WO2022113396A1 - デバイスの無線受電用の筐体と、該筐体を有するデバイス - Google Patents

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Abstract

良好な受電効率を確保しながら、全体として大きさの拡大を抑えるように、エネルギをワイヤレスに受電して、デバイスを給電する筐体と、該筐体を有するデバイスを提供する。センサまたはアクチュエータであるデバイス30の本体を構成する筐体31であって、筐体31は、無線での給電用に主に電界または磁界を発生する受電装置を取付け、受電装置は、ダイポール・アンテナ21、スロット・アンテナ22、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも1つであり、筐体31は3次元空間内に大きさを有し、受電装置を設けたことによる筐体31の3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向(X軸方向)に限定した。

Description

デバイスの無線受電用の筐体と、該筐体を有するデバイス
[関連出願]
 本出願は、2020年11月24日に出願された「ワイヤレス給電装置」と題する日本国特許出願特願2020-194699号の優先権を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
 本発明は、デバイスの無線受電用の筐体と、該筐体を有するデバイスに関する。
 工場(FA:Factory Automation)、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)、家電などの分野では、様々なセンサやアクチュエータ等が用いられている。一般的に、センサやアクチュエータは、電源配線についてはワイヤレス化がなされていない事例が多い。
 例えば、近接センサをワイヤレスに給電する場合、アンテナ等の受電装置を近接センサと組み合わせて設けることが考えられる。しかし、ワイヤレスでエネルギを受電する場合、ケーブル配線の場合と比較して、受電効率が低下する等の問題がある。また、近接センサにアンテナ等を追加する場合、全体として近接センサの大きさを拡大させる等の問題がある。
 本技術分野の背景技術として、特開2014-7629号公報(特許文献1)がある。この公報には、「近接センサ10は、第1のアンテナ1と、第2のアンテナ2と、定在波比検出部3とを備える。そして、第2のアンテナ2では、検知対象物との距離の変化に対する、共振周波数の変化方向が、第1のアンテナ1の共振周波数の変化方向と逆方向である。また、定在波比検出部3は、第1のアンテナ1に接続された信号線上における第1定在波比S1、及び、第2のアンテナ2に接続された信号線上における第2定在波比S2を検出する。」と記載されている(要約参照)。
 特許文献1には、近接センサに2つの異なる種類のアンテナを設けており、特に、ループアンテナ1とヘリカルアンテナ2を設けている。しかし、この開示内容では、ループアンテナ1とヘリカルアンテナ2は近接センサの動作に必要なエネルギを受電するものではない。また、ループアンテナ1とヘリカルアンテナ2は、全体として近接センサの大きさを相当に拡大させる虞がある(図1、図6参照)。このため、近接センサの使い勝手を低下させる虞がある。
特開2014-7629号公報
 解決しようとする問題点は、良好な受電効率を確保しながら、全体として大きさの拡大を抑えるように、エネルギをワイヤレスに受電して、デバイスを給電する筐体と、該筐体を有するデバイスを提供することである。
 上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
 本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を以下に挙げる。
 センサまたはアクチュエータであるデバイスの本体を構成する筐体であって、
 前記筐体は、無線での給電用に主に電界または磁界を発生する受電装置を取付け、
 前記受電装置は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも1つであり、
 前記筐体は3次元空間内に大きさを有し、前記受電装置を設けたことによる前記筐体の前記3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向に限定した、
デバイス用の筐体。
 本発明によれば、良好な受電効率を確保しながら、全体として大きさの拡大を抑えるように、エネルギをワイヤレスに受電して、デバイスを給電する筐体と、該筐体を有するデバイスを提供することができる。
 上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、送電装置との間でワイヤレスにエネルギを受け取る受電装置の実施例を(A)と(B)に分けて示した図の例である。 図2は、従前の近接センサを例示した図の例である。 図3は、近接センサの電圧を下げたときの出力の変化を例示した図の例である。 図4は、近接センサの電圧を下げたときの出力の変化を例示した図の例である。 図5は、受電装置を例示した図の例である。 図6は、異なる2つの種類のアンテナの3次元空間内の放射を例示した図の例である。 図7は、異なる2つの種類のアンテナの効率をグラフで示した図の例である。 図8は、異なる2つの種類のアンテナを備えた近接センサの斜視図の例である。 図9は、異なる2つの種類のアンテナの3次元空間内の放射を例示した図の例である。 図10は、異なる2つの種類のアンテナの効率をグラフで示した図の例である。 図11は、閉鎖空間を用いて受電装置の効率を上げる手段を例示した図の例である。 図12は、図11の効率をグラフで示した図の例である。 図13は、閉鎖空間と反射面を用いて受電装置の効率を上げる手段を例示した図の例である。 図14は、メタサーフェスを用いて受電装置の効率を上げる手段を例示した図の例である。 図15は、受電システムの変更例を示した図の例である。 図16は、受電装置の変更例を例示した図の例である。 図17は、受電装置の変更例を例示した図の例である。 図18は、受電装置の変更例を例示した図の例である。 図2の従前のセンサと、図18の変更例とを対比した図の例である。 図20は、異なる3つの種類のアンテナの効率をグラフで示した図の例である。 図21は、異なる2つのアンテナを備えたアクチュエータを例示した図の例である。 図22は、異なる2つのアンテナの3次元空間内の放射を例示した図の例である。 図23は、異なる2つのアンテナの効率をグラフで示した図の例である。 図24は、図20の受電装置によるインピーダンス変化を例示した図の例である。 図25は、異なる2つのアンテナとボルトを備えたアクチュエータの斜視図の例である。 図26は、図25の正面図と透視図を例示した図の例である。 図27は、異なる2つのアンテナの3次元空間内の放射を例示した図の例である。 図28は、異なる2つのアンテナの効率をグラフで示した図の例である。 図29は、図21の受電装置によるインピーダンス変化を例示した図の例である。 図30は、図25の受電装置の受電状況のシミュレーション図の例である。 図31は、デバイスの筐体に逆Fアンテナを設けた図の例である。 図32は、アクチュエータの筐体にLEDを設けた図の例である。 図33は、デバイスの筐体に逆Fアンテナを設けた図の例である。
 以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本願発明の内容が限定して解釈されるものではない。
 「受電装置の全体構成」
 図1の(A)を参照すると、本実施例の受電システム1が例示されている。
 受電システム1は、少なくとも、受電装置20とデバイス30を含む。受電装置20は、送電装置10から送られるエネルギEをワイヤレス(無線)方式で受電して、デバイス30を給電する。このため、受電装置20は、送電装置10との間で、給電用に物理的なケーブルを配線する必要性を完全になくしている。
 また、受電装置20は、給電対象のデバイス30と一体に構成される。このため、受電装置20は、デバイス30との間で、給電用に物理的なケーブルを配線する必要性を完全になくしている。
 図1の(B)に例示するように、受電システム1は、他の構成要素30、40を含むことは可能である。
 受電装置20とは、ワイヤレス送信されるエネルギEを受電して、デバイス30を給電可能な装置として定義される。
 受電装置20と対に作用する送電装置10とは、ワイヤレスでエネルギEを送電可能な装置として定義される。
 デバイス30は、動作に必要なエネルギを受電装置20から給電される装置である。特に、デバイス30は、センサまたはアクチュエータである。
 センサとは、物理量を測定し、その測定結果を生成する電子機器として定義される。
 アクチュエータとは、入力信号に基づいて、物理量を変更する電子機器として定義される。
 例えば、センサは、近接センサ、MRセンサ、ホール素子、変位センサ、検査用センサ、判別用センサ、測定用センサ、測長センサ、振動センサ、マイクロフォトセンサ、圧力センサ、流量センサ、温湿度センサ、人感センサ、摩耗センサ、加速度センサ、ひずみセンサ、力覚センサ、CMOSセンサ、光電センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、タッチセンサ、リニアケージ、ポテンショメータ、画像センサ、カラーセンサ、LiDARセンサ、TOFセンサ、感震センサ、ジャイロセンサ、傾斜センサ、回転センサ、角度センサ、回転計、ロードセル、フォールスセンサ、トルクセンサ、液面センサ、漏液/水検出センサ、非接触温度センサ、電流センサ、電力センサ、静電気センサ、またはアイソレータ等でもよい。
 また、アクチュエータは、電気式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、化学式アクチュエータ、磁性流体アクチュエータ、電気粘性流体アクチュエータ等でもよい。
 少なくとも受電装置20とデバイス30を含む受電システム1は、様々な応用例に適用可能であり、例えば、工場(FA:Factory Automation)、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)、家電などの様々な分野で適用可能である。
 図1の(A)に示した例では、受電システム1は、産業用ロボット(工作機械を含む)または家庭用ロボット(家電を含む)等である機械100に内蔵されている。
 機械100は、例えば、ワークまたは部品Wの挟持、持ち上げ(ピック)、配置(プレース)、組み立て、塗装、溶接などの様々な用途に用いられるように構成可能である。例えば、機械100は、自由度の高い動作を行う多関節ロボットである。
 ただし、受電システム1は、図示した機械100の他、様々な応用例に適用可能である。例えば、受電システム1は、FA機器全般において、近接センサや磁気センサ等の工場のライン上で物体を検出するセンサを給電するように設置されてもよい。さらに、受電システム1は、ビルマネジメント全般において、温湿度、照度センサ等のオフィス環境の状態監視をするように設置されてもよい。
 以下、多関節ロボット100に内蔵された受電システム1について例示する。
 多関節ロボット100は、一般的にロボットアーム部110及び/またはロボットハンド部120を高い自由度で稼働させるために、複数の(少なくとも2つの)軸または関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cを有する。一般的に、多関節ロボット100は、関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cの数が多いほど、より自由度の高い動作が可能になるが、その分、より緻密な制御が必要になる。一方、多関節ロボット100は、関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cの数が少ないほど、その分、機構がよりシンプルになり、誤動作が起こりにくくなる。
