第２ウォームホイール部３１に向かう方向に第１中間ギア２０が付勢されている。また、係合溝４３ａの左右方向に平行な二辺が被係合溝２３ｄにおいて第１中間ギア軸２３に接触しており、第１中間ギア軸２３よって付勢バネ４１の上下方向の移動は規制されている。

　バネ部４２は、係合部４３の第１中間ギア軸２３への係合方向に弾性変形しやすい形状を有しており、具体的には、図１４に示すように、係合溝４３ａの延び方向に撓みやすい形状を有している。例えば、バネ部４２は、第１中間ギア２０を付勢する方向とは反対方向に突出するように湾曲している。

　バネ部４２が支持突起４５とは反対側に固定部４４から立ち上がる姿勢で付勢バネ４１は固定部４４においてネジ８ｂにより支持突起４５に固定される。この固定状態において、係合部４３の係合溝４３ａが第１中間ギア軸２３の被係合溝２３ｄに係合するように、また、この係合状態においてバネ部４２が係合部４３を第１中間ギア軸２３に押圧する押圧力を発生するように、バネ部４２や係合部４３の寸法、係合部４３の延び方向のバネ部４２の延び方向に対する角度等が設定されている。上述の止め輪（不図示）が第１中間ギア軸２３に取り付けられている場合、この付勢バネ４１の固定及び係合状態において、止め輪１４４は、支持突起１４１の外側面に接触している。後述するバックラッシュ低減機能から、係合部４３の係合溝４３ａは、付勢バネ４１の固定状態において、第１中間ギア軸２３の中心軸に直交又は略直交する方向に延びるように形成されていることが好ましい。なお、この付勢バネ４１は、第１中間ギア軸２３の中心軸方向への移動を規制することも可能なため、上述のように止め輪を省略してもよい。

　図５，６，１１，１４等に示すように、板バネ９と付勢バネ４１とは１つの部材として一体に形成されている。具体的には、板バネ９の他端９ｂと付勢バネ４１の固定部４４とは一体に形成されており、同一の部材からなっている。つまり、板バネ９及び付勢バネ４１は、一続きの弾性部材から形成されており、板バネ９及び付勢バネ４１は夫々、この一続きの弾性部材の一部であり、板バネ９の他端９ｂと付勢バネ４１の固定部４４とは、この一続きの弾性部材の同一の部分に形成されている。

　次いで、アブソリュートエンコーダ２の付勢機構４０の作用について説明する。

　アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア軸２３は、主軸側端部２３ａがベース３の支持突起１３１に形成された貫通孔１４３に挿通され、副軸側端部２３ｂがベース３の支持突起１４１に形成された貫通孔１４５に挿通され、ベース３において支持されている。このように、第１中間ギア軸２３は、支持突起１３１，１４１に支持されている。

　第１中間ギア２０は、このように第１中間ギア軸２３に回転可能に支持されている。また、板バネ９の作用により、第１中間ギア２０は、支持突起１４１に向かって付勢されており、第１中間ギア２０の副軸側摺動部２６が支持突起１４１の内側面１４１ａに当接している（図１３参照）。

　上述のように、第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂを支持する長穴形状の貫通孔１４５は、長軸が短軸より長く、副軸側端部２３ｂが貫通孔１４５の長軸に沿って、つまり水平面に沿って貫通孔１４５の長軸の幅の範囲で移動可能に支持されている。一方、第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａを支持する貫通孔１４３は、丸穴形状となっており、このため、アブソリュートエンコーダ２において、第１中間ギア軸２３は、支持突起１３１、１４１の貫通孔１４３，１４５及び付勢機構４０により、主軸側端部２３ａの支持部分を中心又は略中心として、水平面に沿って揺動可能になっている。

　また、このように支持された第１中間ギア軸２３には、副軸側端部２３ｂの被係合溝２３ｄに付勢バネ４１の係合部４３が係合されており、付勢バネ４１は、第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂに、第１中間ギア２０の第２ウォームギア部２２が第１副軸ギア３０の第２ウォームホイール部３１方向（第２噛み合い方向Ｐ２）に向かって押圧されるように、付勢力を与えている。これにより、第１中間ギア２０の第２ウォームギア部２２が第１副軸ギア３０の第２ウォームホイール部３１に押し付けられ、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１とは、所謂底突き現象を起こし、ギア間のバックラッシュはゼロとなっている。