 図2の(C)を参照すると、従来技術のセンサ30の配線状態が例示されている。同図に示すように、センサ30に給電するために、機械100内でセンサ30を配線する場合、物理的な制約があった。例えば、多関節ロボット100の関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cが動くことで、センサ30の配線(図2参照)の負担、配線の断線、または配線のメンテナンスなどの問題が生じていた。また、多関節ロボット100のように、自由度の高い動作を行う機械では、一般的にアクチュエータ等の様々な部品が内部に組み込まれているため、配線を行うためのスペースが限定されているという問題があった。さらに、オイル等によって配線が腐食されると断線する虞があった。
 本実施例では、上記配線の問題が生じることを回避する。
 受電システム1は、任意の態様で、様々な機械100に対して適用できる。例えば、受電システム1は、図1の(A)に例示したロボットハンド部120の指の中にすべての構成要素を収容させる必要はない。この際、比較的大きめの嵩張る部品は、可撓性を有するように構成して、指のスペース内にまるめて収納してもよい。また、一部の部品は指から離れた場所(例えば、ロボットハンド部120の指の根元や、付近の広めの場所)に配置してもよい。また、一部の部品は、必要に応じて機械100の外側に突出することは可能である。
 図1の(A)を参照すると、送電装置10は、多関節ロボット100の外側の適当な場所に配置されていて、送電アンテナ12を介して、受電装置20に対してワイヤレスにエネルギEを送信している。ワイヤレス給電には、幾つかの種類があるが、本実施例では、好適には、マイクロ波方式により、送電装置10と受電装置20との間でワイヤレス給電を行う。マイクロ波方式では、比較的遠方にエネルギEまたは電力を伝送することができる。
 以下、デバイス30の具体例として、近接センサについて例示する。
 「近接センサ」
 図2の(A)、(B)を参照すると、従前の近接センサ30の斜視図と側面図とが例示されている。
 近接センサ30とは、検出対象に接触することなく、検出対象を検出することを目的として使用されるデバイスである。近接センサ30には様々な種類が知られているが、例えば、金属が近付くと反応するものがある。近接センサ30は、非接触のため摩耗などの劣化はなく、防水性と防塵性があり、壊れにくいという利点を有する。特に、金属に反応するタイプでは、ホコリや水滴などの影響を受けにくく、誤検出が少ないという利点を有する。近接センサ30の検出距離には様々な種類があるが、例えば、mm単位で検出するものがある。特に、近接センサ30には、誘導形近接センサ、静電容量形近接センサ、磁気近接センサ等がある。
 誘導形近接センサは、主に鉄、アルミ、真鍮、銅等の金属の導体が検出対象物である。その原理では、外部磁界の影響により、導体表面に発生する渦電流による磁気損失を検出する。例えば、検出コイルに交流磁界を発生させて、検出体となる金属体に発生した渦電流によるインピーダンスの変化を検出する。
 静電容量形近接センサは、主に金属、樹脂、液体、粉体等が検出対象物である(誘電率による)。その原理では、検出体とセンサの間に生じる静電容量の変化を検出する。例えば、金属又は誘電体が接近すると、静電誘導効果によりセンサ内部の電極と大地電位間の静電容量が増加する。この電極の静電容量変化に応じて発振振幅が増加し、検出物体の接近を検知する。
 磁気近接センサは、主に磁石が検出対象物である。その原理では、磁石でスイッチのリード片を動作させる。例えば、リードスイッチをONにすることで、スイッチがONになるように構成されている。
 図2の(A)を参照すると、誘導形近接センサ30が例示されており、本体を構成する筐体(ハウジング)31の中に図示しない検出コイルと、発振回路と、発振状態検出回路と、出力回路とを収容している。筐体31の一方の端部側には検出面32が備えられていて、発振回路に基づき検出コイルから出る高周波磁界を放出可能にしている。この高周波磁界中に金属物体(図1のW参照)が接近すると、近接金属中に電磁誘導現象による誘導電流が流れて、金属物体W内に熱損失が発生するようにしている。この状態が生じると、発振状態検出回路は、発振の減衰または停止を検出して、その結果を出力回路により外部に出力する。
 近接センサ30は、上記検出動作を行って、電気信号を生成するために給電される必要がある。通常、近接センサ30は、検出面32とは反対側の筐体31の端部側に配線用のコネクタ(取付け部)33を設けている。このコネクタ33は通常金属製であって、その中に受電用のケーブルを接続させている(図2の(B)参照)。例えば、検出面32の直径は、約18mmであり、筐体31の長手方向の長さは、約35mmである。しかしながら、筐体31と検出面32等の形状と大きさは、この態様に限定されない。筐体31は様々に構成可能である。例えば、使用時に、検出面32を所定位置に固定して、検出距離の変動を防止するため、筐体31を一部拡径して締め付け固定可能にした拡径部を有する(符号34、35,36参照)。例えば、拡径部として、ナット34、35と座金36とを備えて、筐体31を締め付け固定可能に構成してもよい。従って、筐体31は、この拡径部を境に2つに分離することができる。
 「ワイヤレス化」
 近接センサ30は、物体を検出するという目的上、物体と近接して設けられる必要がある。一般に、検出対象の物体(ワークW)の近くに近接センサ30を設置する場合、近接センサ30がワークWと衝突する事態が生じ得る。かかる場合、近接センサ30の破損が起こり得る。このため、近接センサ30の交換頻度は比較的高いといわれている。例えば、3カ月に1回程度の頻度で近接センサ30を交換することがある。
 近接センサ30の配線の交換には、ケーブルの取り付けと、ケーブルの取り回しの2つの手間が必要とされている(図2の(C)参照)。一般的に近接センサ30のケーブル長は2m、5m、10m等の様々なラインナップが用意されており、設備に応じて各ケーブルを制御器等に取付ける必要がある。上記の手間が発生するということは、工場の作業員の人件費が発生するということである。作業員の時給を4000円、ラインの停止を1分につき300万円の損失を見積もる企業があるほどである。
 本実施例では、マイクロ波方式により、送電装置10から送られるエネルギEを受電装置20が受電して、近接センサ30を給電することにより、上記課題に対処する。ただし、マイクロ波方式では、伝送可能なエネルギEの容量には上限がある。また、有線の場合と比較して、エネルギの受電効率が低下するという問題がある。また、送電装置10から受電装置20への給電可能量は、Friis(フリース)の法則によって、距離の2乗に反比例して減衰するという問題がある。
 一般的に、近接センサ30は、12乃至24V、3乃至1000mA程度で動作する。つまり、電力に換算すると、最低でも36mW程度の電力消費が必要である。しかし、マイクロ波方式のワイヤレス給電においては、1m先の給電対象に対して1乃至10mW程度の電力しか給電できないことがある。つまり、近接センサ30にワイヤレス給電を行うためには、近接センサ30の低消費電力化が一つの課題となる。
 上記の「近接センサの低消費電力化」については、低消費電力向けの特定用途向けの近接センサ30を新規開発することで解決できる可能性がある。しかしながら、一般に、製品の新規開発を行うためには、全体として約1年から5年程の期間が必要とされている。
 そこで、製造業では、民主機器向け製品を車載向け製品に転用することがしばしば行われている。この場合、必要とされる期間を約1年程度まで短縮できることがある。
 本実施形態では、12乃至24V対応の既存の近接センサ30をそのまま用いることにより、低消費電力型の近接センサの新規開発を不要にすることを想定する。そのため、本出願人は、下記の試験を実施した。
 まず、本出願人は、既存の12乃至24V対応の既存の近接センサ30に対して、推奨値よりも低い電力を給電したときに近接センサ30がどのように動作するのかを検証する試験を行った。
 図3の(A)を参照すると、12乃至24V対応の市販の異なる2種類の近接センサ(a、b)に対して、推奨値よりも低い電圧を供給したときの、電源電圧の変化に対する近接センサの電力の推移を示している。同図では、グラフの横軸に供給電圧(V)が示され、縦軸に電力(mW)が示されている。
 12乃至24V対応の既存の近接センサに対して供給電圧を下げていき、6V程度まで電圧を下げた段階では、近接センサは仕様通りの動作をすることが検証された。通常、物体を検出すると、近接センサの出力はLowになる。この際、電源電圧を下げるほどに消費電力は小さくなる。しかし、依然として、30mW程度の消費電力が生じたことが確認された。
 図3の(B)を参照すると、図3の(A)に続いて、さらに電源電圧を下げたときの近接センサの電力の推移を示している。同図に示すように、5.2V程度まで電圧を下げると消費電力は6mW程度になっている。つまり、10mW程度の供給量があれば近接センサ30を動作可能なことが確認された。
 このように、12乃至24V対応の既存の近接センサに対して、供給電圧を推奨値から相当に下げた場合であっても、電力の要求を満たし得ることが検証された。この場合、5乃至6V対応の新規の近接センサを研究開発する必要性を回避できる。しかしながら、この低電力化時には、近接センサは、通常時(推奨値の12乃至24Vで動作する時)と比べて、異なる動作をすることが確認された。
 図4の(A)を参照すると、図3の(B)に示したように、推奨値から電源電圧を相当に(6V以下に)下げた時に、近接センサ30が示した出力波形を示している。同図から理解できるように、出力電圧は、物体が近くにない状態ではプラスとして現れるが(V0参照)、物体検出時には、出力電圧は大きくマイナスとして現れる(V1参照)。通常の使用状態では、近接センサは、物体検出時には、出力電圧を下げた状態を維持する「物体検出=Low出力」。しかし、図3の(B)に示したように、推奨値から相当に低い電圧が供給された場合、上記の「物体検出=Low出力」が全時間領域で満たされず、間欠動作をすることが認められた。つまり、近接センサは、物体検出時が継続しているにもかかわらず、周期的に、出力電圧をプラス(V0参照)とマイナス(V1参照)で交互に出力することが確認された。この間欠動作の周期をTperiodとすると、物体検出時には、下向きの出力電圧波形が周期Tperiod毎に現れることが確認された。
 さらに、本出願人は、この近接センサの間欠動作の規則性を確認する試験を行った。
 図4の(B)を参照すると、上記の図4の(A)の場合に、横軸に供給電圧(V)、縦軸に時間(msec)をとったグラフが示されている。この結果、図4の(A)に例示した間欠動作の周期をTperiodには、図4の(B)に示したグラフのような関係性があることが認められた。即ち、近接センサの一種類(a)では、供給電圧を6Vからさらに下げていくと、上記間欠動作の周期Tperiodの大きさがほぼ比例して増大することがわかった。このことは、近接センサの他の種類(b)についても、同様の結果が得られることが確認された。このように、近接センサの間欠動作と周期変動との間には関連性があることが認められた。
 以下、近接センサの電源電圧が推奨値よりも相当に低いことに起因して、近接センサが間欠動作を示す状態を、低電力モード(既存の動作方式と比べて5分の1程度の動費電力での動作を可能にしたモード)として参照する。また、近接センサの電源電圧が推奨値を満たして、近接センサが間欠動作を示さない状態を、通常電力モードとして参照する。なお、低電力モードには、既存の動作方式と比べて1分の1未満から5分の1程度までの動費電力での動作を可能にしたモードを含み得る。
 低電力モードでは、近接センサ30が間欠動作を示すため(図4の(A)参照)、その出力をそのまま利用することには問題がある。本実施例では、かかる場合、物体を検出する必要性が全くない(物体がない)状態又は長い時間間隔を置いた後に物体を検出する(物体が交換される)状態と、物体がある状態とを、回路的な工夫を行って切り分けることを可能にする。即ち、間欠動作の周期Tperiodは、図4の(A)に例示したように、比較的短い時間間隔で現れる。この時間間隔の大きさは、図4の(B)に例示したように、電源電圧とほぼ比例するため、電源電圧に基づいて推測できる。従って、電源電圧に基づいて近接センサの間欠動作を予測できることを利用して、近接センサが物体の検出を行っているか否かを切り分けることができる。
 再度、図1の(B)を参照すると、受電システム1は、受電装置20と、近接センサ30と、周期フィルタ40と、制御器50とを含む。この回路では、近接センサ30の出力を周期フィルタ40に通した後で、制御器50に送信する。周期フィルタ40は、比較的早いHigh/Lowの変化(低電力モード、物体検出時)と無変化(物体がない状態)とを切り分けることができる素子である。
 例えば、図4の(B)を参照して、近接センサ(a)に対して5.5Vの電圧を供給したとする。このとき、近接センサ(a)は、20.4msecの周期Tperiodで間欠動作をすることが推測できる。そこで、この周期の大きさに対応して、近接センサ30の出力を周期フィルタ40に通す。その結果、近接センサ30が低電力モードで物体Wを検出して、間欠動作を示すとき、通常電力モードと同様の出力結果を導き出すことを可能にしている。
 従って、受電システム1では、従前の12乃至24V程度の近接センサ30を低電力モード(5乃至6V程度)で動作させた場合であっても、センサの出力の誤認識が生じることを回避することができる。
 ただし、受電システム1は、図1の(B)に示した構成に限定されない。受電システム1は様々な種類のデバイス(センサまたはアクチュエータ)30に適用可能であって、デバイス30の種類によっては低電力モードの他、通常電力モードでデバイス30を動作させてもよい。従って、受電システム1は、周期フィルタ40を必ずしも含まなくてもよい。
 「受電アンテナ」
 次に、図1乃至図4に例示した受電システム1に用いられる受電装置20について説明する。本実施例では、受電装置20は、電力受信アンテナとして構成される。特に、電力受信アンテナは、給電対象のデバイス30の本体を構成する筐体31(図2の(A)参照)を利用して構成されるため、受電装置20は、デバイス30と一体に設けられる。
 図5乃至図7には、受電装置20の全体構成が概略的に例示されている。
 図5の(A)には、受電装置20として、ダイポール・アンテナ21を用いる場合が例示されている。例えば、近接センサ30の筐体31にダイポール・アンテナ21を取り付けて、電界放射を発生するアンテナとして機能させる。通常、近接センサ30は、金属製の本体又は筐体31を有するが、ダイポール・アンテナ21の周囲は金属であってはならず、樹脂等(金属でないもの)である必要がある。
 図5の(B)には、受電装置20として、スロット・アンテナ22を用いる場合が例示されている。例えば、近接センサ30の有する金属製の筐体31の内部に適当な空洞を設けるとともに、その壁部を貫通するようにスロットを穿設して、磁界放射を発生するアンテナとして機能させる。
 図5の(C)に示したものは、受電装置20として、上記ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22を組み合わせて用いる場合が例示されている。この場合、ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22は、長手方向に連続的に、直線状に配置されている。これら2つのアンテナ21、22は、全体として、300mm程度の長さを有している。
 図5の(C)に示したダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22は、互いに同一方向に揃えて設けられている。しかしながら、双方のアンテナの作用方向は互いに直交するように現れる。何故なら、ダイポール・アンテナ21は主に電界に基づいて作用するが、スロット・アンテナ22は主に磁界に基づいて作用するため、それぞれの作用方向が交差するからである。
 図6を参照すると、図5の(C)に例示した受電装置20について、3次元空間内で各アンテナの受電状況をシミュレーションした結果が示されている。図6の(A)は、ダイポール・アンテナ21の指向性を概略的に示している。図6の(B)は、スロット・アンテナ22の指向性を概略的に示している。これら図では、色合いが濃くなる程、各アンテナの指向性の強度が強くなっている。同図から理解できるように、2つの異なる種類のアンテナ21、22を組み合わせて受電装置20を構成することで、全体として、全方位無指向性アンテナを構成することが可能となる。
 例えば、図6(A)のX軸方向では、ダイポール・アンテナ21は、符号21Aに示すように、アンテナの指向性が弱まる領域を有する。これに対して、図6(B)のX軸方向では、スロット・アンテナ22は、符号21Bに示すように、アンテナの指向性が強まる領域を有する。これら領域21A、21Bは互いに重なり合うため、X軸方向では、ダイポール・アンテナ21の機能の低下を、スロット・アンテナ22の機能によって補うことができる。
 また、図6(A)のY軸方向では、ダイポール・アンテナ21は、符号22Aに示すように、アンテナの指向性が強まる領域を有する。これに対して、図6(B)のY軸方向では、スロット・アンテナ22は、符号22Bに示すように、アンテナの指向性が弱まる領域を有する。これら領域22A、22Bは互いに重なり合うため、Y軸方向では、スロット・アンテナ22の機能の低下を、ダイポール・アンテナ21の機能によって補うことができる。
 また、図6(A)のZ軸方向では、ダイポール・アンテナ21は、符号23Aに示すように、アンテナの指向性が強まる領域を有する。これに対して、図6(B)のZ軸方向では、スロット・アンテナ22は、符号23Bに示すように、アンテナの指向性が弱まる領域を有する。これら領域23A、23Bは互いに重なり合うため、Z軸方向では、スロット・アンテナ22の機能の低下を、ダイポール・アンテナ21の機能によって補うことができる。
 このように、ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22の指向性は、それぞれ3次元空間内で一様に現れず、強弱をつけて現れるが、その分布は双方で異なる。この2つを組み合わせることで、ダイポール・アンテナ21の指向性の弱まる領域をスロット・アンテナ22によって補うことができ、逆も同様である。従って、2つのアンテナ21、22は、互いにアンテナの指向性を補完し合うように構成されている。このため、全体として、アンテナ21、22の組み合わせは、特に指向性の抜けを示すことなく、ほぼ全方位で受電可能に構成されている。この構成は、図5の(C)に例示したように、2つのアンテナ21、22を互いに直線状に並べるだけで達成でき、双方の向きを複雑に調整する必要がない。
 図7を参照すると、上記のダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22について、横軸に周波数(GHz)、縦軸にアンテナの効率(100%を理想とする)をとったシミュレーション結果を示している。同図から理解できるように、0.8から1.0GHzまで周波数を変化させたとき、各アンテナは約99%を上回る高い効率を示し得ることが検証された。従って、図5の(A)乃至(C)に示した受電装置20は、好適に電力を受電できることが確認された。
 次に、図8乃至図10を参照して、図5乃至図7に概略的に例示した受電装置20について、その具体的な実装例を説明する。
 図8を参照すると、本実施例に係る受電装置20を一体的に備えた近接センサ30の斜視図が示されている。同図は、図5の(C)に例示したダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22を組み合わせた場合の実装例に相当する。
 図5の(A)に例示したように、受電装置20として、近接センサ30の金属製の筐体31の端部に、ダイポール・アンテナ21を設けている。通常、近接センサ30は有線での給電用に金属製のコネクタ33を有している(図2参照)が、この部位を利用して、ダイポール・アンテナ21を取付けてもよい。ダイポール・アンテナ21は、棒状の本体を有し、筐体31の長手方向に沿って直線状に延在する。
 従前の近接センサ30では、筐体31の検出面32とは反対側の端部から配線用のケーブルを延在させていたが(図2の(C)参照)、本実施形態では、そのようなケーブルを不要とし、その空いたスペースを利用して、筐体31の端部にダイポール・アンテナ21を取り付けている。この際、近接センサの従前のコネクタ33の金属をアンテナのGNDとして利用している。
 従って、ダイポール・アンテナ21は、従前のコネクタ33を取り換えることで、筐体31に設けられてもよい。
 図5の(B)に例示したように、受電装置20として、近接センサ30の金属製の筐体31上に、長手方向に沿って縦長のスロットを穿設して、スロット・アンテナ22を設けている。このスロットは、筐体31の厚さ方向で、筐体31の壁を貫通する。このスロットは、筐体31の長手方向に沿って直線状に延在するが、筐体31の端部を貫通しないように設けられている(符号37参照)。
 なお、筐体31上にスロットを穿設する際、内部のコイルや回路等をオイルの侵入から保護するため、金属または樹脂によってコイルや回路等を覆うことは可能である。
 また、筐体31が非金属製の場合には、その筐体31の壁を貫通するスロットに対して金属の膜を付着したり、金属の部品を追加することで、スロット・アンテナ22として作用させることは可能である。
 図5の(C)に例示したように、ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22とは、近接センサ30の筐体31の長手方向に沿って、互いに直線状に連続するように配置されている。なお、高さ方向においては、ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22は、互いにオフセットされている(符号38参照)。この高さ方向の差によって各アンテナの指向性に特段の不利が生じることはない。
 このように、筐体31は3次元空間(X軸、Y軸及びZ軸方向)に大きさを有し、受電装置21、22を設けたことによる筐体31の3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向(X軸方向)に限定した。特にスロット・アンテナ22の場合は、筐体31の大きさの拡張を完全になくすことができる。
 従って、本実施形態では、既存の近接センサ30の構成を大きく変えることなく、近接センサ30の筐体31上に受電装置20を実装している。受電装置20は、好適にはダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22を含み、あらゆる方向からエネルギEを受け取ることができる。なお、各アンテナ21、22は、筐体31内で、整流器(レクティファイヤ)と機能的に接続されていてもよい。整流器は、電流を一方向にだけ流す整流作用を有する素子であり、各アンテナ21、22で受け取られたRF(電磁波)をDC(直流電圧)に変換する。アンテナ21、22と整流器は一体的に構成されていてもよい。後述のように、整流器は、チップ・アンテナと一体型でもよい。このように、アンテナ21、22は、マイクロ波を直流電流に整流変換してもよい。
 近接センサ30がFAの機械100等で用いられる場合、耐油性が求められる。機械100の付近やその内外で油が用いられる場合、近接センサ30の筐体31に油がかかり、その腐食が問題となる。このため、近接センサ30の筐体31の材質は耐油性を考慮して選定されている。本実施例は、FA特有の問題を考慮して、近接センサ30の筐体31内にアンテナ(ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22)を組み込んでもよい。この際、筐体31の金属を活用してアンテナを配置することにより、エナジーハーベストにおいて、マイクロ波によるワイヤレス給電特有の利点を有し得る。
 図9を参照すると、図8に示した構成に基づいて、3次元空間内での各アンテナ21、22の受電状況をシミュレーションした結果が示されている。図9の(A)は、ダイポール・アンテナ21の指向性を示している。図9の(B)は、スロット・アンテナ22の指向性を示している。これら図では、色合いが濃くなる程、アンテナ21、22の指向性の強度が強くなることを示している。
 図9から理解できるように、図6に示した場合と同様に、スロット・アンテナ22の指向性が弱まる領域では、ダイポール・アンテナ21の指向性が強まる領域で補うことができる。また、ダイポール・アンテナ21の指向性が弱まる領域では、スロット・アンテナ22の指向性が強まる領域で補うことができる。従って、互いに異なる種類の2つのアンテナ21、22は、双方の指向性の弱まる領域を補完し合うように構成されている。このため、全体として、これらアンテナ21、22は特に指向性の抜けを示すことなく、ほぼ全方位で受電することができる。