　また、揺動可能に支持された第１中間ギア軸２３の運動側の副軸側端部２３ｂが付勢バネ４１によって付勢されているため、揺動時に第１中間ギア軸２３は絶えず第２ウォームギア部２２が第２ウォームホイール部３１に向かう方向に付勢されている。このため、第１中間ギア軸２３が揺動することによりギア間の回転に不具合を発生させることなく、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１のバックラッシュを常にゼロにすることができる。

　例えば、アブソリュートエンコーダ２の周辺温度が高温になった場合、第１副軸ギア３０は材質の線膨張係数に従って膨張し、第２ウォームホイール部３１のギアのピッチ円が拡大する。この時、ベース３の支持突起１４１に形成された貫通孔１４５が本実施の形態のように長穴ではなく丸穴であった場合、第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂは貫通孔１４５によって固定されてしまい、第１中間ギア軸２３は本実施の形態のように揺動することができない。このため、温度上昇によってギアのピッチ円が拡大した第１副軸ギア３０の第２ウォームホイール部３１は、第１中間ギア２０の第２ウォームギア部２２に強い力で接触し、ギアが回転しなくなる場合がある。

　また、逆にアブソリュートエンコーダ２の周囲温度が低温になった場合、第１副軸ギア３０は材質の線膨張係数に従って収縮し、第２ウォームホイール部３１のギアのピッチ円が縮小する。この時、ベース３の支持突起１４１に形成された貫通孔１４５が本実施の形態のように長穴ではなく丸穴であった場合、第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂは貫通孔１４５によって固定されてしまい、第１中間ギア軸２３は本実施の形態のように揺動することができない。この場合は、第１中間ギアの２２の第２ウォームギア部２２と第１副軸ギア３０の第２ウォームホイール部３１との間のバックラッシュが大きくなり、第１中間ギアの２２の回転が精度良く第１副軸ギア３０に伝わらなくなる。

　これに対し、本実施の形態に係るアブソリュートエンコーダ２においては、上述のように、第１中間ギア軸２３は、主軸側端部２３ａの支持部分を中心又は略中心として、水平面に沿って揺動可能に支持されており、また、付勢機構４０によって第１中間ギア２０は、第２ウォームギア部２２側から第２ウォームホイール部３１側に常に付勢されている。また、第１中間ギア軸２３に支持された第１中間ギア２０は、板バネ９によって支持突起１４１に向かって付勢されている。このため、上述のように周囲温度の変化が起き、第１副軸ギア３０の第２ウォームホイール部３１のギアのピッチ円が変化した場合でも、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１との歯面同士が常に適切な押圧力で接触した状態で、バックラッシュがゼロになる。このため、温度変化によってギアが回転しなくなったり、第１中間ギア２０から第１副軸ギア３０へ伝達する回転の精度が悪化することを避けることができる。

　このため、アブソリュートエンコーダ２においては、減速機構のバックラッシュが検出精度に与える影響を低減することができる。これにより、特定可能な主軸１ａの回転量の分解能を維持しつつ、特定可能な主軸１ａの回転量の範囲を広げることができる。

　なお、揺動による第１中間ギア軸２３の副軸側端部２３ｂの位置に拘わらず、付勢バネ４１から一定又は略一定の押圧力が発生するように、付勢機構４０を設定することが好ましい。

　上述のように、第１中間ギア軸２３の主軸側端部２３ａを支持する支持突起１３１の貫通孔１４３は丸穴形状となっており、副軸側端部２３ｂを支持する支持突起１４１の貫通孔１４５は長軸側の幅が短軸側の幅よりも大きい長穴形状となっており、第１中間ギア軸２３は支持突起１３１の貫通孔１４３を支点に水平方向に平行に又は略平行に揺動できるようになっている。このため、第１中間ギア軸２３の揺動において、第１ウォームギア部１１に対する第１ウォームホイール部２１の移動量よりも、第２ウォームホイール部３１に対する第２ウォームギア部２２の移動量の方が大きくなり、第２ウォームギア部２２と第２ウォームホイール部３１が底突きをした場合でも、第１ウォームギア部１１部と第１ウォームホイール部２１とは底突きしない。