 以上、ダイポール・アンテナ21とスロット・アンテナ22の放射特性を生かした工場用アンテナに利用可能な無指向性アンテナについて、シミュレーションによる検証を行った。その結果、それぞれのアンテナ21、22が同一方向(近接センサの長手方向)に揃えて設けられるにもかかわらず、互いに90度で直交する形で放射パターンが形成されることが確認できた。従って、本実施例は、既存のセンサ30の形状をそのまま利用した全方位無指向性アンテナを構成する。
 図10を参照すると、図8に例示した受電装置20について、横軸に周波数(GHz)、縦軸にそれぞれのアンテナ21、22の効率(100%を理想とする)をとったときのシミュレーション結果を示している。同図から理解できるように、0.8から1.0GHzまで周波数を変化させたとき、ダイポール・アンテナ21は約99%の高い効率を示し、スロット・アンテナ22は約86%の高い効率を示し得ることが検証された。従って、図8に例示したスロット・アンテナ21とダイポール・アンテナ22を組み合わせて用いる構成は、特に好適であることが検証された。
 以上、既存の近接センサ30の筐体31の形状をそのまま利用して構成されたアンテナ21、22を有する受電装置20について説明した。この受電装置20の適用対象は、近接センサに限定されず、他の種類のデバイス(センサまたはアクチュエータ)30に対して適用可能なことを理解されたい。
 また、図5の(A)、(B)に例示したように、図8の実装例においても、これらアンテナ21、22の一方のみを設けることは可能である。
 当業者には公知だが、送電装置10と受電装置20との間でワイヤレスにエネルギEを送る場合、有線の場合と比較して、受電装置20の受電効率は低下する。例えば、ワイヤレスの場合、空間中では、1m先ではわずかに0.4%程度の受電になることがある。
 次に、図11乃至図14を参照して、使用時に、受電装置20の受電効率を向上させる手段について説明する。
 図11の(B)を参照すると、直方体の閉鎖空間(スペース)を内部に画定するチャンバ(箱)90の中に、送電装置10と受電装置20とを互いに離間して収容した場合を例示している。
 チャンバ90は、内部に画定した閉鎖空間の中に、送電装置10と受電装置20とを閉じ込めることにより、双方の間でワイヤレスにエネルギEを送る効率を向上させている。
 なお、同図では省略して示しているが、このチャンバ90内には、図1に例示した機械100の全部または一部を収容することが可能である。
 図11での(B)は、チャンバ90は、直方体形状または多角形状を有するが、この形状は、実施形態に応じて様々に変更できる。例えば、角部は直角に構成される必要はなく、面取り加工等を施すことができる。従って、チャンバ90が有する側面の数は、6に限定されない。また、チャンバ90の各側面の形状は、四角形に限定されない。
 図11の(C)を参照すると、同図の(B)に例示したチャンバ90内の電磁波の動きをシミュレーションした結果を示している。同図の(A)には、そのときの様子が例示されている。
 図11の(C)に示すように、チャンバ90内で送信される電磁波は、チャンバ90の境界を定める各側面で反射する。最終的に、この電磁波は閉鎖空間内で無数に反射して、チャンバ90内にエネルギが閉じ込められる。このため、受電装置20は、送電装置10から送られるエネルギを様々な方向から受け取ることができる。従って、チャンバ90を用いないで、一方向からのみエネルギを受け取る場合と比較して(図1(A)の符号E参照)、受電装置20は、多方向からエネルギを受け取ることができる。
 図12を参照すると、図11に例示しチャンバ90について、横軸に周波数(GHz)、縦軸にそれぞれのアンテナの効率(dB)をとったときのシミュレーション結果を示している。このシミュレーションでは、5つのパラメータ(図14のS1,1、S3,1、S2,2、S3,2、S3,3参照)を取って、マグニチュードをdBで示している。このシミュレーション結果から、チャンバ90内では少なくとも5倍のパフォーマンスの向上が得られ、概して、約6倍のパフォーマンスの向上が得られることが確認された。
 チャンバ90を用いることで、その内部にエネルギを閉じ込めることができるが、本実施例では、さらに、エネルギを受電装置20に集中させる手段を備えることができる。
 図13の(A)、(B)を参照すると、チャンバ90の天井部に電磁波反射手段として攪拌ファン91を設置することが例示されている。攪拌ファン91は、回転軸92を中心として一対の反射面93、94がファン状又はプロペラ状に回転するように構成している。一対の反射面93、94は、それぞれ長手方向に反対方向に延び、全体として直線状に延在する。ただし、反射面93、94の数、大きさ、形状、角度等は、実施形態に応じて様々に変えることができる。
 図13の(A)に例示したように、攪拌ファン91は、チャンバ90の下方から天井まで上方向に逃げた電磁波を、反射面93、94の表面で反射させることにより、再度、下方までエネルギを送ることができる。このため、受電装置20は、送電装置10から直接送られるエネルギと、チャンバ90の壁を反射して送られるエネルギとに加えて、攪拌ファン91から反射して送られるエネルギを受け取ることができる。
 反射面93、94は可動型として構成されており、受電装置20の位置の変化に追従できるようにされている。例えば、図13の(A)、(B)に例示したように、一対の反射面93、94は、中央の回転軸92を中心として回転することで、チャンバ90に対する攪拌ファン91の相対的な位置を変化させてもよい。
 従って、図1の(A)に例示したように、送電装置10に対して受電装置20が相対的な位置を変化させる場合、その位置の変化に合わせて攪拌ファン91が回転して、反射面93、94の位置を変化させる。この結果、受電装置20の位置の変化に追従して、常に受電装置20が高い効率でエネルギを受けることを可能にする。
 例えば、図13の(A)に示したように、一対の反射面93、94がチャンバ90の長手方向に沿ってほぼまっすぐに延在する場合、送電装置10から上方に逃げるエネルギを、長手方向により遠くへ(縦方向)反射して送ることができる。このため、送電時にエネルギの直進性が求められる場合、好適である。
 また、図13の(B)に示したように、一対の反射面93、94がチャンバ90の長手方向に沿ってほぼ交差方向に延在する場合、送電装置10から上方に逃げるエネルギを、長手方向に対して交差する方向(横方向)に反射して送ることができる。
 さらに、一対の反射面93、94は、中央の回転軸92を中心として回転することで、エネルギを反射する位置と方向を様々に調整することができる。
 図13の(A)、(B)を参照すると、さらに、チャンバ90の側面上に固設型の反射面95を設置することができる。
 上述のように、チャンバ90の各側面は、電磁波を反射する。反射面95は、チャンバ90の側面とは異なる反射率で電磁波を反射することができる。チャンバ90の各側面での反射効率を変化させることで、チャンバ90内で反射される電磁波がより集中的に受電装置20に向うようにしてもよい。例えば、反射面95は、メタサーフェスとして構成されてもよい。このように、中長距離ワイヤレス給電において、受信器の受信電力を最大化するために、反射波を利用することができる。
 図14を参照すると、機械100の側面上に、固設型の反射面としてメタサーフェス96を設ける場合が例示されている。
 FAロボット100(図1参照)では、ロボットアーム部110、ロボットハンド部120、ロボット100の本体等が金属を用いて構成されているため、反射波が多数存在している。そこで、図14の(A)に例示するように、この反射波を利用して、電磁波を受電装置20に向けて反射することができる。
 図14の(B)に例示するように、さらに、この機械100の側面にメタサーフェス96を設けることで、電磁波が受電装置20に向ってより集中して反射するようにしてもよい。図14の(C)に例示するように、メタサーフェス96は、基板97上に複数の小さな素子98を配置して構成される。各素子98は、好適な反射効率が得られるように、形状と配置とが定められている。このため、メタサーフェス96は電磁波を反射させて、受電装置20に向けて集めることができる。この結果、送電装置10から送られるエネルギを、一層効率良く受電装置20に向けて送ることができる。
 以上のように、本実施例の受電装置20は、既存のデバイス(センサまたはアクチュエータ)30の形状をそのまま利用した全方位無指向性アンテナを構成する。使用時には、チャンバ90を用いることで、受電装置20の受電効率を向上させることができる。さらに、電磁場の均一化が求められる場合には、チャンバ90内で攪拌ファン91を設けてもよい。さらに、チャンバ90の側面上またはFAのロボット100の本体上にメタサーフェス95、96を設けることにより、一層、受電装置20の受電効率を向上させてもよい。
 図15を参照すると、図1の(B)に例示した受電システム1の変更例が例示されている。同図に示したシステム1は、送電装置10からワイヤレスにエネルギを受電する受電装置20と、受電装置20によって給電されるデバイス(近接センサ)30と、デバイス30の出力を調整する装置(周期フィルタ)40と、制御器50とを含む。
 近接センサ30は、磁界変化によって物体Wの位置を認識すると、その信号を生成するが、低電力消費モードでは、周期的な信号(H/L)が生成される。その信号を周期フィルタ40に通すことで、通常電力モードと同様の信号(L)を得ることができる。その信号を発生することで、制御器50は、誤認識することなく、近接センサ30の出力結果を活用できる。
 制御器50は、マイコンと無線通信機能とを有し、近接センサ30から送られる信号をさらに外部の制御器60に送信して、工作機械70の制御に利用している。工作機械70は、機械100の全部または一部でもよく、または他の機械でもよい。
 ここで、デバイス30をワイヤレス給電で駆動可能にするということは、そのデータ伝送についてもワイヤレス化を可能にすれば、デバイス30の完全ワイヤレス化を達成できることを意味する。
 例えば、図3の(B)、図4の(B)で例示したように、近接センサ30については、6mW程度で駆動できる見込みであり、そのデータ伝送については1mW程度で駆動できる見込みである。従って、受電装置20によって約7mW程度のエネルギを近接センサ30に給電できれば、近接センサ30の完全ワイヤレス化を達成できる。マイクロ波方式のワイヤレス給電においては、1m先の給電対象に対して10mW程度までの電力を給電できるため、近接センサ30の完全ワイヤレス化は可能である。このことは、近接センサ30とは異なるセンサやアクチュエータについても同様である。
 なお、図1の(B)に例示したように、受電装置20は、デバイス30だけを給電してもよい。また、図15に例図するように、受電装置20は、デバイス30の他、周期フィルタ40と制御器50についても給電してもよい。
 さらに、受電システム1には、他の電源を加えることも可能である。例えば、図15に例図するように、近接センサ30の電源電圧を最低限確保するために、近接センサ30に振動発電素子80を組み合わせることも可能である。
 図1の(B)、図15に例示した受電システム1については、様々な変更を加えることができる。同図では、近接センサの新規開発を必要とすることなく、近接センサ30の完全ワイヤレス化を達成するために、周期フィルタ40を含むが、給電対象のデバイスによってはこの素子は不要にできる。
 また、例えば、図4の(B)に例示したように、フィルタの定数は、近接センサ30の電源電圧(受信電力にほぼ等しい)に依存するため、周期フィルタ40や制御器50に対して、その情報をフィードフォワードするように、図1の(B)、図15に例図した受電システム1を拡張してもよい。
 以上、図5乃至図10には、ダイポール・アンテナ21及び/またはスロット・アンテナ22の放射特性を利用するように、受電装置20を構成している。ただし、受電装置20は、この実施例に限定されない。
 次に、図16乃至図20を参照して、図5乃至図10に例示した受電装置20の他の実施態様を説明する。この実施形態では、受電装置20は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも1つである。
 図16の(A)を参照すると、デバイス(近接センサ)30の筐体31上に、受電装置20として、短めのダイポール・アンテナ210を設けた斜視図が例示されている。
 デバイスの取り付け場所によっては、その筐体31から外部に大きく突出するようにダイポール・アンテナ210を延出させることが好ましくない場合がある。そこで、図16の(A)の実施例では、筐体31から突出する部分を抑えるように、比較的短めの長さでダイポール・アンテナ210を設けている。上記のように、このダイポール・アンテナ210は、従前の近接センサ30のコネクタ33を用いて構成されてもよい。