　図１０～１３に示すように、副軸側端部２３ｂにおいて第１中間ギア軸２３を支持する貫通孔１４５は、筒面又は略円筒面を形成しているが、貫通孔１４５は、このような形状を有するものに限られない。例えば、貫通孔１４５は、図２５に示すように、断面形状が長穴ではなく長方形又は略長方形であるものであってもよい。つまり、貫通孔１４５は、互いに対向する一対の面１４５ａ及び互いに対向する一対の面１４５ｂを形成する、四角柱状に延びる貫通孔であってもよい。貫通孔１４５を形成する一対の面１４５ａ及び一対の面１４５ｂは、平面であってもよく、曲面であってもよい。アブソリュートエンコーダ２において、一対の面１４５ａが水平方向に延び、一対の面１４５ｂが上下方向に延びている。面１４５ａの水平方向の幅は面１４５ｂの上下方向の幅よりも長くなっている。図２５に示す貫通孔１４５においても、上述の貫通孔１４５と同様に第１中間ギア軸２３を揺動可能にすることができる。

　同様に貫通孔１４３は上述の形状を有するものに限られない。例えば、貫通孔１４３は、所謂ナイフエッジ構造を有するものであってもよい。具体的には、貫通孔１４３は、線接触又は点接触によって第１中間ギア軸２３に接触するものであってもよい。例えば、貫通孔１４３は、図２６（ａ），（ｂ）に示すように、貫通孔１４３の延び方向において内部側に向かうにつれて縮径する一対の円錐面状又は略円錐面状の傾斜面１４３ｃによって形成されているものでもよい。この場合、一対の傾斜面１４３ｃが接続する部分の丸穴を描く環状の線（接続線１４３ｄ）において貫通孔１４３は第１中間ギア軸２３と接触してこれを支持する。接続線１４３ｄの丸穴形状は、上述の貫通孔１４３の丸穴形状と平面視で同様の形状を有している。貫通孔１４３は線接触又は点接触によって第１中間ギア軸２３を支持するため、貫通孔１４３の丸穴の径を第１中間ギア軸２３の直径により近付けたとしても、第１中間ギア軸２３を揺動可能にすることができる。このため、貫通孔１４３の断面形状を、貫通孔１４３と第１中間ギア軸２３との間の間隙を有さない形状に近づけることができる。これにより、第１中間ギア軸２３の揺動の際に貫通孔１４３と接触する第１中間ギア軸２３の部分の移動を抑制することができ、第１中間ギア軸２３の揺動によって、第１ウォームギア部１１と第１ウォームホイール部２１と間の距離の変動を抑制することができる。なお、支持突起１４１の貫通孔１４５についても、上述の支持突起１３１の貫通孔１４３のように所謂ナイフエッジ構造を有するものであってもよい、例えば長穴を描く環状の線を形成する一対の円錐面状又は略円錐面状の傾斜面によって形成されているものでもよい。