 図16の(A)の実施例では、図8に例示した実施例との相違点として、筐体31上にスロット・アンテナが設けられていない。このため、筐体31は完全に密閉型に構成されるため、FA等で機械100に適用される場合、周囲のオイル等が筐体31内に侵入することを完全に防止している。
 図16の(B)を参照すると、図16の(A)に例示した短めの長さのダイポール・アンテナ210の受電状況のシミュレーション結果を示している。同図から理解できるように、ダイポール・アンテナ210の長さを比較的短めに抑えた場合も、図9の(A)に例示した場合と同様のアンテナの指向性が確保可能なことがわかった。
 図17の(A)を参照すると、近接センサ30の筐体31上に、受電装置20として、スロット・アンテナ220を穿設した斜視図が例示されている。黒く塗りつぶされた箇所は、図16の(A)のダイポール・アンテナ210に相当し、双方のアンテナの位置と大きさを対比できるようにしている。
 当業者には公知なように、近接センサ30の筐体31は、メーカーによって様々に構成され得る。本実施例では、既存の近接センサ30の筐体31をそのまま利用してスロット・アンテナ220を穿設してもいが、新規にスロットを有する筐体31を設計してもよい。
 例えば、図8に例示した実施例では、筐体31に段差(図8の符号38参照)がある場合、筐体31上に水平方向に穿設できるスロットの長さが限定されることがある。
 図17の(A)の実施例では、図8に例示した実施例との相違点として、筐体31が水平方向にまっすぐ延出するように、比較的大きめの筐体31を設けて、段差(図8の符号38参照)をなくして、十分な長さのスロットを穿設することを可能にしている。例えば、筐体31の長軸方向の全長(本体31の34側の端部から33側の端部まで)に対して、約70%、約80%、約90%、または約100%までの任意の長さのスロットを穿設してもよい。
 なお、筐体31上にスロットを穿設する際、内部のコイルや回路等をオイルの侵入から保護するため、金属または樹脂によってコイルや回路等を覆うことは可能である。
 図17の(B)を参照すると、図17の(A)に例示したスロット・アンテナ220の受電状況のシミュレーション結果を示している。同図から理解できるように、スロット・アンテナ220の長さを大きくした場合も、図9の(B)に例示した場合と同様のアンテナの指向性が確保可能なことがわかった。
 図16の(B)、図17の(B)を対比すると、ダイポール・アンテナ210のアンテナの指向性とスロット・アンテナ220のアンテナの指向性が互いに交差することが確認された。これは、図6の(A)、(B)と、図9の(A)、(B)に例示した場合と同様である。
 図18の(A)を参照すると、近接センサ30の筐体31上に、受電装置20として、モノポール・アンテナ230を設けた斜視図が例示されている。黒く塗りつぶされた箇所は、図16の(A)のダイポール・アンテナ210に相当し、双方のアンテナの位置と大きさを対比できるようにしている。モノポール・アンテナ230はロッドアンテナともいい、ダイポール・アンテナ210と比較して、さらに径が小さく、より細長く構成されている。
 モノポール・アンテナ230の受電効率を確保するためには、その長さを確保する必要があるこのため、実施例では、筐体31を締め付け固定するためのナット34、35と座金36に近接して、モノポール・アンテナ230の一方の端部を筐体31上に取付けて、他方の端部を反対方向にまっすぐに延在させている。筐体31の延出方向とモノポール・アンテナ230の延出方向とを揃えることで、全体として、大きさが嵩張ることを抑えている。
 図18の(B)を参照すると、図18の(A)に例示したモノポール・アンテナ230の受電状況のシミュレーション結果を示している。
 図16の(B)、図18の(B)を対比すると、ダイポール・アンテナ210のアンテナの指向性とモノポール・アンテナ230のアンテナの指向性が同じ方向に現れることが確認された。ダイポール・アンテナ210に替えてモノポール・アンテナ230を用いた場合であっても、良好な指向性を得ることが確認された。さらに、図17の(B)、図18の(B)を対比すると、モノポール・アンテナ230のアンテナの指向性とスロット・アンテナ220のアンテナの指向性が互いに交差することが確認された。
 図19を参照すると、図2の(B)に例示した従前の近接センサ30と、図18の(A)に例示したモノポール・アンテナ230との大きさの対比が例示されている。
 図19の(A)に示すように、従前の近接センサ30の筐体31は長手方向に延在するが、その大きさをL0とする。近接センサ30の筐体31には、一方の端部側に締付け固定用の拡径部(符号34、35、36参照)を有し、他方の端部側にコネクタ33を有する。
 図19の(A)に示すように、モノポール・アンテナ230は、締付け固定用の拡径部と近接して設けられて、筐体31の長手方向に沿って、他方の端部33に向って同一方向に(筐体31の長手方向と平行に)延在する。その結果、細長く構成されるモノポール・アンテナ230の長さL1は、筐体31の締付け固定用の拡径部と反対側の端部33までの長さL2分、筐体31の長手方向の長さL0内に没入できる。この結果、筐体31に対して、モノポール・アンテナ230を追加したことによる3次元空間内での1軸方向の大きさの拡張L3は、筐体の長手方向の長さL0に対して、最大で2倍以下に抑えることができる。実施形態によっては、この3次元空間内での1軸方向の大きさの拡張L3は、筐体の長手方向の長さL0に対して、最大で1.5倍以下に抑えてもよい。また、L1を折り曲げ可能にすることで、L3の長さを実質的にゼロに抑えるようにしてもよい。
 図19の(B)に示すように、モノポール・アンテナ230は、筐体31の幅W0方向では、筐体31の元の大きさ内に完全に収容される。このように、センサ30の作用面(検出面32)側では、筐体31の大きさに変化はない。センサ30の作用面(検出面32)とは反対側では、筐体31の長さは延在しているが、配線を不要にしたため(図2の(C)参照)、実質的にはL3の長さによるスペースの問題は抑えられている。
 従って、筐体31は3次元空間(X軸、Y軸及びZ軸方向)に大きさを有し、モノポール・アンテナ230を設けたことによる筐体31の3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向(X軸方向)に限定した。
 図20を参照すると、図16乃至図19に例示した3つの種類の変更例について、それぞれ、アンテナの受電効率を示している。同図から理解できるように、比較的短めの長さのダイポール・アンテナ210だけを用いた場合、その受電効率は一番低いことがわかった。また、スロット・アンテナ220を設けた場合、90%には届かないものの、80%を上回り、比較的良好な受電効率を達成することができる。さらに、モノポール・アンテナ230を用いた場合、その受電効率は大幅に高められ、100%に近い理想的な値を示すことがわかった。
 近接センサ30の設置場所がロボットハンド部120等の可動部材の場合、受電アンテナの位置と方向が様々に変化する。3次元空間内で、近接センサ30の給電状況を良好に保つためには、受電装置20は、3次元空間内で6方向(前後、左右、上下の6方向)のそれぞれで良好な受電効率を保つことが望ましい。
 短めのダイポール・アンテナ210だけを用いた場合、回転角度の変化に対しては、比較的小さな角度でだけ良好な受電効率を示し得ることがわかった。ただし、全体として、6方向で比較的良好な安定性を示し得る。
 モノポール・アンテナ230を用いた場合、最良の受電効率を示し得る(図20参照)。しかしながら、細長い棒状の部品を近接センサ30に取り付ける必要があるため、全体として嵩張る構造となりやすい。特に、ダイポール・アンテナ210と比べて、モノポール・アンテナ230は径が小さく、全長が長くなる。このため、使用時には、細長い棒状のアンテナ部が他の部品と接触すること等により、損傷を被らないようにスペースを確保する必要がある。
 スロット・アンテナ220を用いた場合、その受電効率はモノポール・アンテナ230程優れてはいないものの、短めのダイポール・アンテナ210と比べてはるかに良好な受電効率を得られることがわかった(図20参照)。スロット・アンテナ220の場合、ダイポール・アンテナ210やモノポール・アンテナ230と比べて、近接センサ30の筐体31から追加部品を突出させる必要がないため、全体としてもっともコンパクトな構造とし、従前のデバイス30の筐体31の大きさを変えないという利点がある。
 さらに、図31を参照すると、デバイス(近接センサ)30の筐体31上に、受電装置20として、逆Fアンテナ(inverted-F antenna)400を設けた図が例示されている。同図に示すように、逆Fアンテナ400は、細長い本体部410と、短絡部420と、給電部430と、を含む。本体部410の長軸方向(X軸方向)は、筐体31の長軸方向と揃えられており、逆Fアンテナ400を設けたことによる筐体31からの突出を抑えている。本体部410は整合と放射(受電)の両方に寄与することができる。本体部410の先端と短絡部420には比較的大きな電流を流す一方、給電部430の電流を抑えることで、入力インピーダンスを調整してもよい(例えば、高くする等)。
 逆Fアンテナ400は、大きなスペースを必要とすることなく、デバイス30に取付けることができる。例えば、逆Fアンテナ400は、単純なモノポール・アンテナ230(図18、図19参照)と対比して、より短く構成することができる。また、逆Fアンテナ400は、インピーダンス整合の制御がより容易にすることができる。逆Fアンテナ400は、その構成上、調整パラメータが多いため、適切な形状を選ぶことによって、様々な仕様に対応することができる。
 例えば、短絡部420と給電部430との離間距離を調整してもよい。
 また、短絡部420と給電部430の幅や長さを調整してもよい。
 また、短絡部420と給電部430の位置を交換してもよい。即ち、短絡部430と給電部420としてもよい。
 また、本体部410を略棒状(幅狭)に構成するとともに、その長さを調整してもよい。本体部410には、湾曲部を導入してもよい。例えば、本体部410を略L字状に構成してもよい。
 また、本体部410を略板状(幅広)に構成するとともに、その長さを調整してもよい。
 受電装置20は、主に磁界を発生するスロット・アンテナ(図17参照)と、主に電界を発生する逆Fアンテナ(図31参照)とを有することができる。スロット・アンテナと、逆Fアンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、スロット・アンテナと、逆Fアンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成してもよい。
 図16乃至図19、図31に例示したダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ及び逆Fアンテナに替えて、面状または線状のチップ・アンテナをデバイスの筐体31に同様に取付けることは可能である(図示略)。例えば、線状のチップ・アンテナは、モノポール・アンテナと同様に考えることができる。
 また、デバイスの筐体31にダイポール・アンテナ、モノポール・アンテナ、逆Fアンテナ400またはチップ・アンテナを取付ける場合、細長いアンテナ部分を覆うカバー500(図31参照)を併用してもよい。カバー500は、アンテナ部分を周囲部品との接触等から保護するように、任意の大きさと形状を有することができる。カバー500は、使用時には取り外されるように、筐体31に対して着脱自在に構成されてもよい。
 以上、センサに対して、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、逆Fアンテナ、及び/またはチップ・アンテナを適用する場合について例示した。
 次に、アクチュエータに対して、スロット・アンテナを適用する場合について例示する。
 図21の(A)を参照すると、受電装置20の給電対象のデバイス30として、アクチュエータが例示されている。アクチュエータ300は、電気信号を、物理的運動に変換する、機械・電気回路を構成する機械要素である。例えば、アクチュエータ300は、略長方形状の本体を構成する筐体310を有する。筐体310は、長手方向に延在し、その中にスペースを画定して、稼働部分350を収容する。稼働部分350は、機械、油・空圧、熱、電磁などの物理的な装置によって、伸縮・屈伸・旋回といった動作を行う。
 図21の(B)を参照すると、アクチュエータ300の断面図が概略的に示されている。筐体310内に収容される稼働部分350は、入力信号に基づいて電磁的に作用することで、固定部354に対して、移動部352を筐体310の内部から外に突出するように構成されている。この移動部352の突出・没入動作によって、近接部品(図示略)の動きを制御する。
 図21の(A)に例示するように、アクチュエータ300は、直方体の筐体310を有する。この直方体は、意匠上または機能上の目的のため、さらなる面を追加的に含むことができる。例えば、筐体310の4つの側面上には、長手方向に延在する取付け用の溝部311乃至318が穿設されている。これら溝部311乃至318は、図示しない他の凸部と対に作用することで、筐体310を嵌め合わせて所定位置に固定する。それによって、稼働部分350の動作にずれが生じないようにする。他、実施態様に応じて、筐体310の側面には適宜溝又は孔321乃至324を穿設することができる。さらに、筐体310の内部の熱を外に逃がすための表面処理や、デザイン上の理由等により、筐体310を加工することは任意である。
 図21の(A)を参照すると、筐体310の周囲の4つの側面のうち少なくとも1つ側面に、長手方向に沿って延在するように第1のスロット(切り込み)330が入れられている。筐体310の内部には、稼働部分350を収容するために空間が画定されている。第1のスロット330は、深さ方向では、筐体の壁具を厚さ方向で貫通して、空間に達する。この結果、第1のスロット330は第1のスロット・アンテナとして機能できる。
 同図を参照すると、筐体310の周囲の4つの側面のうち少なくとも1つ側面に、長手方向に対して交差する方向に第2のスロット(切り込み)340が入れられている。第2のスロット340は、深さ方向では、筐体の壁具を厚さ方向で貫通して、空間に達する。この結果、第2のスロット340は第2のスロット・アンテナとして機能できる。
 第2のスロット340は、第1のスロット330に対して垂直二等分線として設けられてもよい。従って、第1のスロット330と第2のスロット340とは、互いに十字状に交差する。このように2つのスロット・アンテナ330、340を備えることで、回転に対して強くなる。
 第1のスロット330と第2のスロット340は、電磁波の放射パターンを考慮して、長さと位置と数とが決められる。
 例えば、図21の(A)を参照すると、第1のスロット330は、上方の側面においてのみ延在する。第1のスロット330は、さらに、上方の側面と、右側の側面と、図示されていない左側の側面と、下方の側面の4つの側面上に延在してもよい。第1のスロット330の数は、複数でもよい。
 また、第2のスロット340は、上方の側面と、右側の側面と、図示されていない左側の側面の3つの側面上に延在する。第2のスロット340は、さらに、上方の側面と、右側の側面と、図示されていない左側の側面と、下方の側面の4つの側面上に延在してもよい。第2のスロット340の数は、複数でもよい。
 第1のスロット330と第2のスロット340は、それぞれ、筐体310の側面と平行にまっすぐ延在している。これは、加工を容易にしたものである。ただし、他の実施例では、機能や意匠上の目的等を考慮して、筐体310の側面に対して角度を付けて延在することは可能である。
 また、第1のスロット330と第2のスロット340は、互いに完全に分離しておらず、一部で交差している。ただし、他の実施例では、2つのスロット330、340は互いに完全に分離するように設けられてもよい。
 ただし、好適には、第1のスロット330と第2のスロット340は、互いに90度の角度で直交する。
 図23の(A)、(B)を参照すると、図22の(A)に例示した2つの異なるスロット・アンテナ330、340について、3次元空間内でのアンテナの指向性の電磁界シミュレーション結果を示している。このシミュレーションは、図21の符号E1、E2で給電がされたことを想定している。各アンテナ330、340は、いずれも全方位性として現れている。各アンテナ330、340の指向性は互いに強弱がずれて現れている。従って、これら2つのアンテナ330、340を組み合わせて用いることで、互いの指向性を補完し合うことができる。
 図23を参照すると、図21に例示した2つの異なるスロット・アンテナ330、340について、それぞれの放射効率のシミュレーション結果を示している。このシミュレーションは、図21の符号E1、E2で給電がされたことを想定している。概して、各アンテナ330、340は70乃至80%の高い効率を有することが検証された。例えば、周波数0.92GHzでは、E1では約80%、E2では約75%の高い効率を達成している。
 図24を参照すると、図21に例示したアクチュエータ300について、インピーダンス特性のシミュレーション結果を示している。概して、各アンテナ330、340によって受電される電力によって、良好なインピーダンス特性の変化が得られることが検証された。例えば、周波数0.92GHzでは、インピーダンスは0Ωに近い値に抑えられている。
 従って、従前のアクチュエータ300の筐体310に対して切削加工(切れ込みを入れる等)を行うだけで、全方位無指向性アンテナ330、340を得ることができる。この際、筐体310に対して他の部品を追加して突出させないため、従前のアクチュエータ300の取り付けスペースを変えることがない。特に、アクチュエータの作用面(稼働部分350)側には、構成上の変更がない。このため、従前のアクチュエータ300とほぼ同様に利用することができる。
 しかしながら、図21に例示した実施例において、さらに、筐体310上に、スロット・アンテナ330、340に加えて、またはスロット・アンテナ330、340に替えて、モノポール・アンテナやダイポール・アンテナやチップ・アンテナや逆Fアンテナ等を追加することは可能である。
 図21乃至図24に例示したアクチュエータ300では、筐体310上にスロットを穿設することによりスロット・アンテナ330、340を設けている。
 図25乃至図30に例示したアクチュエータ300では、このスロット・アンテナ330、340の変更例に相当する。
 図25を参照すると、アクチュエータ300の斜視図が例示されている。以下、図21(A)に例示したアクチュエータ300との相違点についてのみ説明する。
 アクチュエータ300の筐体310上には、第1のスロット・アンテナ330と第2の340が穿設されており、さらに各スロット・アンテナ330、340上には、受電効率を向上するための受電ICの基板360、370がそれぞれ設けられている。
 図26の(A)、(B)を参照すると、図25のアクチュエータ300の正面側と側面側の断面図が概略的に例示されている。これら図から理解できるように、基板360上には、ボルト361、362と整流器363が設けられている。同様に、基板370上には、ボルト371、372と整流器373が設けられている。整流器363、373は、チップ・アンテナ一体型として構成されてもよい。
 図26では給電用基板360、370が設けられているが、実際には筐体310のスロット330、340がアンテナである。この基板360、370にチップ・アンテナ、逆Fアンテナ、モノポール・アンテナ、ダイポール・アンテナ等を載せることで、電界と磁界のそれぞれのパターンを発生させて、360°のカバレージを実現する。従って、アンテナの追加に要するスペースを最小にして省スペース化を達成するとともに、全方位無指向性アンテナ(360°の受電)を達成する。これにより、外部に突出するアンテナの無いアンテナレス・ワイヤレス給電アクチュエータ300が構成されている。
 各基板360、370上には、それぞれ2つのボルト361、362、371、372が設けられている。このうち、一方の基板360上には、2つのボルト361、362を横方向に並置している。他方の基板370上には、2つのボルト371、372を縦方向に並置している。従って、電流を流すボルトの各組361、362と371、372は、互いに直交して配置されている。なお、各基板360、370上のボルト361、362、371、372の数は、2つ以上でもよい。これらボルトは表面被覆がついておらず、導体がショートすること、またロボットの激しい動きに対してもネジが緩まないなどを条件に加えてもよい。
 上述のように、各スロット・アンテナ330、340では、スロット部分で放射が起きて、アンテナとして機能するように構成されている。その際、基板360、370上のボルト361、362、371、372は、電流を流すように機能する。整流器363、373は、電流を一方向にだけ流す整流作用を有する素子であり、各アンテナ330、340で受け取られたRF(電磁波)をDC(直流電圧)に変換する。この基板360、370上は、さらにチップ・アンテナを一体型で設けることができる。各基板360、370上には、それぞれ2つのボルト361、362、371、372が設けられているが、この数は、実施形態に応じて変更可能である。
 チップ・アンテナには、ダイポール・アンテナやモノポール・アンテナのような線状アンテナと、平面アンテナとがあるが、本実施例では、平面アンテナを用いている。チップ・アンテナは、アクチュエータ300の筐体310の金属部を利用してそのまま使用できるため、ダイポール・アンテナやモノポール・アンテナと比べてより面積効率化を向上することができる。他、チップ・アンテナには、様々な素材を適用可能であって、例えば、セラミックス等を用いてもよい。
 図27の(A)、(B)を参照すると、図25に例示した2つの異なるスロット・アンテナ330、340と基板360、370について、3次元空間内でのアンテナの指向性の電磁界シミュレーション結果を示している。図22の(A)、(B)と同様に、各アンテナ330、340は、いずれも全方位性として現れている。各アンテナ330、340の指向性は互いに強弱がずれて現れている。従って、これら2つのアンテナ330、340を組み合わせて用いることで、互いの指向性を補完し合うことができる。
 図28を参照すると、図25に例示した2つの異なるスロット・アンテナ330、340と基板360、370について、それぞれの放射効率のシミュレーション結果を示している。図23と同様に、概して、各アンテナ330、340は70%近い高い効率を有することが検証された。なお、図23は理想的な給電に相当するのに対して、図28はより現実的な給電に相当するため、図28の場合では、図23の場合と比較して効率が少し低下している。
 図29を参照すると、図25に例示したアクチュエータ300について、インピーダンス特性のシミュレーション結果を示している。概して、各アンテナ330、340と基板360、370によって受電される電力によって、良好なインピーダンス特性の変化が得られることが検証された。例えば、周波数0,92GHzでは、インピーダンスは0Ωに近い値に抑えられている。
 図30を参照すると、図25に例示したアクチュエータ300について、表面電流分布についてのシミュレーション結果を示している。概して、各アンテナ330、340の位置に沿って好適に電流が分布され得ることが示されている。従って、各アンテナ330、340が良好に作用できることが確認された。
 図32の(A)、(B)を参照すると、アクチュエータ300の本体310上に発光ダイオード(LED)600を取付けた例が示されている。LED600は、図示しないスイッチを介して、受電装置の出力と接続されている。そのスイッチをオンにして、所定の閾値を上回る電圧がLED600に流れると、LED600のランプが点灯するように構成されている。LED600の点灯は、アクチュエータ300の外部から視覚的に確認できるものとする。
 従って、このLED600の点灯に基づいて、使用者(例えば、検査員)は、受電装置の受電状況を、電気的な検査を行うことなく、簡単に把握することができる。LED600の発する光の強さは流れる電流の量におおよそ比例する。ワイヤレス給電での利用可能な電力に無駄が生じるのを防ぐため、LED600の点灯の頻度または期間をできるだけ小さくすることが好ましい。例えば、受電装置の使用開始前または後などで、給電操作に影響が及ぶのを最小にするように、上記LED600のスイッチをオンにしてもよい。
 他、アクチュエータ300の本体310上にLED600の替わりにブザー等の音響装置(図示略)を取付けることは可能である。同様に、所定の閾値を上回る電圧がブザーに流れると、ブザーが音を発するように構成することができる。従って、このブザーの音量に基づいて、使用者(例えば、検査員)は、受電装置の受電状況を、電気的な検査を行うことなく、簡単に把握してもよい。