　また、貫通孔１４５は、図２７（ａ），（ｂ）に示すように、貫通孔１４５の延び方向において内部側に向かうに連れて細くなる一対の四角錐面状又は略四角錐面状の傾斜面１４５ｅによって形成されているものでもよい。この場合、一対の傾斜面１４５ｅが接続する部分の四角形若しくは略四角形を描く環状の線（接続線１４５ｆ）において貫通孔１４５は第１中間ギア軸２３と接触してこれを支持する。接続線１４５ｆは、互いに対向する一対の部分である線部１４５ｇ及び互いに対向する一対の部分である線部１４５ｈを有している。一対の線部１４５ｇ及び一対の線部１４５ｈは、直線であってもよく、曲線であってもよい。アブソリュートエンコーダ２において、一対の線部１４５ｇが水平に沿って延び、一対の線部１４５ｈが上下方向に延びている。線部１４５ｇの長さは線部１４５ｈの上下方向の長さよりも長くなっている。なお、支持突起１３１の貫通孔１４３についても、上述の支持突起１４２の貫通孔１４５のように、四角形若しくは略四角形を描く環状の線を形成する一対の四角錐面状又は略四角錐面状の傾斜面によって形成されているものであってもよい。この場合、環状の線は正方形又は略正方形となる。この場合も、上述の図２６の場合と同様に、貫通孔１４３は線接触又は点接触によって第１中間ギア軸２３を支持するため、上下方向に延びる線部（図２７の線部１４５ｈに対応）の長さ及び水平方向に延びる線部（図２７の線部１４５ｇに対応）の長さを第１中間ギア軸２３の直径により近付けたとしても、第１中間ギア軸２３を揺動可能にすることができる。このため、貫通孔１４３の形状を、貫通孔１４３と第１中間ギア軸２３との間の上下方向及び水平方向の間隙を有さない形状に近づけることができる。これにより、第１中間ギア軸２３の揺動の際に貫通孔１４３と接触する第１中間ギア軸２３の部分の移動を抑制することができ、第１中間ギア軸２３の揺動によって、第１ウォームギア部１１と第１ウォームホイール部２１と間の距離の変動を抑制することができる。

　（制御部）
　次いで、アブソリュートエンコーダ２の制御部について説明する。図２８は、図２に示される基板５を下面５ａ側から見た図である。マイコン５１、ラインドライバ５２、双方向性ドライバ５３、及びコネクタ６は、基板５に実装されている。マイコン５１、ラインドライバ５２、双方向性ドライバ５３、及びコネクタ６は、基板５上のパターン配線によって電気的に接続されている。

　双方向性ドライバ５３は、コネクタ６に接続される外部装置との間で双方向の通信を行う。双方向性ドライバ５３は、操作信号等のデータを差動信号に変換して外部装置との間で通信を行う。ラインドライバ５２は、回転量を表すデータを差動信号に変換し、差動信号をコネクタ６に接続される外部装置にリアルタイムで出力する。コネクタ６には、外部装置のコネクタが接続される。

　図２９は、図１に示すアブソリュートエンコーダ２の機能的構成を概略的に示すブロック図である。図２９に示すマイコン５１の各ブロックは、マイコン５１としてのＣＰＵ（Central Processing Unit：中央演算処理装置）がプログラムを実行することによって実現されるファンクション（機能）を表したものである。

　マイコン５１は、回転角取得部５１ｐ、回転角取得部５１ｑ、回転角取得部５１ｒ、テーブル処理部５１ｂ、回転量特定部５１ｃ、及び出力部５１ｅを備えている。回転角取得部５１ｐは、角度センサＳｐから出力された信号をもとに主軸ギア１０の回転角度Ａｐを取得する。回転角度Ａｐは、主軸ギア１０の回転角度を示す角度情報である。回転角取得部５１ｑは、磁気センサＳｑから出力された信号をもとに第１副軸ギア３０の回転角度Ａｑを取得する。回転角度Ａｑは、第１副軸ギア３０の回転角度を示す角度情報である。回転角取得部５１ｒは、磁気センサＳｒから出力された信号をもとにマグネットホルダ６１、つまり第２副軸ギア６３の回転角度Ａｒを取得する。回転角度Ａｒは、第２副軸ギア６３の回転角度を示す角度情報である。

　テーブル処理部５１ｂは、第１副軸ギア３０の回転角度Ａｑ及び第２副軸ギア６３の回転角度Ａｒに対応する主軸ギア１０の回転数を格納した第１対応関係テーブルを参照して、取得した回転角度Ａｑ，Ａｒに対応する主軸ギア１０の回転数を特定する。回転量特定部５１ｃは、テーブル処理部５１ｂによって特定された主軸ギア１０（主軸１ａ）の回転数と、取得した回転角度Ａｐとに応じて、主軸ギア１０の複数回転にわたる回転量を特定する。出力部５１ｅは、回転量特定部５１ｃによって特定された主軸ギア１０の複数回転にわたる回転量を、この回転量を示す情報に変換して出力する。

　以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係るアブソリュートエンコーダ２に限定されるものではなく、本発明の概念及び請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよく、公知の技術と組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。

　１…モータ、１ａ…主軸、１ｂ…圧入部、２…アブソリュートエンコーダ、３…ベース、３ａ…支持プレート、４…ケース、４ａ…外壁部、４ｂ…蓋部、４ｃ…ツメ部、５…基板、５ａ…下面、５ｂ…位置決め孔、６…コネクタ、８ａ…ネジ、８ｂ…ネジ、８ｃ…ネジ、９…板バネ、９ａ…一端、９ｂ…他端、１０…主軸ギア、１１…第１ウォームギア部、１２…主軸アダプタ、１２ａ…上端面、１３…筒状部、１３ａ…上端面、１４…圧入部、１５…マグネット保持部、１５ａ…内周面、１５ｂ…底面、２０…第１中間ギア、２１…第１ウォームホイール部、２２…第２ウォームギア部、２３…第１中間ギア軸、２３ａ…主軸側端部、２３ｂ…副軸側端部、２３ｃ…溝、２３ｄ…被係合溝、２４…筒状部、２４ａ…貫通孔、２４ｂ…内周面、２５…主軸側摺動部、２６…副軸側摺動部、３０…第１副軸ギア、３１…第２ウォームホイール部、３２…ギア部、３３…貫通孔、３５…マグネットホルダ、３５ａ…マグネット保持部、３５ｂ…軸部、３５ｃ…ベアリングストッパー、３５ｄ…ベアリング位置決め部材、４０…付勢機構、４１…付勢バネ、４２…バネ部、４３…係合部、４３ａ…係合溝、４３ｂ…先端縁、４３ｃ…接続部、４４…固定部、４４ａ…孔、４５…支持突起、４５ａ…支持面、５１…マイコン、５１ｂ…テーブル処理部、５１ｃ…回転量特定部、５１ｅ…出力部、５１ｐ…回転角取得部、５１ｑ…回転角取得部、５１ｒ…回転角取得部、５２…ラインドライバ、５３…双方向性ドライバ、６０…磁気検出装置、６１…マグネットホルダ、６２…第２副軸ギア軸、６２ａ…下端面、６２ｂ…上端面、６２ｃ…溝、６２ｄ…止め輪、６２ｅ…テーパ面部、６２ｆ…一端部、６２ｇ…周面、６２ｈ…接続部、６３…第２副軸ギア、６４…ギア部、６５…マグネットホルダ部、６５ａ…嵌着部、６５ｂ…マグネット収容部、６６…本体部、６６ａ…貫通孔、６６ｂ…下端面、６６ｃ…上端面、６７…マグネット支持部、６７ａ…内周面、６７ｂ…外周面、６７ｃ…上端面、６８…筒部、６８ａ…内周面、６８ｂ…内周面、６８ｃ…開口端、６８ｄ…閉鎖端、６８ｅ…外周面、６９…底部、６９ａ…底面、６９ｂ…開口部、７０…第２中間ギア、７１…ギア部、７２…ギア部、７３…本体部、７３ａ…下端面、７３ｂ…上端面、７４…貫通孔、７５…軸、７５ａ…下端面、７５ｂ…上端面、７５ｃ…溝、７６…止め輪、７８…ネジ、１００…シールド部材、１０１…基部、１０２…下面、１０３…凹部、１０４…上面、１０５…外周面、右側外周面、１０６…後側外周面、１０６…外周面、１０７…左側外周面、１０７…外周面、１０８…外周面、１０８…前側外周面、１１０…基板支柱、１１１…上端面、１１２…ネジ穴、１２０…基板位置決めピン、１２１…先端部、１２２…基部、１２３…段差面、１２４…一端部、１２５…他端部、１２６…テーパ面部、１２６ａ…接続部、１２７…テーパ面部、１２７ａ…接続部、１２８…貫通孔、１２８ａ…第１孔部、１２８ｂ…端部、１２８ｃ…第２孔部、１２９…周面、１３１…支持突起、１３１ａ…外側面、１３２…支持突起、１３２ａ…突起、１３４…ベアリングホルダ部、１３５…ベアリング、１３６…軸支持部、１３６ａ…貫通孔、１３７…軸支持部、１３７ａ…貫通孔、１４１…支持突起、１４１ａ…内側面、１４２…支持突起、１４３…貫通孔、１４３ｃ…傾斜面、１４３ｄ…接続線、１４４…止め輪、１４５…貫通孔、１４５ａ…面、１４５ｂ…面、１４５ｅ…傾斜面、１４５ｆ…接続線、１４５ｇ…線部、１４５ｈ…線部、Ａｐ…角度情報、Ａｑ…角度情報、ＢＣ…ベアリングの中心、ＧＣ１…主軸ギアの中心軸、ＧＣ２…第２副軸ギアの中心軸、ＧＣ３…中心軸、ＧＣ４…中心軸、ＭｏＣ…モータの主軸の中心軸、Ｍｐ…マグネット、Ｍｐａ…上面、Ｍｐｂ…下面、ＭｐＣ…マグネットの中心軸、Ｍｐｄ…外周面、Ｍｑ…マグネット、Ｍｑａ…上面、Ｍｑｂ…下面、ＭｑＣ…マグネットの中心軸、Ｍｑｄ…外周面、Ｍｒ…マグネット、Ｍｒａ…上面、Ｍｒｂ…下面、ＭｒＣ…マグネットの中心軸、Ｍｒｄ…外周面、Ｐ…付勢方向、Ｐ１…第１噛み合い方向、Ｐ２…第２噛み合い方向、Ｒ１…第１変速機構、Ｒ２…第２変速機構、ＳａＣ…主軸アダプタの中心軸、ＳＣ…マグネットホルダの中心軸、Ｓｐ…角度センサ、Ｓｑ…角度センサ、Ｓｒ…角度センサ、ＸＹＺ…直交座標系