 図33を参照すると、アクチュエータ300の筐体310上に逆Fアンテナ700を設けている。筐体310は、3次元空間(X軸、Y軸及びZ軸方向)に大きさを有している。受電装置を設けたことによる筐体310の3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向(Z軸方向)に限定できるようにしている。
 具体的には、筐体310は、略六面体の構造を有し、その上面に逆Fアンテナ700を取付ける基板740、750を設けている。各基板740、750の大きさは、筐体310の上面(一側面)の大きさと比較して、ほぼ等しいか、小さな割合でのみ(X軸及びY軸方向で)拡張するようにしている。特に基板740の裏はグランド基板となっており、それが筐体310とショートしていて実効的にグランドサイズを大きくしている。
 逆Fアンテナ700は、略L字状の本体部710と、細長い短絡部720と、給電部730とを含む。逆Fアンテナ700は、大きなスペースを必要とすることなく、筐体310に取付けることができる。例えば、逆Fアンテナ700は、単純なモノポール・アンテナ230(図18、図19参照)と対比して、長軸方向(X軸方向)でより短く構成することができる。本体部710の長軸方向は、筐体310の長軸方向(X軸方向)と揃えられている。ただし、先端部は幅方向(Y軸方向)に延出している。略L字状の本体部710の幅方向の大きさは、筐体310の幅方向(Y軸方向)の大きさ以下に抑えることができる。従って、X軸方向及びY軸方向で、逆Fアンテナ700を設けたことによる筐体310からの突出を抑えている。本体部710は、1つの湾曲部を有する略L字状の他、湾曲部を有しない直線状に構成されてもよい。また、湾曲部の数を増やしてもよい。
 短絡部720と給電部730は、2つの基板740、750の間を垂直方向(Z軸方向)に連結している。短絡部720と給電部730との離間距離と、それぞれの幅や長さは、調整可能である。短絡部720と給電部730の位置を交換することも可能である。即ち、給電部720と短絡部730としてもよい。逆Fアンテナ400は、インピーダンス整合の制御をより容易にすることができる。逆Fアンテナ400は、その構成上、調整パラメータが多いため、適切な形状を選ぶことによって、様々な仕様に対応することができる。本体部710は整合と放射(受電)の両方に寄与することができる。
 この場合も、受電装置20は、主に磁界を発生するスロット・アンテナ(図21、図25参照)と、主に電界を発生する逆Fアンテナ(図33参照)とを有することができる。スロット・アンテナと、逆Fアンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、スロット・アンテナと、逆Fアンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成してもよい。
 以上、本実施例は、全体として大きさの拡大を抑えるように、エネルギをワイヤレスに受電して、デバイス30、300を給電する筐体31、310と、該筐体31、310を有するデバイス30、300を提供する。
 筐体31、310上に設けられる受電装置20は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、逆Fアンテナ及びチップ・アンテナ(線状または面状)のうちの少なくとも1つを有するように構成されてる。
 好ましくは、筐体31、310上には、モノポール・アンテナ、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、逆Fアンテナ及びチップ・アンテナのうちの少なくとも2つを有する受電装置20を有する。
 好ましくは、受電装置20の2つのアンテナは、それぞれ、アンテナの指向性を相違させる。好ましくは、2つのアンテナは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する。
 受電装置20は、筐体31、310から外部に突出する部分が、最大で3次元空間内で1軸方向に限定されるか(図8のX軸方向、図19のX軸方向、図33のZ軸方向参照)、または、筐体31、310から外部に突出する部分が実質的にないように構成される(図21、図25参照)。従って、実施上、既存のデバイス30とほとんど同様に用いることができる。
 好適には、受電装置20が外部から突出する部分を有する場合(図8のX軸方向参照)であっても、その突出方向が、従前の配線方向と揃えるようにする(図2(C)の配線参照)。そのため、実質的には、従前のデバイスの使い勝手を損なうことがない。
 好適には、デバイスの筐体31、310上に受電装置20を取付ける際、デバイスの作用面(図8の32、図21の350)とは干渉しないようにする。そのため、実質的には、従前のデバイスの使い勝手を損なうことがない。
 なお、図33では、筐体310の上面から上方(Z軸方向)に逆Fアンテナ700を設ける際、その突出方向に対して垂直方向(X軸方向及び/またはY軸方向)に基板740の一部を突出させている。しかしながら、全体として、基板740の(X軸方向の)突出の割合は、比較的小さく、実施上、無視することができる。例えば、筐体310の上面の大きさに対して、1割弱程度の突出であれば、その大きさは、実質的な損害をもたらさないので無視できる。重要な点は、基板740の(X軸方向の)突出がわずかながらあったとしても、その突出の割合を抑える。その結果、デバイス300の操作に影響を与えず、デバイス30の取付けスペースを拡大させないようにする。
 受電装置20によって給電されるデバイス30、300は、図4に例示したような低電力モード(既存の動作方式と比べて5分の1程度の動費電力での動作を可能にしたモード)で動作されてもよく、または通常電力モードで動作されてもよい。また、デバイス30、300は、既存の動作方式と比べて、1分の1未満で、かつ5分の1程度までの動費電力で動作されてもよい。
 受電装置20は、センサまたはアクチュエータであるデバイスとして提供されてもよい。例えば、図8、図16乃至図18に例示したセンサ30や、図21及び図25に例示したアクチュエータ300として提供されてもよい。
 受電装置20は、センサまたはアクチュエータであるデバイスの筐体として提供されてもよい。例えば、既存のセンサまたはアクチュエータに対して、その筐体の取替えだけで本実施例が適用されるようにしてもよい。例えば、図8、図16乃至図18に例示したセンサ30の筐体31や、図21及び図25に例示したアクチュエータ300の筐体310として提供されてもよい。
 なお、筐体31、310とは、デバイスの本体を定めるハウジングとして定義される。上記筐体31、310は、デバイスの内部構成要素(回路等)を完全に収容させているが、実施形態によっては、必ずしもデバイスの内部構成要素を完全に囲む必要はなく、一部を露出させることは可能である。
 受電装置20は、センサまたはアクチュエータであるデバイスの筐体の一部として提供されてもよい。例えば、既存のセンサまたはアクチュエータの筐体に対して、一部を交換/取付けするだけで本実施例が適用されるようにしてもよい。図8、図16乃至図18に例示したセンサ30の筐体31の給電用のコネクタ33として提供されてもよい。即ち、従前の有線の給電コネクタ33と交換して用いられる無線の給電コネクタ33として提供されてもよい。
 受電装置20は、給電対象のデバイス30と、さらに他の追加部品(図1(A)の符号40、50/図15の符号80参照)とを含むシステム1として提供されてもよい。
 さらに、受電装置20は、給電対象のデバイス30と、さらに他の追加部品(図1(A)の符号40、50/図15の符号80参照)とを含むシステム1を内蔵した機械100として提供されてもよい。
 受電装置20は、さらに、実施態様に応じて、アンテナの受電状況を調整可能にしてもよい。例えば、図8に例示したダイポール・アンテナ21の突出長さや、図18に例示したモノポール・アンテナ230の突出長さを変更可能にしてもよい。図8に例示したダイポール・アンテナ21や、図18に例示したモノポール・アンテナ230や、線状のチップ・アンテナ等は、着脱自在、分割自在、伸縮自在または折畳自在に構成されてもよい。
 また、例えば、図25に例示したアクチュエータ300では、基板360、370上のボルト361、362、371、372は、電流を流すように機能するが、その位置を調整可能にしてもよい。例えば、基板360、370上に穿設した孔内にボルト361、362、371、372が螺合されるが、その高さは、螺合状態を調整することで変化させることができる。受電状況に応じて、最適な電流値が得られるように、ボルト361、362、371、372の突出高さを調整してもよい。
 さらに、図25に例示したアクチュエータ300では、筐体310上に穿設したスロット330、340の深さ、長さ、幅及び/または給電位置を調整可能にしてもよい。例えば、筐体310上に凹状に設けたスロット330、340は、その中に適当な部材を嵌合させることで、スロット330、340の深さ、長さ、幅等を変化させることができる。受電状況に応じて、最適な給電位置が得られるように、スロット330、340の深さ、長さ、幅等を調整してもよい。
 さらに、図25に例示したアクチュエータ300では、基板360、370上に受電ICを載せて、アンテナの受電状況を調整可能にしてもよい。ボルト361、362、371、372やスロット330、340の調整は、手動で行われてもよく、また、自動で行われるように構成してもよい。
 さらに、図25に例示したアクチュエータ300では、基板360、370上に整流器363、373を載せる場合、整流器363、373自体が負のインピーダンスを有し得る。インピーダンス不整合を回避するため、受電ICは、プラスの給電位置を探索できるように構成されてもよい。受電ICは、受電状況に応じた給電位置を決定することで、インピーダンスマッチング回路を用いることなく、インピーダンス不整合を回避してもよい。
 さらに、本実施例では、受電システム1または受電装置20は、アンテナの受電状況を調整するための上述した内容の制御を可能にするためにCPU(処理装置またはプロセッサ)とメモリ(記憶装置)とを備えることができる。
 CPUは、一般にソフトウエア(プログラム)を実行する装置として定義される。例えば、CPUは、ノイマン型のCPUである。CPUは、全体を制御する制御装置、演算装置、データを一時記憶するレジスタ、メモリとのインタフェース、周辺機器との入出力装置とのインタフェースなどを含むことができる。
 メモリは、データを格納することができる装置として定義される。例えば、メモリは、CPUが直接アクセスできる一次記憶装置または入出力チャネル等を使ってアクセスされる二次記憶装置である。例えば、メモリは、任意のメディア、固定ディスク、揮発性または不揮発性ランダムアクセスメモリ、CD、DVD、フラッシュドライブ、対応するインターフェース(例えば、USBポート)に取り付けられるリムーバブルメディア(例えば、親指大の小型メモリ)または同様物を用いることができる。
 さらに、本実施例では、上記受電システム1または受電装置20に対して、アンテナの受電状況を制御するためのコンピュータ・プログラム製品として提供されてもよい。
 コンピュータ・プログラム製品は、プログラムまたは機能若しくはファンクションまたはルーチンまたは実行可能オブジェクトとして実装されてもよい。
 従って、上記制御を行うためのコンピュータ・プログラム製品に関する。
 コンピュータ・プログラム手段等のコンピュータ・プログラム製品は、メモリ・カード、USBスティック、CD-ROM、DVD、またはネットワーク内のサーバからダウンロード可能なファイルとして実装できる。例えば、このようなファイルは、無線通信ネットワークから、コンピュータ・プログラム製品を含むファイルを転送することで提供されてもよい。
 当業者であれば、本特許請求の範囲から逸脱することなく、上記実施形態に対して様々な応用や修正を行うことができるであろう。
 例えば、受電装置20または受電システム1の部位(構成要素)の各々は、その操作に必要な他の構成要素を含むことができ、さらに、本明細書に記載されたもの以外の機能を提供するために、追加の構成要素を含み得る。
 従って、本特許請求の範囲は、本明細書に具体的に記載されている仕方とは異なるように実施可能なことを理解されたい。