Claims (6)

1. 　軸と、
   　前記軸が一端から圧入される穴を有する支持部材と、
   　を備える軸の支持構造であり、
   　前記軸は、
   　前記一端の径が周面の径よりも小さいテーパ面部を有し、
   　前記テーパ面部は、周面との接続部に曲面加工が施されている、
   　軸の支持構造。
2. 　前記軸は、前記一端から他端を貫通する貫通孔を有し、
   　前記貫通孔は、前記一端の側から軸線方向に所定の長さの領域における孔の径が、前記他端の側の孔の径よりも大きい、
   　請求項１に記載の軸の支持構造。
3. 　着磁されたマグネットと、
   　該マグネットからの磁束を検知する磁気センサと、
   　前記マグネットを保持するマグネットホルダと、
   　前記マグネットを回転可能に支持する軸と、
   　前記軸が一端から圧入される穴を有する支持部材と、
   　を備え、
   　前記軸は、
   　周面の一端から軸線方向に所定の長さの領域であり、前記穴に圧入される圧入部と、
   　前記一端の径が周面の径よりも小さいテーパ面部を有し、
   　前記テーパ面部は、周面との接続部に曲面加工が施されている、
   　磁気検出装置。
4. 　前記軸は、前記一端から他端を貫通する貫通孔を有し、
   　前記貫通孔は、前記一端の側から軸線方向に所定の長さの領域における孔の径が、前記他端の側の孔の径よりも大きい、
   　請求項３に記載の磁気検出装置。
5. 　前記マグネットを前記軸の先端側に支持する磁石支持部と、
   　前記マグネット及び前記磁石支持部を前記軸の先端側から覆い前記マグネットを前記軸の先端側に保持する磁石保持部と、
   　を備え、
   　前記磁石保持部は、前記磁石支持部よりも破断伸び特性が大きい材料により形成され、
   　前記マグネットの前記軸の先端側の面及び外周部に接する磁石接合部と、
   　前記磁石支持部の外周部と嵌着する嵌着部と、
   　を有する、
   　請求項３または４に記載の磁気検出装置。
6. 　請求項３から５のいずれか１項に記載の磁気検出装置を備えるアブソリュートエンコーダ。

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