 以 上記載の実施例は少なくとも以下の構成を開示している。
(1)
 センサまたはアクチュエータであるデバイスの本体を構成する筐体であって、
 前記筐体は、無線での給電用に主に電界または磁界を発生する受電装置を取付け、
 前記受電装置は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも1つであり、
 前記筐体は3次元空間内に大きさを有し、前記受電装置を設けたことによる前記筐体の前記3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向に限定した。
 例えば、受電装置を設けたことによる筐体の3次元空間内の大きさの拡張を実質的に1軸方向に限定する(ダイポール・アンテナ、モノポール・アンテナ、線状チップ・アンテナ及び逆Fアンテナの場合)、または、受電装置を設けたことによる筐体の3次元空間内の大きさの拡張を実質的になくす(スロット・アンテナ及び面状チップ・アンテナの場合)。後者の場合、筐体に切込みスロットを入れただけで受電できるので、アンテナレス・ワイヤレス給電デバイスを構成できる。
 好ましくは、受電装置を設けることによって筐体の大きさを一方向で拡大させたとしても、その突出の割合を抑える。例えば、筐体のその方向の大きさの2倍以下、または1.5倍以下等にする。アンテナを着脱自在、分割自在、伸縮自在または折畳自在に構成することも可能である。従って、本提案の無線のデバイス30、300は、取付けスペースの拡張を回避して、従前の有線で給電されるデバイスとほぼ同様に用いることができる。
(2)
 前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、主に電界を発生するダイポール・アンテナとを有し、
 前記スロット・アンテナと前記ダイポール・アンテナは、互いに実質的に同一方向に整列し、
 前記スロット・アンテナと前記ダイポール・アンテナは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する(図8、図9参照)。
(3)
 前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、主に電界を発生するモノポール・アンテナとを有し、
 前記スロット・アンテナと、前記モノポール・アンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、
 前記スロット・アンテナと、前記モノポール・アンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する(図17、図18参照)。
(4)
 前記受電装置は、主に磁界を発生する第1のスロット・アンテナと、主に磁界を発生する第2のスロット・アンテナとを有し、
 前記第1のスロット・アンテナと前記第2のスロット・アンテナは、互いに実質的に交差方向に整列し、
 前記第1のスロット・アンテナと前記第2のスロット・アンテナは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する(図21、図22参照)。
(5)
 前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、主に電界を発生する逆Fアンテナとを有し、
 前記スロット・アンテナと、前記逆Fアンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、
 前記スロット・アンテナと、前記逆Fアンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する(図8、図31、図21、図33参照)。
(6)
 前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、チップ・アンテナとを有し、
 前記スロット・アンテナと、前記チップ・アンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、
 前記スロット・アンテナと、前記チップ・アンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する(図25参照)。
(7)
 前記受電装置は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも2つのアンテナを有し、前記アンテナがそれぞれ互いに実質的に異なる放射または受電パターンを有するようにした。
 特に、2つのアンテナ21、22は、それぞれのアンテナの指向性を相違させ、双方の指向性の弱まる領域を補完し合うように構成される。
(8)
 前記受電装置は、スロット・アンテナであり、
 前記受電装置を設けたことによる前記筐体の前記3次元空間内の大きさの拡張を実質的になくした。
 特に、筐体にスロット・アンテナを設ける際、筐体の壁を厚さ方向に貫通するように、筐体の長軸方向に沿って穿設する(図17、図21、図25参照)。
(9)
 前記筐体は、有線での給電用に配線を可能にする金属製のコネクタを有することができ(図8、図2の符号33を参照)、前記コネクタに前記受電装置を取付けた。
 このため、筐体の一部(図8、図2符号33参照)の交換のみによって、無線での給電を可能にして、既存の筐体を最大限に利用可能にする。
(10)
 前記筐体は、整流器と一体型のチップ・アンテナを備えた(図25、図26参照)。
(11)
 前記筐体は、前記スロット・アンテナと、その中に電流を流すボルトとを備えた(図25、図26参照)。
(12)
 センサまたはアクチュエータであるデバイスであって、
 上記のデバイス用の筐体を有し、
マイクロ波方式に基づいてワイヤレス給電を行う。
(13)
 センサまたはアクチュエータであるデバイスと、前記デバイスの出力を受け取るフィルタと、を含むシステムであって、
 前記デバイスは、上記のデバイス用の筐体を有し、
 前記フィルタは、前記センサまたはアクチュエータの既存の動作方式と比べて、5分の1程度の動費電力での動作を可能にした。
 デバイスは、既存の動作方式と比べて、1分の1以下から5分の1程度までの間での電力での動作を可能にしてもよい。
 デバイスは、ワイヤレス給電で駆動可能にするとともに、そのデータ伝送についてもワイヤレス化を可能にして、デバイスの完全ワイヤレス化を達成してもよい。
 1    システム
 10   送電装置
 20   受電装置
 21   ダイポール・アンテナ
 22   スロット・アンテナ
 30   デバイス(センサ)
 31   筐体
 33   コネクタ
 210  ダイポール・アンテナ
 220  スロット・アンテナ
 230  モノポール・アンテナ
 300  デバイス(アクチュエータ)
 310  筐体
 330  スロット・アンテナ
 340  スロット・アンテナ
 363  整流器(チップアンテナ一体型)
 373  整流器(チップアンテナ一体型)
 400  逆Fアンテナ
 700  逆Fアンテナ

Claims (13)

  1.  センサまたはアクチュエータであるデバイスの本体を構成する筐体であって、
     前記筐体は、無線での給電用に主に電界または磁界を発生する受電装置を取付け、
     前記受電装置は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも1つであり、
     前記筐体は3次元空間内に大きさを有し、前記受電装置を設けたことによる前記筐体の前記3次元空間内の大きさの拡張を最大で実質的に1軸方向に限定した、
    デバイス用の筐体。
  2.  前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、主に電界を発生するダイポール・アンテナとを有し、
     前記スロット・アンテナと前記ダイポール・アンテナは、互いに実質的に同一方向に整列し、
     前記スロット・アンテナと前記ダイポール・アンテナは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する、
    請求項1に記載のデバイス用の筐体。
  3.  前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、主に電界を発生するモノポール・アンテナとを有し、
     前記スロット・アンテナと、前記モノポール・アンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、
     前記スロット・アンテナと、前記モノポール・アンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する、
    請求項1に記載のデバイス用の筐体。
  4.  前記受電装置は、主に磁界を発生する第1のスロット・アンテナと、主に磁界を発生する第2のスロット・アンテナとを有し、
     前記第1のスロット・アンテナと前記第2のスロット・アンテナは、互いに実質的に交差方向に整列し、
     前記第1のスロット・アンテナと前記第2のスロット・アンテナは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する、
    請求項1に記載のデバイス用の筐体。
  5.  前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、主に電界を発生する逆Fアンテナとを有し、
     前記スロット・アンテナと、前記逆Fアンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、
     前記スロット・アンテナと、前記逆Fアンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する、
    請求項1に記載のデバイス用の筐体。
  6.  前記受電装置は、主に磁界を発生するスロット・アンテナと、チップ・アンテナとを有し、
     前記スロット・アンテナと、前記チップ・アンテナとは、互いに実質的に同一方向に整列し、
     前記スロット・アンテナと、前記チップ・アンテナとは、互いに実質的に直交した放射または受電パターンを有する全方位無指向性アンテナを構成する、
    請求項1に記載のデバイス用の筐体。
     
  7.  前記受電装置は、ダイポール・アンテナ、スロット・アンテナ、モノポール・アンテナ、チップ・アンテナ及び逆Fアンテナのうちの少なくとも2つのアンテナを有し、前記アンテナがそれぞれ互いに実質的に異なる放射または受電パターンを有するようにした、請求項1に記載のデバイス用の筐体。
  8.  前記受電装置は、スロット・アンテナであり、
     前記受電装置を設けたことによる前記筐体の前記3次元空間内の大きさの拡張を実質的になくした、
    請求項1に記載のデバイス用の筐体。
  9.  前記筐体は、有線での給電用に配線を可能にする金属製のコネクタを有することができ、前記コネクタに前記受電装置を取付けた、請求項1~7のいずれか1項に記載のデバイス用の筐体。
  10.  前記筐体は、整流器と一体型のチップ・アンテナを備えた、請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイス用の筐体。
  11.  前記筐体は、前記スロット・アンテナと、その中に電流を流すボルトとを備えた、請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス用の筐体。
  12.  センサまたはアクチュエータであるデバイスであって、
     請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス用の筐体を有し、
    マイクロ波方式に基づいてワイヤレス給電を行う、デバイス。
  13.  センサまたはアクチュエータであるデバイスと、前記デバイスの出力を受け取るフィルタと、を含むシステムであって、
     前記デバイスは、請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス用の筐体を有し、
     前記フィルタは、前記センサまたはアクチュエータの既存の動作方式と比べて、5分の1程度の動費電力での動作を可能にした、システム。
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